JP2015030441A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015030441A JP2015030441A JP2013163829A JP2013163829A JP2015030441A JP 2015030441 A JP2015030441 A JP 2015030441A JP 2013163829 A JP2013163829 A JP 2013163829A JP 2013163829 A JP2013163829 A JP 2013163829A JP 2015030441 A JP2015030441 A JP 2015030441A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- bead
- opening
- pneumatic tire
- radial direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C13/00—Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof
- B60C13/02—Arrangement of grooves or ribs
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C15/00—Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
- B60C15/0009—Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap features of the carcass terminal portion
- B60C2015/009—Height of the carcass terminal portion defined in terms of a numerical value or ratio in proportion to section height
Abstract
【課題】ビード部におけるセパレーションを防止しつつ、温度上昇を抑制する空気入りタイヤを提供する。【解決手段】空気入りタイヤは、一対のビード部11内に埋設されたビードコア12相互間にわたってトロイド状に延びるカーカス13を備える。カーカス13は、ビードコア12の周りをタイヤ幅方向の内側から外側に巻上げた折返し部13aを有する。ビード部11は、タイヤ周方向に所定の間隔で配置され、タイヤ外表面に開口部18aを有する複数の凹部18を備える。タイヤ径方向において、開口部18aから凹部18の最深部までの距離Dは、開口部18aから折返し部13aに向けて延ばした垂線の距離の30%〜80%である。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、建設車両及び鉱山車両用の空気入りタイヤに関する。
従来、車両に装着される空気入りタイヤにおいては、タイヤ転動時におけるゴムの発熱に起因する温度上昇を抑制するために、例えば、発熱量の大きいビード部においてゴムゲージを薄くする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
一般に、空気入りタイヤは、一対のビード部内に埋設されたビードコア相互間にわたってトロイド状に延びるカーカスを備える。カーカスは、ビードコアの周りをタイヤ幅方向の内側から外側に巻上げた折返し部を有する。特許文献1に記載された空気入りタイヤにおいては、ビード部のタイヤ外表面に、タイヤ周方向に沿って延びる溝が形成され、ゴムゲージが部分的に薄くされている。
しかしながら、ビード部のゴムは、タイヤ転動時にリムから受ける負荷による歪みを緩和する働きをする。そのため、ビード部のゴムゲージを薄くすると、温度上昇が抑制される一方で、特にカーカスの折り返し部端部付近において、セパレーションが発生しやすくなる。特に、建設車両及び鉱山車両用のORRタイヤ(オフザロードラジアルタイヤ)は、荷重による撓みが大きいため、ビード部における歪みも大きい。そのため、ORRタイヤにおいては、セパレーションの防止と温度上昇の抑制とを両立させることが難しい。
そこで、本発明は、ビード部におけるセパレーションを防止しつつ、温度上昇を抑制する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード部(ビード部11)内に埋設されたビードコア(ビードコア12)相互間にわたってトロイド状に延びるカーカス(カーカス13)を備える空気入りタイヤであって、前記カーカスは、前記ビードコアの周りをタイヤ幅方向の内側から外側に巻上げた折返し部(折返し部13a)を有し、前記ビード部は、タイヤ周方向に所定の間隔で配置され、タイヤ外表面に開口部(開口部18a)を有する複数の凹部(凹部18)を備え、タイヤ径方向において、前記開口部から前記凹部の最深部までの距離(距離D)は、前記開口部から前記折返し部に向けて延ばした垂線の距離(距離D0)の30%〜80%であることを要旨とする。
本発明によれば、ビード部におけるセパレーションを防止しつつ、温度上昇を抑制する空気入りタイヤを提供することができる。
以下において、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)空気入りタイヤの構成
以下において、本実施形態に係る空気入りタイヤの構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10のタイヤ径断面図である。ただし、図1は、空気入りタイヤ10の半分のみを示し、図示されていない部分も、図1に示された部分と同一の構成を有する。
