JP2015037866A - 架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、熱可塑性樹脂のシートの架橋後、シートを伝熱板から円滑に剥離することのできる架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂及び架橋剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシート10aを挟持し、一方向に送出する一対の伝熱板32,42と、この伝熱板32,42を介して熱可塑性樹脂組成物のシート10aを加熱しこの熱可塑性樹脂組成物に架橋処理を施す加熱体3,46とを備え、伝熱板32,42の表面には、剥離力が0.60N/5cm以下のフッ素樹脂が成膜され、伝熱板32,42を介してシート10bを冷却する冷却体38,48が加熱体36,46よりも前記一方向の先端側に設けられていることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂発泡体の製造においては、熱可塑性樹脂組成物に含有される発泡剤を発泡させる発泡工程の前に、熱可塑性樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂を架橋する架橋工程が設けられることがある。
熱可塑性樹脂を架橋する方法としては、従来より、熱可塑性樹脂組成物のシートを一対の無端ベルトで挟持し、この無端ベルトを介してヒータ等で加熱する、いわゆるダブルベルト挟持加熱法が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の架橋方法は、熱可塑性樹脂組成物のシートの表面を無端ベルトによって挟持し、熱可塑性樹脂組成物のシートを空気と遮断した状態で加熱するようになっている。
熱可塑性樹脂を架橋する方法としては、従来より、熱可塑性樹脂組成物のシートを一対の無端ベルトで挟持し、この無端ベルトを介してヒータ等で加熱する、いわゆるダブルベルト挟持加熱法が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の架橋方法は、熱可塑性樹脂組成物のシートの表面を無端ベルトによって挟持し、熱可塑性樹脂組成物のシートを空気と遮断した状態で加熱するようになっている。
ところで、特許文献1の架橋方法によれば、熱可塑性樹脂組成物のシートの架橋後、このシートを次工程に向けて搬送する際にこのシートをベルトから剥離させる必要がある。
しかし、熱可塑性樹脂組成物のシートは、加熱された無端ベルトに密着しており、表面が半ば溶融した状態で搬送されているため、前記シートの粘着力によりこのシートがベルトから剥離し難くなっている。したがって、前記シートを無端ベルトから強引に剥離しようとすると、シートを変形させてしまうことがあるという問題があった。一方、無端ベルトの加熱を停止することで無端ベルトの温度が自然に低下するのを待つ方法は、シートの冷却効率が悪く、また、無端ベルトの搬送長さを相当長く設定しなければならないため採用することができない。そして、架橋されたシートが変形した状態で発泡されると発泡体の外観が悪くなり、安定的に所望の寸法が確保できないという問題があった。
本発明は、熱可塑性樹脂のシートの架橋後、シートを伝熱板から円滑に剥離することのできる架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提供することを課題とする。
しかし、熱可塑性樹脂組成物のシートは、加熱された無端ベルトに密着しており、表面が半ば溶融した状態で搬送されているため、前記シートの粘着力によりこのシートがベルトから剥離し難くなっている。したがって、前記シートを無端ベルトから強引に剥離しようとすると、シートを変形させてしまうことがあるという問題があった。一方、無端ベルトの加熱を停止することで無端ベルトの温度が自然に低下するのを待つ方法は、シートの冷却効率が悪く、また、無端ベルトの搬送長さを相当長く設定しなければならないため採用することができない。そして、架橋されたシートが変形した状態で発泡されると発泡体の外観が悪くなり、安定的に所望の寸法が確保できないという問題があった。
本発明は、熱可塑性樹脂のシートの架橋後、シートを伝熱板から円滑に剥離することのできる架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の架橋機は、熱可塑性樹脂及び架橋剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシートを挟持し、一方向に送出する一対の伝熱板と、この伝熱板を介して前記熱可塑性樹脂組成物のシートを加熱し、この熱可塑性樹脂組成物に架橋処理を施す加熱体とを備え、前記伝熱板の表面には、剥離力が0.60N/5cm以下のフッ素樹脂が成膜され、前記伝熱板を介して前記シートを少なくとも融点未満に冷却する冷却体が前記加熱体よりも前記一方向の先端側に設けられていることを特徴とする。
本発明における「剥離力」は、以下の測定方法に基づき測定される。すなわち、フッ素樹脂膜が成膜された伝熱板の上面に、前記フッ素樹脂膜の表面よりも小さい面積に切り出された、十分に架橋された前記熱可塑性樹脂組成物のシート(幅50mm,長さ200mm,厚さ4mm)(以下「架橋シート」という)を配する。なお、架橋シートであっても下記の条件で加熱プレスを行うことにより、原反シートが架橋された終盤の状態に極めて近い状態となるものであるため、本発明の剥離力の測定においては架橋シートを用いる。架橋シートの一端部には、幅50mm,長さ100mmに切り出され長手方向に50mmになるように半分に折り曲げられたアルミシートを、架橋シートの一端部を長手方向に10mm以上挟持するように貼着させておく。そして、前記架橋シートの一端部が介在していないアルミシート部分に荷重計(AD−4932A−50N エー・アンド・デイ社製)を接続させるための貫通孔を形成しておく。
その上で、前記架橋シートよりも0.3mm薄い厚さ寸法の金属製のスペーサを前記架橋シートの短手方向の両側で前記フッ素樹脂膜の表面上に、前記架橋シートに重ならないように配し、前記架橋シートの表面にシリコンコート離型PETフィルム(型番PET250×1C,厚さ250μm,ニッパ社製)を被せ、前記PETフィルム上に伝熱板を載せた後プレス機(東洋精機社製)にて加熱プレスを10分行う。加熱プレスは、架橋シートを構成する熱可塑性樹脂(混合の場合は単独での融点の高い方)の融点よりも15℃高い温度で行い、5MPaで加圧することで溶融・密着させる。なお、熱可塑性樹脂の融点は、JIS K7121により測定される。この際、前記架橋シート内に後述する発泡剤が含まれている場合には、その発泡剤が発泡しないようにする(目視で確認する)。
この後、架橋シートの上方に配した伝熱板とPETフィルムとを取り除き、加熱プレス時の伝熱板の表面温度を基準として、架橋シートの表面温度が10℃以上下がらないうちに(以下、この状態のシートを「加熱された状態の架橋シート」という)、アルミシートの孔に荷重計のフックを引っ掛け、200mm/分の速度で前記フッ素樹脂膜に対して90度方向に立ち上がらせる際の負荷となる最大荷重を測定して本発明の「剥離力」とする。なお、加熱された状態の架橋シートは、冷却後の架橋シートに比して柔軟性が高くかつフッ素樹脂膜に対して貼着しやすいため、冷却後の架橋シートよりも剥離が困難となる。すなわち、加熱された状態の架橋シートが剥離可能である場合、冷却により硬化された架橋シートは、通常、より容易に剥離可能となる。したがって、加熱された状態の架橋シートが剥がれる剥離力を基準とする。
以下、本願に係る発明の「剥離力」はいずれも上記方法により測定される。
本発明における「剥離力」は、以下の測定方法に基づき測定される。すなわち、フッ素樹脂膜が成膜された伝熱板の上面に、前記フッ素樹脂膜の表面よりも小さい面積に切り出された、十分に架橋された前記熱可塑性樹脂組成物のシート(幅50mm,長さ200mm,厚さ4mm)(以下「架橋シート」という)を配する。なお、架橋シートであっても下記の条件で加熱プレスを行うことにより、原反シートが架橋された終盤の状態に極めて近い状態となるものであるため、本発明の剥離力の測定においては架橋シートを用いる。架橋シートの一端部には、幅50mm,長さ100mmに切り出され長手方向に50mmになるように半分に折り曲げられたアルミシートを、架橋シートの一端部を長手方向に10mm以上挟持するように貼着させておく。そして、前記架橋シートの一端部が介在していないアルミシート部分に荷重計(AD−4932A−50N エー・アンド・デイ社製)を接続させるための貫通孔を形成しておく。
その上で、前記架橋シートよりも0.3mm薄い厚さ寸法の金属製のスペーサを前記架橋シートの短手方向の両側で前記フッ素樹脂膜の表面上に、前記架橋シートに重ならないように配し、前記架橋シートの表面にシリコンコート離型PETフィルム(型番PET250×1C,厚さ250μm,ニッパ社製)を被せ、前記PETフィルム上に伝熱板を載せた後プレス機(東洋精機社製)にて加熱プレスを10分行う。加熱プレスは、架橋シートを構成する熱可塑性樹脂(混合の場合は単独での融点の高い方)の融点よりも15℃高い温度で行い、5MPaで加圧することで溶融・密着させる。なお、熱可塑性樹脂の融点は、JIS K7121により測定される。この際、前記架橋シート内に後述する発泡剤が含まれている場合には、その発泡剤が発泡しないようにする(目視で確認する)。
この後、架橋シートの上方に配した伝熱板とPETフィルムとを取り除き、加熱プレス時の伝熱板の表面温度を基準として、架橋シートの表面温度が10℃以上下がらないうちに(以下、この状態のシートを「加熱された状態の架橋シート」という)、アルミシートの孔に荷重計のフックを引っ掛け、200mm/分の速度で前記フッ素樹脂膜に対して90度方向に立ち上がらせる際の負荷となる最大荷重を測定して本発明の「剥離力」とする。なお、加熱された状態の架橋シートは、冷却後の架橋シートに比して柔軟性が高くかつフッ素樹脂膜に対して貼着しやすいため、冷却後の架橋シートよりも剥離が困難となる。すなわち、加熱された状態の架橋シートが剥離可能である場合、冷却により硬化された架橋シートは、通常、より容易に剥離可能となる。したがって、加熱された状態の架橋シートが剥がれる剥離力を基準とする。
以下、本願に係る発明の「剥離力」はいずれも上記方法により測定される。
