JP2020027534A - 管数計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】管が結束装置内に挿入される前に管数を効率良く正確に計測することができる管数計測装置を提供する。
【解決手段】管数計測装置10は、管搬送ライン20上で管軸方向と垂直な方向に移動している管2にレーザを照射して管2までの距離を測定するレーザ測距部17と、レーザ測距部17から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から管2が管搬送ライン20上を通過したことを判別することにより管2を計数するデータ処理部12と、レーザ測距部17よりも搬送上流側に設けられ、管2と接触することにより搬送下流側への管2の導入を規制して管2を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部15とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】管数計測装置10は、管搬送ライン20上で管軸方向と垂直な方向に移動している管2にレーザを照射して管2までの距離を測定するレーザ測距部17と、レーザ測距部17から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から管2が管搬送ライン20上を通過したことを判別することにより管2を計数するデータ処理部12と、レーザ測距部17よりも搬送上流側に設けられ、管2と接触することにより搬送下流側への管2の導入を規制して管2を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部15とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼管等の管の本数を計数する装置に関し、特に、移動する管の本数を正確に測定するための管数計測装置に関する。
鋼管等の管は、同種の管を積み重ねて所定本数から成る束にした状態で結束装置により結束されて客先に出荷される。このとき、管が正しく積み重ねられないと、本数が不足した状態または本数が過剰な状態で結束されて出荷されてしまう場合もある。
このような過不足状態での結束および出荷を防止するべく、画像処理などによって管の本数を計測する様々な装置が考えられてきた。例えば特許文献1および特許文献2には、管の本数を自動計測する計測装置が開示されている。
具体的には、特許文献1に開示される計測装置は、複数の管を結束して成る束の六角形状断面を取り囲む囲繞枠にて取付ヘッドを支持するとともに、該取付ヘッドでレーザ距離計を支持して移動させて該移動中のレーザ距離計で該レーザ距離計の測距原点から前記束の外面内の測距点までの距離を前記束の六角形状断面の一辺毎に計測し、該計測距離の時間変化情報から、演算手段により、前記束の六角形状断面の各辺の物品本数を導出して、該導出した各辺の物品本数から束内の管の本数を算出するようにしている。
また、特許文献2に開示される計測装置は、複数の管を結束して成る束のZ方向端面をライン照明下でラインカメラのX方向移動により撮像して、得られた撮像データと移動量データとから、画像処理装置により、合成画像を生成した後、管肉部と中空部とで明暗の異なる二値画像を生成し、これにX方向の走査と該走査毎のY方向位置の歩進とを行なって、高輝度部分あるいは低輝度部分の長さから中空部を認識することにより、この認識した中空部の個数を計数することで、束内の管の本数を計数するようにしている。
このように、特許文献1および特許文献2に開示される計測装置は、管を結束する結束装置内で結束直前に管の本数を計数する装置であり、結束本数に誤りがないかどうかを最終的に確認し得る。しかしながら、結束本数の正誤確認を最終的に行なったとしても、結束本数を正確に把握できていない場合もある。例えば、表面に凹凸が形成された管(段付き管と称する場合がある)などにおいては、凹凸の影響により管の積み重ねがうまくいかず、管の計数を誤認識する場合もあり得る。
そのため、所定本数の管が結束装置内へ搬送されるように、管が結束装置内に挿入される前に予め管の計数を行なう管数計測装置を結束装置内の管数計測装置とは別個に搬送ラインに付加して、管の本数を二重チェックする場合もある。あるいは、結束装置内に管数計測装置を設けず、管が結束装置内に挿入される前に予め管の計数を行なう管数計測装置のみを搬送ラインに単独で設ける場合もある。
