JP2015043124A - 鋼管本数計数装置および鋼管本数計数方法 - Google Patents

鋼管本数計数装置および鋼管本数計数方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼管の重なりが発生しても鋼管本数を正確に計数でき、ストッパ等の設備を設置する必要のない計数装置を提供する。
【解決手段】鋼管1をその長手方向と直交する方向に搬送する搬送ラインにおいて、鋼管1の本数を計数する装置であって、搬送ラインの上方位置に配置されたレーザ距離計3と、該レーザ距離計3により連続的に測定した鋼管表面との距離を入力する距離入力手段と、前記鋼管表面との距離を波形として時系列に保存する手段と、前記波形から信号処理によって鋼管1の通過本数を計数する演算手段5と、を備えたことを特徴とする鋼管本数計数装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管をその長手方向と直交する方向に搬送する搬送ラインにおいて、鋼管の本数を正確にカウントする鋼管本数計数装置および鋼管本数計数方法に関する。
鋼管の製造工程において、定尺に切断された鋼管の数を計数する技術としては従来から、多くの装置や方法が開発されてきた。例えば、スキッド上を転動する鋼管がスキッド下方に設置された光源から投射される光を遮断するのをスキッド上方に設置された光センサで検出する最も普通の計数装置があるが、これでは複数本の鋼管が接触して通過した時、または複数本の鋼管が重なって通過した時、これを1本と計数し、計数誤差を生じるという問題があった。
そこで、特許文献1に、配列された被計数材に上方から光を照射し、その反射光をアレイ状に並列した光電検出素子上に結像させ、これを電気信号に変換して連続変化信号となし、設定レベルを超える信号数を計数する配列材の計数方法が開示されている。また、特許文献2には、レーザ光等の光ビームを光検出物に照射しその反射光を検出しパイプ等の棒状材を計数する場合に、被照射材の表面平滑度を一様に保って反射光レベルを高めるため、レーザ光等の光ビームの照射に先立ってパイプ等の表面に水、油、塗料、その他の平滑化用液状物を噴霧あるいは塗布しつつ進行するパイプ等の計数方法が開示されている。
さらに、上記の技術では鋼管の重なりや不整列のときに計数誤差を生じるとして、鋼管が転動するスキッドの鋼管供給端に鋼管の重なりを解除する可動ゲートストッパおよび前記スキッドの鋼管排出端に鋼管の転動を一時停止させる停止ストッパを設け、両ストッパ間に鋼管を一時停止させて、スキッド下方に設けた光源からの光が鋼管にさえぎられて生ずる陰影をスキッドの上方に設けたCCDカメラで撮像し、その撮像された陰影の合計の幅と1本の鋼管の直径の陰影との比を鋼管の本数として計数する方法が特許文献3に開示されている。
特公昭53−8504号公報 特開昭50−28374号公報 特開平10−269337号公報
しかしながら、特許文献1または特許文献2に記載の反射光を検出して計数する方法は、鋼管の表面性状や曲がり等に起因する鋼管の重なりによって計数誤差が生じるという問題があり、また特許文献3ではこのような問題を解消したものであるが、スキッドに停止ストッパおよび可動ゲートストッパを設置し、鋼管を一時停止させる必要があるため、設備費用の増加および鋼管の搬送効率の低下などの問題があった。
本発明は、上述の課題を解決し、曲がり等に起因する鋼管の重なりが発生しても鋼管本数を正確に計数でき、ストッパ等の設備を設置する必要のない鋼管本数計数装置を提供することを目的としてなされたものであり、その要旨は次のとおりである。
(1)鋼管をその長手方向と直交する方向に搬送する搬送ラインにおいて、鋼管の本数を計数する装置であって、前記搬送ラインの上方位置に配置されたレーザ距離計と、該レーザ距離計により連続的に測定した鋼管表面との距離を入力する距離入力手段と、前記鋼管表面との距離を波形として時系列に保存する手段と、前記波形から信号処理によって鋼管の通過本数を計数する演算手段と、を備えたことを特徴とする鋼管本数計数装置。
(2)前記レーザ距離計を鋼管の搬送方向に移動させる機構を有することを特徴とする(1)に記載の鋼管本数計数装置。
(3)(1)または(2)に記載の鋼管本数計数装置を鋼管長手方向の2箇所以上の位置に配置し、各箇所の計数値を照合して鋼管本数を確定することを特徴とする鋼管本数計数方法。
本発明に係る鋼管本数計数装置の全体構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る鋼管本数計数装置による測定例を示す模式図である。
本発明の鋼管本数計数装置は、鋼管を長手方向と直交する方向に搬送する搬送ラインにおいて、搬送される鋼管の上方にレーザ距離計を配置し、通過する鋼管の表面までの距離を連続的に測定する。そして、この測定した値を時系列に波形として保存する手段を有する装置に入力し、入力波形から下記に示す信号処理を行うことによって鋼管の通過本数を計数する。
レーザ距離計で測定された鋼管表面との距離は、鋼管が通過する際の測定開始から測定終了まで通過する鋼管群の上表面形状に相似して変化する。すなわち、鋼管載置面とレーザ距離計との距離(H)から通過する鋼管表面との距離の測定値(X)を引いた値(Y=H−X)の波形は、通過した鋼管群の載置形状に対応する。また、通過する鋼管群の単位移動距離当たりの前記Yの変化量ΔYは、通過する鋼管の先頭側面がレーザ距離計に検知された時に最大となり、通過する鋼管の後尾側面が検知された時に最小となる。
したがって、通過した鋼管群に重なり等がなく鋼管が整列している場合には、前記Yの最大値(Ymax)は一定値となり通過した鋼管径(D)と一致するとともに、前記変化量ΔYの最大または最小を示すピーク数が通過した鋼管の本数に一致する。
