JP2006264071A - 樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートを製造した際に、所望の断面形状を得ることができ、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供する。
【解決手段】ダイ12より押し出した樹脂材料14を型ローラ16とニップローラ24とで挟圧し、型ローラ16表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写し、ダイ52より押し出した樹脂材料54を型ローラ56とニップローラ58とで挟圧し、型ローラ54表面の凹凸形状を樹脂材料54に転写し剥離ローラ64に巻き掛けることにより型ローラ56より剥離し、剥離後の樹脂材料54を転写後の樹脂材料14に対し、樹脂材料54の非転写面が樹脂材料14の非転写面と密着するように供給し、第両樹脂材料の積層体を型ローラ16と剥離ローラ24とで挟圧し、挟圧後の積層体を剥離ローラ24に巻き掛けることにより型ローラ16より剥離する。
【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂シートの製造方法に係り、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法に関する。
各種光学素子に使用される樹脂シートとして、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等が様々な分野で使用されている。このような樹脂シートの表面には、規則的な凹凸形状が形成されており、この凹凸形状により、フレネルレンズやレンチキュラーレンズとしての光学的性能を発揮している。
このような樹脂シートを製造する方法として、これまでに各種の提案がなされている(特許文献1〜4参照)。これらの提案においては、いずれも、生産性向上の観点よりローラ成形方式が採用されている。
たとえば、特許文献1は、樹脂シートをローラから剥離するまでの間の冷却手段に工夫を施すことにより、転写性の向上を図っている。特許文献2は、ローラに金型を巻き付けてフレネルレンズを製造する方法を開示している。
特許文献3は、成形ローラの内部に熱緩衝部材を配して、生産性及び転写性の向上を図っている。特許文献4は、コロナ放電処理を採用することにより、転写性の向上、欠陥の低減を図っている。
これら従来技術の代表的なローラ成形方式は、図5に示される構成のようになっている。この装置構成は、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料1をシート状に賦形するためのシート用のダイ2と、表面に凹凸形状が形成されたスタンパーローラ3と、スタンパーローラ3に対向配置される鏡面ローラ4と、スタンパーローラ3に対向するとともに、鏡面ローラ4の反対側に配置される剥離用鏡面ローラ5よりなる。
そして、ダイ2より押し出したシート状の樹脂材料1を、スタンパーローラ3と鏡面ローラ4とで挟圧し、スタンパーローラ3表面の凹凸形状を樹脂材料1に転写し、樹脂材料1を剥離用鏡面ローラ5に巻き掛けることによりスタンパーローラ3より剥離する。
特開平8−31025号公報 特開平7−314567号公報 特開2003−53834号公報 特開平8−287530号公報
しかしながら、上記従来の提案は、いずれも、比較的薄肉の樹脂シートを製造する方法に関するものであり、比較的厚肉の樹脂シートの製造には適していない。特に、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートを製造した場合には、所望の断面形状を得るのが非常に困難である。
たとえば、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)を押し出し後にローラ成形する際に、幅方向に厚さ分布を付け、最厚肉部と最薄肉部との厚さの差を1mm以上とした場合、表面又は裏面に凹凸(樹脂の硬化時の収縮による引け、弾性回復量分布)を生じたり、全体的に表面形状転写率が低下したり、シャープエッジ形状が転写できなかったり、各種の問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートを製造した際に、所望の断面形状を得ることができ、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、第1のダイより押し出したシート状の第1の樹脂材料を第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1のニップローラとで挟圧し、該第1の型ローラ表面の凹凸形状を前記第1の樹脂材料に転写し、第2のダイより押し出したシート状の第2の樹脂材料を第2の型ローラと該第2の型ローラに対向配置される第2のニップローラとで挟圧し、該第2の型ローラ表面の凹凸形状を前記第2の樹脂材料に転写し、転写後の前記第2の樹脂材料を前記第2の型ローラに対向配置される第2の剥離ローラに巻き掛けることにより該第2の型ローラより剥離し、剥離後の前記第2の樹脂材料を転写後の前記第1の樹脂材料に対し、該第2の樹脂材料の非転写面が該第1の樹脂材料の非転写面と密着するように供給し、該第1の樹脂材料と第2の樹脂材料との積層体を前記第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1の剥離ローラとで挟圧し、挟圧後の前記積層体を前記第1の剥離ローラに巻き掛けることにより前記第1の型ローラより剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、第1の型ローラ表面の凹凸形状を第1の樹脂材料に転写し、第2の型ローラ表面の凹凸形状を第2の樹脂材料に転写し、転写後の第2の樹脂材料を第1の樹脂材料に対し、第2の樹脂材料の非転写面が第1の樹脂材料の非転写面と密着するように供給し、これらの積層体を第1の型ローラと第1の剥離ローラとで挟圧し、挟圧後の積層体を第1の型ローラより剥離する。
