以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射装置が打ち出す遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための貯留皿が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向に回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えており、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側には遊技の進行に伴って各種演出用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と、前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。すなわち、遊技者によってハンドルレバー5が操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入賞すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口15、第2大入賞口16及びスルーゲート21といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の左側に設けられている。このスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が開始される。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。第2始動口14は、その左右に羽根状の開閉部材である電動チューリップ14aを備えており、電動チューリップ14aが左右に開放していれば遊技球が第2始動口14に入賞し易い状態となる。この電動チューリップ14aは、遊技球がスルーゲート21を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、そのときの遊技状態に応じて所定時間および所定回数左右方向へ開放する。第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技である大当たり遊技を行うか否かの大当たり判定(特別遊技判定)が行われる条件となる入賞口である。そのため、これら始動口13,14に遊技球が入賞して始動条件が成立すると、遊技機1において大当たり判定が行われ、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその大当たり判定の結果に応じた図柄変動演出が開始される。
尚、図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。それ故、遊技者は、大当たり判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる図柄変動演出の結果などによって認識する。
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。第1大入賞口15は、通常、閉鎖された状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したことを条件として行われる大当たり判定(特別遊技判定)で大当たりに当選すると、その後に開始される大当たり遊技(特別遊技)の予め定められた所定ラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放される。第1大入賞口15が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。そして所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で第1大入賞口15が閉鎖する。
また第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。この第2大入賞口16も通常は閉鎖された状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したことを条件として行われる大当たり判定(特別遊技判定)で大当たりに当選すると、その後に開始される大当たり遊技(特別遊技)の予め定められた所定ラウンドにおいて所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、第2大入賞口16が開放状態となる。尚、大当たり遊技では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれかを択一的に開放するラウンドが所定回数実行されるので、第1大入賞口15及び第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する大当たり遊技は、遊技者に対して多くの賞球を獲得することができる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)である。
またセンター役物11は、その中央に、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される画像表示器12を備えている。この画像表示器12は、例えば数字やアルファベット、文字などの図柄が付された3つの装飾図柄12a,12b,12cを表示可能であり、遊技機1において大当たり判定(特別遊技判定)行われて特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cを上下方向に変動させる図柄変動演出を開始して所定時間経過後にその変動演出を停止させることにより、その大当たり判定(特別遊技判定)の結果を遊技者に報知する演出を行うものである。例えば、画像表示器12で行われる変動演出が、3つ装飾図柄12a,12b,12cを全て同じ図柄に揃えた状態で停止して終了すると、その停止図柄により大当たりであることが報知される。
画像表示器12は、図柄変動演出を開始してから停止させるまでの間に、様々な遊技演出を行うこともある。例えば、通常の図柄変動演出からノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を行ったり、またノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出から遊技者に操作ボタン6の操作を促す操作演出を行ったりすることもある。更に画像表示器12は、操作演出を行っているときに遊技者がボタン操作を行って成功すると、ノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を発展的に次の段階に移行させて、特定のキャラクタなどが出現して目的となるアクションが達成できるか否かを表示する各種発展演出を行ったりすることもある。
また画像表示器12の下縁部近傍の一部の表示領域には、遊技球が第1始動口13へ入賞したことに伴って図柄変動が保留されている保留数に応じた保留表示を行うための第1保留表示部24と、遊技球が第2始動口14へ入賞したことに伴って図柄変動が保留されている保留数に応じた保留表示を行うための第2保留表示部25とが設けられる。これら第1及び第2保留表示部24,25で行われる保留表示は、図柄表示器22で表示される保留表示に対応するものであり、遊技者に対して保留の記憶状態を視認しやすいように表示するものである。尚、図1では、第1及び第2保留表示部24,25のそれぞれが画像表示器12の一部の表示領域に設けられる場合を例示しているが、画像表示器12とは異なるLEDなどの表示部材を用いて保留表示を行うものであっても構わない。
またセンター役物11の右側部には、第2大入賞口16が開放しているときに、第2大入賞口16に入賞する遊技球が転動する入賞領域17が形成されている。この入賞領域17には、スルーゲート21と同様に遊技球が通過可能なように構成されたVゲート18が設けられる。第2大入賞口16に入賞した遊技球がこのVゲート18を通過すると、その大当たり遊技(特別遊技)後の遊技状態が確変遊技状態(高確率状態)となる。つまり、Vゲート18は、その後の大当たりに当選する確率が通常確率よりも高確率となる確変遊技状態へ移行させる契機となるゲートである。このVゲート18の上部には遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退してVゲート18を開閉すると共に、第2大入賞口16の開放動作と連動してVゲート18を開放するシャッタ19が設けられる。このシャッタ19は、例えば第2大入賞口16が開放すると、その開放タイミングから1〜2秒程度の所定時間遅延したタイミングでVゲート18を開放する。したがって、シャッタ19がVゲート18を閉鎖しているときに第2大入賞口16に遊技球が入賞すると、その遊技球はVゲート18を通過することなく、入賞領域17の下方に設けられた排出口20から遊技盤10の背面側へ排出される。これに対し、シャッタ19がVゲート18を開放しているときに第2大入賞口16に遊技球が入賞すると、その遊技球はVゲート18を通過した後、入賞領域17の下方に設けられた排出口20から遊技盤10の背面側へ排出される。尚、遊技球は排出口20を通過する際に、後述する第2大入賞口スイッチ48によって第2大入賞口16への入賞が検知される。
尚、遊技盤10の中央最下部にはいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出するアウト口23が設けられている。
図2は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図2に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35等で構成される。
主制御基板30は、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、遊技球が第1始動口13に入賞したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口14に入賞したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート21に遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド45、第1大入賞口15に遊技球が入賞したことを検知する第1大入賞口スイッチ46、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド47、第2大入賞口16に遊技球が入賞したことを検知する第2大入賞口スイッチ48、第2大入賞口16の入賞領域17に設けられたシャッタ19を進退駆動するシャッタソレノイド49、及び、Vゲート18に遊技球が通過したことを検知するVゲートスイッチ50のそれぞれが接続されている。また主制御基板30には、図柄表示器22が接続されている。尚、図柄表示器22には、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとが設けられている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、第1大入賞口スイッチ46及び第2大入賞口スイッチ48のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されており、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は特別遊技を行うか否かの大当たり判定や普通図柄の抽選を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート21を通過した場合、電動チューリップ14aを開閉するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド44を所定時間若しくは所定回数駆動させて電動チューリップ14aを開放させる。尚、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放すると、第2始動口14に対して遊技球が入球し易い状態となるため、電動チューリップ14aが開放した状態は遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。
また主制御基板30は、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した場合には、その入賞に基づく遊技データを取得して大当たり判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その大当たりの判定結果に応じた所定時間の演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドなどを送出する。また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していない場合、主制御基板30は、その入賞に伴って取得した遊技データを記憶して大当たり判定や特別図柄の変動表示を保留する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留を消化して遊技データを読み出し、次の大当たり判定を行うと共に、その大当たり判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
また主制御基板30は、大当たり判定において大当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その大当たりの種別に応じた大当たり遊技(特別遊技)を開始すると共に、演出制御基板33に対してその大当たり遊技に対応した演出を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定する。そして演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、その決定した具体的な演出内容による演出を実行する。つまり、演出制御基板33は、主制御基板30からの指示に基づき、遊技機1の全体で行う具体的な演出を決定すると共に、その実行を統括的に制御するものである。特に、主制御基板30によって大当たり判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板33は、その所定時間の間、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動表示を行うことにより、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを示唆する示唆遊技演出を行う。この示唆遊技演出では、通常の図柄変動演出から様々な演出に移行させて大当たり判定の結果に応じた各種演出が行われることもある。そして示唆遊技演出は、特別図柄の変動表示が終了する所定時間経過後に、大当たり判定の結果に応じた停止図柄で3つの装飾図柄12a,12b,12cを停止させた状態に表示することにより、大当たり判定の結果を報知する。
また演出制御基板33には、操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、例えば図柄変動演出を行っている状態で遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングになると、遊技者による操作ボタン6の操作を受け付け、操作ボタン6が操作されたことを検知した場合にはそのボタン操作に応じた演出を行うことが可能である。
また演出制御基板33は、主制御基板30において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したことに伴って保留が記憶された場合、その保留が消化されることによる正規の大当たり判定が行われる前に、その保留が大当たり遊技を行うものであるか否かを事前に判定し、その事前判定の結果に基づいて様々な演出を行うことも可能である。例えば、事前判定の結果に基づき、演出制御基板33は、その時点で行われている図柄変動演出などの示唆遊技演出の進行を停止させる停止演出などを行うことが可能である。尚、事前判定の結果に基づいて演出制御基板33が行う演出の詳細については後述する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものであり、演出図柄制御手段として機能する。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて、主制御基板30で行われた大当たり判定の結果に応じた示唆遊技演出を行うべく、装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出などの様々な演出に移行させて演出画像を表示することができる。例えば、画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて、遊技者に操作ボタン6の操作を促す画像を表示して操作演出を行うことが可能であるし、また演出制御基板33からの指示に基づいて、画像表示器12に特定のキャラクタなどを出現させて各種の発展演出を行うことも可能である。VRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aはこのVRAM34dに対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、操作演出画像表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、操作演出画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示することができる。また画像制御基板34は、スピーカー8から演出用の効果音などを発生させるように構成されている。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、演出制御基板33からの指示に基づいて、枠ランプ7など、遊技機1に設けられた各種のランプを点灯させる。
