JP2015042403A - 排ガス浄化用触媒とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貴金属であるパラジウムの使用量の低減を可能とし、かつ耐熱性が向上した排ガス浄化用触媒とその製造方法を提供する。【解決手段】 パラジウム塩溶液を希釈する希釈工程と、前記希釈されたパラジウム塩溶液に速やかに尿素を添加して、水酸化パラジウムが分散した含浸溶液を調製する尿素添加工程と、前記含浸溶液に担体を浸漬し、前記担体に前記水酸化パラジウムを付着させる含浸工程と、前記水酸化パラジウムが付着した担体を乾燥、焼成する焼成工程とを含む排ガス浄化用触媒の製造方法を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒とその製造方法に関する。
自動車から排出される排ガスには、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)等の有害成分が含まれる。これらの有害成分の除去のため、従来から三元触媒が採用されてきた。三元触媒は、セラミックスや金属をハニカム状に成型したものを基材として、基材の表面には、アルミナ等の多孔質な無機材料がコーティングされ、さらにその表層部には活性成分として微量の白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等に代表される白金族類の貴金属が担持されている。その内部を排気ガスが通過することで有害成分の分解除去が行われている。
担体に貴金属を担持させる代表的な手法として、貴金属前駆体を含む担体含浸溶液に担体を浸漬することで、担体に貴金属前駆体を吸着させる含浸担持法がある。貴金属前駆体を吸着させた担体を焼成することにより、排ガス浄化用の触媒が得られる。
しかし、このような排ガス浄化用触媒では、熱負荷による触媒の劣化が問題とされてきた。ガソリンエンジンの場合、排ガス浄化用触媒は高負荷域において900℃以上の高温に晒される。このような高温に晒された場合、触媒の表層部に担持した貴金属の粒子間において凝集(シンタリング)現象が起こる結果、活性成分である貴金属粒子の表面積が減少するため、触媒性能が低下していた。一般的に制御不可能な熱劣化に対する解決策として、予め自動車の走行距離の増加に伴う触媒性能の低下を把握し、要求される耐久性を満足できるよう多めの貴金属を使用する方法がとられていた。一方、近年では高価な貴金属の使用量の増加は自動車のコストアップに繋がるため、貴金属の使用量を増加させずに触媒性能を向上することが求められている。また、貴金属のうち白金より安価なパラジウムを排ガス浄化用触媒の担体含浸溶液として用いる方法の開発が求められている。
特許文献1には、排ガス浄化用触媒の製造時に貴金属粒子の粒径を制御することで、熱負荷による貴金属の凝集を抑制し、かつ貴金属の使用量を低減できることが記載されている。特許文献2には、触媒金属を担体上に担持させる際に、還元剤として還元力が弱くかつ硫黄原子を含有する還元剤を使用することにより、触媒金属を均一粒径に還元、析出させることが記載されている。
特開2011−161349号公報 特開平5−161849号公報
しかし、特許文献1では、同文献に記載の方法によって白金粒子以外の貴金属粒子の粒径も制御が可能であるかは確かめられていなかった。溶液中における貴金属は、金属種により異なる安定状態を取るため、白金とパラジウムとではpHや温度等の周辺環境が粒子成長に与える影響も異なり、粒径制御の方法も異なると考えられる。本発明者らは、特許文献1に記載の方法をパラジウムに適用しても粒子サイズを制御できないことを確認した。従って、パラジウム粒子の粒径制御のために別の新たな手法が必要であった。
さらに、特許文献1に記載の方法は、溶液中の貴金属を目的の粒子径に制御するために、原料溶液温度、酸濃度、保持温度、および保持時間をコントロールする必要があった。すなわち、特許文献1に記載の方法は、制御項目が多く、また溶液中のpH制御は酸の添加量を調整することによって行うため、安全面にも改善の余地があった。
