以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射される遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための貯留皿が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向の所定角度範囲内で回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えており、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側には遊技の進行に伴って各種演出用又は報知用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と、前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入球すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口15、第2大入賞口16、スルーゲート21及びアウト口23といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口や盤面ランプなども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによって行われる普通図柄抽選の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
また遊技機1は、遊技球が転動する遊技領域として、センター役物11の左側領域である第1の遊技領域と、右側領域である第2の遊技領域とを有している。そのため、遊技者によるハンドルレバー5の操作角度が所定角度よりも小さいときには、打球力が小さくなり、遊技領域に打ち出される遊技球が第1の遊技領域を転動しながら流下していくようになる。これに対し、ハンドルレバー5の操作角度が所定角度よりも大きいときには、打球力が大きくなり、遊技球が第2の遊技領域を転動しながら流下していくようになる。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の右側に相当する第2の遊技領域に設けられている。このスルーゲート21は、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球が通過する可能性のあるゲートである。またスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が行われる。そして図柄表示器22において普通図柄の変動表示が遊技状態に応じた所定時間行われた後、普通図柄の抽選結果が表示される。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。ここで第1始動口13は、矢印F1で示すように第1の遊技領域に向けて発射された遊技球が入球する可能性のある入賞口である。そのため、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球が第1始動口13に入球する可能性は極めて低い。一方、第2始動口14は、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球が入球する可能性のある入賞口である。そのため、矢印F1で示すように第1の遊技領域に向けて発射された遊技球が第2始動口14に入球する可能性は極めて低い。
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技である大当たり遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入球した遊技球が始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定が行われ、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた図柄変動演出が開始される。そして所定時間経過後に特別図柄の変動表示及び図柄変動演出が終了し、特別遊技判定の結果が表示される。その特別遊技判定の結果が大当たりを示すものであれば、遊技機1はその後、特別遊技として、遊技者にとって有利な大当たり遊技を開始する。
尚、図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。それ故、遊技者は、特別遊技判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる図柄変動演出の結果などによって認識する。
また第2始動口14は、その左右両側の近傍位置に羽根状に開閉する開閉部材である電動チューリップ14aを備えている。図2は、この電動チューリップ14aの動作態様を示す図であり、(a)は閉鎖状態を、(b)は開放状態を示している。電動チューリップ14aは、図2(a)に示すように閉鎖状態のとき、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球B1,B2を第2始動口14へ入球させないようにブロックする。これに対し、図2(b)に示すように開放状態となると、電動チューリップ14aは、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球B1,B2が第2始動口14に入球し易くなるように補助する補助状態となる。すなわち、電動チューリップ14aは、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2始動口14に入球することを補助する補助状態(開状態)と、遊技球が第2始動口14に入球することを補助しない非補助状態(閉状態)とに駆動される開閉部材である。この電動チューリップ14aは、通常、図2(a)に示す閉鎖状態となっており、第2始動口14への遊技球の入球を補助しない。これに対し、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2の遊技領域に設けられたスルーゲート21を通過することよって行われる普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ14aは、普通図柄の変動表示が終了した後、そのときの遊技状態に応じて定められる所定時間の間、継続的又は断続的に、図2(b)に示す開放状態となり、第2始動口14への遊技球の入球を補助する補助遊技状態となる。
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。つまり、第1大入賞口15は、第2の遊技領域に設けられている。この第1大入賞口15は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第1可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球して始動条件が成立することにより行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放状態に駆動され、遊技球が第1大入賞口15に入球可能な状態となる。ただし、第1大入賞口15に入球する可能性がある遊技球は、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球である。
第1大入賞口15が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入球させることが可能であり、それによって遊技者は多くの賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
また第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。つまり、第2大入賞口16も、第1大入賞口15と同様、第2の遊技領域に設けられている。この第2大入賞口16は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第2可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球して始動条件が成立することにより行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第2大入賞口16が開放状態に駆動され、遊技球が第2大入賞口16に入球可能な状態となる。ただし、第2大入賞口16に入球する可能性がある遊技球も、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球である。
第2大入賞口16が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入球させることが可能であり、それによって遊技者は多くの賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
特別遊技では、上記のような第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれかを択一的に開放状態へ駆動するラウンド遊技が所定回数実行される。そのため、第1大入賞口15及び第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド遊技が複数回行われる特別遊技は、遊技者に対して通常よりも多くの賞球を獲得することができる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)となる。尚、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放状態を継続させる開放時間は、特別遊技の種類に応じてラウンドごとに予め設定されるものであり、ラウンドによって異なる開放時間を設定することも可能である。例えば、特別遊技として行われる複数ラウンドのうちの特定のラウンドにおいて、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間を、遊技球が入球し難い程の短い時間に設定することもできる。
またセンター役物11は、その中央に、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される画像表示器12を備えている。この画像表示器12は、例えば数字やアルファベット、文字などの図柄が付された3つの装飾図柄12a,12b,12cを表示可能である。遊技機1において特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、画像表示器12は、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cを上下方向に変動させる図柄変動演出を開始して所定時間経過後にその変動演出を停止させることにより、その特別遊技判定の結果を遊技者に報知する演出を行う。例えば、画像表示器12で行われる図柄変動演出が3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを同じ図柄に揃えた状態で停止すると、その停止図柄が揃った状態により大当たりであることが遊技者に報知される。
画像表示器12は、図柄変動演出を開始してから停止させるまでの間に、様々な遊技演出を行うこともある。例えば、通常の図柄変動演出からノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を行ったり、またノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出から遊技者に操作ボタン6の操作を促す操作演出を行ったりすることもある。更に画像表示器12は、操作演出を行っているときに遊技者がボタン操作を行って成功すると、ノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を発展的に次の段階に移行させて、特定のキャラクタなどが出現して目的となるアクションが達成できるか否かを表示する各種発展演出を行ったりすることもある。さらに画像表示器12は、遊技機1において特別遊技が開始されると、特別遊技演出画像などを表示する。
またアウト口23は、遊技盤10の中央最下部に設けられており、第1又は第2の遊技領域を転動している間に、上述した各種入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出する。
更にセンター役物11の右側部には、第2大入賞口16が開放状態のとき、その第2大入賞口16に入球した遊技球が転動する転動領域17が形成されている。図3は、その転動領域17を拡大して示す図である。この転動領域17の下部には、例えば図3(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球の入賞を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図3(a)に示すように閉鎖状態であるとき、第2の遊技領域に向けて発射された遊技球B3は、転動領域17に進入することはない。これに対し、図3(b),(c)に示すように第2大入賞口16が開放状態であるとき、第2の遊技領域に向けて発射された遊技球B4,B5が第2大入賞口16に入球し、それら遊技球B4,B5が転動領域17に進入する。この転動領域17の一部の領域には、スルーゲート21と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能なVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域17は、第2大入賞口16に入球した遊技球B4,B5を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bとの2つの通過領域を有している。
例えば図3(b)に示すようにVゲート18が第2大入賞口16に入球した遊技球B4の通過を検知すると、その特別遊技が終了した後に行われる特別遊技判定において大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となる。つまり、Vゲート18は、その後の大当たりに当選する確率が通常の低確率状態(通常確率状態)よりも高くなる高確率状態へと移行させるための契機となるゲートである。またVゲート18の上部には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することによりVゲート18への進入経路を開閉するシャッタ19が設けられる。このシャッタ19は、例えば第2大入賞口16が開放状態に駆動されると、その開放タイミングから1〜2秒程度の所定時間遅延したタイミングでVゲート18への進入経路を開放する。したがって、図3(c)に示すように、シャッタ19がVゲート18を閉鎖しているときに第2大入賞口16に遊技球B5が入球すると、その遊技球B5は第1通過領域17aへ進入しないので、Vゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを経由して排出口20へと導かれる。これに対し、図3(b)に示すように、シャッタ19がVゲート18の上方を開放しているときに第2大入賞口16に遊技球B4が入球すると、その遊技球B4は第1通過領域17aへと進入し、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。このようにシャッタ19は、第2大入賞口16へ入球した遊技球を振り分ける振分手段として機能する。