また、前記の一対の伝熱板の少なくともいずれか一方には、前記熱可塑性樹脂組成物から生じたガスを通流させる貫通孔が複数形成されていることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造装置は、上記いずれかに記載の架橋機と、この架橋機で架橋処理が施された発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシートを加熱し、前記発泡剤を発泡させる発泡炉とを備えていることを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂の架橋方法は、剥離力が0.60N/5cm以下のフッ素樹脂が成膜された板面において熱可塑性樹脂及び架橋剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシートを挟持し、一方向に送出する一対の伝熱板と、前記シートが当接する前記伝熱板の板面と反対の板面に当接する当接部を有した加熱体とを備え、この加熱体を加熱し、前記伝熱板を介して前記シートを加熱して前記熱可塑性樹脂組成物に架橋処理を施し、その後、前記シートの架橋後に前記伝熱板を介して前記シートを冷却し、前記シートの冷却後、前記伝熱板から前記シートを剥離することを特徴とする。
前記シートの表面温度は、前記熱可塑性樹脂の融点よりも20度低い温度以上融点以下に冷却することが好ましい。なお、熱可塑性樹脂が複数の樹脂材料からなる場合は、単独での融点が低い方の融点温度(JIS K7121)より測定されるものをいう。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、上記いずれかに記載の架橋方法により架橋された熱可塑性樹脂に含有された発泡剤を発泡させることを特徴とする。
本発明の架橋機によれば、架橋した熱可塑性樹脂を伝熱板から容易に剥離することができ、架橋されたシートの発砲を速やかに行うことができるという効果を奏する。
(熱可塑性樹脂発泡体)
本発明により製造される熱可塑性樹脂発泡体は、ベースポリマーである架橋型の熱可塑性樹脂中に気孔が形成されたものである。
熱可塑性樹脂発泡体に形成された気孔は、それぞれ独立した独立孔でもよく、相互に連通した連通孔でもよい。
本発明により製造される熱可塑性樹脂発泡体は、ベースポリマーである架橋型の熱可塑性樹脂中に気孔が形成されたものである。
熱可塑性樹脂発泡体に形成された気孔は、それぞれ独立した独立孔でもよく、相互に連通した連通孔でもよい。
熱可塑性樹脂としては、融点又は軟化点以上の温度に加熱されると溶融する樹脂であればよく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルや塩素化ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂は、単独重合体でもよいし、共重合体でもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
熱可塑性樹脂は、単独重合体でもよいし、共重合体でもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
熱可塑性樹脂を架橋するのに用いられる架橋剤としては、特に限定されず、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカボネート化合物等の有機過酸化物が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレラート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレラート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
気孔を形成するのに用いられる発泡剤としては、加熱により分解ガスを発生するものであれば特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の熱分解化学発泡剤が挙げられ、中でも、アゾジカルボンアミドが好ましい。これらの発泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、発泡剤の熱分解開始温度を調整するため、発泡助剤が添加されてもよい。発泡助剤としては、ステアリン酸亜鉛、尿素、ステアリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。これらのなかでは、化学発泡剤の分解温度を発泡成形の加工温度帯に調整しやすいことから、尿素、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛が好ましく使用される。
また、発泡剤の熱分解開始温度を調整するため、発泡助剤が添加されてもよい。発泡助剤としては、ステアリン酸亜鉛、尿素、ステアリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。これらのなかでは、化学発泡剤の分解温度を発泡成形の加工温度帯に調整しやすいことから、尿素、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛が好ましく使用される。
熱可塑性樹脂発泡体は、必要に応じて、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高分子アクリル系等の滑剤、2,6−ジ−ter−ブチル−4−メチルフェノール、2−ter−6−(3’−ter−ブチル−5−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス{2−〔3−(3−ter−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ〕−1−1−ジメチルエチル}2,4,8,10−テトラオクサスピロ−(5,5)アデカーネ、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ter−ブチルアニリン)1,3,5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−ter−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−〔(オクチルチオ)メチル〕−ο−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−tert−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイトなどのホスファイト類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのオキサホスファフェナントレンオキサイド類等のリン系酸化防止剤、ジラウリル 3,3‘−チオジプロピオナート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオナート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオナート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオナート)等のイオウ系酸化防止剤、N,N‘ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、ベンゾトリアゾール、2(n−ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等の重金属不活性化剤等の添加剤や、アクリル系多官能モノマー等の任意成分を含有してもよい。
アクリル系多官能モノマーは、アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合物である。
アクリル系多官能モノマーとしては、例えば、アルカンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加ジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
アクリル系多官能モノマーは、アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合物である。
アクリル系多官能モノマーとしては、例えば、アルカンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加ジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
(熱可塑性樹脂発泡体の製造装置)
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造装置(以下、単に製造装置ということがある)は、架橋機と発泡炉とを備えるものである。
以下に、本発明の一実施形態に係る製造装置について、図面を参照して説明する。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造装置(以下、単に製造装置ということがある)は、架橋機と発泡炉とを備えるものである。
以下に、本発明の一実施形態に係る製造装置について、図面を参照して説明する。
図1の製造装置1は、押出機2と、架橋機3と、反転ロール13Aと、反転ロール群13Bと、発泡炉6と、冷却ロール群7と、巻取機8とをこの順で備えている。本実施形態において、発泡炉6の直前には、加熱炉5が備えられている。
押出機2は、ホッパー21と、ホッパー21から投入される原料を溶融混練して熱可塑性樹脂組成物とするシリンダ及びスクリュー(不図示)と、熱可塑性樹脂組成物をシート状物(原反シート)10aに成形する金型22とを備えている。
不図示のスクリューを備える押出機2としては、1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、3本以上のスクリューを備えた多軸スクリュー押出機等が挙げられる。1軸スクリュー押出機としては、一般的なフルフライト型スクリューに加え、不連続フライト型スクリュー、ピンバレル、ミキシングヘッド等を有する押出機等が用いられる。
2軸スクリュー押出機としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機等が好ましい。なお、押出機2の後段に真空ベントを設けることは、熱可塑性樹脂組成物中に揮発物の残存や空気の混入を防ぐのに効果的である。
