JP2015032486A - プラズマ処理装置、プラズマ処理方法、接着方法および複合構造体 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ処理方法、接着方法および複合構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2015032486A
JP2015032486A JP2013161776A JP2013161776A JP2015032486A JP 2015032486 A JP2015032486 A JP 2015032486A JP 2013161776 A JP2013161776 A JP 2013161776A JP 2013161776 A JP2013161776 A JP 2013161776A JP 2015032486 A JP2015032486 A JP 2015032486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atmospheric pressure
discharge
plasma
vent
processing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013161776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6066859B2 (ja
Inventor
学 生沼
Manabu Oinuma
学 生沼
保博 中村
Yasuhiro Nakamura
保博 中村
稲永 康隆
Yasutaka Inanaga
康隆 稲永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013161776A priority Critical patent/JP6066859B2/ja
Publication of JP2015032486A publication Critical patent/JP2015032486A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6066859B2 publication Critical patent/JP6066859B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Cleaning In General (AREA)

Abstract

【課題】表面処理性能の低下および表面処理の不均一化を抑制するとともに、ランニングコストを低減させることができるプラズマ処理装置を得る。
【解決手段】処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向についてスリット211よりも前方に設けられた吐出口411、この移動方向についてスリット211よりも後方に設けられた吸引口412および吐出口411と吸引口412とを連通する還流風路413が形成された還流配管41と、吸引口412から還流風路413に放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスが吐出口411から放電ガスが吐出されるように還流風路413に放電ガスの流れを発生させるファン42とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、大気圧放電によって生じた放電ガスを処理体に照射するプラズマ処理装置、プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法、プラズマ処理方法によってプラズマ処理された処理体に被接着部材を接着する接着方法およびプラズマ処理方法によってプラズマ処理された処理体に被接着部材が接着された複合構造体に関する。
近年、処理体の表面の洗浄または処理体の表面における接着性の改善などを目的として、大気圧プラズマ処理の利用が広がっている。中でも、大気圧放電によって発生した活性粒子を含む放電ガスを用いる、いわゆるリモート式大気圧プラズマ処理は、処理体における形状の制約が小さく、インライン処理への適用が容易であることから注目されている。
従来、大気圧放電によって放電ガスを生成し、生成した放電ガスを処理体に照射する大気圧プラズマユニットと、大気圧プラズマユニットを挟むように配置されたガス噴出口を有するガス噴出装置と、大気圧プラズマユニットを挟むように配置されたガス排出口を有するガス排出装置とを備えたプラズマ処理装置が知られている。大気圧プラズマユニットが放電ガスを処理体に照射する際に、ガス噴出装置は、プラズマ処理に影響を与えないガスを噴出し、ガス排出装置は、大気圧プラズマユニットから噴出された放電ガスおよびガス噴出装置から噴出されたガスを吸引して排出する。ガス噴出装置から噴出されるガスによって、ガス流のカーテンが形成され、このカーテンによって、大気圧プラズマユニットと処理体との間のプラズマ処理空間が外部の空気から遮断される。これにより、空気中の酸素分子がプラズマ処理空間に入ることによって発生する表面処理性能の低下および表面処理の不均一化を抑制することができる。
特開2008−78094号公報
しかしながら、プラズマ処理空間を外部の空気から遮断するために、ガス噴出装置およびガス排出装置を備えなければならず、ガス消費量が増加し、ランニングコストが増大してしまうという問題点があった。
この発明は、表面処理性能の低下および表面処理の不均一化を抑制するとともに、ランニングコストを低減させることができるプラズマ処理装置、プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法、プラズマ処理方法によってプラズマ処理された処理体に被接着部材を接着する接着方法およびプラズマ処理方法によってプラズマ処理された処理体に被接着部材が接着された複合構造体を提供するものである。
この発明に係るプラズマ処理装置は、接地電極と、接地電極との間に隙間が形成されて対向配置された電極とを有し、噴出口が形成され、電極に電圧が印加されることによって隙間に大気圧放電を発生させる大気圧プラズマユニットを備え、不活性ガスと酸素とを含む放電供給ガスが隙間に供給された状態で大気圧放電を発生させることによって活性粒子を含む放電ガスが生成され、放電ガスが噴出口から噴出されて処理体に照射されるとともに、処理体に沿った方向に処理体に対する大気圧プラズマユニットの相対位置を変化させることによって、処理体の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、処理体に対する大気圧プラズマユニットの移動方向について噴出口よりも前方に設けられた第1通気口、移動方向について噴出口よりも後方に設けられた第2通気口および第1通気口と第2通気口とを連通する還流風路が形成された還流配管と、第2通気口から還流風路に放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスが第1通気口から放電ガスが吐出されるように還流風路に放電ガスの流れを発生させる送風装置とを備えている。
この発明に係るプラズマ処理装置によれば、処理体に対する大気圧プラズマユニットの移動方向について噴出口よりも前方に設けられた第1通気口、移動方向について噴出口よりも後方に設けられた第2通気口および第1通気口と第2通気口とを連通する還流風路が形成された還流配管と、第2通気口から還流風路に放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスが第1通気口から放電ガスが吐出されるように還流風路に放電ガスの流れを発生させる送風装置とを備えているので、放電ガスを用いて、大気圧プラズマユニットと処理体との間のプラズマ処理空間を外部の空気から遮断することができる。これにより、表面処理性能の低下および表面処理の不均一化を抑制するとともに、ランニングコストを低減させることができる。
