JP2015035566A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

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宣樹 宮腰
Nobuki Miyakoshi
宣樹 宮腰
正紀 福井
Masanori Fukui
正紀 福井
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Abstract

【課題】拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きをなだらかにしてソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置を製造可能な、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】n型の低抵抗半導体層112及びn型のドリフト層を備える半導体基体110を準備する第1工程と、ドリフト層122の表面に絶縁ゲート構造118を形成する第2工程とを含む半導体装置の製造方法であって、第1工程においては、ヒ素(As)又はアンチモン(Sb)を含有する低抵抗半導体層112に、リン(P)を含有するn型のバッファ層114及びリン(P)を含有するn型のドリフト層116を順次エピタキシャル成長させて製造した半導体基体110を準備する半導体装置の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
従来、パワーMOSFETからなる半導体装置の製造方法が知られている。(例えば特許文献1及び2参照。)。図14は従来の半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。図14(a)〜図14(c)は各工程図である。
従来の半導体装置の製造方法は、図14に示すように、n型の低抵抗半導体基板からなる低抵抗半導体層812及びn型のドリフト層816を備える半導体基体810を準備する第1工程(図14(a)参照)と、ドリフト層816の表面に絶縁ゲート構造818を形成する第2工程(図14(b)参照)と、半導体基体810の第1主面側にソース電極層830を形成するとともに、半導体基体810の第2主面側にドレイン電極層832を形成する第3工程(図14(c)参照。)を含む。絶縁ゲート構造818には、ドリフト層816の表面に形成されたp型のベース領域820と、ベース領域820の表面に形成されたn型のソース領域822と、半導体基体810の第1主面側表面における所定領域にゲート絶縁層824を介して形成されたゲート電極層826と、ゲート電極層826を覆うように形成された保護絶縁層828とが含まれる。なお、本明細書においては、ソース電極層を形成する側の面を第1主面といい、ドレイン電極層を形成する側の面を第2主面ということにする。
そして、従来の半導体装置の製造方法においては、通常、第1工程において準備する半導体基体810として、ヒ素(As)又はアンチモン(Sb)を含有するn型の低抵抗半導体基板からなる低抵抗半導体層812に、リン(P)を含有するn型のドリフト層816をエピタキシャル成長させて製造した半導体基体を用いる。従来の半導体装置の製造方法によれば、パワーMOSFETからなる半導体装置800を製造することができる。
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800においては、ハードリカバリである(破壊耐量が低い)という問題がある。図15は、従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800の問題点を説明するために示す図である。図15(a)は従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800におけるスイッチオフ時の応答波形を示す図であり、図15(b)は従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。
従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800は、図15(a)に示すように、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きが急峻すぎることから、大きなサージ電圧が発生してハードリカバリである(破壊耐量が低い)という問題がある。これは、従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800においては、製造工程中のオートドーピングにより、低抵抗半導体層812中のヒ素(As)又はアンチモン(Sb)がドリフト層816中に拡散するものの、その拡散距離t0が短く(図15(b)参照。)、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が速すぎるからである。なお、本明細書において、スイッチオフ時の「dir/dt」とは、スイッチオフ時に一旦電流が正から負の最大値に達した後、負の最大値から0に近づくときの傾きのことをいう(図15(a)の符号「dir/dt」をご参照。)。
そこで、半導体基体におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出を穏やかにして当該半導体装置をソフトリカバリなものにするため、第1工程において準備する半導体基体として、上記した半導体基体810とは別の半導体基体、すなわち、リン(P)を含有するn−型の高抵抗半導体基板(ドリフト層)に高濃度のリン(P)を拡散してn型の低抵抗半導体層を形成して製造した拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることが考えられる。そのような拡散ウェーハからなる半導体基体を用いる半導体装置の製造方法を従来第2の半導体装置の製造方法ということとする。
