JP2015043059A - 電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電ムラの改善と、帯電部材と電子写真感光体とのスリップに起因するバンディング画像の発生の抑制。【解決手段】帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有し、該帯電部材は、導電性基体、及び該導電性基体上に形成された表面層を有し、該表面層は、少なくともバインダー樹脂、電子導電剤及び内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を含有し、また該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有しており、かつ、該電子写真感光体は、支持体及び該支持体上に形成された感光層を有し、該電子写真感光体の表面層が特定の成分を含有するものである電子写真プロセスカートリッジ。【選択図】図6
Description
本発明は、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」という。)に関する。
電子写真感光体の表面の帯電方式として、電子写真感光体の表面に当接させた帯電部材を用いる接触帯電方式がある。接触帯電方式は、帯電部材と電子写真感光体との間での放電領域が狭いため、電子写真感光体の表面に帯電ムラが生じ易いと言われている。このような課題に対して、表面層に粗さ形成粒子を含有させ、表面を粗面化させてなる帯電部材が提案されている(特許文献1)。
一方、電子写真装置に搭載されている電子写真感光体の表面には、転写工程において紙等の被転写材に転写されなかったトナーが付着している場合がある。以下、このようなトナーを残留トナーともいう。残留トナーを電子写真感光体の表面から除去し、電子写真感光体を次の電子写真画像形成プロセスに供するために、電子写真感光体の表面には、クリーニング部材等が当接させられている。そのため、電子写真感光体の表面には、適度な潤滑性や滑り性が求められている。かかる課題に対し、ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイルを電子写真感光体の表面層に含有させることが提案されている(特許文献2)。
本発明者らの検討によれば、表面の潤滑性を向上させた電子写真感光体に対して、表面を粗面化してなる帯電部材を用いて接触帯電を行った場合、電子写真感光体と帯電部材とのニップにおける接触面積が減少するため、電子写真感光体と帯電部材とが当接して回転する際に微小なスリップが発生することがあった。このようなスリップは、電子写真感光体に帯電ムラを生じさせ、電子写真画像に横スジを生じさせる原因となる。なお、以下、横スジの生じた電子写真画像を「バンディング画像」と称することがある。
そこで、本発明の目的は、接触帯電方式の課題であるところの帯電ムラの改善と、帯電部材と電子写真感光体とのスリップに起因するバンディング画像の発生の抑制とを達成することのできる電子写真プロセスカートリッジの提供にある。
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真装置の提供にある。
本発明によれば、帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、該帯電部材は、導電性基体、及び該導電性基体上に形成された表面層を有し、該表面層は、少なくともバインダー樹脂、電子導電剤及び内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を含有し、また該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有しており、かつ、該電子写真感光体は、支持体及び該支持体上に形成された感光層を有し、該電子写真感光体の表面層が下記の樹脂(1)、樹脂(2)及び化合物(3)を含有する電子写真プロセスカートリッジが提供される。
樹脂(1):末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、及び末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
樹脂(2):末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
化合物(3):安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物。
樹脂(2):末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
化合物(3):安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物。
また、本発明によれば、前記電子写真プロセスカートリッジが搭載された電子写真装置が提供される。
本発明によれば、表面の粗面化された帯電部材の使用により、接触帯電方式の課題である放電領域の狭さに由来する帯電ムラの抑制を図ることができる。また、本発明によれば、表面の粗面化された帯電部材を、表面の潤滑性を高めた電子写真感光体に接触させて帯電させる場合においても、帯電部材と電子写真感光体とのスリップが抑制され、当該スリップに起因するバンディング画像の発生を有効に抑制することができる。
<バンディング画像の抑制メカニズム>
本発明に係る電子写真プロセスカートリッジは、帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有している。
本発明に係る電子写真プロセスカートリッジは、帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有している。
帯電部材は、導電性基体、及び該導電性基体上に形成された表面層を有し、該表面層は、少なくともバインダー樹脂、電子導電剤及び内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を含有し、また該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有している。
一方、電子写真感光体は、支持体及び該支持体上に形成された感光層を有し、該電子写真感光体の表面層が下記の樹脂(1)、樹脂(2)及び化合物(3)を含有している。
樹脂(1):末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、及び末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
樹脂(2):末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
化合物(3):安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物。
樹脂(2):末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
化合物(3):安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物。
本発明らは、上記した帯電部材および電子写真感光体とを組み合わせてなる電子写真プロセスカートリッジが、バンディング画像の発生を抑制し得るメカニズムについて、以下のように推定している。
本発明に係る電子写真感光体の表面層に存在する化合物(3)は極性を有している。そのため、電子写真画像の形成時に帯電部材に直流電圧が印加されると、表面層中で化合物(3)が分極し、電子写真感光体および電子写真感光体に接している帯電部材の凸部の間に電気的な引力が作用し、電子写真感光体が帯電部材の表面の凸部に押し付けられることになる。このとき、帯電部材の表面層の表面に凸部を生じさせている樹脂粒子は、その内部に複数の空孔を有するため、電子写真感光体で圧接された凸部が歪み、電子写真感光体と帯電部材との接触面積が増大する。その結果、電子写真感光体と帯電部材とのニップにおける両者の微小なスリップの発生が抑制され、結果的にバンディング画像が抑制されるものと推定している。
<電子写真感光体>
本発明に係る電子写真感光体は、支持体、及び該支持体上に形成された感光層を有する。感光層としては、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層、または、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離された積層型(機能分離型)感光層、が挙げられる。本発明においては、積層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構造としてもよく、電荷輸送層を積層構成としてもよい。また、電子写真感光体の耐久性を向上させることを目的として、感光層上に保護層を形成してもよい。
本発明に係る電子写真感光体は、支持体、及び該支持体上に形成された感光層を有する。感光層としては、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層、または、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離された積層型(機能分離型)感光層、が挙げられる。本発明においては、積層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構造としてもよく、電荷輸送層を積層構成としてもよい。また、電子写真感光体の耐久性を向上させることを目的として、感光層上に保護層を形成してもよい。
〔表面層〕
本発明に係る電子写真感光体は、その表面層が、樹脂(1)、樹脂(2)及び化合物(3)を含有する。ここで、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合は、電荷輸送層が表面層である。また、電荷輸送層上に保護層が設けられている場合は、保護層が表面層である。
本発明に係る電子写真感光体は、その表面層が、樹脂(1)、樹脂(2)及び化合物(3)を含有する。ここで、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合は、電荷輸送層が表面層である。また、電荷輸送層上に保護層が設けられている場合は、保護層が表面層である。
樹脂(1)は、末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、および末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である。樹脂(2)は、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である。化合物(3)は、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
[樹脂(1)]
樹脂(1)において、末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂は、下記式(A)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aであることが好ましい。また、末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂は、下記式(B)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Bであることが好ましい。
樹脂(1)において、末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂は、下記式(A)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aであることが好ましい。また、末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂は、下記式(B)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Bであることが好ましい。
式(A)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。X1は、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造単位を有する2価の基を示す。
式(B)中、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。X2は、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造単位を有する2価の基を示す。Y1は、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。
以下に、式(A)で示されるポリカーボネート樹脂Aの構造単位の具体例を示す。
ポリカーボネート樹脂Aは、上記の式(A−1)〜(A−8)で示される構造単位から選ばれる一種の構造単位のみを含む重合体、またはこれらの構造単位の2種以上を含む共重合体であることが好ましい。これらの構造単位の中でも、式(A−1)、(A−2)、及び(A−4)で示される構造単位が好ましい。
以下に、式(B)で示されるポリエステル樹脂Bの構造単位の具体例を示す。
ポリエステル樹脂Bは、上記の式(B−1)〜(B−9)で示される構造単位から選ばれる一種の構造単位のみを含む重合体、またはこれらの構造単位の2種以上を含む共重合体であることが好ましい。これらの構造単位の中でも、式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−6)、(B−7)、及び(B−8)で示される構造単位が好ましい。
上記ポリカーボネート樹脂A、および上記ポリエステル樹脂Bは、例えば、公知のホスゲン法で合成することができる。また、エステル交換法によって合成することも可能である。
上記ポリカーボネート樹脂Aまたはポリエステル樹脂Bが共重合体である場合、その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、及び交互共重合のいずれの形態であってもよい。これらのポリカーボネート樹脂A、およびポリエステル樹脂Bは、公知の方法で合成することができる。例えば、特開2007−047655号公報、特開2007−072277号公報に記載の方法で合成することができる。
ポリカーボネート樹脂A、およびポリエステル樹脂Bの質量平均分子量としては、20,000以上、300,000以下が好ましく、50,000以上、200,000以下がより好ましい。尚、樹脂の質量平均分子量とは、常法に従い、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の質量平均分子量である。
また、樹脂(1)としてのポリカーボネート樹脂Aまたはポリエステル樹脂Bは、上記の式(A)、または式(B)で示される構造単位に加えて、主鎖中にシロキサン構造を含む構造単位を有する共重合体であってもよい。このような構造単位としては、具体的には、下記の式(H−1)、または式(H−2)で示される構造単位が挙げられる。さらに、下記の式(H−3)で示される構造単位を有してもよい。
以下に、樹脂(1)として用いられる具体的な樹脂を示す。
表1中、樹脂B(1)、および樹脂B(2)における上記式(B−1)および式(B−6)で示される構造単位において、テレフタル酸構造とイソフタル酸構造のモル比(テレフタル酸骨格/イソフタル酸骨格)は5/5である。
[樹脂(2)]
樹脂(2)は、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である。これらの樹脂(2)は、樹脂(1)の樹脂との相溶性がよく、電子写真感光体の表面層の機械的耐久性が高く維持される。また、末端にシロキサン部位を有することで、表面層は高い潤滑性を有し、表面層の初期摩擦係数を低減することが可能となる。末端にジメチルポリシロキサン(シロキサン)部位を有することで、シロキサン部分の自由度が増加し、樹脂(2)が表面層中の表層部へ移行する確率が高く、電子写真感光体の表面に存在しやすいためであると思われる。
樹脂(2)は、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である。これらの樹脂(2)は、樹脂(1)の樹脂との相溶性がよく、電子写真感光体の表面層の機械的耐久性が高く維持される。また、末端にシロキサン部位を有することで、表面層は高い潤滑性を有し、表面層の初期摩擦係数を低減することが可能となる。末端にジメチルポリシロキサン(シロキサン)部位を有することで、シロキサン部分の自由度が増加し、樹脂(2)が表面層中の表層部へ移行する確率が高く、電子写真感光体の表面に存在しやすいためであると思われる。
本発明において、前記末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂は、下記式(A’)で示される構造単位と下記式(D)で示される末端構造とを有するポリカーボネート樹脂A’であることが好ましい。また、前記末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂は、下記式(B’)で示される構造単位と下記式(D)で示される末端構造とを有するポリエステル樹脂B’であることが好ましい。
式(A’)中、R25〜R28は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。X3は、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C’)で示される構造単位を有する2価の基を示す。
式(B’)中、R35〜R38は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。X4は、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C’)で示される構造単位を有する2価の基を示す。Y2は、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
式(C’)中、R43およびR44は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。
式(D)中、aおよびbは、括弧内の構造単位の繰り返し数を示し、aの平均値は20以上、100以下であり、bの平均値は1以上、10以下である。より好ましくは、aの平均値が30以上、60以下であり、bの平均値が3以上、10以下である。
本発明において、ポリカーボネート樹脂A’、およびポリエステル樹脂B’は、樹脂の片末端、または両末端に上記式(D)で示される末端構造を有する。上記式(D)で示される末端構造を樹脂の片末端に有する場合は、分子量調節剤(末端停止剤)を用いる。この分子量調節剤としては、フェノール、p−クミルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、または安息香酸が挙げられる。本発明においては、フェノール、またはp−tert−ブチルフェノールが好ましい。
上記式(D)で示される末端構造を樹脂の片末端に有する場合において、もう一方の片末端の構造(他の末端構造)は、下記に示される構造である。
以下に、式(D)で示される末端シロキサン構造の具体例を示す。
ポリカーボネート樹脂A’において、式(A’)で示される構造単位の具体例としては、前記式(A−1)〜(A−8)で示される構造単位が挙げられる。ポリカーボネート樹脂A’は、式(A−1)〜(A−8)で示される構造単位から選ばれる一種の構造単位のみを含む重合体、またはこれらの構造単位の2種以上を含む共重合体であることが好ましい。これらの構造単位の中でも、式(A−1)、(A−2)及び(A−4)、特には、式(A−4)で示される構造単位が好ましい。
ポリエステル樹脂B’において、式(B’)で示される構造単位の具体例としては、前記式(B−1)〜(B−9)で示される構造単位が挙げられる。ポリエステル樹脂B’は、式(B−1)〜(B−9)で示される構造単位から選ばれる一種の構造単位のみを含む重合体、またはこれらの構造単位の2種以上を含む共重合体であることが好ましい。これらの構造単位の中でも、式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−6)、(B−7)、及び(B−8)で示される構造単位、更には、式(B−1)および(B−3)で示される構造単位が特に好ましい。
上記ポリカーボネート樹脂A’またはポリエステル樹脂B’が共重合体である場合、その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、及び交互共重合のいずれの形態であってもよい。また、ポリカーボネート樹脂A’またはポリエステル樹脂B’は、その主鎖中にシロキサン構造を有する構造単位を有してもよい。そのような樹脂として、例えば、下記式(H)で示される構造単位を有する共重合体が挙げられる。
