JP2008080727A - 樹脂シートの製造方法 - Google Patents

樹脂シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008080727A
JP2008080727A JP2006265489A JP2006265489A JP2008080727A JP 2008080727 A JP2008080727 A JP 2008080727A JP 2006265489 A JP2006265489 A JP 2006265489A JP 2006265489 A JP2006265489 A JP 2006265489A JP 2008080727 A JP2008080727 A JP 2008080727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
resin material
mold
resin
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006265489A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Sano
芳彦 佐野
Takuhiro Hayashi
卓弘 林
Yasuyuki Hara
康之 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006265489A priority Critical patent/JP2008080727A/ja
Publication of JP2008080727A publication Critical patent/JP2008080727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】凹凸形状の段差が小さい樹脂シートを製造した際に、所望の断面形状を得ることができ、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供する。
【解決手段】ダイ12より押し出した状態でガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にあるシート状の樹脂材料14を型ローラ16と型ローラに対向配置されるニップローラ18とで挟圧し、型ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写し、転写後の樹脂材料を型ローラより剥離する
【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂シートの製造方法に係り、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法に関する。
各種光学素子に使用される樹脂シートとして、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等が様々な分野で使用されている。このような樹脂シートの表面には、規則的な凹凸形状が形成されており、この凹凸形状により、フレネルレンズやレンチキュラーレンズとしての光学的性能を発揮している。
このような樹脂シートを製造する方法として、これまでに各種の提案がなされている(特許文献1等参照)。これらの提案においては、いずれも、生産性向上の観点よりローラ成形方式が採用されている。
これら従来技術の代表的なローラ成形方式は、図3に示される構成のようになっている。この装置構成は、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料1をシート状に賦形するためのシート用のダイ2と、表面に凹凸形状が形成されたスタンパーローラ3と、スタンパーローラ3に対向配置される鏡面ローラ4と、スタンパーローラ3に対向するとともに、鏡面ローラ4の反対側に配置される剥離用鏡面ローラ5よりなる。
そして、ダイ2より押し出したシート状の樹脂材料1を、スタンパーローラ3と鏡面ローラ4とで挟圧し、スタンパーローラ3表面の凹凸形状を樹脂材料1に転写し、樹脂材料1を剥離用鏡面ローラ5に巻き掛けることによりスタンパーローラ3より剥離する。
特開平9−11328号公報
しかしながら、上記従来の提案は、凹凸形状の段差が比較的大きい樹脂シートを製造する方法に関するものであり、凹凸形状の段差が小さい(たとえば、凹凸形状の段差が50μm以下)ものを精度よく成形することが困難であった。
たとえば、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)を押し出し後にローラ成形する際に、スタンパーローラ3表面の凹凸形状の段差を50μmとした場合、この凹凸形状が樹脂材料1の表面に正確に転写できない場合が多い。すなわち、全体的に表面形状転写率が低下したり、シャープエッジ形状が転写できなかったりする等の問題がある。
一方、スタンパーローラ3表面の凹凸形状を樹脂材料1の表面に正確に転写すべく樹脂材料1の粘度を下げた場合には、樹脂材料1がスタンパーローラ3から剥離できない場合が多く、所望の凹凸形状の樹脂材料1が得られないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、凹凸形状の段差が小さい樹脂シートを製造した際に、所望の断面形状を得ることができ、特に、各種表示装置の背面に配される導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にあるシート状の樹脂材料を転写型と該転写型に対向配置される板状体又はニップローラとで挟圧し、前記転写型表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、転写後の前記樹脂材料を前記転写型より剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、ガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にある樹脂材料を転写型(いわゆる、スタンパー)と板状体とでサンドイッチし、転写型表面の凹凸形状を樹脂材料に転写し、転写型より剥離する。また、本発明によれば、ガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にある樹脂材料を転写型(ローラ表面に転写型を止着するか、または転写型を刻設した部材も含む)とニップローラとで挟圧し、転写型表面の凹凸形状を樹脂材料に転写し、転写型より剥離する。