図16は、そのような従来第2の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置900(図示せず)の効果を説明するために示す図である。図16(a)は従来第2の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置900におけるスイッチオフ時の応答波形を示す図であり、図16(b)は従来第2の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置900における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。従来第2の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置900によれば、深さ方向に沿った不純物濃度分布が、従来の半導体装置の製造方法によって製造した半導体装置800の場合よりも、ドリフト層底部でなだらかになることから(図16(b)参照。)、ドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、「dv/dt」もなだらかになることから、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる。
特開平5−129610号公報 国際公開第WO2008/069309号
しかしながら、従来第2の半導体装置の製造方法においては、拡散ウェーハを製造するために長時間拡散プロセスを行う必要があり、製造日数が長くなるという問題がある。また、長時間拡散プロセスを避けようとすると薄いウェーハを用いる必要があり、その場合にはウェーハが割れやすく大口径の拡散ウェーハを用いることが困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きをなだらかにしてソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置を製造可能な、半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、ソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置でありながら、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく製造可能な半導体装置を提供することを目的とする。
[1]本発明の半導体装置の製造方法は、n型不純物を第1濃度で含有する低抵抗半導体層及びn型不純物を第1濃度よりも低い第2濃度で含有するドリフト層を備える半導体基体を準備する第1工程と、前記ドリフト層の表面に絶縁ゲート構造を形成する第2工程とを含む半導体装置の製造方法であって、前記第1工程においては、ヒ素(As)又はアンチモン(Sb)を含有する低抵抗半導体層に、リン(P)を前記第1濃度よりも低くかつ前記第2濃度よりも高い第3濃度で含有するバッファ層及びリン(P)を前記第2濃度で含有するドリフト層を順次エピタキシャル成長させて製造した半導体基体を準備することを特徴とする。
[2]本発明の半導体装置の製造方法において、前記第1工程においては、前記第1濃度が1×1018〜1×1020cm−3の範囲内にあり、前記第2濃度が1×1014〜1×1016cm−3の範囲内にあり、前記第3濃度が1×1016〜1×1018cm−3の範囲内にあり、前記バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内にある半導体基体を準備することが好ましい。
[3]本発明の半導体装置の製造方法においては、オートドーピングにより、n型不純物の濃度が前記第1濃度から前記第1濃度よりも低く前記第2濃度よりも高い第4濃度まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層と、n型不純物の濃度が前記第4濃度から前記第2濃度まで前記第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層とが、前記低抵抗半導体層と前記ドリフト層との間に形成される条件で前記第2工程を実施することが好ましい。
[4]本発明の半導体装置の製造方法においては、オートドーピングにより、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層とが連続して形成される条件で前記第2工程を実施することが好ましい。
[5]本発明の半導体装置の製造方法においては、オートドーピングにより、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に、n型不純物を前記第4濃度で含有する第3バッファ層が形成される条件で前記第2工程を実施することが好ましい。
[6]本発明の半導体装置の製造方法においては、オートドーピングにより、前記第1バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内となり、前記第2バッファ層の厚さが5μm〜20μmの範囲内となる条件で前記第2工程を実施することが好ましい。
[7]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記半導体装置がMOSFETであることが好ましい。
[8]本発明の半導体装置は、n型不純物を第1濃度で含有する低抵抗半導体層及びn型不純物を第1濃度よりも低い第2濃度で含有するドリフト層を備える半導体基体と、前記ドリフト層の表面に形成された絶縁ゲート構造とを備える半導体装置であって、前記低抵抗半導体層と前記ドリフト層との間には、n型不純物の濃度が前記第1濃度から前記第1濃度よりも低く前記第2濃度よりも高い第4濃度まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層と、n型不純物の濃度が前記第4濃度から前記第2濃度まで前記第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層とが形成されていることを特徴とする。
[9]本発明の半導体装置においては、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層とが連続して形成されていることが好ましい。
[10]本発明の半導体装置においては、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に、n型不純物を前記第4濃度で含有する第3バッファ層が形成されていることが好ましい。
