JP2015039023A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ショットキー電極を設けなくても閾値が低く、高耐圧化が可能な半導体装置を提供する。【解決手段】N+型のカソード層1が、カソード電極100に接合して形成され低不純物濃度のN型のドリフト層2が、カソード層1に接合して形成され、複数のトレンチ4a、4bが、ドリフト層2の上面に所定の間隔を隔てて配列され、埋め込み電極5a、5bが、トレンチ4a、4bの内部に、絶縁膜6a、6bを介してそれぞれ形成され、トレンチ間領域7隣り合うトレンチ間に形成され、高不純物濃度のP+層31および高不純物濃度のN+層32を交互に配列してアノード電極200に接合させたユニバーサルコンタクト層3が、トレンチ間領域7に接合して形成される。トレンチ間領域7の熱平衡状態のポテンシャルが調整されて、ドリフト層2の熱平衡状態のポテンシャルとの差が、使用する半導体材料のバンドギャップに依存するビルトイン電圧よりも低い。【選択図】 図2
Description
本発明は、半導体装置に関する。
従来の半導体ダイオードとして、PN接合によるダイオード(PNダイオード)とショットキー接合によるダイオード(ショットキーダイオード)が広く知られている。PNダイオードは、オフ時の耐圧が高く、また逆リーク電流が小さい、という特徴を有する。
さらに、近年、対向する電極間に大電流が流れる縦型のパワー半導体装置では、低オン抵抗化を図りながらオフ時の耐圧を高めるための手法として、P型層とN型層を交互に並べてマルチリサーフ化した構造が採用されている。
例えば、PiN型ダイオードでは、従来の低不純物濃度の高抵抗ドリフト層の代わりに、不純物濃度を高めて低抵抗化したP型層とN型層を交互に並べてマルチリサーフ化したドリフト層が形成される。
P型層とN型層を交互に並べることにより、オフ時の空乏層がP型層とN型層の界面全体に広がり、電界強度が特定の部分に集中することがなくなって、オフ時の耐圧が向上する。
このように、マルチリサーフ化することにより、PiN型ダイオードの低オン抵抗化と高耐圧化の両立を図ることができる。しかし、シリコン基板を用いた場合、PN接合バンドギャップによるビルトインポテンシャルが約0.8Vと高いため、PiN型ダイオードにオン電流が流れ始める閾値(順方向電圧)は高い。
これに対して、ショットキーダイオードは、ショットキー電極とドリフト層のバリアハイトを制御することが可能で、ビルトインポテンシャル(閾値)を低くすることができる。このようなショットキーダイオードにマルチリサーフ化構造を採用することも提案されている。
しかし、ショットキーダイオードでは、高耐圧化すると、漏れ電流が著しく増大する、という問題があった。
そこで、本発明の目的は、ショットキー電極を設けなくても閾値が低く、高耐圧化が可能な半導体装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の上に形成された第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層にオーミック接続された第1電極と、前記第1半導体層の側面および前記第2半導体層の側面に絶縁膜を介して接する第2電極とを備える半導体装置が提供される。
また、本発明の別の一態様によれば、 第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層の上に形成された第1導電型の第3半導体層と、前記第2半導体層の上に形成された第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層および前記第4半導体層にオーミック接続された第1電極と、前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層および前記第4半導体層の側面に絶縁膜を介して接する第2電極とを備えることを特徴とする半導体装置が提供される。
本発明によれば、ショットキー電極を設けなくても閾値が低く、高耐圧化が可能な半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明の半導体装置の概念図である。本発明の半導体装置は、概念として、主電極にオーミック接続され、熱平衡状態でのポテンシャルφaが外部から制御される領域aと、領域aに接合して形成され、熱平衡状態でのポテンシャルφbが上述の領域aとは異なる大きさの領域bとを備える。
本概念の半導体装置では、領域aのポテンシャルφaを制御することにより、領域bのポテンシャルφbと領域aのポテンシャルφaの差(φb―φa)を、使用する半導体材料のバンドギャップに依存するビルトイン電圧よりも低くすることが可能である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は繰り返さない。
図2は、本発明の実施例1に係る半導体装置の構成の例を示す模式的断面図である。本実施例の半導体装置は、シリコン基板上に縦型に形成され、その両端に、金属材料で形成されたカソード電極100およびアノード電極200を備え、カソード電極100とアノード電極200間に印加される電圧の方向に対してダイオード特性を示す。
本実施例の半導体装置は、カソード電極100に接合して形成されたN+型のカソード層1と、カソード層1に接合して形成された低不純物濃度のN型のドリフト層2と、ドリフト層2の上面に所定の間隔を隔てて配列された複数のトレンチ(ここでは、その一部のトレンチ4a、4bを示す)と、それぞれのトレンチ(4a、4b)の内部に、絶縁膜(6a、6b)を介して形成された埋め込み電極(5a、5b)と、隣り合うトレンチ間に形成されるトレンチ間領域7と、トレンチ間領域7に接合して形成され、高不純物濃度のP+層31および高不純物濃度のN+層32を交互に配列してアノード電極200にオーミック接続するユニバーサルコンタクト層3と、を備える。
