JP2015044530A - バーハンドル車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディレイスプリングの座屈の防止を図ることができるバーハンドル車両用ブレーキ装置を提供する。【解決手段】シリンダボディ21aのシリンダ孔開口側に突設したレバーホルダ21q,21rに、第1回動レバー41と第2回動レバー42とノッカー43とを固定ピン33を介して回動可能に枢支する。シリンダボディ21aに、ディレイスプリング32の一端を取り付けるスプリング装着孔21pを備えた上部ブラケット21hを設ける。第2回動レバー42のスプリング装着孔21pよりもシリンダボディ外周側に、スプリング取付ボス42aを設ける。【選択図】図1
Description
本発明は、バーハンドル車両用ブレーキ装置に係り、詳しくは、前輪ブレーキと後輪ブレーキのいずれか一方を液圧式ブレーキ、他方を機械式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、液圧式ブレーキと機械式ブレーキとを連動して作動させるバーハンドル車両用ブレーキ装置に関する。
従来、前輪ブレーキと後輪ブレーキの少なくとも一方を液圧式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせて形成されるマスタシリンダユニットを介して液圧式ブレーキを作動させるものがある。このマスタシリンダユニットとして、マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせたものがあり、レバー機構は、第1回動レバー,第2回動レバー,ノッカー及びイコライザレバーの4個のレバーを備え、第1ブレーキ操作子の作動によって回動する第1回動レバーとノッカーとで、一方の液圧式ブレーキを作動させ、第2ブレーキ操作子の作動によって回動するイコライザレバーと第2回動レバーとノッカーとで、双方のブレーキを連動して作動させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
上述の特許文献のものでは、双方のブレーキを連動して作動させる際に、前輪ブレーキを、後輪ブレーキの作動よりも遅らせて作動させるために、第2回動レバーとシリンダボディとの間に、第2回動レバーを回動支点を中心に非作動方向へ回動するように付勢するディレイスプリングを設けていた。しかし、第2回動レバーは回動支点を中心に円弧状に回動することから、直線状に圧縮されるディレイスプリングに対して、第2回動レバーの回動方向の荷重が掛かってしまいディレイスプリングが座屈する虞があった。
そこで本発明は、ディレイスプリングの座屈の防止を図ることができるバーハンドル車両用ブレーキ装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のバーハンドル車両用ブレーキ装置は、前輪ブレーキと後輪ブレーキのいずれか一方を液圧式ブレーキ、他方を機械式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせて形成されるマスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、前記マスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキと前記機械式ブレーキとを連動して作動させ、前記レバー機構は、第1回動レバーと第2回動レバーとノッカーとイコライザレバーとを備え、前記第1ブレーキ操作子に繋がる第1ブレーキ連繋手段を、前記第1回動レバーに連結し、前記第1ブレーキ操作子の操作によって、前記第1回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、前記イコライザレバーに、前記第2ブレーキ操作子に繋がる第2ブレーキ連繋手段と、前記機械式ブレーキに繋がる機械式ブレーキ側連繋手段と、前記第2回動レバーとを連結し、前記第2ブレーキ操作子の操作によって、前記イコライザレバーを介して前記機械式ブレーキ側連繋手段を牽引して前記機械式ブレーキを作動させると共に、前記イコライザレバーが前記第2回動レバーを回動させ、該第2回