上記のように本実施形態の遊技機1は、大当たりに当選して行われる特別遊技中に第2大入賞口16に遊技球が入球し、その入球した遊技球が転動領域17に設けられた第1通過領域17aを通過すると、その後の大当たりに当選する確率状態を低確率状態から高確率状態へと変化させる構成である。そして転動領域17に設けられたVゲート18は遊技盤10の正面側から視認可能である。そのため、遊技機1において大当たりが発生すると、遊技者は、その大当たりの特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過したか否かを目視で確認することにより、その後の確率状態が低確率と高確率とのいずれであるかを把握することが可能である。
上記のような遊技機1は、特別遊技を開始すると、第2の遊技領域に設けられた第1及び第2大入賞口15,16を択一的に開放状態へと駆動する。そのため、特別遊技が行われる特別遊技状態は、遊技者にハンドルレバー5の操作角度が所定角度よりも大きくなるように操作させ、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態(右打ち遊技状態)である。
次に図4は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図2に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35、発射制御基板36等で構成される。
主制御基板30は、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、遊技球が第1始動口13に入球したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口14に入球したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート21を遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド45、第1大入賞口15に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口スイッチ46、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド47、第2大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口スイッチ48、第2大入賞口16の転動領域17に設けられたシャッタ19を進退駆動するシャッタソレノイド49、及び、Vゲート18を遊技球が通過したことを検知するVゲートスイッチ50のそれぞれが接続されている。また主制御基板30には、図柄表示器22が接続されている。この図柄表示器22には、特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄抽選の結果に基づく普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとが設けられている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、第1大入賞口スイッチ46及び第2大入賞口スイッチ48のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されており、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は、特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定や、電動チューリップ14aを開放させるか否かを判定するための普通図柄抽選を行うように構成されている。例えばスルーゲートスイッチ43が遊技球の通過を検知した場合、主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、普通図柄表示器22bにおいてその普通図柄抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示を開始する。そして普通図柄抽選に当選した場合、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を所定時間経過後に当選図柄で停止させ、その後、電チューソレノイド44を所定時間及び所定回数駆動して電動チューリップ14aを開放させる。尚、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放状態になると、上述したように第2始動口14に遊技球が入球し易い状態となるため、電動チューリップ14aが開放した補助遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。
また主制御基板30は、第1始動口スイッチ41や第2始動口スイッチ42が遊技球の入球を検知した場合には、その入球した始動口に応じた特別遊技判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別遊技判定の結果に応じた所定時間の図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドなどを送出する。また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入球したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していないとき、主制御基板30は、その入球に伴う特別図柄の変動表示を保留する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留を消化して次の特別遊技判定を行い、その特別遊技判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
また主制御基板30は、特別遊技判定において大当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その大当たりの種別に応じた特別遊技を開始し、その特別遊技中の各ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド45又は第2大入賞口ソレノイド47を択一的に駆動することにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させる。また主制御基板30は、特別遊技を開始することに伴い、演出制御基板33に対してその特別遊技に対応した特別遊技演出を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
そして特別遊技状態において、主制御基板30は、第2大入賞口ソレノイド47の駆動に連動してシャッタソレノイド49を駆動すると共に、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知すると、その後の特別遊技判定において大当たりに当選する確率を高確率状態に設定する。これに対し、特別遊技状態においてVゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知しなかった場合、主制御基板30は、その特別遊技終了後の特別遊技判定において大当たりに当選する確率を低確率状態に設定する。
本実施形態では高確率状態で特別遊技判定が行われる回数が所定回数(例えば100回)に制限されており、特別遊技終了後の高確率状態において所定回数の特別遊技判定が行われる間に大当たりに当選しなかったときには、その後、確率状態が通常の低確率状態(通常確率状態)に戻る。主制御基板30は、このような確率変動制御も行うように構成される。
さらに主制御基板30は、特別遊技の終了後、特別遊技判定が所定回数(例えば100回)行われるまでの期間中、電動チューリップ14aが通常よりも頻繁に且つ長時間させることが可能な状態となり、第2始動口14に遊技球が入球し易くなる特定遊技状態で遊技を進行させる。そして特別遊技判定が所定回数行われるまでの間に大当たりに当選しなかったときには、主制御基板30は、特定遊技状態から通常遊技状態へ移行させることにより、電動チューリップ14aの開放頻度が少なくなり、しかも電動チューリップ14aが開放してもその開放時間が極めて短くなるようにして第2始動口14に遊技球が入球し難くなる遊技状態で遊技を進行させる。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、その決定した演出の実行を制御する。つまり、演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、決定した具体的な演出内容に基づく演出を実行させる。このように演出制御基板33は、主制御基板30からの指示に基づき、遊技機1の全体で行う具体的な演出を決定すると共に、その演出の実行を統括的に制御する。
例えば、主制御基板30によって特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板33は、その所定時間の間、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。この図柄変動演出では、3つの装飾図柄12a,12b,12cが単に上下方向に変動するだけの通常の図柄変動演出や、そのような通常の図柄変動演出からキャラクタなどが出現する様々な予告演出に発展的に移行させる演出など、特別遊技判定の結果に応じて様々な演出が行われる。また演出制御基板33には、操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングで操作ボタン6が操作されたことを検知した場合、そのボタン操作に応じた演出を行うことも可能である。
また主制御基板30によって特別遊技が行われる場合、演出制御基板33は、特別遊技判定において当選した大当たりの種類に応じた特別遊技演出(大当たり遊技演出)の実行を制御する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出に移行させたり、様々な発展演出へと移行させたりする。また画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて特別遊技中に現在のラウンドのラウンド表示を行ったり、動画像などの特別遊技演出画像を表示したりする。この画像制御基板34においてVRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aはこのVRAM34dに対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示して最前面の画像を遊技者に視認させることができる。更にこのような重畳的表示により、画像制御基板34は、任意の演出画像に重畳させて遊技者に報知すべき様々な報知情報を表示することが可能である。
また画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づき、スピーカー8から演出用の効果音や報知用の音声などを出力するように構成されている。演出用の効果音とは、例えば画像表示器12に表示されている演出画像に対応する音楽などである。また報知用の音声とは、例えば遊技者に報知すべき報知情報に基づく音声であり、演出用の効果音とは関係のない内容を遊技者に報知する音声である。画像制御基板34は、演出用の効果音と、報知用の音声とを同時にスピーカー8から出力することが可能であるが、報知用の音声を出力するときには、演出用の効果音の出力レベルを通常出力レベルよりも低下させることにより、遊技者が報知用の音声を聞き取り易くなるようにすることが好ましい。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、演出制御基板33からの指示に基づいて各種のランプを点灯させたり、消灯させたりする制御を行う。このランプ制御基板35は、例えば前枠扉3に設けられた枠ランプ7の点灯を制御すると共に、センター役物11やその他遊技盤10の盤面上に設けられた盤面ランプ24の点灯を制御するように構成される。
尚、画像表示器12、スピーカー8、枠ランプ7及び盤面ランプ24は、遊技機1における遊技の進行に伴って遊技者が簡単に知覚可能な各種演出を行うために設けられた演出手段である。
発射制御基板36は、遊技者によって時計回り方向に回転操作されるハンドルレバー5の操作角度に基づき、遊技球を発射する発射ソレノイド36aを駆動するものである。すなわち、発射制御基板36は、ハンドルレバー5の操作角度が大きくなるほど発射ソレノイド36aが強い打球力で遊技球を打ち出すように制御する。また発射制御基板36は、ハンドルレバー5の操作が継続されているときには、発射ソレノイド36aが所定の時間間隔で遊技球を連続的に打ち出すように制御する。
図5は、主制御基板30における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。
主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部61と、保留記憶部62とが設けられる。遊技データ格納部61は、大当たり乱数や図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部61に格納される各種乱数は、それぞれ予め定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部によって逐次更新される。そのため、遊技データ格納部61から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値が異なる値となる。また遊技データ格納部61には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。一方、保留記憶部62は、遊技データ取得部51によって遊技データ格納部61から特別遊技判定のために読み出された遊技データを所定の上限数まで一時的に記憶して保留しておくための記憶領域である。
主制御基板30のROM30bには、特別遊技判定テーブル63と、変動パターンテーブル64と、開放パターンテーブル65と、普通図柄抽選テーブル66とが予め記憶されている。特別遊技判定テーブル63は、特別遊技判定を行うために参照されるテーブルである。この特別遊技判定テーブル63には、低確率用判定テーブルと高確率用判定テーブルとが含まれており、低確率用判定テーブルには大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が定められており、高確率用判定テーブルには低確率用判定テーブルよりも多数の当選値が定められている。
変動パターンテーブル64は、主制御基板30において特別遊技判定が行われた場合に、その判定結果を表示するための特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル64には、大当たり乱数が大当たりを示す場合に参照されるテーブルや、リーチ乱数がリーチを示す場合に参照されるテーブルなど、複数のテーブルが含まれている。そして変動パターンテーブル64に含まれる複数のテーブルのそれぞれは、変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が1対1で対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル64を参照すれば、特別遊技判定の結果やリーチ乱数などに対応する特別図柄の変動時間を決定することができる。
開放パターンテーブル65は、特別遊技判定において大当たりに当選した場合に行われる特別遊技において第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを開放させる開放パターンを決定するために参照されるテーブルである。この開放パターンテーブル65には、複数の開放パターンが定義されており、各開放パターンに対して図柄乱数が1対1で対応付けられたテーブルである。そのため、特別遊技判定において大当たりに当選したことが判定されると、図柄乱数に基づいて開放パターンテーブル65を参照することにより、特別遊技中において第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる一の開放パターンを決定することができる。またこの開放パターンテーブル65は、第1始動口13に入球して取得された図柄乱数を判定するためのテーブルと、第2始動口14に入球して取得された図柄乱数を判定するためのテーブルとが区別して設けられている。そのため、図柄乱数が同じ値であっても第1始動口13に入球して取得された場合と、第2始動口14に入球して取得された場合とで、異なる開放パターンが決定されるようになっている。