このように、別々に転写成形した2種の樹脂材料を積層することにより、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、成型直後に発生する裏面凹凸が生じにくく、所望の断面形状を得ることができる。
この場合、たとえば、第1の型ローラにより幅方向の厚さ分布が大きい凹凸形状を形成し、第2の型ローラにより平坦形状を形成し、両者を積層させることにより、裏面(第2の型ローラ側)のレべリングがなされ、裏面凹凸が生じにくく、所望の断面形状を得ることができる。
すなわち、本明細書において、「第2の型ローラ表面の凹凸形状」とは、凹凸のない平坦形状をも含む広い意味での形状を指すものである(第1の型ローラでも可)。
また、たとえば、第1の型ローラにより幅方向の厚さ分布が大きい凹凸形状を形成し、第2の型ローラにより幅方向の厚さ分布がこれより小さい凹凸形状を形成し、両者を積層させることにより、表裏面に所望の断面形状を得ることができる。たとえば、表面側にレンチキュラーレンズを形成するとともに、裏面側にこれより1桁以上微細ピッチの凹凸形状を形成し、散乱面とするような構成である。
また、本発明は、第1のダイより押し出したシート状の第1の樹脂材料を第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1のニップローラとで挟圧し、該第1の型ローラ表面の凹凸形状を前記第1の樹脂材料に転写し、連続走行するシート材の表面に第2のダイより押し出した放射線硬化樹脂材料を塗布し、該放射線硬化樹脂材料が第2の型ローラ側に、前記シート材が第2のニップローラ側になるようにして、前記第2の型ローラと該型ローラに対向配置される前記第2のニップローラとで挟圧し、該第2の型ローラ表面の凹凸形状を前記放射線硬化樹脂材料に転写し、転写後の前記放射線硬化樹脂材料に放射線を照射して硬化させ、硬化後の前記放射線硬化樹脂材料と前記シート材との積層体を該第2の型ローラに対向配置される第2の剥離ローラに巻き掛けることにより該第2の型ローラより剥離し、剥離後の前記放射線硬化樹脂材料と前記シート材との積層体を転写後の前記第1の樹脂材料に対し、前記シート材が該第1の樹脂材料の非転写面と密着するように供給し、該第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体を前記第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1の剥離ローラとで挟圧し、挟圧後の前記第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体を前記第1の剥離ローラに巻き掛けることにより前記第1の型ローラより剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、第1の型ローラ表面の凹凸形状を第1の樹脂材料に転写し、これと並行して、シート材の表面に放射線硬化樹脂材料を塗布し、第2の型ローラ表面の凹凸形状を放射線硬化樹脂材料に転写して硬化させ、硬化後の放射線硬化樹脂材料とシート材との積層体を第1の樹脂材料に対し、シート材が第1の樹脂材料の非転写面と密着するように供給し、第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体を第1の型ローラと第1の剥離ローラとで挟圧し、挟圧後の積層体を第1の型ローラより剥離する。
このように、別々に転写成形した2種の樹脂材料を積層することにより、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、成型直後に発生する裏面凹凸が生じにくく、所望の断面形状を得ることができる。
特に、一方の樹脂材料が放射線硬化樹脂材料であり、放射線の照射により硬化させ得るので、以降の裏面凹凸が生じにくく、工程が容易となる。
この場合、たとえば、第1の型ローラにより幅方向の厚さ分布が大きい凹凸形状を形成し、第2の型ローラにより平坦形状を形成し、両者を積層させることにより、裏面(第2の型ローラ側)のレべリングがなされ、裏面凹凸が生じにくく、所望の断面形状を得ることができる。
また、たとえば、第1の型ローラにより幅方向の厚さ分布が大きい凹凸形状を形成し、第2の型ローラにより幅方向の厚さ分布がこれより小さい凹凸形状を形成し、両者を積層させることにより、表裏面に所望の断面形状を得ることができる。たとえば、表面側にレンチキュラーレンズを形成するとともに、裏面側にこれより1桁以上微細ピッチの凹凸形状を形成し、散乱面とするような構成である。
本発明において、前記放射線硬化樹脂材料が紫外線硬化樹脂であり、前記放射線が紫外線であることが好ましい。紫外線硬化樹脂は、取り扱いが容易であり、種類も豊富であることより、このような成形に好適である。
本発明において、前記積層体に転写される凹凸形状により、該積層体の幅方向における最厚肉部と最薄肉部との厚さの差が1mm以上となることが好ましい。また、本発明において、前記積層体の最薄肉部の厚さが5mm以下であることが好ましい。第1の樹脂材料と第2の樹脂材料とからなる積層体、又は第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体の構成とすることにより、このように、従来成形が困難であった断面形状の樹脂材料の成形において、本発明の効果が発揮できる。