また、特許文献2に記載の方法において還元剤として使用されるチオ尿素およびチオアセトアミドは、硫黄(S)を有する化合物である。硫黄は、排ガス浄化用触媒の活性低下を引き起こす被毒物質として知られている。よって、特許文献2では、触媒表面に硫黄が残留し、触媒性能に悪影響を及ぼす可能性があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、貴金属であるパラジウムの使用量の低減を可能とし、かつ耐熱性が向上した排ガス浄化用触媒とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、パラジウム粒子の粒径制御のための新たな手法を開発すべく鋭意検討を行った結果、パラジウム塩溶液に尿素を添加することにより、パラジウム前駆体の粒径を制御できることを予想外にも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一側面によれば、排ガス浄化用触媒の製造方法であって、パラジウム塩溶液を希釈する希釈工程と、前記希釈されたパラジウム塩溶液に速やかに尿素を添加して、水酸化パラジウムが分散した含浸溶液を調製する尿素添加工程と、前記含浸溶液に担体を浸漬し、前記担体に前記水酸化パラジウムを付着させる含浸工程と、前記水酸化パラジウムが付着した担体を乾燥、焼成する焼成工程とを含む。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、その一形態において、前記希釈工程から前記含浸工程までの間に、ポリオールを添加する工程をさらに含むことが好適である。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、その一形態において、前記ポリオールを添加する工程が、前記含浸工程の前までに行われることが好適である。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、その一形態において、前記ポリオールの添加量が、希釈後の前記パラジウム塩溶液100体積部に対して0.5〜2.0体積部であることが好適である。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、その一形態において、前記水酸化パラジウムの平均粒径が、0.6〜60nmであることが好適である。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、その一形態において、前記水酸化パラジウムの平均粒径が、5〜35nmであることが好適である。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、その一形態において、前記尿素の添加量が、前記パラジウム塩溶液1Lに対して0.5〜20gであることが好適である。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、前記担体が、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物、およびそれらの混合物から成る群より選択されることが好適である。
本発明は、別の側面で、上記排ガス浄化用触媒の製造方法により得られる排ガス浄化用触媒である。
本発明は、パラジウムの使用量の低減を可能とし、かつ耐熱性が向上した排ガス浄化用触媒とその製造方法を提供することができる。
図1は、溶液中におけるパラジウム水酸化物の成長過程を示す模式図である。 図2は、窒素酸化物の浄化率曲線を示すグラフである。 図3は、窒素酸化物の50%浄化率温度を示すグラフである。 図4は、窒素酸化物の50%浄化率温度を示すグラフである。 図5は、窒素酸化物の浄化率曲線を示すグラフである。 図6は、窒素酸化物の600℃での浄化率を示すグラフである。 図7は、パラジウムの分散率を示すグラフである。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、(1)パラジウム塩水溶液を希釈する希釈工程と、(2)前記希釈されたパラジウム塩溶液に速やかに尿素を添加して、水酸化パラジウムが分散した含浸溶液を調製する尿素添加工程と、(3)前記含浸溶液に担体を浸漬し、前記担体に前記水酸化パラジウムを付着させる含浸工程と、(4)前記水酸化パラジウムが付着した担体を乾燥、焼成する焼成工程とを含む。
(1)希釈工程
パラジウム塩溶液を希釈する工程では、パラジウム塩溶液に水を添加することにより希釈する。パラジウム塩溶液としては、例えば、硝酸パラジウム(II)溶液、塩化パラジウム溶液、硫酸パラジウム溶液、酢酸パラジウム溶液等が挙げられる。パラジウム塩溶液の濃度は、特に限定されないが、例えば1〜10質量%であることが好ましい。希釈は、パラジウム塩溶液の濃度が0.1〜1質量%となるまで行うことが好ましい。希釈後のパラジウム塩溶液のpHは、好ましくは1〜2である。
(2)尿素添加工程
