JP2008295282A - Pmシンクロナスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】トルク増大を実現したPMシンクロナスモータを提供すること。
【解決手段】ロータの永久磁石により形成されてマグネットトルクを発生するための永久磁石3は、セグメント磁路部56を通じてステータに磁石磁束を供給する。永久磁石3はセグメント磁路部56のステータ対向磁極面57のうち、周方向一方側に強く、周方向他方側に弱く磁石磁束を供給する。このようにすればリラクタンストルクのピーク位相角近傍における磁石トルクの落ち込みを抑制できるため、大きな合成トルクを実現することができる。
【選択図】図26
【解決手段】ロータの永久磁石により形成されてマグネットトルクを発生するための永久磁石3は、セグメント磁路部56を通じてステータに磁石磁束を供給する。永久磁石3はセグメント磁路部56のステータ対向磁極面57のうち、周方向一方側に強く、周方向他方側に弱く磁石磁束を供給する。このようにすればリラクタンストルクのピーク位相角近傍における磁石トルクの落ち込みを抑制できるため、大きな合成トルクを実現することができる。
【選択図】図26
Description
本発明は、回転電機又はリニアモータなどに適用されるPMシンクロナスモータに関し、特にそのロータ構造の改良に関する。
従来のPMシンクロナスモータは、マグネットトルクTmとリラクタンストルクTrとを発生する。これらのトルクを発生するために、ロータは、永久磁石により電気角π毎に形成された磁石磁極部Pmと、電気角π毎に形成された低磁気抵抗部Prとを表面部に有している。磁石磁極部Pmは電気角πごとにステータに向かうステータ対向磁極面の極性が反対とされる。低磁気抵抗部Prは、磁気突極部とも呼ばれる。周方向に隣接する一対の低磁気抵抗部Pr間の磁気抵抗は、他部位の磁気抵抗よりも小さく形成されている。磁石磁極部Pmの両側の一対の低磁気抵抗部Prの周方向中心は、磁石磁極部Pmの周方向中心を基準として対称に配置され、磁石磁極部Pmの周方向中心と低磁気抵抗部Prの周方向中心とは電気角π/2離れている。
磁気突極部は、ロータを構成する軟磁性体の外周面を電気角πごとに径方向外側へ空間的に突出させる構造により実現できる他、軟磁性の円筒状ステータ内部にフラックスバリアを設けることによっても実現される。表面磁石型のPMシンクロナスモータ(SPM)と埋め込み磁石型のPMシンクロナスモータ(IPM)が広く知られている。下記の特許文献1〜4は、PMシンクロナスモータの一例を記載している。
PMシンクロナスモータは、効率に優れるうえマグネットトルクTmに加えてリラクタンストルクTrを発生できるので体格重量当たりのトルク、出力が大きく、トルクリップルも小さいため、車両用モータたとえばハイブリッド車の走行動力発生用途など広く採用されている。
特開2000−60038号公報
特開2001−339922号公報
特開2002−44920号公報
特開2003−324875号公報
(発明の目的)
しかしながら、車両用途特に走行動力発生用途ではモータの体格重量はかなり大きくなり、特にハイブリッド車においては通常のエンジン系にそれが加算されるために更なる体格重量の低減が要望されている。この種の回転電機の体格重量の低減は、車両用途以外に航空機用途など種々の用途において本質的に重要な課題である。
しかしながら、車両用途特に走行動力発生用途ではモータの体格重量はかなり大きくなり、特にハイブリッド車においては通常のエンジン系にそれが加算されるために更なる体格重量の低減が要望されている。この種の回転電機の体格重量の低減は、車両用途以外に航空機用途など種々の用途において本質的に重要な課題である。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、同一体格重量にてトルク、出力の増大が可能なPMシンクロナスモータを提供することをその目的としている。
(発明の要約)
上記課題を解決する第1発明は、永久磁石により電気角π毎に形成されてマグネットトルクTmを発生する磁石磁極部と、電気角π毎に形成されてリラクタンストルクTrを発生する軟磁性の低磁気抵抗部とを表面部に有するロータを備え、周方向に隣接する一対の低磁気抵抗部間の磁気抵抗は他部位の磁気抵抗よりも小さく形成されているPMシンクロナスモータにおいて、ロータの磁石磁極部の両側の一対の低磁気抵抗部Prの周方向中心が、磁石磁極部の周方向中心を基準として非対称に配置されていることをその特徴としている。すなわち、この発明では、磁石磁極部に対して低磁気抵抗部すなわち磁気突極部の周方向中心が周方向へπ/2の位置(すなわち周方向に隣接する一対の磁石磁極部の中心の間の中間位置)から更に周方向一方側へずれて配置されている。
上記課題を解決する第1発明は、永久磁石により電気角π毎に形成されてマグネットトルクTmを発生する磁石磁極部と、電気角π毎に形成されてリラクタンストルクTrを発生する軟磁性の低磁気抵抗部とを表面部に有するロータを備え、周方向に隣接する一対の低磁気抵抗部間の磁気抵抗は他部位の磁気抵抗よりも小さく形成されているPMシンクロナスモータにおいて、ロータの磁石磁極部の両側の一対の低磁気抵抗部Prの周方向中心が、磁石磁極部の周方向中心を基準として非対称に配置されていることをその特徴としている。すなわち、この発明では、磁石磁極部に対して低磁気抵抗部すなわち磁気突極部の周方向中心が周方向へπ/2の位置(すなわち周方向に隣接する一対の磁石磁極部の中心の間の中間位置)から更に周方向一方側へずれて配置されている。
磁石磁極部により生じるマグネットトルクTmの大きさは、ステータ電流又はそれにより形成される回転磁界(電流磁界とも言う)のベクトルと磁石磁極部の周方向中心との間の位相角θが−πから+πまで変化する間にマグネットトルク波形として知られている波形で変化する。同様に、主として低磁気抵抗部により生じるリラクタンストルクTrの大きさは、ステータ電流又はそれにより形成される回転磁界(電流磁界とも言う)のベクトルと低磁気抵抗部の周方向中心との間の位相角が−πから+πまで変化する間にリラクタンストルク波形として知られている波形で変化する。低磁気抵抗部と磁石磁極部とはある位相角差αだけずれているので、リラクタンストルクTrの大きさは、ステータ電流又はそれにより形成される回転磁界(電流磁界とも言う)のベクトルと磁石磁極部の周方向中心との間の位相角θが−π+αから+π+αまで変化する間に上記波形で変化する。
従来においては、マグネットトルク波形のピークが生じる位相角の値(マグネットトルクピーク角度値と呼ぶ)と、リラクタンストルク波形のピークが生じる位相角の値(リラクタンストルクピーク角度値と呼ぶ)とはある位相角差だけずれることが知られている。この両トルク波形のピーク角度値の間の位相角差はシンクロナスリラクタンスモータ固有の値であり、このため両トルク波形の間のピークずれは変更不能であると考えられていた。
しかし、もし両トルク波形のピークを一致させることができれば、ほぼ同一体格同一重量にてトルクアップが可能となるはずである。本発明者らはこの認識に基づいて、リラクタンストルク波形のシフトによりリラクタンストルク波形のピーク角度値をマグネットトルク波形のピーク角度値に従来より近接、更に好適には一致させることを考えた。このリラクタンストルク波形のシフトは、リラクタンストルクを発生させる低磁気抵抗部Prを磁石磁極部Pmに対して周方向へ変位させることにより実現できるはずである。この観点により、低磁気抵抗部Prをシフトさせてみたところ、両トルクピークの近接、一致により合成トルクのピーク値の増大が可能なことがモータモデルのシミュレーション演算により判明した。
