JP2008174648A - 接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、接着剤組成物に関するものである。本発明は、特に、フラットパネルディスプレイ(FPD)の前面フィルターに適した透明性、耐湿熱性、耐熱性などに優れた接着剤組成物に関するものである。本発明は、さらに、炭素繊維やガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂、ナイロンなどのプラスチックとアルミニウム、鉄などの金属との接着にも適した接着剤組成物に関するものである。
アクリル樹脂は、透明性、耐光性に優れ、フラットパネルディスプレイ(FPD)用粘着剤、接着剤として着実に需要を伸ばしている。一方で、耐熱性、耐湿熱性、粘着力、接着力の保持性という点ではまだ課題が多く、完全に解決できているとは言い難いのが現状である。
PDPのフィルター本体に設けられる粘着剤層の形成材料である粘着剤組成物が提案されている。(特許文献1参照)。特許文献1で提案されている技術は、架橋密度、分子量も低く、非架橋ポリマーも多く含んでいる。また、膜厚を0.5〜2mmと設定していることからも、粘着剤というよりも基材上にのっかっている強度の小さいいわゆるゲル状物質である。このものはポリマーの凝集力が低く、基材に対する強い付着性を発揮し得ないものと推察される。また、リワーク性(再剥離性)も剥離条件によってはポリマーの凝集破壊や、粘着剤層の糸引きが起こる。さらに、連続して高い温度環境下に置かれた場合や、ポリマーにとって有害な紫外線照射下に曝された場合に耐久性が不足することが推察される。
電磁波シールド性を有するディスプレイ用フィルムの製造方法が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に示されているとおり、銅メッシュのような導電性メッシュを使用した電磁波シールドフィルムでは、電磁波シールド性はもちろんのこと、シートの透明性(可視光線透過性)はきわめて重要な性質である。市販されている導電性メッシュはより高い開口率、より高い視認性を確保するためにライン幅(10μm前後)、ライン間隔(250ミクロン前後)、ライン厚み(25μm前後)に最新の研究成果が投入されている。これらの改良研究は、画像の鮮映性や視認性を向上することにあり、すべて電磁波シールドフィルムの透明性をより高くし、ヘイズをより小さくすることにある。このためには、特許文献2に提案されている技術をもとに説明すれば、透明プラスチック上に位置する粗面化された接着剤表面での光の散乱、屈折をなくすこと、および、この粗面プロフィールをカバーする接着剤がトレースしないこと、および導電性物質(例えば銅)でできた微少な器(幾何学図形で囲まれた升)の中にまで接着剤が完璧に浸透し、器に隙間や気泡が残らないことがきわめて重要な要件となる。
接着剤表面(界面)で光が屈折、散乱されると透過光量が減少し、ヘイズ悪化の原因となる。すなわち、フィルムの透明性、鮮鋭性が損なわれる。これを改善するために、特許文献2の提案ではオーバーコートする接着剤の屈折率を規定している。
粗面プロフィールをオーバーコートする接着剤がトレースした場合には、オーバーコートする接着剤表面で光の散乱が起こり、透過光量が減少してフィルムの可視光線透過率、ヘイズ悪化する。特許文献2の提案ではオーバーコートする接着剤が特徴のない溶剤希釈された接着剤であり、粗面プロフィールを修復し、平滑な表面を形成することができない。
器に隙間や気泡が残ると、空隙部、気泡含有部で光が屈折、散乱され、フィルムの透明性が大きく損なわれる。もはやディスプレイ用としては不適切なものとなる。特許文献2の提案ではオーバーコートする接着剤が特徴のない溶剤希釈された接着剤であり、「接着剤で被覆する工程」として示されている通り、メッシュ内部にまで接着剤が浸透することはない。
特許文献2に提案されている技術では、屈折率差が小さいことが重要であるとされており、透明性への対応は、屈折をなくすことにのみに限定されている。粗面プロフィールをカバーする接着剤が粗面プロフィールをトレースしないことに関しては、接着剤が有機溶剤で希釈されて使用されるため、乾燥時の体積収縮にともない素地の凹凸をトレースすることは避けられず、全く対策がとれていない。導電性物質(例えば銅)でできた微少な器の中にまで接着剤が完璧に浸透し、器に隙間や気泡が残らないことについては、提案されている技術では、導電性物質(例えば銅)でできた微少な器の中にまで接着剤が浸透していくものではないことが推察され、特許文献2が開示する接着剤は導電性物質が形成する凹上の器内に浸透する能力を有していない。
これらのことから、特許文献2で提案されている技術では、実用的な銅メッシュ(ライン幅(10μm前後)、ライン間隔(250ミクロン前後)、ライン厚み(25μm前後))に適用した場合、可視光線透過率はせいぜい70%前半でしかなく、重要要件であるヘイズに関しては全く評価されていない。可視光透過率70%程度では、ヘイズは少なくとも10以上になり、可視光線透過率と合わせ、実用性に欠ける技術であると推定される。
これは、粗面プロフィールをカバーする接着剤がトレースしないこと、導電性物質(例えば銅)でできた微少な器の中にまで接着剤が完璧に浸透し、器に隙間や気泡が残らないことに対する対策が全くなされていないためであり、屈折がなく、粗面プロフィールをカバーする接着剤が粗面プロフィールをトレースしないこと、導電性物質(例えば銅)でできた微少な器の中にまで接着剤が完璧に浸透し、器に隙間や気泡が残らないことが強く望まれていた。
非特許文献1には、既述の接着剤層圧着方法の改良技術として、導電性メッシュに透明な樹脂溶液を直接塗布、硬化させて電磁波シールドフィルムを製造する技術が開示されている。塗布技術にも様々な改善が施され、実施されていることが散見される。前記粗面プロフィールをカバーする接着剤がトレースしないこと、導電性物質(例えば銅)でできた微少な器の中にまで接着剤が完璧に浸透し、器に隙間や気泡が残らないことの対策技術の一部も含まれている。
塗布する透明樹脂としては、乾燥時の体積(原文は堆積)収縮による膜厚の減少にともなって下地の格子模様が浮き出て平面性が確保できないため、溶剤で希釈されたものは好ましくなく、無溶剤の樹脂でなければならないことが示されている。無溶剤型で流動性があり、基材に塗布できるものとしては粘度調節が比較定簡便に行えるアクリル系紫外線硬化型樹脂が上げられるが、これらはヌレ性、浸透性、レベリング性などの接着剤の塗装作業性に係わるレオロジー適性が悪く、前記圧着方式に比べ改善されたとはいえ、まだ不十分であった。例えば、メッシュコーナー部への泡付着、硬化時の残留歪みに起因する透明性のゆがみなど、十分満足できるものではなかった。
エポキシ樹脂の接着剤としての優れた性能と、アクリル樹脂の粘着剤としての機能を組み合わせたいわゆるアクリル−エポキシハイブリッド型接着剤が提案されている(特許文献3参照)。
本提案の狙うところは、
(1)高粘度エポキシ樹脂を低粘度の(メタ)アクリレートで希釈し、低粘度化して接着剤塗布作業性の改善を図ること、
(2)硬化過程で、エポキシ樹脂を前記ジアミン化合物などで硬化、架橋反応させるとともに、(メタ)アクリレートの重合を進めエポキシ−アクリルの相互侵入網目構造(以下IPNともいう)を形成し、強靱で耐衝撃性に優れた接着剤を得ようとするものと考えられる。特許文献1の狙いは、大変興味深いものであるが、(1)接着剤の粘度を単純に低くした場合には、接着剤粘性がニュートニアンとなり接着剤が流れ易くなって十分な接着剤層膜厚が得られない傾向があり、また被着体へのヌレ性が悪化し接着強度が不十分となる懸念がある、(2)周知の通り、ジアミン化合物、ビス(アミノ)アルキルピペラジンなどの塩基性化合物(または含N原子含有化合物)の存在下では(メタ)アクリレートはきわめて重合性が乏しく、硬化のために十分に長い時間をとったとしても(メタ)アクリレートは未反応で残る懸念が払拭できず、接着強度に重大なバラツキが出ることが予測される。さらにまた、(メタ)アクリレートは嫌気性が強く、脱気(脱酸素)が不十分な場合には、同様に接着強度発現に懸念が残ることになる。
(1)高粘度エポキシ樹脂を低粘度の(メタ)アクリレートで希釈し、低粘度化して接着剤塗布作業性の改善を図ること、
