JP2015037331A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Takashi Watanabe
傑 渡辺
圭介 光岡
Keisuke Mitsuoka
圭介 光岡
大久保 雅通
Masamichi Okubo
雅通 大久保
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Abstract

【課題】マグネット補助型のリラクタンスモータにおいて、低電流域におけるトルクリップルを低減させる。
【解決手段】ブラシレスモータ1は、リラクタンストルクとマグネットトルクとによりロータを回転させるマグネット補助型リラクタンスモータであり、ロータ3は、断面円弧状のS極マグネット26sと、N極マグネット26nを備える。マグネット26s,26nは、各極3個ずつ層状に設けられ、凸側部位をロータ中心Or側に向けた状態でロータコア24に形成されたスリット25内に埋設される。スリット25のうち最外層のスリット25cの端部には、スリット25cの周縁を直線状に形成したテーパ部43が形成されている。テーパ部43と中間層のスリット25bとの間は、スリット25a,25b間を流れる磁束量を制御する磁束制御部44となっている。
【選択図】図12

Description

本発明は、ブラシレスモータのロータの構造に関し、特に、ロータ内にマグネットを埋め込み、マグネットの磁力を補助的に使用してロータを回転させるマグネット補助型のリラクタンスモータに関する。
従来より、ブラシレスモータの一種として、ステータ・ロータ間の磁気抵抗差を利用して回転力を発生させるタイプの電動機としてリラクタンスモータが知られている。このようなリラクタンスモータでは、磁気抵抗差によって生じるリラクタンストルクによってロータを回転させる。しかしながら、リラクタンストルクはマグネットによって得られるトルクよりも小さいため、マグネットを用いた同体格のモータに比して、リラクタンスモータは出力トルクが小さくなる傾向がある。このため、リラクタンスモータにて所望のトルクを得るには、モータ体格を大きくなってしまうという問題がある。
そこで、近年、基本構成はリラクタンスモータとしつつ、ロータにマグネットを配したマグネット補助型のリラクタンスモータが提案されている。例えば特許文献1,2には、このようなマグネット補助型のリラクタンスモータが記載されており、リラクタンスモータのロータ内にマグネットを埋設した構成が示されている。これらの特許文献のモータでは、ロータの半径方向に、円弧状に形成されたマグネットが1極当たり2層以上の多層に配されている。各マグネットは、ロータ中心方向に向かって凸型となるよう配置されている。そしてこれにより、リラクタンスモータにおいてマグネットの磁力を補助的に利用し、リラクタンストルクとマグネットトルクの両者によってロータを回転させている。
特開平11-275783号公報 特開平10-271722号公報
ところが、このようなマグネット補助型のリラクタンスモータでは、図19に示すように、最大トルク制御や回転数最大制御を行った場合、低電流域にてトルクリップル率が大きくなる傾向がある。その場合、例えば、当該モータを電動パワーステアリング装置(以下、適宜EPSと略記する)の駆動源として用いると、EPS用モータに求められるトルクリップル率の上限要件に対して余裕が少なくなってしまう、という問題があった。EPS用モータでは、トルクリップルが大きくなると、運転者の操舵感が損なわれるおそれがあり、上限値に対し余裕のあるマグネット補助型リラクタンスモータの開発が求められていた。
本発明の目的は、ブラシレスモータのトルクリップルを低減させることにあり、特に、マグネット補助型リラクタンスモータに対し最大トルク制御や回転数最大制御を行った場合における低電流域でのトルクリップル率を低減することにある。
本発明のブラシレスモータは、複数相の巻線を備えたステータと、前記ステータ内に回転自在に配置され、その内部に複数個のマグネットが埋設されたロータコアを備えたロータと、を有し、前記複数個のマグネットの各磁極がつくる磁束の方向をd軸とし、それと磁気的に直交する軸をq軸に設定し、前記ロータに前記d軸と前記q軸とが周方向に交互に複数個設けられ、前記d軸方向とq軸方向の磁気抵抗差によって発生するリラクタンストルクと、前記マグネットによって発生するマグネットトルクとにより前記ロータを回転させるブラシレスモータであって、前記ロータは、N極又はS極の何れか一方である第1磁極と、前記第1磁極とは異なる極性の第2磁極とを有し、前記複数個のマグネットは、前記第1磁極を形成する断面円弧状のマグネットと、前記第2磁極を形成する断面円弧状のマグネットとからなり、前記第1及び第2磁極を形成する各マグネットは、その凸側部位をそれぞれ前記ロータの中心側に向けた状態で、前記ロータコアに形成されたマグネット装着孔内に収容され、前記マグネット装着孔は、前記ロータの外側に設定された同一の中心点を中心として同心状に複数個形成されると共に、前記第1及び第2磁極内に径方向に層を為して配設され、最外層に配された前記マグネット装着孔は、その端部に、該磁極内の前記マグネット装着孔間を流れる磁束量を制御する磁束制御部を有することを特徴とする。