希釈されたパラジウム塩溶液に速やかに尿素を添加して、水酸化パラジウムが分散した含浸溶液を調製する工程では、工程(1)で得られた希釈パラジウム塩溶液に、好ましくは希釈後30分以内に尿素を添加し、静置して、水酸化パラジウムを析出させる。これにより、微細かつ均一な粒径をもつパラジウム前駆体である水酸化パラジウムが分散した含浸溶液を得ることができる。静置期間は、微細かつ均一な粒径の水酸化パラジウムの分散溶液を得られる限り特に限定されないが、好ましくは1〜7日間である。
図1(a)に示すように、パラジウム塩溶液を水で希釈後、尿素を添加しない場合、pHの変化により水酸化パラジウムが析出して核1が生成し、溶液中のパラジウムイオン2を取り込むことで粒子成長が進行し、最終的にサイズが大きくなった水酸化パラジウム粒子3が沈降する。また、パラジウム塩溶液にアンモニア等を滴下し、pHを変化させて水酸化パラジウムを析出させた場合も、局所的にpHが変化し粗大な沈殿を生じさせる。
一方、パラジウム塩溶液の希釈後に尿素を添加した場合、図1(b)に示すように、溶液中に生成した水酸化パラジウムの核4へのパラジウムイオン5の取り込みは緩徐となり、粒子成長が抑制され、微細かつ均一な粒径の水酸化パラジウム粒子6が数多く形成される。水酸化パラジウム粒子6は、溶液中で均一に分散した準安定状態となる。粒子成長が抑制され、微細かつ均一な粒径の水酸化パラジウム粒子6が得られるのは、溶液中で尿素が、下記(A)の反応により分解してアンモニアを発生させ、含浸溶液のpHを酸性側からアルカリ側に均一かつゆっくりと移行させるためである。

CO(NH + HO → CO + 2NH ・・・(A)
水酸化パラジウム粒子の平均粒径は、好ましくは0.6〜60nm、より好ましくは5〜35nmに制御する。ここで、平均粒径は、動的光散乱法により測定されるメジアン径として求めることができる。粒径制御された水酸化パラジウムをパラジウム前駆体として用いることにより、パラジウムの熱安定性を高め、触媒の耐熱性を向上することができる。
析出する水酸化パラジウムは、尿素の添加量の増加に伴い粒径が大きくなる。このため、水酸化パラジウムの粒径は、尿素の添加量を変化させることにより制御することができる。尿素の添加量は、好ましくは希釈後のパラジウム塩溶液1Lに対して0.5〜20gである。尿素添加量がパラジウム塩溶液1Lに対して0.5g以上であれば、粒径測定が可能な程度のパラジウム粒子を生成させることができ、尿素添加量がパラジウム塩溶液1Lに対して20g以下であれば、水酸化パラジウムの粒径が60nm以下となり、沈降することがない。ただし、水酸化パラジウムは、尿素添加量に応じた粒径まで成長した後でも、ごく遅い速度で粒成長を続けるため、尿素添加後の静置期間を例えば7日間以下とすることにより、水酸化パラジウム粒子の粒径が60nmを越えて成長して沈降することを防ぐことができる。
(3)含浸工程
含浸溶液に担体を浸漬し、担体に水酸化パラジウムを付着させる工程では、含浸溶液に担体を浸漬して静置する。この工程により、水酸化パラジウム粒子が担体表面に吸着される。静置は、担体の種類に応じて、任意の期間行うことができ、好ましくは0.5〜48時間、より好ましくは24時間行う。含浸溶液の温度は、20〜30℃とすることが好ましい。担体としては、セラミックス、例えばアルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物、またはそれらの混合物を使用することが好ましい。担体は、粉末状、粒状、ペレット状、またはハニカム形状等、任意の形状に成型されたものであってよい。水酸化パラジウム粒子に対する担体の質量比は、例えば、水酸化パラジウム粒子1質量部に対して担体が10〜100質量部である。
得られた水酸化パラジウムが付着した担体は、固液分離されることが好ましい。固液分離は、例えば吸引濾過により実施することができる。水酸化パラジウムが付着した担体は、任意にイオン交換水で洗浄されてもよい。
上記(1)希釈工程から(3)含浸工程までの間には、ポリオールを添加する工程をさらに実施することが好適である。ポリオール添加工程では、パラジウム塩溶液または含浸溶液にポリオールを添加し、十分に攪拌する。ポリオールの添加を、尿素添加と同時または尿素添加後に行う場合には、攪拌後に、好ましくは30分間から7日間、ただし尿素添加から通算7日間を超えない期間静置する。