(2)硬化過程で、エポキシ樹脂を前記ジアミン化合物などで硬化、架橋反応させるとともに、(メタ)アクリレートの重合を進めエポキシ−アクリルの相互侵入網目構造(以下IPNともいう)を形成し、強靱で耐衝撃性に優れた接着剤を得ようとするものと考えられる。特許文献1の狙いは、大変興味深いものであるが、(1)接着剤の粘度を単純に低くした場合には、接着剤粘性がニュートニアンとなり接着剤が流れ易くなって十分な接着剤層膜厚が得られない傾向があり、また被着体へのヌレ性が悪化し接着強度が不十分となる懸念がある、(2)周知の通り、ジアミン化合物、ビス(アミノ)アルキルピペラジンなどの塩基性化合物(または含N原子含有化合物)の存在下では(メタ)アクリレートはきわめて重合性が乏しく、硬化のために十分に長い時間をとったとしても(メタ)アクリレートは未反応で残る懸念が払拭できず、接着強度に重大なバラツキが出ることが予測される。さらにまた、(メタ)アクリレートは嫌気性が強く、脱気(脱酸素)が不十分な場合には、同様に接着強度発現に懸念が残ることになる。
ポリアクリレート成分と、エポキシ成分と、カチオン開始剤とを含む硬化性接着剤が提案されている(特許文献4参照)。特許文献4は脆い光学素子に構造用支持体を形成するのに有用とされる。特許文献4が提案する技術は光学用塗に適用され、接着剤の透明性がきわめて重要視されている。
接着剤の透明性は、接着剤溶液の体積、光が透過する距離、接着剤の厚み、被着体の形状、材質などにより大きく左右されるが、特許文献4では、これらに関する詳細な既述、例えば視感透過率の測定方法、接着剤の厚みなど、に関する記述が全くなく、実際の所、本提案がいうところの透明性は不明である。また、特許文献4に記載の接着剤は、透明性がきわめて重視されるため、実質的にフィラーの配合は不適切である。フィラーを配合した場合には、仮にフィラーのサイズがナノレベルときわめて微少なものであったとしてもフィラーの配合量、分散方法などによらず、曇りや不透明度は避けることが困難であると思われる。その結果、接着剤の粘性(以下レオロジーともいう)を適切にコントロールすることができず、接着剤膜厚を均一に確保することが困難であると推察される。その結果部分的にでも、接着力不足を招く懸念がある。
特許文献4の提案では、ポリアクリレートは自己架橋することなく独自に、単独で存在する。したがって、ポリアクリレートによるエポキシへの絡み合い、エポキシの拘束、エポキシとの網目構造のバインダー力はある程度制限され、さほど強くはないことが容易に予測される。換言すれば、ポリアクリレートはずるずると歪みに引きずられ移動するだけで、本来期待されるはずのIPN効果は希薄となることが推察される。
ポリアクリレートは、エポキシとポリアクリレートが有する特定の官能基、カルボン酸、水酸基、で接合される場合がある。ポリアクリレートが有する官能基がカルボン酸の場合には、エポキシ樹脂が有するエポキシ基との反応が起こり、接着剤の本来のカチオン重合反応によらないゲル化が進行し、接着剤の貯蔵安定性が悪化するばかりか、十分な高分子化が阻害されるため機械的強度や接着力の低下を招く懸念がある。ポリアクリレートが有する官能基が水酸基の場合には、接着剤をカチオン重合で硬化する際、連鎖移動剤として働き、見かけの硬化速度、架橋は促進されるが、重合度の低下を招き、接着剤が脆くなって、構造接着剤としての機能を発揮しないことが懸念される。
特開2005−23133号公報
特開平10−41682号公報
特開昭63−215716号公報
特表2005−508435号公報
野村、今泉、高橋、林、日立化成テクニカルレポート No.42"PDP用電磁波シールドフィルム"、[online]、2004年1月、日立化成工業株式会社、[平成18年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/report/index.html>
フラットパネルディスプレイ(FPD)の前面フィルターなどに適した透明性、耐湿熱性、耐熱性などに優れた接着剤組成物を得ることを課題とする。さらに、前面フィルターの基体であるポリカーボネート、ポリエステルなどの接着性に優れ、貼合されるガラス基板に対しては適度な粘着性とリワーク性を備えた接着剤を得ることを課題とする。
本発明は、分子鎖中に、下記構造式で示される繰り返し単位
および/または下記構造式で示される繰り返し単位
(ただし、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
を有するアクリル樹脂、
下記構造式で示されるオキセタン化合物、
を有するアクリル樹脂、
下記構造式で示されるオキセタン化合物、
および、カチオン重合開始剤を含む接着剤組成物を提供するものである。
本発明の接着剤組成物は、フラットパネルディスプレイ(FPD)の前面フィルターに適した透明性、耐湿熱性、耐熱性などに優れた接着剤組成物であり、フラットパネルディスプレイ(FPD)に使用される機能フィルター用接着剤として、使用することができる。本発明の接着剤組成物は、前面フィルターの基体であるポリカーボネート、ポリエステルなどの接着性に優れ、貼合されるガラス基板に対しては適度な粘着性とリワーク性を備えた接着剤である。
本発明の接着剤組成物は、粘・接着性に優れるのはもちろんであるが、高温高湿度などの過酷な環境に置かれた場合でも、接着剤の外観、被着体の外観変化、劣化を伴うことなく、かつ、初期と変わらず、良好な粘・接着性が維持され、発揮される。
また、本発明の接着剤組成物を用いた接着剤は、鉄、アルミニウム、銅、マグネシウム、チタンなどの金属およびこれらの合金類、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンアロイ、ポリエチレンなどのプラスチック類、ガラス、モルタル、石英などの無機物など、幅広い基剤に適用できる。
さらに、本発明の接着剤組成物を用いた接着剤は、ことさら炭素繊維やガラス繊維で強化されたプラスチック類に好適に適用できる。
本発明の接着剤組成物を用いた接着剤は、炭素繊維やガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂、ナイロンなどのプラスチックとアルミニウム、鉄などの金属との接着、いわゆる異種接着などにも適している。
さらに、本発明の接着剤組成物を用いた接着剤は、炭素繊維強化プラスチックとアルミニウム合金の接合などのように、炭素繊維よりも電解質溶液中でイオンになりやすい金属と炭素繊維強化プラスチックとを接合する際に、強い接着性を示すのは当然であるが、電池の生成を抑制し金属の電気腐食を防止して、水中や塩水中のような電解質溶液中でも強力な接着性を維持し、発揮する。
本発明は、分子鎖中に、下記構造式で示される繰り返し単位
および/または下記構造式で示される繰り返し単位
(ただし、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
を有するアクリル樹脂、
下記構造式で示されるオキセタン化合物、
を有するアクリル樹脂、
下記構造式で示されるオキセタン化合物、
および、カチオン重合開始剤を含む接着剤組成物を含む接着剤組成物である。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂は、下記構造式で示されるビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)
および/または下記構造式で示されるオキシラン基含有アクリル単量体
(ただし、R3は水素原子またはメチル基、R4は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
と、これと共重合性を有するアクリル単量体とを、好ましくはラジカル共重合することにより製造することができる。
と、これと共重合性を有するアクリル単量体とを、好ましくはラジカル共重合することにより製造することができる。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂を構成するビニルベンジルグリシジルエーテルとしては、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルの3異性体が存在する。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂を構成するオキシラン基含有アクリル単量体としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメタクリレートなどが例示される。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、これらのビニルベンジルグリシジルエーテル、オキシラン基含有アクリル単量体は、単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の接着剤組成物では、ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)および/または脂環式エポキシ基含有アクリル単量体の共重合により導入される下記構造式で示されるビニルベンジルグリシジルエーテルユニット(以下、VBGEユニットとも言う)