好適な態様において、各低磁気抵抗部の周方向中心は、それぞれ最も近接する磁石磁極部の周方向中心に対して周方向一方側へ電気角15°〜75°だけ変位している。これにより、同一仕様の従来のPMシンクロナスモータに比べて合成トルクを増大できることがわかった。
好適な態様において、各低磁気抵抗部Prの周方向中心は、それぞれ最も近接する磁石磁極部の周方向中心に対して周方向一方側へ40〜50°だけ変位している。これにより、同一仕様の従来のPMシンクロナスモータに比べて合成トルクを更に増大できることがわかった。なお、マグネットトルクとリラクタンストルクの合計からなる合成トルク波形は、ステータ電流又は電流磁界のベクトルと磁石磁極部の周方向中心との間の位相角の変化により正トルクとなったり負トルクとなったりする。
上記課題を解決する第2発明は、軟磁性を有して電気角π毎にステータの周面に向けて突出する複数の突極部とこれら突極部の反ステータ側の部位を磁気的に連結する軟磁性のヨーク部とを有してリラクタンストルクを発生させる低磁気抵抗部と、前記ステータの周面に対面するステータ対向磁極面を有して周方向における前記突極部間に介設される軟磁性のセグメント磁路部と、前記低磁気抵抗部と前記セグメント磁路部との間に形成されて前記低磁気抵抗部と前記セグメント磁路部とを磁気的に分離する磁気分離部と、前記磁気分離部に収容されて一対の磁極面の一方が前記セグメント磁路部に他方が前記低磁気抵抗部に接して前記セグメント磁路部を磁化する永久磁石とを備えるPMシンクロナスモータにおいて、前記永久磁石は、前記セグメント磁路部の前記ステータ対向磁極面の周方向一方側をその周方向他方側よりも強く磁化する位置に配置されていることを特徴としている。
ここで言うセグメント磁路部とは、リラクタンストルク発生用の低磁気抵抗部に対して低透磁率の磁気分離部により磁気的に分離されたロータの軟磁性体部分(磁路部)である。更に、このセグメント磁路部は、磁気分離部を介して分離されている低磁気抵抗部に対して永久磁石により、逆極性に磁化される。すなわち、永久磁石が形成する磁石磁束は、低磁気抵抗部から永久磁石に入りセグメント磁路部に出るように流れる。また、ここで言う突極部は、いわゆる磁気突極部であって、第1発明で言う低磁気抵抗部に相当する。
すなわち、この発明では、セグメント磁路部からステータに向かう磁石磁束の密度(言い換えれば、永久磁石により形成されたセグメント磁路部のステータ対向磁極面における磁束密度)は、セグメント磁路部の周方向一方側で大きく、周方向他方側で小さくなるように永久磁石が配置される。
このようにすれば、第1発明と同様に、突極部(第1発明で言う低磁気抵抗部)の周方向中心は、ロータ周面上の等価磁石磁極部の周方向中心を基準として非対称に配置されることになるため、上記第1発明と同等の作用及び発明効果を奏することができる。また、この発明では、ステータ電流による磁束は、低磁気抵抗部を通じて流れる他に、セグメント磁路部を周方向へ流れることもできるため、リラクタンストルクを一層増大することもできる。
なお、ここで言う「ロータ周面上の等価磁石磁極部の周方向中心」とは、永久磁石によりロータの周面に形成される磁極(磁石磁極)のうち同一極性の領域の磁気的な中心位置を言う。
好適な態様において、第1発明と同様に各低磁気抵抗部の周方向中心は、それぞれ最も近接する等価磁石磁極部の周方向中心に対して周方向一方側へ電気角15°〜75°だけ変位している。これにより、同一仕様の従来のPMシンクロナスモータに比べて合成トルクを増大できる。
好適な態様において、各低磁気抵抗部Prの周方向中心は、それぞれ最も近接する等価磁石磁極部の周方向中心に対して周方向一方側へ40〜50°だけ変位している。これにより、同一仕様の従来のPMシンクロナスモータに比べて合成トルクを更に増大できる。
好適な態様において、前記永久磁石は、互いに周方向に隣接する一対の前記突極部の間の周方向中間点とロータ軸心とを結ぶ線を基準として非線対称に配置されている。すなわち、この態様では、永久磁石をたとえば周方向一方側に変位させることにより、ロータ周面上における一方の極性の磁石磁極の中心位置を一対の突極部の間の中間点よりも周方向一方側に偏位させる。このようにすれば、永久磁石の位置シフトと言う簡単な手段により第1発明で詳細説明した原理によるトルク増大を実現することができる。なお、この態様で言う永久磁石の非対称配置は、永久磁石の偏位(たとえば周方向移動)の他、永久磁石の形状変更によっても実施することができ、永久磁石の磁化方向の変更によっても実施することができる。
好適な態様において、前記セグメント磁路部は、互いに周方向に隣接する一対の前記突極部の間の周方向中間点とロータ軸心とを結ぶ線を基準として非線対称に配置されている。すなわち、この態様では、セグメント磁路部をたとえば周方向一方側に変位させることにより、永久磁石により形成されるセグメント磁路部のロータ周面上における一方の極性の磁石磁極の中心位置を一対の突極部の間の中間点よりも周方向一方側に偏位させる。このようにすれば、セグメント磁路部の位置シフトと言う簡単な手段により第1発明で詳細説明した原理によるトルク増大を実現することができる。なお、この態様で言うセグメント磁路部の非対称配置は、セグメント磁路部の偏位(たとえば周方向移動)の他、セグメント磁路部の形状変更によっても実施することができる。
好適な態様において、前記ロータは前記ステータの径方向外側に配置されるアウタロータ構造を有している。上記した第1、第2発明では、ロータ周面に形成されるある極性の磁石磁極の周方向中心をその左右の突極部(第1発明では低磁気抵抗部)の中間点よりも周方向一方側にずらすため、永久磁石やセグメント磁路部の耐遠心力性が低下する可能性がある。この問題は、これらの発明をアウターロータ型の回転電機に適用することにより問題なく解決することができる。
上記課題を解決する第3発明は、周方向へ電気角π毎に極性交互に配置されて磁石磁束を略周方向へ流す偶数個の永久磁石と、周方向に隣り合う2つの永久磁石の間を磁気的に接続する軟磁性磁路部とを有するPMシンクロナスモータにおいて、前記軟磁性磁路部は、周方向両端部にてステータの周面に個別に対面する一対の低磁気抵抗部と、前記一対の低磁気抵抗部の間に配置されて磁束が周方向へ流れるのを許容し、磁束が径方向に流れるのを抑止する向きに延在する継鉄部とを有することをその特徴としている。
すなわち、本発明の磁石ロータは、従来公知のいわゆるスポーク型PMシンクロナスモータと同じく、周方向へ電気角π毎に極性交互に配置されて磁石磁束を略周方向へ流す偶数個の永久磁石を有する。各磁石から出た磁石磁束は、各磁石間に位置して略周方向へ延在する軟磁性磁路に流れ込む。軟磁性磁路に流れ込んだ磁石磁束は、ステータの周面に対面する軟磁性磁路部の一対の低磁気抵抗部を通じてステータと磁石磁束を授受する。軟磁性磁路部の一対の低磁気抵抗部は、軟磁性磁路部の周方向両端に配置されるため、この一対の低磁気抵抗部にはステータ電流により形成される電流磁束も流れ、リラクタンストルクが生じる。いわゆる磁気突極部として機能するこれら一対の低磁気抵抗部の間には、一対の低磁気抵抗部の間に配置されて磁束が周方向へ流れるのを許容し磁束が径方向に流れるのを抑止する向きに延在する継鉄部が形成される。
