以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明の実施の形態として、以下に示す第1実施形態および第2実施形態に係る遊技機が含まれる。以下では、まず、第1実施形態に係る遊技機について説明し、次に第2実施形態に係る遊技機について第1実施形態と異なる点について説明する。
[1.第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示している。例えば、演出表示装置9で行われる演出として、後述するように、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される。バトル演出は、リーチ状態において、その変動表示結果が大当り図柄となるか否かを示唆する演出であり、大当り判定がされているときには味方キャラが勝利する演出を実行し、はずれ判定がされているときには味方キャラが敗北する演出を実行する。これに限らず、例えば、プロレスやサッカーの試合の勝敗により大当りとなるか否かを示唆するようにしても良い。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定がされているかはずれ判定がされているかに応じてストーリーの結果を異ならせるような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動表示は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第1開始条件(例えば、後述する図13(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第1」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。この実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順序に従って行われる。
第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第2開始条件(例えば、後述する図13(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第2」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第2始動入賞口14への有効始動入賞とは、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第2始動入賞口14への入賞である。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第1始動入賞口13への有効始動入賞とは、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第1始動入賞口13への入賞である。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、保留表示領域18cが設けられている。保留表示領域18cは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が有効始動入賞したことにより抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)のうち、当該数値データにもとづく第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が未実行であるものの数を表示するものである。即ち、第1特別図柄の変動表示の実行条件である第1始動条件が成立した後、第1特別図柄の変動表示の開始条件である第1開始条件が成立していない数(第1保留記憶数と称する)と、第2特別図柄の変動表示の実行条件である第2始動条件が成立した後、第2特別図柄の変動表示の開始条件である第2開始条件が成立していない数(第2保留記憶数と称する)との合計数である合算保留記憶数を表示するものである。保留表示領域18cには、合算保留記憶数に応じた数の保留表示が所定の表示態様(例えば、丸型の通常表示態様)で表示される。保留表示領域18cに表示される保留表示各々は、保留記憶としての数値データ(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに記憶される大当り判定用乱数等)各々に対応している。
この実施の形態では、そのように、合算保留記憶数を表示する保留表示領域18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、この実施の形態では、演出表示装置9の遊技者から見て左側から順に、第1始動入賞口13への有効始動入賞および第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生する毎に、新たな保留記憶に対応する保留表示を表示する。例えば、保留表示領域18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を表示するように制御する。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。具体的には、普通図柄の変動表示は、普通図柄の変動表示の実行条件である普通始動条件が成立(例えば、普通図柄保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生)した後、普通図柄の変動表示の開始条件(例えば、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、可変入賞球装置15の開放制御が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が終了すると停止図柄として当り図柄(例えば図柄「7」)又ははずれ図柄(例えば図柄「−」)が導出表示される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄(例えば図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。ここで普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数を表示するものである。普通図柄保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生する毎に、該普通図柄保留記憶数が1加算され(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1増やし)、普通図柄の変動表示が開始される毎に、該普通図柄保留記憶数が1減算される(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1減らす)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第1開始条件が成立したときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第2開始条件が成立したときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態において、低ベース状態とは、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなるように制御されていない遊技状態であり、高ベース状態とは、低ベース状態よりも遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる(第2特別図柄表示器8bにおける変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。
この実施の形態において、低確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として低確率状態時の判定値(高確率状態時の判定値よりも狭い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められていない状態をいう。高確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として高確率状態時の判定値(低確率状態よりも広い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められている状態をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示を開始するときに、その表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する大当り判定処理を行う。また、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定した場合には、表示結果を確変大当り図柄とするか若しくは突然確変大当り図柄とするか、又は通常大当り図柄とするかをさらに判定する。即ち、大当り種別を確変大当りとするか若しくは突然確変大当りとするか、又は通常大当りとするかを決定する。
例えば、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄としない(はずれ図柄にする)と判定された場合には「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定された場合には、決定された大当り種別に応じて、確変大当りの場合には「7」、通常大当りの場合には「3」、突然確変大当りの場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
特別図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を高確率/高ベース状態に移行し、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率/高ベース状態が継続される。また、特別図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、特別図柄の変動表示が100回実行されるか又は次回の大当り遊技状態が開始されるまで低確率/高ベース状態が継続される。大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、その後に大当り遊技状態が開始されること無く特別図柄の変動表示が100回実行された場合には、その後の遊技状態は低確率/低ベース状態となる。
この実施の形態においては、遊技状態として、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、および低確率/高ベース状態が存在する。以下の説明において低確率/低ベース状態を通常状態と称する場合がある。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動表示を開始するときに、ゲート32を遊技球が通過したときに抽出された当り判定用乱数を用いた当り判定を実行する。該当り判定において当りとすると判定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果として当り図柄が導出表示され、該当り判定において当りとしない(はずれとする)と決定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときに所定割合(例えば2/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は所定時間(例えば10秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、所定期間の開放制御(例えば0.5秒×1回の合計0.5秒の開放制御)が実行される。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときに前記所定割合よりも高い割合(例えば11/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は前記所定時間よりも短い時間(例えば1秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、前記所定期間よりも長い開放制御(例えば2.5秒×2回の合計5秒の開放制御)が実行される。
このように、高ベース状態においては、普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄短縮変動制御、普通図柄の変動表示結果が当り図柄となる確率が高められる普通図柄確変制御、および普通図柄の変動表示結果が当り図柄となったことに基づいて可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される開放延長制御が行われる。さらに特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御も行われる。高ベース状態においてこれらの4つの制御が実行されることで、第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる。
即ち、普通図柄短縮変動制御によって、普通図柄の変動時間が短縮される(例えば普通図柄短縮変動制御が実行されない場合の変動時間が10秒であるのに対し、普通図柄短縮変動制御が実行された場合の変動時間が1秒になる)ことで、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなり、可変入賞球装置15が開状態となる割合も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、普通図柄確変制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる(例えば普通図柄確変制御が実行されない場合の確率が2/13であるのに対し、普通図柄確変制御が実行された場合の確率が11/13になる)ことで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、開放延長制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になった場合の可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される(例えば開放延長制御が実行されない場合の開放時間が0.5秒×1回(合計0.5秒)であるのに対し、開放延長制御が実行された場合の開放時間は2.5秒×2回(合計5秒)になる)ことで、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。さらに、特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御によって、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、第2保留記憶数の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減して、有効始動入賞し易くすることができる。
このように、この実施の形態においては、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、開放延長制御、および、特別図柄短縮変動制御が実行されることにより高ベース状態に制御される例を示しているが、これに限らず、このうちのいずれかの制御を実行することにより、高ベース状態に制御するようにしても良い。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄の変動表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや、高確率状態であるか否かを示す確変フラグや、高ベース状態であるか否かを示す高ベースフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経てはずれ図柄が仮停止表示された後、演出図柄が再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が最終停止表示される)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「リーチはずれ」の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに(図26(a)を参照)、演出図柄が揃って停止表示される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経てはずれ図柄が仮停止表示された後に、演出図柄が再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が最終停止表示される)。
ここで、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させるような大当りである。すなわち、そのようにすることにより、遊技者にとっては大当り遊技状態を経ずに突然に高確率/高ベース状態となったかのように見せるものである。このような大当り種別を設けることにより遊技の興趣を向上させることができる。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。この実施の形態では、演出図柄の変動パターンに応じた遊技演出が実行されるようになっている。