普通図柄抽選テーブル66は、普通図柄抽選を行うために参照されるテーブルである。この普通図柄抽選テーブル66には、普通図柄乱数の当選値が予め定められている。この普通図柄抽選テーブル66には、例えば通常遊技状態と特定遊技状態とで異なる当選値が定められており、特定遊技状態での当選値の数が通常遊技状態での当選値の数よりも多くなるように定められている。一例を挙げると、普通図柄抽選テーブル66は、特定遊技状態のときには普通図柄抽選が100%の確率で当選するように普通図柄乱数の取り得る値の全てが当選値として予め定められており、通常遊技状態のときには特定遊技状態よりも当選確率が低くなるように普通図柄乱数が取り得る値のうちから幾つかの選択した値だけが当選値として予め定められている。ただし、普通図柄抽選テーブル66は、必ずしも通常遊技状態と特定遊技状態とで異なる当選値を定めたものでなくても良い。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の動作を統括的に制御するものである。そのためCPU30aは様々な処理部として機能する。図5にはその一部の機能が例示されており、CPU30aは、遊技データ取得部51、特別遊技判定部52、変動パターン決定部53、特別図柄制御部54、特別遊技制御部55、遊技状態制御部56及び補助遊技制御部57として機能する。
遊技データ取得部51は、第1始動口スイッチ41及び第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部61から、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部51は、第1始動口13又は第2始動口14への入球によって遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部62に格納する。保留記憶部62は、第1始動口13への入球によって取得された遊技データと、第2始動口14への入球によって取得された遊技データとを区別してそれぞれの遊技データを所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部51は、第1始動口13への入球によって取得した遊技データを第1始動口用の保留記憶領域へ格納し、第2始動口14への入球によって取得した遊技データを第2始動口用の保留記憶領域へ格納する。尚、それらの保留記憶領域に対して既に上限数の遊技データが格納されている場合には、遊技データ取得部51は、遊技データ格納部61から取得した遊技データを破棄し、保留記憶部62へ格納する処理は行わない。
特別遊技判定部52は、保留記憶部62に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づいて特別遊技判定(大当たり判定)を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて特別遊技判定テーブル63を参照し、その大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように特別遊技判定テーブル63には高確率用判定テーブルと低確率用判定テーブルとがあり、特別遊技判定部52は、保留記憶部62から遊技データを読み出した時点での確率状態に応じて低確率用判定テーブル及び高確率用判定テーブルのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような判定により、保留記憶部62から読み出した遊技データの当選又はハズレが決定する。尚、低確率用判定テーブルは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、高確率用判定テーブルは、通常確率用判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
特別遊技判定部52は、特別図柄制御部54によって特別図柄の変動表示が行われているときには、保留記憶部62からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、特別図柄制御部54によって行われている特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示を行うことが可能になったタイミングで、特別遊技判定部52は、保留記憶部62から遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。このとき、特別遊技判定部52は、第2始動口用の保留記憶領域に遊技データが格納されていれば、その遊技データを読み出して特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、第1始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データよりも、第2始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行っていくように構成されている。
変動パターン決定部53は、特別遊技判定部52において特別遊技判定が行われることに伴い、特別図柄の変動時間を決定する。すなわち、変動パターン決定部53は、特別遊技判定部52が保留記憶部62から読み出した遊技データに含まれる変動パターン乱数などに基づいて変動パターンテーブル64を参照することにより、特別図柄の変動時間を決定する。
特別図柄制御部54は、変動パターン決定部53により決定された特別図柄の変動時間に基づき、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を行う。そして特別図柄の変動表示を開始してから変動パターン決定部53で決定された特別図柄の変動時間が経過するタイミングで、特別図柄の変動表示を停止させ、特別遊技判定部52において行われた特別遊技判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、特別遊技判定の結果がハズレであれば、特別図柄制御部54は、ハズレに対応した特別図柄を表示する。これに対し、大当たりに当選していれば、その大当たりに対応した特別図柄を表示する。
特別遊技制御部55は、特別遊技判定部52による特別遊技判定において大当たりに当選し、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行させることが決定された場合に機能するものである。特別遊技制御部55は、特別遊技判定部52によって大当たりであることが判定されると、特別図柄の変動表示が停止した後に行われる特別遊技状態において第1大入賞口15及び第2大入賞口のそれぞれを開放させる開放パターンを決定する。また特別遊技制御部55は、特別遊技が開始されることに伴い、決定した開放パターンに基づいて複数ラウンドのうちの各ラウンドで第1大入賞口15及び第2大入賞口のそれぞれを択一的に開放させることにより、特別遊技中において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放状態へ作動させる開放特別遊技を制御する。
この特別遊技制御部55は、特別遊技状態における開放パターンを決定する際、第1始動口13と第2始動口14とのいずれに入球して取得された遊技データが大当たりとなったかに応じて異なるテーブルを参照する。例えば、第1始動口13への入球に伴って保留記憶部62に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部55は、開放パターンテーブル65から第1始動口13に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定する。また第2始動口14への入球に伴って保留記憶部62に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部55は、開放パターンテーブル65から第2始動口14に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定する。言い換えると、特別遊技制御部55は、特別遊技判定において大当たりに当選した場合に、その後に行う特別遊技の種類を決定するものである。本実施形態では、特別遊技の種類として、例えば第1から第3の3つの特別遊技がある場合を例示する。
図6は、第1始動口13又は第2始動口14へ入球して行われる特別遊技の種類を示す図である。まず図6(a)は、第1始動口13への入球によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第1始動口13に遊技球が入球して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部55は、図6(a)に示すように、第1、第2及び第3の特別遊技P1〜P3のうちから一の特別遊技を決定する。図6(a)の例では、第1の特別遊技P1の発生する割合は40%、第2の特別遊技P2の発生する割合は30%、第3の特別遊技P3の発生する割合は30%となっている。したがって、第1始動口13に遊技球が入球して大当たりとなった場合には、その後に行われる特別遊技として、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のうちのいずれか1つが実行される。
一方、図6(b)は、第2始動口14への入球によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第2始動口14に遊技球が入球して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部55は、図6(b)に示すように、100%の割合で第3の特別遊技P3を実行すべき特別遊技として決定する。したがって、第2始動口14に遊技球が入球して大当たりに当選すると、第1又は第2の特別遊技P1,P2が行われることはなく、常に第3の特別遊技P3が実行される。
図7は、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3における第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放パターンの一例を示す図である。まず、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3では、いずれの特別遊技であっても第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれか一方を開放するラウンドが所定回数(図例では合計16ラウンド)行われる。そして第1ラウンドから第4ラウンドまでは第1大入賞口15が開放し、第5ラウンドでは第2大入賞口16が開放する。その後、第6ラウンドから第15ラウンドまでは再び第1大入賞口15が開放し、第16ラウンドでは再び第2大入賞口16が開放する。以上の点は、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のいずれにおいても共通する。
第1乃至第3の特別遊技P1〜P3において相違する点は、各ラウンドにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間である。すなわち、第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれにもロング開放とショート開放とが定められており、各特別遊技P1〜P3のラウンド毎にロング開放とショート開放のいずれか一方が設定されている。ロング開放の場合、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば30秒程度の比較的長い時間に設定される。これに対し、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。そのため、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放される場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球が入球し易い状態となるのに対し、ショート開放の場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球が入球し難い状態となる。またロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入球すれば、開放時間が経過する前であっても第1大入賞口15又は第2大入賞口16は閉鎖する。ただし、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に1個又は2個程度の遊技球が稀に入球することはあっても、所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入球することはほとんど無いと言える。そのため、ショート開放の場合には、0.2秒程度の開放時間が経過することによって第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖するケースが多くなる。
ただし、ロング開放の場合の開放時間は30秒に限られるものではなく、ショート開放の場合の開放時間も0.2秒に限られるものではない。例えば、ロング開放の場合は、遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも長く、開放状態において複数の遊技球が入球可能な開放時間であれば良い。これに対し、ショート開放の場合は、例えば遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも短く、開放状態において遊技球が入球し難い開放時間であれば良い。
第1の特別遊技P1では、図7(a)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。第2の特別遊技P2では、図7(b)に示すように、第1〜第3ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第4ラウンドで第1大入賞口15がショート開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。第3の特別遊技P3では、図7(c)に示すように、第1〜第16ラウンドまでの全てのラウンドで第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。
尚、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のいずれが行われる場合であっても、特別遊技が行われた後には所定期間が終了するまでの間、電動チューリップ14aが通常よりも頻繁に開放状態(補助遊技状態)へと駆動されるようになり、通常遊技状態よりも第2始動口14に遊技球が入球し易くなる特定遊技状態で遊技が進行するようになる。そのため、特別遊技が終了してから所定期間が経過するまでの期間中において、遊技者は、特別遊技で獲得した賞球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができる。