この発明では特に、一つの低磁気抵抗部の両端の一対の低磁気抵抗部の周方向幅が異なる。これにより、上記第1、第2発明と同じく、磁石磁束の周方向中心点と、低磁気抵抗部を流れる電流磁束の周方向中心点を、上記一対の低磁気抵抗部の周方向幅を等しくした場合に比べて周方向へずらせることができる。これにより、上記第1、第2発明と同じ、効果を奏することができる。
好適な態様において、前記継鉄部は、前記ステータの周面から遠ざかる向きに凹設された溝部により構成されている。これにより、簡素な構成にて継鉄部における径方向への磁束の流れだけを選択的に抑制することができる。
好適な態様において、前記継鉄部は、周方向へ延在するフラックバリアにより構成されている。これにより、簡素な構成にて継鉄部における径方向への磁束の流れだけを選択的に抑制することができる。
(その他の変形態様)
本発明のPMシンクロナスモータは従来のPMシンクロナスモータと同じく位相角調整により電動機としても発電機としても使用することができる。その他、本発明のPMシンクロナスモータは、従来のPMシンクロナスモータと同様、アウターロータモータ方式、インナーロータ方式、リニアモータ方式で実現することができ、ラジアルギャップモータ方式、アキシャルギャップモータ方式により実現することができる。
本発明のPMシンクロナスモータは従来のPMシンクロナスモータと同じく位相角調整により電動機としても発電機としても使用することができる。その他、本発明のPMシンクロナスモータは、従来のPMシンクロナスモータと同様、アウターロータモータ方式、インナーロータ方式、リニアモータ方式で実現することができ、ラジアルギャップモータ方式、アキシャルギャップモータ方式により実現することができる。
(実施形態1)
本発明の好適な実施形態1の原理を図面を参照して説明する。以下の実施形態では、2極表面磁石インナーロータモデルにて説明しているが、ロータ磁極数や公知の種々のロータ形式への変更は自由であることはもちろんである。
本発明の好適な実施形態1の原理を図面を参照して説明する。以下の実施形態では、2極表面磁石インナーロータモデルにて説明しているが、ロータ磁極数や公知の種々のロータ形式への変更は自由であることはもちろんである。
(ロータの基本構造)
図1は、この実施形態のPMシンクロナスモータのロータの模式径方向断面図を示す。
図1は、この実施形態のPMシンクロナスモータのロータの模式径方向断面図を示す。
ロータ1は、回転軸2を中心として周方向電気角π離れた2つの永久磁石3、4を有している。永久磁石3、4は径方向最外径の部分円筒面形状の表面部をそれぞれもち、これら表面部は互いに逆極性に磁化されて磁石磁極部30、40となっている。5は回転軸2に嵌着、固定された軟鉄製のロータコアである。ロータコア5は、径方向最外径の部分円筒面形状の表面部を互いに電気角π離れた位置にそれぞれもち、これら表面部は本発明で言う低磁気抵抗部51、52となっている。これら磁石磁極部30、40及び低磁気抵抗部51、52は、ロータ1の外周面のそれぞれ一部を構成しており、ロータ1の外周面の残部はこの実施形態では非磁性体6の部分円筒面形状の表面部により占有されている。このようにして形成されたロータ1の外周面は、図略のステータコアの内周面に小さい電磁ギャップを介して対面している。非磁性体6としては、樹脂や非磁性金属で構成することができるが単なる空間としてもよい。
ロータコア5は、ロータ1の外周面よりほぼ永久磁石3、4の厚さだけ径小の円筒ヨーク部53と、この円筒ヨーク部53から互いに電気角π離れて略放射方向へ突出する磁気突極部54、55とからなり、積層電磁鋼板あるいは軟鋼ブロックにより形成されている。永久磁石3、4の径方向内側の底面は平坦に形成されており、円筒ヨーク部53の外周面のうち平坦に面取りされた部分に固定されている。磁気突極部54は永久磁石3に対して時計回転方向へ僅かな隙間を介して隣接しており、磁気突極部55は永久磁石4に対して時計回転方向へ僅かな隙間を介して隣接している。
この実施形態の特徴は、低磁気抵抗部51、52の周方向中心を径方向へ貫通する軸線であるr軸と、永久磁石3、4の周方向中心を径方向へ貫通する軸線であるm軸との間の軸ずれ角度θrmが、電気角π/2よりも大幅に小さく設定されていることである。好適には軸ずれ角度θrmは15°〜75°、更に好適には40〜50°に設定される。
これに対して、従来のPMシンクロナスモータでは、低磁気抵抗部の周方向中心を径方向へ貫通する軸線であるd軸と、永久磁石の周方向中心を径方向へ貫通する軸線であるq軸との間の軸ずれ角度θrmは電気角π/2とされ、永久磁石の周方向中心を基準としてその両側の低磁気抵抗部は線対称配置されていた。
上記構造をもつこの実施例のロータは、従来の低磁気抵抗部線対称直角配置構造をもつロータに比べて、最大トルクすなわちトルクピーク値を増大できるという効果を奏する。これは、永久磁石3、4が発生するマグネットトルク波形のピーク位相角値(電流基準)と、低磁気抵抗部51、52が発生するリラクタンストルク波形のピーク位相角値(電流基準)とが近似することになるため、それらの合成トルクであるロータ1のトルクのピークが増加するためである。
(解析)
低磁気抵抗部51、52をその両側の永久磁石3、4の一方側に偏らせた場合に生じる上記トルク増加効果についての本発明者の解析を以下に記載する。ただし、図1において。ステータ電流ベクトルiの方向をi軸とする。すなわちi軸位置においてステータ電流は最大値imaxとなるものとする。
低磁気抵抗部51、52をその両側の永久磁石3、4の一方側に偏らせた場合に生じる上記トルク増加効果についての本発明者の解析を以下に記載する。ただし、図1において。ステータ電流ベクトルiの方向をi軸とする。すなわちi軸位置においてステータ電流は最大値imaxとなるものとする。
マグネットトルクTmは、ステータ電流ベクトルiのm軸成分と磁石磁束Φmとの積に概略比例するとみなすことができる。これに対して、リラクタンストルクTrは、r軸インダクタンスLrと、ステータ電流ベクトルiのr軸成分と、ステータ電流ベクトルiのr軸直角成分との積に概略比例するものとみなせる。なお、低磁気抵抗部51、52の磁束(電流磁束とも言う)Φiは、r軸インダクタンスLrと、ステータ電流ベクトルiのr軸直角成分との積に概略比例するものとみなすことができ、したがって、リラクタンストルクTrは、電流磁束Φiと、ステータ電流ベクトルiのr軸成分との積に概略比例するものとみなせる。なお、ここで、r軸に直角な軸のインダクタンスは無視できるものとする。このことから、ロータトルク(合成トルク)を増大するには、マグネットトルクTmとリラクタンストルクTrとの両方を増大することが重要であることがわかる。
マグネットトルクTmを増大するには、ステータ電流ベクトルiの軸であるi軸とm軸との位相角差を減らすようにすればよいことがわかる。次に、リラクタンストルクTrを増大するには、ステータ電流ベクトルiのr軸成分とr軸直角成分とをともに増大するように設定すればよく、それにはr軸をi軸に対してなるべく電気角で45°ずれるように設定するようにすればよい。結局、電流軸であるi軸をm軸に一致させてマグネットトルクTmを増大し、かつ、r軸とm軸との間の軸ずれ角度θrmを電気角で45°とするのが理想的であることがわかる。この場合、リラクタンストルクTrを生み出すステータ電流ベクトルiのr軸成分とr軸直角(電気角π/2)成分との積が最大となる。
