次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下の実施例に係るパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機である。
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1〜図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、それぞれ「1」〜「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、当該演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。また、本実施例では、「1」〜「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。尚、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
ここで、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ということがある。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ということがある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。尚、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
センター装飾体10の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14(可動役物)が設けられている。可動装飾部材14は、普段、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って表示画面7aの前面側に出現し、その大部分を視認することができるようになる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
ここで、特図保留に応じた演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9dのことを「演出保留表示手段」ともいい、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14のことを「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66および装飾部材13のことを「光演出手段」ともいう。尚、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、これら「演出保留表示手段」、「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
尚、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「可変入球口」ともいう)を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態(例えば後述の高ベース状態)か左打ちを行うべき状態(例えば後述の低ベース状態)かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。尚、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒〜1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」3種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第3大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第4大当り」および「16R第5大当り」2種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第4大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第4大当り図柄)、16R第5大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(16R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「球検知センサ」や「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、例えば、チャンス目予告や保留変化予告、ステップアップ予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10の後方に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の計5種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。また、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。
尚、ラウンドのことを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。また、6R第2大当り及び6R第3大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、16R第1大当り、16R第4大当り及び16R第5大当りのことを総じて「16R大当り」ともいう。さらに、6R大当りに係る大当り遊技(6R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、16R大当りに係る大当り遊技(16R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3大当り及び16R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」または「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが50%、6R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第4大当りが55%、16R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、16R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。尚、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能するものである。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。尚、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能するものである。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
尚、「低確高ベース状態」のことを「第1遊技状態」ともいい、「高確高ベース状態」のことを「第2遊技状態」ともいう。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
低確高ベース状態(第1遊技状態)や高確高ベース状態(第2遊技状態)といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等、図5を参照)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、6R用ランプ及び16R用ランプの2個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1〜P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4〜P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8〜P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12〜P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15〜P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19〜P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別は6R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、6R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、16R第4大当りに対応する第4オープニングコマンドおよび16R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を動作(開動作)させる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口30の開閉部材32を動作(閉動作)させて、大入賞口30を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口30を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」(第2遊技状態)となる。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3大当り及び16R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」(第1遊技状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。尚、以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態設定手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図42に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1〜P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A〜D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「確率非報知モード」といえる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、低確低ベース状態での特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り又は16R第4大当りの場合は「777」のゾロ目とされ、それ以外の大当りの場合は「777」以外の数字図柄のゾロ目とされる。また、低確高ベース状態または高確高ベース状態での特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、原則、「777」以外の数字図柄のゾロ目とされ、16R第4大当りの場合に限り、稀に「777」のゾロ目とされることがある。このような高ベース状態での「777」のゾロ目は、16R確変大当り確定の出目であり、出現率(選択率)が極めて低いプレミア的な出目となっている。このように高ベース状態での大当りの場合の停止演出図柄を、原則「777」以外のゾロ目としているのは、後述のバトル演出の遊技性を考慮したことによるものである。尚、前述した演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出、変動バトル演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
次いで、S4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。本実施例では、S4400で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、S4400で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は、異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
次いで、S4507では、S4505で設定した変動演出パターンおよびS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(変動演出表示、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、遊技開始当初の遊技状態は、原則、低確低ベース状態である。このため、遊技者は、まず、左打ちを行って遊技を進行させる。左打ちによる遊技では、主として、第1始動口20に遊技球を入球させることから、第1特別図柄の変動表示が行われる。第1特別図柄に係る大当りとして「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」の3種類を備えているため、低確低ベース状態では、第1特別図柄当否判定の結果(第1特別図柄の変動表示の結果)、大当りに当選すると、それら3種類のうち何れかの大当りに係る大当り遊技が実行可能となる。また、低確低ベース状態にて当選(発生)した大当り(所謂「初当り」)が「16R第1大当り」または「6R第2大当り」であれば、当該大当りは「確変大当り」であることから、当該大当りに係る大当り遊技が終了した後の遊技状態は、短期間のうちに次の大当りが発生し得る高確高ベース状態(確変遊技状態)となる。
高確高ベース状態では、遊技者は、右打ちを行って遊技を進行させるが、右打ちによる遊技では、遊技球がゲート28を通過することで普通図柄の変動表示が行われ、普図当り図柄が高確率(高頻度)で停止表示されるので、これにより、第2始動口21が高頻度で開状態となる。したがって、右打ちによる遊技では、主として、第2始動口21に遊技球を入球させることから、第2特別図柄の変動表示が行われる。第2特別図柄に係る大当りとして「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の2種類を備えているため、高確高ベース状態では、第2特別図柄当否判定の結果(第2特別図柄の変動表示の結果)、大当りに当選すると、それら2種類のうち何れかの大当りに係る大当り遊技が実行可能となる。また、高確高ベース状態にて当選(発生)した大当りが「16R第4大当り」であれば、当該大当りは確変大当りであることから、当該大当りに係る大当り遊技の終了後の遊技状態は、再び、高確高ベース状態となる。つまり、大当り遊技を挟んで高確高ベース状態が継続されることとなる。一方、当選(発生)した大当りが「16R第5大当り」である場合、当該大当りは通常大当り(時短大当り)であることから、当該大当りに係る大当り遊技の終了後の遊技状態は、低確高ベース状態(時短状態)となる。つまり、高確高ベース状態(高確率状態)の終了となる。