2軸スクリュー押出機としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機等が好ましい。なお、押出機2の後段に真空ベントを設けることは、熱可塑性樹脂組成物中に揮発物の残存や空気の混入を防ぐのに効果的である。
なお、押出機2としては、スクリューを備えるものの他、一般的にプラスチック成形加工で使用されうる溶融混練機であればよく、例えば、ニーダー、ローター、連続混練機等の混練機とシート成形機とを組み合わせたものが挙げられる。
架橋機3は、対向する一対の伝熱板で原反シート10aを加熱し、原反シート10aに架橋処理を施して、架橋シート10bとするものである。架橋機3の一例について、図面を参照して説明する。図2は、架橋機3を側面から見た模式図である。
図2の架橋機3は、筐体30と筐体30内に設けられた加熱ユニット3aとを備えている。
図2の架橋機3は、筐体30と筐体30内に設けられた加熱ユニット3aとを備えている。
加熱ユニット3aは、原反シート10aを挟持可能に対向する第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42と、第一の無端ベルト32を介して原反シート10aを加熱しかつ押圧する第一の加熱プレート36と、第二の無端ベルト42を介して原反シート10aを加熱しかつ押圧する第二の加熱プレート46とを備えている。即ち、本実施形態の架橋機3は、原反シート10aを一対の第一及び第二の無端ベルト32,42で上下方向に挟みこんで加熱する、ダブルベルト挟持式の架橋機である。そして更に、加熱ユニット3aは、原反シート10aの進行方向である矢印Y方向(先端側)に、第一の無端ベルト32を介して架橋シート10bを冷却する第一の冷却プレート38及び第二の無端ベルト42を介して架橋シート10bを冷却する第二の冷却プレート48を備えている。
本実施形では、第一の加熱プレート36が原反シート10aの進行方向である矢印Y方向に複数並べられ、次いでの第一の冷却プレート38が原反シート10aのY方向に複数並べられている。
また、第一の加熱プレート36に対向して第二の加熱プレート46が複数並べられ、第一の冷却プレート38に対向して第二の冷却プレート48が複数並べられている。
また、第一の加熱プレート36に対向して第二の加熱プレート46が複数並べられ、第一の冷却プレート38に対向して第二の冷却プレート48が複数並べられている。
本実施形態において、「熱可塑性樹脂組成物のシートを挟持する一対の伝熱板」は、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42により構成されている。そして、「伝熱板を介して熱可塑性樹脂組成物のシートを加熱する加熱体」は、第一の加熱プレート36、第二の加熱プレート46及びこれらに接続された熱源(不図示)により構成されている。
更に、「伝熱板を介して前記シートを冷却する冷却体」は、第一の冷却プレート38及び第二の冷却プレート48により構成されている。
更に、「伝熱板を介して前記シートを冷却する冷却体」は、第一の冷却プレート38及び第二の冷却プレート48により構成されている。
加熱ユニット3aには、2つの第一のガイドロール34が設けられ、この第一のガイドロール34に第一の無端ベルト32が掛け回されている。
加熱ユニット3aには、2つの第二のガイドロール44が設けられ、この第二のガイドロール44に第二の無端ベルト42が掛け回されている。
加熱ユニット3aには、2つの第二のガイドロール44が設けられ、この第二のガイドロール44に第二の無端ベルト42が掛け回されている。
第一の無端ベルト32は、例えば、ガラス繊維やアラミド繊維の織物等により形成され、可撓性があり穿孔の形成されていない平板状部材を環状にしたものである。ガラス繊維やアラミド繊維の織物であれば、第一の加熱プレート36又は第二の加熱プレート46で加熱された際に熱可塑性樹脂組成物が不均一に加熱されにくい。
なお、第一の無端ベルト32は、ガラス繊維やアラミド繊維の織物の表面に剥離力が0.60N/5cm以下で可及的に小さく設定された(好ましくは0.58N/5cm以下、より好ましくは0.56N/5cm以下、更に好ましくは0.53N/5cm以下に設定された)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン(FEP)等のフッ素樹脂でコーティングされたものが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂でコーティングされたものがより好ましい。架橋シート10bは、第1の無端ベルト32の表面がフッ素樹脂で数μmから数mmの厚さでむらなくコーティングされていることで、第一の無端ベルト32から剥離されやすくなっている。
なお、本発明において第一の無端ベルト(伝熱板)32の「剥離力」は、以下の測定方法に基づき測定される。
すなわち、図6に示すように、フッ素樹脂膜60が成膜された第一の無端ベルト32の上面に、フッ素樹脂膜60の表面積よりも小さい表面積に切り出された、十分に架橋された熱可塑性樹脂組成物のシート10b(幅50mm,長さ200mm,厚さ4mm)(以下「架橋シート」という)を配する。なお、架橋シートであっても下記の条件で加熱プレスを行うことにより、原反シートが架橋された終盤の状態に極めて近い状態となるため、本発明の剥離力の測定においては架橋シート10bを用いる。
すなわち、図6に示すように、フッ素樹脂膜60が成膜された第一の無端ベルト32の上面に、フッ素樹脂膜60の表面積よりも小さい表面積に切り出された、十分に架橋された熱可塑性樹脂組成物のシート10b(幅50mm,長さ200mm,厚さ4mm)(以下「架橋シート」という)を配する。なお、架橋シートであっても下記の条件で加熱プレスを行うことにより、原反シートが架橋された終盤の状態に極めて近い状態となるため、本発明の剥離力の測定においては架橋シート10bを用いる。
図7(a),(b)に示すように、架橋シート10bの一端部pには、幅50mm,長さ100mmに切り出され長手方向に50mmになるように半分に折り曲げられたアルミシート61を、架橋シート10bの一端部pを長手方向に10mm以上挟持するように貼着させておく。そして、架橋シート10bの一端部pが介在していないアルミシート61の部分qに荷重計(AD−4932A−50N,エー・アンド・デイ社製)を接続させるための貫通孔62を形成しておく。
その上で、図6に示すように架橋シート10bよりも0.3mm薄い厚さ寸法の金属スペーサ63,63を、架橋シート10bの短手方向の両側で前記フッ素樹脂膜60の表面上に、架橋シート10bに重ならないように間隔を空けて配する。そして、図8に示すように、架橋シート10bの表面にシリコンコート離型PETフィルム(型番PET250×1C,厚さ250μm,ニッパ社製)64を被せ、PETフィルム64上に伝熱板65を載せた後、プレス機66,66(東洋精機社製)にて加熱プレスを10分行う。
加熱プレスは熱可塑性樹脂(混合の場合は単独での融点の高い方)の融点よりも15℃高い温度で行い、5MPaで加圧することで溶融・密着させる。なお、熱可塑性樹脂の融点は、JIS K7121により測定される。この際、架橋シート10bの発泡剤が発泡しないようにする(目視で確認する)。
この後、架橋シート10bの上方に配した伝熱板55とPETフィルム64とを取り除き、第1の無端ベルト32の表面温度に対して架橋シート10bの表面温度が10℃以上下がらないうちに、図9に示すようにアルミシート61の貫通孔62に不図示の荷重計のフックを引っ掛け、200mm/分の速度でフッ素樹脂膜60に対して90度方向に立ち上がらせる際の負荷となる最大荷重が本発明の本実施形態の「剥離力」となる。
なお、加熱された状態の架橋シート10bは、冷却後の架橋シート10bに比して柔軟性が高くかつフッ素樹脂膜に対して貼着しやすいため、冷却後の架橋シート10bよりも剥離が困難となる。すなわち、加熱された状態の架橋シート10bが剥離可能である場合、冷却により硬化された架橋シート10bは、通常、より容易に剥離可能となる。したがって、加熱された状態の架橋シート10bが剥がれる剥離力を基準としている。
第一の無端ベルト32の幅寸法は、原反シート10aの幅寸法よりも大きくなるよう設定されている。
第二の無端ベルト42は、第一の無端ベルト32と同様に形成されている。
第二の無端ベルト42は、第一の無端ベルト32と同様に形成されている。
第一の加熱プレート36は、第一の無端ベルト32を介して原反シート10aを加熱できるものであればよく、例えば、ステンレス製やアルミニウム製等の立方体の部材をそのまま使用するか鉄製等の立方体の部材を用いたもの等が挙げられる。
第一の加熱プレート36に接続された熱源としては、パイプ状の一端からリード線を引き出した形状のカートリッジヒーター、電熱線を備えたプレート型ヒータ等が挙げられる。また、第一の加熱プレート36は、複数のブロックに分割されて、ブロック毎に上記ヒータを備え温度制御を行なうことにより原反シート10aの加熱温度を進行方向で変化させるようにしてもよい。
第二の加熱プレート46は、第一の加熱プレート36と同様の構成とされている。
第一の加熱プレート36に接続された熱源としては、パイプ状の一端からリード線を引き出した形状のカートリッジヒーター、電熱線を備えたプレート型ヒータ等が挙げられる。また、第一の加熱プレート36は、複数のブロックに分割されて、ブロック毎に上記ヒータを備え温度制御を行なうことにより原反シート10aの加熱温度を進行方向で変化させるようにしてもよい。
第二の加熱プレート46は、第一の加熱プレート36と同様の構成とされている。
第一の冷却プレート38は、第一の無端ベルト32を介して原反シート10aを冷却できるものであればよく、例えば、ステンレス製やアルミニウム製等の立方体の筐体内に冷媒が通流されるもの等が挙げられる。
冷媒としては、10度〜35度のエアー及び水,オイル等の液体のいずれか一方又は双方が用いられている。
冷媒としては、10度〜35度のエアー及び水,オイル等の液体のいずれか一方又は双方が用いられている。
第一の冷却プレート38の例として、それぞれの内部に通水できる流路が設けてありそこに冷却水を通す方法や、第一の冷却プレート38の側方からノズルによりエアーをこれら第一の冷却プレート38に対して吹き付ける方法などが挙げられる。
第二の冷却プレート48は、第一の冷却プレート38と同様の構成とされている。
以上の構成の下に、第一及び第二の冷却プレート38,48は、これら第一及び第二の冷却プレート38,48間を通過した架橋シート10bを、この架橋シート10bに含まれる熱可塑性樹脂の融点より20度低い温度以上融点以下に冷却するようになっている。