この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−2の変動パターンが用意されている。非リーチPA1−0,非リーチPA1−1,非リーチPA1−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が、それぞれ、2秒,8秒,および15秒となっている。非リーチPA1−0の変動時間は最も短い2秒であるため、「短縮変動」の変動表示態様と称する場合がある。
また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴う「ノーマルリーチはずれ」の変動表示態様であるノーマルPA2−0〜ノーマルPA2−2の変動パターンと、「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴う「スーパーリーチはずれ」の変動表示態様であるスーパーPA3−0〜スーパーPA3−3の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPA2−0,ノーマルPA2−1,およびノーマルPA2−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が、それぞれ、20秒,24秒,および28秒となっている。これら「ノーマルリーチはずれ」の変動表示態様の変動パターンでは、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、バトル演出を伴うスーパーリーチには発展せずに、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、「ノーマルリーチはずれ」の変動パターンのうち、ノーマルPA2−1およびノーマルPA2−2は、いずれも擬似連変動を伴う変動パターンである。「擬似連変動」とは、演出図柄の変動表示において、最終停止図柄(表示結果)の導出表示前に、大当り図柄(特定表示結果)とは異なる特定図柄(所定表示結果)を仮停止表示させてから変動表示を再開する態様の演出である。この実施の形態では、特定図柄として、「中」図柄表示エリアに「NEXT」の文字図柄が停止する組み合わせの演出図柄が用いられるものとする。以下の説明では、このような演出図柄の組み合わせを擬似連図柄と称する場合がある。ノーマルPA2−0は、擬似連変動が実行されずにリーチ演出に移行する変動パターンである。また、ノーマルPA2−1は、1回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンであり、ノーマルPA2−2は、2回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンである。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−0,スーパーPA3−1,スーパーPA3−2,およびスーパーPA3−3は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が、それぞれ、40秒,44秒,48秒,および52秒となっている。これら「スーパーリーチはずれ」の変動表示態様の変動パターンでは、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、さらにリーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。スーパーPA3−0は、擬似連変動が実行されずにリーチ演出に移行する変動パターンである。また、スーパーPA3−1は、1回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンであり、スーパーPA3−2は、2回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンであり、スーパーPA3−3は、3回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンである。
また、変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンとして、「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴う「ノーマルリーチ大当り」の変動表示態様であるノーマルPB2−0〜ノーマルPB2−2の変動パターンと、「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴う「スーパーリーチ大当り」の変動表示態様であるスーパーPB3−0〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPB2−0,ノーマルPB2−1,およびノーマルPB2−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が、それぞれ、30秒,34秒,および38秒となっている。これら「ノーマルリーチ大当り」の変動表示態様の変動パターンでは、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、バトル演出を伴うスーパーリーチには発展せずに、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。ノーマルPB2−0は、擬似連変動が実行されずにリーチ演出に移行する変動パターンである。また、ノーマルPB2−1は、1回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンであり、ノーマルPB2−2は、2回の擬似連変動実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンである。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−0,スーパーPB3−1,スーパーPB3−2,およびスーパーPB3−3は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が、それぞれ、50秒,54秒,58秒,および62秒となっている。これら「スーパーリーチ大当り」の変動表示態様の変動パターンでは、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、さらにリーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。スーパーPB3−0は、擬似連変動が実行されずにリーチ演出に移行する変動パターンである。また、スーパーPB3−1は、1回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンであり、スーパーPB3−2は、2回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンであり、スーパーPB3−3は、3回の擬似連変動が実行された後にリーチ演出に移行する変動パターンである。
また、変動表示結果が「突然確変大当り」である場合に対応した変動パターンとして、「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴う「ノーマルリーチ大当り」の変動表示態様であるノーマルPC2−2と、「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴う「スーパーリーチ大当り」の変動表示態様であるスーパーPC3−3が用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPC2−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が36秒となっている。この「ノーマルリーチ大当り」の変動表示態様の変動パターンでは、2回の擬似連変動が実行された後に、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、バトル演出を伴うスーパーリーチには発展せずに、一旦は、はずれとなる演出図柄の組み合わせ(前述した擬似連図柄とは異なる)が仮停止表示される。その後に、演出図柄の変動表示が再開されて、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−3は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が60秒となっている。この「スーパーリーチ大当り」の変動表示態様の変動パターンでは、3回の擬似連変動が実行された後に、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、さらにリーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチへの発展)。そして、一旦は、味方キャラが敵キャラに敗北することに伴い、はずれとなる演出図柄の組み合わせ(前述した擬似連図柄とは異なる)が仮停止表示される。その後に、味方キャラが敵キャラに逆転勝利してバトルが終了することに伴い、演出図柄の変動表示が再開されて、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
このように、この実施の形態では、演出図柄の変動パターン毎に、その変動時間に応じた演出データ(プロセステーブル)が設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、各変動パターンコマンドに対応した演出データを記憶しており、特別図柄の変動表示が開始されるときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンコマンドに応じた演出を演出表示装置9等により実行する。
本実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第1保留記憶バッファに順次格納する。また、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第2保留記憶バッファに順次格納する。ハードウェア乱数およびソフトウェア乱数は所定のタイミング(例えば4ms毎および所定の割込み処理毎)に更新されている。
図5は、各乱数の一例を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、このような形態に限らず、変動パターン種別を決定する段階を設けることなく1段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるようにしても良い。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。本例では、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けている。
この実施の形態では、はずれである場合には、リーチを伴わず短縮変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX0と、リーチを伴わず短縮変動も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX1と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルX1と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーX1とに種別分けされている。
この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY1と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY1とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY2とに種別分けされている。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/低ベース状態,低確率/高ベース状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる高確率時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、高確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生したことに基づいて、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、まず、有効始動入賞が発生したときに、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、その判定結果に応じて後述する図柄指定コマンドや変動予定パターンコマンドを送信する。そして、有効始動入賞に基づく変動表示が開始されるときにも、読み込んだ大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。
この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行される。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
図6(B)(C)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(A)(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。このうち、図7(A)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が5未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図7(B)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が5以上である場合,および遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。
図7(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX1(1〜169)、ノーマルX1(170〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図7(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX0(1〜150)、非リーチX1(151〜219)、ノーマルX1(220〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図7(A)(B)に示すように、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜169であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともリーチ状態を伴わない変動表示(「非リーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が220〜239であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示(「ノーマルリーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が240〜251であれば、合算保留記憶数や遊技状態にもかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示(「スーパーリーチはずれ」)が実行されることがわかる。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8(A)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が通常大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜100)、スーパーY1(1101〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜50)、スーパーY1(51〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が突然確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY2(1〜80)、スーパーY2(81〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図8(A)(B)(C)に示すように、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜50であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が101〜251であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。