および/または、脂環式エポキシ基含有アクリル単量体ユニット(以下、エポキシユニットとも言う)は
(ただし、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
下記構造式で示されるオキセタン化合物と相まって、
下記構造式で示されるオキセタン化合物と相まって、
接着剤にきわめて良好な硬化性を与え、強靱で耐水性、耐湿熱性、耐塩水性などに優れた接着剤を提供する。
本発明の接着剤組成物に含まれるアクリル樹脂では、VBGEユニット、エポキシユニットが各々単独に含まれていても、VBGEユニット、エポキシユニットが同時に含まれていてもよい。
本発明の接着剤組成物では、接着剤が加熱により硬化される場合には、好ましくは、アクリル樹脂に、VBGEユニットが含まれていることが推奨され、さらに、アクリル樹脂に、エポキシユニットが含まれていてもよい。
本発明の接着剤組成物では、接着剤が紫外線などの活性エネルギー線硬化される場合には、好ましくは、アクリル樹脂に、エポキシユニットが含まれていることが推奨され、さらに、アクリル樹脂に、VBGEユニットが含まれていてもよい。
本発明の接着剤組成物では、ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)および/またはオキシラン基含有アクリル単量体の共重合により導入されるVBGEユニットおよび/またはエポキシユニットは、本発明で使用されるアクリル分子鎖中に、好ましくは、2〜80重量%、より好ましくは、3〜60重量%、さらに好ましくは、3〜50重量%含まれるのが望ましい。アクリル分子鎖中のVBGEユニットおよび/またはエポキシユニットが2重量%未満の場合には、接着剤の硬化性が悪化する傾向が見られ、接着強度が発揮されない場合がある。アクリル分子鎖中のVBGEユニットおよび/またはエポキシユニットが80重量%を超える場合には、接着剤の硬化速度が速くなりすぎる傾向が見られ、硬化後の接着剤に歪み、残留応力が残りやすくなり、接着剤が脆くなって、期待する接着強度が発揮されない場合がある。
本発明の接着剤組成物では、接着剤が加熱により硬化される場合には、好ましくは、VBGEユニットが、本発明で使用されるアクリル樹脂のアクリル分子鎖中に、2〜60重量%、より好ましくは、3〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%含まれるのが望ましい。
本発明の接着剤組成物では、接着剤が紫外線などの活性エネルギー線硬化される場合には、好ましくはエポキシユニットが本発明で使用されるアクリル分子鎖中に2〜50重量%、より好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%含まれるのが望ましい。
本発明の接着剤組成物で使用されるアクリル樹脂では、ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)またはオキシラン基含有アクリル単量体と共重合し使用できるアクリル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどの分子鎖片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの水酸基含有アクリル単量体などが例示される。これらのアクリル単量体は単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、これらのアクリル単量体の中で、好ましくは、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのエステル基の炭素原子数が4〜12個のアクリル単量体が推奨される。これらのエステル基の炭素原子数が4〜12個のアクリル単量体は接着剤に強靱性を付与し、強い接着力の発揮が可能となる傾向が見られる。また、接着剤が粘り強くなり、耐衝撃性、繰り返し加重下(交番加重下)での接着力保持能が向上する傾向が見られる。
本発明に使用されるアクリル樹脂では、ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)またはオキシラン基含有アクリル単量体と共重合し使用できるアクリル単量体として、好ましくは、エステル基の炭素原子数が4〜12個のアクリル単量体が共重合され、エステル基の炭素原子数が4〜12個のアクリル単量体は、アクリル樹脂中に好ましくは60〜95重量%、より好ましくは65〜90重量%、さらに好ましくは68〜93重量%共重合されるのが望ましい。
さらに、本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)またはオキシラン基含有アクリル単量体と共重合し使用できるアクリル単量体として、これらのアクリル単量体の中で、特に好ましくは、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの水酸基含有アクリル単量体の使用が推奨される。水酸基含有アクリル単量体は、接着剤の硬化性を高める作用が見られ、薄膜接着時でも良好な接着力を発揮する傾向が見られる。さらに、アルミニウム合金、チタン合金などの金属に対する接着性が飛躍的に改善され、耐水性、耐塩水性、耐湿熱性などの電解質溶液中での金属の腐食を抑制し、接着破壊を防止するためにきわめて有効な手段を提供する。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、水酸基含有アクリル単量体は、好ましくは、水酸基価が10〜80mgKOH、より好ましくは20〜70mgKOH、さらに好ましくはとなるよう共重合されるのが望ましい。
ここで、本発明では、水酸基価(mgKOH)は、
(共重合する水酸基含有アクリル単量体の重量%×561)/(共重合する水酸基含有アクリル単量体の分子量)
により算出した。
(共重合する水酸基含有アクリル単量体の重量%×561)/(共重合する水酸基含有アクリル単量体の分子量)
により算出した。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂の水酸基価が10mgKOH未満の場合には、接着剤のアルミニウム合金、チタン合金などの金属に対する接着性がやや悪化する傾向が見られる。また、接着剤の硬化性が低下し、接着強度が発揮されない場合がある。アクリル樹脂の水酸基価が80mgKOHを超える場合には、接着剤の硬化後に残存する多くの水酸基のため、接着剤の耐水性、耐湿熱性が悪化する傾向が見られる。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂は、好ましくは、ラジカル共重合で製造され、塊状重合、懸濁重合、分散重合、沈殿重合、溶液重合、乳化重合などいずれの重合方法で製造されても目的を達成することができる。
製造されたポリマーを使っての後工程を考慮した場合には、好ましくは、塊状重合、分散重合、沈殿重合、溶液重合などの無溶剤系または非水溶媒系で実施されるのが望ましい。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂の製造は、重合温度が、好ましくは、50〜150℃、より好ましくは、60〜140℃、さらに好ましくは、75〜120℃で実施されるのが望ましい。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、溶液重合の際、溶媒として使用できる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、などが例示される。これらの有機溶媒は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
これらの溶媒の中では、アクリル樹脂の着色や耐熱性の低下を予防する上で、また接着剤を製造する際脱溶媒を必要とする場合には、酢酸エチル、酢酸n−プロピルのような蒸気圧が高く、連鎖移動定数の小さいものが推奨される。