以下において、本実施形態に係る空気入りタイヤの構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10のタイヤ径断面図である。ただし、図1は、空気入りタイヤ10の半分のみを示し、図示されていない部分も、図1に示された部分と同一の構成を有する。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、一対のビード部11内に埋設されたビードコア12相互間にわたってトロイド状に延びるカーカス13を備える。空気入りタイヤ10は、例えば、建設車両及び鉱山車両用のORRタイヤである。
ビード部11は、空気入りタイヤ10をリムに装着した場合に、タイヤ径方向の内側端部においてリムと接するビードベース面11aから、後述するサイドウォール部17までの部分をいう。リムは、装着するタイヤのサイズに応じて規格に規定された正規リムをいい、この規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格であって、例えば、アメリカ合衆国では、TRAのYEAR BOOKに、欧州では、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUALに、日本では、日本自動車タイヤ協会(Japan Automobile Tyre Manufacturers Association,Inc.:JATMA)のYEAR BOOKに、それぞれ示されている。
ビードコア12は、図1に示すように、横断面輪郭が多角形状に形成される。カーカス13は、例えば、スチールコード又は有機繊維コード等からなる1本又は複数本のカーカスプライにより形成される。カーカス13は、ビードコア12の周りをタイヤ幅方向の内側から外側に巻上げた折返し部13aを有する。
また、図1に示すように、カーカス13の両ビードコア12間の中央部、すなわち、空気入りタイヤ10のクラウン領域において、カーカス13のタイヤ径方向外側にベルト14が配置され、更に、ベルト14を覆ってトレッドゴム15が配置される。以下、トレッドゴム15が配置された部分をトレッド部16といい、トレッド部16の両側からタイヤ径方向内側へ延び、ビード部11に連続する部分をサイドウォール部17という。また、タイヤ径方向において、ビードベース面11aからトレッド部16(トレッドゴム15)外表面までの高さを、タイヤ断面高さSHという。
(2)凹部の構成
以下において、本実施形態に係る空気入りタイヤの凹部の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の一部破断斜視図である。
以下において、本実施形態に係る空気入りタイヤの凹部の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の一部破断斜視図である。
本実施形態において、ビード部11は、タイヤ周方向に所定の間隔Pで配置され、タイヤ外表面に開口部18aを有する複数の凹部18を備える。タイヤ径方向において、開口部18aから凹部18の最深部までの距離Dは、開口部18aから折返し部13に向けて延ばした垂線の距離D0の30%〜80%である。図1及び図2において、凹部18は、タイヤ外表面上の1点から折り返し部13aに向けて延ばした垂線を軸とする円柱形として示されている。
タイヤ径方向において、凹部18は、ビードベース面11aからタイヤ断面高さSHの0.05倍〜0.5倍の範囲に位置する。好ましくは、タイヤ径方向において、凹部18は、ビードベース面11aからタイヤ断面高さSHの0.15倍〜0.3倍の範囲に位置する。
開口部18aの面積は、50mm2〜15500mm2である。好ましくは、開口部18aの面積は、50mm2〜8000mm2である。
所定の間隔Pは、タイヤ径方向における開口部18aから凹部18の最深部までの距離Dの1.0倍〜10.0倍であり、かつ、タイヤ周方向における開口部の幅Wの1.0倍〜10.0倍である。
(3)評価試験
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤの効果を明確にするために、本実施形態の実施例に係る空気入りタイヤ及び比較例に係る空気入りタイヤを用いて、評価試験を実施した。評価試験の結果について、表1を参照しながら説明する。実施例及び比較例1〜3に係る空気入りタイヤは、表1に示すように、ビード部のタイヤ外表面における凹部の構成のみが相違し、他の構成は同一とした。すなわち、比較例1に係る空気入りタイヤには、ビード部のタイヤ外表面に凹部が形成されていないが、実施例及び比較例2,3に係る空気入りタイヤには、ビード部のタイヤ外表面に凹部が形成されている。実施例及び比較例2,3において、凹部の開口部形状、断面形状、開口部の中心位置及び個数は同じであるが、凹部の開口部から最深部までの距離Dと、凹部の開口部からカーカスの折返し部までの距離D0との比(D/D0)はそれぞれ異なる。D/D0は、比較例3、実施例、比較例2の順に大きい。換言すると、凹部の深さは、比較例3、実施例、比較例2の順に大きい。
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤの効果を明確にするために、本実施形態の実施例に係る空気入りタイヤ及び比較例に係る空気入りタイヤを用いて、評価試験を実施した。評価試験の結果について、表1を参照しながら説明する。実施例及び比較例1〜3に係る空気入りタイヤは、表1に示すように、ビード部のタイヤ外表面における凹部の構成のみが相違し、他の構成は同一とした。すなわち、比較例1に係る空気入りタイヤには、ビード部のタイヤ外表面に凹部が形成されていないが、実施例及び比較例2,3に係る空気入りタイヤには、ビード部のタイヤ外表面に凹部が形成されている。実施例及び比較例2,3において、凹部の開口部形状、断面形状、開口部の中心位置及び個数は同じであるが、凹部の開口部から最深部までの距離Dと、凹部の開口部からカーカスの折返し部までの距離D0との比(D/D0)はそれぞれ異なる。D/D0は、比較例3、実施例、比較例2の順に大きい。換言すると、凹部の深さは、比較例3、実施例、比較例2の順に大きい。
