以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
◇遊技機の外観構成◇
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射される遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための貯留皿が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向の所定角度範囲内で回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えており、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側には遊技の進行に伴って各種演出用又は報知用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と、前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入球すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口15、第2大入賞口16、スルーゲート21及びアウト口23といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口や盤面ランプなども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側の盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによって行われる普通図柄抽選の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
また遊技機1は、遊技球が転動する遊技領域として、センター役物11の左側領域である第1の遊技領域と、右側領域である第2の遊技領域とを有している。そのため、遊技者によるハンドルレバー5の操作角度が所定角度よりも小さいときには、打球力が小さくなり、遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようセンター役物11の左側の第1の遊技領域を転動しながら流下していくようになる。これに対し、ハンドルレバー5の操作角度が所定角度よりも大きいときには、打球力が大きくなり、遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の右側の第2の遊技領域を転動しながら流下していくようになる。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の右側に相当する第2の遊技領域に設けられている。このスルーゲート21は、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球が通過する可能性のあるゲートである。またスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球の通過により遊技機1において普通図柄抽選が行われる。そして図柄表示器22において普通図柄の変動表示が遊技状態に応じた所定時間行われた後、普通図柄の抽選結果が表示される。
第1始動口13は、遊技盤10に固定される第1始動装置に設けられた遊技球が入球可能な入賞口であり、センター役物11の下方位置に設けられている。同様に、第2始動口14は、遊技盤10に固定される第2始動装置に設けられた遊技球が入球可能な入賞口であり、第1始動口13の右側の位置に設けられている。ここで第1始動口13は、矢印F1で示すように第1の遊技領域に向けて発射された遊技球が入球する可能性のある入賞口である。そのため、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球が第1始動口13に入球する可能性は極めて低くなる。一方、第2始動口14は、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球が入球する可能性のある入賞口である。そのため、矢印F1で示すように第1の遊技領域に向けて発射された遊技球が第2始動口14に入球する可能性は極めて低くなる。
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入球した遊技球が始動検知領域を通過することにより遊技データを取得するための取得条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定のための判定情報である遊技データが取得され、その遊技データに基づいて特別遊技判定が行われる。このようにして特別遊技判定が行われると、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた図柄変動演出が開始される。そして所定時間経過後に特別図柄の変動表示及び図柄変動演出が終了し、特別遊技判定の結果が遊技者に表示される。その特別遊技判定の結果が大当たりを示すものであれば、遊技機1はその後、特別遊技状態へと移行し、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。
尚、図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては大当たりであるか否かを識別し難い表示態様で表示される。それ故、遊技者は、特別遊技判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる図柄変動演出の結果などによって認識する。
また第2始動口14は、その左右両側の近傍位置に羽根状に開閉する開閉部材である電動チューリップ14aを備えている。電動チューリップ14aは、閉鎖状態のとき、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球を第2始動口14へ入球させないようにブロックする。これに対し、電動チューリップ14aが開放状態となると、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球は第2始動口14に入球し易くなる。つまり、電動チューリップ14aの開放状態は、第2始動口14への遊技球の入球を補助する補助状態である。そして電動チューリップ14aは、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2始動口14に入球することを補助する補助状態(開状態)と、遊技球が第2始動口14に入球することを補助しない非補助状態(閉状態)とに駆動される補助部材である。この電動チューリップ14aは、通常、第2始動口14を閉鎖した閉状態となっており、第2始動口14への遊技球の入球を補助しない。これに対し、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2の遊技領域に設けられたスルーゲート21を通過することよって行われる普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ14aは、普通図柄の変動表示が終了した後、そのときの遊技状態に応じて予め定められた所定時間の間、継続的又は断続的に、第2始動口14を開放し、第2始動口14への遊技球の入球を補助する補助遊技を行う。
第1大入賞口15は、遊技盤10に固定される第1可変入賞装置に設けられた遊技球が入球可能な特別入賞口であり、遊技盤10において第2始動口14の更に右側の位置、すなわち第2の遊技領域に設けられている。この第1大入賞口15は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される開閉扉を有し、通常はその開閉扉が閉鎖状態となっている。そして第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球して取得された遊技データに基づく特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、開閉扉が駆動され、第1大入賞口15が開放状態となり、遊技球が第1大入賞口15に入球可能な状態となる。このとき、第1大入賞口15に入球する可能性がある遊技球は、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球である。
第1大入賞口15が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入球させることが可能であり、それによって遊技者は多くの賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
第2大入賞口16は、遊技盤10に固定される第2可変入賞装置に設けられた遊技球が入球可能な特別入賞口であり、センター役物11の右側の所定位置、すなわち第2の遊技領域に設けられている。この第2大入賞口16は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される開閉扉を有し、通常はその開閉扉が閉鎖状態となっている。そして第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球して取得された遊技データに基づく特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、開閉扉が駆動され、第2大入賞口16が開放状態となり、遊技球が第2大入賞口16に入球可能な状態となる。このとき、第2大入賞口16に入球する可能性がある遊技球も、矢印F2で示すように第2の遊技領域に向けて発射された遊技球である。
第2大入賞口16が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入球させることが可能であり、それによって遊技者は多くの賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
特別遊技では、上記のような第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれかを択一的に開放状態へ駆動するラウンド遊技が所定回数実行される。そのため、第1大入賞口15及び第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド遊技が複数回行われる特別遊技は、遊技者に対して通常よりも多くの賞球を獲得することができる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)となる。尚、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放状態を継続させる開放時間は、特別遊技の種類に応じてラウンドごとに予め設定されるものであり、ラウンドによって異なる開放時間を設定することも可能である。例えば、特別遊技として行われる複数ラウンドのうちの特定のラウンドにおいて、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間を、遊技球が入球し難い程の短い時間に設定することもできる。
またセンター役物11は、その中央に、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される画像表示器12を備えている。この画像表示器12は、例えば数字やアルファベット、文字などの図柄が付された3つの装飾図柄12a,12b,12cを表示可能である。遊技機1において特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、画像表示器12は、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cを上下方向に変動させる図柄変動演出を開始し、所定時間経過後にその変動演出を停止させることにより、その特別遊技判定の結果を遊技者に報知する演出を行う。例えば、画像表示器12で行われる図柄変動演出が3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを同じ図柄に揃えた状態で停止すると、その停止図柄が揃った状態により大当たりであることが遊技者に報知される。
画像表示器12は、図柄変動演出を開始してから停止させるまでの間に、様々な遊技演出を行うこともある。例えば、図柄変動演出を開始してから3つの装飾図柄12a,12b,12cを仮停止させ、その仮停止の後に再び3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動を再開させることにより、遊技者に対してあたかも複数回の変動が連続的に行われたかのように見せかける疑似連演出や、3つの装飾図柄12a,12b,12cのうちの2つの図柄を揃った状態で停止させ、残り1つの図柄の変動を継続させて行うリーチ演出などを行うことがある。またリーチ演出には、単に残り1つの図柄が変動するだけのノーマルリーチ演出や、ノーマルリーチ演出から発展的に行われる演出であって、キャラクタ動画や実写映像などによって所定のアクションが表示されるか否かによって大当たりであるか否かを報知するSPリーチ演出などがある。尚、SPリーチ演出は、その後更に別のSPリーチ演出に発展することもある。またこの他にも、画像表示器12は、遊技者に操作ボタン6の操作を促す操作演出を行い、遊技者が所定のタイミングでホタン操作を行うことに伴い、その操作に連動した演出画像を表示することも可能である。そして画像表示器12は、遊技機1において特別遊技が開始されると、特別遊技演出画像などを表示する。
遊技機1は、特別遊技を行っているとき、又は、図柄変動演出を行っているときに、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球すると、それに伴う特別遊技判定の権利を所定の上限数まで保留として記憶する。そして特別遊技又は先の図柄変動演出の終了によって次の図柄変動演出を行うことが可能となる始動条件が成立すると、遊技機1は、保留として記憶した遊技データを読み出して特別遊技判定を行い、次の図柄変動演出を開始する。
画像表示器12は、特別遊技判定の権利が保留されている場合、画面下部の所定位置にその保留数に応じた数の保留図柄を表示するための保留図柄表示領域120を表示可能である。画像表示器12が保留図柄表示領域120を表示して現在の保留数を表示することにより、遊技者は、図柄表示器22に視線を移すことなく、現在の保留状態を確認することができる。また画像表示器12は、その保留図柄表示領域120の近傍位置に、特別遊技判定が行われた権利に対応する図柄を疑似保留図柄として表示するための疑似保留図柄表示領域121を表示可能である。画像表示器12が図柄変動演出の開始時に当該図柄変動演出の対象である疑似保留図柄を疑似保留図柄表示領域121に表示することにより、その疑似保留図柄の表示態様で遊技者に一定の期待感を付与することができる。
またアウト口23は、遊技盤10の中央最下部に設けられており、第1又は第2の遊技領域を転動している間に、上述した各種入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出する。
◇第2大入賞口の構成◇
図1に示すように、センター役物11の右側部には、第2大入賞口16が開放状態のとき、その第2大入賞口16に入球した遊技球が転動する転動領域17が形成されている。図2は、その転動領域17を拡大して示す図である。この転動領域17の下流側には、例えば図2(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球の入賞を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図2(a)に示すように閉鎖状態であるとき、第2の遊技領域に向けて発射された遊技球B1は、転動領域17に進入することはない。これに対し、図2(b),(c)に示すように第2大入賞口16が開放状態であるとき、第2の遊技領域に向けて発射された遊技球B2,B3が第2大入賞口16に入球する可能性がある。それら遊技球B2,B3が第2大入賞口16に入球すると、第2大入賞口16の内側に設けられた転動領域17に進入する。この転動領域17の一部の領域には、スルーゲート21と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能なVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域17は、第2大入賞口16に入球した遊技球B2,B3を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bとの2つの通過領域を有している。尚、図例では、第1通過領域17aを通過した遊技球と、第2通過領域17bを通過した遊技球とが同じ排出口20を通過して入賞検知される場合を示しているが、これに限られるものではなく、第1通過領域17aを通過した遊技球を検知する検知手段と、第2通過領域17bを通過した遊技球を検知する検知手段とをそれぞれ別に設けても良い。
例えば図2(b)に示すようにVゲート18が第2大入賞口16に入球した遊技球B2の通過を検知すると、その特別遊技が終了した後に行われる特別遊技判定において大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となる。つまり、Vゲート18は、その後の大当たりに当選する確率が通常の低確率状態(通常確率状態)よりも高くなる高確率状態へと移行させるための契機となるゲートである。またVゲート18の上部(上流側)には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することによりVゲート18への進入経路を開閉するシャッタ19が設けられる。このシャッタ19は、例えば第2大入賞口16が開放状態に駆動されることに伴い、所定のタイミングでVゲート18への進入経路を開放したり、閉鎖したりする。したがって、図2(b)に示すように、シャッタ19がVゲート18の上方を開放しているときに第2大入賞口16に遊技球B2が入球すると、その遊技球B2は第1通過領域17aへと進入する可能性がある。そして遊技球B2が第1通過領域17aへ進入すると、その遊技球B2は、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。これに対し、図2(c)に示すように、シャッタ19がVゲート18を閉鎖しているときに第2大入賞口16に遊技球B3が入球すると、その遊技球B3は第1通過領域17aへ進入しないので、Vゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを経由して排出口20へと導かれる。このようにシャッタ19は、第2大入賞口16へ入球した遊技球を第1通過領域17aと第2通過領域17bのいずれか一方に振り分ける振分手段として機能する。
上記のように本実施形態の遊技機1は、大当たりに当選して行われる特別遊技中に第2大入賞口16に遊技球が入球し、その入球した遊技球が転動領域17に設けられた第1通過領域17aを通過すると、その後の大当たりに当選する確率状態を低確率状態から高確率状態へと変化させる構成である。そして転動領域17に設けられたVゲート18は遊技盤10の正面側から遊技者が視認可能である。そのため、遊技機1において大当たりが発生すると、遊技者は、その大当たりの特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過したか否かを目視で確認することにより、その後の確率状態が低確率と高確率とのいずれであるかを把握することが可能である。
上記のような遊技機1は、特別遊技を開始すると、第2の遊技領域に設けられた第1及び第2大入賞口15,16を択一的に開放状態へと駆動する。そのため、特別遊技が行われる特別遊技状態は、遊技者にハンドルレバー5の操作角度が所定角度よりも大きくなるように操作させ、第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態(右打ち遊技状態)である。
この他、遊技盤10には、図示を省略する可動役物などが設けられ、遊技機1において特定の演出が行われるときに可動役物が動作するように構成される。
◇遊技機の制御機構◇
次に図3は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図3に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35、発射制御基板36等で構成される。これらサブ制御基板31のうち、演出制御基板33、画像制御基板34及びランプ制御基板35は、遊技機1において各種演出を行うために設けられた演出制御手段である。
主制御基板30は、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、第1始動口13に遊技球が入球したことを検知する第1始動口スイッチ41、第2始動口14に遊技球が入球したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート21を遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド45、第1大入賞口15に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口スイッチ46、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド47、第2大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口スイッチ48、第2大入賞口16の転動領域17に設けられたシャッタ19を駆動するシャッタソレノイド49、及び、Vゲート18を遊技球が通過したことを検知するVゲートスイッチ50のそれぞれが接続されている。また主制御基板30には、図柄表示器22が接続されている。この図柄表示器22には、特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄抽選の結果に基づく普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとが設けられている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、第1大入賞口スイッチ46及び第2大入賞口スイッチ48のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されており、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は、特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定や、電動チューリップ14aを開放させるか否かを判定するための普通図柄抽選を行うように構成されている。例えばスルーゲートスイッチ43が遊技球の通過を検知した場合、主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、その普通図柄抽選の結果に基づき、普通図柄表示器22bにおける普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄抽選に当選した場合、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を所定時間経過後に当選図柄で停止させ、その後、電チューソレノイド44を所定時間及び所定回数駆動して電動チューリップ14aを開放させる。尚、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放状態になると、上述したように第2始動口14に遊技球が入球し易い状態となるため、電動チューリップ14aが開放した補助遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41や第2始動口スイッチ42が遊技球の入球を検知した場合には、それによって取得条件が成立したことを認識し、大当たり乱数などを含む遊技データを取得する。そして主制御基板30は、遊技データに基づいて遊技球の入球した始動口に応じた特別遊技判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別遊技判定の結果に応じた所定時間の図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドなどを送出する。また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入球したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していないとき、主制御基板30は、その入球に基づく特別遊技判定の権利を保留として記憶する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留として記憶された権利に基づいて次の特別遊技判定を行い、その特別遊技判定の結果に基づいて次の特別図柄の変動表示を開始する。尚、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入球したことを検知した時点で特別遊技を行っているときも同様である。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41又は第2始動口スイッチ42が遊技球の入球を検知して遊技データを取得すると、その遊技データに基づく特別遊技判定が行われる前に、その遊技データが特別遊技を行わせるものであるか否かを事前に判定し、その事前判定の結果を示す事前判定データ(事前判定情報)を演出制御基板33に対して送出する。これにより、演出制御基板33は、主制御基板30において管理される特別遊技判定の権利の保留状態と同じ保留状態を管理できるようになり、画像表示器12の保留図柄表示領域120に保留図柄を表示することができるようになる。また演出制御基板33は、遊技データに基づく特別遊技判定が行われる前に、事前判定データに基づいて各種の事前判定演出を行うことができるようになる。
