JP2012023904A - 永久磁石型回転電機 - Google Patents

永久磁石型回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】リラクタンストルクとリラクタンストルクの利用率を向上させる永久磁石型回転電機を提供する。
【解決手段】電機子コイルを持つ固定子と、永久磁石によるマグネットトルクおよび電気的突極性によるリラクタンストルクを併用可能な構造の回転子と、を備えた永久磁石型回転電機において、前記永久磁石の配置上の磁石磁束方向をd軸、前記d軸から正回転方向に電気的に90°進み位相の方向をq軸と定義した時、少なくとも、電気的突極方向が前記q軸に対して遅れ位相の方向となるように前記回転子を構成する、もしくは、前記回転子から出力される前記永久磁石の総磁束の方向が前記d軸に対して進み位相の方向となるように前記回転子を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、回転子に永久磁石を用いた永久磁石型回転電機に関する。
回転子に永久磁石を用いる回転電機は、永久磁石を回転子の内部に埋め込む構造にすることにより、ステータ電流によって発生する磁力が磁石をひきつける力であるマグネットトルクと、同磁力が鉄心をひきつける力であるリラクタンストルクの両方を利用できるようになり、高トルクが得られるという特性がある。
ここで、リラクタンストルクは、凹凸を持った鉄心で回転子を構成することで、ステータコイルで励磁した際に回転子に蓄えられる磁気エネルギーが空隙部分と鉄心部分とで異なり、磁気エネルギーの変化により機械エネルギーに変換されて出力されるトルクである。
またマグネットトルクは、永久磁石による電機子鎖交磁束の変化により磁気エネルギーが機械エネルギーに変換されて出力されるトルクである。
リラクタンストルクとマグネットトルクの2種類のトルクは、回転子の構造を工夫することにより併用することが可能である。このような構造のモータとしては、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM:Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)が一般に用いられている。
リラクタンストルクとマグネットトルクは、電流位相角によって変化する。IPMSMの最大トルクは、リラクタンストルクとマグネットトルクの和である。したがって、IPMSMは、最大トルクが得られる電流位相角に電流を制御することにより、損失の少ない高効率運転が可能となる。
特許第3170224号公報
しかしながら、最大トルクが得られる電流位相角は、マグネットトルクとリラククンストルクのそれぞれのトルクが最大となるピークからは外れている。IPMSMの回転子には電磁鋼板で構成される鉄心と比較しても非常に高価な永久磁石を用いているにも関わらず、IPMSMは、そのピークから外れた電流位相角で制御されている。したがって、マグネットトルクは、コストのかかる永久磁石の能力を最大限に利用しているとはいえない。このようなピークから外れた電流位相角でのIPMSMの運転は、IPMSMのコストパフォーマンスを悪化させる要因となっていた。言い換えれば、IPMSMにおけるマグネットトルクの利用率が低いことを意味する。
同様に、電磁鋼板のコスト比率は永久磁石よりも低いが、電磁鋼板によるトルクと言えるリラクタンストルクは、通常の最大トルク/電流制御では、そのピークから外れた電流位相角で制御されている。したがって、このようなピークから外れた電流位相角でのIPMSMの運転は、IPMSMのコストパフォーマンスを悪化させる要因となっていた。言い換えればIPMSMにおけるリラクタンストルクの利用率が低いことを意味する。
この発明の目的は、マグネットトルクとリラクタンストルクを併用する永久磁石型回転電機において、リラクタンストルクとリラクタンストルクの利用率を向上させる永久磁石型回転電機を提供することである。
実施形態に係る永久磁石型回転電機は、電機子コイルを持つ固定子と、永久磁石によるマグネットトルクおよび電気的突極性によるリラクタンストルクを併用可能な構造の回転子とを備え、前記永久磁石の配置上の磁石磁束方向をd軸、前記d軸から正回転方向に電気的に90°進み位相の方向をq軸と定義した時、少なくとも、電気的突極方向が前記q軸に対して遅れ位相の方向となるように前記回転子を構成する、もしくは、前記回転子から出力される前記永久磁石の総磁束の方向が前記d軸に対して進み位相の方向となるように前記回転子を構成する。
第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 第1の実施形態の変形例に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 参考例に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 参考例に係るdq軸座標系における電流振幅Iと電流位相角βを示す図。 参考例に係る永久磁石型回転電機で発生するトルクを示すグラフ。 参考例に係る永久磁石型回転電機の四象限運転のイメージ図。 第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機で発生するトルクを示すグラフ。 第2の実施形態に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 第2の実施形態の変形例に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 第2の実施形態に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。 第2の実施形態の変形例に係る永久磁石型回転電機の径方向断面図。
