JP2015036346A - 複合耐火断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に高温域での熱伝導率の温度依存性が小さい、断熱材として好適な材料である多孔質セラミックスの特性を発揮することができ、かつ、高強度で耐熱性にも優れた複合耐火断熱材を提供する。
【解決手段】多孔質セラミックスからなる断熱材と、前記多孔質セラミックスよりも圧縮強度が大きい耐火材とからなり、前記多孔質セラミックスとして、気孔率が65〜90vol%であり、化学式XAl24(XはZn、Fe、Mg、Ni及びMnのうちのいずれか)で表されるスピネル質であり、孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の25vol%以下であり、孔径0.45μm以下の微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積のうちの5〜40vol%を占め、孔径0.14〜10μmの範囲内に気孔径分布ピークを少なくとも1つ有し、算出平均粒径が0.04〜1μmであるセラミックス粒子からなるものを用いて、複合耐火断熱材を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐火材と断熱特性に優れた多孔質セラミックスからなる断熱材とを一体化させた複合耐火断熱材に関する。
多孔質セラミックスは、緻密なセラミックスに比べて嵩密度及び熱伝導率が低いことから、断熱材として広く用いられている。
例えば、特許文献1には、超微細ヒュームド酸化物を主原料とし、その他にセラミック超微粉又はセラミックファイバーのいずれか少なくとも一種を含む原料を圧縮成形してなる断熱材であって、細孔径分布のグラフ上において、細孔径の大きさが0.01〜0.1μmの範囲及び10〜1000μmの範囲にはそれぞれ山形のピークが存在するが、細孔径の大きさが0.1〜10μmの範囲内には山形のピークがない細孔分布を示す粒子構造を有する高性能断熱材が開示されている。
しかしながら、特許文献1の断熱材は、超微細ヒュームド酸化物を主原料としているため、1000℃未満の温度では相応の断熱材として使用できるものの、1000℃以上、特に1300℃以上の高温域では粒成長が生じ、細孔の減少による気孔率の低下や細孔径分布の変化により熱伝導率が上昇するため、当該温度領域での断熱性は決して十分と言えるものではなかった。また、高温域で生じる細孔の減少は、断熱材の変形や収縮を招来するため、当該温度領域において断熱材としての使用が困難となるおそれがある。
これに対して、本願出願人は、1000℃以上、特に1300℃以上の高温域で熱伝導率の温度依存性が小さい多孔質セラミックスを提案した(特願2012−43847)。
特開2011−1204号公報
しかしながら、前記多孔質セラミックスは、断熱性に優れた材料ではあるものの、強度に劣り、大型の構造体を設計することが困難であるという課題を有していた。このため、各種補強材料を用いることも試みたが、ほとんどの場合、前記多孔質セラミックスの優れた断熱性が損なわれる結果となった。
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたものであり、特に高温域での熱伝導率の温度依存性が小さい、断熱材として好適な材料である多孔質セラミックスの特性を発揮することができ、かつ、高強度で耐熱性にも優れた複合耐火断熱材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る複合耐火断熱材は、多孔質セラミックスからなる断熱材と、前記多孔質セラミックスよりも圧縮強度が大きい耐火材とからなり、前記多孔質セラミックスは、気孔率が65vol%以上90vol%以下であり、化学式XAl24で表されるスピネル質で、前記化学式中のXがZn、Fe、Mg、Ni及びMnのうちのいずれかであり、孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の25vol%以下であり、孔径0.45μm以下の微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積のうちの5vol%以上40vol%以下を占め、孔径0.14μm以上10μm以下の範囲内に気孔径分布ピークを少なくとも1つ有し、算出平均粒径が0.04μm以上1μm以下であるセラミックス粒子からなることを特徴とする。
上記のような多孔質セラミックスは、断熱性に優れており、より強度の高い耐火材と一体化させることにより、断熱性を損なうことなく、高強度で耐熱性に優れた複合耐火断熱材を得ることができる。
