JP6115747B2 - 硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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本発明は、熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関する。
板状等のアクリル樹脂を製造する際、(メタ)アクリレートモノマーを含む組成物を鋳型に注入し、鋳込重合する方法が知られている。この鋳込重合の際、鋳型からの漏れの防止、硬化速度の向上、硬化収縮の低減を目的に、該組成物の粘度を調整することが行なわれている。この場合、重合体を単量体に溶解した粘調な液体、いわゆるシラップを用いることが多い。
例えば特許文献1では、(メタ)アクリル系重合体、メチルメタクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体、及び熱重合型の開始剤を含むシラップ組成物が開示されている。しかし、このようなシラップを加熱により重合硬化させて得られるアクリル樹脂は、製造工程や使用環境において溶剤が付着すると、溶解して透明性が低下することがある。
特開2010−132876号公報
本発明は、以上のような状況から、耐溶剤性に優れた硬化物となる熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供することである。
本発明は、(メタ)アクリル系重合体(A)、下記一般式(1)で表される2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(B)、前記(メタ)アクリル系重合性単量体(B)以外の重合性単量体から選ばれる一種以上の重合性単量体(C)および下記一般式(2)で表される重合開始剤(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記(メタ)アクリル系重合体(A)がメタクリル系単量体単位を含み、前記(メタ)アクリル系重合性単量体(B)の含有量が、前記(メタ)アクリル系重合体(A)、前記(メタ)アクリル系重合性単量体(B)、前記重合性単量体(C)の合計含有量の5〜30質量%である、熱硬化性樹脂組成物。である。

-O-R-OH (1)
(但し、Rはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、Rは炭素数である直鎖状アルキレン基である。)

-O-(C=O)-O-O-(C=O)-O-R (2)
(但し、RおよびRは独立して炭素数1〜40のアルキル基である。)
前記の本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記重合開始剤(D)はジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートが好ましい。
また、本発明は、前記の本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。
本発明によれば、耐溶剤性に優れた硬化物となる熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供することができる。
本明細書および特許請求の範囲において、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルの総称である。(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの総称である。(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基の総称である。
(メタ)アクリル系重合体(A)(以下、成分Aという。)は、本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、樹脂組成物という。)の粘度上昇と、硬化時の収縮率抑制に寄与する成分である。なお、(メタ)アクリル系重合体とは、構成単位中に(メタ)アクリル系単量体単位を50質量%以上含む重合体を意味し、(メタ)アクリル系単量体とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を意味する。
(メタ)アクリル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(メタ)アクリル系重合体には、(メタ)アクリル系以外の他の単量体単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、スチレン等のビニル系単量体が挙げられる。
成分Aの具体例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等の単独重合体、メチルメタクリレート単位とn−ブチルメタクリレート単位からなる共重合体、メチルメタクリレート単位とn−ブチルアクリレート単位からなる共重合体等の共重合体が挙げられる。成分Aとしては、組成中にメチルメタクリレート単位を50質量%以上含有するものが好ましい。成分Aは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Aの重量平均分子量は、1,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。重量平均分子量は、大きいほど樹脂組成物の粘度が高くなり、低いほど後述する成分B〜Dに対する成分Aへの溶解性が良好となる傾向がある。
成分Aの配合量は、成分A〜Cの配合量の合計に対して、15質量%〜45質量%が好ましい。より好ましくは20質量%〜40質量%、さらに好ましくは25質量%〜35質量%である。成分Aの配合量は多いほど硬化性樹脂組成物の粘度が高くなるので樹脂組成物を成型することが容易になる。また、硬化収縮率も抑制される。配合量は少ないほど成分B〜Dへの溶解性が良好となる。
本発明に用いる前記一般式(1)で表される(メタ)アクリル系重合性単量体(B)(以下、成分Bという。)は、耐溶剤性に寄与する成分である。一般式(1)において、R1はアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、R2は炭素数1〜20である直鎖状アルキレン基である。例えば、一般式(1)のR2としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン等の基が挙げられる。
成分Bの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が原料入手性の面からより好ましい。成分Bは一種を単独または二種以上を用いることができる。
成分Bの配合量は、成分A〜Cの配合量の合計に対して、1質量%〜50質量%が好ましい。より好ましくは5質量%〜40質量%、さらに好ましくは10質量%〜30質量%である。成分Bの配合量は、少ないほど樹脂組成物の粘度が高くなるので樹脂組成物を成型することが容易になり、多いほど硬化物の耐溶剤性が高くなる傾向がある。