尚、画像表示器12、スピーカー8及び枠ランプ7などは、遊技機1における遊技の進行に伴って遊技者が簡単に知覚可能な様々な演出を行うために設けられた演出手段である。
図3は、主制御基板30及び演出制御基板33における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。
主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部55と、保留記憶部60とが設けられる。遊技データ格納部55は、大当たり乱数56と、図柄乱数57と、変動パターン乱数58と、リーチ乱数59とを含む遊技データを格納する。また遊技データ格納部55には、図示を省略しているが、普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。遊技データ格納部55に格納される各種乱数56,57,58,59は、それぞれ予め定められた範囲内の値を採り得る乱数である。また保留記憶部60は、大当たり乱数56、図柄乱数57、変動パターン乱数58及びリーチ乱数59を含む遊技データを所定の上限数まで一時的に記憶して保留しておくためのものである。
主制御基板30のROM30bには、判定テーブル61と、変動パターンテーブル62とが予め記憶されている。判定テーブル61は、大当たり判定(特別遊技判定)を行うために参照されるテーブルである。この判定テーブル61には、大当たり乱数判定テーブルと、図柄乱数判定テーブルとが含まれる。また変動パターンテーブル62は、主制御基板30において大当たり判定が行われた場合に、その判定結果を表示するための特別図柄の変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル62には、特別図柄の変動時間として、様々な変動時間が定義されており、大当たり判定の結果やリーチ乱数などに対応する変動時間が定められている。例えば、大当たり判定の結果がハズレの場合には3秒〜80秒程度の変動時間が定められており、大当たり判定の結果が大当たりの場合には18秒〜80秒程度の変動時間が定められている。
ここで変動パターンテーブル62は、特別図柄の変動時間が長くなるほど、大当たりとなる期待度が高くなるように予め設定されている。これを具体的に説明すると、大当たり判定の結果が大当たりである場合の変動時間として、例えば45秒、60秒、80秒の3種類の変動時間が変動パターンテーブル62に定義されている場合、大当たり時の特別図柄の変動時間として決定される割合が高い順に、80秒、60秒、45秒となっている。また大当たり判定の結果がハズレである場合の変動時間として、例えば3〜13秒、18秒、23秒、45秒、60秒、80秒の6種類の変動時間が変動パターンテーブル62に定義されている場合、ハズレ時の特別図柄の変動時間として決定される割合が高い順に、3〜13秒、18秒、23秒、45秒、60秒、80秒となっている。つまり、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、特別図柄の変動時間が長くなる傾向にあり、大当たり判定の結果がハズレの場合には、特別図柄の変動時間が短くなる傾向にあるため、特別図柄の変動時間が長くなるほど、大当たりとなる期待度が高くなる。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の動作を統括的に制御するものであるため、様々な処理部として機能するものである。図3にはその一部の機能が示されており、CPU30aは、乱数更新部51、遊技データ取得部52、特別遊技判定部53及び図柄表示制御部54として機能する。
乱数更新部51は、遊技データ格納部55に格納される各種乱数56,57,58,59を更新する処理部である。乱数更新部51による更新処理により、遊技データ格納部55に格納される各種乱数56,57,58,59は予め定められた範囲内で逐次更新される。
遊技データ取得部52は、第1始動口スイッチ41及び第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部55から、大当たり乱数56、図柄乱数57、変動パターン乱数58及びリーチ乱数59を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部52は、遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部60に格納する。保留記憶部60は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データと、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データとを区別してそれぞれの遊技データを所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部52は、第1始動口13への入賞によって取得した遊技データを第1始動口用の保留記憶領域へ格納し、第2始動口14への入賞によって取得した遊技データを第2始動口用の保留記憶領域へ格納する。尚、それらの保留記憶領域に対して既に上限数の遊技データが格納されている場合には、遊技データ取得部52は、遊技データ取得部52から取得した遊技データを破棄し、保留記憶部60へ格納する処理は行わない。
特別遊技判定部53は、保留記憶部60に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づいて大当たり判定を行う。すなわち、特別遊技判定部53は、遊技データに含まれる大当たり乱数56に基づいて判定テーブル61に含まれる大当たり乱数判定テーブルを参照し、該大当たり乱数56が大当たりを示す値であるか否かを判定する。大当たり乱数判定テーブルには高確率用判定テーブルと通常確率用判定テーブルとがあり、特別遊技判定部53は、遊技データを読み出し時点での遊技状態に応じて通常確率用判定テーブル及び高確率用判定テーブルのいずれか一方を選択し、大当たり乱数56がその選択したテーブルに定められた大当たりを示す値に一致するか否かを判定する。このような判定により、保留記憶部60から読み出した遊技データの当選又はハズレが決定する。尚、通常確率用判定テーブルは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、高確率用判定テーブルは、通常確率用判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
遊技データが大当たりに当選している場合、特別遊技判定部53は、更に遊技データに含まれる図柄乱数57を判定することにより、遊技者にとって有利な特別遊技として行う大当たり遊技の種類を決定する。すなわち、特別遊技判定部53は、図柄乱数57に基づいて判定テーブル61に含まれる図柄乱数判定テーブルを参照し、該図柄乱数57が示す大当たりの種類を判定する。図柄乱数判定テーブルには第1始動口用判定テーブルと第2始動口用判定テーブルとがあり、特別遊技判定部53は、遊技データを読み出した保留記憶領域が第1始動口用の保留記憶領域であれば、第1始動口用判定テーブルを参照する。これに対し、遊技データを読み出した保留記憶領域が第2始動口用の保留記憶領域であれば、特別遊技判定部53は、第2始動口用判定テーブルを参照して大当たり遊技の種類を判定する。
ここで第1始動口用判定テーブルには、第1の大当たり遊技と第2の大当たり遊技とが定められており、図柄乱数57に応じていずれか一方の大当たり遊技が判定される。また第2始動口用判定テーブルには、第3の大当たり遊技と第4の大当たり遊技とが定められており、図柄乱数57に応じていずれか一方の大当たり遊技が判定される。
図4は、第1乃至第4の大当たりが発生する割合を示す図である。まず図4(a)に示すように、第1始動口用判定テーブルでは、第1の大当たり遊技P1の発生する割合が38%となっており、第2の大当たり遊技P2の発生する割合が62%となっている。したがって、第1始動口13に遊技球が入賞して特別遊技が行われる場合には、第1の大当たり遊技P1よりも第2の大当たり遊技P2が行われる可能性が高い。また図4(b)に示すように、第2始動口用判定テーブルでは、第3の大当たり遊技P3の発生する割合が48%となっており、第4の大当たり遊技P4の発生する割合が52%となっている。したがって、第2始動口14に遊技球が入賞して特別遊技が行われる場合には、第3の大当たり遊技P3と第4の大当たり遊技P4とがほぼ同じ割合で発生する。
図5は、第1乃至第4の大当たり遊技P1〜P4で行われる特別遊技を示す図である。まず、第1乃至第4の大当たり遊技P1〜P4では、いずれの遊技であっても第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれか一方を開放するラウンドが所定回数(例えば合計16ラウンド)行われる。そして第1ラウンドから第4ラウンドまでは第1大入賞口15が開放し、第5ラウンドでは第2大入賞口16が開放する。その後、第6ラウンドから第15ラウンドまでは再び第1大入賞口15が開放し、第16ラウンドでは再び第2大入賞口16が開放する。以上の点は、第1乃至第4の大当たり遊技P1〜P4のいずれにおいても共通する。
第1乃至第4の大当たり遊技P1〜P4において相違する点は、各ラウンドにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間である。すなわち、第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれにもロング開放とショート開放とが定められており、各大当たり遊技P1〜P4のラウンド毎にロング開放とショート開放のいずれか一方が設定されている。ロング開放の場合、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば30秒程度の比較的長い時間に設定される。これに対し、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。そのため、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放される場合にはそれらの大入賞口15,16に遊技球が入賞し易いのに対し、ショート開放の場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球を入賞させることが極めて困難になる。またロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入賞すれば、開放時間が経過する前であっても第1大入賞口15又は第2大入賞口16は閉鎖する。ただし、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に1個又は2個程度の遊技球が入賞することはあっても、所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入賞することはほとんど無いと言える。そのため、ショート開放の場合には、0.2秒程度の開放時間が経過することによって第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖するケースが多くなる。
第1の大当たり遊技P1は、図5(a)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる遊技である。また第2の大当たり遊技P2は、図5(b)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる遊技である。また第3の大当たり遊技P3は、図5(c)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる遊技である。すなわち、本実施形態では第2の大当たり遊技P2と第3の大当たり遊技P3とが全く同じ開放パターンとなっている。そして第4の大当たり遊技P4は、図5(d)に示すように、第1〜第16ラウンドまでの全てのラウンドで第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放となる遊技である。
ここで第2大入賞口16が開放する第5及び第16ラウンドに着目すると、第1の大当たり遊技P1ではいずれのラウンドでもショート開放となっている。そのため、遊技機1において第1の大当たり遊技P1が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入賞する可能性は低い。これに対し、第2及び第3の大当たり遊技P2,P3では第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放する。そのため、遊技機1において第2又は第3の大当たり遊技P2,P3が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入賞する可能性が高い。さらに第4の大当たり遊技P4では第5及び第16ラウンドの双方で第2大入賞口16がロング開放する。そのため、遊技機1において第4の大当たり遊技P4が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入賞する可能性が最も高い遊技となる。
上述したように第2大入賞口16の開放中に入賞した遊技球がVゲート18を通過すると、遊技機1のその後の遊技状態が確変遊技状態となる。そのため、第2〜第4の大当たり遊技P2〜P4は、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有するため、遊技機1の遊技状態を確変遊技状態にすることができる遊技となっている。これに対し、第1の大当たり遊技P1には第2大入賞口16がロング開放されるラウンドがないため、遊技機1の遊技状態を確変遊技状態にすることができない遊技となる。
ここで第2大入賞口16のショート開放の場合でも、遊技球が第2大入賞口16に入賞する確率は0ではない。すなわち、第2大入賞口16が0.2秒程度の僅かな時間だけ開放したタイミングで遊技球が入賞する可能がある。しかし、そのようなショート開放で第2大入賞口16に遊技球が入賞した場合には、その入賞球がVゲート18を通過することがないようにシャッタ19の動作が制御される。図6は、第2大入賞口16の開閉動作に連動するシャッタ19の動作を示すタイミングチャートであり、(a)はロング開放の場合を示しており、(b)はショート開放の場合を示している。シャッタ19は、ロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても第2大入賞口16が開放してから例えば数秒程度の所定時間Tdを経過した後にVゲート18を開放する。尚、所定時間Tdは、ロング開放とショート開放とで同じ時間である。
図6(a)に示すように、第2大入賞口16がロング開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Tdが経過した後のタイミングT2でシャッタ19がVゲート18を開放する。Vゲート18が開放されたタイミングT2においても第2大入賞口16は開放された状態であるため、その状態で第2大入賞口16に入賞する遊技球がVゲート18を通過する。したがって、第2大入賞口16がロング開放される場合には、シャッタ19がVゲート18を開放している間に遊技球を第2大入賞口16に入賞させることができれば、ほぼ確実にVゲート18に遊技球を通過させることが可能である。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する第2〜第4の大当たり遊技P2〜P4は、遊技機1の遊技状態を確変遊技状態にすることができる特別遊技となる。
一方、図6(b)に示すように、第2大入賞口16がショート開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Tdが経過した後のタイミングT2でシャッタ19がVゲート18を開放したときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっている。したがって、仮に第2大入賞口16がショート開放される短時間の間に遊技球が第2大入賞口16に入賞した場合であっても、その遊技球はシャッタ19がVゲート18を開放する前に入賞領域17を通過するため、Vゲート18を通過することなく排出口20から遊技盤10の背面側へ排出される。またシャッタ19がVゲート18を開放するときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっているため、Vゲート18を遊技球が通過することもない。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有さない第1の大当たり遊技P1は、遊技機1の遊技状態を確変遊技状態にすることができない特別遊技となる。