前記複合耐火断熱材は、前記断熱材が全体積の90vol%以上を占めることが好ましい。前記断熱材の割合が上記範囲であれば、特に優れた断熱性を保持することができる。
前記耐火材は、気孔率が20vol%以下の緻密体であることが好ましい。高強度及び優れた耐熱性を得る観点から、前記耐火材は気孔率が低い緻密体であることが好ましい。
また、前記耐火材は、前記断熱材と同じ材質であることが好ましい。前記耐火材と前記断熱材とが同じ材質であれば、複合材として両者を一体化させやすい。
一方、前記断熱材を構成する多孔質セラミックスは、孔径0.14μm以上0.45μm未満の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有し、かつ、孔径0.45μm以上10μm以下の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有していることが好ましい。
また、孔径10μm超1000μm以下の範囲内に、さらに少なくとも1つの気孔径分布ピークを有していることが好ましい。このような特定の気孔径分布を示す多孔質セラミックスであれば、断熱性により優れた複合耐火断熱材を構成することができる。
本発明によれば、1000℃以上、特に1300℃以上の高温域での熱伝導率の温度依存性が小さく、断熱性に優れた所定の多孔質セラミックスの特性を損なうことなく、高強度かつ耐熱性に優れた複合耐火断熱材を提供することができる。
断熱材を構成する多孔質セラミックスの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真画像の一例である。 図1のSEM写真画像の粒子の外縁をマーキングした写真である。
以下、本発明を、より詳細に説明する。
本発明に係る複合耐火断熱材は、多孔質セラミックスからなる断熱材と、前記多孔質セラミックスよりも圧縮強度が大きい耐火材とからなるものである。
前記多孔質セラミックスは、気孔率が65vol%以上90vol%以下であり、化学式XAl24で表されるスピネル質で、前記化学式中のXがZn、Fe、Mg、Ni及びMnのうちのいずれかであり、孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の25vol%以下であり、孔径0.45μm以下の微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積のうちの5vol%以上40vol%以下を占め、孔径0.14μm以上10μm以下の範囲内に気孔径分布ピークを少なくとも1つ有し、算出平均粒径が0.04μm以上1μm以下であるセラミックス粒子からなるものである。この多孔質セラミックスは、本願出願人が特願2012−43847において提案した断熱性に優れた多孔質セラミックスである。
したがって、このような多孔質セラミックスと、より強度の高い耐火材と一体化させることにより、該多孔質セラミックスの優れた断熱性を損なうことなく、高強度で耐熱性に優れた複合耐火断熱材を構成することができる。
前記断熱材を構成する多孔質セラミックスは、気孔率が65vol%以上90vol%以下である。
前記気孔率が65vol%未満では、多孔質セラミックス中における基材部の占める割合が高いため、固体伝熱が増加し、低い熱伝導率を得るには不十分である。気孔率が高いほど、固体伝熱の影響が小さくなり、熱伝導率を低くすることができるが、前記気孔率が90vol%を超えると、多孔質セラミックス中における基材部の占める割合が相対的に低下し、脆弱となり、断熱材としての使用に耐えられなくなる。
なお、前記気孔率は、JIS R 2614「耐火断熱れんがの比重及び真気孔率の測定方法」にて算出されるものである。
前記多孔質セラミックスは、化学式XAl24で表される化学組成からなるスピネル質であり、XはMg、Mn、Fe、Ni及びZnのうちのいずれかである。すなわち、MgAl24、MnAl24、FeAl24、NiAl24及びZnAl24のうちのいずれかである。これらは、スピネル型結晶構造を損なわない限り、1種又は複数種が混在するものであってもよい。上記化学組成の中でも、特に、MgAl24、すなわち、マグネシアスピネルが、高温での強度に優れていることから好ましい。
このようなスピネル質の多孔質セラミックスは、耐熱性が高く、高温での強度に優れているため、粒成長や粒界の結合によって生じる気孔の形状や大きさの変動の影響を低減させることができ、熱伝導率の温度依存性の抑制効果を長期間維持することができる。