(第1の実施形態)
以下、図面を用いて実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るIPMSMである永久磁石型回転電機の回転子1の径方向断面図である。図1に示す矢印方向(反時計回り)を回転子1の正回転方向とする。第1の実施形態において、進み位相、遅れ位相は、正回転方向に対する進み、遅れをそれぞれ意味している。
永久磁石型回転電機は、回転子10及び固定子11を有する。回転子10は、鉄心101、永久磁石102a,102b、空隙103a,103bを有する。鉄心101は、円柱状であって、積層電磁鋼板で構成されている。永久磁石102a、102bは、断面が矩形の平板状である。永久磁石102a、102bは、鉄心10の中心軸を中心に点対象であって、永久磁石102a、102bそれぞれの長辺と平行であって鉄心10の中心軸を通る軸に対して線対称となるように配置されている。空隙103a、103bは、所定形状の断面形状であって、後述するd軸に対して遅れ位相となる位置に配置されている。つまり、空隙103a、103bは、後述するq軸と線対称ではなく、鉄心11の中心軸で点対称となる位置にそれぞれ配置されている。固定子11は、回転子10と同心円の筒状である。固定子10は、一般に広く永久磁石型回転電機に用いられているものでよい。固定子11は、回転子10を径方向に囲うように、複数の電機子コイル111を有する。電機子コイル111は、回転子10から固定子11に鎖交する磁束によって発電する。
第1の実施形態では、回転子10内に埋め込まれた永久磁石102a、102bの配置上の磁束方向をd軸、d軸から回転方向に電気的に90°進んだ方向をq軸と定義している。q軸及びd軸の定義は、永久磁石型回転電機を「ベクトル制御」と呼ばれる高性能制御法で制御する際に必要な軸定義である。q軸及びd軸は、合わせて「dq軸座標系」、「回転座標系」などと呼ばれている。この座標系は、回転子10の回転に同期して回転する座標系である。交流モータ永久磁石型回転電機は、このdq軸座標系上に定義した電流・電圧ベクトルを制御することにより、直流量で制御でき、さらに、高速応答で高効率に運転できる。dq軸座標系は、回転子10の制御用のための便宜的な座標系である。
ここで、永久磁石102a、102bの配置上の磁束方向とは、回転子10の回転中心に対する永久磁石102a、102bの配置と、永久磁石102a、102bの磁化方向のみで決まる磁束方向のことである。したがって、永久磁石102a、102bの配置上の磁束方向とは、回転子10のその他の要素、例えば回転子鉄心101や空隙103a、103bなどの磁気的影響を考慮しない磁束方向である。図1に示す例では、永久磁石102a、102bの配置上の磁束方向は、着磁方向と一致している。
実際に図1に示すように回転子1全体を構成した場合、鉄心101,永久磁石102a、102b、空隙103a、103b等の構成によって回転子1全体の磁気回路が決まる。実際に永久磁石型回転電機を駆動する際にマグネットトルクを決める要素となる回転子10の総磁石磁束、言い換えれば回転子10から固定子11に鎖交する総磁石磁束(回転子10から出る磁束)は、図1に示すd軸よりも進み位相の方向に進んだ方向に出力する。つまり、第1の実施形態におけるd軸の定義は、一般に用いられているd軸の定義と異なる。
なお、図1は、回転子10の回転軸を当然設けられるべきものとして省略して記載している。実際に永久磁石型回転電機を構成する場合、回転子10の中心に回転軸を必要とする。さらに、図1では、実際の機器設計において応力強化や磁気障壁のために設けられるその他の空隙、保護管、空隙や磁石の角を円弧状にする工夫などは省略している。
永久磁石102a、102bそれぞれの形状は、最も簡単な平板状としているが、応力や磁束分布などを最適化するために、円弧状に変形し、または、複数の永久磁石に分割して配置してもよい。例えば、永久磁石102a、102bは、その形状を円弧状に変形することによって、リラクタンストルクを高める効果を得られる。永久磁石102a、102bは、それぞれを複数の永久磁石に分割することによって、永久磁石102a、102bそれぞれを構成する永久磁石間に鉄心のブリッジを設置できるので回転子10の回転時の応力を高めることができる。したがって、このような構成の回転子10は、高速回転時の遠心力による破壊を防止することが可能となる。
図2は、第1の実施形態の変形例を示す図である。図2は、永久磁石型回転電機の回転子20の径方向断面図である。図2に示す回転子20は、図1に示す回転子10に配置された空隙103a、103bの位置を含む回転子20の外周部の切り欠き203a、203bが設けられている。切り欠き203a、203bの位置及び形状は、図1に示す空隙103a、103bと同様に、鉄心201の中心軸を中心に点対称となればよい。鉄心201、永久磁石202a、202bは、鉄心101、永久磁石102a、102bと同様の構成である。なお、固定子は、図1に示す固定子11と同様の構成なので、図示を省略する。
