JP2015030873A - オーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品 - Google Patents

オーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品 Download PDF

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Abstract

【課題】高温強度および耐力を維持しつつ、線膨張係数を低減することができるオーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品を提供する。【解決手段】実施形態のオーステナイト系耐熱鋼は、質量で、Ni:24〜40%、Cr:5〜13%、Co:0.1〜12%、Nb:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、Ti:1.9〜2.35%、Al:0.35〜2%、B:0.001〜0.01%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。【選択図】なし

Description

本発明の実施の形態は、オーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品に関する。
近年、大気中への二酸化炭素の排出量削減の観点から、発電プラントの高効率化が進められている。そのため、火力発電プラントに備えられる蒸気タービンやガスタービンの高効率化が要求されている。また、火力発電プラントに設置可能なCOタービンにおいても高効率化が要求されている。
上記した各タービンにおける効率を上げるためには、タービンに導入される作動流体の入口温度を高温化することが有効である。例えば、蒸気タービンにおいては、将来的には、作動流体である蒸気の温度が650℃以上、さらには700℃程度での運用が期待されている。ガスタービンやCOタービンにおいても、導入される作動流体の入口温度は、上昇する傾向にある。
従来、600℃程度の温度に曝されるタービン部品には、フェライト系耐熱鋼などが使用されている。しかしながら、上記したような高温の作動流体に曝されるタービン部品をフェライト系耐熱鋼で構成することは耐熱性から問題がある。そのため、このような高温の作動流体に曝されるタービン部品は、オーステナイト系耐熱鋼、Ni基合金あるいはCo基合金などで構成される。これらの中でも、オーステナイト系耐熱鋼は、フェライト系耐熱鋼よりも50℃程度も耐用温度が高く、かつNi基合金の1/3程度の材料費である。そのため、オーステナイト系耐熱鋼を使用することで、製造コストを抑え、高効率化を図ることができる。
一方、オーステナイト系耐熱鋼は、線膨張係数が高く、耐力が低いとうい性質を有している。これらの性質は、高温機器への適用においてデメリットとなる。Alloy286などの公知のオーステナイト系耐熱鋼においては、金属間化合物を析出強化相として利用して耐力の向上が図られている。しかしながら、耐力を維持しつつ線膨張係数のみを低減した耐熱鋼は、提案されていない。
特開2011−195880号公報
高温構造材料の設計を行う上で、材料の熱膨張特性は重要な因子である。しかしながら、従来のオーステナイト系耐熱鋼の線膨張係数は、フェライト系耐熱鋼の線膨張係数の1.5倍程度であるため、熱伸び差の問題などが生じる。
本発明が解決しようとする課題は、高温強度および耐力を維持しつつ、線膨張係数を低減することができるオーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品を提供することである。
実施形態のオーステナイト系耐熱鋼は、質量で、Ni:24〜40%、Cr:5〜13%、Co:0.1〜12%、Nb:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、Ti:1.9〜2.35%、Al:0.35〜2%、B:0.001〜0.01%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明者らは、オーステナイト系耐熱鋼において、Ni、Cr、CoおよびNbをFe母相にほぼ全て固溶させ、これらの成分の含有量を最適化することで、線膨張係数を低減し、かつ従来と同等の高温強度および耐力が得られることを見出した。
以下、実施の形態を具体的に説明する。なお、以下の説明において組成成分を表す%は、特に明記しない限り質量%とする。
実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼は、Ni:24〜40%、Cr:5〜13%、Co:0.1〜12%、Nb:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、Ti:1.9〜2.35%、Al:0.35〜2%、B:0.001〜0.01%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
ここで、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼における不可避的不純物としては、例えば、Si、Mn、PおよびSなどが挙げられる。