この発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 原子状酸素の数密度の減衰速度と雰囲気中の酸素濃度との関係を示すグラフである。 図1のプラズマ処理装置が動作している状態を示す断面図である。 図1のプラズマ処理装置における還流流量が9L/minの場合の酸素濃度の測定結果を示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係るプラズマ処理装置の接地電極を底面側から見た斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るプラズマ処理装置の大気圧プラズマユニットおよび還流装置を底面側から見た斜視図である。 この発明の実施の形態4に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態5に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 図8の大気圧プラズマユニットの移動方向を反転させた状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態6に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態7に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態8に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態9に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態10に係るプラズマ処理装置の接地電極を底面側から見た斜視図である。 この発明の実施の形態11に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。図において、プラズマ処理装置は、処理体1に放電ガスを照射する大気圧プラズマユニット2と、処理体1を搬送する搬送装置3と、大気圧プラズマユニット2から照射された放電ガスを吸引して処理体1に吐出する還流装置4とを備えている。
大気圧プラズマユニット2は、板形状の接地電極21と、接地電極21との間に隙間100が形成されて対向配置された高圧電極(電極)22と、ガス供給口231が形成され、接地電極21とともに高圧電極22を覆う筐体23と、基端部に第1配管部241および第2配管部242を有し、先端部がガス供給口231に接続された配管24と、第1配管部241に設けられた第1流量調節器25と、第2配管部242に設けられた第2流量調節器26と、高圧電極22に電気的に接続された高圧電源27とを有している。
高圧電極22は、誘電体221と、誘電体221の内部に設けられた導電層222とを含んでいる。導電層222は、高圧電源27と電気的に接続されている。接地電極21は、筐体23と電気的に接続され、かつ、接地されている。
搬送装置3は、搬送装置3と高圧電極22との間に接地電極21が配置されるように、接地電極21に対向して配置されている。搬送装置3は、搬送装置3と接地電極21との間に処理体1が配置されるように、処理体1を支持する。搬送装置3は、処理体1に沿った方向に大気圧プラズマユニット2に対して処理体1を移動させる。図1では、搬送装置3は、矢印Aの方向に処理体1を移動させる。
処理体1は、表面の全域に渡って凹凸部が形成されている。処理体1は、凹凸部が大気圧プラズマユニット2に対向するように、搬送装置3に支持される。つまり、処理体1の凹凸部が処理対象となっている。
第1配管部241には、窒素ガスタンク(図示せず)から窒素ガス(不活性ガス)が供給されるようになっている。第2配管部242には、酸素ガスタンク(図示せず)から酸素ガスが供給されるようになっている。配管24では、窒素ガスと酸素ガスとが混合されて、酸素濃度が100ppm程度の放電供給ガスが生成される。配管24で製造された放電供給ガスは、ガス供給口231から筐体23の内部に供給される。
接地電極21には、接地電極21の厚さ方向に貫通する長方形型のスリット(噴出口)211が形成されている。スリット211は、接地電極21の厚さ方向に見た場合に処理体1の搬送方向に対して垂直な方向に延びるように形成されている。つまり、スリット211は、図1の奥行方向に延びて形成されている。
還流装置4は、筐体23の外周に設けられた還流配管41と、還流配管41に設けられたファン42(送風装置)とを有している。還流配管41には、大気圧プラズマユニット2に対する処理体1の移動方向について大気圧プラズマユニット2よりも後方に設けられた吐出口(第1通気口)411、大気圧プラズマユニット2に対する処理体1の移動方向について大気圧プラズマユニット2よりも前方に設けられた吸引口(第2通気口)412および吐出口411と吸引口412とを連通する還流風路413が形成されている。つまり、吐出口411は、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向について大気圧プラズマユニット2よりも前方に設けられ、吸引口412は、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向について大気圧プラズマユニット2よりも後方に設けられている。吐出口411および吸引口412は、接地電極21における搬送装置3側の面、つまり、接地電極21の底面とほぼ同一の面上に配置されている。
搬送装置3による処理体1の移動速度は、500cm/min程度以下となっている。これ以上の速度で処理体1が移動する場合には、処理体1と放電ガスとの接触時間が短くなってしまい、処理体1の表面処理を十分に行うことができなくなるためである。
接地電極21と処理体1との間の距離(以下、照射距離を記載)は、1cm程度以下となっている。照射距離が1cmを超える場合には、放電ガスにおけるほとんどの活性粒子は、処理体1に到達する前に消滅してしまうからである。これより、例えば、スリット211の長さが10cmの場合に、大気圧プラズマユニット2と処理体1との間に形成される照射クリアランス104(図3)の容積は、最大で5000cm/min程度となる。
放電供給ガスの流量は、十分な処理速度を得るために、1L/(min・cm)以上となっている。例えば、スリット211の長さが10cmの場合には、放電供給ガスの流量は、10L/(min・cm)、すなわち、10000cm/min以上となる。これにより、放電ガスの一部を還流させることによって、照射クリアランス104を低酸素濃度ガスで満たすことができる。実際には、拡散による空気の混入を防ぐために、照射クリアランス104の容積以上の流量を還流させることが望ましい。放電供給ガスの流量以上を還流すると、空気を吸い込むことになってしまうので、望ましくない。一般的な傾向として、還流流量をゼロから徐々に増加させていくと、照射クリアランス104の酸素濃度は低下し、ある流量の時に最低値となる。その後は、還流流量の増加にともなって逆に酸素濃度が増加する。酸素濃度が最低となる還流流量は、放電供給ガスの流量および照射距離など様々な条件に依存する。したがって、照射クリアランス104の酸素濃度を測定しながら、還流流量を調節し、最適条件を見出すことが望ましい。
次に、プラズマ処理装置の動作について説明する。窒素ガスが第1配管部241を通り、酸素ガスが第2配管部242を通ることによって、筐体23の内部に放電供給ガスが供給される。このとき、第1流量調節器25および第2流量調節器26は、放電供給ガスにおける酸素濃度が100ppm程度となるように、窒素ガスおよび酸素ガスの流量を調節する。
筐体23の内部に供給された放電供給ガスは、高圧電極22の外周面の外側を通った後、接地電極21と高圧電極22との間の隙間100およびスリット211の順に通り、筐体の23の外部に噴出される。ここで、高圧電源27を動作させ、導電層222に交流の高電圧を印加することによって、隙間100には、プラズマ(大気圧放電)101が形成される。プラズマ101の中では、様々な反応が生じるが、特に下記の式(1)の反応によって酸素の解離が生じ、活性粒子である原子状酸素を含む放電ガスが生成される。
+e → O+O+e (1)
搬送装置3が処理体1を移動方向に移動させることによって、原子状酸素が輸送場102を通って処理体1の表面に当たり、処理体1の表面の洗浄または改質が行われる。このとき、ファン42が駆動することによって、吸引口412から還流風路413に放電ガスが吸引され、還流風路413に吸引された放電ガスが吐出口411から吐出される。これにより、処理体1の凹凸部の底面まで効率的な表面処理が実現される。
一般に、輸送場102に酸素が存在する場合には、プラズマ101の中で生成された原子状酸素は、処理体1に到達するまでに、下記の式(2)の反応により、その一部が消滅する。
O+O+M → O+M (2)
上記の式(2)では、Oは、オゾンであり、Mは雰囲気に存在するあらゆる原子または分子を示す。上記の式(2)に示す反応では、原子状酸素が消滅し、オゾンが生成されるが、オゾンは原子状酸素と比較して、活性が低く、表面処理の効果が著しく小さい。また、上記の式(2)に示す反応の頻度は、酸素濃度に比例するので、輸送場102に酸素分子が多く存在すると、原子状酸素の多くが消滅してしまい、その結果、表面処理の効率が低下する。
この例では、大気圧とは、絶対圧が1/10気圧と5気圧との間の気圧を意味する。気圧が1/10気圧未満の場合、上記の式(2)の反応レートが低くなり、原子状酸素の輸送は容易となる。したがって、このプラズマ処理装置を適用するメリットが小さい。また、気圧が5気圧を超える場合、プラズマの形成に非常に高い電圧が必要となり、電源の大型化および絶縁設計の困難化に伴ってコストが著しく増加し、実用に適さなくなる。
