JP2015040014A - 電動機付自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生制動時におけるフィーリングを改善するとともにブレーキの操作数にかかわらず回生制動による制動力を最大限に作用させることができる電動機付自転車を提供する。
【解決手段】演算処理装置100は回生電流の目標値Iをモータの回転数に追従して導出し、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作に応じて電流値Iを目標値Iに向けて経時的に変化させるとともに第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作された場合といずれか一方が操作された場合とで、電流値Iの時間変化を異ならせる。演算処理装置100は、電流値Iが目標値Iに達した後は第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作が継続している場合に電流値Iを目標値Iに維持する。
【選択図】図5

Description

本発明は、補助駆動力を発生するモータを備えた電動機付自転車に関する。
所謂電動アシスト自転車等の電動機付自転車は、補助駆動力を発生させるモータと、モータに電力を供給するためのバッテリを備えている。かかる電動機付自転車においては、モータを発電機として動作させ、走行時における運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回生電流として回収することにより制動力を得る回生ブレーキシステムを搭載したものが知られている。
特許文献1には、人力トルクの出力に基づいて制御手段によりモータの回生電流をゆるやかに制御するとともに、モータで発生する発電電力をバッテリに充電する電動機付自転車が記載されている。
特許文献2には、制動時にモータから発生した電気をバッテリに充電する回生充電機能を備えた電動自転車において、いずれか片方のブレーキレバーが操作されたときの回生デューティを、両方のブレーキレバーが共に操作されたときの回生デューティよりも小さくすることにより、回生充電の開始時におけるショックを低減することが記載されている。
特開2000−6878号公報 特開2010−35376号公報
特許文献1に記載の電動機付自転車においては、回生電流の大きさすなわち制動力の大きさがブレーキ操作と連動していないので、ユーザが意図した感覚とは異なるブレーキ感覚となる可能性が高い。一方、特許文献2に記載の電動機付自転車によれば、両方のブレーキレバーが操作されたときの回生デューティよりも片方のブレーキレバーが操作されたときの回生デューティを小さくしているので、ユーザが意図した感覚に近いブレーキ感覚が得られるものと考えられる。しかしながら、特許文献2に記載の電動機付自転車によれば、片方のブレーキのみが操作された場合の回生ディーティは、両方のブレーキレバーが操作された場合の回生デューティよりも小さい値に制限されるので、片方のブレーキレバーが操作された場合に十分な制動力が得られない場合がある。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、回生制動時におけるフィーリングを改善するとともに、ブレーキの操作数にかかわらず回生制動による制動力を最大限に作用させることができる電動機付自転車を提供することを目的とする。
本発明による第1の観点によれば、補助駆動力を発生させるモータと、制動力を発生させる際に操作される第1の操作部および第2の操作部と、前記モータから回生電流を回収して前記回生電流の電流値に応じた大きさの制動力を発生させる回生手段と、前記回生電流の目標値Iを前記モータの回転数に追従して導出する導出手段と、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作に応じて前記回生手段が前記モータから回収する回生電流の電流値Iを前記目標値Iに向けて経時的に変化させるとともに、前記第1の操作部および前記第2の操作部の双方が操作された場合と前記第1の操作部および前記第2の操作部のいずれか一方が操作された場合とで、前記電流値Iの時間変化を異ならせ、且つ前記電流値Iが前記目標値Iに達した後は前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が継続している場合に前記電流値Iを前記目標値Iに維持する制御手段と、を含む電動機付自転車が提供される。
本発明による第2の観点によれば、前記制御手段は、前記目標値Iと前記電流値Iとの比I/Iが前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が行われた時点からの経過時間に伴って徐々に1に近づくように前記電流値Iを制御する第1の観点による電動機付自転車が提供される。
本発明による第3の観点によれば、前記制御手段は、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方が操作されてから前記比I/Iが1に達するまでの全期間に亘り、同一の経過時間に対して、前記第1の操作部および前記第2の操作部の双方が操作された場合における前記比I/Iの値が、前記第1の操作部および前記第2の操作部のいずれか一方が操作された場合における前記比I/Iの値よりも大となるように前記電流値Iを制御する第2の観点による電動機付自転車が提供される。
本発明による第4の観点によれば、前記制御手段は、前記比I/Iの値が、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が行われた時点からの経過時間に対して直線的に1に近づくように前記電流値Iを制御する第2または第3の観点による電動機付自転車が提供される。
本発明による第5の観点によれば、前記制御手段は、前記比I/Iの値が、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が行われた時点からの経過時間に対して段階的に1に近づくように前記電流値Iを制御する第2または第3の観点による電動機付自転車が提供される。
本発明による第6の観点によれば、前記制御手段は、前記第1の操作部および前記第2の操作部の双方に対する操作が解除された場合に、前記電流値Iをゼロとする第1乃至第5のいずれかの観点による電動機付自転車が提供される。
本発明による第7の観点によれば、前記目標値Iは、当該モータの回転数において前記モータから回収可能な回生電流の最大値に相当する第1乃至第6のいずれかの観点による電動機付自転車が提供される。
本発明による第8の観点によれば、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記回生電流によって前記バッテリを充電する充電手段と、を更に含む第1乃至第7のいずれかの観点による電動機付自転車が提供される。