よって、初当りとして「確変大当り」が発生することで、大当り遊技を経て高確高ベース状態での遊技が可能となり、高確高ベース状態での遊技にて再度「確変大当り」が発生することで、大当り遊技を経て、再度、高確高ベース状態での遊技が可能となる。このように高確高ベース状態での遊技が継続すればする程、遊技者にとって有利な遊技展開となるため、遊技者は、初当りで確変大当りを引いて、その後の高確高ベース状態にて確変大当りが連続して発生(連チャン)することに期待を寄せて遊技をするのが常である。このような遊技者の期待感を効果的に煽ることを目的として、本実施例では、遊技状態が高確高ベース状態に設定されているときの特別図柄の変動表示中、すなわち、演出モードDでの演出図柄8の変動表示中(演出図柄遊技演出の実行中)に、味方キャラクタ(以下「味方キャラ」ともいう。)と敵キャラクタ(以下「敵キャラ」ともいう。)の対決を表現した「バトル演出」が、画像表示装置7の表示画面7a上で開始されることがある。また、大当り変動中(特定変動中)にバトル演出が開始された場合、そのバトル演出は、当該大当り変動が終了した後の大当り遊技に亘って実行されることがある。以下、本実施例のバトル演出について詳しく説明する。
[バトル演出]
バトル演出は、図42に基づいて説明した変動演出開始処理(S4402)におけるS4504およびS4505の処理により、変動演出パターンとしてバトル演出に係る演出パターンが設定(選択)された場合に、当該演出パターンに基づく演出図柄8の変動表示にて開始(実行)される。本実施例のバトル演出は、大別すると、演出図柄8の変動表示中(特別図柄の変動表示中)に行われる「変動バトル」と、大当り遊技中の連続する複数回のラウンドで行われる「ラウンドバトル」とからなり、「変動バトル」が先に行われ、当該変動バトルの演出態様によって、その後に「ラウンドバトル」が行われる場合と行われない場合とがある。
本実施例では、「変動バトル」の演出パターンを、高確高ベース状態での大当り変動に係る変動演出パターンとして選択することが可能となっている。このため、バトル演出は、高確高ベース状態での大当り変動の実行中に開始可能な演出となっており、遊技者にしてみれば、画像表示装置7の表示画面7a上でバトル演出(変動バトル)が開始されれば、その時点で大当り確定となる(大当り確定演出)。また、本実施例のバトル演出は、当該バトル演出の開始(実行)契機となった大当り変動が終了した後の遊技に関する情報の報知を行うものとなっている。「大当り変動が終了した後の遊技」の代表的なものとしては、大当り遊技や大当り遊技終了後の遊技状態、演出モード等が例示でき、本実施例では、主に、大当り遊技終了後に設定される演出モード、換言すると、大当り遊技終了後に設定される遊技状態(つまり、今回の大当り種別)に関する報知を行うものとなっている。このため、バトル演出を通じて、大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態(演出モードD)になるかどうか(高確高ベース状態が継続するか否か)について遊技者の関心を高めることが可能となる。尚、本実施例のバトル演出は、大当り遊技終了後に設定される遊技状態(演出モード)を報知するにあたり、その遊技状態(演出モード)をはっきりと明示するのではなく、バトル演出の進行過程(演出態様)や結果(後述の勝利、失敗、敗北等)により示唆するものとなっている。
バトル演出の実行に係る制御処理は、概ね次のようにして行われる。すなわち、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、前述のS4401(図41を参照)で受信した変動開始コマンドを、前述のS4502(図42を参照)で解析するが、その解析の結果、変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドが、時短状態(短縮変動状態)での大当り変動パターンP12(変動時間75000ms)またはP13(変動時間45000ms)を指定するものであり(図9を参照)、かつ、前述のS4503(図42を参照)で参照したモードステータスが「4」(演出モードD)であれば、当該大当り変動にてバトル演出(変動バトル)を開始(実行)するか否かを乱数抽選により判定する(バトル演出判定)。この乱数抽選(バトル演出判定)は、前述のS4501(図42を参照)で取得される演出決定用乱数(例えば変動演出決定用乱数)を用いて行う。そして、バトル演出を開始する旨の判定結果が得られた場合、前述のS4504(図42を参照)にて、変動演出パターン決定テーブルとして、図43に示す変動バトル演出パターン決定テーブルをセットし、前述のS4505(図42を参照)にて、その変動バトル演出パターン決定テーブルを用いて変動バトルの演出パターンを選択し、当該演出パターンを設定する。
尚、大当り変動パターンP12〜P14のうち、変動バトルを開始可能(実行可能)な大当り変動パターンを変動パターンP12,P13とし、変動パターンP14を除いているのは、変動パターンP14の変動時間が変動パターンP12,P13よりも短い「30000ms」であり(図9を参照)、本実施例に係る変動バトルの演出時間としては不十分だからである。但し、変動パターンP14についてもバトル演出(変動バトル)を開始可能(実行可能)な変動パターンとしてもよい。
図43に示すように、本実施例の変動バトル演出パターン決定テーブルは、「0」〜「99」の値をとる変動バトル演出決定用乱数の乱数範囲に、複数種の変動バトル演出パターン(変動バトル演出態様)の夫々を割り当てたものであり、大当り種別毎に、変動バトル演出決定用乱数値と変動バトル演出パターンとの対応関係を定めてある。変動バトル演出決定用乱数は、S4501で取得する演出決定用乱数の一種である。本実施例のパチンコ遊技機1が備える大当り種別は、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の5種類であることから、変動バトル演出パターン決定テーブルでは、それら5種類の大当りのそれぞれについて、対応する変動バトル演出パターンが割り当ててある。
図43に示す変動バトル演出パターン決定テーブルのうち、「16R第1大当り」および「16R第4大当り」については、ともにラウンド数が同じ確変大当り(16R確変大当り)であることから、共通のテーブルとしている。また、前述したように、高確高ベース状態では「右打ち」による第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示が主として行われるため、高確高ベース状態で発生し得る大当りは、原則、第2特別図柄に係る「16R第4大当り」または「16R第5大当り」となる。しかしながら、稀ではあるが、高確高ベース状態であっても第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)が行われ、第1特別図柄に係る大当りである「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」の何れかが発生することもあり得る。このため、本実施例では、それら第1特別図柄に係る大当りについても変動バトル演出パターンを設けてある。
ここで、高確高ベース状態において第1特別図柄の変動表示が行われる状況としては、例えば、初当りに係る大当り遊技が終了したときの特図1保留球数が「1」以上となっており、特図2保留球数が「0」となっている場合が考えられる。この場合、大当り遊技が終了して高確高ベース状態に移行した直後に行われる最初の特別図柄の変動表示は、第1特図保留の消化に伴う第1特別図柄の変動表示となるからである。低確低ベース状態では左打ちを行うことから、原則、第2特図保留が記憶されることはなく、また、大当り遊技中は右打ちを行うものの低ベース状態に制御されることから、第2始動口21に遊技球が入球する可能性は低い。したがって、初当りに係る大当り遊技が終了して高ベース状態に移行した直後は、第1特図保留の消化に伴う第1特別図柄の変動表示が実行され得る。また、高確高ベース状態での遊技進行過程において、第2始動口21への遊技球の入球が途切れて特図2保留球数が「0」になってしまった場合にも、第1特図保留の消化に伴う第1特別図柄の変動表示が実行され得る。
本実施例の変動バトル演出パターンは、全部で5種類となっている。具体的に、変動バトルでは、味方キャラと敵キャラが対決するシーン(対決演出)が画像表示装置7の表示画面7aに表示されるが、その対決にあたり、味方キャラが先制攻撃して勝利する「パターンA1」と、味方キャラが先制攻撃するものの攻撃に失敗する「パターンA2」と、敵キャラが先制攻撃して味方キャラがダメージを受けるものの形勢逆転により味方キャラが勝利(逆転勝利)する「パターンA3」と、敵キャラが先制攻撃するものの味方キャラがその攻撃をかわす(回避する)「パターンA4」と、敵キャラが先制攻撃して味方キャラが敗北(敵キャラが勝利)する「パターンA5」と、の5種類を備えている。尚、変動バトル演出パターンの種類(数)はこれに限定されるものではなく、本実施例よりも多くのパターンを設けたり、あるいは、少ないパターンを設けたりすることが可能である。
本実施例では、変動バトル演出パターンA1〜A5のうち、パターンA1〜A4は、変動バトルの後にラウンドバトルに進んで該ラウンドバトルの終了によりバトル演出が完了(完結)することとなるパターン(継続パターン)となっており(図43中「NEXT」と表記)、パターンA5は、ラウンドバトルに進むことなく変動バトルの終了によりバトル演出が完了(完結)することとなるパターン(非継続パターン)となっている(図43中「END」と表記)。
また、味方キャラから見た変動バトルの結果に着目すると、パターンA1とパターンA3は、味方キャラが勝利する「勝利パターン」となっており、パターンA2は、味方キャラの攻撃が失敗に終わる「失敗パターン」となっており、パターンA4は、敵キャラの攻撃をかわす(回避する)「回避パターン」となっており、パターンA5は、味方キャラが敗北する「敗北パターン」となっている。つまり、味方キャラから見た変動バトルの結果として、「勝利」、「失敗」、「回避」および「敗北」の4つが存在する。
さらに、パターンA1,A2,A4は、大当り種別が「確変大当り」と「通常大当り」の何れの場合であっても選択可能なパターンとなっており、パターンA3は大当り種別が「確変大当り」の場合に選択可能なパターンとなっており、パターンA5は大当り種別が「通常大当り」の場合に選択可能なパターンとなっている。したがって、パターンA5に基づく変動バトルは「時短確定」の演出となっており、パターンA1〜A4に基づく変動バトルは「時短確定」でも「確変確定」でもない演出(非確定演出)となっている。このため、画像表示装置7の表示画面7a上で変動バトルが開始されて、敵キャラの先制攻撃により味方キャラが敗北するシーンが表示されて変動バトルの終了(バトル演出の完結)を迎えた場合、遊技者は、その時点で大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(低確高ベース状態:演出モードC)になること(つまり、確変終了)を認識することとなる。一方、味方キャラの敗北とはならない他の変動バトル(パターンA1〜A4の何れかに基づく変動バトル)が表示画面7a上で展開された場合、遊技者は、その後に行われる大当り遊技でのラウンドバトルの展開(演出態様)に期待を寄せて、引き続きバトル演出を楽しむことが可能となる。
また、本実施例では、図43に示すように、変動バトル演出パターンの選択に関し、確変大当りに係る大当り変動の場合、味方キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率を、敵キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率に比べ高くし、一方、通常大当り(時短大当り)に係る大当り変動の場合、味方キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率を、敵キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率に比べ低くしている。さらに、確変大当りに係る大当り変動の場合、味方キャラが勝利する演出パターンの選択率を、失敗や回避、敗北といった他の演出パターンの選択率に比べ高くし、一方、通常大当り(時短大当り)に係る大当り変動の場合、味方キャラが勝利する演出パターンの選択率を、失敗や回避、敗北といった他の演出パターンの選択率に比べ低くしている(変動バトル演出決定用乱数値の欄を参照)。このため、変動バトルの先制攻撃が味方キャラであれば、大当り遊技終了後に高確高ベース状態となる可能性(確変大当りの可能性)が高く、変動バトルの先制攻撃が敵キャラであれば、その可能性が低い印象(認識)を、遊技者に与えることが可能となっている。但し、変動バトルの先制攻撃が敵キャラであっても確変大当りの可能性もあり、これとは逆に変動バトルの先制攻撃が味方キャラであっても通常大当りの可能性があるので、変動バトルの後にラウンドバトルに進む場合(パターンA1〜A4に基づく変動バトルの場合)、ラウンドバトルの展開(演出態様)に遊技者を注目させることが可能となる。
演出制御用マイコン91は、以上の変動バトル演出パターン(パターンA1〜A5)の選択条件を定めた変動バトル演出パターン決定テーブルと変動バトル演出決定用乱数とに基づいて、変動バトル演出パターンを選択し、選択したパターンを設定する(S4505)。また、設定(選択)した変動バトル演出パターンが継続パターン(パターンA1〜A4の何れか)である場合、その設定したパターンが、前述した変動バトルの4つの結果のうち「勝利」、「失敗」、「回避」の何れに該当するのかを示す「変動バトル結果フラグ」をセット(ON)する。変動バトル結果フラグ(図示せず)は、後述のラウンドバトル演出パターンを選択する際に参照されるものであり、サブ制御基板90のRAMの所定の記憶領域に設けられる。具体的に、変動バトル結果フラグとして、「勝利」に対応するフラグ(勝利フラグ)と、「失敗」にフラグ(失敗フラグ)と、「回避」に対応するフラグ(回避フラグ)の3つが設けられており、S4505で設定した変動バトル演出パターンがパターンA1またはパターンA3であれば勝利フラグをONとし、パターンA2であれば失敗フラグをONとし、パターンA4であれば回避フラグをONとする。変動バトル結果フラグは、大当り変動が終了して大当り遊技が開始されるタイミングでクリア(初期化)される。尚、変動バトル結果フラグとして「敗北」に対応するフラグを設けていないのは、敗北パターン(パターンA5)は、変動バトルの後にラウンドバトルに進むことのない非継続パターンだからである。