上記のような埋め込み電極5a、5bを設けた本実施の半導体装置では、埋め込み電極5a、5bに印加する電圧を制御すれば、トレンチ4a、4bの周辺に空乏層を形成したり、その空乏層を消滅させたりすることができる。なお、図2に示す例では、埋め込み電極5a、5bの材料には、ポリシリコンが用いられている。
そこで、本実施例では、トレンチ4a、4bの周辺に空乏層を形成したときに、それぞれの空乏層の一部が重なるように、トレンチ4aとトレンチ4bの間隔が、例えば200nm以下と設定されている。なお、トレンチ4a、4bの深さは1.0μm程度である。このようなトレンチ間隔の設定により、トレンチ4a、4bの周辺に空乏層を形成した場合、トレンチ間領域7は、その側面のトレンチ4a、4bから延びる空乏層によりピンチオフする。
これに対して、トレンチ4a、4bの周辺の空乏層を消滅させると、トレンチ間領域7は電流通路を形成する。
また、トレンチ間領域7の熱平衡状態のポテンシャルをφaとすると、ポテンシャルφaは、トレンチ間領域7の導電型または不純物濃度、埋め込み電極5a、5bの材質、トレンチ4a、4bの間隔のいずれか、またはその組み合わせにより決定される。
一方、トレンチ間領域7に接したドリフト層2の熱平衡状態のポテンシャルをφbとすると、ポテンシャルφbは、一定である。
したがって、ポテンシャルをφbとポテンシャルをφaの差をポテンシャル差Δ(Δ=φb−φa)とすると、ポテンシャル差Δは、トレンチ間領域7の導電型または不純物濃度、埋め込み電極5a、5bの材質、トレンチ4a、4bの間隔のいずれか、またはその組み合わせにより調整することができる。
そこで、ポテンシャル差Δを半導体材料のビルトイン電圧よりも低く設定すると、トレンチ間領域7に電流通路が形成されているときの順方向の閾値を、ビルトイン電圧に起因する値よりも低くすることができる。
例えば、半導体材料をシリコンとした場合、ビルトイン電圧(Vbi)に起因する閾値は0.8Vであるが、ポテンシャル差Δを、例えば、0V<Δ<(Vbi)/2に設定すると、トレンチ間領域7に電流通路が形成されているときの閾値を0.4Vよりも低くすることができる。
すなわち、順方向バイアス時は、図3(a)に示すように、PN接合のビルトイン電圧に起因する値よりも低い閾値で、トレンチ間領域7に順方向に電流が流れ、逆方向バイアス時は、図3(b)に示すように、トレンチ4a、4bから延びる空乏層により、トレンチ間領域7がピンチオフする。
この動作は通常のダイオードのPN接合部の動作と類似している。したがって、図3(C)に示すように、通常のダイオードの構造と対比させると、本実施例の半導体装置の点線で囲んだ領域は、概念的にはPN接合をなすものとみなすことができる。そこで、ここでは、この構造を疑似PN接合構造と称する。
図4に、本実施例の半導体装置の順方向電圧−電流特性の例を示す。図4には、比較のため、従来のPN型ダイオードの順方向電圧−電流特性も併せて示す。
図4に示すように、従来のPN型ダイオードは、順方向電圧が0.6V程度以上にならないと順方向電流が流れないが、本実施例の半導体装置は、順方向電圧が0.4V以下でも順方向電流が流れる。
図5は、本実施例の半導体装置の逆回復電流特性を示す図である。
従来のPiN型ダイオードでは、順方向バイアス時にPアノード層からNドリフト層に正孔が注入され、Nカソード層からNドリフト層に電気的な中性条件を満たすために電子が注入され、この正孔・電子が過剰キャリアとしてNドリフト層に蓄積される。順方向バイアス状態から逆バイアス状態へ遷移すると、Nドリフト層に蓄積された過剰キャリアが消滅するまで、過渡的に大きな逆回復電流が流れる。
これに対して、本実施例の半導体装置の逆回復電流は、図5に示すように、非常に小さい。これは、本実施例の半導体装置は、トレンチ間領域7からドリフト層2へ注入される正孔の数が非常に少ないためである。
逆回復電流が小さいと、逆方向バイアスに遷移したときの損失が少なく、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
上述したように、本実施例の半導体装置は、トレンチ間領域7の導電型または不純物濃度、埋め込み電極5a、5bの材質、トレンチ4a、4bの間隔の設定により、トレンチ間領域7の熱平衡状態のポテンシャルφaを変化させることにより、閾値電圧を半導体材料のビルトイン電圧に起因する値よりも低くすることができる。
そこで、図6〜図9に、トレンチ間領域7の導電型または不純物濃度、埋め込み電極5a、5bの材質、トレンチ4a、4bの間隔の設定の組み合わせの異なる例を示す。
図6および図7は、トレンチ間領域の不純物濃度を図2に示した例よりも高めて、高不純物濃度のN+のトレンチ間領域71(図6)、72(図7)とした例である。この場合、トレンチ4a、4bの間隔が狭くなるほど電流が流れにくくなるので、トレンチ4a、4bの間隔が狭いときは、図7に示すように、トレンチ間領域72のN+層をドリフト層2側へ広げるようにする。
図8は、トレンチ間領域の導電型を変えて、P型のトレンチ間領域73とした例である。この場合のP型のトレンチ間領域73の不純物濃度は、通常のPN接合の耐圧を実現する濃度よりもはるかに低い濃度で、通常のPN接合と同じ耐圧を実現するとともに、通常のPN接合よりも小さな順方向の閾値を同時に実現するように設計される。
また、図9は、埋め込み電極5a、5bの材質を、アノード電極200に使用されている金属と同じ金属にした例である。
図10は、埋め込み電極5a、5bの上面に絶縁層8a、8bを設けた例である。絶縁層8a、8bを設けることにより、トレンチ間領域7の上面に、絶縁層8a、8bで挟まれた絶縁層間領域9が形成されている。