式(H)中、fおよびgは、括弧内の構造単位の繰り返し数を示し、fの平均値は20以上、100以下、gの平均値は1以上、10以下である。式(H)で示される構造単位の具体例として、上記式(H−1)または(H−2)で示される構造単位が挙げられる。
本発明においてポリカーボネート樹脂A’およびポリエステル樹脂B’の「シロキサン部位」とは、下記の式(D−S)で示される末端構造の点線の枠内のことをいう。さらに、ポリカーボネート樹脂A’およびポリエステル樹脂B’が、式(H)で示される構造単位を有する場合、シロキサン部位として、下記の式(H−S)で示される構造単位の点線の枠内の構造も含まれる。
本発明において、ポリカーボネート樹脂A’、およびポリエステル樹脂B’は、公知の方法、例えば、特開2007−199688号公報に記載の方法で合成することが出来る。本発明においても同様の合成方法を用い、ポリカーボネート樹脂A’、およびポリエステル樹脂B’に応じた原材料を用いて、表2の合成例に示すポリカーボネート樹脂A’、およびポリエステル樹脂B’を合成できる。なお、ポリカーボネート樹脂A’、およびポリエステル樹脂B’の精製は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて分画分離した後、各分画成分を1H−NMR測定し、上記シロキサン部位の樹脂中の相対比により樹脂組成を確定できる。合成したポリカーボネート樹脂A’、およびポリエステル樹脂B’の質量平均分子量及びシロキサン部位の含有量を表2に示す。
以下に、ポリカーボネート樹脂A’およびポリエステル樹脂B’の具体例を示す。
表2中、樹脂A’(3)において、主鎖の各構造単位の質量比は、(A−4):(H−2)=9:1である。
本発明において、末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂は、下記の式(F−1)、式(F−2)及び式(F−3)で示される構造単位からなる群より選択される少なくとも一つの構造単位を有するアクリル樹脂Fであることが好ましい。
式(F−1)中、R51は、水素、またはメチル基を表す。cは、括弧内の繰り返し数を示し、cの平均値は、0以上、5以下である。R52〜R54は、それぞれ独立に、下記式(F−1−2)で示される構造、メチル基、メトキシ基、またはフェニル基を示す。R52〜R54の少なくとも1つは、下記の式(F−1−2)で示される構造を有する。
式(F−1−2)中、dは、括弧内の繰り返し数を示し、dの平均値は10以上、50以下である。R55は、水酸基またはメチル基を示す。
式(F−3)中、R56は水素、メチル基、またはフェニル基を表す。eは、0または1を示す。
本発明において、アクリル樹脂Fの「シロキサン部位」とは、下記の式(F−S)または式(F−T)で示される構造の点線の枠内を指す。
以下の表3−1〜表3−4にアクリル樹脂Fの構造単位の具体例を示す。なお、表3−1〜表3−4中の、「構造単位の質量比」は、「(F−1)/(F−2)又は(F−3)」である。又、表3−3及び表3−4中、「Ar」はアリール基を示す。
上記表3−1〜表3−4に示したアクリル樹脂Fの具体例のうち、化合物例(F−B)及び(F−E)で表わされる樹脂が好ましい。
これらのアクリル樹脂は、公知の方法、例えば、特開昭58−167606号公報や特開昭62−75462号公報に記載の方法で合成することが出来る。
表面層の初期摩擦係数の低減の観点と、繰り返し使用時の明部電位変動の抑制の観点から、電子写真感光体の表面層に含有される樹脂(2)の含有量は、樹脂(1)の全質量に対して、0.1質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。その含有量は、より好ましくは、1質量%以上、50質量%以下である。樹脂(2)の含有量を上記範囲内とすることで、表面層内での化合物(3)の自由度が向上し、分極し易い状態となるため、帯電部材とのグリップ性が向上する効果を発現する。
[化合物(3)]
本発明に係る電子写真感光体の表面層は、化合物(3)として、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する。
本発明に係る電子写真感光体の表面層は、化合物(3)として、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する。
表面層がこれらの化合物を含有することにより、電子写真感光体は、繰り返し使用時の電位の安定性と帯電部材との滑りの抑制の効果が得られると共に、画像形成時に表面層上で化合物(3)が分極し、帯電部材とのグリップ性も向上する効果が得られる。そのため、化合物(3)の添加量は、表面層の全質量に対して、0.001質量%以上、0.5質量%以下であることが好ましい。化合物(3)は、表面層を形成する際の加熱乾燥工程において揮発しやすいため、表面層用塗工液中における化合物(3)の含有量(質量%)は、表面層中における化合物(3)の含有量(質量%)よりも多くすることが好ましい。したがって、表面層用塗工液中における化合物(3)の含有量は、表面層用塗工液の全質量に対して、5質量%以上、80質量%以下が好ましい。
表面層中における化合物(3)の含有量は、例えば、以下に示す測定方法により求めることができる。
HP7694 Headspace samper(アジレント・テクノロジー(株)製)と、HP6890 series GS System(アジレント・テクノロジー(株)製)を用いて測定する。製造した電子写真感光体から、表面層を含み5mm×40mmのサイズの試料片を切り出す。この試料片をバイアル瓶にいれ、ヘッドスペースサンプラー(HP7694 Headspace samper)の設定をOven 150℃、Loop170℃、Transfer Line 190℃に設定し、該試料片から発生するガスをガスクロマトグラフィー(HP6890 series GS System)で測定する。
また、該試料片の該表面層の質量は以下のようにして測定する。まず、上記測定に供した試料片の質量を量る。ここで、上記ガスクロマトグラフィーでの測定によって表面層から揮発した化合物(3)の質量は、無視し得るものとみなしている。次いで、該試料片をメチルエチルケトンに5分間浸漬して、表面層を剥離し、100℃で5分間乾燥させる。得られた表面層剥離後の試料片の質量を量る。これらの質量の差分から、試料片が有する表面層の質量を求める。
HP7694 Headspace samper(アジレント・テクノロジー(株)製)と、HP6890 series GS System(アジレント・テクノロジー(株)製)を用いて測定する。製造した電子写真感光体から、表面層を含み5mm×40mmのサイズの試料片を切り出す。この試料片をバイアル瓶にいれ、ヘッドスペースサンプラー(HP7694 Headspace samper)の設定をOven 150℃、Loop170℃、Transfer Line 190℃に設定し、該試料片から発生するガスをガスクロマトグラフィー(HP6890 series GS System)で測定する。
また、該試料片の該表面層の質量は以下のようにして測定する。まず、上記測定に供した試料片の質量を量る。ここで、上記ガスクロマトグラフィーでの測定によって表面層から揮発した化合物(3)の質量は、無視し得るものとみなしている。次いで、該試料片をメチルエチルケトンに5分間浸漬して、表面層を剥離し、100℃で5分間乾燥させる。得られた表面層剥離後の試料片の質量を量る。これらの質量の差分から、試料片が有する表面層の質量を求める。
〔支持体〕
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)である。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛の如き金属または合金が挙げられる。アルミニウムやアルミニウム合金性の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。また、金属支持体上または樹脂支持体上に、アルミニウム、アルミニウム合金、または酸化インジウム−酸化スズ合金の如き導電性材料の薄膜を形成したものも挙げられる。
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)である。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛の如き金属または合金が挙げられる。アルミニウムやアルミニウム合金性の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。また、金属支持体上または樹脂支持体上に、アルミニウム、アルミニウム合金、または酸化インジウム−酸化スズ合金の如き導電性材料の薄膜を形成したものも挙げられる。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子のような導電性粒子を樹脂などに含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。導電性支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、またはアルマイト処理を施してもよい。
〔導電層〕
本発明に係る電子写真感光体において、支持体上に、導電性粒子と樹脂を有する導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を結着樹脂に分散させた導電層用塗工液を用いて形成される層である。
本発明に係る電子写真感光体において、支持体上に、導電性粒子と樹脂を有する導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を結着樹脂に分散させた導電層用塗工液を用いて形成される層である。
導電性粒子としては、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀の如き金属の粉;導電性酸化スズ、ITOの如き金属酸化物の粉体などが挙げられる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗工液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、または芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上、40μm以下、特には、1μm以上、35μm以下、さらには5μm以上、30μm以下であることが好ましい。
〔中間層〕
導電性支持体または導電層と、感光層との間に中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護のために形成される。
導電性支持体または導電層と、感光層との間に中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護のために形成される。
中間層は、結着樹脂を含有する中間層用塗工液を導電性支持体上、または、導電層上に塗布し、これを乾燥または硬化させることによって形成することができる。
中間層の結着樹脂としては、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。中間層に用いられる結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、熱可塑性のポリアミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンが好ましい。中間層用塗工液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及び芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。中間層の膜厚は、0.05μm以上、40μm以下であることが好ましく、0.1μm以上、30μm以下であることがより好ましい。また、中間層には、半導電性粒子あるいは電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
〔感光層〕
導電性支持体、導電層または中間層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗工液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
導電性支持体、導電層または中間層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗工液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、及びペリレン顔料が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニンが高感度であるため好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、及び、樹脂の原料である単量体を共重合させた共重合樹脂が挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を用いることができる。
分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して、電荷発生物質が0.1質量部以上、10質量部以下の範囲が好ましく、1質量部以上、3質量部以下がより好ましい。電荷発生層用塗工液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上、2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質、電子受容性物質を含有させてもよい。積層型感光層を有する電子写真感光体において、電荷発生層上には、電荷輸送層が設けられる。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗工液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、またはスチルベン化合物が挙げられる。好ましくは、下記構造式(CTM−1)〜(CTM−7)で示される化合物である。
本発明において、電荷輸送層が表面層である場合は、結着樹脂としては、前記樹脂(1)と、前記樹脂(2)を含有するが、他の樹脂をさらに混合して用いてもよい。混合して用いてもよい他の樹脂は、上述のとおりである。電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送物質と結着樹脂との質量比は、好ましくは5:1〜1:5、より好ましくは3:1〜1:3である。電荷輸送層用塗工液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。好ましくは、キシレン、トルエン、およびテトラヒドロフランである。
本発明に係る電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、対光安定剤のような劣化防止剤や、有機微粒子、無機微粒子が挙げられる。劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。有機微粒子としては、フッ素原子含有樹脂粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物が挙げられる。上記各層の塗工液を塗布する際には、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法の塗布方法を用いることができる。なかでも浸漬塗布法が好ましい。上記各層の塗工液を乾燥させて塗膜を形成する乾燥温度としては、60℃以上、150℃以下が好ましい。このうち、電荷輸送層用塗工液(表面層用塗工液)の乾燥温度としては、特には110℃以上、140℃以下が好ましい。また、乾燥時間としては、10〜60分間が好ましく、20〜60分間がより好ましい。
<帯電部材>
本発明に係る帯電部材は、ローラ形状、平板形状、またはベルト形状等の形状を取ることができる。以下、図1A、図1B及び図1Cに示すローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」ともいう。)を例に、本発明に係る帯電部材について説明する。図1Aに示した帯電ローラは、導電性基体1及び該基体上に形成された表面層2を有している。図1Bに示した帯電ローラは、導電性基体1と表面層2の間に、導電性弾性層3を有している。導電性弾性層3は、複数の層構成を有してもよい。また、図1Cに示した帯電ローラは、導電性基体1と導電性弾性層3の間に導電性接着層4を設けた例である。
本発明に係る帯電部材は、ローラ形状、平板形状、またはベルト形状等の形状を取ることができる。以下、図1A、図1B及び図1Cに示すローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」ともいう。)を例に、本発明に係る帯電部材について説明する。図1Aに示した帯電ローラは、導電性基体1及び該基体上に形成された表面層2を有している。図1Bに示した帯電ローラは、導電性基体1と表面層2の間に、導電性弾性層3を有している。導電性弾性層3は、複数の層構成を有してもよい。また、図1Cに示した帯電ローラは、導電性基体1と導電性弾性層3の間に導電性接着層4を設けた例である。
〔表面層〕
表面層は、バインダー樹脂、電子導電剤及び内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を含有しており、該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有している。上記含有物以外に、表面層は、絶縁性金属粒子、レベリング剤、可塑剤、軟化剤を任意に含有することができる。表面層の膜厚は、該樹脂粒子に由来する凸部を形成させるため、0.1μmから100μm程度であることが好ましい。
表面層は、バインダー樹脂、電子導電剤及び内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を含有しており、該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有している。上記含有物以外に、表面層は、絶縁性金属粒子、レベリング剤、可塑剤、軟化剤を任意に含有することができる。表面層の膜厚は、該樹脂粒子に由来する凸部を形成させるため、0.1μmから100μm程度であることが好ましい。
表面層の体積抵抗率は、温度25℃、相対湿度50%の環境において、1×102Ω・cm以上、1×1016Ω・cm以下であることが好ましい。電子写真感光体との放電により適切に帯電するためには、1×105Ω・cm以上、1×108Ω・cm以下の範囲がより好ましい。
表面層の体積抵抗率は、以下のようにして求められる。まず、帯電部材から、表面層を、縦5mm、横5mm、厚さ1mm程度の切片に切り出す。次いでこの切片の両面に金属を蒸着して測定用サンプルを得る。表面層が薄膜で切り出せない場合には、アルミニウム製シートの上に表面層形成用の導電性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、塗膜面に金属を蒸着して測定用サンプルを得る。得られた測定用サンプルについて微小電流計(商品名:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER、(株)アドバンテスト製)を用いて200Vの電圧を印加する。そして、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して体積抵抗率を求める。表面層の体積抵抗率は、導電性微粒子及びイオン導電剤等の電子導電剤により調整することができる。
〔複数の空孔を有する樹脂粒子〕
帯電部材の表面に凸部を生じさせている樹脂粒子は、複数の空孔を内部に有している。空孔とは、内部に空気を含む領域のことである。複数の空孔を有する樹脂粒子に起因する凸部を有する帯電部材は、後述する「中空粒子」及び「多孔質粒子」を用いて形成することができる。
帯電部材の表面に凸部を生じさせている樹脂粒子は、複数の空孔を内部に有している。空孔とは、内部に空気を含む領域のことである。複数の空孔を有する樹脂粒子に起因する凸部を有する帯電部材は、後述する「中空粒子」及び「多孔質粒子」を用いて形成することができる。
ここで、「多孔質粒子」は、表面に貫通する空孔(以降、「貫通孔」又は「細孔」ともいう)を有する粒子、と定義される。貫通孔とともに、内部に空気を含み、表面に貫通していない空孔(以降、「非貫通孔」ともいう)を併有している粒子も、「多孔質粒子」と定義する。
一方、「中空粒子」とは、非貫通孔のみを有する粒子、と定義される。
一方、「中空粒子」とは、非貫通孔のみを有する粒子、と定義される。
多孔質粒子及び中空粒子の判別は、例えば、下記の方法により行うことができる。