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを連動して作動させ、前記液圧マスタシリンダのシリンダボディと前記第2回動レバーとの間には、該第2回動レバーを、回動支点を中心に非作動方向へ回動するように付勢するディレイスプリングを設けたバーハンドル車両用ブレーキ装置において、前記シリンダボディのシリンダ孔開口側に突設したレバーホルダに、前記第1回動レバーと前記第2回動レバーと前記ノッカーとを固定ピンを介して回動可能に枢支し、前記シリンダボディに、前記ディレイスプリングの一端を取り付けるボディ側取付部を備えたブラケット部を突設し、前記第2回動レバーの、前記ボディ側取付部よりもシリンダボディ外周側に、前記ディレイスプリングの他端を取り付けるレバー側取付部を設けたことを特徴としている。
また、前記ボディ側取付部は、前記ディレイスプリングの一端を内側に嵌合させるスプリング装着孔で形成され、前記第2回動レバーの非作動状態では、前記ディレイスプリングは、前記スプリング装着孔の中心軸に対して前記他端側が前記シリンダボディの外周方向に傾いた状態となり、第2回動レバーが最も回動した状態では、前記ディレイスプリングは、前記スプリング装着孔の中心軸に対して前記他端側が前記シリンダボディのシリンダ中心軸方向に傾いた状態となると好ましい。
本発明のバーハンドル車両用ブレーキ装置によれば、シリンダボディのシリンダ孔開口側に突設したレバーホルダに、第1回動レバーと第2回動レバーとノッカーとを固定ピンを介して回動可能に枢支し、シリンダボディに、ディレイスプリングの一端を取り付けるボディ側取付部を備えたブラケット部を突設し、第2回動レバーの、ボディ側取付部よりもシリンダボディ外周側に、ディレイスプリングの他端を取り付けるレバー側取付部を設けたことにより、第2回動レバーが回動すると、ディレイスプリングは、一側方に傾斜した状態から、一旦、直線状態となった後に、他側方に傾斜するように変形することから、ディレイスプリングの座屈を抑制することができる。
さらに、ボディ側取付部は、ディレイスプリングの一端を内側に嵌合させるスプリング装着孔で形成され、ディレイスプリングは、第2回動レバーの非作動状態では、スプリング装着孔の中心軸に対して他端側がシリンダボディの外周方向に傾いた状態となり、第2回動レバーが最も回動した状態では、スプリング装着孔の中心軸に対して他端側がシリンダボディのシリンダ中心軸方向に傾いた状態となることにより、ディレイスプリングの座屈をより確実に抑制することができる。
図1乃至図17は本発明のバーハンドル車両用ブレーキ装置の一形態例を示すもので、図1に示すように、本形態例のバーハンドル車両用のブレーキ装置1は、前輪ブレーキ2及び後輪ブレーキ3と、前輪ブレーキ用操作子4(本発明の第1ブレーキ操作子)と、後輪ブレーキ用操作子5(本発明の第2ブレーキ操作子)とを備え、前輪ブレーキ2と前輪ブレーキ用操作子4と後輪ブレーキ3と後輪ブレーキ用操作子5との間には、マスタシリンダユニット20が介装されている。
尚、以下のマスタシリンダユニットの説明で、左側及び右側とは、図1に示すような運転者側から見た正面視に対しての左側、右側であり、前輪ブレーキ用操作子4側を右側、後輪ブレーキ用操作子5側を左側として説明する。また、時計回り及び反時計回りの記載についても、同様に正面視に対しての方向として説明する。
前輪ブレーキ2は、前輪と一体に回転するディスクロータ2aに、ピストンを備えたキャリパボディ2bを組み合わせた液圧式のディスクブレーキが用いられている。後輪ブレーキ3は、バックプレート3aに一対のブレーキシュー3b,3bを拡開可能に対向配置し、両ブレーキシュー3b,3bをアンカーピン3cを支点に拡開させる機械式のドラムブレーキが用いられている。
前輪ブレーキ用操作子4は、ハンドルバー6に取り付けられた操作レバー4aを操作することにより、第1ブレーキワイヤ7が牽引され、マスタシリンダユニット20の液圧マスタシリンダ21を作動させて、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給して、該前輪ブレーキ2を単独で作動させる。