ただし、r軸とm軸との間の軸ずれ角度θrmを電気角で15°〜75°の範囲とすれば、マグネットトルクTmとリラクタンストルクTrとの合計を従来よりも増大することができる。また、軸ずれ角度θrmを電気角で45°に限定してしまうと、永久磁石3、4の周方向幅や低磁気抵抗部51、52の周方向幅に制限が生じ、このため磁石磁束Φm及びリラクタンス磁束Φr(電流磁束Φiのr軸成分)が小さくなって合成トルク(ロータトルク)が小さくなる場合がある。このため、軸ずれ角度θrmを電気角で40〜50°の範囲で必要量だけ増やすことも好適である。
更に説明すると、リラクタンストルクTrは、電流軸であるi軸がr軸と一致する位相角、及び、i軸がr軸と直角(電気角π/2)となる位相角で0となる。また、マグネットトルクTmは、軸i軸がm軸と直角(電気角π/2)となる場合に0となる。これは従来と同じである。
これに対して、従来は、r軸とm軸とが電気角で直角となっているため、i軸をm軸と一致させるとリラクタンストルクTrが著しく減少してしまい、それを回避するためi軸をm軸からずらせるとマグネットトルクTmが減少してしまうわけである。この問題は、この実施形態のように、r軸とm軸とをπ/2より小さく設定することにより実現することができるわけである。
(シミュレーション結果)
上記検討に基づく種々の実施例ロータ構造(実施ロータとも称する)のトルク波形のシミュレーション結果を以下に記載する。各実施ロータのステータ側の寸法、通電条件は同じとし、各実施ロータの内外径、ロータ長、磁石寸法、磁石特性は等しいとする。各実施ロータはSPM(表面磁石型)となっている。また、参考のために同一条件にてIPM(埋め込み磁石型)を作成してそのトルク波形を得た。このIPMのトルク波形の図示は省略するが、その合成トルクピーク値は369Nmであった。
上記検討に基づく種々の実施例ロータ構造(実施ロータとも称する)のトルク波形のシミュレーション結果を以下に記載する。各実施ロータのステータ側の寸法、通電条件は同じとし、各実施ロータの内外径、ロータ長、磁石寸法、磁石特性は等しいとする。各実施ロータはSPM(表面磁石型)となっている。また、参考のために同一条件にてIPM(埋め込み磁石型)を作成してそのトルク波形を得た。このIPMのトルク波形の図示は省略するが、その合成トルクピーク値は369Nmであった。
(第1群の実施例ロータ)
第1群の実施例ロータのπ/4模式断面図を図2に示す。図2では、永久磁石3、4及び低磁気抵抗部51、52の周方向占有幅は15°とし、更に、永久磁石3、4の周方向反対側に追加の低磁気抵抗部を設けたものである。したがって、この追加の低磁気抵抗部の分だけギャップ(既述した非磁性体6の部分)の周方向幅が減少し、低磁気抵抗部51、52の周方向中心がずれることになる。aは追加の低磁気抵抗部51、52の周方向幅である。
第1群の実施例ロータのπ/4模式断面図を図2に示す。図2では、永久磁石3、4及び低磁気抵抗部51、52の周方向占有幅は15°とし、更に、永久磁石3、4の周方向反対側に追加の低磁気抵抗部を設けたものである。したがって、この追加の低磁気抵抗部の分だけギャップ(既述した非磁性体6の部分)の周方向幅が減少し、低磁気抵抗部51、52の周方向中心がずれることになる。aは追加の低磁気抵抗部51、52の周方向幅である。
図3はaが0mmの場合のトルク波形を示し、図4はaが2mmの場合のトルク波形を示し、図5はaが4mmの場合のトルク波形を示し、図6はaが6mmの場合のトルク波形を示す。aの増加とともに合成トルクが減少することがわかった。しかし、各実施ロータのトルクピーク値は同一条件のIPMより増大していることがわかった。
(第2群の実施例ロータ)
第2群の実施例ロータのπ/4模式断面図を図7に示す。図7では、永久磁石3、4の周方向占有幅は15°とし、更に、低磁気抵抗部51、52の周方向占有幅を15°から周方向幅bだけ増大したものである。したがって、この低磁気抵抗部の増大した幅bだけギャップ(既述した非磁性体6の部分)の周方向幅が減少し、低磁気抵抗部51、52の周方向中心がずれることになる。
第2群の実施例ロータのπ/4模式断面図を図7に示す。図7では、永久磁石3、4の周方向占有幅は15°とし、更に、低磁気抵抗部51、52の周方向占有幅を15°から周方向幅bだけ増大したものである。したがって、この低磁気抵抗部の増大した幅bだけギャップ(既述した非磁性体6の部分)の周方向幅が減少し、低磁気抵抗部51、52の周方向中心がずれることになる。
図8はbがー8mmの場合のトルク波形を示し、図9はbがー6mmの場合のトルク波形を示し、図10はbがー4mmの場合のトルク波形を示し、図11はbがー2mmの場合のトルク波形を示し、図12はbが0mmの場合のトルク波形を示し、図13はbが2mmの場合のトルク波形を示し、図14はbが4mmの場合のトルク波形を示し、図15はbが6mmの場合のトルク波形を示し、図16はbが8mmの場合のトルク波形を示す。低磁気抵抗部51、52の周方向幅を減らすと正トルクピークが大きくなるが負トルクピークが低下することがわかった。また、低磁気抵抗部51、52の周方向幅を増加すると、図13、図14に示すように、IPMに比べて負トルクピークを減少することなく正トルクピークを増大できることがわかった。
(ロータ構造例)
次に、具体的なロータ構造、特に永久磁石3、4の耐遠心力保持特性を強化したロータ構造を以下に説明する。なお、アウターロータ形式では永久磁石はロータの円筒状のヨークにより支持されるためこの問題はまったく生じない。
次に、具体的なロータ構造、特に永久磁石3、4の耐遠心力保持特性を強化したロータ構造を以下に説明する。なお、アウターロータ形式では永久磁石はロータの円筒状のヨークにより支持されるためこの問題はまったく生じない。
図17は、積層電磁鋼板に軸方向に磁石収容孔56を貫設し、この磁石収容孔56に永久磁石3を収容したロータ構図を示す。このとき、ロータコア5のギャップ57と磁石収容孔56との間の側壁部58は耐遠心力特性を確保可能な範囲でできるだけ薄くされる。
図18は、図17において、磁石収容孔56及び永久磁石3を遠心方向外側に向けて先細としたロータ構造を示す。これにより、低磁気抵抗部51を一方側の磁石磁極部30に一層偏らせて配置することができる。
図19は、永久磁石3を径方向に対して斜設したロータ構造を示す。これにより、永久磁石3の磁極面を拡大できるため、磁石磁束量を増大することができる。
図20は、ロータコア5の外周面に非磁性ステンレス筒を被せることにより、永久磁石3の耐遠心力性能を改善したロータ構造を示す。
図21は、永久磁石3の径方向内側の面に楔形突起を設け、この楔形突起を磁石収容孔56の楔形条溝に嵌め込んだロータ構造を示す。なお、永久磁石3は非磁性ステンレス板製のマグネットホルダにより囲覆されている。
図22は、ロータコア5のギャップ57(図17参照)に非磁性金属たとえばアルミニウム棒9を軸方向に挿入したロータ構造を示す。このアルミニウム棒9は、楔形の底部を径方向内側に有しており、ロータコア5に支持されている。また、アルミニウム棒9の径方向外側部分の周方向幅は径方向外側に向かうにつれて増大しており、これにより永久磁石3の遠心力を受けるようになっている。
図23は、ロータコア5に永久磁石を接着した構造を示す。構造が簡素となる。
図24は、図17に示すロータコア構造において、磁石収容孔56を、径方向外側に開口する磁石収容溝59としたものである。ロータコア5は、磁石収容孔56の開口を狭窄する鍔60を有して永久磁石3の遠心力を受け取る。
図25は、図23に示すロータコア構造において、永久磁石3に接する低磁気抵抗部51の側面のうち径方向外側の部分を切り欠き、更に永久磁石3も切り欠いたものである。これにより永久磁石3の漏れ磁束を減らすことができる。