すなわち、判別対象としての樹脂粒子を、光硬化性樹脂、例えば、可視光硬化性の包埋樹脂(商品名:D−800、日新EM(株)製、商品名:Epok812セット、応研商事(株)製等)を用いて包埋する。このとき、判別対象の樹脂粒子が多孔質粒子である場合、樹脂粒子内の貫通孔に上記包埋樹脂が侵入する。一方、判別対象の樹脂粒子が中空粒子である場合、樹脂粒子内の非貫通孔には上記包埋樹脂粒子が侵入できない。
次に、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOMECRYO DRY、DIATOME社製)を装着したウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ社製)、及び、クライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ社製)を使用して、面出しをした後、樹脂粒子の中央(図8に示す重心17近辺が含まれるように)を切り出し、100nmの厚みの切片を作成する。この後、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、あるいは、リンタングステン酸のいずれかの染色剤を使用して、包埋樹脂を染色する。次いで、該切片を、透過型電子顕微鏡(商品名:H−7100FA、(株)日立製作所製)にて、樹脂粒子の断面画像を撮影する。
これにより、包埋樹脂が侵入した貫通孔は黒色部として観察される。一方、包埋樹脂が侵入できない非貫通孔は、樹脂部分よりもより明るい白色部分として観察される。
従って、包埋樹脂が侵入した空孔が黒色部として観察される場合には、判別対象の樹脂粒子が多孔質粒子であることが分かる。また、当該黒色部が観察されず、包埋樹脂で包埋されていない空孔であるところの明るい白色部が観察される場合には、判別対象の樹脂粒子が中空粒子であることが分かる。以降、上記の方法を「包埋法」と称することがある。
すなわち、判別対象としての樹脂粒子を、光硬化性樹脂、例えば、可視光硬化性の包埋樹脂(商品名:D−800、日新EM(株)製、商品名:Epok812セット、応研商事(株)製等)を用いて包埋する。このとき、判別対象の樹脂粒子が多孔質粒子である場合、樹脂粒子内の貫通孔に上記包埋樹脂が侵入する。一方、判別対象の樹脂粒子が中空粒子である場合、樹脂粒子内の非貫通孔には上記包埋樹脂粒子が侵入できない。
次に、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOMECRYO DRY、DIATOME社製)を装着したウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ社製)、及び、クライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ社製)を使用して、面出しをした後、樹脂粒子の中央(図8に示す重心17近辺が含まれるように)を切り出し、100nmの厚みの切片を作成する。この後、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、あるいは、リンタングステン酸のいずれかの染色剤を使用して、包埋樹脂を染色する。次いで、該切片を、透過型電子顕微鏡(商品名:H−7100FA、(株)日立製作所製)にて、樹脂粒子の断面画像を撮影する。
これにより、包埋樹脂が侵入した貫通孔は黒色部として観察される。一方、包埋樹脂が侵入できない非貫通孔は、樹脂部分よりもより明るい白色部分として観察される。
従って、包埋樹脂が侵入した空孔が黒色部として観察される場合には、判別対象の樹脂粒子が多孔質粒子であることが分かる。また、当該黒色部が観察されず、包埋樹脂で包埋されていない空孔であるところの明るい白色部が観察される場合には、判別対象の樹脂粒子が中空粒子であることが分かる。以降、上記の方法を「包埋法」と称することがある。
図2A及び図2Bは、多孔質粒子を用いて形成した表面層の、該多孔質粒子に起因する凸部近傍の断面を示している。
図2Aは、多孔質粒子を用いて形成した、本発明の第一の態様に係る表面層の断面図であり、樹脂粒子6の内部の空孔7が樹脂粒子6の「凸部頂点側領域」に集中している状態を示す。なお、符号5は、表面層中の樹脂組成物(導電性樹脂組成物)を示す。
図2Bは、多孔質粒子を用いて形成した、本発明の第二の態様に係る表面層の断面図であり、樹脂粒子6の内部の空孔7が樹脂粒子6の内層部に集中している状態を示す。
表面層中における樹脂粒子は、「凸部頂点側領域」における空孔率が5体積%以上であることが好ましい。また、この空孔率は、20体積%以下であることが好ましい。尚、「凸部頂点側領域」とは、帯電部材の表面層の凸部を形成している樹脂粒子について、該樹脂粒子が空孔を有しない中実粒子であると仮定したときの該中実粒子内の11体積%を占める領域であって、導電性基体からの距離が最も遠い領域を意味する。「凸部頂点側領域」は、具体的には、図7の符号18で示される領域である。「凸部頂点側領域」における空孔率の測定方法は、後述する(実施例参照)。
図2Bは、多孔質粒子を用いて形成した、本発明の第二の態様に係る表面層の断面図であり、樹脂粒子6の内部の空孔7が樹脂粒子6の内層部に集中している状態を示す。
表面層中における樹脂粒子は、「凸部頂点側領域」における空孔率が5体積%以上であることが好ましい。また、この空孔率は、20体積%以下であることが好ましい。尚、「凸部頂点側領域」とは、帯電部材の表面層の凸部を形成している樹脂粒子について、該樹脂粒子が空孔を有しない中実粒子であると仮定したときの該中実粒子内の11体積%を占める領域であって、導電性基体からの距離が最も遠い領域を意味する。「凸部頂点側領域」は、具体的には、図7の符号18で示される領域である。「凸部頂点側領域」における空孔率の測定方法は、後述する(実施例参照)。
本発明においては、例えば、後述する多孔質粒子を用いて表面層を形成することにより、内部に複数の空孔を有する樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を形成することができる。多孔質粒子は、その内部に空気を含む領域を有する空孔(貫通孔)を複数有する。表面層の形成過程において、当該空孔内には、バインダー樹脂等が浸入することがあるが、表面層の製造条件を調整することにより、該空孔を完全に埋没させないようにすることができる。そのため、表面層に凸部を形成させてなる樹脂粒子内には空孔を存在させ得る。
この残留する空孔の数やサイズは、具体的には、多孔質粒子、電子導電剤およびバインダー樹脂を含有する表面層形成用の塗工液の種類、塗工条件及び当該塗工液の塗膜の乾燥条件等を制御することで、空孔径や空孔率を制御することができる。
本発明に係る表面層の形成方法は、表面層中に、帯電部材の表面に凸部を生じさせる、内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を存在させることができる方法であれば、いかなる方法でも用いることができる。具体的には、例えば、表面層形成用の塗工液を用いたディップ塗工法やリング形状の塗工ヘッドを用いたリング塗工法が挙げられる。
本発明では、さらに、帯電部材の表面に凸部を生じさせる樹脂粒子の内部に有する空孔が、樹脂粒子の「凸部頂点側領域」に集中している状態であることがより好ましい。このような状態の帯電部材が電子写真感光体と当接すると、樹脂粒子由来の凸部頂点近傍のみが歪むため、ニップ内放電を弱めることなく、電子写真感光体と帯電部材との間のスリップを抑制する効果をより確実に発揮させることができる。
図3は、中空粒子を用いて形成した表面層の、該中空粒子に起因する凸部近傍の断面を示している。
以下に、本発明に係る表面層中の樹脂粒子の原料としての「多孔質粒子」と「中空粒子」について詳細に説明する。
[多孔質粒子]
多孔質粒子としては、粒子の外層部の空孔率と空孔径を、それぞれ、粒子の内層部の空孔率と空孔径よりも大きくすることが好ましい。このようなコアシェル構造を有する多孔質粒子を用いることで、図2Aに示すような状態を形成することができる。また、前記コアシェル構造を有さない多孔質粒子を用いると、図2Bに示すような状態を形成することができる。
多孔質粒子としては、粒子の外層部の空孔率と空孔径を、それぞれ、粒子の内層部の空孔率と空孔径よりも大きくすることが好ましい。このようなコアシェル構造を有する多孔質粒子を用いることで、図2Aに示すような状態を形成することができる。また、前記コアシェル構造を有さない多孔質粒子を用いると、図2Bに示すような状態を形成することができる。
多孔質粒子の材質としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂を例示することができる。これらの樹脂は、単独で、または、2種以上を用いることができる。更に、これらの樹脂の原料となる単量体を共重合させ、共重合体としても用いても良い。これらの樹脂を主成分として、必要に応じてその他公知の樹脂を含有しても良い。
本発明における多孔質粒子は、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法、または、樹脂溶液に樹脂の溶解度を低下させる溶質や溶媒を添加し析出させる方法、等の公知の製法により作製することができる。例えば、懸濁重合法においては、架橋性単量体の存在下、重合性単量体に多孔化剤を溶解し、油性混合液を作製する。この油性混合液を用いて界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中で水性懸濁重合を行い、重合終了後、洗浄、乾燥工程を行うことで水及び多孔化剤を取り除き、樹脂粒子を得ることができる。尚、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラーを添加することもできる。また、多孔質粒子の内部に細孔を形成するために、架橋性単量体の存在下に重合を行うことが好ましい。
重合性単量体としては、例えば以下のものが挙げられる。スチレン、p−メチルスチレン、及びp−tert−ブチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロフルフリル、及びメタクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー。これらの重合性単量体は、単独で場合によっては2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明において、用語「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルの両方を含む概念である。
架橋性単量体としては、ビニル基を複数個有するものであれば特に限定されず、以下のものを例示することができる。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートの如き(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体。これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。
架橋性単量体は、単量体混合物中において5質量%以上、90質量%となるように使用するのが好ましい。本範囲内とすることにより、多孔質粒子の内部に確実に細孔を形成することが可能になる。
多孔化剤としては、非重合性溶媒や、重合性単量体の混合物に溶解する直鎖状ポリマーと非重合性溶媒との混合物や、セルロース樹脂を使用することができる。
非重合性溶媒としては、以下のものを例示することができる。トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ノルマルヘキサン、ノルマルオクタン、ノルマルドデカン。
セルロース樹脂としては、特に限定されないが、エチルセルロースを挙げることができる。これらの多孔化剤は、単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
多孔化剤は使用目的に応じ適宜添加量を選択することができるが、重合性単量体、架橋性単量体および多孔化剤からなる油相100質量部中において、20質量部から90質量部の範囲で使用するのが好ましい。本範囲内とすることにより、多孔質粒子がもろくなりにくく、帯電部材と電子写真感光体とのニップにおいて空隙を形成しやすくなる。
非重合性溶媒としては、以下のものを例示することができる。トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ノルマルヘキサン、ノルマルオクタン、ノルマルドデカン。
セルロース樹脂としては、特に限定されないが、エチルセルロースを挙げることができる。これらの多孔化剤は、単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
多孔化剤は使用目的に応じ適宜添加量を選択することができるが、重合性単量体、架橋性単量体および多孔化剤からなる油相100質量部中において、20質量部から90質量部の範囲で使用するのが好ましい。本範囲内とすることにより、多孔質粒子がもろくなりにくく、帯電部材と電子写真感光体とのニップにおいて空隙を形成しやすくなる。
重合開始剤としては、特に限定されないが、重合性単量体に可溶なものが好ましい。公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤を使用でき、以下のものを例示することができる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、及び2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル。
界面活性剤としては、以下のものを例示することができる。ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレン(重合度1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミンの如きアニオン性界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、及びオレイルアミン乳酸塩の如きカチオン性界面活性剤;アジピン酸ジエタノールアミン縮合物、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン、及びステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩の如きノニオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、及びβ−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムの如き両性界面活性剤;ポリビニルアルコール、デンプン、及び、カルボキシメチルセルロースの如き高分子型分散剤。
分散安定剤としては、以下のものを例示することができる。ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子の如き有機微粒子;コロイダルシリカの如きシリカ;炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、及び、水酸化マグネシウム。
上記重合法のうち、特に、懸濁重合法の具体的一例について、下記に示す。懸濁重合は、耐圧容器を用い、密閉下で行うことが好ましく、重合前に原料成分を分散機で懸濁してから、耐圧容器に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁させてもよい。重合温度は、50℃〜120℃がより好ましい。重合は、大気圧下で行ってもよいが、多孔化剤を気体状にさせないようにするため加圧下(大気圧に0.1〜1MPaを加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過によって、固液分離及び洗浄を行ってもよい。固液分離や洗浄の後、樹脂粒子を構成する樹脂の軟化温度以下の温度にて乾燥や粉砕してもよい。乾燥及び粉砕は、公知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機またはナウターミキサーを使用できる。また、乾燥及び粉砕は粉砕乾燥機によって同時に行うこともできる。界面活性剤及び分散安定剤は、製造後に洗浄濾過を繰り返すことにより除去することができる。
多孔質粒子の粒径は、重合性単量体や多孔化剤からなる油性混合液と界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体との混合条件や、分散安定剤の添加量、撹拌分散条件により調整することができる。分散安定剤の添加量を増加させることで、平均粒径を下げることができる。また、撹拌分散条件において、撹拌速度を上げることで、多孔質粒子の平均粒径を下げることが可能である。本発明における多孔質粒子の体積平均粒径は、5〜60μmの範囲であることが好ましい。更には、10〜50μmの範囲であることがより好ましい。本範囲内とすることで、上記ニップ内放電をより安定して発生させることができる。なお、体積平均粒径は、後述する実施例に記載する方法で測定することができる。
また、多孔質粒子の細孔径及び内部の空孔径、更に、空気を含む領域の割合は、架橋性単量体の添加量、多孔化剤の種類や添加量により調整することができる。
空孔径は、架橋性単量体の添加量を増やすことで、小さくすることができる。また、多孔化剤としてセルロース樹脂を用いることで、細孔径を更に大きくすることができる。
多孔質粒子における細孔径は、10〜500nm、かつ、樹脂粒子の平均粒径に対して20%以下の範囲内であることが好ましい。更には、20〜200nm、かつ、樹脂粒子の平均粒径に対して10%以下の範囲内であることがより好ましい。本範囲内とすることで、表面層に添加した際に、樹脂粒子の内層部に複数の空孔を有する図2Bに示すような状態を形成することができる。凸部を形成する樹脂粒子内部の空孔径は60〜300nmであることが好ましい。より好ましくは80〜150nmである。このより好ましい範囲を満たすことにより、樹脂粒子由来の凸部の硬度が低下し、電子写真感光体と当接した凸部の歪みを大きくすることができる。その結果、電子写真感光体と帯電部材との当接状態が安定する。
また、前述のように、図2Aに示すような樹脂粒子の内部に有する空孔が樹脂粒子の「凸部頂点側領域」に集中している状態を形成するためには、樹脂粒子の外層部の空孔率と空孔径を、それぞれ、樹脂粒子の内層部の空孔率と空孔径よりも大きくすることが好ましい。
本発明に用いる内層部の空孔率よりも外層部の空孔率が大きく、且つ、内層部の空孔径よりも外層部の空孔径が大きい多孔質粒子は、2種類の多孔化剤を使用すること、特に、溶解度パラメーター(以下、「SP値」と称す。)に差のある2種類の多孔化剤を使用することにより、作製することができる。
具体的な一例として、多孔化剤に、ノルマルへキサンと酢酸エチルを使用した場合を例にして以下説明する。上記2種の多孔化剤を使用した場合、重合性単量体及び多孔化剤を混合した油性混合液を水性媒体に投入すると、水とSP値の近い酢酸エチルが、水性媒体側、即ち、懸濁液滴の外層部に多く存在することになる。一方、液滴の内層部には、ノルマルへキサンがより多く存在する。液滴の外層部に存在する酢酸エチルは、水とSP値が近いため、酢酸エチル中に、ある程度の水が溶解することになる。この場合、液滴の内層部と比較して液滴の外層部においては、重合性単量体に対する多孔化剤の溶解性が低下し、重合性単量体と多孔化剤とが、内層部と比較して分離し易い状態になっている。即ち、上記液滴の外層部においては、多孔化剤が、内層部と比較してより大きな塊で存在しやすい状態となる。この様に、液滴の内層部と外層部で、多孔化剤の存在が異なるように制御した状態で、前述した重合反応、更に後処理を行うことにより、前述したコアシェル構造の多孔質粒子を作製することができる。
従って、2種類の多孔化剤のうちの1種類を、媒体である水とのSP値の差が小さいものとすることで、多孔質粒子の外層部の空孔径を大きく、且つ、空孔率を大きくすることができる。上記手段に使用する好ましい多孔化剤としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、アセトン、及び、メチルエチルケトンが例示できる。一方で、もう1種類として、重合性単量体の溶解性が高く、水とのSP値の差が大きい多孔化剤を使用することで、前述したコアシェル構造の多孔質粒子を作製することができる。上記手段に使用する好ましい多孔化剤としては、ノルマルへキサン、ノルマルオクタン、及びノルマルドデカンが例示できる。
[中空粒子]
中空粒子の材質としては、上記多孔質粒子と同様の樹脂を例示することができる。これらの樹脂は、単独で、または、2種以上を用いることができる。更に、これらの樹脂の原料となる単量体を共重合させ、共重合体としても用いても良い。これらの樹脂を主成分として、必要に応じてその他公知の樹脂を含有しても良い。