次いで、演出制御用マイコン91は、S4505で設定した変動バトル演出パターンに基づく変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットする。画像制御用マイコン101は、その変動演出開始コマンドを受けて、当該コマンドに基づき特定される変動バトル対応の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
尚、本実施例では、変動パターンP12または変動パターンP13の場合に変動バトルが実行可能となっているため、変動バトル演出パターンA1〜A5の夫々について、変動パターンP12(変動時間75000ms)に対応する変動バトル用の演出画像と、変動パターンP13(変動時間45000ms)に対応する変動バトル用の演出画像と、が設けられている。
ここで、図45および図46に基づいて、本実施例に係るバトル演出の概要を説明する。変動パターンP12または変動パターンP13に基づく特別図柄(ここでは原則、第2特別図柄)の変動表示が特別図柄表示部41にて開始され、これに伴って、変動バトル演出パターン(A1〜A5の何れか)に基づく演出図柄8の変動表示(変動演出)が画像表示装置7の表示画面7aで開始されると、その後、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字図柄で停止(仮停止)してリーチが成立し、このタイミングで変動バトルが開始される。このとき、表示画面7aでは、図45(a)に示すように、中演出図柄8Cが変動表示したままリーチ状態を示している演出図柄8が画面左上に小さく表示(縮小表示)され、味方キャラを示す味方キャラ画像Mと敵キャラを示す敵キャラ画像Tが、それぞれ表示画面7a(表示領域)の略半分を占めて対峙する態様で表示される。このような味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tが対峙する演出の開始(バトルキャラ出現)により、バトル演出(ここでは変動バトル)の開始を遊技者に知らせるものとなっている。尚、リーチ状態を示す演出図柄8の縮小表示は変動バトルが終了するまで行われ、変動バトルを経て3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示するタイミングで、演出図柄8は元の大きさで表示される。
変動バトルが開始されると、表示画面7aでは、図45(b1),(b2)に示すように、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tが互いに押し合う様子を表現した演出(押し合い演出)が行われる。押し合い演出では、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tを画面左右方向に移動表示することで、味方キャラ画像Mの表示画面7a(表示領域)を占める割合が敵キャラ画像Tのそれよりも大きくなったり(図45(b1)を参照)、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tが画面右方向に移動して、敵方キャラ画像Tの表示画面7a(表示領域)を占める割合が味方キャラ画像Mのそれよりも大きくなったり(図45(b2)を参照)する演出表示が、所定期間(所定時間)行われる。尚、図45(b1)に示す態様は、図45(a)に示す変動バトル開始当初に比して、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tが左方向に移動して味方キャラの優勢(敵キャラの劣勢)を示す態様であり、図45(b2)に示す態様は、変動バトル開始当初に比して、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tが右方向に移動して味方キャラの劣勢(敵キャラの優勢)を示す態様である。
このような押し合い演出を経て、表示画面7aでは、図45(c1),(c2)に示すように、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tの何れか一方を他方に比して大きく表示する押し合い演出の結果表示が行われる。この結果表示は、今回の変動バトルにおいて味方キャラと敵キャラの何れが先制攻撃を行うのかを示すものである。具体的に、図45(c1)に示すように、敵キャラ画像Tを非表示として味方キャラ画像Mを表示画面7aの略全体に表示する態様は、味方キャラが先制攻撃を行うことを示す態様であり、図45(c2)に示すように、味方キャラ画像Mを非表示として敵キャラ画像Tを表示画面7aの略全体に表示する態様は、敵キャラが先制攻撃を行うことを示す態様である。したがって、今回の変動バトルに係る変動演出パターンが、パターンA1またはパターンA2に基づくものであれば、押し合い演出の結果表示は図45(c1)に示す態様となり、パターンA3〜A5の何れかに基づくものであれば、押し合い演出の結果表示は図45(c2)に示す態様となる。尚、図45(a)に示す変動バトルの開始(バトルキャラ出現)から、図45(c1)または(c2)に示す押し合い演出の終了(結果表示)までの演出は、バトル演出(変動バトル)の導入部分に該当する。
この後、表示画面7aでは、押し合い演出の結果表示に応じた態様の対決シーン、すなわち、味方キャラまたは敵キャラが先制攻撃する対決シーンを表示する対決演出が開始(実行)される(図46(a)を参照)。この対決演出における対決シーンおよび対決結果(変動バトル結果)は、前述したパターンA1〜A5の何れかに基づくものである。そして、図46(b)〜(e)に示すように、前述した変動バトルの4つ結果、すなわち、「勝利」、「失敗」、「回避」および「敗北」の何れかに対応する態様で、対決演出の結果表示(変動バトルの結果表示)が行われる。具体的に、今回の変動バトルに係る変動演出パターンが、パターンA1またはパターンA3に基づくものであれば、対決演出の結果表示(変動バトルの結果表示)は図46(b)に示す態様(勝利態様)となり、パターンA4に基づくものであれば、対決演出の結果表示(変動バトルの結果表示)は図46(c)に示す態様(回避態様)となり、パターンA2に基づくものであれば、対決演出の結果表示(変動バトルの結果表示)は図46(d)に示す態様(失敗態様)となり、パターンA5に基づくものであれば、対決演出の結果表示(変動バトルの結果表示)は図46(e)に示す態様(敗北態様)となる。また、対決演出の結果表示とともに、演出図柄8の停止表示も行われる。本実施例では、大当り変動にて変動バトルが開始可能(実行可能)となっていることから、対決演出の結果表示とともに停止表示される演出図柄8の表示態様は大当り態様となる。
尚、図46(a)および図46(b)〜(e)では、説明の便宜上、変動バトルの対決演出や対決演出の結果表示(変動バトルの結果表示)に係る表示内容を「対決シーン」や「勝利」等の文字で表しているが、実際には、「対決シーン」や「勝利」等の夫々の状況に応じた演出画像であって、対決シーンや結果表示の内容を遊技者が認識できる態様の演出画像(動画像、静止画像等)が、表示画面7aに表示される。もちろん、そのような演出画像とともに、図46に示すような文字(文字画像)を表示してもよい。このことは、図46(f)に示すバトル継続演出や、図46(g)に示すオープニング演出、図47に示すラウンド演出(ラウンドバトル)についても同様である。
以上がバトル演出のうち変動バトルの開始から終了までの流れであり、当該変動バトルの結果により、ラウンドバトルへの発展有無(バトル継続有無)を示唆するとともに、ラウンドバトルに発展しない(進まない)場合には時短確定(演出モードC確定)を示唆し、ラウンドバトルに発展する(進む)場合には高確高ベース状態となる可能性(確変期待度)を示唆するものとなっている。
ここで、今回の変動バトルに係る変動演出パターンが「パターンA5」である場合、当該パターンは前述のように非継続パターンであるため、変動バトルの後にラウンドバトルに進むことはなく、変動バトルの終了をもってバトル演出が終了して、この後、大当り遊技(特別遊技状態)に移行する。このとき、主制御基板80からサブ制御基板90に対してオープニングコマンドが送信され(前述のS4406)、これに基づいて、サブ制御基板90から画像制御基板100に対してオープニング演出コマンドが送信され、これにより表示画面7aでは所定のオープニング演出用画像を表示するオープニング演出が行われる(図46(g)を参照)。
一方、今回の変動バトルに係る変動演出パターンが「パターンA1〜A4」の何れかである場合、当該パターンは前述のように継続パターンであるため、変動バトルの後にラウンドバトルに進み、バトル演出が継続することとなる。この場合、変動バトルが終了し、特別図柄(および演出図柄8)の変動表示が終了して大当り遊技(特別遊技状態)に移行する際、主制御基板80からサブ制御基板90に対してオープニングコマンドが送信され、これに基づいて、サブ制御基板90から画像制御基板100に対してオープニング演出コマンドが送信され(前述のS4406)、これにより表示画面7aでは、バトル演出の継続を示す演出画像を表示するバトル継続演出が行われる(図46(g)を参照)。バトル継続演出は、例えば、バトル演出を伴わない大当り変動の終了に次いで行われる大当り遊技の開始を示す通常のオープニング演出に代わるもので、大当り変動終了後、大当り遊技の1ラウンド目が開始される前のオープニング期間中に行われるものである。また、バトル継続演出は、変動バトルに続いてラウンドバトルが実行(開始)されることを示唆する演出であればよく、変動バトルとラウンドバトルが繋がりのある一連のバトル演出である印象を遊技者に与えられるものであれば、その演出態様は特に問わない。
ラウンドバトルの実行に係る制御処理は、概ね次のようにして行われる。すなわち、大当り遊技の開始に際して、主制御基板80からサブ制御基板90に対してオープニングコマンドが送信されるが、演出制御用マイコン91は、前述のS4406(図41を参照)にて、そのオープニングコマンドに基づき特定される大当り種別に応じたラウンドバトル演出を選択する。このとき、演出制御用マイコン91は、先に実行された変動バトルに係る変動演出パターンが「パターンA1〜A4」の何れかである場合、すなわち、変動バトルの結果が「勝利」、「回避」および「失敗」の何れかである場合、図44に示すラウンドバトル演出パターン決定テーブルをセットし、当該テーブルを用いてラウンドバトルの演出パターンを選択し、当該演出パターンを設定する。このとき、演出制御用マイコン91は、前述の変動バトル結果フラグ(図示せず)を参照して「勝利フラグ」、「失敗フラグ」および「回避フラグ」のうち何れがONであるか、又はすべてOFFであるかを判別することにより、変動バトルの結果を特定することが可能である。
図44に示すように、本実施例のラウンドバトル演出パターン決定テーブルは、「0」〜「99」の値をとるラウンドバトル演出決定用乱数の乱数範囲に、複数種のラウンドバトル演出パターン(ラウンドバトル演出態様)の夫々を割り当てたものであり、大当り種別および変動バトル結果に応じて、ラウンドバトル演出決定用乱数値とラウンドバトル演出パターンとの対応関係を定めてある。
ここで、図44に示すテーブル中、変動バトル演出決定用乱数は、S4406の大当り遊技関連演出処理で取得する大当り遊技関連演出決定用乱数の一種である。また、図44に示すテーブル中、変動バトル結果は、前述の変動バトル結果フラグとして設けられた「勝利フラグ」、「失敗フラグ」および「回避フラグ」の3つのフラグに準じており、大当り種別および変動バトル結果によって、選択対象となる(選択され得る)ラウンドバトル演出パターンの種類や選択率が異なるものとなっている。さらに、図44に示すテーブル中、大当り種別の「16R第1大当り」および「16R第4大当り」については、ともにラウンド数が同じ確変大当り(16R確変大当り)であることから、共通のテーブルとしている。また、図44に示すテーブル中、16R大当りに係る変動バトル結果の「失敗」および「回避」については、共通のテーブルとしている。尚、ラウンドバトル演出パターン決定テーブルにおいて「6R第3大当り」が含まれていないのは、当該大当りに係る変動バトル演出パターンが「パターンA5」の「敗北」しか存在せず(図43を参照)、ラウンドバトルの実行対象ではないからである(非継続パターン)。
本実施例のラウンドバトル演出パターンは、全部で6種類となっている。具体的に、ラウンドバトルにおいても、味方キャラと敵キャラが対決するシーン(対決演出)が表示されるが、その対決にあたり、味方キャラが先制攻撃して勝利する「パターンB1」と、味方キャラが先制攻撃するものの攻撃に失敗する「パターンB2」と、敵キャラが先制攻撃して味方キャラがダメージを受けるものの形勢逆転により味方キャラが勝利(逆転勝利)する「パターンB3」と、敵キャラが先制攻撃して味方キャラが敗北(敵キャラが勝利)する「パターンB4」と、味方キャラが先制攻撃して敵キャラがダメージを受けるものの勝敗が決することなく引き分けに終わる「パターンB5」と、敵キャラが先制攻撃して味方キャラがダメージを受けるものの勝敗が決することなく引き分けに終わる「パターンB6」と、の6種類を備えている。尚、ラウンドバトル演出パターンの種類(数)はこれに限定されるものではなく、本実施例よりも多くのパターンを設けたり、あるいは、少ないパターンを設けたりすることが可能である。
また、味方キャラから見たラウンドバトルの結果に着目すると、パターンB1とパターンB3は味方キャラが勝利する「勝利パターン」となっており、パターンB2は味方キャラの攻撃が失敗に終わる「失敗パターン」となっており、パターンB4は味方キャラが敗北する「敗北パターン」となっており、パターンB5とパターンB6は「引き分けパターン」となっている。つまり、味方キャラから見たラウンドバトルの結果として、「勝利」、「失敗」、「敗北」および「引き分け」の4つが存在する。
本実施例では、これらパターンB1〜B6に基づくラウンドバトルの結果により、大当り遊技終了後の遊技状態を示唆(報知)するものとなっている。前述のように、本実施例では、図柄変動表示が実行可能な状況下において、そのときの遊技状態に応じた演出モード(モードステータス)が設定されることから、大当り遊技終了後に設定される演出モードの示唆により、大当り遊技終了後の遊技状態を示唆するものとなっている。本パチンコ遊技機1では、大当り遊技の終了後に移行する遊技状態が「高確高ベース状態」と「低確高ベース状態」の何れかとなっていることから、大当り遊技終了後の演出モードは「演出モードC〜E」の何れかとなる。このうち、演出モードCは、低確高ベース状態(時短状態)の場合に設定される演出モードであって、低確高ベース状態(時短状態)であることが遊技者に認識可能となる演出モードであり、変動バトルが敗北パターン(パターンA5)で行われて該変動バトルの終了によりバトル演出が終了した後、大当り遊技を経て設定される。したがって、ラウンドバトルを実行する場合には演出モードCが設定されることはなく、ラウンドバトルの結果によって、大当り遊技終了後の遊技状態が低確高ベース状態(演出モードC)になることを示唆することはない。このため、本実施例では、ラウンドバトルの結果により、大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態(演出モードD)になること、または、高確高ベース状態と低確高ベース状態の把握(判別)が困難(不可能)な状態(演出モードE)になることを、示唆するものとなっている。