前記ブラシレスモータにおいて、最外層の前記マグネット装着孔の長手方向端部に、該マグネット装着孔の周縁を直線状に形成したテーパ部を設け、前記テーパ部と、前記最外層のマグネット装着孔の内側に隣接して配置された他の前記マグネット装着孔との間に前記磁束制御部を形成しても良い。また、前記第1及び第2磁極のうち、最も大きな半径の前記マグネット装着孔を有する磁極の最外層の前記マグネット装着孔に前記テーパ部を形成しても良い。
前記テーパ部の基点を、最外層の前記マグネット装着孔に収容された前記マグネットの極弧角αと、最外層の前記マグネット装着孔の開口角βとの間に配しても良い。また、前記テーパ部に沿った線Aと、最外層の前記マグネット装着孔に収容された前記マグネットの端部位置の線Bが為すテーパ角θtを、0°よりも大きく、90°未満(0°<θt<90°)、好ましくは68°〜72°、より好ましくは70°に設定しても良い。
前記マグネット装着孔を、前記第1及び第2磁極に関わらず、径方向に沿って同じ層では同じ半径に形成し、同層のマグネット装着孔には同じマグネットが収容されるようにしても良い。
さらに、前記ブラシレスモータは、例えば、電動パワーステアリング装置の駆動源として使用することも可能である。
本発明のブラシレスモータは、マグネットの磁力を補助的に利用してロータを回転させるマグネット補助型のリラクタンスモータにて、ロータコア内に層状に形成されたマグネット装着孔のうち最外層のマグネット装着孔の端部に、マグネット装着孔間を流れる磁束量を制御する磁束制御部を設けたので、当該モータにおけるトルクリップル率、特に低電流域におけるトルクリップル率を低減させることが可能となる。これにより、例えば、当該ブラシレスモータを電動パワーステアリングの駆動源として使用した場合、トルクリップル率の許容上限値に対して余裕を持つことが可能となる。
本発明の一実施例であるブラシレスモータの断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 ロータの構成を示す説明図である。 各極の最内層マグネット−中心線間の距離とトルクリップルとの関係を、マグネット−中心線間の距離の組み合わせについてモードフロンティアを用いて解析したものの傾向をそれぞれの極について示したグラフである。 マグネット中心距離Rs,Rnの比とトルクリップルとの関係を示すグラフである。 各極の最も内側のマグネットとロータの中心Orとの間の距離(最短距離)Ls,Lnの組み合わせについてモードフロンティアを用いて解析したものの傾向をそれぞれの極について示したグラフである。 (a)は、本発明による設定(a)〜(c)によりマグネットを非対称配置とした場合の出力トルク、(b)は、従来通りにマグネットを対称に配置した場合の出力トルクを示した説明図である。 (a)は、本発明による設定(a)〜(c)によりマグネットを非対称配置とした場合のリラクタンストルク、(b)は、従来通りにマグネットを対称に配置した場合のリラクタンストルクを示した説明図である。 (a)は、本発明による設定(a)〜(c)によりマグネットを非対称配置とした場合の誘起電圧波形、(b)は、従来通りにマグネットを対称に配置した場合の誘起電圧波形を示した説明図である。 ロータの偏心構成を示す説明図である。 (a)は、ロータ外周を偏心させた場合のトルク波形、(b)は、ロータ外周を偏心させない場合のトルク波形を示した説明図である。 磁束制御部の構成を示す説明図である。 (a)は、各層のスリットにテーパ部を設けた各種組み合わせ、(b)は、各組み合わせにおけるトルクリップル率を比較して示したグラフである。 従来仕様の場合と、最内層と中間層にテーパ部を設けた場合、最外層のみにテーパ部を設けた場合のそれぞれについて、回転角とトルクの関係を示した説明図である。 従来仕様とテーパ角θtが60°,70°,80°の場合のトルクリップル率を比較して示したグラフである。 従来仕様の場合と、テーパ角θtが60°,70°,80°の場合のそれぞれについて、回転角とトルクの関係を示した説明図である。 本発明によるマグネット補助型のリラクタンスモータにおいて、最大トルク制御や回転数最大制御を行った場合のトルクリップル率を示す説明図である。 マグネットとしてボンドマグネットを用いた場合のロータ製造装置の構成を示す説明図である。 従来のマグネット補助型のリラクタンスモータにおいて、最大トルク制御や回転数最大制御を行った場合のトルクリップル率を示す説明図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)の断面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。モータ1は、リラクタンスモータをベースとしつつ、ロータにマグネットを配することにより、マグネットの磁力を補助的に利用したマグネット補助型のリラクタンスモータとなっており、電動パワーステアリング装置の駆動源として使用される。モータ1は、図1に示すように、通常のリラクタンスモータと同様に、外側にステータ(固定子)2、内側にロータ(回転子)3を配したインナーロータ型のブラシレスモータとなっている。
ステータ2は、有底円筒形状のモータケース4と、ステータコア5、ステータコア5に巻装されたステータコイル6(以下、コイル6と略記する)及びステータコア5に取り付けられコイル6が電気的に接続されるバスバーユニット(端子ユニット)7とから構成されている。モータケース4は、鉄等にて有底円筒状に形成されており、その開口部には、図示しない固定ネジによってアルミダイキャスト製のブラケット8が取り付けられている。ステータコア5は、コイル6を巻装した後、モータケース4の内周面に圧入固定される。モータ1は、外側部材であるステータ2にコイル6を配したいわゆるアウター巻線を採用しており、内側部材にコイルを巻装する構成よりも巻線の占積率を大きくでき、モータの出力向上が図られる。