本発明によれば、回生制動時におけるフィーリングを改善するとともに、ブレーキの操作数にかかわらず回生制動による制動力を最大限に作用させることができる電動機付自転車を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る電動機付自転車の構成を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る電動機付自転車のハンドル付近の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電動機付自転車の電気系統の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るバッテリ、モータ駆動回路およびモータの接続関係を詳細に示す図である。 本発明の実施形態に係る演算処理装置100の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 図6(a)は、本発明の実施形態に係るモータ駆動回路において行われるPWM制御におけるトランジスタのオンデューティと回生電流との関係の一例を示す図である。図6(b)は、本発明の実施形態に係るモータの回転数と回生電流の最大値との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る係数αの時間変化を示す図である。 本発明の実施形態に係る回生電流制御プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図9(a)〜図9(c)は、本発明の他の実施形態に係る係数αの時間変化を示す図である。 図10(a)〜図10(c)は、本発明の他の実施形態に係る係数αの時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。
図1は、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1の構成を示す側面図である。電動機付自転車1は、フロントフォーク11、ヘッドパイプ12、ダウンチューブ13、シートチューブ14、シートステー15、チェーンステー16からなるフレームを有している。前輪21はフロントフォーク11に回動自在に取り付けられ、後輪22はシートステー15とチェーンステー16との交点に回動自在に取り付けられている。
ヘッドパイプ12には、ハンドルステム23が回動自在に挿通され、ハンドルステム23の上端にはハンドル24が取り付けられている。一方、シートチューブ14には、シートポスト25が嵌合されており、シートポスト25の上端にはサドル26が取り付けられている。
ペダル27は、クランク28を介してスプロケット(図示せず)に接続されている。ユーザがペダル27に踏力を加えることによりスプロケットが回転し、スプロケットが回転することによってチェーン29を介して後輪22に駆動力が伝達されるようになっている。
モータ160は、前輪21の車軸に装着され、前輪21を回転させる駆動力を生成する。モータ160の回転は、減速機構(図示せず)によって減速され、前輪21に伝達されるように構成されている。なお、本実施形態では、車輪にモータを組み込むハブモータ式の電動機付自転車を例示しているが所謂センターマウント方式の電動機付自転車に本発明を適用することも可能である。
モータ160を駆動するための電力は、シートチューブ14に沿って着脱可能に設けられたバッテリ110から供給される。バッテリ110は、例えばリチウムイオン二次電池により構成され、充電を行うことによって繰り返し使用することが可能となっている。
フロントフォーク11の先端部には、カゴ30を支持するためのステー31が接続されている。ライト170は、ステー31の上部をカゴ30の下面に取り付けるための締結金具(図示)に取り付けられている。ライト170は、自車両の前方に向けて光を出射する灯具である。ライト170は、バッテリ110から電力の供給を受けて発光するLEDや白熱電球等の光源を含んで構成されている。なお、ライト170は、投光方向が自車両の前方に向くようにハンドル24やフロントフォーク11の適当な位置に設けられていてもよい。
ハンドル24には、操作・表示部180が設けられている。操作・表示部180は、踏力に対する補助駆動力の比率(以下、アシスト比率ともいう)の設定(以下、アシストモードともいう)を選択するための入力操作を受け付けるモード選択ボタン(図示せず)、ライト170を点灯および消灯させるための入力操作を受け付けるライトボタン(図示せず)や自車両の状態を表示する表示部(図示せず)を有する。
図2は、電動機付自転車1のハンドル24付近の構成を示す図である。なお、図2において、操作・表示部180が省略されている。ハンドル24を構成する右側グリップ51の近傍には、リムブレーキやハブブレーキ等の機械式のブレーキ機構を有する前輪ブレーキ(図示せず)を作動させるための第1のブレーキレバー61と、第1のブレーキレバー61が操作されたことを検出する第1のブレーキセンサ220が設けられている。同様に、ハンドル24を構成する左側グリップ52の近傍には、リムブレーキやハブブレーキ等の機械式のブレーキ機構を有する後輪ブレーキ(図示せず)を作動させるための第2のブレーキレバー62と、第2のブレーキレバー62が操作されたことを検出する第2のブレーキセンサ230が設けられている。
図3は、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1の電気系統の構成を示すブロック図である。
トルクセンサ200は、ペダル27に加えられた人力による入力トルクの大きさを検出し、検出した入力トルクの大きさを示すトルク検出信号Sを生成する。トルクセンサ200によって生成されたトルク検出信号Sは、演算処理装置100に供給される。トルクセンサ200は、例えば、クランク軸に対して機械的な接触部分を有しない、磁歪効果を利用した公知のトルクセンサを用いることが可能である。
回転数センサ210は、モータ160の回転数を検出し検出した回転数を示す回転数検出信号Sを生成する。回転数センサ210によって生成された回転数検出信号Sは、演算処理装置100に供給される。回転数センサ210は、例えば、モータ160を構成するロータの角度位置を検出するホール素子によって構成することが可能である。
第1のブレーキセンサ220は、第1のブレーキレバー61が操作されたことを検出すると、ブレーキ操作検出信号Sを生成してこれを演算処理装置100に供給する。同様に、第2のブレーキセンサ230は、第2のブレーキレバー62が操作されたことを検出すると、ブレーキ操作検出信号Sを生成してこれを演算処理装置100に供給する。
