JP2016082734A - ロータ及び永久磁石型モータ - Google Patents

ロータ及び永久磁石型モータ Download PDF

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成文 遠嶋
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武弘 軸丸
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Norihisa Handa
典久 半田
厳 桑田
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厳 桑田
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Abstract

【課題】ロータ及びモータにおいて、高速回転させることができ、かつ、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも利用することが可能とする。【解決手段】二極の永久磁石型モータのロータであって、各々がロータの周面に露出する磁石を有すると共に極性の異なる2つの磁極と、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じさせるリラクタンストルク発生部と、前記磁極をロータの径方向外側から押さえる固定リングとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータ及び永久磁石型モータに関するものである。
従来から、マグネットトルクとリラクタンストルクを利用するモータとして、埋込磁石型同期モータ(IPMモータ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなIPMモータは、マグネットトルクに加えてリラクタンストルクを利用できることから、高トルクを実現することができる。
特開2014−150659号公報
しかしながら、IPMモータは、高速回転させた場合の磁石強度が十分でない。また、鉄心に対して設けられた空隙に磁石を収容することから磁石の強固な固定が難しく、高速回転させた場合の磁石の位置ずれを防止することが難しい。このため、IPMモータは、現在のところ、高速回転(例えば数万rpm)させる用途には不向きである。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、高速回転させることができ、かつ、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも利用することが可能なロータ及びモータを適用することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、二極の永久磁石型モータのロータであって、各々がロータの周面に露出する磁石を有すると共に極性の異なる2つの磁極と、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じさせるリラクタンストルク発生部と、上記磁極をロータの径方向外側から押さえる固定リングとを備える、という手段を採用する。
第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、上記リラクタンストルク発生部は、ロータの軸と直交する断面において、両端が上記ロータの周面に露出すると共にロータの中心を通ってロータの径方向に直線状に延びる形状とされている、という手段を採用する。
第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、上記ロータの軸に沿う方向に複数の領域に分割され、当該領域における上記磁極の位置が、ロータの回転方向に変位されている、という手段を採用する。
第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、上記リラクタンストルク発生部は、磁性材からなる、という手段を採用する。
第5の解決手段として、ロータと、当該ロータを囲うステータとを備える二極の永久磁石型モータであって、上記ロータとして上記第1〜第4いずれかの解決手段におけるロータを備える、という手段を採用する。
本発明によれば、リラクタンストルク発生部によってd軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じているため、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用することができる。また、本発明によれば、磁極がロータの周面に露出する位置に磁石を備えると共に、この磁石が固定リングによって外側から押さえられている。このため、磁石を埋め込む必要がなく、磁石を強固に固定することができるため、高速回転させることができる。したがって、本発明によれば、ロータを高速回転させることができ、かつ、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも利用することができる。