図2に示すように切り欠き203a、203bを回転子20に設ける理由は、以下の通りである。図1に示す回転子10に配置される空隙103a、103bの外周側には、鉄心101のブリッジ部が存在する。鉄心101は、その強度等の要因でこのブリッジ部を精度良く製造することが難しい場合がある。そのため、図2に示す回転子20は、ブリッジ部のない切り欠き203a、203bとすることで製造を簡易化できる。図2に示す回転子20は、図1に示す回転子10と同様の作用、効果を有する。
次に、参考例について説明する。図3は、参考例としての永久磁石型回転電機の回転子30の径方向断面図である。永久磁石型回転電機は、回転子30、固定子31を有する。回転子30は、鉄心301、永久磁石302a、302b、空隙303a、303b、303c、303dを有する。鉄心301、永久磁石302a、302bそれぞれは、第1の実施形態で示す鉄心101、永久磁石102a、102bと同様の構成である。空隙303a、303b、303c、303dは、q軸及びd軸と線対称となる位置に配置されている。固定子31は、第1の実施形態で示す固定子101と同様の構成である。固定子31は、複数の電機子コイル311を有する。
参考例では、d軸は、「回転子30から固定子31に鎖交する総磁石磁束(回転子30から出る磁束)の方向」、q軸は「鉄心31の方向」と定義できる。ここで、電気的には、d軸方向のインダクタンスはq軸方向のインダクタンスに対して小さい。このインダクタンスの差は、鉄心31の磁気抵抗の差によって生じるもので、リラクタンストルクの発生原理に直結する量である。永久磁石型回転電機において、q軸方向のインダクタンスの方が大きい特性は、「電気的突極性」または「逆突極性」などという。この特性に従ってd軸及びq軸の意味を言い換えると、d軸は、「インダクタンスの小さい非突極軸」、q軸は「インダクタンスの大きい突極軸」と言うこともできる。
ここで、図3に示す永久磁石型回転電機の発生トルクTは、式(1)のように表すことができる。
Figure 2012023904
式(1)において、Pは極対数、Φは永久磁石磁束のdq軸換算値、L、Lはd軸及びq軸インダクタンス、Id、はd軸及びq軸電流である。また、式(1)の右辺第1項はマグネットトルクを、第2項はリラクタンストルクを表している。式(1)は、I、Iを制御することによって発生トルクを制御できることを表している。ここでI、Iは、dq軸座標系において、図4に示すように、電流振幅Iと電流位相角βで表すことができる。
電流位相角βは、d軸基準で定義することもあるし、q軸基準で定義することもある。この中の説明では、d軸基準で定義する。式(2)は、式(1)をI及びβで置き換えたものである。
Figure 2012023904
式(2)によれば、Iすなわち電流振幅を一定とした時、電流位相角βに応じて発生トルクTは変化する。この発生トルクTの特性は、永久磁石型回転電機の運転において、少ない電流で最大のトルクを得たい場合、回転に同期するdq軸座標系に対してトルクが最大となる電流位相角が存在することを意味する。このように発生トルクTが最大となる電流位相角に電流を制御する制御法は、「最大トルク/電流制御」と呼ばれている。発生トルクTの最大トルクが得られる電流位相角βは、式(2)をβで偏微分して0と置くことにより、式(3)のように得られる。
Figure 2012023904
図5は、横軸に電流位相角β、縦軸にトルクを示すグラフである。図5は、式(2)に基づいて、リラクタンストルク、マグネットトルク及び両トルクの和である総発生トルクTについてβをパラメータとして示している。式(3)は、図5中の総発生トルクTの最大トルク点となる「最大トルク電流位相角」を与える式である。
総発生トルクTの最大値及び最大トルク電流位相角は、永久磁石型回転電機の回転子30の設計次第で永久磁石磁束やdq軸インダクタンスが変わるため、回転子30のロータ設計に応じて異なる。一方、マグネットトルクとリラクタンストルクがそれぞれ最大となる位相角は、永久磁石型回転電機では一般に以下の共通の特性を持つ。
・マグネットトルクは、総磁石磁束の方向であるd軸に対して位相差=0°、180°でゼロとなり、90°で最大となる。これをβを用いて表すと、マグネットトルクは、β=0°、180°でゼロ、90°で最大となる。
・リラクタンストルクは、電気的突極方向であるq軸に対して位相差=0°、−90°、+90°でゼロとなり、−45°で最小、+45°で最大となる。これをβを用いて表すと、リラクタンストルクは、β=0°、90°、180°でゼロ、45°で最小、135°で最大となる。
総発生トルクTに対するマグネットトルク及びリラクタンストルクの配分は設計事項である。マグネットトルク及びリラクタンストルクそれぞれのピーク値は永久磁石型回転電機によって異なる。一方、総発生トルクTの最大値が得られる最大電流位相角は、マグネットトルクの最大となる90°とリラクタンストルクの最大となる135°の間に存在する。これは、永久磁石型回転電機の設計によらない共通の特性である。