図10に示す構造の場合、絶縁層間領域9のポテンシャルをφcとするとドリフト層2とのポテンシャル差Δは、Δ=φb−φa+φcと表される。
このような本実施例によれば、トレンチの間隔やトレンチ間領域の形状などの構造的条件と、トレンチ間領域の導電型や不純物濃度および埋め込み電極の材質などの物性的条件とを組み合わせることにより、半導体材料のビルトイン電圧よりも低い、任意の閾値電圧を設定することができる。また、逆回復電流が小さいので、逆方向の耐圧を高くすることができる。
図11は、本発明の実施例2に係る半導体装置の構成の例を示す模式的断面図である。本実施例の半導体装置は、カソード電極100に接合して形成されたN+型のカソード層1と、カソード層1の上に、低不純物濃度のP層21および低不純物濃度のN層22が交互に配列されて形成されたドリフト層2と、ドリフト層2の上に、低不純物濃度のP層21および低不純物濃度のN層22の配置位置に合わせて形成され、一端が低不純物濃度のP層21に接合され他端がアノード電極200に接合される高不純物濃度のP+層31および一端が低不純物濃度のN層22に接合され他端がアノード電極200に接合される高不純物濃度のN+層32が交互に配列されて、アノード電極200にオーミック接続するユニバーサルコンタクトを兼ねるアノード層3Aと、を備える。
ここで、ドリフト層2のP層21とN層22は、ほぼ同じ不純物濃度で、それぞれの配列方向の幅をWp2、Wn2とすると、Wn2=Wp2となるように形成される。
また、アノード層3AのP+層31とN+層32は、ほぼ同じ不純物濃度で、それぞれの配列方向の幅をWp3、Wn3とすると、Wn3<Wp3となるように形成される。このとき、N+層32の幅Wn3は、Wn3=0.1〜0.2μmと、非常に狭い幅で形成される。また、P+層31の幅Wp3は、N+層32の幅Wn3よりも10〜20%程度広く形成される。
ドリフト層2およびアノード層3Aの各層の幅は、不純物イオンの打ち込みに使用するマスクのパターンの形状により制御することができる。
先に、実施例1の半導体装置が疑似PN構造を有することを述べたが、本実施例においても、後述するように、図12に示す点線で囲んだ領域を、概念的には、疑似PN接合構造とみなすことができる。そこで、以下、この疑似PN接合構造部分の動作について説明する。
上述したように、本実施例の半導体装置では、カソード電極100とアノード電極200との間に、カソード層1のN+層、低不純物濃度のN層22、高不純物濃度のN+層32と、N型の半導体領域が連続して形成されている。
したがって、カソード電極100とアノード電極200との間に順方向バイアスが印加されると、このN型の半導体領域の電子が、アノード電極200側へ移動し、アノード電極200からカソード電極100へ向かって電流が流れる。
図13に、順方向バイアスが印加されたときに本実施例の半導体装置に流れる電流の様子を示す。
このように、本実施例の半導体装置は、順方向バイアス印加時に、カソード電極100とアノード電極200との間に形成されたN型の半導体領域に電流が流れる。そのため、従来のPiN型ダイオードとは異なり、PN接合のビルトインポテンシャルに起因する閾値を存在させないように、もしくは実効的な閾値を低くするように設計可能で、本実施例の半導体装置は、順方向電圧が非常に低くても、順方向電流が流れる。
図14に、本実施例の半導体装置の順方向電圧−電流特性の例を示す。図14には、比較のため、従来のPiN型ダイオードの順方向電圧−電流特性も併せて示す。
図14に示すように、従来のPiN型ダイオードは、順方向電圧が0.8V程度以上にならないと順方向電流が流れないが、本実施例の半導体装置は、順方向電圧が0.8V以下でも順方向電流が流れる。
一方、カソード電極100とアノード電極200との間に逆方向バイアスが印加された場合、その印加の開始時点では、図15(a)に示すように、先ず、N層22との境界付近のアノード層3AのN+層32に両隣のP+層31から空乏層が延びてくる。そのとき、N+層32の幅Wn3が非常に狭いため、両隣のP+層31から延びる空乏層がぶつかり、本実施例の半導体装置は、アノード層3AのN+層32とN層22との境界付近でピンチオフする。
通常、ピンチオフは、PN接合の接合面に発生するが、本実施例では、上述のように、N+層32とN層22との境界付近でピンチオフが発生する。そこで、ここでは、このピンチオフが発生する類似性に鑑みて、N+層32とN層22との境界を擬似PN接合領域と称する。図15(b)に、この擬似PN接合領域を示す。
さらに、逆方向バイアスが印加されると、図16に示すように、N+層32の中央付近まで空乏層が形成され、ピンチオフ領域が拡大する。
このように、逆方向バイアス印加時は、N+層32がピンチオフすることにより、本実施例の半導体装置には電流が流れない。素子定格逆バイアス印加時には、従来のマルチリサーフ型素子(スーパージャンクション型素子など)と同様に、N+層32のほかに, N層22もピンチオフする。
図17は、本実施例の半導体装置の逆回復電流特性を示す図である。
本実施例の半導体装置の逆回復電流は、比較のために示した従来のPiNダイオードの逆回復電流に比べて、非常に小さい。
これは、本実施例の半導体装置は、図15(b)に示したように、アノード層3AのN+層32とドリフト層2のN層22との境界に形成される擬似PN接合領域が非常に狭いため、アノード層3Aからドリフト層2へ注入される正孔の数が非常に少ないためである。
このことを、アノード層3Aとドリフト層2の実効的な不純物濃度差によりアノード層3Aの低注入効率化を達成していると表現することも可能である。