操作・表示部180は、アシスト比率の設定(アシストモード)を選択するための入力操作を受け付けるモード選択ボタン(図示せず)およびライト170を点灯および消灯させるための入力操作を受け付けるライトボタン(図示せず)を有する。操作・表示部180は、モード選択ボタンおよびライトボタンが操作されると、これらのボタンが操作されたことを演算処理装置100に通知する。また、操作・表示部180は、バッテリ残量、現在選択されているアシストモードおよびライトの点灯・消灯等を含む自車両の状態を表示するための表示部(図示せず)を有する。自車両の状態に関する情報は、演算処理装置100から供給される。
演算処理装置100は、例えば、単一の半導体チップにCPU(演算処理装置)、メモリ、入出力回路、タイマー回路などを含むコンピュータシステムを集積したLSI(Large Scale Integration)を含んで構成されている。
演算処理装置100は、バッテリ110から電力を取り出してこれをモータ160に供給してモータ160を駆動することにより補助駆動力を得る力行モードと、モータ160の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回生電流として回収する回生モードとの切り替えを制御する。演算処理装置100は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方においてブレーキ操作検出信号Sが出力された場合、すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバーの少なくとも一方が操作された場合に回生モードに移行する。
電動機付自転車1は、回生モード時において、モータ160から回生電流を回収することでモータ160を減速させて制動力を発生させる。すなわち、電動機付自転車1は、走行中に第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方が操作されると回生モードに移行し、当該ブレーキレバーの操作に連動して作動する機械式の前輪ブレーキおよび/または後輪ブレーキ(図示せず)による制動力に加えて、回生制動による制動力によって減速する。モータ160から回収された回生電流は、バッテリ110に供給され、これによってバッテリ110の充電が行われるようになっている(回生充電)。なお、回生電流をバッテリ110に供給することなく抵抗素子に流すことによりモータ160の運動エネルギーを熱エネルギーとして消費してもよい。
演算処理装置100は、トルクセンサ200、回転数センサ210、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230から供給される各種の検出信号に基づいて、力行モード時にはモータ駆動指令値Cを生成し、回生モード時には回生電流指令値Cを生成する。演算処理装置100は、モータ駆動指令値Cまたは回生電流指令値Cをモータ駆動回路120に供給することによってモータ駆動回路120の動作を制御する。
モータ駆動回路120は、力行モード時においては、演算処理装置100から供給されるモータ駆動指令値Cによって示されるアシスト量(トルク目標値)に対応した駆動電力をバッテリ110から取り出してモータ160に供給する。一方、モータ駆動回路120は、回生モード時においては、演算処理装置100から供給される回生電流指令値Cによって示される値の回生電流をモータ160から回収し、回収した回生電流によってバッテリ110を充電する。なお、演算処理装置100、モータ駆動回路120、モータ160、操作・表示部180、トルクセンサ200、回転数センサ210、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230は、それぞれ、バッテリ110から供給される電力によって動作する。
図4は、バッテリ110、モータ駆動回路120およびモータ160の接続関係を詳細に示す図である。モータ駆動回路120は、トランジスタT1〜T6を含むインバータ回路121と、トランジスタT1〜T6を個別にオンオフするためのゲート信号を生成するインバータ制御回路122と、インバータ回路121に接続されたトランジスタT7と、を含んでいる。トランジスタT7もインバータ制御回路122から供給されるゲート信号に応じてオンオフする。
各トランジスタT1〜T6は、ドレイン側にカソードが接続され、ソース側にアノードが接続されたダイオードを有するnチャネルMOSFETによって構成されている。トランジスタT1〜T6は、オフ状態においてもダイオードを介して逆方向に電流を流すことが可能となっている。一方、トランジスタT7は、ドレイン側にアノードが接続され、ソース側にカソードが接続されたダイオードを有するpチャネルMOSFETによって構成されている。トランジスタT7は、オフ状態においても、ダイオードを介して逆方向に電流を流すことが可能となっている。
本実施形態において、モータ160は、インナーロータ型のブラシレスモータであり、永久磁石を含むロータと、モータ巻線Lを有するステータと、ロータの回転位置を検出するための3つのホール素子Hと、を含んでいる。なお、本実施形態において、ホール素子Hはモータ160の回転数を検出する回転数センサ210を兼ねている。
バッテリ110の正極側(ハイサイド側)に接続されたトランジスタT1、T3、T5と、バッテリ110の負極側(ローサイド側)に接続されたトランジスタT2、T4、T6との各接続点u、v、wは、モータ160を構成する3つのモータ巻線Lにそれぞれ接続されている。
インバータ制御回路122は、力行モード時には3つのホール素子Hからそれぞれ出力される検知信号によってロータの角度位置を検出し、検出したロータの角度位置に応じてトランジスタT1〜T6を一定の順序でオンさせる。これにより、モータ巻線Lに流れる電流の向きが順次切り替わりロータが回転する。インバータ制御回路122は、力行モード時においては、演算処理装置100から供給されるモータ駆動指令値Cによって示されるアシスト量(トルク目標値)が得られるようにトランジスタT1〜T6のオンデューティを調整する。また、インバータ制御回路122は、力行モード時にはトランジスタT7をオフさせることによりモータ160からバッテリ110に向かう方向の電流を遮断する。バッテリ110からモータ160に向かう方向の電流はトランジスタT7に付随するダイオードを介して流れる。
一方、インバータ制御回路122は、回生モード時にはハイサイド側のトランジスタT1、T3およびT5を全てオフ状態に維持しつつローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6を互いに同一のタイミングでオンオフするようにPWM制御し、且つトランジスタT7をオンさせる。上記PWM制御において、ローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6がオン状態とされている期間においてはモータ巻線Lに短絡電流が流れてモータ巻線Lにエネルギーが蓄えられ、これによってモータ160が減速して回生制動による制動力が発生する。その後、ローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6がオフ状態とされるとモータ巻線Lに電圧が誘起される。かかる誘起電圧がバッテリ電圧を超えると、各トランジスタに付随するダイオードおよびトランジスタT7を介してバッテリ110に向けて回生電流が流れ、モータ巻線Lに蓄えられたエネルギーが放出されるとともにバッテリ110が充電される。