第二の冷却プレート48は、第一の冷却プレート38と同様の構成とされている。
以上の構成の下に、第一及び第二の冷却プレート38,48は、これら第一及び第二の冷却プレート38,48間を通過した架橋シート10bを、この架橋シート10bに含まれる熱可塑性樹脂の融点より20度低い温度以上融点以下に冷却するようになっている。
図1に示すように、反転ロール13Aとしては、公知のガイドロールが挙げられる。
反転ロール群13Bは、3つのガイドロールからなり、これらが、架橋シート10bの進行方向に並設されている。
反転ロール群13Bは、3つのガイドロールからなり、これらが、架橋シート10bの進行方向に並設されている。
発泡装置4としては、任意の温度に加熱され発泡剤が分解する温度まで昇温し、目的の発泡度を発現させるものであればよく、温風加熱炉、近赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉などが挙げられ、それぞれ単独で用いるか組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、発泡シート全体に気孔を均一に形成させる観点から、発泡装置4は、加熱炉5と発泡炉6とで構成されている。
本実施形態においては、発泡シート全体に気孔を均一に形成させる観点から、発泡装置4は、加熱炉5と発泡炉6とで構成されている。
加熱炉5には、架橋シート10bの通路54が形成され、通路54を挟んで2つの近赤外線ヒータ55が対向して設けられている。
近赤外線ヒータ55は、複数の棒状のヒータランプ(不図示)が、所定のピッチで互いに平行に設けられている。不図示のヒータランプは、波長が2.5μm以下の電磁波である近赤外線を放出するようになっている。
近赤外線ヒータ55は、複数の棒状のヒータランプ(不図示)が、所定のピッチで互いに平行に設けられている。不図示のヒータランプは、波長が2.5μm以下の電磁波である近赤外線を放出するようになっている。
近赤外線ヒータ55の各ヒータランプの表面と、架橋シート10bの表面との間の距離は、例えば、架橋シート10bの厚さが0.5mm〜10mmの場合には、3cm〜25cmが好ましく、5cm〜20cmがより好ましい。ヒータランプと架橋シート10bとの距離が上記下限値未満では、架橋シート10bの搬送中に近赤外線ヒータ55の表面と架橋シート10bとが接触してしまうおそれがあり、上記上限値より大きい場合は、近赤外線が拡散してしまい、架橋シート10bの加熱効率が低下するおそれがある。
発泡炉6は、熱風により架橋シート10bを加熱して、発泡剤を発泡させて、シート状の熱可塑性樹脂発泡体(以下、発泡シートということがある)10cにするものである。
発泡炉6には、熱風ノズル(不図示)が設けられ、熱風ノズルは、熱風を送出することにより、発泡炉6内を任意の温度にする。
発泡炉6には、熱風ノズル(不図示)が設けられ、熱風ノズルは、熱風を送出することにより、発泡炉6内を任意の温度にする。
冷却ロール群7は、3つの冷却ロールで構成され、各冷却ロールの内部には、冷却水が通流されている。発泡炉6から送り出されてきた発泡シート10cは、冷却ロール群7に掛け回されて、冷却される。
巻取機8は、冷却ロール群7で冷却された発泡シート10cをロール状に巻き取るものであればよい。
巻取機8は、冷却ロール群7で冷却された発泡シート10cをロール状に巻き取るものであればよい。
(熱可塑性樹脂発泡体の製造方法)
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法の一例について、図面を参照して説明する。
本実施形態の可塑性樹脂発泡体の製造方法は、押出工程と、架橋工程と、発泡工程と、冷却工程と、巻取工程とを有する。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法の一例について、図面を参照して説明する。
本実施形態の可塑性樹脂発泡体の製造方法は、押出工程と、架橋工程と、発泡工程と、冷却工程と、巻取工程とを有する。
<押出工程>
まず、図1に示すように熱可塑性樹脂、架橋剤、発泡剤及び必要に応じて任意成分等の原料をホッパー21に投入する。そして押出機2で、原料を溶融混合して熱可塑性樹脂組成物とし、これを金型22からシート状に押し出して原反シート10aを得る。なお、押出機2で成形された原反シート10aにおいて、熱可塑性樹脂は架橋されていない。
まず、図1に示すように熱可塑性樹脂、架橋剤、発泡剤及び必要に応じて任意成分等の原料をホッパー21に投入する。そして押出機2で、原料を溶融混合して熱可塑性樹脂組成物とし、これを金型22からシート状に押し出して原反シート10aを得る。なお、押出機2で成形された原反シート10aにおいて、熱可塑性樹脂は架橋されていない。
熱可塑性樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、熱可塑性樹脂の量や、架橋剤の種類等を勘案して決定され、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜2.5質量部が好ましく、0.8〜2.0質量部がより好ましい。上記下限値未満では、熱可塑性樹脂の表層のゲル分率を十分に高められないおそれがあり、上記上限値より大きいとしても、熱可塑性樹脂の表層のゲル分率を架橋剤の量に見合うほどに高められないおそれがある。
熱可塑性樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、発泡シート10cに求める気孔率や発泡剤の種類等を勘案して決定され、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜55質量部が好ましく、5〜45質量部がより好ましい。
任意成分として、アクリル系多官能モノマーを用いる場合、熱可塑性樹脂組成物中のアクリル系多官能モノマーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.1〜8質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
押出工程における温度条件は、熱可塑性樹脂が溶融し、かつ熱可塑性樹脂が架橋せず、発泡剤が発泡しない温度とされる。
原反シート10aの厚さは、発泡シート10cとして所望する厚さを勘案して決定され、例えば、0.5mm〜7mmが好ましい。
<架橋工程>
図2に示す第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46を任意の温度に設定し、第一の冷却プレート38及び第二の冷却プレート48を任意の温度に設定する。その上で、第一の無端ベルト32を矢印X1方向に回転させ、第二の無端ベルト42を第一の無端ベルト32と同速度で矢印X2方向に回転させる。そうすると、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42は、これらが互いに対向して原反シート10aを挟持し送出を開始する通路54の上流側において加熱プレート36,46間を所定の速度で通過し、この通過中に加熱プレート36,46により加熱される。
図2に示す第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46を任意の温度に設定し、第一の冷却プレート38及び第二の冷却プレート48を任意の温度に設定する。その上で、第一の無端ベルト32を矢印X1方向に回転させ、第二の無端ベルト42を第一の無端ベルト32と同速度で矢印X2方向に回転させる。そうすると、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42は、これらが互いに対向して原反シート10aを挟持し送出を開始する通路54の上流側において加熱プレート36,46間を所定の速度で通過し、この通過中に加熱プレート36,46により加熱される。
このようにして架橋機3を駆動した状態で、押出工程で得られた原反シート10aを架橋機3内に案内する。案内された原反シート10aは、第一の無端ベルト32と第二の無端ベルト42とに挟持され、徐々に加熱されつつ矢印Y方向に進行する。そして、原反シート10aは、第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46によって任意の温度に加熱されて、樹脂組成物の一部又は全部が架橋される。
この際、原反シート10aの表面は、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42により覆われているため、架橋反応を阻害する酸素の接触が抑制された状態となっている。このため、架橋反応が酸素により阻害されず、架橋シート10bの表層のゲル分率を高められる。
次いで、架橋処理が施された架橋シート10bは、第一の冷却プレート38と第二の冷却プレート48とにより、架橋シート10bに含まれた熱可塑性樹脂の表面温度がその融点より20度低い温度以上融点以下まで冷却される。本発明において表面温度とは、非接触の表面温度計により測定した値をいう。
表面温度が熱可塑性樹脂の融点より20℃低い温度未満であると、剥離への影響は小さいが冷却するための設備長さが長くなり、また、次の発泡工程で発泡温度まで昇温するためのエネルギーロスが大きくなり加熱時間も長く必要になることから、20℃低い温度以上であることが好ましい。
表面温度が熱可塑性樹脂の融点より20℃低い温度未満であると、剥離への影響は小さいが冷却するための設備長さが長くなり、また、次の発泡工程で発泡温度まで昇温するためのエネルギーロスが大きくなり加熱時間も長く必要になることから、20℃低い温度以上であることが好ましい。
冷却後、架橋シート10bの表面は、第一及び第二の無端ベルト32,42の先端から剥離される。この際、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42は、剥離力が低剥離のものを用いないと、架橋シート10bの表面温度を融点以下まで冷却しても架橋シート10bの内部が融点以上になっているため変形させることなく剥離させ難くなる。しかし、第一及び第二の無端ベルト32,42の表面には剥離力が0.60N/5cm以下のフッ素樹脂が成膜されているため、架橋シート10bの表面は、第一及び第二の無端ベルト32,42の先端から容易に剥離される。
第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46での加熱温度は、架橋剤による架橋反応が生じ、かつ発泡剤が発泡しない(分解しない)温度であり、架橋剤の種類等に応じて適宜決定される。