図2に示すように、ステータコア5は、円筒状のアウタステータ11と、アウタステータ11の内周側に取り付けられるインナーステータ12とから構成されている。アウタステータ11とインナーステータ12はそれぞれ、厚さt(t=0.35〜0.70mm程度)の電磁鋼板を積層して形成されている。インナーステータ12は、放射状に形成された24個のティース部13と、ティース部13の内周側を連結するブリッジ部14とから構成されており、隣接するティース部13の間にはスロット15が形成される。
このようにモータ1では、ティース部13の内周側がブリッジ部14にて連結されているため、通常のモータのように、ティース先端側のスリットを利用してティースにコイルを巻装することができない。そこで、モータ1では、ステータ2をアウタステータ11とインナーステータ12に分割すると共に、インナーステータ12のティース部外周側を開放することにより、ティース部13に銅線を巻装してコイル6を形成できるようにしている。ティース部13は、コイル6が分布巻きにて巻装された後、アウタステータ11の内周側に取り付けられる(嵌合固定)。これにより、スロット15内にコイル6が収容された形態のステータコア5が形成される。なお、分布巻きは、集中巻に比してブリッジ部14での磁束の漏洩が少なく、集中巻よりも最大トルクを大きくできるため、当該モータ1ではコイル6を分布巻きにて巻装している。
モータ1では、ティース部13は24個設けられており、各ティース部13は、その外周側がアウタステータ11の内周面に形成されたティース取付溝(凹部)16に嵌合固定される。アウタステータ11側には、断面が逆ハの字形となった蟻溝状のティース取付溝16が形成されている。このティース取付溝16は、アウタステータ11の全長に亘って、軸方向に沿って延設されている。これに対し、ティース部13の外周端には、外端側が拡大したほぞ状の嵌合部17が形成されている。アウタステータ11とインナーステータ12は、ティース取付溝16と嵌合部17を軸方向から挿入嵌合させることにより、径方向・周方向に抜け止めされた状態で固定される。これにより、インナーステータ12の回転方向への移動が規制され、回転方向の力に対するインナーステータ12の位置ずれを確実に防止できる。
ステータコア5の一端側には、バスバーユニット7が取り付けられている。バスバーユニット7は、合成樹脂製の本体部内に銅製のバスバーがインサート成形された構成となっている。バスバーユニット7の周囲には、複数個の給電用端子21が径方向に突設されている。バスバーユニット7の取り付けに際し、給電用端子21は、ステータコア5から引き出されたコイル6の端部6aが溶接される。バスバーユニット7では、バスバーはモータ1の相数に対応した個数(ここでは、U相,V相,W相分の3個と各相同士の接続用の1個の計4個)設けられている。各コイル6は、その相に対応した給電用端子21と電気的に接続される。ステータコア5は、バスバーユニット7を取り付けた後、モータケース4内に圧入固定される。
ステータ2の内側にはロータ3が挿入されている。ロータ3はロータシャフト22を有しており、ロータシャフト22はベアリング23a,23bによって回転自在に支持されている。ベアリング23aはモータケース4の底部4a中央に、23bはブラケット8の中央部にそれぞれ固定されている。ロータシャフト22には、円筒形状のロータコア24と、回転角度検出手段であるレゾルバ31のロータ(レゾルバロータ)32が取り付けられている。
モータケース4の底部4a外側(図1において右側)には、カバー33が取り付けられている。ロータシャフト22は、モータケース4の底部4aからカバー33内へと延びており、その先端部にレゾルバロータ32が取り付けられている。カバー33内には、制御基板34,35が収容されており、制御基板34にはパワー系素子36、制御基板35には制御系素子37がそれぞれ実装されている。制御基板35には、レゾルバ31のロータの外周側に対向してレゾルバステータ38が取り付けられており、レゾルバステータ38に設けられた回転角度検出用コイルの信号線が制御系素子37と電気的に接続されている。
ロータ3を形成するロータコア24もまた、円板状の電磁鋼板を多数積層して形成されている。ロータコア24を構成する鋼板には、マグネット装着孔としてスリット25が複数設けられている。スリット25は、円弧状に曲がっており、スリット25内は空間となっている。スリット25は、磁極がつくる磁束の方向(マグネットの中心軸)をd軸とし、それと磁気的に直交する軸(マグネット間の軸)をq軸に設定すると、ロータシャフト22と直交するq軸を境界として複数組設けられている。また、スリット25は、d軸上のロータ3の外周より外側に設定される仮想点(後述する、S,N極マグネット26n,26sの円弧の中心Os,On)を中心に円弧状に配置されている。モータ1では、d軸上のロータ3の外周より外側に設定される仮想点を中心とした複数のスリット25のセットが円弧状に4組設けられており、各組にはそれぞれ複数層の磁路が形成される。なお、この各スリット25に後述するマグネット26が埋め込まれた状態で、その端部に、スリット25とマグネット26とによって形成される空間は、ロータ3の磁気抵抗を回転方向に沿って異ならせるためのフラックスバリアとして機能するようになっている。