特別遊技判定部53は、図柄乱数57を判定することにより、遊技者にとって有利な特別遊技として行うべき大当たり遊技を、上記第1乃至第4の大当たり遊技P1〜P4のうちから一の大当たり遊技を特定する。したがって、特別遊技判定部53は、遊技者に遊技な特別遊技を行うか否かを判定するだけでなく、その判定結果が特別遊技を行うものである場合には、その特別遊技において第1大入賞口15及び第2大入賞口16が開放する開放パターンを決定する。
特別遊技判定部53によって上記のような判定が行われると、図柄表示制御部54が作動する。図柄表示制御部54は、特別遊技判定部53における判定結果と、特別遊技判定部53が取得した遊技データに含まれる変動パターン乱数58及びリーチ乱数59とに基づき、特別図柄表示器22aで行う特別図柄の変動時間を決定する。すなわち、図柄表示制御部54は、ROM30bの変動パターンテーブル62を読み出し、その変動パターンテーブル62に定められている多数の変動時間の中から、特別遊技判定部53における判定結果と、特別遊技判定部53が取得した遊技データに含まれる変動パターン乱数58及びリーチ乱数59とに対応する変動時間を決定する。図柄表示制御部54は、その決定した変動時間に基づき、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を制御する。
また図柄表示制御部54は、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始することに伴い、特別遊技判定部53における判定結果を示唆するための演出として特別図柄の変動時間分に対応する示唆遊技演出を行わせるべく、演出制御基板33にコマンドを送出する。一方、特別遊技判定部53は、図柄表示制御部54によって特別図柄の変動表示が行われている間、保留記憶部60から次の遊技データを読み出すことなく待機し、特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を行うことが可能になったタイミングで次の遊技データを読み出し、大当たり判定を行う。尚、特別遊技判定部53は、保留記憶部60から遊技データを読み出して大当たり判定を行う際、保留記憶部60に記憶されたタイミングの古いものから順に読み出すようになっており、第1始動口用の保留記憶領域と、第2始動口用の保留記憶領域との双方に保留が記憶されている場合には第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留を優先的に読み出すように構成される。
図7は、上記のような主制御基板30の制御による遊技機1の遊技状態の移行を示す図である。まず遊技機1に電源が投入されると、遊技機1は通常遊技状態ST1となる。通常遊技状態ST1は、大当たりに当選する確率が確変遊技状態よりも低い通常確率で遊技を進行させる状態である。また、この通常遊技状態ST1では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が極めて短く、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性は低い。そのため、通常遊技状態ST1では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F1で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の左側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1始動口13に入賞させることを狙って遊技を行う。
そして通常遊技状態ST1において遊技球が第1始動口13へ入賞することによって大当たりが発生すると、遊技機1は第1の大当たり遊技P1と第2の大当たり遊技P2とのいずれか一方を行う。遊技機1において大当たり遊技が開始されると、センター役物11の右側に配置された第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれが所定のラウンドで開放する。そのため、遊技者は、遊技機1において大当たり遊技が行われる間、ハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1大入賞口15又は第2大入賞口16に入賞させることを狙って遊技を行う。
第1の大当たり遊技P1が行われる場合には、たとえ第2大入賞口16に遊技球が入賞したとしても、その遊技球はVゲート18を通過しない。そのため、第1の大当たり遊技P1後の遊技状態は時短遊技状態ST2となる。時短遊技状態ST2は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態ST1と同じ通常確率で遊技を進行させる状態である。ただし、この時短遊技状態ST2では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が比較的長くなり、通常遊技状態ST1と比較して第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性が高くなる。そのため、時短遊技状態ST2では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させると共に、第2始動口14に入賞させることを狙って遊技を行うことにより、頻繁に第2始動口14へ入賞させることができるため、持ち玉をそれ程減らすことなく遊技を進行させることができる。この時短遊技状態ST2は、例えば第2始動口14への入賞に伴う特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで継続し、所定回数が経過するまでに大当たりに当選しなかった場合には、通常遊技状態ST1へ戻る(図7の矢印A1)。
また遊技球が第1始動口13へ入賞して大当たりが発生し、遊技機1において第2の大当たり遊技P2が行われた場合には、上述したように第2大入賞口16へ入賞した遊技球がVゲート18を通過する。そのため、第2の大当たり遊技P2後の遊技状態は確変遊技状態ST3となる。確変遊技状態ST3では、上述したように大当たりに当選する確率が高確率となる。この確変遊技状態ST3では、時短遊技状態ST2と同様、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が比較的長くなり、通常遊技状態ST1と比較して第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性が高くなる。そのため、確変遊技状態ST3では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させると共に、第2始動口13に入賞させることを狙って遊技を行うことにより、頻繁に第2始動口14へ入賞させることができるため、持ち玉をそれ程減らすことなく遊技を進行させることができる。この確変遊技状態ST3は、例えば第2始動口14への入賞に伴う特別図柄の変動表示が所定回数(例えば110回)行われるまで継続し、その所定回数が経過するまでに大当たりに当選しなかった場合には、通常遊技状態ST1へ戻る(図7の矢印A2)。これに伴い、以後の大当たりに当選する確率は、高確率状態から通常確率状態となる。
確変遊技状態ST3又は時短遊技状態ST2において遊技球が第2始動口14へ入賞することによって大当たりが発生すると、遊技機1は第3の大当たり遊技P3と第4の大当たり遊技P4とのいずれか一方を行う。遊技機1において第3又は第4の大当たり遊技P3,P4が行われる場合も、遊技者は、ハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1大入賞口15又は第2大入賞口16に入賞させることを狙って遊技を行う。遊技機1においてこれら第3又は第4の大当たり遊技P3,P4が行われる場合にも、第2大入賞口16へ入賞した遊技球がVゲート18を通過する。そのため、第3又は第4の大当たり遊技P3,P4後の遊技状態は確変遊技状態ST3となる。
このように本実施形態の遊技機1は、通常遊技状態ST1から大当たり遊技を経由して時短遊技状態ST2又は確変遊技状態ST3へ移行する。そして時短遊技状態ST2又は確変遊技状態ST3で大当たりが発生した場合には、その大当たり遊技中に所定ラウンドでロング開放する第2大入賞口16へ遊技球が入賞し、その遊技球がVゲート18を通過することにより、100%の割合でその後の遊技状態が確変遊技状態ST3となる。
一方、演出制御基板33は、上述した主制御基板30によって制御される遊技機1の動作状態に対応した各種演出の実行を制御する。特に演出制御基板33のCPU33aは、図3に示すように、演出パターン決定部71及び示唆演出制御部72として機能することにより、主制御基板30によって特別図柄の変動表示が行われることに連動して様々な演出パターンで3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる示唆遊技演出を制御することが可能である。また演出制御基板33は、事前判定部75、停止演出制御部76及び事前示唆演出制御部78として機能することにより、3つの装飾図柄12a,12b,12cが変動する示唆遊技演出が行われているときに第1始動口13又は第2始動口14への入賞があったタイミングで事前判定を行い、その事前判定の結果に応じた演出を行うことが可能である。そして演出制御基板33のROM33bには、それらの演出を行うために、主制御基板30において保持されているものと同じ判定テーブル61及び変動パターンテーブル62が記憶されると共に、示唆遊技演出のための複数の演出パターン70が記憶されている。尚、演出制御基板33におけるこれら各部の動作については、後に詳しく説明する。
次に、主制御基板30において行われる主たる動作手順について説明する。図8は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図8に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、大入賞口処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、電動チューリップ(電チュー)処理(ステップS110)、及び、出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過し、再びタイマによる割込が発生することにより、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を開始する。以降このような処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、乱数更新部51によって、RAM30cの遊技データ格納部55に格納されている大当たり乱数56、図柄乱数57、変動パターン乱数58、リーチ乱数59などの各種乱数の値が更新される処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部52が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部55から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、上述の遊技データ取得部52が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部55から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、遊技データ取得部52がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄を抽選するために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば大入賞口スイッチなど)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部53及び図柄表示制御部54による特別図柄の変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。大入賞口処理(ステップS108)では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開閉する大当たり遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、普通図柄変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。電動チューリップ処理(ステップS110)では、電動チューリップ14aの開閉動作を制御する。また出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33に対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。各基板に出力するコマンドやデータは、ステップS102〜S110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされているので、この出力処理ではRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部55に格納されている大当たり乱数56、図柄乱数57、変動パターン乱数58、リーチ乱数59などの各種乱数の初期値が更新される。ステップS101〜S111を実行した後の残余時間において、この初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行することにより、各種乱数の初期値をその都度更新することができる。そして、この残余時間は遊技機1の動作状態などに応じて長くなったり又は短くなったりするため、残余時間中における初期値乱数更新処理(ステップS112)の実行回数が毎回異なることから、各種乱数の初期値の更新値は不規則なものとなる。それ故、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数56の初期値が不明なため、大当たり乱数56が大当たりの当選値となるタイミングを知ることができず、ひいては不正を防止することが可能である。
図9は、第1始動口スイッチ処理(図8のステップS102)及び第2始動口スイッチ処理(図8のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図9(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、保留記憶部60の第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13へ入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部55から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部60の第1始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数56の値によって、「大当たり」であるか又は「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数57の値によってその大当たり遊技の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数59の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に図9(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図8のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、保留記憶部60の第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14に入賞したことによる大当たり抽選のための遊技データを遊技データ格納部55から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部60の第2始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、またハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に図10は、ゲートスイッチ処理(図8のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ43がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチ43がオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄の抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値を、RAM103に格納する(ステップS404)。尚、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