ポリオール添加工程は、希釈工程と同時から焼成工程の直前までの任意の時期に行うことができ、好ましくはパラジウム塩溶液中のパラジウムが水酸化パラジウムとして析出する前に行われる。よって、ポリオールの添加時期は、好ましくは、希釈工程と同時から含浸工程の前までであり、例えば(a)希釈工程と同時、(b)希釈工程の後であって尿素添加工程の前、(c)尿素添加工程と同時、または(d)尿素添加工程の後であって含浸工程の前である。尿素添加の後にポリオールを添加する場合は、尿素添加後速やかに添加することが好ましく、例えば尿素添加後30分以内に添加することが好ましい。また、「同時」は、実質的に同時であることを意味し、完全な同時だけでなく、時間的にずれがある場合も含んでいる。例えば、「希釈工程と同時」は、希釈用の水の添加時間と、ポリオールとの添加時間とが完全に一致している場合に加え、少なくとも一部が重なっている場合も含む意味である。また、ポリオールの添加は、異なる時期に複数回に分けて行うこともできる。
ポリオールの添加量は、好ましくは希釈後のパラジウム塩溶液100体積部に対して0.5〜2.0体積部である。ポリオールの添加量を希釈後のパラジウム塩溶液100体積部に対して0.5体積部以上とすることにより、パラジウム粒子が凝集しないように保護することができる。また、ポリオールの添加量を、希釈後のパラジウム塩溶液100体積部に対して2.0体積部以下とすることにより、ポリオールの還元作用による金属状態のパラジウムの析出および沈降を抑制できる。ポリオールを複数回にわたって添加する場合は、添加量の合計を上記範囲とすることが好ましい。
ポリオールは、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、およびポリエチレングリコールなどのジオール類、並びにこれらの混合物からなる群より選択される1種以上である。これらの中でもエチレングルコールは、入手が容易で使いやすいため特に好ましい。
希釈後のパラジウム塩溶液または含浸溶液にポリオールを添加すると、ポリオールは水酸化パラジウム粒子に付着し、その表面を覆う。水酸化パラジウム粒子の表面に付着したポリオールは、後に続く工程においてパラジウム粒子の凝集を低減させる保護剤の役割を果たす。例えば、含浸溶液に担体を浸漬し、担体に水酸化パラジウムを付着させる工程では、ポリオールによって水酸化パラジウム粒子の凝集がより低減され、水酸化パラジウム粒子は独立分散状態を保ったまま、ムラを生じさせずに担体に吸着される。さらに、水酸化パラジウムが付着した担体を乾燥する工程においては、溶媒の蒸発に伴う凝集をより低減させることができる。その結果、焼成工程においてシンタリングが起こりにくく、パラジウムの分散性が維持される。従って、ポリオールを添加することにより、排ガス浄化用触媒におけるパラジウム粒子の分散度をより高めることができる。なお、ポリオールは、後述する焼成工程において除去されるため、製造後の排ガス浄化用触媒には含まれない。
(4)焼成工程
水酸化パラジウムが付着した担体を乾燥し、焼成する工程は、当業者に知られた方法によって行うことができるが、例えば水酸化パラジウムが付着した担体を所定の温度に加熱することにより行う。乾燥時の加熱温度は、好ましくは80〜120℃であり、加熱時間は例えば12〜24時間とすることできる。焼成時の温度は、好ましくは150〜800℃であり、加熱時間は好ましくは1〜5時間である。焼成により、前駆体である水酸化パラジウムを還元し、担体上にパラジウム粒子を固着させることができる。
パラジウムの担体への付着量は特に制限されず、得られる触媒の設計に応じてその付着量を適宜調整することができるが、担体が粉末状である場合は、好ましくは担体100質量部に対し1〜10質量部であり、担体がハニカム状である場合は担体の体積1L当たりに好ましくは1〜10gである。
本発明に係る製造方法によれば、パラジウムの使用量の低減を可能とし、パラジウムを効率的に使用することができる。さらに、本発明に係る製造方法は、含浸溶液中で粒径制御したパラジウム前駆体を担持することで、触媒上のパラジウム粒径を熱負荷に対して安定なサイズとし、耐熱性が向上した排ガス浄化用パラジウム触媒を提供することができる。また、本発明に係る製造方法は、硫黄含有化合物を使用しないため、得られた排ガス浄化用触媒の硫黄被毒の問題がない。本発明に係る製造方法はまた、溶液温度や保持時間、酸添加量などを制御する必要がないため、より簡便で、安全面に配慮されている。
[実施例1〜6]
硝酸パラジウム溶液(8.289質量%、田中貴金属工業製)をイオン交換水で希釈し、1.0g/LのPd溶液を調製した。尿素(和光純薬工業製)を、調製した溶液に対してそれぞれ0.5g/L、2.5g/L、5.0g/L、10.0g/L、15.0g/L、20.0g/Lとなるように添加し、1日間静置することで含浸溶液を得た。この含浸溶液中の水酸化パラジウムの平均粒子径は、動的光散乱法(マルバーン社製、ゼータサイザー)により測定した。水酸化パラジウム粒子の平均粒子径の測定結果を表1に示す。