また、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼は、室温から700℃の温度における平均線膨張係数が18×10−6/K以下であることが好ましい。ここで、平均線膨張係数は、同じ試験片において、室温(T)における長さ(L)と、所定の温度(T)における長さ(L)を用いて、次の式(1)によって求められる。
平均線膨張係数 =(L−L)/(T−T)/L …式(1)
上記した、室温から700℃の温度における平均線膨張係数は、室温(T)での長さ(L)と、温度(T=700℃)での長さ(L)を用いて、式(1)によって求められたものである。
ここで、線膨張係数が高いオーステナイト系耐熱鋼を、例えば発電プラントに使用した場合、発電プラントの寿命および性能に支障をきたす。具体的には、例えば、そのようなオーステナイト鋼をタービン部品に使用した場合、発電プラントの起動時の膨張と停止時の収縮による熱疲労が過大に発生し、タービン部品が早期に破壊する。そこで、このような問題を回避するために、オーステナイト系耐熱鋼の室温から700℃の温度における平均線膨張係数を18×10−6/K以下とすることが好ましい。
実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼は、運転時の温度が650℃以上、さらには、700℃程度となるタービン部品を構成する材料として好適である。タービン部品として、例えば、タービンケーシング、動翼、静翼、タービンロータ、螺合部材、配管などが挙げられる。ここで、螺合部材として、例えば、タービンケーシングやタービン内部の各種構成部品を固定するボルトやナットなどを例示することができる。配管としては、例えば、発電用タービンプラントなどに設置され、高温高圧の作動流体が通過する配管などを例示することができる。
ここで、上記したタービン部品のすべての部位を、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼で構成してもよい。また、例えば、温度が650℃以上となるタービン部品の一部の部位を、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼で構成してもよい。
上記した本実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼は、従来のオーステナイト系耐熱鋼よりも、線膨張係数が低く、従来のオーステナイト系耐熱鋼と同等の高温強度および耐力を有している。そのため、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼を用いて作製されたタービン部品においても、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼と同様な特性を有し、高い信頼性を有する。
上記した、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼やタービン部品は、例えば、蒸気タービン、ガスタービン、COタービンなどの発電用タービンに適用することができる。
次に、上記した実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼における各組成成分範囲の限定理由を説明する。
(1)Ni(ニッケル)
Niは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、Niは、オーステナイト構造を安定化させる。Niの含有率が24%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Niの含有率が40%を超えると、材料コストの増加や加工性が低下する。そのため、Niの含有率を24〜40%とした。より好ましいNiの含有率は28〜38%であり、さらに好ましいNiの含有率は32〜36%である。
(2)Cr(クロム)
Crは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、Crは、γ’相の固溶温度を上昇させるため、γ’相の析出が促進される。Crの含有率が5%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Crの含有率が13%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、σ相が析出しやすくなる。そのため、Crの含有率を5〜13%とした。さらに好ましいCrの含有率は、6〜10%である。
(3)Co(コバルト)
Coは、Fe母相に固溶し、母相の線膨張係数の低下をもたらす。Coの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Coの含有率が12%を超えると、材料コストが増加するとともに、耐力を低下させる。そのため、Coの含有率を0.1〜12%とした。さらに好ましいCoの含有率は、2〜6%である。
(4)Nb(ニオブ)
NbはFe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、Nbは、γ’相を形成して安定化させる。Nbの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Nbの含有率が5%を超えると、材料コストが増加するとともに、δ(Ni(Nb,Ta))相(金属間化合物)が析出しやすくなる。そのため、Nbの含有率を0.1〜5%以下とした。さらに好ましいNbの含有率は、0.1〜3%である。
(5)V(バナジウム)