また、ドリフト層2がリサーフ構造で形成されているためドリフト層2のN層22の不純物濃度が高く、アノード層3AのP+層31からドリフト層2のN層22へ注入される正孔の注入効率が低いことも、逆回復電流を小さくする要因となっている。
ここで、アノード層3AのP+層31の不純物濃度をNA、ドリフト層2のN層22の不純物濃度をNDと表すと、P+層31からN層22へ注入される正孔の注入効率γpは、係数Aを用いて、
γp=(1+A・ND/NA)−1
と表される。
γp=(1+A・ND/NA)−1
と表される。
すなわち、ドリフト層2のN層22の不純物濃度をNDが高いほど、P+層31からN層22へ注入される正孔の注入効率γpが低下し、P+層31からN層22へ注入される正孔の数が少なくなり、逆回復電流が小さくなる。
また同様に、注入効率γpは、アノード層3Aとドリフト層2の間に流れる正孔電流Jpと電子電流Jnを使って、
γp=Jp/(Jp+Jn)
と表すこともできる。
γp=Jp/(Jp+Jn)
と表すこともできる。
すなわち、正孔電流Jpの全電流(Jp+Jn)に占める割合を低く設計することによって、P+層31からN層22へ注入される正孔の注入効率γpを低下させることができる。これにより、P+層31からN層22へ注入される正孔の数が少なくなり、逆回復電流を小さくすることができる。
逆回復電流が小さくなると、逆方向バイアスに遷移したときの損失が少なくなり、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
このような本実施例によれば、順方向バイアス印加時に、カソード電極100とアノード電極200との間に形成されたN型の半導体領域に電流が流れるため、順方向電圧がPN接合のビルトインポテンシャルに起因する閾値よりも低い電圧でも、順方向電流を流すことができる。これにより、ショットキー電極を設けなくても、従来のPiN型ダイオードの閾値よりも低い電圧領域で電流を流すことができる。
また、本実施例によれば、逆回復電流を小さくすることができるので、順方向バイアスから逆方向バイアスへ遷移したときの損失を少なくすることができ、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
幅の広いP+層31と幅の狭いN+層32が交互に配列されてショーテッドPエミッタを形成するアノード層3Aとスーパージャンクション(マルチリサーフ)の組み合わせで、従来のPiNダイオードと同じ高い逆方向バイアス特性維持しながら、順方向の低閾値や良好な逆回復特性を実現することが可能である。
なお、注入効率γpに関しては、γp<0.8〜0.5とすると、逆回復電流が減少する効果が見られるが、十分な効果を得るには、γp<0.3が望ましい。
実施例2では、アノード層3AのN+層32の幅をP+層31の幅よりも狭くする例を示したが、本実施例では、アノード層3AのN+層32とP+層31の幅を等しくし、その代わりに、ドリフト層2の、アノード層3A境界付近のN層22の幅をP層21の幅よりも狭くする例を示す。
図18は、本発明の実施例3に係る半導体装置の構成の例を示す模式的断面図である。本実施例の半導体装置では、アノード層3A境界付近のドリフト層2に、狭N領域23が設けられており、この狭N領域23では、N層22の幅Wn4がP層21の幅Wp4よりも狭くなるよう(Wn4<Wp4)に形成されている。
これに対して、狭N領域23以外の領域では、N層22の幅Wn2とP層21の幅Wp2は、等しくなるよう(Wn2=Wp2)に形成されている。
また、アノード層3AのN+層32の幅Wn3とP+層31の幅Wp3も、等しくなるよう(Wn3=Wp3)に形成されている。
このように、本実施例では、狭N領域23のN層22の幅Wn4が、アノード層3AのN+層32の幅Wn3および狭N領域23以外のN層22の幅Wn2よりも狭く形成されている。このとき、狭N領域23のN層22の幅Wn4は、Wn4=0.1〜0.2μmと、非常に狭い幅で形成される。
そのため、逆方向バイアス印加時、本実施例では、この狭N領域23のN層22において、両側のP層21から延びてくる空乏層によるピンチオフが発生する。
また、アノード層3AのP+層31とN+層32が、アノード電極200で同電位になっているので、順方向バイアス印加時には、電流は、アノード電極200とカソード電極100の間のN層(N+層32、N層22)を流れる電子電流が主で、アノード層3AのP+層31からドリフト層2のN層22へ正孔が注入されることがない。
ビルトイン電圧(0.5V以上)を超える順方向バイアス印加時には、狭N領域23のP層21を介して狭N領域23のN層22に注入される正孔、およびドリフト層2のP層21からカソード層1のN+層32へ注入される正孔が、一部存在するが、アノード電極200とカソード電極100の間は、アノード層3AのN+層32およびドリフト層2のN層22でショートされている。したがって、順方向バイアス印加時にドリフト層2のN層22に過剰キャリアが蓄積されることがない。そのため、順方向バイアス状態から逆バイアス状態へ遷移しても、逆回復電流が流れることがない。
このような本実施例によれば、アノード層3A境界付近のドリフト層2に狭N領域23を設けることにより、逆回復電流の発生を抑制することができ、半導体装置の耐圧をさらに向上させることができる。
実施例2ではアノード層3AのN+層32、実施例3ではドリフト層2のN層22の幅を、0.1〜0.2μm程度と、非常に狭くすることにより、逆バイアス時にピンチオフ状態を発生させ、半導体装置の耐圧を高くしている。ただし、N+層32あるいはN層22の幅を0.1〜0.2μm程度とすることには、製造上の困難さが伴う。製造の面からは、N+層32あるいはN層22の幅が広いことが望まれる。しかし、N+層32あるいはN層22の幅を広くすると、逆バイアス時にその両側面から伸びてくる空乏層の間隔が広くなってピンチオフ状態が発生しにくくなり、漏れ電流が増加して半導体装置の耐圧が低下する。