中空粒子の材質としては、上記多孔質粒子と同様の樹脂を例示することができる。これらの樹脂は、単独で、または、2種以上を用いることができる。更に、これらの樹脂の原料となる単量体を共重合させ、共重合体としても用いても良い。これらの樹脂を主成分として、必要に応じてその他公知の樹脂を含有しても良い。
本発明における中空粒子は、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法等の公知の製法により製造することができる。これらの製法の内で、好ましい懸濁重合法として以下の(a)の製法が挙げられる。
(a)水性媒体を用いる方法
架橋性単量体の存在下、疎水性の重合性単量体(疎水性単量体)と、親水性の重合性単量体(親水性単量体)と重合開始剤とからなる油性混合液を作製する。この油性混合液を、分散安定化剤を含有する水性媒体液中で水性懸濁重合を行い、重合終了後、洗浄、乾燥工程を経て、中空粒子を得ることができる。
この方法によれば、重合過程において、油性混合液と水性媒体液とを混合する際に、油性混合液の液滴中に水が入り込む。その後、水が取り込まれたままで液滴中の重合性単量体を重合させることで、水が取り込まれた樹脂粒子が形成される。この樹脂粒子を100℃以上の温度で乾燥させて、樹脂粒子内の水を気化させることで、樹脂粒子内に非貫通孔を形成させることができる。なお、上記乾燥工程によっても水は、樹脂粒子内に止まっていると考えられ、貫通孔は形成されない。また、あらかじめ、油性混合液に水を添加し、エマルジョン化した混合液を、水性媒体液に分散させ、更に、懸濁重合を行って、上記中空粒子を得ることもできる。
架橋性単量体の存在下、疎水性の重合性単量体(疎水性単量体)と、親水性の重合性単量体(親水性単量体)と重合開始剤とからなる油性混合液を作製する。この油性混合液を、分散安定化剤を含有する水性媒体液中で水性懸濁重合を行い、重合終了後、洗浄、乾燥工程を経て、中空粒子を得ることができる。
この方法によれば、重合過程において、油性混合液と水性媒体液とを混合する際に、油性混合液の液滴中に水が入り込む。その後、水が取り込まれたままで液滴中の重合性単量体を重合させることで、水が取り込まれた樹脂粒子が形成される。この樹脂粒子を100℃以上の温度で乾燥させて、樹脂粒子内の水を気化させることで、樹脂粒子内に非貫通孔を形成させることができる。なお、上記乾燥工程によっても水は、樹脂粒子内に止まっていると考えられ、貫通孔は形成されない。また、あらかじめ、油性混合液に水を添加し、エマルジョン化した混合液を、水性媒体液に分散させ、更に、懸濁重合を行って、上記中空粒子を得ることもできる。
上記の場合、疎水性単量体と親水性単量体の合計に対し、疎水性単量体は、70質量%から99.5質量%、親水性単量体は、0.5質量%から30質量%に調整することが好ましい。これにより、中空粒子を形成し易くなる。
疎水性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、多官能(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、及び酢酸ビニルが挙げられる。この内、熱分解性の観点から(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが好ましく、メタクリル酸エステル系モノマーがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル。上記疎水性単量体は、複数種を組み合わせて用いてもよい。
親水性単量体としては、水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、以下のものが挙げられる。ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート。これらは複数種を組み合わせて用いてもよい。
架橋性単量体としては、前記多孔質粒子の製造の場合と同様の単量体を使用することができる。前記疎水性単量体と親水性単量体の合計に対し、0.5質量%から60質量%に調整することが好ましい。本範囲内とすることにより、多孔質粒子の内部に確実に空孔を形成することが可能になる。
その他、重合開始剤、界面活性剤、分散安定剤については、前記多孔質粒子の製造の場合と同様の化合物を使用可能である。上記の重合開始剤、分散安定剤及び界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。重合開始剤の使用割合は、単量体100質量部に対して0.01質量部から2質量部であることが好ましい。分散安定剤の使用割合は、単量体100質量部に対して0.5質量部から30質量部であることが好ましい。界面活性剤の使用割合は、水100質量部に対し0.001質量部から0.3質量部であることが好ましい。
重合反応は、油性混合液と水性媒体とを混合した後、撹拌しながら昇温して行う。重合温度は40℃から90℃、重合時間は1時間から10時間程度が好ましい。本範囲内とすることにより、中空粒子の内部に確実に空孔(非貫通孔)を形成することが可能になる。この時、単量体と水との混合条件及び撹拌条件をコントロールすることで、中空粒子の平均粒子径を適宜決定することができる。
中空粒子の中に含まれる空孔(非貫通孔)の平均直径は、0.05μm以上、15μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1μm以上、10μm以下である。本範囲内とすることで、樹脂粒子由来の凸部の硬度が低下し、凸部の歪みが大きくなり、電気的引力が強くなり、電子写真感光体と帯電部材の当接状態を、より一層安定化させることができる。
〔バインダー樹脂〕
バインダー樹脂としては、公知のゴムまたは樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。
バインダー樹脂としては、公知のゴムまたは樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。
合成ゴムとしては、以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。
樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の如き樹脂が使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂がより好ましく、特に好ましいのは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂である。この樹脂を用いることで、帯電部材と電子写真感光体との当接状態が安定化し、スリップを抑制し易くなる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらバインダー樹脂の原料である単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。これらの中でも、バインダー樹脂は、上述した樹脂を使用することが好ましい。これは、電子写真感光体との密着性及び摩擦性の制御を、より容易に行うことができるためである。
〔電子導電剤〕
電子導電剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の微粒子や繊維;酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;前記の金属系の微粒子、繊維、及び金属酸化物表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子;ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック;PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボンの如きカーボン粉。ファーネスブラックとしては以下のものが挙げられる。SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、及びFEF−HS。サーマルブラックとしては、FT、及びMTが挙げられる。
電子導電剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の微粒子や繊維;酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;前記の金属系の微粒子、繊維、及び金属酸化物表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子;ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック;PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボンの如きカーボン粉。ファーネスブラックとしては以下のものが挙げられる。SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、及びFEF−HS。サーマルブラックとしては、FT、及びMTが挙げられる。
また、これら電子導電剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、電子導電剤は、平均一次粒径が0.01μmから0.9μmがより好ましく、0.01μmから0.5μmであることが更に好ましい。この範囲内であれば、帯電部材の表面層の体積抵抗率の制御が容易になる。表面層中における電子導電剤の平均一次粒径の測定は、例えば、以下のようにして行う。すなわち、ミクロトームを用いて厚さ100ナノメータ程度の試験片を切り出し、当該試験片を電子顕微鏡を用いて80000〜100000倍の倍率の拡大写真を撮影する。得られた写真から、凝集していない100個の電子導電剤を選択する。選択した電子導電剤の各々について、写真上の最大長さを各電子導電剤の直径とみなして、写真の拡大倍率に基づき各電子導電剤の直径の値を算出する。算出した各電子導電剤の直径の算術平均値を、当該試験片に含まれる電子導電剤の平均一次粒径とする。
表面層中におけるこれらの電子導電剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して2質量部から80質量部、好ましくは20質量部から60質量部の範囲が適当である。
また、電子導電剤は、その表面を表面処理してもよい。表面処理剤としては、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサンの如き有機ケイ素化合物;シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤;オリゴマー又は高分子化合物が使用可能である。これらは一種で使用しても、二種以上を用いても良い。好ましくは、アルコキシシラン、ポリシロキサンの如き有機ケイ素化合物;シラン系、チタネート系、アルミネート系又はジルコネート系の各種カップリング剤であり、更に好ましくは、有機ケイ素化合物である。上記表面処理剤を用いることにより、電子導電剤の分散性が向上し、所望の電気特性が得られやすくなる。
電子導電剤として、カーボンブラックを使用する際は、金属酸化物系微粒子にカーボンブラックを被覆した複合導電性微粒子として使用することが更に好ましい。カーボンブラックは、ストラクチャーを形成するため、バインダー樹脂に対して、均一に存在させることが困難な傾向にある。カーボンブラックを金属酸化物に被覆した複合導電性微粒子として使用すると、電子導電剤をバインダー樹脂へ均一に存在させることができ、帯電部材の表面層の体積抵抗率の制御がより容易になる。
〔その他の材料〕
本発明に係る帯電部材の表面層は、前記の電子導電剤に加え、絶縁性粒子を含有してもよい。絶縁性粒子の材質としては以下のものが挙げられる。酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリナイト、中空ガラス球、有機金属化合物及び有機金属塩。また、フェライト、マグネタイト、ヘマタイトの如き酸化鉄類や活性炭も使用することができる。
本発明に係る帯電部材の表面層は、前記の電子導電剤に加え、絶縁性粒子を含有してもよい。絶縁性粒子の材質としては以下のものが挙げられる。酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリナイト、中空ガラス球、有機金属化合物及び有機金属塩。また、フェライト、マグネタイト、ヘマタイトの如き酸化鉄類や活性炭も使用することができる。
帯電部材の表面層には、更に、離型性を向上させるために、離型剤を含有させても良い。表面層に離型剤を含有させることで、帯電部材の表面に汚れが付着することを防ぎ、帯電部材の耐久性を向上させることができる。離型剤が液体の場合は、表面層を形成する際にレベリング剤としても作用する。また、表面層は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理を挙げることができる。
〔導電性基体〕
帯電部材の導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる表面層を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理を施してもよい。さらに、導電性基体(導電性のシャフト)として、樹脂製の基材の表面を金属で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
帯電部材の導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる表面層を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理を施してもよい。さらに、導電性基体(導電性のシャフト)として、樹脂製の基材の表面を金属で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
〔導電性弾性層〕
本発明に係る帯電部材において、導電性基体と表面層との間には、必要に応じて導電性弾性層を配置することができる。導電性弾性層としては、樹脂(ゴム)と導電性物質を混合した材料を用いるのが一般的である。樹脂(ゴム)としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムが使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。より好ましい樹脂(ゴム)としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴムである。
本発明に係る帯電部材において、導電性基体と表面層との間には、必要に応じて導電性弾性層を配置することができる。導電性弾性層としては、樹脂(ゴム)と導電性物質を混合した材料を用いるのが一般的である。樹脂(ゴム)としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムが使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。より好ましい樹脂(ゴム)としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴムである。
導電性の弾性層に適用できる導電性材料としては、電子導電剤とイオン導電剤の二種類がある。電子導電剤としては、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の微粒子や繊維;酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;金属系微粒子、カーボンブラック、及び、カーボン系微粒子が挙げられる。また、これらを、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。電子導電剤の中でも、長期間に亘って電気抵抗を維持できることからカーボンブラックが好適に用いられる。これは、カーボンブラックが酸化劣化によって、高抵抗化しないからである。導電性の弾性層が含有する電子導電剤の量は、樹脂(ゴム)100質量部に対して2質量部から200質量部、好ましくは5質量部から100質量部の範囲が適当である。
イオン導電剤としては、過塩素酸リチウムの如き無機イオン物質、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートの如き陽イオン性界面活性剤、ジメチルアルキルラウリルベタインの如き両性イオン界面活性剤、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウムの如き第四級アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩が挙げられる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。導電性弾性層が含有するイオン導電剤の量は、樹脂(ゴム)100質量部に対して0.01質量部から5質量部、好ましくは0.1質量部から2質量部の範囲が適当である。
導電性基体は、その直上の導電性弾性層と、導電性接着層を介して接着してもよい。この場合、導電性接着層を形成するために導電性接着剤を用いることが好ましい。接着剤を導電性とするためには、公知の導電剤を用いることができる。接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系の公知のものを用いることができる。接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、前記電子導電剤や前記イオン導電剤から適宜選択し、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
〔帯電部材の製造方法〕
本発明に係る帯電部材は、導電性基体上に表面層を形成することによって製造することができ、また、導電性基体上に導電性弾性層形成し、更にその上に表面層を形成することによって製造することができる。
本発明に係る帯電部材は、導電性基体上に表面層を形成することによって製造することができ、また、導電性基体上に導電性弾性層形成し、更にその上に表面層を形成することによって製造することができる。
[導電性弾性層の形成方法]
先ず、導電性の弾性層を形成するための材料として、樹脂(ゴム)、導電剤、可塑剤、増量材、その他各種添加剤(加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、発泡剤等)を混練機で混練して原料ゴム組成物を作製する。混練機としては、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダーが挙げられる。また、加硫剤、加硫促進剤を混練する工程では、温度の上昇による樹脂(ゴム)の加硫の進行を防止するために、オープンロールを用いた混練が望ましい。
先ず、導電性の弾性層を形成するための材料として、樹脂(ゴム)、導電剤、可塑剤、増量材、その他各種添加剤(加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、発泡剤等)を混練機で混練して原料ゴム組成物を作製する。混練機としては、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダーが挙げられる。また、加硫剤、加硫促進剤を混練する工程では、温度の上昇による樹脂(ゴム)の加硫の進行を防止するために、オープンロールを用いた混練が望ましい。
原料ゴム組成物から導電性の弾性層を形成する方法としては、例えば、クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、接着剤を塗布した導電性基体を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物を被覆して、導電性基体と原料ゴム組成物を一体的に押出して作製する方法が挙げられる。クロスヘッドは、一般に電線や針金の被覆に用いられている装置であり、押出機のシリンダのゴム排出部に取り付けて使用されるものである。
また、原料ゴム組成物からゴムチューブを形成し、接着剤を塗布した導電性の基体を該チューブに挿入し、接着する方法が挙げられる。また、接着剤を塗布した導電性基体を未加硫のゴムシートで被覆し、金型内で加硫を行う方法が挙げられる。
得られた帯電部材は、その表面を研磨してもよい。所定の外径寸法を形成する円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機などを用いることができる。プランジカット方式のNC円筒研磨機は、トラバース方式に比べ幅広な研削砥石を用いるため加工時間を短くすることができ、また研削砥石の径変化が少ないので好ましい。
[表面層の形成方法]
