JP6390506B2 - 回転電機のロータ - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両や電気自動車等の車両に搭載されて電動機や発電機として用いられる回転電機のロータに関する。
従来、車両等に搭載されて使用される回転電機として、ロータの内部に永久磁石を埋め込んだ構造をもつ回転界磁形式の同期モータ(以下、「IPMモータ」という。)が知られている。このIPMモータは、ロータの磁化によるリラクタンストルクと永久磁石の磁化によるマグネットトルクの両方を利用することができるので高トルクであることから、ハイブリッド車両や電気自動車等に好適に採用されている。
このようなIPMモータは、ステータと、ステータと径方向に対向配置されるロータとを備えている。そして、ロータとして、周方向に配列された複数の磁石収容孔を有するロータコアと、前記磁石収容孔に収容されて周方向に極性が交互に異なる複数の磁極を形成する複数の永久磁石と、を備えたものが知られている。
そして、特許文献1には、磁石使用量の増大を抑止しつつ、トルク増大が可能な同期機が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも3つの永久磁石を含んで各磁極が構成される回転電機用の回転子(ロータ)において、磁極内における磁気飽和を抑制することによって回転電機のトルク向上を図れる回転電機用回転子が開示されている。
特開2009−124899号公報 特開2012−161227号公報
ところで、上記のようなIPMモータでは、トルクを増加させるべく、鎖交する磁束を増加させると、磁気飽和によりトルク脈動(トルクリプル)が発生することが知られている。特に、IPMモータのロータにおいては、ロータコアの周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間に位置するq軸コア部上や、磁石収容孔に収容された永久磁石とステータとの対向面でトルクの減少や、トルクリプルの原因となる磁気飽和が起こり易い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、トルクリプルを低減させ得るようにした回転電機のロータを提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた第一の発明は、
周方向に配列された複数の磁石収容孔(32)を有するロータコア(31)と、前記磁石収容孔に収容されて周方向に極性が交互に異なる複数の磁極を形成する複数の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)と、各前記q軸コア部の反ロータ回転方向側に位置する第1フラックスバリア(35)及び各前記q軸コア部のロータ回転方向側に位置する第2フラックスバリア(36)とを有し、
前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)が反ロータ回転方向側にずれているとともに、
前記第1フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対して反ロータ回転方向側へ突出し、前記第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対して反ロータ回転方向側へ凹んでいることにより、
前記第1及び第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の内周側角部(35a,36a)に対して外周側角部(35b,36b)が反ロータ回転方向側にずれていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータコアのq軸コア部は、内周側周方向幅中心に対して外周側周方向幅中心が反ロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルを効果的に低減させることができる。
上記課題を解決するためになされた第二の発明は、
2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対の磁石収容孔(32a,32b)を有するロータコア(31)と、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔に収容されてそれぞれ1つの磁極を形成する複数対の永久磁石(33)と、を備え、出力トルク内においてリラクタンストルク比率が大きくマグネットトルク比率が小さい回転電機のロータにおいて、
前記磁石収容孔の各対及び前記永久磁石の各対は、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)に対して線対称となる状態に配置され、
前記ロータコアは、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔(37)を有し、前記中央磁石収容孔には、前記磁極中心線(C1)に対してロータ回転方向側に中心(P3)がずれた状態で中央磁石(38)が配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータコアは、V字状に配置された対をなす磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔を有し、中央磁石収容孔には、磁極の周方向中心を通る磁極中心線に対してロータ回転方向側に中心がずれた状態で中央磁石が配置されている。これにより、中央磁石によるマグネットトルクの増加を図りつつ、トルクリプルを効果的に低減させることができる。
上記課題を解決するためになされた第三の発明は、
周方向に配列された複数の磁石収容孔(32)を有するロータコア(31)と、前記磁石収容孔に収容されて周方向に極性が交互に異なる複数の磁極を形成する複数の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)と、各前記q軸コア部の反ロータ回転方向側に位置する第1フラックスバリア(35)及び各前記q軸コア部のロータ回転方向側に位置する第2フラックスバリア(36)とを有し、
前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)がロータ回転方向側にずれているとともに、
前記第1フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ突出し、前記第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ凹んでいることにより、
前記第1及び第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の内周側角部(35a,36a)に対して外周側角部(35b,36b)がロータ回転方向側にずれていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータコアのq軸コア部は、内周側周方向幅中心に対して外周側周方向幅中心がロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルを効果的に低減させることができる。この場合、q軸コア部の外周側周方向幅中心をロータ回転方向側にずらせることにより、マグネットトルクとリラクタンストルクの位相ずれを、理想的な位相ずれである電気角30度側へ導くことができる。
上記課題を解決するためになされた第四の発明は、
2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対の磁石収容孔(32a,32b)を有するロータコア(31)と、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔に収容されてそれぞれ1つの磁極を形成する複数対の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)と、各前記q軸コア部の反ロータ回転方向側に位置する第1フラックスバリア(35)及び各前記q軸コア部のロータ回転方向側に位置する第2フラックスバリア(36)とを有し