スリット25内には、複数個のマグネット(永久磁石)26が埋め込まれている。モータ1では、リラクタンストルクが主、マグネットトルクが補助という位置付けとなっており、マグネット26としては、安価なフェライトマグネットが使用されている。但し、出力をより増大させるため、マグネット26にネオジムボンドマグネット等の希土類磁石を用いても良い。
図3は、ロータ3の構成を示す説明図である。図3のロータ3では、複数個のマグネット26として、外周側がS極となったマグネット26s(26s1,26s2)と、外周側がN極となったマグネット26n(26n1,26n2)が設けられている。つまり、ロータ3は4極構成となっており、モータ1は4極24スロット構成(2極12スロット×2)に形成されている。
一方、本発明によるロータ3には、次のような4つの特徴がある。
(1)各極のマグネット26は円弧状に形成されており、径方向に沿って3個ずつ設けられ、ロータ3にd軸とq軸とが周方向に交互に複数個設けられている。これにより、リラクタンストルクを有効利用しつつ、マグネットトルクによるトルク補強が図られる。
(2)S極のマグネット26s1,26s2と、N極のマグネット26n1,26n2は中心線に対して非対称に配置されている。これにより、トルクリップルとコギングの低減が図られる。
(3)ロータ3は、外周が偏心した形状となっている。これにより、トルクリップルの低減が図られる。
(4)S極領域(マグネット26s1,26s2の領域)では、3層のスリット25a〜25cのうち、最外層のスリット25cの端部に直線状のテーパ部43が設けられている。
以下、これらの各特徴について説明する。
(1)円弧状マグネットの3個配置
まず、前記(1)に関し、ロータ3では、前述のように、磁極がつくる磁束の方向をd軸とすると共に、それと磁気的に直交する軸をq軸とし、ロータ3に、d軸とq軸を複数個設定する。その際、d軸とq軸は、周方向に沿って交互に設けられる。ロータ3には、q軸磁束を通りやすくするために円弧のスリット25が設けられており、そこに円弧状のマグネット26が埋め込まれている。すなわち、ロータ3は、q軸の磁束が通りやすく、インダクタンスLqを大きく取ることができる構造となっている。従って、マグネット26によるマグネットトルクも大きくでき、フェライトマグネットでも十分なトルクを得ることが可能となる。
この場合、円弧(スリット25)を多くすることで磁路を増やすことができ、マグネットトルクも強化できるが、そのためには、マグネット26を薄くしなくてはならない。また、鋼板における磁路幅も小さくなり、磁気飽和しやすくなる。さらに、リラクタンストルクを得るためのLd−Lq(LdとLqの差)は、マグネット26の数(層数)を3以上としてもあまり変わらない。このため、マグネット26の数(層数)は3つ程度が現実的であり、ロータ3ではマグネット26を3層構成としている。
また、各層のスリット25a〜25cは、N極・S極を問わず、それぞれ同一半径にて形成されており、各層のマグネット26a(最内層)、26b(中間層)、26c(最外層)も同じマグネットが使用されている。つまり、マグネット26は、26a〜26cの三種類で足り、部品点数の削減も図られている。
(2)マグネット非対称配置
次に、前記(2)に関し、ロータ3では、マグネットの非対称設定によってトルクリップルを低減させている。この場合、ロータ3の非対称設定には次のような特徴がある。
(a) ロータ3の断面を、マグネット26s(第1磁極)とマグネット26n(第2磁極)の各d軸を基準として、各d軸が属する領域ごとに等分に分割する。そして、各領域の分割線となるロータ3の直交する中心線M1,M2に対して、一方の極(ここではS極)の最も内側のマグネット26aを、隣の極のゾーン(領域)に跨って配置する。但し、隣接極のマグネットとは干渉せず、q軸の磁路となるスペースは確保されている。これにより、q軸により区分されたマグネット26sの領域のロータ3の中心Orを中心とした角度θ1は、マグネット26nの領域のロータ3の中心Orを中心とした角度θ2より大きく設定されている(θ1>θ2)。
(b)マグネット26は、S極とN極とで中心位置がずれている。つまり、S,N極マグネット26n,26sの円弧の中心Os(第1中心点),On(第2中心点)と、ロータ3の中心Orとの間の各距離(マグネット中心距離)Rs(R),Rn(R)が異なる(Rs≠Rn)。
(c) 各極の最も内側のマグネット26aとロータ3の中心Orとの間の距離(最短距離)Ls(L),Ln(L)が、S極とN極とで異なる(Ls≠Ln)。
(a) マグネットのラップについて
図3に示すように、ロータ3には、マグネット26s(第1磁極)とマグネット26n(第2磁極)の各d軸を基準として、その断面を各d軸が属する領域ごとに等分に分割した4つの領域、すなわち、中心線M1,M2によって区画された4つの極ゾーンS1,N1,S2,N2が存在する。本発明のロータ3では、最内層(最もロータ中心Orに近い層)のS極マグネット26sの外周部41が、極ゾーンS1,S2から、隣接する他極の極ゾーンN1,N2側へはみ出している。なお、隣接ゾーン側の領域に跨るマグネットは、S極のものでもN極のものでも良く、ここでは、S極のマグネット26sがN極のゾーンにラップしている(跨る)場合を示している。隣接ゾーンへのラップ代は、これが大きいほどトルクリップルを低減できるが、隣接極と干渉しないように、S極マグネット26sと、これと隣り合うN極マグネット26nと間にはスペース42が設けられている。
