JP5808689B2 - 制振体を設けた建物 - Google Patents

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本発明は、剛性体を建築物の内部に設けて制振作用を発揮させる制振体を設けた建築物に関する。
建築物の耐震性を向上させるために免震装置を設置し、建築物の固有振動周期を長周期化して建築物に作用する地震力を低減させることがおこなわれている。
剛性体の頂部を構造物の構造部材に固定し、剛性体の基部をフリーな状態で移動可能とし、地震等の外力が構造物に作用したときに剛性体が揺動することにより、建築物に作用する地震力を減衰させる制振構造物が特許文献1(特開2003−138783号公報)、及び特許文献2(特開2006−299677号公報)に開示されている。
特開2003−138783号公報 特開2006−299677号公報 特開平7−310455号公報
特許文献1及び特許文献2に開示された制振構造物は、図5に示すように、剛性体の頂部が建物の構造部材に固定してあり、剛性体の基部は固定されておらずフリーな状態で移動可能としてあり、剛性体が揺動するように建物に取り付けてあり、建物と剛性体の固有振動周期を異ならせることにより、建物に作用する地震力を減衰させる制振構造物である。地震力が建物に作用して建物が振動すると、剛性体もそれに伴って振動を開始するが、剛性体は、建物とは異なる固有振動周期を有しており、また、剛性体の基部はフリーな状態であるので、建物の振動とは同調せずに建物とは逆方向に振動し、結果的に建物の振動を抑制して地震動に対して建物の安全性が確保されている。
また、特許文献2で開示された制振構造物は、特許文献1と同様のものであるが、剛性体の剛性を高めることによって制振効果を高めると共に、剛性体をユニット化してコンパクト化し、剛性体の施工を容易にすると共にコストの低減を図ったものである。
本発明は、制振体の性能を向上させると共に、2階建て、若しくは3階建ての建物であっても、制振体を1階に設置するだけで十分な制振作用が得られるようにするものである。
断面L字形の鉄筋コンクリート製壁体の基部が建物の基礎と一体化され、このL字形壁体の上部が1階の天井部の構造材に粘弾性ダンパーを介して固定されている建物であり、地震動などが作用した際、上部に粘弾性ダンパーからなる可動部を有するL字形の剛性体によって建物に作用する地震力を減衰させ、建物の破壊を防止するものである。
地震力が基礎を介して構造物である建物に作用して建物が振動すると、L字形の剛性体も振動するが、建物とは異なる固有振動周期を有しており、また、剛性体は基礎と一体化されると共に、上部が粘弾性ダンパーを介して天井部に可動状態で固定されており、建物の振動とは同調して振動しないので建物の振動を抑制することになる。
剛性体の建築物平面における設置位置は、建築物の幾何学的重心に配設するのが好ましいが、この場所に限定されるものでなく、建物のプランや構造型式に応じて最適な位置に設置するものである。剛性体は、基本的に基礎または1階の床面から1階の天井部までの高さを有するものとするが、地下階を設ける場合は、剛性体を地下階にまで延ばしても制振体としての作用に影響はあまり大きくない。
剛性体の頂部及び基部を構造部材に固定し、剛性体の上部を粘弾性ダンパーを介して1階の天井の構造部材に可動に連結することにより、地震時には建物に対して異なる固有振動周期で振動応答する構造として、建物の振動を抑制することができ、簡単な構造でかつ低コストで大きな制振効果が得られる。
更に、剛性体がL字形であることにより、剛性体の剛性が大きなものとなり、また、鉄筋コンクリート製であるので重量が大きいので、どの方向の地震動に対しても制振作用が得られ、制振体を1階に配置するだけで、2階以上の建物に対しても十分な制振作用が得られ、L字の内部側を壁体で包囲して扉を設けることによってL字形壁体を設置した空間を収納空間としても利用することができる。
L字形壁体の断面図。 L字形壁体の横断面図。。 L字形壁体の設置位置説明図。 粘弾性ダンパーの説明図。 従来の制振構造物の立面断面図。
実施例1
図1は、2階建ての木造建築物の1階に設置したL字形壁体1からなる制振体の断面図であり、図2は、L字形壁体1の平面図である。
