以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射装置が打ち出す遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための貯留皿が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向に回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えており、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側には遊技の進行に伴って各種演出用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と、前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入賞すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口15、第2大入賞口16、スルーゲート21及びアウト口23といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の左側に設けられている。このスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が行われる。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。ここで第1始動口13に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、遊技盤10に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F2で示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球は第1始動口13に入賞する可能性が極めて低くなるように第1始動口13が設けられている。また第2始動口14に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、遊技盤10に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球は第2始動口14に入賞する可能性が極めて低くなるように第2始動口14が設けられている。
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技である大当たり遊技を行うか否かの大当たり判定(特別遊技判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入賞した遊技球が始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において大当たり判定が行われ、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその大当たり判定の結果に応じた図柄変動演出が開始される。そして所定時間経過後に特別図柄の変動表示及び図柄変動演出が終了し、大当たり判定の結果が表示される。その大当たり判定の結果が大当たりを示すものであれば、遊技機1はその後、大当たり遊技として、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。
尚、図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。それ故、遊技者は、大当たり判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる図柄変動演出の結果などによって認識する。
また第2始動口14は、その左右両側の近傍位置に羽根状に開閉する電動チューリップ14aを備えている。図2は、この電動チューリップ14aの動作態様を示す図であり、(a)は閉鎖状態を、(b)は開放状態を示している。電動チューリップ14aは、図2(a)に示すように閉鎖状態のとき、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球B1,B2を第2始動口14へ入賞させないようにブロックする。これに対し、図2(b)に示すように閉鎖状態となると、電動チューリップ14aは、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球B1,B2が第2始動口14へ入賞し易くなるように補助する補助状態となる。すなわち、電動チューリップ14aは、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2始動口14に入賞することを補助する補助状態(開放状態)と、遊技球が第2始動口14に入賞することを補助しない非補助状態(閉鎖状態)とに駆動される補助部材として設けられる。この電動チューリップ14aは、通常、図2(a)に示す閉鎖状態となっており、第2始動口14への遊技球の入賞を補助しない。これに対し、遊技盤10に打ち出された遊技球がスルーゲート21を通過することよって行われる普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ14aは、そのときの遊技状態に応じて所定時間および所定回数、図2(b)に示す開放状態となり、第2始動口14への遊技球の入賞を補助する補助状態となる。
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。この第1大入賞口15は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第1可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したことによって行われる大当たり判定(特別遊技判定)で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放状態に駆動され、遊技球が第1大入賞口15に入賞可能な状態となる。第1大入賞口15が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それによって遊技者は賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
また第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。この第2大入賞口16、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第2可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したことを条件として行われる大当たり判定(特別遊技判定)で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第2大入賞口16が開放状態に駆動され、遊技球が第2大入賞口16に入賞可能な状態となる。第2大入賞口16が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それによって遊技者は賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
特別遊技では、上記のような第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれかを択一的に開放状態へ駆動するラウンド遊技が所定回数実行される。そのため、第1大入賞口15及び第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド遊技が複数回行われる特別遊技は、遊技者に対して通常よりも多くの賞球を獲得することができる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)となる。尚、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放状態を継続させる開放時間は、特別遊技の種類に応じてラウンドごとに予め設定されるものであり、ラウンドによって異なる開放時間を設定することも可能である。例えば、特別遊技として行われる複数ラウンドのうちの特定のラウンドにおいて、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間を、遊技球が入球し難い程の短い時間に設定することもできる。
またセンター役物11は、その中央に、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される画像表示器12を備えている。この画像表示器12は、例えば数字やアルファベット、文字などの図柄が付された3つの装飾図柄12a,12b,12cを表示可能である。遊技機1において大当たり判定(特別遊技判定)が行われて特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、画像表示器12は、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cを上下方向に変動させる図柄変動演出を開始して所定時間経過後にその変動演出を停止させることにより、その大当たり判定(特別遊技判定)の結果を遊技者に報知する演出を行う。例えば、画像表示器12で行われる図柄変動演出が、3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを同じ図柄に揃えた状態で停止すると、その停止図柄が揃った状態により大当たりであることが報知される。
画像表示器12は、図柄変動演出を開始してから停止させるまでの間に、様々な遊技演出を行うこともある。例えば、通常の図柄変動演出からノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を行ったり、またノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出から遊技者に操作ボタン6の操作を促す操作演出を行ったりすることもある。更に画像表示器12は、操作演出を行っているときに遊技者がボタン操作を行って成功すると、ノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を発展的に次の段階に移行させて、特定のキャラクタなどが出現して目的となるアクションが達成できるか否かを表示する各種発展演出を行ったりすることもある。
またアウト口23は、遊技盤10の中央最下部に設けられており、上述した各種入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出する。
更にセンター役物11の右側部には、第2大入賞口16が開放状態のとき、その第2大入賞口16に入球した遊技球が転動する転動領域17が形成されている。図3は、その転動領域17を拡大して示す図である。この転動領域17の下部には、例えば図3(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球の入賞を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図3(a)に示すように閉鎖状態であるとき、遊技盤10に打ち出された遊技球B3は、転動領域17に進入することはない。これに対し、図3(b),(c)に示すように第2大入賞口16が開放状態であるとき、遊技盤10に打ち出され、第2大入賞口16に入球する遊技球B4,B5は転動領域17に進入する。この転動領域17の一部の領域には、スルーゲート21と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能なように構成されたVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域17は、第2大入賞口16に入球した遊技球B4,B5を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bとの2つの通過領域を有している。
例えば図3(b)に示すようにVゲート18が第2大入賞口16に入球した遊技球B4の通過を検知すると、その特別遊技が終了した後の大当たり判定において大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となる。つまり、Vゲート18は、その後の大当たりに当選する確率が通常の低確率状態(通常確率状態)よりも高くなる高確率状態へと移行させるための契機となるゲートである。またVゲート18の上部には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することによりVゲート18への進入経路を開閉するシャッタ19が設けられる。このシャッタ19は、例えば第2大入賞口16が開放状態に駆動されると、その開放タイミングから1〜2秒程度の所定時間遅延したタイミングでVゲート18への進入経路を開放する。したがって、図3(c)に示すように、シャッタ19がVゲート18を閉鎖しているときに第2大入賞口16に遊技球B5が入球すると、その遊技球B5は第1通過領域17aへ進入しないので、Vゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを経由して排出口20へと導かれる。これに対し、図3(b)に示すように、シャッタ19がVゲート18の上方を開放しているときに第2大入賞口16に遊技球B4が入球すると、その遊技球B4は第1通過領域17aへと進入し、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。このようにシャッタ19は、第2大入賞口16へ入球した遊技球を振り分ける振分手段として機能する。
上記のように本実施形態の遊技機1は、大当たりに当選して行われる特別遊技中に第2大入賞口16に遊技球が入球し、その入球した遊技球が転動領域17に設けられた第1通過領域17aを通過すると、その後の大当たりに当選する確率状態を低確率状態から高確率状態へと変化させる構成である。そして転動領域17に設けられたVゲート18は遊技盤10の正面側から視認可能である。そのため、遊技機1において大当たりが発生すると、遊技者は、その大当たりの特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過したか否かを目視で確認することにより、その後の確率状態が低確率と高確率とのいずれであるかを把握することが可能である。
次に図4は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図2に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35等で構成される。
主制御基板30は、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、遊技球が第1始動口13に入賞したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口14に入賞したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート21に遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド45、第1大入賞口15に遊技球が入賞したことを検知する第1大入賞口スイッチ46、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド47、第2大入賞口16に遊技球が入賞したことを検知する第2大入賞口スイッチ48、第2大入賞口16の転動領域17に設けられたシャッタ19を進退駆動するシャッタソレノイド49、及び、Vゲート18に遊技球が通過したことを検知するVゲートスイッチ50のそれぞれが接続されている。また主制御基板30には、図柄表示器22が接続されている。尚、図柄表示器22には、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとが設けられている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、第1大入賞口スイッチ46及び第2大入賞口スイッチ48のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されており、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は、特別遊技を行うか否かを判定するための大当たり判定や、電動チューリップ14aを開放させるか否かを判定するための普通図柄抽選を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート21を通過した場合、主制御基板30は、電動チューリップ14aを開閉するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、普通図柄表示器22bにおいてその普通図柄抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示を開始する。そして普通図柄抽選に当選した場合、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を所定時間経過後に当選図柄で停止させ、その後、電チューソレノイド44を所定時間若しくは所定回数駆動させて電動チューリップ14aを開放させる。尚、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放状態になると、上述したように第2始動口14に遊技球が入球し易い状態となるため、電動チューリップ14aが開放した状態は遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。