以上説明したように、本発明によれば、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、所望の断面形状を得ることができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る樹脂シートの製造方法の好ましい実施の形態(第1実施形態)について詳説する。図1は、本発明に係る樹脂シートの製造方法が適用される、樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図である。
この樹脂シートの製造ライン10は、第1の樹脂材料である樹脂材料14の成形部と、第2の樹脂材料である樹脂材料54の成形部と、下流の徐冷ゾーン30等よりなる。
樹脂材料14の成形部は、図示しない第1の押出し機によって溶融された樹脂材料14をシート状に賦形するためのシート用の第1のダイであるダイ12と、表面に凹凸形状が形成された第1の型ローラである型ローラ16と、型ローラ16に対向配置される第1のニップローラであるニップローラ18と、型ローラ16に対向配置される第1の剥離ローラである剥離ローラ24と、型ローラ16に巻き掛けられた樹脂材料14を加熱する加熱手段66等とより構成される。
樹脂材料54の成形部は、図示しない第2の押出し機によって溶融された樹脂材料54をシート状に賦形するためのシート用の第2のダイであるダイ52と、表面に凹凸形状が形成された第2の型ローラである型ローラ56と、型ローラ56に対向配置される第2のニップローラであるニップローラ58と、型ローラ56に対向配置される第2の剥離ローラである剥離ローラ64等とより構成される。
ダイ12のスリットサイズは、成形された溶融樹脂材料14の幅が型ローラ16の型の幅よりも広くなるように形成され、また、このダイ12から押し出される溶融樹脂材料14が型ローラ16とニップローラ18との間に押し出されるように配置されている。
同様に、ダイ52のスリットサイズは、成形された溶融樹脂材料54の幅が型ローラ56の型の幅よりも広くなるように形成され、また、このダイ52から押し出される溶融樹脂材料54が型ローラ56とニップローラ58との間に押し出されるように配置されている。
型ローラ16の表面には、規則的な凹凸形状が形成されている。この規則的な凹凸形状は、たとえば、図2に示される成形後の樹脂材料14の反転形状とすることができる。この図2は、成形後の樹脂材料14の端面14Aを直線上に切り取った状態の斜視図である。
一方、型ローラ56の表面は、平坦かつ平滑に形成されている。なお、本実施態様では型ローラ56の表面を平坦にしているが、型ローラ16と同様に規則的な凹凸形状とすることもできる。
上記のように、樹脂材料14の裏面は平面であり、樹脂材料14の表面に矢印に平行な直線状の凹凸パターンが形成されている。この矢印は、樹脂材料14の走行方向を示す。したがって、型ローラ16の表面には、端面14Aの反転形状のエンドレス溝を形成すればよい。なお、樹脂材料14表面の凹凸パターン形状の詳細については後述する。
型ローラ16、56の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
型ローラ16表面の凹凸パターン形成方法としては、凹凸パターン(ピッチ、深さ、等)や型ローラ16表面の材質にもよるが、一般的にはNC旋盤による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。また、他の公知の加工方法(研削加工、超音波加工、放電加工、等)も採用できる。
型ローラ56の表面に規則的な凹凸形状を形成する場合には、同様の形成方法が採用できる。一方、本実施態様のように、型ローラ56の表面を平坦かつ平滑に形成する場合には、一般的には旋盤による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。
型ローラ16及び型ローラ56表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
型ローラ16及び型ローラ56は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。また、型ローラ16及び型ローラ56には、温度調節手段が施されている。このような温度調節手段が設けられることにより、高温状態の樹脂材料14、54による型ローラ16及び型ローラ56の温度上昇や急激な温度低下を抑制すべく制御できる。
このような温度調節手段としては、ローラ内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。このオイルの供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。図1の樹脂シートの製造ライン10においては、この温度調節手段が採用されている。
ニップローラ18は、型ローラ16に対向配置され、型ローラ16とにより樹脂材料14を挟圧するためのローラで、走行方向上流側において型ローラ16と同一高さに配置されている。
同様に、ニップローラ58は、型ローラ56に対向配置され、型ローラ56とにより樹脂材料54を挟圧するためのローラで、走行方向上流側において型ローラ56と同一高さに配置されている。
ニップローラ18及びニップローラ58の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14、54の裏面を良好な状態にできる。そして、ニップローラ18、58表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
ニップローラ18及びニップローラ58の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
