JP2015029674A - ガラス防煙壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】一側壁側から他側壁側への揺れに対して、効果的な免震構造を備えたガラス防煙壁構造を提供する。【解決手段】ガラス防煙壁3は、中央側に位置する吊り下げガラス6と仕切壁5側に位置する分離ガラス7とを設け、ガラス防煙壁3には、天井部1への装着時に吊り下げガラス6と分離ガラス7とを連結する連結手段16a,17aと、地震を検知するとともに連結手段16a,17aの連結を解除する連結解除手段21とが装備され、連結解除手段21は、所定以上の地震の揺れによって連結手段16a,17aの連結を解除し、吊り下げガラス6から分離ガラス7を分離するようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、建物の屋内の天井部に配置され屋内の火災時において発生する気流の流れを抑制するガラス防煙壁構造に関する。
一定の基準以上の要件を満たす建築物について、火災時における煙の流動拡散を防ぎ、消火活動の円滑化及び煙が充満するまでの人の避難時間をつくるなどのために防煙垂壁を設けることが義務付けられている。
防煙垂壁は、天井部から適度な長さで吊り下げられ、シート状、プレート状など種々の材料が使用されているが、透過性のよさや不燃性の性質などからガラスが多く使用されている。
しかしながら、板ガラスは防煙効果の必要上、天井部の一側壁から他側壁まで隙間なく、連続して設けなければならない。よって、地震の発生時においては、ガラス板が、歪んだ状態で一側壁と他側壁との間に挟み込まれ、捻れや座屈などの負荷がかかるおそれがある。ガラスはワイヤーなどで強化されているものが使用されているが、ガラスの性質上、割れやすく何らかの対応がなされている。
例えば、特許文献1の防護垂壁によれば、板ガラスの上端側を支持する断面が略四角形状の支持フレーム(ガラス吊り下げ部)に、板ガラスの上端に装着されたガラスブロック(ガラスの支持部材)を支持フレームの内部に遊嵌させ、ガラスブロックを介して板ガラスを支持フレームに吊り下げた防護垂壁が開示されている。この防護垂壁によれば、板ガラスをガラスブロックに遊びを持たせた状態で吊るすことによって、地震時における板ガラスに負荷する応力を軽減するようにしている。
特許文献2の防護垂壁によれば、天井部の一側壁(仕切壁)から他側壁との間に複数の板ガラスを設け、板ガラスは各板ガラス同士の間、若しくは板ガラスと一側壁との間、若しくは板ガラスと他側壁との間に隙間を設けている。そして、板ガラスの間、板ガラスの一側端面と一側壁(仕切壁)との間、あるいは板ガラスの他側端面と他側壁との間に可撓性の連結部材を設けている。地震発生時では、この可撓性の連結部材によって、板ガラスの連結部や板ガラスと一側壁又は他側壁との連結部に発生する応力を逃がすようにしている。
特開2008−18050号公報 特開2006−320433号公報
特許文献1の防護垂壁によると、板ガラスを板ガラスに装着したガラスブロックを介して支持フレームに遊びを持たせた状態で、板ガラスを吊しているので、上下方向、板ガラス面に対して直交する方向の揺れには有効である。しかしながら、板ガラスが延在する一側壁(仕切壁)から他側壁方向への揺れに対しては、これらの側壁間に挟まれるので必ずしも有効ではない。
特許文献2の防護垂壁によると、板ガラスの側端面に可撓性の連結部材を設けることによって、板ガラスが延在する一側壁から他側壁側への揺れに対する免震対策を行っている。このような可撓性の連結部材による免震構造は、小さな揺れに対しては効果的であるが、大きな揺れに対しては、連結部材に対して大きな幅を有さなければならない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、一側壁側から他側壁側への揺れに対して、効果的な免震構造を備えたガラス防煙壁構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のガラス防煙壁構造は、天井部から降下し向かい合う仕切壁間にわたってガラス防煙壁が吊り下げられるガラス防煙壁構造において、前記ガラス防煙壁は、中央側に位置する吊り下げガラスと前記仕切壁側に位置する分離ガラスとを設け、該ガラス防煙壁には、前記天井部への装着時に前記吊り下げガラスと前記分離ガラスとを連結する連結手段と、地震を検知するとともに前記連結手段の連結を解除する連結解除手段とが装備され、該連結解除手段は、所定以上の地震の揺れによって前記連結手段の連結を解除し、前記吊り下げガラスから前記分離ガラスを分離するようにした。この分離ガラスを分離する手段には、分離ガラスの降下、スライド、回動などを行って分離させることができる。