また主制御基板30は、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した場合には、その入賞した始動口に応じた大当たり判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その大当たりの判定結果に応じた所定時間の図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドなどを送出する。また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していない場合、主制御基板30は、その入賞に伴う特別図柄の変動表示を保留する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留を消化して次の大当たり判定を行い、その大当たり判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
また主制御基板30は、大当たり判定において大当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その大当たりの種別に応じた特別遊技を開始し、その特別遊技中の各ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド45又は第2大入賞口ソレノイド47を択一的に開放状態へ駆動することにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させる。また主制御基板30は、特別遊技を開始することに伴い、演出制御基板33に対してその特別遊技に対応した大当たり遊技演出(特別遊技演出)を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、その決定した演出の実行を制御する。つまり、演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、決定した具体的な演出内容に基づく演出を実行させる。このように演出制御基板33は、主制御基板30からの指示に基づき、遊技機1の全体で行う具体的な演出を決定すると共に、その演出の実行を統括的に制御する。
例えば、主制御基板30によって大当たり判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板33は、その所定時間の間、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。この図柄変動演出では、3つの装飾図柄12a,12b,12cが単に上下方向に変動するだけの通常の図柄変動演出や、そのような通常の図柄変動演出からキャラクタなどが出現する様々な予告演出に発展的に移行させる演出など、大当たり判定の結果に応じて様々な演出が行われる。また演出制御基板33には、操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングで操作ボタン6が操作されたことを検知した場合、そのボタン操作に応じた演出を行うことも可能である。
また主制御基板30によって特別遊技が行われる場合、演出制御基板33は、大当たり判定において当選した大当たりの種類に応じた特別遊技演出(大当たり遊技演出)の実行を制御する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出に移行させたり、様々な発展演出へと移行させたりする。また画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて特別遊技中に現在のラウンドのラウンド表示を行ったり、動画像などの特別遊技演出画像を表示したりする。この画像制御基板34においてVRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aはこのVRAM34dに対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示して最前面の画像を遊技者に視認させることができる。また画像制御基板34は、スピーカー8から演出用の効果音などを発生させるように構成されている。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、演出制御基板33からの指示に基づいて枠ランプ7を点灯させる制御を行う。
尚、画像表示器12、スピーカー8及び枠ランプ7は、遊技機1における遊技の進行に伴って遊技者が簡単に知覚可能な各種演出を行うために設けられた演出手段である。
図5は、主制御基板30における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。
主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部61と、保留記憶部62とが設けられる。遊技データ格納部61は、大当たり乱数や図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部61に格納される各種乱数は、それぞれ予め定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部によって逐次更新される。そのため、遊技データ格納部61から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値が異なる値となる。尚、遊技データ格納部61には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。一方、保留記憶部62は、遊技データ取得部51によって遊技データ格納部61から読み出された遊技データを所定の上限数まで一時的に記憶して保留しておくための記憶領域である。
主制御基板30のROM30bには、判定テーブル63と、開放パターンテーブル64と、変動パターンテーブル65とが予め記憶されている。判定テーブル63は、大当たり判定(特別遊技判定)を行うために参照されるテーブルである。この判定テーブル63には、低確率用判定テーブルと高確率用判定テーブルとが含まれており、低確率用判定テーブルには大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が定められており、高確率用判定テーブルには低確率用判定テーブルよりも多数の当選値が定められている。
開放パターンテーブル64は、大当たり判定において大当たりに当選した場合に、大当たり遊技として行われる特別遊技において第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを開放させる開放パターンと、その特別遊技終了後の遊技モードとを決定するために参照されるテーブルである。この開放パターンテーブル64には、複数の開放パターンと、特別遊技終了後の複数の遊技モードとが定義されており、それら開放パターンと遊技モードとの組み合わせに対して図柄乱数が対応付けられたテーブルである。そのため、大当たり判定において大当たりに当選したことが判定されると、図柄乱数に基づいて開放パターンテーブル64を参照することにより、特別遊技中において第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる一の開放パターンを決定することができると共に、特別遊技終了後の遊技モードも決定することができる。またこの開放パターンテーブル64は、第1始動口13に入賞して取得された図柄乱数を判定するためのテーブルと、第2始動口14に入賞して取得された図柄乱数を判定するためのテーブルとが区別して設けられている。そのため、図柄乱数が同じ値であっても第1始動口13に入賞して取得された場合と、第2始動口14に入賞して取得された場合とで、異なる開放パターンなどが決定されるようになっている。
ここで遊技モードとは、遊技者が大当たりを狙って遊技を進行させるときの遊技機1の動作モードである。本実施形態では、遊技モードとして、通常モードと、潜伏モードと、時短モードとの3つの遊技モードがある。尚、これらの遊技モードについては、後に詳しく説明する。
変動パターンテーブル65は、主制御基板30において大当たり判定が行われた場合に、その判定結果を表示するための特別図柄の変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル65には、大当たり乱数が大当たりを示す場合に参照されるテーブルや、リーチ乱数がリーチを示す場合に参照されるテーブルなど、複数のテーブルが含まれている。そして変動パターンテーブル65に含まれる複数のテーブルのそれぞれは、変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル65を参照すれば、大当たり判定の結果やリーチ乱数などに対応する特別図柄の変動時間を決定することができる。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の動作を統括的に制御するものである。そのためCPU30aは様々な処理部として機能する。図3にはその一部の機能が例示されており、CPU30aは、遊技データ取得部51、大当たり判定部52、特別遊技制御部53、遊技状態制御部54及び特定遊技状態制御部55として機能する。
遊技データ取得部51は、第1始動口スイッチ41及び第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部61から、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部51は、第1始動口13又は第2始動口14への入賞によって遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部62に格納する。保留記憶部62は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データと、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データとを区別してそれぞれの遊技データを所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部51は、第1始動口13への入賞によって取得した遊技データを第1始動口用の保留記憶領域へ格納し、第2始動口14への入賞によって取得した遊技データを第2始動口用の保留記憶領域へ格納する。尚、それらの保留記憶領域に対して既に上限数の遊技データが格納されている場合には、遊技データ取得部51は、遊技データ格納部61から取得した遊技データを破棄し、保留記憶部62へ格納する処理は行わない。
大当たり判定部52は、保留記憶部62に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づいて大当たり判定を行う。すなわち、大当たり判定部52は、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて判定テーブル63を参照し、該大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように判定テーブル63には高確率用判定テーブルと低確率用判定テーブルとがあり、大当たり判定部52は、遊技データを読み出し時点での確率状態に応じて低確率用判定テーブル及び高確率用判定テーブルのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような判定により、保留記憶部62から読み出した遊技データの当選又はハズレが決定する。尚、低確率用判定テーブルは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、高確率用判定テーブルは、通常確率用判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
大当たり判定部52は、遊技状態制御部54によって特別図柄の変動表示が行われているときには、保留記憶部62からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、遊技状態制御部54によって行われている特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示を行うことが可能になったタイミングで、大当たり判定部52は、保留記憶部62から遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて大当たり判定を行う。このとき、大当たり判定部52は、第2始動口用の保留記憶領域に遊技データが格納されていれば、その遊技データを読み出して大当たり判定を行う。すなわち、本実施形態における大当たり判定部52は、第1始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データよりも、第2始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行っていくように構成されている。
特別遊技制御部53は、大当たり判定部52による大当たり判定において大当たりに当選し、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行させることが決定された場合に機能するものである。特別遊技制御部53は、大当たり判定部52によって大当たりであることが判定されると、それに伴って行われる特別遊技状態において第1大入賞口15及び第2大入賞口のそれぞれを開放させる開放パターンや特別遊技終了後の遊技モードを決定する。また特別遊技制御部53は、大当たり遊技である特別遊技が開始されることに伴い、決定した開放パターンに基づいて複数ラウンドのうちの各ラウンドで第1大入賞口15及び第2大入賞口のそれぞれを択一的に開放させることにより、特別遊技中において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放状態へ作動させる開放特別遊技を制御する。
この特別遊技制御部53は、特別遊技状態における開放パターンや特別遊技終了後の遊技モードを決定する際、第1始動口13と第2始動口14とのいずれに入賞して取得された遊技データが大当たりとなったかに応じて異なるテーブルを参照する。例えば、第1始動口13への入賞に伴って保留記憶部62に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部53は、開放パターンテーブル64から第1始動口13に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定すると共に、特別遊技終了後の遊技モードを決定する。また第2始動口14への入賞に伴って保留記憶部62に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部53は、開放パターンテーブル64から第2始動口14に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定すると共に、特別遊技終了後の遊技モードを決定する。
言い換えると、特別遊技制御部53は、大当たり判定において大当たりに当選した場合に、その後に大当たり遊技として行う特別遊技の種類を決定するものである。本実施形態では、特別遊技の種類として、例えば第1から第5の5つの特別遊技がある場合を例示する。
図6は、第1始動口13又は第2始動口14へ入賞して大当たりが発生する場合の特別遊技の種類を示す図である。まず図6(a)は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第1始動口13に遊技球が入賞して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部53は、図6(a)に示すように、第1、第2、第3、第4及び第5の特別遊技P1〜P5のうちから一の特別遊技を決定する。図6(a)の例では、第1の特別遊技P1の発生する割合は10%、第2の特別遊技P2の発生する割合は10%、第3の特別遊技P3の発生する割合は20%、第4の特別遊技P4の発生する割合が30%、第5の特別遊技P5の発生する割合が30%となっている。したがって、第1始動口13に遊技球が入賞して大当たりとなった場合には、その後に行われる大当たり遊技として、第1乃至第5の特別遊技P1〜P5のうちのいずれかが実行される。
一方、図6(b)は、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第2始動口14に遊技球が入賞して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部53は、図6(b)に示すように、100%の割合で第5の特別遊技P5を実行すべき大当たり遊技として決定する。したがって、第2始動口14に遊技球が入賞して大当たりに当選すると、第1乃至第4の特別遊技P1〜P4のいずれかが行われることはなく、常に第5の特別遊技P5が実行される。
図7は、第1乃至第5の特別遊技P1〜P5における第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放パターン並びに特別遊技終了後の遊技モードを示す図である。まず、第1乃至第5の特別遊技P1〜P5では、いずれの特別遊技であっても第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれか一方を開放するラウンドが所定回数(例えば合計16ラウンド)行われる。そして第1ラウンドから第4ラウンドまでは第1大入賞口15が開放し、第5ラウンドでは第2大入賞口16が開放する。その後、第6ラウンドから第15ラウンドまでは再び第1大入賞口15が開放し、第16ラウンドでは再び第2大入賞口16が開放する。以上の点は、第1乃至第5の特別遊技P1〜P5のいずれにおいても共通する。