架橋工程で得られた架橋シート10bの表層のゲル分率は、内層のゲル分率との比率で50%以上が好ましい。上記下限値以上であれば、後述する発泡工程で処理された際に、気孔が均一に保持され、発泡工程において表面が高温に晒された時に酸化劣化が発現し難い。
<発泡工程>
架橋工程で得られた架橋シート10bは、図1に示すように反転ロール13A、反転ロール群13Bに掛け回されて、鉛直方向下方に向けられ、発泡装置4に案内される。案内された架橋シート10bは、近赤外線ヒータ(加熱炉)55で任意の温度で架橋シート10bが変形しない任意の発泡度以内となるように加熱される(第一の発泡操作)。
発泡度は、発泡シート10cの発泡倍率(最終発泡倍率)に対する、任意の時点での発泡倍率の割合で表される。発泡倍率は、任意の発泡度の試験片を水に浸漬することで発泡反応を停止した後、試験片を常温(25℃±15℃:JIS Z8703)で24時間乾燥し、これをJIS Z8807に準拠して密度を求める。また、未発泡の架橋シートと同様に密度を求め、下記(1)式により算出される。
架橋工程で得られた架橋シート10bは、図1に示すように反転ロール13A、反転ロール群13Bに掛け回されて、鉛直方向下方に向けられ、発泡装置4に案内される。案内された架橋シート10bは、近赤外線ヒータ(加熱炉)55で任意の温度で架橋シート10bが変形しない任意の発泡度以内となるように加熱される(第一の発泡操作)。
発泡度は、発泡シート10cの発泡倍率(最終発泡倍率)に対する、任意の時点での発泡倍率の割合で表される。発泡倍率は、任意の発泡度の試験片を水に浸漬することで発泡反応を停止した後、試験片を常温(25℃±15℃:JIS Z8703)で24時間乾燥し、これをJIS Z8807に準拠して密度を求める。また、未発泡の架橋シートと同様に密度を求め、下記(1)式により算出される。
試験片の発泡倍率(倍)
=(任意の発泡度の試験片の密度)÷(未発泡の架橋シートの密度)・・・(1)
=(任意の発泡度の試験片の密度)÷(未発泡の架橋シートの密度)・・・(1)
また、発泡度は、下記(2)式により算出される。
発泡度(%)=(試験片の発泡倍率)÷(最終発泡倍率)×100 ・・・(2)
発泡度(%)=(試験片の発泡倍率)÷(最終発泡倍率)×100 ・・・(2)
第一の発泡操作における架橋シート10bに対する加熱温度は、発泡剤が発泡する温度とされ、例えば、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いた場合は、架橋シート10bの表面温度160〜205℃となる温度で、架橋シート10bを加熱することが好ましい。
第一の発泡操作における加熱時間は、加熱温度等を勘案して適宜決定される。
第一の発泡操作で処理された架橋シート10bの発泡度は、20%以下が好ましい。発泡度を20%以下にすることで、架橋シート10bが変形するのを防止できる。
なお、加熱温度と加熱時間との調節により、発泡度を容易に調整できる。
第一の発泡操作における加熱時間は、加熱温度等を勘案して適宜決定される。
第一の発泡操作で処理された架橋シート10bの発泡度は、20%以下が好ましい。発泡度を20%以下にすることで、架橋シート10bが変形するのを防止できる。
なお、加熱温度と加熱時間との調節により、発泡度を容易に調整できる。
第一の発泡操作を経た架橋シート10bは、発泡炉6で加熱される。架橋シート10bは、発泡炉6で加熱されると、残存する発泡剤が発泡して、発泡シート10cになる(第二の発泡操作)。本実施形態においては、第一の発泡操作と第二の発泡操作とで、発泡工程が構成される。
第二の発泡操作における加熱温度(即ち、発泡炉6内の温度)は、発泡剤の特性と発泡シート10cに求める最終発泡倍率に応じて適宜決定される。例えば、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いた場合には、発泡炉6内の温度は、230〜280℃が好ましい。
第二の発泡操作における加熱温度(即ち、発泡炉6内の温度)は、発泡剤の特性と発泡シート10cに求める最終発泡倍率に応じて適宜決定される。例えば、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いた場合には、発泡炉6内の温度は、230〜280℃が好ましい。
その後、発泡シート10cは、冷却ロール群7に掛け回されて、任意の温度に冷却される。冷却後の発泡シート10cの温度は、例えば、常温〜70℃が好ましい。
また、発泡シート10cは、冷却ロール群7にて表裏面を交互に接触させることにより効率的かつ均一に任意の温度まで冷却することができる。
冷却された発泡シート10cは、巻取機8で巻き取られ、巻回体となる。
また、発泡シート10cは、冷却ロール群7にて表裏面を交互に接触させることにより効率的かつ均一に任意の温度まで冷却することができる。
冷却された発泡シート10cは、巻取機8で巻き取られ、巻回体となる。
以上のとおり、本実施形態によれば、架橋された架橋シート10bは、第一の冷却プレート38と第二の冷却プレート48とにより、架橋シート10bに含まれた熱可塑性樹脂の表面温度が前記熱可塑性樹脂の融点(なお、熱可塑性樹脂が複数の樹脂材料からなる場合は、熱可塑性樹脂の単独での融点が低い方の融点温度(JIS K7121)より測定されるものをいう)より20度低い温度以上融点以下に冷却されるまで固化される。
そして、第一及び第二の無端ベルト32,42の剥離力が0.60N/5cm以下に設定されている。よって、架橋機3によれば、架橋シート10bの粘性でその表面を第一及び第二の無端ベルト32,42からの剥離により変形させることなく、第一及び第二の無端ベルト32,42の先端から容易に剥離することができるという効果が得られる。
なお、加熱体としての第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46は、上記したように、それぞれ第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42に備えられていることが好ましいが、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、原反シート10aが適切に架橋されるのであれば、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42のいずれかのみが加熱体(すなわち第一の加熱プレート36又は第二の加熱プレート46)を備えた構成であってもよい。
また、冷却体としての第一の冷却プレート38及び第二の冷却プレート48は、上記したように、それぞれ第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42に備えられていることが好ましいが、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、架橋シート10bが適切に冷却されるのであれば、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42のいずれかのみが冷却体(すなわち第一の冷却プレート38又は第二の冷却プレート48)を備えた構成であってもよい。
次に本発明の第2の実施形態について図2,図3,図4を用いて説明する。本実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の架橋機3は、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42の平板面に厚さ方向に貫通する貫通孔31,41が複数間隔をおいて形成されている点において第1の実施形態における第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42と異なっている。
また、第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46に架橋シート10bから発生したガスを流動させる凹条37,47が形成されている点で第1の実施形態の第一の加熱プレート36と第二の加熱プレート46と異なっている。
また、第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46に架橋シート10bから発生したガスを流動させる凹条37,47が形成されている点で第1の実施形態の第一の加熱プレート36と第二の加熱プレート46と異なっている。
第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42に形成された貫通孔31の形状は、特に限定されず、軸線方向に視て真円形、楕円形等の円形でもよいし、三角形、四角形等の多角形でもよい。
貫通孔31は、全てが同じ形状でもよいし、相互に異なってもよい。
一つの貫通孔31の開孔面積は、0.05〜0.5mm2が好ましく、0.08〜0.4mm2がより好ましい。
貫通孔31は、全てが同じ形状でもよいし、相互に異なってもよい。
一つの貫通孔31の開孔面積は、0.05〜0.5mm2が好ましく、0.08〜0.4mm2がより好ましい。
貫通孔31の開孔面積が上記上限値より大きい場合は、原反シート10aの表面が酸素と接触しやすくなり、架橋シート10bの表層のゲル分率を十分に高められない。また、原反シート10aの表面樹脂が開孔部に溶出し表面に凸部が生じ、表面の平滑性が失われる。開孔面積が上記下限値未満では、後述する架橋工程で原反シート10aから生じたガスが通流しにくくなり、大きな空隙や凹みが形成されやすくなる。
なお、表層は、架橋シート10bの表面から0.5mmの深さまでの部分をいい、ゲル分率は、JIS K6796に準拠して求められる値である。
なお、表層は、架橋シート10bの表面から0.5mmの深さまでの部分をいい、ゲル分率は、JIS K6796に準拠して求められる値である。
第一の無端ベルト32が原反シート10bと接触する一定の領域Sの面積に対する貫通孔31の開孔面積の合計の割合、即ち、(領域Sにおける貫通孔の開孔面積の合計)/(領域Sの面積)×100で表される開孔率は、0.5%以上3%以下であり、0.8〜2.5%が好ましい。開孔率が上記上限値より大きい場合は、原反シート10aの表面が酸素と接触しやすくなり、表層のゲル分率を十分に高められない。開孔率が上記下限値未満では、後述する架橋工程で原反シート10aから生じたガスが通流しにくくなり、大きな空隙や凹みが形成されやすくなる。