Vは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。Vの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Vの含有率が0.5%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、σ相が析出しやすくなる。そのため、Vの含有率を0.1〜0.5%とした。さらに好ましいVの含有率は、0.2〜0.4%である。
(6)Ti(チタン)
Tiは、Fe母相に固溶して母相を固溶強化するとともに、γ’相を構成する元素である。Tiの含有率が1.9%未満の場合には、母相の固溶強化やγ’相の析出の促進が図れない。一方、Tiの含有率が2.35%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、η相が析出しやすくなる。そのため、Tiの含有率を1.9〜2.35%とした。さらに好ましいTiの含有率は、2.0〜2.2%である。
(7)Al(アルミニウム)
Alは、Fe母相に固溶して母相を固溶強化するとともに、γ’相を構成する元素である。Alの含有率が0.35%未満の場合には、母相の固溶強化やγ’相の析出の促進が図れない。一方、Alの含有率が2%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、γ’相の過剰な析出により加工性と溶接性が低下する。そのため、Alの含有率を0.35〜2%とした。さらに好ましいAlの含有率は、0.5〜1.5%である。
(8)B(ホウ素)
Bは、Fe母相に固溶して、特に粒界偏析するため、粒界強化をもたらす。また、Bは、Tiを多く含む場合、η相の析出を抑制する効果がある。Bの含有率が0.001%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Bの含有率が0.01%を超えると、母相の融点が下がり、熱間加工性が低下する。そのため、Bの含有率を0.001〜0.01%とした。さらに好ましいBの含有率は、0.004〜0.006%である。
(9)Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)およびS(硫黄)
Si、Mn、PおよびSは、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが好ましい。
ここで、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼、およびこのオーステナイト系耐熱鋼を用いて製造されるタービン部品の製造方法について説明する。
実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼は、例えば、次のように製造される。まず、オーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を、例えば、真空誘導溶解(VIM)し、その溶湯を所定の型枠に注入して鋳塊を形成する。そして、鋳塊に溶体化処理(固溶化熱処理)および時効処理を施して、オーステナイト系耐熱鋼が作製される。
タービン部品であるタービンケーシングは、例えば、次のように製造される。まず、オーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を、例えば、真空誘導溶解(VIM)し、その溶湯をタービンケーシングの形状に形成するための型枠に注入し、大気鋳造して構造体を作製する。そして、構造体に溶体化処理および時効処理を施して、タービンケーシングが作製される。
なお、例えば、電気炉溶解(EF)し、アルゴン−酸素脱炭(AOD)して、オーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を溶湯としてもよい。
タービン部品である、動翼、静翼、タービンロータ、螺合部材は、例えば次のように作製される。まず、実施形態のオーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を、例えば、真空誘導溶解(VIM)し、エレクトロスラグ再溶解(ESR)し、減圧雰囲気で所定の型に流し込み鋳塊を作製する。そして、この鋳塊を上記タービン部品の形状に対応する型に配置して圧延などの鍛造処理を施す。続いて、溶体化処理、時効処理などを施すことで、動翼、静翼、タービンロータ、螺合部材が作製される。
なお、例えば、真空誘導溶解(VIM)し、真空アーク再溶解(VAR)して、オーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を溶湯としてもよい。また、例えば、真空誘導溶解(VIM)し、エレクトロスラグ再溶解(ESR)し、真空アーク再溶解(VAR)して、オーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を溶湯としてもよい。
タービン部品である配管は、例えば、次のように製造される。まず、オーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を、真空誘導溶解(VIM)を行い溶湯とし、または電気炉溶解(EF)してアルゴン−酸素脱炭(AOD)を行い溶湯とし、円筒形の型を高速回転させた状態でこの溶湯を流し込む。続いて、回転の遠心力を利用して溶湯を加圧し、配管形状の構造体を作製する(遠心鋳造法)。そして、構造体に溶体化処理および時効処理を施して、配管が作製される。