回生制動による制動力は、回生電流の値が大きくなる程大きくなる。回生電流の値は、上記のPWM制御におけるローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティによって制御される。インバータ制御回路122は、回生モード時においては、演算処理装置100から供給される回生電流指令値Cによって示される電流値Iの回生電流が得られるようにローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティを調整する。
図5は、演算処理装置100の機能的な構成を示す機能ブロック図である。演算処理装置100は、記憶部101、駆動指令値導出部102、目標値導出部103、係数導出部104、回生電流指令値導出部105および選択部106を含んで構成されている。
駆動指令値導出部102は、力行モード時において、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号Sおよび回転数センサ210から供給される回転数検出信号Sに基づいて、走行状況に適したアシスト量(トルク目標値)を導出し、導出したアシスト量(トルク目標値)をモータ駆動指令値Cとして選択部106に供給する。例えば、モータ160の回転数が低く且つ入力トルク(踏力)が大きい場合には発進直後の状態または上り坂を走行している状態等であると推測されるので、このような場合、駆動指令値導出部102は、比較的大きなアシスト量(トルク目標値)をモータ駆動指令値Cとして導出する。
なお、駆動指令値導出部102は、操作・表示部180のモード選択ボタン(図示せず)に対する入力操作によって選択されたアシストモードに応じたアシスト量(トルク目標値)を導出する。本実施形態においては、アシスト比率の大きさが互いに異なる3つのアシストモード(エコ、標準、パワー)が予め定められており、これらのいずれかを操作・表示部180のモード選択ボタンを押下することによって選択することが可能となっている。記憶部101には、アシストモード毎に入力トルクおよびモータ160の回転数と、アシスト量との関係を示すマップが記憶されている。駆動指令値導出部102は、記憶部101に記憶された上記のマップを参照することにより入力トルクおよびモータ160の回転数に応じた最適なアシスト量(トルク目標値)を導出する。
目標値導出部103は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方がブレーキ操作検出信号Sを出力しているものと判定した場合に(すなわち回生モードに移行した場合に)、回生電流の目標値Iをモータ160の回転数に追従して導出する。
ここで、図6(a)は、回生モード時にモータ駆動回路120において行われるPWM制御におけるローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティと、回生電流との関係の一例を示す図である。図6(a)において、モータ160の回転数(車速)が比較的高い場合が実線で示され、モータ160の回転数(車速)が比較的低い場合が破線で示され、モータ160の回転数(車速)が中程度の場合が一点鎖線で示されている。
図6(a)に示すように、回生電流は、あるオンデューティでピークを持つ。これは、回生モード時において、ローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティが小さすぎるとモータ160のインダクタ(モータ巻線L)に蓄えられるエネルギーが小さくなる一方、オンデューティが大きすぎるとモータ160のインダクタ(モータ巻線)に蓄えられたエネルギーを放出する時間が不足するためである。また、回生電流の最大値はモータ160の回転数が高い程(車速が高い程)大きくなる。図6(a)においてラインAは、各回転数における回生電流のピークを結んだ線である。目標値導出部103は、回生モード時において、刻々と変化するモータ160の回転数を回転数センサ210から逐次取得し、取得したモータ160の回転数においてモータ160から回収可能な回生電流の最大値を、回生電流の目標値Iとして導出する。
図6(b)は、モータ160の回転数と回収可能な回生電流の最大値との関係の一例を示す図である。図6(b)に示す特性カーブは、実測またはシミュレーション等に基づいて取得され、上記特性カーブを示す情報が記憶部101に記憶されている。目標値導出部103は、回転数センサ210から取得したモータ160の回転数に対応する回生電流の最大値を、記憶部101に記憶された上記の特性カーブを参照することによって抽出し、抽出した値を回生電流の目標値Iとして導出する。なお、モータ160の回転数と回収可能な回生電流の最大値との関係を示す関係式を記憶部101に記憶しておき、目標値導出部103は、上記関係式に回転数センサ210から取得したモータ160の回転数を代入することによって目標値Iを導出してもよい。
係数導出部104は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方がブレーキ操作検出信号Sを出力しているものと判定した時点からの経過時間tの増加に伴い、徐々に1に近づくように変化する係数αを所定期間毎(例えば0.1msec)に導出する。なお、係数αの値は0≦α≦1の範囲内に設定される。
また、係数導出部104は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれか一方からブレーキ操作検出信号Sが出力されているものと判定した場合(すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作された場合)と、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の双方からブレーキ操作検出信号Sが出力されているものと判定した場合(すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作された場合)とで、異なる時間変化を有する係数αを導出する(図7参照)。なお、係数αの時間変化については後述する。
記憶部101には、経過時間tと係数αとの関係式が記憶されている。係数導出部104は、タイマー回路を含んでおり、タイマー回路によって経過時間tを計測し、記憶部101に記憶された上記の関係式に計測によって取得した経過時間tを代入することによって係数αを導出する。なお、係数αと経過時間tとを対応付けたテーブルを記憶部101に記憶しておき、係数導出部104が計測によって取得した経過時間tに対応する係数αを記憶部101に記憶された上記のテーブルから抽出してもよい。
