JP2015034278A - フッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法 Download PDF

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正登志 阿部
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智子 安田
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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性及び耐ストレスクラック性に優れたフッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のフッ素樹脂組成物は、含フッ素樹脂(A)と、メラミン、メラム、メレム及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを含有し、前記含フッ素樹脂(A)と前記化合物(B)の体積比((A):(B))が99.999:0.001〜60:40である。【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法に関する。
テトラフルオロエチレン重合体等の含フッ素樹脂は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、低摩擦性、及び低誘電特性等の特性に優れている。そのため、含フッ素樹脂は、ケミカルプラント耐食配管材料、農業用ビニールハウス材料、厨房器用離型コート材料、電子機器、耐熱難燃電線用被覆材等、幅広い用途で用いられている。
中でも、含フッ素樹脂の中でもエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(以下、「ETFE」という。)は、上記特性に優れている他、溶融成形が可能であり、優れた耐屈曲性及び機械強度も有することから、その用途は多岐にわたる。例えば、ETFEは、原子力発電所で使用される電線、ロボット電線、プレナム電線、自動車電線等の電線用被覆材として用いられることが多い。
近年、様々な含フッ素樹脂成形品において、軽量化、ダウンサイズ化、省資源化が求められている。特に、電線用被覆材は、電線の使用環境が高温下に晒されているにもかかわらず薄肉化が進んでおり、耐熱性及び耐ストレスクラック性のさらなる向上が求められている。
最近、電線用被覆材の耐熱性及び耐ストレスクラック性を向上させるための開発もなされている。
例えば、特許文献1には、エチレンとテトラフルオロエチレンの重合時の速度を制御することで、耐ストレスクラック性に優れるETFEの製造方法が開示されている。
特許文献2では、ビニル基等の重合性不飽和基及びアルコキシ基等の加水分解性基を有するシラン化合物をグラフト化し、加水分解することにより、ETFEを架橋させ、耐熱性等の物性の検討がなされている。
一方、添加剤を加えることで、ETFEの耐熱性を向上させる試みもなされている。
例えば、特許文献3には、含フッ素樹脂に微量の酸化銅を添加する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、耐熱性及び耐ストレスクラック性は依然充分とはいえない。
また、特許文献2に記載のETFEは、熱安定性が悪いビニル基等の重合性不飽和基及びアルコキシ基等の加水分解性基を有するシラン化合物を含有するため、耐熱性の低下及び熱による着色といった問題が生じる。
また、特許文献3に記載の含フッ素樹脂の耐熱性及び耐ストレスクラック性も、依然、電線用被覆材に求められる程度とはいえない。
このように、特許文献1〜3の含フッ素樹脂は、電線用被覆材に用いるには、耐熱性及び耐ストレスクラック性等が充分ではない。
特開2002−348302号公報 特開平7−041563号公報 国際公開第2013/015202号
そこで、本発明は、耐熱性及び耐ストレスクラック性に優れたフッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[12]の構成を有する耐熱性及び耐ストレスクラック性に優れたフッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法である。
[1]含フッ素樹脂(A)と、メラミン、メラム、メレム及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを含有し、前記含フッ素樹脂(A)と前記化合物(B)の体積比((A):(B))が99.999:0.001〜60:40である、フッ素樹脂組成物。
[2]前記含フッ素樹脂(A)がカルボニル基含有基及びエポキシ基のいずれか一方又は両方を有する、[1]に記載のフッ素樹脂組成物。
[3]前記カルボニル基含有基及びエポキシ基の合計含有量が、前記含フッ素樹脂(A)の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個である、[2]に記載のフッ素樹脂組成物。
[4]前記含フッ素樹脂(A)が、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボニルフルオリド基、オキシカルボニルオキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボニル基含有基を有する、[2]又は[3]に記載のフッ素樹脂組成物。
[5]前記化合物(B)が、ポリリン酸塩及びシアヌル酸塩のうちいずれか一方又は両方である、[1]〜[4]のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
[6]前記含フッ素樹脂(A)が溶融成形可能である、[1]〜[5]のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
[7]前記含フッ素樹脂(A)が、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方に基づく構成単位(a)、カルボキシ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方を有する炭化水素モノマーに基づく構成単位(b)、並びにフッ素モノマー(ただし、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンを除く。)に基づく構成単位(c)を含有し、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)の合計モル量に対して、構成単位(a)が50〜99.89モル%であり、構成単位(b)が0.01〜5モル%であり、構成単位(c)が0.1〜49.99モル%である、[6]に記載のフッ素樹脂組成物。
[8]さらに、含フッ素ゴム(C)を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
[9][6]又は[7]に記載のフッ素樹脂組成物を溶融混練してなる溶融混練物。
[10]芯線とそれを被覆する電線用被覆材とを備え、前記電線用被覆材が[9]に記載の溶融混練物からなる電線。
[11][6]又は[7]に記載のフッ素樹脂組成物を、(前記含フッ素樹脂(A)の融点+20℃)〜(前記含フッ素樹脂(A)の融点+150℃)の温度で、0.5〜10分間、溶融混練することを特徴とする、溶融混練物の製造方法。
[12][6]又は[7]に記載のフッ素樹脂組成物を、400℃以下で溶融混練することを特徴とする、電線用被覆材の製造方法。
本発明によれば、耐熱性及び耐ストレスクラック性に優れたフッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法を提供することができる。
本明細書において「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに基づく構成単位を意味する。構成単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
また、「モノマー」とは、重合性不飽和結合、すなわち重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。また、「フッ素モノマー」とは、分子内にフッ素原子を有するモノマーを意味し、「非フッ素モノマー」とは、分子内にフッ素原子を有しないモノマーを意味する。
[フッ素樹脂組成物]
本発明のフッ素樹脂組成物は、含フッ素樹脂(A)とメラミン、メラム、メレム及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)(以下、「化合物(B)」という。)とを含有し、前記含フッ素樹脂(A)と前記化合物(B)の体積比((A):(B))が99.999:0.001〜60:40である。
以下、本発明の各構成について詳述する。
<含フッ素樹脂(A)>
本発明のフッ素樹脂組成物は、含フッ素樹脂(A)を含有する。