前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)がロータ回転方向側にずれているとともに、
前記第1フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ突出し、前記第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ凹んでいることにより、
前記第1及び第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の内周側角部(35a,36a)に対して外周側角部(35b,36b)がロータ回転方向側にずれており、
V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔(37)を有し、前記中央磁石収容孔には、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)に対してロータ回転方向側に中心(P3)がずれた状態で中央磁石(38)が配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータコアのq軸コア部は、内周側周方向幅中心に対して外周側周方向幅中心がロータ回転方向側にずれているとともに、V字状に配置された対をなす磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔には、磁極の周方向中心を通る磁極中心線に対してロータ回転方向側に中心がずれた状態で中央磁石が配置されているので、トルクリプルを効果的に低減させることができる。また、q軸コア部の外周側周方向幅中心をロータ回転方向側にずらせることにより、マグネットトルクとリラクタンストルクの位相ずれを、理想的な位相ずれである電気角30度側へ導くことができる。
上記課題を解決するためになされた第五の発明は、
2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対の磁石収容孔(32a,32b)を有するロータコア(31)と、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔に収容されてそれぞれ1つの磁極を形成する複数対の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)を有し、前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)が周方向にずれているとともに、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔(37)を有し、前記中央磁石収容孔には、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)に対して周方向に中心(P3)がずれた状態で中央磁石(38)が配置されており、
前記q軸コア部の外周側周方向幅中心(P2)のずれ幅である電気角θと前記中央磁石の中心のずれ幅である電気角βとの合計が結果的に互いに離れる方向にずれていることにより、リラクタンストルクとマグネットトルクの位相差が電気角で30度となるようにされていることを特徴とする。
この構成によれば、q軸コア部の外周側周方向幅中心のずれ幅である電気角θと中央磁石の中心のずれ幅である電気角βとの合計が結果的に互いに離れる方向にずれていることにより、リラクタンストルクとマグネットトルクの位相差が電気角で30度となるようにされている。そのため、マグネットトルクとリラクタンストルクの位相ずれを、理想的な位相ずれである電気角30度側へ容易に導くことができるので、トルクリプルを効果的に低減させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものであり、特許請求の範囲に記載された各請求項の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
実施形態1のロータを搭載した回転電機の軸方向に沿う模式断面図である。 実施形態1に係るロータの3つの磁極を含む範囲の部分平面図である。 IPMモータにおけるリラクタンストルクとマグネットトルクの波形を示す特性図である。 図3におけるリラクタンストルクとマグネットトルクを合成したモータトルクの波形を示す特性図である。 実施形態1に係るロータのモータトルク波形と改善前のモータトルク波形を示す特性図である。 実施形態2に係るロータの3つの磁極を含む範囲の部分平面図である。 実施形態2に係るロータにおいて電気角θとトルクリプルとの関係を示す特性図である。 実施形態2に係るロータにおいて電気角θと従来のトルクを1とした時のトルク比との関係を示す特性図である。 実施形態3に係るロータの1つの磁極を含む範囲の部分平面図である。 実施形態3に係るロータのモータトルク波形と改善前のモータトルク波形を示す特性図である。 実施形態3に係るロータにおいて電気角βとトルクリプルとの関係を示す特性図である。 実施形態4に係るロータの3つの磁極を含む範囲の部分平面図である。 実施形態5に係るロータの3つの磁極を含む範囲の部分平面図である。 図3におけるリラクタンストルクとマグネットトルクを合成したモータトルク波形を示す特性図である。 実施形態5に係るロータのモータトルク波形と改善前のモータトルク波形を示す特性図である。 実施形態6に係るロータの3つの磁極を含む範囲の部分平面図である。 実施形態7に係るロータの3つの磁極を含む範囲の部分平面図である。
以下、本発明に係る回転電機のロータの実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
実施形態1のロータ30Aは、例えば車両用モータとして使用される回転電機1に搭載されるものであって、この回転電機1は、図1に示すように、ハウジング10と、ステータコア21及びステータコイル22を有し電機子として働くステータ20と、埋設された複数の永久磁石33により周方向に極性が交互に異なる磁極が形成されて界磁として働くロータ30と、を備えている。
ハウジング10は、両端が閉口した概ね円筒状に形成されている。ステータ20は、円環状に形成されて内周部に周方向に配列された複数のスロット(図示せず)を有するステータコア21と、ステータコア21のスロットに巻装されたステータコイル22とを有する。このステータ20は、ステータコア21の外周部がハウジング10の軸方向中央部の内壁面に固定されている。
ロータ30Aは、ハウジング10の軸方向両側の壁部に一対の軸受け11を介して回転可能に支持された回転軸13の軸方向中央部外周に、回転軸13と一体回転可能に嵌合固定されている。このロータ30Aは、ハウジング10の内壁面に固定されたステータ20の内周側に所定のエアギャップを介して径方向に対向して配置されている。ロータ30Aは、図2に示すように、周方向に配列された複数の磁石収容孔32、q軸コア部34及び第1及び第2フラックスバリア35,36等を有するロータコア31と、各磁石収容孔32にそれぞれ埋設された複数の永久磁石33と、を備えている。
ロータコア31は、中央に貫通孔31aを有する円環状の鋼板を軸方向に複数積層して厚肉円筒状に形成されて、回転軸13の外周に貫通孔31aが嵌合固定されている。このロータコア31の外周部には、軸方向に貫通する複数(実施形態1では8個)の磁石収容孔32が周方向に所定距離を隔てて設けられている。各磁石収容孔32は、軸直角方向の断面形状が長方形であり、ロータコア31の周方向に長辺が延び、径方向に短辺が延びるように形成されている。
各磁石収容孔32には、軸直角方向の断面形状が長方形の永久磁石33が1個ずつ収容されている。この場合、8個の永久磁石33は、ロータコア31の外周部に周方向に極性が交互に異なる複数の磁極(実施形態1では8極(N極:4、S極:4))を形成するように周方向に等間隔に配置されている。各磁石収容孔32に収容された永久磁石33は、磁石収容孔32の断面形状と概ね符合する長方形の断面形状を有する。なお、ロータコア31の1つの磁極において、磁石収容孔32及び永久磁石33は、ロータコア31の回転軸線Oと磁極の周方向中心とを通る磁極中心線C1に対して線対称となる状態に配置されている。