また、仕切壁には、一般の壁の他、梁、柱などガラス防煙壁を間に仕切ることが可能なものを含むとする。
上記ガラス防煙壁構造の前記連結解除手段は、前記天井部に固定され周囲に係止溝が形成されている支持部材と、前記支持部材を上下方向に貫通し前記分離ガラスを吊り下げるロッドと、該吊り下げロッドに固定され地震動により揺れる揺動錘と、該揺動錘とともに前記吊り下げロッドに一体的に取付けられ、前記係止溝に係合部が係止されることによって、前記分離ガラスを上昇位置に配置する懸架部材と、を備え、前記係止溝と係合部の係止状態は前記揺動錘の揺れによって解除され、この解除によって前記分離ガラスを自重によって下降位置に降下させ、前記連結手段の連結を解除することができる。
上記ガラス防煙壁構造の前記吊り下げガラスと分離ガラスとの連結手段は、これらの吊り下げガラスと分離ガラスの下縁部に沿って装着されるいずれかのアンダーフレームであって、一方のガラスのアンダーフレームには、他方のガラス側へ突出させて該他方のガラスのアンダーフレームの欠落部を支持する連結部を形成し、前記連結解除手段は分離ガラスを下方へ降下させ、前記連結部と欠落部の連結を解除して前記吊り下げガラスと前記分離ガラスを分離することができる。
上記連結解除手段は、前記連結解除手段は、地震の揺れを検知する加速度センサーと、電気的手段を介して前記連結手段の連結を解除する制御部とを備え、前記連結手段は前記分離ガラスが下降位置に降下することによって前記吊り下げガラスと前記分離ガラスの連結が解除されることが好ましい。
上記ガラス防煙壁構造の前記連結解除手段は、非常時に作動する非常用電源に連結されていることが好ましい。
上記ガラス防煙壁構造は、前記天井部に前記懸架手段を回動させるガイド部材を形成し、前記分離ガラスの分離時に前記懸架手段が前記ガイド部材に案内されて、前記分離ガラスを前記ロッド軸周りに回動させることができる。
本発明によれば、ガラス防煙壁は、中央側に位置する吊り下げガラスと仕切壁側に位置する分離ガラスとを設け、前記ガラス防煙壁には、天井部への装着時に前記吊り下げガラスと前記分離ガラスとを連結する連結手段と、地震を検知するとともに前記連結手段の連結を解除する連結解除手段とが装備され、該連結解除手段は、所定の地震の揺れを越えると前記連結手段の連結を解除し、前記吊り下げガラスから前記分離ガラスを分離するようにしたので、ガラス防煙壁の破損を防止することできる。また、発明の実施にあたり、簡単な構成により費用も安価で実施が可能であり、既に屋内に装着されているガラス防護壁を取り替えることなく、汎用性に富んでいる。
本発明の第1の実施形態によるガラス防煙壁構造のガラス防煙壁が取付られている状態を示す斜視図である。 図1のガラス防煙壁の吊り下げガラス側の断面図(図1のX−X方向断面図)である。 図1のガラス防煙壁の分離ガラス側に配置されている連結解除手段を示し、Aは分離ガラスが上昇位置に配置されている状態、Bは分離ガラスが下降位置に配置されている状態の断面図である。 図1のガラス防煙壁の分離ガラスが下降位置に配置されている状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態によるガラス防煙壁構造の連結解除手段の断面図である。 本発明の第3の実施形態によるガラス防煙壁構造の連結解除手段の断面図である。 図6の連結解除手段を矢印Y方向から見た側面図である。 本発明の第2の実施形態によるガラス防煙壁構造の変形例である。
以下、本発明の実施形態によるガラス防煙壁構造について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のガラス防煙壁構造を備えた建物の天井板を省略した天井部の斜視図、図2はガラス防煙壁の吊り下げガラス側の断面図、図3はガラスの連結解除手段の断面図である。なお、本明細書では、図1のガラスの延在(左右)方向をガラスの幅方向とし、図1で示すガラス面の表側をガラスの前面側とする。