本発明の第1実施形態に係るモータの概略構成図であり、(a)が側面図、(b)が(a)のA−A断面図であり、(c)が(a)のB−B断面図である。 本発明の第1実施形態に係るモータが備えるロータの断面を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るモータの概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るモータが備えるロータの模式図である。 本発明の第3実施形態に係るモータが備えるロータの断面図である。 本発明のモータの変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のモータ1(永久磁石型モータ)の概略構成図であり、(a)が側面図、(b)が(a)のA−A断面図であり、(c)が(a)のB−B断面図である。なお、図1(a)においては、ロータ2を視認し易くするため、ステータ3の断面を示している。
図1に示すように、本実施形態のモータ1は、ロータ2と、ステータ3と、シャフト4とを備えている。ロータ2は、図1(b)に示すように、2つの磁極2aと、リラクタンストルク発生部2bと、固定リング2cとを備えている。このロータ2は、全体として、略円柱状形状とされており、軸Lを中心として回転される。
磁極2aは、軸Lに沿う方向から見て、リラクタンストルク発生部2bを挟むように、2つ設けられている。これらの磁極2aは、磁極2aが設けられる範囲でロータ2の周面全体に露出するように配置される磁石と、この磁石を支える鉄心とから構成されており、軸Lに沿う方向から見た形状が、全体として略半円形状とされている。また、一方の磁極2a(磁極2a1)は、ロータ2の径方向外側にN極が向くように磁石が配置されており、これによってN極として機能する。他方の磁極2a(磁極2a2)は、ロータ2の径方向外側にS極が向くように磁石が配置されており、これによってS極として機能する。このように、本実施形態のモータ1は、極性の異なる磁極2aを2つのみ備えており、これによって二極の永久磁石型モータとされている。
リラクタンストルク発生部2bは、図1(b)に示すように、2つの磁極2aの間に配置されている。このリラクタンストルク発生部2bは、ロータ2の軸と直交する断面において、両端2b1がロータ2の周面に露出すると共に、ロータ2の中心(軸L)を通ってロータ2の径方向に直線状に延びる形状とされている。このようなリラクタンストルク発生部2bの両端2b1の表面は、磁極2aの磁石が設けられた表面と共にロータ2の周面を形成している。
このような本実施形態のモータ1においては、直線状のリラクタンストルク発生部2bがロータ2を左右に分断するように設けられ、このリラクタンストルク発生部2bによって分断された一方の領域が磁極2a1とされ、他方の領域が磁極2a2とされている。
リラクタンストルク発生部2bは、磁性材(例えば、電磁鋼板、ステンレス鋼(SUS403)、フェライト、パーマロイ)により形成されている。このように磁極2a1と磁極2a2との間に介挿されるリラクタンストルク発生部2bを磁性材によって形成することにより、ロータ2Bの内部において磁極2a1と磁極2a2との間で磁束を強く結びつけることができ、磁界強度を高めることができる。
図2は、ロータ2の断面を示す模式図である。この図に示すように、リラクタンストルク発生部2bの延びる方向にq軸(あるいはd軸)を設定し、このq軸と直交する方向にd軸(あるいはq軸)を設定することにより、q軸上には磁極2aが存在せず、d軸上には磁極2aが存在することになる。この結果、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差が生じることになり、リラクタンストルクを利用することが可能となる。すなわち、本実施形態のモータ1においては、リラクタンストルク発生部2bは、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じさせるものであり、これによってリラクタンストルクを発生させる。
図1に戻り、固定リング2cは、磁極2aとリラクタンストルク発生部2bとをロータ2の径方向外側から押さえる。本実施形態のモータ1においては、固定リング2cは、ロータ2を軸Lに沿う方向の幅は、ロータ2を覆いさらにシャフト4の周面の一部に到達するように設定されている。この固定リング2cは、ロータ2が高速回転したときに拡径しない非磁性材によって形成されている。このように固定リング2cを非磁性材によって形成することによって、固定リング2cが磁界に影響を与えることを防止することができる。
図1に戻り、ステータ3は、ロータ2を囲うように設けられており、鉄心と、不図示の多数のコイルとを有している。このステータ3は、不図示の電源から電力が供給されることによって回転磁界を生成する。シャフト4は、ロータ2と同一径でかつロータ2に対して同軸状に固定されており、ロータ2の回転に伴って回転される。