含フッ素樹脂(A)としては、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」という。)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」という。)、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」という。)及びフッ化ビニルから選ばれる少なくとも1種のフッ素モノマーに基づく構成単位を含む樹脂が挙げられる。
含フッ素樹脂(A)は、1種のフッ素モノマーに基づく構成単位を含む重合体であってもよく、2種以上のフッ素モノマーに基づく構成単位を組合せて含んだ共重合体であってもよい。
また、含フッ素樹脂(A)は、フッ素モノマーに基づく構成単位の他に、非フッ素モノマーに基づく構成単位を含んだ共重合体であってもよい。非フッ素モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、無水イタコン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
含フッ素樹脂(A)が非フッ素モノマーに基づく構成単位を含む場合、含フッ素樹脂(A)は、非フッ素モノマーに基づく構成単位を1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
具体例な共重合体としては、例えば、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル/HFP共重合体(EPA)、ETFE、TFE/HFP共重合体(FEP)等のTFE系共重合体;ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、CTFE/エチレン共重合体(ECTFE)等のCTFE系共重合体;ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のVdF系共重合体;等が挙げられる。
本発明による耐熱性及び耐ストレスクラック性等の効果をより高めるため、含フッ素樹脂(A)は、カルボニル基含有基及びエポキシ基のいずれか一方又は両方を有する含フッ素樹脂が好ましい。また、含フッ素樹脂(A)は、溶融成形可能な含フッ素樹脂が成形容易である点で好ましい。
ここで「溶融成形可能」とは、溶融流動性を示すことを意味する。溶融流動性を示す指標として、溶融流れ速度(Melt Flow Rate)(以下、「MFR」と言う。)が挙げられるが、本明細書では、フッ素樹脂の融点+50℃におけるMFRが2g/10分以上であれば、溶融成形可能といえる。溶融成形可能というためには、MFRは3g/10分以上が好ましく、6g/10分以上がより好ましく、10g/10分以上がさらに好ましい。
以下、カルボニル基含有基及びエポキシ基のいずれか一方又は両方を有する含フッ素樹脂(以下、「含フッ素樹脂(A1)」という。)について詳述する。
(含フッ素樹脂(A1))
「カルボニル基含有基」は、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を含む基であり、例えば、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を含む基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルボニルフルオリド基、オキシカルボニルオキシ基、酸無水物基等が挙げられる。中でも、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボニルフルオリド基、オキシカルボニルオキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボニル基含有基を有するのが好ましい。
前記炭化水素基としては、例えば、炭素数2〜10のアルキレン基等が挙げられる。なお、該アルキレン基の炭素数は、カルボニル基を含まない状態での炭素数である。アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよい。
ハロホルミル基は、−C(=O)−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。すなわち、ハロホルミル基としては、フルオロホルミル基(「カルボニルフルオリド基」とも称する。)が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が特に好ましい。
また、含フッ素樹脂(A1)において、カルボニル基含有基又はエポキシ基は、1種でもよく、2種以上でもよい。
また、含フッ素樹脂(A1)は、カルボニル基含有基又はエポキシ基の他、アミド基、水酸基、アミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有してもよい。
含フッ素樹脂(A1)が有するカルボニル基含有基及びエポキシ基の合計含有量は、溶融成形可能なフッ素樹脂の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個が好ましく、より好ましくは100〜10000個であり、さらに好ましくは300〜5000個である。
該下限値以上であれば、他材との親和性に優れ、また、該上限値以下であれば、溶融加工性、熱安定性に優れる。
主鎖とは、鎖式化合物の主要な炭素鎖であり、一般に、炭素数が最大となる幹にあたる部分を指す。
本発明において溶融成形可能なフッ素樹脂の主鎖炭素数は、2000〜50000個が好ましく、3000〜30000個がより好ましく、5000〜25000個がさらに好ましい。
また、本明細書において、含フッ素樹脂(A1)が有するカルボニル基含有基及びエポキシ基の含有量は、赤外吸収スペクトル分析の方法により、反応性官能基を有する構成単位の割合を測定し、該割合から反応性官能基の量を算出することにより求められる。例えば、特開2007−314720号公報に記載のように赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて反応性官能基を有する構成単位の割合を求め、該割合から、反応性官能基の含有量を算出することができる。
具体的な含フッ素樹脂(A1)としては、構成単位として、TFE及びCTFEのいずれか一方又は両方に基づく構成単位(a)、カルボキシ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方を有する炭化水素モノマーに基づく構成単位(b)、並びにフッ素モノマー(ただし、TFE及びCTFEを除く。)に基づく構成単位(c)を含有する共重合体が挙げられる。
構成単位(b)を得るためのカルボキシ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方を有する炭化水素モノマー(以下、これらのモノマーを「AMモノマー」と総称する。)としては、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、マレイン酸等のジカルボン酸、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも称する。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも称する。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも称する。)、無水マレイン酸等のジカルボン酸の酸無水物が挙げられる。好ましくは、IAH、CAH、NAHである。
構成単位(c)を得るためのフッ素モノマー(ただし、TFE及びCTFEを除く。)としては、フッ化ビニル、VdF、トリフルオロエチレン、HFP等のフルオロオレフィン、CF=CFOR(ここで、Rは炭素原子数1から10の酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基。)、CF=CFORSO(Rは炭素原子数1〜10の酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、Xはハロゲン原子又は水酸基。)、CF=CFORCO(ここで、Rは炭素原子数1から10の酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、Xは水素原子又は炭素数3以下のアルキル基。)、CF=CF(CFOCF=CF(ここで、pは1又は2。)、CH=CX(CF(ここで、Xは水素原子又はフッ素原子、qは2から10の整数、Xは水素原子又はフッ素原子。)及びペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1、3−ジオキソラン)等が挙げられる。中でも、VdF、HFP、CF=CFOR及びCH=CX(CFからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、CF=CFOR又はCH=CX(CFがより好ましい。