第1乃至第5の特別遊技P1〜P5において相違する点は、まず第1に、各ラウンドにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間である。すなわち、第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれにもロング開放とショート開放とが定められており、各特別遊技P1〜P5のラウンド毎にロング開放とショート開放のいずれか一方が設定されている。ロング開放の場合、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば30秒程度の比較的長い時間に設定される。これに対し、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。そのため、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放される場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球が入賞し易い状態となるのに対し、ショート開放の場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球が入賞し難い状態となる。またロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入賞すれば、開放時間が経過する前であっても第1大入賞口15又は第2大入賞口16は閉鎖する。ただし、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に1個又は2個程度の遊技球が稀に入賞することはあっても、所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入賞することはほとんど無いと言える。そのため、ショート開放の場合には、0.2秒程度の開放時間が経過することによって第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖するケースが多くなる。
ただし、ロング開放の場合の開放時間は30秒に限られるものではなく、ショート開放の場合の開放時間も0.2秒に限られるものではない。例えば、ロング開放の場合は、遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも長く、開放状態において複数の遊技球が入球可能な開放時間であれば良い。これに対し、ショート開放の場合は、例えば遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも短く、開放状態において遊技球が入球し難い開放時間であれば良い。
第1乃至第5の特別遊技P1〜P5における第2の相違点は、大当たり遊技後の遊技モードである。特別遊技終了後に設定される遊技モードとしては、潜伏モードと時短モードとの2つのモードがある。時短モードは、大当たり遊技の終了後、電動チューリップ14aを通常よりも頻繁に閉鎖状態(非補助状態)から開放状態(補助状態)へと駆動することにより、通常よりも頻繁に第2始動口14へ遊技球が入賞し易くなるようにした特定遊技状態で遊技を行う遊技モードである。この時短モードでは、電動チューリップ14aの開放時間が潜伏モードよりも長くなり、しかも開放頻度も多くなるため、遊技者は特別遊技状態で獲得した賞球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができる。これに対し、潜伏モードとは、時短モードとは異なり、電動チューリップ14aを通常通りに駆動して遊技を進行させる遊技モードであり、時短モードと比較すると第2始動口14へ遊技球が入賞し難い状態で遊技を行う遊技モードである。この潜伏モードでは、電動チューリップ14aが開放してもその開放時間が時短モードよりも極めて短いため、第2始動口14へ遊技球を入賞させることが難しくなる。それ故、潜伏モードでは、遊技者は特別遊技状態で獲得した賞球を徐々に減らしていきながら、その後の遊技を進行させることになる。
第1の特別遊技P1では、図7(a)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。また第1の特別遊技P1は、特別遊技終了後の遊技モードが潜伏モードとなる遊技である。
第2の特別遊技P2では、図7(b)に示すように、第1〜第3ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第4ラウンドで第1大入賞口15がショート開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。また第2の特別遊技P2は、特別遊技終了後の遊技モードが潜伏モードとなる遊技である。
第3の特別遊技P3では、図7(c)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。すなわち、この第3の特別遊技P3で行われる開放特別遊技は、第1の特別遊技P1で行われる開放特別遊技と同じである。ただし、この第3の特別遊技P3は、特別遊技終了後の遊技モードが時短モードとなる遊技であり、この点は第1の特別遊技P1と相違している。
第4の特別遊技P4では、図7(d)に示すように、第1〜第3ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第4ラウンドで第1大入賞口15がショート開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。すなわち、この第4の特別遊技P4で行われる開放特別遊技は、第2の特別遊技P2で行われる開放特別遊技と同じである。ただし、この第4の特別遊技P4は、特別遊技終了後の遊技モードが時短モードとなる遊技であり、この点は第2の特別遊技P2と相違している。
第5の特別遊技P5では、図7(e)に示すように、第1〜第16ラウンドまでの全てのラウンドで第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。したがって、第5の特別遊技P5で行われる開放特別遊技は、上記第1〜第4の特別遊技P1〜P4で行われる開放特別遊技のいずれにも一致しない遊技である。また第5の特別遊技P5は、特別遊技終了後の遊技モードが時短モードとなる遊技である。
特別遊技制御部53は、大当たりであると判定された遊技データに含まれる図柄乱数を判定することにより、上記第1〜第5の特別遊技P1〜P5のうちから一の特別遊技を決定する。ただし、第2始動口14への入賞によって大当たりとなった場合には、毎回、第5の特別遊技P5が決定されることになる。そして遊技機1が特別遊技状態へ移行すると、特別遊技制御部53は、その決定した一の特別遊技の開放パターンに基づき、第1大入賞口ソレノイド45、第2大入賞口ソレノイド47及びシャッタソレノイド49を駆動することにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技を進行させる。また特別遊技制御部53は、Vゲートスイッチ50を監視しており、特別遊技の進行中において遊技球がVゲート18を通過すると、それを検知することがきる。
ここで第2大入賞口16が開放される第5及び第16ラウンドに着目すると、第1の特別遊技P1及び第3の特別遊技P3のそれぞれで行われる開放特別遊技では、いずれのラウンドでも第2大入賞口16がショート開放となる。そのため、遊技機1において第1の特別遊技P1又は第3の特別遊技P3が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性は極めて低い。これに対し、第2及び第4の特別遊技P2,P4では第5ラウンド目で第2大入賞口16がロング開放し、第5の特別遊技P5では第5及び第16ラウンドで第2大入賞口16がロング開放する。そのため、遊技機1において第2、第4及び第5の特別遊技P2,P4,P5のいずれかが行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性がある。
上述したように第2大入賞口16の開放中に入球した遊技球がVゲート18を通過すると、その後に大当たり判定部52において大当たりと判定される確率が高確率状態となる。そのため、第2,第4及び第5の特別遊技P2,P4,P5は、第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有するため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができる遊技となる。これに対し、第1及び第3の特別遊技P1,P3には第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有さないため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができない遊技となり、特別遊技終了後の確率状態は低確率状態となる。
このように特別遊技終了後に大当たりの当選確率が高確率状態と低確率状態とのいずれになるかという観点から、上記第1乃至第5の特別遊技P1〜P5で行われる開放特別遊技を大別すると、第1及び第3の特別遊技P1,P3で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることができない第1開放特別遊技となり、第2、第4及び第5の特別遊技P2,P4,P5で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることが可能な第2開放特別遊技となる。
ここで第2大入賞口16がショート開放される場合でも、遊技球が第2大入賞口16に入球する可能性は0ではない。すなわち、第2大入賞口16が0.2秒程度の僅かな時間だけ開放したタイミングで遊技球が入球する可能がある。しかし、そのようなショート開放において第2大入賞口16に遊技球が入球した場合には、その遊技球がVゲート18を通過することがないように、特別遊技制御部53がシャッタ19の動作を制御する。図8は、第2大入賞口16の開閉動作に連動するシャッタ19の動作を示すタイミングチャートであり、(a)はロング開放の場合を示しており、(b)はショート開放の場合を示している。シャッタ19は、ロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても第2大入賞口16が開放してから例えば数秒程度の所定時間Tdを経過した後にVゲート18を開放する。尚、所定時間Tdは、ロング開放とショート開放とで同じ時間である。
図8(a)に示すように、第2大入賞口16がロング開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Tdが経過した後のタイミングT2でシャッタ19がVゲート18を開放する。Vゲート18が開放されたタイミングT2においても第2大入賞口16は開放された状態であるため、その状態で第2大入賞口16に入球する遊技球は第1通過領域17aを通ってVゲート18を通過する。したがって、第2大入賞口16がロング開放される場合には、シャッタ19がVゲート18を開放している間に遊技球を第2大入賞口16に入球させることができれば、ほぼ確実にVゲート18に遊技球を通過させることが可能である。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する第2,第4及び第5の特別遊技P2,P4,P5は、遊技機1の確率状態を高確率状態へ移行させることができる第2開放特別遊技となる。
一方、図8(b)に示すように、第2大入賞口16がショート開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Tdが経過した後のタイミングT2でシャッタ19がVゲート18を開放したときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっている。したがって、仮に第2大入賞口16がショート開放される短時間の間に遊技球が第2大入賞口16に入球した場合であっても、その遊技球はシャッタ19がVゲート18を開放する前に転動領域17を通過するため、第1通過領域17aに設けられたVゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを通って排出口20から遊技盤10の背面側へ排出される。またシャッタ19がVゲート18を開放するときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっているため、そのタイミングで第2大入賞口16に遊技球が入球することはなく、Vゲート18を遊技球が通過することもない。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有さない第1、第3の特別遊技P1,P3は、遊技機1の確率状態を高確率状態へ移行させることができない第1開放特別遊技となる。
そして本実施形態では、第1始動口13に遊技球が入球して大当たりとなる場合よりも、第2始動口14に遊技球が入球して大当たりとなる場合の方が、高い割合で第2開放特別遊技が実行されるようになっており、第2始動口14に遊技球が入球して大当たりになると、遊技機1の確率状態を高確率状態へ移行させることができる可能性が高くなる。
次に遊技状態制御部54は、上述した特別遊技状態以外の遊技状態を制御するものであり、大当たり判定部52による大当たり判定の結果に基づいて特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を制御すると共に、その特別図柄の変動表示と連動した図柄変動演出を演出制御基板33に行わせることにより、遊技を進行させる制御部である。この遊技状態制御部54は、特別遊技終了後において大当たり判定部52による大当たりの当選確率が低確率となる場合に、その低確率遊技状態での遊技の進行を制御する低確率遊技状態制御部56と、特別遊技終了後において大当たり判定部52による大当たりの当選確率が高確率となる場合に、その高確率遊技状態での遊技の進行を制御する高確率遊技状態制御部57と、特別遊技終了後において低確率遊技状態制御部56若しくは高確率遊技状態制御部57による遊技の進行が終了した後に機能し、低確率状態での通常の遊技の進行を制御する通常遊技状態制御部58と、を有している。尚、通常遊技状態制御部58は、特別遊技終了後において低確率遊技状態制御部56若しくは高確率遊技状態制御部57による遊技の進行が終了した後だけでなく、遊技機1に電源が投入された直後の状態においても動作する。
これら低確率遊技状態制御部56、高確率遊技状態制御部57及び通常遊技状態制御部58は、それぞれの遊技状態において大当たり判定部52での大当たり判定が行われることに伴い、大当たり判定部52における判定結果と、大当たり判定部52が保留記憶部62から取得した遊技データに含まれる乱数(例えば変動パターン乱数及びリーチ乱数)とに基づいて変動パターンテーブル65を参照することにより、特別図柄表示器22aで行う特別図柄の変動時間を決定し、その決定した変動時間に基づき、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を制御する。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別図柄の変動時間分に対応する図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板33に対してコマンドを送出する。
低確率遊技状態制御部56は、特別遊技の実行中において第2大入賞口16に入球した遊技球がVゲート18を通過していないときに機能し、その後の大当たり判定部52における大当たりの当選確率を低確率状態に設定し、特別遊技終了後において特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで低確率遊技状態での遊技の進行を制御する。そして特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまでの間に大当たり判定部52において大当たりとの判定がなされなかった場合には、低確率遊技状態制御部56による遊技の進行が終了し、次に通常遊技状態制御部58が機能して通常の遊技状態での遊技の進行が開始される。
また高確率遊技状態制御部57は、特別遊技の実行中において第2大入賞口16に入球した遊技球がVゲート18を通過しているときに機能し、その後の大当たり判定部52における大当たりの当選確率を高確率状態に設定し、特別遊技終了後において特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで高確率遊技状態での遊技の進行を制御する。そして特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまでの間に大当たり判定部52において大当たりとの判定がなされなかった場合には、高確率遊技状態制御部57による遊技の進行が終了し、次に通常遊技状態制御部58が機能して通常の遊技状態での遊技の進行が開始される。高確率遊技状態制御部57は、遊技を進行させる制御を終了して通常遊技状態制御部58を機能させるとき、大当たり判定部52における大当たりの当選確率を高確率状態から低確率状態に戻す。
また特別遊技制御部53によって特別遊技終了後の遊技モードとして時短モードが決定されているときには、低確率遊技状態制御部56及び高確率遊技状態制御部57のそれぞれは、特別遊技終了後の遊技モードを時短モードに設定し、時短モードに対応する特別図柄の変動時間を決定する。これに対し、特別遊技制御部53によって特別遊技終了後の遊技モードとして潜伏モードが決定されているときには、低確率遊技状態制御部56及び高確率遊技状態制御部57のそれぞれは、特別遊技終了後の遊技モードを潜伏モードに設定し、潜伏モードに対応する特別図柄の変動時間を決定する。尚、時短モード及び潜伏モードのそれぞれは、低確率遊技状態制御部56又は高確率遊技状態制御部57による遊技制御が終了することに伴って終了し、その後、通常遊技状態制御部58による通常の遊技状態での遊技の進行が開始されることに伴い、通常モードへと移行する。
特定遊技状態制御部55は、電動チューリップ14aを開放させる補助遊技を制御するものである。この特定遊技状態制御部55は、特別遊技終了後において時短モードが設定されると、その時短モードが終了するまでの期間中、普通図柄の抽選結果に基づいて通常モード時や潜伏モード時よりも頻繁に電チューソレノイド44を駆動することにより電動チューリップ14aを頻繁に開放状態にして遊技球が第2始動口14に入球し易くなる特定遊技状態となるように補助遊技を制御する。