特別遊技制御部55は、大当たりであると判定された遊技データに含まれる図柄乱数を判定することにより、上記第1〜第3の特別遊技P1〜P3のうちから一の特別遊技を決定する。ただし、第2始動口14への入球によって大当たりとなった場合には、毎回、第3の特別遊技P3が決定されることになる。そして遊技機1が特別遊技状態へ移行すると、特別遊技制御部55は、その決定した一の特別遊技の開放パターンに基づき、第1大入賞口ソレノイド45、第2大入賞口ソレノイド47及びシャッタソレノイド49を駆動することにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技を進行させる。また特別遊技制御部55は、Vゲートスイッチ50を監視しており、特別遊技の進行中において遊技球がVゲート18を通過すればそれを検知することがきる。
ここで第2大入賞口16が開放される第5及び第16ラウンドに着目すると、第1の特別遊技P1で行われる開放特別遊技では、いずれのラウンドでも第2大入賞口16がショート開放となる。そのため、遊技機1において第1の特別遊技P1が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性は極めて低い。これに対し、第2の特別遊技P2では第5ラウンド目で第2大入賞口16がロング開放し、第3の特別遊技P3では第5及び第16ラウンドの双方で第2大入賞口16がロング開放する。そのため、遊技機1において第2及び第3の特別遊技P2,P3のいずれかが行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性がある。
上述したように第2大入賞口16の開放中に入球した遊技球がVゲート18を通過すると、その後に特別遊技判定部52において大当たりと判定される確率が高確率状態となる。そのため、第2及び第3の特別遊技P2,P3は、第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有するため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができる特別遊技となる。これに対し、第1の特別遊技P1には第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有さないため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができない遊技となり、特別遊技終了後の確率状態は低確率状態となる。
このように特別遊技終了後に大当たりの当選確率が高確率状態と低確率状態とのいずれになるかという観点から、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3で行われる開放特別遊技を大別すると、第1の特別遊技P1で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることができない第1開放特別遊技となり、第2及び第3の特別遊技P2,P3で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることが可能な第2開放特別遊技となる。
ここで第2大入賞口16がショート開放される場合でも、遊技球が第2大入賞口16に入球する可能性は0ではない。すなわち、第2大入賞口16が0.2秒程度の僅かな時間だけ開放したタイミングで遊技球が入球する可能がある。しかし、そのようなショート開放において第2大入賞口16に遊技球が入球した場合には、その遊技球がVゲート18を通過することがないように、特別遊技制御部55がシャッタ19の動作を制御する。図8は、第2大入賞口16の開閉動作に連動するシャッタ19の動作を示すタイミングチャートであり、(a)はロング開放の場合を示しており、(b)はショート開放の場合を示している。シャッタ19は、ロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても第2大入賞口16が開放してから例えば数秒程度の所定時間Txを経過した後にVゲート18を開放する。尚、所定時間Txは、ロング開放とショート開放とで同じ時間である。
図8(a)に示すように、第2大入賞口16がロング開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Txが経過した後のタイミングT2でシャッタ19がVゲート18を開放する。Vゲート18が開放されたタイミングT2においても第2大入賞口16は開放された状態であるため、その状態で第2大入賞口16に入球する遊技球は第1通過領域17aを通ってVゲート18を通過する。したがって、第2大入賞口16がロング開放される場合には、シャッタ19がVゲート18を開放している間に遊技球を第2大入賞口16に入球させることができれば、ほぼ確実にVゲート18に遊技球を通過させることが可能である。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する第2及び第3の特別遊技P2,P3は、遊技機1の確率状態を高確率状態へ移行させることができる第2開放特別遊技となる。
一方、図8(b)に示すように、第2大入賞口16がショート開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Txが経過した後のタイミングT2でシャッタ19がVゲート18を開放したときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっている。したがって、仮に第2大入賞口16がショート開放される短時間の間に遊技球が第2大入賞口16に入球した場合であっても、その遊技球はシャッタ19がVゲート18を開放する前に転動領域17を通過するため、第1通過領域17aに設けられたVゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを通って排出口20から遊技盤10の背面側へ排出される。またシャッタ19がVゲート18を開放するときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっているため、そのタイミングで第2大入賞口16に遊技球が入球することはなく、Vゲート18を遊技球が通過することもない。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有さない第1の特別遊技P1は、遊技機1の確率状態を高確率状態へ移行させることができない第1開放特別遊技となる。
そして本実施形態では、第1始動口13に遊技球が入球して大当たりとなる場合よりも、第2始動口14に遊技球が入球して大当たりとなる場合の方が、高い割合で第2開放特別遊技が実行されるようになっており、第2始動口14に遊技球が入球して大当たりになると、遊技機1の確率状態を高確率状態へ移行させることができる可能性が高くなる。
次に遊技状態制御部56は、遊技機1の遊技状態の移行を制御するものである。図9は、遊技状態制御部56による遊技状態の移行を示す図である。まず遊技機1に電源が投入されると、遊技状態制御部56は、遊技機1を通常遊技状態ST1で動作させる。この通常遊技状態ST1では、特別遊技判定において大当たりに当選する確率が低確率状態に設定される。また、この通常遊技状態ST1は、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、遊技球が第2始動口14に入球する可能性が低い遊技状態である。そのため、この通常遊技状態ST1は、遊技者がハンドルレバー5を比較的小さい操作角度で操作することにより、図1の矢印F1で示すように遊技球を第1の遊技領域に向けて発射させ、第1始動口13への入球を狙って遊技を進行させる遊技状態(左打ち遊技状態)である。
そして通常遊技状態ST1において行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、遊技状態制御部56は、矢印A1で示すように、通常遊技状態ST1から特別遊技状態ST2へ移行させる。これにより遊技機1において特別遊技が開始されるため、特別遊技状態ST2は、遊技者が第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態(右打ち遊技状態)となる。そして特別遊技が終了すると、遊技状態制御部56は、矢印A2で示すように遊技状態を特別遊技状態ST2から特定遊技状態ST3へ移行させる。このとき、遊技状態制御部56は、特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過していれば、特別遊技判定において大当たりに当選する確率を高確率状態に設定し、特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過していなければ、その確率を低確率状態に設定する。
特定遊技状態ST3は、特別遊技の終了後、所定回数(例えば100回)の特別遊技判定が行われて所定回数の特別図柄の変動表示が終了するまでの所定期間継続する遊技状態である。この所定期間の間に、特別遊技判定で大当たりに当選すると、遊技状態制御部56は、矢印A3で示すように、特定遊技状態ST3から特別遊技状態ST2へ移行させる。一方、所定期間の間に大当たりに当選しなかった場合、すなわち所定回数目(100回目)の特別図柄の変動表示がハズレとなって停止すると、遊技状態制御部56は、矢印A4で示すように特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行させる。
この特定遊技状態ST3は、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選すると、遊技球が第2始動口14に入球し易くなる遊技状態である。そのため、この特定遊技状態ST3は、遊技者がハンドルレバー5を比較的大きい操作角度で操作することにより、図1の矢印F2で示すように遊技球を第2の遊技領域に向けて発射させ、第2始動口14に遊技球を入球させることを狙って遊技を進行させる遊技状態(右打ち遊技状態)である。そのため、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行すると、遊技者がハンドルレバー5に対して行う操作が右打ち遊技状態から左打ち遊技状態へ移行することになる。
図5に示す補助遊技制御部57は、スルーゲートスイッチ43が遊技球の通過を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部61から普通図柄乱数を取得し、普通図柄抽選テーブル66に基づいて普通図柄抽選を行う。補助遊技制御部57は、普通図柄抽選を行うと、普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後にその変動表示を停止させて普通図柄抽選の結果を表示する。そして普通図柄抽選に当選しているときには、普通図柄の変動表示を停止させた後、電チューソレノイド44を駆動することにより、電動チューリップ14aを継続的又は断続的に開放状態へと駆動して補助遊技を行わせる。尚、補助遊技制御部57は、普通図柄の変動表示中に普通図柄乱数を取得したときには、その普通図柄乱数に基づく普通図柄抽選を所定の上限数(例えば4つ)まで保留するように構成される。
このような補助遊技制御部57によって制御される補助遊技の動作は、通常遊技状態ST1と特定遊技状態ST3とで異なる動作となる。図10は、通常遊技状態ST1と特定遊技状態ST3の補助遊技動作の違いを示す図である。まず図10(a)に示すように通常遊技状態ST1のとき、補助遊技制御部57が普通図柄抽選を行うことに伴って開始される普通図柄の変動表示の変動時間Taは比較的長い時間(例えば29秒)に設定され、普通図柄抽選に当選してればその変動時間Taが経過した後に電動チューリップ14aが開放される。通常遊技状態ST1のとき、補助遊技制御部57は、電動チューリップ14aの開放時間Tbを比較的短い時間(例えば0.2秒)に設定して開放状態へ駆動するため、電動チューリップ14aが開放している状態で遊技球が第2始動口14に入球する可能性が低くなる。
これに対し、図10(b)に示すように特定遊技状態ST3のとき、補助遊技制御部57が普通図柄抽選を行うことに伴って開始される普通図柄の変動表示の変動時間Tcは比較的短い時間(例えば3秒)に設定され、普通図柄抽選に当選してればその変動時間Tcが経過した後に電動チューリップ14aが開放される。特定遊技状態ST3のとき、補助遊技制御部57は、電動チューリップ14aの開放時間Tdを比較的長い時間(例えば3.5秒)に設定して開放状態へ駆動するため、電動チューリップ14aの開放状態において遊技球が第2始動口14に入球する可能性が高くなる。
図11は、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行する直前に電動チューリップ14aが開放される場合のタイミングチャートである。図11に示すように、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行する直前のタイミングTeで電動チューリップ14aが開放状態となる場合、その開放時間Tdは比較的長い時間(例えば3.5秒)に設定される。そのため、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行した後においても電動チューリップ14aの開放状態が継続される。そのため、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで、遊技者がハンドルレバー5の操作を止めてしまったり、或いは、操作角度を小さくして第1の遊技領域に向けて遊技球を発射する状態に戻してしまったりすると、通常遊技状態ST1へ移行した直後において入球し易い状態となっている第2始動口14に遊技球を入球させることができなくなる。
一方、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行すると、遊技者が遊技を進行させるためにハンドルレバー5に対して行う操作状態が変わるため、遊技機1としては、遊技者に対し、ハンドルレバー5の操作状態の変更するように報知することが必要である。
そこで本実施形態の遊技機1は、遊技状態が移行するタイミングで遊技者がハンドルレバー5に対して行う操作状態が変わるとき、遊技者に対してハンドルレバー5の操作状態の変更するように報知するように構成され、特に特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行するときには、そのような報知を行いつつも、その移行タイミングで遊技者がハンドルレバー5の操作を突然止めてしまったり、或いは、操作角度を小さくして第1の遊技領域に向けて遊技球を発射する状態に戻してしまったりすることをなるべく生じさせない演出を行うことにより、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行した直後において入球し易い状態となっている第2始動口14により多くの遊技球を入球させることができるように構成される。以下、そのような遊技機1で行われる具体的な処理について詳しく説明する。