そこで、本実施例では、N+層32あるいはN層22の幅を広くしても、逆バイアス時にピンチオフ状態を発生させることができ、耐圧を高くすることのできる半導体装置の例を示す。
図19は、本発明の実施例4に係る半導体装置の構成の例を示す模式的部分断面斜視図である。図19に示す半導体装置は、実施例2のアノード層3Aおよびドリフト層2の側面に、埋め込み電極5が、絶縁膜(酸化膜など)6を挟んで形成されている。また、埋め込み電極5の上面は、アノード電極200に接続されている。
本実施例においても、アノード層3AのN+層32の幅はP+層31の幅よりも狭いが、実施例2のN+層32よりも広い。
本実施例では、埋め込み電極5がアノード電極200に接続されているため、アノード電極200に逆バイアス電圧が印加されると、絶縁膜6の下、すなわち、アノード層3AのN+層32の側面に、P型の反転層が形成される。
したがって、本実施例のアノード層3AのN+層32では、逆バイアス時に、両隣のP+層31のみならず、側面のP型の反転層からも反転層が延びてくる。これにより、N+層32の幅が広くてもピンチオフ状態を発生させることができる。
同様に、実施例3の半導体装置に上述の埋め込み電極5を設けると、狭N領域23のN層22の幅を広くしても、ピンチオフ状態を発生させることができる。
このような本実施例によれば、アノード層3Aおよびドリフト層2の側面に、絶縁膜6を挟んで埋め込み電極5を形成することにより、ピンチオフ状態を発生させたいアノード層3AのN+層32あるいはドリフト層2のN層22の幅を広くすることができ、耐圧を向上させることができる。
実施例4では埋め込み電極5がアノード電極200に接続されている例を示したが、本実施例では、埋め込み電極5が、アノード電極200とは別のゲート電極に接続されている例を示す。
図20は、本発明の実施例5に係る半導体装置の構成の例を示す模式的部分断面斜視図である。図20に示す半導体装置は、実施例4と同様、アノード層3Aおよびドリフト層2の側面に、酸化膜6を挟んで埋め込み電極5が形成されている。本実施例では、埋め込み電極5は、ゲート電極300に接続されている。また、アノード電極200とゲート電極300は、層間絶縁膜400により絶縁されている。
本実施例では、順方向バイアス時に、ゲート電極300に印加する電圧を制御することにより、幅の狭いN型層(例えば、実施例1のアノード層3AのN+層32、あるいは実施例2のドリフト層2のN層22)に形成される空乏層の幅を制御し、アノード電極200とカソード電極100の間に流れる電流の導通制御を行う。
このような本実施例によれば、ゲート電極300により埋め込み電極5に印加される電圧により、アノード電極200とカソード電極100の間に流れる電流の導通を制御することができる。
上述の各実施例では、カソード層1、ドリフト層2、アノード層3Aが、縦方向に順次形成される縦型素子の例を示したが、本実施例では、カソード層1、ドリフト層2、アノード層3Aを横方向に形成する横型素子の例を示す。
図21は、本発明の実施例6に係る半導体装置の構成の例を示す模式的斜視図である。本実施例の半導体装置は、実施例2の縦型素子に対応する横型素子の例であり、絶縁層500の上に平面状に、N+型のカソード層1と、低不純物濃度のP層21および低不純物濃度のN層22が交互に配列されたドリフト層2と、高不純物濃度のP+層31および高不純物濃度のN+層32が交互に配列されたアノード層3Aと、が形成される。また、カソード層1の上面に、カソード層1と接触させてカソード電極100が形成され、アノード層3Aの上面に、アノード層3Aと接触させてアノード電極200が形成される。
ここで、各層は実施例2と同様、ドリフト層2のP層21とN層22は、ほぼ同じ不純物濃度で、それぞれの配列方向の幅をWp2、Wn2とすると、Wn2=Wp2となるように形成される。
また、アノード層3AのP+層31とN+層32は、ほぼ同じ不純物濃度で、それぞれの配列方向の幅をWp3、Wn3とすると、Wn3<Wp3となるように形成される。このとき、N+層32の幅Wn3は、Wn3=0.1〜0.2μmと、非常に狭い幅で形成される。また、P+層31の幅Wp3は、N+層32の幅Wn3よりも10〜20%程度広く形成される。
このように、本実施例は実施例2と同様の層構造を有するため、その電気的特性も実施例2と同様である。したがって、実施例2と同様、従来のPiN型ダイオードの閾値よりも低い電圧領域で電流を流すことができる。また、逆回復電流を小さくすることができるので、順方向バイアスから逆方向バイアスへ遷移したときの損失を少なくすることができ、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
このような本実施例によれば、カソード層1、ドリフト層2、アノード層3Aを絶縁層500の上の平面に形成するため、縦型構造に比して、半導体装置の製造を容易に行うことができる。
図22は、本発明の実施例7に係る半導体装置の構成の例を示す模式的斜視図である。本実施例の半導体装置は、実施例3の縦型素子に対応する横型素子の例であり、実施例3と同様、アノード層3AのN+層32の幅Wn3とP+層31の幅Wp3が等しくなるよう(Wn3=Wp3)に形成され、アノード層3A境界付近のドリフト層2に、N層22の幅Wn4がP層21の幅Wp4よりも狭くなるよう(Wn4<Wp4)に形成された狭N領域23が設けられる。また、狭N領域23以外の領域では、ドリフト層2のN層22の幅Wn2とP層21の幅Wp2は、等しくなるよう(Wn2=Wp2)に形成される。
実施例3と同様、N層22の幅を非常に狭く(Wn4=0.1〜0.2μm)形成すると、本実施例でも、逆方向バイアス印加時には、狭N領域23のN層22に、両側のP層21から延びてくる空乏層によるピンチオフが発生する。