ここで、図7に示すように、はずれとなる場合には、[リーチを伴わない変動パターンが選択される割合>ノーマルリーチを伴う変動パターンが選択される割合>スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合]の関係が成立するように、変動パターン種別の割り当てが行われている。これに対して、図8に示すように、大当りとなる場合には、[スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合>ノーマルリーチを伴う変動パターンが選択される割合]の関係が成立するように、変動パターン種別の割り当てが行われている。従って、変動パターンの信頼度に関しては、[スーパーリーチを伴う変動パターン>ノーマルリーチを伴う変動パターン>リーチを伴わない変動パターン]の関係が成立する。すなわちスーパーリーチはノーマルリーチよりも信頼度が高い。ここで「演出の信頼度」とは、[(その演出が実行された場合に大当りとなる割合)/(その演出が実行された場合に大当りとなる割合+その演出が実行された場合にはずれとなる割合)]により算出される値である。
図9(A)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「非リーチX0」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−0(短縮変動)が決定され、変動パターン種別として「非リーチX1」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−1または非リーチPA1−2のいずれかが決定され、変動パターン種別として「ノーマルX1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPA2−0、ノーマルPA2−1、またはノーマルPA2−2のいずれかが決定され、変動パターン種別として「スーパーX1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPA3−0、スーパーPA3−1、スーパーPA3−2、またはスーパーPA3−3のいずれかが決定される。
図9(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を大当り(突然確変大当りを含む)にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「ノーマルY1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPB2−0、ノーマルPB2−1、またはノーマルPB2−2のいずれかが決定され、変動パターン種別として「ノーマルY2」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPC2−2が決定され、変動パターン種別として「スーパーY1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPB3−0、スーパーPB3−1、スーパーPB3−2、またはスーパーPB3−3のいずれかが決定され、変動パターン種別として「スーパーY2」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPC3−3が決定される。
ここで、図9(A)に示すように、はずれの場合にノーマルリーチの変動パターンが選択されるときには(ノーマルX1)、[擬似連変動が実行されない変動パターンが選択される割合>擬似連変動が1回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が2回実行される変動パターンが選択される割合]の関係が成立するように、変動パターンの割り当てが行われている。また、はずれの場合にスーパーリーチの変動パターンが選択されるときには(スーパーX1)、[擬似連変動が実行されない変動パターンが選択される割合>擬似連変動が1回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が2回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が3回実行される変動パターンが選択される割合]の関係が成立するように、変動パターンの割り当てが行われている。このように、はずれの場合には、擬似連変動回数が多くなるほど、その変動パターンが選択される割合が低下する。
一方、図9(B)に示すように、確変大当りまたは通常大当りの場合にノーマルリーチの変動パターンが選択されるときには(ノーマルY1)、[擬似連変動が2回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が1回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が実行されない変動パターンが選択される割合]の関係が成立するように、変動パターンの割り当てが行われている。また、突然確変大当りの場合にノーマルリーチの変動パターンが選択されるときには(ノーマルY2)、擬似連変動が2回実行される変動パターンのみが選択される。また、確変大当りまたは通常大当りの場合にスーパーリーチの変動パターンが選択されるときには(スーパーY1)、[擬似連変動が3回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が2回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が1回実行される変動パターンが選択される割合>擬似連変動が実行されない変動パターンが選択される割合]の関係が成立するように、変動パターンの割り当てが行われている。また、突然確変大当りの場合にスーパーリーチの変動パターンが選択されるときには(スーパーY2)、擬似連変動が3回実行される変動パターンのみが選択される。このように、大当りの場合には、擬似連変動回数が多くなるほど、その変動パターンが選択される割合が高くなる。
以上に示した変動パターンの割り当てによれば、信頼度に関して、[擬似連変動が3回実行される変動パターン>擬似連変動が2回実行される変動パターン>擬似連変動が1回実行される変動パターン>擬似連変動が実行されない変動パターン]の関係が成立する。このような構成により、遊技者は、擬似連変動が実行されることを期待するようになり、また、できるだけ多くの回数、擬似連変動が実行されることを期待するようになる。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC7XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC7XX(H)は、入賞時判定結果のうち、いずれの変動パターンとなるかを示す演出制御コマンド(変動予定パターンコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、当該始動入賞時に抽出された数値データ(大当り判定用乱数、大当り種別判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当りとなるか否か、大当りの種別、および変動パターンを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動予定パターンコマンドのEXTデータに、図4に示した何れかの変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動予定パターンコマンドにもとづいて変動パターンを認識できる。
図11は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に有効始動入賞したことに基づく図柄指定コマンドや変動予定パターンコマンドを受信することにより、当該有効始動入賞に対応した変動表示の開始条件が成立するよりも前に、その変動表示の表示結果が大当り図柄となる可能性(大当りが発生する可能性)やその変動表示の演出態様がスーパーリーチとなる可能性を予告する先読み予告演出を実行することが可能となる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
(有効始動入賞時における保留記憶バッファへの格納処理)
第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのいずれの保存領域にも、有効始動入賞順に従って乱数が格納されてゆき、n=1,2,3,4の保存領域が存在するときに、n=1の保存領域に乱数が格納されており、n=2,3,4の保存領域に乱数が格納されていなければ、n=2の保存領域に乱数が格納される。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
(有効始動入賞時における始動入賞時コマンドの送信処理)
CPU56は、第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果ならびに抽出した変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数に基づいて、変動パターンを指定する変動予定パターンコマンドをセットする。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
CPU56は、第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果ならびに抽出した変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数に基づいて、変動パターンを指定する変動予定パターンコマンドをセットする。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が所定時間毎(例えば4ms毎)に実行する割込み処理において実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218A)とともに、変動予定パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218B)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218C)。
なお、S1218A,S1218Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1218Cの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図13(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み予告演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み予告演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄の変動開始から変動終了(停止図柄の導出表示)まで、大当り遊技状態の開始から終了までの各プロセスに応じて変化する特別図柄プロセスフラグの値で確認される。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み予告演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1226)。なお、S1226の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1227)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228A)とともに、変動予定パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228C)。
なお、S1228A,S1228Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1227の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1228A〜S1228Cの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1227の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、通常状態であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドを送信するようにしてもよい。なお、高ベース状態であるときには第2保留記憶に対してのみ先読み予告演出を実行するように構成する場合には、逆に高ベース状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドを送信するようにし、通常状態である場合にはS1227の入賞時演出処理を実行せず図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドを送信しないようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、大当り遊技中であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、S1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。そのように構成すれば、先読み予告演出がある程度の期間実行される場合に、変動時間が短くて先読み予告演出が途中で途切れてしまうことを確実に防止することができる。
図14は、S1217,S1227の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターンを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターンを予測し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行可能となる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高確率状態に制御されている期間セットされている。また、時短フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高ベース状態に制御されている期間セットされている。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の遊技状態判定結果とS1216またはS1226で抽出した変動パターン種別判定用乱数の値に基づいて、変動パターン種別を判定する(S226)。この例では、遊技状態が低ベース状態であり且つ合算保留記憶数が5未満である場合には、図7(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値が、「非リーチX1」、「ノーマルX1」、「スーパーX1」のいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターン種別を判定する。また、遊技状態が低ベース状態であり且つ合算保留記憶数が5以上である場合、または遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値が、「非リーチX0」、「非リーチX1」、「ノーマルX1」、「スーパーX1」のいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターン種別を判定する。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1227の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S230の大当り種別判定結果とS1216またはS1226で抽出した変動パターン種別判定用乱数の値に基づいて、変動パターン種別を判定する(S231)。この例では、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値が「ノーマルY1」または「スーパーY1」のいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターン種別を判定する。また、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値が「ノーマルY1」または「スーパーY1」のいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターン種別を判定する。また、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値が「ノーマルY2」または「スーパーY2」のいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターン種別を判定する。