後輪ブレーキ用操作子5は、ハンドルバー6に取り付けられた操作レバー5aを操作することにより、第2ブレーキワイヤ9(本発明の第2ブレーキ連繋手段)が牽引され、マスタシリンダユニット20を介して、後輪ブレーキ3を作動させる後輪用ブレーキワイヤ10(本発明の機械式ブレーキ側連繋手段)を牽引して後輪ブレーキ3を作動させると共に、マスタシリンダユニット20の液圧マスタシリンダ21を作動させて、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給して、前輪ブレーキ2を連動して作動させる。
マスタシリンダユニット20は、前輪ブレーキ2に液圧を供給する前記液圧マスタシリンダ21と、レバー機構40とを組み合わせたもので、レバー機構40は、第1回動レバー41と、第2回動レバー42と、ノッカー43と、イコライザレバー44とを備えている。
液圧マスタシリンダ21は、シリンダボディ21aに有底のシリンダ孔21bが下端を開口して設けられ、シリンダ孔21bの底部側にはユニオンボス部21cが突設されている。シリンダボディ21aの右側には、シリンダ孔21bに連通する液通孔21dを備えたボス部21eが突設され、該ボス部21eには、シール部材12aを介してリザーバ11に連結されるコネクタ12が取り付けられている。図8に示されるように、シリンダ孔21bには、プランジャ22(本発明のピストン)が第1カップシール23と第2カップシール24とを介して摺動可能に内挿され、第1カップシール23は、前記液通孔21dよりもシリンダ孔底部側のシリンダ孔21bの内周面に、液通孔21dに近接して形成される第1シール溝23aに嵌着され、第2カップシール24は、液通孔21dよりもシリンダ孔開口側のシリンダ孔21bの内周面に、液通孔21dに近接させて形成される第2シール溝24aに嵌着され、シリンダ孔21b底部と第1カップシール23との間には液圧室25が画成されている。また、第1シール溝23aと第2シール溝24aとの間のシリンダ孔21bの内周面には、第1シール溝23aと第2シール溝24aと液通孔21dとに連続する補給室21fが形成されている。ユニオンボス部21cには、シリンダ孔底部に開口するユニオン孔21gが形成され、該ユニオン孔21gに装着されるバンジョーボルト26とバンジョー27とを介して前記液圧配管8が連結され、該液圧配管8を介してシリンダ孔21bと前輪ブレーキ2のキャリパボディ2bとが連通している。
プランジャ22は、シリンダ孔底部側に開口する凹部22aを有する有底筒状に形成され、凹部開口側の周壁には、該周壁の内外を貫通し、非作動状態の初期位置で、液圧室25と補給室21fとを連通する小径の連通ポート22bが周方向に複数形成されている。また、プランジャ22の凹部22aの底面とシリンダ孔21bの底面との間には、非作動状態のプランジャ22を予め設定された所定の初期位置に復帰させるリターンスプリング28が配置されている。プランジャ22は、シリンダ孔21bを摺動する筒部22cのシリンダ孔開口側に小径軸部22dが形成され、該小径軸部22dと筒部22cとの間に形成される段部22eを、シリンダ孔21bの下端側に形成された大径部に嵌着されたサークリップ29に当接させることにより、プランジャ22の初期位置が設定されている。さらに、プランジャ22は小径軸部22dを、シリンダボディ21aの下端開口から下方に突出させ、小径軸部22dの先端部とサークリップ29の外面との間に防塵用のブーツ30が装着されている。
シリンダボディ21aの上部壁には、該上部壁の正面側及び左側に突出する平面視矩形状の上部ブラケット21h(本発明のブラケット部)が形成され、上部ブラケット21hの背面側で、且つ、右側に前記ユニオンボス部21cが、該ユニオンボス部21cの左側に第1ブレーキワイヤ7をガイドする第1ワイヤガイド部21iが、ユニオンボス部21cの正面側に第2ブレーキワイヤ9をガイドする第2ワイヤガイド部21jが、該第2ワイヤガイド部21jの左側に第2回動レバー42の回動を規制するストッパボルト31を装着させるストッパボルト装着部21kがそれぞれ配置されている。また、上部ブラケット21hの背面側には、右側と左下側とに突出する車体取付ブラケット21m,21mが突設され、該車体取付ブラケット21m,21mには、車体取付ボルトを装着するボルト孔21nが、シリンダ中心軸CL1と直交する方向にそれぞれ形成されている。さらに、第1ワイヤガイド部21iとストッパボルト装着部21kとの間の上部ブラケット21hの下面には、ディレイスプリング32を装着させるスプリング装着孔21p(本発明のボディ側取付部)が形成されている。