ロータコア31の周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間には、或る1つの磁極間から他の磁極間へ磁束が流れる部位となるq軸コア部34が形成されている。そして、各磁石収容孔32に収容された永久磁石33と周方向両側のq軸コア部34との間には、磁気的空隙部としての第1及び第2フラックスバリア35,36がそれぞれ磁石収容孔32と連続して一体に設けられている。この場合、各永久磁石33のロータ回転方向側(図2の左側)に設けられた第1フラックスバリア35と、反ロータ回転方向側(図2の右側)に設けられた第2フラックスバリア36は、軸直角方向の断面形状が異なる。
即ち、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側(ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分が反ロータ回転方向側へ突出することにより断面形状が縮小されている。これにより、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側の内周側角部35aに対して外周側角部35bが反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。一方、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側(反ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分が反ロータ回転方向側へ凹んでいることにより断面形状が拡張されている。これにより、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側の内周側角部36aに対して外周側角部36bが反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
また、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34は、第1及び第2フラックスバリア35,36の断面形状が上記のように形成されていることから、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。即ち、第1フラックスバリア35の内周側角部35aと第2フラックスバリア36の内周側角部36aとの間の内周側周方向幅中心P1に対して、第1フラックスバリア35の外周側角部35bと第2フラックスバリア36の外周側角部36bとの間の外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。なお、上記の電気角θは、0度<θ<6.9度の範囲に設定されている。
次に、実施形態1のロータ30Aが搭載された回転電機1のトルクリプル低減について説明する。通常、IPMモータのマグネットトルクの振幅は、トルク最大時のトルクをAとして電流進み角をαとすると、A×Sin(α+90)で与えられるが、トルク波形の位相を考慮したとき、位相ずれなしのトルク波形にαの位相を持った電流を充てるため、位相がおよそα/2となる。
IPMモータのモータトルクは、おおよその場合において、リラクタンストルクピークであるα≒45度付近が最大となるが、マグネットトルクが主体トルクとなる場合、例えばα≒35度付近で最大トルクが起きる。ここで、位相が35度ずれたリラクタンストルクの波形と、位相が17.5度ずれたマグネットトルクの波形の合成が最大トルクとなると仮定すれば、概ね全ての場合を考慮した検討が可能となる。
実際のトルクリプルは、ステータ20のスロットとスロット間の空隙の影響や、倍スロット化、磁気飽和などの影響を受け複雑となるが、電流波形もモータのトルク応答特性もSin波と仮定して考えると、トルク波形は図3のようになる。図3には、各相(U相,V相,W相)のリラクタンストルク(振幅小)と、マグネットトルク(振幅大)の波形が示されている。ここでモータトルクは、図3においてリラクタンストルクの最大値をなぞったものと、マグネットトルクの最大値をなぞったものとの和となり、図4に示す波形となる。
このモータトルク波形は、リラクタンストルクの電流位相αが35度であり、ピーク値を出す45度ではない点が災いして、リラクタンストルクが低く、マグネットトルクの電流切り替わり地点でのミゾが大きくなるため、トルクリプルが大となってしまう。ここで、リラクタンストルクの最大値が出る位相を35度付近に動かすことにより、トルクリプルを低減することができる。
即ち、実施形態1では、ロータコア31の周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間に位置する各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2を反ロータ回転方向側に電気角θずらすことにより、リラクタンストルクの最大値が出る位相を35度付近に動かすようにしている。これにより、実施形態1の場合には、図5に示すように、細線で示す改善前(図4)のモータトルクに比べ、リラクタンストルクの回復により、トルクリプルが改善されていることが解る。また、トルクが上昇していることが解る。
以上のように、実施形態1のロータ30Aによれば、ロータコア31の各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルを低減させることができる。また、トルクの上昇を実現することができる。
また、実施形態1のロータコア31の第1及び第2フラックスバリア35,36は、q軸コア部34側の内周側角部35a,36aに対して外周側角部35b,36bが反ロータ回転方向側にずれている。これにより、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34を、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側へずれた状態に簡単かつ確実に形成することができる。
また、実施形態1では、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34及び第1及び第2フラックスバリア35,36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にしてそれぞれ非対称形状に形成されている。これにより、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34を、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側へずれた状態に簡単かつ確実に形成することができる。
〔実施形態2〕
実施形態2のロータ30Bは、実施形態1のロータ30Aと同様に、車両用モータとして使用される回転電機1に搭載されるものである。このロータ30Bは、図6に示すように、複数対の磁石収容孔32a,32b、q軸コア部34並びに第1及び第2フラックスバリア35,36等を有するロータコア31と、各磁石収容孔32a,32bにそれぞれ埋設された複数の永久磁石33と、を備えている。
ロータコア31は、実施形態1と同様に、中央に貫通孔31aを有する円環状の鋼板を軸方向に複数積層して厚肉円筒状に形成されて、回転軸13の外周に貫通孔31aが嵌合固定される。このロータコア31の外周部には、軸方向に貫通する複数対(実施形態2では8対)の磁石収容孔32a,32bが周方向に所定距離を隔てて設けられている。磁石収容孔32a,32bは、2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対のもので構成されている。一対の磁石収容孔32a,32bの間には、当該部位に磁束飽和を起こさせ、磁気回路の形成を阻害させるための中央ブリッジ40が概ね一定の幅で径方向内側に向かって延伸するよう形成されている。
各磁石収容孔32a,32bには、ロータコア31の回転軸線Oと直角方向の断面形状が長方形の永久磁石33が1個ずつ収容されている。実施形態2の場合、V字状に配置された一対の磁石収容孔32a,32bに収容された一対の永久磁石33,33により1つの磁極が形成されている。この場合、8対の永久磁石33,33によって、周方向に極性が交互に異なる複数の磁極(実施形態2では8極(N極:4、S極:4))が形成されている。各磁石収容孔32a,32bに収容された永久磁石33は、径方向外側端面と磁極中心側端面とが交わる角部が中央ブリッジ40の径方向外側の根元部に当接した状態で位置決めされている。