(実施形態2)
本発明の好適な実施形態2の原理を図26を参照して説明する。以下の実施形態では、8極埋込磁石インナーロータモデルにて説明しているが、ロータ磁極数や公知の種々のロータ形式への変更は自由であることはもちろんである。
本発明の好適な実施形態2の原理を図26を参照して説明する。以下の実施形態では、8極埋込磁石インナーロータモデルにて説明しているが、ロータ磁極数や公知の種々のロータ形式への変更は自由であることはもちろんである。
(ロータの基本構造)
図26は、この実施形態のPMシンクロナスモータの電気角π分の模式径方向断面図を示す。
図26は、この実施形態のPMシンクロナスモータの電気角π分の模式径方向断面図を示す。
ロータ1は、多数のスロット71とティース72とが形成されたステータ7の内周面に対面する外周面をもつ。ロータ1は、積層電磁鋼板製のロータコア5と、このロータコア5に埋設された永久磁石3とを有し、いわゆるIPM型のロータを構成している。
ロータコア5は、回転軸2に嵌着、固定された略円筒状のヨーク部53と、ヨーク部53の外周から電気角πごとにステータ7の内周面に向けて突出する複数の突極部50と、互いに隣接する2つの突極部50の間にヨーク部53及び突極部50と離れて配置されたセグメント磁路部56とを有している。
セグメント磁路部56は、ステータ7の内周面に対して小さい電磁ギャップを挟んで対面する部分円筒面形状のステータ対向磁極面57を有している。突極部50も、ステータ7の内周面に対して小さい電磁ギャップを挟んで対面する部分円筒面形状のステータ対向磁極面を有している。
セグメント磁路部56は、ステータ7の内周面に対して小さい電磁ギャップを挟んで対面する部分円筒面形状のステータ対向磁極面57を有している。突極部50も、ステータ7の内周面に対して小さい電磁ギャップを挟んで対面する部分円筒面形状のステータ対向磁極面を有している。
この実施形態では、ヨーク部53及び突極部50は低磁気抵抗部とも総称される。ヨーク部53は、各突極部50の反ステータ側の部位に連なっており、各突極部50の反ステータ側の端部を磁気的に短絡している。低磁気抵抗部とセグメント磁路部56とは磁気分離部8により磁気的に分離されている。磁気分離部8には非磁性体が配置されているが、セグメント磁路部56や永久磁石3の支持を確保できれば、空隙により磁気分離部8を構成してもよい。
永久磁石3の一方の磁極面はセグメント磁路部56の径方向内側の表面に密着しており、永久磁石3の他方の磁極面はヨーク部53の径方向外側の表面に密着している。なお、この実施形態では永久磁石3は角棒状に形成されているが、永久磁石3の形状がこれに限定されないことはもちろんである。これにより、永久磁石3は、自己が接するセグメント磁路部56とヨーク部53とを逆方向に磁化する。図26の矢印は永久磁石3の磁化方向を示す。なお、電気角π離れた2つの永久磁石3は逆向きに磁化される。
この実施形態の特徴は、永久磁石3がその両側の突極部50の間の中間位置を示すrc軸よりも一方の突極部50側に近接した位置に配置した点にその特徴がある。これにより、セグメント磁路部56のステータ対向磁極面57のうち、rc軸よりも周方向磁石近接側は周方向磁石離遠側に対して相対的に永久磁石3により強く磁化される。したがって、ステータ側から見た磁石磁束の周方向中心言い換えればステータ側から見たロータ1の外周面上の周方向における同一極性の磁極の中心位置(図26ではm軸にて示す)がその両側の2つの突極部50の位置(図26ではr軸で示す)のうちの一方側に近付いて設けられることになる。
このように構成したこの実施例のロータを用いたPMシンクロナスモータは、既述した実施形態1と同じく、磁極中心位置mの周方向シフトにより、上記実施形態1と同様にリラクタンストルクのトルクピーク位相角近傍における磁石トルクの落ち込みを防止し、その結果として、リラクタンストルクのトルクピーク位相角近傍における合成トルクの増大を実現する。更に、この実施形態では、ステータ電流によりセグメント磁路部56を通過して周方向へ流れる磁束(電流磁束)がリラクタンストルクを増大させるため、合成トルクの一層の増大を実現することができる。
(変形態様)
永久磁石の非対称配置に相当するm軸の周方向シフトは、上記した永久磁石の偏位(たとえば周方向移動)の他、永久磁石の形状変更によっても実施することができ、永久磁石の磁化方向の変更によっても実施することができる。
永久磁石の非対称配置に相当するm軸の周方向シフトは、上記した永久磁石の偏位(たとえば周方向移動)の他、永久磁石の形状変更によっても実施することができ、永久磁石の磁化方向の変更によっても実施することができる。
(実施形態3)
本発明の好適な実施形態3の原理を図27を参照して説明する。以下の実施形態では、8極埋込磁石インナーロータモデルにて説明しているが、ロータ磁極数や公知の種々のロータ形式への変更は自由であることはもちろんである。
本発明の好適な実施形態3の原理を図27を参照して説明する。以下の実施形態では、8極埋込磁石インナーロータモデルにて説明しているが、ロータ磁極数や公知の種々のロータ形式への変更は自由であることはもちろんである。
この実施形態は、図26に示す実施形態2において、一つのセグメント磁路部56の周方向両端部に2つの永久磁石31、32を個別に隣接させ、かつ、これら永久磁石31、32の磁化方向を変更したものである。図27に示す2つの矢印は、2つの永久磁石31、32の磁化方向を示す。更に具体的に説明すると、永久磁石31、32は、セグメント磁路部56の周方向両端部と、突極部50との間に配置されている。永久磁石32の磁化方向はほぼ周方向とされ、永久磁石31の磁化方向は永久磁石32のそれよりも径方向外側に向いている。ただし、一つのセグメント磁路部56に隣接する2つの永久磁石31、32はこのセグメント磁路部56を同一極性に磁化する。
このようにすれば、セグメント磁路部56のステータ対向磁極面のうち、両側の突極部50の間の中間位置を示すrc軸よりも永久磁石31に近い側の部分は、永久磁石32に近い側の部分よりも強く磁化されることになる。したがって、ステータ側から見た磁石磁束の周方向中心言い換えればステータ側から見たロータ1の外周面上の周方向における同一極性の磁極の中心位置(図27ではm軸にて示す)がその両側の2つの突極部50の位置(図27ではr軸で示す)のうちの一方側に近付いて設けられることになる。
このように構成したこの実施例のロータを用いたPMシンクロナスモータは、既述した実施形態1、2と同じく、磁極中心位置mの周方向シフトにより、上記実施形態1、2と同様にリラクタンストルクのトルクピーク位相角近傍における磁石トルクの落ち込みを防止し、その結果として、リラクタンストルクのトルクピーク位相角近傍における合成トルクの増大を実現する。更に、この実施形態では、ステータ電流によりセグメント磁路部56を通過して周方向へ流れる磁束(電流磁束)がリラクタンストルクを増大させるため、合成トルクの一層の増大を実現することができる。
(シミュレーション結果)
図26に示すロータを用いたPMシンクロナスモータのシミュレーション結果を図28に、図27に示すロータを用いたPMシンクロナスモータのシミュレーション結果を図29に、図30に示す通常のPMシンクロナスモータ用ロータを用いたPMシンクロナスモータのシミュレーション結果を図31に示す。ただし、磁石磁束量、寸法などは等しいとした。ステータ電流は実効値で360A、回転数は1rpmとした。