建物におけるL字形壁体1の設置可能位置及び設置不可の位置を図3(1)、図3(2)に示す。建物の外壁で囲まれた図3(1)のAで示す建物の内部は、特に問題なくL字形壁体1を設置することができ、制振作用を十分期待できる。また、Bで示すL字形壁体1の一辺のみが階段、もしくは、吹き抜きに接する配置であれば制振作用が期待できる。しかし、図3(2)に示すCで示すように、建物の外壁にL字形壁体1の一辺、Dで示すL字形壁体1の端面が外壁に接する配置、または、階段(吹き抜き)にL字形壁体1の2辺、または一辺と端面が接するEで示す配置は制振作用が不十分となる可能性が大きいので避ける必要がある。
L字形壁体1は、壁厚180mm程度の鉄筋コンクリート製であり、その基部は、基礎3と一体として構築される。基礎3は、厚さ150mmの鉄筋コンクリートであり、L字形壁体1の設置される部分31は、コンクリート厚さを250mmに増やして厚くしてある。
L字形壁体1の上面には、粘弾性体を取り付けるための鋼製のベースプレート11が予め埋設しておいたアンカーボルト12で固定されている。ベースプレート11には、粘弾性ダンパー2を固定するための取付け板13が溶接してある。
図4(1)は、粘弾性ダンパー2の正面図、図4(2)は側面図、図4(3)は粘弾性ダンパー2を構成するチャンネル材21に粘弾性体22を貼り付けた状態の平面図である。
粘弾性ダンパー2は、チャンネル材21を対向させ、その間に5mmから10mm程度の粘弾性体22(住友3M社製ISD111)が接着固定してある。チャンネル材21の側部には固定用の穴23と長穴24が形成してあり、ベースプレート11の取付け板13にボルトで固定される。
チャンネル材21の間に粘弾性体22が挟み込んであり、チャンネル材21の一方がL字形壁体1の上面に固定され、他方のチャンネル材が天井側に固定されている。
天井側には取付け板16を溶接した上部プレート15が固定してあり、粘弾性ダンパー2の他方のチャンネル材21がこの取付け板16にボルトで固定される。
地震時には、建物に作用した地震力がL字形壁体1に伝達されて振動するが、建物の固有振動数と異なる振動数で振動し、かつ、L字形壁体1の上端部は粘弾性ダンパー2を介して天井に固定してあるので、建物の振動が粘弾性体22で吸収され、建物の破壊に至るのを阻止している。
また、図2に示すようにL字形壁体1を壁で囲み扉4を設けることによって、制振体を設置した場所を収納空間として利用することができる。
実験例
本発明の効果の確認のため、小規模住宅に一辺が840mm、壁厚180mmのL字形壁体を設置した本発明の実施例の供試体及び比較のための制振体を設置しない耐震構造とした供試体について振動台実験をおこなった。
実施例、及び比較例の実験供試体及び入力地震波を表1に示す。
Figure 0005808689
実験の結果をまとめると、最大加速度については、25%の低減効果が認められ、平均では15%の低減効果であった。層間変位については、最大55%、平均では50%の低減効果が認められた。
1 L字形壁体(制振体)
2 粘弾性ダンパー
3 基礎

Claims (2)

  1. 建物内部に、下部を基礎と一体化してある鉄筋コンクリート製のL字形壁体が少なくとも建物の幾何学的重心に設けてあり、このL字形壁体の頂部が1階の天井部の構造材に粘弾性ダンパーを介して固定してあり、かつ、L字型壁体と一体化してある部分の基礎厚が他の基礎部分より厚くしてあり、粘弾性ダンパーは、側部に固定用の穴と長穴が形成してあるチャンネル材を逆向きで対向配置し、その間に粘弾性体を接着固定したものであり、L字形壁体の上面にはベースプレートが固定されており、このベースプレートには、粘弾性ダンパーを固定するための取付け板が設けてあり、天井部材には取付け板を設けた上部プレートが固定してあり、粘弾性ダンパーと、ベースプレート及び上部プレートの取付け板はボルトで固定してあることを特徴とする制振体を設けた建物。
  2. 請求項1において、L字形壁体の一辺のみが階段、もしくは、吹き抜きに接する配置としてあり、L字形壁体の内側を壁体で包囲して空間を形成し、扉を設けて収納空間とした制振体を設けた建物。
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