図1〜図3を参照にして、建物の天井部1の天井壁2には、該天井壁2から垂下するように、ガラス防煙壁(防煙垂壁)3が配設されている。ガラス防煙壁3は、天井壁2から垂下する一側壁側の仕切壁5と図示しない他側壁側の仕切壁の間に、吊り下げられるようにして配設されている。
ガラス防煙壁3は、全体として長四角形状であって、中央側に位置する横長の吊り下げガラス6と一側壁側の仕切壁5に隣接して位置する縦長の分離ガラス7とを備え、吊り下げガラス6と分離ガラス7は、それぞれの上下方向の長さ及び厚さが同じであり、横方向に一平面上に隣接しかつ整列して配設されている。横幅の広い吊り下げガラス6は、本実施形態では1枚であるが、複数枚に分割したものであってもよい。
ガラス防煙壁3は、天井壁2に設けられている金属製の支持フレーム9によって吊り下げられ、支持フレーム9は、仕切壁5間にわたって、天井壁2に組み込まれている(図2,図3)。支持フレーム9はほぼ矩形断面の空間を有するガラス支持部11と該ガラス支持部11の下側に位置し、下方に開口するガラス挿入部12が形成されている。
ガラス防煙壁3の吊り下げガラス6は、上縁部に支持フレーム9の延在方向の中間位置に配置される。吊り下げガラス6のガラス本体6aの上縁部には、ガラス本体6aを保持する金属製のアッパーフレーム14が設けられ、アッパーフレーム14には、ガラスの厚さ方向断面がT字形状の吊り下げ部14aと吊り下げ部14aの下部に位置する断面が逆凹字形状の保持部14bとが形成されている。保持部14bは、ガラス本体6の上面と前後面の上縁側が接着剤などを塗布して装着される。
分離ガラス7は、向かい合う仕切壁5の一側壁側及び/又は他側壁側(図示せず)に隣接するように配置されている。
分離ガラス7のガラス本体7aの上縁部にも、ガラス本体6aを保持する金属製のアッパーフレーム15が設けられている(図3)。アッパーフレーム15は、ガラスの厚さ方向の断面が逆凹字形状であり、ガラス本体6aの上面と前後面の上縁側に接着剤などを塗布して装着される。
吊り下げガラス6のガラス本体6aの下部には、ガラスの厚さ方向の断面が凹字形状で金属製のアンダーフレーム16が設けられ、ガラス本体6aの下面と前後面の下縁側に接着剤などで装着される。同様に、分離ガラス7のガラス本体7a下部には、ガラスの厚さ方向の断面がコ字形状で金属製のアンダーフレーム17が設けられ、ガラス本体7aの下面と前後面の下縁側に接着剤などを塗布して装着される。吊り下げガラス6の下側端部には、アンダーフレーム16が覆われない欠落部16aがあり、その一方、分離ガラス7の吊り下げガラス6側のアンダーフレーム17は、吊り下げガラス6側に突出する連結部17aが形成され、連結部17aが欠落部16aを覆う。
吊り下げガラス6及び分離ガラス7の両側縁部には樹脂製の緩衝部材20が上下方向に装着されている。緩衝部材20は、吊り下げガラス6と分離ガラス7の接続部の密閉性の向上を図ることができる。
次に、連結解除手段について説明する。
連結解除手段21は、吊り下げロッド30、揺動錘22と、懸架部材23と、支持部材24とを備えている。これらのうち、支持部材24のみが硬質の樹脂製であって、これ以外の部材は金属製である。しかしながら、揺動錘22はある程度の重さがあればよく、材質はこだわらない。その他の部品の材質もこだわらない。
吊り下げロッド30は、円柱若しくは多角形状の軸状部材であって、下端部が分離ガラス7のアッパーフレーム15に固定され、分離ガラス7を保持できる強度を有する必要がある。
吊り下げロッド30の上端部には揺動錘22が設けられ、本実施形態では、揺動錘22は、懸架部材23を上下に挟み込むような状態で吊り下げロッド30に固定される。上側の錘本体25は円柱であり、下側の錘本体26は上部が大径の円柱である大径柱26aと下部が小径の円柱形である小径柱26bとに分かれている。各錘本体25,26の中心軸には吊り下げロッド30が貫通する孔が形成される。そして、錘本体25,26は、半径方向へ向けてネジ孔25c,26cが形成され、ネジ25d,26dの先端部が吊り下げロッド30を軸方向へ押圧することによって、吊り下げロッド30に固定される。なお、錘本体25,26は懸架部材23を上下に挟むようにして取り付けてあるが、上下にいずれか1つ配置してもよい。