輸送場102の酸素濃度をパラメータとして、原子状酸素数密度の消滅速度を計算した結果を図2に示す。なお、上記の式(2)における反応速度係数は、非特許文献(I A Kossyi,A Yu Kostinsky,A A Maveyev and V P Silakov, ”Kinetic Scheme of the non−equilibrium discharge in nitrogen−oxygen mixtures”, Plasma Sources Sci. Tecnol, 1(1992)207−220)から6.7×10−34(cm6/s)を用い、時間ゼロにおける原子状酸素数密度を1×1015(cm−3)とした。図2に示すように、輸送場102の酸素濃度の増加に伴って、原子状酸素の消滅速度が著しく増加することが分かる。特に、空気中(酸素濃度が約20%)においては、原子状酸素の寿命は、数十マイクロ秒であり、大気圧プラズマユニット2から照射されて処理体1に到達する前に原子状酸素の多くが消滅すると予測される。照射距離が予め設定された距離よりも離れている場合には、この影響が特に顕著となる。これが、従来装置では凹凸面の処理が効果的に行うことができない原因である。したがって、処理体1の凹凸面を効率的に処理するためには、輸送場102への空気の混入を抑制する必要がある。
上記特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、ガスカーテンを用いることによってこの問題が軽減されている。つまり、プラズマが吐出される吐出口の両側から窒素ガスなどの不活性ガスを噴出することによって、輸送場102への空気の入り込みを抑制し、結果的に、原子状酸素の消滅が抑制され、表面処理を効率的に実現される。しかしながら、上記特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、放電ガスを生成するガスとは別の不活性ガスを輸送場102に供給する必要があるので、ガスの使用量が増加し、ランニングコストの増大を招く。また、上記特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、ガス供給配管が2系統以上必要となるので、プラズマ処理装置の構成が複雑化してしまう問題がある。
この実施の形態1に係るプラズマ処理装置では、ガスの使用量が増加することなく、かつ、簡単な構成で、輸送場102への空気の混入を抑制し、処理体1の凹凸部に対して効率的なプラズマ処理が実現される。以下、この理由について説明する。
図3は図1のプラズマ処理装置が動作している状態を示す断面図である。図において、大気圧プラズマユニット2から放電ガスが処理体1に照射され(放電ガス噴出工程)、処理体1の表面に放電ガスが当った後、処理体1の移動(相対位置変化工程)にともなって、放電ガスも処理体1の移動方向に移動する。放電ガスは、窒素に100ppm程度の酸素が混合されたガスであるので、処理体1の移動方向について輸送場102よりも前方には、低酸素濃度ガス103の雰囲気が形成される。低酸素濃度ガス103は、ファン42の駆動によって吸引口412から吸引され、還流風路413を通った後に、吐出口411から吐出される(放電ガス還流工程)。処理体1の移動にともなって、処理体1の移動方向について大気圧プラズマユニットよりも後方側の外気(空気)が輸送場102に入り込もうとするものの、吐出口411から吐き出される低酸素濃度ガス103により外気が遮断される。これにより、輸送場102における原子状酸素の消滅が抑制され、処理体1の凹凸部に対して、その底面まで高い密度で原子状酸素が到達する。
本願出願人は、本願発明のプラズマ処理装置を用いて、処理体1の移動方向について大気圧プラズマユニット2よりも前方から後方に放電ガスを還流させた場合の効果を検証した。放電供給ガスとして、窒素と酸素の混合ガス(酸素濃度100ppm)を15L/minの流量で供給した。搬送装置3としてベルトコンベヤを用い、処理体1を設置せずに、50mm/sの速度で連続駆動させた。接地電極21の最低部とベルトコンベヤ上面との間の距離を7mmとした。送風装置としては、エアポンプを用い、ニードルバルブで還流流量を調節するとともに、流量計で還流流量を測定した。酸素濃度計を用いて、輸送場102の酸素濃度を連続測定し、1秒に1回の頻度で記録した。酸素濃度測定ガスの吸気には、外径1/16インチのステンレス管を使用し、吸気点は接地電極21の底面から3mm下方、処理体1の移動方向についてスリット211から3mmだけ前方とした。
図4は図1のプラズマ処理装置における還流流量が9L/minの場合の酸素濃度の測定結果を示すグラフである。還流OFF(エアポンプ停止)時には平均2.8%であった酸素濃度が還流ON(エアポンプ稼働)時には平均0.24%に低下した。
次に、厚さ2mmのアルミニウム板をベルトコンベヤに設置し、照射距離5mmでプラズマ処理を行い、表面の濡れ性を濡れ張力試験用混合液を用いて評価した。その結果、処理前の濡れ張力が30mN/mであったの対して、還流OFF時は32mN/mに向上し、還流ON時は36mN/mに向上した。このように、このプラズマ処理装置は、照射距離が5mmと比較的離れた処理体1に対しても、親水効果の向上が認められた。また、図4からわかるように、還流OFF時には酸素濃度の時間変動が大きいが、還流ON時には酸素濃度の時間変動が抑制されている。これは、還流により外気が遮断され、室内の気流にともなった輸送場102への外気の混入が抑制されたためである。このように、このプラズマ処理装置によって、輸送場102の酸素濃度の変動を抑制し、プラズマ処理の効果を安定化させることができる。
なお、大気圧放電に用いる電圧は、必ずしも交流でなくてもよい。例えば、両極性のパルス電圧、矩形波電圧など、時間とともにその極性が変化する電圧を印加することによって、大気圧放電が形成される。
放電供給ガスには、不活性ガスと酸素を含むガスとの混合ガスが用いられる。不活性ガスとしては、この例では、窒素を例に説明したが、窒素の他に、アルゴンもしくはヘリウムなどの希ガス、または、これらの混合ガスを用いることができる。酸素ガスを含むガスとしては、酸素ガス、空気など、放電により原子状酸素が生成されるあらゆるガスを用いることができる。
放電供給ガスにおける酸素濃度は、1ppmと1%との間にするとよい。酸素濃度が1ppm未満の場合、原子状酸素の発生源となる酸素分子の量が少なくなり、効率的なプラズマ処理を行うことが難しい。また、酸素濃度が1%を超える場合、プラズマにおける上記の式(2)の反応が迅速に進み、原子状酸素が急速に失われ、効率的なプラズマ処理を行うことが難しい。
吐出口411および吸引口412の形状に特に制約はなく、スリット状にしたり、複数の細孔から構成されたりすることができる。例えば、吸引口412をスリットよりも短くし、吐出口411をスリットよりも長くすることによって、吸引時の空気の混入を抑制した上で、原子状酸素の輸送場102への空気の混入を効果的に抑制することができる。
還流風路413にオゾン分解剤または吸着剤を配置してもよい。これにより、放電ガスに含まれるオゾンまたは窒素酸化物などを、還流時に除去することができる。また、還流風路413に分離膜などのガス分離装置を配置してもよい。これにより、還流ガス中から酸素を排除し、より低酸素濃度のガスとして吐出することができる。
吐出口411は、必ずしも接地電極21の中心近傍に配置する必要はない。例えば、吐出口411を吸引口412に隣り合う位置に配置する場合には、吸引口412に吸引される放電ガスへの空気の混入を低減させることができる。一方、吐出口411をスリット211に隣り合う位置に配置する場合には、原子状酸素の輸送場102への空気の混入を抑制することができる。これらは、放電ガス流量、還流ガス流量、処理体1の相対移動の速度などを考慮して設定される。
高圧電極22は、導電層222を埋設した誘電体221から構成されているが、少なくとも隙間100側の表面が誘電体221に覆われた導体であればよい。誘電体材料としては、アルミナ、ジルコニアなどのセラミック、ガラス、樹脂材料などを用いることができる。また、接地電極には、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属材料を用いることができる。
接地電極21の隙間100側の表面は、セラミックなどの誘電体で覆ってもよい。この場合、プラズマ発生にともなう金属材料の腐食を抑制する効果があり、スパッタリングによる金属コンタミネーションの発生を抑制する効果がある。