第一の無端ベルト32の長さ方向における貫通孔31同士の距離D1は、貫通孔31の大きさ等を勘案して決定され、例えば、1.5〜8.0mmが好ましく、2.0〜6.0mmがより好ましい。上記下限値未満では、原反シート10aの表面への酸素の接触量が多くなり、表層のゲル分率が低くなるおそれがある。上記上限値より大きい場合、後述する架橋工程で原反シート10aから生じたガスが通流しにくくなり、大きな空隙や凹みが形成されやすくなるおそれがある。
第一の無端ベルト32の幅方向における貫通孔31同士の距離D2は、貫通孔31の大きさ等を勘案して決定され、例えば、1.5〜8.0mmが好ましく、2.0〜6.0mmがより好ましい。上記下限値未満では、原反シート10aの表面への酸素の接触量が多くなり、表層のゲル分率が低くなるおそれがある。上記上限値より大きい場合は、後述する架橋工程で原反シート10aから生じたガスが通流しにくくなり、大きな空隙や凹みが形成されやすくなるおそれがある。
距離D1とD2は、上記範囲において、開孔面積と開孔率の範囲を守られる距離により適宜設定すればよい。
距離D1とD2は、上記範囲において、開孔面積と開孔率の範囲を守られる距離により適宜設定すればよい。
第二の無端ベルト42の貫通孔41は、その形状,開口面積,開口率,他の貫通孔41との間隔D1,D2において、第一の無端ベルト32の貫通孔31と同様に形成されているが、異なっていてもよい。
図2,図4に示すように、第一の加熱プレート36における第一の無端ベルト32と接する当接部36aには、第一の無端ベルト32の移動方向(一方向)である矢印Y方向に直交する方向、すなわち第一の無端ベルト32の幅方向(紙面奥行き方向)に延びる凹条37が形成されている。
この凹条37は、第一の無端ベルト32に当接する側に開口しているとともに、第一の無端ベルト32の幅方向における第一の加熱プレート36の両側端に亘って貫通するように形成されている。凹条37を形成することで、後述する架橋工程で原反シート10aから生じたガスは、貫通孔31を通流し、その後、凹条37に収集されて、凹条37の延在方向の両端から排出される。即ち、凹条37は、「貫通孔を通流したガスを排出する流路」を構成している。
凹条37の幅Wは、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上20mm以下の範囲で設けられていることが好ましく、1mm以上15mm以下の範囲で設けられていることが更に好ましい。0.5mm未満では、原反シート10aから生じたガスが排出されにくくなるおそれがあり、20mmより大きい寸法であると、第一の加熱プレート36と第一の無端ベルト32との接触面積が小さくなって、原反シート10aに対する加熱効率が低下するおそれがある。
また、凹条37は、矢印Y方向に10mm以上の間隔をおいて複数形成されていることが好ましい。凹条37が複数設けられていることによって、ガスの排出を効果的に行うとともに、10mm以上の間隔を置くことにより、第一の加熱プレート36と第一の無端ベルト32との接触面積が小さくなって、原反シート10aに対する加熱効率が低下するのを回避するためである。
このように、第一の無端ベルト32及び第二の無端ベルト42に複数の貫通孔31,41が形成され、また、第一の加熱プレート36及び第二の加熱プレート46に凹条37,47が形成されている場合、架橋機3の作用及び機能は以下のようになる。
すなわち、原反シート10aが加熱されると、架橋剤が分解されガスが発生するが、架橋剤が分解したガスは、第一及び第二の無端ベルト32,42に形成された貫通孔31及び貫通孔41内に順次進入する。
すなわち、原反シート10aが加熱されると、架橋剤が分解されガスが発生するが、架橋剤が分解したガスは、第一及び第二の無端ベルト32,42に形成された貫通孔31及び貫通孔41内に順次進入する。
そして、第一及び第二の無端ベルト32,42の回転に伴い、複数の貫通孔31,31・・,貫通孔41,41・・が第一及び第二の加熱プレート36,46に所定の間隔をおいて形成された凹条37,37・・,凹条47,47・・を通過する。したがって、貫通孔31,41内に漸次進入したガスは、凹条37,47内に漸次押し出されてこれら凹条37,47内に収集され、原反シート10aの表面から除去されていく。
そして、貫通孔31,41が通過する度に凹条37,47内にガスが漸次進入するため、凹条37,47の両端からガスが外方に排出される。
その結果、原反シート10aの表面にガスが滞留したまま架橋することが回避され、表面に大きな空隙が形成されたり、架橋シート10bの側面に凹みが形成されたりすることなく架橋シート10bが形成される。
また、第一及び第二の無端ベルト32,42には、任意の大きさの貫通孔31,41が任意の開孔率となるように形成されているため、架橋シート10bをより一層容易に剥離することができる。
その結果、原反シート10aの表面にガスが滞留したまま架橋することが回避され、表面に大きな空隙が形成されたり、架橋シート10bの側面に凹みが形成されたりすることなく架橋シート10bが形成される。
また、第一及び第二の無端ベルト32,42には、任意の大きさの貫通孔31,41が任意の開孔率となるように形成されているため、架橋シート10bをより一層容易に剥離することができる。
以上の作用及び機能の下、第2の実施形態の架橋機3は、第1の実施形態の架橋機3が奏する効果に加え、架橋時に発生するガスを原反シート10aの表面から効果的に除去できるため、架橋シート10bの表面に凹み等を形成させること無く、外観に優れた架橋シートを製造できるという効果も得られる。そしてその結果、十分かつ均質に架橋された架橋シート10bを発泡炉6において全体として均質に発泡させることにより、外観に優れた発泡シート10cを製造することができるという効果が得られる。
また、凹条37,47の幅を0.5mm〜20mmの寸法範囲内で形成しているため、原反シート10aから生じたガスを可及的に効率的に排出するとともに、第一及び第二の加熱プレート36,46と第一及び第二の無端ベルト32,42との接触面積を可及的に大きくし、原反シート10aに対する加熱効率が低下することを回避することができる。
したがって、架橋機3は、原反シート10aを効率的に架橋処理できるとともに、架橋により発生するガスの排出を行うことができるという効果が得られる。
したがって、架橋機3は、原反シート10aを効率的に架橋処理できるとともに、架橋により発生するガスの排出を行うことができるという効果が得られる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されない。すなわち、上述した実施形態では、図2に示すように凹条37,47を形成する開口端縁37a,47aは、略垂直な角部を形成しているが、この開口端縁37a,47aは、図5(a),(b)に示すように、面取りされ又は湾曲した面に形成されているとよい。また、面取りは、0.2mm以上の幅寸法で形成されているとよい。
本発明は上述の実施形態に限定されない。すなわち、上述した実施形態では、図2に示すように凹条37,47を形成する開口端縁37a,47aは、略垂直な角部を形成しているが、この開口端縁37a,47aは、図5(a),(b)に示すように、面取りされ又は湾曲した面に形成されているとよい。また、面取りは、0.2mm以上の幅寸法で形成されているとよい。
このように、開口端縁37a,47aが面取りされていると、第一及び第二の無端ベルト32,42が第一及び第二の加熱プレート36,46の凹条37,47を通過する際に、この凹条37,47の角部に引っ掛かることを防止し、円滑に回転させることができる。したがって、第一及び第二の無端ベルト32,42が円滑に回転することで一定の速度で架橋処理を施すことができより均質な架橋シート10bを製造することができるという効果が得られる。また、第一及び第二の無端ベルト32,42が凹条37,47上を円滑に通過することができることにより、第一及び第二の無端ベルト32,42が凹条37,47の角部に引っ掛かって損傷することを防止することができるという効果が得られる。
上述した実施形態では、凹条37,47の断面形状が図2に示すように、溝の底面が円弧状になるように形成されているが、凹条37,47の断面形状は、図2に示すものに限定されず、図5(c)〜(e)に示すように、略矩形,略三角形,半円形,ベース型等と、ガスを効率良くかつ十分に取り込め、更に凹条37,47の両端部から排出し得る形状であればどのようなものであってもよい。
また、上述の実施形態では、「貫通孔を通流したガスを排出する流路」が、第一及び第二の加熱プレート36,46に形成された凹条37,47とされているが、本発明はこれに限定されず、「貫通孔を通流したガスを排出する流路」が、第一及び第二の加熱プレート36,46に形成された貫通孔等であってもよい。
また、上述の実施形態では、第一及び第二の無端ベルト32,42を介して原反シート10aを加熱する加熱体が、第一及び第二の加熱プレート36,46と熱源とで構成されているが、加熱体は、例えば、第一及び第二の無端ベルト32,42に設けられた電熱線等であってもよい。
また、上述の実施形態では、架橋機3が、第一及び第二の無端ベルト32,42で原反シート10aを挟持しつつ加熱する連続式の装置であるが、本発明はこれに限定されず、貫通孔31,41が形成された平板で任意の大きさの原反シート10aを挟持し、これを回分式の発泡炉等で加熱する回分式の架橋機であってもよい。
上述の実施形態では、図1に示す熱可塑性樹脂発泡体の製造装置1が反転ロール13A及び反転ロール群13Bを備えているが、本発明はこれに限定されず、反転ロール13Aや反転ロール群13Bは、熱可塑性樹脂発泡体の製造装置1の設置スペース等を勘案して適宜設けられればよい。
上述の実施形態では、図1に示す加熱炉5と発泡炉6とで、発泡装置4が構成されているが、本発明はこれに限定されず、加熱炉5及び発泡炉6のいずれか一方のみで発泡装置4が構成されていてもよい。ただし、発泡シート10c全体に気孔を均一に形成させる観点から、発泡装置4は、加熱炉5と発泡炉6とで構成されていることが好ましい。
上述の実施形態では、図1に示す熱可塑性樹脂発泡体の製造装置1が冷却ロール群7を備えているが、本発明はこれに限定されず、冷却ロール群7を備えず、空冷等によって発泡シート10cを冷却してもよいし、冷却ロール群7以外の冷却装置を備えてもよい。
上述の実施形態では、発泡シート10cの製造方法を例にして説明しているが、本発明の架橋機3又は架橋方法はこれに限定されない。本発明の架橋機3又は架橋方法は、例えば、発泡剤を含有しない熱可塑性樹脂組成物を用い発泡工程を備えずに、気孔を有しない架橋型の熱可塑性樹脂の成形体の製造方法に適用されてもよい。
