JP2015038209A - インク組成物、記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属化合物および中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ポリウレタン樹脂と、を含有するインク組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、ポリカーボネート系またはポリエーテル系のアニオン性ポリウレタン樹脂である、インク組成物。
【選択図】なし
Description
(1)金属化合物および中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ポリウレタン樹脂と、を含有するインク組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、ポリカーボネート系またはポリエーテル系のアニオン性ポリウレタン樹脂である、インク組成物。
(2)前記色材として中空樹脂粒子を含む、上記(1)記載のインク組成物。
(3)前記ポリウレタン樹脂が溶媒中に粒子として分散している、上記(1)または(2)記載のインク組成物。
(4)前記ポリウレタン樹脂が自己乳化型のディスパージョンである、上記(1)〜(3)の何れか一項に記載のインク組成物。
(5)前記ポリウレタン樹脂の含有量が0.5〜10質量%である、上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(6)前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(7)前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(8)アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(9)アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有する、上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(10)インクジェット記録方式に適用される、上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(11)上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載のインク組成物によって画像が形成された記録物。
(12)上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて画像を記録する、記録方法。
(13)上記(12)に記載の記録方法により画像を記録する、記録装置。
本発明のインク組成物は、金属化合物および中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ポリウレタン樹脂と、を含有するインク組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、ポリカーボネート系またはポリエーテル系のアニオン性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする。
本発明のインク組成物は、色材として金属化合物および中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種を含有する。
本発明における金属化合物としては、顔料として使用可能な金属原子含有化合物であれば特に限定されることがなく、好ましくは、従来から白色顔料として用いられている金属酸化物、硫酸バリウムや炭酸カルシウムである。金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。本発明における金属化合物としては、二酸化チタン、アルミナが好ましい。
上記金属化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1.0〜20.0質量%であり、より好ましくは5.0〜10.0質量%である。金属酸化物の含有量が20.0質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、1.0質量%未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
本発明ではポリウレタン樹脂として、ポリカーボネート系またはポリエーテル系のアニオン性ポリウレタン樹脂を用いる。
かかる構造のポリウレタン樹脂の合成には公知の方法を適用することができ、例えば、2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、2個以上の活性水素基を有する化合物と、を反応させて得ることができる。2個以上の活性水素基を有する化合物が、ポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールである。
そして、ポリウレタン樹脂としてポリカーボネート系またはポリエーテル系のアニオン性ポリウレタン樹脂を用いる本発明のインク組成物は、乾燥とともに表面で膜化が起こり、ポリエステル系などのウレタン樹脂に比べて、柔軟性の高い膜を形成することができるため、上記のカラーインク組成物中の保湿剤の白色画像への浸入をカラー画像と白色画像の境界において阻止することができ、中空樹脂粒子の透明化を抑制することが可能であることが判った。
本発明のインク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
本発明のインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
本発明のインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本発明のインク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
本発明のインク組成物は、第三級アミンを含有することが好ましい。第三級アミンは、pH調整剤としての機能を有し、インク組成物のpHを容易に調整することができる。
本発明のインク組成物は、通常溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本発明のインク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルターなどを用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
本発明はまた、上述したインク組成物によって、耐擦性に優れた画像が形成された、記録物を提供することができる。また、特に、色材として中空樹脂粒子を含むインク組成物によって画像が形成された本発明の記録物は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子の透明化が生じず、長期に亘って高品位な画像を維持することが可能である。
本発明はまた、上述したインク組成物を用いて記録媒体に画像記録を行う記録方法を提供することができる。
この記録方法としては特に限定されず、凸版印刷方式、凹版印刷方式、平版印刷方式、孔版印刷方式、電子写真記録方式、熱転写記録方式、インクジェット記録方式等が挙げられ、特に好ましくはインクジェット記録方式による記録方法である。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
表1に示す配合量で、金属酸化物、中空樹脂粒子、樹脂、有機溶剤、多価アルコール、第三級アミン、界面活性剤、およびイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、実施例1〜6、および比較例1〜6の各インク組成物を得た。なお、表1の実施例1〜6、および比較例1〜6に記載されている数値の単位は、質量%であり、金属酸化物、中空樹脂微粒子、ポリウレタン樹脂粒子についてはいずれも固形分換算である。
