以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作に基づいて発射装置により打ち出される遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための球貯留部4が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向に回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えている。また枠ランプ7は、透明ガラス板2の左右両側にも設けられる。つまり、枠ランプ7は、透明ガラス板2を介して視認可能な遊技盤10の周囲を取り囲むように配置されており、遊技盤10で行われる演出と対応したパターンで点灯又は消灯することにより、遊技機1の全体での発光演出を行うものである。また遊技機1は、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側に、遊技の進行に伴って各種演出用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が時計回り方向に操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入賞すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。このセンター役物11には、遊技盤10のほぼ中央に位置するように配置されたカラー液晶ディスプレイなどの画像表示器12が設けられる。この画像表示器12は、遊技機1において遊技演出が行われるときに演出用の画像を表示するものである。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13,第2始動口14,第1大入賞口15,第2大入賞口16およびスルーゲート21といった公知の部材を備えている。またこの他にも、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の右側に設けられている。したがって、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の右側の遊技領域に進入する場合、そのような遊技球はスルーゲート21を通過する可能性がある。このスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が開始される。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。第1始動口13は、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなくセンター役物11の左側の遊技領域を流下する場合に入球する可能性がある位置に設けられる。つまり、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下するときには、第1始動口13に入球する可能性は極めて低くなる。また第2始動口14は、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下する場合に入球する可能性がある位置に設けられる。つまり、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなくセンター役物11の左側の遊技領域を流下するときには、第2始動口14に入球する可能性は極めて低くなる。
第2始動口14は、その左右に羽根状の開閉部材である電動チューリップ14aを備えており、電動チューリップ14aが左右に開放していれば遊技球が第2始動口14に入球し易い状態となる。この電動チューリップ14aは、通常状態において第2始動口14の入賞開口部を閉鎖しており、遊技球がスルーゲート21を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、そのときの遊技状態に応じて所定時間および所定回数左右方向へ開放する。したがって、電動チューリップ14aは、普通図柄抽選の結果に応じて第2始動口14の入賞開口部を開放することにより遊技球が第2始動口14に入球することを補助する補助部材である。なお、電動チューリップ14aの構造は必ずしも上述したように左右方向に開閉する構造に限られるものではなく、例えば遊技盤10の前後方向に進退して第2始動口14の入賞開口部を開閉するものであっても構わない。
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入賞した遊技球が図示を省略する始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定が行われる。遊技機1において特別遊技判定が行われると、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた遊技演出が開始される。例えば画像表示器12では、3つの装飾図柄12a、12b、12cを上下方向或いは左右方向に変動させる図柄変動演出が開始される。そして特別図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、図柄表示器22における特別図柄の変動表示およびセンター役物11における図柄変動演出が終了し、遊技者に対して特別遊技判定の結果が表示される。このとき表示される特別遊技判定の結果が大当たりなどの所定の当たりに当選したことを示すものであれば、遊技機1はその後、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。
ここで、遊技機1の仕様の一例を説明する。まず、遊技機1の特別遊技判定では、特別遊技へ移行させるか否かを判定する。そして、特別遊技へ移行させると判定した場合、次に特別遊技の種類を判定する。具体的には、まず特別遊技において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する回数(ラウンド数)と、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する時間(開放パターン)を決定する。すなわち、特別遊技では、第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかが択一的に開放されるため、特別遊技判定では第1大入賞口15又は第2大入賞口16を特別遊技中に開放する回数(ラウンド数)を決定するのである。また、各ラウンドにおいて開放状態が維持される時間に応じて、例えば30秒程度の比較的長い時間開放するよう設定されるラウンド(ロング開放ラウンド)と、0.2秒程度の極めて短い時間開放するラウンド(ショート開放ラウンド)とがあり、特別遊技判定では各ラウンドにおける開放時間(開放パターン)を決定する。
さらに、特別遊技判定では、特別遊技の種類として特別遊技が終了した後に設定する遊技状態を決定する。遊技状態を特定する要素として、特別遊技判定に当選する確率と、特別図柄の変動時間が挙げられる。まず特別遊技判定の当選確率についてみると、特別遊技判定に当選する確率が例えば1/68程度である高確率状態と、特別遊技判定に当選する確率が1/400程度である通常確率状態に分かれる。次に、特別図柄の変動時間についてみると、変動時間が比較的短い時短状態と、変動時間が時短状態に比べて長い非時短状態に分かれる。さらに、時短状態では、非時短状態に比べて普通図柄の変動時間が短く(例えば3秒程度)、また、チューリップ14aの開放時間が長く設定される(例えば3秒程度)。加えて時短状態では、非時短状態に比べて普通図柄抽選の当選確率が高い確率に設定される(例えば90%程度)。そのため、時短状態では、非時短状態に比べて特別図柄の変動時間が短いため特別遊技判定結果を早く表示すると共に、第2始動口14へ入球しやすい状態となるため、遊技者は遊技球を減らすことなく特別図柄を変動させることが可能となる。よって、時短状態は非時短状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえるのである。
遊技機1においてRAMクリア処理がされると、遊技状態は通常確率状態で且つ非時短状態に設定される(通常遊技状態ST1)。そして、特別遊技判定に当選すると、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放する特別遊技ST2に移行することになる。第1始動口13又は第2始動口14への入賞に基づくラウンド数及び開放パターンとして、ロング開放ラウンドが16回設定される場合(16ラウンド)、ロング開放ラウンドが4回設定される場合(4ラウンド)、或いはショート開放ラウンドが4回設定される場合(実質0ラウンド)などがある。実質0ラウンドとなるのは、ショート開放ラウンドにおける大入賞口の開放時間が極めて短いため、遊技者にとって特別遊技において賞球を得ることが極めて困難であるからである。そして、ラウンド数及び開放パターンに加え、特別遊技終了後の遊技状態として、例えば所定の変動表示回数(例えば100回)の間、高確率状態で且つ時短状態となる特定遊技状態ST4や、所定の変動表示回数(例えば100回)の間、通常確率状態で且つ時短状態となる時短遊技状態ST3や、或いは、通常確率状態で且つ非時短状態となる通常遊技状態ST1などに設定される。
以上より、特別遊技判定における当選パターンの一例として、16ラウンドで特定遊技状態ST4に設定される場合(16ラウンド確変)、4ラウンドで特定遊技状態ST4に設定される場合(4ラウンド確変)、実質0ラウンドで特定遊技状態STに設定される場合(実質0ラウンド確変(突然確変))、16ラウンドで時短遊技状態ST3に設定される場合(16ラウンド非確変)、4ラウンドで時短遊技状態ST3に設定される場合(4ラウンド非確変)、実質0ラウンドで時短遊技状態ST3に設定される場合(実質0ラウンド非確変(突然時短))などが挙げられる。遊技機1は、第1始動口13又は第2始動口14への入賞に基づく特別遊技判定において、各当選パターンに所定の当選割合で当選するよう設定する。
そして本実施形態において、例えば遊技機1は、第1始動口13への入賞に基づく特別遊技判定において当選した場合、16ラウンド確変が20%、4ラウンド確変が20%、実質0ラウンド確変(突然確変)が20%であり、16ラウンド非確変が20%で4ラウンド非確変が20%と設定する。また、遊技機1は、第2始動口14への入賞に基づく特別遊技判定において当選した場合、16ラウンド確変が60%、4ラウンド確変が20%、実質0ラウンド確変(突然確変)が20%と設定する。実質0ラウンド確変の場合、上述したとおり、特別遊技において遊技者は賞球を獲得するのが困難であるが、特別遊技終了後の遊技状態が特定遊技状態ST4に設定されることから、実質0ラウンド確変も遊技者にとって特に有利な遊技状態に含まれるのである。遊技機1が上記のような仕様による場合、特別遊技ST2が終了すると、遊技状態が特定遊技状態ST4又は時短遊技状態ST3に設定される。これにより、通常遊技状態ST1に比べて遊技者にとって有利な遊技状態が継続する。遊技状態の遷移についての詳細な説明は後ほど行う。
なお、図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。これに対し、画像表示器12などは、特別遊技判定の結果が大当たりなどの当たりであるか否かを遊技者が判別しやすい表示態様で表示する。それ故、遊技者は、特別遊技判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる図柄変動演出の結果などによって認識する。そして遊技者は、センター役物11で行われる様々な演出を視認しながら遊技を進行させるようになる。
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。第1大入賞口15は、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下する場合に入球する可能性がある位置に設けられる。つまり、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなく、センター役物11の左側の遊技領域を流下するときには、第1大入賞口15に入球する可能性はない。この第1大入賞口15は、通常、閉鎖された状態となっている。そして、遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを条件として行われる特別遊技判定において大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技(大当たり遊技)の予め定められた所定ラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放される。第1大入賞口15が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それにより遊技者は賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
ただし、第1大入賞口15が開放されるラウンドにおいて、第1大入賞口15の開放状態が維持される開放時間は、特別遊技判定において当選した当たりの種別に応じて定められ、例えば30秒程度の比較的長い時間に設定されるラウンド(ロング開放ラウンド)と、0.2秒程度の極めて短い時間に設定されるラウンド(ショート開放ラウンド)との2種類がある。そのため、遊技者が多くの賞球を獲得し得るラウンドはロング開放ラウンドであり、ショート開放ラウンドの場合は開放中の第1大入賞口15に遊技球を入賞させることが困難であり、賞球を獲得することが難しい。
第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。そのため、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下するときには、第2大入賞口16に対して入球する可能性があり、矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなく遊技球がセンター役物11の左側の遊技領域を流下するときには、第2大入賞口16に入球する可能性はない。この第2大入賞口16も、通常は閉鎖された状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを条件として行われる特別遊技判定において大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技(大当たり遊技)の予め定められた所定ラウンドにおいて、所定時間が経過するまでの間又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、第2大入賞口16が開放状態となる。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それにより遊技者は賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間を経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。なお、特別遊技では、第1大入賞口15および第2大入賞口16のいずれかが択一的に開放するラウンドが所定回数実行されるので、第1大入賞口15および第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する大当たり遊技は、遊技者に対して多くの賞球を獲得することができる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)である。
ただし、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド遊技が複数回行われる場合であっても、それら複数回の全てがショート開放ラウンドとなることもある。全ラウンドがショート開放ラウンドである場合、遊技者はその特別遊技中に賞球を獲得することが実質的に困難である。そのため、そのような特別遊技が行われる場合には、例えば、特別遊技の終了後の遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態ST4)へと移行させることにより、遊技者に有利な遊技価値を付与するように構成される。
第2大入賞口16が開放されるラウンドにおいて、第2大入賞口16の開放状態が維持される開放時間も、第1大入賞口15と同様、例えば30秒程度の比較的長い時間に設定されるラウンド(ロング開放ラウンド)と、0.2秒程度の極めて短い時間に設定されるラウンド(ショート開放ラウンド)との2種類がある。遊技者が多くの賞球を獲得し得るラウンドはロング開放ラウンドであり、ショート開放ラウンドの場合は開放中の第2大入賞口16に遊技球を入賞させることが困難であり賞球を獲得することが難しい。
また、遊技盤10の中央最下部にはいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出するアウト口23が設けられている。
図2は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部の動作を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図2に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35等で構成される。またサブ制御基板31には、図示を省略する発射制御基板も含まれる。発射制御基板は、遊技者によるハンドルレバー5の操作角度に応じて図示を省略する発射装置を動作させることにより、操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10に打ち出されるように制御する。
主制御基板30は、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、遊技球が第1始動口13に入賞したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口14に入賞したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート21を遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド45、第1大入賞口15に遊技球が入賞したことを検知する第1大入賞口スイッチ46、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド47、及び第2大入賞口16に遊技球が入賞したことを検知する第2大入賞口スイッチ48がそれぞれ接続されている。また、主制御基板30には図柄表示器22が接続されている。なお、図柄表示器22は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとを備えている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、第1大入賞口スイッチ46及び第2大入賞口スイッチ48のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されており、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は、普通図柄の抽選や、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行うように構成される。例えば遊技球がスルーゲート21を通過した場合、主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、その普通図柄抽選に当選すれば電チューソレノイド44を所定時間又は所定回数駆動させて電動チューリップ14aを開放させる。なお、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放すると、第2始動口14に対して遊技球が入賞し易い状態となるため、電動チューリップ14aが開放した状態は遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。
また主制御基板30は、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知して始動条件が成立した場合には、その入賞に基づく遊技データを取得して特別遊技判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別遊技判定の結果に応じた所定時間の演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドを送出する。
また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していない場合、主制御基板30は、その入賞に伴って取得した遊技データを記憶し、特別遊技判定や特別図柄の変動表示を一時的に保留する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留を消化して遊技データを読み出し、その読み出した遊技データに基づいて次の特別遊技判定を行うと共に、その特別遊技判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