図9は、上記のような主制御基板30の制御による遊技機1の遊技状態の移行を示す図である。まず遊技機1に電源が投入されると、遊技機1は通常モードの通常遊技状態ST1で動作する。通常遊技状態ST1は、大当たりに当選する確率が高確率状態よりも低い低確率(通常確率)で遊技を進行させる状態である。この通常遊技状態ST1では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間は極めて短く、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性は低い。そのため、通常遊技状態ST1では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F1で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の左側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1始動口13に入球させることを狙って遊技を行う。
そして通常遊技状態ST1において遊技球が第1始動口13へ入球することによって大当たりが発生すると(矢印A1)、遊技機1は、第1の特別遊技P1、第2の特別遊技P2、第3の特別遊技P3、第4の特別遊技P4及び第5の特別遊技P5のいずれか一つを大当たり遊技として実行する(矢印A2)。遊技機1において特別遊技が開始されると、センター役物11の右側に配置された第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを所定のラウンドで開放させる開放特別遊技が行われる。そのため、遊技者は、遊技機1において特別遊技が行われている間、ハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1大入賞口15又は第2大入賞口16に入球させることを狙って遊技を行う。
第1の特別遊技P1が行われた場合、その後の遊技状態は潜伏モードの低確率遊技状態ST2となる。また第2の特別遊技P2が行われた場合、その特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過することにより、その後の遊技状態は潜伏モードの高確率遊技状態ST3となる。また第3の特別遊技P3が行われた場合、その後の遊技状態は時短モードの低確率遊技状態ST4となる。さらに第4及び第5の特別遊技P4,P5が行われた場合、その特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過することにより、その後の遊技状態は時短モードの高確率遊技状態ST5となる。
ここで潜伏モードの低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間は極めて短く、第2始動口14へ遊技球が入球する可能性は低い。そのため、潜伏モードの低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F1で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の左側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1始動口13に入球させることを狙って遊技を行う。
この潜伏モードの低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3において遊技球が第1始動口13へ入賞することによって大当たりが発生すると(矢印A3)、遊技機1は、上記と同様、第1の特別遊技P1、第2の特別遊技P2、第3の特別遊技P3、第4の特別遊技P4及び第5の特別遊技P5のいずれか一つを特別遊技として再び実行する(矢印A2)。一方、潜伏モードの低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3において大当たりが発生することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、遊技状態は潜伏モードの低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3から通常モードの通常遊技状態ST1へと戻る(矢印A4)。この場合において、潜伏モードの高確率遊技状態ST3から通常モードの通常遊技状態ST1へ移行すると、大当たり判定において大当たりに当選する確率が高確率状態から低確率状態へと戻る。
これに対し、時短モードの低確率遊技状態ST4及び高確率遊技状態ST5では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ14aが第2始動口14を頻繁に、しかも長時間開放するようになり、第2始動口14に遊技球が入球し易くなる。そのため、時短モードの低確率遊技状態ST4及び高確率遊技状態ST5では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、頻繁に開放される第2始動口14に遊技球を入球させることを狙って遊技を行う。
この時短モードの低確率遊技状態ST4及び高確率遊技状態ST5において遊技球が第2始動口14へ入球することによって大当たりが発生すると(矢印A5)、遊技機1は、第5の特別遊技P5を大当たり遊技として実行する(矢印A6)。一方、時短モードの低確率遊技状態ST4及び高確率遊技状態ST5において大当たりが発生することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、遊技状態は通常モードの通常遊技状態ST1へと戻る(矢印A4,A7)。この場合において、時短モードの高確率遊技状態ST5から通常モードの通常遊技状態ST1へ移行すると、大当たり判定において大当たりに当選する確率が高確率状態から低確率状態へと戻る。
このように本実施形態の遊技機1は、通常モードの通常遊技状態ST1から特別遊技を経由して、潜伏モードの低確率遊技状態ST2、潜伏モードの高確率遊技状態ST3、時短モードの低確率遊技状態ST4及び時短モードの高確率遊技状態ST5のいずれかへ移行する。そして時短モードの低確率遊技状態ST4及び高確率遊技状態ST5において大当たりが発生した場合には、100%という極めて高い割合で第5の特別遊技P5が実行される。そのため、その後は時短モードの高確率遊技状態ST5で特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまでに大当たりに繰り返し当選し続けることにより、遊技者は持ち玉を減らすことなく獲得賞球を増加させていくことができるようになる。
一方、上記のような遊技機1では、特別遊技の実行中に遊技球がVゲート18を通過し、その特別遊技終了後の確率状態が高確率となった場合でも、その後、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまでの間に次の大当たりに当選しなかったときには、確率状態が低確率に戻ってしまうため、遊技者にとっては、高確率遊技状態で何も利益を享受しないまま低確率へと戻ってしまうことがある。例えば、特別遊技終了後に時短モードへ移行するときには、その時短モードが継続している間、遊技者は持ち玉をあまり減らすことなく遊技を進行させることができるという点で一定の利益を享受することができる。しかし、特別遊技終了後に潜伏モードへ移行するときには、その潜伏モードの高確率遊技状態ST3において通常モードと同様に、遊技者は持ち玉を減らしながら遊技を進行させなければならず、しかも潜伏モード中に大当たりに当選しなかった場合には高確率遊技状態ST3で何も利益を享受できないまま低確率へと戻ってしまうケースが発生する。そのようなケースが発生する遊技機1では、特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過した場合でも、その後の大当たりの当選確率が高確率状態へ移行したことを遊技者になるべく悟られないようにし、その高確率状態で遊技者が何も利益を享受できないまま低確率へ戻ってしまった場合の遊技者の落胆度を抑えることによって遊技意欲が継続されるようにすることが好ましい。
そこで本実施形態の遊技機1は、第5の特別遊技P5を除き、特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過し易い開放パターンと、遊技球がVゲート18を通過し難い開放パターンとで第1大入賞口15及び第2大入賞口16がロング開放する合計ラウンド数を一致させ、遊技者が多くの賞球を獲得し得るロング開放のラウンド数だけをカウントしても特別遊技終了後の確率状態が高確率となるか低確率となるかを把握できないようにしている。
図10は、第1乃至第4の特別遊技P1〜P4が行われる場合の第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放時間を示す図である。まず図10(a)は第1及び第3の特別遊技P1,P3での開放時間を示している。第1又は第3の特別遊技P1,P3が開始されると、第1ラウンドから第4ラウンドまで比較的長い開放時間Taが設定され、第1大入賞口15がロング開放される。そして第5ラウンド目では比較的短い開放時間Tbが設定され、第2大入賞口16がショート開放される。第6ラウンド移行でも比較的短い開放時間Tbが設定され、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がショート開放される。このように第1又は第3の特別遊技P1,P3の場合は、第1ラウンドから第4ラウンドまでの合計4ラウンドがロング開放されるラウンドとなり、それ以外のラウンドはショート開放のラウンドとなる。したがって、第1又は第3の特別遊技P1,P3の実行中に遊技者が獲得できる賞球数は、実質的に4ラウンド分の賞球数となる。
次に図10(b)は第2及び第4の特別遊技P2,P4での開放時間を示している。第2又は第4の特別遊技P2,P4が開始されると、第1ラウンドから第3ラウンドまで比較的長い開放時間Taが設定され、第1大入賞口15がロング開放される。そして第4ラウンド目では比較的短い開放時間Tbが設定され、第1大入賞口15がショート開放される。その後、第5ラウンド目では比較的長い開放時間Taが再び設定され、第2大入賞口16がロング開放される。そして第6ラウンド移行では比較的短い開放時間Tbが設定され、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がショート開放される。このように第2又は第4の特別遊技P2,P4の場合は、第1ラウンドから第3ラウンドまでの3ラウンドと、第5ラウンドとの合計4ラウンドがロング開放されるラウンドとなり、それ以外のラウンドはショート開放のラウンドとなる。したがって、第2又は第4の特別遊技P2,P4の実行中に遊技者が獲得できる賞球数は、実質的に4ラウンド分の賞球数となる。尚、図10(b)では、第1大入賞口15がショート開放されるときの開放時間が、図10(a)において第2大入賞口16がショート開放されるときの開放時間Tbと一致する場合を例示しているが、これに限られるものではない。例えば、第1大入賞口15がショート開放されるときの開放時間を、第2大入賞口16がショート開放されるときの開放時間Tbよりも長い時間に設定したり、或いは、短い時間に設定したりするものでも良い。
このように本実施形態では、特別遊技の実行中に遊技球がVゲート18を通過し得る開放パターンと、遊技球がVゲート18を通過し得ない開放パターンとで第1大入賞口15及び第2大入賞口16がロング開放するラウンド数を一致させているため、仮に遊技者が特別遊技中に賞球を獲得し得るラウンド数をカウントしたとしても、その特別遊技終了後の確率状態が高確率であるか低確率であるかを把握することができないようになっている。ただし、遊技者は、特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過するか否かを目視で確認することにより、その特別遊技終了後の確率状態が高確率であるか低確率であるかを把握することが可能である。
一方、遊技機1において第5の特別遊技P5が行われる場合には、上述したように合計16ラウンドの全てがロング開放となる。そのため、第5の特別遊技P5の実行中に遊技者が獲得できる賞球数は、16ラウンド分の賞球数となる。このように第1乃至第4の特別遊技P1〜P4の実行中に遊技者が獲得できる賞球数は実質的に4ラウンド分であるのに対し、第5の特別遊技P5では遊技者は16ラウンド分の賞球を獲得することができるため、特別遊技の全ての種類の中で遊技者にとって最も有利な特別遊技は第5の特別遊技P5である。そしてこの第5の特別遊技P5は、遊技者が賞球を獲得し得るラウンド数をカウントすることによって特別遊技終了後の確率状態が高確率となることを把握し得る例外的な特別遊技となっている。
次に、主制御基板30において行われる主たる動作手順について説明する。図11は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図11に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、大入賞口処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、電動チューリップ(電チュー)処理(ステップS110)、及び、出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過し、再びタイマによる割込が発生することにより、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を開始する。以降このような処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、RAM30cの遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の値が更新される処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部51が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、上述の遊技データ取得部51が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、特定遊技状態制御部55がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄を抽選するために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば大入賞口スイッチなど)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、大当たり判定部52、特別遊技制御部53及び遊技状態制御部54による大当たり判定処理及びその大当たり判定結果に基づく特別図柄の変動処理などが行われる。大入賞口処理(ステップS108)では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、特定遊技状態制御部55による普通図柄変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。電動チューリップ処理(ステップS110)では、特定遊技状態制御部55による電動チューリップ14aの開閉動作制御が行われる。また出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33のそれぞれに対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。各基板に出力するコマンドやデータは、ステップS102〜S110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされているので、この出力処理ではRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の初期値が更新される。
図12は、第1始動口スイッチ処理(図11のステップS102)及び第2始動口スイッチ処理(図11のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図12(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13へ入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数の値によって、「大当たり」であるか又は「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数の値によってその大当たり遊技として行う特別遊技の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に図12(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図8のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14に入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、またハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に図13は、ゲートスイッチ処理(図11のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ43がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチ43がオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄の抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値を、RAM103に格納する(ステップS404)。尚、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