図26に示すロータを用いたPMシンクロナスモータのシミュレーション結果を図28に、図27に示すロータを用いたPMシンクロナスモータのシミュレーション結果を図29に、図30に示す通常のPMシンクロナスモータ用ロータを用いたPMシンクロナスモータのシミュレーション結果を図31に示す。ただし、磁石磁束量、寸法などは等しいとした。ステータ電流は実効値で360A、回転数は1rpmとした。
図28、図29、図31の比較からわかるように、図26、図27に示す実施形態2、3のロータは、図30のロータよりも格段に合成トルクのピーク値を増大でき、負トルクも増やすことができることがわかる。このトルク増大はリラクタンストルクの増大に依拠していることがわかる。
(変形態様)
その他、従来公知のIPMシンクロナスモータのロータにおいて、磁石位置やロータ内磁路形状を変更して上記と同様に実質的な磁石の周方向中心位置を磁気突極部に対して周方向へずらしてもよいこと。
その他、従来公知のIPMシンクロナスモータのロータにおいて、磁石位置やロータ内磁路形状を変更して上記と同様に実質的な磁石の周方向中心位置を磁気突極部に対して周方向へずらしてもよいこと。
(実施形態4)
本発明の好適な実施形態4を図32を参照して説明する。図32はIPMアウターロータにおいて永久磁石3を周方向にシフトした例を示す。この場合、耐遠心力性を確保しつつ、永久磁石3の周方向シフトが可能となるため、極めて実用性に優れる。
本発明の好適な実施形態4を図32を参照して説明する。図32はIPMアウターロータにおいて永久磁石3を周方向にシフトした例を示す。この場合、耐遠心力性を確保しつつ、永久磁石3の周方向シフトが可能となるため、極めて実用性に優れる。
図32において、アウタロータ型フラックスバリア磁石収容構造のロータ1は、上記各実施例の非磁性体6に相当するフラックスバリア60を有する。周方向に隣り合う2つのフラックスバリア60の間にいわゆる磁気突極部をなす突極部50をもつ。フラックスバリア60には板状の永久磁石3が収容されているが、この永久磁石3はフラックスバリア60の周方向一方側へ偏って配置される。これにより、磁石磁束Φmの周方向中心(いわゆるd軸)に対して、電流磁束(リラクタンストルク磁束)が流れる突極部50の周方向中心(本明細書で言うr軸)は、永久磁石3をフラックスバリア60の周方向中心点に配置する従来のロータ構造に対して周方向へ所定角度だけずれる。その結果として、リラクタンストルクのピーク位相角をマグネットトルクのピーク位相角に対して上記実施例と同様に調整することが可能となる。なお、図32に記載したN、Sは、磁石により形成された磁極を示す。
(実施形態5)
本発明の好適な実施形態5を図33を参照して説明する。図33は、IPMインナーロータにおいて、永久磁石3を周方向にシフトした例を示す。図33は、図32のアウタロータ型フラックスバリア磁石収容構造のロータ1をインナーロータ型に変更したものである。
本発明の好適な実施形態5を図33を参照して説明する。図33は、IPMインナーロータにおいて、永久磁石3を周方向にシフトした例を示す。図33は、図32のアウタロータ型フラックスバリア磁石収容構造のロータ1をインナーロータ型に変更したものである。
図33において、インナーロータ型フラックスバリア磁石収容構造のロータ1は、上記各実施例の非磁性体6に相当するフラックスバリア60を径方向に所定間隔隔てて2つ有する。なお、フラックスバリア60及び磁石の形状は、従来のIPMロータと同様、多数の変形が可能である。
周方向に隣り合う2つのフラックスバリア60の間にいわゆる磁気突極部をなす突極部50をもつ。フラックスバリア60には板状の永久磁石3が収容されているが、この永久磁石3はフラックスバリア60の周方向一方側へ偏って配置される。これにより、磁石磁束Φmの周方向中心(いわゆるd軸)に対して、電流磁束(リラクタンストルク磁束)が流れる突極部50の周方向中心(本明細書で言うr軸)は、永久磁石3をフラックスバリア60の周方向中心点に配置する従来のロータ構造に対して周方向へ所定角度だけずれる。その結果として、リラクタンストルクのピーク位相角をマグネットトルクのピーク位相角に対して上記実施例と同様に調整することが可能となる。なお、図33に記載したN、Sは、磁石により形成された磁極を示す。
(実施例6)
本発明の好適な実施形態6を図34を参照して説明する。図34は、偶数個(図34では4個)の永久磁石3が放射状に配置された公知のスポーク型IPMロータにおいて、ロータコア5は、フラックスバリア60と、フラックスバリア60と永久磁石3との間にいわゆる磁気突極部をなす突極部50A、50Bとを有する。突極部50Aは、永久磁石3の一対の磁極面600、601のうち反時計方向側の磁極面600に近接する磁気突極部であり、突極部50Bは、永久磁石3の一対の磁極面600、601のうち時計方向側の磁極面601に近接する磁気突極部である。この実施形態では、フラックスバリア60は、永久磁石3の磁極面600に近接し、磁極面601から離れて配置される。これにより、突極部50Aの周方向幅は狭く、突極部50Bの周方向幅は広く形成されている。
本発明の好適な実施形態6を図34を参照して説明する。図34は、偶数個(図34では4個)の永久磁石3が放射状に配置された公知のスポーク型IPMロータにおいて、ロータコア5は、フラックスバリア60と、フラックスバリア60と永久磁石3との間にいわゆる磁気突極部をなす突極部50A、50Bとを有する。突極部50Aは、永久磁石3の一対の磁極面600、601のうち反時計方向側の磁極面600に近接する磁気突極部であり、突極部50Bは、永久磁石3の一対の磁極面600、601のうち時計方向側の磁極面601に近接する磁気突極部である。この実施形態では、フラックスバリア60は、永久磁石3の磁極面600に近接し、磁極面601から離れて配置される。これにより、突極部50Aの周方向幅は狭く、突極部50Bの周方向幅は広く形成されている。
このフラックスバリア60の設置は、この部位におけるロータコア5の外周面を凹ませて溝部としたのと同等であり、フラックスバリア60の部位における径方向への言い換えればステータコアへの磁束の流れを抑制する。したがって、このようにすると、上記実施例と同様の効果を奏することができる。
更に説明すると、図34に示される2つの永久磁石3から出た磁石磁束は、突極部50Aの外周面部502と、突極部50Bの外周面部503とに均等に磁極を形成するとみなすことができ、これら外周面502、503は、フラックスバリア60により周方向へ偏っている。これに対して、電流磁束Φrに対しては、この影響は相対的に小さい。このため、永久磁石3の磁石磁束の周方向中心(いわゆるd軸)が2つの隣合う永久磁石3の周方向中間点を存在する従来のスポーク型ロータに対して、この実施例の磁石磁束の周方向中心(いわゆるd軸)は周方向へずれる。このため、リラクタンストルクのピーク位相角をマグネットトルクのピーク位相角に対して上記実施例と同様に調整することが可能となる。なお、図34に記載したN、Sは、磁石により形成された磁極を示す。
(実施形態7)
本発明の好適な実施形態7を図35を参照して説明する。図35は、図2において、永久磁石3が略周方向に磁石磁束を出すようにしたもでである。図35において矢印は磁石磁束の方向を示す。永久磁石3が磁石磁束を周方向へ出すという意味において、図35は、永久磁石3が径方向に配置される一種のスポーク型ロータであり、従来のスポーク型ロータのロータコアに対して、永久磁石3の径方向内側の軟磁性ロータ部分を省略した点と、周方向に隣り合う2つの永久磁石3、3の間に位置してロータコア5の外周面に溝部(凹部)9を設けた点にその特徴がある。