噴出口は、必ずしも長方形型のスリット211である必要はない。例えば、複数の細孔が並べられた構成、または、複数のスリットが並べられた構成であってもよい。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置によれば、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向についてスリット211よりも後方から放電ガスを吸引し、スリット211よりも前方に放電ガスを吐出する還流装置4を備えているので、輸送場102への空気の混入が抑制され、輸送場102における原子状酸素の消滅が抑制される。このため、凹凸部が形成された処理体1の、大気圧プラズマユニット2に近い面(上面)に加え、大気圧プラズマユニット2から遠い面(底面)、さらに放電ガスの噴出する方向に平行な面(側面)においても、効率的にプラズマ処理することができる。すなわち、高低差のある表面において、効率的にプラズマ処理することができる。また、このプラズマ処理装置は、別途、ガスカーテン用のガス源を用いることなく、放電供給ガスのみで実現することができるので、ランニングコストの抑制および装置の簡素化を図ることができる。また、放電ガスを還流させることによって、外気を遮断するので、室内の気流に伴う輸送場102の酸素濃度の変動が抑制され、プラズマ処理の効果を安定化させることができる。
なお、上記実施の形態1では、大気圧プラズマユニット2を固定し、処理体1を移動させることによって、大気圧プラズマユニット2に対して処理体1を移動させているが、処理体1を固定し、大気圧プラズマユニット2を移動させてもよい。
また、上記実施の形態1では、大気圧プラズマユニット2と、吐出口411および吸引口412との高さ方向についての位置が同一である構成について説明したが、大気圧プラズマユニット2と、吐出口411および吸引口412との高さ方向についての位置は、任意に設定することができる。例えば、吐出口411および吸引口412の高さ方向についての位置が、接地電極21の底面よりも処理体1側に突出させる構成であってもよい。この場合、空気の混入をより抑制することができる。また、吐出口411および吸引口412の高さ方向についての位置が、接地電極21の底面よりも処理体1から離れた構成であってもよい。この場合、吐出口411および吸引口412と処理体1との衝突を防止することができる。
また、本発明のプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行った処理体1の処理表面に、接着剤を用いて別の部材(被接着部材)を接着してもよい(接着工程)。これにより、強固な接着面を得ることができる。接着剤としては、エポキシ樹脂などの一般的な接着剤の他、特に限定されるものではない。本発明においては、上述したように、高低差を有する表面を接着面とする接着において優れた効果が得られるものである。そのため、上記のプラズマ処理装置に接着を行って作製された複合構造体は、機械的強度および信頼性の点で優れた特性を得ることができる。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係るプラズマ処理装置の接地電極を底面側から見た斜視図である。図において、吐出口411、吸引口412および還流風路413が接地電極21の内側に形成されており、ファン42Aおよびファン42Bが接地電極21の内側に配置されている。搬送装置3によって、接地電極21が処理体1に対して移動する。図5では、矢印Bの方向に接地電極21が移動する。
接地電極21は、直方体形状に形成されている。接地電極21の中心付近には、厚さ方向に貫通するスリット211が形成されている。スリット211を囲むように、中空状の溝が形成されており、この溝が還流風路413を構成する。
還流風路413におけるスリット211に沿った部分の一方には、吐出口411が連通され、還流風路413におけるスリット211に沿った部分の他方には、吸引口412が連通されている。還流風路413におけるスリット211の長手方向についてスリット211を挟む部分の一方には、ファン42Aが配置され、その他方には、ファン42Bが配置されている。ファン42Aおよびファン42Bが駆動することによって、吸引口412から放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスが還流風路413を通って、吐出口411から放電ガスが吐出される。このとき、大気圧プラズマユニット2(図示せず)は、図5の矢印Bの方向に移動する。これにより、スリット211から吐出した放電ガスは、処理体1(図示せず)の表面に触れた後、大気圧プラズマユニット2の移動方向とは反対の方向に流れて、吸引口412から吸引され、吐出口411から吐出される。
吐出口411および吸引口412において、大気圧プラズマユニット2の長手方向について均一なガス流を形成するためには、吐出口411および吸引口412のコンダクタンスを還流風路413のコンダクタンスより十分低く設定する必要がある。これは、例えば、還流風路413の断面積と比較して、吐出口411および吸引口412の開口面積を十分に小さくすることで達成される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るプラズマ処理装置によれば、ファン42A、ファン42Bが接地電極21の内側に配置され、吐出口411、吸引口412および還流風路413が接地電極21に形成されているので、実施の形態1と比較して、大気圧プラズマユニット2に還流装置4を外付けする必要がない。これにより、プラズマ処理装置の小型化および簡略化を図ることができる。また、実施の形態1と比較して、吐出口411および吸引口412をスリット211に近づけて配置することができるので、外気(空気)の混入がより抑制され、効率的なプラズマ処理が可能となる。
なお、上記実施の形態2では、搬送装置3が大気圧プラズマユニット2を移動させる構成について説明したが、大気圧プラズマユニット2を固定し、搬送装置3が処理体1を移動させる構成であってもよい。
また、上記実施の形態2では、吐出口411および吸引口412のいずれもが、一連のスリットに形成されている例について説明したが、これに限らず、例えば、吐出口411および吸引口412は、複数の細孔によって構成されてもよく、また、複数のスリットから構成されてもよい。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3に係るプラズマ処理装置の大気圧プラズマユニットおよび還流装置を底面側から見た斜視図である。図において、還流装置4が還流ユニットを構成している。還流装置4は、大気圧プラズマユニット2と同一平面上に配置され、かつ、大気圧プラズマユニット2の外周を覆っている。
還流装置4は、直方体形状に形成された還流板部材43を有している。還流板部材43の中心付近には、大気圧プラズマユニット2が嵌め込まれる貫通孔431が形成されている。還流板部材43には、貫通孔431を囲むように、中空形状の還流風路413が形成されている。還流風路413におけるスリット211に沿った部分の一方には、複数の孔から構成された吐出口411が連通され、その他方には、複数の孔から構成された吸引口412が連通されている。還流風路413におけるスリット211の長手方向についてスリット211を挟む部分の一方には、ファン42Aが配置され、その他方には、ファン42Bが配置されている。ファン42Aおよびファン42Bが駆動することによって、吸引口412から放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスが還流風路413を通って、吐出口411から放電ガスが吐出される。還流装置4は、大気圧プラズマユニット2に外付けされており、搬送装置3の駆動によって、大気圧プラズマユニット2とともに、矢印Cの方向に移動する。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るプラズマ処理装置によれば、還流装置4が大気圧プラズマユニット2に外付けされているので、大気圧プラズマユニット2の外部に還流風路413を形成する必要がなく、プラズマ処理装置の小型化および簡素化を実現することができる。また、既存のプラズマ処理装置を大幅に改造することなく、大気圧プラズマユニット2に還流装置4を取り付けることができる。
なお、上記実施の形態3では、搬送装置3が駆動することによって大気圧プラズマユニット2が移動する構成について説明したが、大気圧プラズマユニット2を固定し、搬送装置3が処理体1を移動させる構成であってもよい。
また、上記実施の形態3では、還流板部材43の形状が直方体形状である構成について説明したが、これに限らず、大気圧プラズマユニット2の形状に合わせて適宜変更することができる。
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。図において、大気圧プラズマユニット2および還流装置4が搬送装置3の駆動によって移動する。大気圧プラズマユニット2および還流装置4の移動方向は、搬送装置3によって反転可能となっている。大気圧プラズマユニット2および還流装置4の移動方向が反転することによって、還流装置4のファン42の回転方向が反転する。