評価試験では、実施例及び比較例に係る空気入りタイヤを正規リムに組み、規定の内圧を充填した。このような状態で、実施例及び比較例に係る空気入りタイヤをダンプトラック(360トン)の前輪に装着し、時速約40kmで24時間走行させた後、温度を測定した。空気入りタイヤの温度は、ビード部(リムフランジから高さ20mmの位置)に予め設けられた細孔から熱電対を挿入し、カーカスの折り返し部から5mmの位置で測定した。各空気入りタイヤにつき、6箇所の細孔で温度を測定し、平均値を比較した。
表1は、比較例1に係る空気入りタイヤの温度(24時間走行後の温度)を基準とした、実施例及び比較例2,3に係る空気入りタイヤの温度を示す。表1に示すように、実施例及び比較例2,3に係る空気入りタイヤの温度は、凹部が形成されていない比較例1に係る空気入りタイヤの温度よりも低い。また、24時間走行後の温度は、比較例3、実施例、比較例2の順に低く、D/D0の大きさの順と一致した。すなわち、D/D0が大きいほど、温度上昇が抑制されることが確認された。
また、評価試験では、24時間走行後のセパレーションの有無についても確認を行った。表1に示すように、実施例及び比較例1,2ではセパレーションが発生しなかったが、比較例3ではセパレーションの発生が一部確認された。
すなわち、比較例2に係る空気入りタイヤは、D/D0が小さいことから、セパレーションが発生するおそれは少ないものの、放熱効果も小さい。一方、比較例3に係る空気入りタイヤは、D/D0が大きいことから、放熱効果は大きいものの、セパレーションが発生するおそれがある。これに対し、実施例に係る空気入りタイヤは、セパレーションを防止しつつ、十分な放熱効果が得られることが確認された。
(4)作用・効果
以上説明したように、本実施形態において、ビード部11は、タイヤ周方向に所定の間隔Pで配置され、タイヤ外表面に開口部18aを有する複数の凹部18を備える。換言すると、複数の凹部18は、タイヤ周方向に延びる溝と異なり、所定の間隔Pを隔てて配置されている。そのため、凹部18は、ビード部11全体のゴムゲージを薄くすることないため、タイヤ転動時の歪みを緩和しつつ、ビード部11を放熱させて温度上昇を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態において、ビード部11は、タイヤ周方向に所定の間隔Pで配置され、タイヤ外表面に開口部18aを有する複数の凹部18を備える。換言すると、複数の凹部18は、タイヤ周方向に延びる溝と異なり、所定の間隔Pを隔てて配置されている。そのため、凹部18は、ビード部11全体のゴムゲージを薄くすることないため、タイヤ転動時の歪みを緩和しつつ、ビード部11を放熱させて温度上昇を抑制することができる。
また、タイヤ径方向において、開口部18aから凹部18の最深部までの距離Dは、開口部18aから折返し部13aに向けて延ばした垂線の距離D0の30%〜80%である。ここで、距離Dが距離D0の30%未満であると、発熱量の大きい折り返し部13aまでの距離が大きく、十分な放熱効果が得られない。また、距離Dが距離D0の80%を上回ると、折り返し部13aとゴムとの剛性段差により歪が集中する部分に空間が形成されることになり、セパレーションが発生しやすくなる。そこで、距離Dを距離D0の30%〜80%とすることにより、セパレーションを防止しつつ、十分な放熱効果を得ることができる。
タイヤ径方向において、凹部18は、ビードベース面11aからタイヤ断面高さSHの0.05倍〜0.5倍の範囲に位置する。凹部18のビードベース面11aからの位置がタイヤ断面高さSHの0.05倍未満であると、凹部18の開口部18aがリムフランジに覆われ、放熱が妨げられる。また、凹部18のビードベース面11aからの位置がタイヤ断面高さSHの0.5倍を上回ると、発熱量の比較的小さいサイドウォール部17に近接し、又は含まれてしまう。そこで、凹部18のビードベース面11aからの位置をタイヤ断面高さSHの0.05倍〜0.5倍とすることにより、十分な放熱効果を得ることができる。
開口部18aの面積は、50mm2〜15500mm2である。開口部18aの面積が50mm2未満であると、外気が通りにくく、放熱効果が低下する。また、開口部18aの面積が15500mm2を上回ると、セパレーションの原因であるカーカス13の倒れ込みが発生しやすくなる。そこで、開口部18aの面積を50mm2〜15500mm2とすることにより、セパレーションを防止しつつ、十分な放熱効果を得ることができる。
所定の間隔Pは、タイヤ径方向における開口部18aから凹部18の最深部までの距離Dの1.0倍〜10.0倍であり、かつ、タイヤ周方向における開口部の幅Wの1.0倍〜10.0倍である。所定の間隔Pが小さい場合(距離D又は幅Wの1.0倍未満)、凹部18の数が多くなり、セパレーションの原因であるカーカス13の倒れ込みが発生しやすくなる。また、所定の間隔Pが大きい場合(距離D又は幅Wの10.0倍またはそれ以上)、ビード部11のゴムボリュームに対して凹部18の合計容量が小さく、十分な放熱効果が得られない。そこで、所定の間隔Pを上述の範囲とすることにより、セパレーションを防止しつつ、十分な放熱効果を得ることができる。
(5)変更例
以下において、本実施形態の変更例に係る空気入りタイヤについて説明する。以下、変更例と本実施形態との差異を中心に説明を行い、共通事項についての説明は省略する。