また、シリンダボディ21aの、シリンダ孔開口部近傍の正面側と背面側とには、一対のレバーホルダ21q,21rが突設され、該レバーホルダ21q,21rには、固定ピン33を装着する通孔21sと雌ねじ孔21tとが同軸上に形成されている。さらに、正面側のレバーホルダ21qの下端部には、後輪用ブレーキワイヤガイド部21uが突設され、該後輪用ブレーキワイヤガイド部21uの左側面には、第2回動レバー42と当接して第2回動レバー42の初期位置を設定する第2回動レバー当接面21vが設けられている。
ストッパボルト31は、雄ねじ部を備えた軸部31aと、大径の座面31bを有した頭部31cとを備え、ストッパボルト装着部21kに形成された雌ねじ孔に螺合させ、軸部31aが上部ブラケット21hから下方に所定の長さ突出させた状態でナット部材31dを用いて固定されている。
レバー機構40は、レバーホルダ21q,21r間に、第2回動レバー42に形成された二股状の第2回動基部42bを配置し、第2回動基部42bの内側の正面側にノッカー43に形成された第3回動基部43aを、背面側に第1回動レバー41に形成された第1回動基部41aをそれぞれ配置して、レバーホルダ21q,21r,第1回動基部41a,第2回動基部42b,第3回動基部43aに亘って、前記固定ピン33を挿通して、ナット部材33aを用いて固定することにより、レバーホルダ21q,21rに第1回動レバー41と第2回動レバー42とノッカー43とが回動可能に連結される。さらに、レバーホルダ21qの正面側には、後輪用ブレーキワイヤガイド部21uの上方にイコライザレバー44が配置され、第2回動レバー42に設けられたイコライザ連結腕42cとイコライザレバー44の左端部に設けられた第2回動レバー連結部44aとが、連結ピン45と止め輪45aとを介して回動可能に軸支されている。
第1回動レバー41は、固定ピン33の挿通孔41bを備えた前記第1回動基部41aから、シリンダ孔21bの開口部下方に向けて、アジャストボルト取付部41cが延設され、該アジャストボルト取付部41cの雌ねじ部41dに、ノッカー43に当接するアジャストボルト46が、ナット部材46aを用いて突出量を調整可能に取り付けられている。さらに、アジャストボルト取付部41cの背面側には、第1ブレーキワイヤ7の端部を連結する第1ブレーキワイヤ連結部41eが設けられている。
第2回動レバー42は、固定ピン33の挿通孔42dをそれぞれ備えた正面側腕部42eと背面側腕部42fとを備えた二股状に形成された前記第2回動基部42bと、正面側腕部42eの下部から、正面方向に突出すると共に左方向に延出する連結腕42gと、該連結腕42gの左端部から上方に突出する前記イコライザ連結腕42cとを備えたブロック状に形成されている。イコライザ連結腕42cには、連結ピン45の挿通孔42hが形成され、さらに、イコライザ連結腕42cの上端部には、背面方向に直角に突出するディレイスプリング取付部42iが突設され、該ディレイスプリング取付部42iの上面には、上部ブラケット21hに向けて突出する前記スプリング取付ボス42aが突設されている。また、背面側腕部42fの左下方には、ノッカー43に当接してノッカー43を押動させるノッカー押動面42jが形成され、さらに、連結腕42gの右端外面には、前記後輪用ブレーキワイヤガイド部21uに設けた第2回動レバー当接面21vと当接して、第2回動レバー42の初期位置を設定するガイド部当接面42kが形成されている。
ディレイスプリング32は、圧縮型のコイルスプリングで形成され、上端側(一端)が上部ブラケット21hのスプリング装着孔21pに、下端側(他端)が第2回動レバー42のスプリング取付ボス42aにそれぞれ装着される。
ノッカー43は、固定ピン33の挿通孔43bを備えた前記第3回動基部43aの左側に、プランジャ22の下端部に常時当接するプランジャ押動部43cが形成されている。プランジャ押動部43cの下面には、ノッカー43に埋設したピン部材47の頭部47aが配置されており、該頭部47aの外端面が、前記アジャストボルト46と当接するアジャストボルト当接面47bとなっている。また、アジャストボルト当接面47bの背面側には、第2回動レバー42に形成した前記ノッカー押動面42jに押動される受け面43dがノッカー押動面42jに僅かなクリアランスを持って接している。