次に、この含浸溶液に、担体となる活性化アルミナ粉末(住友化学製、水硬性アルミナBK105)を、担体100質量部に対して1質量部のパラジウムとなるように浸漬させ、一晩静置後、吸引濾過により固液分離を行った。100℃で一晩乾燥後、500℃で1時間焼成することにより、Al100質量部に対しPdを1質量部担持した実施例1〜6の排ガス浄化用触媒を得た。
[比較例1]
尿素を添加しないこと以外は実施例1〜6と同様の手順にて、Al100質量部に対しPdを1質量部担持した比較例1の排ガス浄化用触媒を得た。
Figure 2015042403
[実施例7]
担体としてアルミナ粉末の代わりにセリア・ジルコニア複合酸化物(第一稀元素性)を用いたこと以外は実施例4と同様の手順により、CeO−ZrO100質量部に対しPdを1質量部担持した実施例7の排ガス浄化用触媒を得た。
[比較例2]
担体としてアルミナ粉末の代わりにセリア・ジルコニア複合酸化物(第一稀元素性)を用いたこと以外は比較例1と同様の手順によって、CeO−ZrO100質量部に対しPdを1質量部担持した比較例2の排ガス浄化用触媒を得た。
[比較例3]
尿素の添加量を、調製した溶液に対して25.0g/mLとしたこと以外は実施例1〜6と同様の手順にて、含浸溶液を調製したところ、水酸化パラジウム粒子が沈降し、粒子径を測定できなかった。
(排ガス浄化性能の測定1)
実施例1〜7および比較例1、2の排ガス浄化用触媒について、大気中において電気炉で900℃、5時間の耐久処理を行った。その後、これらの排ガス浄化用触媒について、模擬排気ガス装置(模擬排気ガス発生装置:堀場製作所製TU−2125、質量分析装置:HIDEN製HPR20 QIC System)を用いて窒素酸化物の浄化率を測定した。測定は、0.1gの排ガス浄化用触媒を模擬排ガス装置の反応管に充填し、表2に示す組成の模擬排気ガスを2000cc/minの流速で流通させながら、模擬排気ガスの温度を25℃/minで昇温させ、100℃〜600℃の温度条件で行った。前排ガス中と後排ガス中の窒素酸化物の濃度変化率を浄化率として以下の式に基づいて算出した。

浄化率(%)=[1−(後排ガス中の濃度)/(前排ガス中の濃度)]×100
Figure 2015042403
浄化率の測定結果を、図2〜4に示す。図2には、実施例3および比較例1の排ガス浄化用触媒を用いて測定した窒素酸化物の浄化率曲線を例として示す。図2に示されるように、排ガス温度が上昇するほど排ガス浄化用触媒の浄化率が高まり、同一温度では実施例3の排ガス浄化用触媒の方が比較例1の排ガス浄化用触媒より優れた浄化率を有していた。
図3には、実施例1〜6および比較例1の排ガス浄化用触媒を用いて測定した窒素酸化物の50%の浄化率が得られる温度(「50%浄化率温度」と称す)を示す。図3により、50%浄化率温度は、実施例1〜6のすべてにおいて比較例1よりも低く、熱負荷後の浄化性能に優れることが示された。特に、実施例3〜5の排ガス浄化用触媒の浄化性能が非常に高かった。ここで、比較例1の排ガス浄化用触媒は、パラジウム前駆体の平均粒子径が実施例6よりも小さい値であったにもかかわらず、実施例6の排ガス浄化用触媒よりも浄化性能が劣っていた。この原因は明らかではないが、尿素添加がパラジウム前駆体の形成およびその後の焼成に影響し、尿素を添加せずに製造したパラジウム触媒よりも耐熱性を向上させていると考えられた。
図4には、実施例7及び比較例2の排ガス浄化用触媒を使用して測定した窒素酸化物の50%浄化率温度を示す。図4に示されるように、実施例7において比較例2よりも低いことから、セリア・ジルコニア複合酸化物を担体とした場合も、尿素添加を行い作製した排ガス浄化用触媒は、尿素添加を行わずに作製した排ガス浄化用触媒よりも、熱負荷後の浄化性能が優れていた。これらの結果から、本発明に係る製造方法による排ガス浄化用触媒は、耐熱性に優れていることが実証された
[実施例8]
硝酸パラジウム溶液(8.289質量%、田中貴金属工業製)をイオン交換水で希釈し、1.0g/Lの希釈Pd溶液を調製した。尿素(和光純薬工業製)を、希釈Pd溶液に対して0.5g/L添加した後、希釈Pd溶液100体積部に対して2体積部のエチレングリコールを添加し、十分に攪拌後、3日間静置することで含浸溶液を得た。次に、この含浸溶液に、担体となる活性化アルミナ粉末(住友化学製、水硬性アルミナBK105)を、担体100質量部に対して1質量部のパラジウムとなるように浸漬させ、一晩静置後、吸引濾過により固液分離を行った。100℃で一晩乾燥後、500℃で1時間焼成することにより、Al100質量部に対しPdを1質量部担持した実施例8の排ガス浄化用触媒を得た。
[比較例4]