CF=CFORとしては、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、中でも、CF=CFOCFCFCFが好ましい。
CH=CX(CFとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH等が挙げられ、中でも、CH=CH(CFF又はCH=CH(CFFが好ましい。
構成単位(a)〜(c)の含有割合としては、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)の合計モル量に対して、構成単位(a)が50〜99.89モル%であり、構成単位(b)が0.01〜5モル%であり、構成単位(c)が0.1〜49.99モル%であることが好ましい。より好ましくは、構成単位(a)が50〜99.4モル%、構成単位(b)が0.5〜49.9モル%、構成単位(c)が0.1〜3モル%であり、さらに好ましくは、構成単位(a)が50〜98.9モル%、構成単位(b)が1〜49.9モル%、構成単位(c)が0.1〜2モル%である。
各構成単位の含有割合がこの範囲にあれば、本発明のフッ素樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性に優れ、成形後の熱処理によってより高い弾性率を有し、耐摩耗性が向上し、さらに樹脂溶融時の垂れ抵抗性(アンチドリップ性ともいう)に優れ、高温での形状保持性にも優れたものになる。
含フッ素樹脂(A1)は、上述の構成単位(a)〜(c)の他に、非フッ素モノマー(ただし、AMモノマーを除く。)に基づく構成単位(d)を含有してもよい。
構成単位(d)を得るための非フッ素モノマーとしては、エチレン(以下、「E」とも称する。)、プロピレン(以下、「P」とも称する。)等の炭素数3以下のオレフィン、酢酸ビニル(以下、「VOA」とも称する。)等のビニルエステル等が挙げられる。好ましくは、E、P又はVOAである。より好ましくは、Eである。
また、上述の構成単位(a)〜(c)の他に、構成単位(d)を含有させる場合、全構成単位の合計モル量に対する、「構成単位(a)+構成単位(b)+構成単位(c)」の合計モル量の割合は、40モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましく、50モル%以上が最も好ましい。
構成単位(a)〜(c)又は構成単位(a)〜(d)の組合せとしては、例えば、TFE/IAH/CF=CFOCFCFCF共重合体、TFE/CAH/CF=CFOCFCFCF共重合体、TFE/IAH/HFP共重合体、TFE/CAH/HFP共重合体、TFE/IAH/VdF共重合体、TFE/CAH/VdF共重合体、TFE/IAH/CH=CH(CFF/E共重合体、TFE/CAH/CH=CH(CFF/E共重合体、TFE/IAH/CH=CH(CFF/E共重合体、TFE/CAH/CH=CH(CFF/E共重合体、CTFE/IAH/CH=CH(CFF/E共重合体、CTFE/CAH/CH=CH(CFF/E共重合体、CTFE/IAH/CH=CH(CFF/E共重合体、CTFE/CAH/CH=CH(CFF/E共重合体が挙げられる。
<化合物(B)>
本発明のフッ素樹脂組成物は、化合物(B)を含有する。化合物(B)は、メラミン、メラム、メレム及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。本発明においては、フッ素樹脂組成物に化合物(B)を含有させることにより、溶融混練物及び成形品の耐熱性及び耐ストレスクラック性等が向上する。
化合物(B)としては、例えば、メラミン、メラミンシアヌレート等のメラミン類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチルメタクリルシアヌレート、トリメチルメタクリルイソシアヌレート、トリメチルアクリルシアヌレート、トリメチルアクリルイソシアヌレート等のイソシアヌル酸誘導体、イミダゾール化合物、又はこれらの塩等が挙げられる。
中でも、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム、メラミンシアヌレート、下式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物が好ましく、さらにポリリン酸塩又はシアヌル酸塩であることがより好ましい。
本発明において化合物(B)は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2015034278
市販されている化合物(B)としては、日産化学社製のホスメル200Fine(メラミン、メラム及びメレムの各ポリリン酸塩の混合物)が挙げられる。
化合物(B)の熱分解温度は、300℃以上が好ましく、330℃以上がより好ましく、350℃以上がさらに好ましい。前記下限値以上であれば、フッ素樹脂(A)と化合物(B)の溶融混錬中に熱分解による発泡及び着色がより生じにくくなり、また、溶融張力が低下しにくく、溶融成形性がより良好になる。さらに、成形品の表面平滑性が良好になり、耐ストレスクラック性がより向上する。
ここで熱分解温度とは、示差熱熱重量同時測定装置「TG/DTA7200」(セイコーインスツル社製)を用いた測定により、昇温スピード10℃/分の条件下で重量減少率が5質量%となる時の温度である。
化合物(B)の平均粒子径(D50)は、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、15μm以下が最も好ましい。平均粒径(D50)が前記上限値より大きいと、フッ素樹脂(A)との分散性が悪くなり、耐熱性向上の効果が得られにくくなり、また、成形品の溶融張力が低下し、表面平滑性が下がる。
ここで平均粒子径(D50)とは、島津製作所社製「SALD−3000 レーザー回折式粒度分布測定装置」で測定した場合の粒子径分布において、小径側から体積累積分布曲線を描いた場合に、累積50体積%となる粒子径である。
化合物(B)の分子量は、特に限定されず、例えば、100〜3000が好ましい。前記下限値以上であれば、熱安定性に優れ、また、前記上限値以下であれば、含フッ素樹脂(A)に対して分散性が良好になり、また、フッ素樹脂組成物の成形品の機械物性が良好になり、さらに、フッ素樹脂が有する耐薬品性、電気特性等の物性が良好になる。
<含フッ素樹脂(A)に対する化合物(B)の体積比>
本発明による効果を得るためには、フッ素樹脂組成物に含ませる含フッ素樹脂(A)と化合物(B)の体積比が重要である。
「含フッ素樹脂(A)と化合物(B)の体積比」((A):(B))は、以下の方法により求める。
含フッ素樹脂(A)又は化合物(B)の「混錬時の投入質量w」(g)を、それぞれの「比重d」(g/cm)で除した値、すなわち、各成分の「フッ素樹脂組成物に占める各組成物の体積」(cm)を求め、これらの値を比で表したものを、体積比とする。
本発明において(A):(B)は、99.999:0.001〜60:40である。また、(A):(B)は、99.99:0.01〜60:40が好ましく、99.9:0.1〜90:10がより好ましく、99.9:0.1〜92:8がさらに好ましく、99.9:0.1〜95:5が最も好ましい。
化合物(B)の含有量(比の右側)が前記下限値以上であれば、成形品が耐摩耗性、耐熱性及び耐ストレスクラック性に優れる。一方、化合物(B)の含有量が前記上限値以下であれば、成形品の表面平滑性が高く、外観が優れたものとなり、また、メルトフラクチャーが生じにくくなる。
<含フッ素ゴム(C)>
本発明のフッ素樹脂組成物は、含フッ素樹脂(A)及び化合物(B)以外に、含フッ素ゴム(C)を含有していてもよい。含フッ素ゴム(C)を含有させることにより、柔軟性を向上させることができる。
含フッ素ゴム(C)は、含フッ素樹脂(A)と同様に、TFE、HFP、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、CTFE、VdF又はフッ化ビニル等のモノマーに基づく構成単位を含む。含フッ素樹脂(A)と含フッ素ゴム(C)とは、以下の日本工業規格(樹脂(JISK6900)及びゴム(JISK6200))の定義により区別される。
樹脂:不明確でかつ しばしば高い相対分子質量を有し、応力を受けると流動する傾向を示し、通常は軟化又は溶融範囲を有し、かつ通常は貝殻状に割れる固体、半固体、又は凝固体の有機材料。
ゴム:ベンゼン、メチルエチエルケトン、エタノール、トルエン共沸混合物等の沸騰中の溶剤に本質的には不溶性(しかし、膨潤できる)の状態に改質できる原料ゴム、又は既に改質されているエラストマー材料。
フッ素樹脂は、分子構造の中に結晶部分と非結晶部分が混在しているため、ガラス転位温度及び融点を有する。
一方、フッ素ゴムは、非結晶からなり、分子構造の中には結晶部分が存在しないため、ガラス転位温度を有するが、融点を有しない。
なお、融点とは、結晶部分の分子鎖が自由に動ける温度のことをいう。また、ガラス転位点(Tg)とは、非結晶部分の分子鎖が自由に動ける温度のことをいう。