例えば特許文献3には、管が結束装置内に挿入される前に管数を計測する計測装置が開示されている。この計測装置は、スキッド上に整列状態で配置される管の下方で走行台車を管軸と直角方向に移動させて連続的にレーザ距離計により鋼管の表面プロフィールまでの距離を測定することによって管数を計測する。管は円形断面を有するため、レーザ距離計でその断面を捉えれば、管数を簡単に計測することができる。
前述したように、表面に凹凸が形成された管では、管を積み重ねることによって管にずれが生じ得ることから、意図する積み重ね状態を得ることができず、管の計数を誤認識し易いため、特許文献3に開示されるように管が結束装置に入る前に管の本数を計測する利点は大きい。しかしながら、特許文献3に開示される計測装置は、計測ごとにオフラインで管を整列させてレーザ距離計を動作させることにより計測するため、計測効率が悪い。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、管が結束装置内に挿入される前に管数を効率良く正確に計測することができる管数計測装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、管搬送ライン上の管の本数を計測する管数計測装置であって、
前記管搬送ライン上で管軸方向と垂直な方向に移動している管にレーザを照射して管までの距離を測定するレーザ測距部と、
前記レーザ測距部から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から前記管が前記管搬送ライン上を通過したことを判別することにより前記管を計数するデータ処理部と、
前記レーザ測距部よりも搬送上流側に設けられ、管と接触することにより搬送下流側への管の導入を規制して管を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部と、
を備えることを特徴とする。
前記管搬送ライン上で管軸方向と垂直な方向に移動している管にレーザを照射して管までの距離を測定するレーザ測距部と、
前記レーザ測距部から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から前記管が前記管搬送ライン上を通過したことを判別することにより前記管を計数するデータ処理部と、
前記レーザ測距部よりも搬送上流側に設けられ、管と接触することにより搬送下流側への管の導入を規制して管を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部と、
を備えることを特徴とする。
本発明においては、管が管搬送ライン上を移動している最中に管の本数を計測するため、言い換えると、管を結束するための結束装置内に管が挿入される前に管の本数を計測できるため、管を積み重ねられた束状態で計数せずに済み、したがって、表面に凹凸を伴う管などの異形状の管であっても管の計数を誤認識せずに済み、管数を正確に計測することが可能になる。しかも、前述した特許文献3に開示されるように計測ごとにオフラインで管を整列させてレーザ距離計を動作させる必要もないため、管数を効率良く計測できる。
また、本発明においては、レーザ測距部による測距前に管導入規制部によって管が搬送下流側へ1つずつ個別に導入されるため、たとえ管搬送ラインの上流側で管が重なり合っている場合であってもこれらの管同士が管導入規制部によって分離されて個々に下流側へ搬送され、したがって、管の計数誤認識を確実に回避できる。
本発明の上記構成において、管導入規制部は、管と接触することにより搬送下流側への管の導入を規制して管を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させることから、管搬送ライン上を移動する管の移動速度を規制することもできる。一般に、管搬送ライン上における管の搬送速度(移動速度)が大きい場合、特に管が管搬送ライン上を連続的に高速で移動する場合には、レーザ測距部によって管までの距離を測定しても管表面のプロフィールを捉えられない場合があり、したがって、計数の誤認識を生じ易くなるが、管導入規制部によって管搬送ライン上を移動する管の移動速度を規制できれば、管を1本ずつレーザ測距部で正確に捉えることができるため、管の本数を正確に計測することができる。
本発明の上記構成において、管導入規制部は、管搬送ラインの搬送面との間の距離を調整できる調整機構を有することが好ましい。このような構成によれば、様々な径の管に対応することができ、管の変更に伴って搬送面との間の距離を調整することで、異なる径の管の計数処理へとスムーズに移行できる。
本発明の上記構成において、管導入規制部は、搬送下流側に向かって先細る管導入路を有することが好ましい。このような構成によれば、管を管導入路内へとスムーズに案内して障害なく搬送下流側へ1つずつ個別に導入できる。