また主制御基板30は、特別遊技判定において所定の当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その当たりの種別に応じた特別遊技を開始すると共に、その特別遊技中の各ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド45又は第2大入賞口ソレノイド47を択一的に開放状態へ駆動させることにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する。また、主制御基板30は、特別遊技を開始することに伴い、演出制御基板33に対してその特別遊技に対応した特別遊技演出を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30からの信号やコマンドに基づいて遊技機1で行う具体的な演出内容を決定する。そして演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、その決定した具体的な演出内容に基づく演出を実行する。つまり、演出制御基板33は、主制御基板30からの指示に基づき、遊技機1の全体で行う具体的な演出を決定すると共に、その実行を統括的に制御するものである。特に、主制御基板30によって特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板33は、その所定時間の間、特別遊技判定の結果を示唆するための示唆遊技演出の実行を制御する。例えば、演出制御基板33は、画像表示器12において3つの装飾図柄12a、12b、12cを変動させる図柄変動演出を行うことにより、特別遊技判定の結果が大当たりであるか否かを示唆する示唆遊技演出を行う。この示唆遊技演出では、通常の図柄変動演出から様々な演出に移行させて特別遊技判定の結果に応じた各種演出が行われることもある。そして示唆遊技演出では、特別図柄の変動表示が終了する所定時間経過後に、特別遊技判定の結果に応じた停止図柄で3つの装飾図柄12a、12b、12cを停止させた状態に表示することにより、特別遊技判定の結果を遊技者に報知する。
また演出制御基板33には操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、例えば示唆遊技演出などの各種演出を行っている状態で遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングになると、遊技者による操作ボタン6の操作を受け付け、操作ボタン6が操作されたことを検知した場合にはそのボタン操作に応じた演出を行うことが可能である。
さらに、主制御基板30により特別遊技が行われる場合、演出制御基板33は、特別遊技判定において当選した当たりの種類に応じた特別遊技演出の実行を制御する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて、主制御基板30で行われた特別遊技判定の結果に応じた示唆遊技演出を行うべく、装飾図柄12a、12b、12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出などの様々な演出に移行させて演出画像を表示することができる。VRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aは、演出制御基板33から受信するコマンドや信号に基づいて、VRAM34dに対する背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、操作演出画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、操作演出画像などを重畳的に表示することができる。画像制御基板34は、スピーカー8から各種の演出音を出力して音楽や効果音などを発生させるように構成されている。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、枠ランプ7を制御する。このランプ制御基板35は、演出制御基板33からの指示に基づいて、枠ランプ7などを含む各種のランプを点灯させる。
図3は、主制御基板30における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部60と、保留記憶部61と、特定遊技カウンタ68とが設けられる。遊技データ格納部60は、大当たり乱数や図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部60に格納される各種乱数は、それぞれ定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部により逐次更新される。そのため、遊技データ格納部60から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値が異なる値となる。大当たり乱数は、特別遊技判定において特別遊技へ移行させるか否かを判定するのに用いられる乱数である。図柄乱数は、特別遊技へ移行させると判定された場合に、特別遊技の種類を決定するのに用いられる乱数である。すなわち、主制御基板30は、図柄乱数に基づいて特別遊技終了後の遊技状態を、特定遊技状態ST4、時短遊技状態ST3、又は通常遊技状態ST1のいずれの遊技状態に設定するか判定するのである。リーチ乱数は、特別遊技判定においてハズレである場合に、演出制御基板33がリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動時間を設定するか否かを判定するのに用いられる乱数である。変動パターン乱数とは、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するのに用いられる乱数である。なお、遊技データ格納部60には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。保留記憶部61は、遊技データ取得部51により遊技データ格納部60から読み出された遊技データを所定の上限数まで保留しておくための記憶領域である。
主制御基板30のROM30bには、特別遊技判定テーブル62と、変動パターンテーブル63とが予め記憶されている。特別遊技判定テーブル62は、特別遊技判定を行うために参照されるテーブルである。この特別遊技判定テーブル62には、第1テーブル62aと第2テーブル62bとが含まれる。第1テーブル62aは、特別遊技判定において特別遊技を行うと判定される確率が通常確率であるときに参照されるテーブルである。第2テーブル62bは、特別遊技判定において特別遊技を行うと判定される確率、つまり大当たりとなる確率が通常確率よりも高い高確率状態のときに参照されるテーブルである。第1テーブル62aでは大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が定められており、第2テーブル62bでは大当たり乱数が大当たりとなる当選値として第1テーブル62aよりも多くの値が定められている。
変動パターンテーブル63は、主制御基板30において特別遊技判定が行われた場合に、特別図柄の変動表示に関する変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル63には、特別遊技判定の結果や特別遊技の種類に応じて参照されるテーブルや、リーチ乱数が所定の値を示す場合に参照されるテーブルなど、図示を省略する複数のテーブルが含まれる。また、時短状態又は非時短状態など現在の遊技状態に応じて異なるテーブルが参照される。一例として、非時短状態においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが選択される確率は10%程度であり、他方、時短状態においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが選択される確率は、非時短状態の場合においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが選択される確率に比べて低い。そして変動パターンテーブル63に含まれるそれら複数のテーブルは、いずれも変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が1対1で対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル63を参照すれば、特別遊技判定の結果やリーチ乱数の乱数値などに対応する特別図柄の変動時間を一義的に決定することができる。
このような変動パターンテーブル63は、特別遊技判定で大当たりであると判定されると、特別図柄の変動時間が例えば90秒以上などの比較的長い時間が決定されるように予め変動パターンが定められている。また、特別遊技判定でハズレであると判定された場合には、特別図柄の変動時間が例えば90秒未満の比較的短い時間が決定されるように変動パターンが予め定められている。ただし、特別遊技判定の結果がハズレであっても、リーチ乱数が所定の値を示すことにより、演出制御基板33においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが決定された場合には、大当たりの場合と同様、特別図柄の変動時間として例えば90秒以上などの比較的長い時間が決定されることがある。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の状態や動作を統括的に制御し、遊技を進行させる遊技制御部50として機能する。この遊技制御部50は、様々な処理部として機能するが、図3にはその一部の機能を例示する。すなわち、例えば遊技制御部50は、遊技機1の遊技状態を切り換えたり、遊技を進行させたりするために、遊技データ取得部51、特別遊技判定部52、特別図柄変動制御部53、特別遊技制御部54及び遊技状態設定部55として機能する。
遊技データ取得部51は、第1始動口スイッチ41および第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部60から大当たり乱数,図柄乱数,変動パターン乱数及びリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部51は、遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部61に格納する。保留記憶部61は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データを記憶する第1保留記憶部61aと、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データを記憶する第2保留記憶部61bとを有しており、第1始動口13への入賞により取得された遊技データと第2始動口14への入賞により取得された遊技データとを区別してそれぞれ所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部51は、第1始動口13への入賞により取得した遊技データを第1保留記憶部61aへ格納し、第2始動口14への入賞により取得した遊技データを第2保留記憶部61bへ格納する。なお、第1保留記憶部61a及び第2保留記憶部61bのそれぞれに既に上限数の遊技データが格納されている場合、遊技データ取得部51は、遊技データ格納部60から取得した遊技データを破棄し、遊技データを格納する処理を行わない。
特別遊技判定部52は、始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う処理部である。特別遊技判定部52は、特別遊技及び特別図柄の変動表示のいずれも実行中でないことを以て、特別遊技判定を行うための始動条件が成立したものとし、保留記憶部61に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づき特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて特別遊技判定テーブル62を参照し、当該大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように特別遊技判定テーブル62には第1テーブル62aと第2テーブル62bとがあり、特別遊技判定部52は、遊技データ読み出し時点の確率状態に応じて第1テーブル62a又は第2テーブル62bのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような特別遊技判定により、保留記憶部61から読み出した遊技データの当選又はハズレが確定する。なお、第1テーブル62aは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、第2テーブル62bは、第1テーブル62aよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
特別遊技判定部52は、大当たり乱数が当選値に一致していた場合、さらに遊技データに含まれる図柄乱数に基づき特別遊技の種類を判定する。すなわち特別遊技判定部52は、特別遊技判定において当選したと判定した場合、さらに特別遊技が終了した後の遊技状態を、例えば特定遊技状態ST4や時短遊技状態ST3に設定するなどの決定を行う。また、後述するように、特別遊技判定部52により判定された特別遊技の種類に応じて、特別遊技制御部54により大入賞口の開放時間、ラウンド数や開放パターンなどが決定される。つまり、特別遊技の種類によって、遊技者が特別遊技において獲得可能な賞球数が異なるのである。
特別遊技判定部52は、特別図柄変動制御部53によって特別図柄の変動表示が行われているときには、保留記憶部61からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、特別図柄変動制御部53によって行われている特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示を行うことが可能になったタイミングで、特別遊技判定部52は、保留記憶部61から次の遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。特別遊技判定部52は、第1保留記憶部61aに格納されている遊技データよりも、第2保留記憶部61bに格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行うよう構成される。また、特別遊技判定部52は、読み出した遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて、特別遊技終了後の遊技状態を決定する。すなわち、特別遊技判定部52は、特別遊技判定において大当たりであると判定した場合、さらに特別遊技状態が終了した後の遊技状態を決定し、特別遊技状態が終了した後に、遊技状態設定部55にその決定した遊技状態へと遊技状態を移行させる。
特別図柄変動制御部53は、特別遊技判定部52による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う処理部である。具体的には、特別図柄変動制御部53は、特別遊技判定部52によって特別遊技判定が行われると、その特別遊技判定の結果に基づき変動パターンテーブル63を参照し、特別図柄の変動時間を決定して特別図柄表示器22aにおいて行う特別図柄の変動表示を制御する。また、特別図柄変動制御部53は、特別図柄の変動時間を決定して特別図柄の変動表示を開始するとき、演出制御基板33に対して変動開始コマンドを送出する。この変動開始コマンドには、特別遊技の判定結果や特別遊技判定において当選する場合の特別遊技の種類、特別図柄の変動時間や停止図柄などに関する情報が含まれる。そのため、演出制御基板33は、特別図柄変動制御部53から送出される変動開始コマンドを受信すると、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示が行われている間、特別遊技判定の結果に対応した演出を行うことができるようになる。
特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52により特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う処理部である。すなわち特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52による特別遊技判定において所定の当たりに当選し、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行させることが決定された場合に機能する。特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52が図柄乱数に基づいて決定した特別遊技の種類に応じて、例えば第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放時間、ラウンド数や開放パターン、或いはエンディング時間などを決定する。そして特別遊技制御部54は特別遊技を開始する。特別遊技制御部54は、特別遊技を開始することに伴い、決定した開放パターンに基づいて複数ラウンドのうちの各ラウンドで第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを択一的に開放させることにより、特別遊技中において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放状態へ作動させる開放特別遊技を制御する。
遊技状態設定部55は、特別遊技終了後の遊技状態を設定する処理部である。特別遊技制御部54により決定された開放パターンに基づく第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放が終了すると、特別遊技制御部54はエンディングを行って特別遊技を終了させる。特別遊技が終了すると、遊技状態設定部55は、特別遊技判定部52により決定された特別遊技の種類に基づいて、遊技機1の遊技状態を所定の遊技状態へ移行させる。すなわち、特別遊技判定部52が図柄乱数に基づき特別遊技終了後の遊技状態を特定遊技状態ST4に設定すると判定した場合には、遊技状態設定部55は遊技状態を特定遊技状態ST4へ移行させる。他方、特別遊技判定部52が特別遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態ST3に設定すると判定した場合、遊技状態設定部55は遊技状態を時短遊技状態ST3へ移行させる。
図4は、遊技機1の遊技状態の遷移を示す図である。まず遊技機1に電源が投入され、RAMクリアが行われると、遊技機1は初期遊技状態として設定されている通常遊技状態ST1で起動する。通常遊技状態ST1は、特別遊技抽選に当選する確率が通常確率状態であり、しかも時短が設定されずに遊技を進行させる状態である。この通常遊技状態ST1では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が極めて短く、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性は低い。そのため、通常遊技状態ST1では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F1で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の左側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1始動口13に入賞させることを狙って遊技を行う。なお、電源投入の際にRAMクリアが行われない場合、電源供給停止時に主制御基板30のRAM30cに記憶されていた遊技データに基づいて遊技状態が設定される。そのため、RAMクリアが行われない場合、遊技機1は初期遊技状態ではなく電源供給停止時における遊技状態で起動する。
そして、通常遊技状態ST1において遊技球が第1始動口13へ入賞することによって大当たりが発生すると、遊技機1は大当たり遊技ST2を開始する。大当たり遊技ST2が開始されると、センター役物11の右側に配置された第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれが所定のラウンドで開放する。そのため遊技者は、遊技機1において大当たり遊技ST2が行われる間、ハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1大入賞口15又は第2大入賞口16に入賞させることを狙って遊技を行う。
所定のラウンド終了により特別遊技ST2が終了する。特別遊技ST2終了の後、特別遊技判定における決定に基づいて、遊技状態は時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4へ移行する。時短遊技状態ST3は、特別遊技判定に当選する確率が通常遊技状態ST1と同じ通常確率状態にて遊技を進行させる。もっとも、時短遊技状態ST3では、特別図柄の変動表示において非時短の遊技状態と比べて短い変動時間が設定される(例えば5秒程度)。また、普通図柄の変動表示においても、非時短の遊技状態の場合における変動時間(例えば30秒程度)と比べて短い変動時間(例えば3秒程度)が設定される。また、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間も長くなる。例えば、通常遊技状態ST1における電動チューリップ14aの開放時間が0.2秒程度の短い時間であるのに対し、時短遊技状態ST3における電動チューリップ14aの開放時間は3.5秒程度に設定される。さらに、普通図柄抽選に当選する確率についても、通常遊技状態ST1における当選確率が50%程度であるのに対して、時短遊技状態ST3における当選確率はこれより高く、90%程度である。そのため、通常遊技状態ST1と比較して時短遊技状態ST3では、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性が高まる。そのため、時短遊技状態ST3では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させると共に、第2始動口14に入賞させることを狙って遊技を進行させる。これにより、遊技球を頻繁に第2始動口14へ入賞させることができるため、大当たり遊技ST2で獲得した持ち玉をそれ程減らすことなく遊技を進行させることができると共に、大当たり判定を短時間で連続的に繰り返し行わせることができる。この時短遊技状態ST3は、例えば第2始動口14への入賞に伴う特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで継続し、所定回数が経過するまでに次の大当たりに当選しなかった場合には、通常遊技状態ST1へ戻る。
通常遊技状態ST1と時短遊技状態ST3とを対比すると、時短遊技状態ST3では上述のように遊技球が第2始動口14へ頻繁に入賞するため、特別遊技判定が行われる機会を通常遊技状態ST1よりも頻繁に獲得することができる。そのため、時短遊技状態ST3は、遊技者にとって通常遊技状態ST1よりも有利な遊技状態である。したがって、時短遊技状態ST3へ移行する前の特別遊技ST2において行われる特別遊技のラウンドが全てショート開放ラウンドであっても、特別遊技ST2の終了後に時短遊技状態ST3へ移行することにより、遊技者は通常遊技状態ST1よりも有利な遊技価値を獲得することができる。