含フッ素ゴム(C)としては、フッ素原子を含む共重合体であって融点を持たない含フッ素エラストマーが挙げられる。具体的には、TFE/P共重合体(「2元系のFEPM」とも称する。)、VdF/TFE/P共重合体(「3元系のFEPM」とも称する。)、VdF/HFP共重合体(「2元系のFKM」とも称する。)、VdF/TFE/HFP共重合体(「3元系のFKM」とも称する。)、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(「FFKM」とも称する。)、VdF/CTFE共重合体等が挙げられ、これらのうち、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、耐熱性、耐薬品性、耐油性の観点から、TFE/P共重合体、VdF/TFE/P共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、及びTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、TFE/P共重合体がより好ましい。
(TFE/P共重合体)
TFE/P共重合体は、TFEに基づく構成単位と、Pに基づく構成単位とを有する含フッ素エラストマーである。
TFE/P共重合体は、TFE及びP以外のその他のモノマーに基づく構成単位をさらに有してもよい。
その他のモノマーとしては、TFE以外の含フッ素モノマー、P以外の炭化水素モノマー、架橋性モノマー等が挙げられる。
「TFE以外の含フッ素モノマー」としては、CTFE、VdF、HFP、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アルキルオキシアルキルビニルエーテル)等が挙げられる。含フッ素モノマーは1種単独又は2種以上を併用してもよい。
TFE以外の含フッ素モノマーに基づく構成単位を含有することにより、本発明の組成物の低温柔軟性等を改善することができる。
「P以外の炭化水素モノマー」としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ノナン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、ブテン、イソブテン等のα−オレフィン(Pを除く)等が挙げられる。炭化水素モノマーは1種単独又は2種以上を併用してもよい。
P以外の炭化水素モノマーに基づく構成単位を含有することにより、本発明の組成物の成形加工性等を改善することができる。
「架橋性モノマー」とは、同一分子内に架橋性基を1個以上有するモノマーをいう。架橋性モノマー中の架橋性基としては、炭素−炭素二重結合基、ハロゲン原子等が挙げられる。
架橋性モノマーに基づく構成単位を含有することにより、本発明の組成物の機械的特性や圧縮永久歪等を改善することができる。
その他のモノマーとして、含フッ素モノマー、炭化水素モノマー、又はそれらの混合物を用いる場合、TFEとPに基づく構成単位の合計のモル数に対して、その他のモノマーに基づく構成単位の含有量は、0.01〜20モル%が好ましく、0.1〜15モル%がより好ましく、0.3〜10モル%が特に好ましい。
TFE/P共重合体における各構成単位の含有量としては、TFEに基づく構成単位35〜70モル%、Pに基づく構成単位20〜55モル%、及びその他のモノマーに基づく構成単位0〜40モル%が好ましい。
また、TFE/P共重合体を構成する全構成単位中に占めるPに基づく構成単位の割合は、25〜55モル%であることがより好ましく、30〜55モル%であることがさらに好ましく、35〜50モル%であることが特に好ましく、40〜48モル%であることが最も好ましい。Pに基づく構成単位の割合が20モル%以上であることにより、本発明の組成物は、成形加工性、柔軟性に優れる。また、Pに基づく構成単位の割合が55モル%以下であることにより、TFEに基づく構成単位を充分な割合で有することができる。
また、TFE/P共重合体を構成する全構成単位中に占めるその他のモノマーに基づく構成単位の割合は、0〜20モル%であることがより好ましく、0〜15モル%であることがさらに好ましく、0〜10モル%であることが特に好ましい。その他のモノマーに基づく構成単位の割合が40モル%以下であることにより、TFEとPに基づく構成単位を充分な割合で有することができる。
(ムーニー粘度)
含フッ素ゴム(C)のムーニー粘度(ML1+10,121℃)は、20〜200が好ましく、30〜150がより好ましく、40〜120が最も好ましい。ムーニー粘度は、分子量の尺度であり、JIS K6300−1:2000に準じて測定される。この値が大きいと分子量が大きいことを示し、小さいと分子量が小さいことを示す。ムーニー粘度が20〜200の範囲にあると、本発明の組成物は機械的特性、成形性に優れる。
(含フッ素ゴム(C)の含有割合)
フッ素樹脂組成物中の含フッ素ゴム(C)の含有割合は、含フッ素樹脂(A)100質量部に対して、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。含フッ素ゴム(C)の含有量を前記上限値以下にすれば、溶融時に流動性があり、成形加工性に優れる。
<含フッ素樹脂(A)と含フッ素ゴム(C)の組合せ>
含フッ素樹脂(A)と含フッ素ゴム(C)の組合せは特に限定されず、公知の含フッ素樹脂(A)と公知の含フッ素ゴム(C)から適宜選択され、設定される。
具体的には、フッ素樹脂(A)とフッ素ゴム(C)の相溶性及び加工性の観点から、含フッ素樹脂(A)であるETFE、PVdF又はECTFEと、含フッ素ゴム(C)であるTFE/P共重合体、VdF/TFE/P共重合体、VdF/HFP共重合体又はVdF/TFE/HFP共重合体との組合せ等が挙げられる。
中でも、相溶性、機械物性、絶縁性の点から、含フッ素樹脂(A)であるETFEと、含フッ素ゴム(C)であるTFE/P共重合体の組合せや、含フッ素樹脂(A)であるETFEと、含フッ素ゴム(C)であるVdF/HFP共重合体との組合せが好ましく、さらに、含フッ素樹脂(A)であるETFEと、含フッ素ゴム(C)であるTFE/P共重合体との組合せが最も好ましい。
<その他の成分>
フッ素樹脂組成物は、含フッ素樹脂(A)、化合物(B)及び含フッ素ゴム(C)以外に、充填剤、可塑剤、難燃材等の添加剤を含有してもよい。
充填剤としては、高分子、無機物が挙げられる。
高分子充填剤としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカプロラクトン、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリTFE、ABS、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−P共重合体、EPDM、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリルゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体等が挙げられる。
無機充填剤としては、CaCO、SiO、TiO、BaSO、ZnO、Al(OH)、Mg(OH)、タルク、マイカ等が挙げられる。また、有機物充填剤としてはカーボンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
その他の添加剤である、可塑剤、難燃剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。
これらの添加剤の含有量は、フッ素樹脂(A)と化合物(B)の合計量に対して、1〜30体積%が好ましい。
<フッ素樹脂組成物の製造方法>
本発明のフッ素樹脂組成物は、公知の混練機により、所望の配合量で含フッ素樹脂(A)及び化合物(B)、並びに必要により含フッ素ゴム(C)及びその他の成分を混練することにより製造できる。混練方法としては、通常の混練方法の他、溶融混練法が挙げられる。中でも、溶融混練が好ましい。溶融混練については、後に詳述する。
(含フッ素樹脂(A))
含フッ素樹脂(A)は、所望の化合物が市販されていれば、それを用いてもよく、また、各種原料化合物から重合等の適当な方法により製造してもよい。
重合により含フッ素樹脂(A)を製造する場合、重合方法としては、特に制限はなく、たとえば、ラジカル重合開始剤を用いる方法が用いられる。
ラジカル重合開始剤としては、その半減期が10時間である温度が、0〜100℃であることが好ましく、20〜90℃であることがより好ましい。具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の非フッ素系ジアシルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカ−ボネート等のペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル、(Z(CFCOO)(ここで、Zは水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、rは1〜10の整数である。)で表される化合物等の含フッ素ジアシルペルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。