次に図11は、特別図柄処理(図8のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が大当たり遊技中であるか否かを判断する(ステップS501)。大当たり遊技中であれば、その大当たり遊技が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、大当たり遊技中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、保留記憶部60の第2始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、保留記憶部60の第1始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)は、特別遊技判定の条件となる第1始動口13又は第2始動口14へ入賞したことによる保留が無いことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく大当たり判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の遊技状態が高確率状態(確変遊技状態ST3)であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ通常確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして主制御基板30は、遊技者に有利な特別遊技として大当たり遊技を行うかを判定するための大当たり判定処理を実行する(ステップS514)。この大当たり判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数56に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果に応じて特別図柄の変動表示を行う変動時間が決定される。尚、この大当たり判定処理の詳細については後述する。
主制御基板30は、大当たり判定処理(ステップS514)を行った後、その大当たり判定処理で決定された変動時間に対応する装飾図柄12a,12b,12cの変動演出(示唆遊技演出)を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS516)。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が大当たり判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を大当たり判定の結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして主制御基板30は、停止中処理(ステップS522)を実行する。尚、停止中処理の詳細については後述する。
図12は、大当たり判定処理(図11のステップS514)の詳細を示すフローチャートである。この処理を開始すると、主制御基板30は、ステップS512又はS513で選択したテーブルに基づき、遊技データに含まれる大当たり乱数56が大当たりであるか否かの大当たり判定を行う(ステップS541)。そして大当たりに当選していれば(ステップS542でYES)、図柄乱数57に基づき特別遊技として行うべき大当たり遊技の種類を判定する(ステップS543)。図柄乱数57の判定を行う際には、判定対象となる図柄乱数57が第1始動口用の保留記憶領域から読み出された乱数である場合と、第2始動口用の保留記憶領域から読み出された乱数である場合とで参照するテーブルが異なる。そして第1始動口用の保留記憶領域から読み出された図柄乱数57の場合には、ステップS543の判定によって第1及び第2の大当たり遊技P1,P2のいずれか一方が決定される。また第2始動口用の保留記憶領域から読み出された図柄乱数57の場合には、ステップS543の判定によって第3及び第4の大当たり遊技P3,P4のいずれか一方が決定される。そして大当たり遊技の種類が確定すると、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として大当たりに対応した特別図柄をセットする(ステップS544)。続いて主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル62から大当たり用変動パターンテーブルを参照し(ステップS545)、変動パターン乱数58などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS546)。
また大当たりに当選していない場合(ステップS542でNO)、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として、図柄乱数57に基づくハズレ図柄をセットする(ステップS547)。そして現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判断し(ステップS548)、確変遊技状態である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル62から確変遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS549)、変動パターン乱数58やリーチ乱数59などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS550)。
一方、確変遊技状態でなかった場合(ステップS548でNO)、時短遊技中であるか否かを判断する(ステップS551)。時短遊技中である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル62から時短遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS552)、変動パターン乱数58やリーチ乱数59などに基づいて図柄の変動時間を決定する(ステップS553)。
更に、時短遊技中でなかった場合(ステップS551でNO)、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル62から通常遊技用変動パターンテーブルを参照すると共に(ステップS554)、保留記憶部60に記憶されている保留数(例えば第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1の値)を確認する(ステップS555)。そして主制御基板30は、変動パターン乱数58とリーチ乱数59と保留数とに基づいて通常遊技用変動パターンテーブルに定められている図柄の変動時間を決定する(ステップS556)。例えば、保留数が所定数よりも多い場合には、特別図柄の変動表示を効率的に消化していくようにするため、3秒や8秒などの通常よりも比較的短い変動時間が決定される。以上で、大当たり判定処理(ステップS514)が終了する。
次に図13は、停止中処理(図11のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を大当たり遊技に移行させたり、時短遊技状態ST2を通常遊技状態ST1に移行させたり、確変遊技状態ST3を通常遊技状態ST1に移行させたりする処理を行う。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、大当たり遊技を発生させるか否かを判断し(ステップS571)、大当たり遊技を発生させる場合(ステップS571でYES)、その大当たりの種類に対応した大当たり遊技をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に大当たり遊技に対応した演出を行わせるべく、大当たり開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、大当たり遊技を開始する(ステップS574)。
また主制御基板30は、大当たり遊技を発生させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が確変遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、確変遊技状態ST3である場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、確変遊技状態ST3での残り変動回数SCの値を1減算する(ステップS576)。尚、この残り変動回数SCは、大当たり遊技が終了して確変遊技状態ST3へ移行するときに所定値(例えば110)がセットされるものである。主制御基板30は、この残り変動回数SCの値を1減算した後、残り変動回数SCが0になったか否かを判断し(ステップS577)、0になっていれば、それ以後の遊技状態を通常遊技状態ST1にセットする(ステップS578)。
さらに主制御基板30は、現在の遊技状態が確変遊技状態ST3でないと判断した場合(ステップS575でNO)、現在の遊技状態が時短遊技状態ST2であるか否かを判断する(ステップS579)。その結果、時短遊技状態ST2である場合(ステップS579でYES)、主制御基板30は、時短遊技状態ST2での残り変動回数JCの値を1減算する(ステップS580)。尚、この残り変動回数JCは、大当たり遊技が終了して時短遊技状態ST2へ移行するときに所定値(例えば100)がセットされるものである。主制御基板30は、この残り変動回数JCの値を1減算した後、残り変動回数JCが0になったか否かを判断し(ステップS581)、0になっていれば、それ以後の遊技状態を通常遊技状態ST1にセットする(ステップS582)。尚、現在の遊技状態が通常遊技状態であった場合(ステップS579でNO)、その後は特に何も行わない。以上で、停止中処理(ステップS522)が終了する。
次に図14および図15は、大入賞口処理(図8のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、大当たり遊技となった場合の第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開閉動作が制御される。主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が大当たり遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。大当たり遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開閉動作は行わないため、大入賞口処理を終了する。これに対し、大当たり遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図13)で開始させた大当たり遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、大当たり遊技の種別を確認し(ステップS605)、今回のラウンドRにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間をセットする(ステップS606)。そして今回のラウンドRが第5,第16ラウンドのいずれかであるかを判断し(ステップS607)、第5,第16ラウンドのいずれでもない場合(ステップS607でNO)、第1大入賞口15を開放する(ステップS608)。また今回のラウンドRが第5又は第16ラウンドである場合(ステップS607でYES)、主制御基板30は、第2大入賞口16を開放する(ステップS609)。ステップS608又はS609で第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放すると、主制御基板30は、開放時間の計測を開始する。そして主制御基板30は、ステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS610)、開放時間が経過していない場合(ステップS610でNO)には、更に開放中の大入賞口に対して所定の上限個数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS611)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS611でNO)には、開放中の大入賞口を閉鎖する必要がないため、大入賞口処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS610でYES)、又は、大入賞口への入賞個数が上限値に達した場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、現在開放中の第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS612)。そして現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値(例えば16)であるか否かを判断する(ステップS613)。最終ラウンドでない場合(ステップS613でNO)には大当たり遊技が継続するため、そのまま大入賞口処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS613でYES)、主制御基板30は、大当たり遊技を終了させるためのステップS614以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は、現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS614)、大当たり遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS615)。Vゲート18を遊技球が通過した場合(ステップS615でYES)、主制御基板30は、その後の遊技状態として確変遊技状態ST3をセットし(ステップS616)、確変遊技状態ST3での残り変動回数SCの値を110にセットする(ステップS617)。これに対し、大当たり遊技中に遊技球がVゲート18を通過しなかった場合(ステップS615でNO)、主制御基板30は、その後の遊技状態として時短遊技状態ST2をセットし(ステップS618)、時短遊技状態ST2での残り変動回数JCの値を100にセットする(ステップS617)。
そして主制御基板30は、大当たり遊技のエンディングのための時間計測を開始し(ステップS620)、エンディングが終了したか否かを判断する(ステップS621)。エンディングを開始してから所定時間が経過していないときには、エンディングが未終了であると判断し(ステップS621でNO)、大入賞口処理を終了する。またエンディングを介してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS621でYES)、演出制御基板33に大当たり遊技のための演出を終了させるべく、大当たり終了コマンドをセットし(ステップS622)、大当たり遊技を終了する(ステップS623)。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図15のフローチャートに進み、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断する(ステップS651)。そして開放中である場合は(ステップS651でYES)、図14に示すステップS610以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が大当たり遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そしてエンディング中である場合は(ステップS652でYES)、図14に示すステップS621以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS652でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS653でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンドを実施すべく、図14に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような大入賞口処理により、遊技機1において大当たり遊技が開始されると、その大当たり遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させるラウンドが所定回数(例えば16ラウンド)行われる。
次に図16は、普通図柄処理(図8のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作中であることを意味している。遊技機1において補助遊技が行われると、第2始動口14に遊技球が入賞しやすくなるため、このような補助遊技もまた遊技者に有利な特別遊技のひとつである。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、主制御基板30は、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、主制御基板30は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄の抽選の条件となるスルーゲート21への遊技球通過が無いことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、最先の保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして主制御基板30は、保留から読み出した普通図柄乱数が所定の当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、主制御基板30は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM103にセットする(ステップS708)。また普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS707でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM103にセットする(ステップS709)。