ニップローラ18及びニップローラ58は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。なお、ニップローラ18、58に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料14、54の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
ニップローラ18及びニップローラ58には、図示しない加圧手段が設けられており、型ローラ16、56との間の樹脂材料14、54を所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、ニップローラ18と型ローラ16(ニップローラ58と型ローラ56)との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
ニップローラ18及びニップローラ58には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、ニップローラ18、58の背面側(型ローラ16、56の反対側)にバックアップローラを設ける構成、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
ニップローラ18及びニップローラ58には、温度調節手段が施されている。ニップローラ18、58のローラ設定温度は、樹脂材料14、54の材質、樹脂材料14、54の溶融時(たとえば、ダイ12、52のスリット出口)の温度、樹脂材料14、54の搬送速度、型ローラ16、56の外径、型ローラ16、56の凹凸パターン形状等によって最適な値を選択すべきである。
ニップローラ18及びニップローラ58のローラ温度調節手段としては、ローラ内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。このオイルの供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。図1の樹脂シートの製造ライン10においては、この温度調節手段が採用されている。
他の温度調節手段としては、たとえば、ローラの内部にシースヒータを埋め込む構成、ローラの近傍に誘電加熱手段を配する構成等、公知の各種手段が採用できる。
剥離ローラ24は、型ローラ16に対向配置され、樹脂材料14と樹脂材料54との積層体34を巻き掛けることによりこの積層体34を型ローラ16より剥離するためのローラで、型ローラ16を挟んでニップローラ18の180度下流側に配置されている。
同様に、剥離ローラ64は、型ローラ56に対向配置され、樹脂材料54を巻き掛けることにより樹脂材料54を型ローラ56より剥離するためのローラで、型ローラ56を挟んでニップローラ58の180度下流側に配置されている。
剥離ローラ24及び剥離ローラ64の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14と樹脂材料54との積層体34の裏面(樹脂材料54側)を良好な状態にできる。そして、剥離ローラ24、64表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
剥離ローラ24及び剥離ローラ64の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
剥離ローラ24及び剥離ローラ64は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。なお、剥離ローラ24、64に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料54の裏面や積層体34の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
剥離ローラ24及び剥離ローラ64には、温度調節手段が施されている。そして、適正な設定温度にすることにより、樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状、及び、樹脂材料54の表面の平坦面を良好にできる。
加熱手段66は、型ローラ16に巻き掛けられた樹脂材料14を加熱するためのもので、樹脂材料14が樹脂材料54と積層される段階で、冷却が進み過ぎて樹脂材料54との密着不良とならないように設けられるものである。
加熱手段66手段としては、ノズルより温度制御されたエアを樹脂材料14に向けて噴出させる構成、加熱手段(ニクロム線ヒータ、赤外線ヒータ、誘電加熱手段等)により、樹脂材料14の裏面を加熱する構成等、公知の各種手段が採用できる。
以上に説明した樹脂シートの製造ライン10の各構成要素よりなる、樹脂材料14の成形部と樹脂材料54の成形部とは、型ローラ16と剥離ローラ24との間で合流するようになっている。すなわち、型ローラ16に巻き掛けられた樹脂材料14に対し、剥離ローラ64に巻き掛けられ型ローラ56から剥離された樹脂材料54が積層され、型ローラ16と剥離ローラ24との間で挟圧されラミネートされるようになっている。
この場合、樹脂材料14の裏面と樹脂材料54の裏面とが密着する状態となるが、樹脂材料14の裏面はニップローラ18により、樹脂材料54の裏面は主に剥離ローラ64により平坦に形成されているので、良好にラミネートされるようになっている。
以上に説明した各ローラ、及び、樹脂材料14、54の各箇所の表面温度がモニターできるように、表面温度測定手段(図示略)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段が採用できる。