したがって、転写型表面の凹凸形状を樹脂材料に精度よく転写できる。なお、樹脂材料をガラス転移温度Tg+50℃未満の温度に制御した状態で転写型に接触させた場合、樹脂の流動状態が悪く、転写精度が不良となり、一方、樹脂材料をガラス転移温度Tg+100°Cを超える温度に制御した状態で転写型に接触させた場合、樹脂の流動が過大となり、樹脂材料の表面(転写型側の面)に圧力がかかる前に樹脂が内部で潰れて、その結果転写精度が不良となる。
なお、ガラス転移温度Tgとは下記のように説明される。高分子物質を加熱した場合に、ガラス状の硬い状態からゴム状に変わる現象をガラス転移といい、ガラス転移がおこる温度をガラス転移点(温度)という。この温度は、樹脂材料の材質や組成により異なり、たとえばポリメチルメタクリレート樹脂では90〜110°Cの範囲である。
なお、上記のように、樹脂材料を転写型(いわゆる、スタンパー)と板状体とでサンドイッチする態様としては、プレス(ホットプレス)成形する例が代表的であり、樹脂材料を転写型とニップローラとで挟圧する態様としては、帯状可撓性の転写型(転写シート)の表面に樹脂材料を積層させ、この積層体を一対のニップローラの間に通してローラ成形(圧延)し、後に転写型と樹脂材料を剥離する例が代表的である。
また、本発明は、前記目的を達成するために、ダイより押し出した状態でガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にあるシート状の樹脂材料を型ローラと該型ローラに対向配置されるニップローラとで挟圧し、前記型ローラ表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、転写後の前記樹脂材料を前記型ローラに対向配置される剥離ローラに巻き掛けることにより該型ローラより剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、ダイより押し出した状態でガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にあるシート状の樹脂材料を型ローラとニップローラとで挟圧し、型ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写し、剥離ローラに巻き掛けることにより型ローラより剥離する。したがって、上記と同様に、樹脂温度が適正なので、転写型表面の凹凸形状を樹脂材料に精度よく転写できる。
本発明において、前記ダイの近傍に温度制御手段を設け、前記ダイより押し出され前記型ローラに接する前の状態の前記樹脂材料の温度を制御することが好ましい。このように、温度制御手段を設け樹脂材料の温度を制御するのであれば、転写精度が向上する。
また、本発明において、前記転写型表面の凹凸形状の段差又は前記型ローラ表面の凹凸形状の段差を50μm以下とすることが好ましい。また、本発明において、前記樹脂材料の最薄肉部の厚さを5mm以下とすることが好ましい。このように、従来、成形が困難であった、断面形状の樹脂材料の成形において、本発明の効果が発揮できる。
また、本発明において、前記転写型又は前記型ローラの表面温度を前記樹脂材料のガラス転移温度Tg+10〜Tg+50°Cの温度に制御することが好ましい。このように、型の表面温度を適正範囲に制御することにより、転写型又は型ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に精度よく転写できる。
なお、型の表面温度をガラス転移温度Tg+10℃未満の温度に制御した場合、樹脂と接触した瞬間に樹脂表面層が冷やされることで、いわゆるスキン層と呼ばれる、表面に流動状態の悪い層が形成されることで、転写精度が不良となり、一方、型の表面温度をガラス転移温度Tg+50°Cを超える温度に制御した場合、樹脂材料が転写型又は型ローラから剥れない剥離不良となる。
以上説明したように、本発明によれば、転写型表面の凹凸形状を樹脂材料に精度よく転写できる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る樹脂シートの製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る樹脂シートの製造方法が適用される、樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図である。
この樹脂シートの製造ライン10は、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料14をシート状に賦形するためのシート用のダイ12と、表面に凹凸形状が形成された型ローラ16と、型ローラ16に対向配置されるニップローラ18と、型ローラ16に対向配置される剥離ローラ24と、型ローラ16に接する前の樹脂材料14の温度を制御する樹脂温制御手段20と、徐冷ゾーン30とより構成される。
ダイ12のスリットサイズは、成形された溶融樹脂材料14の幅が型ローラ16の幅よりも広くなるように形成され、また、このダイ12から押し出される溶融樹脂材料14が型ローラ16と第1ニップローラ18との間に押し出されるように配置されている。
型ローラ16の表面には、規則的な凹凸形状が形成されている。この規則的な凹凸形状は、たとえば、図2に示される成形後の樹脂材料14表面(上面)の反転形状とすることができる。なお、この図2は、成形後の樹脂材料14の断面図である。
すなわち、成形後の樹脂材料14の裏面(下面)は平面であり、樹脂材料14の表面に紙面に垂直な直線状の凹凸パターンが形成されている。この紙面に垂直な方向は、樹脂材料14の走行方向を示す。したがって、型ローラ16の表面には、樹脂材料14表面の反転形状のエンドレス溝を形成すればよい。なお、樹脂材料14表面の凹凸パターン形状の詳細については後述する。
型ローラ16の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