また主制御基板30は、特別遊技判定において大当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、遊技状態を特別遊技状態へ移行させて大当たりの種別に応じた特別遊技を開始し、その特別遊技中の各ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド45又は第2大入賞口ソレノイド47を択一的に駆動することにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させる。そして主制御基板30は、特別遊技を開始させることに伴い、演出制御基板33に対してその特別遊技に対応した特別遊技演出を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
そして特別遊技状態において、主制御基板30は、第2大入賞口ソレノイド47の駆動に連動してシャッタソレノイド49を駆動し、Vゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知すると、その後の特別遊技判定において大当たりに当選する確率を高確率状態に設定する。これに対し、特別遊技状態においてVゲートスイッチ50が遊技球の通過を検知しなかった場合、主制御基板30は、その特別遊技終了後の特別遊技判定において大当たりに当選する確率を低確率状態に設定する。
本実施形態では高確率状態で特別遊技判定が行われる回数が所定回数(例えば104回)に制限されており、特別遊技終了後の高確率状態において所定回数の特別遊技判定が行われる間に大当たりに当選しなかったときには、その後、確率状態が通常の低確率状態(通常確率状態)に戻る。主制御基板30は、そのような確率変動制御も行うように構成される。
更に主制御基板30は、特別遊技の終了後、特別遊技判定が所定回数(例えば100回)行われるまでの期間中、遊技状態を時短遊技状態へ移行させる。時短遊技状態は、特別図柄及び普通図柄の変動時間が通常よりも相対的に短くなり、しかも電動チューリップ14aが通常よりも頻繁に且つ長時間開放される遊技状態である。それ故、時短遊技状態では、第2始動口14に遊技球が連続入球し易くなり、しかも単位時間当たりに行われる特別遊技判定の回数が増加するので、遊技者は持ち玉をあまり減らすことなく、効率的に遊技を進行させることができるようになる。時短遊技状態に移行してから特別遊技判定が所定回数行われるまでの間に大当たりに当選しなかったときには、主制御基板30は、遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態へ移行させる。通常遊技状態では、特別図柄及び普通図柄の変動時間が時短遊技状態よりも相対的に長くなると共に、電動チューリップ14aの開放頻度が少なくなり、しかも電動チューリップ14aが開放した場合であってもその開放時間が極めて短い時間になる。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30から受信するデータやコマンドに基づいて具体的な演出内容を決定し、その決定した演出の実行を統括的に制御する。つまり、演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、決定した具体的な演出内容に基づく演出を実行させるのである。
例えば、演出制御基板33は、主制御基板30と同様に、特別遊技判定の権利の保留状態を管理し、その保留状態に基づいて画像制御基板34を制御することにより保留図柄表示領域120に保留図柄を表示させる。また演出制御基板33は、主制御基板30から事前判定の結果を示す事前判定データを取得した場合には、その事前判定データに基づいて事前判定演出を行うか否かを決定する。そして事前判定演出を行うと決定した場合には、演出制御基板33は、図柄変動演出の表示態様を通常とは異なる表示態様に変化させたり、或いは、保留図柄表示領域120に表示する保留図柄を通常とは異なる表示態様に変化させたりすることで、保留として記憶されている特別遊技判定の権利のなかに、大当たり当選の期待度の高いものがあることを遊技者に対して事前に示唆する。
また演出制御基板33は、主制御基板30によって特別遊技判定が行われ、特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、その所定時間の間、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。この図柄変動演出では、3つの装飾図柄12a,12b,12cが単に上下方向に変動するだけの通常の図柄変動演出が行われるだけでなく、リーチ演出に移行したり、更にSPリーチ演出に移行したりするなど、特別遊技判定の結果に応じて様々な演出が行われる。このような図柄変動演出では、画像表示器12に表示される演出画像とスピーカー8から出力される演出音とが予め関連付けられており、スピーカー8からは通常の図柄変動演出やリーチ演出、SPリーチ演出などの演出内容に対応した演出音が出力されるようになる。
また演出制御基板33には、操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングで操作ボタン6が操作されたことを検知した場合、そのボタン操作に応じた演出を行うことも可能である。更に演出制御基板33は、主制御基板30によって特別遊技判定が行われることに伴って図柄変動演出を開始させるとき、画像表示器12の疑似保留図柄表示領域121に対し、当該図柄変動演出が大当たりとなる期待度に応じた疑似保留図柄を表示させることが可能である。そして演出制御基板33は、当該図柄変動演出を開始してから終了させるまでの間に、疑似保留図柄表示領域121に表示している疑似保留図柄の表示態様を変化させることも可能である。
主制御基板30によって特別遊技が行われる場合、演出制御基板33は、特別遊技判定において当選した大当たりの種類に応じた特別遊技演出(大当たり遊技演出)の実行を制御する。さらに、演出制御基板33は、遊技者によって遊技が行われていないときには、遊技者による遊技を待機する待機演出の実行を制御する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出に移行させたり、リーチ演出を更にSPリーチ演出へと発展的に移行させたりする。また画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて特別遊技中に現在のラウンドのラウンド表示を行ったり、動画像などの特別遊技演出画像を表示したりする。この画像制御基板34においてVRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aはこのVRAM34dに対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示して最前面の画像を遊技者に視認させることができる。更にこのような重畳的表示により、画像制御基板34は、任意の演出画像に重畳させて遊技者に報知すべき様々な報知情報を表示することが可能である。
また画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づき、スピーカー8から演出用の楽曲や効果音、音声などの演出音を出力するように構成される。また画像制御基板34は、遊技機1で行われる演出とは特に関連しない情報であって、遊技者に報知すべき情報を音声で出力することも可能である。画像制御基板34は、楽曲、効果音及び音声を同時にスピーカー8から出力することが可能であるが、例えば遊技者に報知すべき音声を出力するときには、演出用の楽曲や効果音の出力レベルを通常出力レベルよりも低下させることにより、遊技者が報知用の音声を聞き取り易いようにすることが好ましい。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、演出制御基板33からの指示に基づいて各種のランプを点灯させたり、消灯させたりする制御を行う。このランプ制御基板35は、例えば前枠扉3に設けられた枠ランプ7の点灯を制御すると共に、センター役物11やその他遊技盤10の盤面上に設けられる盤面ランプ24の点灯を制御するように構成される。またランプ制御基板35は、遊技盤10の盤面上に可動役物を駆動し、可動役物に所定の動作を行わせるように制御する。
尚、画像表示器12、スピーカー8、枠ランプ7及び盤面ランプ24は、遊技機1における遊技の進行に伴って遊技者が簡単に知覚可能な各種演出を行うために設けられた演出手段である。
発射制御基板36は、遊技者によって時計回り方向に回転操作されるハンドルレバー5の操作角度に基づき、遊技球を発射する発射ソレノイド36aを駆動するものである。すなわち、発射制御基板36は、ハンドルレバー5の操作角度が大きくなるほど発射ソレノイド36aが強い打球力で遊技球を打ち出すように制御する。
◇主制御基板の具体的構成例◇
図4は、主制御基板30における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部61と、保留記憶部62とが設けられる。遊技データ格納部61は、大当たり乱数や図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部61に格納される各種乱数は、それぞれ予め定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部によって逐次更新される。そのため、遊技データ格納部61から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値がランダムに異なる値となる。尚、遊技データ格納部61には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。保留記憶部62は、遊技データ取得部51によって遊技データ格納部61から読み出された遊技データを所定の上限数まで記憶して特別遊技判定の権利を一時的に保留しておくための記憶領域である。
主制御基板30のROM30bには、特別遊技判定テーブル63と、変動パターンテーブル64と、開放パターンテーブル65と、普通図柄抽選テーブル66とが予め記憶されている。特別遊技判定テーブル63は、特別遊技判定を行うために参照されるテーブルである。この特別遊技判定テーブル63には、低確率用判定テーブルと高確率用判定テーブルとが含まれており、低確率用判定テーブルには大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が予め定められており、高確率用判定テーブルには低確率用判定テーブルよりも多くの大当たりとなる当選値が予め定められている。また特別遊技判定テーブル63には、特別遊技判定において大当たりであると判定された場合に大当たりの種別を決定するために参照される大当たり種別決定用テーブルが含まれる。この大当たり種別決定用テーブルには、第1始動口13に入賞して取得された遊技データを判定するための第1始動口用テーブルと、第2始動口14に入賞して取得された遊技データを判定するための第2始動口用テーブルとがあり、第1始動口13に入賞して大当たりとなった場合と第2始動口14に入賞して大当たりとなった場合とで大当たりの種別が異なる割合に設定されている。
変動パターンテーブル64は、主制御基板30において特別遊技判定が行われた場合に、その判定結果を表示するための特別図柄の変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル64には、大当たり乱数が大当たりを示す場合に参照されるテーブル、リーチ乱数がリーチを示す場合に参照されるテーブルなど、複数のテーブルが含まれている。そして変動パターンテーブル64に含まれる複数のテーブルのそれぞれは、変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル64を参照すれば、特別遊技判定の結果やリーチ乱数などに対応する特別図柄の変動時間を決定することができる。また変動パターンテーブル64は、遊技機1の遊技状態に応じたテーブルを有しており、遊技機1の遊技状態に応じて異なるテーブルが参照される。例えば変動パターンテーブル64は、通常遊技状態と時短遊技状態とで異なるテーブルとなっており、時短遊技状態のときには通常遊技状態よりも相対的に特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。更に変動パターンテーブル64には、特別遊技判定において大当たりであると判定された場合に参照される大当たり用変動パターンテーブルなども含まれる。
開放パターンテーブル65は、特別遊技判定において大当たりに当選した場合に行われる特別遊技において第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる開放パターンを決定するために参照されるテーブルである。この開放パターンテーブル65には、複数の開放パターンが定義されており、それら開放パターンに対して大当たりの当たり種別が対応付けられたテーブルである。そのため、特別遊技判定において大当たりに当選したことが判定されると、その大当たりの種類に基づいて開放パターンテーブル65を参照することにより、特別遊技中において第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる一の開放パターンを決定することができる。
普通図柄抽選テーブル66は、普通図柄の抽選を行うために参照されるテーブルである。この普通図柄抽選テーブル66には、通常遊技状態で参照されるテーブルと時短遊技状態で参照されるテーブルとが含まれる。通常遊技状態で参照されるテーブルには普通図柄乱数の当選値として所定個数の値が予め定められており、時短遊技状態で参照されるテーブルには通常遊技状態のテーブルよりも多くの当選値が予め定められている。それ故、時短遊技状態のときには、通常遊技状態のときよりも普通図柄抽選に当選する確率が高くなる。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の動作を統括的に制御するものである。そのため、CPU30aは様々な処理部として機能する。図4にはその一部の機能が例示されており、CPU30aは、遊技データ取得部51、特別遊技判定部52、変動パターン決定部53、図柄表示制御部54、特別遊技制御部55、遊技状態制御部56及び補助遊技制御部57として機能する。
遊技データ取得部51は、第1始動口スイッチ41及び第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入球による取得条件成立を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部61から、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部51は、第1始動口13又は第2始動口14への入賞によって遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部62に格納する。保留記憶部62は、第1始動口13への入球によって取得された遊技データと、第2始動口14への入球によって取得された遊技データとを区別した状態で、それぞれの遊技データを所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部51は、第1始動口13への入球によって取得した遊技データを第1始動口用の保留記憶領域へ格納し、第2始動口14への入球によって取得した遊技データを第2始動口用の保留記憶領域へ格納する。尚、それらの保留記憶領域に対して既に上限数の遊技データが格納されている場合、遊技データ取得部51は、遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理を行わない。
また遊技データ取得部51は、事前判定部51aを備えている。事前判定部51aは、遊技データ取得部51によって取得された遊技データに基づく特別遊技判定が行われる前に、その遊技データが特別遊技状態へ移行させるものであるか否かの事前判定を行い、その事前判定の結果を演出制御基板33へ送出するものである。つまり、事前判定部51aは、特別遊技判定において参照される特別遊技判定テーブル63や変動パターンテーブル64などを参照し、遊技データ取得部51によって取得された遊技データを事前に判定するのである。また事前判定部51aは、遊技データ取得部51によって遊技データが取得されると、その遊技データが保留記憶部62へ格納される前に、事前判定を行う。これにより、事前判定部51aが事前判定を行う際には、保留記憶部62から遊技データを読み出す必要がないため、保留記憶部62に記憶された遊技データを破損させてしまうこともない。つまり、遊技データ取得部51によって保留記憶部62に記憶された遊技データは、特別遊技判定部52によって読み出されるまでは保留記憶部62に記憶された状態が維持されるので遊技データの不正利用を防止することができる。
ただし、事前判定部51aは、遊技データ取得部51によって遊技データが取得された場合であっても、事前判定を行わないこともある。例えば、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態及び特別遊技状態のいずれかであるときには、第1始動口13に遊技球が入球して遊技データが取得された場合でも、事前判定部51aは、事前判定を行わない。これに対し、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態及び特別遊技状態のいずれかであっても、第2始動口14に遊技球が入球して遊技データが取得された場合、事前判定部51aは事前判定を行う。
特別遊技判定部52は、特別遊技が終了することによって、又は、先の特別図柄の変動表示が終了することによって、次の特別図柄の変動表示を行うことが可能になる始動条件が成立すると、保留記憶部62に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて特別遊技判定テーブル63を参照し、該大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように特別遊技判定テーブル63には高確率用判定テーブルと低確率用判定テーブルとがあり、特別遊技判定部52は、遊技データ読み出し時点での確率状態に応じて低確率用判定テーブル及び高確率用判定テーブルのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような判定により、保留記憶部62から読み出した遊技データの当選又はハズレが決定する。低確率用判定テーブルは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、高確率用判定テーブルは、通常確率用判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
また特別遊技判定部52は、図柄表示制御部54によって特別図柄の変動表示が行われていたり、或いは、特別遊技制御部55によって特別遊技が行われていたりするときには、始動条件が成立していないため、保留記憶部62からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、次の特別図柄の変動表示を行うことが可能になる始動条件が成立したタイミングで、特別遊技判定部52は、保留記憶部62から遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。このとき、特別遊技判定部52は、第2始動口用の保留記憶領域に遊技データが格納されていれば、その遊技データを読み出して特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、第1始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データよりも、第2始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行っていくように構成されている。
変動パターン決定部53は、特別遊技判定部52において特別遊技判定が行われることに伴い、特別図柄の変動時間を決定する。すなわち、変動パターン決定部53は、特別遊技判定部52が保留記憶部62から読み出した遊技データに含まれる変動パターン乱数などに基づいて変動パターンテーブル64を参照することにより、特別図柄の変動時間を決定する。
図柄表示制御部54は、変動パターン決定部53により決定された特別図柄の変動時間に基づき、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を行う。そして特別図柄の変動表示を開始してから変動パターン決定部53で決定された特別図柄の変動時間が経過するタイミングで、特別図柄の変動表示を停止させ、特別遊技判定部52において行われた特別遊技判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、特別遊技判定の結果がハズレであれば、図柄表示制御部54は、ハズレに対応した特別図柄を表示する。これに対し、大当たりに当選していれば、その大当たりに対応した特別図柄を表示する。
特別遊技制御部55は、特別遊技判定部52による特別遊技判定において大当たりに当選し、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行させることが決定された場合に機能するものである。特別遊技制御部55は、特別遊技判定部52によって大当たりであることが判定されると、特別図柄の変動表示が停止した後に行われる特別遊技状態において第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを開放させる開放パターンを決定する。そして特別遊技制御部55は、特別遊技が開始されることに伴い、予め決定した開放パターンに基づいて複数ラウンドのうちの各ラウンドで第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを択一的に開放させることにより、特別遊技中において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放状態へ作動させる開放特別遊技を制御する。