なお、ロータ30Bの1つの磁極において、一対の磁石収容孔32a,32bは、ロータコア31の回転軸線Oと磁極中心とを通る磁極中心線C1に対して線対称となる状態に配置されている。また、1つの磁極を形成する一対の永久磁石33,33は、磁極中心線C1に対して線対称となる状態(外周側が開くV字状)に配置されている。
ロータコア31の周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間には、或る1つの磁極間から他の磁極間へ磁束が流れる部位となるq軸コア部34が形成されている。そして、各磁石収容孔32a,32bに収容された永久磁石33と周方向に対向するq軸コア部34との間には、磁気的空隙部としての第1及び第2フラックスバリア35,36がそれぞれ磁石収容孔32と連続して一体に設けられている。この場合、各永久磁石33のロータ回転方向側(図6の左側)に設けられた第1フラックスバリア35と、反ロータ回転方向側(図6の右側)に設けられた第2フラックスバリア36は、軸直角方向の断面形状が異なる。
即ち、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側(ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分が反ロータ回転方向側へ突出することにより断面形状が縮小されている。これにより、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側の内周側角部35aに対して外周側角部35bが反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。一方、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側(反ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分が反ロータ回転方向側へ凹んでいることにより断面形状が拡張されている。これにより、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側の内周側角部36aに対して外周側角部36bが反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
また、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34は、第1及び第2フラックスバリア35,36の断面形状が上記のように形成されていることから、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。即ち、第1フラックスバリア35の内周側角部35aと第2フラックスバリア36の内周側角部36aとの間の内周側周方向幅中心P1に対して、第1フラックスバリア35の外周側角部35bと第2フラックスバリア36の外周側角部36bとの間の外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。なお、上記の電気角θは、0度<θ<6.9度の範囲に設定されている。
また、対をなす磁石収容孔32a,32bのそれぞれの磁極中心側には、それぞれの磁石収容孔32a,32bの磁極中心側端部から回転軸線O側に広がる対をなす内周側フラックスバリア41,41が設けられている。対をなす内周側フラックスバリア41,41の間には、対をなす磁石収容孔32a,32bの間に形成された中央ブリッジ40が回転軸線Oに向かって延長するように形成されている。各内周側フラックスバリア41は、回転軸線Oから一対の永久磁石33,33までのそれぞれ最短距離に位置する角部同士を結ぶ線分よりも回転軸線O側に広がっている。
以上のように構成された実施形態2のロータ30Bによれば、ロータコア31の各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルの低減やトルクの上昇など、実施形態1のロータ30Aと同様の作用及び効果を得ることができる。
なお、実施形態2のロータ30Bについて、q軸コア部34の内周側周方向幅中心P1に対する外周側周方向幅中心P2の反ロータ回転方向側へのずれ幅(電気角θ)とトルクリプルとの関係を調べたところ、図7に示す結果が得られた。図7から明らかなように、電気角θが0度のときに最高値(約14.8%)となるトルクリプルは、電気角θが0度から大きくなるにつれて次第に低下していることが解る。が、電気角θが6.9度以上では、11.0%以上のトルクリプルの低減が得られることが解る。
また、q軸コア部34の内周側周方向幅中心P1に対する外周側周方向幅中心P2の反ロータ回転方向側へのずれ幅(電気角θ)とトルクとの関係を調べたところ、図8に示す結果が得られた。図8から明らかなように、電気角θが0度<θ<6.9度の範囲では、従来よりも大きいトルクが得られることが解る。特に、電気角θが2度≦θ≦4度の範囲では、トルクがピークとなっている。
以上のことから、電気角θを0度<θ<6.9度の範囲に設定すれば、トルクの向上を確保しつつトルクリプルの低減を実現できることが解る。特に、電気角θが2度≦θ≦4度の範囲は、トルクの向上とトルクリプルの低減の両方を実現するのに好ましい範囲となる。
〔実施形態3〕
実施形態3のロータ30Cは、実施形態1のロータ30Aと同様に、車両用モータとして使用される回転電機1に搭載されるものである。このロータ30Cは、図9に示すように、複数対の磁石収容孔32a,32b、q軸コア部34、第1及び第2フラックスバリア35,36、中央磁石収容孔37並びに中央磁石38等を有するロータコア31と、各磁石収容孔32a,32bにそれぞれ埋設された複数の永久磁石33と、を備えている。
ロータコア31は、実施形態1と同様に、中央に貫通孔31aを有する円環状の鋼板を軸方向に複数積層して厚肉円筒状に形成されて、回転軸13の外周に貫通孔31aが嵌合固定される。このロータコア31の外周部には、実施形態2と同様に、軸方向に貫通する複数対(8対)の磁石収容孔32a,32bが周方向に所定距離を隔てて設けられている。磁石収容孔32a,32bは、2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対のもので構成されている。一対の磁石収容孔32a,32bの間には、実施形態2と同様に、中央ブリッジ40が径方向内側に向かって延伸するよう形成されているとともに、対をなす磁石収容孔32a,32bのそれぞれの磁極中心側には、対をなす内周側フラックスバリア41,41が設けられている。
また、各磁石収容孔32a,32bには、実施形態2の場合と同様に、永久磁石33が1個ずつ収容されており、V字状に配置された8対の永久磁石33,33によって、周方向に極性が交互に異なる複数の磁極(実施形態2では8極(N極:4、S極:4))が形成されている。実施形態3の場合にも、1つの磁極を形成する一対の永久磁石33,33は、磁極中心線C1に対して線対称となる状態に配置されている。
なお、実施形態3の場合、ロータコア31の周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間に形成されたq軸コア部34は、実施形態2とは異なり、周方向幅が概ね一定で径方向にストレート状に延伸している。即ち、実施形態3のq軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が周方向にずらされていない。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして対称形状に形成されている。また、各磁石収容孔32に収容された永久磁石33と周方向両側のq軸コア部34との間に形成される第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36も、磁極中心線C1を基準にして対称形状に形成されている。