図44のテーブルに示すように、ラウンドバトル演出パターンB1〜B6のうち、勝利パターンである「パターンB1」および「パターンB3」は、大当り種別が「16R確変大当り」(16R第1大当り、16R第4大当り)であって、先の変動バトルの結果が「勝利」の場合にのみ選択可能なパターンとなっている。当該パターンに基づくラウンドバトルが行われた場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態になることが確定し、大当り遊技終了後の演出モードは「D」に設定される。つまり、遊技者から見て、変動バトルとラウンドバトルの双方で「勝利」となった場合、当該バトル演出は、大当りラウンド数が「16」で「確変確定(演出モードD)」を示す演出となる。
また、失敗パターンである「パターンB2」と、敗北パターンである「パターンB4」は、大当り種別が16R確変大当り(16R第1大当り、16R第4大当り)の場合と、16R通常大当り(16R第5大当り)の場合に選択可能なパターンとなっている。当該パターンに基づくラウンドバトルが行われた場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が大当り種別に応じて高確高ベース状態または低確高ベース状態になるが、何れの状態になるのかが示されることはなく(確率非報知)、大当り遊技終了後の演出モードは「E」に設定される。つまり、遊技者から見て、変動バトルとラウンドバトルのうち、少なくともラウンドバトルで「勝利」とならなかった場合(「失敗」または「敗北」となった場合)、当該バトル演出は、大当りラウンド数が「16」で「確変または時短(演出モードE)」を示す演出(確変非確定演出)となる。
さらに、引き分けパターンである「パターンB5」および「パターンB6」は、大当り種別が「6R確変大当り」(6R第2大当り)の場合にのみ選択可能なパターンとなっている。当該パターンに基づくラウンドバトルが行われた場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態になることが確定し、大当り遊技終了後の演出モードは「D」に設定される。つまり、遊技者から見て、変動バトルとラウンドバトルのうち、少なくともラウンドバトルで「引き分け」となった場合、当該バトル演出は、大当りラウンド数が「6」で「確変確定」を示す演出となる。尚、前述したように、高確高ベース状態で発生する大当りは、原則、第2特別図柄に係る「16R第4大当り」または「16R第5大当り」であり、第1特別図柄に係る「6R第2大当り」が高確高ベース状態で発生することは稀である。つまり、高確高ベース状態で発生する大当りのラウンド数は原則「16R」であり、「6R」は稀である。このような高確高ベース状態で稀な大当り(ラウンド数)が発生した場合に限り、ラウンドバトルを「引き分けパターン」で行うこととしている。このことから、ラウンドバトルに関しては、その演出パターンによって、大当り遊技終了後の遊技状態(演出モード)に加え、実行中の大当り遊技に係るラウンド数を示唆するものでもある。
また、本実施例では、図44に示すように、ラウンドバトル演出パターンの選択に関し、16R確変大当りに係る大当り変動の場合、変動バトルの結果が「勝利」と「失敗または回避」の何れについても、味方キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率を、敵キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率よりも高くし、一方、16R通常大当り(時短大当り)に係る大当り変動の場合、変動バトルの結果が「勝利」と「失敗または回避」の何れについても、味方キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率を、敵キャラが先制攻撃する演出パターンの選択率よりも低くしている。また、16R確変大当りに係る大当り変動の場合であって、変動バトルの結果が「勝利」である場合、味方キャラが勝利する演出パターンの選択率を、失敗や敗北といった他の演出パターンの選択率よりも高くしている(ラウンドバトル演出決定用乱数値の欄を参照)。
このため、変動バトルの結果が「勝利」であり、かつ、ラウンドバトルの先制攻撃が味方キャラであれば、大当り遊技終了後に演出モードDとなって高確高ベース状態が確定する可能性(確変確定の可能性)が高い印象(認識)を遊技者に与えることが可能となっている。また、変動バトルの結果が「失敗」または「回避」であり、ラウンドバトルの先制攻撃が味方キャラであれば、大当り遊技終了後に演出モードEとなって確率状態(高確率状態または低確率状態)は示されないものの、高確高ベース状態の可能性が高い印象(認識)を遊技者に与えることが可能となっている。一方、ラウンドバトルの先制攻撃が敵キャラであれば、大当り遊技終了後に演出モードEとなって確率状態(高確率状態または低確率状態)は示されないものの、高確高ベース状態の可能性が低い印象(認識)を遊技者に与えることが可能となっている。但し、ラウンドバトルの先制攻撃が敵キャラであっても確変大当りの可能性もあり、これとは逆にラウンドバトルの先制攻撃が味方キャラであっても通常大当りの可能性があるので、大当り遊技が終了した後も高確率状態に対する期待感を遊技者に与えることが可能となる。
また、ラウンドバトルの結果が「失敗」または「敗北」となって大当り遊技終了後に演出モードEになったとしても、当該ラウンドバトル前に行われた変動バトルが「パターンA3」に基づくもの(逆転勝利)であった場合には、内部的に高確率となっている。変動バトル演出パターンA3(逆転勝利)は、16R確変大当りのみ選択可能となっているからである(図43を参照)。したがって、遊技者にしてみれば、大当り遊技終了後に演出モードEとなって現在の確率状態(高確率状態または低確率状態)の判別が困難(不可能)な状態になったとしても、この演出モードEの設定に至るまでのバトル演出の内容(経過)を振り返ることで、高確率状態(確変)であるか否かの推測が可能となり、遊技経験を重ねるうちに、「変動バトルの逆転勝利を経て演出モードEとなった場合は内部確変」といった法則性を知ることも可能となる。
演出制御用マイコン91は、以上のラウンドバトル演出パターン(パターンB1〜B6)の選択条件を定めたラウンドバトル演出パターン決定テーブルとラウンドバトル演出決定用乱数に基づいて、ラウンドバトル演出パターンを選択し、選択したパターンを設定する(S4406)。そして、主制御基板80からの1ラウンド目の開始を示すラウンド開始コマンド(1R開始コマンド)の受信を契機として、先に(オープニングコマンドの受信に基づき)設定したラウンドバトル演出パターンに基づくラウンド演出(ラウンドバトル)を開始する。すなわち、ラウンドバトルを伴うラウンド演出を開始(実行)するためのラウンド演出コマンド(ラウンドバトルコマンド)を画像制御基板100に送信し、画像制御用マイコン101は、そのラウンド演出コマンドに基づき特定されるラウンドバトル対応の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるラウンドバトル演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。これにより、大当り遊技の1ラウンド目から表示画面7a上でラウンドバトルが開始される。
本実施例のラウンドバトルは、パターンB1〜B6の種別に関係なく、所定の実行時間が経過するまで行われるものとなっており、具体的には、実行時間を「35秒」としている。本実施例では、大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」となっているが、遊技球を正常に発射し続けて大入賞口30への入球が生じる場合の1ラウンドの消化時間は約「7秒」〜「9秒」となるように設計されている。このことから、ラウンドバトルは、大当り遊技中に遊技球発射が滞る何らかの異常等が発生しない限り、4ラウンド目の最中に終了する。よって、ラウンドバトルを伴う大当り遊技の場合、表示画面7aでは、通常、図47に示すように、1R〜4Rでラウンドバトルに係る一連の演出表示が行われ、5Rの開始を契機に、バトル演出の結果に応じた所定のラウンド演出が開始され、以後、16Rまで当該ラウンド演出に係る一連の演出表示が行われる。
ラウンドバトルにおける対決演出(対決シーン)やバトル結果に係る演出表示は、実行するラウンドバトル演出パターン(パターンB1〜B6の何れか)に基づいて行われるもので、基本的には、前述した変動バトルでの対決演出や該対決演出の結果表示と同じである。但し、ラウンドバトルでは、味方キャラと敵キャラの何れが先制攻撃を行うのかを示す押し合い演出(図45を参照)を省略しており、ラウンドバトル開始当初(1ラウンド目)から、ラウンドバトル演出パターンにしたがって、味方キャラと敵キャラの何れかが先制攻撃を行うシーンが表示画面7aに表示される。尚、6R第2大当りの場合は、1R〜4Rでラウンドバトルに係る演出表示が行われ、5R〜6Rでバトル演出の結果に応じた所定のラウンド演出が行われる。
また、演出制御用マイコン91は、ラウンドバトル開始後、主制御基板80からの2ラウンド目〜4ラウンド目に係るラウンド開始コマンドを受信し、これに応じたラウンド演出コマンドを画像制御基板100に送信するが、当該コマンドに基づく表示制御は、画像表示装置7の表示画面7a上のラウンド数表示の更新となる(図47を参照)。同様に、ラウンドバトル終了後のラウンド演出についても、最終ラウンド(ここでは16R)まで連続的(継続的)にラウンド演出に係る演出画像(一連の演出画像)が表示されるため、5ラウンド目〜16ラウンド目の各ラウンドに係るコマンド(ラウンドコマンド)の送受信による表示制御は、表示画面7a上のラウンド数表示の更新となる(図47を参照)。
以上がバトル演出のうちラウンドバトルの開始から終了までの流れであり、変動バトルに続いてラウンドバトルが行われた場合には、当該ラウンドバトルの結果によって、大当り遊技終了後に設定される遊技状態(演出モード)を示唆するものとなっている。
ここで、「バトル演出」のことを「特定演出」ともいい、「変動バトル」のことを「1stバトル」、「第1バトル演出」または「第1特定演出」ともいい、「ラウンドバトル」のことを「2ndバトル」、「第2バトル演出」または「第2特定演出」ともいい、「バトル継続演出」のことを「繋ぎ演出」ともいう。また、「敗北パターン(パターンA5)に基づく変動バトルの結果」や「ラウンドバトルの結果」(つまり、バトル演出の結果)として、大当り遊技終了後の遊技状態(演出モード)を示唆する演出(図46(e)、図47の4R目を参照)のことを「結果報知演出」ともいう。
さらに、結果報知演出よりも前に行われる演出、すなわち、「敗北パターン(パターンA5)に基づく変動バトルでの押し合い演出(図45を参照)および対決演出(図46(a)を参照)」のことや、「敗北パターン以外の変動バトル演出パターン(パターンA1〜A4)に基づく変動バトルでの押し合い演出(図45を参照)および対決演出(変動バトル結果表示含む。図46(a)〜(d)を参照)」と、これに続く「ラウンドバトルの結果表示よりも前に行われる対決シーン」(図47の1R目〜3R目を参照)のことを、「結果報知前演出」ともいう。
また、パターンA1〜A5の変動バトル演出パターン(図43を参照)のうち、「パターンA5の変動バトル演出パターン(敗北パターン、非継続パターン)」のことを「第1演出態様」または「所定演出態様」ともいい、「パターンA1〜A4の変動バトル演出パターン(勝利パターン、失敗パターン、回避パターン、継続パターン)」のことを「第2演出態様」または「所定演出態様以外の演出態様」ともいう。さらに、パターンB1〜B6のラウンドバトル演出パターン(図44を参照)のうち、「パターンB2およびパターンB4のラウンドバトル演出パターン(失敗パターン、敗北パターン)」のことを「第1演出態様」ともいい、「パターンB1およびパターンB3のラウンドバトル演出パターン(勝利パターン)」のことを「第2演出態様」ともいい、「パターンB5およびパターンB6のラウンドバトル演出パターン(引き分けパターン)」のことを「第3演出態様」ともいう。
[実施例の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、高確高ベース状態にて、大当り変動パターンP12またはP13に基づく大当り変動の実行に際してバトル演出判定が行われ、その結果、バトル演出を開始(実行)することとなった場合に、当該大当り変動中にバトル演出が開始される。バトル演出では、まず、変動バトルが実行され、当該変動バトルの演出パターンによって、変動バトルのみでバトル演出が完結する場合(パターンA5)と、変動バトルの後にラウンドバトルへ進んでバトル演出が完結する場合とがある(パターンA1〜A4)。このうち、変動バトルのみでバトル演出が完結する場合には、変動バトルの結果がバトル演出の結果となり、味方キャラの「敗北」により(図46(a),(e)を参照)、大当り遊技終了後は低確高ベース状態(演出モードC)になる旨の示唆(時短確定報知)が行われる。
一方、変動バトル後にラウンドバトルへ進んでバトル演出が完結する場合には(図47を参照)、ラウンドバトルの結果がバトル演出の結果となり、味方キャラの「勝利」により、大当り遊技終了後は高確高ベース状態(演出モードD)になる旨の示唆(確変確定報知)が行われ、味方キャラの「敗北」または「攻撃失敗」により、大当り遊技終了後は高確高ベース状態と低確高ベース状態の何れになるのか不明である旨(演出モードEになる旨)の示唆(確率非報知)が行われる。また、稀ではあるが、ラウンドバトルの結果(バトル演出の結果)として、味方キャラと敵キャラの「引き分け」により、実行中の大当り遊技のラウンド数が「6R」である旨の示唆とともに、大当り遊技終了後は高確高ベース状態(演出モードD)になる旨の示唆(確変確定報知)が行われる。