このような表面温度測定手段による測定箇所としては、たとえば、ダイ12と型ローラ16との間の樹脂材料14の幅方向の複数点(ダイ52と型ローラ56との間の樹脂材料54の幅方向の複数点)、剥離ローラ24の直後の樹脂材料14の幅方向の複数点(剥離ローラ64の直後の樹脂材料54の幅方向の複数点)、型ローラ16や剥離ローラ24に巻き掛けられている樹脂材料14の幅方向の複数点の表面(ローラの反対面側)(型ローラ56や剥離ローラ64に巻き掛けられている樹脂材料54の幅方向の複数点の表面(ローラの反対面側))、等が考えられる。
また、このような表面温度測定手段のモニター結果を各ローラの温度調節手段やダイ12、52等にフィードバックして各ローラ等の温度制御に反映させることもできる。なお、表面温度測定手段を設けずに、フィードフォワード制御により運転することも可能である。
図1の樹脂シートの製造ライン10又はその下流に、樹脂材料14と樹脂材料54との積層体34の張力を検出するテンション検出手段を設けたり、積層体34の板厚を検出する板厚検出手段(厚さセンサ)を設けたりすることも、好ましく採用できる。
徐冷ゾーン30(又はアニーリングゾーン)は、剥離ローラ24の下流における樹脂材料14と樹脂材料54との積層体34の急激な温度変化を防止するために設けられたものである。積層体34に急激な温度変化を生じた場合、たとえば、樹脂材料14の表面近傍が弾性状態になっているのに、樹脂材料14の内部が塑性状態であり、この部分の硬化による収縮で樹脂材料14の表面形状が悪化する。また、樹脂材料14(樹脂材料54)の表裏面に温度差を生じたり、樹脂材料14と樹脂材料54との間に温度差を生じたり、積層体34に反りを生じるたりする不具合もある。
徐冷ゾーン30としては、水平方向のトンネル形状とし、トンネル内部に温度調節手段を設け、積層体34の冷却温度プロファイルを制御できる構成が採用できる。温度調節手段としては、複数のノズルより温度制御されたエア(温風又は冷風)を積層体34に向けて噴出させる構成、加熱手段(ニクロム線ヒータ、赤外線ヒータ、誘電加熱手段等)により、積層体34の表裏面をそれぞれ加熱する構成等、公知の各種手段が採用できる。
徐冷ゾーン30の下流には、積層体34に対して、洗浄装置(洗浄ゾーン)、欠陥検査装置(検査ゾーン)、ラミネート装置、サイドカッター、クロスカッター、集積部が順に設けられる(いずれも図示を略す)。
このうち、ラミネート装置は、積層体34の表裏面に保護フィルム(ポリエチレン等のフィルム)を貼り付ける装置であり、サイドカッターは、積層体34の幅方向両端部分(捨て部分)を切除する装置であり、クロスカッターは、積層体34を所定長さに切り揃える装置である。
上記装置のうち、用途に応じて、いくつかを省略することもできる。
次に、図1に示される樹脂シートの製造ライン10による樹脂シートの製造方法について説明する。
本発明に適用される樹脂材料14及び樹脂材料54としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
樹脂材料14の成形部において、ダイ12より押し出したシート状の樹脂材料14を、型ローラ16と型ローラ16に対向配置されるニップローラ18とで挟圧し、型ローラ16表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写する。
一方、樹脂材料54の成形部において、ダイ52より押し出したシート状の樹脂材料54を、型ローラ56と型ローラ56に対向配置されるニップローラ58とで挟圧し、型ローラ56表面の平坦形状を樹脂材料54に転写し、樹脂材料54を型ローラ56に対向配置される剥離ローラ64に巻き掛けることにより型ローラ56より剥離する。
樹脂材料14の成形部における、型ローラ16に巻き掛けられた樹脂材料14に対し、樹脂材料54の成形部における、剥離ローラ64に巻き掛けられ型ローラ56から剥離された樹脂材料54を積層し、型ローラ16と剥離ローラ24との間で挟圧することによりラミネートし、この積層体34を剥離ローラ24に巻き掛けることにより型ローラ16より剥離する。
型ローラ16より剥離した積層体34を、水平方向に搬送し、徐冷ゾーン30を通過することにより徐冷し、歪みが除去された状態で、下流の製品取り部において所定長さに切断し、樹脂シートの製品として収容する。
この樹脂シート14及び樹脂シート54よりなる積層体34の製造において、ダイ12(ダイ52)よりの樹脂材料14(樹脂材料54)の押し出し速度は、0.1〜50m/分、好ましくは0.3〜30m/分の値が採用できる。したがって、型ローラ16(型ローラ56)の周速、及びニップローラ18(ニップローラ58)の周速も略これに一致させる。
なお、各ローラの速度ムラは、設定値に対して1%以内になるように制御することが好ましい。
ニップローラ18(ニップローラ58)の型ローラ16(型ローラ56)への押し付け圧は、線圧換算(各ニップローラの弾性変形による面接触を線接触と仮定して換算した値)で、0〜200kN/m(0〜200kgf/cm)とするのが好ましく、0〜100kN/m(0〜100kgf/cm)とするのがより好ましい。
ニップローラ18(ニップローラ58)及び剥離ローラ24(剥離ローラ64)の温度制御は、個々のローラ毎に行うことが好ましい。そして、剥離ローラ24(剥離ローラ64)の箇所における樹脂材料14(樹脂材料54)が樹脂の軟化点Ta以下の温度になっていることが好ましい。この際、樹脂材料14(樹脂材料54)にポリメチルメタクリレート樹脂を採用した場合、剥離ローラ24(剥離ローラ64)の設定温度は、50〜110°Cとできる。
次に、積層体34(樹脂材料14)表面の凹凸パターン形状の詳細について説明する。図2は、既述したように、成形後の積層体34の端面14Aを直線上に切り取った状態の斜視図である。積層体34の裏面は平面である。