型ローラ16表面の凹凸パターン形成方法としては、凹凸パターン(ピッチ、深さ、等)や型ローラ16表面の材質にもよるが、一般的にはNC旋盤による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。また、他の公知の加工方法(研削加工、超音波加工、放電加工、等)も採用できる。
型ローラ16表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
型ローラ16は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。また、型ローラ16には、温度調節手段が施されている。このような温度調節手段が設けられることにより、高温状態の樹脂材料14による型ローラ16の温度上昇や急激な温度低下を抑制すべく制御できる。
このような温度調節手段としては、ローラ内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。このオイルの供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。図1の樹脂シートの製造ライン10においては、この温度調節手段が採用されている。
他の温度調節手段としては、例えば、ローラの内部にシースヒータを埋め込む構成、ローラの近傍に誘電加熱手段を配する構成等、公知の各種手段を採用できる。
ニップローラは、型ローラ16に対向配置され、型ローラ16とにより樹脂材料14とを挟圧するためのローラで、型ローラ16と同一高さで、型ローラ16と平行に配置されている。
ニップローラ18の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる。そして、ニップローラ18表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
ニップローラ18の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
ニップローラ18は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。なお、ニップローラ18に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
ニップローラ18には、図示しない加圧手段が設けられており、型ローラ16との間の樹脂材料14を所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、ニップローラ18と型ローラ16との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
ニップローラ18には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、ニップローラ18の背面側(型ローラ16の反対側)にバックアップローラを設ける構成、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
ニップローラ18には、温度調節手段が施されている。ニップローラ18のローラ設定温度は、樹脂材料14の材質、樹脂材料14の溶融時(たとえば、ダイ12のスリット出口)の温度、樹脂材料14の搬送速度、型ローラ16の外径、型ローラ16の凹凸パターン形状等によって最適な値を選択すべきである。
ニップローラ18のローラ温度調節手段としては、ローラ内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。このオイルの供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。図1の樹脂シートの製造ライン10においては、この温度調節手段が採用されている。
他の温度調節手段としては、たとえば、ローラの内部にシースヒータを埋め込む構成、ローラの近傍に誘電加熱手段を配する構成等、公知の各種手段が採用できる。
樹脂温制御手段20は、型ローラ16に接する前の樹脂材料14の温度を制御するために設けられたもので、エアノズル20Aと、このエアノズル20Aに図示しないエア供給源よりエアを供給するエア配管20Bとより構成される。
このエアノズル20Aより噴出される気体の温度や流量は、樹脂材料14の材質、樹脂材料14の溶融時(たとえば、ダイ12のスリット出口)の温度、樹脂材料14の搬送速度、型ローラ16の外径、型ローラ16の凹凸パターン形状等によって最適な値を選択すべきである。
なお、樹脂温制御手段20は、上記の方式のものに限られる訳ではなく、樹脂材料14の温度を適正に制御できるものであれば、公知の各種手段が採用できる(たとえば、誘電加熱手段、冷却水パイプ等)。
剥離ローラ24は、型ローラ16に対向配置され、樹脂材料14を巻き掛けることにより樹脂材料14を型ローラ16より剥離するためのローラで、型ローラ16を挟んでニップローラ18の180度下流側に配置されている。すなわち、剥離ローラ24は、型ローラ16と同一高さで、型ローラ16と平行に配置されている。
剥離ローラ24の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる。そして、剥離ローラ24表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
剥離ローラ24の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
剥離ローラ24は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。なお、剥離ローラ24に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料14の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
剥離ローラ24には、温度調節手段が施されている。そして、適正な設定温度にすることにより、樹脂材料14の表面の凹凸パターン形状を良好にできる。
以上に説明した各ローラ、及び、樹脂材料14の各箇所の表面温度がモニターできるように、表面温度測定手段(図示略)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段が採用できる。