本発明に用いる前記成分B以外の重合性単量体から選ばれる一種以上の重合性単量体(C)(以下、成分Cという。)の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体に用いられる(メタ)アクリル系重合性単量体として例示したものが挙げられる。これらは一種を単独または二種以上を用いることができる。
また、成分Cとして、樹脂組成物の硬化性向上、硬化物の強度付与等の目的で、1分子中に2個以上の二重結合を有する多官能(メタ)アクリル系重合性単量体を用いることができる。その具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは一種を単独または二種以上を用いることができる。
成分Cは、スチレン等のビニル系単量体等の(メタ)アクリル系以外の重合性単量体でもよい。成分Cとしては、成分A、BおよびDとの溶解性を損なわないものが好ましい。
成分Cの配合量は、成分A〜Cの配合量の合計に対して、35質量%〜85質量%が好ましい。より好ましくは40質量%〜80質量%、さらに好ましくは45質量%〜75質量%である。成分Cの配合量は、多いほど硬化物の透明性や耐水性が良好となり、少ないほど硬化性樹脂組成物の粘度が高くなる。
本発明に用いる前記一般式(2)で表される重合開始剤(D)(以下、成分Dという。)は、熱によりラジカルを発生させラジカル重合反応を開始させる成分である。一般式(2)において、RおよびRは独立して炭素数1〜40のアルキル基である。このアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を有するものでもよい。アルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、3〜15がより好ましく、6〜12が特に好ましい。
成分Dの具体例としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられるが、その中でも反応性の観点からジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートが好ましい。これらは、一種を単独または二種以上を用いることができる。
成分Dの配合量は、成分A〜Cの配合量の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部が好ましい。より好ましくは0.1〜3質量部、更に好ましくは0.3〜2質量部である。成分Dの配合量は、少ないほど成分Dの樹脂組成物に対する溶解が容易になり、多いほど樹脂組成物の硬化性が良好になる。
本発明の樹脂組成物は、上述したように、成分A〜Dを含むものであり、成分A〜Cを主成分とするものであることが好ましい。樹脂組成物に占める成分A〜Cの配合量の合計は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。樹脂組成物には、さらに種々の特性を付与するために、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、染料、顔料、消泡剤、重合禁止剤、充填材,蓄光材等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は硬化性に優れており、その硬化物は耐溶剤性優れている。
本発明の硬化物は、本発明の樹脂組成物を硬化することによって得られる。樹脂組成物を硬化させる温度は、50〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましい。また、硬化時間は、0.5〜5時間が好ましく、1〜3時間がより好ましい。本発明の樹脂組成物は、2段階以上の温度条件により硬化することも可能である。また、一段目を光硬化、二段目を熱硬化にすることもできる。2段階で硬化することによって、硬化物中の未反応モノマーを低減することや、硬化物の歪みを低減することができる。
本発明の硬化物は耐溶剤性に優れているだけでなく、耐熱性も良好である。その理由は明確ではないが、水素引き抜き反応を受けやすい(メタ)アクリル系重合性単量体である成分Bと水素引き抜き能の高い重合開始剤である成分Dを含有する本発明の硬化性樹脂組成物を加熱することによって架橋密度の高い硬化物が得られたためと推定される。
本発明の硬化物は耐溶剤性や耐熱性に優れているため、例えば、発光ダイオードや有機EL、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパー、フォトダイオード、フォトトランジスタなどに使用されるフィルムやシート、レンズ、被覆塗料、光導波路、封止材、充填材、接着剤、粘着剤、床面、壁面、道路マーキング等の土木建築用被覆材、自動車用被覆材、家具・装飾品用被覆材などに使用できる。また、透明性にも優れていることから無色透明性が要求される部位に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、これらの例における「部」は質量部を意味する。
各実施例および比較例における硬化物の評価方法は以下の通りである。
<試験片の作成>
熱硬化性樹脂組成物を脱泡したものをPETフィルムで被覆したガラス2枚の間にガスケットとして3mm厚の塩化ビニル樹脂製の枠を挟んで作製した型に流し込み、密閉した。その後、100℃で2時間加熱して、型中の組成物を硬化し、両面のガラス、PETフィルムを剥がし取り、幅:140mm、長さ:170mm、厚さ:3mmの硬化物(以下、試験片Aという。)を得た。
また、熱硬化性樹脂組成物を脱泡したものをPETフィルムで被覆したガラス2枚の間にガスケットとして1mm厚のシリコーンゴムを挟んで作製した型に流し込み、密閉した。その後、100℃で2時間加熱して、型中の組成物を硬化し、両面のガラス、PETフィルムを剥がし取り、幅:4mm、長さ:35mm、厚さ:1mmの硬化物(以下、試験片Bという。)を得た。
<外観の評価>
試験片Aが透明であるか否かについて目視にて評価を行なった。
<耐溶剤性の評価>
試験片Aの一部を切り取ったもの0.3gをトルエン5gに浸し、24時間放置した後の試験片の溶解性状態を目視にて確認し、以下の基準で耐溶剤性を評価した。
○:トルエンに溶解性せず、形を保持している。
×:トルエンに完全に溶解或いは、一部溶解している。
<耐熱性の評価>
試験片Bについて、「SOLIDS ANALYZER RSA II」(Rheometric Scientific社製)を使用し、周波数1Hz、昇温速度3℃/分の条件でTg(tanδのピーク温度)並びに(Tg−50)℃での貯蔵弾性率A、(Tg+50)℃での貯蔵弾性率Bを測定し、以下の基準で耐熱性を評価した。
○:logA−logBが4以下であった。
×:logA−logBが4を超えていた。または貯蔵弾性率が低すぎて測定不能であった。
<硬化性の評価>
試験片Aの表面を指触し、以下の基準で硬化性を評価した。
○:タックが無い。
×:タックがある。
〈合成例1〉
