JP2015040257A - 透明粘着フィルム、フラットパネルディスプレイ及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の透明粘着フィルム、この透明粘着フィルムを使用したフラットパネルディスプレイまたは太陽電池モジュールは、(メタ)アクリロイル基をペンダント状に有するポリアルキレンエーテル骨格及びポリテトラメチレンエーテル骨格を含むラジカル重合性ポリエーテル(A)1〜99質量%とラジカル重合性ビニル系単量体(B)99〜1質量%とを共重合して得られる重合体(C)を含む。
【選択図】なし
Description
体との共重合可能、また各種添加剤の添加に関する記載はあるものの、具体的に機械特性などが開示されているのは該ラジカル重合性ポリエーテルの単独重合体のみである。
(4)前記フィルムの厚みが0.1〜2000μmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透明粘着フィルム。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の透明粘着フィルムを使用した太陽電池モジュール。
下記一般式(1)で表されるラジカル重合性ポリエーテル(A)は、グリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランをプロトン酸、イオンコンプレックス、ルイス酸、活性ハロゲン化物などを触媒として使用して、炭素数1〜20のアルコール、水などの活性水素を有する化合物を添加して反応を停止することで、製造できる。グリシジル(メタ)アクリレートとともに、酢酸グリシジル、プロピオン酸グリシジル、酪酸グリシジル、ステアリン酸グリシジルなどのラジカル重合性官能基を有さないグリシジルエステルを併用してもよい。グリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランの共重合割合は、グリシジル(メタ)アクリレートが0.1質量%〜88質量%に対し、テトラヒドロフランが99.9質量%〜12質量%が好ましく、グリシジル(メタ)アクリレートが0.2質量%〜75質量%に対し、テトラヒドロフランが99.8質量%〜25質量%であることがより好ましい。本発明においてプロトン酸、イオンコンプレックス、ルイス酸、活性ハロゲン化物などを触媒の使用量は、グリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランの和に対して0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜1質量%がより好ましい。また反応の停止に使用する活性水素を有する化合物の使用量はグリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランの和に対して4〜20質量%が好ましく、6〜10質量%がより好ましい。通常、上記の重合反応は0〜50℃が好ましく、10℃〜40℃がより好ましく、30分〜72時間程度開環重合反応を行う。
される。
(メタ)アクリル系単量体とは、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルからなる単量体を指す。例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用することができる。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)と(メタ)アクリル系単量体(B)の重合体におけるラジカル重合性ポリエーテル(A)と(メタ)アクリル系単量体(B)の組成比としては、ラジカル重合性ポリエーテル(A)が1〜99質量%、(メタ)アクリル系単量体(B)が99〜1質量%において、共重合体フィルムは粘着性と透明性に優れ、特にラジカル重合性ポリエーテル(A)が5〜70質量%で(メタ)アクリル系単量体(B)が95〜30質量%においては共重合体フィルムはより良好な粘着性と透明性を有し、ラジカル重合性ポリエーテル(A)が10〜60質量%で(メタ)アクリル系単量体(B)が90〜40質量%においては共重合体フィルムは特に良好な粘着性と透明性を有する。
(2)連続するシート状物上に重合性組成物の連続塗膜を形成し、連続的に加熱又は活性エネルギー線照射により重合性組成物の塗膜を重合させ、その後、得られた重合性組成物の塗膜の重合物である重合体をシート状物から剥離する。
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジメトキシフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらは一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<評価方法>
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の評価は以下の方法により実施した。
(1)1H−NMRスペクトル
化合物の構造を1H−NMRスペクトルにより確認した。
重合体の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn
)を、ポリスチレンをスタンダードとして、GPC(HLC−8220:東ソー(株)製、カラム:TSK−GEL SUPER H−4000とTSK−GEL SUPER H−2000の直列接続)により測定した。
溶離液:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:0.6mL/分の条件で測定した。
5cm角に切り出した透明粘着フィルムをJIS K7361−1に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いて全光線透過率を測定した。
5cm角に切り出した透明粘着フィルムをJIS K7105に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いてヘイズ値を測定した。
スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いて厚み0.5mm、幅5mm、長さ50mmの透明粘着フィルムの試験片を作製した。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(商品名:EXSTAR DMS6100、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用して、周波数1Hz、温度範囲30〜150℃、昇温速度2℃/分の測定条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線の極大値を示すときの温度をガラス転移温度(Tg)とした。
作製した透明粘着フィルムの粘着性を以下にしめす室温加圧条件下または加温加圧条件下で評価した。
<室温加圧条件下での粘着性評価>
5cm角に切り出した透明粘着フィルムを、厚み1mm、幅58mm、長さ76mmのガラスセル2枚の間に置き、その透明粘着フィルムを2枚のガラスセルではさんだ積層体を平らな面に置いて、積層体の上から均一に荷重がかかるように500gの錘を乗せて室温条件下で40分間静置した後、透明粘着フィルムの粘着性を以下の基準で評価した。
○・・・透明粘着フィルムがガラスセルから剥がれない。
×・・・透明粘着フィルムがガラスセルから剥がれる。
5cm角に切り出した透明粘着フィルムを、厚み1mm、幅58mm、長さ76mmのガラスセル2枚の間に置き、その透明粘着フィルムを2枚のガラスセルではさんだ積層体を平らな面に置いて、積層体の上から均一に荷重がかかるように500gの錘を乗せて130℃の温度条件下で40分間静置した後、透明粘着フィルムを間に挟んだガラスセルを室温条件下に置き、冷却した。透明粘着フィルムの接着性を以下の基準で評価した。
○・・・透明粘着フィルムがガラスセルから剥がれない。
×・・・透明粘着フィルムがガラスセルから剥がれる。
粘着性評価で粘着性が確認された透明粘着フィルムに対してリワーク性を以下にしめす方法で評価した。
粘着性評価で作製した透明粘着フィルムと2枚のガラスセルで挟んだ積層体の透明粘着フィルムとガラスセルを剥がして、再度その透明粘着フィルムを用いて、上記の(4)粘
