JP4891195B2 - 床の架構構造 - Google Patents
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(1)振動源を嫌振機器から遠く離す方法。いわゆる距離減衰により振動エネルギーを吸収する方法で、構造体の縁切りなどもこの対策に含まれる。
(3)嫌振機器を除振する方法。嫌振機器を弾性支持(いわゆる除振)し、制振機能を備えた除振台に載せ、構造体から嫌振機器へ振動が伝播する前に振動エネルギーを吸収する。
しかし、床面のアクセレランスは床構造に起因するが、クリーンルームの床構造は、鉄骨系の構造材を用いることが多いため、床架構におけるモード減衰が小さいという特性がある。
尚、これらの振動に伴う問題を解決するため、構造材1(根太)の外周を柔軟性モルタル3で被覆し、構造材1を振動吸収板5で支持することで、構造材1に振動が加わった場合に、この振動を構造材1自体で吸収する構成が開示されている(特許文献1)。
これにより、梁が撓んだとき、拘束板によって減衰部材の上面の変形が抑制されることによって減衰部材がずり変形し、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、梁の振動を減衰する。
また、根太の端部が梁に固定され、根太端部の回転拘束度を高めることができる。この結果、根太の振動低減効果が高まる。
更に、減衰部材のばね要素と、根太及び床材の質量で構成される振動系の除振効果により、根太及び床材の振動を低減でき、床面のアクセレランスが向上する。
上記構成によれば、根太を支持する部分を硬い高剛性部材として、周囲から根太への振動伝播を低減し、アクセレランスを向上させる。また、根太を支持しない部分では、軟らかい低剛性部材とすることで、大きくずり変形させて、梁の振動減衰効果を向上させる。
これにより、想定される振動に対し、最適な減衰部材を選択することができる。
図1に示すように、本発明の床の架構構造10は、梁12で床の構成部材を支えている。梁12はH形鋼で形成され、両端部が図示しない柱に支持されている。
しかし、図2(C)に示すように、梁12に、例えば周囲の振動が伝播し、周波数fで振動した場合には、梁12には微小な曲げ変形(撓み)が繰り返される。
一方、減衰部材14の上面は、拘束板16の下面に接着されているため、拘束板16と共に拘束板16の下面と同じ量だけ変位する。
図3に示すように、実験に用いた床の架構30は、床面に置かれた梁支承材26で梁12の両端を支持している。梁12は長さが2400mmのH形鋼(200mm×200mm)とされ、フランジ12Fの上面には、減衰部材としての高減衰ゴム14が、梁12の長さ方向に渡って接合されている。
鋼板16の上には、3本の根太20がピッチ600mmで架け渡されている。根太20は長さが2000mmのH形鋼(200mm×200mm)とされ、ボルト28で梁20のフランジ20Fに固定されている。
アクセレランスは、根太20に加えた加振力Pの大きさと、加えられた加振力Pにより発生した根太20の振動(加速度)を測定し、根太20に加えた加振力Pが、根太20にどの程度伝達されているかを、周波数毎に伝達関数を用いて求めた。
また、加振力Pを加える位置は、根太20に最も大きな振動を与える位置という観点から、根太20の長さ方向の中央部を選び、加振点34とした。
特性Aには、2つのピークが見られる。1つは、A1に示す周波数が35Hzを中心としたピークで、根太20が受けた加振力Pの衝撃が梁12に伝播し、梁12が周波数が35Hzで大きく振動したことを示している。この時のアクセレランスの値は約0.01m/s2/Nであった。
振動伝達率は、梁12を設置した床から根太20に伝わる振動の伝達率を意味し、伝達率の値は小さいほど、周囲から床に伝わる振動が少なく望ましい。
測定方法は、梁12を設置した床の振動と、根太20の振動をそれぞれ測定し、床の振動が、梁12を経由して根太20にどの程度伝達されているかを求めた。このとき、床には加振力は加えず、実験室の周囲環境の中で自然に発生し、実験室に伝播してくる振動をそのまま利用した。
特性Aには、傾向として2つのピークが見られる。1つは、A1に示す周波数が35Hzを中心としたピークで、梁12が周波数35Hzで増幅されて振動していることを示している。この時の振動伝達率の値は約20である。
他の1つは、A2に示す周波数が50Hzを中心としたピークで、床の振動が梁12を経由して伝播し、根太20が周波数50Hzで振動していることを示している。この時の振動伝達率の値は約1であった。
図6に示すように、第2の実施の形態に係る床の架構40は、梁12のフランジ12Fの上面に、高剛性部材36と低剛性部材38が交互に配置されている。
低剛性部材38は、高剛性部材36より軟らかく、ずり変形量の大きい特性を有する、例えば高減衰エラストマー、高減衰ゴム、シリコーンゲルなどの低剛性かつ高減衰部材で形成され、根太20を支持しない位置に接着されている。
12 梁
14 減衰部材
16 拘束板
20 根太
30 実験用に床の架構構造
36 高剛性部材
38 低剛性部材
Claims (3)
- 梁と、
前記梁の長さ方向に渡って設けられ前記梁の上面に接合され、前記梁の振動を減衰させる減衰部材と、
前記梁の長さ方向に渡って設けられ前記減衰部材の上面を全範囲に渡って覆い、該減衰部材の上面の変形を抑制する拘束板と、
前記拘束板の上に所定の間隔で複数設けられ、前記梁と梁の間に架け渡されて床材を支持すると共に、端部が前記減衰部材と前記拘束板を挟んで前記梁に固定された根太と、
を有することを特徴とする床の架構構造。 - 前記減衰部材は、前記根太を支持する部分は硬い高剛性部材とし、前記根太を支持しない部分では、前記高剛性部材より軟らかい低剛性部材としたことを特徴とする請求項1に記載の床の架構構造。
- 前記減衰部材は、発泡ポリウレタンエラストマー又は高減衰ゴムで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の床の架構構造。
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