また、本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、重合中は、重合反応系を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下とすることで、重合反応がスムースに進行し、着色のないアクリル樹脂が製造される傾向が見られ望ましい。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂は、上記の通り、ラジカル共重合し、製造されるのが望ましい。本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂の製造で使用される重合開始剤としては、α,α−アゾビスイソブチロニトリル、α,α−アゾビスバレロニトリルなどの有機アゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物が例示される。これらの重合開始剤は単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂では、接着剤の貯蔵安定性の観点から、重合開始剤としては有機アゾ系重合開始剤が推奨される。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂の製造では、重合開始剤は、共重合するアクリル単量体の合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%、さらに好ましくは0.2〜3.0重量%であるのが望ましい。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂は、溶液重合の場合を例にとれば、例えば以下のように製造される。
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込む。
窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
還流温度(78〜82℃)に昇温を行い、以後重合反応中は還流状態を維持する。
ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)/メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)/アクリル酸n−ブチル(BA)/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)(=10/3/79/8(重量%))のアクリル単量体混合物400gにα,α−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.5gを溶解し、この混合溶液をフラスコ内に2時間で等速添加する。
添加終了後、1時間毎に2回、酢酸エチル20gとα,α−アゾビスイソブチロニトリル0.2gのスラリーを添加し、さらに3時間重合を行ってアクリル樹脂を製造する。
本製造例により、加熱残分(JIS K 5400(1997))約50%、数平均分子量約2.8万のアクリル樹脂が製造される。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂は、好ましくは、数平均分子量3000〜20万、より好ましくは5000〜15万、さらに好ましくは1〜15万であるのが推奨される。
ここで、本発明では、アクリル樹脂の分子量は、「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー」(GPC)(例えば、トーソー社製「HLC−8220」GPCシステム)を使用し、分子量標準として「標準ポリスチレン」(例えば、ジーエルサイエンス社製「POLYSTYREN」)を用いて測定した。
本発明の接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂の数平均分子量が3000未満の場合には、接着剤の凝集力が弱くなり、硬く脆くなって、十分な接着強度を発揮し得なくなる場合が見られる。アクリル樹脂の数平均分子量が20万を超える場合には、接着剤がゲル状になりやすく、被着体にうまく塗布することができなくなる傾向が見られ、接着ムラが生じるため接着力が損なわれる場合がある。
本発明の接着剤組成物には、下記構造式で示されるオキセタン化合物が含まれる。
上記構造式で示されるオキセタン化合物は、化学名3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)である。上市されているオキセタン化合物の例としては、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)などが例示される。
本発明の接着剤組成物では、下記構造式で示されるオキセタン化合物は、
例えば、アクリル樹脂の反応性希釈剤として作用し、また、架橋剤としても作用する。上記構造式で示されるオキセタン化合物は、接着剤に良好な硬化反応性を与え、強靱で耐衝撃性に優れた接着剤を与える。アクリル樹脂と、上記構造式で示されるオキセタン化合物が含まれる本発明の接着剤組成物は、グリーンストレングスに優れ、衝撃吸収性と衝撃後の変形回復力に際だって優れた性能を有している。
本発明の接着剤組成物は、また、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどの難接着性素材といわれているプラスチック類に対してきわめて優れた接着性を発揮し、強固で、耐水性、耐湿熱性などの化学的性質に優れた接着剤を与える。本発明の接着剤組成物は、接着剤粘度・粘性が適度に調節され、複雑な形状の被着体、薄膜接着が必要な被着体の隅々に行き渡り、失敗のない強固な接着製品を提供する。
本発明の接着剤組成物では、下記構造式で示されるオキセタン化合物は、
接着剤組成物に使用されるアクリル樹脂との合計量を100重量部としたとき、オキセタン化合物は、好ましくは、5〜95重量%、より好ましくは、10〜90重量%、さらに好ましくは、20〜85重量%使用されるのが望ましい。オキセタン化合物の使用量が5重量%未満の場合には、接着剤の硬化反応性が悪くなり、十分な接着強度が発揮されない場合が見られる。オキセタン化合物の使用量が95重量%を超える場合には、接着剤が硬化する際の体積収縮が大きくなる傾向が見られ接着強度が低下する場合が見られる。また、接着剤の耐水性、耐湿熱性、耐エタノール性などの耐薬品性が悪化する傾向が見られる。
本発明の接着剤組成物は、好ましくは、下記構造式のラジカル重合性不飽和単量体から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性不飽和単量体を含むものである。
(ただし、R3は水素原子またはメチル基、R4は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
本発明の接着剤組成物に好ましく使用されるラジカル重合性不飽和単量体としては、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメタクリレートなどが例示される。これらのラジカル重合性不飽和単量体は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の接着剤組成物に好ましく使用されるラジカル重合性不飽和単量体としては、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメタクリレートなどが例示される。これらのラジカル重合性不飽和単量体は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の接着剤組成物では、これらのラジカル重合性不飽和単量体は、アクリル樹脂、オキセタン化合物、および、カチオン重合開始剤を含む接着剤組成物が、カチオン重合反応で硬化反応を起こす際、これらのラジカル重合性不飽和単量体が有するグリシジルエーテル基、脂環式エポキシ基もこの硬化反応にあずかり、一方で、これらのラジカル重合性不飽和単量体が有するビニル基はこの硬化反応にあずからず、強靱な接着力を発揮すると同時に、カチオン硬化反応にあずからなかったビニル基により、接着剤に耐衝撃性、柔軟性が付与される傾向が見られる。
本発明では、これらのラジカル重合性不飽和単量体は、アクリル樹脂と下記構造式で示されるオキセタン化合物
の合計量を100重量部として、好ましくは、0.02〜200重量部、より好ましくは、0.2〜160重量部、さらに好ましくは、0.5〜100重量部使用されるのが望ましい。これらのラジカル重合性不飽和単量体の使用量が0.02重量部未満の場合には、接着剤への柔軟性付与効果がかんばしくない傾向が見られる。これらのラジカル重合性不飽和単量体の使用量が200重量部を超える場合には、接着剤に強靱性が失われ、接着力の低下、耐衝撃性の悪化が見られる場合がある。