着性評価の方法で粘着性を評価し、リワーク性を以下の方法で評価した。
○・・・透明粘着フィルムがガラスセルから剥がれない。
×・・・透明粘着フィルムがガラスセルから剥がれる。
攪拌子、温度計、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにテトラヒドロフラン600g(和光純薬工業(株)製)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物2g(東京化成工業(株)製)を添加して、室温で攪拌した。トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物が溶解したのを確認後、メタクリル酸グリシジル24g(和光純薬工業(株)製)を添加した。添加後、室温で11時間攪拌した。攪拌後、エタノール50g(和光純薬工業(株)製)を添加して反応を停止させた。反応終了後、未反応のテトラヒドロフランや余剰のエタノールをエバポレーターを使用して、留去することで白色固体426g(収率68%)を得た。
0.95(s´)1.60(m),1.9(s),2.35(s´)3.1−3.9(m),4.05(s),4.25(m),5.55(s),6.13(s)
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物、エタノールの使用量と反応時間を表1に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。GPC測定により質量平均分子量は14500であった。また、メタクリル酸グリシジル由来骨格の重合度m1とテトラヒドロフランの重合度nとしたときのメタクリル酸グリシジル由来骨格の導入率m1/(m1+m2+n)は、0.081であった。
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物、エタノールの使用量と反応時間を表1に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。GPC測定により質量平均分子量は5700であった。また、メタクリル酸グリシジル由来骨格の重合度m1とテトラヒドロフランの重合度nとしたときのメタクリル酸グリシジル由来骨格の導入率m1/(m1+m2+n)は、0.179であった。
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、酪酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物、エタノールの使用量と反応時間を表1に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。GPC測定により質量平均分子量は30000あった。また、メタクリル酸グリシジル由来骨格の重合度m1とテトラヒドロフランの重合度nとしたときのメタクリル酸グリシジル由来骨格の導入率m1/(m1+m2+n)は、0.015であった。
メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物、エタノールの使用量と反応時間を表1に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。GPC測定により質量平均分子量は14000であった。また、メタクリル酸グリシジル由来骨格の重合度m1とテトラヒドロフランの重合度nとしたときのメタクリル酸グリシジル由来骨格の導入率m1/(m1+m2+n)は、1であった。
<重合性組成物の調製>
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテル25質量%、メタクリル酸メチル75質量%(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)、ラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量部に対して重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)0.3質量部を添加して重合性組成物を得た。さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾル OT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)をラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量部に対して0.05質量部を添加、混合し、その後、減圧下で脱気処理を行った。
製造例1、2、3または4で製造したラジカル重合性ポリエーテルと(メタ)アクリル系単量体(B)として使用したメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸ブチルの使用量を表2に示す使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、透明粘着フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ラジカル重合性ポリエーテルを使用せず、メタクリル酸メチルの使用量を表2に示す使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
製造例5で製造したラジカル重合性ポリエーテルと(メタ)アクリル系単量体(B)として使用したメタクリル酸メチルの使用量を表2に示す使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ラジカル重合性ポリエーテルを使用せず、ポリテトラメチレングリコールを使用したことと(メタ)アクリル系単量体(B)としてメタクリル酸メチルの使用量を表2に示す使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様に重合を行った。評価結果を表2に示す。
*テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)
*トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物(東京化成工業(株)製)
*メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業(株)製)
*酪酸グリシジル(東京化成工業(株))
*ポリテトラメチレングリコール3000(三菱化学(株))
*エタノール(和光純薬工業(株)製)
*メタクリル酸メチル(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)
*メタクリル酸ブチル(商品名:アクリエステルB、三菱レイヨン(株)製)
*1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)
*ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾル OT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)
Claims (6)
- (メタ)アクリロイル基をペンダント状に有するポリアルキレンエーテル骨格及びポリテトラメチレンエーテル骨格を含むラジカル重合性ポリエーテル(A)1〜99質量%とラジカル重合性ビニル系単量体(B)99〜1質量%とを共重合して得られる重合体(C)を含む透明粘着フィルム。
- 前記一般式(1)で表されるラジカル重合性ポリエーテル(A)の質量平均分子量が1000〜200000である請求項2に記載の透明粘着フィルム。
- 前記フィルムの厚みが0.1〜2000μmである請求項1〜3のいずれかに記載の透明粘着フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明粘着フィルムを使用したフラットパネルディスプレイ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明粘着フィルムを使用した太陽電池モジュール。
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