この特別遊技制御部55は、特別遊技状態における開放パターンを決定する際、第1始動口13と第2始動口14とのいずれに入球して取得された遊技データが大当たりとなったかに応じて異なるテーブルを参照する。例えば、第1始動口13への入球に伴って保留記憶部62に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部55は、開放パターンテーブル65から第1始動口13に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定する。また第2始動口14への入球に伴って保留記憶部62に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部55は、開放パターンテーブル65から第2始動口14に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定する。言い換えると、特別遊技制御部55は、特別遊技判定において大当たりに当選した場合に、その後に行う特別遊技の種類を決定するものである。本実施形態では、特別遊技の種類として、例えば第1から第3の3つの特別遊技がある場合を例示する。
図5は、第1始動口13又は第2始動口14へ入球して行われる特別遊技の種類を示す図である。まず図5(a)は、第1始動口13への入球によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第1始動口13に遊技球が入球して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部55は、図5(a)に示すように、第1、第2及び第3の特別遊技P1〜P3のうちから一の特別遊技を決定する。図5(a)の例では、第1の特別遊技P1の発生する割合は40%、第2の特別遊技P2の発生する割合は30%、第3の特別遊技P3の発生する割合は30%となっている。したがって、第1始動口13に遊技球が入球して大当たりとなった場合には、その後に行われる特別遊技として、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のうちのいずれか1つが実行される。
一方、図5(b)は、第2始動口14への入球によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第2始動口14に遊技球が入球して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部55は、図5(b)に示すように、100%の割合で第3の特別遊技P3を実行すべき特別遊技として決定する。したがって、第2始動口14に遊技球が入球して大当たりに当選すると、第1又は第2の特別遊技P1,P2が行われることはなく、常に第3の特別遊技P3が実行される。
図6は、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3の詳細を示す図であり、図6(a)は第1の特別遊技P1を、図6(b)は第2の特別遊技P2を、図6(c)は第3の特別遊技P3を示している。図6(a)〜(c)に示すように、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3では、いずれの特別遊技であっても第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれか一方を開放するラウンドが所定回数(例えば合計16ラウンド)行われる。そして第1ラウンドから第4ラウンドまでは第1大入賞口15が開放し、第5ラウンドでは第2大入賞口16が開放する。その後、第6ラウンドから第15ラウンドまでは再び第1大入賞口15が開放し、第16ラウンドでは再び第2大入賞口16が開放する。以上の点は、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のいずれにおいても共通する。
第1乃至第3の特別遊技P1〜P3の相違点は、各ラウンドにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間である。すなわち、第1大入賞口15及び第2大入賞口16のいずれにもロング開放とショート開放とが定められており、各特別遊技P1〜P3のラウンド毎にロング開放とショート開放のいずれか一方が設定されている。ロング開放の場合、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば30秒程度の比較的長い時間に設定される。これに対し、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間が例えば0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。そのため、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放される場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球が入球し易い状態となるのに対し、ショート開放の場合には開放中の大入賞口15,16に遊技球が入球し難い状態となる。またロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入球すれば、開放時間が経過する前であっても第1大入賞口15又は第2大入賞口16は閉鎖する。ただし、ショート開放の場合には、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放中に1個又は2個程度の遊技球が稀に入球することはあっても、所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入球することはほとんど無いと言える。そのため、ショート開放の場合には、0.2秒程度の開放時間が経過することによって第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖するケースが多くなる。
ただし、ロング開放の場合の開放時間は30秒に限られるものではなく、ショート開放の場合の開放時間も0.2秒に限られるものではない。例えば、ロング開放の場合は、遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも長く、開放状態において複数の遊技球が入球可能な開放時間であれば良い。これに対し、ショート開放の場合は、例えば遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも短く、開放状態において遊技球が入球し難い開放時間であれば良い。
第1の特別遊技P1では、図6(a)に示すように、第1〜第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。第2の特別遊技P2では、図6(b)に示すように、第1〜第3ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第4ラウンドで第1大入賞口15がショート開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。第3の特別遊技P3では、図6(c)に示すように、第1〜第16ラウンドまでの全てのラウンドで第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。
尚、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3のいずれが行われる場合であっても、特別遊技が行われた後には所定期間が終了するまでの間、電動チューリップ14aが通常よりも頻繁に開放状態(補助遊技状態)へと駆動されるようになり、通常遊技状態よりも第2始動口14に遊技球が入球し易くなる時短遊技状態で遊技が進行するようになる。そのため、特別遊技が終了してから所定期間が経過するまでの期間中において、遊技者は、特別遊技で獲得した賞球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができる。
特別遊技制御部55は、大当たりであると判定された遊技データに含まれる図柄乱数を判定することにより、上記第1〜第3の特別遊技P1〜P3のうちから一の特別遊技を決定する。ただし、第2始動口14への入球によって大当たりとなった場合には、毎回、第3の特別遊技P3が決定されることになる。そして遊技機1が特別遊技状態へ移行すると、特別遊技制御部55は、その決定した一の特別遊技の開放パターンに基づき、第1大入賞口ソレノイド45、第2大入賞口ソレノイド47及びシャッタソレノイド49を駆動することにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技を進行させる。また特別遊技制御部55は、Vゲートスイッチ50を監視しており、特別遊技の進行中において遊技球がVゲート18を通過すればそれを検知することがきる。
ここで第2大入賞口16が開放される第5及び第16ラウンドに着目すると、第1の特別遊技P1では、いずれのラウンドでも第2大入賞口16がショート開放となる。そのため、遊技機1において第1の特別遊技P1が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性は極めて低い。これに対し、第2の特別遊技P2では第5ラウンド目で第2大入賞口16がロング開放し、第3の特別遊技P3では第5及び第16ラウンドの双方で第2大入賞口16がロング開放する。そのため、遊技機1において第2及び第3の特別遊技P2,P3のいずれかが行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性がある。
上述したように第2大入賞口16の開放中に入球した遊技球がVゲート18を通過すると、その後に特別遊技判定部52において大当たりと判定される確率が高確率状態となる。そのため、第2及び第3の特別遊技P2,P3は、第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有するため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができる特別遊技となる。これに対し、第1の特別遊技P1には第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有さないため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができない遊技となり、特別遊技終了後の確率状態は低確率状態となる。
このように特別遊技終了後に大当たりの当選確率が高確率状態と低確率状態とのいずれになるかという観点から、第1乃至第3の特別遊技P1〜P3で行われる開放特別遊技を大別すると、第1の特別遊技P1で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることができない第1開放特別遊技となり、第2及び第3の特別遊技P2,P3で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることが可能な第2開放特別遊技となる。
ただし、第2大入賞口16がショート開放される場合でも、遊技球が第2大入賞口16に入球する可能性は0ではない。すなわち、第2大入賞口16が0.2秒程度の僅かな時間だけ開放したタイミングで遊技球が入球する可能がある。しかし、そのようなショート開放において第2大入賞口16に遊技球が入球した場合には、その遊技球がVゲート18を通過することがないように、特別遊技制御部55がシャッタ19の動作を制御する。
図7は、第2大入賞口16の開閉動作に連動するシャッタ19の動作を示すタイミングチャートであり、(a)はロング開放の場合を示しており、(b)はショート開放の場合を示している。図7(a),(b)に示すように、第2大入賞口16は、遊技盤10に取り付けられた第2可変入賞装置が作動することにより、閉鎖状態から開放状態へ駆動される。そしてシャッタ19は、ロング開放及びショート開放のいずれの場合であっても第2大入賞口16が開放することに伴い、Vゲート18を開放する。
図7(a)に示すように、ロング開放の場合、第2可変入賞装置がタイミングT1で作動し、所定期間Taの間、作動し続ける。この所定期間Taは、30秒程度の期間であるが、所定球数の遊技球が第2大入賞口16に入球した場合にはそれよりも早い期間で終了する。第2大入賞口16及びシャッタ19は、第2可変入賞装置の作動期間Taにおいてそれぞれ2回開放状態へ駆動される。まず第2大入賞口16は、第2可変入賞装置が作動するタイミングT1と同時に駆動され、1回目の開放状態となる。この1回目の開放時間Tbは、例えば0.2秒程度の僅かな時間に設定される。またシャッタ19も、第2大入賞口16が開放状態になるのと同時に駆動され、Vゲート18を1回目の開放状態とする。ただし、シャッタ19がVゲート18を開放する開放時間Teは、第2大入賞口16の1回目の開放時間Tbよりも短く、例えば0.04秒程度のごく僅かな時間に設定される。したがって、シャッタ19は、第2大入賞口16よりも先に閉鎖状態へ戻る。その後、第2大入賞口16は、開放時間Tbが経過すると閉鎖状態に戻り、所定のインターバル時間Tc(数秒程度)が経過した後のタイミングT2で再び駆動され、2回目の開放状態となる。第2大入賞口16の2回目の開放時間Tdは、例えば25秒程度の比較的長い時間に設定される。ただし、開放時間Tdが経過するまでに所定球数の遊技球が第2大入賞口16に入球した場合には、開放時間Tdが経過する前に第2大入賞口16が閉鎖状態に戻る。またシャッタ19は、第2大入賞口16が2回目の開放状態になるのと同時に駆動され、Vゲート18を2回目の開放状態とする。シャッタ19の2回目の開放時間は、第2大入賞口16の2回目の開放時間Tdよりも長く、第2大入賞口16が閉鎖した後も所定時間Tf(例えば1.9秒)が経過するまで開放状態を継続する。したがって、第2大入賞口16が2回目の開放状態であるとき、その開放状態が終了する間際に第2始動口14に遊技球が入球した場合であっても、その遊技球はVゲート18を通過することができるようになる。
これに対し、ショート開放の場合、図7(b)に示すように、第2可変入賞装置がタイミングT4で作動し、所定期間Tgの間、作動し続ける。この所定期間Tgは、ロング開放の場合の第2大入賞口16の1回目の開放時間Tbと同じであり、例えば0.2秒程度の僅かな時間に設定される。第2大入賞口16及びシャッタ19は、第2可変入賞装置の作動期間Tgにおいてそれぞれ1回だけ開放状態へ駆動される。まず第2大入賞口16は、第2可変入賞装置が作動するタイミングT4と同時に駆動され、開放状態となる。このときの開放時間Thは、第2可変入賞装置の作動期間Tgと同じであり、例えば0.2秒程度の時間である。またシャッタ19も、第2大入賞口16が開放状態になるのと同時に駆動され、Vゲート18を開放状態とする。シャッタ19がVゲート18を開放する開放時間Tiは、第2大入賞口16の開放時間Thよりも短く、例えば0.04秒程度のごく僅かな時間に設定される。つまり、シャッタ19の開放時間Tiは、ロング開放時の1回目の開放時間Teと同じである。したがって、シャッタ19は、第2大入賞口16よりも先に閉鎖状態へ戻る。その後、第2大入賞口16は、開放時間Thが経過すると閉鎖状態に戻り、第2可変入賞装置の作動期間Tgが終了するので、ラウンド遊技が終了する。したがって、ショート開放のときに、仮に遊技球が第2大入賞口16に入球したとしても、その遊技球がシャッタ19の位置を通過する前にシャッタ19がVゲート18を閉鎖するため、その遊技球がVゲート18を通過することはない。
特別遊技制御部55は、上記のようにしてロング開放とショート開放と切り換えて第2大入賞口16の開閉制御を行う。そのため、本実施形態では、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する第2及び第3の特別遊技P2,P3が、特別遊技の終了後の確率状態を高確率状態へ移行させることができる遊技となっている。
次に遊技状態制御部56は、遊技機1の遊技状態の移行を制御するものである。図8は、遊技状態制御部56による遊技状態の移行を示す図である。まず遊技機1に電源が投入されると、遊技状態制御部56は、遊技機1を通常遊技状態ST1で動作させる。この通常遊技状態ST1では、特別遊技判定において大当たりに当選する確率が低確率状態に設定される。また通常遊技状態ST1は、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、遊技球が第2始動口14に入球する可能性が低い遊技状態である。そのため、通常遊技状態ST1は、遊技者がハンドルレバー5を比較的小さい操作角度で操作することにより、図1の矢印F1で示すように遊技球を第1の遊技領域に向けて発射させ、第1始動口13への入球を狙って遊技を進行させる遊技状態(左打ち遊技状態)である。
そして通常遊技状態ST1において行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、遊技状態制御部56は、矢印A1で示すように、通常遊技状態ST1から特別遊技状態ST2へ移行させる。これにより遊技機1において特別遊技が開始されるため、特別遊技状態ST2は、遊技者が第2の遊技領域に向けて遊技球を発射させながら遊技を進行させる遊技状態(右打ち遊技状態)となる。そして特別遊技が終了すると、遊技状態制御部56は、矢印A2,A4で示すように遊技状態を特別遊技状態ST2から時短遊技状態ST3,ST4のいずれかへ移行させる。時短遊技状態ST3は、特別遊技判定において大当たりと判定される確率状態が低確率状態である遊技状態である。これに対し、時短遊技状態ST4は、特別遊技判定において大当たりと判定される確率状態が高確率状態である遊技状態である。つまり、遊技状態制御部56は、特別遊技状態ST2においてVゲート18を遊技球が通過していなければ、特別遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態ST3へと移行させ、特別遊技判定において大当たりに当選する確率を低確率状態に設定する。これに対し、特別遊技状態ST2においてVゲート18を遊技球が通過していれば、遊技状態制御部56は、特別遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態ST4へと移行させ、特別遊技判定において大当たりに当選する確率を高確率状態に設定する。
時短遊技状態ST3,ST4は、特別遊技の終了後、所定回数(例えば100回)の特別遊技判定が行われて所定回数の特別図柄の変動表示が終了するまでの所定期間継続する遊技状態である。これらの時短遊技状態ST3,ST4は、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選すると、遊技球が第2始動口14に入球し易くなる遊技状態である。そのため、これらの時短遊技状態ST3,ST4は、遊技者がハンドルレバー5を比較的大きい操作角度で操作することにより、図1の矢印F2で示すように遊技球を第2の遊技領域に向けて発射させ、第2始動口14に遊技球を入球させることを狙って遊技を進行させる遊技状態(右打ち遊技状態)である。時短遊技状態ST3,ST4が継続する所定期間の間に、特別遊技判定で大当たりに当選すると、遊技状態制御部56は、矢印A3又はA5で示すように、時短遊技状態ST3,ST4から再び特別遊技状態ST2へ移行させる。
また時短遊技状態ST3であるとき、時短遊技状態ST3が継続する所定期間の間に大当たりに当選しなかった場合、すなわち所定回数目(例えば100回目)の特別図柄の変動表示がハズレとなって停止すると、遊技状態制御部56は、矢印A6で示すように時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行させる。そのため、時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行すると、遊技者がハンドルレバー5に対して行う操作が右打ち遊技状態から左打ち遊技状態へ移行することになる。
また時短遊技状態ST4であるとき、時短遊技状態ST4が継続する所定期間の間に大当たりに当選しなかった場合、すなわち所定回数目(例えば100回目)の特別図柄の変動表示がハズレとなって停止すると、遊技状態制御部56は、矢印A7で示すように時短遊技状態ST4から通常遊技状態ST5へ移行させる。この通常遊技状態ST5は、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、遊技球が第2始動口14に入球する可能性が低い遊技状態である。そのため、時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST5へ移行すると、遊技者がハンドルレバー5に対して行う操作が右打ち遊技状態から左打ち遊技状態へ移行することになる。
ただし、通常遊技状態ST5は、特別遊技判定において大当たりと判定される確率状態が高確率状態である。この通常遊技状態ST5は、時短遊技状態ST4が終了した後、所定回数(例えば4回)の特別遊技判定が行われてその所定回数の特別図柄の変動表示が終了するまでの所定期間継続する遊技状態である。すなわち、通常遊技状態ST5は、時短遊技状態ST4が終了した後、時短遊技状態ST4よりも短い僅かな期間(例えば特別図柄の変動表示が4回行われる期間)だけ高確率状態を維持して遊技を進行させる遊技状態である。この通常遊技状態ST5が継続する所定期間の間に、特別遊技判定で大当たりに当選すると、遊技状態制御部56は、矢印A8で示すように、通常遊技状態ST5から再び特別遊技状態ST2へ移行させる。また通常遊技状態ST5が継続する所定期間内に大当たりに当選しなかった場合、遊技状態制御部56は、矢印A9で示すように、通常遊技状態ST5から通常遊技状態ST1へ移行させる。これにより、特別遊技判定において大当たりと判定される確率状態が低確率状態に戻る。
次に補助遊技制御部57は、スルーゲートスイッチ43が遊技球の通過を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部61から普通図柄乱数を取得し、普通図柄抽選テーブル66に基づいて普通図柄抽選を行う。補助遊技制御部57は、普通図柄抽選を行うと、普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後にその変動表示を停止させて普通図柄抽選の結果を表示する。そして普通図柄抽選に当選しているときには、普通図柄の変動表示を停止させた後、電チューソレノイド44を駆動することにより、電動チューリップ14aを継続的又は断続的に開放状態へと駆動して補助遊技を行わせる。尚、補助遊技制御部57は、普通図柄の変動表示中に普通図柄乱数を取得したときには、その普通図柄乱数に基づく普通図柄抽選を所定の上限数(例えば4つ)まで保留するように構成される。
◇主制御基板の動作◇
図9は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図7に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、特別遊技処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、補助遊技処理(ステップS110)、及び、出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過して再びタイマによる割込が発生することにより、乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を再び開始する。これ以降、同様の処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、RAM30cの遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数、普通図柄乱数などの各種乱数の値が更新される処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部51が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、上述の遊技データ取得部51が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、補助遊技制御部57がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄抽選を行うために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば大入賞口スイッチなど)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部52、変動パターン決定部53及び図柄表示制御部54による特別遊技判定処理及びその特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動処理などが行われる。特別遊技処理(ステップS108)では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、補助遊技制御部57による普通図柄の変動表示処理およびその変動表示処理に伴う処理が行われる。補助遊技処理(ステップS110)では、補助遊技制御部57による電動チューリップ14aの開閉動作制御が行われる。また出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33のそれぞれに対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。各基板に出力するコマンドやデータは、ステップS102〜S110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされている。そのため、この出力処理(ステップS111)ではそれらのRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する処理が行われる。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数、普通図柄乱数などの各種乱数の初期値が更新される。