次に図14は、特別図柄処理(図11のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が大当たり遊技中(特別遊技中)であるか否かを判断する(ステップS501)。大当たり遊技中であれば、その大当たり遊技(特別遊技)が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、大当たり遊技中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)は、大当たり判定の条件となる第1始動口13又は第2始動口14への入賞に基づく保留が無いことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく大当たり判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の遊技状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ低確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして主制御基板30は、遊技者に有利な特別遊技として大当たり遊技を行うかを判定するための大当たり判定処理を実行する(ステップS514)。この大当たり判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果に応じて特別図柄の変動表示を行う変動時間が決定される。尚、この大当たり判定処理の詳細については後述する。
主制御基板30は、大当たり判定処理(ステップS514)を行った後、その大当たり判定処理で決定された変動時間に対応して装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を含む図柄変動演出を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS516)。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が大当たり判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を大当たり判定の結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして主制御基板30は、停止中処理(ステップS522)を実行する。尚、停止中処理の詳細については後述する。
図15は、大当たり判定処理(図14のステップS514)の詳細を示すフローチャートである。この処理を開始すると、主制御基板30は、図14のステップS512又はS513で選択したテーブルに基づき、遊技データに含まれる大当たり乱数が大当たりであるか否かの大当たり判定を行う(ステップS541)。そして大当たりに当選していれば(ステップS542でYES)、図柄乱数に基づいて開放パターンテーブル64を参照し(ステップS543)、大当たり遊技として行うべき特別遊技の種類を判定する(ステップS544)。図柄乱数の判定を行う際には、判定対象となる図柄乱数が第1始動口用の保留記憶領域から読み出された乱数である場合と、第2始動口用の保留記憶領域から読み出された乱数である場合とで参照するテーブルが異なる。そして第1始動口用の保留記憶領域から読み出された図柄乱数の場合には、ステップS544の判定によって第1乃至第5の特別遊技P1〜P5のいずれか一つが決定される。また第2始動口用の保留記憶領域から読み出された図柄乱数の場合には、ステップS544の判定によって第5の特別遊技P5が決定される。そして特別遊技の種類が確定すると、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として大当たりに対応した特別図柄をセットする(ステップS545)。続いて主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル65から大当たり用変動パターンテーブルを参照し(ステップS546)、変動パターン乱数などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS547)。その後、主制御基板30は、ステップS544で決定した特別遊技の種類に基づき、その後に発生する特別遊技状態において第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させるための開放パターンを予めセットしておく(ステップS548)。
また大当たりに当選していない場合(ステップS542でNO)、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として、図柄乱数に基づくハズレ図柄をセットする(ステップS549)。そしてリーチ乱数を判定してリーチ演出を行うか否かを判断し(ステップS550)、リーチ演出を行う場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル65からリーチ用変動パターンテーブルを参照し(ステップS551)、変動パターン乱数やリーチ乱数などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS552)。
一方、リーチ演出を行わない場合(ステップS550でNO)、時短モード中であるか否かを判断する(ステップS553)。時短モード中である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル65から時短モード用変動パターンテーブルを参照し(ステップS554)、変動パターン乱数やリーチ乱数などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS555)。尚、時短モード中は、他のモード中よりも特別図柄の変動時間が短い時間に決定され易くなる。
また時短モード中でもなかった場合(ステップS553でNO)、主制御基板30は、潜伏モード中であるか否かを判断する(ステップS556)。潜伏モード中である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル65から潜伏モード用変動パターンテーブルを参照し(ステップS557)、変動パターン乱数やリーチ乱数などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS558)。
更に潜伏モード中でもなかった場合(ステップS556でNO)、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル65から通常用変動パターンテーブルを参照すると共に(ステップS559)、保留記憶部62に記憶されている保留数(例えば第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1の値)を確認する(ステップS560)。そして主制御基板30は、変動パターン乱数とリーチ乱数と保留数とに基づいて通常用変動パターンテーブルに定められている図柄の変動時間を決定する(ステップS561)。例えば、保留数が所定数よりも多い場合には、特別図柄の変動表示を効率的に消化していくようにするため、通常よりも比較的短い変動時間が決定される。以上で、大当たり判定処理(ステップS514)が終了する。
次に図16は、停止中処理(図14のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を大当たり遊技(特別遊技)に移行させたり、潜伏モード又は時短モードの低確率遊技状態ST2,ST4や高確率遊技状態ST3,ST5を通常遊技状態ST1に移行させたり、大当たりに当選する確率を高確率状態から低確率状態に戻したりする処理が行われる。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、大当たりが発生したか否かを判断し(ステップS571)、大当たりが発生した場合(ステップS571でYES)、その特別遊技の種類に対応した大当たり遊技(特別遊技)をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に大当たり遊技(特別遊技)に対応した演出を行わせるべく、大当たり開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、大当たり遊技として特別遊技の実行を開始する(ステップS574)。
また主制御基板30は、大当たり遊技を発生させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技モードが時短モード又は潜伏モードであるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、時短モード又は潜伏モードである場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、時短モード又は潜伏モードを継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値SCを1だけデクリメントし(ステップS576)、そのカウント値SCが0になったか否かを判断する(ステップS577)。その結果、カウント値SCが0でない場合、時短モード又は潜伏モードによる遊技状態が継続するので、停止中処理を終了する。またカウント値SCが0になった場合(ステップS577でYES)、主制御基板30は、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS578)、高確率状態であれば確率状態を低確率状態に変更してセットする(ステップS579)。尚、現時の確率状態が高確率状態でなかった場合には、ステップS579の処理を行わずにスキップする。そして主制御基板30は、時短モード又は潜伏モードにおける低確率遊技状態制御部56又は高確率遊技状態制御部57の動作状態を終了させ、通常遊技状態制御部58の動作を開始して遊技状態を通常遊技状態ST1へと戻す(ステップS580)。
また主制御基板30は、現在の遊技モードが時短モードや潜伏モードでなく、通常モードであると判断した場合(ステップS575でNO)、その後は特別な処理は行わずに処理を終了する。以上で、停止中処理(ステップS522)が終了する。
次に図17および図18は、大入賞口処理(図11のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、大当たり遊技(特別遊技)が開始された後の第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開閉動作が制御される。主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が大当たり遊技(特別遊技)中であるか否かを判断する(ステップS601)。大当たり遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開閉動作は行わないため、大入賞口処理が終了する。これに対し、大当たり遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図16のステップS574)で開始させた大当たり遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する現在のラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、予めセットされている開放パターンを確認し(ステップS605)、その開放パターンに定められている今回のラウンドRにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間をセットする(ステップS606)。そして主制御基板30は、今回のラウンドRに対応して第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれか一方を開放する(ステップS607)。尚、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放すると、主制御基板30は、ステップS606でセットされた開放時間の計測動作を開始する。
そして主制御基板30は、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知したか否かを判断し(ステップS608)、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知していれば、Vゲート通過コマンドをRAM30cにセットする(ステップS609)。尚、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知していなければ、ステップS609の処理はスキップする。
次に主制御基板30は、大入賞口を開放してからステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS610)、開放時間が経過していない場合(ステップS610でNO)には、更に開放中の大入賞口に対して所定の上限個数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS611)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS611でNO)には、大入賞口の開放状態が継続するため、大入賞口処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS610でYES)、又は、大入賞口への入賞個数が上限値に達した場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、現在開放中の第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS612)。そして現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値(例えば16)であるか否かを判断する(ステップS613)。最終ラウンドでない場合(ステップS613でNO)には大当たり遊技が継続するため、そのまま大入賞口処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS613でYES)、主制御基板30は、大当たり遊技を終了させるためのステップS614以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は、現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS614)、その大当たり遊技(特別遊技)中にVゲート18を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS615)。遊技球がVゲート18を過している場合(ステップS615でYES)、主制御基板30は、その後の大当たり判定における大当たりの当選確率として高確率状態をセットする(ステップS616)。これに対し、遊技球がVゲート18を過していていない場合(ステップS615でYES)、主制御基板30は、ステップS616の処理を行わず、その後の大当たり判定における大当たりの当選確率を低確率状態とする。
その後、主制御基板30は、時短モードへ移行するか否かを判断し(ステップS617)、時短モードへ移行する場合には時短モードをセットする(ステップS618)。また時短モードではなく、潜伏モードへ移行する場合には潜伏モードをセットする(ステップS619)。そして主制御基板30は、時短モード又は潜伏モードにおける特別図柄の残り変動回数のカウント値SCの値を100にセットする(ステップS620)。
そして主制御基板30は、大当たり遊技のエンディングのための時間計測を開始し(ステップS621)、エンディングが終了したか否かを判断する(ステップS622)。エンディングを開始してから所定時間が経過していないときには、エンディングが未終了であると判断し(ステップS622でNO)、大入賞口処理を終了する。またエンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS622でYES)、演出制御基板33に大当たり遊技演出を終了させるべく、大当たり終了コマンドをセットし(ステップS623)、大当たり遊技を終了する(ステップS624)。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図18のフローチャートに進み、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断する(ステップS651)。そして開放中である場合は(ステップS651でYES)、図17に示すステップS608以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が大当たり遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そしてエンディング中である場合は(ステップS652でYES)、図17に示すステップS622以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS652でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS653でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンドを実施すべく、図17に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような大入賞口処理により、遊技機1において大当たり遊技(特別遊技)が開始されると、その特別遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させるラウンドが所定回数(例えば16ラウンド)行われる。また特別遊技が終了するときには、Vゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて高確率状態と低確率状態のいずれか一方がセットされるようになる。