したがって、1000℃以上、特に1300℃以上の高温域での構造安定性が高く、等方的な結晶構造を有するため、高温に曝された場合でも、特異な収縮を示さないため、高温用の断熱材として適している。
なお、前記化学組成及びスピネル質の構造は、例えば、粉末X線回折法により測定及び同定することができる。
前記多孔質セラミックスの気孔は、孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の25vol%以下であり、孔径0.45μm以下の微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積のうちの5vol%以上40vol%以下を占めている。
孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の25vol%を超えると、赤外線の散乱効果が低い粗大気孔が増加することによって輻射の影響が大きくなり、断熱効果が不十分となり、また、強度が著しく低下する。
また、孔径0.45μm以下の微小気孔を有することで、単位体積あたりの気孔数を多くすることができ、このような微小気孔数が多くなることにより、赤外線の散乱効果を高めることができる。これは、特に、高温時の熱伝導率に大きな影響を与える輻射伝熱の抑制に有効であり、熱伝導率の温度依存性を小さくすることができる。
前記微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積に占める割合が5vol%未満であると、単位体積あたりの気孔数が少なく、赤外線散乱効果が十分に得られない。一方、前記微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積に占める割合が40vol%を超えると、該多孔質セラミックスの気孔率を65vol%以上にすることが困難となり、熱伝導率を低下させる効果が得られない。
なお、孔径1000μm以下の気孔容積は、JIS R 1655「ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法」により測定されるものである。また、孔径が1000μmより大きい気孔の割合は、上述した「耐火断熱れんがの比重及び真気孔率の測定方法」にて算出した気孔率から、「ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法」にて測定を行った孔径1000μm以下の気孔率を差し引いた値として求められるものである。
また、前記多孔質セラミックスは、孔径0.14μm以上10μm以下の範囲内に気孔径分布ピークを少なくとも1つ有している。
このような気孔径分布を有していることにより、赤外線の散乱による輻射伝熱抑制効果がより高まり、熱伝導率の温度依存性を小さくすることができる。
上記孔径範囲内の気孔径分布ピークは、1つであってもよく、あるいは、2つ以上あってもよい。
前記多孔質セラミックスは、好ましくは、孔径0.14μm以上0.45μm未満の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有し、かつ、孔径0.45μm以上10μm以下の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有している。
これにより、孔径0.45μm以下の微小気孔を含みつつ、かつ、気孔率を容易に増加させることができる。
さらに、孔径10μm超1000μm以下の範囲内にも、気孔径分布ピークを有していることが、より好ましい。
このような気孔径分布を有していることにより、強度を維持しつつ、該多孔質セラミックス全体の気孔率がより高くなるため、より軽量で、固体伝熱の寄与が小さい低熱伝導率の断熱材が得られる。
上記のような特定の気孔径分布ピークを有する多孔質セラミックスを用いることにより、断熱性により優れた複合耐火断熱材を構成することができる。
また、前記多孔質セラミックスは、算出平均粒径が0.04μm以上1μm以下であるセラミックス粒子からなる。
このような粒子で構成することにより、単位体積当たりの粒界数を多くし、フォノンの粒界散乱効果を高めることができ、熱伝導率を低くすることができる。
前記算出平均粒径が0.04μm未満では、高温での使用時に粒成長が起こり、気孔が塞がれて、微小気孔が減少する傾向にあり、輻射伝熱を抑制する効果が不十分となる。一方、前記算出平均粒径が1μmを超えると、粒界の結合が強化され、固体伝熱の影響が大きくなり、熱伝導率が高くなる。