懸架部材23は、吊り下げロッド30が貫通する補強板27と吊り下げアーム28とからなり、補強板27は長方形状の平板であって、補強板27の下面に吊り下げアーム28が固定されている。吊り下げアーム28は板バネ状の弾性を有する部材で形成され、下方に2本のアーム28aが延び、下端側で横方向内側に曲げ、さらに折り返すようにして横方向外側に曲げ、横向きに見てU字形状に曲がっている折り返し片28bが形成されている。
支持部材24は、吊り下げロッド30を貫通する内孔24aを形成し、上方側に位置させて環状溝からなる小径部24bが形成され、両面テープ29を介して底面が支持フレーム9の上面に接着されている。係止部としての小径部24bには、折り返し片28bの先端部が係止される。この小径部24bは折り返し片28bに対して完全に固定するのではなく、吊り下げアーム28の揺れによって折り返し片28bが小径部24bから脱落可能となるように深さなどを考慮して形成する。この小径部24bは環状溝としたが、環状に形成することなく単なる凹部形状の溝であってもよい。また、小径部24bの断面形状については、矩形断面にしたが、折り返し片28bに対応させた曲線形状であってもよい。
支持部材24の内孔24aの径は、錘本体26の小径柱26bの径よりも大きく、また内孔24aは吊り下げロッド30とは係合しない(半径方向へ間隔を空けている)。したがって、吊り下げロッド30は支持部材24と係合しないが、揺動錘22、懸架部材23、分離ガラス7とは一体となっている。
分離ガラス7は、上方位置と下方位置とがあり、上方位置では、図3のAに示すように、懸架部材23が支持部材24の小径部24bの溝に折り返し片28bが挿入されることによって、懸架部材23が支持部材24に支持されている。この状態で、分離ガラス7は、上端部がアッパーフレーム15を介して、支持フレーム9のガラス挿入部12内に収容される。したがって、懸架部材23はやじろべえのようにして分離ガラス7を懸架し、分離ガラス7は上昇位置になる。
また、支持部材24の小径部24bと折り返し片28bとの係合が解除されると、分離ガラス7は下方位置となる。すなわち、分離ガラス7の下方位置では、図3のBに示すように、支持部材24の小径部24bと折り返し片28bとの係合が解除され、吊り下げロッド30、懸架部材23及び揺動錘22が一体となって落下する。そして、2本のアーム28aの折り返し片28bが天井壁2に当接するまで降下する。この分離ガラス7の下方位置においても、懸架部材23はやじろべえのように分離ガラス7を懸架し、分離ガラス7の重量によって、降下しても傾倒が免れる。
ガラス防煙壁3が天井部1に装着される際は、分離ガラス7は上方位置に配置され、吊り下げガラス6と同じ高さ位置にあり、隙間なく隣接して配置されるが、吊り下げガラス6と分離ガラス7の緩衝部材20同士の接触部は、当接するだけで接着などは施されない。
吊り下げガラス6と分離ガラス7は、ガラス板の上部において、支持フレーム9のガラス挿入部12が連結手段となって連結され、図4に示すように、下部では吊り下げガラス6のアンダーフレーム16が覆われていない欠落部16aと、分離ガラス7の連結部17aとが連結手段となって連結され、安定して天井部1に装着される。
次に、本発明のガラス防煙壁構造の作用について説明する。
上述したように、ガラス防煙壁3は天井壁2から垂下されているが、一般の防煙壁と同様に火災時においては、多方向への煙の流れを抑制する効果がある。
一方、本実施形態では、地震によって、連結解除手段21の懸架部材23と支持部材24との係合が解除される。詳しくは、吊り下げロッド30の上端側はフリーになっているので、地震による揺れが伝わると、揺動錘22が揺れ、同じく吊り下げロッド30に取付けられている懸架部材23も揺れる。支持部材24の軸方向中心部には内孔24aが形成され、吊り下げロッド30と内孔24aとの間には、吊り下げロッド30の半径方向に遊びがあるので、天井壁2に固定されている支持部材24に対して、懸架部材23は自由に揺れることができる。よって、地震の震度が大きいような状態では揺れも大きくなり、懸架部材23の折り返し片28bと支持部材24の小径部24bとの係合部が外れる。