大気圧プラズマユニット2および還流装置4は、搬送装置3の駆動によって、矢印Dおよび矢印Eの方向に往復運動する。スリット211は、接地電極21の厚さ方向に見た場合に大気圧プラズマユニット2の移動方向に直交する方向に延びて形成されている。大気圧プラズマユニット2の移動方向について大気圧プラズマユニット2の前方および後方に、第1通気口414および第2通気口415が配置されている。第1通気口414および第2通気口415は、還流風路413に連通されている。還流風路413には、回転方向が可変のファン42が配置されている。
大気圧プラズマユニット2が矢印Dの方向に移動する場合には、ファン42は、矢印Dの方向に気流が発生するように回転し、第1通気口414から放電ガスが吸引され、第2通気口415から放電ガスが吐出される。一方、大気圧プラズマユニット2が矢印Eの方向に移動する場合には、ファン42は、矢印Eの方向に気流が発生するように回転し、第2通気口415から放電ガスが吸引され、第1通気口414から放電ガスが吐出される。これにより、大気圧プラズマユニット2がどちらの方向に移動する場合であっても、放電ガスを還流させることができ、照射クリアランス104が低酸素濃度ガスの雰囲気となり、処理体1の凹凸部を効率的にプラズマ処理することができる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るプラズマ処理装置によれば、ファン42は、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向が反転する場合に、放電ガスの流れ方向を反転させるので、大気圧プラズマユニット2がどちらの方向に移動する場合であっても、放電ガスを還流させることができる。
なお、上記実施の形態4では、搬送装置3が大気圧プラズマユニット2を移動させる構成について説明したが、搬送装置3が処理体1を移動させる構成であってもよい。
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5に係るプラズマ処理装置を示す断面図、図9は図8の大気圧プラズマユニットの移動方向を反転させた状態を示す断面図である。図において、プラズマ処理装置は、還流装置4に設けられた物理カーテン5A、5Bを備えている。
物理カーテン5A、5Bは、アルミニウムまたは銅などの金属箔から構成されている。物理カーテン5Aおよび5Bは、第1通気口414および第2通気口415における大気圧プラズマユニット2とは反対側の部分に取り付けられている。物理カーテン5A、5Bの最低部は、大気圧プラズマユニット2の最低部よりも下方に、つまり、処理体1側に突出している。大気圧プラズマユニット2が矢印Dの方向に移動する場合には、第1通気口414から放電ガスが吸引される。この場合、物理カーテン5Aが第1通気口414に取り付けられているので、物理カーテン5Aが存在しない場合と比較して、第1通気口414が外気と仕切られており、空気の吸引が抑制される。また、物理カーテン5Bが第2通気口415に取り付けられているので、物理カーテン5Bが存在しない場合と比較して、移動方向の前方から照射クリアランス104への空気の混入が抑制される。
物理カーテン5A、5Bは、金属箔から構成されているので、弾性を有している。これにより、処理体1の凹凸部に物理カーテン5A、5Bが接触した状態が維持され、また、大気圧プラズマユニット2の移動方向が反転した場合であっても、処理体1の凹凸部に物理カーテン5A、5Bが接触した状態が維持される。その他の構成は実施の形態4と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係るプラズマ処理装置によれば、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向について第1通気口414よりもスリット211から離れた還流配管41の部分と、この移動方向について第2通気口415よりもスリット211から離れた還流配管41の部分とに設けられ、接地電極21よりも処理体1に向かって延びた弾性を有する物理カーテン5A、5Bを備えているので、移動方向の前方および後方から照射クリアランス104への空気の混入を抑制することができる。また、大気圧プラズマユニット2の移動方向が反転した場合であっても、移動方向の前方および後方から照射クリアランス104への空気の混入を抑制することができる。
なお、上記実施の形態5では、物理カーテン5A、5Bが金属箔から構成されている例について説明したが、これに限らず、物理カーテン5A、5Bが樹脂から構成されてもよい。
また、上記実施の形態5では、搬送装置3が大気圧プラズマユニット2を移動させる構成について説明したが、搬送装置3が処理体1を移動させる構成であってもよい。
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。還流配管41には、吐出口(第3通気口)416と、吐出口416と還流風路413とを連通する還流風路417とが形成されている。
吐出口416は、大気圧プラズマユニット2の移動方向について吸引口412よりも後方、つまり、処理体1の移動方向について吸引口412よりも前方に配置されている。還流風路417は、還流風路413におけるファン42と吐出口411との間の部分に連通している。ファン42が駆動することによって、吸引口412から放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスの一部が還流風路413を通って吐出口411から吐出され、その残りが還流風路417を通って吐出口416から吐出される。
還流風路413に流れる放電ガスの流量と、還流風路417に流れる放電ガスの流量との割合は、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動速度および照射距離などによって適宜決められる。これは、例えば、還流風路413と還流風路417とのそれぞれのコンダクタンスを調節することで可能となる。
実施の形態1に係るプラズマ処理装置では、吸引口412から放電ガスを吸引する際に、外部から若干量の空気も吸引してしまう。一方、実施の形態5に係るプラズマ処理装置では、処理体1の移動方向について吸引口412よりも前方に吐出口416から低酸素濃度の放電ガスが吐出されるので、吸引口412に向かう外気が遮断され、吸引口412に空気が吸引されることが抑制される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態6に係るプラズマ処理装置によれば、還流配管41には、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向について、吸引口412よりも後方に設けられ、吸引口412から吸引された放電ガスが吐出される吐出口416が形成されているので、吸引口412に向かう外気が遮断され、吸引口412に空気が吸引されることを抑制することができる。
なお、上記実施の形態5に係るプラズマ処理装置では、還流風路413にのみファン42が配置された構成について説明したが、還流風路417にもファンが配置された構成であってもよい。これにより、還流風路417を流れる放電ガスの流量をより効果的に調節することができる。
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。図において、プラズマ処理装置は、配管24の内側に設けられた回転フィン6Aと、還流配管41の内側に設けられた回転フィン6Bと、回転フィン6Aと回転軸を同じとするギヤ7Aと、回転フィン6Bと回転軸を同じとし、ギヤ7Aと歯合するギヤ7Bとを備えている。ギヤ7Aは、配管24の外側に配置されている。ギヤ7Bは、還流配管41の外側に配置されている。
このプラズマ処理装置は、実施の形態1と異なり、還流風路413にファン42が設けられていない。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
一般に、放電供給ガスは、ガスボンベや液化タンク、コンプレッサなどから供給されるが、ゲージ圧で数気圧程度の加圧状態で供給される。実施の形態7では、放電供給ガスが配管24に供給される際に、その流体エネルギーを動力として、回転フィン6Aが回転する。ここで得られた動力は、ギヤ7Aおよびギヤ7Bを介して、回転フィン6Bに伝達される。これにより、還流風路413には、気流が生起され、吸引口412から吐出口411への放電ガスの流れが形成される。
以上説明したように、この発明の実施の形態7に係るプラズマ処理装置によれば、還流風路413にファンを設けることなく、放電供給ガスの流体エネルギーのみによって還流風路413に放電ガスの気流を発生させることができる。これにより、放電ガスの気流を発生させるための動力を外部から供給する必要がなくなり、プラズマ処理装置の簡素化を図ることができる。
実施の形態8.