尿素およびエチレングリコールを溶液に添加しないこと以外は実施例8と同様の手順にて、比較例4の排ガス浄化触媒を得た。
(排ガス浄化性能の測定2)
実施例8および比較例4の排ガス浄化用触媒について、大気中において電気炉で1000℃、5時間の耐久処理を行った。その後、これらの排ガス浄化用触媒について、模擬排気ガス装置(模擬排気ガス発生装置:堀場製作所製TU−2125、質量分析装置:HIDEN製HPR20 QIC System)を用いて窒素酸化物の浄化率を測定した。測定は、0.1gの排ガス浄化用触媒を模擬排ガス装置の反応管に充填し、表3に示す組成の模擬排気ガスを2000cc/minの流速で流通させながら、模擬排気ガスの温度を25℃/minで昇温させ、100℃〜600℃の温度条件で行った。前排ガス中と後排ガス中の窒素酸化物の濃度変化率を浄化率として以下の式に基づいて算出した。

浄化率(%)=[1−(後排ガス中の濃度)/(前排ガス中の濃度)]×100
Figure 2015042403
浄化率の測定結果を、図5および図6に示す。図5に示されるように、実施例8および比較例4の排ガス浄化用触媒はいずれも、排ガス温度が上昇するほど排ガス浄化用触媒の窒素酸化物の浄化率が高まっており、500℃を超える高温域では実施例8の排ガス浄化触媒は比較例4の排ガス浄化触媒よりも高い浄化率を示していた。図6に示されるように、実際の排気ガス温度に近い600℃付近では、実施例8の排ガス浄化用触媒は、比較例4の排ガス浄化用触媒と比較して優れた浄化率を有していた。
(パラジウムの分散率の測定)
実施例8および比較例4の排ガス浄化用触媒のパラジウム分散度を、触媒活性点評価装置(日本ベル製BELCAT−A)を用いて測定した。この結果を、図7に示す。
図7に示されるように、実施例8の排ガス浄化用触媒は、比較例4の排ガス浄化用触媒よりも優れたパラジウム分散度を有していることが確認された。この結果から、ポリオールおよび尿素の添加により、パラジウム分散度に優れた排ガス浄化用触媒が得られることが示された。
本発明は、貴金属であるパラジウムの使用量の低減を可能とし、かつ耐熱性が向上した排ガス浄化用触媒とその製造方法を提供することができる。
1 核
2 パラジウムイオン
3 水酸化パラジウム粒子
4 核
5 パラジウムイオン
6 水酸化パラジウム粒子

Claims (9)

  1. パラジウム塩溶液を希釈する希釈工程と、
    前記希釈されたパラジウム塩溶液に速やかに尿素を添加して、水酸化パラジウムが分散した含浸溶液を調製する尿素添加工程と、
    前記含浸溶液に担体を浸漬し、前記担体に前記水酸化パラジウムを付着させる含浸工程と、
    前記水酸化パラジウムが付着した担体を乾燥、焼成する焼成工程と
    を含む排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 前記希釈工程から前記含浸工程までの間に、ポリオールを添加する工程をさらに含む請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  3. 前記ポリオールを添加する工程が、前記含浸工程の前までに行われる請求項2に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  4. 前記ポリオールの添加量が、希釈後の前記パラジウム塩溶液100体積部に対して0.5〜2.0体積部である、請求項2または3に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  5. 前記水酸化パラジウムの平均粒径が、0.6〜60nmである請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  6. 前記水酸化パラジウムの平均粒径が、5〜35nmである請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  7. 前記尿素の添加量が、前記パラジウム塩溶液1Lに対して0.5〜20gである請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  8. 前記担体が、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物、およびそれらの混合物から成る群より選択される請求項1〜7のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により得られる排ガス浄化用触媒。
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