次に図19は、普通図柄処理(図11のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。ここでの補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作中であることを意味している。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、主制御基板30は、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、主制御基板30は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄抽選の条件となるスルーゲート21への遊技球通過が無いことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、最先の保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして主制御基板30は、保留から読み出した普通図柄乱数が所定の当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、主制御基板30は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM103にセットする(ステップS708)。また普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS707でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM103にセットする(ステップS709)。
そして主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技モードが時短モード中であるか否かを判断し(ステップS710)、時短モード中である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を短時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS711)。また現在の遊技モードが時短モードではなく、通常モードと潜伏モードとのいずれかであると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を長時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS712)。そして主制御基板30は、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に基づき、図柄表示器22において普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS702でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測開始された変動時間が、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708又はS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)、電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより、遊技状態は、補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
次に図20は、電動チューリップ処理(図11のステップS110(電チュー処理))の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技中でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aは開放しないため、電動チューリップ処理を終了する。補助遊技中であった場合(ステップS801でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aが開放中であるか否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、更に現在の遊技モードが時短モードであるか否かを判断する(ステップS803)。そして時短モードである場合(ステップS803でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を長時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS804)。また時短モードではなく、通常モードと潜伏モードとのいずれかである場合(ステップS803でNO)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を短時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS805)。そして主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放し(ステップS806)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS807)。一方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS803〜S807の処理をスキップする。その後、主制御基板30は、ステップS804又はS805でセットされた開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間を経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放状態が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS808でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aを閉鎖状態に戻し(ステップS809)、補助遊技を終了して電動チューリップ処理を終了する(ステップS810)。
図19及び図20に示した処理により、時短モード中は、他の潜伏モードや通常モードよりも電動チューリップ14aが頻繁に、しかも長時間開放されるようになり、第2始動口14に対して遊技球が入球し易くなる。
次に図21は、出力処理(図11のステップS111)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、主制御基板30からサブ制御基板31に対して各種データやコマンドなどが出力される。まず主制御基板30は、送信用遊技データがセットされている場合、それを演出制御基板33に送信する(ステップS901)。尚、送信用遊技データがセットされていなければ、ステップS901の送信処理は行われない。次に変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別図柄の変動時間に対応する時間分の演出を行うことを指示する(ステップS902)。これにより、演出制御基板33によって装飾図柄12a,12b,12cを変動させる変動演出が開始される。尚、変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS902の送信処理は行われない。次に変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、演出制御基板33によって実行されている変動演出を停止させて大当たり判定の結果が大当たりとなるものであるか否かを遊技者に報知させる指示を行う(ステップS903)。尚、変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS903の送信処理は行われない。次に大当たり開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、大当たり遊技開始に伴う演出動作の開始を指示する(ステップS904)。このとき送信される大当たり開始コマンドには、大当たり遊技後の遊技モードが時短モードと潜伏モードとのいずれであるかを示す情報が含まれる。尚、大当たり開始コマンドがセットされていなければ、ステップS904の送信処理は行われない。次にVゲート通過コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信する(ステップS905)。尚、Vゲート通過コマンドがセットされていなければ、ステップS905の送信処理は行われない。次に大当たり終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、大当たり遊技に対応した演出の終了を指示する(ステップS906)。尚、大当たり終了コマンドがセットされていなければ、ステップS906の送信処理は行われない。そして最後にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33や払出制御基板32に送信することで、各部を制御する(ステップS907)。例えば遊技球が各種入賞口に入賞したことに伴う賞球コマンドはこのとき払出制御基板32に対して送信され、払出制御基板32によって賞球の払い出しが行われる。以上で出力処理が終了する。
尚、主制御基板30は、大当たり遊技(特別遊技)中において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放状態に駆動するときには、上記出力処理においてラウンドを進行させる旨の信号と、ロング開放とショート開放とのいずれのラウンドであるかを示す信号とを演出制御基板33に送信する。
次に演出制御基板33について説明する。演出制御基板33は、上述した主制御基板30によって制御される遊技機1の動作状態に対応した各種演出の実行を制御する。図22は、演出制御基板33における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。図22に示すように、演出制御基板33のCPU33aは、通常遊技演出制御部71、特別遊技演出制御部72、低確率状態演出制御部74及び高確率状態演出制御部76として機能し、主制御基板30から出力される各種コマンドに基づいて様々な遊技演出を行うように構成されている。
まず特別遊技演出制御部72について説明する。特別遊技演出制御部72は、遊技機1において大当たり遊技(特別遊技)が開始されることに伴って機能し、その特別遊技に対応する特別遊技演出の実行を制御するものである。この特別遊技演出制御部72は、画像制御基板34を制御することにより、特別遊技における現在のラウンドを画像表示器12に表示させる。そして特別遊技中にラウンドが進行することに伴い、特別遊技演出制御部72は、そのラウンド表示を逐次更新させていく。このとき、特別遊技演出制御部72は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放されるラウンドだけをカウントしてラウンド表示を更新するように構成される。
また特別遊技演出制御部72は、報知演出制御部73を備えている。この報知演出制御部73は、主制御基板30において特別遊技が行われているときに、第2大入賞口16に入球した遊技球がVゲート18を通過すると、遊技者に対してVゲート18の通過を報知するための報知演出の実行を制御するものである。すなわち、報知演出制御部73は、特別遊技の実行中に主制御基板30からVゲート通過コマンドを受信すると、そのコマンドに基づきVゲート通過を報知する報知演出を実行する。ただし、報知演出制御部73は、特別遊技の実行中にVゲート通過コマンドを受信すると報知演出を毎回必ず実行するものではなく、その特別遊技終了後において大当たりの当選確率が高確率状態となったことを遊技者に明示する高確率遊技演出が行われる場合にのみ、報知演出を実行する。
例えば本実施形態では、特別遊技終了後に時短モードへ移行して第2始動口14に遊技球が入球し易い特定遊技状態になる場合には、その特別遊技の実行中に遊技球がVゲート18を通過することを条件として、その特別遊技の終了後に大当たりの当選確率が高確率状態となったことを遊技者に明示する高確率遊技演出が行われる。そのため、報知演出制御部73は、特別遊技の実行中にVゲート通過コマンドを受信した場合には、特別遊技終了後に高確率遊技演出が行われるか否かを判断して報知演出を行うか否かを決定する。この判断は、例えば、特別遊技終了後に時短モードへ移行するか否かを判断するものであっても良いし、又、Vゲート通過コマンドを受信した時点で実行中の特別遊技が第4及び第5の特別遊技P4,P5のいずれかであるかを判断するものであっても良い。したがって、本実施形態では、特別遊技終了後に潜伏モードへ移行するときには、特別遊技演出制御部72において報知演出制御部73は機能せず、仮に特別遊技の実行中に主制御基板30からVゲート通過コマンドを受信した場合でも報知演出は行われない。
図23は、特別遊技演出制御部72において行われる特別遊技演出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば演出制御基板33のCPU33aによって一定時間間隔で繰り返し実行される処理である。特別遊技演出制御部72は、この処理を開始すると、特別遊技演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS1001)。特別遊技演出の実行中でない場合(ステップS1001でNO)、特別遊技演出制御部72は、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1002)。ここで、大当たり開始コマンドを受信していない場合、特別遊技演出を開始する必要がないため、特別遊技演出処理を終了する。これに対し、大当たり開始コマンドを受信した場合(ステップS1002でYES)、特別遊技演出制御部72は、その大当たり開始コマンドに基づいて特別遊技演出の実行を開始する(ステップS1003)。このようにして特別遊技演出の実行を開始すると、特別遊技演出制御部72は、ラウンド値Rを0に初期化する(ステップS1004)。
一方、特別遊技演出の実行中であった場合(ステップS1001でYES)、特別遊技演出制御部72は、主制御基板30によって第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放されるタイミングであるか否かを判断する(ステップS1005)。そして大入賞口が開放される場合(ステップS1005でYES)、特別遊技演出制御部72は、そのラウンドがロング開放されるラウンドであるか否かを判断する(ステップS1006)。その結果、ロング開放されるラウンドである場合(ステップS1006でYES)、特別遊技演出制御部72は、ラウンド値Rに1を加算し(ステップS1007)、現在のラウンド値Rを画像表示器12に表示させる(ステップS1008)。尚、大入賞口が開放されるタイミングでない場合(ステップS1005でNO)、又は、大入賞口が開放されるラウンドがショート開放のラウンドである場合(ステップS1006でNO)、ステップS1007,S1008の処理はスキップし、ラウンド表示は更新されない。
次に特別遊技演出制御部72は、主制御基板30からVゲート通過コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1009)。Vゲート通過コマンドを受信した場合(ステップS1009でYES)、特別遊技演出制御部72は、現在実行中の特別遊技が第4又は第5の特別遊技P4,P5であるか否かを判断する(ステップS1010)。そして第4又は第5の特別遊技P4,P5である場合(ステップS1010でYES)、特別遊技演出制御部72は、Vゲート通過コマンドを受信したことに伴い、Vゲート通過を報知する報知演出を実行する(ステップS1011)。これに対し、Vゲート通過コマンドを受信していない場合(ステップS1009でNO)、或いは、現在実行中の特別遊技が第4又は第5の特別遊技P4,P5でなく第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のいずれかである場合(ステップS1010でNO)、ステップS1011の処理をスキップし、報知演出は行わない。
続いて特別遊技演出制御部72は、主制御基板30から大当たり終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1012)。大当たり終了コマンドを受信していない場合には、特別遊技演出を継続させるため、特別遊技演出処理を終了する。一方、大当たり終了コマンドを受信した場合(ステップS1012でYES)、特別遊技演出制御部72は、時短モードへ移行するか否かを判断する(ステップS1013)。その結果、時短モードへ移行する場合(ステップS1013でYES)、特別遊技演出制御部72は、時短モードで行う時短遊技演出回数C1を所定値(例えば100)に設定する(ステップS1014)。また時短モードへ移行せず、潜伏モードへ移行する場合(ステップS1013でNO)、特別遊技演出制御部72は、潜伏モードで行う潜伏遊技演出回数C2を所定値(例えば100)に設定する(ステップS1015)。その後、特別遊技演出制御部72は、特別遊技演出を終了させる(ステップS1016)。
図24は、第1乃至第4の特別遊技P1〜P4で第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放するラウンドと特別遊技演出におけるラウンド表示との関係を示す図である。