すると、分離ガラス7は地震の重量による重力作用によって落下し、下降位置に降下する。この際、下側に位置する錘本体26の小径柱26bが支持部材24の内孔24aに入り込む。懸架部材23の落下時においては、懸架部材23の折り返し片28bが天井壁2に当たるが、折り返し片28bはバネ状になっているので、落下の衝撃を緩和する。
図4に示すように、分離ガラス7は下降位置に落下すると、上部では支持フレーム9のガラス挿入部12から下方側へ外れ、下部では吊り下げガラス6の欠落部16aから、分離ガラス7の連結部17aが下方側へ外れ、分離ガラス7と吊り下げガラス6の係合が解除され、分離ガラス7は、懸架部材23を介して天井壁2に支持されることによって吊り下げられ、フリー状態になる(図3のB)。
ガラス防煙壁3は、吊り下げガラス6と分離ガラス7の下端側が、天井部1や仕切壁5に対して固定されておらず、フリーになっているので、上下方向の揺れに対しガラス板に大きな応力は負荷しない構造になっており、また、ガラスの厚さ方向の揺れに対しても、振り子のように振れることが可能であることから、揺れに対しては大きな応力は負荷しない構造になっている。
しかしながら、ガラス防煙壁3の幅方向(長手方向)の揺れについては、仕切壁5が両側にあるので、仕切壁5間に挟まれてガラス破損の原因となる。図4に示すように、本実施形態においては、ガラス防煙壁3の両側に位置する分離ガラス7がフリー状態で吊りさげられるので、吊り下げガラス6が分離ガラス7に接触しても分離ガラス7が回動し、吊り下げガラス6に幅方向からの応力が回避される。フリー状態で吊り下げられている分離ガラス7が吊り下げガラス6に当たっても、分離ガラス7は吊り下げガラス6の緩衝部材20に当たるので、衝撃は少ない。よって、ガラス防煙壁3の破損が回避される。
地震が収まったときには、分離ガラス7を上方へ移動すれば、懸架部材23の折り返し片28bが支持部材24の小径部24bに係止される。
分離ガラス7は上昇位置から下降位置に対し移動可能であるが、その移動距離については連結手段、すなわち、分離ガラス7が支持フレーム9のガラス挿入部12から外れ、連結部17aが欠落部16aから外れる長さのいずれか大きい方が適用される。しかしながら、連結手段は上下に2箇所設ける必要はなくいずれか1箇所であってもよい。
なお、分離ガラス7を吊り下げガラス6の下端位置よりも低く下降させると、さらに分離ガラス7と吊り下げガラス6との接触が回避できるが、地震と火災とが伴う場合も考慮すると、下降位置は最小限にした方が好ましい。
また、地震の感度については、揺動錘22の重さや懸架部材23のアーム28aの強さなどで調整可能である。例えば、本実施形態では、揺動錘22の錘本体26の高さ位置によって調整でき、錘本体26の、ネジ孔26cのネジ26dを緩めて高さ調整をすればよい。錘本体26の高さが高いほど地震の感度が向上し、低い位置に取付けるほど感度が悪くなる。ガラス防煙壁3に用いられるガラスは窓ガラスよりも強いが、一般的な窓ガラスの割れは震度5強程度から生じるので、これを目安にして感度を良くしたい場合は、その震度よりも弱い設定値にて分離ガラス7が降下するように、適宜錘本体26(揺動錘22)の高さ位置や重量、懸架部材23の係合状態などを決定すればよい。
本実施形態では、簡単な構成により費用も安価で実施が可能である。
さらに、本実施形態では、仕切壁間に既に配設されている既存の防煙ガラスについて、分離ガラスの幅だけ切断して、分離ガラスに連結解除手段を装備すればよいので、後付けも問題なく可能である。
次に、本発明のガラス防煙壁構造における第2の実施形態について説明する。
なお、上記第1の実施形態と同じ部材については同一の符号を付して説明する。
上記第1の実施形態においては、機械式によって吊り下げガラス6から分離ガラス7を連結解除したが、本実施形態では連結解除手段を機械的な機構と電気制御を併せてそれを行うようした。
図5に示すように、連結解除手段31は、吊り下げロッド30、揺動錘22、懸架部材23、支持部材24、加速度センサー32、制御部33及びソレノイドコイル34を備えている。これらのうち、吊り下げロッド30と懸架部材23とが互いに固定されていれば、揺動錘22については省略してもよい。