イコライザレバー44は、シリンダボディ21aの正面側に配置され、一端部には、後輪用ブレーキワイヤ10を連結する後輪用ブレーキワイヤ連結部44bが、中央部には、第2ブレーキワイヤ9を連結する第2ブレーキワイヤ連結部44cが、他端部には、第2回動レバー42のイコライザ連結腕42cと連結される前記第2回動レバー連結部44aとがそれぞれ形成されている。第2回動レバー連結部44aは、連結ピン45の挿通孔44dをそれぞれ備えた二股状に形成され、該第2回動レバー連結部44aの間に、イコライザ連結腕42cを挿入し、挿通孔44d,42hに連結ピン45を挿通し、止め輪45aを装着することにより、第2回動レバー連結部44aがイコライザ連結腕42cに回動可能に連結される。
前述の第1回動レバー41と、第2回動レバー42と、ノッカー43とは、レバーホルダ21q,21r間に回動可能にそれぞれ連結されると共に、第2回動レバー42のイコライザ連結腕42cに連結ピン45を介して、イコライザレバー44の第2回動レバー連結部44aが連結され、イコライザレバー44の後輪用ブレーキワイヤ連結部44bに、後輪用ブレーキワイヤガイド部21uを介して引き込まれた後輪用ブレーキワイヤ10が、第2ブレーキワイヤ連結部44cに、第2ワイヤガイド部21jを介して引き込まれた第2ブレーキワイヤ9がそれぞれ連結される。また、第1回動レバー41の第1ブレーキワイヤ連結部41eに、第1ワイヤガイド部21iを介して引き込まれた第1ブレーキワイヤ7が連結される。さらに、第2回動レバー42のスプリング取付ボス42aは、上部ブラケット21hのスプリング装着孔21pの中心軸CL2よりも、シリンダボディ外周側となる左側に配置され、スプリング装着孔21pの内側にディレイスプリング32の一端を嵌合し、スプリング取付ボス42aにディレイスプリング32の他端を挿通すると、ディレイスプリング32は正面視において、スプリング装着孔21pの中心軸CL2に対して、下端側が、シリンダボディの外周方向となる左に傾いた状態に配置される。
上述のように形成されたマスタシリンダユニット20は、非作動状態では、図1乃至図10に示されるように、液圧マスタシリンダ21のプランジャ22は、リターンスプリング28の弾発力により、シリンダ孔開口部方向へ付勢された状態となっており、プランジャ22の段部22eとサークリップ29との当接により、プランジャ22の初期位置が設定されている。
また、第1回動レバー41は、第1ブレーキワイヤ連結部41eに連結された第1ブレーキワイヤ7のテンションによって初期位置が保持されている。第2回動レバー42は、ディレイスプリング32の弾発力により、後輪用ブレーキワイヤガイド部21uの第2回動レバー当接面21vにガイド部当接面42kが当接することにより初期位置が設定され、第2回動レバー当接面21vとガイド部当接面42kとは、シリンダ中心軸CL1と平行に配置されている。さらに、ノッカー43は、アジャストボルト当接面47bがアジャストボルト46の先端部と当接し、受け面43dがノッカー押動面42jに僅かなクリアランスを持って接し、プランジャ押動部43cがプランジャ22と当接している。また、受け面43dとノッカー押動面42jとは、非作動状態において、固定ピン33の中心を通る半径方向線D1に対してそれぞれ平行に配置され、作動時にクリアランスを埋めて受け面43dとノッカー押動面42jとが当接した初期状態では、その当接面が固定ピン33の中心を通る半径方向線D1上に配置される。さらに、イコライザレバー44は、第2回動レバー連結部44aがイコライザ連結腕42cと連結された状態で、第2ブレーキワイヤ9のテンションと後輪用ブレーキワイヤ10のテンションとが釣り合った状態となっていて、水平状態に保持されている。また、上述のように、ディレイスプリング32は正面視において、スプリング装着孔21pの中心軸CL2に対して、下端側が左に傾いた状態となっている。