そして主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判断し(ステップS710)、通常遊技状態ST1である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を長時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS711)。また現在の遊技状態が通常遊技状態ST1ではなく、時短遊技状態ST2と確変遊技状態ST3のいずれかであると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を短時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS712)。そして主制御基板30は、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に基づき、図柄表示器22において普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測開始された変動時間が、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708又はS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)、電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより、遊技状態は、補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
次に図17は、電動チューリップ処理(図8のステップS110(電チュー処理))の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技中でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aは開放しないため、電動チューリップ処理を終了する。補助遊技中であった場合(ステップS801でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aが開放中であるか否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、更に現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判断する(ステップS803)。そして通常遊技状態ST1である場合(ステップS803でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を短時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS804)。また通常遊技状態ST1ではなく、時短遊技状態ST2又は確変遊技状態ST3である場合(ステップS803でNO)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を長時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS805)。そして主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放し(ステップS806)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS807)。一方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS803〜S807の処理をスキップする。その後、主制御基板30は、ステップS804又はS805でセットされた開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間を経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS808でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aを閉鎖し(ステップS809)、補助遊技を終了して電動チューリップ処理を終了する(ステップS810)。
次に図18は、出力処理(図8のステップS111)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、主制御基板30からサブ制御基板31に対して各種データやコマンドなどが出力される。まず主制御基板30は、送信用遊技データがセットされている場合、それを演出制御基板33に送信する(ステップS901)。これにより、演出制御基板33では、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したタイミングで遊技データに基づく事前判定を行うことができるようになる。尚、送信用遊技データがセットされていなければ、ステップS901の送信処理は行われない。次に変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別図柄の変動時間に対応する時間分の示唆遊技演出(図柄変動演出)を行うことを指示する(ステップS902)。これにより、演出制御基板33によって装飾図柄12a,12b,12cを変動させる変動演出が開始される。尚、変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS902の送信処理は行われない。次に変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、演出制御基板33によって実行されている変動演出を停止させて大当たり判定の結果が大当たりとなるものであるか否かを遊技者に報知させる指示を行う(ステップS903)。尚、変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS903の送信処理は行われない。次に大当たり開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、大当たり遊技開始に伴う演出動作の開始を指示する(ステップS904)。尚、大当たり開始コマンドがセットされていなければ、ステップS904の送信処理は行われない。次に大当たり終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、大当たり遊技に対応した演出の終了を指示する(ステップS905)。尚、大当たり終了コマンドがセットされていなければ、ステップS905の送信処理は行われない。そして最後にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33や払出制御基板32に送信することで、各部を制御する(ステップS908)。例えば遊技球が各種入賞口に入賞したことに伴う賞球コマンドはこのとき払出制御基板32に対して送信され、払出制御基板32によって賞球の払い出しが行われる。以上で出力処理が終了する。
以上のように、主制御基板30は、遊技球が第1始動口13又は第2始動口14に入賞することを条件として特別図柄の変動表示を開始すると共に、演出制御基板33に対してその特別図柄の変動表示に連動させて各種の演出を実行させるように制御する。
次に、演出制御基板33における動作について詳しく説明する。ここではまず、演出制御基板33が主制御基板30から変動開始コマンドを受信した場合の動作について説明する。演出制御基板33が主制御基板30から受信する変動開始コマンドには、主制御基板30で決定される特別図柄の変動時間が含まれる。そのため、演出制御基板33のCPU33aは、変動開始コマンドを受信すると、図3に示した、演出パターン決定部71及び示唆演出制御部72を機能させ、特別図柄の変動時間に対応する演出として、主制御基板30で行われた大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを示唆するための示唆遊技演出を実行する。
演出パターン決定部71は、演出制御基板33のROM33bに予め記憶されている複数種類の演出パターン70から、主制御基板30における大当たり判定の結果に基づき、特別図柄の変動時間に対応する一の演出パターンを決定する。そして示唆演出制御部72は、演出パターン決定部71によって決定された一の演出パターンに基づいて示唆遊技演出の実行を制御する。この示唆演出制御部72は、図3に示すように、通常演出制御部73と、特定演出制御部74とを備えており、示唆演出制御部72においてこれらが順に機能することにより、特別図柄の変動時間に対応する示唆遊技演出が行った後に、主制御基板30で行われた大当たり判定の結果を報知するようになっている。
図19は、ROM33bに予め格納されている様々な演出パターン70の一例を示す図である。図19(a)は変動時間3〜13秒に対応する演出パターンaであり、大当たり判定の結果がハズレの場合の演出パターンである。図19(b)は変動時間18秒に対応する演出パターンbであり、大当たり判定の結果がハズレの場合の演出パターンである。図19(c)は変動時間23秒に対応する演出パターンcであり、大当たり判定の結果がハズレの場合の演出パターンである。図19(d)は変動時間45秒に対応する演出パターンdであり、大当たり判定の結果がハズレの場合と大当たりの場合との2つの演出パターンがある。図19(e)は変動時間60秒に対応する演出パターンeであり、大当たり判定の結果がハズレの場合と大当たりの場合との2つの演出パターンがある。図19(f)は変動時間80秒に対応する演出パターンfであり、大当たり判定の結果がハズレの場合と大当たりの場合との2つの演出パターンがある。演出パターン決定部71は、これら複数種類の演出パターン70の中から、大当たり判定の結果と、特別図柄の変動時間とに基づいて装飾図柄12a,12b,12cの変動演出として実行すべき一の演出パターンを決定する。
図19(a)に示すように、演出パターンaは、3つの装飾図柄12a,12b,12cを例えば上下方向に変動させて表示する通常の図柄変動演出81を所定時間行った後、大当たりの判定結果として3つの装飾図柄12a,12b,12cが最終的に停止して確定した確定図柄を所定時間表示する図柄確定演出87を行う演出パターンである。尚、図柄確定演出87は、示唆遊技演出の最後に1〜2秒程度行われる演出であり、主制御基板30で行われた大当たりの判定の結果を遊技者に報知するための演出である。この演出パターンaに基づく示唆遊技演出が行われる場合、図柄変動演出81として、画像表示器12における3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が開始された後、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cのうちの2つの装飾図柄が同じ図柄で揃うことなく停止し、その後、図柄確定演出87として、3つ目の装飾図柄が任意の図柄で停止した状態に表示される演出が行われる。このような演出では、変動演出を開始してから、3つの装飾図柄12a,12b,12cが同じ図柄で揃うことなく比較的早いタイミングで図柄確定演出87が行われるため、遊技者に対して大当たりの判定結果がハズレであることが早期に報知される。したがって、演出パターンa,b,cのそれぞれに基づく演出は、遊技者に対して特別な何らかの期待感を付与するものではない。
図19(b)の演出パターンbは、図柄変動演出81とリーチ演出82と図柄確定演出87とを含む演出パターンである。リーチ演出82は、例えば3つの装飾図柄12a,12b,12cのうちの2つの装飾図柄12a,12cが同じ図柄で揃った状態に停止し、中央の装飾図柄12bだけを上下方向に変動させて表示する通常のリーチ演出であり、一般にノーマルリーチと呼ばれる演出である。この演出パターンbに基づく演出が行われる場合、遊技機1は図柄変動演出81を所定時間行った後にリーチ演出82を所定時間行うため、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が開始された後、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cのうちの2つの装飾図柄12a,12cが同じ図柄で揃った状態に停止し、その後、3つ目の装飾図柄12bだけが所定時間変動表示される。そして最後に、図柄確定演出87として、3つ目の装飾図柄12bが他の2つの装飾図柄12a,12cとは異なる図柄で停止した状態に表示される演出が行われ、遊技者に対して大当たりの判定結果がハズレであることが報知される。
図19(c)の演出パターンcは、図柄変動演出81とリーチ演出82と操作演出83と図柄確定演出87とを含む演出パターンである。操作演出83は、遊技者に対して操作ボタン6の操作を促す演出であり、例えば画像表示器12に対してボタン操作を促す画像が所定時間表示される演出である。この演出パターンcに基づく演出が行われる場合、遊技機1は図柄変動演出81を所定時間行った後に通常のリーチ演出82を所定時間行い、更にその後、操作演出83を所定時間行う。そして所定時間の操作演出83が行われている間に、遊技者によって操作ボタン6を操作されたことを検知すると、3つ目の装飾図柄12bが他の2つの装飾図柄12a,12cとは異なるハズレ図柄となって表示される。その後、図柄確定演出87として、3つ目の装飾図柄12bのハズレ図柄が確定した状態に表示される演出が行われ、遊技者に対して大当たりの判定結果がハズレであることが報知される。
図19(d)の演出パターンdは、図柄変動演出81とリーチ演出82と操作演出83と第1発展演出84と図柄確定演出87とを含む演出パターンである。第1発展演出84は、例えば通常のリーチ演出82から更に発展的に移行して行われるリーチ状態の演出であり、通常のリーチ演出82よりも大当たりとなる期待度が高くなる演出である。このような第1発展演出84では、画像表示器12の画面構成が通常のリーチ演出82とは異なる画面構成に変わり、例えば特定のキャラクタなどが出現して第1の目的となるアクションを達成させるようにしたアニメーション動画などが表示される。この演出パターンdに基づく演出が行われる場合、遊技機1は図柄変動演出81を所定時間行った後に通常のリーチ演出82を所定時間行い、更にその後、操作演出83を所定時間行う。そして所定時間の操作演出83が行われている間に、遊技者によって操作ボタン6を操作されたことを検知すると、リーチ演出82が第1発展演出84に移行する演出が行われ、所定のタイミングで第1発展演出84が開始される。また操作演出83が行われている間に、操作ボタン6が操作されなかった場合も、所定のタイミングで第1発展演出84が開始される。そして第1発展演出84が所定時間行われた後、最後に図柄確定演出87として、3つ目の装飾図柄12bが大当たり図柄又はハズレ図柄となって停止した状態に表示され、遊技者に対して大当たりの判定結果が大当たり又はハズレであることが報知される。尚、この演出パターンdでは、大当たりになる場合とハズレになる場合とで、第1発展演出84として表示されるアニメーション動画が異なる動画となり、例えば特定のキャラクタが第1の目的となるアクションを達成できた場合には大当たりとなり、第1の目的となるアクションを達成できなかった場合にはハズレとなる。
図19(e)の演出パターンeは、図柄変動演出81とリーチ演出82と操作演出83と第1発展演出84と第2発展演出85と図柄確定演出87とを含む演出パターンである。第2発展演出85は、例えば通常のリーチ演出82又は第1発展演出84から更に発展的に移行して行われるリーチ状態の演出であり、第1発展演出84よりも更に大当たりとなる期待度が高くなる演出である。このような第2発展演出85では、画像表示器12の画面構成が通常のリーチ演出82や第1発展演出84とは異なる画面構成に変わり、例えば特定のキャラクタなどが出現して第2の目的となるアクションを達成させるようにしたアニメーション動画などが表示される。この演出パターンeに基づく演出が行われる場合、遊技機1は図柄変動演出81を所定時間行った後に通常のリーチ演出82を所定時間行い、更にその後、操作演出83を所定時間行う。そして所定時間の操作演出83が行われている間に、遊技者によって操作ボタン6を操作されたことを検知すると、リーチ演出82が第1発展演出84に移行する演出が行われ、所定のタイミングで第1発展演出84が開始される。また操作演出83が行われている間に、操作ボタン6が操作されなかった場合も、所定のタイミングで第1発展演出84が開始される。そして第1発展演出84において例えば特定のキャラクタなどが目的となるアクションを達成できずに終了する動画が表示された後、所定のタイミングで第2発展演出85が開始される。そして第2発展演出85が所定時間行われた後、最後に図柄確定演出87として、3つ目の装飾図柄12bが大当たり図柄又はハズレ図柄となって停止した状態に表示され、遊技者に対して大当たりの判定結果が大当たり又はハズレであることが報知される。尚、この演出パターンeにおいても、大当たりになる場合とハズレになる場合とで、第2発展演出85として表示されるアニメーション動画が異なる動画となり、例えば特定のキャラクタが第2の目的となるアクションを達成できた場合には大当たりとなり、第2の目的となるアクションを達成できなかった場合にはハズレとなる。