[11]本発明の半導体装置においては、前記第1濃度が1×1018〜1×1020cm−3の範囲内にあり、前記第2濃度が1×1014〜1×1016cm−3の範囲内にあり、前記第4濃度が1×1016〜1×1018cm−3の範囲内にあり、前記第1バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内にあり、前記第2バッファ層の厚さが5μm〜20μmの範囲内にあることが好ましい。
[12]本発明の半導体装置は、MOSFETであることが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、製造工程中のオートドーピングにより、低抵抗半導体層112中のヒ素(As)又はアンチモン(Sb)がバッファ層114中に拡散するとともに、バッファ層114中のリン(P)がドリフト層116中に拡散することとなる。そして、「第2バッファ層114bにおける第2の傾きを形成するリン(P)の拡散係数」が「第1バッファ層114aにおける第1の傾きを形成するヒ素(As)やアンチモン(Sb)の拡散係数」よりも大きいことから、n型不純物の濃度が第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層114a及びn型不純物の濃度が第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層114bが形成される結果、従来の半導体装置の製造方法においてよりもn型不純物の拡散距離が全体として長くなり(後述する図3(b)参照。)、従来第2の半導体装置の製造方法の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる(後述する図12参照。)。また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いる必要もない。
その結果、本発明の半導体装置の製造方法によれば、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きをなだらかにしてソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置を製造可能な、半導体装置の製造方法となる。
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、後述する図13からも分かるように、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置を製造することが可能となる。この理由は、以下のよう考えることができる。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法によれば、後述する図2(b)及び図3(b)に示すように、オートドーピングによりバッファ層114からリン(P)がドリフト層116側に拡散して第2バッファ層114bが形成される。このとき、第2バッファ層114bはドリフト層116よりも不純物濃度が高くなることから、オン抵抗が低くなる。その一方において、逆バイアス時には、空乏層が第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとの境界付近まで伸びることから、耐圧はそれほど低くならないと考えられるからである。
本発明の半導体装置によれば、ソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置でありながら、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく製造可能な半導体装置となる。
また、本発明の半導体装置によれば、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置となる。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係る半導体装置の製造方法に用いる半導体基体110を説明するために示す図である。 実施形態1に係る半導体装置の製造方法により製造した半導体装置100を説明するために示す図である。 実施形態2に係る半導体装置の製造方法により製造した半導体装置101(図示せず)における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。 実施形態3に係る半導体装置の製造方法により製造した半導体装置102(図示せず)における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。 実施形態4に係る半導体装置103の断面図である。 実施形態5に係る半導体装置104の断面図である。 実施形態6に係る半導体装置105の断面図である。 実施形態7に係る半導体装置106の断面図である。 実施形態6に用いる半導体基体105の断面図である。 実施形態8に係る半導体装置200の断面図である。 試験例1におけるスイッチオフ時の応答波形を示す図である。 試験例2における耐圧VDSSとオン抵抗Ronとのトレードオフ特性を示す図である。 従来の半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。 従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800の問題点を説明するために示す図である。 従来第2の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置900(図示せず)の効果を説明するために示す図である。
以下、本発明の半導体装置の製造方法及び半導体装置について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
1.実施形態1に係る半導体装置の製造方法