本発明の管数計測装置によれば、管が管搬送ライン上を移動している最中に管の本数が計測されるとともに、レーザ測距部による測距前に管導入規制部によって管が搬送下流側へ1つずつ個別に導入されるため、管が結束装置内に挿入される前に計数誤認識を伴うことなく管数を効率良く正確に計測することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
本発明の発明者は、鋼管等の管を結束するための結束装置内で管の本数を計測する計測装置で計数誤認識が生じる問題に対し、管が結束装置に入る前に管の本数を計測するという観点から、計測装置の見直しを行なった。前述したように、特に表面に凹凸が形成されているような異形状の管では、管を積み重ねることによって管にずれが生じ得ることから、意図する積み重ね状態を得ることができず、管の計数を誤認識し易いため、特許文献3に開示されるように管が結束装置に入る前に管の本数を計測する利点は大きいが、特許文献3に開示される計測装置は、計測ごとにオフラインで管を整列させてレーザ距離計を動作させることにより計測するため、計測効率が悪い。
本発明の発明者は、鋼管等の管を結束するための結束装置内で管の本数を計測する計測装置で計数誤認識が生じる問題に対し、管が結束装置に入る前に管の本数を計測するという観点から、計測装置の見直しを行なった。前述したように、特に表面に凹凸が形成されているような異形状の管では、管を積み重ねることによって管にずれが生じ得ることから、意図する積み重ね状態を得ることができず、管の計数を誤認識し易いため、特許文献3に開示されるように管が結束装置に入る前に管の本数を計測する利点は大きいが、特許文献3に開示される計測装置は、計測ごとにオフラインで管を整列させてレーザ距離計を動作させることにより計測するため、計測効率が悪い。
そこで、本発明の発明者は、レーザによって管までの距離を測定する簡便な測定形態を維持しつつ、計測装置の装置形態を熟慮し、製造された管が管軸方向と垂直な方向で製造ライン上を転動しながら搬送移動されている通常の製造ライン形態に鑑みて、静止された管に対してレーザ距離計が移動する前述した特許文献3の計測形態とは逆に、結束装置へと移動されている管を固定されたレーザ計測器を用いて計数することが、効率の良い正確な管数計測に寄与し得ることを見出した。以下、これについて詳しく説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る管数計測装置10は、鋼管等の管2が製造ライン30上、具体的には管2を搬送する管搬送ライン20上を移動している最中に管2の本数を計測するようになっている。この場合、管搬送ライン20上では管2がその軸方向(管軸方向)と垂直な方向に転動状態で移動搬送され、その後、管2は、搬送装置40を介して、管2を結束するための図示しない結束装置(次工程)へと送られるようになっている。
また、本実施の形態の管数計測装置10では、後述するように、管2にレーザ光を照射して管2までの距離を測定するレーザ測距部17から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から管2の断面プロフィールを捉えて管2が管搬送ライン20上を通過したことを判別することにより管2を計数するため、管搬送ライン20上で管2が管軸方向と垂直な方向で移動される移動経路中にレーザ測距部17が設置される。レーザ測距部17は、管2が管軸方向と垂直な方向に移動する管搬送ライン20上の任意の位置に配置することができるが、管2の計数を誤らないようにするために、図示しない前記結束装置の手前の管搬送ライン上の領域に配置されることが望ましい。
また、管搬送ライン20上で管2を管軸方向と垂直な方向に転動状態で移動搬送させるために、例えば、管搬送ライン20に傾斜をつけて管2を搬送下流側へと重力により移動させてもよく、あるいは、管搬送ライン20中で管2を一時的に持ち上げるとともに傾斜を利用して搬送下流側方向へ移動させるようにしてもよい(いわゆるキッカーを利用してもよい)。
このような管数計測装置10は、具体的には、管搬送ライン20上で管軸方向と垂直な方向に移動している管2にレーザ光を照射して管2までの距離を測定するレーザ測距部(レーザセンサ)17と、レーザ測距部17から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から管2が管搬送ライン20上を通過したことを判別することにより管2を計数するデータ処理部12と、レーザ測距部17よりも搬送上流側に設けられ、管2と接触することにより搬送下流側への管2の導入を規制して管2を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部15とを備える。