そして、CPU56は、S226またはS232において判定された変動パターン種別と、S1216またはS1226で抽出した変動パターン判定用乱数の値に基づいて、変動パターンを判定する(S240)。この例では、S226で判定されたはずれ用変動パターン種別については、図9(A)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターン判定用乱数の値が、当該変動パターン種別に対応した変動パターンのいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターンを判定する。また、S232で判定された大当り用変動パターン種別については、図9(B)に示す大当り用変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターン判定用乱数の値が、当該変動パターン種別に対応した変動パターンのいずれの範囲に含まれるかを判定することによって、変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、変動予定パターンコマンド(「C7XX」)のEXTデータとして、S240で判定した変動パターンを指定するデータを設定する(S241)。このように、始動入賞時に何れの変動パターンが選択されるかを判定し、その判定結果を変動予定パターンとして演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100において、各変動予定パターンコマンドと、各変動予定パターンコマンドのEXTデータが指定する変動パターンの変動時間(図4の特図変動時間として示される時間)とを関連付けて記憶している。そのため、変動予定パターンコマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100では、その変動予定パターンコマンドに応じた変動時間、すなわち始動入賞時に抽出された数値データ(大当り判定用乱数、大当り種別判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、変動パターン判定用乱数)に基づいて実行される変動表示の変動時間を特定可能となっている。
図15は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図15に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および保留記憶数加算指定マンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のコマンドがセットで送信される。そのため、図15に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。なお、以下の説明では、始動入賞時コマンド格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第1保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第1保留コマンドと総称する場合があり、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第2保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第2保留コマンドと総称する場合がある。さらに、第1保留コマンドと第2保留コマンドとを保留コマンドと総称する場合がある。
また、図15に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、最初の格納領域(格納領域1)に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。
また、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンドや変動予定パターンコマンド)にもとづいて、先読み予告演出を実行するか否かや、先読み予告演出を実行する場合の演出態様を決定可能となる。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターンを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターンを予測し、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行可能となる。
(特別図柄の変動開始に伴う処理)
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されておらず、大当り遊技状態に制御されておらず、かつ合算保留記憶数が0ではないことを条件として、特別図柄の変動表示を開始する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数が0でなく、且つ、大当り遊技状態に制御されていなければ、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか又は「第2」を示すデータであるかを確認する。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、第1特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が5未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が5以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第1特別図柄の変動表示開始に伴い、第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第1特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第1保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」を示すデータである場合には、第2特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が5未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が5以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第2特別図柄の変動表示開始に伴い、第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第2特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第2保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄や仮停止図柄を決定するための乱数や、後述するステップアップ予告演出を実行するか否か、および実行する場合の態様を決定するための乱数、後述する期待度予告演出を実行するか否か、および実行する場合の態様を決定するための乱数、後述する発展予告演出を実行するか否か、および実行する場合の態様を決定するための乱数、キャラクタ予告演出で出現させるキャラクタの種別を決定するための乱数等の、各種演出の実行の有無および各種演出の態様を決定するための各乱数をRAMに記憶しており、S707において、これら各乱数を生成するためのカウンタのカウント値も更新している。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動予定パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動予定パターンコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。また、演出制御用CPU101は、保留表示領域18cに表示される保留表示を1つ増加させる。例えば、丸型の通常表示態様の保留表示を1つ増加させる。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動予定パターンコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。また、演出制御用CPU101は、保留表示領域18cに表示される保留表示を1つ増加させる。例えば、丸型の通常表示態様の保留表示を1つ増加させる。なお、第1保留コマンドに対応した保留表示と第2保留コマンドに対応した保留表示とを、異なる表示態様で表示する(例えば第1保留コマンドに対応した保留表示を白い丸型で表示し、第2保留コマンドに対応した保留表示を青い丸型で表示する)ようにしても良い。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
図17は、図16に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図18は、図17に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S2000)。
次いで、演出制御用CPU101は、S2000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S2001)。すなわち、演出制御用CPU101によってS2001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予め各変動パターンコマンドに関連付けて、各変動パターンコマンドが、表示結果がはずれの場合に送信される変動パターンコマンドであるか、表示結果が確変大当りまたは通常大当りの場合に送信される変動パターンコマンドであるか、あるいは表示結果が突然確変大当りの場合に送信される変動パターンコマンドであるかを記憶している。そのため、変動パターンコマンドのみによっても、表示結果が大当りとなるか否か、表示結果が大当りとなる場合に突然確変大当りであるか否か(あるいは通常大当りや確変大当りであるか否か)を特定することが可能である。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予め各変動パターンコマンドに関連付けて、各変動パターンコマンドが指定する変動パターンの変動時間と、その変動パターンにおいて実行される擬似連変動回数(0回、1回、2回、3回のいずれの回数であるか)と、その変動パターンにおいて擬似連変動が実行される場合の擬似連図柄の仮停止タイミング(例えば、残り変動時間が××秒のタイミングで×回目の擬似連図柄仮停止を実行するとの情報)を記憶している。そのため、読み出した変動パターンコマンドが指定する変動パターンで実行される擬似連変動回数や擬似連図柄仮停止のタイミングも特定することが可能である。
さらに、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予め各変動パターンコマンドに関連付けて、各変動パターンコマンドが指定する変動パターンにおいて「左」図柄表示エリアに演出図柄を停止表示させるタイミング(例えば、残り変動時間が××秒のタイミングで「左」図柄表示エリアに演出図柄(ただし擬似連図柄に係る図柄は除く)を停止表示させるとの情報)と、その変動パターンがリーチ状態を伴う場合(ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンである場合)におけるリーチ状態成立のタイミング(例えば、残り変動時間が××秒のタイミングでリーチ状態を成立させるとの情報)を記憶している。そのため、読み出した変動パターンが指定する変動パターンにおける左演出図柄の停止タイミングやリーチ状態成立のタイミングも特定することが可能である。
図27は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図27に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、高確率状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、高確率状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンドが、擬似連変動を伴うものであれば、擬似連変動における仮停止図柄(すなわち、「中」図柄表示エリアに「NEXT」の文字図柄を停止させる場合における「左」図柄表示エリアおよび「右」図柄表示エリアの演出図柄の組み合わせ)も決定する。また、この実施形態では、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンドが、突然確変大当りとなる場合に選択されるものであれば、リーチ演出移行後に一旦仮停止表示されるはずれ図柄も決定する。これらの仮停止図柄を決定するための乱数も、前述したS707において更新される。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出を実行するか否か、および実行する場合の演出態様を決定するステップアップ予告演出決定処理を実行する(S2002)。ステップアップ予告演出とは、演出図柄の変動開始直後に実行される演出であって、予め定められた複数段階(例えば第1段階〜第3段階)のいずれの段階まで演出が実行されるかによって、遊技者に大当りの可能性を示唆する予告演出である。
演出制御用CPU101は、図19のステップアップ予告演出決定テーブルに基づいて、ステップアップ予告演出の実行の有無およびステップアップ予告演出を実行する場合の演出態様を決定する。図32(b)〜(d)に示すように、ステップアップ予告演出は、変動開始直後から、時間経過に応じて段階的に発展する態様の演出である。演出図柄の変動開始直後の第1段階では、図32(b)に示すように、味方2000のキャラクタが画面中央に小さく表示される態様の演出であり、所定時間経過後(例えば変動開始から0.8秒後)の第2段階では、図32(c)に示すように味方2000のキャラクタが第1段階よりも大きく表示される態様の演出となり、さらに所定時間経過後(例えば変動開始から1.6秒後)の第3段階では、図32(d)に示すように味方2000のキャラクタが第2段階よりもさらに大きく表示され、且つ、その味方2000のキャラクタが武器を持っている態様の演出となる。
図19に示すように、読み出された変動パターンコマンドが、表示結果がはずれとなる場合に選択される変動パターンコマンドである場合には、50%の割合でステップアップ予告演出を実行しないことに決定し、30%の割合で第1段階までのステップアップ予告演出を実行することに決定し、15%の割合で第2段階までのステップアップ予告演出を実行することに決定し、5%の割合で第3段階までのステップアップ予告演出を実行することに決定する。
また、読み出された変動パターンコマンドが、表示結果が大当り(突然確変大当りを含む)となる場合に選択される変動パターンコマンドである場合には、10%の割合でステップアップ予告演出を実行しないことに決定し、20%の割合で第1段階までのステップアップ予告演出を実行することに決定し、30%の割合で第2段階までのステップアップ予告演出を実行することに決定し、40%の割合で第3段階までのステップアップ予告演出を実行することに決定する。従って、ステップアップ予告演出における信頼度に関して、[第3段階まで実行される場合>第2段階まで実行される場合>第1段階のみが実行される場合>ステップアップ予告演出が実行されない場合]の関係が成立する。そのため遊技者は、ステップアップ予告演出がより多くの段階まで発展することを期待する。
次いで、演出制御用CPU101は、キャラクタ予告演出を実行するか否か、およびキャラクタ予告演出を実行する場合の演出態様を決定するキャラクタ予告演出決定処理を実行する(S2003)。キャラクタ予告演出とは、演出表示装置9に所定のキャラクタが表示され、そのキャラクタの移動に伴って実行される演出である。この実施の形態では、出現したキャラクタが所定の動作(例えば卵を産む)を行ったり、所定の台詞(例えば「熱い」や「発展!」)を発することにより、遊技者に大当りとなる可能性を示唆する。
この実施の形態では、キャラクタ予告演出として、「擬似連予告演出」、「期待度予告演出」、および「発展予告演出」の3種別が設けられており、各予告演出は異なるタイミングで実行される。「擬似連予告演出」とは、図32(e)等に示されるように、キャラクタが、「NEXT」の文字が表示された卵を産む動作を行うことにより、擬似連変動が実行されることを予告する演出であり、擬似連図柄の仮停止表示前に実行される。また、「期待度予告演出」とは、図33(l)に示されるように、キャラクタが、「チャンス」または「熱い」の台詞を発することにより、大当りとなる可能性を示唆する演出であり、「左」図柄表示エリアに演出図柄が停止したタイミング(擬似連図柄に係る左演出図柄が仮停止表示されたタイミングは除く)に実行される。また、「発展予告演出」とは、図34(m)に示されるように、キャラクタが、「発展するかも?」または「発展!」の台詞を発することにより、リーチ演出の演出態様がスーパーリーチに発展する可能性を示唆する演出であり、リーチ状態が成立したタイミングに実行される。
図20は、キャラクタ予告演出決定処理(S2003)を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、読み出された変動パターンコマンドに基づいて、擬似連予告演出の実行回数を決定する(S2101)。具体的には、演出制御用CPU101は、図21の擬似連予告演出実行回数決定テーブルを用いて、変動パターンコマンドが指定する変動パターンにおいて実行される擬似連変動回数を特定して、その擬似連変動回数に応じた数の擬似連予告演出を実行することに決定する。