一方、通過する鋼管群に重なりがある場合には、前記Yの入力波形から前記変化量ΔYの各ピークを検出し、最大を示す最初のピークと最小を示す最後のピークの間隔L(各ピーク間の距離)および前記Yの最大値Ymaxに対し一定の閾値を設け、通過した鋼管群の配列状況を検定することで、前記変化量ΔYの最大または最小を示すピーク数から通過した鋼管群の鋼管本数を計数することができる。
また、鋼管が停止して載置されている場合にも鋼管本数の計数を可能とするため、前記レーザ距離計を鋼管の搬送方向に移動させる機構が具備されていることが好ましい。
さらに、鋼管の曲がりや複数の重なりによる計数誤差を極力減少させるため、前記鋼管本数計数装置を鋼管長手方向の2箇所以上の位置に配置し、各箇所の計数値を照合して検証できることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態を図1および図2に示す一実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の鋼管の本数計数装置を鋼管径がφ15.9〜177.8mmである鋼管の搬送ラインに設置した場合の全体構成を示す概略図である。鋼管1は搬送トレー2に乗せられて鋼管の長手方向と垂直な方向に12.6m/min(=210mm)/sの搬送速度で搬送される。図1でAは鋼管が距離測定位置で重なりがなく整列している状態を示し、Bは鋼管の曲がりによって距離測定位置で鋼管が重なっている状態を示す。レーザ距離計3は、前記搬送トレー2の上方500mmの位置に設置され、通過する鋼管1の表面との距離を連続して測定する。この際、前記レーザ距離計3のサンプリングタイムを20μs(50kHz)、測定範囲を400±100mmに設定した。シーケンサ5は、前記レーザ距離計3によって連続的に測定された値がアンプ4で増幅されて入力され、この入力データを波形として時系列に保存するとともに、前記波形から以下のような信号処理で鋼管1の通過本数として計数する。本実施例では、シーケンサのサンプリングピッチが1mm以下となるようにシーケンサのサンプリングタイムを設定した。こうして計数された本数はモニター6に表示される。
まず、レーザ距離計3から入力されたレーザ距離計3と鋼管1の表面との距離X(mm)を搬送トレー2の下面(鋼管載置面)から鋼管1の上表面までの高さY(=500−X)(mm)に変換する。次に、通過した鋼管群の載置形状に対応する前記高さYの時系列データから、搬送トレー2の単位移動距離当たりの前記高さYの変化量ΔYを検出し、前記変化量ΔYの最大を示す最初のピークと最小を示す最後のピークとのピーク間毎の前記高さYの最大値Ymax(k)(k=1,2,3,・・・・)と前記ピーク間の距離L(k)(k=1,2,3,・・・・)を演算する。
図2は、鋼管径Dが15.9mmの場合に測定して得られた高さYとその変化量ΔYの入力データを搬送トレーの移動距離に対する推移を示す波形として図示した模式図である。前記Ymax(k)の最小値Ymax minは1本の鋼管が重なることなく搬送トレー上にある場合に検出される高さYであり、搬送される鋼管径D(=15.9mm)に一致する。また、鋼管が重なることなく搬送トレー上に整列している場合は、前記変化量ΔYの波形で最大を示すピークと最小を示すピークが交互に検出され、前記距離L(k)も前記鋼管径すなわち前記Ymax minとほぼ等しくなる(図2中a、b)。したがって、前記変化量ΔYの波形がこのように最大を示すピークと最小を示すピークが交互に検出される場合には鋼管本数N(k)をN(k)=1として計数する。
一方、前記変化量ΔYの波形で最大を示すピークが連続して出現した後に最小を示すピークが検出される場合(図2中c、d)または最大を示すピークの後に、最小を示すピークが連続して検出される場合(図2中e)は、L(k)>Ymax minおよびYmax(k)>Ymax minとなり、搬送トレー上の鋼管が重なっていることを示している。したがって、検出誤差も考慮し、L(k)≧1.5×Ymax minまたはYmax(k)≧1.5×Ymax minの場合に鋼管本数N(k)をN(k)=2として計数する処理を行う。
上述の方法で計数されたN(k)の合計が、搬送トレーに載ってレーザ距離計の下方を通過した鋼管の本数である。
本発明法で計数したところ350回中348回が正解で、スキッド上を転動する鋼管がスキッド下方に設置された光源から投射される光を遮断するのをスキッド上方に設置された光センサで検出する最も普通の計数装置を用いた従来法の正解率60〜80%に対し、本発明法の正解率は99.4%であった。
1 鋼管
2 搬送トレー
3 レーザ距離計
4 アンプ
5 シーケンサ
6 モニター

Claims (3)

  1. 鋼管をその長手方向と直交する方向に搬送する搬送ラインにおいて、鋼管の本数を計数する装置であって、
    前記搬送ラインの上方位置に配置されたレーザ距離計と、
    該レーザ距離計により連続的に測定した鋼管表面との距離を入力する距離入力手段と、
    前記鋼管表面との距離を波形として時系列に保存する手段と、
    前記波形から信号処理によって鋼管の通過本数を計数する演算手段と、
    を備えたことを特徴とする鋼管本数計数装置。
  2. 前記レーザ距離計を鋼管の搬送方向に移動させる機構を有することを特徴とする請求項1に記載の鋼管本数計数装置。
  3. 請求項1または2に記載の鋼管本数計数装置を鋼管長手方向の2箇所以上の位置に配置し、各箇所の計数値を照合して鋼管本数を確定することを特徴とする鋼管本数計数方法。
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