上記の説明した特性は、永久磁石型回転電機が正トルクを出力する場合である。永久磁石型回転電機が負トルクを出力する場合は、総発生トルクTは、βの符号を−に置き換えることで正トルクと同様の特性となる。永久磁石型回転電機では、正トルク及び負トルクを出力するための電流位相角は、d軸に対して対称性を持つ。そのため、永久磁石型回転電機は、同じ電流振幅かつ符号が異なり絶対値の等しい電流位相角の電流を流した場合、同じ絶対値を持つ正負トルクを出力することができる。この特性は、永久磁石型回転電機が回転方向や正負トルクを選ばない用途、すなわち四象限運転を必要とする用途で用いられる場合に重要である。図6は、永久磁石型回転電機における四象限運転のイメージ図である。四象限運転が必要な代表的な永久磁石型回転電機の用途としては、電車駆動用モータである。
このように、最小の電流振幅で最大のトルクが得られる電流位相角の制御は、永久磁石型回転電機の駆動時の主要な損失の一つである銅損を最小化することにつながる。したがって、電流位相角の制御は、駆動効率を向上するために必要不可欠な技術である。例えば、永久磁石型回転電機を駆動用に用いるハイブリッド電気自動車(HEV)及び電気自動車(EV)は、最大トルク/電流制御を適用することにより損失を低減することができ、限られた電力でより長い距離を走行することができる。
永久磁石型回転電機は、一般的なモータと同様に、正回転時に負トルクを出力すれば発電機として機能する。例えば、永久磁石型回転電機を発電機として用いる風力発電用システムは、最大トルク/電流制御を行うことにより、損失の少ない高効率な発電をすることができる。
次に、図1に示す第1の実施形態の作用を図3から図6に示す参考例と比較して説明する。第1の実施形態では、空隙103a、103bが配置された回転子1における電気的突極方向は、q軸よりも遅れ位相の方向となる。また、回転子10から固定子11に鎖交する総磁石磁束の方向(回転子1から出力される永久磁石102a、102bの総磁束の方向)は、d軸に対して進み位相の方向となる。
図7は、第1の実施形態における回転子10において、回転子10から固定子11に鎖交する総磁石磁束の方向d及び電気的突極方向qを示す図である。方向dは、マグネットトルクを決め、方向qは、リラクタンストルクを決める。d軸は、d軸からθだけ進み位相の方向に回転している。q軸は、q軸からθだけ遅れ位相の方向に回転している。このような基準軸の位相の回転は、回転子10の永久磁石102a、102bや空隙103a、103bの配置、回転子鉄心101の形状などの相互作用よって起こる。
軸は、回転子10から固定子11に鎖交する総磁石磁束の方向である。したがって、図5に示すように、マグネットトルクは、d軸に対して90°進み位相の方向に電流を流した時最大となる。また、q軸は、電気的突極方向である。したがって、リラクタンストルクは、q軸に対して45°進み位相の方向に電流を流した時最大となる。
図8は、横軸に電流位相角β、縦軸にトルクを示すグラフである。図8は、第1の実施形態におけるリラクタンストルク、マグネットトルク及び両トルクの和である総発生トルクT、参考例におけるリラクタンストルク、マグネットトルク及び総発生トルクTについてβをパラメータとして示している。リラクタンストルク、マグネットトルクは、基準軸の回転以外のパラメータ(Φ、L、L等)は変化しないとの仮定のもと、マグネットトルク基準軸d軸とリラクタンストルク基準軸q軸がそれぞれθ、θ=10°だけ回転したとした時の特性である。
第1の実施形態によれば、総発生トルクTの正トルクの最大値は、参考例における総発生トルクTの正トルクの最大値と比較して約10%増加している。総発生トルクTは、d軸電流I、q軸電流Iを用いて式(4)のように示すことができる。
Figure 2012023904
図8に示すような第1の実施形態における総発生トルクTが最大となる電流位相角と、マグネットトルク及びリラクタンストルクそれぞれが最大となる電流位相角との位相差は、図5に示すような参考例における位相差よりも小さい。言い換えれば、マグネットトルク及びリラクタンストルクそれぞれの最大となる電流位相角の間隔は、参考例に比べて近い。したがって、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、最大トルク/電流制御で位相角を制御することで、マグネットトルクもリラクタンストルクも利用率を高められる。
より好ましい例としては、マグネットトルク基準軸d軸とリラクタンストルク基準軸q軸がそれぞれθ、θ=22.5°の場合である。この場合、マグネットトルク及びリラクタンストルクそれぞれの最大となる電流位相角の電流位相角は、完全に一致する。したがって、永久磁石型回転電機は、最大トルクを得られる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、同じ永久磁石量を用いる場合であっても、参考例よりも総発生トルクを増加させることができる効果を有する。さらに、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、マグネットトルク及びリラクタンストルクそれぞれの利用率を向上させる効果を有する。
言い換えれば、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、一定の目標トルクを出力する場合、参考例に係る永久磁石型回転電機よりも回転子に埋め込む永久磁石量を減少できる。つまり、第1の実施形態は、永久磁石型回転電機の製造コストを低減できる効果を有する。