加速度センサー32は、加速度を検知するセンサーであり、地震の揺れに対する加速度を検知することができる。制御部33は加速度センサー32から加速度の信号が送られ、加速度の値が一定以上になるとソレノイドコイル34に電源を供給するようにしている。本実施形態では、連結解除手段31に必要な電源は通常の商用電源の他に、停電時などの非常時に使用される非常用電源にも接続される。
ソレノイドコイル34は電源が供給されると、電磁石となり、懸架部材23のアーム28aを磁気によって引き寄せる。すると、懸架部材23の折り返し片28bと支持部材24の小径部24bとの係合が外れ、分離ガラス7は自身の重量による重力作用によって落下し下降位置に降下する。上述したように、揺動錘22は省略することができるが、停電や電気系統が故障したときのために、非常時対策として配設しておくとよい。
本実施形態では、地震が発生すると、加速度センサー32が地震の揺れを検知し、加速度の大きさが一定以上に達すると、制御部33がソレノイドコイル34に作動用の電圧を印加する。懸架部材23の吊り下げアーム28は弾性を有し材質がバネ状であるので、外側のソレノイドコイル34に引き寄せられる。すると、懸架部材23の折り返し片28bと支持部材24の小径部24bとの係合部が外れる。これらの係合が解除されると、ソレノイドコイル34の磁力が分離ガラス7の重量に抗することができず、分離ガラス7は上昇位置から下降位置に降下する。また、地震の発生から起因する停電があっても、非常用電源から連結解除手段31に電気を供給することができる。
制御部33は、加速度センサー32から得られた加速度(震度)の大きさに合わせて敷居値を設けることができ、揺れに対する正確な制御が可能になる効果がある。
次に、本発明のガラス防煙壁構造における第3の実施形態について説明する。
なお、上記第1の実施形態と同じ部材については同一の符号を付して説明する。
本実施形態におけるガラス防煙壁構造については、図1の上記第1の実施形態の全てを用いており、連結解除手段21に角度変更部材を設けている。
図4に示すように、分離ガラス7が吊り下げガラス6から分離された後は、分離ガラス7はフリー状態になって吊り下げられる、この際、分離ガラス7は地震の揺れに対して自然に回転するか、あるいは吊り下げガラス6に押されるようにして回転する。
しかしながら、吊り下げガラス6と分離ガラス7との接触部の密閉性を確保したり、その他事情によって緩衝部材20同士の当接部が外れにくい場合も想定でき、本実施形態では、そのような場合に、分離ガラス7を強制的に回転させるものである。
図6及び図7を参照にして、角度変更部材は、断面が三角形状の一対のガイド部材42であり、ガイド部材42はガイド部となる傾斜面42aを形成している。各々の傾斜面42aは、吊り下げロッド30を中心とする円周方向にかつ反時計回りの同一方向へ向くように形成されている。ガイド部材42が配設される箇所は、傾斜面42aが懸架部材23の吊り下げアーム28の折り返し片28bの直下に位置するように配置される。
地震によって、揺動錘22が揺れ、懸架部材23の折り返し片28bと支持部材24の小径部24bとの係合部が外れると、分離ガラス7は降下する。この際、折り返し片28bがガイド部材42の傾斜面42aと接触し、折り返し片28が傾斜面42aに沿って移動することによって、吊り下げロッド30が回動し、吊り下げロッド30に固定されている分離ガラス7も回動する。この分離ガラス7の回動によって、確実に吊り下げガラス6と分離できる。なお、分離ガラス7の回動は、ガラスの厚さよりもやや大きい程度以上であればよい。
分離ガラス7は降下したあと、ガイド部材42により確実に回動されて、ガラス防煙壁3の破損を防止することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えば、上記第1〜第3の実施形態では、分離ガラスを仕切壁側に配設したが、さらに、吊り下げガラス間の中間部に配設することができる。