以下において、本実施形態の変更例に係る空気入りタイヤについて説明する。以下、変更例と本実施形態との差異を中心に説明を行い、共通事項についての説明は省略する。
図3(a)は、本実施形態の変更例に係る凹部及び凸部を示す一部拡大平面図である。変更例において、ビード部11は、タイヤ外表面から突出する複数の凸部20をさらに備え、凸部20と凹部18とは、タイヤ周方向において交互に配置される。タイヤ径方向において、開口部18aは、凸部20の外側端部と内側端部との間に位置する。ここでは、凹部18が円柱形(すなわち、開口部18aが円形)であり、凸部20がタイヤ径方向に延びる3つの平板状突起21,22,23の組み合わせであるケースについて例示する。
平板状突起21,22,23は、タイヤ径方向の外側から内側に向けて、平板状突起21,22,23の順に並ぶ。平板状突起21のタイヤ径方向外側端部は、凹部20のタイヤ径方向外側端部に相当し、平板状突起23のタイヤ径方向内側端部は、凹部20のタイヤ径方向内側端部に相当する。好ましくは、タイヤ径方向において、平板状突起22の外側端部及び内側端部は、開口部18aの外側端部及び内側端部とそれぞれ一致する。
変更例において、凸部20(平板状突起21,22,23)は、凹部18の配置間隔と同じ所定の間隔Pで、タイヤ周方向に沿って配置される。従って、凸部20と凹部18とは、タイヤ周方向において交互に配置される。
次に、変更例に係る空気入りタイヤにおける乱流発生の状態について、図3(b)を参照しながら説明する。図3(b)は、図3(a)の線A−Aにおける断面図である。タイヤ転動時に、ビード部30の外表面に沿ってタイヤ周方向に流れる空気流S1は、凸部20と衝突すると、上昇して凸部20(図3(b)では、平板状突起22)を乗り越え、下降してビード部30の外表面に衝突し、再び上昇して隣接する凸部20を乗り越える。空気流S1は、このような動きを繰り返し、乱流となる。また、凸部20の前面側及び背面側には、空気が滞留する領域が生じ、空気が滞留する領域には、空気流S2及びS3が生じる。空気流S2及びS3は、凸部20の前面側及び背面側に滞留する熱を奪って、空気流S1に引き込まれるように流れる。
変更例では、タイヤ周方向において、凸部20と凸部20との間に凹部18が位置するため、凸部20を乗り越えて下降する空気流S1は、凹部18に引き込まれる。空気流S1は、凹部18の底面に衝突した後、再び上昇して隣接する凸部20を乗り越える。これにより、空気流S1は、凹部18に滞留する熱を奪う。従って、凸部20が形成されておらず、空気流S1がタイヤ周方向に沿って流れる場合と比べ、変更例では、空気流S1が乱流となっているため、凹部18に引き込まれやすく、高い放熱効果を得ることができる。
また、変更例では、タイヤ径方向において、開口部18aの最も外側の点18xは、凸部20のタイヤ径方向外側端部20xよりも内側に位置し、開口部18aで最も内側の点18yは、凸部20のタイヤ径方向内側端部20yよりも外側に位置する。従って、タイヤ周方向から見ると、開口部18aの全体が凸部20の背後に位置する為、空気流S1がより確実に凹部18に引き込まれ、高い放熱効果を得ることができる。
また、変更例では、凸部20(図3(b)では、平板状突起22)のタイヤ幅方向における高さhは、3mm〜25mmである。高さhが3mm未満の場合、乱流が発生しにくく、十分な放熱効果を得ることができない。一方、高さhが25mmより大きい場合、走行時に凸部20が破損する可能性が高まる。そこで、凸部20のタイヤ幅方向における高さhは、3mm〜25mmとする。
また、凸部20(図3(b)では、平板状突起22)のタイヤ幅方向における高さhと所定の間隔Pとは、1≦P/h≦50の関係を満たす。高さhに対して所定の間隔Pを小さくしすぎると、乱流が発生しにくくなり、凸部20と凸部20との間のビード部30外表面付近で空気が停滞しやすくなる。また、高さhに対して所定の間隔Pを大きくしすぎると、凸部20が形成されていない場合に近い状態となる。そこで、1≦P/h≦50とする。
また、変更例では、凸部20のタイヤ周方向における幅W1は、2mm〜10mmである。幅W1が2mm未満の場合、凸部20の剛性が低くなるため、乱流によって振動し、破損するおそれがある。一方、幅W1が10mmよりも大きい場合、凸部20を形成するゴム量が多くなり、凸部20自体が発熱し易くなるため、温度上昇抑制効果が低下してしまう。そこで、幅W1は、2mm〜10mmとする。
また、幅W1と所定の間隔Pとは、1≦(P−W1)/W1≦100の関係を満たす。(P−W1)/W1は、幅W1に対する凸部20と凸部20との間の距離の割合を示す。(P−W1)/W1が小さすぎると、タイヤ周方向において凸部20の表面積が占める割合が大きく、凸部20からの発熱量の割合が大きくなるため、凸部20による温度上昇抑制効果が低下する。一方、(P−W1)/W1が大きすぎると、凸部20が形成されていない場合に近い状態となる。そこで、1≦(P−W1)/W1≦100とする。
(6)その他の実施形態
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
図4は、凹部18の開口部18aの形状を例示する図である。本実施形態では、凹部18が円柱形であり、開口部18aの形状が円形(図4(a))である例を説明したが、これに限定されるものではない。図4に示すように、開口部18aの形状は、例えば、楕円、多角形、又はこれらの組み合わせ等を含む様々な形状(図4(b)〜図4(s))であってもよい。