図12はこの発明の実施の形態8に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。図において、還流装置4は、接地電極21との間に処理体1が配置されるように配置されている。搬送装置3は、複数の貫通孔が形成されたメッシュコンベヤ(ステージ)から構成されている。
還流装置4は、コの字形状の還流配管41と、還流配管41の内側に設けられたファン42とを有している。吸引口412は、スリット211に対向する位置に配置されている。吐出口411は、処理体1の移動方向についてスリット211よりも後方、つまり、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向についてスリット211よりも前方に配置されている。処理体1は、放電ガスが通過可能な中空構造に形成されている。大気圧プラズマユニット2と還流装置4とは互いに固定されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、プラズマ処理装置の動作について説明する。処理体1が大気圧プラズマユニット2と還流装置4との間を通過すると、スリット211から放電ガスが噴出され、中空構造体の処理体1の表面を処理した後、搬送装置3を通過して吸引口412に向かう。ファン42が駆動することによって、吸引口412から吐出口411への放電ガスの気流が形成され、低酸素濃度の放電ガスが吐出口411から吐出される。吐出口411から吐出された放電ガスは、処理体1を通過する。これにより、処理体1がスリット211に対向する前に、中空構造体の処理体1の内側の空間から空気が排除され、低酸素濃度の雰囲気となる。
以上説明したように、この発明の実施の形態8に係るプラズマ処理装置によれば、搬送装置3を間に挟んで接地電極21と対向するとともに、処理体1に対する大気圧プラズマユニット2の移動方向についてスリット211よりも前方に設けられた吐出口411、搬送装置3を間に挟んでスリット211と対向して設けられた吸引口412および吐出口411と吸引口412とを連通する還流風路413が形成された還流配管41を備えているので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態8では、還流配管41の内側にファン42が設けられている構成について説明したが、還流配管41の内側にファン42が設けられていない構成であってもよい。放電ガスの流量が大きい場合には、慣性によって、自然に吸引口412から吐出口411への放電ガスの流れが形成されるからである。
また、上記実施の形態8では、処理体1が中空構造に形成されている例について説明したが、中空構造体の例として、チューブ状や、複数のチューブを平行に並べて上下方向に貫通する構造を有する処理体1や網目状の処理体1などが挙げられる。
また、上記実施の形態8では、搬送装置3が処理体1を移動させる構成について説明したが、搬送装置3が大気圧プラズマユニット2および還流装置4を移動させる構成であってもよい。
実施の形態9.
図13はこの発明の実施の形態9に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。図において、プラズマ処理装置は、3個の大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cが並べられている。大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cが並べられる方向は、搬送装置3によって大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cが移動する方向となっている。
それぞれの大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cには、配管24A、24B、24Cを介して放電供給ガス装置8から放電供給ガスが供給される。それぞれの大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cの高圧電極22A、22B、22Cには、高圧電源27が並列に接続されている。
吸引口412は、3個の大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cの中で、大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cに対する処理体1の移動方向について最も前方に位置する大気圧プラズマユニット2Cよりも前方に配置されている。
吐出口411は、3個の大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cの中で、大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cに対する処理体1の移動方向について最も後方に位置する大気圧プラズマユニット2Aよりも後方に配置されている。
大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cにおけるそれぞれのスリット211A、211B、211Cから吐出された放電ガスは、処理体1に当った後、処理体1の移動にともなって処理体1の移動方向に流れる。
ファン42が駆動することによって、吸引口412から低酸素濃度の放電ガスが吸引され、吸引された放電ガスは、還流風路413を通って、吐出口411から吐出される。吐出された放電ガスは、処理体1の移動にともなって処理体1の移動方向に流れ、照射クリアランス104を満たす。これにより、照射クリアランス104が低酸素濃度の雰囲気に維持され、プラズマ処理の効果が向上する。
以上説明したように、この発明の実施の形態9に係るプラズマ処理装置によれば、処理体1の移動方向について最も前方にある大気圧プラズマユニット2Cよりも前方に吸引口412を配置し、処理体1の移動方向について最も後方にある大気圧プラズマユニット2Aよりも後方に吐出口411を配置し、吸引口412と吐出口411とを還流風路413によって連通することによって、大気圧プラズマユニット2A、2B、2Cのそれぞれに還流風路413を形成する場合と比較して、構成を簡易化することができる。また、1台の大気圧プラズマユニット2を備えたプラズマ処理装置と比較して、大型の処理体1を高い処理速度でプラズマ処理することができる。
実施の形態10.
図14はこの発明の実施の形態10に係るプラズマ処理装置の接地電極を底面側から見た斜視図である。図において、吐出口411A、411Bがスリット211の長手方向についてスリット211を挟むように配置されている。つまり、吐出口411A、411Bは、移動方向に見た場合に、スリット211に隣り合う位置に配置されている。
接地電極21には、長方形型のスリット211が形成されている。接地電極21には、スリット211における長手方向に延びた一方の側面および長手方向両端部を囲むように、中空の溝が形成されており、この溝が還流風路413を構成している。還流風路413は、接地電極21の移動方向についてスリット211よりも後方の部分を通っている。
接地電極21の移動方向についてスリット211よりも後方に位置する接地電極21の部分には、吸引口412が配置されている。吸引口412と、吐出口411A、411Bとの間の還流風路413には、ファン42A、42Bが配置されている。スリット211から吐出された放電ガスは、ファン42A、42Bの駆動によって、吸引口412から吸引される。吸引された放電ガスは、還流風路413を通って、吐出口411A、411Bから吐出される。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態10に係るプラズマ処理装置によれば、低酸素濃度の放電ガスが吸引口412から吸引され、スリット211の長手方向両端部に隣り合うように配置された吐出口411A、411Bから放電ガスが吐出されるので、スリット211の長手方向両端部における空気の混入が抑制される。これにより、スリット211の全領域で均一な原子状酸素の輸送が実現され、均一なプラズマ処理を行うことができる。
なお、上記実施の形態10では、還流風路413が接地電極21に形成された構成について説明したが、例えば、実施の形態3のように、外付けの還流装置4を別途形成してもよく、また、実施の形態1のように、還流装置4を大気圧プラズマユニット2の外周に形成してもよい。
実施の形態11.