図10は、第1始動口スイッチ処理(図9のステップS102)及び第2始動口スイッチ処理(図9のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図10(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入球して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13へ入球したことによる遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を取得する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数の値によって、「大当たり」であるか又は「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数の値によってその大当たり遊技として行う特別遊技の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして主制御基板30は、その遊技データに含まれる各種乱数の値に基づいて事前判定を行い(ステップS205)、その事前判定の結果を示す事前判定データを演出制御基板33に送信するためのデータとしてRAM30cにセットする(ステップS206)。この事前判定データには、当該遊技データが大当たりとなるか否かを示すデータや、当該遊技データに基づいて行われる特別図柄の変動パターンや変動時間などに関するデータが含まれる。またこのときRAM30cにセットされる事前判定データには、第1始動口13に入球して取得された遊技データであることを示すデータも含まれる。そして主制御基板30は、ステップS204で読み出した遊技データを保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS207)。以上で、第1始動口スイッチ処理が終了する。
次に図10(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図9のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入球して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14に入球したことによる遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を取得する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、またハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして主制御基板30は、その遊技データに含まれる各種乱数の値に基づいて事前判定を行い(ステップS305)、その事前判定の結果を示す事前判定データを演出制御基板33に送信するためのデータとしてRAM30cにセットする(ステップS306)。この事前判定データにも、当該遊技データが大当たりとなるか否かを示すデータや、当該遊技データに基づいて行われる特別図柄の変動パターンや変動時間などに関するデータが含まれる。またこのときRAM30cにセットされる事前判定データには、第2始動口14に入球して取得された遊技データであることを示すデータも含まれる。そして主制御基板30は、ステップS304で読み出した遊技データを保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS307)。以上で、第2始動口スイッチ処理が終了する。
このように本実施形態では、主制御基板30が、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを契機として遊技データを取得すると、その遊技データの取得時に事前判定を行い、その事前判定の結果を演出制御基板33へ通知する。したがって、演出制御基板33は、主制御基板30から通知される事前判定の結果に基づいて事前判定演出を行うか否かを決定することが可能であり、その第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したタイミングとほぼ同じタイミングで事前判定演出を行うことができるようになる。
次に図11は、特別図柄処理(図9のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判断する(ステップS501)。特別遊技中であれば、その特別遊技(大当たり遊技)が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、特別遊技中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)は、特別遊技判定の始動条件となる第1始動口13又は第2始動口14への入球に基づく保留が無いことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく特別遊技判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ低確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして主制御基板30は、遊技者に有利な特別遊技を行うかを判定するための特別遊技判定処理を実行する(ステップS514)。この特別遊技判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果並びに他の乱数に基づいて特別図柄の変動表示を行う際の変動時間が決定される。
主制御基板30は、特別遊技判定処理(ステップS514)を行った後、その特別遊技判定処理で決定された変動時間に対応して装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を含む図柄変動演出を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS516)。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が特別遊技判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を特別遊技判定の判定結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして主制御基板30は、停止中処理(ステップS522)を実行する。
図12は、停止中処理(図11のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を、通常遊技状態ST1,ST5又は時短遊技状態ST3,ST4から特別遊技状態ST2に移行させたり、時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行させたり、時短遊技状態ST4から通常遊技状態ST5へ移行させたり、通常遊技状態ST5から通常遊技状態ST1へ移行させたりする処理が行われる。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、特別遊技状態ST2へ移行させるか否かを判断し(ステップS571)、大当たりの発生によって特別遊技状態ST2へ移行させるときには(ステップS571でYES)、その特別遊技の種類に対応した特別遊技状態ST2をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に特別遊技(大当たり遊技)に対応した演出を行わせるべく、特別遊技開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、大当たり遊技となる特別遊技の実行を開始する(ステップS574)。
また主制御基板30は、特別遊技状態ST2へ移行させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が時短遊技状態ST3,ST4であるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、時短遊技状態ST3,ST4である場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、時短遊技状態ST3,ST4を継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値JCを1だけデクリメントし(ステップS576)、そのカウント値JCが0になったか否かを判断する(ステップS577)。その結果、カウント値JCが0でない場合、時短遊技状態ST3,ST4が継続するので、停止中処理を終了する。またカウント値JCが0になった場合(ステップS577でYES)、主制御基板30は、遊技状態を、時短遊技状態ST3,ST4から通常遊技状態ST1,ST5へ移行させる(ステップS578)。尚、現在の遊技状態が時短遊技状態ST3,ST4でない場合(ステップS575でNO)、ステップS576〜S578の処理はスキップする。
次に主制御基板30は、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判断する(ステップS579)。その結果、高確率状態である場合(ステップS579でYES)、主制御基板30は、高確率状態を継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値SCを1だけデクリメントし(ステップS580)、そのカウント値SCが0になったか否かを判断する(ステップS581)。その結果、カウント値SCが0でない場合、高確率状態が継続するので、停止中処理を終了する。またカウント値SCが0になった場合(ステップS581でYES)、主制御基板30は、特別遊技判定において大当たりに当選する確率状態として低確率状態をセットする(ステップS582)。尚、現在の確率状態が高確率状態でない場合(ステップS579でNO)、ステップS580〜S582の処理はスキップする。以上で、停止中処理(ステップS522)が終了する。
次に図13および図14は、特別遊技処理(図9のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別遊技が開始された後の第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開閉動作が制御される。主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。特別遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開閉動作は行わないため、特別遊技処理が終了する。これに対し、特別遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図12のステップS574)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので特別遊技処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する現在のラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、特別遊技として第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するための開放パターンを確認し(ステップS605)、その開放パターンに定められている今回のラウンドRにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間をセットする(ステップS606)。そして主制御基板30は、今回のラウンドが5ラウンド目又は16ラウンド目であるか否かを判断し、5ラウンド目又は16ラウンド目である場合は第2大入賞口16を開放する(ステップS609)。これに対し、今回のラウンドが5ラウンド目又は16ラウンド目でない場合(ステップS607でNO)、第1大入賞口15を開放する(ステップS608)。主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放すると、ステップS606でセットされた開放時間の計測動作を開始する。
そして主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放してからステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS610)、開放時間が経過していない場合(ステップS610でNO)には、更に開放中の大入賞口15又は16に対して所定の上限個数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS611)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS611でNO)には、大入賞口15又は16の開放状態が継続するため、特別遊技処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS610でYES)、又は、大入賞口15,16への入賞個数が上限値に達した場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、現在開放中の第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS612)。そして主制御基板30は、現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値(例えば16)であるか否かを判断する(ステップS613)。最終ラウンドでない場合(ステップS613でNO)には特別遊技が継続するため、そのまま特別遊技処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS613でYES)、主制御基板30は、特別遊技を終了させるためのステップS614以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は、現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS614)、その特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS615)。遊技球がVゲート18を通過している場合(ステップS615でYES)、主制御基板30は、その後の特別遊技判定における大当たりの当選確率として高確率状態をセットする(ステップS616)。そして高確率状態を継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値SCに対して所定値(例えば104)をセットする(ステップS617)。これに対し、遊技球がVゲート18を通過していていない場合(ステップS615でNO)、主制御基板30は、その後の特別遊技判定における大当たりの当選確率として低確率状態をセットする(ステップS618)。
次に主制御基板30は、遊技状態として時短遊技状態をセットする(ステップS619)。そして主制御基板30は、時短遊技状態ST3,ST4における特別図柄の残り変動回数のカウント値SCに対して所定値(例えば100)をセットする(ステップS620)。
その後、主制御基板30は、特別遊技のエンディングのための時間計測を開始し(ステップS621)、エンディングが終了したか否かを判断する(ステップS622)。エンディングを開始してから所定時間が経過していないときには、エンディングが未終了であると判断し(ステップS622でNO)、特別遊技処理を終了する。またエンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS622でYES)、演出制御基板33に特別遊技演出を終了させるべく、特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS623)、特別遊技を終了する(ステップS624)。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図14のフローチャートに進み、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断する(ステップS651)。そして開放中である場合は(ステップS651でYES)、図13に示すステップS610以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が大当たり遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そしてエンディング中である場合は(ステップS652でYES)、図13に示すステップS622以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS652でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS653でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、特別遊技処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンドを実施すべく、図13に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような特別遊技処理により、遊技機1において特別遊技が開始されると、その特別遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させるラウンドが所定回数(例えば16ラウンド)行われる。また特別遊技が終了するときには、Vゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて高確率状態と低確率状態のいずれか一方がセットされるようになり、特別遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態ST3,ST4となる。
◆演出制御基板◆
次に演出制御基板33の構成について説明する。図15は、演出制御基板33の機能構成を示すブロック図である。図15に示すように、演出制御基板33のCPU33aは、事前判定データ受信部70、コマンド受信部71、事前判定演出制御部72、示唆遊技演出制御部73、特別遊技演出制御部74、待機演出制御部75及び遊技演出制御部76として機能し、主制御基板30から受信するデータやコマンドに応じて様々な演出の実行を制御する。
事前判定データ受信部70は、主制御基板30から事前判定データを受信すると、その事前判定データを事前判定演出制御部72へ出力する。コマンド受信部71は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、その変動開始コマンドを示唆遊技演出制御部73へ出力する。またコマンド受信部71は、主制御基板30から変動停止コマンドを受信すると、その変動停止コマンドを示唆遊技演出制御部73及び待機演出制御部75へ出力する。さらにコマンド受信部71は、主制御基板30から特別遊技開始コマンド又は特別遊技終了コマンドを受信すると、それらのコマンドを特別遊技演出制御部74へ出力する。
事前判定演出制御部72、示唆遊技演出制御部73、特別遊技演出制御部74及び待機演出制御部75のそれぞれは、主制御基板30から受信したデータやコマンドに基づいて遊技機1で行う演出を決定し、その決定した演出を遊技演出制御部76に実行させる。
事前判定演出制御部72は、事前判定データ受信部70が主制御基板30から事前判定データを受信した場合に、その受信した事前判定データに基づいて事前判定演出を行うか否かを決定する。すなわち、事前判定演出制御部72は、主制御基板30において遊技データが取得され、事前判定が行われたタイミングで、事前判定演出を行うか否かを決定する。演出制御基板33が主制御基板30から受信する事前判定データには、保留として記憶された遊技データが大当たりであるか否かを示すデータや、当該遊技データに基づいて行われる特別図柄の変動パターンや変動時間などに関するデータが含まれている。そのため、事前判定演出制御部72は、事前判定データに含まれるそれらのデータに基づいて抽選を行うことにより、事前判定演出を行うか否かを決定する。例えば、主制御基板30において取得された遊技データが大当たりとなるものである場合、事前判定演出制御部72は、抽選を行うことにより、大当たりとならない場合よりも高い確率で事前判定演出を行うことを決定する。これに対し、遊技データがハズレとなるものである場合、事前判定演出制御部72は、その遊技データに基づく特別図柄の変動表示中にリーチ演出が行われるか否かに基づいて、或いは、その特別図柄の変動時間に基づいて抽選を行うことにより、事前判定演出を行うか否かを決定する。このような抽選では、例えば、特別図柄の変動時間が相対的に長くなるほど、変動時間が短い場合と比較して事前判定演出を行うと決定される確率が高くなる。そのため、事前判定演出制御部72は、遊技データが大当たりであるか否かにかかわらず、その遊技データに基づく特別図柄の変動時間が長くなるほど高い確率で事前判定演出を行うことを決定する。ただし、遊技データがハズレであり、特別図柄の変動時間が比較的短い場合でも、事前判定演出を行うと決定される確率は0ではない。
また事前判定演出制御部72は、事前判定データに基づいて事前判定演出を行うことを決定した場合、複数の事前判定演出のうちから、遊技機1で行うべき事前判定演出として1又は複数の演出を決定する。例えば、事前判定演出には、画像表示器12で行われる図柄変動演出の態様を通常とは異なる態様に変化させる演出や、スピーカー8から出力される演出音を通常とは異なる演出音に変化させる演出、画像表示器12の保留図柄表示領域120に表示する保留図柄を通常とは異なる表示態様に変化させる演出などの複数の演出がある。そのため、事前判定演出制御部72は、それら複数の事前判定演出のうちの1つの演出を選択し、その1つの演出を遊技機1で行うべき事前判定演出として決定しても良い。またこれに限らず、複数の事前判定演出のうちから複数の演出を選択し、それら複数の演出を1つに組み合わせた演出を、遊技機1で行うべき事前判定演出として決定しても良い。さらに事前判定演出制御部72は、複数の事前判定演出の全てを複合的に組み合わせた1つの演出を、遊技機1で行うべき事前判定演出として決定しても良い。