図21に示すように、演出制御用CPU101は、指定された変動パターンにおける擬似連変動回数が0回である場合には、擬似連予告演出を実行しないことに決定し(実行回数0回)、指定された変動パターンにおける擬似連変動回数が1回である場合には、擬似連予告演出を1回実行することに決定し、指定された変動パターンにおける擬似連変動回数が2回である場合には、擬似連予告演出を2回実行することに決定し、指定された変動パターンにおける擬似連変動回数が3回である場合には、擬似連予告演出を3回実行することに決定する。1回の擬似連予告演出につきキャラクタが卵を1つ産む動作を伴うため、擬似連予告演出の実行回数はキャラクタが産む卵の数に等しい。
ここで、前述したように、擬似連変動回数が多いほど信頼度が高くなることから、実行される擬似連予告演出の数が多いほど信頼度が高くなることになる。従って、遊技者は、擬似連予告演出が多く実行されること、すなわち、キャラクタができるだけ多くの卵を産むことを期待することになる。
次いで、演出制御用CPU101は、期待度予告演出の実行の有無および実行する場合の演出態様を決定する(S2102)。具体的には、演出制御用CPU101は、図22の期待度予告演出決定テーブルを用いて、読み出された変動パターンコマンドが、表示結果が大当り(突然確変大当りを含む)となる場合の変動パターンコマンドであるか、または表示結果がはずれとなる場合の変動パターンコマンドであるかを確認して、いずれの表示結果であるかに応じて、異なる割合で期待度予告演出の実行の有無および実行する場合の演出態様を決定する。
図22に示すように、期待度予告演出として、キャラクタが「チャンス」の台詞を発する第1態様の期待度予告演出と、キャラクタが「熱い」の台詞を発する第2態様の期待度予告演出とが存在する。演出制御用CPU101は、表示結果がはずれとなる場合には、80%の割合で期待度予告演出を実行しないことに決定し、15%の割合で第1態様の期待度予告演出を実行することに決定し、5%の割合で第2態様の期待度予告演出を実行することに決定する。また、表示結果が大当りとなる場合には、20%の割合で期待度予告演出を実行しないことに決定し、30%の割合で第1態様の期待度予告演出を実行することに決定し、50%の割合で第2態様の期待度予告演出を実行することに決定する。従って、信頼度に関して、[第2態様の期待度予告演出が実行される場合>第1態様の期待度予告演出が実行される場合>期待度予告演出が実行されない場合]の関係が成立する。
従って、遊技者は、期待度予告演出が実行されること、さらに、期待度予告演出が実行される場合には第2態様で実行されることを期待することになる。ここで、キャラクタ予告演出のうち、当該期待度予告演出に関しては、第1態様または第2態様の期待度予告演出が実行された場合に、キャラクタが発した台詞(「チャンス」または「熱い」)が、キャラクタの移動が終了するまで継続して表示されることになる。これにより、遊技者は、期待度予告演出が実行されたか否か、および期待度予告演出が実行された場合の態様(信頼度)を、期待度予告演出の実行後も把握することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、発展予告演出の実行の有無および実行する場合の演出態様を決定する(S2103)。具体的には、演出制御用CPU101は、図23の発展予告演出決定テーブルを用いて、読み出された変動パターンコマンドが指定する変動パターンが、非リーチの変動パターンであるか、ノーマルリーチの変動パターンであるか、または、スーパーリーチの変動パターンであるかを確認して、いずれの変動パターンであるかに応じて、異なる割合で発展予告演出の実行の有無および実行する場合の演出態様を決定する。
図23に示すように、発展予告演出として、キャラクタが「発展するかも?」の台詞を発する第1態様の発展予告演出と、キャラクタが「発展!」の台詞を発する第2態様の発展予告演出とが存在する。演出制御用CPU101は、変動パターンが非リーチである場合には、100%の割合で発展予告演出を実行しないことに決定する。すなわち、リーチ状態を伴わない変動パターンでは発展予告演出が実行されない。また、変動パターンがノーマルリーチである場合には、80%の割合で発展予告演出を実行しないことに決定し、20%の割合で第1態様の発展予告演出を実行することに決定する。すなわち、変動パターンがノーマルリーチである場合には、第2態様の発展予告演出は実行されない。また、変動パターンがスーパーリーチである場合には、15%の割合で発展予告演出を実行しないことに決定し、25%の割合で第1態様の発展予告演出を実行することに決定し、60%の割合で第2態様の発展予告演出を実行することに決定する。ここで、ノーマルリーチの場合に発展予告演出が実行される割合が20%であるのに対して、スーパーリーチの場合に発展予告演出が実行される割合は85%となっており、第2態様の発展予告演出が実行される場合には必ずスーパーリーチに発展する。そして、前述したように、信頼度に関して、[スーパーリーチの変動パターン>ノーマルリーチの変動パターン]の関係が成立する。この例では、信頼度に関して、[第2態様の発展予告演出が実行される場合>第1態様の発展予告演出が実行される場合>発展予告演出が実行されない場合]の関係が成立するものとする。
従って、遊技者は、発展予告演出が実行されること、さらに、発展予告演出が実行される場合には第2態様で実行されることを期待することになる。
次いで、演出制御用CPU101は、S2101〜S2103の決定にもとづいてキャラクタ予告演出の合計実行回数を算出する(S2104)。前述したように、キャラクタ予告演出には、1回の変動表示につき1回〜3回実行可能な擬似連予告演出と、1回の変動表示につき決定された態様(第1態様または第2態様)で1回のみ実行可能な期待度予告演出と、1回の変動表示につき決定された態様(第1態様または第2態様)で1回のみ実行可能な発展予告演出とが含まれる。すなわち、1回の変動表示につき0回〜5回のキャラクタ予告演出を実行可能である。例えば、3回の擬似連予告演出、期待度予告演出、および発展予告演出の全てのキャラクタ予告演出が実行される場合には、合計実行回数は5となる。また、例えば、2回の擬似連予告演出と期待度予告演出とが実行される場合には、合計実行回数は3となる。
なお、この実施の形態では、1回の変動表示につき1回の期待度予告演出、1回の変動表示につき1回の発展予告演出のみを実行可能な例について説明したが、これに限らず、1回の変動表示につき複数回の期待度予告演出や複数回の発展予告演出を実行可能としても良い。例えば、1回の変動表示中に、キャラクタが「チャンス」の台詞のみを発する場合(1回の期待度予告演出が実行される場合)と、「チャンス」の台詞を発した後さらに「熱い」の台詞を発する場合(2回の期待度予告演出が実行される場合)とがあるようにしても良い。同様に、1回の変動表示中に、キャラクタが「発展するかも?」の台詞のみを発する場合(1回の発展予告演出が実行される場合)と、「発展するかも?」の台詞を発した後さらに「発展!」の台詞を発する場合(2回の発展予告演出が実行される場合)とがあるようにしても良い。
そして、この実施の形態では、擬似連予告演出の実行回数が多いほど信頼度が高くなるように設定され、期待度予告演出が実行されない場合よりも期待度予告演出が実行される方が信頼度が高くなるように設定されており、発展予告演出が実行されない場合よりも発展予告演出が実行される場合の方が信頼度が高くなるように設定されている。すなわち、キャラクタ予告演出の実行回数が多いほど、信頼度が高くなるように設定されており、S2104で算出されるキャラクタ予告演出の実行回数が多いほど、信頼度が高くなる設定となっている。
次いで、演出制御用CPU101は、キャラクタ予告演出の合計実行回数にもとづいて、出現させるキャラクタの移動速度を決定する(S2105)。具体的には、演出制御用CPU101は、図24の移動速度決定テーブルを用いて、実行されるキャラクタ予告演出の数が多いほど、キャラクタの移動速度が遅くなるように、キャラクタの移動速度を決定する。ここで、キャラクタ予告演出の実行回数が0である場合には、キャラクタを出現させないことに決定し、キャラクタ予告演出の実行回数が1である場合には、キャラクタの移動速度を60画素/秒に決定し、キャラクタ予告演出の実行回数が2である場合には、キャラクタの移動速度を50画素/秒に決定し、キャラクタ予告演出の実行回数が3である場合には、キャラクタの移動速度を40画素/秒に決定し、キャラクタ予告演出の実行回数が4である場合には、キャラクタの移動速度を30画素/秒に決定し、キャラクタ予告演出の実行回数が5である場合には、キャラクタの移動速度を20画素/秒に決定する。
このように、実行されるキャラクタ予告演出の数が多いほど、キャラクタの移動速度が遅く設定されることにより、遊技者は、出現したキャラクタの移動速度によって、その変動表示において実行されるキャラクタ予告演出の数をおおまかに予測することができるようになる。また、この実施の形態では、キャラクタの移動速度が遅いほど多くのキャラクタ予告演出が実行されることを期待できるため、遊技者はキャラクタの移動速度に興味を抱き、移動速度ができるだけ遅いことを期待するようになる。
次いで、演出制御用CPU101は、キャラクタの移動速度にもとづいて、出現させるキャラクタの種別を決定する(S2106)。具体的には、演出制御用CPU101は、図25のキャラクタ決定テーブルを用いて、キャラクタの移動速度に応じて、キャラクタ種別を決定する。ここで、キャラクタの移動速度が60画素/秒である場合、キャラクタの移動速度が50画素/秒である場合には、100%の割合でツバメのキャラクタを出現させることに決定する。また、キャラクタの移動速度が40画素/秒である場合には、50%の割合でウミガメのキャラクタを出現させることに決定し、50%の割合でツバメのキャラクタを出現させることに決定する。また、キャラクタの移動速度が30画素/秒である場合、キャラクタの移動速度が20画素/秒である場合には、100%の割合でウミガメのキャラクタを出現させることに決定する。
このように、キャラクタの移動速度が速いほど(実行されるキャラクタ予告演出の数が少ないほど)、ツバメのキャラクタが出現し易くなり、キャラクタの移動速度が遅いほど(実行されるキャラクタ予告演出の数が多いほど)、ウミガメのキャラクタが出現し易くなるように設定されている。これにより、遊技者は、出現するキャラクタの種別に注目するようになり、興趣を向上させることができる。この実施の形態では、遊技者は、ウミガメのキャラクタが出現することを期待するようになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出された変動パターンコマンドが指定する変動パターンに対応させて、S2101〜S2103で実行すると決定されたキャラクタ予告演出の実行タイミングを決定する(S2107)。具体的には、擬似連予告演出を実行することに決定された場合(擬似連変動を伴う変動パターンである場合)には、擬似連図柄の仮停止表示より所定時間前(例えば2秒前)のタイミングで、擬似連予告演出を実行することに決定する。例えば、擬似連予告演出が3回実行される場合には、1回目の擬似連図柄の仮停止表示よりも所定時間前のタイミングで1回目の擬似連予告演出を実行し、2回目の擬似連図柄の仮停止表示よりも所定時間前のタイミングで2回目の擬似連予告演出を実行し、3回目の擬似連図柄の仮停止表示よりも所定時間前のタイミングで3回目の擬似連予告演出を実行することに決定する。
また、期待度予告演出を実行することに決定された場合には、「左」図柄表示エリアに演出図柄(ただし擬似連図柄に係る左演出図柄を除く)を停止表示させるタイミングで、期待度予告演出を実行することに決定する。また、発展予告演出を実行することに決定された場合には、リーチ状態が成立したタイミングで、発展予告演出を実行することに決定する。例えば、キャラクタ予告演出が実行されるタイミングは、当該変動パターンの残り変動時間が××秒のときに、××のキャラクタ予告演出を実行するといった情報により記憶される。
次いで、演出制御用CPU101は、実行すると決定したキャラクタ予告演出のうち、最後に実行されるキャラクタ予告演出の実行タイミングと、S2105で決定されたキャラクタの移動速度とに基づいて、キャラクタの移動距離を算出する(S2108)。この実施の形態では、変動開始時にキャラクタが出現するようになっている(すなわち変動開始からほぼ0秒のタイミングでキャラクタが出現するようになっている)。そのため、予め定められている変動パターンの変動時間がX秒であり、残り変動時間がY秒のタイミングで最後のキャラクタ予告演出が実行され、その4秒後にキャラクタが移動経路の終点に到着してキャラクタの移動が終了するとした場合、キャラクタの移動速度をVとすると、移動距離は、V×(X−Y+4)によって算出される。
なお、この実施の形態では、変動開始とほぼ同時のタイミングでキャラクタが出現して移動を開始するようにしているが、キャラクタが移動を開始するタイミングを変動開始から所定時間(たとえばt秒)経過したタイミングとしたときには、予め定められている変動パターンの変動時間がX秒であり、残り変動時間がY秒のタイミングで最後のキャラクタ予告演出が実行され、その4秒後にキャラクタが移動経路の終点に到着してキャラクタの移動が終了するとした場合、キャラクタの移動速度をVとすると、移動距離は、V×(X−t−Y+4)によって算出される。
次いで、演出制御用CPU101は、算出した移動距離に応じた移動経路を設定する(S2109)。この実施の形態では、図26に示すように、移動距離にかかわらず、移動経路の終点は画面左下隅に設定される。移動経路の終点には「GOAL」と書かれた旗の画像1001が表示され、遊技者は移動経路の終点を容易に把握可能である。
ここで、移動距離が800画素未満である場合には、(a)に示すように、画面左下隅の終点と画面右下隅のA点とを結ぶ直線上の、終点から逆算される移動距離に対応した位置に移動経路の始点が設定され、その始点にキャラクタが出現して、直線上を終点に向けて移動する。また、移動距離が800画素以上1200画素未満である場合には、(b)に示すように、画面右下隅のA点と画面右上隅のB点とを結ぶ直線上の、終点から逆算される移動距離に対応した位置に移動経路の始点が設定され、その始点にキャラクタが出現して、直線上をまずA点に向けて移動し、A点に到達した後に終点に向けて移動する。また、移動距離が1200画素以上である場合には、(c)に示すように、画面右上隅のB点と画面左上隅のC点とを結ぶ直線上の、終点から逆算される移動距離に対応した位置に移動経路の始点が設定され、その始点にキャラクタが出現して、直線上をまずB点に向けて移動し、B点に到達した後にA点に向けて移動し、A点に到達した後に終点に向けて移動する。
このように、移動経路の終点には旗の画像1001が表示され、キャラクタが出現した位置(始点)から終点までの移動経路および移動距離を容易に把握可能となっている。そして、出現したキャラクタの移動速度と移動距離との関係を把握し易くなるため、例えば、「移動速度が遅い割に残りの移動距離が長いため、まだ多くのキャラクタ予告演出が実行される」というような期待感を持たせることも可能であり、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、キャラクタ予告演出として、擬似連予告演出、期待度予告演出、および発展予告演出の3種別の演出を実行可能であるが、キャラクタ出現時の移動速度のみによっては、どの種別の演出が実行されるかを予測することはできない。すなわち、遊技者は、実行されるキャラクタ予告演出の数を予測可能であっても、いずれの種別の演出が実行されるかまでは予測困難であり、擬似連予告演出に関しては実行される回数も予測困難である。このように、実行されるキャラクタ予告演出の種別や回数を特定できないようにすることで、興趣を向上させることができる。
S2109の処理を実行すると、演出制御用CPU101は、S2003のキャラクタ予告演出決定処理を終了する。次いで、演出制御用CPU101は、S2000で読み出された変動パターン、ならびにS2002およびS2003で実行すると決定された予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S2010)。
ここで、S2002のステップアップ予告演出決定処理において、ステップアップ予告演出を実行すると決定された場合には、第1段階〜第3段階のいずれかのステップアップ予告演出に応じたプロセステーブルが選択される。なお、前述したようにステップアップ予告演出は変動開始直後から実行されるように設定される。そして、キャラクタ予告演出を実行する場合には、(1)決定したキャラクタを、(2)設定した移動経路上で、(3)決定した移動速度で移動させるためのプロセステーブルが選択される。また、S2003のキャラクタ予告演出決定処理において、擬似連予告演出を実行すると決定された場合には、決定された1回〜3回のいずれかの擬似連予告演出実行回数に応じたプロセステーブルが選択される。また、S2003のキャラクタ予告演出決定処理において、期待度予告演出を実行すると決定された場合には、決定された第1態様(「チャンス」)または第2態様(「熱い」)のいずれかに応じたプロセステーブルが選択される。また、S2003のキャラクタ予告演出決定処理において、発展予告演出を実行すると決定された場合には、決定された第1態様(「発展するかも?」)または第2態様(「発展!」)のいずれかに応じたプロセステーブルが選択される。