図15はこの発明の実施の形態11に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。図において、大気圧プラズマユニット2は、接地電極21と、接地電極21との間に隙間100が形成されて対向配置された高圧電極(電極)22と、隙間100に連なるガス供給口231が形成され、接地電極21とともに高圧電極22を覆う筐体23と、高圧電極22に電気的に接続された高圧電源27とを有している。接地電極21および高圧電極22は、処理体1の移動方向について隙間100を介して隣り合うように配置されている。
高圧電極22は、誘電体221と、誘電体221の内部に設けられた導電層222とを含んでいる。導電層222は、高圧電源27と電気的に接続されている。導電層222は、シート状あるいは板状の電気伝導体から構成されており、隙間100側の誘電体211の面および接地電極21とほぼ平行に配置されている。図15においては、導電層222は、紙面の上下方向および奥行方向に広がる平面に沿って配置されている。
接地電極21は、筐体23と電気的に接続され、かつ接地されている。実施の形態11では、実施の形態1と異なり、筐体23には、隙間100に連通するとともに、筐体23の厚さ方向に貫通する長方形型のスリット(噴出口)232が形成されている。スリット232は、図15の奥行方向に延びて形成されている。
搬送装置3は、隙間100の高さ方向に対して搬送方向が略垂直となるように処理体1を支持する。搬送装置3は、処理体1に沿った方向に大気圧プラズマユニット2に対して処理体1を移動させる。図15では、搬送装置3は、矢印Aの方向に処理体1を移動させる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
ガス供給口231から筐体23の内部に供給された放電供給ガスは、隙間100、スリット232の順に通り、筐体23の外部に噴出される。ここで、高圧電源27を動作させ、導電層222に交流の高電圧を印加することによって、隙間100には、プラズマ(大気圧放電)101が形成され、原子状酸素が生成される。搬送装置3が処理体1を移動方向に移動させることによって、原子状酸素が処理体1の表面に当たり、処理体1の表面の洗浄または改質が行われる。このとき、ファン42が駆動することによって、吸引口412から還流風路413に放電ガスが吸引され、還流風路413に吸引された放電ガスが吐出口411から吐出される。これにより、処理体1の凹凸部に底面まで効率的な表面処理が実現される。
以上説明したように、この発明の実施の形態11に係るプラズマ処理装置によれば、大気圧プラズマユニット2の構成が実施の形態1と異なり、接地電極21および高圧電極22が処理体1の移動方向について隙間100を介して隣り合うように配置されている場合であっても、放電ガスを還流させることができ、処理体1の凹凸部を効率的にプラズマ処理することができる。
なお、上記実施の形態11では、高圧電極22は、導電層222を埋設した誘電体221から構成された例について説明したが、少なくとも隙間100側の表面が誘電体221に覆われた導体であればよい。誘電体221の材料としては、アルミナ、ジルコニアなどのセラミック、ガラス、樹脂材料などを用いることができる。また、接地電極21には、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属材料を用いることができる。接地電極21の隙間100側の表面をセラミックなどの誘電体で覆ってもよい。
また、上記実施の形態11では、筐体23が接地導体21および高圧電極22の全周を覆う構成について説明したが、筐体23は、必ずしも接地電極21および高圧電極22の全周を覆う必要はない。例えば、高圧電極22および接地電極21のそれぞれの処理体1側の面を覆わなくてもよい。この場合、高圧電極22と接地電極21のそれぞれの処理体1側の端部によりスリット(噴出口)が形成される。
1 処理体、2、2A、2B、2C 大気圧プラズマユニット、3 搬送装置、4 還流装置、5A、5B 物理カーテン、6A、6B 回転フィン、7A、7B ギヤ、8 放電供給ガス装置、21 接地電極、22、22A、22B、22C 高圧電極(電極)、23 筐体、24、24A、24B、24C 配管、25 第1流量調節器、26 第2流量調節器、27 高圧電源、41 還流配管、42、42A、42B ファン(送風装置)、43 還流板部材、100 隙間、101 大気圧放電(プラズマ)、102 輸送場、103 低酸素濃度ガス、104 照射クリアランス、211、211A、211B、211C スリット(噴出口)、221 誘電体、222 導電層、231 ガス供給口、232 スリット(噴出口)、241 第1配管部、242 第2配管部、411 吐出口(第1通気口)、412 吸引口(第2通気口)、413 還流風路、414 第1通気口、415 第2通気口、416 吐出口(第3通気口)、417 還流風路、431 貫通孔。

Claims (13)

  1. 接地電極と、前記接地電極との間に隙間が形成されて対向配置された電極とを有し、噴出口が形成され、前記電極に電圧が印加されることによって前記隙間に大気圧放電を発生させる大気圧プラズマユニットを備え、
    不活性ガスと酸素とを含む放電供給ガスが前記隙間に供給された状態で前記大気圧放電を発生させることによって活性粒子を含む放電ガスが生成され、前記放電ガスが前記噴出口から噴出されて処理体に照射されるとともに、前記処理体に沿った方向に前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの相対位置を変化させることによって、前記処理体の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの移動方向について前記噴出口よりも前方に設けられた第1通気口、前記移動方向について前記噴出口よりも後方に設けられた第2通気口および前記第1通気口と前記第2通気口とを連通する還流風路が形成された還流配管と、
    前記第2通気口から前記還流風路に前記放電ガスが吸引され、吸引された前記放電ガスが前記第1通気口から前記放電ガスが吐出されるように前記還流風路に前記放電ガスの流れを発生させる送風装置と
    を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記移動方向に並べられた複数の前記大気圧プラズマユニットを備え、
    前記還流配管は、前記第1通気口が前記移動方向について最も前方に位置する前記大気圧プラズマユニットにおける前記噴出口よりも前方に設けられ、前記第2通気口が前記移動方向について最も後方に位置する前記大気圧プラズマユニットにおける前記噴出口よりも後方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 接地電極と、前記接地電極との間に隙間が形成されて対向配置された電極とを有し、噴出口が形成され、前記電極に電圧が印加されることによって前記隙間に大気圧放電を発生させる大気圧プラズマユニットを備え、
    不活性ガスと酸素とを含む放電供給ガスが前記隙間に供給された状態で前記大気圧放電を発生させることによって活性粒子を含む放電ガスが生成され、前記放電ガスが前記噴出口から噴出されて処理体に照射されるとともに、前記処理体に沿った方向に前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの相対位置を変化させることによって、前記処理体の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    前記移動方向に見た場合に前記噴出口に隣り合う位置に設けられた第1通気口、前記移動方向について前記噴出口よりも後方に設けられた第2通気口および前記第1通気口と前記第2通気口とを連通する還流風路とが形成された還流配管と、
    前記第2通気口から前記還流風路に前記放電ガスが吸引され、吸引された前記放電ガスが前記第1通気口から前記放電ガスが吐出されるように前記還流風路に前記放電ガスの流れを発生させる送風装置と
    を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 前記接地電極は、前記還流配管を兼ねており、
    前記第1通気口、前記第2通気口および前記還流風路は、前記接地電極に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記還流配管および前記送風装置から還流ユニットが構成され、
    前記還流ユニットは、前記大気圧プラズマユニットに外付けされていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記移動方向について前記第1通気口よりも前記噴出口から離れた前記還流配管の部分と、前記移動方向について前記第2通気口よりも前記噴出口から離れた前記還流配管の部分とに設けられ、前記接地電極よりも前記処理体に向かって延びた弾性を有する物理カーテンをさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記還流配管には、前記移動方向について前記第2通気口よりも後方に設けられ、前記第2通気口から前記還流風路に吸引された前記放電ガスが吐出される第3通気口が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記送風装置は、前記放電供給ガスの流体エネルギーを動力として駆動することを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記送風装置は、前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの移動方向が反転する場合に、前記放電ガスの流れ方向を反転させることを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 接地電極と、前記接地電極との間に隙間が形成されて対向配置された電極とを有し、噴出口が形成され、前記電極に電圧が印加されることによって前記隙間に大気圧放電を発生させる大気圧プラズマユニットを備え、
