JP2015044599A - メモプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着剤テープ上に付着させた粘着剤の糊切れの発生を抑制する。
【解決手段】弱粘着性を有する粘着剤が付着された粘着剤付着領域部54aと、粘着剤が付着されていない基材領域部54bとが交互に繰り返して形成された粘着剤テープ54をカセットケース51内に収容し、この粘着剤テープ54をカセットケース51の先端開口部51bから露出させた転写ローラ55に巻き付けて構成した粘着剤転写具50を用いて付箋紙などの印刷物を作成する際に、制御手段90は、用紙Pの前端部Ps又は粘着剤テープ54上の一つ以上の粘着剤付着領域部54aの最先端位置から押圧力切り換え位置54nまでの間で転写ローラ55に第1の押圧力N1を印加し、押圧力切り換え位置から用紙Pの後端部Peまでの間で転写ローラ55に第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2を印加するように押圧力切り換え手段80を制御するメモプリンタ10である。
【選択図】図7
【解決手段】弱粘着性を有する粘着剤が付着された粘着剤付着領域部54aと、粘着剤が付着されていない基材領域部54bとが交互に繰り返して形成された粘着剤テープ54をカセットケース51内に収容し、この粘着剤テープ54をカセットケース51の先端開口部51bから露出させた転写ローラ55に巻き付けて構成した粘着剤転写具50を用いて付箋紙などの印刷物を作成する際に、制御手段90は、用紙Pの前端部Ps又は粘着剤テープ54上の一つ以上の粘着剤付着領域部54aの最先端位置から押圧力切り換え位置54nまでの間で転写ローラ55に第1の押圧力N1を印加し、押圧力切り換え位置から用紙Pの後端部Peまでの間で転写ローラ55に第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2を印加するように押圧力切り換え手段80を制御するメモプリンタ10である。
【選択図】図7
Description
本発明は、ロール状に巻回した用紙にメモなどの情報を印刷手段により印刷した後に、印刷済みの用紙に剥離可能な粘着剤を粘着剤転写具の転写ローラにより転写し且つ粘着剤を転写した用紙を切断手段により所望の長さに切断して、付箋紙などの印刷物を作成できるメモプリンタに関する。
一般的に、メモプリンタは、小型軽量で消費電力が小さく、メモとして残しておきたい情報などを印刷して、付箋紙などの形態で印刷物を作成するのに適している。
この種のメモプリンタを用いて、ロール状に巻回した用紙にメモなどの情報を印刷手段により印刷した後に、印刷済みの用紙に粘着剤(例えば、糊)を粘着剤転写具の転写ローラにより転写する際に、粘着剤(例えば、糊)への糊切れ性能や止着箇所の仕上がりを良好なものとし得る粘着製品及び転写具がある(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された粘着製品では、ここでの図示を省略するが、帯状の基材(ベースフィルム)の表面上に粘着剤が間欠的に塗布されている。ここでは、粘着剤の塗布例として、直径1.5mmのドット形状や、又は、1辺が1.3mの格子形状や、もしくは、幅が3mmで0.2mm間隔の横スジ形状などいくつかの粘着剤層のパターンが開示されている。
一方、上記特許文献2に開示された転写具は、粘着剤を間欠的に塗布した感圧転写テープをカートリッジ内で巻き出しスプールと巻き取りスプールとに巻回させ、且つ、巻き出しスプールから引き出された感圧転写テープをカートリッジの先端開口部から露出させた転写ローラに巻き付けながら巻き取りスプールに巻き取られるように構成されている。
そして、転写具により感圧転写テープの粘着剤層を被転写物上に転写したときに、感圧転写テープ上では粘着剤が間欠的に塗布されていることにより、粘着剤層を紙類或いは他の部材上で所望の箇所に転写させる際に、粘着剤層に付着した粘着剤の糊切れ性能を向上させることができる旨が記載されている。
ここで、上記した粘着剤の糊切れ性能とは、感圧転写テープの粘着剤層を被転写物上に転写し、感圧転写テープを被転写物上に転写した粘着剤層から剥離する際、粘着剤の粘着力により粘着剤層が破断せず、感圧転写テープの粘着剤層と被転写物との間で粘着剤が糸を引いたように伸び、この伸びた部分が感圧転写テープ側又は被転写物側で団子状になる現象を言う。
そして、感圧転写テープ側で団子状が発生した場合には、次の転写時に団子状になった部分が被転写物上に転写されてしまう問題があり、一方、被転写物側で団子状が発生した場合には、被転写物が汚れ易くなるなどの問題がある。
ところで、特許文献1に開示された粘着製品及び転写具をメモプリンタに適用して付箋紙などの印刷物を作成する場合に、前述したように、感圧転写テープ上で粘着剤が間欠的に塗布されていることにより、粘着剤層を付箋紙上で所望の箇所に転写させる際に糊切れ性能を向上させることができる。
ところで、特許文献1に開示された粘着製品における幅が3mmで0.2mm間隔の横スジ形状の粘着剤層による技術的思想を踏まえた上で、この横スジ形状の粘着剤層を一部変更して、帯状のベースフィルム上に粘着剤(糊)が付着している部位と粘着剤(糊)が付着していない部位とをベースフィルムの搬送方向(長手方向)に沿ってそれぞれ間隔を広げて交互に形成した粘着剤テープをメモプリンタに適用したいとの要求があり、この要求に対して、被転写物上で糊切れが発生せず、且つ、被転写物上で粘着剤(糊)が付着している部位から転写時の頭出しができるメモプリンタが望まれている。
そこで、上記した粘着剤テープに対する要求を満たした上で、印刷済みの用紙上に粘着剤テープに付着させた粘着剤を粘着剤転写具の転写ローラにより良好に転写できるメモプリンタを提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、一方の面側に粘着剤が付着された粘着剤テープを収容し、前記粘着剤テープの他方の面側から押圧する転写ローラを備えた粘着剤転写具と、
前記転写ローラと対向する位置に回転自在に設けられ、前記転写ローラに押圧力を印加しながら、該転写ローラとの間で印刷手段により印刷された用紙及び前記粘着剤テープを挟持搬送するプラテンローラと、を備えたメモプリンタであって、
印刷時に設定される前記用紙の搬送方向の前端部及び後端部の各位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、
前記粘着剤が付着された粘着剤付着領域部と、前記粘着剤が付着されていない基材領域部とが、前記一方の面上でテープの搬送方向に沿って交互に繰り返して形成された前記粘着剤テープを用いた際に、前記粘着剤付着領域部及び前記基材領域部のパターン位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