重合手法としては、塊状重合、フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等の有機溶媒を使用する溶液重合による手法、水性媒体及び必要に応じて適当な有機溶剤を使用する懸濁重合による手法、水性媒体及び乳化剤を使用する乳化重合による手法が挙げられる。好ましくは、溶液重合による手法である。
重合条件は特に限定されず、重合温度は0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。重合圧力は0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜3MPaがより好ましい。重合時間は1〜30時間が好ましい。
本発明においては、特に、含フッ素樹脂(A)にカルボニル基含有基又はエポキシ基を導入し、含フッ素樹脂(A1)とするために、重合にAMモノマーを用いることができる。
重合中のAMモノマーの濃度は、全モノマーに対して0.01〜5%とすることが好ましく、0.1〜3%とすることがより好ましく、0.1〜1%とすることが最も好ましい。
前記範囲内であれば、重合速度が良好で、かつ、得られる含フッ素樹脂(A1)が、化合物(B)との結合反応性に富む。
重合中、AMモノマーが重合で消費されるにしたがって、消費された量を連続的又は断続的に重合槽内に供給し、AMモノマーの濃度をこの範囲に維持することが好ましい。
本発明においては、MFRを制御するために、重合中に連鎖移動剤を使用することができる。
連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボンが挙げられる。
中でも、エステル基、カーボネート基、水酸基、カルボキシ基、カルボニルフルオリド基等の官能基を有する連鎖移動剤を用いると含フッ素樹脂(A)に接着性の高分子末端基が導入されるので好ましい。そのような連鎖移動剤としては、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。
(化合物(B))
フッ素樹脂組成物の製造に用いる化合物(B)の種類は、上述したものと同じである。また、化合物(B)は、市販のものを用いてもよく、また、各種原料化合物から公知の方法により製造してもよい。市販の化合物(B)としては、日産化学社製のポリリン酸メラミン・メラム・メレム「ホスメル200Fine」やメラミンシアヌレート等が挙げられる。
(含フッ素ゴム(C))
フッ素樹脂組成物の製造に用いる含フッ素ゴム(C)の種類は、上述したものと同じである。また、含フッ素ゴム(C)は、市販のものを用いてもよく、また、各種原料化合物から公知の方法により製造してもよい。含フッ素ゴム(C)は、市販の「AFLAS150C」(旭硝子社製)が好ましい。
[溶融混錬物]
本発明の溶融混練物は、溶融成形可能な含フッ素樹脂(A)を含有するフッ素樹脂組成物を溶融混練して得られる。
<溶融混錬>
溶融混練には、種々の混練機が使用できるが、押出機を用いるのが好ましい。混練押出機のスクリューとしては、単軸のスクリュータイプ、二軸スクリュータイプ等が挙げられる。
溶融混練温度は、溶融成形可能な含フッ素樹脂(A)及び化合物(B)の種類に応じて適宜設定できる。例えば、(含フッ素樹脂(A)の融点+20℃)〜(含フッ素樹脂(A)の融点+150℃)の温度で溶融混練が行われる。具体的には、400℃以下で溶融混練が行われる。溶融混練温度の範囲は、200〜380℃が好ましく、220〜360℃がより好ましい。前記範囲内であれば含フッ素樹脂(A)と化合物(B)から得られるフッ素樹脂組成物の分散性が増し、一方で前記下限値より低いと、分散性が低下しやすくなる。また、前記上限値より高いと、化合物(B)が熱によって分解し、得られる成形品に発泡や着色が入りやすくなる。
混練押出機での滞留時間は、10秒以上30分以下が好ましい。スクリュー回転数は、二軸押出機の場合は50rpm以上1500rpm以下が好ましく、単軸の押出機である場合は10rpm以上200rpm未満が好ましい。
原料の投入は、含フッ素樹脂(A)と化合物(B)のプリブレンドを押出機のホッパーから投入するか、あるいは化合物(B)を例えばサイドフィーダー、ホッパー等を用いて押出機のシリンダーへ直接投入し、溶融混錬し、得られたペレットを押し出し成形してもよいし、又はペレット化を経由せず直線サイドフィーダー、ホッパー等から原料を投入し、押し出し成形してもよい。
また、含フッ素樹脂(A)と化合物(B)を押出機へ投入するとき、含フッ素樹脂(A)で化合物(B)を希釈したマスターバッチと含フッ素樹脂(A)と押出機で溶融混錬してもよい。微量の化合物(B)を投入するときには、マスターバッチを作成することによって含フッ素樹脂(A)と化合物(B)の投入量のばらつきが抑えられ、精度よく任意の体積分量で混合することが可能となる。
[成形品]
成形品としては、射出成形品、押し出し成形品、ブロー成形品、プレス成形、トランスファ成形及びカレンダー成形等により得られる成形品が挙げられる。
具体的には、フィルム、電線用被覆材、摺動部材、ギア部材、電子部材、医療器具部材等が挙げられる。中でも、近年、自動車電線等の電線は、温度等の使用環境がより苛酷である一方で軽量化がさらに図られており、耐熱性及び耐ストレスクラック性が高い電線用被覆材が望まれていることから、本発明のフッ素樹脂組成物を電線用被覆材の原料として用いるのが好ましい。
なお、電線用被覆材として用いられる場合、本発明の成形品は芯線を覆うように形成される。また、電線用被覆材は、上記で説明した溶融混錬と押し出し成形を一連のプロセスで行うことができる。例えば、含フッ素樹脂(A)及び化合物(B)、並びに必要により含フッ素樹脂(C)及びその他の成分をホッパー又はフィーダーに投入した後、溶融混錬しつつ、成形品を得る方法が挙げられる。
[本発明による作用効果]
本発明のフッ素樹脂組成物は、耐熱性、耐ストレスクラック性に優れる。そのメカニズムは、以下のように推定される。
一般に、含フッ素樹脂は、分子内の主鎖中にフッ素を有することにより炭素間の結合エネルギーが高くなり耐熱性等に優れる。しかし、含フッ素樹脂の各分子の末端には、−OH、−COOH、−COF等の不安定末端があり、これが耐熱性を低下させていると考えられる。本発明においては、化合物(B)が、含フッ素樹脂(A)の各分子の不安定末端に結合し、含フッ素樹脂(A)の安定性を向上させ、耐熱性を向上させ、さらに、耐ストレスクラック性をも向上させていると推定される。
また、本発明のフッ素樹脂組成物は、含フッ素樹脂(A)がカルボニル基を有し、溶融可能である場合、さらに耐熱性、耐ストレスクラック性に優れる。これは、含フッ素樹脂(A)のカルボニル基と化合物(B)のアミノ基とが反応して、分子同士が網目構造を形成することによるものと考えられる。
さらに、化合物(B)が含フッ素樹脂(A)に結合する際に生じる熱やせん断によって分子内で結合開裂が起こり、それにより生じるラジカル又はイオン等の活性種が化合物(B)に結合することで、網目構造の形成が促進すると推定される。
本発明によれば、従来技術において行われていた紫外線や電子線等を照射する反応プロセスを必要としない。そのため、本発明では、例えば電子線照射によって分子鎖が分解することによってもたらされる樹脂の物性低下等を生じない。
また、本発明における化合物(B)は、架橋剤としての機能も有するが、一般的な架橋剤のように耐熱性を損ねることがない。一般的な架橋剤は炭素−炭素二重結合等の熱に弱い構造部を有する場合が多い。そのため、未反応の架橋剤が熱劣化の起点となり、得られた成形品においても着色、発泡等を引き起こすことがある。一方、本発明の化合物(B)は、炭素−炭素二重結合のような耐熱性を低下させる要因となる構造を有しないため、本発明のフッ素樹脂組成物は耐熱性に優れたものとなる。
したがって、本発明によれば、これらのメカニズム等に基づき、高い弾性率を有し、かつ、耐熱性及び耐ストレスクラック性に優れたフッ素樹脂組成物、溶融混練物、電線、溶融混練物の製造方法、及び電線用被覆材の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<評価方法>
共重合体の組成、融点、貯蔵弾性率、耐摩耗性、熱分解点、MFR、溶融粘度比は、以下の方法により測定した。
(共重合体の組成)
含フッ素樹脂の組成は、溶融NMR分析、フッ素含有量分析、及び赤外吸収スペクトル分析により測定したデータから算出した。
(融点)
樹脂又は組成物の融点(Tm)は、熱分析装置「EXSTAR DSC7020」(セイコーインスツル社製)を用いて、10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点とすることにより求めた。
(貯蔵弾性率)