回生電流指令値導出部105は、目標値導出部103によって導出された回生電流の目標値Iと係数導出部104によって導出された係数αとを乗算することによって得られる回生電流の電流値I(I=α×I)を回生電流指令値Cとして導出し、これを選択部106に供給する。
選択部106は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方からブレーキ操作検出信号Sが出力されているものと判定した場合に、回生モードに移行し、回生電流指令値導出部105から供給される回生電流指令値Cを選択してこれをモータ駆動回路120に供給する。一方、選択部106は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれからもブレーキ操作検出信号Sが出力されていないものと判定した場合に、力行モードに移行し、駆動指令値導出部102から供給されるモータ駆動指令値Cを選択してこれをモータ駆動回路120に供給する。このように選択部106がブレーキ操作検出信号Sの有無に基づいてモータ駆動指令値Cおよび回生電流指令値Cのいずれか一方を選択することにより、力行モードと回生モードとの切り替えがなされる。
モータ駆動回路120は、選択部106からモータ駆動指令値Cが供給された場合には、当該モータ駆動指令値Cによって示されるアシスト量の補助駆動力が得られるようにモータ160を駆動する。一方、モータ駆動回路120は、選択部106から回生電流指令値Cが供給された場合には、当該回生電流指令値Cによって示される電流値Iの回生電流をモータ160から回収する。
記憶部101は、力行モード時に駆動指令値導出部102において参照される入力トルクおよびモータ160の回転数とアシスト量との関係を示すマップ、図6(b)に示す特性カーブを示す情報、経過時間tと係数αとの関係式および後述する回生電流制御プログラム等を記憶した不揮発性の記憶領域である。
上記したように、回生電流指令値Cとして出力される、モータ160から回収すべき回生電流の電流値Iは、目標値導出部103によって導出された回生電流の目標値Iと係数導出部104によって導出された係数αとを乗算した値である(I=α×I)。換言すれば、係数導出部104によって導出される係数αは、回生電流の目標値Iとモータ160から回収すべき回生電流の電流値Iとの比I/Iに相当する(α=I/I)。
ここで、図7は、係数導出部104として機能する演算処理装置100によって導出される係数αの時間変化の一例を示す図である。図7において実線は第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の双方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合(すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作された場合)に対応し、破線は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれか一方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合(すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作された場合)に対応する。
演算処理装置100は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方からブレーキ操作検出信号Sが出力された時点からの経過時間tに応じて係数αを1に向けて徐々に増大させる。図7に示す例では、係数αが経過時間tに対して一定の時間変化率(傾き)で増加している場合が示されている。係数αが1に達したとき、モータ160から回収される回生電流の電流値Iは、目標値I(すなわちその時点における最大値)に一致することになり、回生制動による制動力が最大となる。係数αを徐々に1に近づけることで、第1のブレーキレバー61および/または第2のブレーキレバー62の操作開始時点から回生制動による制動力が徐々に最大値に近づくことになる。従って、第1のブレーキレバー61および/または第2のブレーキレバー62の操作開始直後に最大の制動力が作用することが回避され、ブレーキ作動時におけるショックを緩和することができる。
また、演算処理装置100は、実線で示される、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の双方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合における係数αの時間変化率(傾き)が、破線で示される、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれか一方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合における係数αの時間変化率(傾き)よりも大きくなるように係数αを導出する。従って、ブレーキ操作開始時点から回生制動による制動力が最大値に達するまでの時間は、片方のブレーキレバーが操作された場合よりも両方のブレーキレバーが操作された場合の方が短くなる。これにより、ユーザの意思に合致した良好なブレーキ感覚を得ることができる。
また、演算処理装置100は、実線で示される、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の双方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合と、破線で示される、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれか一方からブレーキ操作検出信号が出力された場合と、の双方において係数αを1まで増加させる。すなわち、回生制動による制動力は、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず最大値にまで達する。すなわち、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず回生制動による制動力を最大限に作用させることができる。
また、演算処理装置100は、係数αの値が1に達した後は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方からブレーキ操作検出信号Sが継続して出力されている場合には、係数αの値を1に維持する。すなわち、回生制動による制動力が最大値に達した後は、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方が操作されている限り回生制動による制動力は最大値を維持する。例えば、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作され、これによって係数αの値が徐々に増加して1に達した後、いずれか一方のブレーキレバーに対する操作が解除された場合においても係数導出部104は係数αの値を1に維持する。