図5は、凹部18のタイヤ周方向における断面形状を例示する図である。また、図6は、凹部18のタイヤ径方向における断面形状を例示する図である。本実施形態では、凹部18が円柱形であり、凹部18の断面形状が長方形(図5(a),図6(a))である例を説明したが、これに限定されるものではない。図5に示すように、凹部18の断面形状は、例えば、多角形、鍵穴型、又はこれらの組み合わせ等を含む様々な形状(図5(b)〜図5(u),図6(b)〜図6(r))であってもよい。換言すると、凹部18は、開口部18aから最深部に向けて断面形状が大きくなるように形成されてもよく、小さくなるように形成されてもよい。あるいは、凹部18は、開口部18aから最深部に向けて、断面の中心位置がずれるように形成されてもよい。
また、変更例では、凹部18が円柱形(すなわち、開口部18aが円形)であり、凸部20がタイヤ径方向に延びる3つの平板状突起21,22,23の組み合わせであるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されない。凹部18の断面形状及び開口部18aの形状は、例えば、図4〜図6に例示した形状のいずれかであってもよい。また、凸部20は、タイヤ径方向に延びる任意の数の平板状突起であってもよく、各平板状突起のタイヤ周方向における位置は、一致していてもよく、所定の距離だけオフセットしていてもよい。また、各平板状突起のタイヤ径方向における位置は、所定の距離だけ離れていてもよく、一部が重複していてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、ビード部におけるセパレーションを防止しつつ、温度上昇を抑制する空気入りタイヤを提供することができる。
10…空気入りタイヤ、11…ビード部、11a…ビードベース面、12…ビードコア、13…カーカス、13a…折返し部、14…ベルト、15…トレッドゴム、16…トレッド部、17…サイドウォール部、18…凹部、18a…開口部、20…凸部、21,22,23…平板状突起
Claims (7)
- 一対のビード部内に埋設されたビードコア相互間にわたってトロイド状に延びるカーカスを備える空気入りタイヤであって、
前記カーカスは、前記ビードコアの周りをタイヤ幅方向の内側から外側に巻上げた折返し部を有し、
前記ビード部は、タイヤ周方向に所定の間隔で配置され、タイヤ外表面に開口部を有する複数の凹部を備え、
タイヤ径方向において、前記開口部から前記凹部の最深部までの距離は、前記開口部から前記折返し部に向けて延ばした垂線の距離の30%〜80%である空気入りタイヤ。 - 前記タイヤ径方向において、前記凹部は、ビードベース面からタイヤ断面高さの0.05倍〜0.5倍の範囲に位置する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記開口部の面積は、50mm2〜15500mm2である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記所定の間隔は、前記タイヤ径方向における前記開口部から前記凹部の最深部までの距離の1.0倍〜10.0倍であり、かつ、前記タイヤ周方向における前記開口部の幅の1.0倍〜10.0倍である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ビード部は、前記タイヤ外表面から突出する複数の凸部をさらに備え、
前記凸部と前記凹部とは、前記タイヤ周方向において交互に配置される請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記タイヤ径方向において、前記開口部は、隣接する凸部の外側端部と内側端部との間に位置する請求項5に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸部は、前記タイヤ径方向に隣接する複数の突起を含み、
前記タイヤ径方向において、前記複数の突起のいずれか1つの外側端部及び内側端部は、前記開口部の外側端部及び内側端部とそれぞれ一致する請求項5に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013163829A JP2015030441A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | 空気入りタイヤ |
PCT/JP2014/070461 WO2015019995A1 (ja) | 2013-08-07 | 2014-08-04 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013163829A JP2015030441A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015030441A true JP2015030441A (ja) | 2015-02-16 |
Family
ID=52461327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013163829A Pending JP2015030441A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | 空気入りタイヤ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015030441A (ja) |
WO (1) | WO2015019995A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110300670A (zh) * | 2016-12-20 | 2019-10-01 | 米其林集团总公司 | 抗化学侵蚀的轮胎 |