非作動状態から、前輪ブレーキ用操作子4が操作されると、図11に示されるように、第1ブレーキワイヤ7が牽引され、第1回動レバー41の第1ブレーキワイヤ連結部41eが上方に牽引され、第1回動レバー41が第1回動基部41aを中心に反時計回りに回動する。これに伴って、アジャストボルト46が、ノッカー43のアジャストボルト当接面47bを押動し、ノッカー43を、第3回動基部43aを中心に反時計回りに回動させ、プランジャ押動部43cがプランジャ22を押動する。これにより、昇圧した作動液が、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給し、前輪ブレーキ2を単独で作動させる。
また、後輪ブレーキ用操作子5が操作されると、まず、図12に示されるように、第2ブレーキワイヤ9が牽引され、イコライザレバー44の第2ブレーキワイヤ連結部44cを介してイコライザレバー全体が上方に牽引される。これに伴って、後輪用ブレーキワイヤ連結部44bに連結している後輪用ブレーキワイヤ10が牽引され、後輪ブレーキ3を作動し始めると共に、イコライザレバー44の第2回動レバー連結部44aに連結している第2回動レバー42のイコライザ連結腕42cも上方に牽引され、第2回動レバー42が、ディレイスプリング32の弾発力に抗して、第2回動基部42bを中心に反時計回りに回動し、ノッカー押動面42jがノッカー43の受け面43dに当接して押動することにより、プランジャ22が押動され、昇圧した作動液が、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給し、前輪ブレーキ2を連動して作動させる。
後輪ブレーキ用操作子5が、さらに操作されると、図13及び図14に示されるように、イコライザレバー44がさらに上方に牽引されると共に、第2回動レバー42が第2回動基部42bを中心に反時計回りに回動し、ディレイスプリング取付部42iが、ストッパボルト31の軸部先端に当接して回動が規制されると共にノッカー43の回動が停止し、前輪ブレーキ2への液圧の供給が規制される。このとき、ディレイスプリング32は、第2回動レバー42の回動に伴って、一旦、ディレイスプリング32の中心線がスプリング装着孔21pの中心軸CL2上に配置された後、中心軸CL2に対して、下端側が右側(シリンダ中心軸CL1側)に傾いた状態となる。
また、後輪ブレーキ用操作子5をさらに強く操作すると、ディレイスプリング取付部42iが、ストッパボルト31の軸部先端に当接して、第2回動レバー42の回動が規制された状態となっており、連結ピン45の位置が固定されていることから、イコライザレバー44が連結ピン45を中心に時計回りに回動し、後輪用ブレーキワイヤ10のみを牽引し、後輪ブレーキ3をさらに強く作動させる。
また、図15及び図16に示されるように、前輪ブレーキ用操作子4と後輪ブレーキ用操作子5とを同時に強く入力すると、第1回動レバー41は、第1ブレーキワイヤ7に牽引されることにより単独で回動して、プランジャ22を押動し、前輪ブレーキ2を強く作動させると共に、第2ブレーキワイヤ9に牽引されるイコライザレバー44の移動により、第2回動レバー42が、上述のように、ディレイスプリング取付部42iが、ストッパボルト31の軸部先端に当接して、第2回動レバー42の回動が規制された状態となった後、イコライザレバー44が連結ピン45を中心に回動して、後輪用ブレーキワイヤ10を牽引し、後輪ブレーキ3を強く作動させる。
本形態例は、上述のように、シリンダボディ21aの上部ブラケット21hに、スプリング装着孔21pが形成され、第2回動レバー42の、スプリング装着孔21pよりもシリンダボディ外周側に、スプリング取付ボス42aを設けたことにより、ディレイスプリング32は、第2回動レバー42の非作動状態では、スプリング装着孔21pの中心軸CL2に対して下端側がシリンダボディ21aの外周方向に傾いた状態となり、第2回動レバー42の回動に伴って、一旦、ディレイスプリング23の中心線がスプリング装着孔21pの中心軸CL2上に配置された後、第2回動レバー42が最も回動した状態では、中心軸CL2に対して、下端側が右側に傾いた状態となることから、ディレイスプリング32の座屈を抑制することができる。