図4は、各極の最内層マグネット26aと中心線M1,M2との距離と、トルクリップルとの関係を、マグネット−中心線間の距離の組み合わせについてモードフロンティア(多目的ロバスト設計最適化支援ツール:商品名)を用いて解析したものの傾向をそれぞれの極について示したグラフである。なお、図4の横軸において、マイナスの値は隣接極ゾーンにラップしている状態を示している。図4から分かるように、S極はラップさせるとリップルが低減するが、N極は中心線からある程度距離がある方がリップルが小さくなる。一方、S極とN極が干渉するとS極のリップルが増大し(S極はみ出し設定の場合)、極間距離が近すぎるとトルクが低下する。従って、ロータ3では、S極マグネット26sをN極ゾーンにラップさせつつも、N極マグネット26nと間に電磁鋼板の板厚(0.35〜0.70mm程度)の2倍程度(例えば、1.2mm)のスペース42を設けている。
(b) 極の中心位置のずれについて
図5は、マグネット中心距離Rs,Rnの比とトルクリップルとの関係を示すグラフである。図5から分かるように、Rs/Rnが大きくなるとトルクリップルは増大する。従って、Rs/Rnは小さいほどトルクリップルは減少する。しかしながら、Rs/Rnが0.92よりも小さくなると、S極マグネット26sとN極マグネット26nが干渉する。従って、トルクリップル低減のためには、Rs/Rnを0.92に設定するのが最適である。
(c) マグネットの配置ずれについて
図6は、前述の距離Ls,Lnの組み合わせについてモードフロンティアを用いて解析したものの傾向をそれぞれの極について示したグラフである。図6に示すように、Lsは7,Lnは9にて極小値を示している。従って、この結果から、Ln,Lsについては、Ls:Ln=7:9となる位置に各極の最内層マグネット26aを配置すれば良いことが分かる。
一方、モータ1の出力トルクは、リラクタンストルクとマグネットトルクの合成トルクとなるが、対称ロータの場合、Ld−Lqの変動により、リラクタンストルクのリップルが大きくなってしまう。そこで、本発明によるモータ1では、ロータを非対称とすることで、図3のA部(S極ゾーンS1,S2)で発生するリラクタンストルクと、B部(N極ゾーンN1,N2)で発生するリラクタンストルクが相殺され、トルクリップルが低減される。
図7(a)は、前述の(a)〜(c)の設定によりマグネットを非対称に配置した場合の出力トルク、同(b)は、従来通りにマグネットを対称に配置した場合の出力トルクを示した説明図である。なお、図中における、Tmはマグネットトルク、Trはリラクタンストルク、TtはTmとTrを合成した出力トルク(トータルトルク)である。図7(a)に示すように、マグネットを非対称に配置すると、同(b)の場合に比して、トルクリップルが大幅に抑えられていることが分かる。この場合、リラクタンストルクに関するリップルについては、図8(a)に示すように、A部とB部のリラクタンストルクTr(A),Tr(B)が相殺し合う。これにより、全体のリラクタンストルクTr(合成)は、図8(b)に示した対称構成の場合に比して、大幅に低減される。
また、マグネットトルクについても、対称ロータでは、磁束に高調波成分が乗るため誘起電圧波形が歪み、トルクリップルが大きくなってしまう。これに対し、ロータを非対称とすると、高調波成分が相殺され、誘起電圧波形が正弦波化され、マグネットトルクのトルクリップルも低減される。前述のように、スキューにより誘起電圧を正弦波化してトルクリップルを低減させる方法もあるが、この場合、スキューによってトルクが低下してしまう。本発明のようなロータ非対称構成では、トルク低下は招来しないため、スキューに比して効果的にトルクリップルの低減を図ることが可能となる。
図9(a)は、前述の(a)〜(c)の設定によりマグネットを非対称に配置した場合の誘起電圧波形、同(b)は、従来通りにマグネットを対称に配置した場合の誘起電圧波形を示した説明図である。図9(b)に示すように、マグネットを対称に配置すると、誘起電圧波形に歪みが生じるが、マグネットを非対称に配置すると、同(a)のように、それが正弦波化されていることが分かる。
(3)ロータ偏心
さらに、前記(3)に関し、ロータ3では、外周の偏心設定によってトルクリップルを低減させている。図10は、ロータ3の偏心構成を示す説明図である。なお、図10では、ロータ3が偏心している状態を明確に示すため、ロータ外形を誇張して示している。また、前述のように、隣接ゾーン側の領域に跨るマグネットは、S極のものでもN極のものでも良いことから、図10では、図3とは逆にN極のマグネット26nがS極のゾーンにラップしている構成を例示している。
図10に示すように、ロータ3の外周は、点Orを中心とする一様の円周ではなく、4つの極ゾーンS1,S2,N1,N2ごとに異なる点を中心とした半径の円弧にて形成されており、それらが各極ゾーンの境界点Pにて接続された形となっている。すなわち、各極ゾーンの外周は、ロータ中心Orから径方向外側にそれぞれ偏心距離Lecだけ離れた偏心点Oecを中心とする半径Recの円弧にて形成されている。偏心点Oecは、中心線M1,M2に対して45°傾斜した線分上に配置されている。また、半径Recは、ロータ3の最外周位置Qとロータ中心Orとの間の距離Rmaxよりも小さくなっている。