本発明の好適な実施形態7を図35を参照して説明する。図35は、図2において、永久磁石3が略周方向に磁石磁束を出すようにしたもでである。図35において矢印は磁石磁束の方向を示す。永久磁石3が磁石磁束を周方向へ出すという意味において、図35は、永久磁石3が径方向に配置される一種のスポーク型ロータであり、従来のスポーク型ロータのロータコアに対して、永久磁石3の径方向内側の軟磁性ロータ部分を省略した点と、周方向に隣り合う2つの永久磁石3、3の間に位置してロータコア5の外周面に溝部(凹部)9を設けた点にその特徴がある。
つまり、この実施形態のロータ1は、ステータ7の内周面に面しつつ永久磁石3と軟磁性磁路部56とを交互に周方向へ配置してなる。したがって、軟磁性磁路部56の周方向両端は永久磁石3の磁極面に接している。軟磁性磁路部56は、周方向へ延在する継鉄部57と、この継鉄部57の周方向両端に個別に配置された突極部(本発明で言う低磁気抵抗部)58、59とからなる。永久磁石3は、周方向へ電気角π毎に極性交互に配置されて磁石磁束を略周方向へ流す。軟磁性磁路部56を周方向に隣り合う2つの永久磁石の間を磁気的に接続し、これら2つの永久磁石3から磁石磁束Φmを受け取る。軟磁性磁路部56の突極部58、59は径方向外側のステータ7の内周面と磁束を授受する。軟磁性磁路部56の継鉄部57は、主として周方向両側の突極部58、59に電流磁束Φrを流す。溝部9は、継鉄部57の径方向外側に隣接配置されて、継鉄部57がステータ7に磁束を流すのを阻止する。この実施形態の更なる特徴は、突極部58と突極部59の周方向幅が異なることである。
このようにすれば、突極部58と突極部59の周方向幅を調節することにより、上記した各実施形態と同様に、磁石磁束Φmの周方向中心位置と、ステータ電流により形成される電流磁束の周方向中心位置との相対角度を変更することができる。
つまり、図35に示される2つの永久磁石3から周方向逆側に出た磁石磁束は、突極部(低磁気抵抗部)58の外周面部と、突極部(低磁気抵抗部)59の外周面部とに均等に磁極を形成するとみなすことができ、これら外周面の周方向幅が異なるため、磁石磁束の周方向中心点は相対的に大きく変位する。これに対して、突極部58から突極部59へと流れる電流磁束Φrに対しては、この突極部58、59の周方向幅の変更の影響は相対的に小さい。このため、永久磁石3の磁石磁束の周方向中心(いわゆるd軸)が2つの隣合う永久磁石3の周方向中間点を存在する従来のスポーク型ロータに対して、この実施例の磁石磁束の周方向中心(いわゆるd軸)は周方向へずれる。このため、リラクタンストルクのピーク位相角をマグネットトルクのピーク位相角に対して上記実施例と同様に調整することが可能となる。
(シミュレーション結果)
図35のロータモデルにおいて、突極部58、59の周方向幅を変更した場合のトルク変化を図36に示す。図36はシミュレーションにて求めた。図35において、永久磁石3の厚さすなわち周方向幅と、突極部58の周方向幅Bと、突極部59の周方向幅Aとの合計は一定とした。
図35のロータモデルにおいて、突極部58、59の周方向幅を変更した場合のトルク変化を図36に示す。図36はシミュレーションにて求めた。図35において、永久磁石3の厚さすなわち周方向幅と、突極部58の周方向幅Bと、突極部59の周方向幅Aとの合計は一定とした。
図36は、ある電流位相角での周方向幅AとBとの差(AーB)とリラクタンストルクと磁石トルクと総合トルクとを関係を示す。図36から、周方向幅AとBとの差(AーB)を正方向へ増大するとリラクタンストルクが増大し、負方向に増大するとマグネットトルクが増大することがわかる。
これにより、この実施形態においても、上記各実施形態と同じく、磁石磁束Φmの周方向中心(d軸)が相対的にリラクタンストルクを発生する電流磁束Φrの周方向中心に対して周方向へ変位させることができ、それによりマグネットトルクに対するリラクタンストルクの割合を調節することができる。
(変形態様)
変形態様を図37を参照して説明する。この変形態様を図35に示す永久磁石3を、所定の磁石傾斜角度θだけ傾けた点にその特徴をもつ。永久磁石3を傾斜させることにより、その両側の突極部58、59における磁石磁束の流れが偏り、その影響により電流磁束の流れが偏るため、マグネットトルクとリラクタンストルクとを変更することができる。
変形態様を図37を参照して説明する。この変形態様を図35に示す永久磁石3を、所定の磁石傾斜角度θだけ傾けた点にその特徴をもつ。永久磁石3を傾斜させることにより、その両側の突極部58、59における磁石磁束の流れが偏り、その影響により電流磁束の流れが偏るため、マグネットトルクとリラクタンストルクとを変更することができる。
(シミュレーション結果)
図37のロータモデルにおいて、永久磁石3の磁石傾斜角度θを変更した場合のトルク変化を図38に示す。図38はシミュレーションにて求めた。図37において、永久磁石3の径方向内端部を、周方向幅が狭い突極部58の側に傾けた。つまり、突極部58、59の外周面部の周方向幅は図35に対して変更しなかった。図38は、ある電流位相角での磁石傾斜角度θとリラクタンストルクと磁石トルクと総合トルク(トータルトルク)との関係を示す。図36から、周方向幅AとBとの差(AーB)を正方向へ増大するとリラクタンストルクが増大し、負方向に増大するとマグネットトルクが増大することがわかる。磁石傾斜角度θが正向きに増大すると、リラクタンストルクが減少し、磁石トルクが増大することがわかる。
図37のロータモデルにおいて、永久磁石3の磁石傾斜角度θを変更した場合のトルク変化を図38に示す。図38はシミュレーションにて求めた。図37において、永久磁石3の径方向内端部を、周方向幅が狭い突極部58の側に傾けた。つまり、突極部58、59の外周面部の周方向幅は図35に対して変更しなかった。図38は、ある電流位相角での磁石傾斜角度θとリラクタンストルクと磁石トルクと総合トルク(トータルトルク)との関係を示す。図36から、周方向幅AとBとの差(AーB)を正方向へ増大するとリラクタンストルクが増大し、負方向に増大するとマグネットトルクが増大することがわかる。磁石傾斜角度θが正向きに増大すると、リラクタンストルクが減少し、磁石トルクが増大することがわかる。
(変形態様)
変形態様を図39を参照して説明する。
変形態様を図39を参照して説明する。
この変形態様は、図35において、永久磁石3を径方向外側に向けて先細となる台形断面をもつようにしたものである。また、この変形態様は、(図参照)35において、各軟磁性磁路部56及び永久磁石3の径方向内側に位置して非磁性の円筒部700を設けたものである。円筒部700は(図略の回転軸に嵌着されている。軟磁性磁路部56は径方向内側へ突出する楔部500をもち、非磁性の円筒部700の外周面は、軟磁性磁路部56の楔部500により係止されている。円筒部700は、たとえばアルミニウムのインサート成型により製造される。これにより、軟磁性磁路部56及び永久磁石3の耐遠心力性能を向上させることができる。
図34における磁石磁束Φmと電流磁束(リラクタンストルク磁束)Φrとの関係を図40の周方向展開図を参照して追加説明する。