レーザ測距部17は、例えば、図2に明確に示されるように、管2に対してレーザ光を照射するレーザ出射部17Aと、管2で反射されたレーザ光を受光するレーザ受光部17Bとから構成されてもよい。また、レーザ測距部17(17A,17B)は、図1および図2では管搬送ライン20の下方に配設されているが、管搬送ライン20の上方に配設されても構わない。いずれにしても、レーザ測距部17(17A,17B)は、管2までの距離の測定を確実に行なえるようにレーザ光を管2の長手方向(管軸方向)中心部に照射することが好ましい。更に、レーザ出射部17Aは、データ処理部12と電気的に接続され、または、データ処理部12と無線通信可能になっており、レーザ受光部17Bで受けられたレーザ光から得られる測定信号をデータ処理部12に送信する。なお、レーザ測距部17は、特別なレーザセンサである必要はなく、汎用品をそのまま使用するような形態であっても構わない。
レーザ測距部17から測定信号(測定データ)を受ける例えばCPUとしてのデータ処理部12は、受けた信号を処理して管搬送ライン20上(レーザ測距部17の設置位置)を通過する管2の本数を計測する。具体的には、レーザ測距部17から出力される信号は時系列に沿って波形状に得られるため、データ処理部12は、その信号波形から管2の断面プロフィールを捉えて管2が管搬送ライン20上を通過したことを判別することにより管2を計数する。レーザ測距部17による測定位置を管2が通過したことを判別する判別方法(したがって管計数方法)としては、特に問わないが、例えば、信号波形が閾値を超えた回数を数える、信号波形の上昇および下降を捉えた回数を数えるなど、任意の判別方法(管計数方法)を採用することができる。
また、管2と接触することにより搬送下流側への管2の導入を規制して管2を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部15は、前述したようにレーザ測距部17よりも搬送上流側に設けられ、図では、例えば、管搬送ライン20の搬送面20aから管2の直径にほぼ相当する距離を隔てて位置される棒状の治具(例えば金属製)15aとして構成される。しかしながら、このような管導入規制部15は、管2と接触して管2を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させることさえできれば、布製のカーテン(暖簾)状の形態を成すなど、任意の形態をとることができる。なお、棒状の治具として構成される本実施の形態の管導入規制部15は、それぞれが管搬送ライン20の搬送方向に沿って延びる複数(図2には2つ示されるが、その数は任意に設定できる)の棒状体15aから成り、各棒状体15aは、管2の管軸方向に沿って所定の間隔を隔てて配列されている(図2参照)(布状のカーテンの形態においても同様の配置形態を成すことができる)。
また、管導入規制部15は、搬送下流側に向かって部分的に先細る管導入路18を有する。具体的には、管導入規制部15は、管搬送ライン20の搬送面20aから管2の直径にほぼ相当する距離を隔てて搬送面20aと略平行に延びる平行延在部15aaと、平行延在部15aaから搬送上流側に向けて管導入路18を広げるように傾斜して延びる(搬送下流側に向かって先細る)テーパ部15abとを有し、管搬送ライン20上を移動する管2とテーパ部15abで接触して管2の移動速度を規制しつつ管2を搬送下流側へと案内するようになっている。これにより、管搬送ライン20上を移動中の管2は、冶具15a(テーパ部15ab)との接触後、治具15a(平行延在部15aa)の下側を通過し、その後、レーザ測距部17により捉えられる。なお、本実施の形態では、管導入規制部15が平行延在部15aaとテーパ部15abとによって構成されるが、管導入規制部15がテーパ部15abのみによって構成されていても構わない。その場合、テーパ部15abは、その搬送下流側終端で管搬送ライン20の搬送面20aから管2の直径にほぼ相当する距離を隔てるように搬送上流側から徐々に先細って形成される。
また、本実施の形態の管導入規制部15は、管搬送ライン20の搬送面20aとの間の距離を調整するための調整機構19を有する。特に本実施の形態において、そのような調整機構19は、棒状の治具(棒状体)15aが管搬送ライン20の搬送面20aに対して所定の距離範囲内で昇降(図1の上下方向の矢印参照)できるようにする。そのため、調整機構19は、例えば、棒状体15aに連結される連結体29を上下方向にスライド可能に固定できるスライド機構として構成される。なお、調整機構19は、テーパ部15abの傾斜角度を調整できるようになっていてもよい。