このようにロータ3の外周を偏心させると、誘起電圧波形の高調波成分をより低減させることができ、これにより、更なるトルクリップルの低減が図られる。また、ロータ偏心により、ロータ回転に伴う磁束変化を緩やかにすることができ、マグネットトルクの変動を低減させることができ、この点からトルクリップルの低減が図られる。図11(a)は、ロータ外周を偏心させた場合のトルク波形、同(b)は、ロータ外周を偏心させない場合のトルク波形を示した説明図である。
図11に示すように、ロータ3を偏心設定すると、トルクリップル、特に、マグネットトルクTmのトルクリップルが抑えられ、出力トルクTtのリップルも低減される。また、発明者らの実験によれば、「非対称・偏心なし」の設定の場合でも「対称・偏心なし」に比して大幅にトルクリップルが抑えられるが(トルクリップル率:8%→5%に低下)、さらに「非対称・偏心あり」の設定とすることにより、トルクリップルをより低減させることが可能となる(トルクリップル率3.7%程度まで低下)。一般に、EPS用モータではトルクリップルが5%未満に抑えることが好ましい。「非対称・偏心なし」の設定の場合もこの基準は概ねクリアするが、リラクタンストルクとマグネットトルクのリップルを共に低減させ、全体のトルクリップルを確実に5%未満に抑えるためには、ロータの外周を偏心させることが望ましい。
(4)テーパ部
上述の(1)〜(3)の構成により、EPS用モータのトルクリップル率上限値(5%)をクリアするが、前述のように、最大トルク制御や回転数最大制御を行った場合、低電流域での余裕が少ない傾向がある。そこで、当該モータ1では、ロータ3の最外層スリット25cの周縁端部に直線状のテーパ部43を設け、スリット端部に磁束制御部44を形成することにより、スリット25a,25b間を流れる磁束量を制御し、トルクリップル率の更なる低減を図っている。
図12は、磁束制御部44の構成を示す説明図である。図12に示すように、ロータコア24では、最外層のスリット25cの両端部に、スリット25cの周縁を直線状に形成したテーパ部43が設けられている。モータ1では、磁束制御部44は、テーパ部43と、中間層のスリット25bとの間に形成されている。テーパ部43は、最外層のマグネット26cの極弧角αと、スリット25cの開口角βとの間に設けられている。すなわち、両テーパ部43の基点Kが為す角θkは、α≦θk<βとなっている。なお、図12では、θk=αとなっている。また、テーパ部43に沿った線Aと、マグネット26cの端部位置の線Bが為すテーパ角θtは、0°よりも大きく、90°未満(0°<θt<90°)に形成されている。発明者らの実験によれば、θtは60°〜75°程度、好ましくは、68°〜72°程度が適当であり、本実施形態ではθt=70°を採用している。
モータ1は、EPS用のため正逆転を行う仕様となっており、正逆転をバランス良く行うべく、スリット25c両端の各テーパ部43は、中心線Otに対して対称に配置されている。すなわち、両テーパ部43間の基点角θkは、中心線Otにて等分に振り分けられる。また、両テーパ部43の各テーパ角θtは、互いに等しい値となっている。なお、一方向のみ回転するモータでは、スリット25cの両端部にテーパ部43を設け磁束制御部44を形成する必要はなく、回転方向に応じて片側のみにテーパ部43を設けても良い。その場合、テーパ部43の基点Kは、前述同様、極弧角αと開口角βとの間に配されるが、テーパ部43が片方のみのため、基点角θkは0となる。
一方、このようなテーパ部43は、最外層のスリット25cのみならず、最内層や中間層のスリット25a,25bに設ける構成も想定し得る。図13は、各層のスリット25にテーパ部を設けた各種組み合わせと(同図(a))、各組み合わせにおけるトルクリップル率を比較して示したグラフ(同図(b))である。図13に示すように、最内層のスリット25aにテーパ部を設けた場合(No.1〜No.4)は総じてトルクリップル率が高く、従来の仕様(No.8)よりも却ってトルクリップルが大きくなった。また、中間層のスリット25bにテーパ部を設けた場合(No.1,2,5,6)は、トルクリップル低減効果が見られるものもあったが(No.5)、最外層のテーパ部による効果が伺われ、従来仕様を大きく上回る成果は得られなかった。これに対し、最外層のスリット25cのみにテーパ部を設けた場合(No.7)は、最大トルク制御・回転数最大制御の何れにおいても、トルクリップル低減効果が大きく、従来仕様よりもトルクリップル率を抑えることができた。
図14は、従来仕様(テーパ部無し)の場合と、最内層と中間層にテーパ部を設けた場合、最外層のみにテーパ部を設けた場合のそれぞれについて、回転角とトルクの関係を示した説明図である。この場合、図14(a)は、各部位におけるトルクを示しており、図中のTPは、テーパ部43を設けた部位(マグネットオーバーラップ側:図10のN極側)、同じくNTは、テーパ部43を設けない部位(図10のS極側)におけるトルク変動をそれぞれ示している。また、同図(b)は、テーパ部43を設けた部位におけるトルクをリラクタンストルクTrとマグネットトルクTmに分離し、それぞれのトルク変動を示している。