そして、実施形態3のロータコア31は、V字状に配置された対をなす磁石収容孔32a,32bの外周側中央部に中央磁石収容孔37が設けられている。この中央磁石収容孔37には、磁極中心線C1に対してロータ回転方向側(図9の左側)に中心P3がずれた状態で中央磁石38が配置されている。即ち、この中央磁石38は、リラクタンストルクが強いロータ回転方向側(電流進み角α=45度側)に向かって中心P3がずれた状態に配置されている。これにより、図10に示すように、リラクタンストルクを大きく使うことができるので、その結果、トルクリプルを低減させることが可能となる。
この中央磁石38は、矩形の断面形状を有し、各磁石収容孔32a,32bに埋設された永久磁石33よりも格段に小さいものである。中央磁石38の中心P3の磁極中心線C1に対するロータ回転方向側へのずれ幅は、電気角βでβ<6.9度の範囲に設定されている。
なお、実施形態3のロータ30Cは、モータの出力トルク内においてリラクタンストルク比率が大きく、マグネットトルク比率が小さくなるように設定されている。
以上のように構成された実施形態3のロータ30Cによれば、ロータコア31の各磁極を形成するV字状に配置された対をなす永久磁石33の外周側に、磁極中心線C1に対してロータ回転方向側に中心P3がずれた状態で中央磁石38が配置されているので、中央磁石38によるマグネットトルクの増加を図りつつ、トルクリプルを効果的に低減させることができる。
なお、実施形態3のロータ30Cについて、中央磁石38の中心P3の磁極中心線C1に対するロータ回転方向側へのずれ幅である電気角βとトルクリプルとの関係を調べたところ、図11に示す結果が得られた。図11から明らかなように、電気角βがβ<6.9度の範囲では、従来(約14.6%以上)よりもトルクリプルを低減できることが解る。
〔実施形態4〕
実施形態4のロータ30Dは、図12に示すように、実施形態2のロータ30B(図6参照)と実施形態3のロータ30C(図9参照)の特徴構成を組み合わせたものである。即ち、実施形態4のロータ30Dは、ロータコア31のq軸コア部34が、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側にずれている点で、実施形態3のロータ30Cと異なる。よって、実施形態3と共通する部材や構成についての詳しい説明は省略し、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態3と共通する部材については、同じ符号を用いる。
実施形態4のロータコア31は、周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間にq軸コア部34が形成されている。そして、各磁石収容孔32a,32bに収容された永久磁石33と周方向に対向するq軸コア部34との間には、実施形態2と同様に、第1及び第2フラックスバリア35,36がそれぞれ磁石収容孔32a,32bと連続して一体に設けられている。
第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側(ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分が反ロータ回転方向側へ突出することにより断面形状が縮小されている。これにより、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側の内周側角部35aに対して外周側角部35bが反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。一方、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側(反ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分が反ロータ回転方向側へ凹んでいることにより断面形状が拡張されている。これにより、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側の内周側角部36aに対して外周側角部36bが反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
また、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34は、第1及び第2フラックスバリア35,36の断面形状が上記のように形成されていることから、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。即ち、第1フラックスバリア35の内周側角部35aと第2フラックスバリア36の内周側角部36aとの間の内周側周方向幅中心P1に対して、第1フラックスバリア35の外周側角部35bと第2フラックスバリア36の外周側角部36bとの間の外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。なお、上記の電気角θは、0度<θ<6.9度の範囲に設定されている。
以上のように構成された実施形態4のロータ30Dによれば、1つの磁極を形成するV字状に配置された対をなす永久磁石33,33の外周側に中央磁石38が設けられているのに加えて、ロータコア31の各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2が反ロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルの低減効果やトルクの上昇効果をより有利に得ることができる。
〔実施形態5〕
実施形態5のロータ30Eは、図13に示すように、ロータコア31のq軸コア部34が、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずれている点で、実施形態1のロータ30A(図2参照)と異なる。よって、実施形態1と共通する部材や構成についての詳しい説明は省略し、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する部材については、同じ符号を用いる。
実施形態5のロータコア31は、周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間にq軸コア部34が形成されている。そして、各磁石収容孔32に収容された永久磁石33と周方向両側のq軸コア部34との間には、第1及び第2フラックスバリア35,36がそれぞれ磁石収容孔32a,32bと連続して一体に設けられている。この場合、各永久磁石33のロータ回転方向側(図13の左側)に設けられた第1フラックスバリア35と、反ロータ回転方向側(図13の右側)に設けられた第2フラックスバリア36は、軸直角方向の断面形状が異なる。
第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側(ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分がロータ回転方向側へ凹んでいることにより断面形状が拡張されている。これにより、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側の内周側角部35aに対して外周側角部35bがロータ回転方向側に所定角度(電気角θ≒15度)ずれている。一方、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側(反ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分がロータ回転方向側へ突出していることにより断面形状が縮小されている。これにより、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側の内周側角部36aに対して外周側角部36bがロータ回転方向側に所定角度(電気角θ≒15度)ずれている。よって、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