前記プラテンローラの前記転写ローラへの前記押圧力を、第1の押圧力と、該第1の押圧力よりも弱い第2の押圧力とに選択的に切り換える押圧力切り換え手段と、
前記用紙への前記粘着剤の転写時に、前記第1,第2の位置情報取得手段からの各位置情報に基づいて前記粘着剤テープの前記基材領域部が前記用紙の後端部を含んで配置されるように該用紙の前端部側に対して前記プラテンローラの前記転写ローラへの押圧開始タイミングを制御し、且つ、前記用紙の後端部を含んで配置される前記基材領域部の直前の前記粘着剤付着領域部中に押圧力切り換え位置を設定した上で、前記押圧開始タイミングで前記転写ローラに前記第1の押圧力を印加し、前記押圧力切り換え位置から前記第2の押圧力に切り換えるように前記押圧力切り換え手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするメモプリンタである。
前記転写ローラと対向する位置に回転自在に設けられ、前記転写ローラに押圧力を印加しながら、該転写ローラとの間で印刷手段により印刷された用紙及び前記粘着剤テープを挟持搬送するプラテンローラと、を備えたメモプリンタであって、
印刷時に設定される前記用紙の搬送方向の前端部及び後端部の各位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、
前記粘着剤が付着された粘着剤付着領域部と、前記粘着剤が付着されていない基材領域部とが、前記一方の面上でテープの搬送方向に沿って交互に繰り返して形成された前記粘着剤テープを用いた際に、前記粘着剤付着領域部及び前記基材領域部のパターン位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
前記プラテンローラの前記転写ローラへの前記押圧力を、第1の押圧力と、該第1の押圧力よりも弱い第2の押圧力とに選択的に切り換える押圧力切り換え手段と、
前記用紙への前記粘着剤の転写時に、前記第1,第2の位置情報取得手段からの各位置情報に基づいて前記粘着剤テープの前記基材領域部が前記用紙の後端部を含んで配置されるように該用紙の前端部側に対して前記プラテンローラの前記転写ローラへの押圧開始タイミングを制御し、且つ、前記用紙の後端部を含んで配置される前記基材領域部の直前の前記粘着剤付着領域部中に押圧力切り換え位置を設定した上で、前記押圧開始タイミングで前記転写ローラに前記第1の押圧力を印加し、前記押圧力切り換え位置から前記第2の押圧力に切り換えるように前記押圧力切り換え手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするメモプリンタである。
請求項1記載のメモプリンタによると、粘着剤(糊)が付着された粘着剤付着領域部(糊付着領域部)と、粘着剤が付着されていない基材領域部とがテープの搬送方向に沿って交互に繰り返して形成された粘着剤テープ(テープ糊)を用いた際に、用紙の搬送方向の前端部及び後端部の各位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、
粘着剤テープ上の粘着剤付着領域部及び基材領域部のパターン位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
プラテンローラの転写ローラへの押圧力を、第1の押圧力と、該第1の押圧力よりも弱い第2の押圧力とに選択的に切り換える押圧力切り換え手段と、
用紙への粘着剤の転写時に、第1,第2の位置情報取得手段からの各位置情報に基づいて粘着剤テープの基材領域部が用紙の後端部を含んで配置されるようにこの用紙の前端部側に対してプラテンローラの転写ローラへの押圧開始タイミングを制御し、且つ、用紙の後端部を含んで配置される基材領域部の直前の粘着剤付着領域部中に押圧力切り換え位置を設定した上で、押圧開始タイミングで転写ローラに第1の押圧力を印加し、押圧力切り換え位置から第2の押圧力に切り換えるように押圧力切り換え手段を制御する制御手段と、を備えている。
粘着剤テープ上の粘着剤付着領域部及び基材領域部のパターン位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
プラテンローラの転写ローラへの押圧力を、第1の押圧力と、該第1の押圧力よりも弱い第2の押圧力とに選択的に切り換える押圧力切り換え手段と、
用紙への粘着剤の転写時に、第1,第2の位置情報取得手段からの各位置情報に基づいて粘着剤テープの基材領域部が用紙の後端部を含んで配置されるようにこの用紙の前端部側に対してプラテンローラの転写ローラへの押圧開始タイミングを制御し、且つ、用紙の後端部を含んで配置される基材領域部の直前の粘着剤付着領域部中に押圧力切り換え位置を設定した上で、押圧開始タイミングで転写ローラに第1の押圧力を印加し、押圧力切り換え位置から第2の押圧力に切り換えるように押圧力切り換え手段を制御する制御手段と、を備えている。
この結果、転写ローラにより強い第1の押圧力を印加されている粘着剤テープ上の一つ以上の粘着剤付着領域部では粘着剤テープを巻取リール側に送ることができ、且つ、用紙を下流側に搬送できる。
一方、押圧力切り換え位置で転写ローラへの押圧力を第1の押圧力からこれよりも弱い第2の押圧力に切り換えて、一つ以上の粘着剤付着領域部の最終端位置が転写ローラに至ると、用紙の後端部の近傍に配置した粘着剤テープ上の基材領域部が現れるために、ここで転写ローラの回転が停止する。これにより、粘着剤テープが巻取リールに送られないが、用紙の後端部を含んで配置される基材領域部の直前の粘着剤付着領域部の最終端位置の近傍で粘着剤が糸を引くことなく転写が終了するので糊切れを抑制できる。
また、粘着剤テープを用いて用紙上に粘着剤を転写するときに、センサを用いることなく、制御手段により用紙への粘着剤転写開始タイミングを設定できるので、粘着剤テープを次回使用する際にも、用紙の前端部側(頭出し位置)から粘着剤付着領域部を第1の押圧力で印加できるために、用紙上で粘着剤(糊)が付着している部位から転写時の頭出しができる。
以下に本発明に係るメモプリンタの一実施例について、図1〜図8を参照して詳細に説明する。
本発明に係るメモプリンタは、ロール状に巻回した用紙にメモなどの情報を印刷手段により印刷した後に、印刷済みの用紙に剥離可能な粘着剤(糊)を粘着剤転写具(テープ糊カセット)の転写ローラにより転写し且つ粘着剤(糊)を転写した用紙を切断手段により所望の長さに切断して、付箋紙などの印刷物を作成するにあたって、帯状の基材(ベースフィルム)の一方の面上に弱粘着性を有する粘着剤(糊)が付着している粘着剤付着領域部と、粘着剤(糊)が付着していない基材領域部とを基材の搬送方向(長手方向)に沿ってそれぞれ間隔を広げて交互に形成した粘着剤テープを適用している。