図14(a)にて、TP部でのトルクがピークとなる位置を見ると、最内層と中間層にテーパ部を設けた場合では、TP部とNT部でトルクを増幅する形となる。これに対し、最外層のみにテーパ部を設けた場合は、TP部とNT部でトルクを相殺する形となる。さらに、図14(b)を見ると、Trの位相がそれぞれの場合で大きく変化しており、図14(a)におけるトルク波形の変化は、主にTrの位相変化によるところが大きいことが分かる。すなわち、テーパ部43を設け磁束制御部44を形成することにより、TP部における磁束密度分布が変化し、それに伴い、Trの位相も変化する。その結果、TP部とNT部でトルクの山を相殺することができ、トルクリップルの低減が図られる。
次に、テーパ角θtについては、最外層のスリット25cにテーパ部43を設けた場合、θtが60°〜75°程度、好ましくは、68°〜72°とした場合、従来仕様よりもトルクリップル率が低減した。図15は、発明者らの実験結果を示すグラフであり、ここでは、従来仕様とθtが60°,70°,80°の場合を比較して示している((a)は最大トルク制御、(b)は回転数最大制御)。図15から分かるように、最大トルク制御や回転数最大制御において、低電流域から高電流域まで、θtが70°の場合が最もバランス良くトルクリップル率が低くなっている。これを前述同様にTP部とNT部のトルク変化で見ると、図16(a)に示すように、TP部の最大トルク回転角が、θt=70°,60°では、従来仕様の10°から16°にシフトしている。また、図16(b)から、θtを70°や60°とすることにより、Tmのピークトルクが増大していることが分かる。このピークトルクの変化に伴い、TP部の最大トルク回転角がシフトし、TP部とNT部でトルクの山が相殺される。従って、θtを60°〜75°程度とすることにより、トルクリップルの低減が図られる。
このように、本発明によるモータ1では、前述の(1)〜(3)によるロータ非対称設定と、(4)のテーパ部43により、トルクリップルを低減させることが可能となる。図17は、前述のような(1)〜(4)を組み合わせた設定のロータを用いた場合と、(1)〜(4)を施さずに従来通りに設定した場合のロータを用いた場合における、トルクリップル率を比較して示した説明図である。図17に示すように、本発明による設定の場合、最大トルク制御と回転数最大制御の何れにおいても、低電流域のトルクリップルが低減されており、従来設定に対し、上限値に対する余裕を大きく持つことが可能となる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、マグネット26を3層に配置する方法も前述の構成には限定されない。すなわち、各層のマグネットの半径を同じ値とし、各半径の中心点を異なる位置に配置する形など、マグネット26aを、他極マグネットと干渉することなく、隣の極のゾーンにラップさせることができる構成であれば、どのような配置方法を採用しても良い。
さらに、モータ1では、マグネット26として断面円弧状のマグネットを使用した例を示したが、断面が等脚台形の三辺(上底と両斜辺)形状となったマグネットを使用しても良い。なお、マグネット26は、前述のように3個配置がバランス的に良好であるが、その個数は3個には限定されず、例えば、2個や4個でも良い。
加えて、マグネット26として、ボンドマグネットや焼結マグネットを用いることも可能である。マグネット26にボンドマグネットを用いる場合、スリット25内には、溶融された磁性成形材料をが注入され、これを冷却することにより、スリット25内にボンド磁性体が成形される。その際、磁性成形材料の分子配向を揃えるべく、図18に示すようなロータ製造装置51内にロータコア24を収容し、スリット25内に磁性成形材料を注入する。ロータ製造装置51は、周方向に界磁マグネット52と磁性コア53を交互に配置した界磁手段54を備えた構成となっている。そこでは、周方向で隣接する界磁マグネット52から発生する磁束は、各界磁マグネット52間に位置する磁性コア53に集中した後、径方向の内側に向けて延びる。このため、ロータ収容部55内に高磁束の磁場を発生させることができ、磁性材料の分子配向を揃えるために必要な1(T)程度の磁場をロータコア24の径方向内側付近の領域Xに発生させることが可能となる。
従って、界磁手段54内に収容されるロータコア24に対して径方向の全体に亘って磁場を印加することができ、各スリット25内にボンド磁性体の磁性成形材料を注入する際に、ボンド磁性体の配向を径方向全体に亘って揃えることができる。これにより、配向後、ボンド磁性体を着磁した場合に、所望の磁力が付与されたマグネット26を提供することができる。この場合、本実施形態のような多層IPM構造のロータ3においても、径方向の最内層に位置するスリット25に注入されるボンド磁性体まで配向を確実に揃えることができる。従って、各スリット25内に形成される各マグネット26間での磁力のバラツキも抑えられる。
一方、前述の実施例では、ティース部13の内周側をブリッジ部14にて連結した構成のブラシレスモータを例に挙げたが、本発明は、ブリッジ部を設けることなく各ティースをそれぞれ分離形成した構成のブラシレスモータにも適用可能である。また、ティース部13の構成も、これをアウタステータ11のティース取付溝16に嵌合固定する構成には限定されず、アウタステータ11とティース部13を一体に形成した構成でも良い。
本発明によるブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置以外にも、他の車載電動装置や、ハイブリッド自動車、電気自動車などの電気機械・機器や、エアコン等の電気製品等にも適用可能である。