他方、特定遊技状態ST4へ移行した場合、特定遊技状態ST4では、特別遊技判定に当選する確率が通常遊技状態ST1又は時短遊技状態ST3よりも高い高確率となる。この特定遊技状態ST4では、時短遊技状態ST3と同様、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が比較的長くなり、通常遊技状態ST1と比較して第2始動口14へ入賞する可能性が高くなる。また、第1始動口13又は第2始動口14へ入賞することにより行われる特別遊技判定の結果を表示する変動表示の時間が、通常遊技状態ST1の場合と比べて短く設定される。そのため、特定遊技状態ST4では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させると共に、第2始動口14に入賞させることを狙って遊技を進行させる。これにより、遊技球を頻繁に第2始動口14へ入賞させることができるため、特別遊技ST2で獲得した持ち玉をそれ程減らすことなく遊技を進行させることができると共に、大当たり判定を短時間で連続的に繰り返し行わせることができる。この特定遊技状態ST4は、例えば第2始動口14への入賞に伴う特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで継続する。すなわち、特別遊技判定結果に基づき、特別遊技ST2終了後に高確率状態及び時短状態が所定回数(例えば100回)の変動表示が行われるまで維持されるため、高確率状態で且つ時短状態となる特定遊技状態ST4が所定回数の変動表示が行われる間継続するのである。その所定回数が経過するまでに次の特別遊技判定に当選しなかった場合には、通常遊技状態ST1へ戻る。
時短遊技状態ST3と特定遊技状態ST4とを対比すると、特定遊技状態ST4では上述のように特別遊技判定において当選する確率が高確率となるため、遊技者は早期に特別遊技判定において当選する機会を獲得することができる。そのため、特定遊技状態ST4は、遊技者にとって時短遊技状態ST3よりも有利な遊技状態である。したがって、特定遊技状態ST4へ移行する前の特別遊技ST2におけるラウンドが全てショート開放ラウンドであっても、特別遊技ST2の終了後に特定遊技状態ST4へ移行することにより、遊技者は通常遊技状態ST1や時短遊技状態ST3よりも有利な遊技価値を獲得することができる。
図3に戻って、遊技状態設定部55は、遊技機1の遊技状態を例えば特定遊技状態ST4に設定する際に、RAM30cに格納される特定遊技カウンタ68に特定遊技状態ST4において行われる変動表示の回数(例えば100回)を初期値としてセットする。そして、特定遊技カウンタ68は、変動表示が行われる毎に値を1ずつ減じることにより、特定遊技状態ST4において行われる変動表示の残回数を計測する。
上記のような遊技状態の遷移に応じて、主制御基板30は、これら遊技状態の相互遷移を統括的に制御して遊技を進行させると共に、その遊技の進行に応じた演出を演出制御基板33に行わせる。例えば、通常遊技状態ST1から特別遊技ST2に移行する際に、主制御基板30は演出制御基板33に通常遊技状態ST1から特別遊技ST2へ移行することを報知する演出を行わせる。また主制御基板30は、特別遊技ST2が終了して時短遊技状態ST3に移行する場合、演出制御基板33に特別遊技ST2が終了し、時短遊技状態ST3へ移行することを示唆する演出を行わせる。例えば特別遊技ST2のエンディングにおいて時短遊技状態ST3へ移行することを示唆するメッセージ等を画像表示器12に表示してもよい。また、特別遊技ST2が終了して特定遊技状態ST4に移行する場合、例えば特別遊技ST2のエンディングにおいて「確変モード突入」というメッセージ等を画像表示器12に表示させることにより特定遊技状態ST4に移行することを示唆する演出を行わせる。
また、本実施形態において後述するように演出制御基板33は特定遊技状態ST4において行われる変動表示を複数回毎に分割し、それぞれ演出モードを設定して変動表示の際に各演出モードに対応する演出を演出装置に行わせる。一例として、演出モードごとに対戦型の演出を行うモードや、操作ボタン6等を操作する操作演出を実行するモードや、所定のストーリーを看取させる動画像を表示するモードを設ける。そこで、特定遊技カウンタ68にて計測する変動表示の残回数が演出モードの移行タイミングにおいて行われる変動表示を示す値となる場合に、主制御基板30は演出制御基板33に演出モードの移行を示唆するメッセージを表示するなど、遊技者に演出モードの移行を感知させる移行演出を行わせる。
次に、主制御基板30において行われる動作手順について説明する。図5は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図5に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、大入賞口処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、電チュー処理(ステップS110)、及び出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過し、再びタイマによる割込が発生することにより、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を開始する。以降このような処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、乱数更新部(図示せず)によって、RAM30cの遊技データ格納部60に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の値を更新する処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部51が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部60から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、上述の遊技データ取得部51が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部60から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、遊技データ取得部51がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄を抽選するために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば第1大入賞口スイッチ46など)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部52及び特別遊技制御部54による特別図柄の変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。大入賞口処理(ステップS108)では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開閉する特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、普通図柄変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。電チュー処理(ステップS110)では、電動チューリップ14aの開閉動作を制御する。また、出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33に対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。各基板に出力するコマンドやデータは、ステップS102からS110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされている。そのため、この出力処理ではRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の初期値が更新される。ステップS101からS111を実行した後の残余時間において、この初期値乱数更新処理を繰り返し実行することにより、各種乱数の初期値をその都度更新することができる。そして、この残余時間は遊技機1の動作状態に応じて長くなったり短くなったりするため、残余時間中における初期値乱数更新処理(ステップS112)の実行回数が毎回異なるものとなり、各種乱数の初期値の更新値を不規則な値にすることができる。それ故、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数の初期値が不明なため、遊技者は大当たり乱数が大当たりの当選値となるタイミングを知ることができず、ひいては不正を防止することが可能となる。
図6は、第1始動口スイッチ処理(図5のステップS102)及び第2始動口スイッチ処理(図5のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図6(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には遊技データを取得する条件が成立していないので第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、遊技データを取得する条件が成立するため、第1保留記憶部61aに記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13に入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部60から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を第1保留記憶部61aに格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数62によって、「大当たり」となるか又は「ハズレ」となるかが確定する。また、「大当たり」である場合、同時に読み出した図柄乱数63の値によってその特別遊技の種類が確定する。また、「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数65の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13に入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に、図6(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図5のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には、遊技データを取得する条件が成立していないので第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、遊技データを取得する条件が成立するため、第2保留記憶部61bに記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14に入賞したことによる大当たり抽選のための遊技データを遊技データ格納部60から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を第2保留記憶部61bに格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、またハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして、遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に図7は、ゲートスイッチ処理(図5のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ43がオンになっていない場合には、補助遊技データを取得する条件が成立していないため、ゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチ43がオンになっている場合には、補助遊技データを取得する条件が成立するため、補助遊技データの保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数が上限値未満の場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして、遊技球がスルーゲートを通過したことによる普通図柄抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値を、RAM30cに格納する(ステップS404)。なお、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
図8は、特別図柄処理(図5のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS501)。特別遊技中であれば(ステップS501でYES)、その特別遊技が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する。これに対して、特別遊技中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、第2保留記憶部61bにおいて最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2保留記憶部61bに記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、第1保留記憶部61aにおいて最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして、第1保留記憶部61aに記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)、始動条件である第1始動口13又は第2始動口14へ入賞したことによる保留がないことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに特別図柄処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく大当たり判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の遊技状態が高確率状態(特定遊技状態ST4)であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ通常確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして、主制御基板30は遊技者に有利な特別遊技として特別遊技を行うか否か判定するための特別遊技判定処理を実行する(ステップS514)。この特別遊技判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果に応じて特別図柄の変動表示を行う変動時間が決定される。なお、この大当たり判定処理の詳細については後述する。
主制御基板30は、特別遊技判定処理(ステップS514)を行った後、その特別遊技判定処理で決定された変動時間に対応する装飾図柄12a、12b、12cの変動演出(示唆遊技演出)を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS515)。そして主制御基板30は、特別遊技判定処理で決定された変動時間に基づいて特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは、特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が特別遊技判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている図柄変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を特別遊技判定の結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして、主制御基板30は停止中処理(ステップS522)を実行する。なお、停止中処理の詳細については後述する。
図9は、特別遊技判定処理(図8のステップS514)の詳細を示すフローチャートである。この処理を開始すると、主制御基板30は、ステップS512又はS513で選択したテーブルに基づき、遊技データに含まれる大当たり乱数が大当たりであるか否かの特別遊技判定を行う(ステップS541)。そして大当たりに当選していれば(ステップS542でYES)、図柄乱数に基づき大当たりの種類を判定する(ステップS543)。ここでは特別遊技におけるラウンド数や開放パターンを決定すると共に、当該特別遊技終了後の遊技状態を、通常確率状態で且つ時短状態となる時短遊技状態ST3に設定するか、或いは高確率状態で且つ時短状態となる特定遊技状態ST4に設定するかが判定される。大当たりの種類の判定を行う際には、判定対象となる図柄乱数が第1保留記憶部61aから読み出された乱数である場合と、第2保留記憶部61bから読み出された乱数である場合とで参照するテーブルが異なる。そのため、同じ図柄乱数であっても、第1保留記憶部61aから読み出された場合と、第2保留記憶部61bから読み出された場合とで異なる特別遊技の種類が判定されることもある。そして特別遊技の種類が確定すると、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄としてその特別遊技の種類に対応した特別図柄をセットする(ステップS544)。続いて主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から大当たり用変動パターンテーブルを参照し(ステップS545)、変動パターン乱数などに基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS546)。なお、参照される変動パターンテーブルは、特別遊技判定に当選したか否かに加えて、特別遊技判定に当選した場合に図柄乱数に基づき判定される特別遊技の種類に応じて選択される。
また特別遊技判定に当選していない場合(ステップS542でNO)、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後にハズレ図柄を停止図柄としてセットする(ステップS547)。そして現在の遊技状態が特定遊技状態ST4であるか否かを判断し(ステップS548)、特定遊技状態ST4である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から特定遊技用変動パターンテーブルを参照する(ステップS549)。なお、この場合に参照される変動パターンテーブルは、特別遊技判定においてハズレの場合に参照するテーブルである。次に、特定遊技状態ST4の残り変動回数SCを確認する。そして、残り変動回数SCが、演出制御基板33により演出モードが切り換えられるタイミングにおける変動表示を示す値(a)であるか否かを判定する(ステップS550)。すなわち、残り変動回数SCの値が(a)の場合、主制御基板30は演出制御基板33において移行演出を含む演出パターンを選択できるような変動時間に対応する変動パターンを選択する。例えば、特定遊技状態ST4における残り変動回数が70回である変動表示に伴って演出モードが移行する場合、(a)=70となるときに、主制御基板30は演出制御基板33が移行演出を含む演出パターンを選択可能な変動時間に対応する変動パターンを選択する。また、後述するように、本実施形態において特定遊技状態ST4における残り変動回数が5回となるときに、演出モードが移行する。そして、(a)=95となるときに、主制御基板30は演出制御基板33において移行演出を含む演出パターンを選択できるような変動時間に対応する変動パターンを選択する。そして、残り変動回数SC=(a)である場合(ステップS550でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33にて移行演出を含む演出パターンを選択可能な変動時間に対応する変動パターンを決定する(ステップS551)。他方、残り変動回数SC=(a)でない場合(ステップS550でNO)、主制御基板30は、演出制御基板33にて移行演出を含む演出パターンを選択可能な変動時間に比べて短い変動時間に対応する変動パターンを決定する(ステップS552)。
一方、現在の遊技状態が特定遊技状態ST4でなかった場合(ステップS548でNO)、時短遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS553)。時短遊技状態ST3である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から時短遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS554)、変動パターン乱数やリーチ乱数などに基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS555)。
さらに、時短遊技状態ST3でもなかった場合(ステップS553でNO)、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から通常遊技用変動パターンテーブルを参照すると共に(ステップS556)、保留記憶部61に記憶されている保留数(例えば第1保留記憶部61aに記憶されている保留数U1の値)を確認する(ステップS557)。そして主制御基板30は、変動パターン乱数とリーチ乱数と保留数とに基づいて通常遊技用変動パターンテーブルに定められている特別図柄の変動時間を決定する(ステップS558)。例えば、保留数が上限数に達している場合には、特別図柄の変動表示を効率的に消化していくようにするため、保留数が上限数に達していない場合よりも短い変動時間を決定する。例えば、リーチ乱数の値いかんにかかわらず、演出制御基板33においてリーチ演出を含む演出パターンを選択できない変動時間を決定する。以上で、大当たり判定処理(ステップS514)が終了する。