また、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34は、第1及び第2フラックスバリア35,36の断面形状が上記のように形成されていることから、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側に所定角度(電気角θ≒15度)ずれている。即ち、第1フラックスバリア35の内周側角部35aと第2フラックスバリア36の内周側角部36aとの間の内周側周方向幅中心P1に対して、第1フラックスバリア35の外周側角部35bと第2フラックスバリア36の外周側角部36bとの間の外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側に所定角度(電気角θ≒15度)ずれている。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
実施形態5において、上記の電気角θは、θ≒15度に設定されていることについて説明する。上記の実施形態1で説明したように、モータの出力トルクは、リラクタンストルクの電流位相αがα=45度程度でピーク値を出す。ここで、α=45度の時のマグネットトルクの位相は22.5度であり、リラクタンストルクの位相は45度である。したがって、従来は、図14に示すように、マグネットトルクとリラクタンストルクの位相ずれが22.5度であり、トルクリプルのミゾの中央にマグネットトルクのピーク点があるわけではなく、非対称性が大きい。マグネットトルクとリラクタンストルクの理想的な位相ずれは30度になる。
また、マグネットトルクとリラクタンストルクは、それぞれ60度ごとにトルクピーク点、ミゾ点を迎える。そのため、実施形態5では、マグネットトルクとリラクタンストルクの22.5度の位相差を30度にして、60度ごとに迎えるトルク周期を30度周期に変えることにより、トルクリプルを低減するようにしている。即ち、図15に示すように、トルクリプルミゾの中心にマグネットトルクのピークが位置する方向にずらすことで、トルクリプルを低減することができる。
以上のように、実施形態5のロータ30Eによれば、ロータコア31の各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルを効果的に低減させることができる。
特に、q軸コア部34の外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずらされているので、マグネットトルクとリラクタンストルクの位相ずれを、理想的な位相ずれである電気角30度側へ導くことができる。
また、実施形態5のロータ30Eは、q軸コア部34の内周側周方向幅中心P1と外周側周方向幅中心P2とのロータ回転方向側へのずれ幅が、電気角θでθ=15度となるように設定されているので、上記の理想的な位相ずれである電気角30度を容易に実現することができる。
〔実施形態6〕
実施形態6のロータ30Fは、図16に示すように、ロータコア31のq軸コア部34が、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずれている点で、実施形態2のロータ30B(図6参照)と異なる。よって、実施形態2と共通する部材や構成についての詳しい説明は省略し、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態2と共通する部材については、同じ符号を用いる。
実施形態6のロータコア31は、周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間にq軸コア部34が形成されている。そして、各磁石収容孔32a,32bに収容された永久磁石33と周方向に対向するq軸コア部34との間には、実施形態2と同様に、第1及び第2フラックスバリア35,36がそれぞれ磁石収容孔32a,32bと連続して一体に設けられている。
第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側(ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分がロータ回転方向側へ凹んでいることにより断面形状が拡張されている。これにより、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側の内周側角部35aに対して外周側角部35bがロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。一方、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側(反ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分がロータ回転方向側へ突出していることにより断面形状が縮小されている。これにより、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側の内周側角部36aに対して外周側角部36bがロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
また、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34は、第1及び第2フラックスバリア35,36の断面形状が上記のように形成されていることから、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。即ち、第1フラックスバリア35の内周側角部35aと第2フラックスバリア36の内周側角部36aとの間の内周側周方向幅中心P1に対して、第1フラックスバリア35の外周側角部35bと第2フラックスバリア36の外周側角部36bとの間の外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。なお、上記の電気角θは、0度<θ<6.9度の範囲に設定されている。
以上のように構成された実施形態6のロータ30Fによれば、ロータコア31の各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルを効果的に低減させることができるなど、実施形態5のロータ30Eと同様の作用及び効果を得ることができる。
〔実施形態7〕
実施形態7のロータ30Gは、図17に示すように、実施形態3のロータ30C(図9参照)と実施形態6のロータ30F(図16参照)の特徴構成を組み合わせたものである。即ち、実施形態7のロータ30Gは、ロータコア31のq軸コア部34が、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずれている点で、実施形態3のロータ30Cと異なる。よって、実施形態3と共通する部材や構成についての詳しい説明は省略し、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態3と共通する部材については、同じ符号を用いる。
実施形態7のロータコア31は、周方向に隣接し極性が異なる2つの磁極の間にq軸コア部34が形成されている。そして、各磁石収容孔32a,32bに収容された永久磁石33と周方向に対向するq軸コア部34との間には、実施形態3,6と同様に、第1及び第2フラックスバリア35,36がそれぞれ磁石収容孔32a,32bと連続して一体に設けられている。
第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側(ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分がロータ回転方向側へ凹んでいることにより断面形状が拡張されている。これにより、第1フラックスバリア35は、q軸コア部34側の内周側角部35aに対して外周側角部35bがロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。また、ロータコア31の第1フラックスバリア35の外周側に形成された第1ブリッジ部42は、第1フラックスバリア35がロータ回転方向側に拡張された分だけ延長されている。