これにより、大当り変動中にバトル演出(変動バトル)が開始されるか否かに遊技者を注目させて、バトル演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となり、その結果、興趣を向上させることが可能となる。特に、本実施例では、大当り変動中にバトル演出(変動バトル)を開始可能(実行可能)としているので、遊技者にしてみれば、図柄変動表示中にバトル演出(変動バトル)が開始されれば、その時点で、当該変動表示の結果が大当りとなることが確定する。このことからも、バトル演出に対する遊技者の関心を高めることによる興趣向上の効果は顕著となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り変動中にバトル演出(変動バトル)が開始された後、当該変動バトル(大当り変動)終了後の大当り遊技(ラウンド遊技)におけるラウンドバトルに進まない場合(バトル終了)と進む場合(バトル継続)とが設けられている。このため、遊技者にしてみれば、ラウンドバトルに進まない場合には、変動バトル(大当り変動)の終了をもってバトル演出終了となって、大当り遊技終了後の低確高ベース状態(時短状態)が確定する一方、ラウンドバトルに進む場合には、変動バトル(大当り変動)の終了後も、大当り遊技終了後の高確高ベース状態(確変状態)に対する期待感を持続することが可能となる。これにより、変動バトル開始後、ラウンドバトルに発展するか否かに遊技者を注目させることが可能となり、ラウンドバトルに発展した場合には、さらに、ラウンドバトルの展開(演出態様)、すなわち、高確高ベース状態(確変状態)となる可能性(確変期待度)について遊技者の関心を高めることが可能となる。この結果、図柄変動表示中(大当り変動中)から大当り遊技中の所定回数のラウンド遊技(本実施例では1R〜4R)にかけて行われるバトル演出(変動バトル、ラウンドバトル)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では、バトル演出の開始契機となった大当り種別や、変動バトル結果によって、変動バトル演出パターンやラウンドバトル演出パターンの選択率が異なるものとなっており、バトル演出の開始契機となった大当り種別が「16R確変大当り」の場合には、「16R通常大当り」の場合に比べ、味方キャラが敗北するパターンの選択率を低くして、変動バトルとラウンドバトルの双方で味方キャラが勝利した場合に限り確変確定(演出モードD)となるようにしている。これにより、実行中の変動バトルやラウンドバトルの演出態様(演出展開)に遊技者を注目させて、バトル演出に対する関心を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り変動中の変動バトルと、当該大当り変動終了後に行われる大当り遊技中のラウンドバトルとにより一のバトル演出を構成している。このため、例えば、図柄変動中のバトル演出(変動バトル)しか備えていない場合に比して、バトル演出のバリエーションを増やすことが容易となり、バトル演出に係る演出パターンの多様化を図ることが可能となる(図43、図44を参照)。これにより、バトル演出の実行に際し、演出パターンに偏りが生じて同じような演出が行われる印象を遊技者に極力与えないようにすることが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では、低ベース状態において主として変動表示する第1特別図柄と、高ベース状態において主として変動表示する第2特別図柄とを備えており、バトル演出が実行され得る高確高ベース状態にて第1特別図柄による大当り変動が行われるのは稀となっている。このような第1特別図柄の大当り変動が高確高ベース状態中に行われて、当該大当り変動でバトル演出が開始(実行)された場合には、当該バトル演出の結果として「引き分け」が出現し得るものとなっている。この「引き分け」の演出パターン(ラウンドバトル演出パターンB5,B6)は、第2特別図柄の変動表示が主となる高確高ベース状態の遊技性を考慮して、高確高ベース状態中の第1特別図柄に係る「6R確変大当り(6R第2大当り)」が発生した場合のみ選択可能となっている(図44を参照)。これにより、確変大当りではあるものの、高確高ベース状態で発生するのが稀な「6R大当り」であることを遊技者に印象付けることが可能となり、「16R大当り」との差別化を図ることが可能となる。特に、変動バトルとラウンドバトルの双方で「勝利」となった場合に「16R確変確定」という遊技性(バトル演出の仕様)や遊技者に与える満足感、達成感等を損なわないようにすることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、変動バトルに続いてラウンドバトルが実行される場合、変動バトルの実行契機となった大当り変動が終了した後の大当り遊技の開始に際し、バトル継続演出が行われる。これにより、大当り変動の終了から大当り遊技(1ラウンド目)の開始までの期間(オープニング期間)が、変動バトルとラウンドバトルの間に介在しても、これら変動バトルとラウンドバトルとを繋がりのある一連のバトル演出として遊技者に認識させる(見せる)ことが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する高確高ベース状態にてバトル演出が実行可能となっているため、特別図柄(演出図柄)の短縮変動により遊技が単調になりがちな高確高ベース状態の興趣を向上させることが可能となる。
尚、バトル演出に係る構成は、本実施例に限定されるものではない。以下、バトル演出に関し、本実施例と異なる他の形態を例示する。以下では、実施例と共通する構成や作用効果等についての説明は省略し、主に実施例と異なる点について説明する。
[他の形態1]
前述した実施例では、バトル演出として、変動バトルの開始から終了(結果表示)に至るまでの演出(押し合い演出および対決演出)と、ラウンドバトルの開始から終了(結果表示)に至るまでの演出(対決演出)とを、それぞれ1回ずつ行うものとなっていた。つまり、バトル演出を構成する変動バトルおよびランドバトルを、それぞれ1回ずつ行うものとなっていた。これに対して、変動バトルおよびラウンドバトルの一方または両方を、2回以上(複数回)行うように構成してもよい。例えば、変動バトルにおいて、押し合い演出(図45を参照)の開始から対決演出(対決シーン、図46(a)を参照)の終了に至るまでの演出を複数回繰り返し行い、最終回の対決演出(対決シーン)の終了により変動バトルの最終的な結果表示(図46(b)〜(e)を参照)を行って変動バトルを終了し、これに伴い演出図柄8の停止表示を行うこととしてもよい。また、ラウンドバトルにおいて、対決演出(対決シーン)を複数回繰り返し行い、最終回の対決演出(対決シーン)の終了により、ラウンドバトルの最終的な結果表示を行ってラウンドバトルを終了することとしてもよい。これによっても、前述の実施例と同様、バトル演出に対する遊技者の関心を高めて、興趣を向上させることが可能となる。尚、変動バトルの実行回数とラウンドバトルの実行回数は、互いに同じ回数であっても異なる回数であってもよい。
[他の形態2]
前述した実施例では、高確高ベース状態での大当り変動にてバトル演出(変動バトル)を開始可能(実行可能)としていたが、外れ変動においてもバトル演出(変動バトル)を開始可能(実行可能)としてもよい。この場合、外れ変動に係るバトル演出は、変動バトルのみで構成する。具体的に、例えば、高確高ベース状態での変動パターンP15,P16,P19,P20の何れかに基づく外れ変動の実行に際してバトル演出(変動バトル)を行うか否かの判定(バトル演出判定)を行い、その判定結果に応じて変動バトルを開始可能とする。そして、外れ変動での変動バトル演出パターンとして、味方キャラが敗北する敗北パターンだけを設けておき、変動バトルの結果として味方キャラ敗北を表示するとともに、演出図柄8を外れ態様で停止表示するものとする。これにより、変動バトルで味方キャラが敗北した場合には、当該変動表示の結果が外れである旨を示唆することとなる。尚、本形態2では、大当り変動での変動バトル演出パターンとして、味方キャラが敗北する敗北パターンを設けず、例えば、前述した実施例の「勝利パターン」「失敗パターン」「回避パターン」の3つとする。この場合、変動バトルの結果として味方キャラ敗北は「外れ」を意味し、それ以外の結果(勝利、回避または失敗)は「大当り」を意味することとなる。そして、3つの変動バトル演出パターンのうち「失敗パターン」を、前述した実施例の非継続パターン(ラウンドバトルに進まないパターン)とし、残りの2つである「勝利パターン」および「回避パターン」を、前述した実施例の継続パターン(ラウンドバトルに進むパターン)とする。このような構成によれば、大当り変動だけでなく外れ変動においてもバトル演出が実行され得ることとなるので、変動演出の幅を広げ、興趣を向上させることが可能となる。
[他の形態3]
本形態3も、前述の他の形態2と同様、高確高ベース状態での大当り変動に加え、外れ変動においても変動バトルを開始可能(実行可能)とするものである。本形態3では、変動バトルにおける押し合い演出の結果が前述の実施例と異なるものとなっている。すなわち、前述の実施例では、味方キャラと敵キャラの何れが先制攻撃を行うのかを示す演出として「押し合い演出」を行い、その結果として、味方キャラ画像Mまたは敵キャラ画像Tを表示画面7aの略全体に表示することで、先制攻撃を行うキャラクタを示すものとしていた。つまり、押し合い演出のパターンとして、味方キャラ画像Mを表示画面7aの略全体に表示する「味方先制パターン」と、敵キャラ画像Tを表示画面7aの略全体に表示する「敵先制パターン」との2種類を備えていた。これに加えて、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tの何れも表示画面7aの略全体に表示することなく、両画像を画面から消去する「消去パターン」を設け、外れ変動で変動バトルを開始する場合には「消去パターン」のみを実行可能(選択可能)とし、大当り変動で変動バトルを開始する場合には「消去パターン」以外の「味方先制パターン」または「敵先制パターン」を実行可能(選択可能)とする。したがって、大当り変動で変動バトルを開始した場合は、前述の実施例と同様の構成となる。一方、外れ変動で変動バトルを開始した場合は、表示画面7aにて図45(a)〜(b1),(b2)に示す演出表示(味方キャラ画像Mおよび敵キャラ画像Tの対峙〜左右移動表示)を行った後、図45(c1),(c2)に示す全体表示を行うことなく、味方キャラ画像Mと敵キャラ画像Tの双方を表示画面7aから消去し、演出図柄8を外れ態様で停止表示する。このような構成によれば、前述の実施例に対して、押し合い演出のパターンを増やすだけで、外れ変動に係る演出の幅を広げることが可能となり、バトル演出が開始されるか否か(バトルに発展するか否か)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
[他の形態4]
前述の実施例では、変動バトルにて「押し合い演出」と「対決演出」を行い、押し合い演出の結果により、その後の対決演出にて先制攻撃するキャラクタを示唆し、対決演出の結果により「時短確定(演出モードC)」(ラウンドバトル無し)または「バトル継続」(ラウンドバトル有り)を示唆するものとし、ラウンドバトルの結果により「確変確定(演出モードD)」または「確率非報知(演出モードE)」を示唆するものとしていた。これに対して、変動バトルを「押し合い演出」のみで構成してもよい。この場合、例えば、押し合い演出のパターンとして、前述した他の形態3における「味方先制パターン」、「敵先制パターン」および「消去パターン」の3つを設け、「味方先制パターン」と「敵先制パターン」は「バトル継続」(ラウンドバトル有り)を示唆するものとし、「消去パターン」は「時短確定(演出モードC)」(ラウンドバトル無し)を示唆するものとする。尚、本構成では、変動バトル(押し合い演出)の開始で大当り確定となる。このような構成によっても、変動バトルからラウンドバトルにかけて一連のバトル演出として遊技者に認識させる(見せる)ことが可能となる。
[他の形態5]
前述の実施例では、バトル演出として、変動バトルとラウンドバトルを実行する場合(継続パターン)と、変動バトルを実行してラウンドバトルを実行しない場合(非継続パターン)とが存在していた。これに対して、変動バトルを実行せずにラウンドバトルだけを実行する場合を設けてもよい。この場合、例えば、ラウンドバトルを前述の「押し合い演出」と「対決演出」により構成し、大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目にかけて「押し合い演出」を実行し、7ラウンド目から10ラウンド目にかけて「対決演出」を実行するものとする。そして、押し合い演出のパターンとして、前述した他の形態3における「味方先制パターン」、「敵先制パターン」および「消去パターン」の3つを設け、「消去パターン」は「次ラウンド(ここでは6ラウンド)で大当り遊技終了」(6R確変大当り又は6R通常大当り)を示唆するものとし、「味方先制パターン」と「敵先制パターン」は「対決演出発展」(16R大当り)を示唆するものとする。また、対決演出に関しては、前述の実施例で示してラウンドバトル演出パターンのパターンB1〜B4を設け、勝利パターン(パターンB1,B3)は確変確定(演出モードD)を示唆するものとし、失敗パターン(パターンB2)は確率非報知(演出モードE)を示唆するものとし、敗北パターン(パターンB4)は時短確定(演出モードC)を示唆するものとする。このような構成によれば、大当り遊技中は遊技者をラウンドバトルに注目させて、大当り遊技の興趣を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例および他の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例等に係るバトル演出は、大当り遊技終了後の遊技状態や演出モード、実行中の大当り遊技のラウンド数の示唆を行うものとなっていたが、示唆する内容はこれに限定されるものではない。例えば、高確高ベース状態での第2特別図柄の変動表示中に第2特図保留が記憶されている場合、その中に特定の保留(例えば大当り保留)が含まれているか否か等を予告する、所謂「保留先読み」に関する示唆を行うものとしてもよい。尚、図柄変動表示中に記憶されている特図保留は、当該変動表示の終了後に消化されるものであるため、保留先読みに関する示唆は、当該変動表示の終了後の遊技に関する情報の示唆に含まれる。
このような保留先読みに関する示唆をバトル演出により行う場合の当該バトル演出(以下「先読みバトル演出」ともいう。)の実行態様としては、例えば、高確高ベース状態にて第2特図保留が複数存在する状況下で行われる第2特別図柄の変動表示中に先読みバトル演出を開始する構成が考えられる。この場合、先読みバトル演出パターンとして、例えば、先読みバトル演出の開始契機となった変動表示の終了までに、先読みバトル演出開始時に存在する特図保留の先読み結果に関する情報(例えば特定保留の有無)を示唆する「第1先読みバトル演出パターン」(前述した実施例の非継続パターンに相当)と、バトル演出(変動バトル)の開始契機となった変動表示に続く次回以降の変動表示で、先読みバトル演出開始時に存在する特図保留の先読み結果に関する情報を示唆する「第2先読みバトル演出パターン」(前述した実施例の継続パターンに相当)と、を設けることができる。そして、第1先読みバトル演出パターン(非継続パターン)として、味方キャラが敗北する敗北パターンを設け、当該パターンに基づく先読みバトル演出では、当該先読みバトル演出の開始契機となった変動表示の終了までに、特定保留(大当り保留等)が記憶されていない旨を、味方キャラの敗北によって示唆するものとする。一方、第2先読みバトル演出パターン(継続パターン)として、味方キャラが勝利する勝利パターン、味方キャラが攻撃失敗する失敗パターン、敵キャラの攻撃をかわす回避パターン等、敗北パターン以外の複数のパターンを設け、当該複数のパターンの何れかに基づく先読みバトル演出では、当該先読みバトル演出の開始契機となった変動表示の終了までに、次回以降の変動表示にバトル演出が継続する旨を示唆するとともに、次回以降の変動表示にて、特定保留(大当り保留等)が記憶されている旨または記憶されている可能性の高低を、味方キャラの勝利や攻撃失敗、攻撃回避等によって示唆するものとする。