表面層の形成方法としては、以下の方法を例示することができる。先ず、前述の方法等によって導電性基体の上に、導電性の弾性層を形成する。次いで、この弾性層の表面を、後述する表面層用の塗工液の層で被覆し、乾燥、硬化、または、架橋を行う方法である。被覆方法としては、静電スプレー塗布法、ディッピング塗布法、ロール塗布法、所定の膜厚に成膜されたシート形状又はチューブ形状の層を接着又は被覆する方法、型内で該弾性層の外周部に表面層用の塗工液を配置して硬化する方法、が挙げられる。
表面層の形成方法としては、以下の方法を例示することができる。先ず、前述の方法等によって導電性基体の上に、導電性の弾性層を形成する。次いで、この弾性層の表面を、後述する表面層用の塗工液の層で被覆し、乾燥、硬化、または、架橋を行う方法である。被覆方法としては、静電スプレー塗布法、ディッピング塗布法、ロール塗布法、所定の膜厚に成膜されたシート形状又はチューブ形状の層を接着又は被覆する方法、型内で該弾性層の外周部に表面層用の塗工液を配置して硬化する方法、が挙げられる。
また、これらの塗布法を使用する場合、バインダー樹脂中に、樹脂粒子、イオン導電剤や導電性微粒子等の電子導電剤を分散した「表面層用の塗工液」が調製される。樹脂粒子の空孔率の制御をより容易なものにするため、塗工液には、溶剤を使用することが好ましい。特に、上記バインダー樹脂を溶解することが可能であり、更に、樹脂粒子と親和性の高い、極性溶剤を使用することが好ましい。溶剤として具体的には以下のものが挙げられる。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノールの如きアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドの如きアミド類;ジメチルスルホキシドの如きスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテルの如きエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルの如きエステル類。
なお、上記塗工液に、バインダー樹脂、樹脂粒子、イオン導電剤や導電性微粒子等の電子導電剤を分散する方法としては、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如き溶液分散手段を用いることができる。
表面層の形成方法の具体的な一例を下記に示す。まず、バインダー樹脂に樹脂粒子以外の分散成分、例えば導電性微粒子等を、直径0.8mmのガラスビーズとともに混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて5時間から36時間かけて分散する。次いで、樹脂粒子を添加して分散する。分散時間としては2分間以上、30分間以内が好ましい。ここで、樹脂粒子が粉砕することがないような条件であることが必要である。その後、粘度3〜30mPa・s、より好ましくは3〜20mPa・sになるように調整して表面層用の塗工液を得る。次いで、ディッピングにより導電性弾性層の上に、乾燥後の膜厚が0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μm、特に好ましくは1〜10μmとなるように、表面層を形成することが好ましい。
なお、表面層の膜厚は、帯電部材の断面を鋭利な刃物で切り出して光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察して測定することができる。帯電部材の長手方向において任意の3点、更に、周方向に3点の計9点において測定を行い、その平均値をもって膜厚とする。
膜厚が厚い場合、即ち、上記塗工液の溶剤量が少ない場合、表層中に気泡が発生しやすくなることがある。従って、上記塗工液の固形分濃度は、比較的小さくすることが好ましい。塗工液に対して、溶剤の占める割合は、40質量%以上が好ましく、より好ましくは、50質量%以上、特には、60質量%以上とすることが好ましい。
塗工液の比重としては、0.8000以上、1.200以下に調整することが好ましく、0.9000以上、1.000以下がより好ましい。本範囲内とすることで、上記塗工液の流れを発生させやすくなり、気泡が抜けやすくなる。また、樹脂粒子の比重と、上記塗工液の比重の差を、更に小さく制御することは、上記塗工液の流れによる樹脂粒子の移動が容易になり、樹脂粒子の沈降が抑制されるため、更に好ましい。
また、上記塗工液の塗布後は、温度20〜50℃程度の環境で、一旦乾燥させることが好ましい。硬化、または、架橋等の処理を行う場合には、上記の乾燥後に行うことが好ましい。塗工液の塗布直後に高温(例えば、溶剤の沸点以上)の温度をかけてしまうと、溶剤の突沸が発生し、塗膜が均一に形成され難くなるため好ましくない。硬化または架橋処理等に高温を必要とする際には、前記突沸を抑えるために、硬化処理前に、20〜30℃程度の環境で前乾燥を行うことが好ましい。これにより、均一な塗膜形成を確実に行うことが可能になる。
本発明において、図2Aに示すように、凸部頂点側領域に空孔が集中している樹脂粒子を表面層中に存在させるためには、樹脂粒子の原料として、内層部の空孔率よりも外層部の空孔率が大きく、且つ、内層部の空孔径よりも外層部の空孔径が大きい多孔質粒子を用いることが好ましい。
このような多孔質粒子を用いて表面層を形成した場合、帯電部材の表面の凸部において、上記空孔率の制御がより容易になる理由を図10A〜図10Eを用いて以下に説明する。
図10Aは、導電性基体の表面または、導電性弾性層の表面に、上記表面層用の塗工液の塗膜26を前述の塗工方法により塗布した直後の状態を示す模式図である。塗膜26は、溶剤、バインダー樹脂、電子導電剤、及び、多孔質粒子23を含有しており、多孔質粒子23は、内層部領域24と外層部領域25により形成されている。そして、多孔質粒子においては、内部層領域の空孔率よりも外層部領域の空孔率が大きく、内層部領域の空孔径よりも外層部領域の空孔径が大きい状態を示している。なお、上記状態において、多孔質粒子の空孔内部には、少なくとも溶剤及びバインダー樹脂が均等に浸透していると推察される。そして、上記塗工液を導電性基体の表面に塗布した直後より、塗工液も表面側から溶剤の揮発が発生する。この際、溶剤の揮発は図10Bの27で示す方向に進行するため、塗膜26の表面側は、バインダー樹脂の濃度が高まってくる。塗膜の内部では、溶剤とバインダー樹脂との濃度を一定に維持しようとする力が働き、塗膜中のバインダー樹脂は、28で示す方向に流れることになる。
一方、多孔質粒子の内層部領域24は、外層部領域25よりも空孔径が小さく、且つ、空孔率が小さいため、内層部領域24における溶剤及びバインダー樹脂の移動速度は、外層部領域25における溶剤及びバインダー樹脂の移動速度よりも遅い。従って、バインダー樹脂は、28の方向に移動するものの、多孔質粒子の内層部領域と外層部領域における上記移動速度の差により、内層部領域におけるバインダー樹脂の濃度よりも、外層部領域におけるバインダー樹脂の濃度が高まる状態が発生する。図10Cは、内層部領域24と比較し、外層部領域25において、バインダー樹脂の濃度が高い状態を示している。
そして、多孔質粒子の内層部領域と外層部領域のバインダー樹脂の濃度差を緩和する方向に、バインダー樹脂の流れ29が発生する。そして、溶剤の揮発は常に27の方向に進行しているため、多孔質粒子の内層部領域と比較して、外層部領域のバインダー樹脂の濃度が低下する状態、即ち、図10Dに示す状態となる。
上記図10Dの状態で、使用している溶剤の沸点以上の温度で、塗膜を、乾燥、硬化、または、架橋等を行うことにより、多孔質粒子の外層部領域に残存した溶剤が、一気に揮発し、最終的に、多孔質粒子の外層部領域に空孔30を形成することができる。
上記手法を用いることにより、上述した帯電部材の凸部の空孔率の制御を確実に行うことが可能になると本発明者らは考察している。
上記制御をより容易に行うため、多孔質粒子の内層部領域と外層部領域の空孔率及び空孔径の比率を制御することがより好ましい。即ち、内層部の空孔率に対し、外層部の空孔率は、1.5倍以上、3倍以下とすることが好ましく、且つ、内層部の空孔径に対し、外層部の空孔径は、2倍以上、10倍以下とすることが好ましい。また、上記溶剤の流れを制御するため、多孔質粒子と親和性の高い、前述した極性溶剤を使用することが好ましい。上記の溶剤の中でも、ケトン類、及び、エステル類を使用することが更に好ましい。
表面層用の塗工液を塗布した後の、乾燥、硬化、または、架橋等の工程は、温度及び時間を制御することが好ましい。温度及び時間を制御することにより、上記溶剤及びバインダー樹脂の移動速度を制御することが可能になる。そして、具体的に、塗膜形成後の工程は、三段階以上とすることが好ましい。以下、塗膜形成後の工程を三段階とした場合の状態を詳細に説明する。
一段階目は、塗膜形成後に、室温雰囲気下で、15分間以上、1時間以下、放置することが好ましい。これにより、前述した図10Bの状態を緩やかに形成することが容易になる。
二段階目は、室温以上の温度、かつ使用する溶剤の沸点以下の温度で、15分間以上、1時間以下、放置することが好ましい。使用する溶剤の種類によって若干の違いは見られるものの、具体的には、40℃以上、100℃以下に制御し、30分間以上、50分間以下、放置することがより好ましい。そして、この二段階目により、図10Cの溶剤の揮発速度が大きくなり、多孔質粒子の内層部領域24のバインダー樹脂の濃度を高める制御を、より容易に行うことができる。
三段階目は、溶剤の沸点以上の温度における、乾燥、硬化、または、架橋の工程である。その際、二段階目と三段階目の温度は、急激に昇温させて制御することが好ましい。これにより、凸部頂点近傍に空孔を形成しやすくなる。具体的には、同一の乾燥炉内での温度制御ではなく、二段階目と三段階目の乾燥炉は、別の装置、或いは、別エリアとすることが好ましく、装置あるいはエリアの移動は、できる限り短い時間とすることが好ましい。
即ち、本発明の帯電部材の表面層の形成方法としては、例えば、以下の工程(1)と工程(2)を有する方法が挙げられる。
(1)導電性基体の表面、または、該導電性基体上に形成した導電性樹脂層(導電性弾性層)の表面に、バインダー樹脂、溶剤、電子導電剤、及び、原料としての樹脂粒子(多孔質粒子)とを含む表面層用の塗工液の塗膜を形成する工程、
(2)該塗膜中の溶剤を揮発させて表面層を形成する工程。
(1)導電性基体の表面、または、該導電性基体上に形成した導電性樹脂層(導電性弾性層)の表面に、バインダー樹脂、溶剤、電子導電剤、及び、原料としての樹脂粒子(多孔質粒子)とを含む表面層用の塗工液の塗膜を形成する工程、
(2)該塗膜中の溶剤を揮発させて表面層を形成する工程。
工程(2)は、塗膜中の溶剤を揮発させる過程で、以下の工程(3)と工程(4)とを有することが好ましい。
(3)多孔質粒子の空孔中に浸透した溶剤を該バインダー樹脂に置換させる工程、
(4)塗膜を溶剤の沸点以上の温度で乾燥する工程。
前記多孔質粒子は、内層部領域の空孔率よりも外層部領域の空孔率が大きく、且つ、内層部領域の空孔径よりも外層部の空孔径が大きい多孔質形状の樹脂粒子であることが好ましい。
(3)多孔質粒子の空孔中に浸透した溶剤を該バインダー樹脂に置換させる工程、
(4)塗膜を溶剤の沸点以上の温度で乾燥する工程。
前記多孔質粒子は、内層部領域の空孔率よりも外層部領域の空孔率が大きく、且つ、内層部領域の空孔径よりも外層部の空孔径が大きい多孔質形状の樹脂粒子であることが好ましい。
〔物性値の測定方法〕
図4に帯電ローラ8の電気抵抗値の測定法を示す。帯電ローラの導電性基体の両端に荷重をかけて、該帯電ローラを電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属9に、平行になるように当接させる。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属を回転させ、当接した帯電ローラを従動回転させながら安定化電源から直流電圧−200Vを印加する。この時に流れる電流を電流計で測定し、帯電ローラの電気抵抗値を計算する。本発明において、荷重は各500gとし、円柱形金属は直径30mm、円柱形金属の回転は周速45mm/secとされる。
図4に帯電ローラ8の電気抵抗値の測定法を示す。帯電ローラの導電性基体の両端に荷重をかけて、該帯電ローラを電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属9に、平行になるように当接させる。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属を回転させ、当接した帯電ローラを従動回転させながら安定化電源から直流電圧−200Vを印加する。この時に流れる電流を電流計で測定し、帯電ローラの電気抵抗値を計算する。本発明において、荷重は各500gとし、円柱形金属は直径30mm、円柱形金属の回転は周速45mm/secとされる。
本発明に係る帯電ローラは、電子写真感光体に対して、長手方向のニップ幅を均一にするという観点から、長手方向の中央部が一番太く、長手方向の両端部にいくほど細くなるクラウン形状が好ましい。クラウン量(中央部の外径d1と中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の外径d2との差の平均値)は、30μm以上、200μm以下であることが好ましい。
帯電部材の表面の硬度は、マイクロ硬度(MD−1型)で90°以下が好ましく、より好ましくは、40°以上、80°以下である。本範囲内とすることにより、帯電部材と電子写真感光体との当接を安定させることが容易となり、より安定したニップ内放電を行うことができる。
帯電部材の表面の十点平均表面粗さ(Rzjis)は、8μm以上、100μm以下が、好ましい。より好ましくは、12μm以上、60μm以下である。また、表面の凹凸平均間隔(Rsm)は、20μm以上、300μm以下、より好ましくは、50μm以上、200μm以下である。本範囲内とすることにより、帯電部材と電子写真感光体とのニップにおいて空隙を形成しやすくなり、安定したニップ内放電を行うことができる。
なお、十点平均表面粗さ及び凹凸平均間隔は、JIS B 0601−1994表面粗さの規格に準じて測定し、表面粗さ測定器「SE−3500」(商品名、(株)小坂研究所製)を用いて行なわれる。十点平均表面粗さは、帯電部材について任意の6箇所を測定し、その平均値である。また、凹凸平均間隔は、前記任意の6箇所において、それぞれ10点の凹凸間隔を測定してその平均値を求め、「6箇所の各平均値」の平均値として算出する。測定に際し、カットオフ値は0.8mm、評価長さは8mmに設定される。
本発明に係る、樹脂粒子に由来する凸部を表面に有する帯電部材の表面粗さ(Rzjis、Rsm)は、主に、原料としての樹脂粒子の粒径、表面層形成用の塗工液の粘度、表面層形成用の塗工液中の樹脂粒子の含有量、表面層の厚さによって調整される。例えば、原料としての樹脂粒子の粒径を大きくすることは、Rzjisを大きくする方向に作用する。表面層形成用の塗工液の比重や粘度を高めることは、Rzjisを小さくする方向に作用する。また、表面層の厚さを厚くすることは、Rzjisを小さくする方向に作用する。更に、原料としての樹脂粒子の塗工液中における含有量を増やすことは、Rsmを小さくする方向に作用する。これらを踏まえて、上記の各要素を適宜調整することで、所望の表面粗さを有する帯電部材を得ることが可能である。
[ニップ内の放電の評価]
本発明に係る帯電部材の表面層は、内部に複数の空孔を有する樹脂粒子によって、表面層の表面に凸部が形成されていることで、ニップ内の放電が安定化する。この理由は、樹脂粒子が内部に複数の空孔を有することで、樹脂粒子で形成される凸部が適度に歪み、放電に必要なギャップを保持し易くなるからである。この歪みは、帯電部材と電子写真感光体とのスリップを低減させる効果があり、放電ギャップの安定化にも寄与する。すなわち、内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を用いることで、バンディング画像の抑制とニップ内放電の安定化を両立することができる。
本発明に係る帯電部材の表面層は、内部に複数の空孔を有する樹脂粒子によって、表面層の表面に凸部が形成されていることで、ニップ内の放電が安定化する。この理由は、樹脂粒子が内部に複数の空孔を有することで、樹脂粒子で形成される凸部が適度に歪み、放電に必要なギャップを保持し易くなるからである。この歪みは、帯電部材と電子写真感光体とのスリップを低減させる効果があり、放電ギャップの安定化にも寄与する。すなわち、内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を用いることで、バンディング画像の抑制とニップ内放電の安定化を両立することができる。
ニップ内の放電を観察する方法は、暗室内において、透明材料で形成された導電性基盤に帯電部材を当接し、帯電部材に所望の電圧を印加することで、導電性基盤上に発生する放電光を高速度高感度カメラで観測する方法が挙げられる。評価の詳細については、後述する。帯電部材として、帯電ローラを用いる場合には、帯電ローラを回転駆動させながら放電光を観察することが望ましい。回転させた方が、より実機に近い構成となるからである。また、放電光は、撮像管を用いて、光を電気信号に用いることで、光の強度から、放電量を見積もることができる。本発明でも、微弱な光を増幅することができるイメージインテンシファイアを用いて、放電光から放電量を見積もることにより、ニップ内の放電の安定性を評価している。
<電子写真プロセスカートリッジ>
本発明に係る電子写真プロセスカートリッジは、前記帯電部材と前記電子写真感光体を有する電子写真プロセスカートリッジである。図6に、前記電子写真感光体、前記帯電装置、現像装置、及びクリーニング装置等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計された電子写真プロセスカートリッジを示す。
本発明に係る電子写真プロセスカートリッジは、前記帯電部材と前記電子写真感光体を有する電子写真プロセスカートリッジである。図6に、前記電子写真感光体、前記帯電装置、現像装置、及びクリーニング装置等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計された電子写真プロセスカートリッジを示す。
<電子写真装置>
本発明に係る電子写真装置は、本発明に係る電子写真プロセスカートリッジが搭載された電子写真装置である。図5に示す電子写真装置は、電子写真感光体、帯電装置、現像装置、及びクリーニング装置等が一体化された電子写真プロセスカートリッジと、潜像形成装置、現像装置、転写装置、定着装置等から構成されている。
本発明に係る電子写真装置は、本発明に係る電子写真プロセスカートリッジが搭載された電子写真装置である。図5に示す電子写真装置は、電子写真感光体、帯電装置、現像装置、及びクリーニング装置等が一体化された電子写真プロセスカートリッジと、潜像形成装置、現像装置、転写装置、定着装置等から構成されている。
電子写真感光体10は、導電性支持体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、電子写真感光体に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ8を有する。帯電ローラは、電子写真感光体の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体を所定の電位に帯電する。
電子写真感光体に静電潜像を形成する潜像形成装置11は、例えば、レーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。現像装置は、電子写真感光体に近接又は接触して配設される現像ローラ12を有する。電子写真感光体の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像をトナー像に可視化現像する。
転写装置は、接触式の転写ローラ13を有する。電子写真感光体からトナー像を普通紙などの転写材14に転写する。転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材15、回収容器を有し、転写した後、電子写真感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。定着装置16は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材に定着し、機外に排出する。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。まず、実施例に先立ち、電子写真感光体の製造例A1〜A12、樹脂粒子の評価方法、樹脂粒子の製造例B1〜B20、微粒子の製造例C1及C2、並びに、帯電部材の製造例D1〜D20について説明する。尚、以下の説明において、「部」とは「質量部」を意味する。
<A.電子写真感光体の製造例>
〔製造例A1〕