次に図10は、停止中処理(図8のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を特別遊技に移行させたり、時短遊技状態ST3を通常遊技状態ST1に移行させたり、特定遊技状態ST4を通常遊技状態ST1に移行させたりする処理を行う。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、特別遊技に移行する大当たりを発生させるか否かを判断し(ステップS571)、大当たり遊技を発生させる場合(ステップS571でYES)、その大当たりの種類に対応した大当たり遊技をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に大当たり遊技に対応した演出を行わせるための大当たり開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、大当たり遊技を開始する(ステップS574)。
また、主制御基板30は、大当たりを発生させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が特定遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、特定遊技状態ST4である場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、特定遊技状態ST4での残り変動回数SCの値を1減算する(ステップS576)。なお、この残り変動回数SCは、特別遊技ST2が終了して特定遊技状態ST4へ移行するときに所定値(例えば100)がセットされ、残り変動回数SCが0になると特定遊技状態ST4から通常遊技状態ST1に戻る。特別遊技判定結果に基づき、特別遊技ST2終了後に変動回数SCにセットされた回数の変動表示が行われる間、高確率状態及び時短状態がそれぞれ維持される。そして、SC=0となったとき、すなわちセットされた回数の変動表示が終了したとき、高確率状態及び時短状態が終了して、通常確率状態且つ非時短状態となる通常遊技状態ST1に移行するのである。主制御基板30は残り変動回数SCが0になったか否かを判断し(ステップS577)、0になっていれば(ステップS577でYES)それ以後の遊技状態を通常遊技状態ST1にセットする(ステップS578)。
さらに主制御基板30は、現在の遊技状態が特定遊技状態ST4でないと判断した場合(ステップS575でNO)、現在の遊技状態が時短遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS579)。その結果、時短遊技状態ST3である場合(ステップS579でYES)、主制御基板30は、時短遊技状態ST3での残り変動回数JCの値を1減算する(ステップS580)。なお、この残り変動回数JCは、大当たり遊技が終了して時短遊技状態ST3へ移行するときに所定値(例えば100)がセットされるものである。主制御基板30は、この残り変動回数JCの値を1減算した後、残り変動回数JCが0になったか否かを判断し(ステップS581)、0になっていれば(ステップS581でYES)それ以後の遊技状態を通常遊技状態ST1にセットする(ステップS582)。なお、現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であった場合(ステップS579でNO)、その後は特に何も行わない。以上で、停止中処理(ステップS522)が終了する。
次に図11及び12は大入賞口処理(図5のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別遊技となった場合の第1大入賞口15および第2大入賞口16の開閉動作が制御される。主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。特別遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開閉動作は行われないため、特別遊技処理を終了する。これに対し、特別遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図10)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。なお、停止中処理においてセットされた特別遊技(図10のステップS572)のオープニングは、特別遊技の種類(例えば、高確率状態へ移行させる場合や時短を設定する場合)に応じて異なり得るものであり、例えばオープニング時間が特別遊技の種類に応じて異なる。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので特別遊技処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、特別遊技の種別を確認して第1大入賞口15および第2大入賞口16の開放パターンを確認し(ステップS605)、今回のラウンドRにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間をセットした上で(ステップS606)、開放パターンに応じて第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する(ステップS607)。既に述べたように、例えばロング開放ラウンドにおいては約30秒間第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかを開放し、ショート開放ラウンドにおいては約0.2秒間第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかを2回開放する。ステップS607で第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放すると、主制御基板30は開放時間の計測を開始する。そして、主制御基板30は、ステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS608)、開放時間が経過していない場合(ステップS608でNO)、さらに開放中の大入賞口に対して所定の上限個数(例えば10個程度)の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS609)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS609でNO)には、開放中の大入賞口を閉鎖する必要がないため、特別遊技処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS608でYES)、又は開放中の大入賞口への入賞個数が上限値に達している場合(ステップS609でYES)には、主制御基板30は、現在開放中の第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS610)。そして、現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値であるか否かを判断する(ステップS611)。すなわち、特別遊技判定処理(図9)において図柄乱数に基づき特別遊技の種類を判定した際に(図9のステップS543)、特別遊技における大入賞口を開放するラウンド数が決定されている。主制御基板30は、現在のラウンド数Rが前記のとおり決定されたラウンド数(最終ラウンド)に達したか否かを判定するのである。最終ラウンドでない場合(ステップS611でNO)には特別遊技が継続するため、そのまま特別遊技処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、特別遊技を終了させるためのステップS612以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS612)、大当たり判定処理(図9)におけるステップS543での特別遊技の種類判定で、当該特別遊技終了後に特定遊技状態ST4に移行すると判定されたか否かを判断する(ステップS613)。特定遊技状態ST4に移行すると判断された場合(ステップS613でYES)、主制御基板30は、当該特別遊技終了後の遊技状態として特定遊技状態ST4をセットし(ステップS614)、特定遊技状態ST4での残り変動回数SCの値(例えば100)をセットする(ステップS615)。これに対し、特別遊技終了後に特定遊技状態ST4に移行しないと判断された場合(ステップS613でNO)、主制御基板30は当該特定遊技終了後の遊技状態として時短遊技状態ST3をセットし(ステップS616)、時短遊技状態ST3での残り変動回数JCの値を所定回数(例えば100回)にセットする(ステップS617)。
そして主制御基板30は、特別遊技のエンディングを開始してエンディングのための時間計測を開始し(ステップS618)、エンディング終了のタイミングであるか否かを判断する(ステップS619)。なお、オープニングと同様に、停止中処理においてセットされた特別遊技(図10のステップS572)のエンディングは、特別遊技の種類(例えば、高確率状態へ移行させる場合や時短を設定する場合)に応じて異なり得るものである。そして、エンディングでは特別遊技終了後の遊技状態の示唆などを行うため、特別遊技の種類に応じてエンディング時間が異なるのである。エンディングを開始してから所定時間が経過していない場合には、エンディングが未終了であると判断し(ステップS619でNO)、引き続きエンディングを継続するため特別遊技処理を終了する。またエンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS619でYES)、演出制御基板33に特別遊技のための演出を終了させるべく、特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS620)、特別遊技を終了する(ステップS621)。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図12のフローチャートに進み、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断する(ステップS651)。そして開放中である場合は(ステップS651でYES)、図11に示すステップS608以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が特別遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そしてエンディング中である場合(ステップS652でYES)、図11に示すステップS619以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS652でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(例えば2秒程度のインターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。そして、インターバル時間を経過していない場合には(ステップS653でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンドを実施すべく、図11に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような特別遊技処理により、遊技機1において特別遊技が開始されると、その特別遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させるラウンドが所定回数(例えば16ラウンド)行われる。
次に図13は、普通図柄処理(図5のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作中であることを示している。遊技機1において補助遊技が行われると、第2始動口14に遊技球が入賞し易くなるため、このような補助遊技もまた遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、主制御基板30は、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、主制御基板30は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄抽選の始動条件となるスルーゲート21への遊技球通過がないことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始することなく普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、最も先に記憶された保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして主制御基板30は、保留から読み出した普通図柄乱数が所定の当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選の当選確率は、時短が設定された遊技状態においては、例えば90%程度の高い確率に設定されているのに対し、時短が設定されていない遊技状態においては例えば50%程度であり、時短が設定されている場合に比べて低い当選確率に設定される。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、主制御基板30は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM30cにセットする(ステップS708)。また、普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS707でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM30cにセットする(ステップS709)。
そして主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判断し(ステップS710)、通常遊技状態ST1である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を長時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS711)。また現在の遊技状態が通常遊技状態ST1ではなく、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4のいずれかであると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を短時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS712)。そして主制御基板30は、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に基づき、普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測開始された変動時間が、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また、変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708またはS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより遊技状態は補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
次に図14は、補助遊技処理(図5のステップS110)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aは開放しないため、補助遊技処理を終了する。補助遊技中であった場合(ステップS801でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aが開放中であるか否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、さらに現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判断する(ステップS803)。そして通常遊技状態ST1である場合(ステップS803でYES)、主制御基板30は電動チューリップ14aの開放時間を短時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS804)。また通常遊技状態ST1ではなく、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4である場合(ステップS803でNO)、主制御基板30は電動チューリップ14aの開放時間を長時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS805)。そして主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放し(ステップS806)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS807)。一方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS804からS807の処理をスキップする。その後、主制御基板30は、ステップS804又はS805でセットされた開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間を経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放が継続されるので補助遊技処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS808でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aを閉鎖し(ステップS809)、補助遊技を終了させた後に(ステップS810)補助遊技処理を終了する。なお、電動チューリップ14aの開放時間の決定について、図例のように主制御基板30が通常遊技状態か否かを判定することにより決定する場合(ステップS804)のほか、普通図柄抽選の当選図柄において電動チューリップ14aの開放時間が長い(例えば3.5秒)図柄Aと、電動チューリップ14aの開放時間が短い(例えば0.2秒)図柄Bの2つの当選図柄を予め設定する。そして、通常遊技状態ST1における普通図柄抽選に当選した場合、図柄Aを選択する確率を0%とし、図柄Bを選択する確率を100%とし、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4における普通図柄抽選に当選した場合に、図柄Aを選択する確率を100%とし、図柄Bを選択する確率を0%とする。そうすると、通常遊技状態ST1において普通図柄抽選に当選した場合、必ず図柄Bが選択されるため電動チューリップ14aの開放時間は短くなる。他方、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4における普通図柄抽選に当選した場合、必ず図柄Aが選択されるため電動チューリップ14aの開放時間は長い。
次に、図15は、出力処理(図5のステップS111)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、主制御基板30からサブ制御基板31に対して各種データやコマンドなどが出力される。まず主制御基板30は、送信用遊技データがセットされている場合、それを演出制御基板33に送信する(ステップS901)。なお、送信用遊技データがセットされていなければ、ステップS901の送信処理は行われない。次に変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別図柄の変動時間に対応する図柄変動演出を行うことを指示する(ステップS902)。これにより、演出制御基板33によって装飾図柄12a、12b、12cを変動させる変動演出が開始される。なお、変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS902の送信処理は行われない。次に変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、演出制御基板33によって実行されている変動演出を停止させて特別遊技判定の結果が大当たりとなるものであるか否かを遊技者に報知させる指示を行う(ステップS903)。なお、変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS903の送信処理は行われない。次に特別遊技開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別遊技開始に伴う演出動作の開始を指示する(ステップS904)。このとき送信される特別遊技開始コマンドには、特別遊技後の遊技状態が時短遊技状態ST3と特定遊技状態ST4とのいずれであるかを示す情報が含まれる。なお、特別遊技開始コマンドがセットされていなければ、ステップS904の送信処理は行われない。次に特別遊技終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別遊技に対応した演出の終了を指示する(ステップS905)。なお、特別遊技終了コマンドがセットされていなければ、ステップS905の送信処理は行われない。次に、普通図柄変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、普通図柄変動演出を行うことを指示する(ステップS906)。なお、普通図柄変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS906の送信処理は行われない。そして最後にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33や払出制御基板32に送信することで、各部を制御する(ステップS907)。例えば遊技球が各種入賞口に入賞したことに伴う賞球コマンドはこのとき払出制御基板32に対して送信され、払出制御基板32によって賞球の払い出しが行われる。以上で出力処理が終了する。