一方、演算処理装置100は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれからもブレーキ操作検出信号Sが出力されていないものと判定した場合(すなわち第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方に対する操作が解除された場合)には、係数αの値を直ちにゼロにする。これにより、回生電流の電流値I(=α×I)はゼロとなり、回生制動による制動力が作用しなくなる。なお、係数導出部104は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれからもブレーキ操作検出信号Sが出力されていないものと判定した時点から係数αをゼロに向けて緩やかに減少させてもよい。
図8は、回生モード時において、演算処理装置100によって実行される回生電流制御プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、理解を容易にするために、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作されている場合に導出される係数αを「係数α」と表記し、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作されている場合に導出される係数αを「係数α」と表記する。
演算処理装置100は、ステップS1において、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方からブレーキ操作検出信号Sが出力されているか否かを判定する。演算処理装置100は、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の少なくとも一方からブレーキ操作検出信号Sが出力されているものと判定した場合には処理をステップS2に移行する。
演算処理装置100は、ステップS2において、回転数センサ210から回転数検出信号Sを取得する。演算処理装置100は、ステップS3において、目標値導出部103として機能し、ステップS2において取得したモータ160の回転数に対応する回生電流の最大値を、記憶部101に記憶された図6(b)に示す特性カーブを参照することによって抽出し、抽出した値を回生電流の目標値Iとして導出する。
演算処理装置100は、ステップS4において、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230からのブレーキ操作検出信号Sの有無に基づいて、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作されているのか、双方が操作されているのかを判定する。演算処理装置100は、ステップS4において、片方のブレーキレバーが操作されているものと判定した場合には処理をステップS5に移行し、両方のブレーキレバーが操作されているものと判定した場合には処理をステップS7に移行する。
演算処理装置100は、ステップS5において、係数導出部104として機能し、ステップS1においてブレーキレバーの操作を検出した時点からの経過時間tに応じた係数αを導出する。演算処理装置100は、自身に内蔵するタイマー回路による計測によって経過時間tを取得し、取得した経過時間tに対応する係数αを記憶部101に記憶された関係式に基づいて導出する。これにより、演算処理装置100は、図7において破線で示されるように、経過時間tの増加に伴って徐々に1に向けて増大する係数αを導出することとなる。
演算処理装置100は、ステップS6において、回生電流指令値導出部105として機能し、ステップS3において導出した回生電流の目標値IとステップS5において導出した係数αとを乗算し、これによって得た回生電流の電流値I(I=α×I)を回生電流指令値Cとして導出する。演算処理装置100は、導出した回生電流指令値Cをモータ駆動回路120に供給する。
一方、演算処理装置100は、ステップS7において、係数導出部104として機能し、ステップS1においてブレーキレバーの操作を検出した時点からの経過時間tに応じた係数αを導出する。演算処理装置100は、自身に内蔵するタイマー回路による計測によって経過時間tを取得し、取得した経過時間tに対応する係数αを記憶部101に記憶された関係式に基づいて導出する。これにより、演算処理装置100は、図7において実線で示されるように、経過時間tの増加に伴って徐々に1に向けて増大する係数αを導出することとなる。本実施形態においては、図7に示すように、係数αの値(図7において実線で示す)は、1に達するまでの全期間に亘り、同一の経過時間tに対する係数αの値(図7において破線で示す)よりも大きい。すなわち、係数αの時間変化率(傾き)は、係数αの時間変化率(傾き)よりも大きい。
演算処理装置100は、ステップS8において、回生電流指令値導出部105として機能し、ステップS3において導出した回生電流の目標値IとステップS7において導出した係数αとを乗算し、これによって得た回生電流の電流値I(I=α×I)を回生電流指令値Cとして導出する。演算処理装置100は、導出した回生電流指令値Cをモータ駆動回路120に供給する。
演算処理装置100は、ステップS9において、第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230から出力されるブレーキ操作検出信号Sに基づいて、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作が継続しているか否かを判定する。演算処理装置100は、ステップS9において、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作が継続しているものと判定した場合には、処理をステップS2に戻し、ステップS2からステップS9までの処理を繰り返し実行する。一方、演算処理装置100は、ステップS9において、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方に対する操作が解除されたものと判定した場合には処理をステップS10に移行する。