第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、永久磁石量の減少に伴って総磁石磁束が減少するため、参考例で高速回転時に総磁石磁束による逆起電圧を打ち消すために行われていた弱め磁束制御を不要とする効果を有する。さらに、永久磁石型回転電機は、弱め磁束制御を必要とする速度範囲が狭くなるという効果も有する。弱め磁束制御は、逆起電圧を打ち消すために負のd軸電流を永久磁石型回転電機に流すが、損失増大の要因となる。そのため、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、弱め磁束制御により発生していた損失を低減し、運転効率を向上できる。
言い換えれば、目標トルクと永久磁石量を参考例と同じ値とした場合、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、トルクを得るための電流値を低減できる。さらに、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、電流低減により銅損を低減できるため、運転効率を向上できる。
なお、図8に示すように、総発生トルクTにおける負トルクのピーク(絶対値最大値)は、参考例の総発生トルクTにおける負トルクのピークと比較して低下(絶対値が減少)している。これは、総発生トルクTにおける正トルクが増加する代わりに、負トルクが低下するという原理的な制約である。例えば、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機を組み込んだ装置が正トルクを常用する場合、負トルクの低下は問題にならない。
正負どちらのトルクも常用するような装置に第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機を組み込んだ場合であっても、次のような場合、正トルクを高める第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は有効となる。例えば、装置が、常用される運転条件で正トルクに高いトルクを必要とする、もしくは正トルクを使う比率が負トルクよりも高いような場合である。このような用途の装置は、例えば、ハイブリッド電気自動車及び電気自動車である。ハイブリッド電気自動車及び電気自動車は、加速時に正トルクを、減速時にブレーキのための負トルクを必要とする。
ハイブリッド電気自動車及び電気自動車は、坂道発進や段差乗り上げ時には大きな正トルクを必要とするが、逆にそれと絶対値の同じ程度の大きい負トルクを必要としない。参考例に係る永久磁石型回転電機をハイブリッド電気自動車及び電気自動車に組み込む場合、参考例に係る永久磁石型回転電機は、大きな正トルクを得るために、永久磁石量を増加もしくは電流容量を増加することによって対応しなければならない。一方、第1の実施形態係る永久磁石型回転電機は、参考例と同じ永久磁石量かつ同じ電流でトルクを増大できる。したがって、第1の実施形態は、永久磁石型回転電機の製造コストの低減、インバータの体積増の低減の効果を有する。
またハイブリッド電気自動車は、永久磁石型回転電機を発電機として設け、エンジン出力によって発電を行ってバッテリーを充電するようにしてもよい。このような発電機として用いる永久磁石型回転電機は、上記と逆に負トルクを増加した設計を適用すればよい。つまり、永久磁石型回転電機は、正トルクは減少するが、常用ではほとんど正トルクを使用しないため、負トルク増加により発電効率を向上できる効果を有する。
他の第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機の用途は、一般産業用装置に用いられるファンやポンプなど流体機械である。特に、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、流体機械のうち、一方向に流体を送ることができればいい装置に有効である。流体機械は、正転力行トルクもしくは逆転力行トルクのどちらか一方のみ増加させればよい。そのため、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機を用いる流体機械は、トルク増加によって運転効率を向上させることができる。
他の第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機の用途は、風力発電等の発電システムである。特に、風力発電機に用いられる発電機は、風力発電所内における風車設置台数が多く、初期の導入コストの低減と発電効率向上の両立が求められている。また、風車は、基本的に正回転方向にのみ回転する設計であり、逆転することはほとんどない。さらに風力発電機は、運転用回転数まで風車を加速するために正トルクを出力する運転もありうるが、常用としては、発電のための負トルクを出力する運転がほとんどである。すなわち、風力発電機は、図6に示す正回転回生運転を常用するため、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機を用いて負トルクを増加するように構成することにより、永久磁石低減による発電機コストの低減、発電電流の低減による発電機効率の向上の効果を有する。