また、アノード層3AのP+層31とN+層32が、アノード電極200で同電位になっているので、順方向バイアス印加時には、電流は、アノード電極200とカソード電極100の間のN層(N+層32、N層22)を流れる電子電流が主で、アノード層3AのP+層31からドリフト層2のN層22へ正孔が注入されることがない。
ビルトイン電圧(0.5V以上)を超える順方向バイアス印加時には、狭N領域23のP層21を介して狭N領域23のN層22に注入される正孔、およびドリフト層2のP層21からカソード層1のN+層32へ注入される正孔が、一部存在するが、アノード電極200とカソード電極100の間は、アノード層3AのN+層32およびドリフト層2のN層22でショートされている。したがって、順方向バイアス印加時にドリフト層2のN層22に過剰キャリアが蓄積されることがない。そのため、順方向バイアス状態から逆バイアス状態へ遷移しても、逆回復電流が流れることがない。
このような本実施例によれば、アノード層3A境界付近のドリフト層2に狭N領域23を設
けることにより、逆回復電流の発生を抑制することができ、横型に形成された半導体装置の耐圧をさらに向上させることができる。
けることにより、逆回復電流の発生を抑制することができ、横型に形成された半導体装置の耐圧をさらに向上させることができる。
実施例6および実施例7で示した横型素子では、ドリフト層2のP層21、N層22、およびアノード層3AのP+層31、N+層32が、平面上に交互に配列されるため、その分、チップ面積が大きくなる。したがって、単位面積あたりの実効電流密度が小さくなる。そこで、本実施例では、単位面積あたりの実効電流密度を大きくすることのできる横型素子の例を示す。
図23は、本発明の実施例8に係る半導体装置の構成の例を示す模式的斜視図である。本実施例の半導体装置は、絶縁層500の上に、カソード層1、ドリフト層2、アノード層3Aを横型に形成するとともに、ドリフト層2ではP層21とN層22を交互に、アノード層3AではP+層31とN+層32を交互に積層する。この積層の高さに合わせて、カソード層1も上方に向かって形成される。また、カソード層1の側面に、カソード層1と接触させてカソード電極100が形成され、アノード層3Aの側面に、アノード層3Aと接触させてアノード電極200が形成される。
本実施例では、ドリフト層2のP層21、N層22の幅Wp2、Wn2と、アノード層3AのP+層31、N+層32の幅Wp3、Wn3は、積層の高さを制御することにより、任意に設定される。
そこで、ドリフト層2のP層21の幅Wn2とN層22の幅Wp2を、Wn2=Wp2となるように形成し、アノード層3AのP+層31の幅Wn3を0.1〜0.2μmに形成し、N+層32の幅Wp3をWn3よりも10〜20%程度広く形成すると、実施例6と同様の電気的特性が得られる。
したがって、本実施例でも、カソード電極100とアノード電極200との間に順方向バイアスが印加されると、カソード電極100とアノード電極200との間に連続的に形成された、カソード層1のN+層と低不純物濃度のN層22と高不純物濃度のN+層32からなるN型半導体領域に電流が流れる。
このとき、本実施例は積層構造をとるため、同じ平面上に、複数のN型半導体領域が形成されている。したがって、順方向バイアス印加時に、カソード電極100とアノード電極200との間には、同じ平面上に、図24に示すような複数の電流経路が形成される。
このような本実施例によれば、同じ平面上に複数の電流経路が形成されるので、単位面積あたりの実効電流密度を大きくすることができる。
図25に、本発明の実施例9に係る半導体装置の構成の例を模式的部分断面斜視図で示す。本実施例の半導体装置では、実施例8のアノード層3Aおよびドリフト層2の側面に、実施例5と同様、絶縁膜6を挟んで、埋め込み電極5が形成される。この埋め込み電極5は、アノード電極200に接続される。
実施例5で説明したように、アノード層3Aおよびドリフト層2の側面に、絶縁膜6を挟んで埋め込み電極5を形成することにより、ピンチオフ状態を発生させたいアノード層3AのN+層32あるいはドリフト層2のN層22の幅を、実施例8よりも広くすることができる。
図26に、本発明の実施例9に係る半導体装置の構成の別の例を示す。図25に示した半導体装置と異なる点は、絶縁膜6の形成領域をアノード層3Aの端部から後退させて設けた点である。
絶縁膜6の形成領域をアノード層3Aの端部から後退させることにより、埋め込み電極5とP+層31およびN+層32とのコンタクト(非図示)の面積を増加させることができ、コンタクト抵抗を下げることができる。
このような本実施例によれば、アノード層3AのN+層32あるいはドリフト層2のN層22の幅を広くすることができるので、耐圧を向上させることができる。
図27に、本発明の実施例10に係る半導体装置の構成の例を模式的部分断面斜視図で示す。本実施例の半導体装置は、基本的には実施例9の半導体装置と同じ構造を有するが、絶縁層500に代わって、半導体層600の上に、カソード層1、ドリフト層2、アノード層3Aを形成するようにしたものである。
このような本実施例によれば、絶縁層500を形成しないので、半導体装置の製造コストを低減させることができる。また、通常、半導体層の方が絶縁層よりも熱伝導が良好なため、半導体装置の放熱を改善することができる。
なお、上述した各実施例は、シリコン基板を用いた例であるが、本発明は、シリコン基板の代わりに、SiC(炭化珪素)、GaN(窒化ガリウム)、ダイヤモンドなどの、ワイドギャップ半導体基板を用いても実現することができる。次に、このワイドギャップ半導体基板を用いた例を示す。