直径24mm、長さ261.6mmのアルミニウム製シリンダーを支持体とした。次に、SnO2コート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部、メタノール4部、およびメトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗工液を調製した。この導電層用塗工液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で硬化(熱硬化)させることによって、支持体上に膜厚が15μmの導電層を形成した。
〔製造例A1〕
直径24mm、長さ261.6mmのアルミニウム製シリンダーを支持体とした。次に、SnO2コート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部、メタノール4部、およびメトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗工液を調製した。この導電層用塗工液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で硬化(熱硬化)させることによって、支持体上に膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部およびn−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗工液を調製した。この中間層用塗工液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間80℃で乾燥させることによって、導電層上に膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部を用いた。これをシクロヘキサノン250部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)5部を溶解させた液に加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下1時間分散し、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗工液を調製した。この電荷発生層用塗工液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、中間層上に膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)5.6部、上記式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)2.4部と、ポリカーボネート樹脂A(1)(表1に示される樹脂A(1))10部、および、ポリカーボネート樹脂A’(1)(表2に示される樹脂A’(1))0.36部、安息香酸メチル2.5部を、ジメトキシメタン20部およびo−キシレン30部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗工液を調製した。この電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを125℃で30分間乾燥させることによって、電荷発生層上に膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。形成された電荷輸送層には、安息香酸メチルが0.028質量%が含有されていることがガスクロマトグラフィーにより確認された。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体A1を製造した。
〔製造例A2〜A6〕
製造例A1において、化合物(3)の種類と含有量を表4に示すように変更した以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A2〜A6を製造した。
製造例A1において、化合物(3)の種類と含有量を表4に示すように変更した以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A2〜A6を製造した。
〔製造例A7〕
製造例A1において、電荷輸送層を形成する際の乾燥温度、時間を145℃、60分間に変更し、溶剤の混合比率を表4に記載の通りに変更した。それら以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A7を製造した。
製造例A1において、電荷輸送層を形成する際の乾燥温度、時間を145℃、60分間に変更し、溶剤の混合比率を表4に記載の通りに変更した。それら以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A7を製造した。
〔製造例A8及びA9〕
製造例A1において、電荷輸送層の膜厚を製造例A8では30μm、製造例A9では10μmに変更した以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A8及びA9を製造した。
製造例A1において、電荷輸送層の膜厚を製造例A8では30μm、製造例A9では10μmに変更した以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A8及びA9を製造した。
〔製造例A10及びA11〕
製造例A1における電荷輸送層を形成する際の乾燥温度、時間および電荷輸送層の膜厚を、製造例A10では130℃、60分間、10μm、製造例A11では120℃、20分間、10μmに変更した以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A10及びA11を製造した。
製造例A1における電荷輸送層を形成する際の乾燥温度、時間および電荷輸送層の膜厚を、製造例A10では130℃、60分間、10μm、製造例A11では120℃、20分間、10μmに変更した以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A10及びA11を製造した。
〔製造例A12〕
製造例A1において、化合物(3)を用いなかった以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A12を製造した。
製造例A1において、化合物(3)を用いなかった以外は、製造例A1と同様にして電子写真感光体A12を製造した。
製造例A1〜A12の表面層の製造条件等を表4に示す。
〔樹脂粒子の評価方法〕
(1−1)原料としての樹脂粒子(中空粒子及び多孔質粒子)の立体的な粒子形状の測定
本発明に係る樹脂粒子の原料としての樹脂粒子(以降、単に「原料としての樹脂粒子」ともいう)として用いられる中空粒子及び多孔質粒子については、二次凝集した粒子を除いた一次粒子のみを、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−2000C、(株)日立製作所製)を用いて切断し、その断面の画像を撮影する。同一粒子について、撮影した断面画像を20nm間隔で組み合わせて、測定対象の粒子の「立体的な粒子形状」を算出する。この作業を、任意の粒子100個について行う。なお、上記断面画像においては、樹脂部分は灰色に写り、空気の領域は白色に写るため、樹脂部分と空気の領域とは判別が可能である。
(1−1)原料としての樹脂粒子(中空粒子及び多孔質粒子)の立体的な粒子形状の測定
本発明に係る樹脂粒子の原料としての樹脂粒子(以降、単に「原料としての樹脂粒子」ともいう)として用いられる中空粒子及び多孔質粒子については、二次凝集した粒子を除いた一次粒子のみを、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−2000C、(株)日立製作所製)を用いて切断し、その断面の画像を撮影する。同一粒子について、撮影した断面画像を20nm間隔で組み合わせて、測定対象の粒子の「立体的な粒子形状」を算出する。この作業を、任意の粒子100個について行う。なお、上記断面画像においては、樹脂部分は灰色に写り、空気の領域は白色に写るため、樹脂部分と空気の領域とは判別が可能である。
(1−2)原料としての樹脂粒子の体積平均粒径の測定
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」の粒子について、空気を含む領域を含めた総体積を算出し、この体積と等しい体積を持つ球の直径を求める。得られた計100個の球の平均直径を樹脂粒子の「体積平均粒径dv」とする。
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」の粒子について、空気を含む領域を含めた総体積を算出し、この体積と等しい体積を持つ球の直径を求める。得られた計100個の球の平均直径を樹脂粒子の「体積平均粒径dv」とする。
(1−3)原料としての樹脂粒子の内部における空気を含む領域の割合の測定
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、空気を含む領域を算出し、上記領域の総体積が、前記樹脂粒子の空気を含む領域を含めた総体積に占める割合を算出する。原料としての樹脂粒子の100個各々の上記割合(空気を含む領域の総体積が、樹脂粒子の空気を含む領域を含めた総体積に占める割合)の算術平均値を、原料としての「樹脂粒子の空気を含む領域の割合」とする。
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、空気を含む領域を算出し、上記領域の総体積が、前記樹脂粒子の空気を含む領域を含めた総体積に占める割合を算出する。原料としての樹脂粒子の100個各々の上記割合(空気を含む領域の総体積が、樹脂粒子の空気を含む領域を含めた総体積に占める割合)の算術平均値を、原料としての「樹脂粒子の空気を含む領域の割合」とする。
(1−4)原料としての樹脂粒子(多孔質粒子、中空粒子)の非貫通孔の平均径の測定
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、空気を含む領域のうち、樹脂粒子の表面に貫通していない部分(非貫通孔)の任意の10箇所に関し、各体積を算出し、この体積と等しい体積をもつ球の直径を求める。この作業を任意の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の球の平均直径を算出する。これを樹脂粒子の「非貫通孔の平均径dH」とする。
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、空気を含む領域のうち、樹脂粒子の表面に貫通していない部分(非貫通孔)の任意の10箇所に関し、各体積を算出し、この体積と等しい体積をもつ球の直径を求める。この作業を任意の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の球の平均直径を算出する。これを樹脂粒子の「非貫通孔の平均径dH」とする。
(1−5)原料としての樹脂粒子(多孔質粒子)の貫通孔の平均径の測定
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、空気を含む領域のうち、樹脂粒子の表面に貫通している部分(貫通孔)の任意の10箇所に関し、断面図を撮影する。この断面図から、貫通孔の断面積を算出し、この面積に等しい面積をもつ円の直径を求める。この作業を任意の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の円の平均直径を算出する。これを樹脂粒子の「貫通孔の平均径dP」とする。
前記(1−1)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、空気を含む領域のうち、樹脂粒子の表面に貫通している部分(貫通孔)の任意の10箇所に関し、断面図を撮影する。この断面図から、貫通孔の断面積を算出し、この面積に等しい面積をもつ円の直径を求める。この作業を任意の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の円の平均直径を算出する。これを樹脂粒子の「貫通孔の平均径dP」とする。
(2−1)コアシェル構造を有する、原料としての多孔質粒子の断面の観察
コアシェル構造を有する、原料としての樹脂粒子について、まず、当該樹脂粒子を光硬化型樹脂、例えば、可視光硬化性包埋樹脂(商品名:D−800、日新EM(株)製、あるいは、商品名:Epok812セット、応研商事(株)製)により包埋する。次に、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOMECRYO DRY、DIATOME社製)を装着したウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ社製)、及び、クライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ社製)を使用して、面出しをした後、樹脂粒子の中央(図8に示す重心17近辺が含まれるように)を切り出し、100nmの厚みの切片を作成する。この後、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、あるいは、リンタングステン酸のいずれかの染色剤を使用して染色処理を行い、透過型電子顕微鏡(商品名:H−7100FA、(株)日立製作所製)にて、樹脂粒子の断面画像を撮影する。これを任意の粒子100個につき行う。この際、樹脂部分は白く、空孔部分は、黒く観察される。なお、包埋する樹脂、及び、染色剤は、樹脂粒子の材質により、適宜適切なものを選択して行う。この際、樹脂粒子の空孔が鮮明に確認できる組み合わせを選択する。例えば、下記製造例B1で作製した樹脂粒子は、可視光硬化型包埋樹脂D−800と四酸化ルテニウムを使用して観察することにより、可視光硬化型包埋樹脂が侵入した空孔を鮮明に確認することができる。
コアシェル構造を有する、原料としての樹脂粒子について、まず、当該樹脂粒子を光硬化型樹脂、例えば、可視光硬化性包埋樹脂(商品名:D−800、日新EM(株)製、あるいは、商品名:Epok812セット、応研商事(株)製)により包埋する。次に、ダイヤモンドナイフ(商品名:DiATOMECRYO DRY、DIATOME社製)を装着したウルトラミクロトーム(商品名:LEICA EM UCT、ライカ社製)、及び、クライオシステム(商品名:LEICA EM FCS、ライカ社製)を使用して、面出しをした後、樹脂粒子の中央(図8に示す重心17近辺が含まれるように)を切り出し、100nmの厚みの切片を作成する。この後、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、あるいは、リンタングステン酸のいずれかの染色剤を使用して染色処理を行い、透過型電子顕微鏡(商品名:H−7100FA、(株)日立製作所製)にて、樹脂粒子の断面画像を撮影する。これを任意の粒子100個につき行う。この際、樹脂部分は白く、空孔部分は、黒く観察される。なお、包埋する樹脂、及び、染色剤は、樹脂粒子の材質により、適宜適切なものを選択して行う。この際、樹脂粒子の空孔が鮮明に確認できる組み合わせを選択する。例えば、下記製造例B1で作製した樹脂粒子は、可視光硬化型包埋樹脂D−800と四酸化ルテニウムを使用して観察することにより、可視光硬化型包埋樹脂が侵入した空孔を鮮明に確認することができる。
(2−2)コアシェル構造を有する、原料としての多孔質粒子の空孔率
コアシェル構造を有する、原料としての多孔質粒子の空孔率の算出方法について、図11を用いて、下記に詳述する。
コアシェル構造を有する、原料としての多孔質粒子の空孔率の算出方法について、図11を用いて、下記に詳述する。
上記(2−1)で得られた粒子の断面画像と同一の面積を有する円201の中心108を算出する。この円を、その中心108と樹脂粒子の重心17とが一致するように断面画像上に重ね合わせ、円201の外周を均等に100分割した点(例えば113)を算出し、円周上の点と樹脂粒子の重心を結ぶ直線を引く。円の中心108から粒子の外側、例えば108から113の方向に向かって、粒子直径110の√3/4倍移動した位置(例えば109)を算出する。この計算を上記100分割した円周上の点(113−1、113−2、113−3、・・・・)全てについて行い、上記109に対応する100箇所の点(109−1、109−2、109−3、・・・・)を求める。これらの100箇所の点を直線で結んだ領域の該中心108側の領域112を樹脂粒子の内層部領域、外部側111の領域を樹脂粒子の外層部領域とする。
そして、上記樹脂粒子の内層部領域及び外層部領域それぞれにおいて、空孔部分を含む領域を含めた総面積に対し、上記断面画像において、空孔部分の総面積の割合を算出する。この平均を空孔率とする。
(2−3)コアシェル構造を有する、原料としての多孔質粒子の空孔径
上記樹脂粒子の内層部領域及び外層部領域のそれぞれについて、黒く観察される空孔部分をランダムに10箇所を選び、各箇所の面積を測定し、当該面積と等面積の円の直径の算術平均値を、コアシェル構造を有する多孔質粒子の空孔径とする。
上記樹脂粒子の内層部領域及び外層部領域のそれぞれについて、黒く観察される空孔部分をランダムに10箇所を選び、各箇所の面積を測定し、当該面積と等面積の円の直径の算術平均値を、コアシェル構造を有する多孔質粒子の空孔径とする。
(3)表面層中に含まれる樹脂粒子の「立体的な粒子形状」の測定
帯電部材の表面の任意の凸部において、帯電部材の表面に並行になるような、縦200μm、横200μmの領域に亘って、帯電部材の凸部頂点側から20nmずつ集束イオンビーム(商品名:FB−2000C、(株)日立製作所製)にて切り出し、その断面画像を撮影する。そして同じ粒子を撮影した画像を20nm間隔で組み合わせ、「立体的な粒子形状」を算出する。この作業を、帯電部材の表面の任意の100箇所について行う。
帯電部材の表面の任意の凸部において、帯電部材の表面に並行になるような、縦200μm、横200μmの領域に亘って、帯電部材の凸部頂点側から20nmずつ集束イオンビーム(商品名:FB−2000C、(株)日立製作所製)にて切り出し、その断面画像を撮影する。そして同じ粒子を撮影した画像を20nm間隔で組み合わせ、「立体的な粒子形状」を算出する。この作業を、帯電部材の表面の任意の100箇所について行う。
(4)表面層中に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径の測定
上記(3)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」において、空孔を含む領域を含めた総体積を算出する。これが、該樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの、該樹脂粒子の体積となる。そして、この体積と等しい体積を持つ球の直径を求める。得られた計100個の球の平均直径を算出し、これを樹脂粒子の「体積平均粒径dv」とする。
上記(3)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」において、空孔を含む領域を含めた総体積を算出する。これが、該樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの、該樹脂粒子の体積となる。そして、この体積と等しい体積を持つ球の直径を求める。得られた計100個の球の平均直径を算出し、これを樹脂粒子の「体積平均粒径dv」とする。
(5)表面層中に含まれる樹脂粒子の空孔率の測定
上記(3)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、該樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの該中実粒子の「凸部頂点側領域」を算出する。図7と図8は、帯電部材の表面の凸部を形成する樹脂粒子の断面図と立体的な模式図である。本図を使用して空孔率の算出方法を下記に説明する。まず、「立体的な粒子形状」より、樹脂粒子の重心17を算出する。そして、帯電部材の表面と平行し、且つ、樹脂粒子の重心を通る仮想平面19を作製し、この平面を、樹脂粒子の重心から、上記球の半径rの√3/2倍の距離だけ凸部頂点側の位置20、即ち、重心17を仮想平面21の位置まで、平行移動させる。この仮想平面21と樹脂粒子の表面とによって囲まれた凸部頂点側の領域を、該樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの該中実粒子の「凸部頂点側領域」とする。そして、該領域において、上記「立体的な粒子形状」から、空孔の総体積を算出し、該領域の空孔を含めた総体積に対する割合を算出する。これを「凸部頂点側領域」の空孔率(以下、「空孔率B」ともいう。)とする。