このような表面温度測定手段による測定箇所としては、たとえば、ダイ12とニップローラ18との間の樹脂材料14の幅方向の複数点、剥離ローラ24の直後の樹脂材料14の幅方向の複数点、型ローラ16や剥離ローラ24に巻き掛けられている樹脂材料14の幅方向の複数点の表面(ローラの反対面側)、等が考えられる。
また、このような表面温度測定手段のモニター結果を各ローラの温度調節手段やダイ12や樹脂温制御手段20等にフィードバックして、樹脂材料14や各ローラ等の温度制御に反映させることもできる。なお、表面温度測定手段を設けずに、フィードフォワード制御により運転することも可能である。
図1の樹脂シートの製造ライン10において、徐冷ゾーン30の下流又は剥離ローラ24の下流に樹脂材料14の張力を検出するテンション検出手段を設けたり、樹脂材料14の板厚を検出する板厚検出手段(厚さセンサ)を設けたりすることも、好ましく採用できる。また、このような検出手段による検出結果を設定値と比較し、型ローラ16等の駆動手段にフィードバックすることもできる。
徐冷ゾーン30(又はアニーリングゾーン)は、剥離ローラ24の下流における樹脂材料14の急激な温度変化を防止するために設けられたものである。樹脂材料14に急激な温度変化を生じた場合、たとえば、樹脂材料14の表面近傍が塑性状態になっているのに、樹脂材料14の内部が弾性状態であり、この部分の硬化による収縮で樹脂材料14の表面形状が悪化する。また、樹脂材料14の表裏面に温度差を生じ、樹脂材料14に反りを生じる不具合もある。
徐冷ゾーン30としては、水平方向のトンネル形状とし、トンネル内部に温度調節手段を設け、樹脂材料14の冷却温度プロファイルを制御できる構成が採用できる。温度調節手段としては、複数のノズルより温度制御されたエア(温風又は冷風)を樹脂材料14に向けて噴出させる構成、加熱手段(ニクロム線ヒータ、赤外線ヒータ、誘電加熱手段等)により、樹脂材料14の表裏面をそれぞれ加熱する構成等、公知の各種手段が採用できる。
徐冷ゾーン30(又はアニーリングゾーン)の下流には、図示を省略するが、洗浄装置(洗浄ゾーン)、欠陥検査装置(検査ゾーン)、ラミネート装置、サイドカッター、クロスカッター、集積部が順に設けられる。
このうち、ラミネート装置は、樹脂材料14の表裏面に保護フィルム(ポリエチレン等のフィルム)を貼り付ける装置であり、サイドカッターは、樹脂材料14の幅方向両端部分(捨て部分)を切除する装置であり、クロスカッターは、樹脂材料14を所定長さに切り揃える装置である。
上記装置のうち、用途に応じて、いくつかを省略することもできる。
次に、図1に示される樹脂シートの製造ライン10による樹脂シートの製造方法について説明する。
本発明に適用される樹脂材料14としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
ダイ12より押し出したシート状の樹脂材料14を、型ローラ16と型ローラ16に対向配置されるニップローラ18とで挟圧し、型ローラ16表面の凹凸形状を樹脂材料14に転写し、樹脂材料14を型ローラ16に対向配置される剥離ローラ24に巻き掛けることにより型ローラ16より剥離する。
この際、樹脂温制御手段20により、型ローラ16に巻き掛ける直前の樹脂材料14の温度を適正値(ガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの)に制御する。また、型ローラ16の温度も適正値(ガラス転移温度Tg+10〜Tg+50°C)に制御する。これにより、型ローラ16表面の凹凸形状を樹脂材料14に精度よく転写でき、また、樹脂材料が型ローラ16から剥れない剥離不良も生じない。
型ローラ16より剥離した樹脂材料14を、水平方向に搬送し、徐冷ゾーン30を通過することにより徐冷し、歪みが除去された状態で、下流の製品取り部(図示略)において所定長さに切断し、樹脂シートの製品として収容する。
既述の図2は、成形後の樹脂材料14の断面図である。転写後の樹脂材料14は、厚さTに形成され、この表面にはピッチがPで段差がhの凹凸形状が形成されている。この凹凸形状のピッチPは、たとえば10〜200μmにできる。また、凹凸形状の段差hは、50μm以下とすることが好ましく、たとえば5〜100μmにできる。
この樹脂シートの製造において、ダイ12よりの樹脂材料14の押し出し速度は、0.1〜50m/分、好ましくは0.3〜30m/分の値が採用できる。したがって、型ローラ16の周速も略これに一致させる。なお、各ローラ(型ローラ16、ニップローラ18、剥離ローラ24)の速度ムラは、設定値に対して1%以内になるように制御することが好ましい。
ニップローラ18の型ローラ16への押し付け圧は、線圧換算(各ニップローラの弾性変形による面接触を線接触と仮定して換算した値)で、0〜200kN/m(0〜200kgf/cm)とするのが好ましく、0〜100kN/m(0〜100kgf/cm)とするのがより好ましい。
ニップローラ18及び剥離ローラ24の温度制御は、個々のローラ毎に行うことが好ましい。そして、剥離ローラ24の箇所における樹脂材料14が樹脂の軟化点Ta以下の温度になっていることが好ましい。この際、樹脂材料14にポリメチルメタクリレート樹脂を採用した場合、剥離ローラ24の設定温度は、50〜110°Cとできる。
以上に説明した本発明に係る樹脂シートの製造方法によれば、凹凸形状の段差hが小さい樹脂シート、たとえば凹凸形状の段差hが50μm以下の樹脂シートであっても、所望の断面形状を得ることができる。
以上、本発明に係る樹脂シートの製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態において、型ローラ16等によるローラ成形方法が採用されているが、これに代えて、スタンパとバックプレートとで樹脂材料を挟圧するホットプレス成形方法を採用することもでき、これによっても本実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
また、本実施形態において、樹脂温制御手段20としてエアノズル20A等が採用されているが、既述したように、この方式のものに限られる訳ではなく、樹脂材料14の温度を適正に制御できるものであれば、公知の各種手段が採用できる。