次いで、演出制御用CPU101は、S2011に移行する。S2011では、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。
図28は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図28に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としての左右のスピーカ27,27)の制御を実行する(S2012)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27,27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S2013)。ステップアップ予告演出やキャラクタ予告演出は、変動時間タイマの値が予め決定された実行タイミングに合致したときに実行されることになる。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域が記憶する1つ目の始動入賞時コマンドのセット(格納領域1の図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドであり、最も古い判定結果)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする(S2014)。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
そして、演出制御用CPU101は、保留表示領域18cに表示されている保留表示を1つずつシフトさせる(S2015)。すなわち、保留表示領域18cの遊技者側から見て最も左に表示されている保留表示を消去して、他の保留表示を、全て保留表示1つ分ずつ左にシフトさせる。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S2016)。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S3001)、変動時間タイマの値を1減算する(S3002)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S3003)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S3004)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S3005)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S3010)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S3011)。なお、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら、S3011に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図30は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S4001)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S4012に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S4011で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる(S4013)。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S4002の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S4012に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S4002)。
次いで、演出制御用CPU101は、S4010の判定処理を実行する。S4002の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、S4050に移行する。
S4002の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S4010のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S4011)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S4012)。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。また、突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの制御開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S4013)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S4014)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S4015)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S4016)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S4017)。
大当りとしないことに決定されている場合には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S4050)。
次に、キャラクタ予告演出の具体例について図31〜図34を参照して説明する。図31は、擬似連予告演出、期待度予告演出、および発展予告演出が実行される場合の各予告演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。図32〜図34は、擬似連予告演出、期待度予告演出、および発展予告演出が実行されるときの演出表示装置9に表示される演出画像の例である。
この例では、擬似連変動が3回実行された後にスーパーリーチで大当りとなる変動パターンが選択されたものとする。また、ステップアップ予告演出を第3段階まで実行し、擬似連予告演出を3回実行し、第2態様の期待度予告演出を実行し、第2態様の発展予告演出を実行することに決定されたものとする。図31のタイミング(1)および図32(a)に示すように、変動開始のタイミングと共に、キャラクタ(この例ではウミガメ1000)が出現するとともに、そのキャラクタの移動経路の終点に「GOAL」の文字が書かれた旗1001の画像が表示される。
ここで、前述したように移動速度が遅い場合には、ウミガメ1000のキャラクタが選択される割合が高くなり、移動速度が速い場合には、ツバメのキャラクタが選択される割合が高くなるように設定されている。そのため、遊技者は、ウミガメ1000のキャラクタが出現することを期待する。このように、移動速度に応じて選択されるキャラクタの割合を異ならせることにより、遊技者は、いずれの種別のキャラクタが出現するかに関心を抱くようになり、興趣を向上させることができる。
そして、演出図柄の変動開始直後には、図31のタイミング(1)後および図32(b)(c)(d)に示すように、第1段階、第2段階、第3段階のステップアップ予告演出が実行されている。演出図柄の変動開始直後の第1段階では、図32(b)に示すように、味方2000のキャラクタが画面中央に小さく表示される態様の演出であり、所定時間経過後(例えば変動開始から0.8秒後)の第2段階では、図32(c)に示すように味方2000のキャラクタが第1段階よりも大きく表示される態様の演出となり、さらに所定時間経過後(例えば変動開始から1.6秒後)の第3段階では、図32(d)に示すように味方2000のキャラクタが第2段階よりもさらに大きく表示され、且つ、その味方2000のキャラクタが武器を持っている態様の演出となる。
このように、この実施の形態では、キャラクタ予告演出以外の予告演出も実行されるようにすることで、予告演出を多様化して興趣を向上させるようにしている。例えば、出現したキャラクタがウミガメ1000ではなくツバメであったり、移動速度が速かったりする場合であっても、キャラクタの移動速度に影響しないステップアップ予告演出が第3段階まで実行されることを遊技者に期待させることができる。
ウミガメ1000は、出現したタイミングから、決定された移動速度(例えば20画素/秒)で旗1001に向けて移動を開始する。この実施の形態では、実行されるキャラクタ予告演出の数に応じてキャラクタの移動速度が決定されるため、遊技者は、ウミガメ1000の移動速度を把握して、実行されるキャラクタ予告演出の数を予測することができる。すなわち、ウミガメ1000の移動速度に遊技者の興味を引きつけて興趣を向上させることができる。
ここで、ウミガメ1000の移動速度のみによっては、擬似連予告演出、期待度予告演出、および発展予告演出のいずれの種別が実行されるのか、あるいは何回の擬似連予告演出が実行されるのかを、遊技者は特定することができない。例えば、ウミガメ1000の移動速度が40画素/秒程度であると把握して、合計3回のキャラクタ予告演出が実行されることを予測できたとしても、擬似連予告演出のみ3回実行されるのか、あるいは、擬似連予告演出1回と期待度予告演出および発展予告演出が実行されるのかを予め判別することはできない。このように、実行タイミングが異なる複数種別のキャラクタ予告演出が存在することにより、予めいずれの種別のキャラクタ予告演出が実行されるのかを遊技者が把握してしまうことを防止して、興趣を向上させるようにしている。
そして、1回目の擬似連予告演出を実行するタイミングになったとき、例えば、図31のタイミング(2)で実行される1回目の擬似連図柄の仮停止表示よりも所定時間前(例えば2秒前)に、図32(e)に示すように、ウミガメ1000が「NEXT」の文字が書かれた卵1000aを産む擬似連予告演出が実行される。そして、図31のタイミング(2)および図32(f)に示すように、1回目の擬似連図柄の仮停止表示が行われる。そして、図31のタイミング(2)後に示すように、1回目の擬似連変動が実行される。
そして、2回目の擬似連予告演出を実行するタイミングになったとき、例えば、図31のタイミング(3)で実行される2回目の擬似連図柄の仮停止表示よりも所定時間前(例えば2秒前)に、図33(g)に示すように、ウミガメ1000が「NEXT」の文字が書かれた卵1000aを産む擬似連予告演出が実行される。そして、図31のタイミング(3)および図33(h)に示すように、2回目の擬似連図柄の仮停止表示が行われる。そして、図31のタイミング(3)後に示すように、2回目の擬似連変動が実行される。
そして、3回目の擬似連予告演出を実行するタイミングになったとき、例えば、図31のタイミング(4)で実行される3回目の擬似連図柄の仮停止表示よりも所定時間前(例えば2秒前)に、図33(i)に示すように、ウミガメ1000が「NEXT」の文字が書かれた卵1000aを産む擬似連予告演出が実行される。そして、図31のタイミング(4)および図33(j)に示すように、3回目の擬似連図柄の仮停止表示が行われる。そして、図31のタイミング(4)後および図33(k)に示すように、3回目の擬似連変動が実行される。
このように、擬似連予告演出が実行される数だけ擬似連変動(擬似連図柄の仮停止表示)が実行されることになるため、遊技者は、擬似連予告演出ができるだけ多く実行されること、すなわち、ウミガメ1000ができるだけ多くの卵を産むことを期待する。
そして、図31のタイミング(5)および図33(l)に示すように、最後の擬似連変動が実行された後に「左」図柄表示エリアに演出図柄が停止するタイミングで、ウミガメ1000が「熱い」の台詞1000bを発する第2態様の期待度予告演出が実行される。この実施の形態では、図34(m)(n)に示すように、期待度予告演出終了後もキャラクタが発した台詞が引き続き表示される。これによれば、遊技者は、期待度予告演出が実行されたこと、および、第1態様または第2態様のいずれの態様で実行されたのかを把握することができる。
期待度予告演出においてキャラクタが発した台詞は、全ての期待度予告演出が終了するまで、この実施の形態ではキャラクタが移動経路の終点である旗1001に到達するまで表示されることになるため、遊技者は、表示結果が大当りとなる可能性をキャラクタの移動が継続されている期間は確認することができる。
一方、前述した擬似連予告演出は、実行される回数が多いほど信頼度が高くなるキャラクタ予告演出であるが、遊技者にとってみれば、あくまで擬似連変動が実行される可能性を示唆する演出であるため、擬似連図柄の仮停止表示以降は、その履歴は残さないようにしている。すなわち、擬似連変動が実行されることに基づいてキャラクタが産んだ卵は表示されなくなる。後述する発展予告演出に関しても、同様に、実行される場合には信頼度が高くなるキャラクタ予告演出であるが、遊技者にとってみれば、あくまでスーパーリーチに発展する可能性を示唆する演出であるため、スーパーリーチに発展以降は、その履歴は残さないようにしている。すなわち、スーパーリーチに発展することに基づいてキャラクタが発した台詞は表示されなくなる。
このように、キャラクタ予告演出が、他の予告演出(擬似連変動やスーパーリーチ)が実行されること、あるいは他の予告演出の実行可能性を示唆するものである場合には、当該他の予告演出が実行されるか否かを遊技者が把握可能となるタイミングにおいて、キャラクタ予告演出の履歴が残らないようにしている。これにより、キャラクタ予告演出の履歴が過度に増えてしまい、画面が見づらくなってしまったり遊技者が混乱してしまう事態を防止するようにしている。一方で、期待度予告演出に関しては、遊技者にとって、他の予告演出(擬似連変動やスーパーリーチ)が実行されること、あるいは他の予告演出の実行可能性を示唆するものではなく、表示結果が大当りとなる可能性を示唆するものであるため、可能な限り表示結果が導出表示されるタイミング近くまで(この例では、ウミガメ1000が旗1001に到達するまで)履歴を残すようにしている。
そして、図31のタイミング(6)および図34(m)に示すように、「左」図柄表示エリアと「右」図柄表示エリアに共通の演出図柄が停止してリーチ状態が成立したタイミングで、ウミガメ1000が「発展!」の台詞1000cを発する第2態様の発展予告演出が実行される。なお、リーチ状態成立時には、「リーチ!」の文字2100が表示されるリーチ演出が実行される。そして、図31のタイミング(7)前および図34(n)に示すように、最後のキャラクタ予告演出が実行されたことに伴い、その所定時間後(例えば2秒後)に、ウミガメ1000が移動経路の終点である旗1001に到着してキャラクタの移動が終了する。これに伴い、キャラクタ予告演出に係る画像であるウミガメ1000、旗1001、および台詞1000bが画面から消去される。
そして、図31のタイミング(7)および図34(o)に示すように、リーチ演出の演出態様が、味方2000と敵2500のキャラクタがバトルを行って勝敗を決するバトル演出を伴うスーパーリーチに発展する。なお、スーパーリーチ発展時には、「バトル開始!!」の文字2200が表示される。次いで、図31のタイミング(7)後および図34(p)に示すように、バトル演出が開始されて、味方2000と敵2500とがバトルを行う。そして、図34(q)に示すように、味方2000が敵2500に勝利する勝利演出が実行される。なお、勝利演出では「勝利!!」の文字2300が表示される。この勝利演出に伴い、図31のタイミング(8)および図34(r)に示すように、最終停止図柄として大当り図柄(この例では「777」)が導出表示される。
このように、この実施の形態では、バトル演出の開始(スーパーリーチへの発展)よりも前にキャラクタ予告演出が全て終了するように、キャラクタ予告演出の実行タイミングが決定されている。すなわち、大当りとなるか否かを遊技者に示唆する演出であって、遊技者が最も注目すべき演出であるバトル演出が実行される場合には、遊技者がそのバトル演出に集中できるようにキャラクタ予告演出を実行させないようにしている。また、キャラクタ予告演出に係る画像を消去することにより、遊技者がキャラクタ予告演出が実行されないことを把握して、バトル演出に集中することができる。このように、大当りが発生するか否かを示唆する特別演出(バトル演出)が実行されるよりも前に、全てのキャラクタ予告演出が終了するように、キャラクタ予告演出の実行タイミングを決定するようにすると良い。
[2.第2実施形態]
次に第2実施形態に係る遊技機について、第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態においては、先読み予告演出の1態様として、キャラクタ予告演出が実行される。先読み予告演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示の表示結果が大当りとなることや表示態様が特定の表示態様(例えばリーチ)となることを予告する予告演出のことである。第2実施形態に係るキャラクタ予告演出の種別は、始動入賞時に先読み予告演出(キャラクタ予告演出)のターゲットとすると決定された保留表示について、その表示態様を変化させる変化予告演出のみであり、他の種別は含まないものとする。