以下、本発明について実施例を示して説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す実施例において、「剥離力」は、上記実施形態において説明した方法と同様の方法により測定されたものである。
(製造例1)原反シートの製造
原料として、熱可塑性樹脂である低密度ポリエチレン(ぺトロセン186R、東ソー株式会社製、融点111℃)100質量部と、発泡剤であるアゾジカルボンアミド15質量部と、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(1分半減期温度175℃)1.5質量部とをラボプラストミル(R60、株式会社東洋精機製作所製)に投入した。ラボプラストミルに投入した原料を135℃で3分間混練した後、140℃で3分間プレスし、常温まで空冷して原反シート(長さ15cm×幅5cm×厚さ0.4cm)を得た。
原料として、熱可塑性樹脂である低密度ポリエチレン(ぺトロセン186R、東ソー株式会社製、融点111℃)100質量部と、発泡剤であるアゾジカルボンアミド15質量部と、架橋剤であるジクミルパーオキサイド(1分半減期温度175℃)1.5質量部とをラボプラストミル(R60、株式会社東洋精機製作所製)に投入した。ラボプラストミルに投入した原料を135℃で3分間混練した後、140℃で3分間プレスし、常温まで空冷して原反シート(長さ15cm×幅5cm×厚さ0.4cm)を得た。
(実施例1)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.53N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS27FG−P 三つ星ベルト株式会社製)により構成された無端ベルト(伝熱板)を得た。
この無端ベルトを第一の無端ベルト及び第二の無端ベルトとして幅15cm、長さ30cmのプレート型ヒーター(三晃電気社製)を3つ並べ、架橋装置を作製した。
得られた架橋装置を用い、製造例1で得られた原反シートを15秒間で190℃に昇温し、190℃を40秒間維持し、次いで幅15cm、長さ30cm、厚さ1.5cmのプレートに挟み、サイドからエアーノズルにより30秒間で105℃に冷却した。その後、第1の無端ベルト及び第2の無端ベルトから剥離して架橋シートを得た。架橋シートの表面温度は、放射温度計(IT−550S,堀場製作所社製)により測定した。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.53N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS27FG−P 三つ星ベルト株式会社製)により構成された無端ベルト(伝熱板)を得た。
この無端ベルトを第一の無端ベルト及び第二の無端ベルトとして幅15cm、長さ30cmのプレート型ヒーター(三晃電気社製)を3つ並べ、架橋装置を作製した。
得られた架橋装置を用い、製造例1で得られた原反シートを15秒間で190℃に昇温し、190℃を40秒間維持し、次いで幅15cm、長さ30cm、厚さ1.5cmのプレートに挟み、サイドからエアーノズルにより30秒間で105℃に冷却した。その後、第1の無端ベルト及び第2の無端ベルトから剥離して架橋シートを得た。架橋シートの表面温度は、放射温度計(IT−550S,堀場製作所社製)により測定した。
(実施例2)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.53N/5cmとしたフッ素樹脂ベルト(NS27FG−P 三つ星ベルト株式会社製)に開孔径φ0.34mm(開孔面積0.09mm2)の貫通孔を形成した無端ベルト(伝熱板)を得た。本例の無端ベルトの長さ方向における貫通孔同士の距離は2.7mm、無端ベルトの幅方向における貫通孔同士の距離は2.7mm、無端ベルトが架橋シートと接する領域の無端ベルトの開孔率は1.2%とした。この無端ベルトを第一の無端ベルト及び第二の無端ベルトとして架橋装置を作製した。
得られた架橋装置を用い、製造例1で得られた原反シートを実施例1と同様にして15秒間で190℃に昇温し、190℃を40秒間維持し、次いで30秒間で105℃に冷却して、架橋シートを得た。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.53N/5cmとしたフッ素樹脂ベルト(NS27FG−P 三つ星ベルト株式会社製)に開孔径φ0.34mm(開孔面積0.09mm2)の貫通孔を形成した無端ベルト(伝熱板)を得た。本例の無端ベルトの長さ方向における貫通孔同士の距離は2.7mm、無端ベルトの幅方向における貫通孔同士の距離は2.7mm、無端ベルトが架橋シートと接する領域の無端ベルトの開孔率は1.2%とした。この無端ベルトを第一の無端ベルト及び第二の無端ベルトとして架橋装置を作製した。
得られた架橋装置を用い、製造例1で得られた原反シートを実施例1と同様にして15秒間で190℃に昇温し、190℃を40秒間維持し、次いで30秒間で105℃に冷却して、架橋シートを得た。
(実施例3)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.53N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(NS27FG−P 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30秒間で95℃とした以外は実施例2と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.53N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(NS27FG−P 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30秒間で95℃とした以外は実施例2と同様である。
(実施例4)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.35N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(FGC501−21−2 中興ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30秒間で95℃とした以外は実施例2と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.35N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(FGC501−21−2 中興ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30秒間で95℃とした以外は実施例2と同様である。
(比較例1)原反シートの架橋後、第一及び第二の加熱プレート36,46による加熱を止めたが、空冷や水冷等の冷却手段による冷却をしなかった以外は実施例1と同様である。
(比較例2)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.35N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(FGC501−21−2 中興ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後後、第一及び第二の加熱プレート36,46による加熱を止めたが、空冷や水冷等の冷却手段による冷却をしなかった以外は実施例2と同様である。
(比較例3)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.35N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(FGC501−21−2 中興ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後後、第一及び第二の加熱プレート36,46による加熱を止めたが、空冷や水冷等の冷却手段による冷却をしなかった以外は実施例2と同様である。
(比較例3)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様である。
(比較例4)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を95℃にした以外は実施例1と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を95℃にした以外は実施例1と同様である。
(比較例5)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を80℃にした以外は実施例1と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔無しのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を80℃にした以外は実施例1と同様である。
(比較例6)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を80℃にした以外は実施例2と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を80℃にした以外は実施例2と同様である。
(参考例1)
原反シートの架橋後の冷却温度を130℃にした以外は実施例1と同様である。
原反シートの架橋後の冷却温度を130℃にした以外は実施例1と同様である。
(参考例2)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.35N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(FGC501−21−2 中興ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30秒間で130℃とした以外は実施例2と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.35N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(FGC501−21−2 中興ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30秒間で130℃とした以外は実施例2と同様である。