US20210138846A1 (en) * | 2018-06-21 | 2021-05-13 | Bridgestone Corporation | Construction vehicle tire |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW202039534A (zh) | 2018-12-14 | 2020-11-01 | 美商美國禮來大藥廠 | KRAS變體mRNA分子 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56160204A (en) * | 1980-05-13 | 1981-12-09 | Bridgestone Corp | Heavy load bearing radial tire with reduced shearing strain in bead section |
JPS61129604U (ja) * | 1985-02-01 | 1986-08-14 | ||
JP5406585B2 (ja) * | 2009-04-30 | 2014-02-05 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP5418767B2 (ja) * | 2009-04-30 | 2014-02-19 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP2011143844A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Bridgestone Corp | タイヤ |
WO2012018128A1 (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-09 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP5687222B2 (ja) * | 2012-01-27 | 2015-03-18 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
-
2013
- 2013-08-07 JP JP2013163829A patent/JP2015030441A/ja active Pending
-
2014
- 2014-08-04 WO PCT/JP2014/070461 patent/WO2015019995A1/ja active Application Filing
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110300670A (zh) * | 2016-12-20 | 2019-10-01 | 米其林集团总公司 | 抗化学侵蚀的轮胎 |
US20210138846A1 (en) * | 2018-06-21 | 2021-05-13 | Bridgestone Corporation | Construction vehicle tire |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2015019995A1 (ja) | 2015-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5809611B2 (ja) | ランフラットタイヤ | |
JP5545901B1 (ja) | タイヤ | |
JP5956942B2 (ja) | タイヤ | |
JP2014213835A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2007038917A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2012131351A (ja) | 空気入りタイヤおよびスタッドピン | |
JP2015030441A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5947783B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2017088095A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2011084148A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2016113100A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2015039926A (ja) | 空気入りタイヤ | |
US20200122524A1 (en) | Heavy duty pneumatic tire | |
JP6117556B2 (ja) | 建設車両用タイヤ | |
JP2013129346A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6133632B2 (ja) | 重荷重用タイヤ | |
JP6046947B2 (ja) | ランフラットタイヤ | |
JP2011143844A (ja) | タイヤ | |
JP2010208505A (ja) | タイヤ | |
US20200122523A1 (en) | Heavy duty pneumatic tire | |
WO2016093126A1 (ja) | 建設車両用タイヤ | |
JP2012144129A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2020066244A (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
JP6150706B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2019099077A (ja) | 空気入りタイヤ |