本発明の接着剤組成物では、好ましくは、ラジカル重合性不飽和単量体の使用により接着剤中に生成するラジカル重合性不飽和二重結合を利用し、接着剤中に新たにアクリルポリマー相を組み込むことが可能である。すなわち、接着剤中に生成するラジカル重合性不飽和二重結合を第2成分のアクリル単量体と共重合することにより、アクリルポリマー相が導入される。本発明の接着剤組成物では、新たなアクリルポリマー相の導入により、接着剤はアクリル−アクリルで構成される相互侵入網目構造(IPN構造)をとり、より強靱で耐衝撃性、接着力に優れたものとなる傾向が見られる。
本発明では、好ましくは、接着剤に、新たなアクリルポリマー相を形成するために、接着剤中に生成するラジカル重合性不飽和二重結合とラジカル共重合するラジカル重合性化合物を使用するのが推奨される。
本発明の接着剤組成物では、アクリルポリマー相形成のために使用されるラジカル重合性化合物としては、好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、などの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの水酸基含有アクリル単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有アクリル単量体、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン基含有アクリル単量体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能アクリルモノマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタンアクリレートオリゴマーなどのアクリルオリゴマーなどが例示される。これらのラジカル重合性化合物は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の接着剤組成物で、アクリルポリマー相形成のために好ましく使用されるラジカル重合性化合物の中で、好ましくは、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのエステル基の炭素原子数が4〜12個のアクリル単量体が推奨される。これらのエステル基の炭素原子数が4〜12個のアクリル単量体は接着剤に強靱性を付与し、強い接着力の発揮が可能となる傾向が見られる。また、接着剤が粘り強くなり、耐衝撃性、繰り返し加重下(交番加重下)での接着力保持能が向上する傾向が見られる。
また、本発明の接着剤組成物では、アクリルポリマー相形成のために好ましく使用されるラジカル重合性化合物の中で、好ましくは、ジシクロペンテニルオキシメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシメタクリレートなどのジシクロペンタジエン誘導体モノマーが推奨され、接着剤を強固で強靱なものとする傾向が見られる。また、アルミニウム合金、鉄、銅合金などの接着力が優れており、耐水性、耐塩水性を向上して防錆力を高める作用が見られる。
本発明の接着剤組成物では、これらのラジカル重合性化合物のラジカル重合をスムーズに進めるために、より好ましくは、ラジカル重合開始剤が使用される。本発明では、ラジカル重合開始剤として、好ましくは、過酸化ベンゾイル、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物、α,α−アゾビスイソブチロニトリルなどの有機アゾ化合物、ベンゾインイソプロピルエーテルなどの光重合開始剤が推奨される。これらのラジカル重合開始剤は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明では、これらのラジカル重合開始剤は、ラジカル重合性化合物の合計量100重量部に対して、好ましくは、0.05〜10重量部、より好ましくは、0.2〜8重量部、さらに好ましくは、0.2〜5重量部使用されるのが望ましい。
本発明の接着剤組成物は、カチオン重合開始剤を含有する。カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などが例示される。上市されているものとしては、「AMERICURE(BF4)」(以上、ACC社のジアゾニウム塩)、「ULTRASET(BF4,PF6)」(以上、旭電化工業社のジアゾニウム塩)、「UVEシリーズ」(以上、GE社のヨードニウム塩)、「Photoinitiator2074((C6F6)4B)」(以上、ローヌ・プーラン社のヨードニウム塩)、「CYRACURE UVI-6974」、「CYRACURE UVI-6990」(以上、UCC社のスルホニウム塩)、「UVI−508」、「UVI−509」(以上、GE社のスルホニウム塩)、「OPTOMER SP-150」、「OPTOMER SP-170」(旭電化工業社のスルホニウム塩)、「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」(以上、三新化学工業社のスルホニウム塩)、「IRUGACURE 261」(チバガイギー社のメタロセン化合物)などが例示される。これらのカチオン重合開始剤は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明では、これらカチオン重合開始剤のなかでは、接着剤の貯蔵安定性、ポットライフ、硬化性の観点からスルホニウム塩が推奨される。スルホニウム塩のなかでは、下記構造式で示されるものが、より望ましい。
(ただし、R5、R6、R7は、炭素原子数1〜12個のアルキル基を表す。)
(ただし、R5、R6、R7は、炭素原子数1〜12個のアルキル基を表す。)
これらのスルホニウム塩としては、メチルフェニルジメチルスルホニウムのヘキサフルオロアンチモン塩、エチルフェニルジメチルスルホニウムのヘキサフルオロアンチモン塩、メチルフェニルジメチルスルホニウムのヘキサフルオロホスフェート塩などが例示される。これらのスルホニウム塩は単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
上市されているスルホニウム塩としては、「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」(以上、三新化学工業社の製品)、「UVI−6990」、「UVI−6992」、「UVI−6974」(以上、ユニオンカーバイド社の製品)、「アデカオプトマーSP−150」、「アデカオプトマーSP−170」、「アデカオプトンCP−66」、「アデカオプトンCP−77」(以上、旭電化工業社の製品)などが例示される。
スルホニウム塩は、アクリル樹脂と下記構造式で示されるオキセタン化合物の
合計量100重量部に対して、好ましくは、0.1〜10重量部、より好ましくは、0.5〜8重量部、さらに好ましくは、0.8〜5重量部使用されるのが望ましい。
スルホニウム塩の使用量が0.1重量部未満の場合には、硬化反応性が十分でなく、硬化不良を起こす場合がある。スルホニウム塩の使用量が10重量部を超える場合には、硬化が急速に起こり、低分子量化や接着剤に歪み、残留応力の発生が起こりやすくなる傾向が見られ、接着性の悪化、耐衝撃性の低下が起こりやすくなる傾向が見られる。
周知の通り、カチオン重合は、重合活性が非常に高い一方で、例えば、水分、アルコールなどの極性溶媒、光安定剤(HALS)などの塩基性物質などが存在すれば、これらの不純物がたとえ微量であったとしても、重合反応がきわめて大きく妨害されるか、あるいは全く重合が進行しない。さらに、薄膜接着では、これら不純物の影響と相まって硬化不良を起こしやすく、接着不具合を起こしやすい。
一方で、反応性を制御(貯蔵条件下では安定であり、硬化条件下ではシャープな反応活性を示す処方の開発)し、不純物管理を適正化(濃度管理または不純物による影響を無視できる組成の開発)すれば、接着剤組成物の貯蔵安定性とシャープな硬化性を両立可能であると考えられる。同時に、カチオン重合反応による緻密な架橋が可能であり、接着剤の性能向上、優れた性能発現が可能であると考えられる。
本発明者らは、この相矛盾する難解な課題を解決するために鋭意検討を行った結果、接着剤組成物を、分子鎖中に、下記構造式で示される繰り返し単位
および/または下記構造式で示される繰り返し単位