更に、本実施形態において、ニップローラ18の表面が鏡面状であり、転写後の樹脂材料14の裏面が平坦面となっているが、ニップローラ18の表面を凹凸状に形成し、転写後の樹脂材料14の裏面をこの反転形状とすることもできる。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
図1に示される樹脂シートの製造ライン10を使用して実施例及び比較例の樹脂シートを製造した。樹脂シートの断面形状は、図2に示される形状とした。Pは、50μm、hは25μm、Tは4mmとした。
樹脂材料14と型ローラ16の表面温度を以下のように設定し、実施例と比較例の樹脂シートを製造した。
実施例:樹脂材料14のニップ直前の表面温度(実測値)は187°Cであり、型ローラ16の熱媒体温度は140℃、ニップ時の型ローラ表面温度(実測値)は、142°C、剥離時の樹脂表面温度(実測値)は140℃であった。
比較例1:樹脂材料14のニップ直前の表面温度(実測値)は252°Cであり、型ローラ16の熱媒体温度は140℃、ニップ時の型ローラ表面温度(実測値)は、149°C、剥離時の樹脂表面温度(実測値)は140℃であった。
比較例2:樹脂材料14のニップ直前の表面温度(実測値)は125°Cであり、型ローラ16の熱媒体温度は140℃、ニップ時の型ローラ表面温度(実測値)は140°C、剥離時の樹脂表面温度(実測値)は140℃であった。
実施例及び比較例に共通する製造条件は、以下のようにした。
型ローラ16の周速度:2m/分
樹脂材料14:アクリペットVH001(三菱レイヨン(株)社製)(Tg110℃)ダイ12の吐出口における樹脂材料14の温度:262℃
成形後の樹脂シートの評価(転写率の測定)は、デジタル顕微鏡((株)キーエンス社製VH8000)でシート断面の高さを観察・計測し、型ロールの断面高さとの比率により転写率を計算した。
成形後の樹脂シートの評価結果は以下のようになった。
実施例:97%
比較例1:54%
比較例2:37%
以上の比較結果より本発明の効果が確認できた。
本発明が適用される樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図 成形後の樹脂材料の断面図 従来例の樹脂シートの製造ラインを示す構成図
符号の説明
10…樹脂シートの製造ライン、12…ダイ、14…樹脂材料、16…型ローラ、18…ニップローラ、20…樹脂温制御手段、24…剥離ローラ、30…徐冷ゾーン

Claims (6)

  1. ガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にあるシート状の樹脂材料を転写型と該転写型に対向配置される板状体又はニップローラとで挟圧し、
    前記転写型表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、
    転写後の前記樹脂材料を前記転写型より剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  2. ダイより押し出した状態でガラス転移温度Tg+50〜Tg+100°Cの温度にあるシート状の樹脂材料を型ローラと該型ローラに対向配置されるニップローラとで挟圧し、
    前記型ローラ表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、
    転写後の前記樹脂材料を前記型ローラに対向配置される剥離ローラに巻き掛けることにより該型ローラより剥離することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  3. 前記ダイの近傍に温度制御手段を設け、前記ダイより押し出され前記型ローラに接する前の状態の前記樹脂材料の温度を制御することを特徴とする請求項2に記載の樹脂シートの製造方法。
  4. 前記転写型表面の凹凸形状の段差又は前記型ローラ表面の凹凸形状の段差を50μm以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂シートの製造方法。
  5. 前記樹脂材料の最薄肉部の厚さを5mm以下とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂シートの製造方法。
  6. 前記転写型又は前記型ローラの表面温度を前記樹脂材料のガラス転移温度Tg+10〜Tg+50°Cの温度に制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂シートの製造方法。
JP2006265489A 2006-09-28 2006-09-28 樹脂シートの製造方法 Pending JP2008080727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006265489A JP2008080727A (ja) 2006-09-28 2006-09-28 樹脂シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006265489A JP2008080727A (ja) 2006-09-28 2006-09-28 樹脂シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008080727A true JP2008080727A (ja) 2008-04-10

Family

ID=39352052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006265489A Pending JP2008080727A (ja) 2006-09-28 2006-09-28 樹脂シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008080727A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010027099A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 住友化学株式会社 表面形状転写樹脂シートの製造方法
