JP3438615B2 - 長尺材の曲がり測定装置 - Google Patents

長尺材の曲がり測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、長尺材の曲がり測
定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】長尺材、例えばH形鋼等の鋼材は製品長
さに剪断された後、検査工程に送られ、寸法や形状等の
品質検査が行われる。この品質検査項目の1つに水平面
内での曲がりがある。この曲がりの検査は一般には検査
員の目視検査により行われている。しかし、目視検査で
は、官能誤差・人為ミス等により、品質保証の信頼性に
限界があった。そのため近年では曲がりの自動測定を行
う曲がり測定装置が提案されている。 【0003】その1つとして、長尺材を長手方向に搬送
する搬送ラインの側方に長手方向に沿って任意の間隔で
レーザ光学センサ(レーザ距離計)を複数配置したもの
(特開平8−189821号公報)がある。これによれば、長
尺材が停止中にレーザ距離計で一括測定することから、
誤差を排除できる利点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、レーザ距離計
を用いた前記従来技術では、長尺材の同一横断面内では
高さ方向1点のみの測定がなされるところに問題があ
る。というのは、長尺材の側面は不規則な凹凸を含むこ
とがあるため、長手方向で異なる位置の横断面形状は必
ずしも一致せず、高さ方向1点のみの測定では異常値を
そのまま採用してしまう可能性が高いからである。 【0005】また、長尺材を長手方向に搬送する搬送ラ
インの側方に設置した複数のレーザ距離計を用いた曲が
り測定であることから、複数の長尺材の曲がり測定を行
う場合の先行材の測定、長手方向への搬送、後行材の搬
入、測定という手順において、搬送距離が長いために測
定不可時間が長くなり、測定能率が低いという問題があ
った。 【0006】そこで、本発明は、長尺材の横断面形状に
不規則な凹凸があっても曲がりを正しくかつ能率的に測
定・評価できる長尺材の曲がり測定装置を提供すること
を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、長尺材の曲が
りを測定する曲がり測定装置であって、長尺材の長手方
向と略直角方向の搬送方向に対して直角方向複箇所に
位置検出器を配設するとともにこれらの位置検出器を昇
降させる昇降機構を搬送装置の下方に有し、測定時には
前記位置検出器を昇降させ、前記位置検出器と対向する
被測定面の搬送方向位置を前記長尺材高さ方向全域にわ
たってサンプリング回数分だけ検出することができる
とを特徴とする長尺材の曲がり測定装置である。 【0008】本発明では、前記位置検出器がレーザ距離
計であることが好ましい。なお、このレーザ距離計は三
角測量方式のものであることが更に好ましい。また、本
発明では、前記位置検出器をその並び方向に移動可能な
並び位置変更機構を有することが好ましい。また、本発
明では、位置検出器の手前で長尺材の到着を検知し位置
検出器と昇降機構とに動作の開始を指令する到着検知器
を有することが好ましい。 【0009】また、本発明では、曲がり測定時に長尺材
長手端部の一方を突き上げ可能な突き上げ装置を有する
ことが好ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】図1(a) は本発明の実施形態の例
を示す平面模式図、(b) は(a) のAA矢視図である。図1
において、1は鋼材(長尺材)、2は鋼材側面(被測定
面)、3は搬送装置で例えばチェーンコンベア、4は位
置検出器、5は昇降機構で例えば流体圧で駆動されるシ
リンダ、5Aはシリンダのロッドである。図示のように、
本発明は、長尺材1を長手方向と略直角方向に搬送し、
定位置に停止させた後長尺材1の曲がりを測定する曲が
り測定装置であって、搬送方向と直角方向に複数の位置
検出器4を配設し各位置検出器4を昇降させる昇降機構
5を搬送装置3の下方に有する。位置検出器4はロッド
5Aに取り付けられている。 【0011】これら複数の位置検出器で、次に述べる方