図1は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。図1(a)〜図1(c)は各工程図である。図2は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法に用いる半導体基体110を説明するために示す図である。図2(a)は半導体基体110の断面図であり、図2(b)は半導体基体110における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。図3は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法により製造した半導体装置100を説明するために示す図である。図3(a)は半導体装置100の断面図であり、図3(b)は半導体装置100における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法は、MOSFETを製造するための半導体装置の製造方法であって、図1に示すように、n型の低抵抗半導体層(n型不純物を第1濃度で含有する低抵抗半導体層)112及びn−型のドリフト層(n型不純物を第1濃度よりも低い第2濃度で含有するドリフト層)116を備える半導体基体110を準備する第1工程(図1(a)参照。)と、ドリフト層116の表面に絶縁ゲート構造118を形成する第2工程(図1(b)参照。)と、半導体基体110の第1主面側にソース電極層130を形成するとともに、半導体基体110の第2主面側にドレイン電極層132を形成する第3工程(図1(c)参照。)を含む。絶縁ゲート構造118には、ドリフト層116の表面に形成されたp型のベース領域120と、ベース領域120の表面に形成されたn型のソース領域122と、半導体基体110の第1主面側表面における所定領域にゲート絶縁層124を介して形成されたゲート電極層126と、ゲート電極層126を覆うように形成された保護絶縁層128とが含まれる。
そして、第1工程においては、図2に示すように、半導体基体として、ヒ素(As)又はアンチモン(Sb)を第1濃度(1×1018〜1×1020cm−3、例えば2.0×1019cm−3)で含有する低抵抗半導体基板からなる低抵抗半導体層112に、リン(P)を第1濃度よりも低くかつ第2濃度よりも高い第3濃度(1×1016〜1×1018cm−3、例えば1.5×1017cm−3)で含有するバッファ層114及びリン(P)を第2濃度(1×1014〜1×1016cm−3、例えば3.0×1014cm−3)で含有するドリフト層116を順次エピタキシャル成長させて製造した半導体基体110を用いる。
また、図3に示すように、オートドーピングにより、n型不純物の濃度が第1濃度から「第1濃度よりも低く第2濃度よりも高い第4濃度」まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層114aと、n型不純物の濃度が第4濃度(この場合第3濃度とほぼ同じ)から第2濃度まで第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層114bとが、低抵抗半導体層112とドリフト層116との間に形成される条件で第2工程を実施する。
また、図3(b)に示すように、オートドーピングにより、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが連続して形成される条件で第2工程を実施する。また、その際には、オートドーピングにより、形成される第1バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内となり、第2バッファ層の厚さが5μm〜20μmの範囲内となる条件で第2工程を実施する。
2.実施形態1に係る半導体装置
上記した実施形態1に係る半導体装置の製造方法を用いることにより、以下のような構成の半導体装置(実施形態1に係る半導体装置)100を製造することができる。
すなわち、実施形態1に係る半導体装置100は、n型の低抵抗半導体基板からなる低抵抗半導体層(n型不純物を第1濃度で含有する低抵抗半導体層)112及びn型のドリフト層(n型不純物を第1濃度よりも低い第2濃度で含有するドリフト層)116を備える半導体基体110と、ドリフト層116の表面に形成された絶縁ゲート構造118とを備える半導体装置100であって、低抵抗半導体層112とドリフト層116との間には、n型不純物の濃度が第1濃度から第1濃度よりも低く第2濃度よりも高い第4濃度まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層114aと、n型不純物の濃度が第4濃度から第2濃度まで第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層114bとが形成されている半導体装置である。
実施形態1に係る半導体装置100においては、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが連続して形成されている。
実施形態1に係る半導体装置100においては、第1濃度が1×1018〜1×1020cm−3の範囲内にあり、第2濃度が1×1014〜1×1016cm−3の範囲内にあり、第4濃度が1×1016〜1×1018cm−3の範囲内にあり、第1バッファ層114aの厚さが2μm〜10μmの範囲内にあり、第2バッファ層114bの厚さが5μm〜20μmの範囲内にある。
3.実施形態1に係る半導体装置の製造方法の効果
実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、製造工程中のオートドーピングにより、低抵抗半導体層112中のヒ素(As)又はアンチモン(Sb)がバッファ層114中に拡散するとともに、バッファ層114中のリン(P)がドリフト層116中に拡散することとなる。そして、「第2バッファ層114bにおける第2の傾きを形成するリン(P)の拡散係数」が「第1バッファ層114aにおける第1の傾きを形成するヒ素(As)やアンチモン(Sb)の拡散係数」よりも大きいことから、n型不純物の濃度が第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層114a及びn型不純物の濃度が第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層114bが形成される結果、従来の半導体装置の製造方法においてよりもn型不純物の拡散距離が全体として長くなり(図3(b)参照。)、従来第2の半導体装置の製造方法の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる(後述する図12参照。)。また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いる必要もない。