他の第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機の用途は、電車、エレベータ、エアコン用コンプレッサ、洗濯機等の駆動用モータである。第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、以下のような場合、総合的な運転効率を向上させることができる。例えば、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機が、図6に示す正トルクもしくは負トルク側のいずれか片側のみで高いトルクを必要とする用途、片側のみを運転状態として常用する用途、もしくは用いられる頻度が高いような用途において、その片側のトルクが高まるように構成される場合である。
なお、総発生トルクTの負トルクの最大値を参考例における総発生トルクTの負トルクの最大値と比較して増加させる場合、空隙103a、103bは、d軸に対して進み位相の位置であって鉄心101の中心軸で点対称となるように位置に配置すればよい。この場合、d軸は、d軸からθだけ遅れ位相の方向に回転した位置となる。q軸は、q軸からθだけ進み位相の方向に回転した位置となる。
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施形態に係る永久磁石型回転電機の回転子40の径方向断面図である。回転子40は、鉄心401、永久磁石402a、402b、403c、403d、空隙103a,103bを有する。鉄心401は、第1の実施形態における鉄心101と同様の構成である。永久磁石402a、402b、402c、402dは、永久磁石402a、402bを1組、永久磁石402c、402を1組としてV字状に配置されている。永久磁石402a、402bは、鉄心401の中心軸側から外縁側に向かって広がるように配置されている。永久磁石402c、402の組についても同様である。永久磁石402a,402bの組と永久磁石402c、402の組は、鉄心10の中心軸を中心に点対象である。空隙403aは、永久磁石402a、402bの組で囲まれた扇状領域内に配置されている。同様に、空隙403bは、永久磁石402c、402dの組で囲まれた扇状領域内に配置されている。空隙403a、403bは、d軸に対して遅れ位相の位置に配置されている。つまり、空隙103a、103bは、q軸と線対称ではなく、鉄心101の中心軸で点対称となる位置にそれぞれ配置されている。なお、回転子は、図1に示す回転子11と同様の構成なので、図示を省略する。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に。回転子40に埋め込まれた永久磁石402a、402b、402c、402dの配置上の磁束方向をd軸、d軸から回転方向に電気的に90°進んだ方向をq軸と定義している。第2の実施形態によれば、1つの磁極を形成する複数の永久磁石402a、402b、402c、402dをV字状に配置している。第2の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、第1の実施形態に係る永久磁石型回転電機と比較して、永久磁石402a、402b、402c、402dで囲まれた扇状領域がリラクタンストルク増加に寄与するため、リラクタンストルクを高めることができる。
第2の実施形態では、図7に示す第1の実施形態と同様に、空隙403a、403bが配置された回転子40における電気的突極方向は、q軸よりも遅れ位相の方向となる。また、回転子40から固定子に鎖交する総磁石磁束の方向(回転子40から出力される永久磁石402a、402b、402c、402dの総磁束の方向)は、d軸に対して進み位相の方向となる。
第2の実施形態によれば、永久磁石型回転電機は、永久磁石402a、402b、402c、402dのV字状の配置により、リラクタンストルクを増加させることができる。さらに、空隙403a、403bの配置による総鎖交磁束方向と電気的突極方向の位相の移動により、マグネットトルクとリラクタンストルクのピークとなる電流位相は、総発生トルクがピークとなる電流位相に近づく。そのため、第2の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、マグネットトルクとリラクタンストルクの利用率を高め、総発生トルクを増加させる効果を有する。
なお、総発生トルクの正トルクではなく負トルクの最大値を増加させる場合、空隙403a、403bは、d軸に対して進み位相の位置であって鉄心401の中心軸で点対称となるように位置に配置すればよい。この場合、電気的突極方向は、q軸よりも進み位相の方向となり、回転子40から図示しない固定子に鎖交する総磁石磁束の方向は、d軸に対して遅れ位相の方向となる。
図10は、第2の実施形態の変形例を示す図である。図10は、永久磁石型回転電機の回転子50の径方向断面図である。図10に示す回転子50は、図1に示す回転子50に配置された空隙403a、403bの部分に回転子50の外周部の切り欠き503a、503bを設けている。切り欠き503a、503bの位置及び形状は、図9に示す空隙403a、403bと同様に、鉄心201の中心軸で点対称となればよい。鉄心501、永久磁石502a、502b、502c、502dは、鉄心401、永久磁石502a、502b、502c、502dの構成と同様である。なお、回転子は、図1に示す回転子11と同様の構成なので、図示を省略する。