図35は、図17に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。第2実施形態の演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、先読み予告演出処理を実行する(S800A)。先読み予告演出処理では、キャラクタ予告演出の実行の有無や実行する場合の態様を決定するとともに、キャラクタ予告演出の実行を制御する。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。
ここで、この実施の形態では、キャラクタ予告演出や保留表示領域18cにおける保留表示に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されておらず、演出制御用CPU101により作成され、VRAMの所定領域に書き込まれる。VDP109は、キャラクタ予告演出や保留表示領域18cにおける保留表示に関わる所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像および演出図柄、ならびにキャラクタ予告演出に係る画像および保留表示が表示される。
図36は、先読み予告演出処理(S800A)を示すフローチャートである。先読み予告演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、キャラクタが移動中であることを示す移動中フラグがセットされているか否かを確認する(S1000)。なお、移動中中フラグは、後述するキャラクタ移動開始処理のS1111でセットされる。移動中フラグがセットされていれば(S1000でY)、後述するキャラクタ移動継続処理を実行した後(S1020)、S1001に移行する。
移動中フラグがセットされていなければ(S1000でN)、演出制御用CPU101は、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(S1001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動予定パターンコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、キャラクタ予告演出に係るキャラクタが移動中であることを示す移動中フラグがセットされているか否かを確認する(S1002)。移動中フラグがセットされていれば(S1002でY)、演出制御用CPU101は、保留表示領域18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常表示態様で表示する(S1030)。この実施の形態では、通常表示態様は、図38(a)に示すような丸型の表示態様である。例えば、保留表示領域18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を通常表示態様で表示するように制御する。
移動中フラグがセットされていなければ(S1002でN)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S1003)。合算保留記憶数が3未満であれば(S1003でN)、S1030に移行する。一方、合算保留記憶数が3以上であれば(S1003でY)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている過去の変動予定パターンコマンド(今回受信した最新の変動予定パターンコマンドを除く他の変動予定パターンコマンド)を全て抽出し、抽出した変動予定パターンコマンドが全て「非リーチハズレ」を示す変動予定パターンコマンドであるか否かを確認する(S1004)。すなわち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する。
S1004において、抽出した変動予定パターンコマンドのいずれかが「非リーチハズレ」を示すものでない場合には(S1004でN)、S1030に移行する。一方、S1004において抽出した変動予定パターンコマンドが全て「非リーチハズレ」を示す場合には(S1004でY)、演出制御用CPU101は、S1005に移行する。S1005では、演出制御用CPU101は、変化予告演出を実行するか否か及び変化予告演出を実行する場合の実行回数を決定するための乱数を、RAMに形成されている所定の格納領域から抽出して、図37に示す変化予告演出実行回数決定テーブルにもとづいて、変化予告演出を実行するか否か及び変化予告演出を実行する場合の実行回数を決定する。変化予告演出とは、図45(c)(d)等に示されるように、キャラクタが「変化」の台詞1000dを発した後に、ターゲットの保留表示の表示態様が変化する演出である。
具体的には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の図柄指定コマンド(今回受信した図柄指定コマンド)を抽出して、その図柄指定コマンドがはずれを指定するコマンド(図柄1指定)であるか又は大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を指定するコマンド(図柄2〜4指定)であるかを確認する。そして、図37の変化予告演出実行回数決定テーブルに示されるように、始動入賞時の判定結果が「はずれ」であった場合には、80%の割合で変化予告演出を実行しないことに決定し、15%の割合で変化予告演出を1回実行することに決定し、4%の割合で変化予告演出を2回実行することに決定し、1%の割合で変化予告演出を3回実行することに決定する。一方、始動入賞時の判定結果が「大当り」であった場合には、15%の割合で変化予告演出を実行しないことに決定し、20%の割合で変化予告演出を1回実行することに決定し、25%の割合で変化予告演出を2回実行することに決定し、40%の割合で変化予告演出を3回実行することに決定する。
ここで、この実施の形態では、変化予告演出が実行されると決定されたことに基づいて、その変化予告演出のターゲットとなる保留表示が、図38(b)に示す二重丸型の特殊表示態様で表示されることになる。このように、通常態様とは異なる特殊表示態様で表示されることにより、遊技者は、変化予告演出のターゲットとなる保留表示を把握可能となる。また、1回目の変化予告演出が実行されると、保留表示の表示態様が、図38(b)に示す二重丸型の特殊表示態様から図38(c)に示すウミガメの甲羅を模した第1特別表示態様に変化する。また、2回目の変化予告演出が実行されると、保留表示の表示態様が、図38(c)に示す第1特別表示態様から図38(d)に示すウミガメの甲羅と頭部とを模した第2特別表示態様に変化する。また、3回目の変化予告演出が実行されると、保留表示の表示態様が、図38(d)に示す第2特別表示態様から図38(e)に示すウミガメの甲羅と頭部および手足を模した第3特別表示態様に変化する。このように、変化予告演出の実行回数に応じて保留表示の最終表示態様が決定される。
この実施の形態では、変化予告演出の信頼度に関して、[変化予告演出が3回実行される場合>変化予告演出が2回実行される場合>変化予告演出が1回実行される場合>変化予告演出が実行されない場合]の関係が成立する。これに伴い、保留表示の表示態様の信頼度に関して、[第3特別表示態様>第2特別表示態様>第1特別表示態様>通常表示態様]の関係が成立する。従って、遊技者は、できるだけ多くの変化予告演出が実行されることを期待するようになる。
なお、この実施の形態では、キャラクタが移動中である場合には、移動中フラグがセットされていることにより、新たな変化予告演出が実行されないようにしているが、このような構成に限らず、キャラクタが移動中である場合にも、新たな変化予告演出を実行可能としても良い。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合にのみ、変化予告演出を実行可能としているが、このような構成に限らず、合算保留記憶数によらず変化予告演出を実行可能としても良い。
また、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した始動入賞時コマンド(図柄指定コマンドや変動予定パターンコマンド)にもとづいて変化予告演出を実行しないように構成されているが、このような構成に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した始動入賞時コマンドにもとづいて変化予告演出を実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている図柄指定コマンドに基づいて、変化予告演出を実行するか否か及び変化予告演出を実行する場合の実行回数を決定するようにしているが、これに限らず、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変動予定パターンコマンドに基づいて、変化予告演出を実行するか否か及び変化予告演出を実行する場合の実行回数を決定するようにしても良い。例えば、非リーチはずれの場合よりもスーパーリーチはずれの場合の方が、変化予告演出が実行される割合が高くなるように決定してもよく、ノーマルリーチの場合よりもスーパーリーチの場合の方が、変化予告演出が実行される回数が多くなるように決定するようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、変化予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(S1006)。変化予告演出を実行することに決定した場合には(S1006でY)、新たな保留表示を特殊表示態様で表示する(S1007)。この特殊表示態様で表示された保留表示が、変化予告演出の対象となる。本例では、変化予告演出の対象となる保留表示を「ターゲットの保留表示」と称する場合がある。次いで、演出制御用CPU101は、後述するキャラクタ移動開始処理に移行する(S1008)。一方、変化予告演出を実行することに決定しなかった場合には(S1006でN)、演出制御用CPU101は、S1030に移行する。
図39は、キャラクタ移動開始処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、決定された変化予告演出の実行回数にもとづいて、出現させるキャラクタの移動速度を決定する(S1102)。具体的には、演出制御用CPU101は、図40の移動速度決定テーブルを用いて、実行される変化予告演出の数が多いほど、キャラクタの移動速度が遅くなるように、キャラクタの移動速度を決定する。ここで、変化予告演出の実行回数が0である場合には、キャラクタを出現させないことに決定し、変化予告演出の実行回数が1である場合には、キャラクタの移動速度を60画素/秒に決定し、変化予告演出の実行回数が2である場合には、キャラクタの移動速度を40画素/秒に決定し、変化予告演出の実行回数が3である場合には、キャラクタの移動速度を20画素/秒に決定する。
このように、実行される変化予告演出の数が多いほど、キャラクタの移動速度が遅く設定されることにより、遊技者は、出現したキャラクタの移動速度によって、ターゲットの保留表示に対応した変動表示が開始されるまでの期間において実行される変化予告演出の数をおおまかに予測することができるようになる。また、この実施の形態では、キャラクタの移動速度が遅いほど多くの変化予告演出が実行されることを期待できるため、遊技者はキャラクタの移動速度に興味を抱き、移動速度ができるだけ遅いことを期待するようになる。
次いで、演出制御用CPU101は、キャラクタの移動速度にもとづいて、出現させるキャラクタの種別を決定する(S1103)。具体的には、演出制御用CPU101は、図41のキャラクタ決定テーブルを用いて、キャラクタの移動速度に応じて、キャラクタ種別を決定する。ここで、キャラクタの移動速度が60画素/秒である場合には、100%の割合でツバメのキャラクタを出現させることに決定する。また、キャラクタの移動速度が40画素/秒である場合には、50%の割合でウミガメのキャラクタを出現させることに決定し、50%の割合でツバメのキャラクタを出現させることに決定する。また、キャラクタの移動速度が20画素/秒である場合には、100%の割合でウミガメのキャラクタを出現させることに決定する。
このように、キャラクタの移動速度が速いほど(実行される変化予告演出の数が少ないほど)、ツバメのキャラクタが出現し易くなり、キャラクタの移動速度が遅いほど(実行される変化予告演出の数が多いほど)、ウミガメのキャラクタが出現し易くなるように設定されている。これにより、遊技者は、出現するキャラクタの種別に注目するようになり、興趣を向上させることができる。この実施の形態では、遊技者は、ウミガメのキャラクタが出現することを期待するようになる。
演出制御用CPU101は、前述したように変動予定パターンコマンドに関連付けて、変動予定パターンコマンドにより指定される変動パターンの変動時間を記憶している。したがって、演出制御用CPU101は、始動入賞のタイミング(ターゲットの保留表示を表示させるタイミング)から当該始動入賞に対応した変動表示が開始されるまで(ターゲットの保留表示に対応した変動表示が開始されるまで)の残り時間(T)を、始動入賞時に実行されている変動表示の残り変動時間と、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変動予定パターンコマンドに基づいて算出することが可能である(S1104)。
(1)具体的には、S1104において、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値を参照し、実行されている変動表示の残り変動時間を特定する。(2)また、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている過去の変動予定パターンコマンド(今回受信した最新の変動予定パターンコマンドを除く他の変動予定パターンコマンド)を全て抽出し、抽出した変動予定パターンコマンドに対応した変動時間を合計した合計時間を算出する。例えば、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4に変動予定パターンコマンドが格納されている場合には、格納領域1〜3までの変動予定パターンコマンドを抽出し、抽出した3つの変動予定パターンコマンド各々に関連付けて記憶している変動時間を特定し、特定した3つの変動時間の合計時間を算出する。(3)さらに、この実施形態においては、特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されてから一定期間(図柄確定停止期間と称する)は次の変動表示が開始されずに、表示結果が表示されている状態が維持される。この図柄確定停止期間は、例えば0.6秒である。始動入賞のタイミングから当該始動入賞に対応した変動表示が開始されるまでの期間には、始動入賞時に実行されている変動表示を含めた当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示の図柄確定停止期間、すなわち合算保留記憶数分の図柄確定停止期間が存在することになる。この図柄確定停止期間も残り時間(T)の計算において考慮するものとする。
そして、(1)〜(3)の合計時間を、予め定められたタイミング(ターゲットの保留表示に対応した変動表示が開始されるタイミング)までの残り時間(T)として算出する。例えば、S1104において、実行されている変動表示の残り変動時間が5秒であり、合算保留記憶数が4であり、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜3に格納されている変動予定パターンコマンドが指定する変動パターンが全て非リーチPA1−1(特別図柄変動時間が8秒)である場合には、残り時間(T)は、5+(8×3)+(0.6×4)=31.4秒となる。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時に算出した残り時間(T)に対応させて(残り時間(T)の範囲内で)、各変化予告演出の実行タイミングを決定する(S1105)。例えば、変化予告演出が実行されるタイミングは、始動入賞時から××秒のときに、×回目の変化予告演出を実行するといった情報により記憶される。例えば、始動入賞時から6秒後のタイミングで1回目の変化予告演出を実行すると決定し、始動入賞時から14秒後のタイミングで2回目の変化予告演出を実行すると決定し、始動入賞時から22秒後のタイミングで3回目の変化予告演出を実行すると決定する。
なお、このような決定方法に限らず、保留表示領域18cにおける保留表示のシフトにもとづく所定のタイミングで変化予告演出を実行するようにしても良い。例えば、1回目の保留表示のシフトから所定時間後(例えば2秒後)に1回目の変化予告演出を実行し、2回目の保留表示のシフトから所定時間後(例えば2秒後)に2回目の変化予告演出を実行し、3回目の保留表示のシフトから所定時間後(例えば2秒後)に3回目の変化予告演出を実行するように決定しても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、最後に実行される変化予告演出の実行タイミングと、S1102で決定されたキャラクタの移動速度とに基づいて、キャラクタの移動距離を算出する(S1106)。この実施の形態では、特殊表示態様の保留表示が表示されるときにキャラクタが出現するようになっている(すなわち始動入賞からほぼ0秒のタイミングでキャラクタが出現するようになっている)。例えば、S1105で決定された最後の変化予告演出の実行タイミングに基づいて、始動入賞時からY秒後のタイミングで最後の変化告演出が実行され、その4秒後にキャラクタが移動経路の終点に到着してキャラクタの移動が終了するとした場合、キャラクタの移動速度をVとすると、移動距離は、V×(Y+4)によって算出される。