1 ブラシレスモータ
2 ステータ
3 ロータ
4 モータケース
4a 底部
5 ステータコア
6 ステータコイル
6a 端部
7 バスバーユニット
8 ブラケット
11 アウタステータ
12 インナーステータ
13 ティース部
14 ブリッジ部
15 スロット
16 ティース取付溝
17 嵌合部
21 給電用端子
22 ロータシャフト
23a,23b ベアリング
24 ロータコア
25 スリット(マグネット装着孔)
25a〜25c スリット
26 マグネット
26a 最内層マグネット
26b 中間層マグネット
26c 最外層マグネット
26n N極マグネット
26s S極マグネット
31 レゾルバ
32 レゾルバロータ
33 カバー
34 制御基板
35 制御基板
36 パワー系素子
37 制御系素子
38 レゾルバステータ
41 外周部
42 スペース
43 テーパ部
44 磁束制御部
51 ロータ製造装置
52 界磁マグネット
53 磁性コア
54 界磁手段
55 ロータ収容部
M1,M2 中心線
N1,N2 N極ゾーン
S1,S2 S極ゾーン
Os S極マグネット中心点
On N極マグネット中心点
Or ロータ中心
Rs マグネット中心距離(Os−Or)
Rn マグネット中心距離(On−Or)
Ls 最内層マグネット距離
Ln 最内層マグネット距離
Oec 偏心点
Lec 偏心距離
P 境界点
Q 最外周位置
Rec 偏心半径
Rmax ロータ最外周位置距離(Q−Or)
Tr リラクタンストルク
Tm マグネットトルク
Tt 出力トルク

Claims (9)

  1. 複数相の巻線を備えたステータと、
    前記ステータ内に回転自在に配置され、その内部に複数個のマグネットが埋設されたロータコアを備えたロータと、を有し、
    前記複数個のマグネットの各磁極がつくる磁束の方向をd軸とし、それと磁気的に直交する軸をq軸に設定し、
    前記ロータに前記d軸と前記q軸とが周方向に交互に複数個設けられ、前記d軸方向とq軸方向の磁気抵抗差によって発生するリラクタンストルクと、前記マグネットによって発生するマグネットトルクとにより前記ロータを回転させるブラシレスモータであって、
    前記ロータは、N極又はS極の何れか一方である第1磁極と、前記第1磁極とは異なる極性の第2磁極とを有し、前記複数個のマグネットは、前記第1磁極を形成する断面円弧状のマグネットと、前記第2磁極を形成する断面円弧状のマグネットとからなり、
    前記第1及び第2磁極を形成する各マグネットは、その凸側部位をそれぞれ前記ロータの中心側に向けた状態で、前記ロータコアに形成されたマグネット装着孔内に収容され、
    前記マグネット装着孔は、前記ロータの外側に設定された同一の中心点を中心として同心状に複数個形成されると共に、前記第1及び第2磁極内に径方向に層を為して配設され、最外層に配された前記マグネット装着孔は、その端部に、該磁極内の前記マグネット装着孔間を流れる磁束量を制御する磁束制御部を有することを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 請求項1記載のブラシレスモータにおいて、
    最外層の前記マグネット装着孔は、その長手方向端部に、該マグネット装着孔の周縁を直線状に形成したテーパ部を有し、
    前記磁束制御部は、前記テーパ部と、前記最外層のマグネット装着孔の内側に隣接して配置された他の前記マグネット装着孔との間に形成されてなることを特徴とするブラシレスモータ。
  3. 請求項1又は2記載のブラシレスモータにおいて、
    前記テーパ部は、最も大きな半径の前記マグネット装着孔を有する磁極の最外層の前記マグネット装着孔に形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記テーパ部の基点が、最外層の前記マグネット装着孔に収容された前記マグネットの極弧角αと、最外層の前記マグネット装着孔の開口角βとの間に配されることを特徴とするブラシレスモータ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記テーパ部は、該テーパ部に沿った線Aと、最外層の前記マグネット装着孔に収容された前記マグネットの端部位置の線Bが為すテーパ角θtが、0°よりも大きく、90°未満(0°<θt<90°)であることを特徴とするブラシレスモータ。
  6. 請求項5記載のブラシレスモータにおいて、
    前記テーパ角θtが68°〜72°であることを特徴とするブラシレスモータ。
  7. 請求項6記載のブラシレスモータにおいて、
    前記テーパ角θtが70°であることを特徴とするブラシレスモータ。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記マグネット装着孔は、前記第1及び第2磁極に関わらず、径方向に沿って同じ層では同じ半径に形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記ブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置の駆動源として使用されることを特徴とするブラシレスモータ。
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