以上のように、主制御基板30は、遊技球が第1始動口13又は第2始動口14に入賞することを条件として特別図柄の変動表示を開始すると共に、演出制御基板33に対してその特別図柄の変動表示に連動して各種の演出を実行させるように制御する。
次に、演出制御基板33の構成について説明する。図16は、演出制御基板33における機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板33は、上述したように主制御基板30から様々なコマンドを入力し、それぞれのコマンドに応じた演出を行う。また、演出制御基板33は、遊技者によって操作ボタン6が操作された場合に操作ボタン6から操作信号を入力し、遊技者のボタン操作に応じた演出を行うことが可能である。以下、このような演出制御基板33の構成及び動作につき、詳しく説明する。
図16に示すように、演出制御基板33のCPU33aは、変動開始コマンドの受信により演出パターンを決定する演出パターン決定部101と、主制御基板30から受信するコマンドや操作ボタン6の操作に応じた演出を画像表示器12や演出用ランプ等に行わせる演出制御部102と、操作ボタン6が操作されたことを検知する操作検知部103として機能する。なお、これとは異なり、ランプ制御基板35のCPU35aが、操作ボタン6が操作されたことを検知する操作検知部103として機能してもよい。
演出パターン決定部101は、特別遊技判定部52による特別遊技判定の結果に応じて特別図柄の変動表示時に行う演出パターンを決定する処理部である。演出制御基板33が主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、演出パターン決定部101はROM33bに予め保存される演出パターン105を読み出し、演出パターンを選択する。演出パターン決定部101は、演出制御基板33が変動開始コマンドを受信すると特別図柄の変動時間を確認し、当該コマンドにて特定される変動時間に応じた演出パターンを選択する。
例えば、特別遊技判定に当選した場合、演出パターン決定部101は操作演出を含む演出パターンを選択する。ここで操作演出とは、遊技者に対し操作手段を操作することを促し、遊技者により操作手段が操作された場合に、遊技者による操作を契機とした演出を行うことをいう。後述するように、操作演出では、遊技者による操作を有効に受け付ける所定の期間(以下、「操作受付有効期間」という)が設定されており、この期間内において操作手段に対する操作が検知された場合に、当該操作に対応する演出が行われる。図17は演出パターン決定部101により操作演出が設定される場合を時系列に沿って説明したタイミングチャートである。特別遊技判定における当選結果を表示する特別図柄変動がタイミングT1において開始し、タイミングT2において演出制御部102によりリーチ演出が行われると、同じくタイミングT2にて操作演出が開始し、タイミングT3まで継続して操作演出が行われる。そして、特別図柄変動がタイミングT4において終了し、特別遊技判定結果が報知されると、タイミングT4から特別遊技へ移行する。なお、図17(a)に示したタイミングとは異なり、操作演出はリーチ演出の開始タイミングT2より先のタイミングにて開始し、所定時間行われた後にタイミングT2より先のタイミングにて終了してもよい。図17(b)は、リーチ演出が行われない変動パターン又は演出パターンが選択された場合である。そして、操作演出は、リーチ演出の実行の有無とはかかわりなく、特別図柄変動開始タイミングT1から特別図柄変動終了タイミングT4までの間に、操作演出開始タイミングT2から終了タイミングT3まで行われることがある。また、図17(b)に示すように、特別遊技判定に当選せず特別遊技が行われない場合においても、操作演出は実行可能である。
演出制御部102は、演出パターン決定部101により決定される演出パターンに対応する演出を所定の演出手段に行わせる処理部である。演出制御部102は、演出パターン決定部101が選択した演出パターンに基づき、例えば画像表示器12に装飾図柄12a、12b、12cを変動させるなどの図柄変動演出を変動時間に応じて行わせる。
演出制御部102は、さらに操作演出を各演出手段に行わせる操作演出制御部110を備える。また、演出制御部102は、操作演出において画像表示器12に表示される操作示唆画像の表示画面上における位置を検知する画像位置検知部115をさらに備えてもよい。なお、本実施形態とは異なり、画像制御基板34のCPU34aが画像位置検知部115として機能してもよい。操作演出制御部110は、演出パターン決定部101により所定の演出パターンが決定された場合に、所定の期間において所定の操作手段に対する操作を受け付け、操作手段に対する操作が行われることに応じて演出を行わせる処理部である。操作演出制御部110は、演出パターン決定部101により操作演出を含む演出パターン105が選択された場合に、操作演出を各演出手段に行わせる。そして操作演出制御部110は、例えば操作ボタン6など操作手段に対する操作を受け付ける期間(以下、「操作受付有効期間」という)中、操作ボタン6などの操作手段に対する操作を受け付け、操作受付有効期間内に操作手段への操作を検知した場合、当該操作に応じた演出を演出手段に行わせるのである。なお、上記とは異なり、画像制御基板34によって操作手段に対する操作を受け付け、操作受付有効期間内に操作手段に対する操作を検知した場合に操作に応じた演出を演出手段に行わせてもよい。具体的な演出態様については後ほど説明する。
操作演出制御部110は、操作受付有効期間内に操作ボタン6などの操作手段に対して操作を行うことを促す操作指示画像P1を操作受付有効期間内の所定のタイミングにおいて画像表示器12など表示手段に同じ表示態様にて複数表示してもよい。図18は、操作指示画像P1の表示態様の一例を示す図である。操作演出制御部110は、操作演出が開始すると例えば図18(a)に示すように、画面G1において装飾図柄12a、12b、12cの周辺に操作ボタン6を模した操作指示画像P1を表示させる。操作指示画像P1が表示されることにより、遊技者に対し操作ボタン6を操作するよう促す。また、操作指示画像P1と共に、画像G1における装飾図柄の上方など所定位置に、操作受付有効期間を示すインジケータ表示P5を表示させる。そして、インジケータ表示P5に示す値が時間の経過に応じて減少し、操作受付有効期間終了時に最少値を示す。これにより、遊技者に対して操作受付有効期間がどの程度残っているのかを示す。また、操作演出制御部110は、図18(b)に示すように、装飾図柄12a、12b、12cの周辺に操作ボタン6を模した操作指示画像P1a、P1b、P1cを含む複数の操作指示画像P1を画面G1に表示する。また、操作指示画像P1と共に遊技者に対して操作ボタン6などの操作手段を操作することを促すメッセージを画像表示器12に表示してもよい。或いは、操作手段を操作することを促す音声によるメッセージをスピーカー8から出力させてもよい。さらに、操作指示画像の表示態様は操作手段を模した態様に限られるものではなく、例えば図18(c)に示すように操作演出制御部110は星形の操作指示画像P1を表示してもよい。操作指示画像P1が画面G1に表示されることにより、遊技者は、操作指示画像P1の指示の通り操作ボタン6を操作することにより当該変動における特別遊技判定の結果が大当たりであるのかどうかを示唆する画像や演出が表示されるであろうと推測可能である。そして、操作演出制御部110は、特別図柄変動後に表示される特別遊技判定結果において当選していることにつき期待度が低い場合に、図18(a)のように1つの操作指示画像P1を表示する。他方、図18(a)の例に比べて特別遊技判定において当選していることについての期待度が高い場合に、図18(b)の例のように複数の操作指示画像P1を画面G1に表示する。ここで期待度とは、特別図柄変動に伴い実行される演出パターンによって示唆される特別遊技判定に当選している可能性をいう。図例において表示される操作指示画像P1の期待度の高低は、主制御基板30から受信する変動開始コマンドに応じて選択される演出パターン105の選択割合により設定可能である。一例として、特別遊技判定において当選していない場合、1つの操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択される割合を、複数の操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択される割合より高く設定する。他方で、特別遊技判定において当選している場合、複数の操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択される割合を、1つの操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択される割合より高く設定する。すなわち、1つの操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択された場合には、複数の操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択された場合に比べて、特別遊技判定に当選していない可能性が高いといえるのであり、他方、複数の操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択された場合には、1つの操作指示画像P1を表示させる演出パターン105が選択された場合に比べて、特別遊技判定に当選している可能性が高いといえるのである。これにより、複数の操作指示画像P1が略同じ表示態様で画面G1に表示される場合、特別遊技判定に当選することに対する遊技者の期待感が高まるため、遊技の興趣性を高めることができる。
また、操作演出制御部110は、図18(b)の例のように複数の操作指示画像P1に応じて操作ボタン6などの操作手段に関する操作受付有効期間を示すひとつのインジケータ表示P5を画像表示器12に表示させると共に、インジケータ表示P5に示す値を時間の経過に応じて減少させてもよい。操作演出制御部110は、画像表示器12に表示される各操作指示画像P1に対応付けられたインジケータ表示P5を複数表示させてもよいし、複数の操作指示画像P1に対応付けられた1つのインジケータ表示P5を表示させてもよい。後者の場合、遊技者は、操作演出中に画像表示器12に表示されている1つのインジケータ表示P5を一瞥することにより、操作受付有効期間の残り時間を明確に把握することが可能となる。また、1つのインジケータ表示P5を画像表示器12に表示することにより、複数のインジケータ表示P5を表示する場合に比べて画像構成を簡素化することが可能となる。インジケータ表示P5の値が最大である状態にて画像表示器12に表示され、遊技者が操作ボタン6などの操作手段を有効に操作可能な期間が開始するとインジケータ表示P5の値が減少を開始し、操作手段を有効に操作可能な期間が終了するときにインジケータ表示P5で示される値が最少となる。操作演出制御部110は、インジケータ表示P5が示す値が最少となった後に、インジケータ表示P5を画像表示器12から消去する。操作演出制御部110は、インジケータ表示P5を、少なくとも操作演出における操作手段への操作を有効に受け付ける操作受付有効期間中において画像表示器12に表示されるのである。なお、操作演出制御部110がインジケータ表示P5を画像表示器12に表示させ、時間の経過に応じてインジケータ表示P5の示している値を減少させ、値が最少になった後にインジケータ表示P5を画像表示器12から消去するという処理は、画像制御基板34のCPU34aにおいて行ってもよい。複数の操作指示画像P1についての操作受付有効期間を示す一つのインジケータ表示P5を表示することにより、遊技者は複数の操作指示画像P1の指示どおりの操作をいつ行えばよいのか容易に認識できる。なお、図18の例の場合に比べて操作受付有効期間が長くなる場合に、インジケータ表示P5の目盛り方向のサイズを増加させ、図例の場合より長い操作受付有効期間を表示してもよい。或いは、インジケータ表示P5のサイズを変えるのではなく、時間経過に応じてインジケータ表示P5の値が減少するペースを緩和させるとしてもよい。また、操作受付有効期間が図例より短くなる場合、インジケータ表示P5の目盛り方向サイズを減少させ、或いは、サイズを減少させることなく、インジケータ表示P5の値が減少するペースを早めるとしてもよい。
図19は、操作演出が行われる場合に操作指示画像P1及びインジケータ表示P5の表示タイミングを示すタイミングチャートである。当該タイミングチャートにおける画像表示期間は、操作指示画像P1が画像表示器12の画面内に表示される期間を示す。画像表示期間の開始タイミングT2において、操作指示画像P1及びインジケータ表示P5が画像表示器12に表示される。そして、画像表示期間終了タイミングT3までの間に操作ボタン6に対する操作が検知されない場合、操作指示画像P1とインジケータ表示P5は画像表示器12に継続的に表示される。画像表示期間終了タイミングT3が到来すると、操作指示画像P1とインジケータ表示P5とが画像表示器12から消去される。次に、画像表示期間より一段下において、遊技者による操作ボタン6に対する操作を有効に受け付ける操作受付有効期間を示す。図例では、画像表示期間と操作受付有効期間が一致する。この場合、画像表示器12に操作指示画像P1とインジケータ表示P5が表示されるときに操作受付有効期間が開始し、インジケータ表示P5の値が減少し始める。図例とは異なり、操作指示画像P1とインジケータ表示P5とが画像表示器12に表示されたときから所定時間経過した後に操作受付有効期間が開始してもよい。この場合には画像表示期間が開始した後に操作受付有効期間が開始することになる。操作演出制御部110は、操作指示画像P1を画面G1に表示させると共に、操作受付有効期間内に操作ボタン6に対する操作が検知された場合に操作指示画像P1を消去する。そして、操作指示画像P1が消去されたことに応じて当該変動における特別遊技判定の結果を示唆する示唆画像P10a、P10b、P10cを含む示唆画像P10を表示させる。操作演出制御部110は、示唆画像P10を画像表示期間の間継続して表示させ、画像表示期間終了タイミングT3において示唆画像P10を消去してよい。図例では画像表示期間と操作受付有効期間とは同じである場合を示したが、操作受付有効期間が画像表示期間より短くともよい。インジケータ表示P5は、操作ボタン6に対する操作が検知されない場合、少なくとも操作受付有効期間が開始してから終了するまでの間、画像表示器12に表示される。操作指示画像P1は、操作ボタン6に対する有効な操作が検知されない場合、画像表示期間開始タイミングT2から終了タイミングT3まで画像表示器12に継続して表示される。
図例のように画像表示期間と操作受付有効期間とが一致する場合において、操作指示画像P1又は示唆画像P10と、インジケータ表示P5とは、それぞれの期間終了タイミングT3まで画像表示器12に継続して表示される。そして、タイミングT3が到来するまでに操作ボタン6に対する操作が検知されると、操作指示画像P1が画像表示器12から消去されると共に示唆画像P10が画像表示器12に表示される。すなわち、操作受付有効期間開始タイミングT2から操作受付有効期間終了タイミングT3までの間に操作ボタン6に対する操作が検知された場合、操作指示画像P1が画像表示器12から消去され、示唆画像P10が表示される。これにより、遊技者に対して特別遊技判定に当選したか否かを示唆する。なお、これとは異なり、タイミングT3が到来する直前に操作ボタン6に対する操作が検知された場合に、示唆画像P10を表示させることなく、タイミングT3において操作指示画像P1を画像表示器12から消去してもよい。すなわち、操作ボタン6に対する操作検知がタイミングT3が到来する直前(例えば0.1秒程度前など)である場合、操作指示画像P1を消去すると共に示唆画像P10を表示させる処理を行ったとしても、示唆画像P10が画像表示器12に表示されている時間が短すぎるため、遊技者が示唆画像P10の表示を認識できないことがある。そこでこのような場合には、操作ボタン6に対する操作が検知されても、示唆画像P10を表示させることなく、タイミングT3において画像表示器12に表示されている操作指示画像P1を消去してもよい。
なお、図例では操作受付有効期間と画像表示期間とは共に終了タイミングT3において表示を終了するが、これとは異なり、操作演出制御部110は、操作受付有効期間の終了タイミングを画像表示期間の終了タイミングT3より前のタイミングT5(図示せず)に設定することにより、操作受付有効期間内に操作ボタン6に対する操作が検知された場合に、操作指示画像P1を画像表示器12から消去すると共に、示唆画像P10を画像表示器12に表示させてもよい。この場合、操作受付有効期間の終了タイミングT5は、操作演出制御部110が操作指示画像P1を画像表示器12から消去して示唆画像P10を画像表示器12に表示させる処理を行うのに要する時間をタイミングT3から差し引いた時間より前の所定のタイミングである。これにより、遊技者に示唆画像P10を良好に認識させることが可能となる。なお、インジケータ表示P5は、操作受付有効期間の終了タイミングT5にて画像表示器12から消去してもよいし、画像表示期間の終了タイミングT3にて画像表示器12から消去してもよい。後者の場合、操作受付有効期間の終了タイミングT5から画像表示期間の終了タイミングT3までの間、インジケータ表示P5は、操作受付有効期間の残り時間が0であることを示す表示態様で画像表示器12に表示されているが、操作受付有効期間が終了しているため、操作ボタン6に対する操作が行われても有効に受け付けられない。
図20は、操作演出において遊技者により操作ボタン6が押下操作された場合に、操作指示画像P1及び示唆画像P10の表示態様を示すタイミングチャートである。図20において、操作ボタン6に対する1回の押下操作を検知すると、操作演出制御部110は操作指示画像P1a、P1b、P1cを同じタイミングt1にて消去すると共に、タイミングt1にて示唆画像P10a、P10b、P10cを表示する場合を例示する。タイミングT2において操作演出が開始すると、操作指示画像P1a、P1b、P1cを含む複数の操作指示画像P1が画像表示器12に表示される。操作指示画像P1a、P1b、P1cは、上述したように例えば操作ボタン6を模した画像などにより、互いに同じ表示態様にて表示される。画像表示期間T2からT3までの所定のタイミングt1において操作ボタン6に対する押下操作が行われたことを操作検知部103が検知すると、操作演出制御部110は、操作指示画像をタイミングt1にて消去する。そして、同じくタイミングt1にて、画像表示器12の画面内における操作指示画像が表示されていた位置に示唆画像を表示する。つまり、操作演出制御部110は、画像表示器12において操作指示画像P1aが表示されていた位置に示唆画像P10aを表示させ、操作指示画像P1bが表示されていた位置に示唆画像P10bを表示させ、操作指示画像P1cが表示されていた位置に示唆画像P10cを表示させる。示唆画像は、タイミングt1から画像表示期間終了タイミングであるタイミングT3までの間、画像表示器12に表示される。なお、上記とは異なり、画像制御基板34が操作指示画像P1を消去すると共に操作指示画像P1が表示されていた位置に示唆画像P10を表示する処理を行ってもよい。画像制御基板34は、操作ボタン6に対する操作が検知された場合に、画面内における操作指示画像P1が表示されていた位置に示唆画像P10を表示させた画像データを生成し、生成した画像データをVRAM34dに描き込むことにより、画面内における表示を操作指示画像P1から示唆画像P10に変化させてもよい。
画像位置検知部115は、操作検知部103により操作ボタン6に対する操作が行われたことを検知した場合に、操作指示画像の表示位置を検知する処理部である。画像位置検知部115は、図20のタイミングt1において操作が検知された場合に、例えばタイミングt1における操作指示画像P1a、P1b及びP1cを含む操作指示画像P1の表示位置を検知する。そして、操作演出制御部110は、画像位置検知部115により検知された操作指示画像P1の表示位置に基づき、例えば操作指示画像P1aに対応する示唆画像P10aをタイミングt1における操作指示画像P1aの表示位置に表示させる。同様に、操作演出制御部110は、操作指示画像P1bに対応する示唆画像P10bをタイミングt1における操作指示画像P1bの表示位置に表示させ、操作指示画像P1cに対応する示唆画像P10cをタイミングt1における操作指示画像P1cの表示位置に表示させる。この処理によると、遊技者による操作ボタン6に対する操作に基づいて操作指示画像P1a、P1b、P1cがそれぞれ示唆画像P10a、P10b、P10cに変化したように見える。すなわち遊技者は操作指示画像P1による指示のとおり操作を行うことにより、示唆画像P10を画面G1に表示させることができ、これにより特別遊技判定の結果を推測可能となり、大当たりへの期待感を抱くなど遊技の興趣性が高まる。
また、操作演出制御部110は、操作受付有効期間開始タイミングであるタイミングT2においてインジケータ表示P5を表示し、操作ボタン6に対する操作が検知されたことに応じてタイミングt1においてインジケータ表示P5を消去する。上述したようにインジケータ表示P5は遊技者に対して操作手段に対する操作を有効に受け付ける期間を示すものである。そして、図例のように操作ボタン6に対する操作が有効に検知されて操作指示画像P1a、P1b、P1cを含む全ての操作指示画像P1が消去されて示唆画像P10が表示された場合、操作が検知されたタイミングt1以降において操作ボタン6に対する操作が行われても有効に受け付けられない。そこで、操作演出制御部110はインジケータ表示P5を消去することにより、遊技者に対して未だ操作ボタン6に対する操作が有効に受け付けられるかのような誤解を与えることを防止するのである。