貯蔵弾性率(MPa)は、以下の手順で求めた。
各実験例のプレス成形品から長さ30mm、幅5mm、厚み0.25±0.05mmのサンプル片を作製した。該サンプル片の貯蔵弾性率を、動的粘弾性装置「DMS6100」(セイコーインスツル社製)を用いて測定した。引っ張りモード、周波数1Hzの条件で、2℃/分で昇温して23℃における貯蔵弾性率を測定した。
(耐摩耗性)
長さ80mm、幅80mm、厚み1.00±0.05mmのプレス成形品から、長さ40mm、幅40mm、厚み1.00±0.05mmの板状サンプル試験片を作製した。
該板状サンプル試験片について、回転式摩擦摩耗試験機を用いてJIS−K−7218に準拠した試験方法によって、耐摩耗性を評価した。具体的には、対金属(SMC45、2cm)、荷重10kgf、速度0.5m/秒で24時間摺動試験を行い、試験後の摩耗量(cm)を測定することにより行った。
(熱分解点)
各実施例、比較例及び実験例の混練物10mgについて、示差熱熱重量同時測定装置「TG/DTA7200」(セイコーインスツル社製)を用い、昇温スピード10℃/分の条件で、熱分解点を測定した。本実施例では、フッ素樹脂組成物が、1質量%減少時、5質量%減少時、10質量%減少時、又は60質量%減少時の温度(℃)を測定した。
(MFR)
造粒物又は混練物5gを用いて、「メルトインデクサー」(タカラサーミスタ社製)により、297℃又は372℃で、5kg荷重の条件下で、直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に流出する質量(g)を測定することで、MFRを求めた。樹脂を十分に溶融させるため、シリンダー内で各測定温度にて5分間滞留させた後に測定を行った。なお、造粒物が複数種の含フッ素樹脂を混在したものである場合は、その混在した造粒物を用いて測定した。
MFRは、樹脂成分の分子量の目安として、MFRが大きければ分子量が小さく、MFRが小さければ分子量が大きいことを表す。
(溶融粘度比)
溶融粘度比は、「混練物のMFR/造粒物のMFR」により算出した。両MFRは、同一条件下で測定したものである。
耐熱老化試験及び耐ストレスクラック性試験は、以下の手順により行った。
(耐熱老化試験)
長さ210mm、幅210mm、厚み1.00±0.05mmのプレス成形品から、JIS K6301の3号ダンベル片(厚み1mm)を打ち抜きし、これをギヤオーブン(強制循環形空気加熱老化試験機)(東洋精機社製)に投入し、熱暴露処理を実施した。温度設定は200℃とした。
投入後、1008時間熱処理してから、得られたサンプルを用いて温度23±2℃、湿度50%±10%に制御された恒温、恒湿環境下において、ストログラフ(東洋精機社製)を用いて、標線間距離20mm、引張り速度200m/分の条件で引張り強度試験を行った。サンプルが破断したときの強度を引張り強度(MPa)とした。強度保持率は、熱処理前に対する熱処理後の引張り強度を百分率により算出した。強度保持率が高いほど、強度に優れていることを意味する。
(耐ストレスクラック性試験)
押出機(アイ・ケー・ジー社製、MS30−25)、スクリュー(IKG社製、フルフライト、L/D=24、φ30mm)、電線ダイスクロスヘッド(ユニテック社製、最大導体径3mm、最大ダイス穴径20mm)、電線引き取り機(聖製作所社製)、巻き取り機(聖製作所社製)を用いて、実施例又は比較例で得られた混練物と芯線(安田工業社製、スズめっき銅練り線、直径:1.8 mm、構成:37/0.26 mm(1層:右撚7本、2層:左撚12本、3層:右撚18本))から、被覆厚み0.5mm、電線径φ2.8mmの電線を製造した。上記電線を5℃刻みの所定温度で96時間アニール処理し、その後室温で一晩安置した。次いで、電線を電線自体に8巻き以上巻き付け(自己径巻きつけ)、電線サンプルを作製した。
電線サンプルをギヤオーブンで200℃、1時間熱処理し、クラックの有無を確認した。サンプル数は5個とした。
5個すべての電線サンプルにクラックが発生する最低アニール温度(T1)と、5個すべての電線サンプルにクラックが発生しない最高アニール温度(T2)から、下記式に基づいて、ストレスクラック温度(Tb)を算出した。
Tb=T1−ΔT(S/100−1/2)
Tb:ストレスクラック温度
T1:全成形体試料にクラックが発生する最低アニール温度
ΔT:アニール温度の間隔(5℃)
S:全成形体試料にクラックが発生しない最高アニール温度(T2)から全成形体試料にクラックが発生する最低アニール温度(T1)までの各温度におけるクラックの発生確率(50%発生の時は、0.5)の総和。
ストレスクラック温度とは、上記の実験で求めた、電線サンプルの50%が割れるアニール温度である。ストレスクラック温度が高いほど、耐ストレスクラック性が高いことを意味する。
<原料> 本実施例で使用した化合物(B)を、以下に記載する。
(B)−1:ポリリン酸メラミン・メラム・メレム「ホスメル200Fine」(日産化学社製)、比重=1.81
(B)−2:メラミンシアヌレート(日産化学社製)、比重=1.52
(B)−3:下式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物(四国化成社製)
Figure 2015034278
<製造例1>
以下のようにして、含フッ素樹脂(A−1)、及びその造粒物(A−1)を得た。
まず、430Lの重合槽に、CF(CFH(旭硝子社製)を418.2kg、(パーフルオロブチル)エチレン(旭硝子社製)を2.12kg、メタノール(関東化学社製)を3.4kg入れた。
重合槽内を、66℃に昇温し、モノマー混合ガス(TFE:E(モル比)=84:16)を重合槽内に送り込むことで1.5MPa/G まで昇圧した。
重合開始剤として50質量%tert−ブチルペルオキシピバレートのCF(CFH溶液の26gとCF(CFHの4974gを混合した溶液を重合槽内に送り込み、重合を開始した。
重合中は、重合槽内の圧力が一定になるように、TFE(旭硝子社製)とE(エア・ウォーター社製)のモノマー混合ガス(TFE:E=54:46)を、重合槽内に連続的に送り込んだ。同時に、該モノマー混合ガスのTFEとEの合計モル数を100モル%とした場合に、1.4モル%の(パーフルオロブチル)エチレンを、重合槽内に送り込んだ。
重合開始後、34kgのモノマー混合ガスを送り込んだ時点で、重合槽内を室温まで降温し、常圧まで降圧し、スラリ状の含フッ素樹脂(A−1)を得た。
造粒は、造粒機(野口鉄鋼所製)を用いて行った。
850Lの造粒槽に340kgの水を用意し、撹拌しながら110℃まで昇温した。前記スラリ状の含フッ素樹脂(A−1)を該水に添加し、溶媒を留出除去しながら造粒した。
150℃で15時間乾燥し、35kgの含フッ素樹脂(A−1)の造粒物(A−1)を得た。
含フッ素樹脂(A−1)の比重は、1.73であった。
含フッ素樹脂(A−1)の共重合組成は、(TFEに基づく構成単位):(Eに基づく構成単位):((パーフルオロブチル)エチレンに基づく構成単位)=54.3:44.2:1.5(モル比)であった。
含フッ素樹脂(A−1)の融点は、257℃であった。
含フッ素樹脂(A−1) のMFRは、297℃の測定温度で30.4g/10分であった。
(実施例1〜6)
ラボプラストミル混錬機(東洋精機社製)を用いて、各成分を表1で示すような混合比(体積%)で、混練温度270℃、スクリュー回転数30rpmで、10分間溶融混錬し、混練物を作製した。該混練物の熱分解点を測定した。また、上述の評価方法に従って、耐熱老化試験耐及びストレスクラック性試験も行った。
(比較例1)
比較例1においては、化合物(B)を用いず、含フッ素樹脂(A−1)を単体で用いた以外は、実施例1〜6と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、混練物の熱分解点を、実施例1〜6と同様に測定した。また、上述の評価方法に従って、耐熱老化試験耐及びストレスクラック性試験も行った。
上述の実施例1〜6及び比較例1における測定結果を、以下の表1に示す。なお、表1中の「ND」は、データなしを意味する。
Figure 2015034278
表1は、実施例1〜6の混練物が、比較例1の混練物に比べ、熱分解点が高く、耐熱性に優れていることを示す。
表1は、実施例1〜4のプレス成形品が、比較例1のプレス成形品に比べ、熱処理に対する強度保持率が高く、耐熱性に優れていることを示す。
表1は、実施例1〜4の混練物を用いて作製した電線サンプルが、比較例1の混練物を用いて作製したサンプルに比べ、ストレスクラック温度が高いことを示す。
<製造例2>
以下のようにして、含フッ素樹脂(A−2)、及びその造粒物(A−2)を得た。
まず、内容積が430リットルの撹拌機付き重合槽を脱気し、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン(旭硝子社製)を37.2kg、AK225cbを49.5kg、HFPを122kg、CH=CH(CFFを1.31kg入れた。