上記した本発明に係るメモプリンタを説明する前に、このメモプリンタに適用される粘着剤転写具について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は本発明に係るメモプリンタに適用される粘着剤転写具の構成を示している。また、図2は図1に示した粘着剤テープの第1転写パターンを示している。更に、図3は図1に示した粘着剤テープの第2転写パターンを示している。
図1に示す如く、本発明に係るメモプリンタ10(図4)に適用される粘着剤転写具50は、略透明な樹脂材を用いてカセットケース51がメモプリンタ10に対して着脱可能で、且つ、ユーザの人手で把持して使用できるように略卵形状に形成されている。
また、カセットケース51内に回転自在に設けた供給リール52と巻取リール53とに粘着剤テープ54が巻回して収容されている。
また、カセットケース51の長手方向の先端部51aには先端開口部51bが開口されて、この先端開口部51bから転写ローラ55が外部に向かって露出している。
また、カセットケース51の下方には被係合部51cが長手方向に沿って形成されており、この被係合部51cは、後述する図4に示したメモプリンタ10の筐体20の外面20aに形成した転写具係合部20bに着脱自在に係合されるようになっている。
そして、カセットケース51内の供給リール52と巻取リール53との間に巻回した粘着剤テープ54が転写ローラ55に巻き付けられている。
この際、供給リール52と同軸上で不図示の摩擦板を介して回転する大径ギア52aと、巻取リール53と同軸上で不図示の逆転防止板を介して回転する小径ギア53aとを噛合させているので、転写ローラ55に巻き付いたテープ糊54を被転写物となる後述の用紙P(図4)に押し当てながら転写ローラ55を回転させる動作に伴って、供給リール52から不図示の摩擦板によりバックテンションをかけられて引き出されたテープ糊54が転写ローラ55を経由してこのテープ糊54の長手方向に沿って搬送されて巻取リール53に巻き取られるようになっている。
ここで、上記した粘着剤テープ54は、図2(a),(b)に示したように第1転写パターンを採用した粘着剤テープ54−1、及び/又は、図3(a),(b)に示したように第2転写パターンを採用した粘着剤テープ54−2をメモプリンタ10に適用している。
図2,図3に示した粘着剤テープ54−1,54−2の第1,第2転写パターンに対して共通点について説明すると、粘着剤テープ54−1,54−2では、テープ幅Wが狭く帯状のベースフィルムの一方の面側に、接着能力が比較的弱く何回も剥離できる弱粘着性を有する粘着剤が付着された粘着剤付着領域部54aと、粘着剤が付着されていない基材領域部54bとがベースフィルムの搬送方向(長手方向)に沿って交互に繰り返して形成されていると共に、ベースフィルムの他方の面側は基材そのものが露出している。
また、粘着剤テープ54−1,54−2を用紙P上に転写するときに、用紙Pの搬送方向の前端部Psと、この前端部Psとは反対側の後端部Peとの間に設定される所望の長さL内に、粘着剤テープ54−1,54−2の粘着剤付着領域部54aが一つ以上配置されていると共に、後述するように一つ以上の粘着剤付着領域部54aの最終端位置近傍に生じる糊切れを抑制するために一つ以上の粘着剤付着領域部54aの最終端位置54e(図7,図8)と用紙Pの後端部Peとの間に基材領域部54bが必ず配置されており、且つ、用紙Pの前端部Ps側は粘着剤付着領域部54a又は基材領域部54bから転写動作を開始するように配置されている。
一方、粘着剤テープ54−1,54−2に対して異なる点を説明すると、まず、粘着剤テープ54−1では、図2(a),(b)に示す如く、用紙P上に第1転写パターンを転写するときに、この第1転写パターンは用紙Pの搬送方向の所望の長さL内に粘着剤付着領域部54aと、基材領域部54bとがテープの搬送方向(長手方向)に沿って交互に複数回繰り返すように配置されている。この際、粘着剤付着領域部54aの長さをL1、基材領域部54bの長さをL2、L1≧L2とし、且つ、繰り返し数N(但し、Nは2以上の自然数)とすると、L≧N×(L1+L2)が成立する。
次に、粘着剤テープ54−2では、図3(a),(b)に示す如く、用紙P上に第2転写パターンを転写するときに、この第2転写パターンは用紙Pの搬送方向の所望の長さL内に一つの粘着剤付着領域部54aと、一つ又は二つの基材領域部54bだけで、複数回の繰り返しがないように配置されている。この際、粘着剤付着領域部54aの長さをL3、基材領域部54bの長さをL4、L3>L4としたときに、L≧L3+L4が成立する。
また、上記した粘着剤テープ54−1,54−2の第1,第2転写パターンにおける粘着剤付着領域部54aの長さL1,L3及び基材領域部54bの長さL2,L4は、後述するメモプリンタ10(図4)内に設けた制御部90のRAM90cに格納されている。
尚、図2,図3に示した粘着剤テープ54−1,54−2の第1,第2転写パターンは、先に特許文献1で説明した幅が3mmで0.2mm間隔の横スジ形状の粘着剤層パターンに対して、粘着剤付着領域部54aの長さL1,L3及び基材領域部54bの長さL2,L4がそれぞれ大幅に長く形成されているので、後述するように、メモプリンタ10(図4)内で粘着剤付着領域部54a及び基材領域部54bに対して転写ローラ55への押圧力切り換え制御が可能となっている。
そして、上記した粘着剤転写具50おいて、粘着剤テープ54に付着させる粘着剤は、弱粘着性を有する材料であればいかなる材料でも良いが、ここでは粘着剤として糊を付着させたテープ糊を用いており、このテープ糊を収容したテープ糊カセットが適用されている。これに伴って、以下に述べるメモプリンタ10(図4)において、粘着剤転写具50をテープ糊カセット、粘着剤テープ54をテープ糊、粘着剤テープ(テープ糊)54上に形成された粘着剤付着領域部54aを糊付着領域部とそれぞれ呼称して同一符番を付して説明する。
ここで、本発明に係るメモプリンタについて、図4を用いて説明する。
図4は本発明に係るメモプリンタの構成を示している。
図4に示す如く、本発明に係るメモプリンタ10は、小型軽量で消費電力が小さく、且つ、印刷情報やテープ糊情報などを入力するためのパソコンPCと接続可能になっている。
上記した本発明に係るメモプリンタ10では、ロール状に巻回した未印刷の用紙Pが筐体20内に形成したロール紙装填部20cに回転自在に装填されている。また、ロール紙装填部20cよりも用紙搬送方向の下流には、用紙Pにメモなどの情報を印刷する印刷手段30と、印刷済みの用紙Pを所望の長さL(図2,図3,図7,図8)に切断する切断手段40とがこの順に設置されている。