このような構成によれば、高確高ベース状態にて特別図柄(ここでは第2特別図柄)の変動表示が繰り返し行われる状況下で、後に行われる変動表示の結果、すなわち、保留先読み結果を、1回または複数回の変動表示で実行される先読みバトル演出によって示唆するので、先読みバトル演出に対する遊技者の関心を高めて、興趣を向上させることが可能となる。尚、このような先読みバトル演出は、外れ変動中と大当り変動中の何れにおいても開始可能(実行可能)であり、大当り変動中に開始(実行)する場合には、所謂「保留連チャン」の可能性(有無)を示唆するものとなる。また、先読みバトル演出は、高確高ベース状態の他、低確低ベース状態や低確高ベース状態など、他の遊技状態においても実行可能である。
また、前述の実施例等に係るバトル演出を構成する「変動バトル」と「ラウンドバトル」のうち、変動バトルによって大当り遊技終了後の遊技状態(演出モード)を示唆し、ラウンドバトルによって実行中の大当り遊技のラウンド数を示唆するものとしてもよい。ラウンドバトルによってラウンド数を示唆する場合は、例えば、予め設けられた大当り種別に応じて、大当り遊技中の最終ラウンドを除く毎ラウンドでラウンドバトルを行ったり、ラウンド数の多少が大当り種別によって相違する場合の当該相違の分岐となるラウンドでラウンドバトルを行ったりすることが可能である。尚、この場合のラウンドバトル演出パターンとしては、例えば、「勝利パターン」と「敗北パターン」の2種類とし、「勝利パターン」はラウンド継続や最大ラウンドである旨を示唆し、「敗北パターン」はラウンド終了や最少ラウンドである旨を示唆するように構成することが可能である。
また、前述の実施例等では、ラウンドバトルを大当り遊技の1R〜4Rにかけて実行するものとしていたが、ラウンドバトルの実行時期はこれに限定されるものではなく、例えば、大当り遊技の2R目からラウンドバトルを開始したり、1R〜3Rと5R〜7Rとに分けて実行したりする等、種々のタイミングでラウンドバトルを実行することが可能である。但し、変動バトルとの繋がりを考慮するのであれば、大当り遊技の序盤からラウンドバトルを開始するのが望ましい。また、例えば、「1Rと3Rと5R」でラウンドバトルを行ったり、「1R〜3Rと5R〜7R」でラウンドバトルを行ったりするなど、ラウンドバトルを伴う複数回のラウンドの間に、ラウンドバトルを伴わないラウンドを介在させることも可能である。この場合、ラウンドバトルを伴わないラウンドにて、バトルの繋がりを持たせるラウンド演出を実行するように構成するのが望ましい。こうすれば、間隔の空くラウンドバトルを一連のバトル演出として遊技者に認識させる(見せる)ことが可能となるからである。
また、前述の実施例等では、高確高ベース状態にてバトル演出を実行可能としていたが、バトル演出を実行可能とする遊技状態はこれに限定されるものでない。例えば、高確高ベース状態に加えて低確高ベース状態でも実行可能としたり、高ベース状態と低ベース状態の双方で実行可能としたり、低ベース状態でのみ実行可能としたりする等、バトル演出を実行可能とする遊技状態の種類は特に問わない。あるいは、バトル演出の実行可否を、遊技状態ではなく演出モードによって定めてもよい。例えば、現在の遊技状態を遊技者が判別可能な演出モード(例えば、前述した実施例の演出モードA〜D)ではバトル演出を実行不能とし、現在の遊技状態を遊技者が判別不能な演出モード(例えば、前述した実施例の演出モードE)でバトル演出を実行可能とすることが可能である。また、一の遊技状態(例えば、高確高ベース状態)に対応する演出モードを複数設け、そのうちの特定の演出モードでバトル演出を実行可能とすることも可能である。
また、前述の実施例等では、高確高ベース状態での大当り変動の開始に際し、バトル演出を開始(実行)するか否かを判定するバトル演出判定を行い、当該判定により開始(実行)する旨の結果が得られた場合に、バトル演出を開始(実行)するものとしていた。これに対し、高確高ベース状態での大当り変動では必ず(100%)バトル演出を開始(実行)するものとしてもよい。こうすれば、高確高ベース状態中はバトル演出を中心とした遊技性とすることが可能となる。
また、前述の実施例等では、変動バトルの後にラウンドバトルが実行される場合、変動バトルの実行契機となった大当り変動が終了してから、大当り遊技(1ラウンド目)が開始されるまでのオープニング期間中に、変動バトルとラウンドバトルとの繋がり(一体感)を持たせるバトル継続演出(繋ぎ演出)を実行するものとしていた。これに対して、オープニング期間(オープニング時間)を可能な限り短くして、バトル継続演出を実行しないようにしてもよい。例えば、オープニング時間を、特別図柄の停止表示時間以下とし、大当り変動の終了から大当り遊技(1ラウンド目)の開始に至るまでの時間を極力短くする。具体的に、前述の実施例では特別図柄の停止表示時間を「0.6秒」としているので、オープニング時間を、例えば、停止表示時間より短い「0.4秒」とする。この場合、変動バトル(大当り変動)の終了後、「1.0秒」が経過したタイミングでラウンドバトル(1ラウンド目)が開始されることとなる。また、当該オープニング期間では、画像表示装置7の表示画面7aに、オープニング演出用の演出画像を表示することなく、変動バトルが終了したときの演出画像を表示したままとする。このように、オープニング期間(オープニング時間)を可能な限り短くして、オープニング期間中も変動バトル終了時の演出表示内容を維持することで、変動バトルからラウンドバトルへの移行をスムーズに見せることが可能となり、バトル継続演出(繋ぎ演出)を設けなくても、変動バトルとラウンドバトルに繋がり(一体感)を持たせて、一連のバトル演出の印象を遊技者に与えることが可能となる。
また、前述の実施例等では、バトル演出として味方キャラと敵キャラが対決するものを例示したが、バトル演出の内容はこれに限定されるものではない。例えば、野球、サッカー、ゴルフ等のスポーツや、トランプ、将棋、じゃんけん等、勝ち負けを表すことが可能な事柄をモチーフにしたものをバトル演出とすることが可能である。さらに、大当り変動中から大当り遊技中(複数回のラウンド)にかけて行われる演出はバトル演出である必要はなく、例えば、大当り変動終了後の遊技が遊技者にとって有利な展開となるか否かを示すことが可能な演出であれば、その演出の種類や態様は特に問わない。
また、前述の実施例等では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
また、前述の実施例等では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また、前述の実施例等では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例等では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(1−1)所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、前記識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技の進行に伴って演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示中に、該変動表示の終了後の遊技に関する情報を結果として報知する特定演出を開始可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(1−1)の遊技機では、識別情報の変動表示中に特定演出を開始することが可能となっている。特定演出は、変動表示の終了後の遊技に関する情報を結果として報知するものであるため、遊技者の注目を集めやすいものとなる。これにより、興趣を向上させることが可能となる。
(1−2)前述した(1−1)の遊技機において、
前記特定演出は、少なくとも、結果報知を行う結果報知演出と、該結果報知演出を行う前の結果報知前演出とを含み、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示中に前記特定演出を開始した後、該変動表示の終了までに前記結果報知前演出と前記結果報知演出を実行する場合と、該変動表示の終了までに前記結果報知前演出を実行し該変動表示の終了後に前記結果報知演出を実行する場合とがある
ことを特徴とする遊技機。
上記(1−2)の遊技機では、特定演出が、少なくとも、結果報知を行う結果報知演出と、該結果報知演出を行う前の結果報知前演出とを含むものとなっている。そして、識別情報の変動表示中に特定演出を開始した後、該変動表示の終了までに結果報知前演出と結果報知演出を実行する場合と、該変動表示の終了までに結果報知前演出を実行し該変動表示の終了後に結果報知演出を実行する場合とがあるものとなっている。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を高めて、興趣を向上させることが可能となる。
尚、結果報知前演出は、該演出を完了(完結)させるまでに1回または複数回実行することが可能である。また、結果報知演出も、該演出を完了(完結)させるまでに1回または複数回実行することが可能である。
(1−3)前述した(1−2)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記識別情報の変動表示中に前記特定演出を開始した後、該変動表示の終了までに前記結果報知前演出と前記結果報知演出を実行する場合、少なくとも前記結果報知前演出を所定の第1演出態様で実行し、
前記識別情報の変動表示中に前記特定演出を開始した後、該変動表示の終了までに前記結果報知前演出を実行し該変動表示の終了後に前記結果報知演出を実行する場合、少なくとも前記結果報知前演出を所定の第2演出態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(1−3)の遊技機では、識別情報の変動表示中に特定演出を開始した後、該変動表示の終了までに結果報知前演出と結果報知演出を実行する場合と、該変動表示の終了までに結果報知前演出を実行し該変動表示の終了後に結果報知演出を実行する場合とで、結果報知前演出の演出態様が異なるものとなっている。これにより、識別情報の変動表示中に特定演出を開始した後の結果報知前演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
尚、結果報知前演出を完了(完結)させるまでに複数回実行する場合、少なくとも最後に実行する(最終回の)結果報知前演出について、前述の第1演出態様や第2演出態様で実行するものとすればよい。
(1−4)前述した(1−1)から(1−3)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示の表示結果として前記特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に前記特定演出を開始可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(1−4)の遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に、特定演出を開始することが可能となっている。ここで、特定表示結果が導出されることに基づいて特別遊技が実行可能になることから、特定変動は特別遊技の実行が確定した変動表示といえる。このため、特定変動の実行中に開始される特定演出は、特定変動が終了した後の特別遊技を含めたその後の遊技に関する情報を結果として報知するものとなる。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を一層高めることが可能となる。
(1−5)前述した(1−4)の遊技機において、
前記特定表示結果が導出される確率を、少なくとも、第1確率または前記第1確率よりも高い第2確率に設定可能な確率設定手段を備え、
前記特定演出は、前記特別遊技の終了後に設定され得る確率に関する示唆を行う演出である
ことを特徴とする遊技機。
上記(1−5)の遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出される確率を、少なくとも、第1確率または第1確率よりも高い第2確率に設定することが可能となっており、特別遊技の終了後に設定され得る確率に関する示唆を、特定演出により行うものとなっている。これにより、特定演出に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。
尚、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出される確率は、第1確率と第2確率の2種類に限られず、例えば、第1確率と第2確率の他に第3確率や第4確率など、3種類以上の確率が存在していてもよい。
(1−6)前述した(1−1)から(1−5)の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報の変動表示時間が所定変動時間よりも短い時間とされる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段を備え、
前記特定演出は、前記短縮変動状態にて実行可能な演出である
ことを特徴とする遊技機。
上記(1−6)の遊技機では、識別情報の変動表示時間が所定変動時間よりも短い時間とされる短縮変動状態を設定することが可能となっており、特定演出は、短縮変動状態にて実行可能な演出となっている。これにより、短縮変動状態における遊技の興趣を向上させることが可能となる。
(2−1)所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、前記識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技の進行に伴って演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示の表示結果として前記特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に、該特定変動の終了後の遊技に関する情報を結果として報知する特定演出を開始可能であるとともに、前記特定演出を前記特別遊技の開始後まで実行可能である。
ことを特徴とする遊技機。