(参考例3)
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30℃にした以外は実施例2と同様である。
アラミド繊維の織物をPTFEでコーティングし、剥離力を0.81N/5cmとした孔有りのフッ素樹脂ベルト(NS22FG−S 三つ星ベルト株式会社製)を使用し、原反シートの架橋後の冷却温度を30℃にした以外は実施例2と同様である。
<剥離性>
各例で架橋シートをフッ素樹脂ベルトより剥離した後の状況を下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:架橋シートがベルトから変形せずに取り出せる。
△:架橋シートがベルトからわずかな変形で取り出された。
×:架橋シートがベルトに付着して取り出した後、変形が見られる。
各例で架橋シートをフッ素樹脂ベルトより剥離した後の状況を下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:架橋シートがベルトから変形せずに取り出せる。
△:架橋シートがベルトからわずかな変形で取り出された。
×:架橋シートがベルトに付着して取り出した後、変形が見られる。
<表面の凹凸>
各例で架橋シートをフッ素樹脂ベルトより取り出した後の表面の凹凸を下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:目視で架橋シートの表面に凹凸なく平滑であった。
×:目視で架橋シートの表面に凹凸があった。
各例で架橋シートをフッ素樹脂ベルトより取り出した後の表面の凹凸を下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:目視で架橋シートの表面に凹凸なく平滑であった。
×:目視で架橋シートの表面に凹凸があった。
<発泡評価>
各例の架橋シートをフッ素樹脂ベルトより取り出した直後に210℃に設定した熱風式オーブン(発砲炉)に投入し、発泡が完了するまでの時間を測定し下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:投入開始から5min以内に発泡完了した
△:投入開始から5min以上7min以内で発泡完了した
×:投入開始から7min以上で発泡完了した
各例の架橋シートをフッ素樹脂ベルトより取り出した直後に210℃に設定した熱風式オーブン(発砲炉)に投入し、発泡が完了するまでの時間を測定し下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:投入開始から5min以内に発泡完了した
△:投入開始から5min以上7min以内で発泡完了した
×:投入開始から7min以上で発泡完了した
(評価結果)
比較例1,2に示すように、第一及び第二の無端ベルトの表面の剥離力が0.60N/5cm未満に設定されていても、架橋シートへの加熱を停止するだけで冷却手段により冷却しなかった場合には、架橋シートの剥離性の評価が悪かった。すなわち架橋シートを変形させずに第一及び第二の無端ベルトから取り出せなかった。
比較例1,2に示すように、第一及び第二の無端ベルトの表面の剥離力が0.60N/5cm未満に設定されていても、架橋シートへの加熱を停止するだけで冷却手段により冷却しなかった場合には、架橋シートの剥離性の評価が悪かった。すなわち架橋シートを変形させずに第一及び第二の無端ベルトから取り出せなかった。
また、比較例3〜6に示すように、架橋シートの表面の冷却温度をポリエチレンの融点マイナス20度以上かつポリエチレンの融点以下となるように設定しても、第一及び第二の無端ベルトの表面の剥離力が0.6N/5cmよりも大きくに設定されている場合には、架橋シートの剥離性の評価が悪かった、すなわち架橋シートを変形させずに第一及び第二の無端ベルトから取り出せなかった。
また参考例1,2に示すように、第一及び第二の無端ベルトの表面の剥離力が0.60N/5cm未満に設定されていても、架橋シートの冷却温度が融点(上記実施例においては111℃)よりも僅かに高い場合には、架橋シートの剥離性の評価が悪くはないものの良好ではなく、すなわち架橋シートを変形させずに第一及び第二の無端ベルトから良好には取り出せなかった。
また、参考例3に示すように、第一及び第二の無端ベルトの表面の剥離力が0.6N/5cmよりも大きく設定されている場合であっても、架橋シートの表面の冷却温度がポリエチレンの融点よりも70℃以上低く設定されている場合には、架橋シートの剥離性の評価が良好であった、すなわち架橋シートを変形させずに第一及び第二の無端ベルトから取り出せた。しかし、この場合は、架橋シートの表面温度を融点よりも70℃以上低い温度としているため、次工程である発泡工程で発泡温度まで架橋シートを昇温させるのに時間とエネルギーがかかり、発泡工程を効率的に行えなかった。
これに対し、実施例1〜4のように、冷却温度をポリエチレンの融点未満で融点よりも20℃低い温度以上かつ融点以下に設定するとともに、第一及び第二の無端ベルトの表面の剥離力を0.60N/5cmに設定した場合には、架橋シートの剥離性が良好となり、すなわち架橋シートを変形させずに第一及び第二の無端ベルトから取り出せ、かつ、発泡工程を効率的に行うことができることが分かった。
また、実施例2〜4、比較例2,6及び参考例2,3に示すように、第一及び第二の無端ベルトに所定の開口率で孔が形成されている場合には、架橋シートの表面を平滑に形成することができた。これに対し、実施例1、比較例1,3〜5及び参考例1のように第一及び第二の無端ベルトが孔無しの場合には、架橋シートの表面に凹凸が形成された。このことから、第一及び第二の無端ベルトに孔を形成した場合には、原反シートの架橋の際に発生するガスを孔内に取り込み、架橋シートの表面を変形させることを良好に防止することができることが分かった。
また、比較例5,6のように冷却温度を熱可塑性樹脂の融点よりも20℃以上低い温度に設定した場合には、発泡開始(すなわち架橋シートの発泡炉への投入)から発泡完了までに要する時間が5min以上7min以内となる。そして参考例3のように架橋シートの冷却温度が融点よりも70℃以上低く設定されている場合には、7分以上となり、発泡効率が悪くなることが分かった。
1 熱可塑性樹脂発泡体の製造装置
3 架橋機
5 加熱炉
6 発泡炉
10a 原反シート
10b 架橋シート
10c 発泡シート
31、41 貫通孔
32 第一の無端ベルト
42 第二の無端ベルト
36 第一の加熱プレート
37、47 凹条
46 第二の加熱プレート
3 架橋機
5 加熱炉
6 発泡炉
10a 原反シート
10b 架橋シート
10c 発泡シート
31、41 貫通孔
32 第一の無端ベルト
42 第二の無端ベルト
36 第一の加熱プレート
37、47 凹条
46 第二の加熱プレート
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂及び架橋剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシートを挟持し、一方向に送出する一対の伝熱板と、この伝熱板を介して前記熱可塑性樹脂組成物のシートを加熱し、この熱可塑性樹脂組成物に架橋処理を施す加熱体とを備え、
前記伝熱板の表面には、剥離力が0.60N/5cm以下のフッ素樹脂が成膜され、
前記伝熱板を介して前記シートを少なくとも融点未満に冷却する冷却体が前記加熱体よりも前記一方向の先端側に設けられていることを特徴とする架橋機。 - 前記一対の伝熱板の少なくともいずれか一方には、前記熱可塑性樹脂組成物から生じたガスを通流させる貫通孔が複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の架橋機。
- 請求項1又は2に記載の架橋機と、この架橋機で架橋処理が施された、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシートを加熱し、前記発泡剤を発泡させる発泡炉とを備えていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造装置。
- 剥離力が0.60N/5cm以下のフッ素樹脂が成膜された板面において熱可塑性樹脂及び架橋剤を含有する熱可塑性樹脂組成物のシートを挟持し、一方向に送出する一対の伝熱板と、前記シートが当接する前記伝熱板の板面と反対の板面に当接する当接部を有した加熱体とを備え、この加熱体を加熱し、前記伝熱板を介して前記シートを加熱して前記熱可塑性樹脂組成物に架橋処理を施し、
その後、前記シートの架橋後に前記伝熱板を介して前記シートを冷却し、
前記シートの冷却後、前記伝熱板から前記シートを剥離することを特徴とする熱可塑性樹脂の架橋方法。 - 前記シートの表面温度を、前記熱可塑性樹脂の融点よりも20度低い温度以上融点以下に冷却することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂の架橋方法。
- 請求項4又は5に記載の架橋方法により架橋された熱可塑性樹脂に含有された発泡剤を発泡させることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014074000A JP2015037866A (ja) | 2013-07-17 | 2014-03-31 | 架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 |
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JP2013148953 | 2013-07-17 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015020309A (ja) * | 2013-07-17 | 2015-02-02 | 積水化学工業株式会社 | 架橋機及び熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに熱可塑性樹脂の架橋方法及び熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014074000A patent/JP2015037866A/ja active Pending
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