図21は図20に示すタイミングチャートに基づく操作演出が行われる場合の画面遷移の一例を示す図である。まず、図21(a)に示すように装飾図柄12a、12b、12cが完全に停止して特別遊技判定の結果を報知すると、図21(b)のように新たな遊技データに基づく特別図柄変動が開始する。そして、図21(c)のように左右両端の装飾図柄12a及び12cが同図柄にて仮停止することによりリーチが発生すると、操作演出が開始する(図20のタイミングT2)。図例において仮停止とは、装飾図柄が変動している状態から微動を継続しながら停止する状態に移行し、微動を継続しながらの停止状態を継続させることである。操作演出開始に応じて図21(d)に示すように操作指示画像P1a乃至P1hが装飾図柄周辺に表示される。操作指示画像P1a乃至P1hはいずれも略同一の操作ボタン6を模した画像であり、装飾図柄12a、12b、12cの視認性を阻害しない画面G1内の所定位置に表示されてもよい。操作指示画像P1a乃至P1hと共に画面G1内に最大値を示すインジケータ表示P5が表示される。インジケータ表示P5は1つであってもよい。また、図例におけるインジケータ表示P5の表示タイミングは操作指示画像P1a乃至P1hと同じ(図20のタイミングT2)であるが、これに限られず、操作ボタン6に対する操作受付有効期間開始時であってよい。操作演出が開始して画面G1内に操作指示画像P1a乃至P1hとインジケータ表示P5が表示され、操作受付有効期間が開始(図20のタイミングT2)すると、図21(e)に示すようにインジケータ表示P5の値が時間の経過に伴って減少する。操作受付有効期間内(図20のタイミングT2からT3までの間)の所定のタイミング(図20のタイミングt1)において操作ボタン6に対する押下操作が検知されると、図21(f)に示すように操作指示画像P1a乃至P1hが画面G1から消去される。そして、押下操作検知時における操作指示画像P1a乃至P1hの画面G1内における表示位置に、示唆画像P10a乃至P10hがそれぞれ表示される。示唆画像P10a乃至P10hは、操作指示画像P1a乃至P1hと同様に装飾図柄12a、12b、12cの視認性を阻害しない位置に表示されてもよい。なお、図21の例とは異なり、操作指示画像P1が画面G1に表示されるタイミングで装飾図柄12a、12b、12cが消去されてもよいし、装飾図柄12a、12b、12cが消去されて代わりに小図柄が画面G1の所定位置に表示されて変動を行ってもよい。或いは、操作指示画像P1が画面G1に表示された後に、操作指示画像P1を良好に視認できるように、演出制御部102は装飾図柄12a、12b、12cを縮小させた小図柄を、画面G1内における端部付近など所定位置に表示してもよい。本実施形態において小図柄とは、装飾図柄12a、12b、12cより小さいサイズの画像により構成される図柄であり、対応する各装飾図柄12a、12b、12cの状態を反映する図柄である。小図柄は、装飾図柄を単に所定サイズに縮小させた表示態様であってもよいし、装飾図柄の数字等により構成される図柄を除いた装飾部分を除去した表示態様であってもよい。小図柄は、例えば画面G1内における端部付近など、操作指示画像P1の視認性を妨げない位置に表示される。
図22のタイミングチャートは、図20とは異なる態様にて操作演出において装飾指示画像及び示唆画像が表示される場合を示すタイミングチャートである。操作演出が開始して画像表示期間が開始すると(タイミングT2)、操作指示画像P1a、P1b、P1cを含む操作指示画像P1とインジケータ表示P5が画面G1に表示される。また、図例では画像表示期間と同じタイミングで操作受付有効期間も開始する。操作受付有効期間内(タイミングT2からT3までの間)に操作ボタン6に対する押下操作が検知されると(タイミングt1)、操作演出制御部110は操作指示画像P1aを画面G1から消去する。また、操作指示画像P1aが消去される際に表示されていた位置に、示唆画像P10aをタイミングt1にて表示する。次に操作演出制御部110は、当該押下操作に基づき、操作指示画像P1aを消去したタイミングt1より後のタイミングt2において、操作指示画像P1bを画面G1から消去する。そして操作指示画像P1bが消去される際に表示されていた位置に、示唆画像P10bをタイミングt2にて表示する。タイミングt2は、例えばタイミングt1から0.5秒後程度のタイミングなど、遊技者にとって操作指示画像P1aが示唆画像P10aに変化し、これより僅かに遅れたタイミングで操作指示画像P1bが示唆画像P10bに変化したように見えるタイミングであればよい。次に操作演出制御部110は、タイミングt1にて検知された操作ボタン6に対する押下操作に基づき、操作指示画像P1bを消去したタイミングt2より後のタイミングt3において、操作指示画像P1cを画面G1から消去する。また操作演出制御部110は、操作指示画像P1cが消去される際に表示されていた位置に、示唆画像P10cをタイミングt3にて表示する。タイミングt3は、例えばタイミングt2から0.5秒後程度のタイミングなど、遊技者にとって操作指示画像P1bが示唆画像P10bに変化し、これより僅かに遅れたタイミングで操作指示画像P1cが示唆画像P10cに変化したように見えるタイミングであればよい。そうすると、遊技者には操作指示画像P1a、P1b、P1cが順に示唆画像P10a、P10b、P10cに変化したように見える。これにより、遊技者は各操作指示画像P1の変化態様を変化する順序に従って確認できるため、全ての操作指示画像P1が同じタイミングで示唆画像P10に一斉に変化する場合に比べて、期待感をより長く維持しつつ操作指示画像から示唆画像への変化を楽しむことができるのである。
図23及び24は、図22のタイミングチャートに基づく操作演出が行われる場合の画面遷移の一例を示す図である。図23(a)のように装飾図柄12a、12b、12cは停止して図柄を表示することにより、特別遊技判定の結果を報知する。その後、新たな遊技データに基づき特別図柄変動が開始すると、図23(b)のように装飾図柄12a、12b、12cは変動を開始する。所定期間装飾図柄12a、12b、12cの変動が継続した後に図23(c)のように左右両端の装飾図柄12a及び12cが仮停止するとリーチが開始する。リーチが開始した後に操作演出を行うタイミング(図22のタイミングT2)となると、図23(d)のように画像表示器12の画面G1内に略同じ表示態様の操作指示画像P1a乃至P1iが略同じタイミングで表示される。また、図例の場合、インジケータ表示P5も、操作指示画像P1a乃至P1iと略同じタイミングで最大値を示した状態で画面G1内に表示される。そして図23(e)に示すように操作受付期間が開始すると(図22のタイミングT2)インジケータ表示P5の値が時間の経過に応じて減少を開始する。そして操作受付有効期間内(図22のタイミングT2からT3の間)の所定タイミング(例えば図22のタイミングt1)にて操作ボタン6に対する押下操作が行われたことが検知されると、例えば図23(f)に示すように画面G1の下方に表示される操作指示画像P1a、P1d及びP1hが消去され、示唆画像P10a、P10d及びP10hが、操作指示画像P1a、P1d及びP1hが表示されていた位置にそれぞれ表示される。なお、操作指示画像P1a、P1d及びP1h以外の操作指示画像は画面G1に表示されたままである。なお、タイミングt1にて操作ボタン6に対する操作が検知されると、これに応じてインジケータ表示P5は画面G1から消去される。すなわち、操作ボタン6が1回操作されることに応じて全ての操作指示画像P1が消去されて示唆画像P10が表示されることから、操作ボタン6を1回操作した後にさらに操作しても後の操作については有効に受け付けられない。そこで、操作ボタン6に対する1回の操作を検知したことに応じてインジケータ表示P5を消去することにより、さらなる操作が有効に受け付けられるかのような誤解を遊技者に与えることを防止するのである。そしてタイミングt1より後のタイミングt2において図24(g)に示すように操作指示画像P1b及びP1fが消去され、それぞれ表示されていた位置に示唆画像P10b及びP10fが表示される。なお、図24(g)において操作指示画像P1c、P1e、P1g及びP1hは画面G1に表示されたままである。最後に、タイミングt2より後のタイミングt3において、図24(h)に示すように操作指示画像P1c、P1e、P1g及びP1iが消去され、それぞれ表示されていた位置に示唆画像P10c、P10e、P10g及びP10iが表示される。そして、図22のタイミングチャートにおける画像表示期間終了タイミングT3において、示唆画像P10a乃至P10iが画面G1から消去され、所定時間リーチ演出が行われた後に装飾図柄12bが完全に停止し、特別遊技判定の結果が報知される。
次に、示唆画像の表示態様について説明する。操作演出制御部110は、特別遊技判定部52により特別遊技状態へ移行させると判定されたことを示唆する期待度に対応する複数の表示態様のうち、一の表示態様を示唆画像の表示態様として選択する。図25は示唆画像の表示態様と期待度との関係を示す図である。図例では示唆画像の表示態様は方形、スペード状、およびハート状の3種類がある。そして、示唆画像が方形の表示態様で表示される場合、当該特別図柄変動において大当たりに当選している期待度は低く、示唆画像がスペード状の表示態様にて表示される場合、当該特別図柄変動において大当たりに当選している期待度は中程度であり、示唆画像がハート状の表示態様にて表示される場合、当該特別図柄変動において大当たりに当選している期待度は高い。各示唆画像により示唆される期待度の高低は、以下に説明するとおり、特別遊技判定の結果に応じて各示唆画像を表示させる演出パターン105が選択される割合に基づき、設定可能である。図26は特別図柄変動中に行われる演出において操作演出を含む演出パターンが選択された場合に、示唆画像の表示態様を判定する示唆画像判定テーブルの一例を示す表である。図例では特別遊技判定の結果がリーチを行わないリーチ無しハズレである場合、方形の表示態様が選択される確率が最も高く、これに比べてスペード状の表示態様が選択される確率は低く設定されている。また、リーチ無しハズレの場合にハート状の表示態様は選択されない。次に特別遊技判定の結果がリーチを行うリーチ有りハズレである場合、スペード状の表示態様が選択される確率が最も高く設定され、方形の表示態様又はハート状の表示態様が選択される確率は、スペード状の表示態様が選択される確率に比べて低く設定される。最後に特別遊技判定の結果が大当たりに当選している場合、ハート状の表示態様が選択される確率が最も高く、図例では70%程度の確率でハート状の表示態様が選択される。そして、ハート状の表示態様が選択される確率より低い確率でスペード状の表示態様が選択され、さらにスペード状の表示態様が選択される確率より低い確率で方形の表示態様が選択される。これにより、演出パターン決定部101により決定された演出パターンが操作演出を含む場合に、示唆画像が方形の表示態様にて表示されると、特別遊技判定に当選している可能性はスペード状又はハート状の表示態様にて表示される場合と比較して最も低いということになる。しかも、示唆画像が方形の表示態様にて表示される場合、リーチを行うことなくハズレの結果が表示される可能性が他の表示態様と比べて高いといえる。次いで示唆画像がスペード状の表示態様にて表示される場合、特別遊技判定に当選している可能性は、方形の表示態様にて表示される場合よりは高いが、ハート状の表示態様にて表示される場合より低い。最後に、示唆画像がハート状の表示態様にて表示される場合、特別遊技判定に当選している確率は他の表示態様にて表示される場合に比べて最も高い。或いは、図例とは異なり、リーチ無しハズレの場合に加えてリーチ有りハズレの場合にも、ハート状の表示態様が選択される確率をそれぞれ0%としてもよい。この場合、示唆画像がハート状の表示態様にて表示された場合には、特別遊技判定に当選していることが確実であると言える。よって、示唆画像が方形で表示される場合、特別遊技判定に当選する期待度は最も低く、スペード状で表示される場合、特別遊技判定に当選する期待度は中程度であり、ハート状で表示される場合、特別遊技判定に当選する期待度は最も高いのである。これにより、操作演出中に示唆画像P10が上記の何れかの態様により表示されると、遊技者は示唆画像P10の表示態様に応じて当該特別図柄変動において特別遊技判定に当選しているか否かにつき期待感を抱き、遊技の興趣性が高まる。
次に、演出制御基板33において行われる主たる動作手順につき説明する。図27は、演出制御基板33における主要動作の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33のCPU33aは、電源投入時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図27に示すフローチャートに基づく処理を繰り返し実行する。
演出制御基板33は、まず主制御基板30から遊技データを受信したか否かを判定し(ステップS1001)、遊技データを受信したと判定した場合(ステップS1001でYES)、遊技データ受信処理を行う(ステップS1002)。この遊技データ受信処理では、主制御基板30から受信した遊技データをRAM33cの所定の記憶領域に保存する。また、これに伴って演出制御基板33は、図18の例のように画像表示器12の左下端部近辺などの所定位置に当該遊技データに対応する保留表示100a及び100bを表示する。他方、遊技データを受信していないと判定した場合(ステップS1001でNO)、遊技データ受信処理をスキップする。次に、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1003)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1003でYES)、特別図柄変動に対応する図柄変動演出パターンを決定する演出パターン決定処理を行い(ステップS1004)、図柄変動演出を開始させる(ステップS1005)。演出パターン決定処理(ステップS1004)の具体的な処理手順については後述する。他方、主制御基板30から変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1003でNO)、ステップS1004及びS1005の処理をスキップする。次に、特別図柄変動中であるか否かを判定し(ステップS1006)、変動中であると判定した場合(ステップS1006でYES)にはさらに当該特別変動中において実行されている図柄変動演出において操作演出があるか否かを判定する(ステップS1007)。操作演出があると判定した場合(ステップS1007でYES)、操作演出の実行や終了を制御する操作演出処理を行う(ステップS1008)。操作演出処理の具体的な処理手順については後述する。他方、特別図柄変動中ではないと判定した場合(ステップS1006でNO)、又は図柄変動演出において操作演出がないと判定した場合(ステップS1007でNO)には操作演出処理(ステップS1008)をスキップする。
次に主制御基板30から図柄変動演出を終了させる変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1009)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1009でYES)、図柄変動演出を終了させる(ステップS1010)。これに対し変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1009でNO)、ステップS1010をスキップする。さらに上記以外のコマンド、例えば特別遊技開始コマンドや特別遊技終了コマンドなどを受信したか否かを判定し(ステップS1011)、受信したと判定した場合(ステップS1011でYES)には受信コマンドに応じた演出処理を行い(ステップS1012)、受信していないと判定した場合(ステップS1011でNO)には演出処理を行うことなくステップS1001に戻り、以下、ステップS1001からS1012を繰り返す。
図28は、演出パターン決定処理(図27のステップS1004)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、変動開始コマンドを受信すると、変動開始コマンドを解析して変動時間を確認する(ステップS1101)。次に、当該変動開始コマンドから特別遊技判定の結果が大当たりに当選したか否かを判定し(ステップS1102)、大当たりに当選したと判定した場合(ステップS1102でYES)、操作演出を含む図柄変動演出パターンを選択する(ステップS1103)。操作演出を含む図柄変動演出パターンを選択する際に、操作ボタン6が操作された場合に表示させる示唆画像の表示態様を決定する。
他方、変動開始コマンドの解析結果に基づき特別遊技判定において大当たりに当選していないと判定した場合(ステップS1102でNO)、当該変動開始コマンドから読み取られた変動パターンが、演出制御基板33にリーチ演出を含む演出パターンを選択させる変動パターンであるか否かを判定する(ステップS1104)。そして、変動開始コマンドから読み取られた変動パターンがリーチ演出を含む演出パターンを選択させる変動パターンである場合(ステップS1104でYES)、さらに操作演出を行うか否かを判定する(ステップS1105)。そして、操作演出を行うと判定した場合(ステップS1105でYES)、操作演出を含む図柄変動演出パターンを選択する(ステップS1106)。他方、操作演出を行わないと判定した場合(ステップS1105でNO)、操作演出を含まない図柄変動演出パターンを選択する(ステップS1107)。
これに対し、ステップS1104においてリーチ演出を含む演出パターンを選択させない変動パターンである場合(ステップS1104でNO)、さらに操作演出を行うか否かを判定する(ステップS1108)。操作演出を行うと判定した場合(ステップS1108でYES)、操作演出を含む図柄変動演出パターンを選択する(ステップS1109)。操作演出を行わないと判定した場合(ステップS1108でNO)、操作演出を含まない図柄変動演出パターンを選択する(ステップS1110)。最後に、図柄変動演出パターンが選択されると、選択した図柄変動演出パターンをセットし、画像制御基板34やランプ制御基板35に対して図柄変動演出を行わせるためのコマンドを送信する。
図29は、操作演出処理(図27のステップS1008)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、演出制御基板33は、実行中の図柄変動演出パターンにおいて画像表示期間中か否かを判定する(ステップS1201)。なお画像表示期間とは、図19に示すように操作指示画像及びインジケータを画面G1に表示する期間をいう。画像表示期間中でないと判定した場合(ステップS1201でNO)、次に画像表示期間が開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1202)。画像表示期間が開始するタイミングであると判定した場合(ステップS1202でYES)、操作指示画像を画面G1に表示させる(ステップS1203)と共に、インジケータ表示P5を画面G1に表示させる(ステップS1204)。インジケータ表示P5は、画面G1の所定位置に最大値を示した状態で表示される。他方、画像表示期間が開始するタイミングでないと判定した場合(ステップS1202でNO)、操作演出処理を終了させる。
演出制御基板33は、画像表示期間中であると判定した場合(ステップS1201でYES)、ステップS1202乃至S1204をスキップし、遊技者による操作ボタン6への操作を有効に受け付ける操作受付有効期間が開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1210)。操作受付有効期間が開始するタイミングであると判定した場合(ステップS1210でYES)、インジケータ表示P5の値の減少を開始させ、これによりインジケータ表示P5の値は時間の経過に応じて減少する。他方、操作受付有効期間が開始するタイミングではないと判定した場合(ステップS1210でNO)、ステップS1211の処理をスキップする。
次に、演出制御基板33は、遊技者による操作ボタン6への操作を検知したか否かを判定する(ステップS1212)。操作ボタン6への操作を検知したと判定した場合(ステップS1212でYES)、示唆画像表示処理を行う(ステップS1215)。示唆画像表示処理は、操作ボタン6への操作に応じて画面G1において操作指示画像P1を示唆画像P10に変化させる処理である。示唆画像表示処理の具体的な処理手順については後述する。他方、操作ボタン6に対する操作を検知しなかったと判定した場合(ステップS1212でNO)、示唆画像表示処理(ステップS1215)を行わない。最後に、実行中の図柄変動演出パターンにおいて画像表示期間が終了するタイミングであるか否かを判定し(ステップS1216)、画像表示期間が終了するタイミングであると判定した場合(ステップS1216でYES)、画面G1から所定の画像を消去して(ステップS1217)操作演出処理を終了する。画像表示期間が終了するタイミングになった場合すなわち操作演出が終了するタイミングとなった場合、画面G1上に表示されている操作指示画像P1、操作指示画像P1が表示されていた位置に表示されている示唆画像P10、或いはインジケータ表示P5が表示されている場合にはインジケータ表示P5も消去される。これら以外にも操作演出に応じて表示されている画像がある場合、いずれも消去される。他方、画像表示期間が終了するタイミングではないと判定した場合(S1216でNO)には、ステップS1217の処理を行うことなく操作演出処理を終了する。すなわち操作演出が引き続き行われ、操作指示画像P1、示唆画像P10等は引き続き画面G1に表示される。なお、本実施形態とは異なり、画像制御基板34が操作演出処理を実行してもよい。また、ステップS1212において操作ボタン6への操作を検知したか否か判定する処理について、ランプ制御基板35が実行してもよい。
図30は示唆画像表示処理(図29のステップS1215)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。遊技者による操作ボタン6に対する操作を検知した場合(図29のステップS1212でYES)、演出制御基板33は、実行中の図柄変動演出パターンにおいて操作受付有効期間中であるか否かを判定する(ステップS1301)。操作受付有効期間中でないと判定した場合(ステップS1301でNO)、操作ボタン6に対する操作は有効に受け付けられないため、示唆画像表示処理における以下の処理を行うことなく処理を終了する。