上記(2−1)の遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に、該特定変動の終了後の遊技に関する情報を結果として報知する特定演出を開始することが可能となっているとともに、特定演出を特別遊技の開始後まで実行することが可能となっている。ここで、特定表示結果が導出されることに基づいて特別遊技が実行可能になることから、特定変動は特別遊技の実行が確定した変動表示といえる。このため、特定変動の実行中に開始される特定演出は、特定変動が終了した後の特別遊技を含めたその後の遊技に関する情報を結果として報知するものとなるので、遊技者の注目を集めやすいものとなる。また、特別遊技の開始後も特定演出が実行され得るので、特定変動の実行中に開始された特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。これにより、興趣を向上させることが可能となる。
(2−2)前述した(2−1)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記特定変動の実行中に前記特定演出を開始した後、前記特定変動の終了までに前記特定演出を所定演出態様で実行した場合、前記特別遊技の開始前に前記特定演出を終了し、
前記特定変動の実行中に前記特定演出を開始した後、前記特定変動の終了までに前記特定演出を前記所定演出態様以外の演出態様で実行した場合、前記特別遊技の開始後に前記特定演出を終了する
ことを特徴とする遊技機。
上記(2−2)の遊技機では、特定変動の実行中に開始した特定演出が、特定変動の終了までに所定演出態様で実行されると、特定演出が特別遊技の開始前に終了し、特定変動の終了までに所定演出態様以外の演出態様で実行されると、特定演出が特別遊技の開始後にするものとなっている。つまり、特定演出の開始契機となった特定変動が終了するまでに行われる特定演出の演出態様によって、特定演出の終了時期が異なるものとなっている。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を高めて、興趣を向上させることが可能となる。
(2−3)前述した(2−1)または(2−2)の遊技機において、
前記特別遊技の終了後の遊技状態を、少なくとも、第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段を備え、
前記特定演出は、前記特別遊技の終了後に設定され得る遊技状態に関する示唆を行う演出である
ことを特徴とする遊技機。
上記(2−3)の遊技機では、特別遊技の終了後の遊技状態を、少なくとも、第1遊技状態または第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に設定することが可能となっており、特別遊技の終了後に設定され得る遊技状態に関する示唆を、特定演出により行うものとなっている。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を一層高めることが可能となる。
尚、特別遊技の終了後に設定可能な遊技状態は、第1遊技状態と第2遊技状態の2種類に限られず、例えば、第1遊技状態と第2遊技状態の他に第3遊技状態や第4遊技状態など、3種類以上の遊技状態が存在していてもよい。
(2−4)前述した(2−2)の遊技機において、
前記特別遊技の終了後の遊技状態を、少なくとも、第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段を備え、
前記特定演出は、前記特別遊技の終了後に設定され得る遊技状態に関する示唆を行う演出であり、
前記演出実行手段は、
前記特定変動の実行中に前記特定演出を開始した後、前記特別遊技の開始前に前記特定演出を終了する場合、前記特別遊技の終了後に設定される遊技状態が前記第1遊技状態である場合に対応する態様で前記特定演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(2−4)の遊技機では、特別遊技の終了後の遊技状態を、少なくとも、第1遊技状態または第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に設定することが可能となっており、特別遊技の終了後に設定され得る遊技状態に関する示唆を、特定演出により行うものとなっている。そして、特定変動の実行中に開始した特定演出を特別遊技の開始前に終了する場合、特別遊技の終了後に設定される遊技状態が第1遊技状態である場合に対応する態様で、特定演出を実行するものとなっている。このため、特定変動の実行中に開始した特定演出が特別遊技の開始前に終了する場合、その特定演出は、特別遊技終了後に設定される遊技状態が第1遊技状態である旨を示唆するものとなる。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を一層高めることが可能となる。
尚、特別遊技の終了後に設定可能な遊技状態は、第1遊技状態と第2遊技状態の2種類に限られず、例えば、第1遊技状態と第2遊技状態の他に第3遊技状態や第4遊技状態など、3種類以上の遊技状態が存在していてもよい。
(2−5)前述した(2−4)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記特定変動の実行中に前記特定演出を開始した後、前記特別遊技の開始後に前記特定演出を終了する場合、前記特別遊技の終了後に設定される遊技状態が前記第1遊技状態である場合と前記第2遊技状態である場合の何れにも対応する態様、または、前記特別遊技の終了後に設定される遊技状態が前記第2遊技状態である場合に対応する態様で、前記特定演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(2−5)の遊技機では、特定変動の実行中に開始した特定演出を特別遊技の開始後に終了する場合、特別遊技の終了後に設定される遊技状態が第1遊技状態である場合と第2遊技状態である場合の何れにも対応する態様、または、第2遊技状態である場合に対応する態様で、特定演出を実行するものとなっている。このため、特定変動の実行中に開始した特定演出が特別遊技の開始後に終了する場合、その特定演出は、特別遊技終了後に設定される遊技状態が、第1遊技状態と第2遊技状態の何れの場合もあり得る旨を示唆するものとなるか、第2遊技状態である旨を示唆するものとなる。これにより、特定演出に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。
(3−1)所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、前記識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技の進行に伴って演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示の表示結果として前記特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に第1特定演出を実行可能であるとともに、前記特定変動が終了した後の前記特別遊技の実行中に第2特定演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−1)の遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に第1特定演出を実行することが可能となっているとともに、該特定変動が終了した後の特別遊技の実行中に第2特定演出を実行することが可能となっている。これにより、特定変動中から特別遊技中にかけて行われる演出に遊技者を注目させて、興趣を向上させることが可能となる。
尚、第1特定演出は、特定変動の実行中に1回または複数回実行することが可能であり、また、第2特定演出は、特別遊技の実行中に1回または複数回実行することが可能である。
(3−2)前述した(3−1)の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行しない場合と、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合とがある
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−2)の遊技機では、特定変動の実行中に第1特定演出を実行した後、第2特定演出を実行しない場合と第2特定演出を実行する場合とがある。これにより、第1特定演出後の特別遊技での第2特定演出の実行有無について遊技者の関心を高めることが可能となる。
(3−3)前述した(3−1)または(3−2)の遊技機において、
前記特別遊技の終了後の遊技状態を、複数の遊技状態のうちの何れかに設定可能な遊技状態設定手段を備え、
前記第1特定演出および前記第2特定演出は、少なくとも、前記特別遊技の終了後に設定される遊技状態の示唆に係る演出である
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−3)の遊技機では、特別遊技の終了後の遊技状態を、複数の遊技状態のうちの何れかに設定することが可能となっており、第1特定演出および第2特定演出が、少なくとも、特別遊技の終了後に設定される遊技状態の示唆に係る演出となっている。これにより、第1特定演出や第2特定演出に対する遊技者の関心を高めて、興趣を向上させることが可能となる。
(3−4)前述した(3−3)の遊技機において、
前記複数の遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態と、を有し、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記第1遊技状態となる場合、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行しない場合と、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合とがあり、
前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記第2遊技状態となる場合、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−4)の遊技機では、特別遊技の終了後の遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態または第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に設定することが可能となっている。そして、特別遊技の終了後の遊技状態が第1遊技状態となる場合、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行しない場合と、第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合とがある。一方、特別遊技の終了後の遊技状態が第2遊技状態となる場合、第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行するものとなっている。このため、第1特定演出の実行後に、第2特定演出が実行されなければ、特別遊技の終了後に設定される遊技状態は第1遊技状態であり、第2特定演出が実行されれば、特別遊技の終了後に設定される遊技状態は第1遊技状態と第2遊技状態の何れかである、といった遊技性が得られるようになる。これにより、第1特定演出後の第2特定演出の実行有無について遊技者の関心を高めることが可能となる。
尚、特別遊技の終了後に設定可能な遊技状態は、第1遊技状態と第2遊技状態の2種類に限られず、例えば、第1遊技状態と第2遊技状態の他に第3遊技状態や第4遊技状態など、3種類以上の遊技状態が存在していてもよい。
(3−5)前述した(3−4)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行しない場合、前記第1特定演出を所定演出態様で実行し、
前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合、前記第1特定演出を前記所定演出態様以外の演出態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−5)の遊技機では、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行しない場合、第1特定演出を所定演出態様で実行し、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行する場合、第1特定演出を所定演出態様以外の演出態様で実行するものとなっている。これにより、特定変動中に実行される第1特定演出の演出態様に遊技者を注目させて、第1特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
(3−6)前述した(3−5)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合であって、
前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記第1遊技状態となる場合、前記第2特定演出を前記第1演出態様で実行し、
前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記第2遊技状態となる場合、前記第2特定演出を前記第2演出態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−6)の遊技機では、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行する場合であって、特別遊技の終了後の遊技状態が第1遊技状態となる場合、第2特定演出を第1演出態様で実行し、特別遊技の終了後の遊技状態が第2遊技状態となる場合、第2演出態様で実行するものとなっている。これにより、特別遊技中に実行される第2特定演出の演出態様に遊技者を注目させて、第2特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
(3−7)前述した(3−6)の遊技機において、
前記特別遊技として、少なくとも、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技と、を有しており、
前記演出実行手段は、
前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合であって、
前記特定変動の終了後に実行される特別遊技が前記第2特別遊技である場合、前記第2特定演出を前記第1演出態様または前記第2演出態様で実行し、