また事前判定演出制御部72は、事前判定データ受信部70が主制御基板30から事前判定データを受信した時点において所定の条件が成立している場合には、事前判定演出を行わないことを決定するようにしても良い。例えば、事前判定データ受信部70が主制御基板30から事前判定データを受信した時点において、それ以前に記憶されている保留の中に大当たりとなる保留が含まれている場合には、事前判定演出を行わないように決定しても良い。また、事前判定データ受信部70が主制御基板30から事前判定データを受信した時点において、遊技状態が変化するまでの特別図柄の残り変動回数が所定回数以下(例えば4回以下)となっている場合、又は、遊技状態が変化した後の特別図柄の変動回数が所定回数以下(例えば3回以下)となっている場合には、事前判定演出を行わないように決定しても良い。
示唆遊技演出制御部73は、主制御基板30で特別遊技判定が行われた場合にその特別遊技判定の結果に基づき、特別遊技が行われるか否かを示唆する示唆遊技演出を制御するものである。示唆遊技演出は、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始することにより行われる演出であり、疑似連演出やリーチ演出などを行うこともある。示唆遊技演出制御部73は、コマンド受信部71が変動開始コマンドを受信することに伴い、その変動開始コマンドに基づいて遊技機1で行うべき演出パターンを決定する。すなわち、示唆遊技演出制御部73は、ROM33bに予め記憶されている複数の演出パターンの中から、変動開始コマンドに含まれる特別遊技判定の結果と特別図柄の変動時間とに基づき、特別図柄の変動時間に対応する演出であって、特別遊技判定の結果に対応する演出パターンを一つ選択し、その選択した演出パターンを遊技機1で行うべき演出パターンとして決定する。演出パターンは、画像表示器12に表示するための演出画像と、スピーカー8から出力するための演出音とを定義したものであり、演出音は画像表示器12に表示される演出画像に対応した楽曲や音声、効果音などを含むものである。そのため、1つの演出パターンが決定されると、画像表示器12で表示すべき演出画像が定まると共に、その演出画像と連動してスピーカー8から出力すべき演出音が定まる。そして示唆遊技演出制御部73は、決定した演出パターンに基づき、遊技演出制御部76に示唆遊技演出を実行させることにより、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出が開始される。そして所定時間経過後にコマンド受信部71が変動停止コマンドを受信することに伴い、示唆遊技演出制御部73は、遊技演出制御部76によって実行されている示唆遊技演出を停止させることにより、画像表示器12において行われている図柄変動演出を終了させて主制御基板30で行われた特別遊技判定の結果に対応する停止図柄を表示させる。これにより、遊技者に対して特別遊技判定の結果が報知される。尚、以下においては、示唆遊技演出制御部73によって行われる示唆遊技演出を図柄変動演出と呼ぶこともある。
また示唆遊技演出制御部73は、特別遊技判定の結果に対応する1つの演出パターンを決定するとき、複数の演出パターン群の中から、現在の遊技状態に対応する演出パターン群を選択する。すなわち、演出パターン群は、通常遊技状態ST1,ST5及び時短遊技状態ST3,ST4のそれぞれに対応して設けられており、示唆遊技演出制御部73は、現在の遊技状態が通常遊技状態ST1,ST5及び時短遊技状態ST3,ST4のいずれであるかを特定し、その特定した遊技状態に対応する1つの演出パターン群を選択する。各演出パターン群には、複数の演出パターンが含まれる。そのため、示唆遊技演出制御部73は、現在の遊技状態に基づいて選択した1つの演出パターン群に含まれる複数の演出パターンの中から、特別遊技判定の結果と特別図柄の変動時間とに基づいて1つの演出パターンを決定する。
また高確率状態の時短遊技状態ST4に対応する演出パターン群には、時短遊技状態ST4に移行してからの特別図柄の変動回数に応じた複数の期間に対応する複数の演出パターン群が含まれる。そのため、示唆遊技演出制御部73は、特別遊技判定において大当たりであると判定される確率状態が高確率状態であるときには、高確率状態に移行してからの特別図柄の変動回数に応じて複数の演出パターン群から1つの演出パターン群を選択し、その選択した演出パターン群に含まれる複数の演出パターンから特別遊技判定の結果に対応する1つの演出パターンを決定する。すなわち、本実施形態では、特別遊技終了後に高確率状態の時短遊技状態ST4に移行すると、特別図柄の変動表示(特別遊技判定)が所定回数(例えば100回)行われるまでの期間中に大当たりに当選しなかった場合には、時短遊技状態ST4が終了して高確率状態の通常遊技状態ST5に移行し、更にその高確率状態の通常遊技状態ST5は、特別図柄の変動表示(特別遊技判定)が所定回数(例えば4回)行われるまでの期間中に大当たりに当選しなかった場合に終了する。そのため、示唆遊技演出制御部73は、高確率状態の継続期間を複数の期間に分割し、それぞれの期間に応じた演出(高確率演出)を行うことにより、高確率状態の終期が近づいていることを報知し、遊技者のドキドキ感を煽るような演出を行うのである。
図16は、演出パターン群に含まれる演出パターンの一例を示す図である。図16に示すように1つの演出パターン群には、特別図柄の変動時間に対応する複数の演出パターンPT1〜PT7が含まれる。これら複数の演出パターンPT1〜PT7は、それぞれ演出時間が異なるパターンであり、大当たりとなる期待度が互いに異なるパターンである。特別遊技判定の結果が大当たりである場合、主制御基板30により決定される特別図柄の変動時間は、通常のハズレの場合よりも長い時間になる傾向がある。そのため、特別図柄の変動時間が長くなる程、大当たりの期待度が高くなる。したがって、示唆遊技演出制御部73は、演出パターン群に含まれる複数の演出パターンPT1〜PT7のうちから主制御基板30で決定される特別図柄の変動時間に対応する演出パターンを選択するため、選択した演出パターンに基づいて行われる演出の演出時間が長くなる程、大当たりとなる期待度が高くなる。例えば、図16に示す演出パターンPT1〜PT7の場合、変動時間が比較的長い演出パターンPT6,PT7は大当たりとなる可能性がある演出パターンであり、変動時間が比較的短い演出パターンPT1〜PT5は大当たりとなる可能性がない演出パターンである。すなわち、演出パターンPT1〜PT5は、ハズレの変動パターンのときにしか選択されない演出パターンである。尚、演出パターンPT6とPT7とを比較した場合、大当たりとなる期待度は変動時間の長い演出パターンPT7の方がより一層高くなる。このように1つの演出パターン群に含まれる複数の演出パターンはそれぞれ大当たりとなる期待度が異なるものである。
また示唆遊技演出制御部73は、高確率状態で大当たりに当選し、それに伴う特別遊技が終了した後の示唆遊技演出を行うときには、高確率状態のどの期間で大当たりに当選したかに応じてそれぞれ異なる演出を行うことが可能である。例えば、通常の示唆遊技演出では、画像表示器12において図柄変動演出が行われるとき、スピーカー8からはその図柄変動演出に対応した演出音が出力される。これに対し、高確率状態で大当たりに当選し、それに伴う特別遊技が終了した後の示唆遊技演出では、高確率状態のどの期間で大当たりに当選したかに応じたセリフ音声などがスピーカー8から出力されるようになり、通常の示唆遊技演出とは異なる演出が行われる。
特別遊技演出制御部74は、コマンド受信部71が特別遊技開始コマンドを受信することに伴い、その特別遊技開始コマンドに基づいて特別遊技演出を開始し、コマンド受信部71が特別遊技終了コマンドを受信することに伴い、特別遊技演出を終了させるものである。
また特別遊技演出制御部74は、高確率状態で大当たりに当選した場合の特別遊技演出を行うときには、高確率状態のどの期間で大当たりに当選したかに応じてそれぞれ異なる演出を行うことが可能である。例えば、低確率状態で大当たりに当選した場合には、画像表示器12において通常の特別遊技演出の画像が表示されるとき、スピーカー8からはその画像に対応した演出音が出力される。これに対し、高確率状態で大当たりに当選し、それに伴う特別遊技が開始されると、特別遊技演出制御部74は、高確率状態のどの期間で大当たりに当選したかに応じたセリフ音声などがスピーカー8から出力されるようになり、通常の特別遊技演出とは異なる演出が行われる。
待機演出制御部75は、示唆遊技演出制御部73又は特別遊技演出制御部74による演出が行われておらず、コマンド受信部71が主制御基板30からコマンドを受信しない状態が所定時間以上継続した場合に機能し、いわゆる客待ち状態で行う待機演出の実行を制御するものである。
遊技演出制御部76は、事前判定演出制御部72、示唆遊技演出制御部73、特別遊技演出制御部74及び待機演出制御部75のそれぞれで決定された演出を実行するものである。遊技演出制御部76は、演出画像制御部77と、演出音制御部78とを備えており、これらが画像制御基板34の動作を制御することにより、画像表示器12において表示される画像やスピーカー8から出力される演出音を制御するように構成される。すなわち、演出画像制御部77は、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。また演出音制御部78は、スピーカー8から出力される演出音を制御するものである。
演出画像制御部77は、示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出が行われるとき、示唆遊技演出制御部73によって決定された演出パターンに基づいて図柄変動演出を行うための画像を画像表示器12に表示させる。また演出画像制御部77は、示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出が行われているときに事前判定演出制御部72によって所定の事前判定演出を行うことが決定されると、画像表示器12に事前判定演出のための画像を表示させるように制御する。また演出画像制御部77は、特別遊技演出制御部74による特別遊技演出が行われるとき、特別遊技演出制御部74によって決定された特別遊技演出を行うための画像を画像表示器12に表示させる。さらに演出画像制御部77は、待機演出制御部75による待機演出が行われるとき、待機演出制御部75から指示される待機演出を行うための画像を画像表示器12に表示させる。
演出音制御部78は、演出画像制御部77によって各種の演出画像が表示されるとき、その演出画像に対応した演出音がスピーカー8から出力されるように制御する。ただし、演出音制御部78は、事前判定演出制御部72によって所定の事前判定演出を行うことが決定された場合、演出画像制御部77によって画像表示器12に表示される演出画像に対応する演出音とは異なる演出音をスピーカー8から出力するように制御することが可能である。また演出音制御部78は、上述したセリフ音声などをスピーカー8から出力するように制御することもできる。
また演出画像制御部77は、保留演出制御部77aと疑似保留演出制御部77bとを有している。保留演出制御部77aは、画像表示器12に表示される保留図柄表示領域120に、保留図柄を表示すると共に、その保留図柄に対する様々な演出を行う処理部である。保留演出制御部77aは、事前判定演出制御部72によって所定の事前判定演出を行うことが決定された場合、それに伴い、保留図柄表示領域120に表示する保留図柄を通常とは異なる態様で表示することが可能であり、保留図柄を通常とは異なる態様で表示した後、その保留図柄を更に別の表示態様に変化させることが可能である。また保留演出制御部77aは、保留図柄の表示態様が変化することを示唆するために保留図柄変化示唆演出を行うことが可能である。
疑似保留演出制御部77bは、示唆遊技演出制御部73によって示唆遊技演出が開始されることに伴い、画像表示器12に表示される疑似保留図柄表示領域121に対してその示唆遊技演出に対応する疑似保留図柄を表示すると共に、その疑似保留図柄に対する様々な演出を行う処理部である。疑似保留演出制御部77bは、示唆遊技演出制御部73によって所定の演出を行うことが決定された場合、それに伴い、疑似保留図柄表示領域121に表示する疑似保留図柄を通常とは異なる表示態様に変化させることが可能である。また疑似保留演出制御部77bは、疑似保留図柄の表示態様が通常の態様とは異なる態様に変化することを示唆するために疑似保留図柄変化示唆演出を行うことが可能である。
図17は、画像表示器12に表示される画像の一例を示す図である。図17(a)は遊技機1において示唆遊技演出や特別遊技演出、待機演出などが行われていない状態の初期画面例を示している。この初期画面では、3つの装飾図柄12a,12b,12cは停止した状態で表示され、保留図柄表示領域120に保留図柄が表示されず、また疑似保留図柄表示領域121にも疑似保留図柄が表示されない。この初期状態で、例えば第1始動口13に遊技球が入球し、始動条件が成立すると、演出制御基板33は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信する。これにより、図17(b)に示すように、示唆遊技演出制御部73が3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始する。このとき、疑似保留演出制御部77bは、疑似保留図柄表示領域121に疑似保留図柄80を表示する。この疑似保留図柄80には複数の表示態様があり、図柄変動演出が開始されたときには通常の表示態様で表示される。尚、通常の表示態様は、例えば緑色の表示態様である。そして疑似保留図柄80の表示態様は、その後、通常の表示態様から別の表示態様に変化することがある。
図柄変動演出が開始された後、その図柄変動演出が終了するまでの間に、更に第1始動口13に対して遊技球が連続入球した場合、それに伴う特別遊技判定の権利が保留として記憶される。このとき、演出制御基板33は、主制御基板30から事前判定データを取得し、特別遊技判定の権利が保留として記憶されたことを把握する。そのため、保留演出制御部77aは、図17(b)に示すように保留として記憶された特別遊技判定の権利に対応する保留図柄81を表示する。保留図柄表示領域120には、例えば最大4つの保留図柄81を表示するための4つの保留表示欄120a,120b,120c,120dが表示される。これら4つの保留表示欄120a〜120dのうち、保留表示欄120aは、1番目に記憶された保留に対応する保留図柄81を表示する欄であり、保留表示欄120bは、2番目に記憶された保留に対応する保留図柄81を表示する欄である。また保留表示欄120cは、3番目に記憶された保留に対応する保留図柄81を表示する欄であり、保留表示欄120dは、4番目に記憶された保留に対応する保留図柄81を表示する欄である。そのため、図柄変動演出が行われているときに、第1始動口13に2つの遊技球が連続的に入球した場合、保留演出制御部77aは、先に記憶された保留に対応する保留図柄81を保留表示欄120aに表示し、次に記憶された保留に対応する保留図柄81を保留表示欄120bに表示する。
保留図柄81の表示態様には複数の表示態様があり、通常は疑似保留図柄80と同様に、通常の表示態様で表示される。尚、通常の表示態様は、例えば緑色の表示態様である。ただし、事前判定演出制御部72によって所定の事前判定演出を行うことが決定された場合、保留演出制御部77aは、それに対応する保留図柄81を表示する際に、通常の表示態様とは異なる表示態様で保留図柄を表示する。
図18は、保留図柄81が通常とは異なる表示態様で表示される場合を例示する図である。図18(a)は、通常とは異なる表示態様の保留図柄81が表示される前の状態を示している。図18(a)に示すように、例えば保留図柄表示領域120に2つの保留図柄81が通常の表示態様で表示されている状態で3つ目の新たな保留が記憶されると、3つ目の保留に対応する保留図柄81が保留表示欄120cに表示される。このとき、事前判定演出制御部72によって所定の事前判定演出を行うことが決定されると、保留演出制御部77aは、3つ目の保留図柄81を、図18(b)に示すように通常とは異なる態様であって、第1の特殊表示態様で保留表示欄12cに表示する。図18(b)に示す例では、3つ目の保留図柄81は、例えば白色の点滅表示として表示される。このような第1の特殊表示態様は、3つ目の保留図柄81がその後更に別の表示態様に変化する可能性があることを遊技者に示唆する表示態様である。したがって、第1の特殊表示態様で表示された保留図柄81は、その後、更に別の表示態様に変化することがある。
図19は、保留図柄81の表示態様が変化する例を示す図である。図19(a)に示すように保留図柄81の表示態様には、通常の表示態様90と、第1の特殊表示態様91と、第2の特殊表示態様92とがあり、第1の特殊表示態様92は、第2の特殊表示態様92へと変化する。第2の特殊表示態様92には更に3つの特殊態様92a,92b,92cがあり、第1の特殊表示態様92から3つの特殊態様92a,92b,92cのいずれかに変化する。特殊態様92aは例えば青色の表示態様であり、特殊態様92bは例えば黄色の表示態様であり、特殊態様92cは例えば赤色の表示態様である。これら3つの特態様92a,92b,92cは、保留図柄81が表示されているときに、当該保留図柄81に対応する遊技データが大当たりとなって特別遊技が行われる期待度を示すものである。例えば図19(b)に示すように青色の特殊態様92aは3つの特殊態様92a,92b,92cのうちで期待度が最も低いことを示し、黄色の特殊態様92bは青色の特殊態様92aよりも期待度が高く、赤色の特殊態様92cよりも期待度が低いことを示すものである。そして赤色の特殊態様92cは3つも特殊態様92a,92b,92cのうちで期待度が最も高いことを示すものである。また3つの特殊態様92a,92b,92cは、いずれも通常の表示態様90よりも特別遊技が行われる期待度が高いことを示すものである。したがって、遊技者は、保留図柄表示領域120に保留図柄81が表示されると、その保留図柄81の表示態様が特殊態様92a,92b,92cのいずれかに変化することを期待するようになり、しかもより期待度の高い表示態様に変化することを期待する。
そして第1の特殊表示態様91は、例えば保留図柄表示領域120に複数の保留図柄81が表示されているとき、表示態様が変化する可能性がある保留図柄81を他の保留図柄81と区別できるようにするためのものである。これにより、保留図柄表示領域120に複数の保留図柄81が表示されている場合であっても、表示態様の変化する可能性がある保留図柄81を他の保留図柄81と区別して認識できるようになるため、遊技者は第1の特殊表示態様91で表示された保留図柄81が変化することを期待してその保留図柄81に注目するようになる。
また保留図柄81の表示態様が第1の特殊表示態様91から第2の特殊表示態様92に変化することにより、保留図柄81が特殊態様92a又は92bに変化した場合には、その後更に保留図柄81の表示態様が特殊態様92aから特殊態様92b又は92cへ、或いは特殊態様92bから特殊態様92cへ変化することがある。
図20は、保留図柄81の変化態様の一例を示す図である。図20(a)に示す例では、3つ目の保留図柄81が第1の特殊表示態様91で表示されている。そして図20(a)では、第1の特殊表示態様91で表示されている3つ目の保留図柄81がその後に第2の特殊表示態様92のうちの特殊態様92aに変化した場合を例示している。このように保留図柄81の表示態様が変化することにより、3つ目の保留図柄81に対応する保留が消化されるときに大当たりとなる期待度が高くなる。また図20(b)に示すように特殊態様92aの保留図柄81は、その後更に期待度の高い特殊態様92bに変化することがある。この場合、3つ目の保留図柄81の期待度が段階的に高くなるため、遊技者の期待感を段階的に上げていくような演出となる。
図21は、保留図柄81が通常とは異なる表示態様である状態で保留消化が進んでいく態様を示す図である。図21(a)では、3つ目の保留に対応する保留図柄81が特殊態様92cで表示されている。この状態で保留消化が1つ進む度に、特殊態様92cの保留図柄81は、図21(b)に示すように疑似保留図柄表示領域121に向かって1つずつ移動していく。そして3回目の保留消化が行われると、図21(c)に示すように特殊態様92cの保留図柄81が消化され、疑似保留図柄表示領域121には、保留消化される以前の保留図柄81の表示態様と同じ表示態様である特殊態様92の疑似保留図柄80が表示される。すなわち、特殊態様92cの保留図柄81が疑似保留図柄表示領域121に移動して疑似保留図柄80として表示されるときには、保留図柄81の表示態様が引き継がれた状態の疑似保留図柄80が表示されるのである。これにより、当該疑似保留図柄80に対応する図柄変動演出であって、現在行われている図柄変動演出が大当たりとなる期待度の高いものであることが図柄変動演出の開始時点で遊技者に報知されることになる。
また図21では、保留図柄81の表示態様が変化する事前判定演出が行われることに伴い、図柄変動演出の背景画像が通常とは異なる特殊背景画像12dに変化する場合を例示している。これは、事前判定演出制御部72が、画像表示器12で行われる図柄変動演出の態様を通常とは異なる態様に変化させる事前判定演出を行うことを決定した場合に行われる演出である。この場合、演出画像制御部77は、例えば事前判定演出制御部72によって図柄変動演出の態様を通常とは異なる態様に変化させる事前判定演出を行うことが決定されたタイミングで、図柄変動演出の背景画像を通常とは異なる特殊背景画像12dに変化させる。このような特殊背景画像12dによる演出が保留図柄81の表示態様の変化と共に行われることにより、事前判定演出がよりインパクトのある演出となり、遊技者に期待感をより一層高揚させることができる。
演出音制御部78は、事前判定演出制御部72により事前判定演出を行うことが決定されていないときには、示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出の実行中に画像表示器12に表示される図柄変動演出の画像に対応する演出音をスピーカー8から出力させる。例えば、演出音制御部78は、事前判定演出制御部72により事前判定演出を行うことが決定されていないとき、画像表示器12に表示される図柄変動演出に対応する演出音として予め設定された第1の楽曲(通常の演出音)をスピーカー8から出力させる。ここで、図柄変動演出は演出パターンに基づいて行われる演出であり、演出パターンは特別遊技判定の結果に基づいて決定される変動パターンに基づいて選択されるものである。そのため、第1の楽曲(通常の演出音)は、変動パターンに基づいて決定される演出パターンに予め設定されている演出音である。
これに対し、事前判定演出制御部72によってスピーカー8から出力される演出音を通常の演出音とは異なる演出音に切り替えて変化させる事前判定演出を行うことが決定された場合、演出音制御部78は、その後、画像表示器12に表示される図柄変動演出の画像に対応する演出音とは異なる演出音に切り替え、通常とは異なる演出音をスピーカー8から出力させる。例えば、演出音制御部78は、事前判定演出制御部72によってスピーカー8から出力される演出音を通常の演出音とは異なる演出音に切り替える事前判定演出を行うことが決定されると、その決定が行われたタイミングで、スピーカー8から出力する演出音を、第1の楽曲(通常の演出音)とは異なる第2の楽曲であって事前判定演出専用の楽曲に切り替える。この第2の楽曲は、変動パターンに基づいて決定される演出パターンには設定されていない演出音である。これにより、事前判定演出が開始されると、スピーカー8から出力される演出音が突然に事前判定演出専用の楽曲に切り替わるので、新たに記憶された保留が大当たりとなる期待度の高い保留であることを、遊技者に演出音で報知することができる。尚、演出音が切り替わるタイミングは、必ずしも事前判定演出制御部72によって事前判定演出を行うことが決定されたタイミングに限られず、例えば次回の示唆遊技演出が開始されるタイミングで切り替わるようにしても良い。
上記のように演出音制御部78によって演出音が切り替わる事前判定演出は、それ単独で行われるものであっても良いし、また保留図柄81の表示態様が変化する事前判定演出や、図柄変動演出の背景画像が通常とは異なる特殊背景画像12dに変化する事前判定演出などと組み合わされて行われるものであっても良い。特に演出音制御部78によって演出音が切り替わる事前判定演出が単独で行われる場合には、特別遊技判定の権利が保留として記憶されると、スピーカー8から出力される演出音(楽曲)だけが通常とは異なる演出音(楽曲)に変わるため、他の事前判定演出と組み合わされる場合と比較すると、遊技者にとっては比較的気付き難い演出態様となる。これにより、遊技者は、画像表示器12で表示される演出画像だけでなく、スピーカー8から出力される演出音(楽曲)にも注意を払いながら遊技を進行させるようになる。それ故、遊技者の関心をスピーカー8から出力される演出音(楽曲)にも惹き付けることができるため、興趣性の高い演出を行うことが可能である。