他方、操作受付有効期間中であると判定した場合(ステップS1301でYES)、示唆画像P10の表示態様を、例えば図26に示した示唆画像判定テーブルに基づいて決定する(ステップS1301)。次に、操作指示画像が表示されている位置を検知する(ステップS1302)。そして、操作指示画像P1を消去する(ステップS1303)と共にインジケータ表示P5を消去する(ステップS1304)。本実施形態では、操作ボタン6に対する操作が1回行われると当該操作に応じて全ての操作指示画像P1が消去され、替わって示唆画像が表示される。すなわち、当該操作が検知された後にさらに操作ボタン6を操作しても有効に受け付けられない。そこで、操作ボタン6に対する1回目の操作が有効に受け付けられた場合、インジケータ表示P5を画面G1から消去することにより、恰も操作ボタン6に対する操作を受け付けているかのような誤解を与えることを防ぐのである。
最後に、演出制御基板33は、操作指示画像P1が表示されていた位置にステップS1301において決定した表示態様の示唆画像P10を表示させて(ステップS1305)示唆画像表示処理を終了する。操作指示画像P1を消去すると共に、操作指示画像P1が表示されていた位置に示唆画像P10を表示させることにより、遊技者には、操作指示画像P1の指示のとおり操作ボタン6に対する操作を行った結果、操作指示画像P1が当該特別図柄変動における特別遊技判定の結果を示唆する示唆画像P10に変化したかのように見える。そうすると、遊技者は特別遊技判定結果を示唆する示唆画像P10を画面G1に表示させようと考えるため、操作指示画像P1が画面G1に表示されないか注意を払うようになる。よって遊技者の遊技に対する集中度を高めることが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、操作演出中に操作ボタン6に対する1回の操作が行われることに応じて、画像表示器12の画面G1に表示される複数の操作指示画像P1がそれぞれ示唆画像P10に変化する場合について説明した。次に第2実施形態では、複数の操作指示画像P1のうち、操作ボタン6に対する1回ずつの操作に応じて1つずつ操作指示画像P1が示唆画像P10に変化する場合について説明する。なお、本実施形態における構成等は、以下に説明がない限り第1実施形態における構成等と同じである。
図31は、操作演出が行われる場合における複数の操作指示画像P1の表示タイミング等の一例を示すタイミングチャートである。第1実施形態における図17に示すようにタイミングT2からT3まで操作演出が行われる場合に、操作演出開始タイミングであるT2にて複数の操作指示画像P1a、P1b及びP1cが画面G1に表示される。操作指示画像P1aはタイミングT2からタイミングt3までの間、画面G1に表示される。そして、本実施形態では操作指示画像毎に操作ボタン6に対する操作に応じて示唆画像P10aに変化させるため、操作指示画像P1aについてタイミングt1からt2までの間、操作ボタン6に対する操作を有効に受け付ける。すなわち、タイミングt1からt2までの所定のタイミングにおいて操作ボタン6に対する操作が検知された場合、操作演出制御部110は、操作指示画像P1aを消去して操作指示画像P1aを表示させていた位置に示唆画像P10aを表示させる。操作指示画像P1bは、タイミングT2にて画面G1に表示され、操作指示画像P1aが消去されるタイミングt3より後のタイミングt5まで継続して表示される。そして、例えばタイミングt2からt4までの間、操作ボタン6に対する操作を有効に受け付ける。つまり、タイミングt2からt4までの所定のタイミングにおいて操作ボタン6に対する操作が検知された場合、操作指示画像P1bが消去されると共に操作指示画像P1bが表示されていた位置に示唆画像P10bが表示される。操作指示画像P1cは、タイミングT2にて操作指示画像P1a及びP1bと共に画面G1に表示され、例えば操作演出の終了タイミングであるT3まで継続して表示される。そして、例えばタイミングt4からt6までの間において操作ボタン6に対する操作を有効に受け付ける。つまり、タイミングt4からt6までの所定のタイミングにおいて操作ボタン6に対する操作が検知された場合、操作演出制御部110は、操作指示画像P1cを消去して、操作指示画像P1cが表示されていた位置に示唆画像を表示させる。
操作指示画像P1aに関する操作受付有効期間と、操作指示画像P1bに関する操作受付有効期間と、操作指示画像P1cに関する操作受付有効期間は、互いに重なり合わない。つまり、いずれかの操作受付有効期間内に操作ボタン6に対する操作が検知された場合に、当該操作が行われた操作受付期間に対応する操作指示画像が画面G1から消去され、消去された操作指示画像が表示されていた位置に示唆画像が表示される。例えば、タイミングt1からt2までの所定のタイミングにて操作ボタン6に対する操作が検出された場合、操作指示画像P1aに関する操作受付有効期間内であるため、操作演出制御部110は当該操作受付有効期間に対応する操作指示画像P1aを消去し、操作指示画像P1aが表示されていた位置に示唆画像P10aを表示する。他方、操作指示画像P1b及びP1cについては操作受付有効期間内ではなく、これらは引き続きそれぞれの画像表示期間が終了するまで画面G1に継続して表示される。そうすると、遊技者は依然として画面G1に表示されている操作指示画像P1b及びP1cについても示唆画像P10に変化させるために操作ボタン6を操作することになり、操作演出における興趣性がより高まる。
本実施形態において、インジケータ表示P5は操作演出開始時であるタイミングT2において画面G1に表示され、操作演出が終了するタイミングT3まで継続して表示される。インジケータ表示P5は、最も早く開始する操作受付有効期間が開始した時点からその表示する値の減少を開始し、最も遅く終了する操作受付有効期間終了までの残り時間を報知する。図例では、インジケータ表示P5は、操作演出開始タイミングT2において最大値を示して表示される。そして、最も早く開始する操作指示画像P1aに関する操作受付有効期間の開始タイミングt1からその値の減少を開始し、最も遅く終了する操作指示画像P1cに関する操作受付有効期間終了タイミングt6にて最小値となるまでの間、時間の経過に応じて減少を継続する。タイミングt6においてインジケータ表示P5により示される値が最少値となり、タイミングt6から操作演出の終了タイミングT3までの間、インジケータ表示P5は最少値を示した状態で継続して表示される。そして、操作演出の終了タイミングT3においてインジケータ表示P5は画面G1から消去される。
次に、画面G1に表示される複数の操作指示画像のうち特定の操作指示画像に関する表示態様の変化について説明する。図32は、操作指示画像P1aに関する表示態様の変化の一例を示すタイミングチャートである。タイミングT2において操作演出が開始し、画像表示期間が開始すると、操作指示画像P1aは画面G1に表示される。そして、例えばタイミングT2より後のタイミングt1からt2までの間、操作受付有効期間として操作ボタン6に対する操作を有効に受け付ける。この操作受付有効期間内の所定のタイミングt8にて操作ボタン6に対する操作が検知された場合、操作演出制御部110は操作指示画像P1aをタイミングt8にて消去すると共に、同じくタイミングt8にて示唆画像P10aを表示させる。操作演出制御部110は、画像位置検知部115が検知したタイミングt8における操作指示画像P1aの表示位置に、示唆画像を表示させる。これにより、操作指示画像P1aが操作ボタン6の操作に応じて示唆画像P10aに変化したように見える。示唆画像P10aは操作指示画像P1aの画像表示期間終了タイミングt3まで継続して画面G1に表示される。
図33及び34は、図31及び32のタイミングチャートに沿った処理が行われる場合の画面遷移の一例を示す図である。まず図33(a)のように特別図柄変動終了により装飾図柄12a、12b、12cが停止して特別遊技判定結果が報知されると、図33(b)のように新たな遊技データに基づく特別図柄変動の開始に応じて装飾図柄が変動を開始する。そして変動中のタイミングT2において図33(c)のとおり装飾図柄12a及び12cが仮停止してリーチとなると、操作演出が開始する。そして図33(d)に示すように画面G1内の所定位置に操作指示画像P1a乃至P1gが表示されると共に、インジケータ表示P5が最大値を示した状態で所定位置に表示される。
次に、図33(e)に示すように操作指示画像P1a乃至P1gは、タイミングT2において表示された位置から矢印F10方向に移動を開始する。移動開始後にタイミングt1にて操作指示画像P1aに関する操作受付有効期間(タイミングt1からt2までの間)が開始すると、インジケータ表示P5の値は最大値から減少し始める。そして、当該操作受付有効期間中に操作が検知されると(図32のタイミングt8)操作指示画像P1aが消去される。そして、画像位置検知部115により検知されたタイミングt8における操作指示画像P1aの表示位置に示唆画像P10aが表示される。次に、タイミングt2にて操作指示画像P1bに関する操作受付有効期間が開始し、当該受付有効期間中に操作が検知されると、操作指示画像P1bが消去されると共に、操作指示画像P1bが消去された時点における表示位置に示唆画像P10bが表示される。操作指示画像P1bが消去された時点における表示位置は、画像位置検知部115により検知される。また、タイミングt4にて操作指示画像P1cに関する操作受付有効期間が開始し、当該受付有効期間中に操作ボタン6に対する操作が検知されると、操作指示画像P1cが消去されると共に、操作指示画像P1cが消去された時点における表示位置に示唆画像P10cが表示される。操作指示画像P1cが消去された時点における表示位置は、画像位置検知部115により検知される。そして、操作指示画像P1a、P1bおよびP1cに代わって画面G1に表示された示唆画像P10a、P10bおよびP10cは、F10方向へ移動し、図例ではそれぞれ画面G1の左端に到達するタイミングで画像表示期間が終了し、画面G1から消去される。
さらに図33(f)に示すように操作指示画像P1は移動を継続する。また、操作指示画像P1a乃至P1cについて説明したのと同様に、操作指示画像P1dの操作受付有効期間中に操作が検知されると操作指示画像P1dが消去されると共に、消去された時点における操作指示画像P1dの表示位置に示唆画像P10dが表示される。同様に、操作指示画像P1eの操作受付有効期間中に操作が検知されると操作指示画像P1eが消去されると共に、消去された時点の操作指示画像P1eの表示位置に示唆画像P10eが表示される。そして、図34(g)に示すように操作指示画像P1f及びP1gについても操作受付有効期間中における操作ボタン6に対する操作が検知された場合、それぞれ消去されると共に示唆画像P10f及びP10gが表示される。図例では画面G1に表示中の示唆画像P10e、P10f及びP10gは左方向へ移動し、画面G1の左端に到達すると順次画面G1から消去される。次に、図34(h)に示すように操作受付有効期間が終了すると(図31のタイミングt6)、インジケータ表示P5は最少値を示すことにより、操作受付有効期間が終了したことを遊技者に示唆する。図例では操作指示画像P10f及びP10gの一部が画面G1に表示されているが、操作受付有効期間が終了しているため、遊技者が操作ボタン6を操作しても示唆画像は画面G1に表示されない。さらに操作演出が終了すると(図31のタイミングT3)、操作指示画像P10fとP10g、及びインジケータ表示P5が画面G1から消去される。そして装飾図柄12bが所定時間変動を行った後に、図34(j)に示すように装飾図柄12a、12b、12cが停止し、特別遊技判定結果を報知する。本実施形態において、停止とは特別図柄変動が停止(終了)することと、装飾図柄変動が停止(終了)することをいう。装飾図柄が停止する場合、仮停止とは異なり、装飾図柄は変動を終了し、微動することなく所定の図柄を表示した状態で停止する。そして、装飾図柄変動が停止することにより、前述のように特別遊技判定結果が遊技者に対して報知されるのである。
図35は、図31に示した場合とは異なり、複数の操作指示画像P1が画面G1に異なるタイミングで順次表示され、それぞれ異なるタイミングで消去される場合におけるタイミングチャートの一例である。操作演出の開始タイミングT2において操作指示画像P1aの画像表示期間の開始タイミングとなり、操作演出制御部110は操作指示画像P1aを画面G1の所定位置に表示させる。そして、タイミングT2より後のタイミングt10において操作指示画像P1aに関する操作受付有効期間が開始し、タイミングt12までの間における操作ボタン6に対する操作を有効に受け付ける。また、タイミングT2において操作演出制御部110はインジケータ表示P5を画面G1の所定位置に最大値を示して表示させ、操作演出終了タイミングであるタイミングT3までインジケータ表示P5を継続して表示させる。次に、タイミングT2より後のタイミングt11において操作指示画像P1bの画像表示期間が開始すると、操作演出制御部110は操作指示画像P1bを画面G1の所定位置に表示させる。このとき、図例では画面G1には操作指示画像P1a及びP1bが共に表示される。タイミングt11より後のタイミングt12から操作指示画像P1bに対する操作受付有効期間が開始し、タイミングt14までの間、操作ボタン6に対する操作に応じて操作指示画像P1bを示唆画像P10bに変化させる。さらに、操作指示画像P1bの画像表示期間開始タイミングt11より後のタイミングt13から操作指示画像P1cの画像表示期間が開始し、操作指示画像P1cが画面G1の所定位置に表示される。なお、図例ではタイミングt13からt15までの間、画面G1には操作指示画像P1b及びP1cが共に表示される状態が継続する。インジケータ表示P5は、最も早く開始する操作指示画像P1aに関する操作受付有効期間の開始タイミングt10からその値の減少を開始し、最も遅く終了する操作指示画像P1cに関する操作受付有効期間の終了タイミングt16に最少値となるまでの間、時間の経過に応じて減少を継続する。タイミングt16においてインジケータ表示P5の示す値が最少値となり、操作演出の終了タイミングT3までの間、インジケータ表示P5は最少値を示した状態で継続して画面G1に表示される。そして、タイミングT3においてインジケータ表示P5は画面G1から消去される。
図36及び図37は、図35に示したタイミングチャートに基づく操作演出が行われる場合の画面変遷の一例を示す図である。図36(a)は、特別図柄変動が終了したことに伴い、装飾図柄12a、12b、12cが停止して特別遊技判定の結果を報知した状態を示す。続いて図36(b)に示すように新たな遊技データに基づく特別図柄変動が開始すると、装飾図柄12a、12b、12cは変動を開始する。所定時間の間、変動を行った後に図36(c)に示すように装飾図柄12a及び12cが仮停止してリーチが発生し、さらに図35に示すタイミングチャートのタイミングT2において操作演出が開始する。操作演出が開始すると、図36(d)に示すように画面G1右端部から操作指示画像P1a、P1b、P1cが順次出現し、矢印F10方向に移動する。操作指示画像P1a、P1b及びP1cの表示開始タイミングは各々異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、図35のタイミングチャートによると、インジケータ表示P5は操作演出開始タイミングT2にて、画面G1の所定位置に最大値を示した状態で表示される。なお、これとは異なり、インジケータ表示P5は、最初の操作受付有効期間が開始する(図35のタイミングt10)までの所定タイミングにおいて画面G1に表示されてもよい。
そして、最初の操作受付有効期間が開始すると(図35のタイミングt10)、図36(e)に示すようにインジケータ表示P5の値が減少し始める。操作指示画像P1a、P1b及びP1cは矢印F10方向に移動を継続すると共に、画面G1の右端部から新たに操作指示画像P1d乃至P1hが順次出現し、矢印F10方向に移動する。そして、例えば操作指示画像P1a、P1b、P1c及びP1dに関する操作受付有効期間中に操作ボタン6に対する操作が検知されると、図36(f)のように操作指示画像P1aからP1dが消去されると共に、操作指示画像P1aからP1dがそれぞれ消去されたタイミングにおいて示唆画像P10aからP10dが表示される。示唆画像P10aからP10dが表示される位置は、操作指示画像P1aからP1dが消去される時点において表示されていた位置と略同じ位置である。これにより画面G1において操作指示画像P1a乃至P1dがそれぞれP10a乃至P10dに変化したように見える。
さらに図37(g)では複数の操作指示画像P1及び示唆画像P10が画面G1上を左方向へ移動を継続する。そして、操作指示画像P1e及びP1gに関する操作受付有効期間中において操作ボタン6に対する操作を検知すると、操作指示画像P1e及びP1gがそれぞれ消去されると共に、操作指示画像P1e及びP1gが消去された時点における位置に、示唆画像P10e及びP10gがそれぞれ表示される。また、インジケータ表示P5は時間の経過に伴い値を減少させて操作受付有効期間の残り時間を報知する。インジケータ表示P5は操作演出中、画面G1上に表示され、操作演出終了タイミングT3にて消去される。なお、図37(g)において、仮に操作ボタン6への操作に応じて操作指示画像P1f及びP1hがそれぞれ消去され、代わりに示唆画像が表示される場合、操作指示画像P1f及びP1hが消去されるとインジケータ表示P5も消去されるとしてよい。操作ボタン6に対する操作が有効に受け付けられる期間の残りを示すインジケータ表示P5が画面G1から消去されることにより、遊技者は操作ボタン6に対する操作が以降は有効に受け付けられなくなったことを推認可能となる。
操作指示画像及び示唆画像は左方向への移動を継続し、画面G1の左端に到達すると画面G1から消去される。そして、操作演出終了タイミングT3において、図37(h)のように画面G1は操作指示画像又は示唆画像が表示されていない状態となる。画面G1においてリーチ演出がリーチ演出終了タイミングまで行われる。最後に、図37(i)に示すように、装飾図柄12bが停止することにより特別遊技判定の結果を報知する。
(その他の実施形態)
上記第1実施形態及び第2実施形態において、特別遊技判定の結果に基づく乱数抽選により示唆画像P10の表示態様が決定される場合につき説明した。これらの実施形態とは異なり、乱数抽選の結果と操作ボタン6が操作されたタイミングに基づいて示唆画像P10の表示態様が決定される場合につき、以下説明する。図38は、操作ボタン6に対する操作が検知されたタイミングに基づき示唆画像P10の表示態様を決定する示唆画像判定テーブルの一例である。図例の示唆画像判定テーブルにおいて、図25に示した示唆画像P10の表示態様がパターン毎に所定順序に基づいて配列される。そして、図39の例に示すように、操作受付有効期間において期間1乃至3を設定し、配列順序に応じて各期間において操作を検知した場合に選択される示唆画像の表示態様が特定される。図39の例では、操作受付有効期間が開始するタイミングt1から所定時間が経過した後のタイミングt2までの期間1において操作が検知された場合、示唆画像P10の表示態様として方形状が選択される。また、タイミングt2から所定時間が経過した後のタイミングt3までの期間2において操作が検知された場合、示唆画像P10の表示態様としてハート状が選択される。最後に、タイミングt3から操作受付有効期間が終了するタイミングt4までの期間3において操作が検知された場合、示唆画像P10の表示態様としてスペード状が選択される。操作演出制御部110は、操作受付有効期間内において操作を検知したタイミングがいずれの期間内であるかを判定し、示唆画像の表示態様を決定する。
次に、操作演出制御部110は乱数抽選結果に基づく示唆画像の表示態様を参照し、操作タイミングに応じて決定した表示態様(以下、「選択表示態様」という)と乱数抽選結果に基づく表示態様(以下、「抽選表示態様」という)とが同じである場合に、操作タイミングに応じて決定した表示態様に確定させる。確定された表示態様を以下、「確定表示態様」という。これとは異なり、選択表示態様と確定表示態様とが異なる場合がある。すなわち、図38の例に示すように、パターン1の配列順序において操作ボタン6に対する操作検知タイミングが期間2内であり、かつ抽選表示態様が方形状である場合、選択表示態様となるハート状を確定表示態様とすると、本来であれば期待度の低い方形状が表示されるはずであったにもかかわらず、期待度の高いハート状が表示されることとなり、乱数抽選結果より過剰な期待を持たせてしまい、結果的に遊技者を落胆させるので遊技の興趣性を著しく減退させてしまう。そこで、配列順序に基づき選択表示態様に隣接する別の表示態様を確定表示態様とすることにより、乱数抽選結果に比べて過剰な期待を遊技者に持たせることを防止する。上記の例では、確定表示態様をハート状ではなくスペード状に設定することにより、乱数抽選結果に基づく抽選表示態様と確定表示態様との期待度に大きく差異が生じないようにできる。
なお、本実施形態において、操作ボタン6に対する1回の操作が検知された場合、操作演出制御部110は、1つの操作指示画像P1を消去すると共に、1つの示唆画像P10を表示させる処理を行う例を示した。しかしこれとは異なり、操作演出制御部110は、操作ボタン6に対する1回の操作に基づき、操作受付有効期間内にある複数の操作指示画像P1を消去すると共に、複数の示唆画像P10を表示させる処理を行ってもよい。或いは、操作演出制御部110は、操作受付有効期間終了の直前(例えば操作受付有効期間終了タイミングが到来する0.1秒前程度など)において、操作ボタン6に対する1回の操作が検知された場合に複数の操作指示画像P1を消去して複数の示唆画像P10を表示させてもよい。さらに上記の例とは異なり、操作演出制御部110は、上記のような操作受付有効期間終了の直前に操作ボタン6に対する1回の操作が検知された場合、操作受付有効期間中にある全ての操作指示画像P1を消去し、消去した操作指示画像P1の表示位置に示唆画像P10を表示させてもよい。これにより、より多くの操作指示画像P1を消去して示唆画像P10を表示させることが可能となる。
(変形例)
上記の第1実施形態、第2実施形態及びその他の実施形態において説明した場合に加え、本発明は以下に示す変形例も含む。