上記した印刷手段30は、ロール状の用紙Pとして感熱紙を適用した場合に、用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向に沿って長尺に形成されたサーマルヘッド31と、第1パルスモータ32に連結された不図示の第1減速ギア列を介して時計方向に回転すると共に用紙Pの幅方向に沿って長尺に形成された印刷用プラテンローラ(以下、第1プラテンローラと記す)33と、用紙Pの前端部に必要に応じて形成された頭出しマークM(図5)を検出する光反射型センサ34とからなる。
尚、通常、用紙Pへの頭出しは、用紙P上に印刷するときにパソコンPCからの印刷ジョブによって印刷開始基準位置が指定されるので、用紙Pの前端部に印刷開始基準位置を示す頭出しマークM(図5)を形成する必要がないが、頭出しマークM(図5)が予め形成された用紙Pを適用する場合に対応して光反射型センサ34が設置されている。
そして、ロール紙装填部20cに装填された未印刷の用紙(感熱紙)Pをサーマルヘッド31と第1プラテンローラ33との間で挟持しながらメモなどの情報を感熱印刷して用紙搬送方向の下流側に向かって搬送している。
この際、サーマルヘッド31は第1プラテンローラ33に対して不図示の接離手段を介して接離自在になっており、このサーマルヘッド31を第1プラテンローラ33から離間させたときに使用済みの用紙Pの交換が可能になっている。
尚、印刷手段30は、ロール状の用紙Pとして普通紙を適用した場合に、サーマルヘッド31に代えて不図示のインクジェットヘッドなどを用いて印刷することも可能である。
また、上記した切断手段40は、印刷手段30とテープ糊カセット50との間に設置されており、第2モータ41に連結された不図示の第2減速ギア列を介して移動する可動カッター42と、この可動カッター42と対向して固定設置された固定カッター43とからなる。
そして、一対のカッター42,43により用紙Pの搬送方向の前端部と、後端部との間で印刷ジョブによって設定される所望の長さL(図2,図3,図7,図8)に切断している。この際、用紙Pの切断は、用紙Pに印刷した後、又は、印刷済みの用紙Pに糊を転写するときと同じタイミング、又は、用紙Pに糊を転写した後のタイミングのいずれかに設定されている。
また、切断手段40よりも用紙搬送方向の下流側には、印刷済みの用紙Pに粘着剤(糊)を転写するための転写ローラ55を有するテープ糊カセット50と、後述する粘着剤転写用プラテンローラ(以下、第2プラテンローラと記す)75の転写ローラ55への接離動作に追従して移動し且つ用紙Pを介して第2プラテンローラ75を押圧しながらこの第2プラテンローラ75と協働して用紙Pを筐体20の外に排出するように搬送する用紙搬送手段となる用紙搬送ローラ60とが設置されている。
上記した粘着剤転写具50は、カセットケース51の下方に形成した被係合部51cが筐体20の外面20aに形成した転写具係合部20bに着脱自在に係合されて外部に露出した状態で設置されている。
ここでは、テープ糊カセット50の幅寸法が用紙Pの幅寸法に対して幅狭く形成され、且つ、カセットケース51の長さが長く形成されており、用紙Pの幅方向の一方の端部側(例えば右端部側)に設置されている。
そして、カセットケース51の先端部51aに形成した先端開口部51bから外部に露出した転写ローラ55にテープ糊54を巻き付けながらこの転写ローラ55が印刷手段30により印刷された印刷済みの用紙Pと対向してこの用紙Pに接触可能に設置されている。
また、上記した用紙搬送ローラ60は、用紙Pの幅方向に沿って転写ローラ55よりも図示手前側に設置されている。更に、用紙搬送ローラ60は、不図示のスライド部材及びバネを介して第2プラテンローラ75上の用紙Pの幅方向における転写ローラ55が接離する部位を除いた部位を常時圧接しているので、回転駆動される第2プラテンローラ75と用紙搬送ローラ60との間で用紙Pを挟持しながらこの用紙Pを用紙搬送方向の下流側に向かって搬送可能になっている。
また、筐体20内には、第2プラテンローラ(粘着剤転写用プラテンローラ)74を転写ローラ55に接離させる手段として、粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段70と押圧力切り換え手段80とが設置されている。
上記した粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段70では、長尺な揺動アーム71の一端側を軸支した支点軸72を揺動支点とし、且つ、一端側と反対の他端側に第3パルスモータ73に連結された不図示の第3減速ギア列を介して第2プラテンローラ(粘着剤転写用プラテンローラ)75が回転自在に取り付けられている。
この際、上記した第2プラテンローラ75は、用紙Pの幅方向に沿って長尺に形成されており、且つ、用紙Pを挟んでテープ糊カセット50の転写ローラ55と用紙搬送ローラ60とに対向している。
そして、第2プラテンローラ75を介して転写ローラ55に押圧力を印加したときに、転写ローラ55と第2プラテンローラ75との間で用紙P及びテープ糊54(54-1,54-2)を挟持搬送することができるようになっている。
また、揺動アーム71は、このアーム71と不図示の固定部との間に圧縮バネ76が掛止された状態で押圧力切り換え手段80の駆動により揺動可能になっている。
上記した押圧力切り換え手段80では、第4パルスモータ81に連結された不図示の第4減速ギア列を介して回転軸83と一体に回転する偏心カム84が揺動アーム71に当接している。そして、揺動アーム71は、偏心カム84の回転により支点軸72を中心にして時計方向又は反時計方向に揺動自在に支持されている。
この際、偏心カム84は、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を強い第1の押圧力に設定する大径部84aと、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を第1の押圧力よりも弱い第2の押圧力に設定する中径部84bと、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を印加しない小径部84cとを有している。
そして、偏心カム84が回転軸83を中心にして回転する動作に伴って、大径部84a,中径部84b,小径部84cが揺動アーム71にそれぞれ当接したときに、揺動アーム71の揺動位置が可変されるようになっているが、偏心カム84の動作については後述する。
尚、押圧力切り換え手段80において、揺動アーム71を揺動させて第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を切り換える機構として回転自在な偏心カム84を用いたが、偏心カム84に代えて回転軸83を中心にして回転する不図示の偏心ピンを用いても良い。