さらに演出音制御部78は、図柄変動演出の背景画像が通常とは異なる特殊背景画像12dに変化するときに演出音を通常とは異なる演出音に変化させる場合には、特殊背景画像12dに予め関連付けられた演出音を選択してスピーカー8から出力させるようにしても良い。この場合、図柄変動演出の背景画像が特殊背景画像12dに変化しないときに演出音だけを変化させる場合、演出音制御部78は、特殊背景画像12dに予め関連付けられた演出音とは異なる演出音を選択してスピーカー8から出力させる。すなわち、演出音だけを単独で変化させるときには、画像表示器12で表示される演出画像に対して関連付けられていない専用の演出音を選択してスピーカー8から出力させるのである。これにより、事前判定の結果に基づいて演出音が変化するときのバリエーションが増えるため、より一層興趣性の高い演出を行うことが可能となる。
◆事前判定演出の開始タイミング◆
上述のように事前判定演出制御部72による事前判定演出は、示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出と並行して行うことが可能な演出である。図22は、示唆遊技演出と事前判定演出とが並行して行われる場合のタイミングチャートの一例を示す図である。まず図22(a)に示すように、例えば遊技機1において始動条件が成立していない状態のタイミングT11で第1始動口13に遊技球が入賞し、その後、タイミングT12,T13,T14で第1始動口13に遊技球が連続入賞する場合を仮定する。この場合、図22(b)に示すようにタイミングT11までは遊技機1において待機演出制御部75による待機演出85が行われている。そしてタイミングT11で第1始動口13に遊技球が入球し、遊技データが取得されると、それによって始動条件が成立する。そのため、遊技機1は、タイミングT11で特別遊技判定を行い、その判定結果に基づいてタイミングT11から示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出86を開始する。すなわち、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cが変動する図柄変動演出が開始されるのである。タイミングT11で開始される示唆遊技演出86は、タイミングT11で取得された遊技データに基づく特別遊技判定の結果に応じた演出86aである。したがって、その示唆遊技演出86aがハズレで終了すると、それに引き続き、タイミングT12で取得された遊技データに基づく示唆遊技演出86bが行われる。また示唆遊技演出86bもハズレで終了すると、それに引き続き、タイミングT13で取得された遊技データに基づく示唆遊技演出86cが行われる。
ここで示唆遊技演出86aが終了する前のタイミングT13で第1始動口13に遊技球が入賞することに伴い、事前判定演出制御部72が事前判定演出を行うことを決定すると、遊技機1は、そのタイミングT13で事前判定演出制御部72による事前判定演出87の実行を開始する。そして事前判定演出87は、示唆遊技演出制御部73によって行われる示唆遊技演出86と並行して行われる。これにより、示唆遊技演出制御部73によって行われる示唆遊技演出86において図柄変動演出の背景画像が特殊背景画像12dに変化したり、或いは、タイミングT13で取得された遊技データに対応する保留図柄81が通常とは異なる特殊表示態様に変化したりする。この事前判定演出87は、例えばタイミングT13で取得された遊技データの特別遊技判定が行われ、その判定結果に基づく示唆遊技演出86cが行われるときも継続して行われる。そしてタイミングT13で取得された遊技データが特別遊技を行うものであった場合、タイミングT13で取得された遊技データに基づいて行われる示唆遊技演出86cは、大当たりとなって終了する。この場合、遊技機1は、図22(b)に示すように、示唆遊技演出86cが終了するタイミングT15から特別遊技演出制御部74による特別遊技演出88の実行を開始する。このとき、事前判定演出87の実行は終了する。
これに対し、タイミングT13で取得された遊技データが特別遊技を行うものでなかった場合、タイミングT13で取得された遊技データに基づいて行われる示唆遊技演出86cは、ハズレとなって終了する。この場合、遊技機1は、図22(c)に示すように、タイミングT15で示唆遊技演出86cが終了した後、タイミングT14で取得された遊技データに基づく示唆遊技演出86dの実行を開始する。このときもまた事前判定演出87の実行は終了する。
次に図23は、事前判定演出制御部72によって演出音を変化させる事前判定演出を行うことが決定された場合のタイミングチャートを示す図である。尚、図23に示すタイミングT11,T12,T13,T14,T15は、図22に示したものと同様である。また図23では、図22と同様に、タイミングT13で取得された遊技データに基づいて事前判定演出制御部72が事前判定演出を行うことを決定した場合を例示している。
まず図23(a)に示すように、演出音制御部78は、タイミングT11で示唆遊技演出86aが開始されることに伴い、その示唆遊技演出86aに対応した演出音SD1をスピーカー8から出力される。その後、その示唆遊技演出86aが終了する前のタイミングT13で事前判定演出制御部72により事前判定演出87を行うことが決定されると、演出音制御部78は、そのタイミングT13でスピーカー8から出力される演出音を、その時点で行われている示唆遊技演出86aに対応した演出音SD1から、別の事前判定演出87の専用の演出音SD2に切り替える。これにより、スピーカー8から出力される演出音は、事前判定演出87を行うことが決定されたタイミングT13で突然、通常の演出音SD1から、通常の演出音SD1とは異なる専用の演出音SD2に切り替わる。すなわち、事前判定演出が実行されなければ本来は示唆遊技演出86aの終了まで出力される演出音SD1が、タイミングT13の始動入賞(先読み判定)を契機に出力を終了し、演出音SD1に替えて事前判定演出専用の演出音SD2が出力される。そのため、遊技者は、スピーカー8から出力される演出音の変化により、タイミングT13で新たに記憶された保留によって特別遊技が行われる期待度が通常よりも高いことを把握することができるようになる。尚、事前判定演出87が行われる契機となった保留に基づく示唆遊技演出86cがタイミングT15でハズレとなって終了した場合、演出音制御部78は、その後の演出音を通常の演出音に戻す。
また図23(b)は、図23(a)とは異なるタイミングで演出音が切り替わる場合を例示している。すなわち、示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出86aが行われている状態のタイミングT13で、事前判定演出制御部72により、事前判定演出87を行うことが決定された場合、演出音制御部78は、その時に行われている示唆遊技演出86aが終了し、次の示唆遊技演出86bが開始されるタイミングT16で、スピーカー8から出力される演出音を通常の演出音SD1とは異なる事前判定演出87専用の演出音SD2に切り替えるようにしても良い。すなわち、事前判定演出が実行されなければ、本来、示唆遊技演出86bの開始に伴って出力される演出音は、示唆遊技演出86bに対応した演出音SD1であるが、示唆遊技演出86bが開始されるタイミングT16で事前示唆演出が行われることに伴い、通常の演出音SD1に替えて事前判定演出専用の演出音SD2が出力されるようになる。この場合であっても、遊技者は、スピーカー8から出力される演出音の変化により、新たに記憶された保留によって特別遊技が行われる期待度が通常よりも高いことを把握することができるようになる。
尚、図23(b)に示すように演出音制御部78によってスピーカー8から出力される演出音の切り替えが行われるタイミングT16が事前判定演出制御部72によって事前判定演出87を行うことが決定されたタイミングT13と異なる場合には、上述したように事前判定演出87を行うことが決定されたタイミングT13で、図柄変動演出86の背景画像を特殊背景画像12dに変化させたり、或いは、新たに記憶された保留に対応する保留図柄81を通常とは異なる表示態様に変化させたりする事前判定演出87を行うことが好ましい。これにより、複数の保留が記憶されている場合であっても、遊技者は、どの保留の期待度が通常よりも高い保留であるかを容易に把握することができるという利点がある。
◆保留図柄変化示唆演出◆
保留演出制御部77aは、事前判定演出制御部72によって保留図柄81の表示態様を変化させる事前判定演出87を行うことが決定された場合、上述のように保留図柄81の表示態様を、通常の表示態様90とは異なる第1の特殊表示態様91で表示させ、その後、第1の特殊表示態様91の保留図柄81を、更に別の第2の特殊表示態様92に変化させることがある。このとき、保留演出制御部77aは、第1の特殊表示態様91である保留図柄81が第2の特殊表示態様92のうちの3つの特殊態様92a,92b,92cのいずれかに変化する可能性があることを示唆する保留図柄変化示唆演出を行う。
図24は、保留図柄変化示唆演出の一例を示す図である。尚、図24では、3つ目の保留が記憶されたときに、事前判定演出制御部72によって事前判定演出を行うことが決定された場合を例示している。まず保留演出制御部77aは、3つ目の保留に対応する保留図柄81を表示するとき、図24(a)に示すように保留図柄81の表示態様を第1の特殊表示態様91で表示する。これにより、遊技者は、3つ目の保留図柄81の表示態様が更に第2の特殊表示態様92に変化する可能性があることを把握することができる。そして保留演出制御部77aは、その後、その3つ目の保留図柄81に対応する保留が消化されるまでに、保留図柄変化示唆演出を行う。尚、図24では、図柄変動演出の背景画像が特殊背景画像12dに変化する演出が同時に行われる場合を例示している。
保留演出制御部77aは、保留図柄変化示唆演出を開始すると、図24(a)に示すように画像表示器12の画面内に特定のキャラクタで構成される演出画像130を表示する。この演出画像130は、例えば第1の特殊表示態様91で表示されている保留図柄81の近傍位置に表示される。そして保留演出制御部77aは、図24(b)に示すように、演出画像130において特定のキャラクタに所定の動作を行わせる。この動作は、第1の特殊表示態様91で表示されている保留図柄81に対して行われる動作である。尚、図24(b)に示す例では、第1の特殊表示態様91として表示されている保留図柄81に対して特定のキャラクタがパンチを行う動作となっている。また特定のキャラクタが保留図柄81に対して行う動作には、成功と失敗がある。図24(b)の例では、特定のキャラクタによるパンチが第1の特殊表示態様91として表示されている保留図柄81にヒットし、成功する動作例を示している。この場合、保留演出制御部77aは、特定のキャラクタがパンチ動作を行うことに伴い、画像表示器12に成功演出画像131を表示する。特定のキャラクタによる動作が成功した場合、保留演出制御部77aは、その後、演出画像130を画面上から消去し、図24(c)に示すように第1の特殊表示態様91として表示していた保留図柄81の表示態様を、第2の特殊表示態様92に変化させる。尚、図24(c)の例では、保留図柄81の表示態様が特殊態様92aに変化する場合を例示している。
図25は、保留図柄変化示唆演出においてキャラクタによる動作が失敗する演出例を示す図である。尚、図25では、図24と同様に、3つ目の保留が記憶されたときに、事前判定演出制御部72によって事前判定演出を行うことが決定された場合を例示している。まず保留演出制御部77aは、3つ目の保留に対応する保留図柄81を表示するとき、図25(a)に示すように保留図柄81の表示態様を第1の特殊表示態様91で表示する。これにより、遊技者は、3つ目の保留図柄81の表示態様が更に第2の特殊表示態様92に変化する可能性があることを把握することができる。そして保留演出制御部77aは、その後、その3つ目の保留図柄81に対応する保留が消化されるまでに、保留図柄変化示唆演出を行う。
保留演出制御部77aは、保留図柄変化示唆演出を開始すると、図25(a)に示すように画像表示器12の画面内に特定のキャラクタで構成される演出画像130を表示する。この演出画像130は、例えば第1の特殊表示態様91で表示されている保留図柄81の近傍位置に表示される。そして保留演出制御部77aは、図25(b)に示すように、演出画像130において特定のキャラクタにパンチ動作を行わせる。図25(b)の例では、特定のキャラクタによるパンチが第1の特殊表示態様91として表示されている保留図柄81にヒットせず、失敗する動作例を示している。この場合、保留演出制御部77aは、特定のキャラクタがパンチ動作を行うことに伴い、画像表示器12に失敗演出画像132を表示する。特定のキャラクタによる動作が失敗した場合、保留演出制御部77aは、その後、演出画像130を画面上から消去し、図25(c)に示すように第1の特殊表示態様91として表示していた保留図柄81の表示態様を変化させることなく、第1の特殊表示態様91での表示状態を継続させる。つまり、特定のキャラクタによる動作が失敗した場合には、保留図柄81の表示態様が第1の特殊表示態様91から期待度の高い第2の特殊表示態様92に変化することはない。尚、特定のキャラクタによる動作が失敗した後には、第1の特殊表示態様91で表示されている保留図柄81が通常の表示態様90に戻るようにしても良い。
上記のように保留演出制御部77aによって表示される特定のキャラクタの動作には、複数種類の動作がある。そして複数種類の動作のうちのいずれの動作が行われるかによって、第1の特殊表示態様91として表示されている保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が異なるものとなっている。図26は、特定のキャラクタによる動作の種類を例示する図である。図26(a)は、特定のキャラクタがパンチを行う場合の演出画像130を示している。図26(b)は、特定のキャラクタがキックを行う場合の演出画像130を示している。また図26(c)は、特定のキャラクタが必殺技を繰り出す場合の演出画像130を示している。このように本実施形態では、特定のキャラクタが行う動作として、パンチ、キック及び必殺技の3つの動作がある。
そして図26(d)に示すように、特定のキャラクタが保留図柄81に対してパンチを1回行う場合、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合は、10%となっている。特定のキャラクタが保留図柄81に対してキックを1回行う場合、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合は、30%となっている。更に特定のキャラクタが保留図柄81に対して必殺技を1回行う場合、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合は、50%となっている。つまり、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が消化されるまでの期間中に、保留演出制御部77aによって特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出が1回行われる場合には、保留図柄81の表示態様が第2の特殊表示態様92に変化する割合は、パンチよりもキックの方が高くなり、またキックよりも必殺技の方が高くなる。
また保留演出制御部77aは、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が消化されるまでの期間中に、特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出を複数回実行することもある。この場合、図26(d)に示すように同じ演出の出現回数が増加する程、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が高くなる。例えば特定のキャラクタが保留図柄81に対してパンチを2回行うと、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が40%となり、パンチを3回行うと、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が100%となる。すなわち、必殺技が1回出現する場合よりもパンチが3回出現する方が、保留図柄81の表示態様が第2の特殊表示態様92に変化する割合が高くなる。また特定のキャラクタが保留図柄81に対してキックを2回行うと、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が80%となり、キックを3回行うと、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が100%となる。すなわち、必殺技が1回出現する場合よりもキックが3回出現する方が、保留図柄81の表示態様が第2の特殊表示態様92に変化する割合が高くなる。さらに特定のキャラクタが保留図柄81に対して必殺技を2回以上行うと、第1の特殊表示態様91の保留図柄81が第2の特殊表示態様92に変化する割合が100%となる。
図27は、保留演出制御部77aにより特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出が複数回実行される場合を例示する図である。まず図27(a)は、2つの保留が記憶されている状態で示唆遊技演出が行われている状態を示している。この状態で新たな保留が記憶されると、図27(b)に示すように3つ目の保留図柄81が表示される。このとき、事前判定演出制御部72により事前判定演出を行うことが決定されると、3つ目の保留図柄81は、図27(b)に示すように第1の特殊表示態様91で表示される。これにより、遊技者は、3つ目の保留図柄81が第1の特殊表示態様91から第2の特殊表示態様92に変化することを期待するようになる。その後、保留演出制御部77aは、図27(c)に示すように特定のキャラクタの演出画像130を表示させ、特定のキャラクタに所定の動作(パンチ動作)を行わせる。図27(c)の例では、特定のキャラクタによるパンチ動作が失敗している。そのため、図27(d)に示すように3つ目の保留図柄81は、第1の特殊表示態様91から変化せず、第1の特殊表示態様91のままでの表示状態が継続する。その後、保留演出制御部77aは、図27(e)に示すように特定のキャラクタの演出画像130を再び表示させ、特定のキャラクタに所定の動作(パンチ動作)を行わせる。図27(e)の例でも、特定のキャラクタによるパンチ動作が失敗している。そのため、図27(f)に示すように3つ目の保留図柄81は、第1の特殊表示態様91から変化せず、第1の特殊表示態様91のままでの表示状態が継続する。更にその後、保留演出制御部77aは、図27(g)に示すように特定のキャラクタの演出画像130を再び表示させ、特定のキャラクタに所定の動作(パンチ動作)を行わせる。このとき、特定のキャラクタによる所定の動作(パンチ動作)は3回目の動作となる。そのため、図27(g)の例では、特定のキャラクタによるパンチ動作が必ず成功する。その後、図27(h)に示すように3つ目の保留図柄81は、第1の特殊表示態様91から第2の特殊表示態様92に変化する。尚、図27(h)の例では、第2の特殊表示態様92のうちの特殊態様92aに変化する場合を例示している。
ここで第2の特殊表示態様92の保留図柄81は、他の表示態様の保留図柄81よりも特別遊技が行われる期待度が高い保留を示すものである。そのため、保留演出制御部77aによる保留図柄変化示唆演出が行われるとき、遊技者は通常、1回の出現で保留図柄81が変化し易い必殺技やキックによる演出が行われることを期待するので、最初に保留図柄81の変化し難いパンチによる演出が行われると、遊技者を落胆させることになる。しかし、本実施形態では、1回の出現では保留図柄81が変化し難い演出であっても、同じ演出が繰り返し行われると、その頻度が増加することに伴い、保留図柄81が変化し易くなる。つまり、同じ演出が繰り返し行われる頻度が増加することによって、保留図柄81に対応する保留の期待度が上昇するのである。したがって、遊技者は、最初に保留図柄81の変化し難いパンチによる演出が行われた場合であっても、その後、パンチによる演出が繰り返し行われることにより、大当たりへの期待感を次第に上昇させていくようになる。これにより、遊技機1では、従来よりも興趣性の高い演出が行われるのである。
図27の例では、1回の特別図柄の変動表示が行われている間に、特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出が複数回実行される場合を例示した。このように1回の特別図柄の変動表示が行われている間に、特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出が複数回実行される場合には、例えば特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間に対して予め複数の演出発生タイミングが定められており、その演出発生タイミングで同じ演出が繰り返されるかどうかで保留図柄81が変化する期待度が異なるようにしても良い。この場合、特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間に対して予め設定される複数の演出発生タイミングは、例えば変動開始から5秒後、10秒後、15秒後などに設定される。
また特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出が複数回行われるタイミングは、必ずしも1回の特別図柄の変動表示中に限られない。例えば、特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出は、特別図柄の変動表示が開始される度に毎回行うものであっても良い。この場合、保留が消化される度に保留図柄変化示唆演出が発生し、第1の特殊表示態様91で表示された保留図柄81に対応する保留が消化されるまでに同じ演出が繰り返されるかどうかで保留図柄81が変化する期待度が異なるようにしても良い。
また特定のキャラクタが出現してからパンチ動作などの所定の動作が行われるまでの間に保留図柄81の表示位置がシフトしてしまうことを防止するため、特別図柄の変動表示が終了して停止する直前、すなわち特別図柄の変動表示が停止するタイミングとなる前の所定期間(例えば3秒)内であるときには、特定のキャラクタが出現する保留図柄変化示唆演出を行わないようにしても良い。
◆疑似保留図柄変化示唆演出◆
また疑似保留演出制御部77bは、上記と同様に、疑似保留図柄表示領域121に表示される疑似保留図柄80に対し、疑似保留図柄80の表示態様が変化することを示唆する疑似保留図柄変化示唆演出を行うことが可能である。例えば、疑似保留演出制御部77bは、示唆遊技演出制御部73によって決定される演出パターンが比較的演出時間の長い演出パターンであり、大当たりとなる期待度が比較的高いものであるとき、上述した保留図柄変化示唆演出と同様の疑似保留図柄変化示唆演出を行う。
図28は、疑似保留演出制御部77bにより特定のキャラクタが出現する疑似保留図柄変化示唆演出が複数回実行される場合を例示する図である。まず図28(a)は、示唆遊技演出制御部73による示唆遊技演出(図柄変動演出)が開始された状態を示している。このとき、疑似保留図柄表示領域121には、例えば通常の表示態様90である疑似保留図柄80が表示される。そして示唆遊技演出制御部73によって疑似保留図柄80の表示態様を変化させる疑似保留図柄変化示唆演出を行うことが決定されると、疑似保留演出制御部77bは、図28(b)に示すように疑似保留図柄80の近傍に特定のキャラクタの演出画像130を表示させ、特定のキャラクタに所定の動作(パンチ動作)を行わせる。図28(b)の例では、特定のキャラクタによるパンチ動作が失敗している。この場合、図28(c)に示すように疑似保留図柄80の表示態様は変化せず、通常の表示態様90による表示状態が継続する。その後、疑似保留演出制御部77bは、図28(d)に示すように特定のキャラクタの演出画像130を再び表示させ、特定のキャラクタに所定の動作(パンチ動作)を行わせる。図28(d)の例でも、特定のキャラクタによるパンチ動作が失敗している。そのため、図28(e)に示すように疑似保留図柄80の表示態様は変化せず、通常の表示態様90による表示状態が継続する。更にその後、疑似保留演出制御部77bは、図28(f)に示すように特定のキャラクタの演出画像130を再び表示させ、特定のキャラクタに所定の動作(パンチ動作)を行わせる。このとき、特定のキャラクタによる所定の動作(パンチ動作)は3回目の動作となる。そのため、図28(f)の例では、特定のキャラクタによるパンチ動作が必ず成功する。その後、図28(g)に示すように疑似保留図柄80は、通常の表示態様90から第2の特殊表示態様92に変化する。尚、図28(g)の例では、第2の特殊表示態様92のうちの特殊態様92aに変化する場合を例示している。