このような構成の本実施形態のモータ1においては、ステータ3に給電されると、ステータ3によって回転磁界が形成され、この回転磁界によってロータ2が同期回転され、さらにロータ2に接続されたシャフト4が回転される。ここで、本実施形態のモータ1においては、リラクタンストルク発生部2bによってd軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じているため、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用することができる。
なお、本実施形態のモータ1においては、Ψを磁石鎖交磁束[Wb]、Iを電流[A]、βを電流位相角[deg]、Lqをq軸インダクタンス、Ldをd軸インダクタンスとすると、マグネットトルクTmは下式(1)によって表され、リラクタンストルクTrは下式(2)によって表され、モータ1としての総トルクTは下式(3)によって表される。なお、下式において、Ψは磁石鎖交磁束[Wb]を示し、Iは電流[A]を示し、βは電流位相角[deg]を示し、Lqはq軸インダクタンスを示し、Ldはd軸インダクタンスを示す。
Figure 2016082734
Figure 2016082734
Figure 2016082734
また、本実施形態のモータ1によれば、磁極2aがロータ2の周面に露出する位置に磁石を備えると共に、この磁石が固定リング2cによって外側から押さえられている。このため、磁石を埋め込む必要がなく、磁石を強固に固定することができるため、ロータ2を高速回転させることができる。
以上のような本実施形態のモータ1によれば、ロータ2を高速回転(例えば、数万rpm)させることができ、かつ、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも利用することができる。
また、本実施形態のモータ1においては、リラクタンストルク発生部2bは、ロータ2の軸と直交する断面において、両端2b1がロータ2の周面に露出すると共に、ロータ2の中心(軸L)を通ってロータ2の径方向に直線状に延びる形状とされている。例えば、リラクタンストルク発生部2bを短くし、軸Lからロータ2の周面までの長さとした場合であっても、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じさせることは可能である。ただし、このような場合には、ロータ2の周方向の重量バランスに偏りが生じ、ロータ2を高速回転させたときに振動が生じる可能性がある。これに対して、リラクタンストルク発生部2bを、ロータ2の軸と直交する断面において、両端2b1がロータ2の周面に露出すると共に、ロータ2の中心(軸L)を通ってロータ2の径方向に直線状に延びる形状とすることにより、軸Lに対して線対称な形状となり、上記重量バランスの偏りを抑制することができる。したがって、本実施形態のモータ1によれば、回転時のロータ2の振動を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同じ部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図3は、本実施形態のモータ1Aの断面図である。この図に示すように、本実施形態のモータ1Aは、補助磁石2dを有するロータ2Aを備えている。補助磁石2dは、授記第1実施形態よりも幅広に設けられたリラクタンストルク発生部2bに埋設されており、N極を磁極2a1側に向け、S極を磁極2a2側に向けて配置されている。
このような構成を採用する本実施形態のモータ1Aによれば、N極として機能する磁極2a1とS極として機能する磁極2a2との間に接続される磁束を補助磁石2dが中継することで、磁界強度を高めることができる。したがって、より総トルクを大きくすることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同じ部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図4は、本実施形態のモータが備えるロータ2Bの模式図である。この図に示すように、ロータ2Bは、軸Lに沿う方向に複数の領域(領域R1、領域R2、領域R3及び領域R4)に分割されている。各領域の軸Lに沿う方向の幅は等しく、軸Lに沿う方向のロータ2Bの中心に対して、一方側(図4における左側)に領域R1及び領域R2が配置され、他方側(図4における右側)に領域R3及び領域R4が配置されている。
図5は、上記各領域におけるロータ2Bの断面図であり、(a)が領域R1の断面図であり、(b)が領域R2の断面図であり、(c)が領域R3の断面図であり、(d)が領域R4の断面図である。これらの図に示すように、領域R2における磁極2aの位置は、領域R1における磁極2aの位置に対してロータ2Bの回転方向に変位されている。例えば、領域R2における磁極2aの位置は、領域R1における磁極2aの位置に対して、ロータ2Bの回転方向に数°程度変位されている。このように、領域R1の磁極2aの位相に対して、領域R2の磁極2aの位相が変化している。