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145部、分散安定剤としてポリビニルアルコール(ケン化度:80%、重合度:1,700)0.5部を加えて撹拌した。ポリビニルアルコールが完全に溶解した後、撹拌を停止し、メチルメタクリレート100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部、n−ドデシルメルカプタン1部、硫酸ナトリウム0.3部を加えて再度撹拌した。撹拌下で窒素置換を行った後、70℃に昇温して重合を行った。重合発熱のピークを検出後、98℃に昇温して、さらに0.5時間反応を行い、40℃に冷却した。得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾物を脱イオン水で洗浄した。脱水後、40℃で16時間乾燥して、粒状の(メタ)アクリル系重合体(以下、ポリマー1と記す。)を得た。
ポリマー1の重量平均分子量(Mw)は40,000であった。重量平均分子量は、ポリマー1をテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィを用いて測定した分子量をポリスチレン換算して求めた。
〈合成例2〉
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145部、分散安定剤としてポリビニルアルコール(ケン化度:80%、重合度:1,700)0.5部を加えて撹拌した。ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、撹拌を停止し、メチルメタクリレート92.5部、n−ブチルアクリレート7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部、n−オクチルメルカプタン0.25部、硫酸ナトリウム0.5部を加えて再度撹拌した。撹拌下で窒素置換を行った後、80℃に昇温して重合を行った。重合発熱のピークを検出後、98℃に昇温して、さらに0.5時間反応を行い、40℃に冷却した。得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾物を脱イオン水で洗浄した。脱水後、40℃で16時間乾燥して、粒状の(メタ)アクリル系重合体(以下、ポリマー2と記す。)を得た。
ポリマー2の重量平均分子量(Mw)は70,000であった。重量平均分子量は、ポリマー2をテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィを用いて測定した分子量をポリスチレン換算して求めた。
〔実施例1〕
冷却器を備えた反応容器にベンジルメタクリレート60部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部を入れ、撹拌しながらポリマー1(ポリメチルメタクリレート、Mw=40,000)25部を少量ずつ加えた。全て加えた後、反応溶液を60℃に昇温し、温度を維持したまま2時間撹拌した。2時間後、ポリマー1が完全に溶解したことを確認した後、冷却し、シラップ状組成物を得た。
得られたシラップ状組成物100部に、重合開始剤としてジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油株式会社製、商品名:パーロイルTCP)2部を溶解し、熱硬化性樹脂組成物とした。得られた熱硬化性樹脂組成物とその組成物を用いて前記方法で作成した試験片(硬化物)について物性評価を行った結果を表1に示す。
〔実施例2、比較例1〕
硬化性樹脂組成物の組成比を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に、熱硬化性樹脂組成物と硬化物を作製し、各評価を行った結果を表1に示す。
Figure 0006115747
表1に記載した略号等の詳細は以下の通りである。
ポリマー1:合成例1で製造したポリメタクリル酸メチル
ポリマー2:合成例2で製造したメチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート=92.5/7.5(モノマー重量比)の共重合体
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHO」)
HPMA:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHP」)
BzMA:ベンジルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステル BZ」)
TCP:ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油株式会社製、商品名「パーロイルTCP」)
実施例1および2の結果から、成分A、成分B、成分Cおよび成分Dを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐溶剤性に優れていることが分かる。
比較例1からは、実施例1において成分BであるHEMA(一般式(1)においてR2が炭素数2の直鎖状アルキレン基)に替えて、HPMA(一般式(1)においてR2が炭素数3の分岐状アルキレン基)にした場合に、硬化物の耐溶剤性が不良となることが分かる。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル系重合体(A)、下記一般式(1)で表される2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(B)、前記(メタ)アクリル系重合性単量体(B)以外の重合性単量体から選ばれる一種以上の重合性単量体(C)および下記一般式(2)で表される重合開始剤(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記(メタ)アクリル系重合体(A)がメタクリル系単量体単位を含み、前記(メタ)アクリル系重合性単量体(B)の含有量が、前記(メタ)アクリル系重合体(A)、前記(メタ)アクリル系重合性単量体(B)、前記重合性単量体(C)の合計含有量の5〜30質量%である、熱硬化性樹脂組成物。

    -O-R-OH (1)
    (但し、Rはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、Rは炭素数である直鎖状アルキレン基である。)

    -O-(C=O)-O-O-(C=O)-O-R (2)
    (但し、RおよびRは独立して炭素数1〜40のアルキル基である。)
  2. 前記重合開始剤(D)が、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートである請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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