更に、メモプリンタ10を全体的に制御する制御部90が、筐体20内の適宜な場所に設置されている。
また、制御部90は、外部のパソコンPCに接続されており、パソコンPCから用紙Pを印刷するときの印刷情報として印刷される用紙Pの前端部Ps及び後端部Peの各位置情報(又は、用紙Pの長さ情報)やメモ情報とか、テープ糊54(54−1,54−2)の転写パターン情報などが送られている。
上記した制御部90は、この内部にCPU90aと、ROM90bと、RAM90cと、カウンタ90dとを有している。
そして、制御部90内のCPU90aは、印刷手段30と、切断手段40と、粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段70と、押圧力切り換え手段80とをそれぞれ制御している。
また、制御部90内のROM90bは、メモプリンタ10の動作プログラムなどを格納している。
また、制御部90内のRAM90cは、メモプリンタ10内で変更可能な各種の情報をパソコンPCを介して一時的に記憶している。この際、変更可能な各種の情報として、用紙Pへの印刷情報や、先に図2,図3を用いて説明したテープ糊54-1,54-2の第1,第2転写パターン情報や、用紙Pの前端部Ps及び後端部Peの各位置情報(又は、用紙Pの長さ情報)や、後述の図7,図8で説明するテープ糊54-1,54-2上での押圧力切り換え位置54nや、後述するように偏心カム84の中径部84bを検出するためのパルス情報などを記憶している。
また、制御部90内のカウンタ90dは、印刷手段30による用紙Pへの印刷時に、印刷を開始したときにパソコンPCにより指定された用紙Pの前端部Psを印刷開始基準位置として、この印刷開始基準位置を基準として第1パルスモータ32のパルスを計数している。
これにより、用紙Pの前端部Psが印刷開始基準位置から転写ローラ55に達するまでの間を計数でき、且つ、転写時に必要な位置情報を第1パルスモータ32のパルス数の計数により取得している。
上記から印刷時に設定される用紙Pの搬送方向の前端部Ps及び後端部Peの各位置情報を取得する第1の位置情報取得手段はパソコンPC(図4)である。また、テープ糊54-1,54-2の糊付着領域部54a及び基材領域部54bのパターン位置情報を取得する第2の位置情報取得手段は制御部90(図4)のRAM90cである。
そして、後述するように、制御部90は、用紙Pの前端部Ps側に対して第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧開始タイミングと、押圧力切り換えタイミングをCPU90aで算出して各タイミング時にそれぞれ制御するようになっている。
ここで、上記のように構成した本発明に係るメモプリンタ10の動作において、図4に示す如く、ロール状の用紙Pに糊(粘着剤)を転写する場合に、まず、ロール状の用紙Pを印刷手段30内のサーマルヘッド31と、時計方向に回転している第1プラテンローラ33とで挟持搬送しながらサーマルヘッド31によりメモなどの情報を図5に示したように用紙Pの表面Pa上に印刷する。
この際、パソコンPCから指定された用紙Pの前端部Ps側の印刷開始タイミング、又は、用紙Pの前端部Psに必要に応じて形成された頭出しマークM(図5)を光反射型センサ34で検出したときのタイミングを基準にして、制御部90のRAM90c内に格納されたメモ情報を読み出して印刷している。
そして、印刷済みの用紙Pがテープ糊カセット50の転写ローラ55に到達する直前に、押圧力切り換え手段80の偏心カム84を回転させて、偏心カム84による第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を、先に図2,図3を用いて説明したテープ糊54−1,54−2の第1,第2転写パターンに応じて選択的に切り換えることにより、テープ糊54−1,54−2の第1,第2転写パターンの転写時に、一つ以上の糊付着領域部(粘着剤付着領域部)54aの最終端位置近傍で生じる糊切れを抑制しており、この理由について、先に説明した図2〜図4と、新たな図6〜図8とを用いて説明する。
図6は図4に示した偏心カムによる粘着剤転写用プラテンローラ(第2プラテンローラ)の転写ローラへの押圧力を切り換える第1〜第3態様を拡大して示している。また、図7は用紙の裏面上に粘着剤テープ(テープ糊)の第1転写パターンを転写するときに、一つ以上の粘着剤付着領域部(糊付着領域部)の最終端位置近傍で生じる糊切れを抑制する動作を示している。更に、図8は用紙の裏面上に粘着剤テープ(テープ糊)の第2転写パターンを転写するときに、一つの粘着剤付着領域部(糊付着領域部)の最終端位置近傍で生じる糊切れを抑制する動作を示している。
まず、図2,図3に示したテープ糊54-1,54-2上の糊付着領域部54aと用紙Pとの間の摩擦係数μ1は、テープ糊54-1,54-2上の基材領域部54bと用紙Pとの間の摩擦係数μ2よりも大(μ1>μ2)である。
また、テープ糊54-1,54-2を供給リール52から引き出すときに、この供給リール52と大径ギア52aとの間で同軸上に設けた不図示の摩擦板によるテープ糊54-1,54-2のバックテンションをTbとし、第2プラテンローラ75が用紙P及びテープ糊54-1,54-2上の糊付着領域部54aを介して転写ローラ55を押圧するときの強い第1の押圧力をN1とすると、テープ糊54-1,54-2が巻取リール53に巻き取られる条件1は、Tb<μ1×N1となり、このときに転写ローラ55は大きな摩擦係数μ1及び強い第1の押圧力N1により回転しながらテープ糊54-1,54-2を巻取リール53側に送ることができる。
一方、テープ糊54-1,54-2のバックテンションをTbとし、第2プラテンローラ75が用紙P及びテープ糊54-1,54-2上の基材領域部54bを介して転写ローラ55を押圧するときの弱い第2の押圧力をN2とすると、用紙Pは搬送するが、テープ糊54-1,54-2を巻取リール53に巻き取らない条件2は、Tb>μ2×N2となり、このときに転写ローラ55は摩擦係数μ1よりも小さい摩擦係数μ2及び第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2により回転を停止するので、テープ糊54-1,54-2を巻取リール53側に送ることができない。
そこで、制御部90を介して粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段70内で押圧力切り換え手段80の偏心カム84を回転させる態様は、図6に示すように3通りの第1〜第3態様がある。尚、図6(a)〜(c)中では、テープ糊54-1を用いた場合を図示している。