図12は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図12に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、特別遊技処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、補助遊技処理(ステップS110)、及び、出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間経過に伴って再びタイマによる割込が発生することにより、乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を再び開始する。これ以降、同様の処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、RAM30cの遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数、普通図柄乱数などの各種乱数の値が更新される処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部51が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、上述の遊技データ取得部51が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、補助遊技制御部57がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄抽選を行うために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば大入賞口スイッチなど)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部52、変動パターン決定部53及び特別図柄制御部54による特別遊技判定処理及びその特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動処理などが行われる。特別遊技処理(ステップS108)では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、補助遊技制御部57による普通図柄の変動表示処理およびその変動表示処理に伴う処理が行われる。補助遊技処理(ステップS110)では、補助遊技制御部57による電動チューリップ14aの開閉動作制御が行われる。また出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33のそれぞれに対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。各基板に出力するコマンドやデータは、ステップS102〜S110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされている。そのため、この出力処理(ステップS111)ではそれらのRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する処理が行われる。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数、普通図柄乱数などの各種乱数の初期値が更新される。
図13は、第1始動口スイッチ処理(図12のステップS101)及び第2始動口スイッチ処理(図12のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図13(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入球して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13へ入球したことによる遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数の値によって、「大当たり」であるか又は「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数の値によってその大当たり遊技として行う特別遊技の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13へ入球したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に図13(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図12のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入球して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14に入球したことによる遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、またハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入球したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に図14は、ゲートスイッチ処理(図12のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ43がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチ43がオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値を、RAM103に格納する(ステップS404)。
次に図15は、特別図柄処理(図12のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判断する(ステップS501)。特別遊技中であれば、その特別遊技(大当たり遊技)が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、特別遊技中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)は、特別遊技判定の始動条件となる第1始動口13又は第2始動口14への入球に基づく保留が無いことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく特別遊技判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の遊技状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ低確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして主制御基板30は、遊技者に有利な特別遊技として大当たり遊技を行うかを判定するための特別遊技判定処理を実行する(ステップS514)。この特別遊技判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果並びに他の乱数に基づいて特別図柄の変動表示を行う際の変動時間が決定される。
主制御基板30は、特別遊技判定処理(ステップS514)を行った後、その特別遊技判定処理で決定された変動時間に対応して装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を含む図柄変動演出を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS516)。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が特別遊技判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を特別遊技判定の判定結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして主制御基板30は、停止中処理(ステップS522)を実行する。
図16は、停止中処理(図15のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を、通常遊技状態ST1又は特定遊技状態ST3から特別遊技状態ST2に移行させたり、特定遊技状態ST3から通常遊技状態へ移行させたり、大当たりに当選する確率を高確率状態から低確率状態に戻したりする処理が行われる。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、特別遊技状態ST2へ移行させるか否かを判断し(ステップS571)、大当たりの発生によって特別遊技状態ST2へ移行させるときには(ステップS571でYES)、その特別遊技の種類に対応した特別遊技状態ST2をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に特別遊技(大当たり遊技)に対応した演出を行わせるべく、特別遊技開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、大当たり遊技として特別遊技の実行を開始する(ステップS574)。
また主制御基板30は、特別遊技状態ST2へ移行させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が特定遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、特定遊技状態ST3である場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、特定遊技状態ST3を継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値SCを1だけデクリメントし(ステップS576)、そのカウント値SCが0になったか否かを判断する(ステップS577)。その結果、カウント値SCが0でない場合、特定遊技状態ST3が継続するので、停止中処理を終了する。またカウント値SCが0になった場合(ステップS577でYES)、主制御基板30は、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS578)、高確率状態であれば確率状態を低確率状態に変更してセットする(ステップS579)。尚、現時の確率状態が高確率状態でなかった場合には、ステップS579の処理を行わずにスキップする。そして主制御基板30は、遊技状態を、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行させる(ステップS580)。
また主制御基板30は、現在の遊技状態が特定遊技状態ST3ではなく、通常遊技状態ST1であると判断した場合(ステップS575でNO)、その後は特別な処理を行わずに処理を終了する。以上で、停止中処理(ステップS522)が終了する。
次に図17および図18は、特別遊技処理(図12のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別遊技(大当たり遊技)が開始された後の第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開閉動作が制御される。主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。特別遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開閉動作は行わないため、特別遊技処理が終了する。これに対し、特別遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図16のステップS574)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので特別遊技処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する現在のラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、特別遊技として第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するための開放パターンを確認し(ステップS605)、その開放パターンに定められている今回のラウンドRにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間をセットする(ステップS606)。そして主制御基板30は、今回のラウンドRに対応して第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれか一方を開放する(ステップS607)。尚、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放すると、主制御基板30は、ステップS606でセットされた開放時間の計測動作を開始する。
そして主制御基板30は、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知したか否かを判断し(ステップS608)、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知していれば、Vゲート通過コマンドをRAM30cにセットする(ステップS609)。尚、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知していなければ、ステップS609の処理はスキップする。
次に主制御基板30は、大入賞口を開放してからステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS610)、開放時間が経過していない場合(ステップS610でNO)には、更に開放中の大入賞口に対して所定の上限個数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS611)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS611でNO)には、大入賞口の開放状態が継続するため、特別遊技処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS610でYES)、又は、大入賞口への入賞個数が上限値に達した場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、現在開放中の第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS612)。そして現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値(例えば16)であるか否かを判断する(ステップS613)。最終ラウンドでない場合(ステップS613でNO)には特別遊技が継続するため、そのまま特別遊技処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS613でYES)、主制御基板30は、特別遊技を終了させるためのステップS614以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は、現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS614)、その特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS615)。遊技球がVゲート18を過している場合(ステップS615でYES)、主制御基板30は、その後の特別遊技判定における大当たりの当選確率として高確率状態をセットする(ステップS616)。これに対し、遊技球がVゲート18を過していていない場合(ステップS615でNO)、その後の特別遊技判定における大当たりの当選確率として低確率状態をセットする(ステップS617)。
その後、主制御基板30は、遊技状態として特定遊技状態ST3をセットする(ステップS618)。そして主制御基板30は、特定遊技状態ST3における特別図柄の残り変動回数のカウント値SCの値を100にセットする(ステップS619)。