その結果、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きをなだらかにしてソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置を製造可能な、半導体装置の製造方法となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、後述する図13からも分かるように、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置を製造することが可能となる。この理由は、以下のよう考えることができる。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法によれば、図2(b)及び図3(b)に示すように、オートドーピングによりバッファ層114からリン(P)がドリフト層116側に拡散して第2バッファ層114bが形成される。このとき、第2バッファ層114bはドリフト層116よりも不純物濃度が高くなることから、オン抵抗が低くなる。その一方において、逆バイアス時には、空乏層が第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとの境界付近まで伸びることから、耐圧はそれほど低くならないと考えられるからである。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、第1工程においては、第1濃度が1×1018〜1×1020cm−3の範囲内にあり、第2濃度が1×1014〜1×1016cm−3の範囲内にあり、第3濃度が1×1016〜1×1018cm−3の範囲内にあり、バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内にある半導体基体を準備することから、従来の半導体装置の製造方法においてよりもn型不純物の拡散距離が全体として長くなるため、従来第2の半導体装置の製造方法の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、オートドーピングにより、n型不純物の濃度が第1濃度から第1濃度よりも低く第2濃度よりも高い第4濃度まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層114aと、n型不純物の濃度が第4濃度から第2濃度まで第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層114bとが、低抵抗半導体層112とドリフト層116との間に形成される条件で第2工程を実施することとしているため、従来の半導体装置の製造方法においてよりもn型不純物の拡散距離が全体として長くなるため、従来第2の半導体装置の製造方法の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、第2バッファ層114bにおいてn型不純物の濃度が減少する第2の傾きが、第1バッファ層114aにおいてn型不純物の濃度が減少する第1の傾きよりもなだらかであることから、従来の半導体装置の製造方法においてよりもn型不純物の拡散距離が全体として長くなり(図3(b)参照。)、従来第2の半導体装置の製造方法の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる(後述する図12参照。)。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、オートドーピングにより、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが連続して形成される条件で第2工程を実施することとしていることから、空乏層の伸長速度が遅くなる度合いが滑らかになるため、耐圧に優れた半導体装置を製造することが可能となる。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、オートドーピングにより、第1バッファ層114aの厚さが2μm〜10μmの範囲内となり、第2バッファ層114bの厚さが5μm〜20μmの範囲内となる条件で第2工程を実施することとしているため、従来の半導体装置の製造方法においてよりもn型不純物の拡散距離が全体として長くなるため、従来第2の半導体装置の製造方法の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。
4.実施形態1に係る半導体装置の効果
実施形態1に係る半導体装置によれば、上記したように、ソフトリカバリである(破壊耐量の高い)半導体装置でありながら、拡散ウェーハからなる半導体基体を用いることなく製造可能な半導体装置となる。
また、実施形態1に係る半導体装置によれば、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置となる。
[実施形態2及び3]
図4は、実施形態2に係る半導体装置の製造方法により製造した半導体装置101(図示せず)における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。図5は、実施形態3に係る半導体装置の製造方法により製造した半導体装置102(図示せず)における深さ方向に沿った不純物濃度分布を示す図である。
実施形態2に係る半導体装置101及び実施形態3に係る半導体装置102は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、低抵抗半導体層112とドリフト層116との間における深さ方向に沿った不純物濃度分布が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。