まず、図6(a)に示した偏心カム84の第1態様は、上記した条件1に基づいている。この偏心カム84の第1態様では、制御部90の指令により押圧力切り換え手段80内に設けた第4パルスモータ81を始動して、この第4パルスモータ81の回転を減速ギア列82で減速して回転軸83を回転させて、偏心カム84の大径部84aが粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段70内に設けた揺動アーム71に当接したら回転を止めると、揺動アーム71が一端側の支点軸72(図4)を中心にして時計方向に揺動する。
この際、偏心カム84の大径部84aの揺動アーム71への当接位置は、偏心カム84と一体的に回転軸83に取り付けた半円板状遮蔽板85の一端側切欠部を光透過型センサ86で検出しており、この検出結果を制御部90(図4)に知らせている。
そして、偏心カム84の大径部84aが揺動アーム71に当接したときに、揺動アーム71の揺動位置により圧縮バネ76の付勢力が最大になるので、第2プラテンローラ75が用紙P及びテープ糊54-1を介して転写ローラ55を強い第1の押圧力N1で押圧するために、転写ローラ55の回転に伴ってテープ糊54-1上の糊付着領域部54a及び基材領域部54bを巻取リール53側に送ることができると共に、用紙Pは転写ローラ55及び用紙搬送ローラ60によって糊を転写する場合の用紙搬送路PK1に沿って用紙搬送方向の下流側に搬送される。
次に、図6(b)に示した偏心カム84の第2態様は、上記した条件2に基づいている。
この偏心カム84の第2態様では、例えば、偏心カム84の大径部84aが揺動アーム71に当接したときの位置を基準位置に設定した場合に、この基準位置に対して偏心カム84を55°〜60°程度時計方向に回転させて、偏心カム84の中径部84bが揺動アーム71に当接したら回転を止めると、揺動アーム71が一端側の支点軸72(図4)を中心にして基準位置よりも反時計方向に少し揺動する。
尚、上記した基準位置は、偏心カム84の小径部84cが揺動アーム71に当接したときの位置を基準位置に設定しても良い。
この際、偏心カム84の中径部84bの揺動アーム71への当接位置は、光透過型センサ86が1個のために半円板状遮蔽板85では検出できない。そこで、偏心カム84の大径部84aが揺動アーム71に当接した基準位置と中径部84bとの間の間隔が予め設定した第4パルスモータ81のパルス数になるまで制御部90(図4)のカウンタ90dにより計数することで検出しているが、これに限ることなく、半円板状遮蔽板85及び光透過型センサ86を各2個設けることでも検出できる。
そして、偏心カム84の中径部84bが揺動アーム71に当接したときに、揺動アーム71の揺動位置により圧縮バネ76の付勢力が最大値よりも弱くなるので、第2プラテンローラ75が用紙P及びテープ糊54-1を介して転写ローラ55を第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2で押圧するために、転写ローラ55がテープ糊54-1上の基材領域部54bに至ったときに転写ローラ55の回転が止まるので、テープ糊54-1を巻取リール53側に送ることができないが、用紙Pは転写ローラ55及び用紙搬送ローラ60によって糊を転写する場合の用紙搬送路PK1に沿って用紙搬送方向の下流側に搬送される。
次に、図6(c)に示した偏心カム84の第3態様では、偏心カム84の大径部84aが揺動アーム71に当接した位置を基準位置に設定した場合に、この基準位置に対して偏心カム84を略180°程度時計方向に回転させて、偏心カム84の小径部84cが揺動アーム71に当接したら回転を止めると、揺動アーム71が一端側の支点軸72(図4)を中心にして基準位置よりも反時計方向に大幅に揺動するので、第2プラテンローラ75は転写ローラ55側から離間する。
この際、偏心カム84の小径部84cの揺動アーム71への当接位置は、偏心カム84と一体的に回転軸83に取り付けた半円板状遮蔽板85の一端側切欠部とは180°反対側に位置する他端側切欠部を光透過型センサ86で検出しており、この検出結果を制御部90(図4)に知らせている。
そして、偏心カム84の小径部84cが揺動アーム71に当接したときに、揺動アーム71の揺動位置により圧縮バネ76の付勢力が最小になるが、第2プラテンローラ75が転写ローラ55側から離間しているためにテープ糊54−1を巻取リール53側に送ることができないものの、用紙Pは第2プラテンローラ75と用紙搬送ローラ60とによって糊を転写しない場合の用紙搬送路PK2に沿って用紙搬送方向の下流側に搬送される。
従って、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への接離動作に追従して第2プラテンローラ75側に圧接する用紙搬送ローラ60は、印刷済みの用紙Pを転写ローラ55に接触させる第1の用紙経路(糊を転写する場合の用紙経路)PK1と、印刷済みの用紙Pを転写ローラ55から離間させる第2の用紙経路(糊を転写しない場合の用紙経路)PK2とに用紙経路を切り替える機能を有すると共に、第2プラテンローラ75と協働して用紙Pを搬送する機能を備えていることになる。
これにより、用紙P上にテープ糊54(54−1,54−2)に付着した糊を転写するときは勿論のこと、用紙上にテープ糊54(54−1,54−2)に付着した糊を転写しない場合でも用紙Pを下流側に確実に搬送することができると共に、切断した後の用紙Pも下流側に確実に搬送することができる。
ここで、図6(a),(b)に示した偏心カム84の第1,第2態様を利用して、図7,図8に示す如く、テープ糊54−1,54−2の第1,第2転写パターンの転写時に、一つ以上の糊付着領域部(粘着剤付着領域部)54aの最終端位置近傍で生じる糊切れを抑制する動作について説明する。
まず、図7に示す如く、印刷済みの用紙Pの裏面Pbの右端側にテープ糊54−1の第1転写パターンを転写する場合に、先に図2を用いて説明したと同様に、用紙Pの前端部Psと後端部Peとの間に設定される所望の長さL内にテープ糊54−1上の糊付着領域部54aと基材領域部54bとが用紙搬送方向に沿って交互に複数回繰り返して配置されるようにパソコンPC又は制御部90を介して指令される。
この際、テープ糊54−1上で用紙Pの前端部Ps側に一つ以上の糊付着領域部54aの最先端位置54sが設定され、且つ、用紙Pの搬送方向の後端部Pe側に一つ以上の糊付着領域部54aの最終端位置54eが設定されていると共に、この一つ以上の糊付着領域部54aの最終端位置54eと用紙Pの後端部Peとの間に必ず基材領域部54bが配置される。尚、用紙Pの前端部Psと、テープ糊54−1上の一つ以上の糊付着領域部54aの最先端位置54sとが一致する場合もあり得る。