法で鋼材側面の位置(位置検出器から鋼材側面までの距
離と位置検出器の水平面内の位置から求まる)を求め、
複数の鋼材側面の位置から鋼材の水平面内での曲がりを
近似する直線(折れ線)又は曲線を求め、この近似直線
又は近似曲線と鋼材の先後端側面の位置を結ぶ直線との
最大距離により水平面内での曲がり量を求める。 【0012】図1の装置により、測定時には図2(a) に
示すように位置検出器4を高さ方向に昇降させ、上昇時
および/または下降時に、対向する鋼材側面2の位置を
鋼材高さ方向の全域にわたって検出することができ、例
えば図2(b) に示すように、昇降位置の区間AEでサン
プリング回数分だけ検出位置のデータが得られる。これ
らのデータから、例えば検出位置の昇降位置に対する変
化率に閾値を設けて区間DEにおけるデータを排除し、
残りのデータを統計処理(例えば平均処理)しその結果
を代表データとすることで、高さ方向の1点(例えばC
点)のみ検出する従来技術に比べて、搬送方向の位置デ
ータとして側面の凹凸による異常値をそのまま採用する
危険率を低減することができ、曲がりの測定精度が確実
に向上する。 【0013】また、鋼材1が移動している間は、位置検
出器4をチェーンコンベア3の下方に待機させておくこ
とにより、鋼材1と位置検出器4の干渉を回避できる。
なお、位置検出器の複数個毎に1個の昇降機構を設ける
ようにしてもよいが、図1のように位置検出器の1個毎
に1個の昇降機構を設けた方が、長尺材に応じて測定に
使用する位置検出器の個数を過不足なく選択できて好ま
しい。 【0014】位置検出器としては、超音波や光ビームを
被測定面に投射してそこからの反射波(反射光)を検出
するものであれば何でもよいが、中でもビーム径を小さ
くすることができるレーザ光を利用したレーザ距離計を
用いるのが好適である。レーザ距離計には、発光から受
光までの時間を計って距離に換算する「反射時間方式」
のものと、PSD(光位置検出素子)等で光スポット結
像位置を検出し三角測量の原理から距離を測定する「三
角測量方式」のものとがあるが、三角測量方式の方が、
レーザビーム径がより小さくて被測定面の凹凸をより細
かく測定でき、測定精度がさらに向上するのでいっそう
好ましい。 【0015】また、長尺材の長さは製品規格等に応じて
変わるから、異なる長さに応じて複数の位置検出器の並
び長さや間隔を調整できるように、本発明では、複数の
位置検出器をその並び方向に移動可能な並び位置変更機
構を有することが好ましい。かかる並び位置変更機構
は、例えば図3に示すように、位置検出器4の並び方向
に敷いたレール6に沿って任意の位置で停止させ得る台
車7をシリンダ5の数だけ設け、各台車7にシリンダ5
を1つずつ搭載することによって構成することができ
る。なお、図3において8は台車7の走行を制御する走
行制御装置である。 【0016】また、位置検出器の適時自動昇降を行うの
に適した形態として、本発明では、例えば図4に示すよ
うに、位置検出器4の手前で長尺材1の到着を検知し位
置検出器4と昇降機構5とに動作の開始を指令する到着
検知器9を有することが好ましい。図4の例では、到着
検知器9の到着信号10を昇降制御装置11と検出位置サン
プリングゲート12に送り、この到着信号10に応じて、昇
降制御装置11が制御信号17により昇降駆動装置13を制御
して昇降機構5を昇降させ、同時に昇降位置データ14を
所定の時間間隔で出力する動作を開始し、検出位置サン
プリングゲート12が位置検出器4からの検出位置信号15
を検出位置データ16として昇降位置データ14と同期的に
出力する動作を開始するように計測制御系を構成してい
る。なお、図4において、18は駆動力伝達流体を流す流
体配管、19は各並び位置から入力される昇降位置データ
14と検出位置データ16とを用いて長尺材1の曲がりを算
出する曲がり演算装置である。前記動作は例えばロッド
5A が下降限に復帰した時点で終了させるようにすれば
よい。 【0017】到着検知器9は通過センサであれば接触
式、非接触式のいずれであってもよい。また、本発明者
の知見したところによれば、長尺材を長手方向で多点支
持して長手方向と略直角方向に搬送すると、搬送中に各