(ただし、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
を有するアクリル樹脂、
下記構造式で示されるオキセタン化合物、
を有するアクリル樹脂、
下記構造式で示されるオキセタン化合物、
および、カチオン重合開始剤を含む接着剤組成物を含む接着剤組成物とすることで、この課題が解決されることを見出した。
本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物を構成するこれらの要素が各々独立して、または相互に補完しあって、貯蔵安定性とシャープな硬化性が同時に達成され、また、接着剤の性能向上、優れた性能発現が可能となった。
特に、被着体と被着体とを、例えば接着剤膜厚が20μm程度の薄膜でシングルラップ接着するような場合には、きわめて重要な要件である。接着剤組成物が上記構成要素をすべて満足している場合には、接着剤は十分に硬化、架橋反応を起こし、強靱な接着物品が製造される。
本発明の接着剤組成物の製造方法の一例を以下のように例示する。
加熱、冷却用ジャケットがついた真空脱溶媒可能な5Lプラネタリーミキサーに溶液重合で製造されたアクリル樹脂1.6kgを仕込み、80℃に加温しながら真空下で脱溶媒を行う。加熱残分が98%以上になった時点で、40℃まで冷却を行い、オキセタン化合物(例えば、「OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)200gを仕込み、均一になるまで攪拌を行う(アクリル樹脂/オキセタン化合物=80/20重量比)。これにスルホニウム塩(例えば、「サンエイド 80L」(三新化学工業社のスルホニウム塩)20gを仕込み、均一になるまで攪拌を行う(スルホニウム塩は(アクリル樹脂+オキセタン化合物)の2重量%)。以上により接着剤組成物が製造される。
以下、実施例を持って本発明を詳細に説明する。
なお、実施例、比較例中、特に断りがなければ組成比は重量比を表す。また、各種試験および評価は以下に従い行った。
(1)数平均分子量は標準ポリスチレンを分子量標準として、GPCにより測定した。
(2)加熱残分は、JIS K 5400(1997)に準拠し測定した。
(3)全光線透過率は、JIS K7361(2003)に準拠し、ヘイズメーター「NDH 2000」(日本電色工業社製)で測定した。
(4)ヘイズは、JIS K7105(2003)に準拠し、ヘイズメーター「NDH 2000」(日本電色工業社製)で測定した。
(5)粘着性は、JIS Z0237(1980)に準拠し、ガラス板(FL2.0、日本板硝子製)を用いて測定した。
(6)耐湿熱性は、ガラス板(FL2.0、日本板硝子製)に貼合した試験サンプルを温度60±2℃、湿度90±5%の雰囲気下に500時間保持した後、全光線透過率、ヘイズ、粘着性を、試験前後で比較、評価した。
(7)接着試験
1)初期接着試験
a)テストピースの作製 接着剤をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、特に断りがない場合は、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力を測定した。
(1)数平均分子量は標準ポリスチレンを分子量標準として、GPCにより測定した。
(2)加熱残分は、JIS K 5400(1997)に準拠し測定した。
(3)全光線透過率は、JIS K7361(2003)に準拠し、ヘイズメーター「NDH 2000」(日本電色工業社製)で測定した。
(4)ヘイズは、JIS K7105(2003)に準拠し、ヘイズメーター「NDH 2000」(日本電色工業社製)で測定した。
(5)粘着性は、JIS Z0237(1980)に準拠し、ガラス板(FL2.0、日本板硝子製)を用いて測定した。
(6)耐湿熱性は、ガラス板(FL2.0、日本板硝子製)に貼合した試験サンプルを温度60±2℃、湿度90±5%の雰囲気下に500時間保持した後、全光線透過率、ヘイズ、粘着性を、試験前後で比較、評価した。
(7)接着試験
1)初期接着試験
a)テストピースの作製 接着剤をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、特に断りがない場合は、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力を測定した。
b)試験方法 A−2017Pアルミニウム板(サイズ;長さ50mm、幅25mm、厚さ2mm)を使用し、JIS K 6850(1999)(剛性被着材の引張剪断接着強さ試験方法)に準拠して行った。引張り速度は1.0mm/min.で行い、特に断りがない限り、試験温度は23℃とした。
2)耐水試験 (7)−1)(a)で作製したテストピースを80℃温水中に72時間浸漬した。この後、(7)−1)(b)に従い接着性試験を行った。
(8)接着剤の強伸度
a)テストピースの作製 接着剤をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、特に断りがない限り、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
(8)接着剤の強伸度
a)テストピースの作製 接着剤をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、特に断りがない限り、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
b)接着剤の引張り試験は、JIS K 7113(1995)(プラスチックの引張試験方法)に準拠して行った。引張り速度は、300mm/min.とし、23℃で実施した。
〔アクリル樹脂の製造例〕
アクリル樹脂(1)の製造例
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込んだ。窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
〔アクリル樹脂の製造例〕
アクリル樹脂(1)の製造例
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込んだ。窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
昇温を開始し、還流温度(78〜82℃)まで30分間で昇温した。以後、製造中はこの温度を保持した。
メタクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸n−ブチル/ビニルベンジルグリシジルエーテル(以下、VBGEとも言う)/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(=3/79/10/8)の単量体混合物400gにα,α´−アゾビスイソブチロニトリル6.0gを溶解した混合溶液を2時間でフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、2時間目、3時間目に、α,α´−アゾビスイソブチロニトリル0.4g、酢酸エチル20gの混合液を添加し、さらに2時間重合を続けてアクリル樹脂(1)を製造した。アクリル樹脂(1)の加熱残分は50.2%、数平均分子量は2.2万であった。
アクリル樹脂(2)の製造例
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込んだ。窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込んだ。窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
昇温を開始し、還流温度(78〜82℃)まで30分間で昇温した。以後、製造中はこの温度を保持した。
メタクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸n−ブチル/3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(以下、ECHMAとも言う)/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(=3/79/10/8)の単量体混合物400gにα,α´−アゾビスイソブチロニトリル6.0gを溶解した混合溶液を2時間でフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、2時間目、3時間目に、α,α´−アゾビスイソブチロニトリル0.4g、酢酸エチル20gの混合液を添加し、さらに2時間重合を続けてアクリル樹脂(2)を製造した。アクリル樹脂(2)の加熱残分は50.3%、数平均分子量は2.5万であった。