ここで第2の特殊表示態様92による疑似保留図柄80は、保留図柄81の場合と同様に、通常の表示態様90よりも特別遊技が行われる期待度が高いことを示すものである。そのため、疑似保留演出制御部77bによる疑似保留図柄変化示唆演出が行われるとき、遊技者は、通常、1回の出現で疑似保留図柄80が変化し易い必殺技やキックによる演出が行われることを期待するので、最初に疑似保留図柄80の変化し難いパンチによる演出が行われると、遊技者を落胆させることになる。しかし、本実施形態では、1回の出現では疑似保留図柄80が変化し難い演出であっても、その後、同じ演出が繰り返し行われ、その同じ演出の頻度が増加することに伴い、疑似保留図柄80が変化し易くなる。つまり、同じ演出が繰り返し行われる頻度が増加することによって、疑似保留図柄80の期待度が上昇するのである。したがって、遊技者は、最初に疑似保留図柄80の変化し難いパンチによる演出が行われた場合であっても、その後、パンチによる演出が繰り返し行われることにより、大当たりへの期待感を次第に上昇させていくようになる。これにより、遊技機1では、従来よりも興趣性の高い演出が行われるのである。尚、疑似保留図柄変化示唆演出におけるその他の点は、上述した保留図柄変化示唆演出と同様である。
このように1回の特別図柄の変動表示が行われている間に、特定のキャラクタが出現する疑似保留図柄変化示唆演出が複数回実行される場合には、例えば特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間に対して予め複数の演出発生タイミングが定められており、その演出発生タイミングで同じ演出が繰り返されるかどうかで保留図柄81が変化する期待度が異なるようにしても良い。この場合、特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間に対して予め設定される複数の演出発生タイミングは、例えば変動開始から5秒後、10秒後、15秒後などに設定される。
◆高確率状態における高確率演出◆
次に高確率状態における示唆遊技演出の態様について説明する。例えば特別遊技が終了した後、特別遊技判定において大当たりに当選する確率状態が高確率状態に移行すると、示唆遊技演出制御部73は、その高確率状態が継続している期間において、特別図柄の変動回数に応じた高確率演出を行う。
図29は、示唆遊技演出制御部73によって行われる高確率演出のタイミングチャートを示す図である。遊技機1は、図29に示すようにタイミングTxで特別遊技状態を終了させると、その後、確率状態を高確率状態へ移行させる。この高確率状態は、主制御基板30において特別遊技判定が所定回数(例えば104回)行われるまでの間継続する。つまり、特別遊技終了後、特別図柄の変動表示が所定回数(104回)行われるまでの間に次の大当たりに当選しなかった場合には、高確率状態が終了し、通常の確率状態である低確率状態へ戻る。また特別遊技終了後の時短遊技状態ST4は、高確率状態の継続期間よりも短い期間継続する。すなわち、本実施形態では、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで時短遊技状態ST4が継続し、その後、高確率状態の通常遊技状態ST5が行われる。そして高確率状態の通常遊技状態ST5は、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば4回)行われる間継続し、その4回の間に大当たりに当選しなかった場合には、高確率状態が終了し、低確率状態の通常遊技状態ST1へ戻る。
遊技機1において特別遊技が行われているときには、特別遊技演出制御部74による特別遊技演出が行われる。そしてタイミングTxで特別遊技状態が終了し、確率状態が高確率状態へ移行すると、示唆遊技演出制御部73は、その高確率状態が終了するまで、確率状態が高確率状態であることを明示する態様の示唆遊技演出である高確率演出を行う。この高確率演出には、第1モード、第2モード及び第3モードの複数のモードの演出があり、高確率状態に移行してからの特別図柄の変動回数に応じて各モードが切り替わる。すなわち、示唆遊技演出制御部73は、高確率状態移行後における特別図柄の変動回数が74回になるまで第1モードで示唆遊技演出を行い、75回目から100回目まで第2モードで示唆遊技演出を行い、更に101回目から104回目まで第3モードで示唆遊技演出を行う。そして第3モードによる示唆遊技演出が終了するまでに大当たりに当選しなかった場合、示唆遊技演出制御部73は、その後の示唆遊技演出を通常遊技演出の態様で行う。
図30は、第1乃至第3モードのそれぞれの高確率演出140の一例を示す図である。図30(a)は、第1モードにおける高確率演出140aを例示している。示唆遊技演出制御部73は、第1モードの高確率演出140aを開始すると、画像表示器12に第1の特殊背景12pを表示させ、その第1の特殊背景12pの前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。このとき、遊技状態は時短遊技状態ST4であるため、示唆遊技演出制御部73は、遊技者に右打ち操作を案内すべく、画像表示器12における表示画面の一部に右打ち案内画像141を表示させる。また示唆遊技演出制御部73は、現在の確率状態が高確率状態であることを示す高確率報知画像142を画面の一部に表示させる。更に示唆遊技演出制御部73は、遊技者に高確率状態が終了するまでの残り図柄変動回数を報知すべく、画像表示器12における画面の一部に残り変動回数報知画像143を表示させる。尚、残り変動回数報知画像143で表示する残り図柄変動回数は、第1モードの高確率演出140aが終了するまでの残り図柄変動回数であっても良い。そして示唆遊技演出制御部73は、画像表示器12において第1モードの高確率演出140aを行うとき、スピーカー8からは通常の演出音として第1モードの高確率演出140aに対応する演出音が出力されるように制御する。
第1モードの高確率演出140aでは、例えば遊技者の関心を演出内容に引きつけるべく、大当たりに当選するか否かを示唆するために多様な演出が行われる。そのため、第1モードは、他の第2モードや第3モードと比較すると、特別図柄の変動時間として長い変動時間が選ばれ易く、しかもリーチ演出が発生し易いモードである。
図30(b)は、第2モードにおける高確率演出140bを例示している。示唆遊技演出制御部73は、第2モードの高確率演出140bを開始すると、画像表示器12に第1の特殊背景12pとは異なる第2の特殊背景12qを表示させ、その第2の特殊背景12qの前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。このとき、遊技状態は依然として時短遊技状態ST4であるため、示唆遊技演出制御部73は、遊技者に右打ち操作を案内すべく、画像表示器12における表示画面の一部に右打ち案内画像141を表示させると共に、現在の確率状態が高確率状態であることを示す高確率報知画像142を画面の一部に表示させる。更に示唆遊技演出制御部73は、遊技者に高確率状態が終了するまでの残り図柄変動回数を報知すべく、画像表示器12における画面の一部に残り変動回数報知画像143を表示させる。尚、残り変動回数報知画像143で表示する残り図柄変動回数は、第2モードの高確率演出140bが終了するまでの残り図柄変動回数であっても良い。そして示唆遊技演出制御部73は、画像表示器12において第2モードの高確率演出140bを行うとき、スピーカー8からは通常の演出音として、第1モードのときに出力した演出音とは異なる演出音であって第2モードの高確率演出140bに対応する演出音が出力されるように制御する。
第2モードの高確率演出140bでは、例えば特別図柄の変動開始時に、遊技者に演出ボタン6の操作を促す操作演出などが発生し、操作演出が行われている期間内に遊技者によって演出ボタン6が操作されたことに応じて大当たりであるかハズレであるかを報知する演出が行われる。また操作演出が行われている期間内に遊技者によって演出ボタン6が操作されなかった場合にはその期間の経過後に大当たりであるかハズレであるかを報知する演出が行われる。そのため、第2モードは、第1モードと比較すると、特別図柄の変動時間として比較的短い変動時間が選ばれ易く、しかもリーチ演出が発生し難いモードである。
図30(c)は、第3モードにおける高確率演出140cを例示している。示唆遊技演出制御部73は、第3モードの高確率演出140cを開始すると、画像表示器12に第1及び第2の特殊背景12p,12qとは異なる第3の特殊背景12rを表示させ、その第3の特殊背景12rの前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。このとき、遊技状態は通常遊技状態ST5であるため、遊技者による操作は左打ち操作となる。そのため、示唆遊技演出制御部73は、第1及び第2モードとは異なり、画像表示器12に右打ち案内画像141は表示させない。ただし、示唆遊技演出制御部73は、現在の確率状態が高確率状態であることを示す高確率報知画像142と、高確率状態が終了するまでの残り図柄変動回数を報知するための残り変動回数報知画像143とを、画像表示器12における画面の一部に表示させる。そして示唆遊技演出制御部73は、画像表示器12において第3モードの高確率演出140cを行うとき、スピーカー8からは通常の演出音として、第1及び第2モードのときに出力した演出音とは異なる演出音であって第3モードの高確率演出140cに対応する演出音が出力されるように制御する。
第3モードの高確率演出140cは、高確率状態が終了する直前の4回の特別図柄の変動表示が行われる期間中に行われる演出であるため、例えば4回の高確率演出140cのそれぞれにおいて大当たりとなるか否かを示唆するために同様の演出が行われる。そのため、第3モードでは、特別図柄の変動時間が例えば5秒などの所定時間に固定されており、高確率演出140cとしてその所定時間に応じた演出が行われる。
つまり、第1モード、第2モード及び第3モードでは、特別図柄の変動表示が開始される際に参照される変動パターンテーブルが異なるテーブルとなっており、演出制御基板33によって行われる高確率演出もモード毎に異なる演出となる。
このように演出制御基板33は、確率状態が高確率状態であるとき、その高確率状態に移行してからの図柄変動演出の回数が進行していくと、第1モードの高確率演出140aから第2モードの高確率演出140bへ、そして第2モードの高確率演出140bから第3モードの高確率演出140cへと進行させていく。その結果、高確率状態での残り変動回数が次第に減少していくことを効果的に遊技者に報知することができ、遊技者の焦り感などを効果的に煽ることができるので、興趣性の高い演出が行われる。
◆高確率状態で大当たりに当選した場合の演出◆
次に高確率状態で大当たりに当選した場合の演出について説明する。図31は、高確率状態で大当たりに当選した場合の特別遊技演出の一例を示す図である。図31(a)は、上述した第1モードの高確率演出140aとして図柄変動演出が行われている状態を示している。そして図31(a)に示す図柄変動演出は、その後、図31(b)に示す状態へと進行し、3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを同一図柄で揃えた状態で停止させ、大当たりに当選したことを報知する。そして遊技機1において特別遊技が開始されると、特別遊技演出制御部74が、図31(c)に示すように例えば画像表示器12において特別遊技演出150を開始する。この特別遊技演出150では、大当たりに当選した装飾図柄を表示すると共に、遊技者に右打ち操作を案内する演出を行う。また特別遊技演出150では、画像表示器12にキャラクタ画像などと共にラウンド表示を行い、特別遊技のラウンドが進むごとにラウンド表示を更新することにより、特別遊技の進行状況を遊技者に報知する。このとき、演出音制御部78は、特別遊技演出制御部74によって行われる特別遊技演出150に対応する楽曲などの演出音をスピーカー8から出力するように制御する。
また演出音制御部78は、高確率状態で大当たりに当選した場合、その後の特別遊技演出150が行われるとき、大当たり当選時の遊技状態(例えば高確率状態に移行してから何回目の特別図柄の変動表示で大当たりに当選したか)に応じた特別な演出音をスピーカー8から出力するように制御する。この特別な演出音は、特別遊技演出制御部74によって行われる特別遊技演出150に対応する楽曲などの演出音とは異なる演出音であり、例えば上述した第1モード、第2モード及び第3のモードの高確率演出のうち、どのモードの高確率演出が行われているときに大当たりに当選したかに応じてそれぞれ異なる音声を演出音として出力するものである。このような特別な演出音は、例えば特別遊技演出150に対応する楽曲などの演出音が出力されているとき、その演出音と共にスピーカー8から出力される。つまり、高確率状態において大当たりに当選したとき、特別遊技演出150に対応する楽曲などの演出音は第1モード、第2モード及び第3のモードのいずれの高確率演出が行われていた場合であっても同じ演出音となるのに対し、特別な演出音は、第1モード、第2モード及び第3のモードのいずれの高確率演出が行われていたかに応じて異なる音声が出力される演出音である。言い換えると、特別な演出音は、高確率状態に移行してから大当たりに当選するまでの特別図柄の変動回数に応じた音声演出である。
図32は、そのような音声演出の一例を示す図である。図32に示すように、高確率状態に移行してから大当たりに当選するまでの特別図柄の変動回数が1〜74回の間であり、大当たり当選時において第1モードの高確率演出が行われていた場合、演出音制御部78は、例えば「やったね!安心。安心。」などのセリフ音声をスピーカー8から出力させる。すなわち、第1モードの高確率演出が行われているときには、高確率状態に移行した後の初期段階であるため、演出音制御部78は、早期の大当たり当選に相応しいセリフ音声がスピーカー8から出力されるように制御する。
また高確率状態に移行してから大当たりに当選するまでの特別図柄の変動回数が75〜100回の間であり、大当たり当選時において第2モードの高確率演出が行われていた場合、演出音制御部78は、例えば「ちょっと焦ったね〜。でも次の大当たりは早めにね。」などのセリフ音声をスピーカー8から出力させる。すなわち、第2モードの高確率演出が行われているときには、高確率状態に移行した後の中期段階であるため、演出音制御部78は、中期段階での大当たり当選に相応しいセリフ音声がスピーカー8から出力されるように制御する。
さらに高確率状態に移行してから大当たりに当選するまでの特別図柄の変動回数が100〜104回の間であり、大当たり当選時において第3モードの高確率演出が行われていた場合、演出音制御部78は、例えば「すごい強運!」などのセリフ音声をスピーカー8から出力させる。すなわち、第3モードの高確率演出が行われているときには、高確率状態に移行した後の最終段階であるため、演出音制御部78は、高確率状態の終了間際での大当たり当選に相応しいセリフ音声がスピーカー8から出力されるように制御する。
このようなセリフ音声がスピーカー8から出力されることにより、遊技者は、高確率状態で大当たりに当選すると、スピーカー8から出力されるセリフ音声の内容に共感を抱くようになる。それ故、高確率状態で大当たりに当選すると、その後の特別遊技演出150が行われるときに大当たり当選時の遊技状態に応じた特別な演出音をスピーカー8から出力させることにより、従来よりも興趣性の高い演出を行うことができる。
上記においては、高確率状態において大当たりに当選した場合にその後の特別遊技演出150が行われているときにセリフ音声などの特別な演出音をスピーカー8から出力させる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、特別遊技演出150が終了した後の示唆遊技演出において大当たり当選時の遊技状態に応じた特別な演出音をスピーカー8から出力させる処理を開始するようにしても良い。この場合、例えば特別遊技状態ST2の終了後に時短遊技状態ST4へ移行した場合、演出音制御部78は、その時短遊技状態ST4が終了するまでの期間において、大当たり当選時の遊技状態に応じた特別な演出音をスピーカー8から出力させるようにすることが好ましい。
また演出音制御部78は、特別遊技状態ST2でセリフ音声などの特別な演出音をスピーカー8から出力させる処理を開始し、特別遊技状態ST2の終了後の時短遊技状態ST4が終了するまで、その処理を継続させるようにしても良い。
◆演出制御基板の動作◆
図33は、演出制御基板33における主要動作を示すフローチャートである。演出制御基板33のCPU33aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除く、通常の動作時において図33に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば2ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理を開始すると、演出制御基板33は、主制御基板30から事前判定データを受信したか否かを判断する(ステップS1001)。その結果、事前判定データを受信している場合(ステップS1001でYES)、演出制御基板33は、事前判定演出制御処理を実行する(ステップS1002)。尚、この事前判定演出制御処理の詳細については後述する。また事前判定データを受信していない場合(ステップS1001でNO)、ステップS1002の処理はスキップする。
続いて演出制御基板33は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1003)。その結果、変動開始コマンドを受信している場合(ステップS1003でYES)、演出制御基板33は、待機演出を開始させるためのタイマをリセットし(ステップS1004)、保留図柄表示領域120に表示している保留図柄81を1つずつシフトさせる保留シフト処理を行う(ステップS1005)。この保留シフト処理では、疑似保留図柄表示領域121に疑似保留図柄80を表示させる処理も行われる。このとき、保留消化の対象となる保留図柄81が第1又は第2の特殊表示態様91、92で表示されていたときには疑似保留図柄表示領域121に表示する疑似保留図柄80の表示態様もそれに合わせて表示する。そして演出制御基板33は、変動開始コマンドに基づく示唆遊技演出制御処理を実行する(ステップS1006)。尚、この示唆遊技演出制御処理の詳細については後述する。また変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1003でNO)、ステップS1004〜S1006の処理はスキップする。
続いて演出制御基板33は、主制御基板30から変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1007)。その結果、変動停止コマンドを受信している場合(ステップS1007でYES)、演出制御基板33は、現在実行中の示唆遊技演出を終了させ、3つの装飾図柄12a,12b,12cを、主制御基板30で行われた特別遊技判定の結果に対応する図柄で停止させる(ステップS1008)。そして演出制御基板33は、待機演出を開始させるためのタイマをスタートさせ、示唆遊技演出が終了してから所定時間が経過するか否かの計時動作を開始させる(ステップS1009)。尚、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS1007でNO)、ステップS1008,S1009の処理はスキップする。
続いて演出制御基板33は、主制御基板30から特別遊技開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1010)。その結果、特別遊技開始コマンドを受信している場合(ステップS1010でYES)、演出制御基板33は、待機演出を開始させるためのタイマをリセットし(ステップS1011)、特別遊技演出を開始する(ステップS1012)。また特別遊技開始コマンドを受信していない場合(ステップS1010でNO)、ステップS1011,S1012の処理はスキップする。
続いて演出制御基板33は、主制御基板30から特別遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1013)。その結果、特別遊技開始コマンドを受信している場合(ステップS1013でYES)、演出制御基板33は、現在実行中の特別遊技演出を終了させる(ステップS1014)。また特別遊技終了コマンドを受信していない場合(ステップS1013でNO)、ステップS1014の処理はスキップする。
続いて演出制御基板33は、示唆遊技演出の終了時にスタートさせるタイマが動作中であるか否かを判断し(ステップS1015)、タイマが動作中である場合には(ステップS1015でYES)、更に所定時間を計測しているか否かを判断する(ステップS1016)。その結果、タイマが所定時間を計測している場合(ステップS1016でYES)、演出制御基板33は、待機演出制御処理を実行することにより待機演出を開始する(ステップS1017)。そして演出制御基板33は、上記の処理を繰り返し実行する。
図34は、事前判定演出制御処理(ステップS1002)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、この処理を開始すると、示唆遊技演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS1101)。遊技機1において図柄変動演出を伴う示唆遊技演出が行われている場合(ステップS1101でYES)、演出制御基板33は、主制御基板30で行われた事前判定データが大当たりとなるものである否かを判断し(ステップS1102)、大当たりとなるものである場合(ステップS1102でYES)、ステップS1105に処理を進める。一方、事前判定データが大当たりとなるものではない場合(ステップS1102でNO)、演出制御基板33は、事前判定データに含まれる遊技データに基づいて変動パターン判別を行い(ステップS1103)、所定期待度以上の変動パターンであるか否かを判断する(ステップS1104)。ここでは例えば特別図柄の変動時間が所定時間以上となるような変動パターンであれば、所定期待度以上の変動パターンであると判断する。その結果、事前判定データが所定期待度以上の変動パターンのデータである場合(ステップS1104でYES)、ステップS1105に処理を進める。
演出制御基板33は、ステップS1105に進むと、事前判定演出を行うか否かを決定するための演出抽選を行う。例えば演出制御基板33は、演出用の乱数を逐次更新して発生させており、ステップS1105に進んだタイミングでその乱数を取得し、予め事前判定演出を行う場合の乱数値が登録された抽選テーブルを参照することにより、取得した乱数が抽選テーブルに登録されている乱数値に一致するか否かにより、演出抽選を行う。このような演出抽選では、例えば所定の割合で事前判定を行うことが決定される。また抽選テーブルは事前判定データが大当たりの場合と、ハズレの場合とで異なるテーブルとなっており、事前判定データが大当たりである場合には例えば90%程度の割合で事前判定演出を行うことが決定される。これに対し、事前判定データがハズレである場合には、80%程度の割合で事前判定演出を行うことが決定される。すなわち、演出制御基板33は、事前判定データが大当たりであるときには、大当たりでないときよりも高い確率で事前判定演出を行うことを決定する。また、この演出抽選(ステップS1105)では、事前判定演出を行うことが決定されると、更に、複数種類の事前判定演出のうちから少なくとも1つの事前判定演出を、遊技機1で行うべき事前判定演出として決定する処理が行われる。