主制御基板30は、特別遊技のエンディングのための時間計測を開始し(ステップS620)、エンディングが終了したか否かを判断する(ステップS621)。エンディングを開始してから所定時間が経過していないときには、エンディングが未終了であると判断し(ステップS621でNO)、特別遊技処理を終了する。またエンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS621でYES)、演出制御基板33に特別遊技演出を終了させるべく、特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS622)、特別遊技を終了する(ステップS623)。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図18のフローチャートに進み、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断する(ステップS651)。そして開放中である場合は(ステップS651でYES)、図17に示すステップS608以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が大当たり遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そしてエンディング中である場合は(ステップS652でYES)、図17に示すステップS621以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS652でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS653でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、特別遊技処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンドを実施すべく、図17に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような特別遊技処理により、遊技機1において特別遊技が開始されると、その特別遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させるラウンドが所定回数(例えば16ラウンド)行われる。また特別遊技が終了するときには、Vゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて高確率状態と低確率状態のいずれか一方がセットされるようになり、しかも特別遊技終了後の遊技状態が特定遊技状態ST3となる。
次に図19は、普通図柄処理(図12のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。ここでの補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作が継続している状態であることを意味している。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、主制御基板30は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄抽選の条件となるスルーゲート21への遊技球通過が無いことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、最先の保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして主制御基板30は、保留から読み出した普通図柄乱数が所定の当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、主制御基板30は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM103にセットする(ステップS708)。また普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS707でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM103にセットする(ステップS709)。
そして主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が特定遊技状態ST3であるか否かを判断し(ステップS710)、特定遊技状態ST3である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を比較的短い第1の変動時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS711)。また現在の遊技状態が特定遊技状態ST3ではなく、通常遊技状態ST1であると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を比較的長い第2の変動時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS712)。そして主制御基板30は、ステップS711又はS712でセットした変動時間に基づき、普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS702でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測が開始された変動時間が、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄の変動表示が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708又はS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)、電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより、遊技状態は、補助遊技中となるが、この時点では未だ電動チューリップ14aが開放状態に駆動されない。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
次に図20は、補助遊技処理(図12のステップS110)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技中でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aを開放させる必要がないため、補助遊技処理を終了する。一方、補助遊技中であった場合(ステップS801でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aが既に開放中であるか否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、更に現在の遊技状態が特定遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS803)。その結果、特定遊技状態ST3である場合(ステップS803でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を比較的長い第1の開放時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS804)。また特定遊技状態ST3ではなく、通常遊技状態ST1である場合(ステップS803でNO)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を比較的短い第2の開放時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS805)。そして主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放状態へ駆動し(ステップS806)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS807)。このとき、主制御基板30は、電動チューリップ14aが開放していることを示す補助遊技開始コマンドをRAM30cにセットするようにしても良い。一方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS803〜S807の処理をスキップする。その後、主制御基板30は、ステップS804又はS805でセットされた開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間を経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放状態が継続されるので、補助遊技処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS808でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aを閉鎖状態に戻し(ステップS809)、補助遊技を終了させた状態に戻して補助遊技処理を終了する(ステップS810)。このとき、主制御基板30は、電動チューリップ14aが閉鎖して補助遊技が終了したことを示す補助遊技終了コマンドをRAM30cにセットするようにしても良い。
図19及び図20に示した処理により、特定遊技状態ST3においては、通常遊技状態ST1よりも電動チューリップ14aが頻繁に、しかも長時間開放されるようになり、第2始動口14に対して遊技球が入球し易い状態になる。
次に演出制御基板33について説明する。演出制御基板33は、上述した処理によって主制御基板30から出力される各種コマンドなどを受信することにより、主制御基板30で制御される遊技機1の動作状態に対応した各種演出の実行を制御する。図21は、演出制御基板33における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。図21に示すように、演出制御基板33のCPU33aは、主として、通常遊技演出制御部71、特別遊技演出制御部72及び特定遊技演出制御部73として機能し、主制御基板30から出力される各種コマンドに基づいて様々な遊技演出を行うように構成されている。これら通常遊技演出制御部71、特別遊技演出制御部72及び特定遊技演出制御部73は、図9に示した遊技状態の移行に伴って動作状態が切り替わるようになっている。
通常遊技演出制御部71は、遊技機1が通常遊技状態ST1であるときに機能し、通常遊技状態ST1での図柄変動演出を制御するものである。この通常遊技演出制御部71は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、主制御基板30で行われる特別図柄の変動時間に対応する演出パターンであって、通常遊技状態ST1での遊技演出として行うべき演出パターンを決定し、その決定した演出パターンに基づいて画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより図柄変動演出を実行させる。そして主制御基板30から変動停止コマンドを受信することに伴い、通常遊技演出制御部71は、その図柄変動演出を停止させて特別遊技判定の結果が大当たりであるかハズレであるかを遊技者に知らせるような演出を行わせる。
特別遊技演出制御部72は、遊技機1が特別遊技状態ST2にあるときに機能し、特別遊技状態ST2での特別遊技演出を制御するものである。この特別遊技演出制御部72は、主制御基板30から特別遊技開始コマンドを受信することによって機能し、その特別遊技開始コマンドに基づき、主制御基板30で行われる特別遊技の種類に対応した演出パターンであって、特別遊技状態ST2での遊技演出として行うべき演出パターンを決定し、その決定した演出パターンに基づいて画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより特別遊技演出を実行させる。そして主制御基板30から特別遊技終了コマンドを受信することに伴い、特別遊技演出制御部72はその動作を終了させると共に、次に特定遊技演出制御部73を機能させる。
特定遊技演出制御部73は、遊技機1において特別遊技が終了した後の特定遊技状態ST3において機能し、特定遊技状態ST3での図柄変動演出を制御するものである。この特定遊技演出制御部73は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、主制御基板30で行われる特別図柄の変動時間に対応する演出パターンであって、特定遊技状態ST3での遊技演出として行うべき演出パターンを決定し、その決定した演出パターンに基づいて画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより図柄変動演出を実行させる。そして主制御基板30から変動停止コマンドを受信することに伴い、特定遊技演出制御部73は、その図柄変動演出を停止させて特別遊技判定の結果が大当たりであるかハズレであるかを遊技者に知らせるような演出を行わせる。
特定遊技演出制御部73により行われる図柄変動演出が所定回数(例えば100回)終了するまでの期間中に次の大当たりが発生しなかったときには、演出制御基板33において特定遊技演出制御部73の動作状態が終了し、次に通常遊技演出制御部71が機能するようになる。
図22は、通常遊技演出制御部71、特別遊技演出制御部72及び特定遊技演出制御部73のそれぞれによって行われる遊技演出の一例を示す図である。まず図22(a)は、通常遊技演出制御部71によって通常遊技状態ST1での図柄変動演出が行われるときの画像表示器12の表示態様の一例を示す図である。通常遊技状態ST1は、上述したように遊技者がハンドルレバー5を比較的小さい操作角度で操作し、第1の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態であり、遊技機1にとって通常の遊技状態である。この通常遊技状態ST1では、通常遊技演出制御部71によって図22(a)に示すような通常の演出態様で図柄変動演出が行われる。つまり、画像表示器12は通常の背景画像の前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を行うことにより、図柄変動演出を進行させる。
図22(b)は、特別遊技演出制御部72によって特別遊技状態ST2での特別遊技演出が行われるときの画像表示器12の表示態様の一例を示す図である。特別遊技状態ST2は、上述したように遊技者がハンドルレバー5を比較的大きい操作角度で操作し、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態である。そのため、特別遊技演出制御部72は、特別遊技状態ST2において画像表示器12に図22(b)に示すような演出画像を表示させる。具体的に説明すると、特別遊技演出制御部72は、画像表示器12の表示画面のほぼ全体に大当たりに対応した演出画像を表示させると共に、画像表示器12の表示画面の一部(図22(b)の例では画面上部)に対し、遊技者に第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させることを促す報知情報12dを表示させる。このような報知情報12dを画像表示器12に表示することにより、遊技者は右打ち遊技状態へ移行したことを把握することができる。したがって、遊技者は、ハンドルレバー5の操作角度が大きくなるように操作状態を変更して第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させるようになり、特別遊技状態ST2において多くの賞球を獲得することができる。
図22(c)は、特定遊技演出制御部73によって特定遊技状態ST3での図柄変動演出が行われるときの画像表示器12の表示態様の一例を示す図である。この特定遊技状態ST3では、特定遊技演出制御部73により、通常の演出態様とは異なる態様で図柄変動演出が行われる。例えば、特定遊技演出制御部73は、画像制御基板34を制御することにより画像表示器12の背景画像として通常とは異なる背景画像を表示させ、その背景画像の前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を行わせることにより、図柄変動演出の進行を制御する。また特定遊技状態ST3は、特別遊技状態ST2と同様に、遊技者がハンドルレバー5を比較的大きい操作角度で操作し、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態である。そのため、特定遊技演出制御部73は、この特定遊技状態ST3においても、画像表示器12の表示画面の一部(図22(c)の例では画面上部)に対し、遊技者に第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させることを促す報知情報12dを表示させる。このような報知情報12dを画像表示器12に表示することにより、遊技者は右打ち遊技状態が継続していることを把握することができる。