図19(f)の演出パターンfは、図柄変動演出81とリーチ演出82と操作演出83と第1発展演出84と第2発展演出85と第3発展演出86と図柄確定演出87とを含む演出パターンである。第3発展演出86は、例えば通常のリーチ演出82、第1発展演出84又は第2発展演出85から更に発展的に移行して行われるリーチ状態の演出であり、第2発展演出85よりも更に大当たりとなる期待度が高くなる演出である。このような第3発展演出86では、画像表示器12の画面構成が通常のリーチ演出82や第1発展演出84、第2発展演出85とは異なる画面構成に変わり、例えば特定のキャラクタなどが出現して第3の目的となるアクションを達成させるようにした実写映像による動画などが表示される。この演出パターンfに基づく演出が行われる場合、遊技機1は図柄変動演出81を所定時間行った後に通常のリーチ演出82を所定時間行い、更にその後、操作演出83を所定時間行う。そして所定時間の操作演出83が行われている間に、遊技者によって操作ボタン6を操作されたことを検知すると、リーチ演出82が第1発展演出84に移行する演出が行われ、所定のタイミングで第1発展演出84が開始される。また操作演出83が行われている間に、操作ボタン6が操作されなかった場合も、所定のタイミングで第1発展演出84が開始される。そして第1発展演出84において例えば特定のキャラクタなどが目的となるアクションを達成できずに終了する動画が表示された後、所定のタイミングで第2発展演出85が開始される。この第2発展演出85においても例えば特定のキャラクタなどが目的となるアクションを達成できずに終了する動画が表示された後、所定のタイミングで第3発展演出86が開始される。そして第3発展演出86が所定時間行われた後、最後に図柄確定演出87として、3つ目の装飾図柄12bが大当たり図柄又はハズレ図柄となって停止した状態に表示され、遊技者に対して大当たりの判定結果が大当たり又はハズレであることが報知される。尚、この演出パターンfにおいても、大当たりになる場合とハズレになる場合とで、第3発展演出86として表示される実写映像による動画が異なる動画となり、例えば特定のキャラクタが第3の目的となるアクションを達成できた場合には大当たりとなり、第3の目的となるアクションを達成できなかった場合にはハズレとなる。
上記のような演出パターンa〜fのうち、装飾図柄12a,12b,12cの変動演出が大当たりとなる可能性があるパターンは演出パターンd,e,fの3つのパターンであり、他の演出パターンa,b,cはいずれもハズレとなる。ところで、上述したように大当たり判定の結果が大当たりの場合には、特別図柄の変動時間が長くなる傾向にあり、大当たり判定の結果がハズレの場合には、特別図柄の変動時間が短くなる傾向にある。そのため、例えば変動開始コマンドによって変動時間80秒の演出パターンfに基づく示唆遊技演出が行われるケースでは、大当たりとなる可能性が比較的高く、例えば50%程度の割合で大当たりとなる。また例えば変動開始コマンドによって変動時間60秒の演出パターンeに基づく示唆遊技演出が行われるケースでは、大当たりとなる可能性は20%程度となり、変動時間45秒の演出パターンdに基づく示唆遊技演出が行われるケースでは、大当たりとなる可能性は5%程度となる。このように本実施形態の遊技機1では、装飾図柄12a,12b,12cの変動演出が開始された後、その変動演出が、リーチ演出82から操作演出83に移行し、更にその操作演出83を経て第1発展演出84、第2発展演出85及び第3発展演出86へと順次発展的に移行していく程、大当たりとなる期待度が次第に高くなるように各演出パターン70が予め設定されている。したがって、遊技者は、遊技機1において装飾図柄12a,12b,12cの変動演出が開始されると、その変動演出がリーチ状態となって操作演出83に移行し、更にその操作演出83を経て第1発展演出84、第2発展演出85及び第3発展演出86へと順次発展的に移行する演出が行われることを期待するようになる。
図19に示す各演出パターンa〜fに含まれる通常の図柄変動演出81と通常のリーチ演出82とは、示唆演出制御部72の通常演出制御部73によって行われる通常の示唆遊技演出である。これに対し、操作演出83、第1発展演出84、第2発展演出85、第3発展演出86及び図柄確定演出87は、示唆演出制御部72の特定演出制御部74によって行われる特定の示唆遊技演出である。したがって、演出制御基板33において演出パターン決定部71が決定した一の演出パターンに基づく演出が行われるときには、示唆演出制御部72において通常演出制御部73と特定演出制御部74とが順に機能し、その演出パターンに基づく一連の示唆遊技演出が行われるようになる。ここで特定の示唆遊技演出に含まれる操作演出83、第1発展演出84、第2発展演出85及び第3発展演出86は、通常の示唆遊技演出よりも大当たりとなる期待度が高くなる演出であり、遊技者の期待度や注目度が高くなる演出である。また特定の示唆遊技演出に含まれる図柄確定演出87は、示唆遊技演出の最後に大当たり判定の結果を表示する演出であるため、遊技者が注目する演出である。したがって、特定の示唆遊技演出は、遊技者の注目度が通常の示唆遊技演出よりも高くなる演出である。
図20は、示唆演出制御部72によって行われる示唆遊技演出の一態様を示す図である。尚、図20では演出パターンfに対応する変動演出が行われる場合を例示している。演出パターン決定部71によって演出パターンfが決定されると、示唆演出制御部72は、まず通常演出制御部73を作動させ、図柄変動演出81を開始する。この図柄変動演出81では、図20(a)に示すように画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cが上下方向に変動する変動表示が所定時間行われる。そして所定時間経過後に、図20(b)に示すように2つの装飾図柄12a,12cが同じ図柄で停止してリーチ状態となり、中央の装飾図柄12bだけが変動する通常のリーチ演出82が所定時間行われる。そしてリーチ演出82に移行してから所定時間が経過すると、示唆演出制御部72は、次に次に特定演出制御部74を作動させる。そして特定演出制御部74により、図20(c)に示すように操作演出83が開始され、画像表示器12にボタン操作を促す画像が表示される。この操作演出83が行われている間に、遊技者が操作ボタン6の操作を行うと、第1発展演出84に発展的に移行することを報知する演出が行われる。そのため、遊技者は、遊技機1において操作演出83が行われると、第1発展演出84への移行を報知する演出が行われることを期待して操作ボタン6を操作する。その後、所定のタイミングになると、図20(d)に示すように通常のリーチ演出82よりも大当たりとなる期待度の高い第1発展演出84が開始され、画像表示器12においてアニメーションによる第1の動画演出が行われる。更にその後、所定時間が経過すると、図20(e)に示すように、第1発展演出84よりも大当たりとなる期待度の高い第2発展演出85が開始され、画像表示器12においてアニメーションによる第2の動画演出が行われる。そして更に所定時間が経過すると、図20(f)に示すように、第2発展演出85よりも更に大当たりとなる期待度の高い第3発展演出86が開始され、画像表示器12において実写映像による第3の動画演出が行われる。この第3の動画演出が終了すると、図20(g)に示すように、図柄確定演出87として、3つの装飾図柄12a,12b,12cが揃った状態(又は揃わない状態)で微動する演出が所定時間行われ、その後、図20(h)に示すように3つの装飾図柄12,12b,12cが停止し、演出パターンfに基づく示唆遊技演出が終了する。
次に、演出制御基板33が主制御基板30から第1始動口13又は第2始動口14への入賞に伴う遊技データを受信した場合の動作について説明する。演出制御基板33が主制御基板30から遊技データを受信すると、CPU33aにおいて事前判定部75が機能する。事前判定部75は、第1始動口13又は第2始動口14への入賞によって主制御基板30で取得された遊技データが保留として記憶されたとき、その保留に対応する遊技データが大当たり遊技(特別遊技)を発生させるものであるか否かを事前に判定するものである。すなわち、事前判定部75は、主制御基板30において保留が消化されてその保留に基づく大当たり判定及び特別図柄の変動表示が開始される前に、その保留に対応する遊技データの先読み判定を行うものである。
事前判定部75は、主制御基板30から送信される遊技データを取得すると、ROM33bに記憶されている判定テーブル61を読み出し、現在の遊技状態に基づいてその遊技データが大当たりを示すデータであるか否かを判定する。そして大当たりを示すデータである場合、事前判定部75は、例えば乱数抽選を行うことにより、比較的高い確率(例えば50%程度)で事前判定結果に基づく演出を行うことを決定する。また取得した遊技データが大当たりを示すデータでなかった場合、事前判定部75は、ROM33bに記憶されている変動パターンテーブル62を読み出し、その遊技データに基づく変動時間を判定する。そして事前判定部75は、変動時間に応じた乱数抽選を行うことにより、変動時間が長い程比較的高い確率で事前判定結果に基づく演出を行うことを決定する。
事前判定結果に基づく演出には、示唆演出制御部72によって行われる示唆遊技演出の進行を停止させたフリーズ状態で表示する停止演出と、示唆演出制御部72によって行われる示唆遊技演出を通常とは異なる演出態様(例えば背景が通常とは異なる特殊な背景となる態様)に変化させて行う事前示唆演出とがある。事前判定部75は、例えば乱数抽選により事前判定結果に基づく演出を行うことを決定した場合、その乱数抽選の結果に基づき、停止演出だけを行うのか、或いは、停止演出を行った後に更に事前示唆演出を行うのかを決定する。そして停止演出だけを行う場合は、事前判定を行った後、停止演出制御部76を機能させる。また停止演出を行った後に更に事前示唆演出を行う場合は、事前判定を行った後、停止演出制御部76と事前示唆演出制御部78とを順次機能させる。尚、事前判定部75は、事前判定の結果、事前判定結果に基づく演出を行わないと決定した場合には、停止演出制御部76及び事前示唆演出制御部78のいずれも機能させない。
また事前判定部75は、事前判定結果に基づく演出を行うことを決定した場合、停止演出を継続させる期間を設定する。このとき、事前判定結果に基づく演出として、停止演出だけを行う場合と、停止演出を行った後に更に事前示唆演出を行う場合とで、停止演出を継続させる期間の設定方法が切り替わる。
例えば、停止演出を行った後に更に事前示唆演出を行う場合、事前判定部75は、現在行われている示唆遊技演出が終了するまで停止演出を継続させるように停止演出の継続期間を設定する。したがって、この場合、事前判定が行われたタイミングで現在進行中の示唆遊技演出が突然停止してフリーズ状態となる停止演出が行われ、その停止演出が当該示唆遊技演出の変動時間が経過するまで継続する。そして次の示唆遊技演出の開始時には、事前示唆演出制御部78による事前示唆演出が行われ、通常とは異なる演出態様の示唆遊技演出が行われるようになる。
またこの他にも、例えば停止演出を行った後に更に事前示唆演出を行う場合において、事前判定部75は、現在行われている示唆遊技演出が終了するまでの間の任意のタイミングで停止演出を終了させるように停止演出の継続期間を設定しても良い。この場合、例えば事前判定が行われたタイミングで現在進行中の示唆遊技演出が停止してフリーズ状態となる停止演出が瞬間的に行われ、その後、現在進行中の示唆遊技演出において事前示唆演出制御部78による事前示唆演出が行われるようになる。
また停止演出だけを行う場合、事前判定部75は、事前判定結果に基づく演出の契機となった当該保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されてから所定のタイミングとなるまでの期間において、当該保留に対応する遊技データが大当たりとなるものであるか否かに応じた任意のタイミングまで停止演出を継続させるように停止演出の継続期間を設定する。例えば、事前判定を行った当該保留の遊技データが大当たりとなるものであり、且つ、当該保留の変動時間が80秒であって演出パターンfに基づく示唆遊技演出が行われる場合、事前判定部75は、比較的高い頻度で、当該保留に基づく特別図柄の変動表示が開始された後、示唆遊技演出として大当たりとなる期待度が高くなる演出(例えば第3発展演出86)が開始されるタイミングまで停止演出を継続させるように停止演出の継続期間を設定する。この場合、事前判定が行われたタイミングで開始される停止演出は、複数回の示唆遊技演出に跨って継続することもある。ただし、事前判定を行った当該保留の遊技データが大当たりとなるものであり、且つ、当該保留の消化時に演出パターンfに基づく示唆遊技演出が行われる場合であっても、事前判定部75は、当該保留の消化によって行われる第3発展演出86が開始されるタイミングよりも前に停止演出を終了させるように停止演出の継続期間を設定することもある。このような停止演出の継続時間は、例えば後述するように乱数抽選などによって決定されるものであるが、当該保留が大当たりとなる場合には停止演出の継続時間がなるべく長くなるように設定されたテーブルなどに基づき乱数抽選などが行われる。つまり、事前判定部75は、事前判定を行った当該保留の遊技データが大当たりである場合、停止演出の継続期間がなるべく長くなるように設定する。
尚、本実施形態では停止演出だけを行う場合、事前判定部75は、事前判定結果に基づく演出の契機となった当該保留に基づく特別図柄の変動表示が開始された後の所定のタイミングとなるまでの所定期間において、その所定期間内の任意のタイミングまで停止演出を継続させることができるようにした例を説明するが、これに限定されるものではない。例えば、事前判定部75は、事前判定結果に基づく演出の契機となった当該保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間内の任意のタイミングまで停止演出を継続させるように停止演出の継続期間を設定するものであっても構わない。この場合、停止演出は最も長く継続する場合であっても、当該停止演出の契機となった保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで終了する。
また例えば、事前判定を行った当該保留の遊技データがハズレである場合、事前判定部75は、比較的高い頻度で、当該保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される前の比較的早いタイミングまで停止演出を継続させるように停止演出の継続期間を設定する。この場合、事前判定が行われたタイミングで現在進行中の示唆遊技演出が突然停止してフリーズ状態となる停止演出が行われた場合であっても、その停止演出が当該示唆遊技演出の変動時間内に終了してしまうこともある。ただし、事前判定を行った当該保留の遊技データがハズレである場合であっても、例えば当該保留の変動時間が80秒であり、演出パターンfに基づくハズレの示唆遊技演出が行われるような場合には、事前判定部75は、第3発展演出86が開始されるタイミングまで停止演出を継続させるように停止演出の継続期間を設定することもある。しかし、その頻度は当該保留が大当たりである場合よりも低い。つまり、事前判定部75は、事前判定を行った当該保留の遊技データがハズレである場合には停止演出の継続期間がなるべく短くなるように設定し、遊技データが大当たりの場合よりも高い頻度で早期に停止演出が終了するように設定する。
このように事前判定結果に基づく演出として停止演出だけを行う場合、事前判定部75によって設定される停止演出の継続期間は、事前判定の契機となった保留が大当たりのときにはハズレのときよりも停止演出の継続期間が長くなる確率が高く、逆に、事前判定の契機となった保留がハズレのときには大当たりのときよりも停止演出の継続期間が短くなる確率が高くなる。したがって、事前判定結果に基づく演出として停止演出だけが行われる場合、遊技者は、その停止演出が長時間継続することを期待するようになる。
停止演出制御部76は、事前判定部75により事前判定結果に基づく演出を行うことが決定された場合に作動し、事前判定が行われたタイミングで示唆演出制御部72によって行われている示唆遊技演出の進行を停止させた停止演出を実行する。図21は、停止演出制御部76によって行われる停止演出の一例を示す図である。まず図21(a)に示す例では、第1保留表示部24の2つの保留表示部24a,24bに保留が記憶されていることを示す保留表示が行われている状態で、3つの装飾図柄12a,12b,12cが図柄変動演出81を行っている。この状態で、第1始動口13に遊技球が入賞し、3つ目の保留が記憶されると、図21(b)に示すように、第1保留表示部24の3つ目の保留表示部24cが消灯状態から点灯状態に変わり、3つ目の保留が記憶されていることを示す保留表示が行われる。このとき事前判定部75は、3つ目の保留として記憶された遊技データに基づいて事前判定を行う。その事前判定により、事前判定結果に基づく演出を行うことが決定された場合、保留表示部24cに表示される3つ目の保留表示は、図21(b)に示すように通常の保留表示とは異なる表示態様の保留表示に変わる。尚、保留表示の表示態様の変化は、事前判定部75が事前判定結果に基づく演出を行うことを決定した場合、例えば画像表示器12に対して当該保留の保留表示を通常とは異なる表示態様に変化させることを指示することにより行われる。