また、領域R3における磁極2aの位置は、領域R4における磁極2aの位置に対してロータ2Bの回転方向に変位されている。例えば、領域R3における磁極2aの位置は、領域R4における磁極2aの位置に対して、ロータ2Bの回転方向に数°程度変位されている。このように領域R4の磁極2aの位相に対して、領域R3の磁極2aの位相が変化している。
さらに領域R1と領域R4とにおいてロータ2Bの回転方向における磁極2aの位置が同一となり、領域R2と領域R3においてロータ2Bの回転方向における磁極2aの位置が同一となるように、各領域における磁極2aの位置が定められている。つまり、軸Lに沿う方向において、ロータ2Bは、中央を境として一方側と他方側とが面対称な形状を有している。
このようなロータ2Bを有する本実施形態のモータによれば、領域R1及び領域R4と、領域R2及び領域R3とにおいて、ステータ3で生成される回転磁界に対する磁極2aの相対的な位置が僅かに異なることになる。このため、領域R1及び領域R4と、領域R2及び領域R3とにおいて、最大トルクを発生するタイミングが僅かにずれることになり、トルクリップルを抑制することが可能となる。これによって、より高速回転に適したモータとなる。なお、領域ごとの磁極2aの位置が大きく変位していると、二極のモータとして機能することができなくなるため、各領域における磁極2aの位置は、本実施形態のモータが二極のモータとして機能する範囲で変位されることになる。
なお、本実施形態においては、4つの領域に分割されたロータ2Bを用いているが、分割する領域の数は任意に変更可能である。例えば、ロータを5つや6つの領域に分割し、各領域における磁極2aの位置を僅かに変化させるようにしても良い。ただし、よりトルクリップルを抑制するためには、軸Lに沿う方向において中央を境として一方側と他方側とが同一数に分割され、さらに磁極2aの位置が上記境を中心として面対称となっていることが望ましい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態においては、リラクタンストルク発生部2bが直線状でかつ各実施形態のロータ(ロータ2、ロータ2A及びロータ2B)を2つに分割する形状であるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、湾曲した形状や屈曲した形状のリラクタンストルク発生部とすることも可能である。また、二股以上に分岐された形状のリラクタンストルク発生部とすることも可能である。
(2)上記実施形態においては、本発明を高速回転させるモータに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。定速回転させるモータに本発明を適用することも可能である。
(3)上記実施形態においては、本発明のロータをモータに適用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明のロータは永久磁石発電機に使用することも可能である。このような場合には、特に高速回転に適した発電機となる。
(4)上記実施形態においては、リラクタンス2bの磁極2aと接する表面を平面としたが、これに限定されない。例えば、図6(a)に示すように、軸Lに沿う方向から見て、リラクタンス2bの磁極2aと接する表面の一部を曲面状に突出させる構成や、図6(b)に示すように、軸Lに沿う方向から見て、リラクタンス2bの磁極2aと接する表面の一部を山型に突出させる構成を採用することも可能である。
1 モータ、1A モータ、2 ロータ、2a 磁極、2A ロータ、2B ロータ、2a1 磁極、2a2 磁極、2b リラクタンストルク発生部、2b1 両端、2c 固定リング、2d 補助磁石、3 ステータ、4 シャフト、L 軸、R1 領域、R2 領域、R3 領域、R4 領域

Claims (5)

  1. 二極の永久磁石型モータのロータであって、
    各々がロータの周面に露出する磁石を有すると共に極性の異なる2つの磁極と、
    d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとに差を生じさせるリラクタンストルク発生部と、
    前記磁極をロータの径方向外側から押さえる固定リングと
    を備えることを特徴とするロータ。
  2. 前記リラクタンストルク発生部は、
    ロータの軸と直交する断面において、両端が前記ロータの周面に露出すると共にロータの中心を通ってロータの径方向に直線状に延びる形状とされていることを特徴とする請求項1記載のロータ。
  3. 前記ロータの軸に沿う方向に複数の領域に分割され、当該領域における前記磁極の位置が、ロータの回転方向に変位されていることを特徴とする請求項1または2記載のロータ。
  4. 前記リラクタンストルク発生部は、磁性材からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のロータ。
  5. ロータと、当該ロータを囲うステータとを備える二極の永久磁石型モータであって、
    前記ロータとして請求項1〜4いずれか一項に記載のロータを備えることを特徴とする永久磁石型モータ。
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