積層体34の表面の凹凸パターン形状は、長手方向(図の矢印方向)の直線状の凹凸パターンである。このパターンは、積層体34の最厚肉部34Bに形成されるV溝90と、このV溝90の両縁より積層体34の最薄肉部34Cに向かって直線状に板厚が減少していくテーパ部92、92が繰り返される形状である。すなわち、V溝90の中心線に対して線対象となる、V溝90及び両側のテーパ部92、92を1単位(1ピッチ)とした連続形状である。
図2において、積層体34の最薄肉部34Cの厚さは、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。積層体34の最厚肉部34Bと最薄肉部34Cとの厚さの差は、1mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることがより好ましい。このような寸法とすることにより、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に好適に使用できる。
成形後の積層体34を導光板に使用する場合には、V溝90の内部に円柱状の冷陰極管が配され、この冷陰極管より照射される光線が、V溝90の表面より積層体34の内部に入射し、テーパ部92、92で反射し、積層体34の裏面より面状に照射されることとなる。
このように成形後の積層体34を導光板に使用する場合には、V溝90の幅pを2mm以上にすることが好ましく、V溝90の頂角θ1を40〜80度にするのが好ましい。また、V溝90の深さΔtは1mm以上にすることが好ましく、2.5mm以上にするのがより好ましい。テーパ部92、92の傾斜角度θ2は3〜20度にするのが好ましい。また、テーパ部92、92の幅p2は5mm以上にすることが好ましく、10mm以上にするのがより好ましい。
次に、積層体34表面の他の凹凸パターン形状について説明する。図3は、成形後の積層体34の端面34Aを直線上に切り取った状態の斜視図である。積層体34の裏面は平面である。
積層体34の表面の凹凸パターン形状は、長手方向(図の矢印方向)の直線状の凹凸パターンである。この断面が鋸刃状パターンは、積層体34の最厚肉部34Bと最薄肉部34Cとを繋ぐ鉛直壁94と、この鉛直壁94の上縁(最厚肉部34B)より積層体34の最薄肉部34Cに向かって直線状に板厚が減少していくテーパ部96が繰り返される形状である。
図3において、積層体34の最薄肉部34Cの厚さは、5mm以下であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。積層体34の最厚肉部34Bと最薄肉部34Cとの厚さの差は、1mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることがより好ましい。このような寸法とすることにより、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に好適に使用できる。
成形後の積層体34を導光板に使用する場合には、鉛直壁94の側面に円柱状の冷陰極管が配され、この冷陰極管より照射される光線が、鉛直壁94の表面(側面)より積層体34の内部に入射し、テーパ部96で反射し、積層体34の裏面より面状に照射されることとなる。
このように成形後の積層体34を導光板に使用する場合には、テーパ部96傾斜角度θ3を3〜20度とするのが好ましい。
なお、成形後の積層体34を導光板に使用する場合、これら以外の形状を採用することもできる。たとえば、図2の積層体34のV溝90の断面形状はV字状となっているが、これ以外の形状、たとえば、矩形状、台形状、円弧状、放物線状等の断面形状も、光学的特性、成形性等を満足できれば採用できる。
また、型ローラ16表面の凹凸形状も、図2又は図3の積層体34表面の反転形状である必要はなく、積層体34の収縮代等を考慮して、積層体34の製品形状が図2又は図3の形状となるように、この形状よりオフセットした形状とすることもできる。
次に、本発明に係る樹脂シートの製造方法の他の実施の形態(第2実施形態)について詳説する。図4は、本発明に係る樹脂シートの製造方法が適用される、樹脂シートの製造ライン10’を示す構成図である。なお、図1に示される第1実施形態と同一、類似の部材については、同様の符号を附し、その説明を省略する。
本実施形態においては、第1実施形態の樹脂材料54に代えてシート材20の片面に形成した放射線硬化樹脂74が使用されている。以下、放射線硬化樹脂74の成形部の構成について説明する。
放射線硬化樹脂74の成形部は、連続走行するシート材20を繰り出すシート繰り出し手段26と、シート材20の表面に押し出した放射線硬化樹脂材料74を塗布する第2のダイであるダイ72と、表面に凹凸形状が形成された第2の型ローラである型ローラ76と、型ローラ76に対向配置される第2のニップローラであるニップローラ78と、型ローラ76に対向配置される第2の剥離ローラである剥離ローラ84と、型ローラ76に巻き掛けられたシート材20上の放射線硬化樹脂材料74を硬化させる放射線照射手段82等とより構成される。
シート繰り出し手段26は、シート材20を連続的に供給するものであり、支持腕26Dの両端部に、シート材20が巻回され繰り出し中の原反ロール26Aと、新規の(予備の)原反ロール26Bが設けられており、支点26Cを回動中心とした支持腕26Dの回動により、シート材20を連続走行させながら、繰り出し中の原反ロール26Aと、新規の(予備の)原反ロール26Bとを交換できるようになっている。
シート繰り出し手段26より繰り出されたシート材20の表面(上面)には、ダイ72より押し出した放射線硬化樹脂材料74が塗布され、型ローラ76とニップローラ78との間に送り込まれるようになっている。ダイ72の形状等は、第1実施態様のダイ12、52と同様にできる。
型ローラ76の表面は、平坦かつ平滑に形成されている。なお、本実施態様では型ローラ76の表面を平坦にしているが、型ローラ16と同様に規則的な凹凸形状とすることもできる。