上記(3)に記載の方法で得られた「立体的な粒子形状」から、該樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの該中実粒子の「凸部頂点側領域」を算出する。図7と図8は、帯電部材の表面の凸部を形成する樹脂粒子の断面図と立体的な模式図である。本図を使用して空孔率の算出方法を下記に説明する。まず、「立体的な粒子形状」より、樹脂粒子の重心17を算出する。そして、帯電部材の表面と平行し、且つ、樹脂粒子の重心を通る仮想平面19を作製し、この平面を、樹脂粒子の重心から、上記球の半径rの√3/2倍の距離だけ凸部頂点側の位置20、即ち、重心17を仮想平面21の位置まで、平行移動させる。この仮想平面21と樹脂粒子の表面とによって囲まれた凸部頂点側の領域を、該樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの該中実粒子の「凸部頂点側領域」とする。そして、該領域において、上記「立体的な粒子形状」から、空孔の総体積を算出し、該領域の空孔を含めた総体積に対する割合を算出する。これを「凸部頂点側領域」の空孔率(以下、「空孔率B」ともいう。)とする。
また、上記「立体的な粒子形状」から、樹脂粒子全体の空孔の総体積を算出し、前記樹脂粒子の空孔を含む領域を含めた総体積に対する割合を算出する。これを樹脂粒子全体の空孔率(以下、「空孔率A」ともいう。)とする。
(6)表面層中に含まれる樹脂粒子の空孔径の測定
樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの該中実粒子の「凸部頂点側領域」において、上記で得られた「立体的な粒子形状」から、空孔部の10箇所に関し、空孔部の最大長さと最小長さを測定し、この2つの長さの平均値を算出する。そして、この作業を任意の樹脂粒子10個について行う。得られた計100個の測定値の平均値を算出し、これを、樹脂粒子の「凸部頂点側領域」における空孔径とする。
樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの該中実粒子の「凸部頂点側領域」において、上記で得られた「立体的な粒子形状」から、空孔部の10箇所に関し、空孔部の最大長さと最小長さを測定し、この2つの長さの平均値を算出する。そして、この作業を任意の樹脂粒子10個について行う。得られた計100個の測定値の平均値を算出し、これを、樹脂粒子の「凸部頂点側領域」における空孔径とする。
<B.原料としての樹脂粒子の製造例>
(製造例B1)
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、メチルメタクリレート20質量部、1,6−へキサンジオールジメタクリレート10質量部、n−へキサン75質量部、及び過酸化ベンゾイル0.3質量部を混合して、油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数3000rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質粒子とn−へキサンを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4質量部を加え、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度を水に対し、0.1質量%に調整した。
(製造例B1)
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、メチルメタクリレート20質量部、1,6−へキサンジオールジメタクリレート10質量部、n−へキサン75質量部、及び過酸化ベンゾイル0.3質量部を混合して、油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数3000rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質粒子とn−へキサンを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4質量部を加え、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度を水に対し、0.1質量%に調整した。
得られた水性懸濁液を蒸留してn−へキサンを除去し、残った水性懸濁液に関し、ろ過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥した。音波式分級機により、解砕及び分級処理をおこない、体積平均粒径dvが30.5μmの樹脂粒子B1を得た。前述した包埋法により観察したところ、樹脂粒子B1は、表面に貫通している多数の細孔を内部に有する多孔質粒子であった。
(製造例B2〜B4)
ホモミキサーの回転数をそれぞれ、4500rpm、5000rpm、2500rpmに変更した以外は、製造例B1と同様にして、樹脂粒子B2〜B4を得た。いずれの樹脂粒子も樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
ホモミキサーの回転数をそれぞれ、4500rpm、5000rpm、2500rpmに変更した以外は、製造例B1と同様にして、樹脂粒子B2〜B4を得た。いずれの樹脂粒子も樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
(製造例B5)
脱イオン水300質量部に、第三リン酸カルシウム10.5量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.015質量部を加え、水性媒体を調製した。次いで、ラウリルメタクリレート65質量部、エチレングリコールジメタクリレート30質量部、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート5質量部、及びアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数4000rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、70℃で8時間かけて懸濁重合を行った。冷却後、得られた懸濁液に塩酸を加えリン酸カルシウムを分解し、更に、ろ過と水洗を繰り返した。80℃で5時間乾燥した後、音波式分級機により、解砕及び分級処理をおこない、体積平均粒径dv35.2μmの樹脂粒子B5を得た。前述した包埋法により観察したところ、樹脂粒子B5は、粒子内部に複数の中空部(非貫通孔)のみを有する中空粒子であった。なお、非貫通孔の平均径dHは、3.5μmであった。
脱イオン水300質量部に、第三リン酸カルシウム10.5量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.015質量部を加え、水性媒体を調製した。次いで、ラウリルメタクリレート65質量部、エチレングリコールジメタクリレート30質量部、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート5質量部、及びアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数4000rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、70℃で8時間かけて懸濁重合を行った。冷却後、得られた懸濁液に塩酸を加えリン酸カルシウムを分解し、更に、ろ過と水洗を繰り返した。80℃で5時間乾燥した後、音波式分級機により、解砕及び分級処理をおこない、体積平均粒径dv35.2μmの樹脂粒子B5を得た。前述した包埋法により観察したところ、樹脂粒子B5は、粒子内部に複数の中空部(非貫通孔)のみを有する中空粒子であった。なお、非貫通孔の平均径dHは、3.5μmであった。
(製造例B6、B10、B12及びB13)
ホモミキサーの回転数をそれぞれ、3500rpm、2700rpm、3000rpm、及び2500rpmに変更した以外は、製造例B5と同様にして、樹脂粒子B6、B10、B12及びB13を得た。いずれの樹脂粒子も樹脂粒子B5と同様に中空粒子であった。
ホモミキサーの回転数をそれぞれ、3500rpm、2700rpm、3000rpm、及び2500rpmに変更した以外は、製造例B5と同様にして、樹脂粒子B6、B10、B12及びB13を得た。いずれの樹脂粒子も樹脂粒子B5と同様に中空粒子であった。
(製造例B7)
脱イオン水400質量部に、ポリビニルアルコール(鹸化度85%)8質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、メチルメタクリレート6.5質量部、スチレン6.5質量部、ジビニルベンゼン9質量部、n−へキサン85質量部、及び過酸化ラウロイル0.3質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数2000rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質粒子とn−へキサンを含む水性懸濁液を得た。この後、製造例B1と同様にして、樹脂粒子B7を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
脱イオン水400質量部に、ポリビニルアルコール(鹸化度85%)8質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、メチルメタクリレート6.5質量部、スチレン6.5質量部、ジビニルベンゼン9質量部、n−へキサン85質量部、及び過酸化ラウロイル0.3質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数2000rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質粒子とn−へキサンを含む水性懸濁液を得た。この後、製造例B1と同様にして、樹脂粒子B7を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
(製造例B8)
ホモミキサーの回転数を1800rpmに変更した以外は、製造例B7と同様にして、樹脂粒子B8を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
ホモミキサーの回転数を1800rpmに変更した以外は、製造例B7と同様にして、樹脂粒子B8を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
(製造例B9)
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、メチルメタクリレート33質量部、1,6−へキサンジオールジメタクリレート17質量部、n−へキサン50質量部、及び過酸化ベンゾイル0.3質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数4800rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質粒子とn−へキサンを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液に、ラウリル硫酸ナトリウム0.2質量部を加え、ラウリル硫酸ナトリウムの濃度を水に対し、0.05質量%に調整した。この後、製造例B1と同様にして、樹脂粒子B9を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、メチルメタクリレート33質量部、1,6−へキサンジオールジメタクリレート17質量部、n−へキサン50質量部、及び過酸化ベンゾイル0.3質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数4800rpmにて上記水性媒体中に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質粒子とn−へキサンを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液に、ラウリル硫酸ナトリウム0.2質量部を加え、ラウリル硫酸ナトリウムの濃度を水に対し、0.05質量%に調整した。この後、製造例B1と同様にして、樹脂粒子B9を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
(製造例B15〜B17)
架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子(商品名:MBX−30、積水化成品工業(株)製)を分級処理し、体積平均粒径がそれぞれ、18.2μm、及び12.5μmの樹脂粒子B15及びB16を得た。また、MBX−30の非分級品を樹脂粒子B17とした。本製造例の樹脂粒子は、内部に空孔を有していなかった。
架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子(商品名:MBX−30、積水化成品工業(株)製)を分級処理し、体積平均粒径がそれぞれ、18.2μm、及び12.5μmの樹脂粒子B15及びB16を得た。また、MBX−30の非分級品を樹脂粒子B17とした。本製造例の樹脂粒子は、内部に空孔を有していなかった。
(製造例B11)
ホモミキサーの回転数を1500rpmに変更した以外は、製造例B8と同様にして、樹脂粒子B11を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
ホモミキサーの回転数を1500rpmに変更した以外は、製造例B8と同様にして、樹脂粒子B11を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
(製造例B14)
ホモミキサーの回転数を5000rpmに変更した以外は、製造例B9と同様にして、樹脂粒子B14を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
ホモミキサーの回転数を5000rpmに変更した以外は、製造例B9と同様にして、樹脂粒子B14を得た。この樹脂粒子は、樹脂粒子B1と同様に、多孔質粒子であった。
(製造例B18)
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8.0質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、重合性単量体としてのメチルメタクリレート38.0質量部と、架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート26.0質量部、第1の多孔化剤としてのノルマルへキサン34.1質量部、第2の多孔化剤としての酢酸エチル8.5質量部、及び、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数2000rpmにて上記水性媒体に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質の樹脂粒子とノルマルへキサン及び酢酸エチルを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4質量部を加え、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度を水に対し、0.1質量%に調整した。
脱イオン水400質量部に、第三リン酸カルシウム8.0質量部を添加し、水性媒体を調製した。次いで、重合性単量体としてのメチルメタクリレート38.0質量部と、架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート26.0質量部、第1の多孔化剤としてのノルマルへキサン34.1質量部、第2の多孔化剤としての酢酸エチル8.5質量部、及び、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を混合して油性混合液を調製した。この油性混合液をホモミキサーにより、回転数2000rpmにて上記水性媒体に分散させた。その後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、250rpmで撹拌しながら、60℃で6時間かけて懸濁重合を行い、多孔質の樹脂粒子とノルマルへキサン及び酢酸エチルを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4質量部を加え、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの濃度を水に対し、0.1質量%に調整した。
得られた水性懸濁液を蒸留してノルマルへキサン及び酢酸エチルを除去し、残った水性懸濁液に関し、ろ過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥した。音波式分級機により、解砕及び分級処理をおこない、体積平均粒径dv30.5μmの樹脂粒子B18を得た。前述した方法により、粒子の断面を観察したところ、樹脂粒子B18は、樹脂粒子の内層部領域に、直径21nm程度の空孔を有し、外層部領域に直径87nm程度の空孔を有する多孔質粒子であった。
(製造例B19及びB20)
油性混合液として、重合性単量体、架橋性単量体、第1の多孔化剤、第2の多孔化剤を、表5に示すように変更し、且つ、ホモミキサーの回転数を表5に示すように変更した以外は、製造例B18と同様にして、樹脂粒子B19及びB20を得た。得られた樹脂粒子は、多孔質粒子であった。
油性混合液として、重合性単量体、架橋性単量体、第1の多孔化剤、第2の多孔化剤を、表5に示すように変更し、且つ、ホモミキサーの回転数を表5に示すように変更した以外は、製造例B18と同様にして、樹脂粒子B19及びB20を得た。得られた樹脂粒子は、多孔質粒子であった。
(樹脂粒子の特性評価)
前記の各製造例において得られた樹脂粒子B1〜B17のそれぞれについて、体積平均粒径dv、粒子の形状、非貫通孔の平均径dH、非貫通孔の数(複数か否か)、貫通孔の平均径dP、及び粒子中における空気を含む領域の割合を測定した。結果を表6に示す。
前記の各製造例において得られた樹脂粒子B1〜B17のそれぞれについて、体積平均粒径dv、粒子の形状、非貫通孔の平均径dH、非貫通孔の数(複数か否か)、貫通孔の平均径dP、及び粒子中における空気を含む領域の割合を測定した。結果を表6に示す。
また、前記の各製造例において得られた樹脂粒子B18〜B20のそれぞれについて、体積平均粒径dv、内層部領域及び外層部領域の空孔率、並びに、内層部領域及び外層部領域の空孔径を測定した。結果を表7に示す。
<C.導電性粒子及び絶縁性粒子の製造例>
〔製造例C1〕
シリカ粒子(平均粒径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加し、588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合撹拌を行った。この時の撹拌速度は22rpmであった。その中に、カーボンブラック「#52」(商品名、三菱化学(株)製)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合撹拌を行った。このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆されたシリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合導電性微粒子C1を作製した。この時の撹拌速度は22rpmであった。なお、得られた複合導電性微粒子は、平均一次粒径が15nmであり、体積抵抗率は1.1×102Ω・cmであった。
〔製造例C1〕
シリカ粒子(平均粒径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加し、588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合撹拌を行った。この時の撹拌速度は22rpmであった。その中に、カーボンブラック「#52」(商品名、三菱化学(株)製)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合撹拌を行った。このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆されたシリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合導電性微粒子C1を作製した。この時の撹拌速度は22rpmであった。なお、得られた複合導電性微粒子は、平均一次粒径が15nmであり、体積抵抗率は1.1×102Ω・cmであった。
〔製造例C2〕
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g及び溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、撹拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕して、表面処理酸化チタン粒子C2を作製した。なお、得られた表面処理酸化チタン粒子(絶縁性粒子)は、平均一次粒径が15nmであり、体積抵抗率は5.2×1015Ω・cmであった。