一方、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側(反ロータ回転方向側)の壁面の外周側半分がロータ回転方向側へ突出していることにより断面形状が縮小されている。これにより、第2フラックスバリア36は、q軸コア部34側の内周側角部36aに対して外周側角部36bがロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。また、ロータコア31の第2フラックスバリア36の外周側に形成された第2ブリッジ部43は、第2フラックスバリア36がロータ回転方向側に縮小された分だけ短縮されている。よって、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36は、磁極の周方向中心を通る磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。
また、第1フラックスバリア35と第2フラックスバリア36の間に位置する各q軸コア部34は、第1及び第2フラックスバリア35,36の断面形状が上記のように形成されていることから、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。即ち、第1フラックスバリア35の内周側角部35aと第2フラックスバリア36の内周側角部36aとの間の内周側周方向幅中心P1に対して、第1フラックスバリア35の外周側角部35bと第2フラックスバリア36の外周側角部36bとの間の外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側に所定角度(電気角θ)ずれている。よって、磁極の周方向両側に位置する2つのq軸コア部34は、磁極中心線C1を基準にして非対称形状に形成されている。なお、上記の電気角θは、0度<θ<6.9度の範囲に設定されている。
また、ロータコア31の中央磁石収容孔37に収容配置された中央磁石38は、磁極中心線C1に対してロータ回転方向側(図17の左側)に中心P3がずれた状態で中央磁石38が配置されている。この場合、中央磁石38の中心P3の磁極中心線C1に対するロータ回転方向側へのずれ幅は、電気角βでβ=7.5度程度に設定されている。
即ち、実施形態7のロータ30Gは、ロータコア31のq軸コア部34の外周側周方向幅中心P2のずれ幅である電気角θと中央磁石38の中心P3のずれ幅である電気角βとの合計が、結果的に互いに離れる方向にずれるようにされている。これにより、リラクタンストルクとマグネットトルクの位相差が電気角で概ね30度となるように設定されている。
以上のように構成された実施形態7のロータ30Gによれば、ロータコア31の各q軸コア部34は、内周側周方向幅中心P1に対して外周側周方向幅中心P2がロータ回転方向側にずれているので、トルクリプルを効果的に低減させることができるなど、実施形態5のロータ30Eと同様の作用及び効果を得ることができる。
また、ロータコア31の各磁極を形成するV字状に配置された対をなす永久磁石33の外周側に、磁極中心線C1に対してロータ回転方向側に中心P3がずれた状態で中央磁石38が配置されているので、中央磁石38によるマグネットトルクの増加を図りつつ、トルクリプルを効果的に低減させることができる。
さらに、実施形態7のロータ30Gは、中央磁石38の中心P3がロータ回転方向側にずれるようにされている。そのため、ロータ30Gが回転した際に中央磁石38に作用する遠心力は、中央磁石38がずれた側(ロータ回転方向側)にあるq軸コア部34及び第1ブリッジ部42で大きくなり、反ロータ回転方向側にあるq軸コア部34及び第2ブリッジ部43で小さくなる。実施形態7では、第1ブリッジ部42がロータ回転方向側に延長され、第2ブリッジ部43がロータ回転方向側に短縮されているので、第1ブリッジ部42に作用する遠心力を分散させて、応力集中を回避することができる。
また、実施形態7のロータ30Gは、ロータコア31のq軸コア部34の外周側周方向幅中心P2のずれ幅である電気角θ(θ<6.9度)と中央磁石38の中心P3のずれ幅である電気角β(β=7.5度)との合計が、結果的に互いに離れる方向にずれるようにされているので、リラクタンストルクとマグネットトルクの理想的な位相ずれである電気角30度を容易に実現することができる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、上記の実施形態では、本発明に係る回転電機のロータを車両用モータのロータに適用した例を説明したが、車両に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機のロータ、あるいは両者を選択的に使用し得る回転電機のロータにも、本発明を適用することができる。
30A〜30E…ロータ、 31…ロータコア、 32,32a,32b…磁石収容孔、 33…永久磁石、 34…q軸コア部、 35…第1フラックスバリア、 35a…内周側角部、 35b…外周側角部、 36…第2フラックスバリア、 36a…内周側角部、 36b…外周側角部、 37…中央磁石収容孔、 38…中央磁石、 C1…磁極中心線、 P1…内周側周方向幅中心、 P2…外周側周方向幅中心、 P3…中央磁石の中心。

Claims (15)

  1. 周方向に配列された複数の磁石収容孔(32)を有するロータコア(31)と、前記磁石収容孔に収容されて周方向に極性が交互に異なる複数の磁極を形成する複数の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)と、それぞれ前記q軸コア部と前記q軸コア部の周方向に位置する磁石収容孔に収容されている前記永久磁石との間に形成された、前記q軸コア部の反ロータ回転方向側に位置する第1フラックスバリア(35)及び前記q軸コア部のロータ回転方向側に位置する第2フラックスバリア(36)とを有し、
    前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)が反ロータ回転方向側にずれているとともに、
    前記第1フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対して反ロータ回転方向側へ突出し、前記第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対して反ロータ回転方向側へ凹んでいることにより、
    前記第1及び第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の内周側角部(35a,36a)に対して外周側角部(35b,36b)が反ロータ回転方向側にずれていることを特徴とする回転電機のロータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記磁極の周方向両側に位置する2つの前記q軸コア部、並びに前記第1及び第2フラックスバリアは、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)を基準にしてそれぞれ非対称形状に形成されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記q軸コア部の前記内周側周方向幅中心と前記外周側周方向幅中心との反ロータ回転方向側へのずれ幅θ(電気角)は、0度<θ<6.9度の範囲に設定されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  4. 請求項3に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記q軸コア部の前記内周側周方向幅中心と前記外周側周方向幅中心との反ロータ回転方向側へのずれ幅θ(電気角)は、2度≦θ≦4度の範囲に設定されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  5. 2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対の磁石収容孔(32a,32b)を有するロータコア(31)と、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔に収容されてそれぞれ1つの磁極を形成する複数対の永久磁石(33)と、を備え、出力トルク内においてリラクタンストルク比率が大きくマグネットトルク比率が小さい回転電機のロータにおいて、
    前記磁石収容孔の各対及び前記永久磁石の各対は、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)に対して線対称となる状態に配置され、