尚、本発明は、上述の各形態例に限るものではなく、ディレイスプリングの両端部をシリンダボディと第2回動レバーとに取り付ける取付構造は任意である。また、マスタシリンダユニットが車体に取り付けられる方向や位置は任意である。さらに、液圧マスタシリンダは、プランジャ型でなくても差し支えない。また、後輪ブレーキを液圧式ブレーキ、前輪ブレーキを機械式ブレーキとしたものでも差し支えなく、さらに、本発明の第2ブレーキ連繋手段や機械式ブレーキ側連繋手段は、上述の形態例のようにブレーキワイヤに限るものではない。
1…ブレーキ装置、2…前輪ブレーキ、2a…ディスクロータ、2b…キャリパボディ、3…後輪ブレーキ、3a…バックプレート、3b…ブレーキシュー、3c…アンカーピン、4…前輪ブレーキ用操作子、4a…操作レバー、5…後輪ブレーキ用操作子、5a…操作レバー、6…ハンドルバー、7…第1ブレーキワイヤ、8…液圧配管、9…第2ブレーキワイヤ、10…後輪用ブレーキワイヤ、11…リザーバ、12…コネクタ、12a…シール部材、20…マスタシリンダユニット、21…液圧マスタシリンダ、21a…シリンダボディ、21b…シリンダ孔、21c…ユニオンボス部、21d…液通孔、21e…ボス部、21f…補給油室、21g…ユニオン孔、21h…上部ブラケット、21i…第1ワイヤガイド部、21j…第2ワイヤガイド部、21k…ストッパボルト装着部、21m…車体取付ブラケット、21n…ボルト孔、21p…スプリング装着孔、21q,21r…レバーホルダ、21s…通孔、21t…雌ねじ孔、21u…後輪ブレーキワイヤガイド部、21v…第2回動レバー当接面、22…プランジャ、22a…凹部、22b…連通ポート、22c…筒部、22d…小径軸部、22e…段部、23…第1カップシール、23a…第1シール溝、24…第2カップシール、24a…第2シール溝、25…液圧室、26…バンジョーボルト、27…バンジョー、28…リターンスプリング、29…サークリップ、30…ブーツ、31…ストッパボルト、31a…軸部、31b…座面、31c…頭部、31d…ナット部材、32…ディレイスプリング、33…固定ピン、33a…ナット部材、40…レバー機構、41…第1回動レバー、41a…第1回動基部、41b…挿通孔、41c…アジャストボルト取付部、41d…雌ねじ部、41e…第1ブレーキワイヤ連結部、42…第2回動レバー、42a…スプリング取付ボス、42b…第2回動基部、42c…イコライザ連結腕、42d…挿通孔、42e…正面側腕部、42f…背面側腕部、42g…連結腕、42h…挿通孔、42i…ディレイスプリング取付部、42j…ノッカー押動面、42k…ガイド部当接面、43…ノッカー、43a…第3回動基部、43b…挿通孔、43c…プランジャ押動部、43d…受け面、44…イコライザレバー、44a…第2回動レバー連結部、44b…後輪用ブレーキワイヤ連結部、44c…第2ブレーキワイヤ連結部、44d…挿通孔、45…連結ピン、45a…止め輪、46…アジャストボルト、46a…ナット部材、47…ピン部材、47a…頭部、47b…アジャストボルト当接面
Claims (2)
- 前輪ブレーキと後輪ブレーキのいずれか一方を液圧式ブレーキ、他方を機械式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせて形成されるマスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、前記マスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキと前記機械式ブレーキとを連動して作動させ、前記レバー機構は、第1回動レバーと第2回動レバーとノッカーとイコライザレバーとを備え、前記第1ブレーキ操作子に繋がる第1ブレーキ連繋手段を、前記第1回動レバーに連結し、前記第1ブレーキ操作子の操作によって、前記第1回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、前記イコライザレバーに、前記第2ブレーキ操作子に繋がる第2ブレーキ連繋手段と、前記機械式ブレーキに繋がる機械式ブレーキ側連繋手段と、前記第2回動レバーとを連結し、前記第2ブレーキ操作子の操作によって、前記イコライザレバーを介して前記機械式ブレーキ側連繋手段を牽引して前記機械式ブレーキを作動させると共に、前記イコライザレバーが前記第2回動レバーを回動させ、該第2回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを連動して作動させ、前記液圧マスタシリンダのシリンダボディと前記第2回動レバーとの間には、該第2回動レバーを、回動支点を中心に非作動方向へ回動するように付勢するディレイスプリングを設けたバーハンドル車両用ブレーキ装置において、