突極部58、59は、その周方向両側の永久磁石3、3から磁石磁束Φmを受け取り、突極部58、59の外周面部580、590からステータ7に流す。突極部58の外周面部580から出る磁石磁束をΦm1とし、突極部59の外周面部590から出る磁石磁束をΦm2とする。したがって、ロータ1の1磁極分の磁石磁束Φmはこれら磁石磁束Φm1、Φm2の合計となる。しかし、突極部58、59の外周面部580、590の周方向幅が異なるため、磁石磁束Φmの周方向中心位置すなわちd軸は、2つの永久磁石3、3の単純な中間位置zより突極部59側(図40にて時計方向へ)にずれる。これに対して、点線で示す電流磁束はわずかに反時計方向へずれる。更に詳しく説明すると、合計の電流磁束Φrは、その両側の電流磁束Φr1、Φr2の和となる。電流磁束Φr1と電流磁束Φr2とはほぼ等しい大きさをもつとみなすことができるため、合計の電流磁束Φrの周方向中心位置すなわち図1で言うr軸はわずかに反時計方向へシフトする。
結局、この実施形態では、突極部58、59の周方向幅の変更により磁石磁束軸と電流磁束軸とを逆方向へシフトさせることができるため、突極部58、59の周方向幅の調節により所望のマグネットトルクとリラクタンストルクとを得ることができる。
(実施形態1、2)
1 ロータ
2 回転軸
3 永久磁石
4 永久磁石
5 ロータコア
6 非磁性体
7 ステータ
8 磁気分離部
30 磁石磁極部
31 永久磁石
32 永久磁石
40 磁石磁極部
50 突極部
51 低磁気抵抗部
52 低磁気抵抗部
53 円筒ヨーク部(ヨーク部)
54 磁気突極部
55 磁気突極部
56 セグメント磁路部
57 ステータ対向磁極面
71 スロット
72 ティース
(実施形態3、4)
1 ロータ
3 永久磁石
6 非磁性体
31 永久磁石
32 永久磁石
50 突極部
56 セグメント磁路部
60 フラックスバリア
(実施形態5)
1 ロータ
3 永久磁石
6 非磁性体
50 突極部
60 フラックスバリア
(実施形態6)
3 永久磁石
5 ロータコア
50A 突極部
50B 突極部
60 フラックスバリア
502 外周面
502 外周面部
503 外周面部
600 磁極面
601 磁極面
(実施形態7)
1 ロータ
3 永久磁石
5 ロータコア
7 ステータ
9 溝
56 軟磁性磁路部
57 継鉄部
58 低磁気抵抗部(突極部)
59 低磁気抵抗部(突極部)
500 楔部
700 非磁性の円筒部
1 ロータ
2 回転軸
3 永久磁石
4 永久磁石
5 ロータコア
6 非磁性体
7 ステータ
8 磁気分離部
30 磁石磁極部
31 永久磁石
32 永久磁石
40 磁石磁極部
50 突極部
51 低磁気抵抗部
52 低磁気抵抗部
53 円筒ヨーク部(ヨーク部)
54 磁気突極部
55 磁気突極部
56 セグメント磁路部
57 ステータ対向磁極面
71 スロット
72 ティース
(実施形態3、4)
1 ロータ
3 永久磁石
6 非磁性体
31 永久磁石
32 永久磁石
50 突極部
56 セグメント磁路部
60 フラックスバリア
(実施形態5)
1 ロータ
3 永久磁石
6 非磁性体
50 突極部
60 フラックスバリア
(実施形態6)
3 永久磁石
5 ロータコア
50A 突極部
50B 突極部
60 フラックスバリア
502 外周面
502 外周面部
503 外周面部
600 磁極面
601 磁極面
(実施形態7)
1 ロータ
3 永久磁石
5 ロータコア
7 ステータ
9 溝
56 軟磁性磁路部
57 継鉄部
58 低磁気抵抗部(突極部)
59 低磁気抵抗部(突極部)
500 楔部
700 非磁性の円筒部
Claims (10)
- 永久磁石により電気角π毎に形成されてマグネットトルクを発生する磁石磁極部と、電気角π毎に形成されてリラクタンストルクを発生する軟磁性の低磁気抵抗部とを表面部に有するロータを備え、
周方向に隣接する一対の低磁気抵抗部間の磁気抵抗は、他部位の磁気抵抗よりも小さく形成されているPMシンクロナスモータにおいて、
磁石磁極部の両側の一対の低磁気抵抗部の周方向中心は、磁石磁極部の周方向中心を基準として非対称に配置されていることを特徴とするPMシンクロナスモータ。 - 請求項1記載のPMシンクロナスモータにおいて、
各低磁気抵抗部の周方向中心は、それぞれ最も近接する磁石磁極部の周方向中心に対して周方向一方側へ15°〜75°だけ変位しているPMシンクロナスモータ。 - 請求項2記載のPMシンクロナスモータにおいて、
各低磁気抵抗部の周方向中心は、それぞれ最も近接する磁石磁極部の周方向中心に対して周方向一方側へ40〜50°だけ変位しているPMシンクロナスモータ。 - 軟磁性を有して電気角π毎にステータの周面に向けて突出する複数の突極部とこれら突極部の反ステータ側の部位を磁気的に連結する軟磁性のヨーク部とを有してリラクタンストルクを発生させる低磁気抵抗部と、
前記ステータの周面に対面するステータ対向磁極面を有して周方向における前記突極部間に介設される軟磁性のセグメント磁路部と、
前記低磁気抵抗部と前記セグメント磁路部との間に形成されて前記低磁気抵抗部と前記セグメント磁路部とを磁気的に分離する磁気分離部と、
前記磁気分離部に収容されて一対の磁極面の一方が前記セグメント磁路部に他方が前記低磁気抵抗部に接して前記セグメント磁路部を磁化する永久磁石と、
を備えるPMシンクロナスモータにおいて、
前記永久磁石は、
前記セグメント磁路部の前記ステータ対向磁極面の周方向一方側をその周方向他方側よりも強く磁化する位置に配置されていることを特徴とするPMシンクロナスモータ。 - 請求項4記載のPMシンクロナスモータにおいて、
前記永久磁石は、
互いに周方向に隣接する一対の前記突極部の間の周方向中間点を基準として非対称に配置されているPMシンクロナスモータ。 - 請求項4又は5記載のPMシンクロナスモータにおいて、
前記セグメント磁路部は、
互いに周方向に隣接する一対の前記突極部の周方向中間点を基準として非対称に形成されているPMシンクロナスモータ。 - 請求項1乃至6のいずれか記載のPMシンクロナスモータにおいて、
前記ロータは前記ステータの径方向外側に配置されるアウタロータ構造を有しているPMシンクロナスモータ。 - 周方向へ電気角π毎に極性交互に配置されて磁石磁束を略周方向へ流す偶数個の永久磁石と、周方向に隣り合う2つの永久磁石の間を磁気的に接続する軟磁性磁路部とを有するPMシンクロナスモータにおいて、
前記軟磁性磁路部は、周方向両端部にてステータの周面に個別に対面する一対の低磁気抵抗部と、前記一対の低磁気抵抗部の間に配置されて磁束が周方向へ流れるのを許容し、磁束が径方向に流れるのを抑止する向きに延在する継鉄部と、
を有することを特徴とするPMシンクロナスモータ。 - 請求項8記載のPMシンクロナスモータにおいて、
前記継鉄部は、前記ステータの周面から遠ざかる向きに凹設された溝部により構成されているPMシンクロナスモータ。 - 請求項9記載のPMシンクロナスモータにおいて、
前記継鉄部は、周方向へ延在するフラックバリアにより構成されているPMシンクロナスモータ。
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JP2011223742A (ja) * | 2010-04-09 | 2011-11-04 | Toshiba Corp | 永久磁石式回転電機 |
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- 2007-08-27 JP JP2007219797A patent/JP2008295282A/ja active Pending
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