型ローラ76の材質や、型ローラ76表面の凹凸パターン(平坦パターン)の形成方法や、型ローラ76の構成(駆動手段、温度調節手段等)は、第1実施態様の型ローラ16、56と同様にできる。
ニップローラ78は、型ローラ76に対向配置され、型ローラ76とにより放射線硬化樹脂材料74を挟圧するためのローラで、走行方向上流側において型ローラ76と同一高さに配置されている。
ニップローラ78の材質や、ニップローラ78の構成(駆動手段、温度調節手段等)は、第1実施態様のニップローラ18、58と同様にできる。
ニップローラ78と剥離ローラ84との間で、放射線硬化樹脂材料74が塗布されたシート材20は、型ローラ76に約180度のラップ角で巻き掛けられるようになっている。そして、この間において、シート材20に対向するように放射線照射手段82が設けられている。この放射線照射手段82については後述する。
剥離ローラ84は、型ローラ76に対向配置され、表面に硬化後の放射線硬化樹脂材料74の層が形成されたシート材20を巻き掛けることによりシート材20(放射線硬化樹脂材料74の層)を型ローラ76より剥離するためのローラで、型ローラ76を挟んでニップローラ78の180度下流側に配置されている。
剥離ローラ84の材質や、剥離ローラ84の構成(駆動手段、温度調節手段等)は、第1実施態様の剥離ローラ24、64と同様にできる。
シート材20としては、樹脂フィルム、金属箔(アルミニウムウェブ等)等を使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましく使用できる。
シート材20の幅としては、樹脂材料14の幅と略同一サイズが好ましく、シート材20の長さとしては、1000〜100000mが一般的に採用される。ただし、これ以外のサイズの適用も妨げられるものではない。
シート材20は、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行っておいてもよい。シート材20の表面粗さRaはカットオフ値0.25mmにおいて3〜10nmが好ましい。
放射線硬化樹脂材料74としては、光重合性樹脂を使用するのが好ましい。光重合性樹脂は、光重合性のモノマーと重合開始剤よりなる。この光重合性樹脂には、紫外線や電子線等の活性化エネルギー線で重合する公知の樹脂が採用できる。光重合性のモノマーは、ラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等の重合性官能基を有する化合物からなる。光重合性樹脂の粘度は、未硬化状態で1〜2000mPa・sのものが使用でき、未硬化状態で20〜100mPa・sのものが好ましく使用できる。また、70〜80%程度の重合度で塑性変形しやすく、完全な重合状態では変形しにくいものが好ましい。また、硬化時の収縮が少ないものが好ましい。
このような光重合性樹脂としては紫外線硬化樹脂が好ましい。紫外線硬化樹脂は、取り扱いが容易であり、種類も豊富であることより、本発明のような用途に好適である。
シート材20の表面に放射線硬化樹脂材料74の層を形成する方法としては、本実施態様のダイ72を使用する方法以外に、公知の各種方法が採用できる。このような方法としては、ローラコート法、グラビアコート法、ローラコートプラスドクター法、エクストルージョン型塗布法、スライドコート法、スピンコート法、印刷法(スクリーン印刷法等)、ディップコート法等が挙げられる。
次に放射線照射手段82について説明する。照射光としては、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が採用できる。図4に示される構成において、照射光はシート材20を透過して放射線硬化樹脂材料74の層に照射されている。
放射線硬化樹脂材料74として紫外線硬化樹脂を採用する場合には、放射線照射手段82として水銀灯が使用できる。水銀灯としては、たとえばオーク製作所製のもの(商品名:ハンディUV−300、出力:300W、照射強度:300W/cm2 )を円周方向に所定間隔をもって配列して使用できる。
次に、図4に示される樹脂シートの製造ライン10’による樹脂シートの製造方法について説明する。
樹脂材料14の成形部において、ダイ12より押し出したシート状の樹脂材料14を、型ローラ16と型ローラ16に対向配置されるニップローラ18とで挟圧し、型ローラ16表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写する。
一方、放射線硬化樹脂材料74の成形部において、シート繰り出し手段26より繰り出され、連続走行するシート材20の表面にダイ72より押し出した放射線硬化樹脂材料74を塗布し、型ローラ76とニップローラ78とで挟圧し、型ローラ76表面の凹凸形状を放射線硬化樹脂材料74に転写し、転写後の放射線硬化樹脂材料74に放射線照射手段82より放射線を照射して硬化させ、硬化後の放射線硬化樹脂材料74とシート材20との積層体75を剥離ローラ84に巻き掛けることにより型ローラ76より剥離する。
樹脂材料14の成形部における、型ローラ16に巻き掛けられた樹脂材料14に対し、放射線硬化樹脂材料74の成形部における、剥離ローラ84に巻き掛けられ型ローラ76から剥離された積層体75を積層し、型ローラ16と剥離ローラ24との間で挟圧することによりラミネートし、この積層体88を剥離ローラ24に巻き掛けることにより型ローラ16より剥離する。
型ローラ16より剥離した積層体88を、水平方向に搬送し、徐冷ゾーン30を通過することにより徐冷し、歪みが除去された状態で、下流の製品取り部において所定長さに切断し、樹脂シートの製品として収容する。
なお、各ローラの速度ムラは、設定値に対して1%以内になるように制御することが好ましい。