    前記ロータコアは、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔(37)を有し、前記中央磁石収容孔には、前記磁極中心線(C1)に対してロータ回転方向側に中心(P3)がずれた状態で中央磁石(38)が配置されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  6. 請求項5に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記中央磁石の中心の前記磁極中心線に対するロータ回転方向側へのずれ幅β(電気角)は、β<6.9度の範囲に設定されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  7. 請求項5に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)を有し、
    前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)が反ロータ回転方向側にずれていることを特徴とする回転電機のロータ。
  8. 請求項6に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)を有し、
    前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)が反ロータ回転方向側にずれており、前記外周側周方向幅中心の反ロータ回転方向側へのずれ幅θ(電気角)は、2度≦θ≦4度の範囲に設定されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  9. 周方向に配列された複数の磁石収容孔(32)を有するロータコア(31)と、前記磁石収容孔に収容されて周方向に極性が交互に異なる複数の磁極を形成する複数の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)と、それぞれ前記q軸コア部と前記q軸コア部の周方向に位置する磁石収容孔に収容されている前記永久磁石との間に形成された、前記q軸コア部の反ロータ回転方向側に位置する第1フラックスバリア(35)及び前記q軸コア部のロータ回転方向側に位置する第2フラックスバリア(36)とを有し、
    前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)がロータ回転方向側にずれているとともに、
    前記第1フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ突出し、前記第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ凹んでいることにより、
    前記第1及び第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の内周側角部(35a,36a)に対して外周側角部(35b,36b)がロータ回転方向側にずれていることを特徴とする回転電機のロータ。
  10. 請求項9に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記磁極の周方向両側に位置する2つの前記q軸コア部、並びに前記第1及び第2フラックスバリアは、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)を基準にしてそれぞれ非対称形状に形成されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  11. 請求項9又は10に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記q軸コア部の前記内周側周方向幅中心と前記外周側周方向幅中心とのロータ回転方向側へのずれ幅θ(電気角)は、θ=15度となるように設定されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  12. 2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対の磁石収容孔(32a,32b)を有するロータコア(31)と、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔に収容されてそれぞれ1つの磁極を形成する複数対の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)と、それぞれ前記q軸コア部と前記q軸コア部の周方向に位置する磁石収容孔に収容されている前記永久磁石との間に形成された、前記q軸コア部の反ロータ回転方向側に位置する第1フラックスバリア(35)及び前記q軸コア部のロータ回転方向側に位置する第2フラックスバリア(36)とを有し
    前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)がロータ回転方向側にずれているとともに、
    前記第1フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ突出し、前記第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の壁面の外周側半分が内周側半分に対してロータ回転方向側へ凹んでいることにより、
    前記第1及び第2フラックスバリアは、前記q軸コア部側の内周側角部(35a,36a)に対して外周側角部(35b,36b)がロータ回転方向側にずれており、
    V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔(37)を有し、前記中央磁石収容孔には、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)に対してロータ回転方向側に中心(P3)がずれた状態で中央磁石(38)が配置されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  13. 請求項12に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記中央磁石の中心の前記磁極中心線に対するロータ回転方向側へのずれ幅β(電気角)は、β=7.5度となるように設定されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  14. 2個で対をなし外周側に向かうにつれて互いに離間するようにV字状に配置された複数対の磁石収容孔(32a,32b)を有するロータコア(31)と、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔に収容されてそれぞれ1つの磁極を形成する複数対の永久磁石(33)と、を備えた回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、周方向に隣接し極性が異なる2つの前記磁極の間に位置するq軸コア部(34)を有し、前記q軸コア部は、内周側周方向幅中心(P1)に対して外周側周方向幅中心(P2)が周方向にずれているとともに、V字状に配置された対をなす前記磁石収容孔の外周側中央部に設けられた中央磁石収容孔(37)を有し、前記中央磁石収容孔には、前記磁極の周方向中心を通る磁極中心線(C1)に対して周方向に中心(P3)がずれた状態で中央磁石(38)が配置されており、
    前記q軸コア部の外周側周方向幅中心(P2)のずれ幅である電気角θと前記中央磁石の中心のずれ幅である電気角βとの合計が結果的に互いに離れる方向にずれていることにより、リラクタンストルクとマグネットトルクの位相差が電気角で30度となるようにされていることを特徴とする回転電機のロータ。
  15. 請求項14に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記q軸コア部の前記外周側周方向幅中心のずれ方向と前記中央磁石の中心のずれ方向は、共にロータ回転方向側であることを特徴とする回転電機のロータ。
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