また事前判定部75により事前判定結果に基づく演出を行うことが決定されることに伴い、停止演出制御部76が作動し、そのタイミングで示唆遊技演出として行われている図柄変動演出81の進行を停止させる。すなわち、停止演出制御部76は、図21(b)に示すように、3つの装飾図柄12a,12b,12cの上下方向の変動を停止させ、3つの装飾図柄12a,12b,12cのそれぞれを任意の位置で停止させたままでのフリーズ状態を継続する停止演出88を行う。この停止演出88は画像表示器12のほぼ全体で行われるため、保留表示部24cの表示態様を通常とは異なる表示態様に変化させる演出よりも遊技者に与えるインパクトが強い。特に、遊技者は、画像表示器12において示唆遊技演出が開始されると、その示唆遊技演出に注目するため、事前判定部75による事前判定の結果に基づいて停止演出88が行われると、その停止演出88によって大当たりになるかも知れない保留が記憶されたことに気付きやすい。それ故、このような停止演出88は、保留表示の表示態様を変化させる演出よりも、遊技者の期待感を一気に高めることができる演出である。
ただし、停止演出制御部76による停止演出88が行われているときでも、示唆演出制御部72は、示唆遊技演出をバックグランドで進行させる。そのため、停止演出88を行うとき、停止演出制御部76は、図21(b)に示すようにフリーズ状態となっている画像表示器12の画面隅の一部などに小サイズの変動表示領域88aを表示し、その変動表示領域88aにおいてバックグランドで進行している示唆遊技演出に基づく図柄変動を表示する。
このような停止演出制御部76は、事前判定部75によって設定される継続時間経過後に停止演出を終了させるべく、停止演出を解除する解除手段としての機能を有している。停止演出制御部76においてこの解除手段が機能することにより、示唆遊技演出が停止したままフリーズ状態となっている停止演出88が終了する。これにより、示唆演出制御部72によって行われる示唆遊技演出は、バックグランドで進行する演出からフォアグランドで行われる演出に復帰する。
また停止演出制御部76は、停止演出規制部77を備えている。この停止演出規制部77は、事前判定部75により事前判定結果に基づく演出を行うことが決定されたタイミングが所定のタイミングである場合に停止演出制御部76による停止演出88を行わないように規制するものである。例えば、画像表示器12で行われている示唆遊技演出が操作演出83、第1発展演出84、第2発展演出85、第3発展演出86及び図柄確定演出87のいずれかである特定の示唆遊技演出が行われているときに、事前判定結果に基づく演出を行うことが決定された場合には、停止演出規制部77が作動し、停止演出制御部76による停止演出88を行わないように規制する。これにより、示唆演出制御部72において特定演出制御部74による特定の示唆遊技演出が行われているときに、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞し、事前判定部75で事前判定結果に基づく演出を行うことが決定された場合でも、停止演出88が行われず、現在進行している特定の示唆遊技演出が継続的に行われる。そのため、遊技者が注目している特定の示唆遊技演出が行われているときには、遊技者に対してその特定の示唆遊技演出の結果を視認させることができる。
事前示唆演出制御部78は、事前判定部75により事前判定結果に基づく演出として、停止演出を行った後に更に事前示唆演出を行うことが決定された場合に、上述した停止演出制御部76による停止演出88が終了した後に作動する。ただし、停止演出規制部77によって停止演出88の実行が規制されている状態においては、その特定の示唆遊技演出が終了した後に作動する。そして事前示唆演出制御部78は、示唆演出制御部72によって行われる示唆遊技演出を通常とは異なる演出態様に変化させて事前示唆遊技演出を行う。
図22は、事前示唆演出制御部78によって行われる事前示唆遊技演出の一例を示す図である。図22(a)は、第1保留表示部24の3つ目の保留表示部24cに対応する保留が記憶されたタイミングで行われた事前判定結果に基づき停止演出88が行われている状態を示している。その状態で示唆遊技演出が終了し、小サイズの変動表示領域88aでハズレ図柄が表示されると、次の保留(保留表示部24aに対応する保留)が消化され、主制御基板30において次の保留に基づく大当たり判定と特別図柄の変動表示が開始される。このとき、停止演出88が終了すると共に、事前示唆演出制御部78が作動する。そして図22(b)に示すように、事前示唆演出制御部78によって例えば3つの装飾図柄12a,12b,12cの背景が通常の背景とは異なる特殊な背景などに変化した状態となり、通常の示唆遊技演出とは異なる事前示唆遊技演出89が行われる。このような事前示唆遊技演出89は、例えば事前判定結果に基づく演出を行う契機となった保留(図22(b)における保留表示部24bの保留)に基づく示唆遊技演出が終了するまで継続する。このような事前示唆遊技演出89は、上述した停止演出88と同様に、事前判定結果に基づく演出を行う契機となった保留が大当たりに当選するかも知れないことを当該保留が消化される前に遊技者に対して事前に報知する演出の一つである。
次に図23及び図24は、事前判定結果に基づく演出として停止演出88だけが行われる場合の一例を示す図である。図23(a)は、第1保留表示部24の3つ目の保留表示部24cに対応する保留が記憶されたタイミングで行われた事前判定結果に基づき停止演出88が行われている状態を示している。この状態で示唆遊技演出が終了し、小サイズの変動表示領域88aでハズレ図柄が表示されると、次の保留(保留表示部24aに対応する保留)が消化され、第1保留表示部24の保留表示が1つずつシフトする。そして次の保留に基づく示唆遊技演出が開始される。このとき停止演出88が継続する場合には、図23(b)に示すように、次の保留に基づく示唆遊技演出がバックグランドで進行することになり、その示唆遊技演出に対応する次の図柄変動表示が小サイズの変動表示領域88aで行われるようになる。そして更に停止演出88が継続し、停止演出88の契機となった当該保留に基づく示唆遊技演出が開始された後にも継続する場合、図24(a)に示すように当該保留に基づく示唆遊技演出もまたバックグランドで進行することになり、その示唆遊技演出に対応する図柄変動が小サイズの変動表示領域88aで開始されるようになる。そしてバックグランドで進行する当該保留に基づく示唆遊技演出において第3発展演出86が行われるタイミングになると、停止演出88が解除され、示唆演出制御部72で行われる示唆遊技演出が画像表示器12のフォアグランドに表示される。その結果、図24(b)に示すように、停止演出88の契機となった当該保留に基づく示唆遊技演出は、遊技者にとって大当たりとなる期待度が高い第3発展演出86から正常な状態で画像表示器12に表示されるようになる。
図25は、事前判定結果に基づく演出として停止演出88の後に事前示唆遊技演出89が行われる場合のタイミングチャートの一例を示す図である。まず図25(a)に示すように、例えばタイミングT1,T2,T3のそれぞれで遊技球が順に第1始動口13へ入賞し、3番目のタイミングT3での入賞時に行われる事前判定により、事前判定結果に基づく演出を行うと決定されたと仮定する。この場合、図25(b)に示すように、それらの入賞順序に従って示唆遊技演出が順に行われるため、まずタイミングT1で第1の示唆遊技演出が開始される。この第1の示唆遊技演出はタイミングT4まで行われる演出であり、その終了タイミングT4となるまでの間のタイミングT2,T3で第1始動口13への入賞が連続的に検知されることになる。そして図25(b)の例では、3番目の遊技球が入賞したタイミングT3で停止演出88が発動すると、その停止演出88は第1の示唆遊技演出が終了するタイミングT4まで継続する。タイミングT4で2番目の入賞に基づく第2の示唆遊技演出が開始されることに伴い、事前示唆遊技演出89が発動し、通常とは異なる演出態様で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる演出が行われる。この事前示唆遊技演出89は、例えば当該演出89の契機となった3番目の入賞に基づく第3の示唆遊技演出が終了するまで継続する(タイミングT6)。したがって、事前示唆遊技演出89は、複数回の示唆遊技演出に跨って行われることもある。
また図25(c)の例では、3番目の遊技球が入賞したタイミングT3で停止演出88が発動すると、その停止演出88は、第1の示唆遊技演出が終了するまでの時間よりも短い時間で終了し、例えば第1の示唆遊技演出が行われている間のタイミングTxで終了する。つまり、この場合、事前判定部75は、停止演出88が終了するタイミングTxを、第1の示唆遊技演出が終了するタイミングT4よりも前に設定する。そしてタイミングTxで停止演出88が終了することに伴い、事前示唆遊技演出89が発動し、通常とは異なる演出態様で、その後の第1の示唆遊技演出が行われる。この事前示唆遊技演出89は、例えば当該演出89の契機となった3番目の入賞に基づく第3の示唆遊技演出が終了するまで継続する(タイミングT6)。したがって、この場合も、事前示唆遊技演出89は、複数回の示唆遊技演出に跨って行われることがある。尚、この場合、停止演出88が発動してから終了するまでの時間は、例えば1、2秒程度の僅かな時間であっても良い。
また図25(d)は3番目の遊技球が入賞したタイミングT3で第1の示唆遊技演出が特定の示唆遊技演出である操作演出83、第1発展演出84、第2発展演出85、第3発展演出86及び図柄確定演出87のいずれかを実行中である場合のタイミングチャートである。この場合、3番目の遊技球が入賞したタイミングT3で事前判定結果に基づく演出を行うことを決定したとしても、停止演出88は発動しない。そのため、遊技者は、第1の示唆遊技演出で行われる特定の示唆遊技演出を注目し続けることができる。そしてこの場合、第1の示唆遊技演出における特定の示唆遊技演出が終了した後の次の第2の示唆遊技演出が開始されるタイミングT4で事前示唆遊技演出89が発動し、通常とは異なる演出態様で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる演出が行われる。
次に図26は、事前判定結果に基づく演出として停止演出88だけが行われる場合のタイミングチャートの一例を示す図である。図26に示すT1,T2,T3は、上記と同様、第1始動口13への入賞タイミングである。また図26においても、3番目のタイミングT3での入賞を契機する事前判定により、事前判定結果に基づく演出を行うと決定された場合を例示している。
図26(a)は、タイミングT3で発動する停止演出88の継続時間が最も短い場合を例示している。すなわち、図26(a)では、タイミングT3で停止演出88が発動した後、1,2秒程度の僅かな時間が経過した後に停止演出88が終了する。そして停止演出88の終了後は第1の示唆遊技演出がフォアグランドに復帰する。そのため、図26(a)に示す停止演出88が行われる場合、画像表示器12の表示画面は一瞬だけフリーズ状態となるが、直ぐに元の示唆遊技演出が進行する通常の演出状態に戻る。このように停止演出88が直ぐに解除されてしまうケースでは、事前判定が行われた保留が大当たりとなる可能性は低い。
図26(b)は、タイミングT3で発動する停止演出88がその時点で行われている第1の示唆遊技演出が終了するタイミングT4で終了する場合を例示している。この図26(a)に示す停止演出88が行われる場合、第1の示唆遊技演出が行われている途中で画像表示器12の表示画面がフリーズ状態となり、そのフリーズ状態が第1の示唆遊技演出が終了するまで継続する。そして第2の示唆遊技演出が開始されるタイミングT4で停止演出88が解除され、その後は第2の示唆遊技演出が進行する通常の演出状態に戻る。このケースにおいても停止演出88の契機となった3番目の保留が消化されるタイミングT5よりも前の比較的早いタイミングT4で停止演出88が解除されてしまうため、事前判定が行われた保留が大当たりとなる可能性は低い。ただし、このケースの場合の事前判定が行われた保留が大当たりとなる可能性は、図26(a)の場合よりも高くなる。
図26(c)は、タイミングT3で発動する停止演出88がその次に行われる第2の示唆遊技演出が終了するタイミングT5で終了する場合を例示している。この図26(c)に示す停止演出88が行われる場合、第1の示唆遊技演出が行われている途中で画像表示器12の表示画面がフリーズ状態となり、そのフリーズ状態が第2の示唆遊技演出の終了タイミングまで継続する。そして第3の示唆遊技演出が開始されるタイミングT5で停止演出88が解除され、その後は第3の示唆遊技演出が進行する通常の演出状態に戻る。このケースにおいては、停止演出88の契機となった3番目の保留が消化されるタイミングT5まで停止演出88が継続するため、事前判定が行われた保留が大当たりとなる可能性は、図26(a),(b)の2つのケースよりも高くなる。
図26(d)は、タイミングT3で発動する停止演出88がその停止演出88の契機となった保留に基づく第3の示唆遊技演出が開始された後の所定のタイミングTSまで継続し、そのタイミングTSで終了する場合を例示している。この所定のタイミングTSは、例えば第3の示唆遊技演出において行われる第3発展演出86が開始されるタイミングである。ただし、これに限られるものではなく、操作演出83、第1発展演出84又は第2発展演出85が開始されるタイミングであっても構わない。この図26(d)に示す停止演出88が行われる場合、第1の示唆遊技演出が行われている途中で画像表示器12の表示画面がフリーズ状態となり、そのフリーズ状態が第3の示唆遊技演出の開始後においても継続される。そして第3の示唆遊技演出が開始される後の所定のタイミングTSで停止演出88が解除され、その後は第3の示唆遊技演出において行われる第3発展演出86等の大当たりの期待度が高くなる特定の示唆遊技演出をフォアグランドに復帰させて演出の進行を遊技者に視認させることができる。
図26(e)は、停止演出88が発動するタイミングT3で第1の示唆遊技演出が特定の示唆遊技演出である操作演出83、第1発展演出84、第2発展演出85、第3発展演出86及び図柄確定演出87のいずれかを実行中である場合を示している。この場合、3番目の遊技球が入賞したタイミングT3で事前判定結果に基づく演出を行うことを決定したとしても、停止演出規制部77が動作して停止演出88は発動しない。そのため、遊技者は、第1の示唆遊技演出で行われる特定の示唆遊技演出を注目し続けることができる。そしてこの場合、第1の示唆遊技演出における特定の示唆遊技演出が終了した場合であっても、停止演出88は発動せず、事前判定結果に基づく演出は何も行われないことになる。
次に上記のような演出を制御する演出制御基板33において行われる主たる動作手順について説明する。図27は、演出制御基板33における主要動作を示すフローチャートである。演出制御基板33のCPU33aは、電源投入時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図27に示すフローチャートに基づく処理を繰り返し実行する。
演出制御基板33は、この処理を開始すると、遊技データを受信したか否かを判断する(ステップS1001)。遊技データを受信している場合(ステップS1001でYES)、演出制御基板33は、遊技データ受信処理を行う(ステップS1002)。この遊技データ受信処理では、主制御基板30から受信した遊技データをRAM33cの所定の記憶領域に保存すると共に、画像表示器12の第1保留表示部24又は第2保留表示部25に対して保留表示を行うための処理を行う。そして演出制御基板33は、事前判定処理を実行し(ステップS1003)、上述した事前判定を行う。この事前判定処理(ステップS1003)の詳細については後述する。尚、遊技データを受信していない場合(ステップS1001でNO)、ステップS1002,S1003の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1004)。変動開始コマンドを受信している場合(ステップS1004でYES)、演出制御基板33は、演出決定処理を実行する(ステップS1005)。この演出決定処理では、変動開始コマンドに含まれる大当たり判定の結果と変動時間とに基づいて一の演出パターンが決定される。そして演出制御基板33は、演出決定処理(ステップS1005)で決定した演出パターンに基づき、装飾図柄12a,12b,12cの変動演出を開始して示唆遊技演出を行うための変動演出開始処理を実行する(ステップS1006)。この変動演出開始処理(ステップS1006)の詳細については後述する。尚、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1004でNO)、ステップS1005,S1006の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、演出パターンに基づく変動演出(示唆遊技演出)の実行中であるか否かを判断する(ステップS1007)。その結果、変動演出の実行中である場合(ステップS1007でYES)、演出制御基板33は、変動中処理(ステップS1008)を実行する。この変動中処理(ステップS1008)の詳細については後述する。尚、変動演出の実行中でない場合(ステップS1007でNO)、ステップS1008の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1009)。変動停止コマンドを受信している場合(ステップS1009でYES)、演出制御基板33は、変動演出終了処理(ステップS1010)を実行する。この変動演出終了処理(ステップS1010)の詳細については後述する。尚、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS1009でNO)、ステップS1010の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1011)。大当たり開始コマンドを受信している場合(ステップS1011でYES)、演出制御基板33は、大当たり演出を開始する(ステップS1012)。大当たり開始コマンドを受信していない場合(ステップS1011でNO)、ステップS1012の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、大当たり終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1013)。大当たり終了コマンドを受信している場合(ステップS1013でYES)、演出制御基板33は、現在実行中の大当たり演出を終了させる(ステップS1014)。尚、大当たり終了コマンドを受信していない場合(ステップS1013でNO)、ステップS1014の処理はスキップする。