図28は、本発明の実施例11に係る半導体装置の構成の例を示す模式的部分断面斜視図である。本実施例の半導体装置は、SiC基板上に形成された逆導通型MOSFETである。本実施例の逆導通型MOSFETは、MOSFET91と、MOSFET91と逆並列に接続されたダイオード92とが、同一基板上に形成されている。
MOSFET91は、トレンチゲート型であり、トレンチ4c、4dに埋め込まれた埋め込み電極5c、5dがゲート電極となり、トレンチ4c、4d間にベース層8が形成される。また、ユニバーサルコンタクト層31aを形成するP+層がベースコンタクト層31aとなり、N+層がソース層31bとなる。
ダイオード92は、実施例1と同じく、トレンチ4c、4d間にトレンチ間領域7が形成される。このダイオード92は、誘導性負荷が接続されたときに、誘導性負荷から流れ込む電流を還流させる転流ダイオードとして機能する。
SiCは、静電破壊電界がシリコンよりも8倍程度高く、小型で低損失のデバイスを実現することができる。しかし、バンドギャップが3.2eVと高いため、通常のPN型ダイオードでは、その閾値も高い。そこで、本実施例では、ダイオード92を、図2に示した実施例1のダイオードと同じ構造で形成し、その閾値を低下させている。
図29に、本実施例のダイオード92の順方向電圧−電流特性の例を示す。図29には、比較のため、従来のPN型ダイオードの順方向電圧−電流特性も併せて示す。
図29に示すように、SiC基板上に形成された従来のPN型ダイオードは、閾値が3V程度であるが、本実施例のダイオード92では、閾値を0V程度まで低下させることができる。
図30(a)は、本発明の実施例12に係る半導体装置の構成の例を示す模式的部分断面斜視図であり、図30(b)は、そのトレンチ間領域に沿って切断した断面図である。本実施例の半導体装置は、GaN基板上に形成された横型のダイオードである。
GaN系デバイスは、GaNとAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)とのヘテロ界面にできるピエゾ分極誘起2次元電子ガスにより電流が流れる。
本実施例の半導体装置は、GaN基板1000上にAlGaN層200が形成され、AlGaN層200の一端にカソード電極100が接続され、他端にアノード電極200が接続されている。また、アノード電極200の下面に、トレンチ4e、4fが設けられ、トレンチ4e、4fの内部には、絶縁膜6eを介して埋め込み電極5e、5fが形成されている。トレンチ4eとトレンチ4fに挟まれた領域がトレンチ間領域7(領域a)となる。トレンチ間領域7の上面には浅いトレンチが形成され、ポリシリコン電極700が埋め込まれている。
本実施例においても、トレンチ4e、4fの間隔や埋め込み電極5e、5fの材質などによりトレンチ間領域7(領域a)のポテンシャルφaを調整し、隣接領域(領域b)のポテンシャルとの差(φb−φa)をGaNのビルトイン電圧よりも低く設定すると、本実施例の半導体装置の閾値電圧をGaNのビルトイン電圧よりも低くすることができる。
図31に、本実施例の半導体装置の順方向電圧−電流特性の例を示す。図31には、比較のため、従来のPN型ダイオードの順方向電圧−電流特性も併せて示す。
図31に示すように、GaN基板上に形成された従来のPN型ダイオードは、閾値が5V程度であるが、本実施例の半導体装置では、閾値を0V程度まで低下させることができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。例えば、実施例2〜10のドリフト層に用いられるスーパージャンクション構造(マルチリサーフ構造など)は、素子の静耐圧を保証するだけではなく、アバランシェ耐量などの破壊耐量を増すために、素子のアノードとカソード方向に濃度分布を持たせることがある。
また、実施例3における「Wn4<Wp4」,「Wn2=Wp2」,「Wn3=Wp3」等の記述は、アノード層3A、ドリフト層2のN型拡散層とP型拡散層がほぼ等しい濃度で導入されるプロセスを前提としたものである。
アノード層3A、ドリフト層2のN型拡散層とP型拡散層が別々の濃度で導入されるプロセスを採用した場合は、本発明の趣旨に従って、Wn2〜4、Wp2〜4の幅の比率を不純物量の比率に置き換えれば、同様な効果が得られる。
また、アノード層3AのP+層31、N+層32の不純物濃度を、ドリフト層2のP層21、N層22の不純物濃度よりも低く設計する場合もあり、その場合も、本発明の効果が期待できる。
また、図18の狭N領域23の不純物濃度を、アノード層3AのP+層31、N+層32の不純物濃度またはドリフト層2のP層21、N層22の不純物濃度よりも低く設計する場合もあり、その場合も、本発明の効果が期待できる。
1 カソード層
2 ドリフト層
3、3a ユニバーサルコンタクト層
3A アノード層(兼ユニバーサルコンタクト層)
21 低不純物濃度のP層
22 低不純物濃度のN層
23 狭N領域
31 高不純物濃度のP層
32 高不純物濃度のN層
31a ベースコンタクト層
32a ソース層
4a〜4f トレンチ
5、5a〜5f 埋め込み電極
6、6a〜6e 絶縁膜
7、71〜73 トレンチ間領域
8 ベース層
91 MOSFET
92 ダイオード
100 カソード電極
200 アノード電極
300 ゲート電極
400 層間絶縁膜
500 絶縁層
600 半導体層
700 ポリシリコン電極
1000 GaN基板
2000 AlGaN層
2 ドリフト層
3、3a ユニバーサルコンタクト層
3A アノード層(兼ユニバーサルコンタクト層)
21 低不純物濃度のP層
22 低不純物濃度のN層
23 狭N領域
31 高不純物濃度のP層
32 高不純物濃度のN層
31a ベースコンタクト層
32a ソース層
4a〜4f トレンチ
5、5a〜5f 埋め込み電極
6、6a〜6e 絶縁膜