前記シリンダボディのシリンダ孔開口側に突設したレバーホルダに、前記第1回動レバーと前記第2回動レバーと前記ノッカーとを固定ピンを介して回動可能に枢支し、
前記シリンダボディに、前記ディレイスプリングの一端を取り付けるボディ側取付部を備えたブラケット部を突設し、前記第2回動レバーの、前記ボディ側取付部よりもシリンダボディ外周側に、前記ディレイスプリングの他端を取り付けるレバー側取付部を設けたことを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ装置。 - 前記ボディ側取付部は、前記ディレイスプリングの一端を内側に嵌合させるスプリング装着孔で形成され、前記第2回動レバーの非作動状態では、前記ディレイスプリングは、前記スプリング装着孔の中心軸に対して前記他端側が前記シリンダボディの外周方向に傾いた状態となり、第2回動レバーが最も回動した状態では、前記ディレイスプリングは、前記スプリング装着孔の中心軸に対して前記他端側が前記シリンダボディのシリンダ中心軸方向に傾いた状態となることを特徴とする請求項1記載のバーハンドル車両用ブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013177885A JP2015044530A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | バーハンドル車両用ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013177885A JP2015044530A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | バーハンドル車両用ブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015044530A true JP2015044530A (ja) | 2015-03-12 |
Family
ID=52670455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013177885A Pending JP2015044530A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | バーハンドル車両用ブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015044530A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61207114U (ja) * | 1985-06-15 | 1986-12-27 | ||
JP4532753B2 (ja) * | 2001-01-24 | 2010-08-25 | 日信工業株式会社 | バーハンドル車両用ブレーキ装置 |
WO2011148414A1 (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-01 | タカノ株式会社 | 椅子の背凭れ用反力機構及びこれを組み込んだ椅子 |
-
2013
- 2013-08-29 JP JP2013177885A patent/JP2015044530A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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JPS61207114U (ja) * | 1985-06-15 | 1986-12-27 | ||
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