演算処理装置100は、ステップS10において回生電流の電流値Iをゼロに設定し、電流値Iがゼロであることを示す回生電流指令値Cをモータ駆動回路120に供給して本ルーチンを終了させる。回生電流の電流値Iがゼロとなることで回生制動による制動力はゼロとなる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電動機付自転車1においては、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方が操作された場合に、機械式のブレーキによる制動力に加えて回生制動による制動力が作用する。回生制動による制動力は、モータ160から回収される回生電流の電流値Iによって制御される。また、演算処理装置100は、モータ160から回収可能な回生電流の最大値をモータ160の回転数に追従して取得し、取得した回生電流の最大値を当該回転数における回生電流の目標値Iとして導出する。演算処理装置100は、モータ160から回収すべき回生電流の電流値Iと目標値Iとの比I/Iに相当する係数αを緩やかに1に近づける。これにより、第1のブレーキレバー61および/または第2のブレーキレバー62の操作開始直後に最大の制動力が作用することが回避され、ブレーキ作動時におけるショックを緩和することができる。
また、演算処理装置100は、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作された場合における係数αの時間変化と、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作された場合における係数αの時間変化を異ならせる。これにより、回生制動の制動力の作用がブレーキ操作に連動するので、ユーザの意思に合致した良好なブレーキ感覚を得ることができる。
また、演算処理装置100は、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作された場合と、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作された場合との双方において係数αを1まで増加させる。すなわち、回生制動による制動力は、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず最大値にまで達する。従って、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず回生制動による制動力を最大限に作用させることができる。
このように、本実施形態に係る電動機付自転車によれば、回生制動時におけるフィーリングを改善するとともに、片方のブレーキレバーが操作された場合および両方のブレーキレバーが操作された場合の双方において回生制動による制動力を最大限に作用させることができる。
また、演算処理装置100は、係数αの値が1に達した後は、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作が継続している場合には係数αの値を1に維持する。すなわち、回生制動による制動力が最大値に達した後は、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作が継続されている限り回生制動による制動力は最大値を維持する。回生制動による制動力は、モータ160の回転数の低下に伴って小さくなるので、係数αの値が1に達して制動力が最大となった後は、いずれか一方のブレーキレバーが操作されている限り、最大の制動力が得られる状態を維持することが好ましい。
なお、上記の実施形態では、目標値導出部103として機能する演算処理装置100は、当該回転数において回収可能な回生電流の最大値を目標値Iとして導出しているが、これに限定されるものではない。目標値導出部103として機能する演算処理装置100は、当該回転数において回収可能な回生電流の最大値よりも小さい値(例えば最大値の90%に相当する値)を回生電流の目標値として導出してもよい。また、バッテリ110への充電電流が過大となることを防止する観点から、目標値導出部103として機能する演算処理装置100は、回生電流の目標値Iに上限値を設定してもよい。例えば、目標値Iの上限値が6Aに設定された場合には、演算処理装置100は、当該回転数において回収可能な回生電流の最大値が7Aであっても、目標値Iとして上限値である6Aを導出してもよい。
また、上記の実施形態においては、目標値導出部103として機能する演算処理装置100は、モータ160の回転数に追従するように回生電流の目標値Iを導出することとしたが、電動付自転車の車速に追従するように回生電流の目標値Iを導出してもよい。この場合には、回転数センサ210とは別に電動機付自転車1の車速を検出する車速センサを設けてもよいし、ホール素子Hによって車速を検出してもよい。
(変形例)
係数導出部104として機能する演算処理装置100は、経過時間tに対して図9および図10に示すような態様で係数αを変化させてもよい。なお、図9および図10において実線は第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230の双方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合(すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の双方が操作された場合)に対応し、破線は第1のブレーキセンサ220および第2のブレーキセンサ230のいずれか一方からブレーキ操作検出信号Sが出力された場合(すなわち、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62のいずれか一方が操作された場合)に対応する。
係数導出部104として機能する演算処理装置100は、図9(a)に示すように、第1のブレーキレバー61および第2のブレーキレバー62の少なくとも一方に対する操作がなされてからの経過時間tの増加に伴って段階的に1に近づくように変化する係数αを導出してもよい。図9(a)に示す例では、同一の経過時間tにおいて、片方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(破線)が、両方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(実線)よりも大となることはないが、ブレーキレバーが操作されてから係数αの値が1に達するまでの経過時間tは、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず同一となっている。また、係数αが1に達するまでのステップ数は、両方のブレーキレバーが操作されている場合(実線)よりも片方のブレーキレバーが操作されている場合(破線)の方が大とされている。すなわち、1ステップあたりの係数αの増加量は、両方のブレーキレバーが操作されている場合(実線)よりも片方のブレーキレバーが操作されている場合(破線)の方が小さくなっている。