ここで、前記算出平均粒径は、次のようにして求めたものである。まず、多孔質セラミックスの任意の断面で顕微鏡画像撮影を行い、この断面画像内から、長径と短径の計測が可能である粒子を100個無作為抽出する。そして、画像の濃淡からこれらの粒子の外縁をマーキングして、長径と短径を画像にて計測する。1個の粒子についての長径と短径の平均値を該粒子の粒径とみなし、粒子100個の平均値を求め、これを算術平均直径とする。
なお、前記顕微鏡画像撮影の方法は、特に限定されないが、解析の容易さを考慮すると、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いることが好ましい。
図1に、SEM写真画像の一例を示し、図2に、図1のSEM写真画像の粒子の外縁を上述した手法によりマーキングしたものを示す。
本発明に係る複合耐火断熱材は、優れた断熱性を保持する観点から、上記のような多孔質セラミックスからなる断熱材が全体積の90vol%以上を占めていることが好ましい。
ただし、前記断熱材の体積割合は、該断熱体と一体化する耐火材によって複合体化断熱材として使用可能な程度に補強される範囲内とする。
前記耐火材は、一般的な耐火れんがや不定形耐火物、耐火モルタル等を用いることができ、その形態は特に限定されないが、前記断熱材と同じ材質であることが好ましい。
前記耐火材と前記断熱材とが同じ材質であれば、複合材として両者を一体化させる際、剥離や分離等を生じにくく、材料の取扱い便宜上も好ましい。
前記耐火材は、気孔率が20vol%以下の緻密体であることが好ましい。
前記耐火材は、前記多孔質セラミックスからなる断熱材を補強し、また、耐熱性を向上させる役割を担うことから、緻密体であることが好ましい。
前記気孔率が20vol%未満では、前記断熱材に対して、上記のような補強及び耐熱性向上効果を十分に得られないおそれがある。
また、前記耐火材は、前記断熱材に比べて熱伝導率が高いため、伝熱方向を遮断する位置に組み込むようにして、前記断熱材と一体化させることが好ましい。前記断熱材と前記耐火材との複合形態は、特に限定されるものではなく、様々な形態とすることができる。
以下に、具体的な複合形態を例示する。
例えば、複合耐火断熱材をブロック状に形成する場合、前記断熱材を内側に配置するような態様としては、前記耐火材で所定サイズの型枠を形成し、その中に、前記断熱材の複数の小片ブロックを密に詰めるようにして一体化させることができる。また、前記断熱材の表面を前記耐火材の皮膜で被覆するような構成とすることができる。
あるいはまた、前記耐火材材料に小さい塊状又は粒子状の前記断熱材を分散させて焼成し、前記耐火材の内部に前記断熱材が分散した状態のブロック状の複合耐火断熱材を形成してもよい。
また、前記耐火材を内側に配置するような態様としては、前記断熱材材料に複数の柱状の前記耐火材を均等に配置して焼成し、前記断熱材の内部に前記耐火材が芯材として組み込まれた状態で形成することができる。
さらにまた、前記耐火材材料を接着剤として前記断熱材の複数の小片ブロックを接合して焼成し、前記耐火材を前記断熱材の間の目地として介在させてもよい。
複合耐火断熱材を上記のような態様で形成することにより、前記断熱材による伝熱の遮断効果と前記耐火材による強度向上及び優れた耐熱性を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
水硬性アルミナ粉末(BK−112;住友化学株式会社製)11molに対して、酸化マグネシウム粉末(MGO11PB;株式会社高純度化学研究所製)9molの割合で混合し、純水を加えてスラリーを調製した。これに、造孔材として直径10μmのアクリル樹脂をスラリーに対して50vol%加えて混合し、水硬にて所定形状に成形し、大気中、1500℃で3時間焼成し、多孔質セラミックスを得た。
そして、前記多孔質セラミックスを50mm×70mm×20mmのブロック状に加工した2つの断熱材を用意した。
一方、前記多孔質セラミックスを粉砕し、粒子径3mm以上が5重量%未満、0.2mm以上3mm未満が80重量%以上、0.2mm未満が15重量%未満である細骨材を作製した。
そして、前記細骨材75重量%、水硬性アルミナ粉末(BK−112;住友化学株式会社製)20重量%、酸化マグネシウム粉末(MGO11PB;株式会社高純度化学研究所製)5重量%を配合し、前記水硬性アルミナ粉末に対して200重量%の純水を加えて、耐火モルタルを調製した。
上記において用意した2つの断熱材のブロックの50mm×20mmの面に、厚さ3mmで前記耐火モルタルを塗布して貼り合わせ、1000℃で3時間焼成し、モルタルを硬化させ、耐火材を断熱材の間の目地として介在させた態様の複合耐火断熱材を作製した。