図10に示すように切り欠き503a、503bを回転子50に設ける理由は、以下の通りである。図9に示す回転子40に配置された空隙403a、403bの外周側には、鉄心401のブリッジ部が存在する。鉄心401は、その強度等の要因でこのブリッジ部を精度良く製造することが難しい場合がある。そのため、図10に示す回転子50は、ブリッジ部のない切り欠き403a、403bとすることで製造を簡易化できる。図10に示す回転子50は、図9に示す回転子40と同様の作用、効果を有する。
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機の回転子60の径方向断面図である。回転子60は、鉄心601、永久磁石602a、602b、短絡バー群603a,603bを有する。なお、回転子は、図1に示す回転子11と同様の構成なので、図示を省略する。鉄心601、永久磁石602a、602bは、第1の実施形態における鉄心101、永久磁石102a、102bの構成と同様である。短絡バー群603a、603bは、永久磁石102a、102bの配置上の磁束方向であるd軸に対して遅れ位相の方向に偏った位置にそれぞれ配置されている。短絡バー群603a、603bは、それぞれ複数本の導体棒で構成されている。
短絡バー群603a、603bは、金属の棒で構成されている。短絡バー群603a、603bは、銅やアルミなど導電率の高い、言い換えれば電気抵抗の低い材料で構成されることが望ましい。短絡バー群603a、603bは、金属の棒でなく、電線のような柔軟な素材で構成してもよい。図11では、短絡バー群603a、603bは、それぞれd軸負方向に4本、正方向に4本設けているが、これに限られない。短絡バー群603a、603bは、回転子60全体で複数本であればよく、合わせて最低2本の短絡バーで構成されてもよい。この場合、2本の短絡バーは、直列に接続して短絡環を形成する。
図11に示すような短絡バー群603a、603bそれぞれが多数の短絡バーで構成されている場合、短絡バー群603a、603bそれぞれで短絡環を形成しても良いし、全ての短絡バーを接続して、全体として短絡環を形成しても良い。
第3の実施形態の作用について説明する。永久磁石型回転電機は、短絡バー群603a、603bに鎖交する固定子磁束の変化によって、誘導電流が誘導される、永久磁石型回転電機は、誘導電流による磁束によってトルクを発生させることができる。原理的には誘導電動機と同一の原理である。したがって、第3の実施形態は、短絡バー群603a、603bは、図1に示す第1の実施形態の空隙103a、103bと同様に作用する。
次に、第3の実施形態の効果について説明する。第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、第1の実施形態で説明した効果に加えて以下のような効果を有する。永久磁石型回転電機は基本的には同期電動機である。一般に、永久磁石型回転電機は、回転子と完全に同期して図示しない固定子を励磁する。言い換えると固定子の電流・電圧は、回転子と同期したdq軸座標系で表すことができる。しかし、永久磁石型回転電機は、回転子に同期するための回転角検出センサを必要とするため、駆動システムのコストが増加する。
また、一般に、永久磁石型回転電機は、回転角検出センサを必要としない「センサレス制御」も実用に供されている。永久磁石型回転電機は、この制御方法を用いれば回転角検出センサがなくとも回転子に同期した制御を行うことができる。一般に、センサレス制御は高度な演算を用いるため、永久磁石型回転電機は、高い処理能力を有する制御装置を必要とし、制御装置分のコストが増加する。
センサレス制御の他の例としては、制御方法としては簡単であるが、V/f制御と言う簡易制御方法がある。V/f制御は、回転角情報を用いずに、開ループ制御によって、回転数指令に比例した振幅と回転数指令に対応した周波数をもった電圧を固定子に与え、その電圧によって流れる電流によってトルクを発生させ、永久磁石型回転電機を停止状態から始動させるという制御方法である。V/f制御は、特に低速では始動トルクが低い。
第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、始動時に短絡バー群603a、603bの誘導電流によるトルクを用いることができるため、始動トルクを大きくすることができる効果を有する。さらに、第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、始動後は永久磁石電動機として同期運転した方の効率が高いため同期運転するが、マグネットトルクとリラクタンストルクを高める効果を有する。結果として、第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、同期運転時の効率の向上に伴う高効率運転を可能とする効果を有する。なお、第3の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、同期運転時に総磁石磁束によって発生する逆起電圧を検出することで、比較的演算の簡単なセンサレス制御を行うこともできる。