まず図24(a)に示すように、第1及び第3の特別遊技P1,P3では、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放状態となる全16ラウンドのうち、最初の第1ラウンドから第4ラウンドにおいて第1大入賞口15がロング開放する。特別遊技演出制御部72は、それら第1ラウンドから第4ラウンドにおいて第1大入賞口15がロング開放されるとき、特別遊技演出におけるラウンド表示を更新する。すなわち、図24(a)に示すように、特別遊技演出制御部72は、第1大入賞口15がロング開放される第1ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を1ラウンド目として表示し、第1大入賞口15がロング開放される第2ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を2ラウンド目として表示し、第1大入賞口15がロング開放される第3ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を3ラウンド目として表示し、更に第1大入賞口15がロング開放される第4ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を4ラウンド目として表示する。そして第5ラウンド以降は第2大入賞口16及び第1大入賞口15のそれぞれがショート開放となるため、特別遊技演出制御部72は、特別遊技演出におけるラウンド表示を更新しない。尚、第1大入賞口15がロング開放される第4ラウンドのとき、特別遊技演出制御部72は、特別遊技演出におけるラウンド表示を最終ラウンドとして表示しても良い。
次に図24(b)に示すように、第2及び第4の特別遊技P2,P4では、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放状態となる全16ラウンドのうち、最初の第1ラウンドから第3ラウンドにおいて第1大入賞口15がロング開放し、第4ラウンドにおいて第1大入賞口15がショート開放し、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放する。特別遊技演出制御部72は、それら第1ラウンドから第5ラウンドにおいて第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放されるとき、特別遊技演出におけるラウンド表示を更新する。すなわち、図24(b)に示すように、特別遊技演出制御部72は、第1大入賞口15がロング開放される第1ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を1ラウンド目として表示し、第1大入賞口15がロング開放される第2ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を2ラウンド目として表示し、第1大入賞口15がロング開放される第3ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を3ラウンド目として表示する。そして第1大入賞口15がショート開放となる第4ラウンドでは、特別遊技演出におけるラウンド表示を更新せず、第2大入賞口16がロング開放される第5ラウンドで特別遊技演出におけるラウンド表示を4ラウンド目として表示する。そして第6ラウンド以降は第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれがショート開放となるため、特別遊技演出制御部72は、特別遊技演出におけるラウンド表示を更新しない。尚、第2大入賞口16がロング開放される第5ラウンドのとき、特別遊技演出制御部72は、特別遊技演出におけるラウンド表示を最終ラウンドとして表示しても良い。
尚、図24(b)において第1大入賞口15がショート開放されるときの開放時間Tbを、図24(a)において第2大入賞口16がショート開放されるときの開放時間Tbよりも長い時間に設定したり、或いは、短い時間に設定したりすることにより、第2及び第4の特別遊技P2,P4において第2大入賞口16がロング開放されるタイミングを、第1及び第3の特別遊技P1,P3において第1大入賞口16が第4ラウンド目でロング開放されるタイミングに合わせることができるようになり、それらの特別遊技演出の演出時間を一致させることができるようになる。
このような特別遊技演出においては、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放状態となる全16ラウンドのうち、遊技者が実質的に賞球を獲得し得るラウンドだけをカウントしてラウンド表示を行う。つまり、第1乃至第4の特別遊技P1〜P4が行われるときには、特別遊技演出制御部72によって行われる特別遊技演出でのラウンド表示は互いに共通したラウンド表示が行われるようになる。そのため、遊技機1において第1乃至第4の特別遊技P1〜P4のいずれが行われる場合であっても、このようなラウンド表示からは、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態へ移行するか否かを遊技者が把握することができない演出態様となっている。
図25は、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3が行われる場合の特別遊技演出での画像表示器12の画面遷移の一例を示す図である。第1乃至第3の特別遊技P1〜P3は、上述したように遊技者は実質的に4ラウンド分の賞球を獲得し得る特別遊技であり、画像表示器12に表示されるラウンド表示が第4ラウンドになると、その第4ラウンドが賞球を獲得し得る最終ラウンドとなる。特別遊技演出制御部72は、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3に対応する特別遊技演出の実行を開始すると、図25(a)に示すように画像制御基板34を介して画像表示器12の画面中央に実写映像やキャラクタ映像などで構成される特別遊技演出画像12fを表示させる。また画面左上には、大当たりとなったことを示す3つの装飾図柄が揃った状態の停止図柄(大当たり図柄)12dを表示させる。さらに特別遊技演出制御部72は、画像表示器12の画面右上に、ラウンド表示12eを表示させる。そして特別遊技演出制御部72は、特別遊技のラウンド進行に伴い、そのラウンド表示12eを更新する。図25(b)に示すように、そのラウンド表示12eが4ラウンド目に進行すると、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技が行われる。このとき、第2の特別遊技P2が実行中であれば、第2大入賞口16がロング開放される。そのため、第2の特別遊技P2を実行中である場合には、特別遊技演出制御部72は、図25(b)に示す画面を表示しているとき、主制御基板30からVゲート通過コマンドを受信することがある。しかし、第2の特別遊技P2が行われているときにVゲート通過コマンドを受信した場合であっても、特別遊技演出制御部72は、報知演出制御部73を機能させず、Vゲート通過コマンド受信に伴う特別な演出は行わない。すなわち、特別遊技演出制御部72は、第2の特別遊技P2が行われているときにVゲート通過コマンドを受信しても、図25(c)に示すようにVゲート通過コマンドを受信する前の画面をそのまま表示し続ける。そのため、第2の特別遊技P2が行われているときの演出態様は、第1及び第3の特別遊技P1,P3のいずれかが行われている場合の特別遊技演出と同じ演出態様となる。また第2の特別遊技P2が行われるときの特別遊技演出の演出時間についても、ロング開放となるラウンド数が同じであるため、第1又は第3の特別遊技P1,P3が行われるときの特別遊技演出の演出時間と基本的には同じ時間となる。
したがって、遊技者は、遊技機1において第2の特別遊技P2が行われている場合であっても、画像表示器12に表示される特別遊技演出を見ているだけではその後の確率状態が高確率状態へ移行したことを把握することができず、特別遊技終了後の遊技状態に過度な期待感を抱くことがなく、高確率状態に移行しているかも知れないという一定の期待感を抱くに留まる。それ故、仮に第2の特別遊技P2の終了後の高確率遊技状態において大当たりに当選することなく、低確率状態へ戻ってしまった場合でも、遊技者の落胆度を抑えることができるようになり、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止することができる。
また、それとは反対に、遊技機1において第1又は第3の特別遊技P1,P3が行われている場合であっても、遊技者が画像表示器12に表示される特別遊技演出を見ているだけではその後の確率状態が高確率状態へ移行したか否かを把握することができない。そのため、特別遊技が終了すると、遊技者は高確率状態に移行しているかも知れないという一定の期待感を抱くことになるので、遊技者の遊技意欲を継続させることが可能である。
一方、図26は、第4又は第5の特別遊技P4,P5が行われる場合の特別遊技演出での画像表示器12の画面遷移の一例を示す図である。第4又は第5の特別遊技P4,P5は、特別遊技終了後に時短モードへと移行し、第2始動口14に対して遊技球が入球し易い特定遊技状態で遊技が行われる。特別遊技演出制御部72は、第4又は第5の特別遊技P4,P5に対応する特別遊技演出の実行を開始すると、図26(a)に示すように画像制御基板34を介して画像表示器12の画面中央に実写映像やキャラクタ映像などで構成される特別遊技演出画像12fを表示させる。また画面左上には、大当たりとなったことを示す3つの装飾図柄が揃った状態の停止図柄12dを表示させる。さらに特別遊技演出制御部72は、画像表示器12の画面右上に、ラウンド表示12eを表示させる。そして特別遊技演出制御部72は、第4又は第5の特別遊技P4,P5のラウンド進行に伴い、そのラウンド表示12eを更新する。図26(b)に示すように、そのラウンド表示12eが4ラウンド目に進行すると、第4又は第5の特別遊技P4,P5では、第2大入賞口16がロング開放される。そのため、特別遊技演出制御部72は、図26(b)に示す画面を表示しているとき、主制御基板30からVゲート通過コマンドを受信することがある。そして第4又は第5の特別遊技P4,P5はVゲート通過を報知する報知演出を行う特別遊技であるので、特別遊技演出制御部72は、Vゲート通過コマンドを受信することに伴い、報知演出制御部73を機能させて、図25(c)に示すようにVゲート通過演出画像12gを表示し、遊技者にその後の確率状態が高確率状態となることを報知する。
したがって、遊技機1において第4又は第5の特別遊技P4,P5が行われるときには、遊技者は、画像表示器12に表示される特別遊技演出を見ているだけで、その後の確率状態が高確率状態へ移行することを把握することができる。そして遊技者は、第4又は第5の特別遊技P4,P5の終了後の遊技状態に大きな期待感を抱くようになり、第4又は第5の特別遊技P4,P5が終了した後は大きな期待感を抱いたまま時短モードでの遊技を進行させるようになる。また第4又は第5の特別遊技P4,P5が終了した後の時短モードでは、上述したように遊技者は第4又は第5の特別遊技P4,P5で獲得した賞球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができる。そのため、第4又は第5の特別遊技P4,P5の終了後、仮に高確率状態の時短モードにおいて大当たりに当選することなく、低確率状態へと戻ってしまった場合であっても、遊技者の手元には特別遊技で獲得した賞球が残るため、第2の特別遊技P2が終了した後の高確率状態において大当たりに当選することなく低確率状態へ戻ってしまった場合と比較すると、遊技者の落胆度はそれ程大きくはない。
図22に戻り、次に、通常遊技演出制御部71、低確率状態演出制御部74及び高確率状態演出制御部76について説明する。通常遊技演出制御部71、低確率状態演出制御部74及び高確率状態演出制御部76のそれぞれは、主制御基板30から受信する変動開始コマンドに基づいて図柄変動演出の実行を制御するものである。すなわち、これら各制御部71,74,76は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、その変動開始コマンドに基づき、主制御基板30において行われる特別図柄の変動表示に対応した図柄変動演出を行うように画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御する。そして主制御基板30から変動停止コマンドを受信すると、図柄変動演出を停止させて3つの装飾図柄12a,12b,12cを大当たり判定の結果に応じた停止図柄で表示させる。
ここで、通常遊技演出制御部71は、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態ST1であるときに機能し、通常遊技状態ST1における図柄変動演出の実行を制御する。すなわち、通常遊技演出制御部71は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信することに伴い、主制御基板30において行われる特別図柄の変動表示に対応した図柄変動演出を、通常の演出態様で行うように制御する。尚、通常の演出態様は、遊技者に対して大当たりの当選確率が低確率であることを示唆する態様である。
この通常遊技演出制御部71による演出制御が行われているときに図柄変動演出が大当たり図柄で停止して大当たりが発生すると、主制御基板30から受信する大当たり開始コマンドに基づき、演出制御基板33における演出制御は、通常遊技演出制御部71から特別遊技演出制御部72に移る。
また低確率状態演出制御部74は、特別遊技の終了後において低確率遊技状態制御部56による遊技制御が行われる場合に動作し、特別遊技終了後の図柄変動演出の実行が所定回数(例えば100回)となるまで、低確率遊技状態における図柄変動演出を制御するものである。この低確率状態演出制御部74は、不明示演出実行部75を備えている。この不明示演出実行部75は、低確率遊技状態制御部56により低確率遊技状態ST2,ST4で遊技が制御されているとき、大当たりの当選確率が低確率状態となっていることを遊技者に明示しない態様の不明示遊技演出の実行を制御するものである。すなわち、不明示演出実行部75は、低確率遊技状態における図柄変動演出を、通常の演出態様とは異なる態様であって、遊技者に対して大当たりの当選確率を明示しない演出態様で行うように制御する。
この低確率状態演出制御部74による演出制御が行われているときに図柄変動演出が大当たり図柄で停止して大当たりが発生すると、主制御基板30から受信する大当たり開始コマンドに基づき、演出制御基板33における演出制御は、低確率状態演出制御部74から特別遊技演出制御部72に移る。また特別遊技が終了してから低確率状態演出制御部74による図柄変動演出が所定回数(例えば100回)行われるまでの間に大当たりとならなかった場合には、その後の演出制御基板33における演出制御は、低確率状態演出制御部74から通常遊技演出制御部71に移る。
また高確率状態演出制御部76は、特別遊技の終了後において高確率遊技状態制御部57による遊技制御が行われる場合に動作し、特別遊技終了後の図柄変動演出の実行が所定回数(例えば100回)となるまで、高確率遊技状態における図柄変動演出を制御するものである。この高確率状態演出制御部76は、不明示演出実行部77と、明示演出実行部78とを備えている。
不明示演出実行部77は、高確率遊技状態制御部57により高確率遊技状態ST3で遊技が制御されているとき、大当たりの当選確率が高確率状態となっていることを遊技者に明示しない態様の不明示遊技演出の実行を制御するものである。すなわち、不明示演出実行部77は、高確率遊技状態における図柄変動演出を、通常の演出態様とは異なる態様であって、遊技者に対して大当たりの当選確率を明示しない演出態様で行うように制御する。尚、不明示演出実行部77によって行われる不明示遊技演出の演出態様は、低確率状態演出制御部74の不明示演出実行部75によって行われる不明示遊技演出の演出態様と同一の演出態様とすることが好ましい。
これに対し、明示演出実行部78は、高確率遊技状態制御部57により高確率遊技状態ST5で遊技が制御されているとき、大当たりの当選確率が高確率状態となっていることを遊技者に明示する態様の明示遊技演出(高確率遊技演出)の実行を制御するものである。すなわち、明示演出実行部78は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、その変動開始コマンドに基づき、主制御基板30において行われる特別図柄の変動表示に対応した図柄変動演出を、通常の演出態様とは異なる態様であって、遊技者に対して大当たりの当選確率が高確率状態であることを明示する高確率遊技演出を行うように制御する。
この高確率状態演出制御部76による演出制御が行われているときに図柄変動演出が大当たり図柄で停止して大当たりが発生すると、主制御基板30から受信する大当たり開始コマンドに基づき、演出制御基板33における演出制御は、高確率状態演出制御部76から特別遊技演出制御部72に移る。また特別遊技が終了してから高確率状態演出制御部76による図柄変動演出が所定回数(例えば100回)行われるまでの間に大当たりとならなかった場合には、その後の演出制御基板33における演出制御は、高確率状態演出制御部76から通常遊技演出制御部71に移る。
図27及び図28は、通常遊技演出制御部71、低確率状態演出制御部74及び高確率状態演出制御部76のそれぞれが機能して行われる図柄変動演出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理もまた、例えば演出制御基板33のCPU33aによって数ミリ秒間隔などの一定時間間隔で繰り返し実行される処理である。演出制御基板33は、この処理を開始すると、図柄変動演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS1101)。図柄変動演出の実行中でない場合(ステップS1101でNO)、演出制御基板33は、変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1102)。ここで、変動開始コマンドを受信していない場合、図柄変動演出を開始する必要がないため、図柄変動演出処理を終了する。これに対し、変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1102でYES)、演出制御基板33は、変動開始コマンドで指定された変動時間に対応する図柄変動演出の実行を開始する(ステップS1103)。