そして演出制御基板33は、演出抽選の結果に基づき事前判定演出を行うか否かを判断し(ステップS1106)、事前判定演出を行う場合(ステップS1106でYES)、現在行われている示唆遊技演出の態様を通常とは異なる特殊態様に変化させる(ステップS1107)。ここでは、例えば3つの装飾図柄12a,12b,12cの背景画像を特殊背景画像12dに変化させることなどが行われる。尚、このステップS1107の処理は、事前判定演出制御部72により、背景画像を特殊背景画像12dに変化させる事前判定演出を行うことが決定された場合に行われるようにしても良い。
続いて演出制御基板33は、スピーカー8から出力される演出音を変化させる(ステップS1108)。ここでは、例えばそれまでスピーカー8から出力されていた示唆遊技演出に対応する楽曲などの演出音を、事前判定演出専用の楽曲などの演出音に変化させる処理が行われる。尚、このステップS1108の処理は、事前判定演出制御部72により、スピーカー8から出力される演出音を通常とは異なる演出音に変化させる事前判定演出を行うことが決定された場合に行われるようにしても良い。
さらに演出制御基板33は、事前判定演出制御部72により、保留図柄81の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる保留変化演出を行うことが決定されたか否かを判断する(ステップS1109)。その結果、保留変化演出を行う場合(ステップS1109でYES)、演出制御基板33は、保留図柄81の表示態様が変化することを示唆する保留図柄変化示唆演出を行うための演出パターンを決定する(ステップS1110)。ここでは、事前判定データの期待度に応じてひとつの演出パターンが決定される。例えば事前判定データの期待度が高い場合、キャラクタがパンチ動作などの所定の動作を3回行うことによって保留図柄81の表示態様が高い確率で変化する保留図柄変化示唆演出の演出パターンが決定される。そして演出制御基板33は、保留図柄表示領域120に対し、主制御基板30から受信した事前判定データに基づく保留図柄81を第1の特殊表示態様91で表示させる処理を行う(ステップS1111)。そして演出制御基板33は、ステップS1110で決定した演出パターンに基づいて保留図柄変化示唆演出の実行を開始する(ステップS1112)。これにより、示唆遊技演出が行われている画像表示器12に、キャラクタなどが出現し、第1の特殊表示態様91で表示された保留図柄81に対してパンチ動作やキック動作、或いは必殺技などを行う保留図柄変化示唆演出が開始される。
一方、主制御基板30から事前判定データを受信した時点で示唆遊技演出を行っていないとき(ステップS1002でNO)、演出制御基板33は、主制御基板30から受信した事前判定データに基づく保留図柄81を通常の表示態様で保留図柄表示領域120に表示させる(ステップS1113)。また演出制御基板33は、示唆遊技演出の実行中に事前判定データを受信した場合であっても、その事前判定データが所定期待度以上の変動パターンでない場合(ステップS1104でNO)、或いは、演出抽選によって事前判定演出を行わないことが決定された場合(ステップS1106でNO)、更には保留図柄変化示唆演出を行わない場合(ステップS1109でNO)、主制御基板30から受信した事前判定データに基づく保留図柄81を通常の表示態様で保留図柄表示領域120に表示させる(ステップS1113)。以上で、事前判定演出制御処理(ステップS1002)が終了する。
次に図35は、示唆遊技演出制御処理(ステップS1006)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、この処理を開始すると、変動開始コマンドに基づき、主制御基板30において行われる特別図柄の変動パターンを判別し(ステップS1201)、特別図柄の変動時間を特定する。
そして演出制御基板33は、遊技機1の現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS1202)、高確率状態である場合(ステップS1202でYES)、高確率状態に移行してからの特別図柄の変動回数をRAM33cから読み出す(ステップS1203)。そして演出制御基板33は、高確率状態の示唆遊技演出の演出パターンが定められた高確率テーブルを参照し(ステップS1204)、特別図柄の変動時間に対応する1つの演出パターンを決定する(ステップS1205)。このとき、演出制御基板33は、特別図柄の変動回数に応じて第1モード用のテーブル、第2モード用のテーブル又は第3モード用のテーブルを参照することにより、高確率状態に移行してからの特別図柄の変動回数に応じた高確率演出の演出パターンを決定する。
続いて演出制御基板33は、前回の大当たり当選時の遊技状態をRAM33cから読み出して確認する。例えば前回の大当たりが高確率状態で当選したものである場合、演出制御基板33のRAM33cには、大当たり当選時の高確率状態での特別図柄の変動回数が記録されている。そのため、演出制御基板33は、前回の大当たりが高確率状態で当選したものである場合、RAM33cに記録されている特別図柄の変動回数を読み出すことにより、前回の大当たり当選時の遊技状態を確認する。そして演出制御基板33は、特別な演出を行うか否かを判断し(ステップS1207)、特別な演出を行う場合(ステップS1207でYES)、前回の大当たり当選時の高確率状態での特別図柄の変動回数に応じた音声データをROM33bから読み出し、その音声データを特別な演出音としてセットする(ステップS1208)。
一方、遊技機1の現在の確率状態が高確率状態でない場合(ステップS1202でNO)、演出制御基板33は、遊技機1の現在の遊技状態が時短遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS1209)。その結果、時短遊技状態ST3である場合(ステップS1209でYES)、演出制御基板33は、時短遊技状態ST3における示唆遊技演出の演出パターンが定義された時短テーブルを参照し(ステップS1210)、特別図柄の変動時間に対応する1つの演出パターンを決定する(ステップS1211)。
更に遊技機1の現在の遊技状態が時短遊技状態ST3でもなかった場合(ステップS1209でNO)、演出制御基板33は、通常遊技状態ST1における示唆遊技演出の演出パターンが定義された通常テーブルを参照し(ステップS1212)、特別図柄の変動時間に対応する1つの演出パターンを決定する(ステップS1213)。
そして演出制御基板33は、ステップS1205,S1211又はS1213で決定した演出パターンに基づき、変動開始コマンドに対応する示唆遊技演出の実行を開始する(ステップS1214)。その後、演出制御基板33は、ステップS1214で開始した示唆遊技演出が所定の期待度以上であるか否かを判断し(ステップS1215)、所定の期待度以上である場合(ステップS1215でYES)、疑似保留変化示唆演出を行うか否かを判断する(ステップS1216)。その結果、疑似保留図柄変化示唆演出を行う場合(ステップS1216でYES)、演出制御基板33は、疑似保留図柄表示領域121に表示している疑似保留図柄80の表示態様が変化することを示唆する疑似保留図柄変化示唆演出の実行を開始する(ステップS1217)。尚、ステップS1215又はS1216でNOの場合、疑似保留図柄80の表示態様が変化することを示唆する疑似保留図柄変化示唆演出は行われない。以上で、示唆遊技演出制御処理(ステップS1006)が終了する。
次に図36は、特別遊技演出制御処理(ステップS1012)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、この処理を開始すると、特別遊技開始コマンドに基づき、主制御基板30において行われる特別遊技の種類に応じた特別遊技演出の演出パターンを決定する(ステップS1301)。続いて演出制御基板33は、大当たり当選時の遊技状態を確認し(ステップS1302)、高確率状態で大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1303)。高確率状態で大当たりに当選した場合(ステップS1303でYES)、演出制御基板33は、特別な演出を行うか否かを決定する(ステップS1304)。そして特別な演出を行う場合(ステップS1304でYES)、演出制御基板33は、高確率状態に移行してからの特別図柄の変動回数をRAM33cから読み出す(ステップS1305)。そして演出制御基板33は、大当たり当選時の高確率状態での特別図柄の変動回数に応じた音声データをROM33bから読み出し、その音声データを特別な演出音としてセットする(ステップS1306)。また高確率状態での大当たり当選でなかった場合(ステップS1303でNO)、或いは、特別な演出を行わない場合(ステップS1304でNO)、ステップS1305,S1306の処理はスキップする。そして演出制御基板33は、特別遊技演出の実行を開始する(ステップS1307)。
◆遊技機の特徴的構成◆
以上のように本実施形態の遊技機1は、次のような構成を有する点に特徴を有するものである。
第1に、遊技機1は、取得条件の成立により判定情報を取得する遊技データ取得部51と、始動条件の成立により前記判定情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定部52と、前記判定情報を記憶する保留記憶部62と、前記特別遊技判定の判定結果に基づいて図柄を変動表示させ、前記判定結果を示す態様で図柄を停止表示させる図柄表示制御部54と、前記特別遊技判定が行われる前に前記判定情報に基づいて、前記特別遊技を行うか否かの事前判定を行う事前判定部51aと、前記図柄の変動表示に伴って所定の演出を実行する演出制御基板33と、を備え、前記所定の演出は、演出画像と演出音から構成され、前記演出制御基板33は、前記所定の演出として、複数の演出画像から所定の演出画像を選択し、当該所定の演出画像を表示する演出画像制御部77と、前記所定の演出として、複数の演出音から所定の演出音を選択し、当該所定の演出音を出力させる演出音制御部78と、を有し、前記演出画像制御部77は、前記特別遊技判定の判定結果に基づいた所定の演出画像を表示制御し、前記演出音制御部78は、前記演出画像制御部77により表示制御される演出画像に応じた所定の演出音を出力制御する一方、前記事前判定において特定の判定情報であると判定された場合、前記所定の演出画像に応じた演出音とは異なる演出音を出力制御する構成である。
この第1の特徴的構成によれば、事前判定部51aによる事前判定において特定の判定情報であると判定されると、演出画像制御部77によって表示される所定の演出画像に応じた演出音とは異なる演出音が突然出力されるようになるため、事前判定の結果に基づく演出がより一層興趣性の高いものとなる。また第1の特徴的構成によれば、画像表示器12で表示される演出よりも先に音声による演出が通常とは異なる演出になることにより、その後、画像表示器12において表示される演出においても何か変化が生じるのではないか、という期待感を遊技者に与えることができ、遊技者の興味を持続されることができる。
第2に、上記第1の構成を有する遊技機1において、前記演出音制御部78は、前記事前判定において前記特定の判定情報であると判定されると、該特定の判定情報であると判定されたときに実行されている所定の演出の演出画像に応じた演出音とは異なる演出音を出力制御する構成である。この第2の特徴的構成によれば、事前判定部51aによる事前判定において特定の判定情報であると判定されると、演出音が突然、それ以前に出力されている演出音とは異なる演出音に切り替わるため、事前判定の結果に基づく演出がより一層興趣性の高いものとなる。
第3に、遊技機1は、取得条件の成立により判定情報を取得する遊技データ取得部51と、前記判定情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて前記特別遊技が行われるか否かを示唆する演出を所定の演出手段に行わせる演出制御基板33と、を備え、前記演出制御基板33は、それぞれ期待度の異なる複数の演出から、判定手段による判定結果に応じて一又は複数の演出を選択して前記演出手段に繰り返し行わせることが可能であり、前記演出手段に同じ演出を繰り返し行わせる頻度に応じて前記特別遊技が行われる期待度が異なることを示唆する構成である。例えば事前判定の結果に基づいて行われる保留図柄変化示唆演出において同じ演出が繰り返し行われると、保留図柄81の期待度が変化するし、また特別遊技判定の結果に基づいて行われる疑似保留図柄変化示唆演出において同じ演出が繰り返し行われると、疑似保留図柄80の期待度が変化する。
第4に、上記第3の構成を有する遊技機1において、演出制御基板33は、前記演出手段に同じ演出を行わせる頻度を多くする程、前記特別遊技が行われる期待度が高くなることを示唆する構成である。このような構成によれば、期待度の異なる複数の演出のうち、期待度の低い演出が行われた場合であってもその演出が繰り返し行われることにより、期待度が高いことを示唆することができる。それ故、従来にはなく、興趣性の高い演出が行われるようになる。
第5に、遊技機1は、取得条件の成立により判定情報を取得する遊技データ取得部51と、前記判定情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定部52と、前記特別遊技判定において前記特別遊技を行うと判定された場合に前記特別遊技を行う特別遊技制御部55と、所定条件の成立により、前記特別遊技制御部55による前記特別遊技が行われた後に前記特別遊技判定において前記特別遊技を行うと判定される確率を低確率状態よりも高い高確率状態に移行させる遊技状態制御部56と、所定の演出手段に遊技状態に応じた演出を行わせる演出制御基板33と、を備え、前記遊技状態制御部56は、前記特別遊技判定において前記特別遊技を行うと判定される確率を前記高確率状態に移行させた後、前記特別遊技判定において前記特別遊技を行わない判定が所定回数連続的に行われた場合に、前記特別遊技判定において前記特別遊技を行うと判定される確率を前記高確率状態から前記低確率状態に移行させ、前記演出制御基板33は、前記高確率状態のときに前記特別遊技判定において前記特別遊技を行うと判定された場合、当該判定に基づく前記特別遊技が開始された後、前記高確率状態に移行してから当該判定がなされるまでの間に前記特別遊技判定手段により行われた前記特別遊技判定の回数に応じた演出を行わせる構成である。このような構成によれば、高確率状態で大当たりに当選したときの遊技状態に応じて、特別遊技が開始された後の演出を通常とは異なる演出に変更することができるため、興趣性の高い演出を行うことができるようになる。尚、第5の構成では、特別遊技が開始された後の演出が通常とは異なるものであれば良いため、例えば特別遊技演出が通常とは異なるものであっても良いし、特別遊技が終了した後の示唆遊技演出が通常とは異なるものであっても良い。また特別遊技演出と示唆遊技演出との両方が通常とは異なるものであっても良い。
◇変形例◇
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、事前判定の結果に基づいてスピーカー8から出力される演出音を通常とは異なる演出音に変化させるとき、スピーカー8から演出音だけを事前判定の結果に基づいて変化させ、示唆遊技演出として行われている現在の演出を変化させずにそのまま実行させることがある。しかし、遊技者がスピーカー8の音量レベルを小さくしているような場合には、スピーカー8から出力される演出音だけを通常とは異なる演出音に変化させる演出を行っても遊技者にとっては気づき難いことがある。そのため、現在実行中の示唆遊技演出をそのまま継続する状態で演出音を変化させるときには、演出制御基板33が、演出音を変化させるタイミングで、遊技盤10の盤面に設けられる可動役物などに所定の動作を行わせたり、枠ランプ7や盤面ランプ24を所定のパターンで発光させたり、或いは、画像表示器12の画面周囲などに所定のエフェクト画像を表示させたりすることにより、遊技者が視覚的に把握することが可能な演出を付加するようにしても良い。
また保留が記憶されていない状態のときには事前結果に基づく事前判定演出として、スピーカー8から出力される演出音を通常とは異なる演出音に変化させることができない。そのため、保留が記憶されていない状態のときには、特別遊技判定が行われることによって示唆遊技演出が開始されるタイミングで、スピーカー8から出力される演出音を、示唆遊技演出に対応して予め設定された演出音ではなく、事前判定演出専用の演出音に切り替えるようにしても良い。
また演出音制御部78は、事前判定演出専用の演出音として、期待度の異なる複数の演出音を予め記憶しており、事前判定の結果に基づいてスピーカー8から出力する演出音を変化させるときには、はじめに所定期待度の演出音を選択してスピーカー8から出力させ、その後、例えば示唆遊技演出の開始などの所定条件が成立することにより、スピーカー8から出力させる演出音を期待度の異なる別の事前判定演出専用の演出音に変化させるようにしても良い。
また演出音制御部78は、事前判定演出制御部72によって演出音を変化させる事前判定演出を行うことが決定された場合であっても、その事前判定演出決定の契機となった保留よりも先に消化される保留の中に、リーチ演出が行われる保留や、大当たりとなる保留などが存在する場合には、スピーカー8から出力する演出音を変化させないようにすることが好ましい。これにより、演出音が変化することによって期待度を高いことを示す演出が、いずれの保留に対する演出であるかが紛らわしくなってしまうことを防止することができる。
また演出音制御部78は、事前判定の結果に基づいて演出音を変化させた後、その事前判定演出の契機となった保留が消化される前に、第2始動口14に遊技球が入球し、それに伴う示唆遊技演出が優先的に行われる場合、事前判定の結果に基づいて変化させた演出音を元に戻しても良いし、そのまま継続してスピーカー8から出力させても良い。ただし、第2始動口14への入球に基づいて優先的に行われる示唆遊技演出においてリーチ演出以上の期待度の高い演出が行われる場合は、事前判定の結果に基づいて変化させた演出音を消去し、その示唆遊技演出に対応する演出音だけをスピーカー8から出力させることが好ましい。これにより、遊技者の関心をリーチ演出以上の示唆遊技演出に向けさせることができるようになる。
また第2始動口14への入球に基づく示唆遊技演出に専用の演出音が存在する場合には、その第2始動口14専用の演出音に切り替えるようにしても良い。そして第2始動口14への入球に基づく示唆遊技演出がハズレとなって終了した場合、演出音制御部78は、その後再び事前判定の結果に基づく事前判定演出専用の演出音をスピーカー8から出力させるようにしても良い。
また演出音制御部78がスピーカー8から出力する演出音を事前判定演出専用の演出音に変化させた後に、遊技機1に投入される電源が一時的に途絶えてしまうことがある。そのような場合、演出音制御部78は、電源復帰後、事前判定演出専用の演出音をセットし直すのではなく、通常の演出音をセットし、スピーカー8から通常の演出音が出力されるように制御する。
また上記実施形態では、保留図柄変化示唆演出及び疑似保留図柄変化示唆演出で同じ演出が繰り返し行われる頻度が増加すると、それに伴い、特別遊技が行われる期待度が上昇する場合を例示した。しかし、同じ演出が繰り返し行われることによって期待度が上昇する演出は、上述した保留図柄変化示唆演出や疑似保留図柄変化示唆演出には限られない。例えば、特別遊技判定の結果に基づいて行われる図柄変動演出の実行中において、同じキャラクタが複数回出現してセリフ予告などを行う場合には、それぞれ異なるキャラクタが複数回出現してセリフ予告などを行う場合よりも特別遊技が行われる期待度が高くなるような演出を行うようにしても良い。またこの他にも、例えば事前判定の結果に基づき、演出制御基板33が、特別図柄の変動停止時に3つの装飾図柄12a,12b,12cを予め定められたチャンス目で停止させる事前判定演出を行う場合、事前判定演出を行う契機となった保留よりも先の保留の変動停止時に異なるチャンス目が停止するよりも、同じチャンス目が連続して停止する方が、特別遊技が行われる期待度が高くなるような演出を行うようにしても良い。
また上記実施形態では、高確率状態で大当たりに当選した場合、その後に行われる特別遊技演出又は特別遊技終了後の示唆遊技演出において大当たり当選時の変動回数に応じた演出として、スピーカー8から出力されるセリフが異なる内容となる演出を例示した。しかし、大当たり当選時の変動回数に応じた演出としては、必ずしもスピーカー8から出力されるセリフに限られない。例えばスピーカー8から出力される楽曲が、大当たり当選時の変動回数に応じて異なる楽曲となる演出であっても良い。また画像表示器12に表示される演出画像が大当たり当選時の変動回数に応じて異なる画像となる演出であっても良いし、また枠ランプ7や盤面ランプ24などの発光パターンが大当たり当選時の変動回数に応じて異なるパターンとなるものであっても良い。
また高確率状態で大当たりに当選した後の特別遊技演出又は特別遊技終了後の示唆遊技演出において大当たり当選時の変動回数に応じたセリフ演出などの特別な演出を行っているときに、示唆遊技演出においてリーチ演出などの期待度の高い演出が行われることがある。そのような場合、演出制御基板33(より厳密には演出音制御部78)は、スピーカー8から出力しているセリフを中断したり、或いは、セリフ音量を低下させたりする。これにより、遊技者は、リーチ演出などの期待度の高い演出に集中することができるようになる。
また高確率状態で大当たりに当選した後の特別遊技演出又は特別遊技終了後の示唆遊技演出において大当たり当選時の変動回数に応じたセリフ演出などの特別な演出を行っているときに、遊技機1に投入される電源が一時的に途絶えてしまうことがある。そのような場合、演出制御基板33は、電源復帰後、前回の大当たり当選時の変動回数に応じたセリフ演出などの特別な演出をセットし直すのではなく、通常の演出をセットし、スピーカー8から出力される演出音を通常の状態(初期状態)に戻すように制御する。
また高確率状態で大当たりに当選した後の特別遊技演出又は特別遊技終了後の示唆遊技演出において大当たり当選時の変動回数に応じて通常とは異なる特別な演出を行う場合には、更に保留として記憶されている遊技データの中に大当たりとなるものが存在するか否かに応じて更に異なる演出を行うようにしても良い。すなわち、高確率状態で大当たりに当選した後の特別遊技演出又は特別遊技終了後の示唆遊技演出を行うとき、保留として記憶されている遊技データの中に大当たりとなるものが存在する場合には、大当たり当選時の変動回数に応じて通常とは異なる特別な演出を行う際に、特別なセリフ演出や楽曲演出、或いは特別なキャラクタを出現させる演出などを行うことにより、特別遊技演出又は特別遊技終了後の示唆遊技演出において遊技者に更なる期待感を与えるような興趣性の高い演出を行うようにしても良い。
また上記実施形態では、保留図柄81又は疑似保留図柄80が変化する態様として、保留図柄81又は疑似保留図柄80の色が変化する場合を例示した。しかし、保留図柄81又は疑似保留図柄80の変化態様としては、図柄の色が変化するものに限られず、図柄の形や模様などが変化するものであっても良い。また保留図柄81や疑似保留図柄80に対し、「チャンス」や「リーチ」、「激アツ」などの期待度を示唆する付加図柄を付加することにより、保留図柄81や疑似保留図柄80の表示態様を変化させるものであっても構わない。
また保留図柄81又は疑似保留図柄80の表示態様を変化させる演出を行っているときに、遊技機1に投入される電源が一時的に途絶えてしまうことがある。そのような場合、演出制御基板33は、電源復帰後、保留図柄81又は疑似保留図柄80の表示態様を電源断時の状態に戻すのではなく、初期状態に戻して保留図柄81又は疑似保留図柄80を表示させるように制御する。
また上記実施形態では、特別遊技中において遊技球がVゲート18を通過すると、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態へ移行するタイプの遊技機1を例示した。しかし、遊技機1は、そのようなタイプのものに限定されるものではなく、例えば特別遊技判定のときに特別遊技終了後の確率状態を高確率状態とするか否かを図柄乱数などによって予め決定するタイプのものであっても構わない。