アクリル樹脂(3)の製造例
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込んだ。窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
窒素ガス吹き込み管、温度センサー、コンデンサー、撹拌装置がついた1リットル四つ口フラスコに重合溶媒として酢酸エチル360gを仕込んだ。窒素ガスをフラスコ底部に導入し、バブリングしながら30分間保持した。この後、フラスコ内の酸素濃度を酸素濃度計「XO−326ALA」(新コスモス電機(株)の酸素濃度計)で測定し、酸素濃度が0.2vol%未満であることを確認した。
昇温を開始し、還流温度まで30分間で昇温した。以後、製造中はこの温度を保持した。
メタクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(=3/79/10/8)の単量体混合物400gにα,α´−アゾビスイソブチロニトリル6.0gを溶解した混合溶液を3時間でフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、2時間目、3時間目に、α,α´−アゾビスイソブチロニトリル0.4g、酢酸エチル20gの混合液を添加し、さらに2時間重合を続けてビニルベンジルグリシジルエーテル、脂環式エポキシ基含有アクリル単量体に変えメタクリル酸グリシジルが共重合されたアクリル樹脂(3)を製造した。
アクリル樹脂(3)は加熱残分50.2%、数平均分子量2.3万であった。
実施例1
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(1)を製造した。
接着剤(1)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(1)を、A−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い、剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表1に示した。
実施例2
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(2)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(2)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(2)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(2)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(2)を製造した。
接着剤(2)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(2)を、A−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表1に示した。
実施例3
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g、ビニルベンジルグリシジルエーテル(以下、VBGEとも言う)20g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)((アクリル樹脂+オキセタン化合物)/VBGE=100/2)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)、を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(3)を製造した。
接着剤(3)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(3)を、A−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表1に示した。
実施例4
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(以下、ECHMAとも言う)20g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)((アクリル樹脂(1)+オキセタン化合物)/ECMA=100/2)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)、を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(4)を製造した。
接着剤(4)を、テフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(4)をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表1に示した。
実施例5
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g、ビニルベンジルグリシジルエーテル(以下、VBGEとも言う)20g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)((アクリル樹脂+オキセタン化合物)/VBGE=100/2)、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、EHAとも言う)200g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し20重量%)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)、過酸化ベンゾイル4g(EHAの2重量%)を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(5)を製造した。
接着剤(5)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、80℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(5)をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、80℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表1に示した。
実施例6
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(1)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g、ビニルベンジルグリシジルエーテル(以下、VBGEとも言う)20g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)((アクリル樹脂+オキセタン化合物)/VBGE=100/2)、ジシクロペンテニルオキシメタクリレート(以下、DCPMAとも言う)200g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し20重量%)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)、過酸化ベンゾイル4g(DCPMAの2重量%)を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(6)を製造した。
接着剤(6)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、80℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(6)をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、80℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表1に示した。
接着剤(1)〜(6)は、全て良好な機械的性質、接着性を示した。接着剤(3)、(4)は、ラジカル重合性不飽和単量体で補強されており、対応する接着剤(1)、(2)に比べ伸び率が大きく向上した。接着剤(5)、(6)はさらにラジカル重合性化合物でIPNがはかられており、機械的強度、接着性に各々のラジカル重合性化合物に対応した性能向上が確認され、良好な性能を発揮した。