上記の実施形態において複数の操作指示画像P1が消去されて示唆画像P10が表示される場合、示唆画像P10の表示態様はいずれも同じである場合について説明した。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、示唆画像P10の表示態様はそれぞれ相違してもよい。
上記の実施形態において、複数の操作指示画像P1の操作受付有効期間を示す1つのインジケータ表示P5を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作指示画像P1毎に対応するインジケータ表示P5を表示してもよい。すなわち、各操作指示画像P1の操作受付有効期間がそれぞれ異なる場合に、操作指示画像P1毎に対応するインジケータ表示P5を表示させ、それぞれ操作受付有効期間の残り時間を報知してもよい。
上記の実施形態において、示唆画像の表示態様として方形状、スペード状又はハート状の態様を例示したが、本発明において示唆画像の表示態様はこれらに限定されるものではなく、例えば人や動物その他のキャラクタを用いてもよく、その他有体物やシンボル等いかなる態様を用いてもよい。
上記の実施形態において、操作指示画像P1又は示唆画像P10は装飾図柄12a、12b、12cの視認性を妨げない位置に表示する例を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、操作指示画像P1又は示唆画像P10を画像表示器12の画面G1内における所定位置に表示可能である。
また、本発明は、以下に示す発明を含む。
始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う変動表示制御手段と、
前記特別遊技判定の結果に応じて特別図柄の変動表示時に行う演出パターンを決定する演出パターン決定手段と、
前記演出パターン決定手段により決定される演出パターンに対応する演出を所定の演出手段に行わせる演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出パターン決定手段により所定の演出パターンが決定された場合に、所定の期間において所定の操作手段に対する操作を受け付け、前記操作手段に対する操作が行われることに応じて所定の演出を行わせる操作演出制御手段、
をさらに備え、
前記操作演出制御手段は、
前記所定の期間内に前記操作手段に対して操作を行うことを促す第1画像を表示させると共に、前記第1画像に応じて前記操作手段に対する操作が行われた場合に、当該操作に応じて前記第1画像を前記第1画像とは異なる第2画像に変化させて当該第2画像を前記第1画像が表示された位置と同じ位置に表示させ、
前記特別遊技判定手段により特別遊技状態へ移行させると判定された期待度に対応する複数の表示態様のうちから一の表示態様を前記第2画像の表示態様として選択することを特徴とする遊技機。
なお上記の実施形態では、特別遊技判定における図柄乱数に基づいて、特別遊技終了後に行われる特別遊技判定にて特別遊技に移行させると判定される確率を通常確率に比べて高い高確率に設定するか、又は通常確率に設定するかを決定する場合を説明した。しかし、本発明はこのような態様に限られるものではなく、第2大入賞口16の入賞領域にVゲート18を設け、このVゲート18を遊技球が通過すると、その後の特別遊技判定において特別遊技に移行させると判定される確率を高確率に設定してもよい。このように、Vゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて、その後の特別遊技判定において特別遊技に移行させると判定される確率を高確率又は通常確率に設定することにより、遊技者による遊技球の発射操作に応じて遊技球がVゲート18を通過することにより高確率に設定されるため、遊技者に達成感や充実感を与え、遊技の興趣性をより一層高めることができる。
図40は、第2大入賞口16が開放状態のとき、第2大入賞口16に入球した遊技球が転動する転動領域17について説明する図である。この転動領域17の下部には、例えば図40(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図40(a)に示すように閉状態であるとき、遊技盤10に打ち出された遊技球B1は、転動領域17に進入することはない。これに対して図40(b)に示すように、第2大入賞口16が開状態であるときに遊技盤10に打ち出された遊技球B2は、第2大入賞口16に入球し、転動領域17に進入する。この転動領域17の一部の領域にはスルーゲート21と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能に構成されたVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域17は、第2大入賞口16に入球した遊技球B2を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bの2つの通過領域を有している。
図40(b)は、遊技球が第1通過領域17aを通過する場合を示す図である。Vゲート18が遊技球B2の通過を検知すると、その特別遊技が終了した後の特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率が、通常確率よりも高い高確率に設定される。そして、Vゲート18の上部には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、例えば遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することにより、Vゲート18への遊技球の進入経路を開閉するシャッター19が設けられる。第2大入賞口16及びシャッター19の開閉動作のパターンについては後ほど詳説する。シャッター19は、例えば第2大入賞口16が開状態に駆動されるのに伴ってVゲート18への進入経路を開放するように駆動される。すなわち、第2大入賞口16及びVゲートへの進入経路のいずれもが開放されているときに第2大入賞口16に遊技球B2が入球すると、遊技球B2は第1通過領域17aへと進入し、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。ただし、第2大入賞口16に遊技球B2が入球した場合であっても、シャッター19がVゲート18を閉鎖していれば、遊技球B2は第2通過領域17bへ進入する。すなわち、第2大入賞口16に入球できたとしても、Vゲート18を通過できない場合があるのである。
図41は、特別遊技におけるラウンド毎の大入賞口の開放パターンの一例を示す図である。図41(a)および(b)に示す開放パターンは、上述した本発明の一実施形態であるVゲート18の構成を備えていない実施例における特別遊技における開放パターンに置き換え可能である。具体的には、図41(a)は、第2大入賞口16がショート開放されるラウンドを有する場合の開放パターンの一例を示したものであり、上述した実施形態においてロング開放ラウンドが4回設定される場合(4ラウンド)に置き換えられる。開放パターンPA1では、図41(a)に示すように、第1ラウンドから第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンドから最終ラウンドとなる第16ラウンドまでは第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンである。また、第2大入賞口16がショート開放となる第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、Vゲート18もまたショート開放となる。図42(a)は、第2大入賞口16がショート開放される場合の動作の一例を示すタイミングチャートである。第1大入賞口15が開放されるラウンドがタイミングT100で終了し、第1大入賞口15が閉状態となり、タイミングT100からT101までの間のインターバル時間を設けた後に、タイミングT101において第2大入賞口ソレノイド(図示せず)が作動して第2大入賞口16を開放させる。そして、タイミングT103において第2大入賞口ソレノイドが停止して第2大入賞口16が閉鎖される。ショート開放の場合には、第2大入賞口16が開放される時間ta1は例えば0.2秒程度の短い時間に制御される。シャッター19を開放させるVゲートソレノイド(図示せず)は、タイミングT101において作動し、タイミングT103よりも前に到来するタイミングT102において停止する。すなわち、シャッター19がVゲート18への進入経路を開放する時間ta2は、例えば0.1秒以下という短い時間であり、第2大入賞口16の開放時間ta1よりも短い。なお、これとは異なり、シャッター19がVゲート18への進入経路を開放する時間ta2を、第2大入賞口16が開放される時間ta1と同じ時間としてもよい。このように、第2大入賞口16がショート開放される開放パターンPA1において、遊技球を第2大入賞口16に入球させることは困難である。また、第2大入賞口16に遊技球が入球したとしても、その遊技球がVゲート18を通過する可能性は低い。すなわち、開放パターンPA1において、遊技者が遊技球を第2大入賞口16に入球させてさらにVゲート18を通過させることにより、当該特別遊技が終了した後に行われる特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率が高確率になる可能性は低いのである。
これに対して、図41(b)は第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する場合の開放パターンPA2の一例を示したものであり、上述した実施形態におけるロング開放ラウンドが4回設定される場合(4ラウンド)に置き換えられる。開放パターンPA2では、第1ラウンドから第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンドから第13ラウンドまで第1大入賞口15がショート開放となる。そして、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて第2大入賞口16がロング開放となる。また、第2大入賞口16がロング開放となる第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、Vゲート18もまたロング開放となる。図42(b)は、第2大入賞口16がロング開放される場合の動作の一例を示すタイミングチャートである。第1大入賞口15が開放されるラウンドがタイミングT200で終了して第1大入賞口15が閉状態となり、タイミングT200からT201までの間のインターバル時間を設けた後に、タイミングT201からタイミングT205までの間、第2大入賞口16のロング開放を行うラウンドが行われる。図例では、まず上述したショート開放のラウンドと同様にタイミングT201からT203までの間、例えば0.2秒程度の短い時間第2大入賞口16を開放させ、タイミングT203において一旦第2大入賞口16を閉状態とさせる。そして、タイミングT203より後に到来するタイミングT204において第2大入賞口16を開放させ、タイミングT205までの間、ショート開放より長い時間(例えば25秒程度)継続して開放させる。図例のようにラウンド開始時に第2大入賞口16を開放パターンPA1と同様にショート開放させ、一旦第2大入賞口16を閉状態として所定時間経過した後にロング開放させる場合に、ショート開放終了タイミングT203からロング開放開始タイミングT204までの間に、演出制御基板33に第2大入賞口16へ向けて遊技球を発射することを遊技者に促す演出を行わせる。これにより、遊技者は第2大入賞口16及びVゲート18がロング開放されることを知ることができ、期待感を高める。また、第2大入賞口16を開放させる第2大入賞口ソレノイドと同様に、タイミングT204からVゲートソレノイドを作動させ、Vゲート18を遊技球が通過可能に制御する。そして、図例ではVゲートソレノイドをタイミングT205より例えば1.5秒程度後に到来するタイミングT206において停止させる。すなわち、第2大入賞口16が開放される時間tb1よりもVゲートソレノイドが作動してVゲート18がロング開放される時間tb2が長くなる。そうすると例えば、第2大入賞口16の開放時間終了の直前に第2大入賞口16に入球した遊技球が、タイミングT205においてラウンドが終了したときに第2大入賞口16内の転動領域17に滞留している場合に、Vゲート18に進入可能な状態を継続させることにより、ラウンド終了間際に第2大入賞口16に入球した遊技球についてもVゲート18を通過できる機会を与えることができる。このように、第2大入賞口16がロング開放されるパターンPA2では、上記パターンPA1に比べて遊技球を第2大入賞口16に入球させることが容易である。また、Vゲート18もまた第2大入賞口16と共に長い時間開放されるため、第2大入賞口16に入球した遊技球がVゲート18を通過する可能性が高い。そうすると、開放パターンPA2において、遊技者が遊技球を第2大入賞口16に入球させ、この遊技球がVゲート18を通過することにより、当該特別遊技終了後に行われる特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率が高確率になる可能性は、パターンPA1に比べて高くなるのである。なお、Vゲートソレノイドが停止するタイミングT206は、第1大入賞口15が開放されるラウンドの開始タイミングT207より前であってもよいし、これより後であってもよい。また、図例とは異なり、Vゲートソレノイドをラウンド終了タイミングT205において停止させるとしてもよい。さらに、第2大入賞口16を図例とは異なり、ラウンド開始タイミングT201からラウンド終了タイミングT205までの間、継続して開放させてもよい。
次に、特別遊技における第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開閉動作の制御の処理手順について説明する。図43及び図44は、第2大入賞口16がVゲート18を備える場合における大入賞口処理(図5のステップS108)の一例を示すフローチャートである。まず、主制御基板30において、現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判定する(ステップS1401)。現在特別遊技中でないと判定した場合(ステップS1401でNO)、大入賞口処理を終了する。他方、現在特別遊技中であると判定した場合(ステップS1401でYES)、次に、停止中処理(図10)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判定する(ステップS1402)。なお、オープニングは時短設定など特別遊技の種類に応じて異なり得るものである。オープニング動作中であると判定した場合(ステップS1402でYES)、さらに予め設定されたオープニングが行われるオープニング時間を経過したか否かを判定する(ステップS1403)。
オープニング時間を経過したと判定した場合(ステップS1403でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド値Rに対し1加算する(ステップS1404)。そして、特別遊技の種類を確認し、開放パターンを確認する(ステップS1405)。開放パターンを確認すると、ラウンド値Rに応じた大入賞口の開放時間をセットする(ステップS1406)。上述したように、例えばショート開放ラウンドの場合の大入賞口の開放時間は0.2秒程度であり、ロング開放ラウンドの場合の開放時間は25秒程度である。開放時間をセットすると、ラウンド値Rに対応する第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかを開放する(ステップS1407)。大入賞口を開放すると、主制御基板30は、遊技球のVゲート18通過を検知したか否か判定し(ステップS1410)、通過を検知したと判定した場合(ステップS1410でYES)、通過フラグをオフからオンに設定する(ステップS1411)。他方、遊技球の通過を検知しなかったと判定した場合(ステップS1410でNO)、ステップS1411をスキップする。
次に、主制御基板30は、ステップS1406でセットした大入賞口の開放時間が経過したか否かを判定し(ステップS1412)、開放時間が経過したと判定した場合には(ステップS1412でYES)開放中の大入賞口を閉鎖する。大入賞口が開状態から閉状態に移行したときに1つのラウンドが終了したことになる。なお、開放時間が経過していないと判定した場合(ステップS1412でNO)、予め設定されているラウンド内に入賞可能な上限値の遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1413)。入球した遊技球数が上限値に達していないと判定した場合には(ステップS1413でNO)大入賞口処理を終了し、上限値に達したと判定した場合には大入賞口を閉鎖させて(ステップS1417)当該ラウンドを終了させる。大入賞口を閉鎖させると、次に、現在のラウンド値Rが最終ラウンドを示す値であるか否かを判定する(ステップS1418)。ラウンド値Rが最終ラウンドを示す値であると判定した場合(ステップS1418でYES)、ラウンド値Rを0にリセットする(ステップS1420)。そして、当該特別遊技終了後の特別遊技判定における当選確率を設定するため、Vゲート18を通過したことに基づき通過フラグがオンになっているか否かを判定する(ステップS1421)。他方、ステップS1418でラウンド値Rが最終ラウンドを示す値でないと判定した場合(ステップS1418でNO)、大入賞口処理を終了する。
通過フラグがオンにセットされていると判定した場合(ステップS1421でYES)、主制御基板30は、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率を通常確率より高い高確率にセットする(ステップS1423)。そして、高確率状態において特別遊技判定を行う変動表示の回数(SC)を予め設定される回数にセットするのである。高確率状態において特別遊技判定を行う変動表示の回数(SC)をセットすると、次にオンにセットされている通過フラグをオフにセットする(ステップS1424)。他方、通過フラグがオンにセットされていない場合(ステップS1421でNO)、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において特別遊技へ移行させると判定される確率を通常確率にセットする(ステップS1425)。
次に、当該特別遊技に対応する特別遊技判定における図柄乱数に基づいて時短が設定されるか否かを判定する(ステップS1426)。時短が設定されると判定した場合(ステップS1426でYES)、主制御基板30は、当該特別遊技終了後に時短が設定される変動表示の回数(JC)をセットする(ステップS1430)。時短が設定される変動表示回数(JC)は、ステップS1423でセットされる高確率状態において特別遊技判定を行う変動表示回数(SC)と同じであってもよいし、異なってもよい。なお、当該特別遊技に対応する特別遊技判定時における遊技状態に応じて、当該特別遊技終了後に時短が設定される変動表示の回数(JC)をセットしてもよい。或いは、当該特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて、時短が設定される変動表示回数(JC)をセットしてもよい。他方、時短が設定されないと判定した場合(ステップS1426でNO)にはステップS1430をスキップする。
次に、主制御基板30は、特別遊技のエンディングを開始してエンディングのための時間計測を開始する(ステップS1435)。そしてエンディング終了のタイミングが到来したか否かを判定し(ステップS1437)、エンディング終了タイミングが到来したと判定した場合(ステップS1437でYES)、演出制御基板33に特別遊技のための演出を終了させるために特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS1438)特別遊技を終了する。他方、エンディング終了タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS1437でNO)、引き続きエンディングを継続するため特別遊技処理を終了する。
なお、ステップS1402でオープニング中でないと判定した場合(ステップS1402でNO)、図44のフローチャートに進み、さらに大入賞口が開放中であるか否かを判定する(ステップS1451)。大入賞口が開放中であると判定した場合に(ステップS1451でYES)、図43のステップS1410以降の処理を実行する。他方、大入賞口が開放中でないと判定した場合(ステップS1451でNO)、さらに特別遊技のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS1452)。そして、エンディング中であると判定した場合(ステップS1452でYES)、図43のステップS1437以降の処理を実行する。エンディング中でないと判定した場合(ステップS1452でNO)、各ラウンドのインターバル時間を経過したか否かを判定し(ステップS1453)、インターバル時間が経過していると判定した場合(ステップS1453でYES)、次のラウンドを開始させるためステップS1404以降の処理を実行する。他方、インターバル時間を経過していないと判定した場合(ステップS1453でNO)、大入賞口処理を終了する。
上記大入賞口処理において、開放パターンに応じて第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放される。そして、第2大入賞口16の入賞領域内に設けられるVゲート18を遊技球が通過したことを検知すると、遊技機1は、大入賞口処理が行われる当該特別遊技が終了した後の特別遊技判定において特別遊技へ移行させると判定される確率を高確率に設定する。他方、当該特別遊技においてVゲート18を遊技球が通過したことが検知されなかった場合、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率を通常確率に設定する。すなわち、上述したようなVゲート18を備える構成によると、特別遊技において遊技球がVゲート18を通過したか否かにより、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において、高確率又は通常確率に設定されるのかが決定されるのである。