さらに特定遊技演出制御部73は、図22(c)に示すように画像表示器12の表示画面の一部(図22(c)の例では画面右下部)に回数表示欄12eを表示させ、その回数表示欄12eに、特定遊技状態ST3が終了するまでの図柄変動演出の残り回数を表示させる。これにより、遊技者は、特別遊技で獲得した賞球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができる状態があとどれくらい継続するかを把握することができる。そして回数表示欄12eの残り回数が0になり、特定遊技状態ST3での最後の図柄変動演出が終了した後、次の図柄変動演出が開始されるときには、通常遊技演出制御部71による図柄変動演出が行われるようになる。
図21に示すように特定遊技演出制御部73は、終了演出制御部73aを有している。この終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3での遊技が終了する直前に機能し、特定遊技状態ST3での遊技制御が終了することを示す終了演出の実行を制御するものである。例えば終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3での図柄変動演出の残り回数が所定回数(例えば0回)となったタイミングで機能し、その残り所定回数分の図柄変動演出を行う際に終了演出を実行させる。つまり、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3での遊技制御が終了する直前から終了演出を行わせるように構成される。
例えば、この終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行した後、所定の遅延時間が経過するタイミングまで終了演出を継続させることができるように構成される。つまり、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行して通常遊技演出制御部71による次の図柄変動演出が開始された後にも終了演出を継続的に行わせることが可能である。終了演出制御部73aが特定遊技状態ST3の終了後にも終了演出を継続させる遅延時間は、特定遊技状態ST3の終了直前に開放される電動チューリップ14aの開放時間(例えば3.5秒)と同じ、又は、それ以上の時間として予め設定される。したがって、特定遊技状態ST3の終了直前に終了演出制御部73aが機能して終了演出が開始されると、その終了演出が、特定遊技状態ST3の終了後、電動チューリップ14aの開放時間が経過する後のタイミングまで継続的に行われることになる。
一方、通常遊技演出制御部71は、図21に示すように報知演出制御部71aを備えている。この報知演出制御部71aは、遊技状態が特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで機能し、遊技者に対し、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態へ移行したことを報知する報知演出を制御するものである。この報知演出制御部71aは、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態へ移行したことを報知する報知演出を行う際、画像表示器12に報知情報を表示させて遊技者に第1の遊技領域に遊技球を発射させることを促す第1の報知演出と、スピーカー8から報知情報に応じた音声を出力させて遊技者に第1の遊技領域に遊技球を発射させることを促す第2の報知演出とを行うことが可能である。
したがって、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行するときには、終了演出制御部73aによる終了演出と、報知演出制御部71aによる報知演出とが同時に行われることがある。
図23は、特定遊技状態ST3の終了直前から通常遊技状態ST1への移行後における画像表示器12での演出態様の変化を示す図である。特定遊技状態ST3の終了直前に終了演出制御部73aが機能すると、例えば図23(a)に示すような終了演出12gが画像表示器12に表示される。すなわち、終了演出制御部73aは、通常とは異なる背景画像の前面側に、特定遊技状態ST2で獲得した賞球数を表示する画像を終了演出12gとして表示する。このとき、特定遊技演出制御部73によって行われる3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示は、画像表示器12の表示画面の一部(図23(a)の例では画面左隅部)で行われるようになる。また終了演出12gの表示が開始されるタイミングでは、特定遊技状態ST3は未だ終了していないため、画像表示器12の表示画面の一部(図23(a)の例では画面上部)には、遊技者に第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させることを促す報知情報12dが表示される。
そして特定遊技状態ST3が終了して通常遊技状態ST1へ移行すると、通常遊技演出制御部71による図柄変動演出が開始される。このとき、図23(b)に示すように、終了演出制御部73aによって行われる終了演出12gが継続的に表示されるため、通常遊技演出制御部71によって行われる3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示は、画像表示器12の表示画面の一部(図23(b)の例では画面左隅部)で行われる。尚、この変動表示は、通常遊技状態ST1であることを示す通常の背景画像の前面側で行われる。
また特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1への移行に伴い、通常遊技演出制御部71において報知演出制御部71aが機能し、画像表示器12の表示画面の一部(図23(b)の例では画面上部)に対し、遊技者に第1の遊技領域に向けて遊技球を発射させることを促す報知情報12fが表示されるようになる。例えば、画像制御基板34は、報知演出制御部71aから報知情報12fの表示開始指示を受信すると、そのタイミングで画像表示器12に表示している表示画像の前面側に報知情報12fを重畳させることにより、報知情報12fを演出画像の前面側に重ね合わせて表示する。このとき、報知情報12fは、例えば画面右側から左側へスクロールする態様で表示される。このような報知情報12fが画像表示器12に表示されることにより、遊技者は、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態へ戻ったことを把握することができる。
図23(b)に示すような表示状態は、特定遊技状態ST3の終了直前に開放される電動チューリップ14aの補助遊技が終了するまで継続する。そして補助遊技が終了し、電動チューリップ14aが閉鎖状態となった後、終了演出12gの表示が終了し、画像表示器12の表示画面が、図23(b)の画面から図23(c)の画面へと切り替わる。すなわち、通常遊技演出制御部71により通常の背景画像の前面側ほぼ中央の位置で、3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われると共に、報知演出制御部71aにより画像表示器12の表示画面の一部(図23(c)の例では画面上部)で報知情報12fが表示される状態となる。
そして報知演出制御部71aは、画像表示器12の表示画面が図23(b)の画面から図23(c)の画面に切り替わると、スピーカー8から報知情報12fに対応する音声を出力させる第2の報知演出を開始する。ここで、画像表示器12に表示される報知情報12fは、遊技者が画像表示器12の表示画面を視認することによって知覚される情報であり、遊技者が画像表示器12の表示画面を視認していない状況では知覚されない情報である。これに対し、スピーカー8から出力される報知情報12fに対応する音声は、遊技者がどこを見ていても知覚される情報である。そのため、報知情報12fを画像表示器12に表示させる第1の報知演出は、第1の遊技領域に向けて遊技球を発射すべき遊技状態であることを遊技者に確実に把握させることができない演出態様であるのに対し、スピーカー8から報知情報12fに対応する音声を出力する第2の報知演出は、第1の遊技領域に向けて遊技球を発射すべき遊技状態であることを遊技者に確実に把握させることができる演出態様である。それ故、第1の報知演出と第2の報知演出とを対比すると、第1の報知演出は消極的演出態様であると言えるのに対し、第2の報知演出は積極的演出態様であると言える。そして本実施形態では、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行するタイミングで、消極的演出態様である第1の報知演出を開始して報知情報12fを画像表示器12に表示させ、その後、電動チューリップ14aによる補助遊技が終了した後のタイミングで積極的演出態様である第2の報知演出を開始してスピーカー8から報知情報12fに対応する音声を出力させることにより、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行してから遊技者が通常遊技状態ST1へ移行したことに確実に気付くまでに一定の時間差が生じるようにしているのである。
また本実施形態では、特定遊技状態ST3が終了する直前に、画像表示器12の表示可能領域の大部分を専有して終了演出12gを表示し、特定遊技状態ST3が終了して通常遊技状態ST1へ移行した後にもその終了演出12gの表示状態を継続させており、電動チューリップ14aによる補助遊技が終了した後にその終了演出12gの表示が終了するようになっている。そのため、画像表示器12の表示画面の一部において遊技者に遊技球の発射方向を案内するための報知情報が特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで報知情報12dから報知情報12fに切り替わるものの、そのような切り替わりが遊技者にとって気付き難いものとなっている。そして遊技者は、図23(b)の画面から図23(c)の画面へ移行して表示態様が大きく切り替わったタイミングで特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したことに確実に気付くようになる。したがって、本実施形態の遊技機1は、通常遊技状態ST1へ移行した直後において第2始動口14に遊技球が入球し易い状態となっているときには、遊技者に右打ち遊技を継続させることができると共に、第2始動口14に遊技球が入球し難い状態となったときには、遊技者に左打ち遊技へ操作状態を戻させることができるようになる。
尚、報知演出制御部71aにより行われる報知演出は、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行した後、所定の期間が経過するまで継続して行われる。例えば、画像表示器12における報知情報12fは、表示を開始してから数十秒程度の所定時間が経過するまで継続して表示しておくようにしても良いし、表示を開始してから所定回数の図柄変動演出が終了するまで継続して表示しておくようにしても良い。またスピーカー8から出力される音声は、画像表示器12において報知情報12fが表示されている期間中は継続的に繰り返し出力されるようにしても良いし、例えば2,3回程度の所定出力回数分の出力が終了するまで繰り返し継続されるようにしても良い。そして報知演出制御部71aにより報知演出が行われる期間が終了すると、その後の図柄変動演出における表示画面は、図22(a)に示した表示画面に戻る。
図24は、演出制御基板33において行われる遊技演出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば演出制御基板33のCPU33aによって一定時間間隔で繰り返し実行される処理である。演出制御基板33は、この処理を開始すると、特別遊技開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1001)。特別遊技開始コマンドを受信しているときには、特別遊技演出制御部72が機能し、特別遊技演出の実行が開始される(ステップS1002)。尚、特別遊技開始コマンドを受信していないときには、ステップS1002の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、特別遊技終了コマンドを受信したか否かを判断し(ステップS1003)、特別遊技終了コマンドを受信しているときには、特別遊技演出制御部72によって行われている特別遊技演出を終了させる(ステップS1004)。そして特別遊技演出が終了すると、演出制御基板33は、特定遊技演出制御部73が機能する期間を管理するための図柄変動回数のカウント値ECを100にセットする(ステップS1005)。このカウント値ECは、例えば遊技機1に電源が投入された時点では0に初期化されている。尚、特別遊技終了コマンドを受信していないときには、ステップS1004,S1005の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1006)。変動開始コマンドを受信している場合、演出制御基板33は変動演出開始処理を実行する(ステップS1007)。図25は、この変動演出開始処理(ステップS1007)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この変動演出開始処理では、演出制御基板33は、まずカウント値ECが0であるか否かを判断する(ステップS1101)。その結果、カウント値ECが0でない場合(ステップS1101でNO)、演出制御基板33は、そのカウント値ECの値を1だけデクリメントし(ステップS1102)、デクリメント後のカウント値ECが0になったか否かを判断する(ステップS1103)。カウント値ECが0になった場合(ステップS1103でYES)、演出制御基板33は、特定遊技演出制御部73の終了演出制御部73aを機能させ(ステップS1104)、終了演出制御部73aによる終了演出12gの実行を開始させる(ステップS1105)。これにより、画像表示器12には、図23(a)に示したような終了演出12gが表示されるようになる。そして演出制御基板33は、報知開始フラグをセットすると共に(ステップS1106)、時間計測を開始する(ステップS1107)。ここで計測される時間は、終了演出12gの実行が開始されてからの経過時間となる。尚、デクリメント後のカウント値ECが0でなかった場合は(ステップS1103でNO)、ステップS1104〜S1107の処理をスキップする。そして演出制御基板33は、特定遊技演出制御部73による図柄変動演出を開始する(ステップS1108)。特定遊技演出制御部73は、図柄変動演出を開始すると、カウント値ECに基づき、回数表示欄12eに、特定遊技状態ST3が終了するまでの図柄変動演出の残り回数を表示させる。
一方、ステップS1101においてカウント値ECが0であった場合(ステップS1101でYES)、演出制御基板33は、終了演出12gの実行中であるか否かを判断する(ステップS1109)。このとき終了演出12gの実行中であれば、演出制御基板33は、その終了演出12gを継続的に表示させるように制御する(ステップS1110)。これに対し、終了演出12gが実行されていないときには、ステップS1110の処理がスキップする。そして演出制御基板33は、通常遊技演出制御部71による図柄変動演出を開始する(ステップS1111)。以上で、変動演出開始処理が終了する。尚、演出制御基板33が変動開始コマンドを受信していないときには、このような変動演出開始処理は行われない。