WO2010029874A1 (ja) * 2008-09-11 2010-03-18 富士フイルム株式会社 偏肉樹脂シートの製造方法
WO2010029875A1 (ja) * 2008-09-11 2010-03-18 富士フイルム株式会社 偏肉樹脂シートの製造方法
JP2010100032A (ja) * 2008-09-25 2010-05-06 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池用接着シートの製造方法
CN102310560A (zh) * 2010-07-01 2012-01-11 住友化学株式会社 树脂片的制造方法
JP2012144033A (ja) * 2010-07-01 2012-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂シートの製造方法
JP2013176982A (ja) * 2012-02-01 2013-09-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 形状転写樹脂シートの製造方法及び樹脂シート

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010027099A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 住友化学株式会社 表面形状転写樹脂シートの製造方法
WO2010029874A1 (ja) * 2008-09-11 2010-03-18 富士フイルム株式会社 偏肉樹脂シートの製造方法
WO2010029875A1 (ja) * 2008-09-11 2010-03-18 富士フイルム株式会社 偏肉樹脂シートの製造方法
JP2010064386A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Fujifilm Corp 偏肉樹脂シートの製造方法
JP2010064387A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Fujifilm Corp 偏肉樹脂シートの製造方法
JP2010100032A (ja) * 2008-09-25 2010-05-06 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池用接着シートの製造方法
CN102310560A (zh) * 2010-07-01 2012-01-11 住友化学株式会社 树脂片的制造方法
JP2012144033A (ja) * 2010-07-01 2012-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂シートの製造方法
JP2013176982A (ja) * 2012-02-01 2013-09-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 形状転写樹脂シートの製造方法及び樹脂シート
TWI574823B (zh) * 2012-02-01 2017-03-21 Sumitomo Chemical Co And a resin sheet for forming a resin sheet

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090014116A1 (en) Method of producing resin sheet
US20090071598A1 (en) Method of producing resin sheet
JP2008080727A (ja) 樹脂シートの製造方法
US20100109185A1 (en) Method and apparatus for manufacturing uneven thickness resin sheet
US20080088052A1 (en) Method Of Producing A Resin Sheet
JP2006056214A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2007216481A (ja) 樹脂シートの製造方法及び装置
JP2007210161A (ja) 樹脂シートの製造方法及び装置
JP2007216505A (ja) 樹脂シートの製造方法及び装置
JP2009285916A (ja) 賦型樹脂シートの製造方法
JP2006256055A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP4552716B2 (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2008246865A (ja) 偏肉樹脂シートの製造方法および装置
JP2006297910A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2007210160A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2008246867A (ja) 偏肉樹脂シートの製造方法及び装置
JP2006056220A (ja) 樹脂シートの製造方法及び装置
JP2006056215A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2007216482A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2006056219A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2007176075A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2007261202A (ja) 樹脂シートの製造方法及び装置
JP2006289968A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2006256054A (ja) 樹脂シートの製造方法
JP2006056217A (ja) 樹脂シートの製造方法