上記第1〜第3の実施形態において、吊り下げガラスに対して分離ガラスを降下させて分離させたが、分離させる方法については、例えば、分離ガラス7を降下させないでそのままの状態で吊り下げロッドを所定角度回動させて分離してもよいし、構造は複雑になるが、仕切壁5側に分離ガラス6が入り込む余裕がある場合は、分離ガラス7を仕切壁5の内部にスライドさせてもよい。
上記第2の実施形態において、支持部材24を天井壁2に固定させ、懸架部材23を吊り下げロッド30に固定させたが、これに変えて、図8に示すような、連結解除手段に吊り下げロッド30と、吊り下げロッド30に固定され分離ガラス7が下降したろきに、下降位置を規制するストッパー45と、天井壁2若しくは天井部1のいずれかの固定部44に固定され、ストッパー45を支持する懸架部材23とを設け、ストッパー45を天井壁2から浮かせるようにして吊り下げロッド30に固定し、ストッパーを介して懸架部材23によって分離ガラス7を上昇位置に吊り下げるようにしてもよい(その他の構成については、上記第2の実施形態と同じである)。
1 天井部
2 天井壁
3 ガラス防煙壁
5 仕切壁
6 吊り下げガラス
7 分離ガラス
9 支持フレーム
16a 欠落部(連結手段)
17a 連結部(連結手段)
21,31 連結解除手段
22 揺動錘
23 懸架部材
24 支持部材
24b 小径部(係止溝)
25,26 錘本体
28 吊り下げアーム
28a アーム
28b 折り返し片(係合部)
30 吊り下げロッド
32 加速度センサー
33 制御部
34 ソレノイドコイル
42 ガイド部材

Claims (6)

  1. 天井部から降下し向かい合う仕切壁間にわたってガラス防煙壁が吊り下げられるガラス防煙壁構造において、
    前記ガラス防煙壁は、中央側に位置する吊り下げガラスと前記仕切壁側に位置する分離ガラスとを設け、
    該ガラス防煙壁には、前記天井部への装着時に前記吊り下げガラスと前記分離ガラスとを連結する連結手段と、地震を検知するとともに前記連結手段の連結を解除する連結解除手段とが装備され、
    該連結解除手段は、所定以上の地震の揺れによって前記連結手段の連結を解除し、前記吊り下げガラスから前記分離ガラスを分離するようにしたガラス防煙壁構造。
  2. 前記連結解除手段は、
    前記天井部に固定され周囲に係止溝が形成されている支持部材と、
    前記支持部材を上下方向に貫通し前記分離ガラスを吊り下げるロッドと、
    該吊り下げロッドに固定され地震動により揺れる揺動錘と、
    該揺動錘とともに前記吊り下げロッドに一体的に取付けられ、前記係止溝に係合部が係止されることによって、前記分離ガラスを上昇位置に配置する懸架部材とを備え、
    前記係止溝と係合部の係止状態は前記揺動錘の揺れによって解除され、この解除によって前記分離ガラスを下降位置に降下させ、前記連結手段の連結を解除する請求項1に記載のガラス防煙壁構造。
  3. 前記吊り下げガラスと分離ガラスとの連結手段は、これらの吊り下げガラスと分離ガラスの下縁部に沿って装着されるいずれかのアンダーフレームであって、
    一方のガラスのアンダーフレームには、他方のガラス側へ突出させて該他方のガラスのアンダーフレームの欠落部を支持する連結部を形成し、
    前記連結解除手段は分離ガラスを下方へ降下させ、前記連結部と欠落部の連結を解除して前記吊り下げガラスと前記分離ガラスを分離するようにした請求項1又は2に記載のガラス防煙壁構造。
  4. 前記連結解除手段は、地震の揺れを検知する加速度センサーと、電気的手段を介して前記連結手段の連結を解除する制御部とを備え、
    前記連結手段は前記分離ガラスが下降位置に降下することによって前記吊り下げガラスと前記分離ガラスの連結が解除されるようにした請求項1〜3のいずれかに記載のガラス防煙壁構造。
  5. 前記連結解除手段は、非常時に作動する非常用電源に連結されている請求項1〜4のいずれかに記載のガラス防煙壁構造。
  6. 前記天井部に前記懸架手段を回動させるガイド部材を形成し、前記分離ガラスの分離時に前記懸架手段が前記ガイド部材に案内されて、前記分離ガラスを前記ロッド軸周りに回動させるようにした請求項1〜5のいずれかに記載のガラス防煙壁構造。
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