前記特定変動の終了後に実行される特別遊技が前記第1特別遊技である場合、前記第2特定演出を所定の第3演出態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−7)の遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて実行可能となる特別遊技として、少なくとも、第1特別遊技と、第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技とを有するものとなっている。そして、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行する場合であって、特定変動の終了後に実行される特別遊技が第2特別遊技である場合、第2特定演出を前述の第1演出態様または第2演出態様で実行し、実行される特別遊技が第1特別遊技である場合、第2特定演出を所定の第3演出態様で実行するものとなっている。これにより、第2特定演出の演出態様を多様化して、第2特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
尚、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて実行可能となる特別遊技は、第1特別遊技と第2特別遊技の2種類に限られず、例えば、第1特別遊技と第2特別遊技の他に第3特別遊技や第4特別遊技など、3種類以上の特別遊技が存在していてもよい。この場合、例えば、導出され得る特定表示結果の種類(態様)によって、実行する特別遊技を決定する構成を採ることが可能である。
(3−8)前述した(3−7)の遊技機において、
第1始動口と、
遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口と、を有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
少なくとも前記第2遊技状態では、前記第1始動口よりも前記第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなり、
前記第1識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、前記第1特別遊技または前記第2特別遊技が実行可能となり、
前記第2識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、前記第2特別遊技が実行可能となる
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−8)の遊技機では、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口と、を有し、第1始動口への遊技球の入球に基づいて第1識別情報の変動表示が実行され、第2始動口への遊技球の入球に基づいて第2識別情報の変動表示が実行され、第1識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、第1特別遊技または第2特別遊技が実行可能となり、第2識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、第2特別遊技が実行可能となるように構成される。また、少なくとも第2遊技状態では、第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなるように構成される。このため、少なくとも第2遊技状態では、原則、第1識別情報の変動表示よりも第2識別情報の変動表示の実行可能性が高くなり、これに伴って、特別遊技が実行される場合には、第1特別遊技よりも第2特別遊技の実行可能性が高くなる。このような第2遊技状態の遊技性に適した態様で、第2特定演出を実行することが可能となる。
(3−9)前述した(3−4)から(3−8)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、少なくとも、前記第2遊技状態での前記特定変動の実行中に第1特定演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−9)の遊技機では、少なくとも第2遊技状態での特定変動の実行中に第1特定演出を実行することが可能となっている。このため、第1特定演出後の第2特定演出の実行も、第2遊技状態での特定変動の実行が契機となる。これにより、第2遊技状態における遊技の興趣を向上させることが可能となる。
(3−10)前述した(3−1)から(3−9)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合、前記第1特定演出と前記第2特定演出との間で所定の繋ぎ演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(3−10)の遊技機では、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行する場合、第1特定演出と第2特定演出との間で所定の繋ぎ演出を実行するものとなっている。これにより、第1特定演出と第2特定演出の繋がりを遊技者に印象付けることが可能となる。
(4−1)所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記特別遊技として、少なくとも、第1特別遊技または前記第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の終了後の遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、
遊技の進行に伴い所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に、該特定変動の終了後の遊技に関する情報を結果として報知する特定演出を開始可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−1)の遊技機では、特別遊技として、少なくとも、第1特別遊技または第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技を実行可能となっており、特別遊技の終了後の遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態または第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態を設定可能となっている。そして、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されることとなる特定変動の実行中に、特定演出を開始することが可能となっている。特定演出は、特定変動終了後に行われる特別遊技や、特別遊技終了後に設定される遊技状態など、特定変動が終了した後の遊技に関する情報を結果として報知するものであるため、遊技者の注目を集めやすいものとなる。これにより、興趣を向上させることが可能となる。
尚、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて実行可能となる特別遊技は、第1特別遊技と第2特別遊技の2種類に限られず、例えば、第1特別遊技と第2特別遊技の他に第3特別遊技や第4特別遊技など、3種類以上の特別遊技が存在していてもよい。この場合、例えば、導出され得る特定表示結果の種類(態様)によって、実行する特別遊技を決定する構成を採ることが可能である。また、特別遊技の終了後に設定可能な遊技状態は、第1遊技状態と第2遊技状態の2種類に限られず、例えば、第1遊技状態と第2遊技状態の他に第3遊技状態や第4遊技状態など、3種類以上の遊技状態が存在していてもよい。
(4−2)前述した(4−1)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記特定演出として、前記特定変動の実行中に第1特定演出を実行可能であるとともに、前記特定変動終了後の前記特別遊技の実行中に第2特定演出を実行可能であり、
前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行しない場合と、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合とがある
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−2)の遊技機では、特定演出として、特定変動の実行中に第1特定演出を実行可能であるとともに、特定変動終了後の特別遊技の実行中に第2特定演出を実行可能であり、特定変動の実行中に第1特定演出を実行した後、第2特定演出を実行しない場合と第2特定演出を実行する場合とがあるものとなっている。これにより、第1特定演出後の特別遊技での第2特定演出の実行有無について遊技者の関心を高めることが可能となる。
(4−3)前述した(4−2)の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記第1遊技状態となる場合、前記第1特定演出を所定演出態様で実行した後に前記第2特定演出を実行しない場合と、前記第1特定演出を前記所定演出態様以外の演出態様で実行した後に前記第2特定演出を所定の第1演出態様で実行する場合とがあり、
前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記第2遊技状態となる場合、前記第1特定演出を前記所定演出態様以外の演出態様で実行した後に前記第2特定演出を所定の第2演出態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−3)の遊技機では、特別遊技の終了後の遊技状態が第1遊技状態となる場合、第1特定演出を所定演出態様で実行した後に第2特定演出を実行しない場合と、第1特定演出を所定演出態様以外の演出態様で実行した後に第2特定演出を第1演出態様で実行する場合とがある。一方、特別遊技の終了後の遊技状態が第2遊技状態となる場合、第1特定演出を所定演出態様以外の演出態様で実行した後に第2特定演出を第2演出態様で実行するものとなっている。このため、第1特定演出の実行後に、第2特定演出が実行されなければ、特別遊技の終了後に設定される遊技状態は第1遊技状態であり、第2特定演出が実行されれば、特別遊技の終了後に設定される遊技状態は第1遊技状態と第2遊技状態の何れかである、といった遊技性が得られるようになる。また、第1特定演出の演出態様によって第2特定演出の実行有無を示唆したり、第2特定演出の演出態様によって特別遊技終了後の遊技状態を示唆したりする遊技性が得られるようになる。これにより、特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
(4−4)前述した(4−3)の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合であって、前記特定変動終了後に実行される特別遊技が前記第1特別遊技である場合、前記第2特定演出を所定の第3演出態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−4)の遊技機では、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行する場合であって、特定変動の終了後に実行される特別遊技が第1特別遊技である場合、第2特定演出を所定の第3演出態様で実行するものとなっている。これにより、第2特定演出の演出態様を多様化して、第2特定演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
(4−5)前述した(4−1)から(4−4)の何れか一つの遊技機において、
第1始動口と、
遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口と、を有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
少なくとも前記第2遊技状態では、前記第1始動口よりも前記第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなり、
前記第1識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、前記第1特別遊技または前記第2特別遊技が実行可能となり、
前記第2識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、前記第2特別遊技が実行可能となる
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−5)の遊技機では、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口と、を有し、第1始動口への遊技球の入球に基づいて第1識別情報の変動表示が実行され、第2始動口への遊技球の入球に基づいて第2識別情報の変動表示が実行され、第1識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、第1特別遊技または第2特別遊技が実行可能となり、第2識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、第2特別遊技が実行可能となるように構成される。また、少なくとも第2遊技状態では、第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなるように構成される。このため、少なくとも第2遊技状態では、原則、第1識別情報の変動表示よりも第2識別情報の変動表示の実行可能性が高くなり、これに伴って、特別遊技が実行される場合には、第1特別遊技よりも第2特別遊技の実行可能性が高くなる。このような第2遊技状態の遊技性に適した態様で、特定演出を実行することが可能となる。
(4−6)前述した(4−2)から(4−5)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、少なくとも、前記第2遊技状態での前記特定変動の実行中に第1特定演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−6)の遊技機では、少なくとも第2遊技状態での特定変動の実行中に第1特定演出を実行することが可能となっている。このため、第1特定演出後の第2特定演出の実行も、第2遊技状態での特定変動の実行が契機となる。これにより、第2遊技状態における遊技の興趣を向上させることが可能となる。
(4−7)前述した(4−2)から(4−6)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1特定演出を実行して前記第2特定演出を実行する場合、前記第1特定演出と前記第2特定演出との間で所定の繋ぎ演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(4−7)の遊技機では、第1特定演出を実行して第2特定演出を実行する場合、第1特定演出と第2特定演出との間で所定の繋ぎ演出を実行するものとなっている。これにより、第1特定演出と第2特定演出の繋がりを遊技者に印象付けることが可能となる。