なお、上記において得られた多孔質セラミックスについて、X線回折(X線源:CuKα、電圧:40kV、電流:0.3A、走査速度:0.06°/s)にて結晶相を同定したところ、マグネシアスピネル相が観察された。
また、気孔率は78%であり、孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の1vol%未満であり、孔径0.45μm以下の微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積のうちの17vol%を占め、また、気孔径分布におけるピーク位置が孔径0.20μmと孔径3.80μmであった。セラミックス粒子の算出平均粒径は0.21μmであった。
[実施例2]
水硬性アルミナ粉末(BK−112;住友化学株式会社製)11molに対して、酸化マグネシウム粉末(MGO11PB;株式会社高純度化学研究所製)9molの割合で混合し、純水を加えてスラリーを調製した。これに、造孔材として直径10μmのアクリル樹脂をスラリーに対して50vol%加えて混合し、水硬にて20mm×20mm×10mmに成形し、大気中、600℃で3時間焼成し、多孔質セラミックス前駆体を得た。
この前駆体に、真空チャンバ内で10Pa以下の減圧下、Y23を溶射し、1550℃で焼成して、Y23緻密膜からなる耐火材で断熱材表面を被覆した態様の複合耐火断熱材を作製した。
上記実施例で作製した各複合耐火断熱材について、熱伝導率、圧縮強度及び耐熱性について評価を行った。
熱伝導率は、JIS R 2252−1「耐火物の熱伝導率の試験方法−第1部:熱線法(直交法)」に準じて、熱線に白金ロジウム合金線(87%Pt、13%Rh)を用い、R熱電対を使用して、1500℃まで測定した。
また、圧縮強度は、JIS R 2615「耐火断熱れんがの圧縮強さ試験方法」により評価した。
上記評価の結果、実施例の複合耐火断熱材はいずれも、1300℃以上においても、熱伝導率が0.3W/(m・K)以下であり、前記断熱材のみの場合よりも高強度であることが認められた。
なお、上記実施例は、断熱材が、MgAl24からなるスピネル質セラミックスの場合であるが、上述したとおり、本発明では、ZnAl24、FeAl24、NiAl24、MnAl24のいずれかのスピネル質セラミックスでも、同様の効果が得られる。これらは、順に、ZnO+Al23、Fe23+Al23、NiO+Al23、MnO+Al23の組み合わせによる多孔質セラミックス原料を用いること以外は、上述したMgAl24とほぼ同様にして製造することができる。

Claims (6)

  1. 多孔質セラミックスからなる断熱材と、前記多孔質セラミックスよりも圧縮強度が大きい耐火材とからなり、
    前記多孔質セラミックスは、気孔率が65vol%以上90vol%以下であり、化学式XAl24で表されるスピネル質で、前記化学式中のXがZn、Fe、Mg、Ni及びMnのうちのいずれかであり、孔径が1000μmより大きい粗大気孔が全気孔容積の25vol%以下であり、孔径0.45μm以下の微小気孔が孔径1000μm以下の気孔の容積のうちの5vol%以上40vol%以下を占め、孔径0.14μm以上10μm以下の範囲内に気孔径分布ピークを少なくとも1つ有し、算出平均粒径が0.04μm以上1μm以下であるセラミックス粒子からなることを特徴とする複合耐火断熱材。
  2. 前記断熱材が全体積の90vol%以上を占めることを特徴とする請求項1記載の複合耐火断熱材。
  3. 前記耐火材は、気孔率が20vol%以下の緻密体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合耐火断熱材。
  4. 前記耐火材が、前記断熱材と同じ材質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合耐火断熱材。
  5. 前記断熱材を構成する多孔質セラミックスは、孔径0.14μm以上0.45μm未満の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有し、かつ、孔径0.45μm以上10μm以下の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合耐火断熱材。
  6. 前記断熱材を構成する多孔質セラミックスは、孔径10μm超1000μm以下の範囲内に、さらに少なくとも1つの気孔径分布ピークを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合耐火断熱材。
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