更に、用紙Pの後端部Peを含んで配置される基材領域部54bの直前に位置する最終回目の糊付着領域部54a中に、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を切り換える押圧力切り換え位置54nが設定されるが、この押圧力切り換え位置54nは最終回目の糊付着領域部54a中であればいかなる位置でも良い。
上記から、制御部90(図4)は、用紙Pへの糊の転写時に、先に述べた第1,第2の位置情報取得手段からの各位置情報に基づいてテープ糊54−1の基材領域部54bが用紙Pの後端部Peを含んで配置されるように用紙Pの前端部Ps側に対して第2プラテンローラ75(図4)の転写ローラ55(図4)への押圧開始タイミングを制御し、且つ、用紙Pの後端部Peを含んで配置される基材領域部54bの直前の粘着剤付着領域部54a中に押圧力切り換え位置54nを設定した上で、上記した押圧開始タイミングで転写ローラ55に第1の押圧力N1を印加し、押圧力切り換え位置54nから第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2に切り換えるように押圧力切り換え手段80(図4,図6)を制御している。
即ち、用紙Pの前端部Ps又はテープ糊54−1上の一つ以上の糊付着領域部54aの最先端位置54sから最終回目の糊付着領域部54a中に設定した押圧力切り換え位置54nまでの区間において、制御部90は先に図6(a)を用いて説明したように偏心カム84に対して第1態様を取るように制御して、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を強い第1の押圧力N1にしている。
これにより、第2プラテンローラ75と転写ローラ55との間で用紙P及びテープ糊54−1を強い第1の押圧力N1で挟持搬送しているときに、テープ糊54−1を巻取リール53側に送ることができ、且つ、用紙Pを下流側に搬送できる。
一方、テープ糊54−1上の押圧力切り換え位置54nが転写ローラ55に至ったときに、制御部90は先に図6(b)を用いて説明したように偏心カム84に対して第2態様を取るように切り換え制御して、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2に切り換えている。
そして、第2プラテンローラ75と転写ローラ55との間で用紙P及びテープ糊54−1を弱い第2の押圧力N2で挟持搬送しながら最終回目の糊付着領域部54aの最終端位置54eが転写ローラ55に至ると、用紙Pの後端部Peの近傍に配置したテープ糊54−1上の基材領域部54bが現れるために、ここで先に図6(b)を用いて説明したように転写ローラ55の回転が停止する。
これにより、テープ糊54−1が巻取リール53に送られないが、用紙Pの後端部Peを含んで配置される基材領域部54bの直前の糊付着領域部54aの最終端位置54eの近傍で糊が糸を引くことなく転写が終了するので糊切れを抑制できる。
更に、テープ糊54−1を用いて用紙P上に糊を転写するときに、センサを用いることなく、制御部90により用紙Pへの糊転写開始タイミングを設定できるので、テープ糊54−1を次回使用する際にも、用紙Pの前端部Ps側(頭出し位置)から一つ以上の粘着剤付着領域部54aを第1の押圧力で印加できる。
上記のようにして刷済みの用紙Pの裏面Pb上にテープ糊54−1の第1転写パターンを転写して、用紙搬送方向に所望の長さLで切断して作成した付箋紙などの印刷物を不図示の被接着体上に貼り付け、その後、不要となった印刷物を被接着体から取り外したときに、テープ糊54−1の第1転写パターン上の糊は接着能力が比較的弱く何回も剥離できる弱粘着性を有しているために、印刷物上に転写した糊が被接着体上に取り残されないので、被接着体上に汚れが発生しない。これにより、使用勝手の良い付箋紙などの印刷物を作成できるメモプリンタ10を安価に提供できる。
次に、図8に示す如く、印刷済みの用紙Pの裏面Pbの右端側にテープ糊54−2の第2転写パターンを転写する場合に、先に図3を用いて説明したと同様に、用紙Pの前端部Psと後端部Peとの間に設定される所望の長さL内にテープ糊54−2上の糊付着領域部54aが一つと、一つ又は二つの基材領域部54bだけで、複数回の繰り返しがなく配置されるようにパソコンPC又は制御部90を介して指令される。
この際、テープ糊54−2上で用紙Pの搬送方向の前端部Ps側に一つの糊付着領域部54aの最先端位置54sが設定され、且つ、用紙Pの搬送方向の後端部Pe側に一つの糊付着領域部54aの最終端位置54eが設定されていると共に、この最終端位置54eと用紙Pの後端部Peとの間には必ず基材領域部54bが配置されている。尚、用紙Pの前端部Psと、テープ糊54−2上の一つの糊付着領域部54aの最先端位置54sとが一致する場合もあり得る。
更に、用紙Pの後端部Peを含んで配置される基材領域部54bの直前に位置する一つの糊付着領域部54a中に、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を切り換える押圧力切り換え位置54nが設定されているが、この押圧力切り換え位置54nは一つの糊付着領域部54a中であればいかなる位置でも良い。
上記から、制御部90(図4)は、図7で説明したと同様な手法によりに制御している。
そして、用紙Pの前端部Ps又はテープ糊54−2上の一つの糊付着領域部54aの最先端位置54sから一つの糊付着領域部54a中に設定した押圧力切り換え位置54nまでの区間において、制御部90は先に図6(a)を用いて説明したように偏心カム84に対して第1態様を取るように制御して、第2プラテンローラ75と転写ローラ55との間で用紙P及びテープ糊54−2を強い第1の押圧力N1で挟持搬送しているので、テープ糊54−2を巻取リール53側に送ることができ、且つ、用紙Pを下流側に搬送できる。
一方、テープ糊54−2上の押圧力切り換え位置54nが転写ローラ55に至ったときに、制御部90は先に図6(b)を用いて説明したように偏心カム84に対して第2態様を取るように切り換え制御して、第2プラテンローラ75の転写ローラ55への押圧力を第1の押圧力N1よりも弱い第2の押圧力N2に切り換えている。そして、第2プラテンローラ75と転写ローラ55との間で用紙P及びテープ糊54−2を弱い第2の押圧力N2で挟持搬送しながら一つの糊付着領域部54aの最終端位置54eが転写ローラ55に至ると、用紙Pの後端部Peの近傍に配置したテープ糊54−2上の基材領域部54bが現れるために、ここで先に図6(b)を用いて説明したように転写ローラ55の回転が停止する。
これにより、テープ糊54−2が巻取リール53に送られないが、用紙Pの後端部Peを含んで配置される基材領域部54bの直前の糊付着領域部54aの最終端位置54eの近傍で糊が糸を引くことなく転写が終了するので糊切れを抑制できる。