図24に戻り、次に演出制御基板33は、変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1008)。変動停止コマンドを受信している場合、演出制御基板33は変動演出停止処理を実行する(ステップS1009)。図26は、この変動演出停止処理(ステップS1009)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この変動演出停止処理では、まず演出制御基板33において図柄変動演出を制御している通常遊技演出制御部71又は特定遊技演出制御部73が図柄変動演出を停止させる(ステップS1201)。そして演出制御基板33は、報知開始フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1202)。報知開始フラグがセットされている場合(ステップS1202でYES)、演出制御基板33において通常遊技演出制御部71の報知演出制御部71aが機能し(ステップS1203)、報知演出制御部71aが画像表示器12において報知情報12fを表示させる処理を開始する(ステップS1204)。したがって、特定遊技状態ST3での最後の図柄変動演出が終了することに伴い、報知演出が開始されるようになる。そして報知演出制御部71aは、報知開始フラグを解除し(ステップS1205)、報知演出の実行中であることを示す報知演出フラグをセットする(ステップS1206)。尚、ステップS1202において報知開始フラグがセットされていない場合には、上記ステップS1203〜S1206の処理はスキップする。以上で、変動演出開始処理が終了する。尚、演出制御基板33が変動停止コマンドを受信していないときには、このような変動演出開始処理は行われない。
再び図24に戻り、次に演出制御基板33は、報知演出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1010)。報知演出フラグがセットされている場合、演出制御基板33は終了演出制御処理を実行する(ステップS1011)。図27は、この終了演出制御処理(ステップS1011)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この終了演出制御処理では、演出制御基板33は、ステップS1107で計測を開始した計測時間が所定時間を経過しているか否かを判断する。この所定時間は、ステップS1108で開始する図柄変動演出の演出時間(図柄変動時間)に対して電動チューリップ14aの開放時間(Td)に相当する遅延時間を加算した時間である。したがって、ステップS1301の判断は、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行した後に補助遊技が終了したか否かを判断することに相当する。そして計測時間が所定時間を経過していない場合(ステップS1301でNO)、特定遊技状態ST3の終了直前に開始された補助遊技が未だ終了しない可能性があるため、演出制御基板33は、特に何も行わず、終了演出制御処理を終了する。
これに対し、計測時間が所定時間を経過している場合(ステップS1301でYES)、特定遊技状態ST3の終了直前に開始された補助遊技が既に終了していることになる。この場合、演出制御基板33は、終了演出12gが実行中であるか否かを判断し(ステップS1302)、終了演出12gが実行中であれば、終了演出制御部73aによって継続的に行われている終了演出12gの実行を終了させ(ステップS1303)、図柄変動演出の表示態様を切り替える(ステップS1304)。これにより、図23(b)の画面から図23(c)の画面に切り替わる。そして報知演出制御部71aは、スピーカー8から報知情報12fに対応する音声の出力を開始する(ステップS1305)。尚、ステップS1302において既に終了演出12gの実行が終了しているときには、ステップS1303〜S1305の処理はスキップする。
その後、演出制御基板33は、報知演出を終了させるか否かを判断し(ステップS1306)、報知演出を終了させる場合には、報知演出の終了処理を行う(ステップS1307)。これにより、画像表示器12において報知情報12fが表示されなくなり、スピーカー8から報知情報12fに対応する音声が出力されなくなる。そして演出制御基板33は、報知演出フラグを解除し(ステップS1308)、終了演出制御処理を終了する。尚、報知演出フラグがセットされていないときには、このような報知演出処理は行われない。
遊技機1において上記処理が行われることにより、特定遊技状態ST3が終了する直前に特定遊技状態ST3が終了することを示す終了演出12gを画像表示器12に表示し、その終了演出12gの表示状態を通常遊技状態ST1へ移行した後にも所定時間継続させることができる。また特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行するときに、はじめに消極的演出態様で遊技者に第1の遊技領域に遊技球を発射させることを促す報知演出が開始され、その後、所定時間が経過して終了演出12gの表示が終了するタイミングになると、積極的演出態様で遊技者に第1の遊技領域に遊技球を発射させることを促す報知演出が開始されるようになる。
図28は、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行するときに行われる終了演出及び報知演出の開始タイミングを示す図である。図28に示すように、特定遊技状態ST3において最後(100回目)の図柄変動演出が開始されるタイミングTsに終了演出12gの実行が開始される。特定遊技状態ST3は、その最後の図柄変動演出の終了に伴って終了し、その後の遊技状態が通常遊技状態ST1へ移行する。その特定遊技状態ST3が終了する直前のタイミングTeで、電動チューリップ14aが開放状態へ駆動されると、その電動チューリップ14aは通常遊技状態ST1に移行した後にも、第2始動口14に遊技球が入球し易い開放状態を継続する。特定遊技状態ST3において最後の図柄変動演出が開始されるタイミングTsで表示される終了演出12gは、その最後の図柄変動演出が終了した後の所定の遅延時間Tpが経過するまでの期間Trが終了するまで、その表示状態を継続し、少なくとも通常遊技状態ST1への移行直後において電動チューリップ14aが開放している期間中、継続的に表示される。
一方、報知演出制御部71aによって行われる報知演出は、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで開始される。このとき、報知演出制御部71aは、まず画像表示器12に報知情報12fを表示する報知演出を開始する。この状態では、遊技者は報知演出が行われていることに気付かないこともあり、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させている状態を継続する。そのため、開放状態が継続して入球し易い状態の第2始動口14に遊技球を入球させることができる。そして報知演出制御部71aは、電動チューリップ14aが閉鎖状態となることによって補助遊技が終了し、第2始動口14に遊技球が入球し難い状態となった後、終了演出12gの実行が終了することに伴ってスピーカー8から報知情報12fに対応する音声を出力することによる報知演出を開始する。この状態になると、終了演出12gが終了しており、遊技者は報知演出が行われていることに気付くため、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させている状態を止め、それ以降は第1の遊技領域に向けて遊技球を発射させるようになる。
また上記の他、例えば主制御基板30が電動チューリップ14aを開閉駆動するときに補助遊技開始コマンドや補助遊技終了コマンドを送信するものである場合には、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで電動チューリップ14aが開放中(補助遊技中)であるか否かを判断することができる。そのため、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで電動チューリップ14aが開放中(補助遊技中)であれば、その補助遊技が終了するまで終了演出を継続させるようにしても良い。すなわち、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで電動チューリップ14aが開放中(補助遊技中)であれば、その後も終了演出12gの実行を継続させ、主制御基板30から補助遊技終了コマンドを受信したタイミングで終了演出12gを終了させるようにしても良い。この場合、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで電動チューリップ14aが開放中(補助遊技中)でないときには、その移行タイミングで終了演出12gを終了させる。これに対し、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで電動チューリップ14aが開放中(補助遊技中)であるときには、終了演出制御部73aは、終了演出12gを継続的に実行し、補助遊技終了コマンドを受信した後のタイミングで終了演出12gの実行を終了させる。したがって、この場合は、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行した後、1秒程度で電動チューリップ14aが閉鎖するようなときでも、電動チューリップ14aの閉鎖に同期させて終了演出12gの実行を終了させることができる。
図29は、上記のような態様で特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行するときに行われる終了演出及び報知演出のタイミングを示す図である。図29に示す例においても上記と同様に、特定遊技状態ST3において最後(100回目)の図柄変動演出が開始されるタイミングTsに終了演出12gの実行が開始される。特定遊技状態ST3は、その最後の図柄変動演出の終了に伴って終了し、その後の遊技状態が通常遊技状態ST1へ移行する。その特定遊技状態ST3が終了する直前のタイミングTeで、電動チューリップ14aが開放状態へ駆動されると、その電動チューリップ14aは通常遊技状態ST1に移行した後にも、第2始動口14に遊技球が入球し易い開放状態を継続する。特定遊技状態ST3において最後の図柄変動演出が開始されるタイミングTsで表示される終了演出12gは、少なくともその最後の図柄変動演出が終了するまで継続する。終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したとき、その直前に主制御基板30から補助遊技開始コマンドを受信していれば、電動チューリップ14aが開放中(補助遊技中)であることを把握することができる。そのため、終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行したタイミングで、電動チューリップ14aが開放中であれば、画像表示器12に表示している終了演出12gの表示状態を継続させる。そして終了演出制御部73aは、その後、主制御基板30から補助遊技終了コマンドを受信することにより、電動チューリップ14aが閉鎖して補助遊技が終了し、第2始動口14に遊技球が入球し難い状態となったことを検知する。そのため、終了演出制御部73aは、主制御基板30から補助遊技終了コマンドを受信したタイミングTqで、終了演出12gの実行を終了させる。終了演出12gの実行が終了すると、スピーカー8から報知情報12fに対応する音声が出力されるようになるため、遊技者は報知演出が行われていることに気付くようになり、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させている状態を止め、それ以降は第1の遊技領域に向けて遊技球を発射させるようになる。ただし、終了演出制御部73aが終了演出12gの実行を終了させるタイミングは、必ずしも補助遊技終了コマンドを受信したタイミングTqに限られず、タイミングTqよりも後のタイミングであっても構わない。
以上のように本実施形態の遊技機1は、第2始動口14に遊技球が入球し易い特定遊技状態ST3から第2始動口14に遊技球が入球し難い通常遊技状態ST1へ移行することに伴い、遊技者が行うべきハンドルレバー5の操作態様が異なる操作態様に変わるようになっており、遊技状態が移行する直前から遊技状態が移行することを示す終了演出12gを実行する終了演出制御部73aを備えるものである。そしてこの終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3での遊技の制御が終了する直前から終了演出12gを行わせると共に、特定遊技状態ST3での遊技の制御が終了してから電動リューリップ14aの開放時間が経過する後のタイミングまで、その終了演出12gを継続して行わせるものとなっている。
また終了演出制御部73aは、特定遊技状態ST3での遊技の制御が終了する直前から終了演出12gを行わせると共に、特定遊技状態ST3での遊技の制御が終了したときに補助遊技制御部57による補助遊技が行われていた場合に、その補助遊技が終了するまで、終了演出12gを継続して行わせるものである。
このような遊技機1によれば、特別遊技状態ST2が終了してから所定の期間が終了するまで継続する特定遊技状態ST3の終了直後において、遊技者が直ぐにはハンドルレバー5の操作状態を変更することがなくなるので、特定遊技状態ST3の終了直後に入球し易い状態となっている第2始動口に遊技球を入球させることができるようになり、遊技者が十分な利益を享受できるようになる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態では、終了演出12gや報知情報12fを表示する画像表示器12がカラー液晶ディスプレイで構成される場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えば多数のLEDがマトリクス状に配置されたドットマトリクス方式のディスプレイであっても良い、またセグメント表示方式のディスプレイであっても良い。
また上記実施形態では、画像表示器12に、特定遊技状態ST3が終了することを示す終了演出12gを表示し、また第1の遊技領域に遊技球を発射させることを促す報知情報12fを表示する例を説明した。しかし、終了演出12gや報知情報12fの表示は、必ずしも画像表示器12での表示に限られるものではなく、例えば枠ランプ7や盤面ランプ24などに含まれる所定のランプを点灯させることなどにより終了演出12gや報知情報12fを表示するものであっても構わない。
また上記実施形態では、特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1に移行することにより、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に変わる場合を例示したが、遊技者がハンドルレバー5に対して行う操作状態の変化は必ずしも右打ち遊技状態から左打ち遊技状態への変化だけに限られない。例えば左打ち遊技状態から右打ち遊技状態へ変化するとき、遊技者が十分な利益を享受できるような演出態様で終了演出や報知演出を行うものであっても構わない。
また上記実施形態では、第2始動口14に遊技球が入球し易くなるように開閉する開閉部材が左右方向に羽根状に開閉する電動チューリップ14aである場合を例示したが、開閉部材は必ずしもそのような電動チューリップ14aに限られない。例えば、開閉部材は、遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することにより、或いは、遊技盤10の盤面左右横方向に設けた軸周りに回動することにより、第2始動口14を開閉するものであっても構わない。