また、係数導出部104として機能する演算処理装置100は、図9(b)に示すように、経過時間tに対して非線形性を有して変化する係数αを導出してもよい。図9(b)に示す例では、同一の経過時間tにおいて、片方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(破線)が、両方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(実線)よりも大となることはないが、ブレーキレバーが操作されてから係数αの値が1に達するまでの経過時間tは、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず同一となっている。
また、係数導出部104として機能する演算処理装置100は、図9(c)に示すように、両方のブレーキレバーが操作された場合には経過時間tに対して非線形性を有して変化する係数αを導出し、片方のブレーキレバーが操作された場合には経過時間tに対して線形性を有して変化する係数αを導出してもよい。図9(c)に示す例では、同一の経過時間tにおいて、片方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(破線)が、両方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(実線)よりも大となることはないが、ブレーキレバーが操作されてから係数αの値が1に達するまでの経過時間tは、操作されるブレーキレバーの数が1であるか2であるかにかかわらず同一となっている。
また、係数導出部104として機能する演算処理装置100は、図10(a)に示すように、両方のブレーキレバーが操作された場合にはブレーキレバーの操作が行われた直後に1に達し、片方のブレーキレバーが操作された場合には緩やかに1に近づくように変化する係数αを導出してもよい。図10(a)に示す例では、同一の経過時間tにおいて、片方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(破線)が、両方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(実線)よりも大となることはなく、ブレーキレバーが操作されてから係数αの値が1に達するまでの経過時間tは、両方のブレーキレバーが操作された場合の方が片方のブレーキレバーが操作された場合よりも短くなっている。
また、係数導出部104として機能する演算処理装置100は、図10(b)に示すように、1に達するまでの間に傾きが変化する係数αを導出してもよい。図10(b)に示す例では、同一の経過時間tにおいて、片方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(破線)が、両方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(実線)よりも大となることはなく、ブレーキレバーが操作されてから係数αの値が1に達するまでの経過時間tは、両方のブレーキレバーが操作された場合の方が片方のブレーキレバーが操作された場合よりも短くなっている。
また、図10(c)に示すように、片方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(破線)が、両方のブレーキレバーが操作された場合の係数αの値(実線)よりも大となる期間を有していてもよい。
1 電動機付自転車
100 演算処理装置
101 記憶部
103 目標値導出部
104 係数導出部
105 回生電流指令値導出部
110 バッテリ
120 モータ駆動回路
160 モータ

Claims (8)

  1. 補助駆動力を発生させるモータと、
    制動力を発生させる際に操作される第1の操作部および第2の操作部と、
    前記モータから回生電流を回収して前記回生電流の電流値に応じた大きさの制動力を発生させる回生手段と、
    前記回生電流の目標値Iを前記モータの回転数に追従して導出する導出手段と、
    前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作に応じて前記回生手段が前記モータから回収する回生電流の電流値Iを前記目標値Iに向けて経時的に変化させるとともに、前記第1の操作部および前記第2の操作部の双方が操作された場合と前記第1の操作部および前記第2の操作部のいずれか一方が操作された場合とで、前記電流値Iの時間変化を異ならせ、且つ前記電流値Iが前記目標値Iに達した後は前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が継続している場合に前記電流値Iを前記目標値Iに維持する制御手段と、
    を含む電動機付自転車。
  2. 前記制御手段は、前記目標値Iと前記電流値Iとの比I/Iが前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が行われた時点からの経過時間に伴って徐々に1に近づくように前記電流値Iを制御する請求項1に記載の電動機付自転車。
  3. 前記制御手段は、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方が操作されてから前記比I/Iが1に達するまでの全期間に亘り、同一の経過時間に対して、前記第1の操作部および前記第2の操作部の双方が操作された場合における前記比I/Iの値が、前記第1の操作部および前記第2の操作部のいずれか一方が操作された場合における前記比I/Iの値よりも大となるように前記電流値Iを制御する請求項2に記載の電動機付自転車。
  4. 前記制御手段は、前記比I/Iの値が、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が行われた時点からの経過時間に対して直線的に1に近づくように前記電流値Iを制御する請求項2または3に記載の電動機付自転車。
  5. 前記制御手段は、前記比I/Iの値が、前記第1の操作部および前記第2の操作部の少なくとも一方に対する操作が行われた時点からの経過時間に対して段階的に1に近づくように前記電流値Iを制御する請求項2または3に記載の電動機付自転車。
  6. 前記制御手段は、前記第1の操作部および前記第2の操作部の双方に対する操作が解除された場合に、前記電流値Iをゼロとする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電動機付自転車。
  7. 前記目標値Iは、当該モータの回転数において前記モータから回収可能な回生電流の最大値に相当する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電動機付自転車。
  8. 前記モータに電力を供給するバッテリと、
    前記回生電流によって前記バッテリを充電する充電手段と、
    を更に含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電動機付自転車。
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