以上に説明した本発明に係る樹脂シートの製造方法(第1及び第2実施形態)によれば、成形時の幅方向の厚さ分布が大きい樹脂シートであっても、所望の断面形状を得ることができる。
以上、本発明に係る樹脂シートの製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、ニップローラの本数及び配置は、同様の機能が得られるのであれば、本実施形態以外の各種の態様が採り得る。
また、加熱手段66や、徐冷ゾーン30等についても、同様の機能が得られるのであれば、本実施形態以外の各種の態様が採り得る。
本発明が適用される樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図 成形後の樹脂材料の端面を直線上に切り取った状態の斜視図 成形後の樹脂材料の端面を直線上に切り取った状態の斜視図 本発明が適用される樹脂シートの製造ラインの他の例を示す構成図 従来例の樹脂シートの製造ラインを示す構成図
符号の説明
10、10’…樹脂シートの製造ライン、12…ダイ、14…樹脂材料、16…型ローラ、18…ニップローラ、20…シート材、22…ガイドローラ、24…剥離ローラ、26…シート繰り出し手段、30…徐冷ゾーン、32…剥離部、34…積層体、52…ダイ、54…樹脂材料、56…型ローラ、58…ニップローラ、64…剥離ローラ、72…ダイ、74…放射線硬化樹脂、76…型ローラ、78…ニップローラ、84…剥離ローラ

Claims (7)

  1. 第1のダイより押し出したシート状の第1の樹脂材料を第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1のニップローラとで挟圧し、該第1の型ローラ表面の凹凸形状を前記第1の樹脂材料に転写し、
    第2のダイより押し出したシート状の第2の樹脂材料を第2の型ローラと該第2の型ローラに対向配置される第2のニップローラとで挟圧し、該第2の型ローラ表面の凹凸形状を前記第2の樹脂材料に転写し、
    転写後の前記第2の樹脂材料を前記第2の型ローラに対向配置される第2の剥離ローラに巻き掛けることにより該第2の型ローラより剥離し、
    剥離後の前記第2の樹脂材料を転写後の前記第1の樹脂材料に対し、該第2の樹脂材料の非転写面が該第1の樹脂材料の非転写面と密着するように供給し、
    該第1の樹脂材料と第2の樹脂材料との積層体を前記第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1の剥離ローラとで挟圧し、
    挟圧後の前記積層体を前記第1の剥離ローラに巻き掛けることにより前記第1の型ローラより剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  2. 前記積層体に転写される凹凸形状により、該積層体の幅方向における最厚肉部と最薄肉部との厚さの差が1mm以上となることを特徴とする請求項1に記載の樹脂シートの製造方法。
  3. 前記積層体の最薄肉部の厚さが5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂シートの製造方法。
  4. 第1のダイより押し出したシート状の第1の樹脂材料を第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1のニップローラとで挟圧し、該第1の型ローラ表面の凹凸形状を前記第1の樹脂材料に転写し、
    連続走行するシート材の表面に第2のダイより押し出した放射線硬化樹脂材料を塗布し、該放射線硬化樹脂材料が第2の型ローラ側に、前記シート材が第2のニップローラ側になるようにして、前記第2の型ローラと該型ローラに対向配置される前記第2のニップローラとで挟圧し、該第2の型ローラ表面の凹凸形状を前記放射線硬化樹脂材料に転写し、転写後の前記放射線硬化樹脂材料に放射線を照射して硬化させ、
    硬化後の前記放射線硬化樹脂材料と前記シート材との積層体を該第2の型ローラに対向配置される第2の剥離ローラに巻き掛けることにより該第2の型ローラより剥離し、
    剥離後の前記放射線硬化樹脂材料と前記シート材との積層体を転写後の前記第1の樹脂材料に対し、前記シート材が該第1の樹脂材料の非転写面と密着するように供給し、
    該第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体を前記第1の型ローラと該第1の型ローラに対向配置される第1の剥離ローラとで挟圧し、
    挟圧後の前記第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体を前記第1の剥離ローラに巻き掛けることにより前記第1の型ローラより剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  5. 前記放射線硬化樹脂材料が紫外線硬化樹脂であり、前記放射線が紫外線であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂シートの製造方法。
  6. 前記第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体に転写される凹凸形状により、該積層体の幅方向における最厚肉部と最薄肉部との厚さの差が1mm以上となることを特徴とする請求項4又は5に記載の樹脂シートの製造方法。
  7. 前記第1の樹脂材料とシート材と放射線硬化樹脂材料との積層体の最薄肉部の厚さが5mm以下であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の樹脂シートの製造方法。
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