更に、テープ糊54−2を用いて用紙P上に糊を転写するときに、センサを用いることなく、制御部90により用紙Pへの糊転写開始タイミングを設定できるので、テープ糊54−2を次回使用する際にも、用紙Pの前端部Ps側(頭出し位置)から一つの粘着剤付着領域部54aを第1の押圧力で印加できる。
上記のようにして印刷済みの用紙Pの裏面Pb上にテープ糊54−2の第2転写パターンを転写して、用紙搬送方向に所望の長さLで切断して作成した付箋紙などの印刷物を不図示の被接着体上に貼り付け、その後、不要となった印刷物を被接着体から取り外したときに、テープ糊54−2の第2転写パターン上の糊は接着能力が比較的弱く何回も剥離できる弱粘着性を有しているために、印刷物上に転写した糊が被接着体上に取り残されないので、被接着体上に汚れが発生しない。これにより、使用勝手の良い付箋紙などの印刷物を作成できるメモプリンタ10を安価に提供できる。
10…メモプリンタ、
20…筐体、20a…外面、20b…転写具係合部、20c…ロール紙装填部、
30…印刷手段、31…サーマルヘッド、32…第1パルスモータ、
33…印刷用プラテンローラ(第1プラテンローラ)、
40…切断手段、41…第2モータ、42…可動カッター、43…固定カッター、
50…粘着剤転写具(テープ糊カセット)、
51…カセットケース、51a…先端部、51b…先端開口部、51c…被係合部、
52…供給リール、53…巻取リール、
54…粘着剤テープ(テープ糊)、
54−1…第1転写パターンを採用した粘着剤テープ(テープ糊)、
54−2…第2転写パターンを採用した粘着剤テープ(テープ糊)、
54a…粘着剤付着領域部(糊付着領域部)、54b…基材領域部、
54s…一つ以上の粘着剤付着領域部(糊付着領域部)の最先端位置、
54e…一つ以上の粘着剤付着領域部(糊付着領域部)の最終端位置、
54n…押圧力切り換え位置、
55…転写ローラ、60…用紙搬送ローラ、
70…粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段、
71…揺動アーム、72…支点軸、73…第3パルスモータ、
75…粘着剤転写用プラテンローラ(第2プラテンローラ)、76…圧縮バネ、
80…押圧力切り換え手段、
81…第4パルスモータ、82…減速ギア列、83…回転軸、
84…偏心カム、84a…大径部、84b…中径部、84c…小径部、
85…半円板状遮蔽板、86…光透過型センサ、
90…制御部、90a…CPU、90c…RAM、90d…カウンタ、
P…用紙、Pa…表面、Pb…裏面、Ps…前端部、Pe…後端部、
PK1…糊を転写する場合の用紙経路、
PK2…糊を転写しない場合の用紙経路。
20…筐体、20a…外面、20b…転写具係合部、20c…ロール紙装填部、
30…印刷手段、31…サーマルヘッド、32…第1パルスモータ、
33…印刷用プラテンローラ(第1プラテンローラ)、
40…切断手段、41…第2モータ、42…可動カッター、43…固定カッター、
50…粘着剤転写具(テープ糊カセット)、
51…カセットケース、51a…先端部、51b…先端開口部、51c…被係合部、
52…供給リール、53…巻取リール、
54…粘着剤テープ(テープ糊)、
54−1…第1転写パターンを採用した粘着剤テープ(テープ糊)、
54−2…第2転写パターンを採用した粘着剤テープ(テープ糊)、
54a…粘着剤付着領域部(糊付着領域部)、54b…基材領域部、
54s…一つ以上の粘着剤付着領域部(糊付着領域部)の最先端位置、
54e…一つ以上の粘着剤付着領域部(糊付着領域部)の最終端位置、
54n…押圧力切り換え位置、
55…転写ローラ、60…用紙搬送ローラ、
70…粘着剤転写用プラテンローラ揺動押圧手段、
71…揺動アーム、72…支点軸、73…第3パルスモータ、
75…粘着剤転写用プラテンローラ(第2プラテンローラ)、76…圧縮バネ、
80…押圧力切り換え手段、
81…第4パルスモータ、82…減速ギア列、83…回転軸、
84…偏心カム、84a…大径部、84b…中径部、84c…小径部、
85…半円板状遮蔽板、86…光透過型センサ、
90…制御部、90a…CPU、90c…RAM、90d…カウンタ、
P…用紙、Pa…表面、Pb…裏面、Ps…前端部、Pe…後端部、
PK1…糊を転写する場合の用紙経路、
PK2…糊を転写しない場合の用紙経路。
Claims (1)
- 一方の面側に粘着剤が付着された粘着剤テープを収容し、前記粘着剤テープの他方の面側から押圧する転写ローラを備えた粘着剤転写具と、
前記転写ローラと対向する位置に回転自在に設けられ、前記転写ローラに押圧力を印加しながら、該転写ローラとの間で印刷手段により印刷された用紙及び前記粘着剤テープを挟持搬送するプラテンローラと、を備えたメモプリンタであって、
印刷時に設定される前記用紙の搬送方向の前端部及び後端部の各位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、
前記粘着剤が付着された粘着剤付着領域部と、前記粘着剤が付着されていない基材領域部とが、前記一方の面上でテープの搬送方向に沿って交互に繰り返して形成された前記粘着剤テープを用いた際に、前記粘着剤付着領域部及び前記基材領域部のパターン位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
前記プラテンローラの前記転写ローラへの前記押圧力を、第1の押圧力と、該第1の押圧力よりも弱い第2の押圧力とに選択的に切り換える押圧力切り換え手段と、
前記用紙への前記粘着剤の転写時に、前記第1,第2の位置情報取得手段からの各位置情報に基づいて前記粘着剤テープの前記基材領域部が前記用紙の後端部を含んで配置されるように該用紙の前端部側に対して前記プラテンローラの前記転写ローラへの押圧開始タイミングを制御し、且つ、前記用紙の後端部を含んで配置される前記基材領域部の直前の前記粘着剤付着領域部中に押圧力切り換え位置を設定した上で、前記押圧開始タイミングで前記転写ローラに前記第1の押圧力を印加し、前記押圧力切り換え位置から前記第2の押圧力に切り換えるように前記押圧力切り換え手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするメモプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013175427A JP2015044599A (ja) | 2013-08-27 | 2013-08-27 | メモプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013175427A JP2015044599A (ja) | 2013-08-27 | 2013-08-27 | メモプリンタ |
Publications (1)
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