重合槽内を、66℃に昇温し、モノマー混合ガス(TFE:E(モル比)=89:11)を重合槽内に送り込むことで1.5MPa/G まで昇圧した。
重合開始剤として2.5Lの2質量%tert−ブチルペルオキシピバレートの1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液とCF(CFHの4974gを混合した溶液を仕込み、重合を開始させた。
重合中は、重合槽内の圧力が一定になるように、TFE(旭硝子社製)とE(エア・ウォーター社製)のモノマー混合ガス(TFE:E=54:46)を、重合槽内に連続的に送り込んだ。同時に、該モノマー混合ガスのTFEとEの合計モル数を100モル%とした場合に、1モル%のCH=CH(CFFと0.4モル%のIAHを、重合槽内に送り込んだ。
重合開始9.3時間後、モノマー混合ガスの29kgを仕込んだ時点で、重合槽内を室温まで降温し、常圧まで降圧し、スラリ状の含フッ素樹脂(A−2)を得た。
造粒は、造粒機(野口鉄鋼所製)を用いて行った。
860Lの造粒槽に300kgの水を用意し、撹拌しながら105℃まで昇温した。前記スラリ状の含フッ素樹脂(A−2)を該水に添加し、溶媒を留出除去しながら造粒した。
150℃で15時間乾燥し、33.2kgの含フッ素樹脂(A−2)の造粒物(A−2)を得た。
含フッ素樹脂(A−2)の比重は、1.7であった。
含フッ素樹脂(A−2)の共重合組成は、(TFEに基づく構成単位):(HFPに基づく構成単位):(CH=CH(CFFに基づく構成単位):(IAHに基づく構成単位):(Eに基づく構成単位)の比が、46.2:9.4:1.0:0.4:43.0(モル比)であった。
含フッ素樹脂(A−2)の融点は、183℃であった。
(実施例7)
ラボプラストミル混錬機(東洋精機社製)を用いて、各成分を表2で示すような混合比(体積%)で、混練温度270℃、スクリュー回転数30rpmで、10分間溶融混錬し、混練物を作製した。該混練物の熱分解点を測定した。
(比較例2)
比較例2においては、化合物(B)を用いず、含フッ素樹脂(A−2)を単体で用いた以外は、実施例7と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、混練物の熱分解点を、実施例7と同様に測定した。
(実施例8)
含フッ素樹脂として、旭硝子社製LM−730APを用いる以外は、上記実施例7と同様に、混練物を作製し、該混練物の熱分解点を測定した。
(比較例3)
含フッ素樹脂として、旭硝子社製LM−730APを用いる以外は、上記比較例2と同様に、混練物を作製し、該混練物の熱分解点を測定した。
(実施例9)
ラボプラストミル混錬機(東洋精機社製)を用いて、含フッ素樹脂として旭硝子社製LM−730AP、含フッ素ゴムとして旭硝子社製AFLAS−150C、(B)−1を表2で示すような混合比(体積比%)で、混練温度240℃、スクリュー回転数100rpmで、6分間溶融混錬し、混練物を作製した。該混練物の熱分解点を測定した。
(比較例4)
含フッ素樹脂として、含フッ素樹脂として旭硝子社製LM−730AP、含フッ素ゴムとして旭硝子社製AFLAS−150Cを用いる以外は、上記実施例9と同様に、混練物を作製し、該混練物の熱分解点を測定した。
上述の実施例7〜9及び比較例2〜4における測定結果を、以下の表2に示す。
Figure 2015034278
表2は、実施例7〜9の混練物が、それぞれ比較例2〜4の混練物に比べ、熱分解点が高く、耐熱性に優れていることを示す。
<製造例3>
TFE(上記構成単位(a)のモノマー)、IAH(上記構成単位(b)のモノマー)、CH=CH(CFF(上記構成単位(c)のモノマー)及びE(上記構成単位(d)のモノマー)を、以下のように重合して、本発明の含フッ素樹脂(A)に相当する含フッ素樹脂共重合体を得た。
まず、100Lの重合槽に、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン(旭硝子社製)を71.3kg、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン「AK225cb」(旭硝子社製)を20.4kg、CH=CH(CFF(旭硝子社製)を562g、IAH(中央化成社製)を4.45g入れた。重合槽内を、66℃に昇温し、モノマー混合ガス(TFE:E(モル比)=89:11)を重合槽内に送り込むことで1.5MPa/G まで昇圧した。
重合開始剤として1Lの0.7%tert−ブチルペルオキシピバレート/ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液を重合槽内に送り込み、重合を開始した。
重合中は、重合槽内の圧力が一定になるように、TFE(旭硝子社製)とE(エア・ウォーター社製)のモノマー混合ガス(TFE:E=59.5:40.5)を、重合槽内に連続的に送り込んだ。同時に、該モノマー混合ガスのTFEとEの合計モル数を100モル%とした場合に、3.3モル%のCH=CH(CFFと、0.8モル%のIAHを、重合槽内に送り込んだ。
重合開始9.9時間後、7.28kgのモノマー混合ガスを送り込んだ時点で、重合槽内を室温まで降温し、常圧まで降圧し、スラリ状の含フッ素樹脂(A−3)を得た。
造粒は、造粒機(野口鉄鋼所製)を用いて行った。
200Lの造粒槽に77kgの水を用意し、撹拌しながら105℃まで昇温した。前記スラリ状の含フッ素樹脂(A−3)を該水に添加し、溶媒を留出除去しながら造粒した。
150℃で15時間乾燥し、6.9kgの含フッ素樹脂(A−3)の造粒物(A−3)を得た。
含フッ素樹脂(A−3)の比重は、1.7であった。
含フッ素樹脂(A−3)の共重合組成は、(TFEに基づく構成単位):(IAHに基づく構成単位):(CH=CH(CFFに基づく構成単位):(Eに基づく構成単位)=57.4:0.48:43.5:38.6(モル比)であった。
含フッ素樹脂(A−3)の融点は、243℃であった。
含フッ素樹脂(A−3) のMFRは、297℃の測定温度で24.3g/10分であった。
<製造例4>
IAHを使用しない以外は、上述の製造例3と同様の方法で、ETFE(1)、及びその造粒物(1)を作製した。
ETFE(1)の比重は、1.7であった。
ETFE(1)の共重合組成は、(TFEに基づく構成単位):(Eに基づく構成単位):(CH=CH(CFFに基づく構成単位)=58.3:39.4:3.4(モル比)であった。
ETFE(1)の融点は、243℃であった。
ETFE(1)のMFRは、297℃の測定温度で22.8/10分であった。
(実験例1〜7)
ラボプラストミル混錬機(東洋精機社製)を用いて、各成分を表3で示すような混合比(体積%)で、混練温度270℃、スクリュー回転数30rpmで、10分間溶融混錬し、混練物を作製した。該混練物のMFRを297℃の温度条件下で測定した。また、該混練物の熱分解点も測定した。
次に、得られた混練物から、メルト熱プレス機「ホットプレス二連式」(テスター産業社製)を用いて、270℃、10MPa、プレス時間5分の条件下で、80mm×80mm×0.25mm±0.05のプレス成形品を得た。該プレス成形品からサンプル片を得て、23℃における貯蔵弾性率、摩耗量を測定した。
(実験例8)
含フッ素樹脂(A):化合物(B)を50:50とした以外は、実験例1〜7と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、摩耗量、MFR、溶融粘度比も、実験例1〜7と同様に測定した。
なお、該プレス成形品は、プレス成形時シートの形状が安定せず、すなわち、成形不良を生じたため、貯蔵弾性率を測定できなかった。
(実験例9,10)
実験例9,10においては、化合物(B)を用いず、含フッ素樹脂(A−3)又はETFE(1)のいずれかを単体で用いた以外は、実験例1〜7と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、貯蔵弾性率、摩耗量、MFR、溶融粘度比を、実験例1〜7と同様に測定した。実験例9については、熱分解点も測定した。
(実験例11)
ETFE(1)と化合物(B)を表3に示す比率で用いた以外は、実験例1〜7と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、MFR、摩耗量、溶融粘度比を、実験例1〜7と同様に測定した。
上述の実験例1〜11における測定結果を、以下の表3に示す。
Figure 2015034278
表3は、実験例1〜7のサンプル片が、実験例9〜11のプレス成形品に比較して、貯蔵弾性率が高いことを示す。
表3に示すように、摩耗量の測定において、実験例8〜11のサンプル片は摺動試験中に貫通してしまい、測定できなかった。一方、実験例1〜3,5,7のサンプル片は、貫通せず、耐摩耗性がより高いことが分かった。
表3は、実験例1〜5の混練物が、実験例9の混練物に比べ、熱分解点が高く、耐熱性に優れていることを示す。
表3は、実験例1〜7で得られた混練物が、実験例9〜11で得られた混練物に比較し、MFR値が低いことを示す。