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g及び溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、撹拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕して、表面処理酸化チタン粒子C2を作製した。なお、得られた表面処理酸化チタン粒子(絶縁性粒子)は、平均一次粒径が15nmであり、体積抵抗率は5.2×1015Ω・cmであった。
<D.帯電部材の製造例>
〔製造例D1〕
(1.導電性基体の作製)
直径6mm、長さ244mmのステンレス鋼製の基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性接着剤を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
〔製造例D1〕
(1.導電性基体の作製)
直径6mm、長さ244mmのステンレス鋼製の基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性接着剤を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
(2.導電性ゴム組成物の作製)
エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGE三元共重合体、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部に対し下記表8に示す他の7種類の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーで10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGE三元共重合体、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部に対し下記表8に示す他の7種類の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーで10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
これに、加硫剤として硫黄0.8質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)1質量部及びテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)0.5質量部を添加した。次いで20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物を作製した。その際、二本ロールの間隙を1.5mmに調整した。
(3.弾性ローラの作製)
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、前記導電性基体を中心軸として、その外周部を同軸円筒状に前記導電性ゴム組成物によって被覆し、ゴムローラを得た。被覆したゴム組成物の厚みは、1.75mmに調整した。
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、前記導電性基体を中心軸として、その外周部を同軸円筒状に前記導電性ゴム組成物によって被覆し、ゴムローラを得た。被覆したゴム組成物の厚みは、1.75mmに調整した。
このゴムローラを、熱風炉にて160℃で1時間加熱したのち、導電性の弾性層の端部を除去して、長さが226mmとし、更に、160℃で1時間2次加熱を行い、層厚1.75mmの予備被覆層を有するローラを作成した。
得られたローラの外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨した。研磨砥石としてビトリファイド砥石を用い、砥粒は緑色炭化珪素(GC)で粒度は100メッシュとした。ローラの回転数を350rpmとし、研磨砥石の回転数を2050rpmとした。ローラの回転方向と研磨砥石の回転方向は、同方向(従動方向)とした。切込み速度は、砥石が未研磨ローラに接してからΦ9mmに研磨されるまでに10mm/minから0.1mm/minまで段階的に変化させ、スパークアウト時間(切込み0mmでの時間)は5秒間に設定し、導電性の弾性ローラを作製した。弾性層の厚みは、1.5mmに調整した。なお、このローラのクラウン量は100μmとした。
(4.表面層形成用の塗工液の作製)
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、(株)ダイセル製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が12質量%となるように調整した。この溶液834質量部(カプロラクトン変性アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記表9の成分(1)の欄に示す他の4種類の材料を加え、混合溶液を調製した。尚、このとき、ブロックイソシアネート混合物は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量であった。
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、(株)ダイセル製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が12質量%となるように調整した。この溶液834質量部(カプロラクトン変性アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記表9の成分(1)の欄に示す他の4種類の材料を加え、混合溶液を調製した。尚、このとき、ブロックイソシアネート混合物は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量であった。
次いで、内容積450mLのガラス瓶中に上記混合溶液188.5gを、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて20時間分散した。分散後、樹脂粒子B1を7.2g添加した。尚これは、カプロラクトン変性アクリルポリオール固形分100質量部に対して、樹脂粒子B1が40質量部相当量である。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して表面層用の塗工液を作製した。上記塗工液の比重は、0.9260であった。なお、比重は、塗工液に市販の比重計を投入して測定した。
(5.表面層の形成)
前記弾性ローラを、その長手方向を鉛直方向にして、前記表面層用の塗工液中に浸漬してディッピング法で塗工した。浸漬時間は9秒間、引き上げ速度は初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させた。得られた塗工物を23℃で30分間風乾した後、熱風循環乾燥機にて温度80℃で1時間、更に温度160℃で1時間乾燥して塗膜を硬化させて、弾性層の外周部に表面層が形成された帯電ローラD1を得た。表面層の膜厚は、5.6μmであった。なお、表面層の膜厚は、樹脂粒子が存在しない箇所において測定した。
前記弾性ローラを、その長手方向を鉛直方向にして、前記表面層用の塗工液中に浸漬してディッピング法で塗工した。浸漬時間は9秒間、引き上げ速度は初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させた。得られた塗工物を23℃で30分間風乾した後、熱風循環乾燥機にて温度80℃で1時間、更に温度160℃で1時間乾燥して塗膜を硬化させて、弾性層の外周部に表面層が形成された帯電ローラD1を得た。表面層の膜厚は、5.6μmであった。なお、表面層の膜厚は、樹脂粒子が存在しない箇所において測定した。
〔製造例D2〜D20〕
下記表10と表11に記載の材料に変更した以外は、製造例D1と同様の方法で帯電ローラD2〜D20を作製した。完成した帯電ローラの物性値、及び、該帯電ローラの表面層中に含まれる樹脂粒子の物性値を、表10及び表11に示す。なお、各帯電ローラの表面粗さ(Rzjis及びRsm)は、前記した方法により測定したものである。
下記表10と表11に記載の材料に変更した以外は、製造例D1と同様の方法で帯電ローラD2〜D20を作製した。完成した帯電ローラの物性値、及び、該帯電ローラの表面層中に含まれる樹脂粒子の物性値を、表10及び表11に示す。なお、各帯電ローラの表面粗さ(Rzjis及びRsm)は、前記した方法により測定したものである。
<実施例1>
〔1.バンディング画像の発生状況の評価(評価A)〕
帯電ローラD18と電子写真感光体A1を電子写真装置に組み込んで、低温低湿環境下(温度15℃、相対湿度10%)において耐久試験を行った。電子写真装置として、キヤノン(株)製カラーレーザージェットプリンター(商品名:SateraLBP5400)を記録メディアの出力スピード200mm/sec(A4縦出力)に改造して用いた。また、帯電ローラの軸受けに使用するバネを変更して、帯電ローラが電子写真感光体に対して一端で2.9N、両端で5.9Nの押し圧力で当接するように改造した。このように当接圧力を下げることで、バンディング画像が、より発生しやすい状況をすることができる。画像の解像度は、600dpi、1次帯電の出力は直流電圧−1100Vである。電子写真プロセスカートリッジとして、前記プリンター用の電子写真プロセスカートリッジを用いた。出力画像としては、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くようなハーフトーン画像とした。そして、出力されたハーフトーン画像を目視にて、電子写真感光体の回転方向、すなわち、紙の排出方向に対して垂直な方向に延びる、帯電ローラの回転周期と同期して現れるスジの有無を観察した。そして、以下の基準で評価した。評価結果を表12に示す。
〔1.バンディング画像の発生状況の評価(評価A)〕
帯電ローラD18と電子写真感光体A1を電子写真装置に組み込んで、低温低湿環境下(温度15℃、相対湿度10%)において耐久試験を行った。電子写真装置として、キヤノン(株)製カラーレーザージェットプリンター(商品名:SateraLBP5400)を記録メディアの出力スピード200mm/sec(A4縦出力)に改造して用いた。また、帯電ローラの軸受けに使用するバネを変更して、帯電ローラが電子写真感光体に対して一端で2.9N、両端で5.9Nの押し圧力で当接するように改造した。このように当接圧力を下げることで、バンディング画像が、より発生しやすい状況をすることができる。画像の解像度は、600dpi、1次帯電の出力は直流電圧−1100Vである。電子写真プロセスカートリッジとして、前記プリンター用の電子写真プロセスカートリッジを用いた。出力画像としては、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くようなハーフトーン画像とした。そして、出力されたハーフトーン画像を目視にて、電子写真感光体の回転方向、すなわち、紙の排出方向に対して垂直な方向に延びる、帯電ローラの回転周期と同期して現れるスジの有無を観察した。そして、以下の基準で評価した。評価結果を表12に示す。
ランク1;スジが認められない。
ランク2;スジがわずかに認められる。
ランク3;スジが顕著に認められる。
ランク2;スジがわずかに認められる。
ランク3;スジが顕著に認められる。
〔2.ニップ内放電強度の評価(評価B)〕
ガラス板(縦300mm、横240mm、厚み4.5mm)の表面上に5μmのITO膜を形成し、更に、その上に、電荷輸送層のみを17μmに成膜した。図9に示すように、上記成膜後のガラス板22の表面側から、帯電ローラ8を、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接できるような工具を作成し、更に、ガラス板22を200mm/sで走査できるようにした。上記ガラス板22を電子写真感光体として、当接部下側(ガラス板22の表面と反対側)から高速度ゲートI.I.ユニットC9527−2(製品名、浜松ホトニクス(株)製)を介して、高速度カメラFASTCAM−SA1.1(製品名、浜松ホトニクス(株)製)で撮影した。帯電ローラ8に印加する電圧は、交流と直流の重畳電圧とし、交流電圧は、ピークピーク電圧(Vpp)1400V、周波数(f)1350Hz、直流電圧(Vdc)は−560Vとした。測定環境は、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)とした。
ガラス板(縦300mm、横240mm、厚み4.5mm)の表面上に5μmのITO膜を形成し、更に、その上に、電荷輸送層のみを17μmに成膜した。図9に示すように、上記成膜後のガラス板22の表面側から、帯電ローラ8を、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接できるような工具を作成し、更に、ガラス板22を200mm/sで走査できるようにした。上記ガラス板22を電子写真感光体として、当接部下側(ガラス板22の表面と反対側)から高速度ゲートI.I.ユニットC9527−2(製品名、浜松ホトニクス(株)製)を介して、高速度カメラFASTCAM−SA1.1(製品名、浜松ホトニクス(株)製)で撮影した。帯電ローラ8に印加する電圧は、交流と直流の重畳電圧とし、交流電圧は、ピークピーク電圧(Vpp)1400V、周波数(f)1350Hz、直流電圧(Vdc)は−560Vとした。測定環境は、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)とした。
撮影条件としては、撮影速度3000fpsで、撮影時間が約0.3秒間である。また、撮影に際しては、適宜感度を調整し、撮影画像の明るさを調整した。そして、得られた動画を平均化処理した画像を作成した。この画像を、ニップ内放電画像と称する。このようなニップ内放電画像を、初期および耐久試験後の各々について作成し、それらを対比して、下記基準に基づき評価した。評価結果を表12に示す。
ランク1;耐久後においても、ニップ内の放電強度が初期と変化していない。
ランク2;耐久後に、ニップ内の放電強度が初期に比較してわずかに変化した。
ランク3;耐久後に、ニップ内の放電強度が初期に比較して大きく低下した。
ランク4;耐久後には、ニップ内放電が生じなくなった。
ランク2;耐久後に、ニップ内の放電強度が初期に比較してわずかに変化した。
ランク3;耐久後に、ニップ内の放電強度が初期に比較して大きく低下した。
ランク4;耐久後には、ニップ内放電が生じなくなった。
<実施例2〜110>
表12に示す、帯電ローラと電子写真感光体とを組み合わせた電子写真プロセスカートリッジについて、バンディング画像の評価及びニップ内放電強度の評価を行った。評価結果を表12に示す。
表12に示す、帯電ローラと電子写真感光体とを組み合わせた電子写真プロセスカートリッジについて、バンディング画像の評価及びニップ内放電強度の評価を行った。評価結果を表12に示す。
<比較例1>
電子写真感光体A1を電子写真感光体A12に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真プロセスカートリッジについて、バンディング画像の評価及びニップ内放電強度の評価を行った。評価結果を表13に示す。
電子写真感光体A1を電子写真感光体A12に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真プロセスカートリッジについて、バンディング画像の評価及びニップ内放電強度の評価を行った。評価結果を表13に示す。
<比較例2〜64>
表13に示す、帯電ローラと電子写真感光体を組み合わせた電子写真プロセスカートリッジについて、バンディング画像の評価及びニップ内放電強度の評価を行った。評価結果を表13に示す。
表13に示す、帯電ローラと電子写真感光体を組み合わせた電子写真プロセスカートリッジについて、バンディング画像の評価及びニップ内放電強度の評価を行った。評価結果を表13に示す。
1.導電性基体
2.表面層
3.導電性弾性層
4.導電性接着層
5.表面層中の樹脂組成物
6.樹脂粒子
7.空孔
8.帯電ローラ
9.円柱形金属
10.電子写真感光体
11.潜像形成装置
12.現像ローラ
13.転写ローラ
14.転写材
15.クリーニング部材
16.定着装置
17.樹脂粒子の重心
18.樹脂粒子の凸部頂点側領域
19.樹脂粒子の重心を通る仮想平面
20.樹脂粒子の重心から半径の√3/2倍の距離だけ凸部頂点側に移動した点
21.仮想平面19に平行な、符号20の点を通る仮想平面
22.ガラス板
23.多孔質粒子
24.内層部領域
25.外層部領域
26.塗膜
27.溶剤の揮発方向
28.塗膜中のバインダー樹脂が流れる方向
29.塗膜中のバインダー樹脂が流れる方向
30.空孔
2.表面層
3.導電性弾性層
4.導電性接着層
5.表面層中の樹脂組成物
6.樹脂粒子
7.空孔
8.帯電ローラ
9.円柱形金属
10.電子写真感光体
11.潜像形成装置
12.現像ローラ
13.転写ローラ
14.転写材
15.クリーニング部材
16.定着装置
17.樹脂粒子の重心
18.樹脂粒子の凸部頂点側領域
19.樹脂粒子の重心を通る仮想平面
20.樹脂粒子の重心から半径の√3/2倍の距離だけ凸部頂点側に移動した点
21.仮想平面19に平行な、符号20の点を通る仮想平面
22.ガラス板
23.多孔質粒子
24.内層部領域
25.外層部領域
26.塗膜
27.溶剤の揮発方向
28.塗膜中のバインダー樹脂が流れる方向
29.塗膜中のバインダー樹脂が流れる方向
30.空孔
Claims (9)
- 帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、
該帯電部材は、
導電性基体、及び該導電性基体上に形成された表面層を有し、
該表面層は、少なくともバインダー樹脂、電子導電剤及び内部に複数の空孔を有する樹脂粒子を含有し、また該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有しており、かつ、
該電子写真感光体は、支持体及び該支持体上に形成された感光層を有し、該電子写真感光体の表面層が下記の樹脂(1)、樹脂(2)及び化合物(3)を含有することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ:
樹脂(1):末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、及び末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
樹脂(2):末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂;
化合物(3):安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物。 - 前記樹脂粒子は、前記樹脂粒子が中実粒子であると仮定したときの、該中実粒子の11体積%を占める領域であって前記導電性基体から最も離れた領域における空孔率が5体積%以上である請求項1に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
- 前記末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂が、下記式(A’)で示される構造単位と下記式(D)で示される末端構造とを有するポリカーボネート樹脂A’である請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ:
- 前記末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂が、下記式(B’)で示される構造単位と下記式(D)で示される末端構造とを有するポリエステル樹脂B’である請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ:
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真プロセスカートリッジが搭載された電子写真装置。
Priority Applications (1)
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JP2014010677A JP5600817B1 (ja) | 2013-01-29 | 2014-01-23 | 電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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