すなわち、実施形態2に係る半導体装置101においては、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが連続して形成されているのではなく、図4に示すように、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとの間に、n型不純物を第4濃度で含有する第3バッファ層114cが形成されている。実施形態2に係る半導体装置101は、第1工程で準備する半導体基体110として、実施形態1のバッファ層114よりも厚いバッファ層114を有する半導体基体を用いることにより製造することができる。
また、実施形態3に係る半導体装置102においては、図5に示すように、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが連続して形成されているのではあるが、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとの境界面における不純物濃度が第3濃度よりも低くなるように、第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが形成されている。実施形態3に係る半導体装置102は、第1工程で準備する半導体基体110として、実施形態1のバッファ層114よりも薄いバッファ層114を有する半導体基体を用いることにより製造することができる。
このように、実施形態2に係る半導体装置101及び実施形態3に係る半導体装置102は、低抵抗半導体層112とドリフト層116との間における深さ方向に沿った不純物濃度分布が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、上記した構成の第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが形成されていることから、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる。また、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置となる。
なお、実施形態2に係る半導体装置101及び実施形態3に係る半導体装置102は、低抵抗半導体層112とドリフト層116との間における深さ方向に沿った不純物濃度分布が異なる点以外の点においては、実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態4及び5]
図6は、実施形態4に係る半導体装置103の断面図である。図7は、実施形態5に係る半導体装置104の断面図である。
実施形態4に係る半導体装置103及び実施形態5に係る半導体装置104は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、絶縁ゲート構造118の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。
すなわち、実施形態4に係る半導体装置103においては、図6に示すように、p型ベース領域120からドリフト層116側に向けて張り出すようにp型張り出し領域134が形成されている。また、実施形態5に係る半導体装置104においては、図7に示すように、ベース領域120の表面にp型コンタクト領域136が形成されている。
このように、実施形態4に係る半導体装置103及び実施形態4に係る半導体装置104は、絶縁ゲート構造118の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、上記した構成の第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが形成されていることから、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる。また、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置となる。
また、実施形態4に係る半導体装置103によれば、ベース領域120からドリフト層116側に向けて張り出すようにp型張り出し領域134が形成されていることから、実施形態1に係る半導体装置100によりも高耐圧の高い半導体基板を構成することができる。また、実施形態4に係る半導体装置103によれば、ベース領域120の表面にp型コンタクト領域136が形成されていることから、ベース領域120の電位をより一層安定にすることができる。
なお、実施形態4に係る半導体装置103及び実施形態5に係る半導体装置104は、絶縁ゲート構造118の構成が異なる点以外の点においては、実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態6及び7]
図8は、実施形態6に係る半導体装置105の断面図である。図9は、実施形態7に係る半導体装置106の断面図である。図10は、実施形態6に用いる半導体基体105の断面図である。
実施形態6に係る半導体装置105及び実施形態7に係る半導体装置106は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、絶縁ゲート構造118の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。
すなわち、実施形態6に係る半導体装置105においては、図8に示すように、p型ベース領域120からドリフト層116側に向けて張り出すようにp型張り出し領域(空乏層伸長領域)138が形成されている。また、ドリフト層116の表面にn型半導体層(基準濃度層)140が形成されている。また、実施形態7に係る半導体装置106においては、図9に示すように、実施形態6に係る半導体装置105におけるn型半導体層140の表面にn型半導体層142がさらに形成されている。
このように、実施形態6に係る半導体装置105及び実施形態7に係る半導体装置106は、絶縁ゲート構造118の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、上記した構成の第1バッファ層114aと第2バッファ層114bとが形成されていることから、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる。また、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置となる。