支持点(拘束点)同士の相対位置が微妙にずれることに
より、実曲がり形状(無拘束状態での曲がり形状)とは
異なる曲がり形状となる場合がある。これによる曲がり
の誤判定を回避するために、本発明では、例えば図5に
示すように、曲がり測定時に長尺材1の長手端部の一方
を突き上げ可能な突き上げ装置20を有することが好まし
い。これにより、曲がり測定時に長尺材の長手方向両端
部以外を無拘束状態にして実曲がり形状を顕在化させる
ことができ、前記のような誤判定をなくすことができ
る。突き上げ装置20は流体圧で駆動されるシリンダで構
成できる。なお、突き上げ高さは、中形長尺鋼材の場
合、50mm程度で十分である。 【0018】 【実施例】H形鋼をその長手方向に略直角方向に搬送し
つつ検査する検査ラインにおいて、図4と図5を組み合
わせた形態で本発明を実施して曲がりの測定能率および
測定精度を調査し、従来法(長手方向に搬送する途上で
各断面につき高さ方向1点のみ位置検出する方式)と比
較した。なお、測定要領は、先行材を搬送装置上に停止
させ測定、先行材と後行材を搬送(この場合には測定装
置は搬送装置の下方に退避)、後行材を搬送装置上に停
止し測定、以下同様、という手順とし、位置検出器には
三角測量方式のレーザ距離計を用い、昇降機構にはエア
シリンダを用い、到着検知器には光電スイッチを用い、
突き上げ装置にはエアシリンダを用いた。 【0019】その結果、測定能率面において、従来法で
は最低でも1測定当たり11s の無駄時間が発生したが、
本発明ではH形鋼をその長手方向と略直角方向に搬送す
る途上でレーザ距離計を検査ライン上に随時上昇させて
測定するため、1測定当たり高々3s 以内で十分測定す
ることができた。また、測定精度面において、従来法で
は各断面につき高さ方向1点のみの位置検出を行うため
に、150mm 断面当たり1.4mm の誤差を生じたが、本発明
では各断面につき高さ方向複数点の位置検出を行って平
均処理を行うことにより、誤差を150mm 断面当たり0.2m
m と格段に小さくすることができた。 【0020】 【発明の効果】かくして本発明によれば、長尺材の横断
面形状に不規則な凹凸があっても曲がりを正しく測定・
評価でき、測定能率を上げることができるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】(a) は本発明の実施形態の例を示す平面模式
図、(b) は(a) のAA矢視図である。 【図2】本発明による位置検出方法の説明図である。 【図3】並び位置変更機構の一例を示す側面模式図であ
る。 【図4】到着検知器を備えた本発明実施形態を示す模式
図である。 【図5】(a) は突き上げ装置を備えた本発明実施形態を
示す平面模式図、(b) は(a) のAA矢視図である。 【符号の説明】 1 鋼材(長尺材) 2 鋼材側面(被測定面) 3 チェーンコンベア(搬送装置) 4 位置検出器 5 シリンダ(昇降機構) 5A ロッド 6 レール 7 台車 8 走行制御装置 9 到着検知器 10 到着信号 11 昇降制御装置 12 検出位置サンプリングゲート 13 昇降駆動装置 14 昇降位置データ 15 検出位置信号 16 検出位置データ 17 制御信号 18 流体配管 19 曲がり演算装置 20 突き上げ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/255 G01B 21/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 長尺材の曲がりを測定する曲がり測定装
    置であって、長尺材の長手方向と略直角方向の搬送方向
    に対して直角方向複箇所に位置検出器を配設するとと
    もにこれらの位置検出器を昇降させる昇降機構を搬送装
    置の下方に有し、測定時には前記位置検出器を昇降さ
    せ、前記位置検出器と対向する被測定面の搬送方向位置
    を前記長尺材高さ方向全域にわたってサンプリング回数
    分だけ検出することができることを特徴とする長尺材の
    曲がり測定装置。
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