なお、この実施の形態では、始動入賞とほぼ同時のタイミングでキャラクタが出現して移動を開始するようにしているが、キャラクタが移動を開始するタイミングを始動入賞から所定時間(たとえばt秒)経過したタイミングとしたときには、始動入賞からY秒後のタイミングで最後の変化告演出が実行され、その4秒後にキャラクタが移動経路の終点に到着してキャラクタの移動が終了するとした場合、キャラクタの移動速度をVとすると、移動距離は、V×(Y−t+4)によって算出される。
次いで、演出制御用CPU101は、第1実施形態と同様に、算出した移動距離に応じた移動経路を設定する(S1107)。そして最後の変化予告演出の実行タイミングに基づいて、キャラクタの移動期間(t)を決定する(S1108)。例えば、S1105で決定された最後の変化予告演出の実行タイミングに基づいて、始動入賞時からY秒後のタイミングで最後の変化告演出が実行され、その4秒後にキャラクタが移動経路の終点に到着してキャラクタの移動が終了するとした場合、キャラクタの移動期間は、Y+4となる。なお、S1108の処理をS1106より前に実行するようにしても良く、この場合には、キャラクタの移動速度V×キャラクタの移動期間tによりキャラクタの移動距離を算出することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、S1108で決定されたキャラクタの移動期間(t)に相当する値を、演出タイマにセットする(S1109)。ここで、S1105で決定された各変化予告演出の実行タイミング(始動入賞時から××秒のときに実行)を、演出タイマの値に対応させる(演出タイマの値が××のときに実行)。これにより、演出タイマの値と各変化予告演出の実行タイミングとが関連づけられ、例えば、演出タイマの値が××のタイミングで×回目の変化予告演出が実行されるという情報(具体例:演出タイマの値がタイムアウトまで15秒のタイミングで1回目の変化予告演出が実行され、10秒のタイミングで2回目の変化予告演出が実行され、5秒のタイミングで3回目の変化予告演出が実行されるという情報)が記憶される。
次いで、演出制御用CPU101は、S1103で決定されたキャラクタを、S1107で決定された移動経路の始点に表示するとともに、移動経路の終点に旗1001の画像を表示する(S1110)。そして、演出制御用CPU101は、キャラクタが移動中であることを示す移動中フラグをセットし(S1111)、ターゲットカウンタに合算保留記憶数の値をセットして(S1112)、処理を終了する。なお、ターゲットカウンタの値は、後述する演出図柄変動開始処理において、保留表示領域18cにおける保留表示がシフトするタイミングで減算される。演出制御用CPU101は、ターゲットカウンタの値によってターゲットとなる保留表示を特定可能となっている。
図42は、キャラクタ移動継続処理を示すフローチャートである。キャラクタ移動継続処理は、前述したように、移動中フラグがセットされているときに実行される。まず、演出制御用CPU101は、演出タイマ値を減算し(S1201)、減算後の演出タイマ値が0になったか否か(タイムアウトしたか否か)、すなわち、キャラクタの移動を終了させるタイミングであるか否かを判定する(S1202)。演出タイマがタイムアウトしていなければ(S1202でN)、演出制御用CPU101は、キャラクタを決定された移動速度で移動させ(S1203)、演出タイマの値を参照して変化予告演出を実行するタイミングであるか否かを確認する(S1204)。変化予告演出の実行タイミングでなければ(S1204でN)、処理を終了する。変化予告演出の実行タイミングであれば(S1204でY)、演出タイマの値に応じた変化予告演出を実行する(S1205)。すなわち、キャラクタが「変化」の台詞1000dを発するタイミングであれば、「変化」の台詞1000dをキャラクタの近傍に表示し、ターゲットの保留表示を変化させるタイミングであれば、ターゲットの保留表示を1段階変化させる。なお、ターゲットの保留表示が1段階変化したときには、「変化」の台詞1000dは消去する。
一方、S1202で演出タイマがタイムアウトしている場合には、すなわちキャラクタの移動を終了させるタイミングであれば(S1202でY)、演出制御用CPU101は、キャラクタの移動を終了させるとともに(S1210)、移動中フラグをリセットして(S1211)、処理を終了する。なお、この実施の形態では、キャラクタの移動を終了させるタイミングで、キャラクタおよび旗1001を画面から消去するものとする。
図43は、第2実施形態に係る演出図柄変動開始処理を示す図である。第1実施形態と異なる点は、キャラクタ予告演出決定処理(S2003)を実行せずに、ターゲットカウンタの値を1減算する処理を実行する部分である(S2003A)。なお、第2実施形態におけるS2010では、キャラクタ予告演出に応じたプロセステーブルは選択されない。
次に、変化予告演出の具体例について図44〜図47を参照して説明する。図44は、変化予告演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。図45〜図47は、変化予告演出が実行されるときの演出表示装置9に表示される演出画像の例である。
図44のタイミング(1)前および図45(a)に示すように、合算保留記憶数が2であり、保留表示領域18cに2つの通常表示態様の保留表示が表示されている状態で変動表示が実行されているものとする。この状態において、図44(1)に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生して、合算保留記憶数が3となったものとする。そして、始動入賞時の判定で大当りとなる(図柄指定コマンドが大当り指定)と判定され、且つ変化演出が3回実行される(保留表示の最終表示態様が第3特別表示態様となる)ことが決定されたものとする。そして、変化予告演出を実行することに決定されたことに基づいて、キャラクタの移動速度、キャラクタ種別、および、キャラクタの移動経路が決定され、図45(b)に示すように、移動経路の始点に決定されたキャラクタ(この例ではウミガメ1000とする)が表示され、移動経路の終点に「GOAL」の文字が書かれた旗1001の画像が表示される。また、保留表示領域には、新たな保留表示(ターゲットの保留表示)が特殊表示態様で表示される。
ここで、前述したように移動速度が遅い場合には、ウミガメ1000のキャラクタが選択される割合が高くなり、移動速度が速い場合には、ツバメのキャラクタが選択される割合が高くなるように設定されている。そのため、遊技者は、ウミガメ1000のキャラクタが出現することを期待する。このように、移動速度に応じて選択されるキャラクタの割合を異ならせることにより、遊技者は、いずれの種別のキャラクタが出現するかに関心を抱くようになり、興趣を向上させることができる。
ウミガメ1000は、出現したタイミングから、決定された移動速度(例えば20画素/秒)で旗1001に向けて移動を開始する。この実施の形態では、実行される変化予告演出の数に応じてキャラクタの移動速度が決定されるため、遊技者は、ウミガメ1000の移動速度を把握して、ターゲットの保留表示に対応した変動表示が開始されるまでに実行される変化予告演出の数を予測することができる。すなわち、ウミガメ1000の移動速度に遊技者の興味を引きつけて興趣を向上させることができる。
そして、1回目の変化予告演出の実行タイミングとなったときには、図44のタイミング(2)前および図45(c)に示すように、ウミガメ1000が「変化」の台詞1000dを発する。これに伴い、図44のタイミング(2)および図45(d)に示すように、ターゲットの保留表示の表示態様が、特殊表示態様から第1特別表示態様に1段階変化する。そして、図45(e)に示すように、変動表示が終了して、はずれ図柄(この例では「362」)が導出表示されたものとする。
そして、図44のタイミング(3)および図45(f)に示すように、次の変動表示の開始に伴い、合算保留記憶数が2になり、保留表示領域18cの保留表示が各々左にシフトされる。
そして、2回目の変化予告演出の実行タイミングとなったときには、図44のタイミング(4)前および図46(g)に示すように、ウミガメ1000が「変化」の台詞1000dを発する。これに伴い、図44のタイミング(4)および図46(h)に示すように、ターゲットの保留表示の表示態様が、第1特別表示態様から第2特別表示態様に1段階変化する。そして、図46(i)に示すように、変動表示が終了して、はずれ図柄(この例では「298」)が導出表示されたものとする。
そして、図44のタイミング(5)および図46(j)に示すように、次の変動表示の開始に伴い、合算保留記憶数が1になり、保留表示領域18cの保留表示が各々左にシフトされる。
そして、3回目の変化予告演出の実行タイミングとなったときには、図44のタイミング(6)前および図46(k)に示すように、ウミガメ1000が「変化」の台詞1000dを発する。これに伴い、図44のタイミング(6)および図46(l)に示すように、ターゲットの保留表示の表示態様が、第2特別表示態様から第3特別表示態様に1段階変化する。そして、図44の(6)後および図47(m)に示すように、3回目の変化予告演出が終了した後にウミガメ1000が移動経路の終点である旗1001に到達する。ウミガメ1000の移動が終了したことに伴い、ウミガメ1000および旗1001の画像が消去される。そして、図47(n)に示すように、変動表示が終了して、はずれ図柄(この例では「573」)が導出表示されたものとする。
そして、図44のタイミング(7)および図47(o)に示すように、次の変動表示(ターゲットの保留表示に対応した変動表示)の開始に伴い、合算保留記憶数が0になり、保留表示領域18cの保留表示が各々左にシフトされる。そして、図47(p)に示すように、「左」図柄表示エリアと「右」図柄表示エリアに共通の演出図柄が停止してリーチ状態が成立したものとする。なお、リーチ状態成立時には、「リーチ!」の文字2100が表示されるリーチ演出が実行される。そして、図47(q)に示すように、最終停止図柄として大当り図柄(この例では「777」)が導出表示される。
[3.変形例]
最後に上記実施の形態以外の変形例を示す。
上記の実施形態では、移動経路の終点(キャラクタゴール位置)を固定位置(画面左下)とし、移動距離に応じて始点(キャラクタ出現位置)が決定される例について説明したが、これに限らず、移動経路の始点(キャラクタ出現位置)を固定位置(例えば画面右上)とし、移動距離に応じて終点(キャラクタゴール位置)が決定されるようにしても良い。また、このように始点を固定位置とする場合には、キャラクタの出現当初は移動経路の終点を表示せず、キャラクタの移動距離を遊技者が直ちに把握できないようにしても良い。これによれば、キャラクタ予告演出を実行可能な残り期間が把握し難くなり、興趣を向上させることができる。また、このように始点を固定位置とする場合には、キャラクタの出現当初に表示していた終点の位置を、キャラクタの移動に伴って移動させるようにしても良い。これによれば、キャラクタ予告演出を実行可能な残り期間が把握し難くなり、また、遊技者にとっては、その残り期間があたかも延長されているかのように見えるため、興趣を向上させることができる。
上記の実施形態では、キャラクタが出現すると直ちに移動を開始する例について説明したが、これに限らず、キャラクタ出現後に所定期間経過してから移動を開始するようにしても良い。また、上記の第1実施形態では、変動表示が開始されたタイミングでキャラクタが移動を開始する例について説明したが、これに限らず、変動表示が開始されてから所定期間経過後にキャラクタが移動を開始するようにしても良い。また、上記の第2実施形態では、始動入賞のタイミングでキャラクタが移動を開始する例について説明したが、これに限らず、始動入賞から所定期間経過後にキャラクタが移動を開始するようにしても良く、例えば、保留表示がシフトするタイミングで移動を開始するようにしても良い。
上記の実施形態では、変動パターンコマンドが指定する変動パターンに応じた擬似連図柄の停止タイミングや、「左」図柄表示エリアに演出図柄を停止させるタイミング、リーチ状態を成立させるタイミング等が予め決定されている例について説明したが、これに限らず、これらのタイミングは、変動パターンコマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定するようにしても良い。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100において、擬似連図柄の停止タイミングや、「左」図柄表示エリアに演出図柄を停止させるタイミング、リーチ状態を成立させるタイミングに対応させて、各キャラクタ予告演出の実行タイミングを決定するようにすると良い。
上記の実施形態では、キャラクタの移動経路が、キャラクタの移動距離のみにもとづいて決定される例について説明したが、これに限らず、同じ移動距離であっても複数の移動経路の中からいずれかの移動経路が選択されるようにしても良い。例えば、複数の移動経路の中から遊技状態に応じて特定の移動経路を選択するようにしても良く、低確率状態のときには表示画面の対角線に沿った移動経路を選択可能であるが、高確率状態においては、表示画面の底辺に沿った移動経路のみを選択可能としても良い。これによれば、遊技者の興味を引きつける演出が高い頻度で行われる期間(例えば、大当りが発生しやすい高確率状態に制御されている期間)は、その演出をキャラクタによって邪魔しないようにすることができる。
上記の実施形態において、キャラクタ予告演出として、信頼度を数値で示唆するような演出を実行するようにしても良い。例えば、擬似連変動の実行回数が多いほど、信頼度が高くなる構成としている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、擬似連変動が1回実行される場合の信頼度と、擬似連変動が2回実行される場合の信頼度と、擬似連変動が3回実行される場合の信頼度とを記憶しておき、1回目の擬似連変動が実行されたときにその信頼度を表示し(例えば「信頼度5%」)、2回目の擬似連変動が実行されたときに、1回目の擬似連変動との信頼度の差分を表示し(例えば「信頼度10%アップ」)、3回目の擬似連変動が実行されたときに、2回目の擬似連変動との信頼度の差分を表示する(例えば「信頼度15%アップ」)ようにしても良い。これらの情報をキャラクタの移動が終了するまで消去せずに履歴として残しておくことで、遊技者は、最終的な信頼度(例えば残された履歴にもとづく信頼度が「30%」であること)を確認することができるようになり、興趣を向上させることができる。
上記の第2実施形態では、キャラクタ予告演出のターゲットとなった保留表示に対応した変動表示が開始されるよりも前に、キャラクタ予告演出が終了する例について説明したが、これに限らず、ターゲットとなった保留表示に対応した変動表示が開始された後も、キャラクタ予告演出が継続されるようにしても良い。例えば、始動入賞時において、変化予告演出の実行回数と、そのターゲットとなった保留表示に対応した変動表示において実行されるキャラクタ予告演出(擬似連予告演出,期待度予告演出,発展予告演出)の実行回数とを合算した合計実行回数を決定し、その合計実行回数に基づいてキャラクタの移動速度を決定するとともに、キャラクタ予告演出の実行タイミングに基づいて移動距離を算出して移動経路を決定するようにしても良い。これにより、始動入賞時に出現したキャラクタが移動を開始し、その移動に伴い先ず変化予告演出が決定回数分実行され、変化予告演出のターゲットとなった保留表示に対応した変動表示が開始された後も、キャラクタが移動を継続し、その移動に伴いキャラクタ予告演出(擬似連予告演出,期待度予告演出,発展予告演出)が決定回数分実行されることになる。
上記の第2実施形態では、キャラクタ予告演出の種別が変化予告演出のみである例について説明したが、これに限らず、第1実施形態と同様に、期待度予告演出等の他のキャラクタ予告演出を実行するようにしても良い。
上記の第2実施形態では、キャラクタ予告演出として、キャラクタが「変化」という台詞を発した後にターゲットの保留表示の表示態様が1段階変化する変化予告演出を例に挙げ、始動入賞時の判定結果に応じてその変化予告演出の実行回数を決定する例について説明したが、このような形態に限らず、変化予告演出は、キャラクタが保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出のみによって構成されるようにしても良い。例えば、先ず始動入賞時の判定結果に応じて保留表示の最終表示態様(または保留表示の表示態様を変化させる回数)および保留表示の表示態様を変化させるタイミングを決定し、その後、保留表示の最終表示態様(または保留表示の表示態様を変化させる回数)に応じてキャラクタが台詞を発する回数を決定し、さらに保留表示の表示態様を変化させるタイミングに対応させて、キャラクタが台詞を発するタイミングを決定するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。