なお、実施形態6に係る半導体装置105及び実施形態7に係る半導体装置106は、絶縁ゲート構造118の構成が異なる点以外の点においては、実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
なお、実施形態6に係る半導体装置105は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法とほぼ同じ製造工程を用いて製造することができる。但し、図10に示すように、第1工程で準備する半導体基体として、ドリフト層116の表面にn型半導体層140が形成されている半導体基体を用いる。また、実施形態7に係る半導体装置106は、実施形態6に係る半導体装置の製造方法とほぼ同じ製造工程を用いて製造することができる。但し、製造工程中に所定のマククを介してn+型半導体層142を形成する領域にn型不純物を導入する工程を設ける。
[実施形態8]
図11は、実施形態8に係る半導体装置200の断面図である。
実施形態8に係る半導体装置200は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、絶縁ゲート構造の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。
すなわち、実施形態8に係る半導体装置200においては、図11に示すように、トレンチ型の絶縁ゲート構造218を有する。従って、絶縁ゲート構造218には、ドリフト層216上に位置するp型のベース層220、ベース220層を開口しドリフト層216に達して形成してなるトレンチ221、ベース層220内に配置されるとともに少なくとも一部をトレンチ221の内周面に露出させて形成してなるn型のソース領域222、トレンチ221の内周面に形成してなるゲート絶縁層224、ゲート絶縁層224の内周面に形成してなるゲート電極層226、及び、ゲート電極層226を覆うように形成された保護絶縁層228とが含まれる。
このように、実施形態8に係る半導体装置200は、絶縁ゲート構造の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、上記した構成の第1バッファ層214aと、第2バッファ層214bとが形成されていることから、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、スイッチオフ時におけるドリフト層底部の蓄積キャリアの排出が穏やかになる。その結果、スイッチオフ時の「dir/dt」の傾きがなだらかなものとなるため、大きなサージ電圧が発生することがなくなり、ソフトリカバリな(破壊耐量の高い)半導体装置となる。また、耐圧とオン抵抗とのトレードオフ特性が改善された半導体装置となる。
なお、実施形態8に係る半導体装置200は、絶縁ゲート構造の構成が異なる点以外の点においては、実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
[試験例1]
1.試料の調製
(1)試料1
実施形態1に係る半導体装置100と同様の構造を有する半導体装置を試料1(試料1に係る半導体装置100a、実施例)とした。半導体装置100aを製造する方法としては実施形態1に係る半導体装置の製造方法を用いた。なお、試料1に係る半導体装置100aを製造する際には、半導体基体110として、ヒ素(As)を第1濃度(2.0×1019cm−3)で含有する低抵抗半導体基板からなる低抵抗半導体層112に、リン(P)を高い第3濃度(1.5×1017cm−3)で含有するバッファ層114及びリン(P)を第2濃度(3.0×1014cm−3)で含有するドリフト層116を順次エピタキシャル成長させて製造した半導体基体110を用いた。試験例1に係る半導体装置100aにおいては、第1バッファ層の厚さが3μmとなり、第2バッファ層の厚さが8μmとなる。
2.試験方法
25Aの順方向電流IFを流した順バイアス状態から650A/μsの割合で順方向電流IFが減少するようにスイッチオフしたときのリカバリ特性(電流応答特性及び電圧応答特性)を測定した。測定は、di/dt法逆回復波形試験装置を用いて行った。
3.試験結果
図12は、試験例1におけるイッチオフ時の応答波形を示す図である。図12中、符号iで示すものがスイッチオフ時における電流応答波形であり、符号vで示すものがスイッチオフ時における電圧応答波形である。
試験例1の結果、図12及び図15(b)からも分かるように、試料1に係る半導体装置100aが、従来の半導体装置の製造方法により製造した半導体装置800よりも優れたソフトリカバリー特性を有することが分かった。
[試験例2]
1.試料の調製
(1)試料1
試験例1で用いた試料1と同じ条件で製造して得られた試料(複数個)を試料1(試料1に係る半導体装置100a、実施例)とした。
(2)試験例2
従来の半導体装置の製造方法により製造して得られた半導体装置800(複数個)を試料2(試料2に係る半導体装置100b、比較例)とした。なお、試料2に係る半導体装置100bを製造する際には、半導体基体810として、ヒ素(As)を第1濃度(2.0×1019cm−3)で含有する低抵抗半導体基板からなる低抵抗半導体層812にリン(P)を第2濃度(3.0×1014cm−3)で含有するドリフト層816をエピタキシャル成長させて製造した半導体基体を用いた。試料2に係る半導体装置100bにおいては、バッファ層t0の厚さが3μmとなる。
2.試験方法
試料1(複数個)及び試料2(複数個)について耐圧VDSSとオン抵抗Ronを測定した。その後、各試料毎に耐圧VDSSとオン抵抗Ronとをグラフにプロットし、トレードオフ特性を測定した。
3.試験結果
図13は、試験例2における耐圧VDSSとオン抵抗Ronとのトレードオフ特性を示す図である。図13中、実線で示す曲線は試料1に係る半導体装置100aにおけるトレードオフ曲線であり、破線で示す曲線は試料2に係る半導体装置100bにおけるトレードオフ曲線である。また、図13中、符号A1で示す領域は試料1に係る半導体装置100aの耐圧VDSSとオン抵抗Ronが実際にプロットされた領域であり、符号A2で示す領域は試料2に係る半導体装置100bの耐圧VDSSとオン抵抗Ronが実際にプロットされた領域である。