なお、タービン部品を作製する方法は、上記した方法に限定されるものではない。
次に、溶体化処理および時効処理について説明する。
溶体化処理は、加工歪の除去や整粒化、γ単相化を目的として実施される。溶体化処理では、処理部材を885〜995℃の温度に所定時間維持し、その後、室温まで急冷する。885℃よりも温度が低い場合には、上記した効果が十分に得られない。一方、995℃を超える温度の場合には、結晶粒の過度な粗大化が生じる。急冷は、例えば、水冷や強制空冷などによって行われる。
時効処理は、結晶粒内にγ’相を析出させ、高温強度を付与するために行われる。時効処理では、処理部材を700〜760℃の温度に所定時間維持し、その後、室温まで冷却する。700℃よりも温度が低い場合には、γ’相が十分に析出しない。一方、760℃を超える温度の場合には、γ’相が早期に粗大化して析出密度が小さくなる。冷却は、例えば、大気中における自然冷却などによって行われる。
(線膨張係数、高温強度および耐力の評価)
ここでは、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼において、従来のオーステナイト系耐熱鋼の高温強度および耐力を維持しつつ、線膨張係数が低いことを説明する。
表1は、評価に用いられた試料1〜試料23の化学組成を示す。なお、試料1〜試料17は、本実施の形態の化学組成範囲にあるオーステナイト系耐熱鋼であり、試料18〜試料23は、その化学組成が本実施の形態の化学組成範囲にないオーステナイト系耐熱鋼であり、比較例である。
Figure 2015030873
試料1〜試料23のオーステナイト系耐熱鋼について、線膨張係数、引張試験およびクリープ破断試験を行った。
それぞれの試験に使用する試験片は、次のように作製された。
表1に示す化学組成を有する試料1〜試料23のオーステナイト系耐熱鋼を構成する組成成分を得るために必要な原材料を真空誘導溶解炉にて溶解し、それぞれ2kgの鋳塊を作製した。この鋳塊をアーク溶解炉によって溶解し、熱間圧延によって板状部材に成形した。得られた板状部材に対して溶体化処理を施した。溶体化処理では、940℃の温度で30分間加熱し、その後、強制空冷によって室温まで急冷した。続いて、板状部材に対して時効処理を施した。時効処理では、760℃の温度で16時間加熱し、その後、大気中における自然冷却によって室温まで冷却した。
線膨張係数測定用の試験片、引張試験用の試験片およびクリープ破断試験用の試験片は、板材部材から応力軸が鍛伸方向に平行となるように採取した。
線膨張係数の測定は、各試料による試験片に対して、JIS Z 2285に準拠して実施された。引張試験では、各試料による試験片に対して、室温の条件で、JIS Z 2201に準拠して、0.2%耐力を測定した。
クリープ破断試験は、各試料による試験片に対して、JIS Z 2271に準拠して実施した。700℃/10万時間クリープ破断強度は、試験温度を700〜800℃、試験応力を200〜400MPaの範囲で実施した破断時間1000時間程度の試験結果に基づいて、Larson-Miller法によって外挿することで求められた。
線膨張係数、0.2%耐力および700℃/10万時間クリープ破断強度の試験結果を表2に示す。
Figure 2015030873
表2に示すように、従来のオーステナイト系耐熱鋼である試料18〜試料23における線膨張係数は18×10−6/K以上である。これに対して、試料1〜試料17においては、0.2%耐力およびクリープ破断強度は、試料18〜試料23と同程度であり、線膨張係数は、18×10−6/K以下である。すなわち、試料1〜試料17においては、従来のオーステナイト系耐熱鋼の高温強度および耐力を維持しつつ、線膨張係数の低減が実現されている。
以上説明した実施形態によれば、高温強度および耐力を維持しつつ、線膨張係数を低減することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (7)

  1. 質量で、Ni:24〜40%、Cr:5〜13%、Co:0.1〜12%、Nb:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%、Ti:1.9〜2.35%、Al:0.35〜2%、B:0.001〜0.01%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするオーステナイト系耐熱鋼。
  2. 質量で、Niを28〜38%含有していることを特徴とする請求項1記載のオーステナイト系耐熱鋼。
  3. 質量で、Crを6〜10%含有していることを特徴とする請求項1または2記載のオーステナイト系耐熱鋼。
  4. 質量で、Coを2〜6%含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼。
  5. 質量で、Nbを0.1〜3%含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼。
  6. 室温から700℃の温度における平均線膨張係数が、18×10−6/K以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼を用いて、少なくとも所定部位が作製されたことを特徴とするタービン部品。
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