以上の構成に基づき、本発明の発明者は、管2の本数を効率良く正確に計測できるかどうかを確かめるべく、予備実験として、管搬送ライン20を想定した簡易ラインの上方900mmの地点にレーザ測距部17を設置し、直径22.8mmの管2としての鋼管を簡易ライン上で0.5m/sの速度にて移動させて、レーザ測距部17により簡易ライン(鋼管)までの距離を測定した。
その際の測定結果が図3および図4に示される。図3は、鋼管が積み重なることなく連続的にレーザ測距部17を通過したときに該レーザ測距部17から出力される信号の時系列波形を示すグラフであり、また、図4は、2本の鋼管上に1本の鋼管が積み重なった状態で3本の鋼管がレーザ測距部17を通過したときに該レーザ測距部17から出力される信号の時系列波形を示すグラフである。また、図3および図4のグラフはいずれも、縦軸がレーザ測距部17から鋼管までの距離を示し、横軸が時間を示す。
図3と図4とを比較すれば分かるように、鋼管の配置状態によって波形が異なるため、これを正確に捉えれば鋼管の本数を計測することが可能である。具体的には、図4に示されるように、2本の鋼管上に1本の鋼管が積み重なった配置状態の場合には、下側の2本の鋼管の離れ具合によって波形がかなり異なる。すなわち、下側の2本の鋼管が大きく離れていれば、波形の頂点Pが低くなり、一方、下側の2本の鋼管が接近していれば、波形の頂点Pが高くなる。そのため、鋼管の安定した本数計測ができなくなる。これに対し、図3に示されるように、鋼管が積み重なることなく連続的に個々にレーザ測距部17を通過する場合には、隣り合う鋼管同士が離れていたとしても、波形の上昇および下降の周期Cを1本の鋼管の通過と捉えれば、鋼管の安定した本数計測が可能であると判断された。
そこで、水平に延びる実際の製造ライン30における管搬送ライン20の上方にレーザ測距部17を設置するとともに、レーザ測距部17の搬送上流側に布製のカーテンを管導入規制部15として設置した。カーテンは、鋼管長に合わせて鋼管中央部端付近に幅50mmのものを使用し、いずれの径の鋼管が重なっていた場合でもその積み重なり状態を解消できるように、管搬送ライン20上を流れる最小径の鋼管の外径寸法分だけ搬送面20aから隙間を開けて管搬送ライン20の上方から垂らすように設置した。また、レーザ測距部17の近傍では、0.5m/s程度の速度で鋼管が搬送されるようにした。これにより、カーテン設置後は鋼管の積み重なりが解消され、レーザ測距部17およびデータ処理部12により、レーザ測距部17と管搬送ライン20(鋼管)との間の距離を示す波形の上昇および下降を安定的に捉えることができた。
従来では、カーテンを伴わない状態でレーザ測距部17により鋼管の本数計測を行なっていたため、管搬送ラインの下流側に配置された結束装置内での管数計測結果とレーザ測距部17による管数計測結果とが一致しない場合があった。これに対し、カーテンを設置した場合には、計数誤認識を生じ易い段付き鋼管(表面に凹凸が形成された管)の本数計測も含めて約2か月間にわたって管数の計測を行なっても、管搬送ラインの下流側に配置された結束装置内での管数計測結果とレーザ測距部17による管数計測結果とが一致しないといった事態は生じなかった。これにより、管導入規制部15を設けることで従来型のレーザ測距部17を使用しても正確に鋼管の本数を計測できることが実証された。
一方、本発明の発明者は、傾斜する管搬送ライン20においても同様の検証を行なった。具体的には、管搬送ライン20を所定の勾配で設置し、鋼管を周方向に落下させて移動させる搬送形態を採用した。そして、この管搬送ライン20の傾斜部(以下、単に傾斜部という)の上方にレーザ測距部17を設置した。傾斜部での鋼管の移動速度は1.0〜2.0m/s程度と通常の移動速度より大きく設定した。また、傾斜部では鋼管が積み重なることはないが、管搬送ライン20の傾斜によって、鋼管の移動速度が加速度的に大きくなり、データ処理部12でのデータサンプリングがうまくいかず、鋼管の本数計測に影響が出る懸念があることから、レーザ測距部17の上流であって傾斜部の上方に布製のカーテンを管導入規制部15として設置した。この場合、カーテンの下部を傾斜部に接するように配置した。