試験例2の結果、図13からも分かるように、試料1に係る半導体装置100aが、試料2に係る半導体装置100bよりも優れたトレードオフ特性(耐圧VDSSとオン抵抗Ronとのトレードオフ特性)を有することが分かった。また、図3からも分かるように、試料1に係る半導体装置100aが、試料2に係る半導体装置100bよりも特性ばらつきの少ない優れた半導体装置であることが分かった。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
100,103,104,105,106,200,800…半導体装置、110,210,810…半導体基体、112,212,812…低抵抗半導体層、114…バッファ層、114a,214a…第1バッファ層、114b,214b…第2バッファ層、114c…第3バッファ層、116,216,816…ドリフト層、118,218,818…絶縁ゲート構造、120,820…ベース領域、122,822…ソース領域、124,824…ゲート絶縁層、126,826…ゲート電極層、128,828…保護絶縁層、130,230,830…ソース電極層、132,232,832…ドレイン電極層、220…ベース層、221…トレンチ、222…ソース領域、224…ゲート絶縁層、226…ゲート電極層、228…保護絶縁層

Claims (12)

  1. n型不純物を第1濃度で含有する低抵抗半導体層及びn型不純物を第1濃度よりも低い第2濃度で含有するドリフト層を備える半導体基体を準備する第1工程と、
    前記ドリフト層の表面に絶縁ゲート構造を形成する第2工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
    前記第1工程においては、ヒ素(As)又はアンチモン(Sb)を含有する低抵抗半導体層に、リン(P)を前記第1濃度よりも低くかつ前記第2濃度よりも高い第3濃度で含有するバッファ層及びリン(P)を前記第2濃度で含有するドリフト層を順次エピタキシャル成長させて製造した半導体基体を準備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1工程においては、前記第1濃度が1×1018〜1×1020cm−3の範囲内にあり、前記第2濃度が1×1014〜1×1016cm−3の範囲内にあり、前記第3濃度が1×1016〜1×1018cm−3の範囲内にあり、前記バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内にある半導体基体を準備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. オートドーピングにより、n型不純物の濃度が前記第1濃度から前記第1濃度よりも低く前記第2濃度よりも高い第4濃度まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層と、n型不純物の濃度が前記第4濃度から前記第2濃度まで前記第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層とが、前記低抵抗半導体層と前記ドリフト層との間に形成される条件で前記第2工程を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. オートドーピングにより、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層とが連続して形成される条件で前記第2工程を実施することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. オートドーピングにより、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に、n型不純物を前記第4濃度で含有する第3バッファ層が形成される条件で前記第2工程を実施することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  6. オートドーピングにより、前記第1バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内となり、前記第2バッファ層の厚さが5μm〜20μmの範囲内となる条件で前記第2工程を実施することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体装置がMOSFETであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. n型不純物を第1濃度で含有する低抵抗半導体層及びn型不純物を第1濃度よりも低い第2濃度で含有するドリフト層を備える半導体基体と、
    前記ドリフト層の表面に形成された絶縁ゲート構造とを備える半導体装置であって、
    前記低抵抗半導体層と前記ドリフト層との間には、
    n型不純物の濃度が前記第1濃度から前記第1濃度よりも低く前記第2濃度よりも高い第4濃度まで第1の傾きでなだらかに減少する第1バッファ層と、
    n型不純物の濃度が前記第4濃度から前記第2濃度まで前記第1の傾きよりもなだらかな第2の傾きでなだらかに減少する第2バッファ層とが形成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記第1バッファ層と前記第2バッファ層とが連続して形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に、n型不純物を前記第4濃度で含有する第3バッファ層が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 前記第1濃度が1×1018〜1×1020cm−3の範囲内にあり、前記第2濃度が1×1014〜1×1016cm−3の範囲内にあり、前記第4濃度が1×1016〜1×1018cm−3の範囲内にあり、前記第1バッファ層の厚さが2μm〜10μmの範囲内にあり、前記第2バッファ層の厚さが5μm〜20μmの範囲内にあることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置。
  12. MOSFETであることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の半導体装置。
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