表3は、実験例1〜7が、実験例11に比べ、溶融粘度比が低いことを示す。溶融粘度比が、0〜0.9の範囲にあれば、含フッ素樹脂(A)と化合物(B)とが、結合により網目構造を形成したことが示唆される。一般に、成分同士が網目構造を形成すると、フッ素樹脂組成物は、高い弾性率を示し、さらに、耐摩耗性、耐熱性に優れたものとなる。
以上の結果から、本発明のフッ素樹脂組成物のうちカルボニル基含有基を有し、溶融成形可能なものは、化合物(B)と混合すると、高い弾性率を有し、かつ、耐熱性及び耐摩耗性に優れたフッ素樹脂組成物となることが理解できる。
<製造例5>
本発明の含フッ素樹脂(A)に相当する、TFE(構成単位(a)のモノマー)、NAH(構成単位(b)のモノマー)、及びCF2=CFO(CFF(ペルフルオロプロピルビニルエーテル。以下、「PPVE」とも称する。)(構成単位(c)のモノマー)を、以下のように重合して、本発明の含フッ素樹脂(A)に相当する含フッ素樹脂(A−4)を得た。
まず、369kgの1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン「AK225cb」(旭硝子社製)(以下、「AK225cb」とも称する。)と、30kgのPPVE(旭硝子社製)とを予め脱気し、内容積430Lの重合槽に入れた。
重合槽内を、50℃に昇温し、TFEを重合槽内に送り込むことで0.89MPa/G まで昇圧した。
重合開始剤として、0.36質量%の(ペルフルオロブチリル)ペルオキシド/AK225cb溶液を、1分間に6.25mLの速度で合計3Lを重合槽内に送り込み、重合を行った。
重合中は、重合槽内を0.89MPa/Gに維持するため、TFE(旭硝子社製)を重合槽内に送り込んだ。同時に、該TFEを100モル%とした場合に、0.1モル%のNAH(日立化成社製)を重合槽内に送り込んだ。
重合開始8時間後、32kgのTFEを仕込んだ時点で、重合槽内を室温まで降温し、常圧まで降圧し、スラリ状の含フッ素樹脂(A−4)を得た。
得られたスラリをAK225cbと固液分離した後、150℃で15時間乾燥し、33kgの含フッ素樹脂(A−4)の造粒物(A−4)を得た。
以下、該造粒物を「PFA+NAH」と称する。
含フッ素樹脂(A−4)の比重は、2.15であった。
含フッ素樹脂(A−4)の共重合組成は、(TFEに基づく構成単位):(NAHに基づく構成単位):(PPVEに基づく構成単位)=97.9:0.1:2.0(モル比)であった。
含フッ素樹脂(A−4)の融点は、300℃であった。
含フッ素樹脂(A−4)のMFRは、測定温度372℃において17.2g/10分であった。
<製造例6>
NAHを使用しない以外は、上述の製造例5と同様の方法で造粒物を作製した。
以下、該造粒物をPFA(1)と称する。
PFA(1)の比重は、2.1であった。
PFA(1)の共重合組成は、(TFEに基づく構成単位):(PPVEに基づく構成単位)=98.5:1.5(モル比)であった。
PFA(1)の融点は、297℃であった。
PFA(1)のMFRは、測定温度372℃において15.4g/10分であった。
(実験例12〜16)
ラボプラストミル混錬機(東洋精機社製)を用いて、各成分を表4で示すような混合比(体積%)で、混練温度330℃、スクリュー回転数30rpmで、10分間溶融混錬し、混練物を作製した。該混練物のMFRを、372℃の温度条件下で測定した。
次に、得られた混練物から、メルト熱プレス機「ホットプレス二連式」(テスター産業社製)を用いて、330℃、10MPa、プレス時間5分の条件下で、80mm×80mm×0.25mm±0.05のプレス成形品を得た。該プレス成形品からサンプル片を得て、23℃における貯蔵弾性率、摩耗量を測定した。
(実験例17,18)
化合物(B)を用いず、含フッ素樹脂(A−4)又はPFA(1)のいずれかを単体で用いた以外は、実験例12〜16と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、貯蔵弾性率、摩耗量、MFR、溶融粘度比を、実験例12〜16と同様に測定した。
(実験例19,20)
PFA(1)と化合物化合物(B)を表4に示す比率で用いた以外は、実験例12〜16と同様に混練物を作製し、プレス成形品を得た。また、貯蔵弾性率、摩耗量、MFR、溶融粘度比を、実験例12〜16と同様に測定した。
上述の実験例12〜20における測定結果を、以下の表4に示す。
Figure 2015034278
表4は、実験例12〜16のサンプル片が、実験例17〜19のサンプル片に比較して、貯蔵弾性率が高いことを示す。
表4は、実験例13〜15のサンプル片が、実験例17,18,20のサンプル片に比較して、摩耗性に優れていることを示す。
表4は、実験例12〜16で得られた混練物が、実験例17〜20で得られた混練物に比較し、MFR値が低いことを示す。
表4は、実験例12〜16が、実験例17〜20に比べ、溶融粘度比が低いことを示す。
以上の結果から、本発明のフッ素樹脂組成物のうちカルボニル基含有基を有し、溶融成形可能なものは、化合物(B)と混合すると、高い弾性率を有し、かつ、耐熱性及び耐摩耗性に優れたフッ素樹脂組成物となることが理解できる。
本発明によれば、電線用被覆材、チューブ材をはじめとする各種押し出し成形品、軸受け、歯車、電子機器、スペーサー、ローラー、カム等の射出成形品等、その他様々な用途の含フッ素樹脂を含有する成形品に有用な材料を提供することができる。特に、電線用被覆材として用いた場合に、本発明による耐熱性及び耐ストレスクラック性等の特性を享受できる。

Claims (12)

  1. 含フッ素樹脂(A)と、メラミン、メラム、メレム及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを含有し、前記含フッ素樹脂(A)と前記化合物(B)の体積比((A):(B))が99.999:0.001〜60:40である、フッ素樹脂組成物。
  2. 前記含フッ素樹脂(A)がカルボニル基含有基及びエポキシ基のいずれか一方又は両方を有する、請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
  3. 前記カルボニル基含有基及びエポキシ基の合計含有量が、前記含フッ素樹脂(A)の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個である、請求項2に記載のフッ素樹脂組成物。
  4. 前記含フッ素樹脂(A)が、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボニルフルオリド基、オキシカルボニルオキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボニル基含有基を有する、請求項2又は3に記載のフッ素樹脂組成物。
  5. 前記化合物(B)が、ポリリン酸塩及びシアヌル酸塩のうちいずれか一方又は両方である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ素樹脂組成物。
  6. 前記含フッ素樹脂(A)が溶融成形可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフッ素樹脂組成物。
  7. 前記含フッ素樹脂(A)が、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方に基づく構成単位(a)、カルボキシ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方を有する炭化水素モノマーに基づく構成単位(b)、並びにフッ素モノマー(ただし、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンを除く。)に基づく構成単位(c)を含有し、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)の合計モル量に対して、構成単位(a)が50〜99.89モル%であり、構成単位(b)が0.01〜5モル%であり、構成単位(c)が0.1〜49.99モル%である、請求項6に記載のフッ素樹脂組成物。
  8. さらに、含フッ素ゴム(C)を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフッ素樹脂組成物。
  9. 請求項6又は7に記載のフッ素樹脂組成物を溶融混練してなる溶融混練物。
  10. 芯線とそれを被覆する電線用被覆材とを備え、前記電線用被覆材が請求項9に記載の溶融混練物からなる電線。
  11. 請求項6又は7に記載のフッ素樹脂組成物を、(前記含フッ素樹脂(A)の融点+20℃)〜(前記含フッ素樹脂(A)の融点+150℃)の温度で、0.5〜10分間、溶融混練することを特徴とする、溶融混練物の製造方法。
  12. 請求項6又は7に記載のフッ素樹脂組成物を、400℃以下で溶融混練することを特徴とする、電線用被覆材の製造方法。
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