次に演出制御基板33は、その他のコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1015)。その他のコマンドを受信している場合(ステップS1015でYES)、演出制御基板33は、主制御基板30から受信したコマンドに応じた演出処理を実行する(ステップS1016)。尚、その他のコマンドを受信していない場合(ステップS1015でNO)、ステップS1016の処理はスキップする。その後、再びステップS1001へ戻り、上述した処理を繰り返す。このように演出制御基板33は、主制御基板30から受信する各種コマンドに応じて様々な演出の実行を制御するのである。
図28は、事前判定処理(ステップS1003)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、事前判定処理を開始すると、主制御基板30から受信した遊技データの事前判定を行い(ステップS1101)、その遊技データが大当たりを示すものであるか否かを判断する(ステップS1102)。遊技データが大当たりでない場合(ステップS1102でNO)、演出制御基板33は、その遊技データがリーチ演出を行うものであるか否かを判断し(ステップS1103)、そしてリーチ演出を行うものであれば(ステップS1103でYES)、変動時間が所定時間以上となるものであるか否かを判断する(ステップS1104)。そして遊技データが大当たりである場合(ステップS1102でYES)、或いは、遊技データが大当たりでなく、リーチ演出を行うものであって変動時間が所定時間以上となるものである場合(ステップS1104でYES)、演出制御基板33は、乱数抽選を行う(ステップS1105)。そして乱数抽選の結果に基づき、演出制御基板33は、停止演出88を行うか否かを判断する(ステップS1106)。停止演出88を行う場合(ステップS1106でYES)、演出制御基板33は、停止演出フラグをセットし(ステップS1107)、その停止演出88の継続期間を乱数抽選結果や遊技データの事前判定結果などに基づいて決定し、停止演出終了タイミングをセットする(ステップS1108)。その後、演出制御基板33は、乱数抽選の結果に基づき事前示唆遊技演出89を行うか否かを判断し(ステップS1109)、事前示唆遊技演出89を行う場合は事前示唆演出フラグをセットする(ステップS1110)。尚、乱数抽選の結果、停止演出を行わない場合(ステップS1106でNO)、ステップS1107〜S1110の処理をスキップする。また停止演出だけを行う場合(ステップS1109でNO)、ステップS1110の処理をスキップする。
一方、主制御基板30から受信した遊技データが大当たりではなく、しかもリーチ演出を行うものでもない場合(ステップS1103でNO)、或いは、リーチ演出を行うものであっても変動時間が所定時間以上でない場合(ステップS1104でNO)、演出制御基板33は、ステップS1105とは異なる乱数抽選を行う(ステップS1111)。そして乱数抽選の結果に基づき、演出制御基板33は、停止演出88を行うか否かを判断する(ステップS1112)。停止演出88を行う場合(ステップS1112でYES)、演出制御基板33は、停止演出フラグをセットし(ステップS1113)、その停止演出88の継続期間を乱数抽選結果や遊技データの事前判定結果などに基づいて決定し、停止演出終了タイミングをセットする(ステップS1114)。尚、乱数抽選の結果、停止演出を行わない場合(ステップS1112でNO)、ステップS1113〜S1114の処理をスキップする。
ここでステップS1105の乱数抽選により停止演出88だけを行うことを決定した場合、演出制御基板33は、その停止演出88の継続期間を所定時間以上となるように設定する。これに対し、ステップS1111の乱数抽選により停止演出88を行うことを決定した場合、演出制御基板33は、その停止演出88の継続期間を所定時間よりも短く設定する。したがって、事前判定結果に基づく演出として停止演出88だけが行われる場合には、その停止演出88の継続時間が長くなる程、大当たりとなる期待度が高くなる。以上のように、この事前判定処理(ステップS1003)では、主制御基板30から遊技データが取得されたタイミングでその遊技データの事前判定が行われ、その事前判定の結果に基づいて遊技機1で行うべき演出が決定される。
次に図29は、変動演出開始処理(ステップS1006)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、この処理を開始すると、事前示唆演出フラグがセットされているか否かを判断すると共に(ステップS1201)、停止演出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1202,S1205)。そして事前示唆演出フラグがセットされており(ステップS1201でYES)、停止演出フラグがセットされていない場合(ステップS1202でNO)、演出制御基板33は、事前示唆遊技演出89の演出態様で、決定した演出パターンに基づく示唆遊技演出を開始する(ステップS1203)。また事前示唆演出フラグがセットされており(ステップS1201でYES)、停止演出フラグがセットされている場合(ステップS1202でYES)、或いは、事前示唆演出フラグがセットされておらず(ステップS1201でNO)、停止演出フラグがセットされている場合(ステップS1205でYES)、停止演出88が継続されるので、演出制御基板33は、停止演出88の継続中における演出態様での変動演出を開始する(ステップS1204)。また事前示唆演出フラグがセットされておらず(ステップS1201でNO)、停止演出フラグもセットされていない場合(ステップS1205でNO)、演出制御基板33は、通常の演出態様で、決定した演出パターンに基づく示唆遊技演出を開始する(ステップS1206)。
次に図30は、変動中処理(ステップS1008)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、この処理を開始すると、停止演出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1301)。ここで停止演出フラグがセットされていない場合は、変動中処理が終了する。また停止演出フラグがセットされている場合(ステップS1301でYES)、演出制御基板33は、停止演出88の実行中であるか否かを判断し(ステップS1302)、停止演出88の実行中でない場合(ステップS1302でNO)、現在の示唆遊技演出において特定の示唆遊技演出が実行中であるか否かを判断する(ステップS1303)。その結果、特定の示唆遊技演出が実行中でない場合(ステップS1303でNO)、演出制御基板33は、停止演出88の実行を開始する(ステップS1304)。
演出制御基板33は、停止演出88の実行中であった場合(ステップS1302でYES)、或いは、ステップS1304で停止演出88の実行を開始した場合、ステップS1305に進み、停止演出終了タイミングとなったか否かを判断する(ステップS1305)。その結果、停止演出終了タイミングとなった場合(ステップS1305でYES)、停止演出88の実行を終了し(ステップS1306)、停止演出フラグを解除する(ステップS1307)。その後、演出制御基板33は、事前示唆演出フラグがセットされているか否かを判断し(ステップS1308)、事前示唆演出フラグがセットされていれば(ステップS1308でYES)、事前示唆演出態様による示唆遊技演出へと移行させる(ステップS1309)。また事前示唆演出フラグがセットされていない場合(ステップS1308でNO)、演出制御基板33は、通常の演出態様による示唆遊技演出へと戻す(ステップS1310)。また停止演出終了タイミングとなっていない場合(ステップS1305でNO)、ステップS1306〜S1310の処理をスキップする。
また演出制御基板33は、特定の示唆遊技演出の実行中であると判断した場合(ステップS1303でYES)、停止演出88を実行することなく、停止演出フラグを解除する(ステップS1311)。以上で、変動中処理(ステップS1008)が終了する。
次に図31は、変動演出終了処理(ステップS1010)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、この処理を開始すると、変動停止コマンドに基づき図柄変動演出(示唆遊技演出)を終了させる(ステップS1401)。そして事前示唆演出フラグがセットされているか否かを判断し(ステップS1402)、セットされている場合(ステップS1402でYES)、その事前示唆演出フラグがセットされる契機となった保留が既に消化済みであるか否かを判断する(ステップS1403)。その結果、事前示唆演出フラグがセットされる契機となった保留が既に消化済みである場合(ステップS1403でYES)、演出制御基板33は、事前示唆演出フラグを解除する(ステップS1404)。したがって、事前示唆遊技演出89は、契機となった保留が消化されることによって終了する。
以上のように本実施形態の遊技機1は、遊技球が第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球することにより遊技データを取得する遊技データ取得部52と、遊技データ取得部52により取得された遊技データに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かを判定する特別遊技判定部53と、特別遊技判定部53による判定結果に基づいて、特別図柄を所定時間変動表示させてから当該判定結果を示す特別図柄を停止させた状態に表示させる図柄表示制御部54と、図柄表示制御部54により特別図柄が変動表示されているときに遊技データ取得部52によって遊技データが取得されると、当該遊技データを保留として記憶する保留記憶部60と、保留記憶部60に保留が記憶されることに伴い、当該保留が消化される前(特別遊技判定部53による判定が行われる前)に、当該保留として記憶された遊技データに基づいて特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定部75と、図柄表示制御部54により特別図柄が変動表示されているときに、画像表示器12などの各種演出手段に様々な遊技演出を行わせる演出制御基板33と、を備える構成である。そして本実施形態の遊技機1は、特に演出制御基板33が、特別遊技判定部53による判定結果に基づいて当該判定結果を示唆する示唆遊技演出を行わせる示唆演出制御部72と、示唆演出制御部72により示唆遊技演出が行われているときに保留記憶部60に遊技データが記憶された場合、当該遊技データに基づく事前判定部75による判定結果に応じて、当該遊技データが特別遊技判定部53によって判定されるまで、または、当該遊技データが特別遊技判定部53によって判定された後の所定のタイミングまでの所定期間において示唆演出制御部72による示唆遊技演出の進行を停止させる停止演出88を行うことが可能な停止演出制御部76と、を有する構成である。
このような構成の遊技機1によれば、事前判定の結果に基づいて停止演出88が行われると、その時点で行われている示唆遊技演出の進行が突然停止した状態となるため、示唆遊技演出の進行に注目している遊技者に対して気付きやすく、しかもインパクトを与えるような演出を行うことができるようになる。また本実施形態では、停止演出88が行われる際には、その停止演出88を行う契機となった保留に対応する保留表示を通常とは異なる表示態様に変化させて表示するため、停止演出88によってインパクトを受けた遊技者は、その後、保留表示を確認することにより、停止演出88と保留との関係を把握することができる。それ故、このような演出は、事前判定が行われたタイミングで、表示態様が変化している保留が大当たりに当選するかもしれないという期待感を遊技者に対して抱かせることができる演出となり、遊技機1の興趣性を向上させる演出である。
さらに本実施形態の上記構成によれば、停止演出制御部76が行う停止演出88は、図柄表示制御部54によって行われる複数回の特別図柄の変動表示に跨って行うことも可能である。すなわち、事前判定部75によって停止演出88を行うことが決定された保留に対応する遊技データが特別遊技判定部53によって判定される前に、複数の保留が消化されるような場合には、それら複数の保留を消化することによって行われる複数回の特別図柄の変動表示に跨って停止演出88が継続する。そのため、停止演出88が開始されることによって大当たりに当選するかもしれないという期待感を抱く遊技者に対し、特別図柄の変動表示が複数回行われる間、長期に亘ってその期待感を継続させることができる。
また本実施形態の遊技機1において、停止演出制御部76は、停止演出88を行うこととなった遊技データが事前判定部75によって特別遊技を行わないと判定された場合(はズレの場合)、事前判定部75によって特別遊技を行うと判定された場合(大当たりの場合)よりも高い頻度(高い確率)で、上述した所定期間が終了する前に、当該停止演出88を解除して早期に停止演出88を終了させる構成である。このような構成によれば、停止演出88が長く続けば続くほど、大当たりとなる期待度が高くなる。そのため、遊技者は、遊技機1において停止演出88が発動されると、その停止演出88が長時間継続することを期待するようになるため、停止演出88を長期に亘って継続させる程、遊技者の期待度を高揚させることができるようになり、遊技機1の興趣性を向上させることができる。
また本実施形態の遊技機1において、停止演出制御部76は、示唆演出制御部72により特定の示唆遊技演出が行われているときに保留記憶部60に遊技データが記憶された場合、停止演出88を行わない構成である。このような構成によれば、保留として遊技データが記憶された時点で行われている特定の示唆遊技演出が突然の停止演出88によって進行が停止しまうことを防止でき、特定の示唆遊技演出の進行に注目している遊技者の期待感を途切れさせてしまうことを防止できる。
また本実施形態の遊技機1は、演出制御基板33において、停止演出制御部76により停止演出88が行われた後に、事前判定部75によって特別遊技を行うと判定されたことを示唆する事前示唆遊技演出89を行うことが可能な事前示唆演出制御部78を更に有する構成である。このような構成によれば、停止演出88が行われた後の事前示唆遊技演出89においても遊技者の期待度を高揚させることができるため、遊技機1の興趣性を向上させることができる。
さらに本実施形態の遊技機1では、示唆演出制御部72により特定の示唆遊技演出が行われていることが原因となって停止演出88が行われない場合、事前示唆演出制御部78はその特定の示唆遊技演出の終了後に、事前示唆遊技演出89を行う構成である。そのため、停止演出88が行われない場合であっても、事前示唆遊技演出89を行うことが決定されていれば、その事前示唆遊技演出89を、特定の示唆遊技演出が行われた後に行うことができるため、その事前示唆遊技演出89により遊技者の期待度を高揚させることが可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、停止演出88が行われると、画像表示器12で表示される3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示がその進行を停止させる例を説明したが、これは単なる一例に過ぎない。すなわち、停止演出88は、上記実施形態で説明したものに限られない。例えばセンター役物11に第1の位置と第2の位置との間を進退可能な可動役物が設けられ、通常の演出では可動役物が第1の位置で待機しており、特定の演出が行われるときには可動役物を第2の位置に進出させることが可能な構成の場合、可動役物を第2の位置に進出させた状態のままで停止させるような停止演出88を行うようにしても良い。
また上記実施形態では、事前判定部75が演出制御基板33に設けられている場合を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、事前判定部75は、主制御基板30に設けられたものであっても構わない。また上記実施形態では、説明を簡単にするため、主として第1始動口13に遊技球が入賞したタイミングで事前判定が行われる場合を例に挙げたが、これに限られるものでもない。すなわち、事前判定部75は、第1始動口13へ遊技球が入賞したタイミングだけでなく、第2始動口14へ遊技球が入賞したタイミングにおいても上述した事前判定を行うことが可能である。
また上記実施形態では、特定演出制御部74によって行われる特定の示唆遊技演出の一例として、第1発展演出84の後に第2発展演出85が行われ、第2発展演出85の後に第3発展演出86が行われる場合を例示した。しかし、特定演出制御部74によって行われる特定の示唆遊技演出はそのような演出態様に限られるものではない。例えば、第2発展演出85は第1発展演出84を経由せずとも行われる演出であっても良いし、また第3発展演出85は第1発展演出84又は第2発展演出85を経由せずとも行われる演出であっても良い。