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施形態に係る永久磁石型回転電機の回転子70の径方向断面図である。回転子70は、鉄心701、永久磁石702a、702b、カシメ棒群703a、703bを有する。なお、回転子は、図1に示す回転子11と同様の構成なので、図示を省略する。鉄心701、永久磁石702a、702bは、第1の実施形態における鉄心101、永久磁石102a、102bの構成と同様である。カシメ棒群703a、703bは、図1に示す空隙103a、104bの位置にそれぞれ配置されている。カシメ棒群703a、703bは、非磁性体や電磁鋼板とは異なる透磁率の金属からなるカシメ棒で構成されている。カシメ棒群703a、703bは、回転子70を構成する積層電磁銅板を固定する。なお、カシメ棒群703a、703bを構成するカシメ棒の数は、図12では3本ずつであるが、これに限られない。
第4の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、マグネットトルクとリラクタンストルクの利用率を向上して総発生トルクを増加するように回転子70を構成すると同時に、カシメ棒群703a、703bの通し穴も兼備することが可能となる。したがって、第4の実施形態に係る永久磁石型回転電機は、トルクや回転子強度が低下することなく、積層電磁鋼板を固定することができる効果を有する。
図13は、第4の実施形態の変形例を示す図である。図13は、永久磁石型回転電機の回転子80の径方向断面図である。回転子80は、鉄心801、永久磁石802a、802b、802c、802d、カシメ棒群803a、803bを有する。なお、回転子は、図1に示す回転子11と同様の構成なので、図示を省略する。鉄心801、永久磁石802a、802b、802c、802dは、第2の実施形態における鉄心401、永久磁石402a、402b、402c、402dの構成と同様である。カシメ棒群803a、803bは、図9に示す空隙403a、403bの部分にカシメ棒群803a、803bをそれぞれ配置している。図13に示す回転子80は、図12に示す回転子70と同様の作用、効果を有する。なお、回転子は、図1に示す回転子11と同様の構成なので、図示を省略する。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
10…回転子、11…固定子、101…鉄心、102a…永久磁石、102b…永久磁石、103a…空隙、103b…空隙、203a…切り欠き、203b…切り欠き、603a…短絡バー群、603b…短絡バー群、703a…カシメ棒群、703b…カシメ棒群。

Claims (7)

  1. 電機子コイルを持つ固定子と、
    永久磁石によるマグネットトルクおよび電気的突極性によるリラクタンストルクを併用可能な構造の回転子と、
    を備えた永久磁石型回転電機において、
    前記永久磁石の配置上の磁石磁束方向をd軸、前記d軸から正回転方向に電気的に90°進み位相の方向をq軸と定義した時、少なくとも、電気的突極方向が前記q軸に対して遅れ位相の方向となるように前記回転子を構成する、もしくは、前記回転子から出力される前記永久磁石の総磁束の方向が前記d軸に対して進み位相の方向となるように前記回転子を構成する、
    ことを特徴とする永久磁石型回転電機。
  2. 電機子コイルを持つ固定子と、
    永久磁石によるマグネットトルクおよび電気的突極性によるリラクタンストルクを併用可能な構造の回転子と、
    を備えた永久磁石型回転電機において、
    前記永久磁石の配置上の磁石磁束方向をd軸、前記d軸から正回転方向に電気的に90°進み位相の方向をq軸と定義した時、少なくとも、電気的突極方向がq軸に対して進み位相の方向となるように前記回転子を構成する、もしくは、前記回転子から出力される前記永久磁石の総磁束の方向がd軸に対して遅れ位相の方向となるように前記回転子を構成する、
    ことを特徴とする永久磁石型回転電機。
  3. 前記回転子は、
    複数の前記永久磁石をV字状に配置することによって永久磁石磁極を構成し、
    前記永久磁石に囲まれた扇状領域内に、前記永久磁石の配置上の磁石磁束方向に対して逆回転方向に偏った位置に空隙もしくは前記回転子外周部の切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機。
  4. 前記回転子に設ける前記空隙内もしくは前記回転子外周の前記切り欠き部に、複数本の導体棒による短絡回路を設けることを特徴とする請求項3記載の永久磁石型回転電機。
  5. 前記回転子に設ける前記空隙内もしくは前記回転子外周の前記切り欠き部に、電磁鋼板よりも透磁率の低い材料による前記電磁鋼板結束用のカシメ棒を設けることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機を、駆動用モータとして用いることを特徴とする流体機械。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機を、発電機として用いることを特徴とする風力発電機。
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