    不活性ガスと酸素とを含む放電供給ガスが前記隙間に供給された状態で前記大気圧放電を発生させることによって活性粒子を含む放電ガスが生成され、前記放電ガスが前記噴出口から噴出されて処理体に照射されるとともに、前記処理体に沿った方向に前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの相対位置を変化させることによって、前記処理体の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    複数の貫通孔が形成され前記処理体を支持するステージを間に挟んで前記接地電極と対向するとともに、前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの移動方向について前記噴出口よりも前方に設けられた第1通気口、前記ステージを間に挟んで前記噴出口と対向して設けられた第2通気口および前記第1通気口と前記第2通気口とを連通する還流風路が形成された還流配管を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  11. 接地電極と、前記接地電極との間に隙間が形成されて対向配置された電極とを有し、噴出口が形成され、前記電極に電圧が印加されることによって前記隙間に大気圧放電を発生させる大気圧プラズマユニットを備えたプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
    不活性ガスと酸素とを含む放電供給ガスが前記隙間に供給された状態で前記大気圧放電を発生させることによって活性粒子を含む放電ガスを生成し、前記放電ガスを前記噴出口から噴出させて処理体に照射する放電ガス噴出工程と、
    前記処理体に沿った方向に前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの相対位置を変化させる相対位置変化工程と、
    前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの移動方向について前記噴出口よりも後方から前記放電ガスを吸引し、吸引した前記放電ガスを前記処理体に対する前記大気圧プラズマユニットの移動方向について前記噴出口よりも前方に吐出する放電ガス還流工程と
    を備えたことを特徴とするプラズマ処理方法。
  12. 請求項11に記載のプラズマ処理方法によってプラズマ処理された前記処理体に接着剤を用いて被接着部材を接着する接着工程を備えたことを特徴とする接着方法。
  13. 請求項11に記載のプラズマ処理方法によって高低差のある表面がプラズマ処理された処理体と、
    前記処理体における前記高低差のある表面に接着剤を用いて接着された被接着部材と
    を備えたことを特徴とする複合構造体。
JP2013161776A 2013-08-02 2013-08-02 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および接着方法 Active JP6066859B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161776A JP6066859B2 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161776A JP6066859B2 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および接着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015032486A true JP2015032486A (ja) 2015-02-16
JP6066859B2 JP6066859B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=52517644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013161776A Active JP6066859B2 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6066859B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018534723A (ja) * 2015-09-11 2018-11-22 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated スロット付きグランドプレートを有するプラズマモジュール
WO2021229633A1 (ja) * 2020-05-11 2021-11-18 株式会社Fuji プラズマ発生装置、プラズマ発生方法、および制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04358076A (ja) * 1989-12-07 1992-12-11 Res Dev Corp Of Japan 大気圧プラズマ反応方法とその装置
JP2004099989A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Sekisui Chem Co Ltd 放電プラズマ処理装置
JP2006278227A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Sekisui Chem Co Ltd 放電プラズマ処理装置及びその処理方法
JP2008153147A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Seiko Epson Corp プラズマ処理装置
JP2010001373A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Seiko Epson Corp 吐出液、接合膜の形成方法、接合方法および接合体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04358076A (ja) * 1989-12-07 1992-12-11 Res Dev Corp Of Japan 大気圧プラズマ反応方法とその装置
JP2004099989A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Sekisui Chem Co Ltd 放電プラズマ処理装置
JP2006278227A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Sekisui Chem Co Ltd 放電プラズマ処理装置及びその処理方法
JP2008153147A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Seiko Epson Corp プラズマ処理装置
JP2010001373A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Seiko Epson Corp 吐出液、接合膜の形成方法、接合方法および接合体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018534723A (ja) * 2015-09-11 2018-11-22 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated スロット付きグランドプレートを有するプラズマモジュール
WO2021229633A1 (ja) * 2020-05-11 2021-11-18 株式会社Fuji プラズマ発生装置、プラズマ発生方法、および制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6066859B2 (ja) 2017-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10093566B2 (en) Water treatment apparatus and water treatment method
JP6066859B2 (ja) プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および接着方法
KR102517594B1 (ko) 액중 플라즈마장치
WO2014203629A1 (ja) インクジェットプリンター
WO2001089843A1 (fr) Element de tete et procede et dispositif de traitement du repoussement d'encre
US10710908B2 (en) Water treatment device and water treatment method
JP2011010835A (ja) 除菌装置及び除菌方法
WO2012169588A1 (ja) プラズマ生成用ガスおよびプラズマ生成方法並びにこれにより生成された大気圧プラズマ
JP2013037811A (ja) プラズマ処理装置
US10213076B2 (en) Particle collecting apparatus and particle collecting method
CN109168243A (zh) 一种常温常压等离子体板材、膜片材和微小材料处理设备
CN109983848B (zh) 等离子体发生装置
JP3873099B2 (ja) 基板ガイド装置ならびにこれを用いた洗浄装置
JP5924696B2 (ja) プラズマ処理装置
JPWO2019175998A1 (ja) 水処理装置及び水処理方法
CN209545975U (zh) 一种常温常压等离子体板材、膜片材和微小材料处理设备
KR101645393B1 (ko) 플라즈마 세정 장치
JP6417103B2 (ja) 表面処理装置および表面処理方法
JP2006004686A (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP5523242B2 (ja) 大気圧プラズマジェット装置
KR102047080B1 (ko) 플라즈마 액처리 장치
JP2010172993A (ja) ワーク切断方法及びワイヤソー
JP6121081B1 (ja) 水処理装置及び水処理方法
JP4309825B2 (ja) ワイヤソー
JP5302847B2 (ja) 表面処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6066859

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250