図28は、図柄変動演出を開始する際の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。図柄変動演出の開始に際し、演出制御基板33は、時短モードで行う時短遊技演出回数C1が1以上であるか否かを判断する(ステップS1201)。時短遊技演出回数C1が1以上である場合(ステップS1201でYES)、演出制御基板33は、高確率遊技状態であるか否かを判断する(ステップS1202)。そして高確率遊技状態であれば(ステップS1202でYES)、高確率状態演出制御部76の明示演出実行部78が機能し、主制御基板30から受信した変動開始コマンドに基づき、高確率時短演出用の演出パターン(明示遊技演出の演出パターン)を決定し(ステップS1203)、その決定した演出パターンに基づいて高確率状態であることを遊技者に対して明示する態様で図柄変動演出を開始する(ステップS1204)。これに対し、高確率遊技状態でない場合(ステップS1202でNO)、低確率状態演出制御部74の不明示演出実行部75が機能し、主制御基板30から受信した変動開始コマンドに基づき、大当たりの当選確率を明示しない通常時短演出用の演出パターン(不明示遊技演出の演出パターン)を決定し(ステップS1205)、その決定した演出パターンに基づいて確率状態を遊技者に明示しない態様での図柄変動演出を開始する(ステップS1206)。そして演出制御基板33は、時短遊技演出回数C1を1だけデクリメントし(ステップS1207)、図柄変動演出開始処理を終了する。
また時短モードで行う時短遊技演出回数C1が0であった場合(ステップS1201でNO)、演出制御基板33は、潜伏モードで行う潜伏遊技演出回数C2が1以上であるか否かを判断する(ステップS1208)。潜伏遊技演出回数C2が1以上である場合(ステップS1208でYES)、演出制御基板33は、確率状態に応じて、低確率状態演出制御部74の不明示演出実行部75、又は、高確率状態演出制御部76の不明示演出実行部77を機能させる。そして不明示演出実行部75,77は、主制御基板30から受信した変動開始コマンドに基づき、大当たりの当選確率を明示しない潜伏演出用の演出パターン(不明示遊技演出の演出パターン)を決定し(ステップS1209)、その決定した演出パターンに基づいて確率状態を遊技者に明示しない態様での図柄変動演出を開始する(ステップS1210)。そして演出制御基板33は、潜伏遊技演出回数C2を1だけデクリメントし(ステップS1211)、図柄変動演出開始処理を終了する。
さらに潜伏モードで行う潜伏遊技演出回数C2が0であった場合(ステップS1208でNO)、演出制御基板33において通常遊技演出制御部71が動作する。そして通常遊技演出制御部71は、主制御基板30から受信した変動開始コマンドに基づき、通常遊技状態ST1で行う通常遊技状態用の演出パターンを決定し(ステップS1212)、その決定した演出パターンに基づいて通常の演出態様による図柄変動演出を開始し(ステップS1213)、図柄変動演出開始処理を終了する。以上のような図柄変動演出開始処理により、図柄変動演出が実行中となる。
図27に戻り、ステップS1101において図柄変動演出の実行中であった場合(ステップS1101でYES)、演出制御基板33は、変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1104)。変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1104でNO)、図柄変動演出を停止させる必要がないため、図柄変動演出処理を終了する。これに対し、変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1104でYES)、演出制御基板33は、変動停止コマンドに基づき現在実行中の図柄変動演出を停止させて大当たり判定の結果を表示させる(ステップS1105)。以上で、図柄変動演出処理が終了する。
図29は、上記のような図柄変動演出処理によって行われる図柄変動演出の態様を示す図である。通常遊技状態ST1で図柄変動演出が行われる場合は、図29(a)に示すように、画像表示器12において通常の演出態様で3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われる。この通常の演出態様での図柄変動表示は、遊技者に大当たり当選確率が低確率であることを示唆するものである。
また遊技機1において特別遊技が行われた後、遊技モードが潜伏モードへ移行すると、低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3のいずれの遊技状態であっても、図29(b)に示すような不明示遊技演出が行われる。例えば図29(b)の不明示遊技演出では、画像表示器12において通常の演出態様とは異なる背景の画面が表示され、その背景の前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われる。すなわち、低確率遊技状態ST2及び高確率遊技状態ST3のいずれであっても図29(b)に示すように潜伏モードとして共通した演出態様での図柄変動演出が行われる。そのため、大当たり遊技中に遊技球がVゲート18を通過したか否かを確認しなかった遊技者にとっては、図29(b)に示す図柄変動演出では、低確率状態と高確率状態のいずれであるかを把握することができない。これにより、大当たり終了後の遊技者の期待感が過度に大きくなることを防止できるので、仮に高確率状態の潜伏モードにおいて大当たりに当選することなく、低確率状態へ戻ってしまった場合でも、遊技者の落胆度を小さく抑えることができる。その結果、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうことを防止することができる。
また遊技機1において特別遊技が行われた後、遊技モードが時短モードへ移行する場合には、低確率遊技状態ST4と高確率遊技状態ST5とで異なる演出が行われるようになる。すなわち、低確率遊技状態ST4となる場合には、図29(c)に示すように、低確率状態であることを明示しない不明示遊技演出が行われる。例えば図29(c)の不明示遊技演出では、画像表示器12において上述した2つの演出態様(図29(a),(b))とは異なる背景の画面が表示され、その背景の前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われる。尚、図29(c)に示す画面例では、例えば画像表示器12の画面右隅に時短モード中であることを示す時短モード表示12hが付加された状態で3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われる。したがって、遊技者は、時短モード中であることを把握することができる。一方、高確率遊技状態ST5となる場合には、図29(d)に示すように、例えば画像表示器12の画面下部に高確率中であることを示す高確率表示12iが付加された明示遊技演出が行われる。また図29(d)の画面例では、図29(c)と同様、例えば画像表示器12の画面右隅に時短モード中であることを示す時短モード表示12hが付加される。したがって、遊技者は、高確率状態の時短モード中であることを把握することができる。
ここで遊技モードが時短モードである場合、低確率遊技状態では、低確率状態であることを明示しない不明示遊技演出が行われるが、高確率遊技状態では、高確率状態であることを明示する明示遊技演出が行われるので、低確率遊技状態で行われる不明示遊技演出は、実質的に高確率状態でないことを明示する演出となる。そのため、特別遊技終了後に時短モードへ移行したときには、遊技者は、高確率表示12iが表示されているか否かを確認することにより、大当たりの当選確率を把握することができるようになる。
図30は、潜伏モードでの図柄変動演出が継続する期間の一例を示す図であり、(a)は潜伏モード中において高確率遊技状態制御部57による遊技制御が行われる場合の図柄変動演出を、(b)は潜伏モード中において低確率遊技状態制御部56による遊技制御が行われる場合の図柄変動演出を示している。図30(a)及び(b)に示すように、第2の特別遊技P2及び第1の特別遊技P1のいずれが行われた場合であっても、その特別遊技が終了してから図柄変動演出が100回行われるまで、高確率状態演出制御部76の不明示演出実行部77又は低確率状態演出制御部74の不明示演出実行部75による不明示な演出態様での互いに共通した図柄変動演出が行われる。そして図柄変動演出が100回行われるまでの間に大当たりに当選しなかった場合には、潜伏モードが終了し、その後、通常遊技演出制御部71による通常の演出態様での図柄変動演出が行われる。
尚、図30(a),(b)では、特別遊技終了後に高確率遊技状態ST3となる場合及び低確率遊技状態ST2となる場合のいずれにおいても図柄変動演出が100回行われるまで高確率状態演出制御部76又は低確率状態演出制御部74による図柄変動演出(不明示遊技演出)が継続する場合を例示している。これは特別遊技後に高確率遊技状態ST3となった場合には、図柄変動演出が100回行われるまで高確率状態が継続されるからであるが、潜伏モードとなるときには、必ずしも図柄変動演出が100回行われるまで高確率状態演出制御部76又は低確率状態演出制御部74による図柄変動演出を継続させなくても良い。すなわち、特別遊技終了後、高確率状態演出制御部76又は低確率状態演出制御部74による不明示態様での図柄変動演出が100回未満の所定回数行われたタイミングで低確率状態演出制御部74の動作を終了させ、その後、通常遊技演出制御部71による通常モードでの図柄変動演出を行わせるようにしても良い。この場合、通常遊技演出制御部71による通常モードでの図柄変動演出が行われるときには、特別遊技終了後の図柄変動演出の実行回数が100回に達するまで高確率状態が引き継がれる。
また特別遊技後に高確率遊技状態ST3となる場合と、低確率遊技状態ST2となる場合とで、高確率状態演出制御部76及び低確率状態演出制御部74のそれぞれが図柄変動演出(不明示遊技演出)を行う回数を同じ回数とする必要もない。例えば、特別遊技後に低確率遊技状態ST2となった場合には、高確率遊技状態ST3となった場合よりも早期に低確率状態演出制御部74による図柄変動演出(不明示遊技演出)を終了させるようにしても良い。一例を挙げると、高確率遊技状態ST3となった場合には、高確率状態演出制御部76による図柄変動演出が100回となるまで不明示な演出態様での変動演出を行い、低確率遊技状態ST2となった場合には、低確率状態演出制御部74による図柄変動演出が30〜100回までの間の任意のタイミングで低確率状態演出制御部74の動作を終了させ、その後、通常遊技演出制御部71による通常モードでの図柄変動演出を行わせるようにしても良い。またこの場合は、低確率状態演出制御部74による図柄変動演出の実行回数が30回を越えると、その後図柄変動演出が行われる都度一定の確率で潜伏モードを終了させる抽選を行い、最大100回まで低確率状態演出制御部74による図柄変動演出を継続させるようにしても良い。このような演出態様によれば、潜伏モード中においては低確率状態演出制御部74による図柄変動演出の実行回数が増加する程、遊技者に高確率状態かもしれないという期待感を抱かせることができるため、より一層興趣性を向上させることができる。
次に図31は、時短モードでの図柄変動演出が継続する期間の一例を示す図であり、(a)は時短モード中において高確率遊技状態制御部57による遊技制御が行われる場合の図柄変動演出を、(b)は時短モード中において低確率遊技状態制御部56による遊技制御が行われる場合の図柄変動演出を示している。図31(a)に示すように第4又は第5の特別遊技P4,P5が行われた場合、その特別遊技が終了してから図柄変動演出が100回行われるまで、高確率状態演出制御部76の明示演出実行部78によって高確率状態であることを明示する演出態様での図柄変動演出が行われる。また図31(b)に示すように第3の特別遊技P3が行われた場合、その特別遊技が終了してから図柄変動演出が100回行われるまで、低確率状態演出制御部74の不明示演出実行部75によって低確率状態であることを明示しない演出態様での図柄変動演出が行われる。そしていずれの場合であっても、時短モードでの図柄変動演出が100回行われるまでの間に大当たりに当選しなかった場合には、時短モードが終了し、その後、通常遊技演出制御部71による通常の演出態様での図柄変動演出が行われる。
以上のように本実施形態の遊技機1は、特別遊技が行われた後、その特別遊技中に第2大入賞口16に入球した遊技球が所定の領域(Vゲート18)を通過していないときには、大当たり判定部52で特別遊技を行うと判定される確率が低確率(第1の確率)に設定される低確率遊技状態で遊技を制御する低確率遊技状態制御部56と、特別遊技が行われた後、その特別遊技中に第2大入賞口16に入球した遊技球が所定の領域を通過しているときには、大当たり判定部52で特別遊技を行うと判定される確率が低確率(第1の確率)よりも高い高確率(第2の確率)に設定される高確率遊技状態で遊技を制御する高確率遊技状態制御部57とを備えている。また本実施形態の遊技機1は、特別遊技が行われているときに、第2大入賞口16に入球した遊技球が所定の領域を通過すると、当該通過を報知する報知演出を実行することが可能な報知演出制御部73と、高確率遊技状態制御部57により高確率遊技状態で遊技が制御されているときに、高確率遊技状態で遊技が制御されていることを明示する高確率遊技演出および高確率遊技状態で遊技が制御されていることを明示しない不明示遊技演出の何れかの遊技演出を行わせることが可能な高確率状態演出制御部76と、低確率遊技状態制御部56により低確率遊技状態で遊技が制御されているときに、不明示遊技演出を行わせることが可能な低確率状態演出制御部74とを備えている。そして報知演出制御部73は、特別遊技が行われた後に、高確率状態演出制御部76により高確率遊技演出が行われるときには報知演出を実行するように制御し、高確率状態演出制御部76により不明示遊技演出が行われるときには報知演出を実行しないように制御する構成である。このような構成によれば、特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かを目視で確認しなかった遊技者の遊技意欲を減退させることがなく、寧ろ遊技意欲を掻き立てることができるようになり、興趣性の高い遊技機1が実現される。
また本実施形態の遊技機1は、高確率遊技状態制御部57によって高確率遊技状態で遊技が制御されているときに、第2始動口14に遊技球が入球し易い特定遊技状態で遊技を制御することが可能な特定遊技状態制御部55を備えており、高確率状態演出制御部76は、特定遊技状態制御部55による特定遊技状態で遊技が制御されているときには高確率遊技演出を実行するように制御し、特定遊技状態制御部55による特定遊技状態で遊技が制御されていないときには不明示遊技演出を実行するように制御する。つまり、遊技者に対して特定遊技状態という一定の利益が付与されている状態のときには、高確率状態演出制御部76によって高確率状態であることを明示する高確率遊技演出が実行されるのに対し、遊技者に対して特定遊技状態という一定の利益が付与されていない状態のときには、高確率状態演出制御部76によって高確率状態であることを明示しない不明示遊技演出が実行される。このような構成によれば、高確率状態で遊技者が何も利益を享受できなかった場合の落胆を抑えることができるようになり、遊技者の遊技意欲を継続させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態では、第1又は第2の特別遊技P1,P2が行われた後の潜伏モードにおいて大当たりの当選確率が高確率であるか低確率であるかを明示しない不明示遊技演出を行う一方、第3乃至第5の特別遊技P3〜P5が行われた後の時短モードにおいては、大当たりの当選確率が高確率であるか低確率であるかを遊技者が把握できる態様の演出が行われる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば、第3又は第4の特別遊技P3,P4が行われた後の時短モードにおいても、大当たりの当選確率が高確率であるか低確率であるかを明示しない共通の不明示遊技演出を行うようにしても良い。この場合、第4の特別遊技P4の実行中にVゲート18を遊技球が通過した場合であっても、報知演出を実行しないことにより、第3又は第4の特別遊技P3,P4が行われた後の確率状態を遊技者に悟らせないようにすることができる。
また上記実施形態では、第2始動口14へ遊技球が入球して大当たりが発生すると、100%の割合で第5の特別遊技P5が行われる場合を例示したが、第5の特別遊技P5が行われる割合は100%でなくても良い。つまり、第2始動口14へ遊技球が入球して大当たりが発生する場合、第5の特別遊技P5だけでなく、第1〜第4の特別遊技P1〜P4のそれぞれが比較的低い割合で行われるものであっても良い。
また上記実施形態では、遊技盤10に対して第1大入賞口15と第2大入賞口16との2つの可変入賞装置が設けられた例について説明したが、大入賞口として設けられる可変入賞装置の数は、1つでも構わないし、また3つ以上であっても構わない。
また上記実施形態では、特別遊技中のラウンド表示として、現在のラウンドを数値で表示する態様を例示したが、ラウンド表示の概要はそれに限られるものではない。例えば、特別遊技演出においてラウンド毎に異なるキャラクタ画像や背景画像などを画像表示器12に表示し、それらの画像によって遊技者に現在のラウンドを報知する態様であっても構わない。