加熱装置、かくはん機、温度計、冷却機、滴下装置の付いた反応容器にポリカーボネート(数平均分子量2000)を1モル、1,6-ヘキサンジオール0.7モルを溶媒(DMF)に溶解させ、溶液濃度を30%に調整した。続いて、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートを1.7モル(NCO/OH=1.0)を加え、100℃で反応を行い、赤外吸収スペクトルで2270 cm-1の遊離イソシアネート基による吸収が認められなくなるまで反応を行い、ポリウレタン樹脂溶液を得た。さらに公知の方法で水中に分散し、粘度20〜800(mPa・s/25 ℃)のポリウレタン水分散体U-1(固形分40%)を得た。
表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。ブラック以外のインクカートリッジはそれぞれ市販のものを装着した。これは、ダミーとして用いるもので、本実施例の評価では用いないので、効果には関与しない。
duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク質量を意味する。)
<爪による擦り試験>
A:印刷面に変化が認められない。
B:印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C:印刷面が剥がれる。
D:軽く触れただけで印刷面が剥がれる。
<不織布による擦り試験>
A:印刷面に変化が認められない。
B:印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C:印刷面が剥がれる。
D:軽く触れただけで印刷面が剥がれる。
インクジェットプリンタPX-20000(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて間欠印字試験をおこなった。このプリンタ用のカートリッジに実施例1〜6、および比較例1〜6の白色インク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、温度32℃湿度20%の環境下で、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認し、44インチ幅の連続印字を30分行った後、全ノズルからの吐出を行い、インク滴の飛行曲がり、ノズル抜け(ドット抜け)が生じていないかを評価した。上記の評価を30分で1セットとし、3回繰り返し評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
AA:30分×3までノズル抜けなし、および飛行曲がりなし。
A :30分×2までノズル抜けなし、および飛行曲がりなし。
B :30分×1までノズル抜けなし、および飛行曲がりなし。
C :30分でノズル抜ける、もしくは飛行曲がりが有る。
白の印刷には表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。カラーの印刷には市販のインクジェットプリンタ(「PX−G5500」セイコーエプソン株式会社製)およびインクセット(EPSON IC9CL3337 フォトブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ)を用いて、印刷試験を行った。
得られた印刷物の高湿度条件下によるカラー色味変化の評価を行なった。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
尚、L*値の測定は、市販の黒が基板となっている測色機、例えばGretag Macbeth SpetroscanおよびSpectrolino(X-Rite社製)を用いた。
B:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持したとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が5以上10未満。
C:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持したとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が10以上。
白の印刷には表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。カラーの印刷には市販のインクジェットプリンタ(「PX−G5500」セイコーエプソン株式会社製)およびインクセット(EPSON IC9CL3337 フォトブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ)を用いて、印刷試験を行った。
尚、白、カラーともに印刷面積は100mm×100mm(横×縦)とした。また、透明化の測定方法は、市販の黒が基板となっている測色機、例えばGretag Macbeth SpetroscanおよびSpectrolino(X-Rite社製)を用いて、L*値を測定し、初期状態からL*値が30以上低下している箇所を透明化が起こっている箇所とした。
B:1ヶ月放置後の透明化が境界から0.5mm以上5mm未満で起こっている。
C:1ヶ月放置後の透明化が境界から5mm以上で起こっている。
また、白色色材として中空樹脂粒子を含む実施例1および2の白色インク組成物と、保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせた記録物は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子が透明化がほぼ抑制されているため、長期に亘って高品位の画像を維持できることが判った。特に、定着樹脂であるポリウレタン樹脂が自己乳化型ディスパージョンである実施例1、2,5と、強制乳化型ディスパージョンである実施例6とを比べると、自己乳化型ディスパージョンである実施例1、2,5の方が中空樹脂粒子の透明化が抑制されることが判った。
Claims (13)
- 金属化合物および中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ポリウレタン樹脂と、を含有するインク組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂が、ポリカーボネート系またはポリエーテル系のアニオン性ポリウレタン樹脂である、インク組成物。 - 前記色材として中空樹脂粒子を含む、請求項1記載のインク組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が溶媒中に粒子として分散している、請求項1または2記載のインク組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が自己乳化型のディスパージョンである、請求項1〜3の何れか一項に記載のインク組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂の含有量が0.5〜10質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
- アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
- アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録方式に適用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物によって画像が形成された記録物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて画像を記録する、記録方法。
- 請求項12に記載の記録方法により画像を記録する、記録装置。
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