このような配置形態では、鋼管が傾斜部に差し掛かると、鋼管が自然落下して加速するが、鋼管をカーテンの下部に接触させることにより鋼管の移動速度を0.5m/s程度まで低下させることができた。その結果、レーザ測距部17およびデータ処理部12により、レーザ測距部17と管搬送ライン20(鋼管)との間の距離を示す波形の上昇および下降を安定的に捉えることができた。また、この場合も、計数誤認識を生じ易い段付き鋼管の本数計測も含めて約2か月間にわたって管数の計測を行なったが、管搬送ラインの下流側に配置された結束装置内での管数計測結果とレーザ測距部17による管数計測結果とが一致しないといった事態は生じなかった。これにより、傾斜部のような場所に本実施の形態の管数計測装置10を設置した場合でも正確に鋼管の本数を計測できることが実証された。
以上説明したように、本実施の形態においては、管2が管搬送ライン20上を移動している最中に管2の本数を計測するため、言い換えると、管2を結束するための結束装置内に管2が挿入される前に管2の本数を計測できるため、管2を積み重ねられた束状態で計数せずに済み、したがって、表面に凹凸を伴う管などの異形状の管2であっても管2の計数を誤認識せずに済み、管数を正確に計測することが可能になる。しかも、前述した特許文献3に開示されるように計測ごとにオフラインで管を整列させてレーザ距離計を動作させる必要もないため、管数を効率良く計測できる。
また、本実施の形態においては、レーザ測距部17による測距前に管導入規制部15によって管2が搬送下流側へ1つずつ個別に導入されるため、たとえ管搬送ライン20の上流側で管2が重なり合っている場合であってもこれらの管2同士が管導入規制部15によって分離されて個々に下流側へ搬送され、したがって、管2の計数誤認識を確実に回避できる。
また、管導入規制部15は、管2と接触することにより搬送下流側への管2の導入を規制して管を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させることから、管搬送ライン20上を移動する管2の移動速度を規制することもできる。一般に、管搬送ライン20上における管2の搬送速度(移動速度)が大きい場合、特に管2が管搬送ライン20上を連続的に高速で移動する場合には、レーザ測距部17によって管2までの距離を測定しても管表面のプロフィールを捉えられない場合があり、したがって、計数の誤認識を生じ易くなるが、管導入規制部15によって管搬送ライン20上を移動する管2の移動速度を規制できれば、管2を1本ずつレーザ測距部17で正確に捉えることができるため、管2の本数を正確に計測することができる。
また、本実施の形態において、管導入規制部15は、調整機構19によって管搬送ライン20の搬送面20aとの間の距離を調整できるため、様々な径の管2に対応することができ、管2の変更に伴って搬送面20aとの間の距離を調整することで、異なる径の管2の計数処理へとスムーズに移行できる。
また、本実施の形態において、管導入規制部15は、搬送下流側に向かって先細る管導入路18を有するため、管2を管導入路18内へとスムーズに案内して障害なく搬送下流側へ1つずつ個別に導入できる。
2 管
10 管数計測装置
12 データ処理部
17 レーザ測距部
15 管導入規制部
18 管導入路
19 調整機構
20 管搬送ライン
10 管数計測装置
12 データ処理部
17 レーザ測距部
15 管導入規制部
18 管導入路
19 調整機構
20 管搬送ライン
Claims (4)
- 管搬送ライン上の管の本数を計測する管数計測装置であって、
前記管搬送ライン上で管軸方向と垂直な方向に移動している管にレーザを照射して管までの距離を測定するレーザ測距部と、
前記レーザ測距部から出力される信号を時系列に沿って並べた波形から前記管が前記管搬送ライン上を通過したことを判別することにより前記管を計数するデータ処理部と、
前記レーザ測距部よりも搬送上流側に設けられ、管と接触することにより搬送下流側への管の導入を規制して管を搬送下流側へ1つずつ個別に通過させる管導入規制部と、
を備えることを特徴とする管数計測装置。 - 前記管導入規制部は、前記管搬送ライン上を移動する管の移動速度を規制することを特徴とする請求項1に記載の管数計測装置。
- 前記管導入規制部は、前記管搬送ラインの搬送面との間の距離を調整できる調整機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の管数計測装置。
- 前記管導入規制部は、搬送下流側に向かって先細る管導入路を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の管数計測装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2018-08-16 JP JP2018153069A patent/JP2020027534A/ja active Pending
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