実施例7
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(ECMA)20g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)((アクリル樹脂+オキセタン化合物)/ECHMA=100/2)、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)200g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し20重量%)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−60」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)、「IRUGACURE 184」(チバスペシャルティーケミカルズ社の光重合開始剤)4g(EHAの2重量%)を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(7)を製造した。
接着剤(7)を、銅メッシュ(銅メッシュのライン幅20μm、ライン間隔250μm、ライン厚み10μm)(PETフィルム上に接着剤を介して銅メッシュが設けられたもの、例えば、住友大阪セメント製のプラズマディスプレイ用電磁波シールドメッシュ:クリアラスEMI)(以下、銅メッシュとも言う)に乾燥膜厚が25μmとなるようバーコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥し、さらに500mJ/cm2の照射エネルギーで紫外線照射を行った。接着剤表面にガラス基板を貼合した後、全光線透過率、ヘイズ、粘着性、耐湿熱性の各試験を行った。
試験結果を表2に示した。
実施例8
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(2)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(1)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(1)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(ECMA)20g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)((アクリル樹脂+オキセタン化合物)/ECHMA=100/2)、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)200g、「サイポマー β−CEA」10g(ローヌ・プーラン社のカルボキシル基含有アクリル単量体)(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し21重量%)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−60」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)、「IRUGACURE 184」(チバスペシャルティーケミカルズ社の光重合開始剤)4.2g(EHAと「β−CEA」の合計量に対して2重量%)を添加し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(8)を製造した。
接着剤(8)を、銅メッシュ(銅メッシュのライン幅20μm、ライン間隔250μm、ライン厚み10μm)(PETフィルム上に接着剤を介して銅メッシュが設けられたもの、例えば、住友大阪セメント製のプラズマディスプレイ用電磁波シールドメッシュ:クリアラスEMI)(以下、銅メッシュとも言う)に乾燥膜厚が25μmとなるようバーコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥し、さらに500mJ/cm2の照射エネルギーで紫外線照射を行った。接着剤表面にガラス基板を貼合した後、全光線透過率、ヘイズ、粘着性、耐湿熱性の各試験を行った。
試験結果を表2に示した。
接着剤(7)、(8)は、良好な熱硬化性とともに紫外線硬化性を示した。また、光学フィルム用途として、良好な透明性、粘着力を示し、厳しい環境試験(耐湿熱性)でも優れた性能を発揮した。
比較例1
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(3)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(3)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(3)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(3)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(3)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(3)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−101」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(9)を製造した。
接着剤(9)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(10)をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表3に示した。
比較例2
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(3)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(3)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(3)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
溶剤回収トラップが設けられた真空ラインに接続した5Lプラネタリーミキサーにアクリル樹脂(3)1400gを仕込み、攪拌しながら、1300Paに減圧し、アクリル樹脂(3)が含有する溶剤をトラップ中に回収した。アクリル樹脂(3)の加熱残分98%以上となった時点で真空引きを停止した。
攪拌を継続したまま、「アロンオキセタン OXT−121」(東亞合成社のオキセタン化合物)300g(アクリル樹脂/オキセタン化合物=70/30)を仕込み、均一になるまで攪拌、混合を行った。
これに「サンエイド SI−45」(三新化学工業製のスルホニウム塩系カチオン重合開始剤)20g(アクリル樹脂とオキセタン化合物の合計量に対し2重量%)し、さらに30分間攪拌を継続して接着剤(10)を製造した。
接着剤(10)をテフロン(登録商標)製型枠(型枠形状3号ダンベル)に膜厚2mmになるよう鋳込み、60℃で1時間加熱硬化させた。このテストピースを用い引っ張り試験を行った。
接着剤(10)をA−2017Pアルミニウム板に均一に塗布し(膜厚50μm、塗布面積25mm×25mm)、さらに別のアルミニウム板を接着剤表面に圧着し、60℃で1時間、加熱硬化させた。このテストピースを用い剪断接着力の測定、および耐水性試験を行った。
引っ張り試験、接着力の試験結果を表3に示した。
ビニルベンジルグリシジルエーテル、脂環式エポキシ基含有アクリル単量体が共重合されていないアクリル樹脂(3)を使用した接着剤(9)、(10)は、薄膜のシングルラップ試験では硬化不良を起こし、接着性を示さなかった。また、グリシジルメタクリレートが有するグリシジルエステル基はカチオン重合性が乏しく、機械的強度も不満足な結果となった。
Claims (4)
- アクリル樹脂の数平均分子量が3000〜20万、水酸基価が10〜80mgKOHである請求項1に記載の接着剤組成物。
- カチオン重合開始剤が、スルホニウム塩である請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
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