7、71〜73 トレンチ間領域
8 ベース層
91 MOSFET
92 ダイオード
100 カソード電極
200 アノード電極
300 ゲート電極
400 層間絶縁膜
500 絶縁層
600 半導体層
700 ポリシリコン電極
1000 GaN基板
2000 AlGaN層
Claims (14)
- 第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層の上に形成された第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層にオーミック接続された第1電極と、
前記第1半導体層の側面および前記第2半導体層の側面に絶縁膜を介して接する第2電極と
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1半導体層と前記第1電極との間に配置された第1導電型の第3半導体層をさらに備え、
前記第3半導体層の第1導電型不純物の濃度が、前記第1半導体層の第1導電型不純物の濃度よりも高い
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第2電極が、前記第1半導体層と前記第1電極との間に配置された第1導電型の第3半導体層に接し、
前記第3半導体層は、第1導電型不純物の濃度が前記第1半導体層の第1導電型不純物の濃度よりも高い
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第2半導体層および前記第3半導体層が、前記第1電極の表面に沿って交互に配列されている
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。 - 前記第2電極は、前記第1半導体層中に形成された複数のトレンチ内に形成され、
前記第2半導体層および前記第1半導体層の一部が、前記第2電極が形成された隣り合うトレンチ間に配列される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第1半導体層と前記第1電極との間に配置された第1導電型の第3半導体層をさらに備え、
前記第3半導体層の第1導電型不純物の濃度が、前記第1半導体層の第1導電型不純物の濃度よりも高い
ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。 - 前記第1導電型がN型であり、第2導電型がP型である
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 第1導電型の第1半導体層と、
第2導電型の第2半導体層と、
前記第1半導体層の上に形成された第1導電型の第3半導体層と、
前記第2半導体層の上に形成された第2導電型の第4半導体層と、
前記第3半導体層および前記第4半導体層にオーミック接続された第1電極と、
前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層および前記第4半導体層の側面に絶縁膜を介して接する第2電極と
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1半導体層と前記第2半導体層とがスーパージャンクション構造を形成する
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。 - 前記第3半導体層の第1導電型不純物の濃度が、前記第1半導体層の第1導電型不純物の濃度よりも高い
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。 - 前記第4半導体層の第2導電型不純物の濃度が、前記第2半導体層の第2導電型不純物の濃度よりも高い
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。 - 前記第3半導体層の幅が前記第4半導体層の幅よりも狭い
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。 - 前記第2電極は、前記第1半導体層中に形成された複数のトレンチ内に形成され、
前記第2半導体層および前記第1半導体層の一部が、前記第2電極が形成された隣り合うトレンチ間に配列される
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。 - 前記第1導電型がN型であり、第2導電型がP型である
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
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JPH10163469A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-19 | Toshiba Corp | ダイオードおよびその駆動方法 |
JP2000049359A (ja) * | 1998-07-27 | 2000-02-18 | Nissan Motor Co Ltd | 双極性整流素子 |
JP2009038214A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Toshiba Corp | 半導体装置 |
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2014
- 2014-10-16 JP JP2014211459A patent/JP2015039023A/ja active Pending
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