以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示している。例えば、演出表示装置9で行われる演出として、後述するように、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される。バトル演出は、リーチ状態において、その変動表示結果が大当り図柄となるか否かを示唆する演出であり、大当り判定がされているときには味方キャラが勝利する演出を実行し、はずれ判定がされているときには味方キャラが敗北する演出を実行する。これに限らず、例えば、プロレスやサッカーの試合の勝敗により大当りとなるか否かを示唆するようにしても良い。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定がされているかはずれ判定がされているかに応じてストーリーの結果を異ならせるような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動表示は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第1開始条件(例えば、後述する図14(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第1」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。この実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順序に従って行われる。
第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第2開始条件(例えば、後述する図14(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第2」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第2始動入賞口14への有効始動入賞とは、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第2始動入賞口14への入賞である。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第1始動入賞口13への有効始動入賞とは、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第1始動入賞口13への入賞である。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、この実施の形態では、演出表示装置9の遊技者から見て左側から順に、第1始動入賞口13への有効始動入賞および第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生する毎に、新たな保留記憶に対応する保留表示を表示する。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を表示するように制御する。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。具体的には、普通図柄の変動表示は、普通図柄の変動表示の実行条件である普通始動条件が成立(例えば、普通図柄保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生)した後、普通図柄の変動表示の開始条件(例えば、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、可変入賞球装置15の開放制御が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が終了すると停止図柄として当り図柄(例えば図柄「7」)又ははずれ図柄(例えば図柄「−」)が導出表示される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄(例えば図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。ここで普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数を表示するものである。普通図柄保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生する毎に、該普通図柄保留記憶数が1加算され(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1増やし)、普通図柄の変動表示が開始される毎に、該普通図柄保留記憶数が1減算される(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1減らす)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第1開始条件が成立したときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第2開始条件が成立したときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態において、低ベース状態とは、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなるように制御されていない遊技状態であり、高ベース状態とは、低ベース状態よりも遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる(第2特別図柄表示器8bにおける変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。
この実施の形態において、低確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として低確率状態時の判定値(高確率状態時の判定値よりも狭い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められていない状態をいう。高確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として高確率状態時の判定値(低確率状態よりも広い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められている状態をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示を開始するときに、その表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する大当り判定処理を行う。また、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定した場合には、表示結果を確変大当り図柄とするか若しくは突然確変大当り図柄とするか、又は通常大当り図柄とするかをさらに判定する。即ち、大当り種別を確変大当りとするか若しくは突然確変大当りとするか、又は通常大当りとするかを決定する。
例えば、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄としない(はずれ図柄にする)と判定された場合には「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定された場合には、決定された大当り種別に応じて、確変大当りの場合には「7」、通常大当りの場合には「3」、突然確変大当りの場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
特別図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を高確率/高ベース状態に移行し、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率/高ベース状態が継続される。また、特別図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、特別図柄の変動表示が100回実行されるか又は次回の大当り遊技状態が開始されるまで低確率/高ベース状態が継続される。大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、その後に大当り遊技状態が開始されること無く特別図柄の変動表示が100回実行された場合には、その後の遊技状態は低確率/低ベース状態となる。
この実施の形態においては、遊技状態として、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、および低確率/高ベース状態が存在する。以下の説明において低確率/低ベース状態を通常状態と称する場合がある。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動表示を開始するときに、ゲート32を遊技球が通過したときに抽出された当り判定用乱数を用いた当り判定を実行する。該当り判定において当りとすると判定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果として当り図柄が導出表示され、該当り判定において当りとしない(はずれとする)と決定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときに所定割合(例えば2/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は所定時間(例えば10秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、所定期間の開放制御(例えば0.5秒×1回の合計0.5秒の開放制御)が実行される。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときに前記所定割合よりも高い割合(例えば11/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は前記所定時間よりも短い時間(例えば1秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、前記所定期間よりも長い開放制御(例えば2.5秒×2回の合計5秒の開放制御)が実行される。
このように、高ベース状態においては、普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄短縮変動制御、普通図柄の変動表示結果が当り図柄となる確率が高められる普通図柄確変制御、および普通図柄の変動表示結果が当り図柄となったことに基づいて可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される開放延長制御が行われる。さらに特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御も行われる。高ベース状態においてこれらの4つの制御が実行されることで、第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる。
即ち、普通図柄短縮変動制御によって、普通図柄の変動時間が短縮される(例えば普通図柄短縮変動制御が実行されない場合の変動時間が10秒であるのに対し、普通図柄短縮変動制御が実行された場合の変動時間が1秒になる)ことで、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなり、可変入賞球装置15が開状態となる割合も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、普通図柄確変制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる(例えば普通図柄確変制御が実行されない場合の確率が2/13であるのに対し、普通図柄確変制御が実行された場合の確率が11/13になる)ことで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、開放延長制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になった場合の可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される(例えば開放延長制御が実行されない場合の開放時間が0.5秒×1回(合計0.5秒)であるのに対し、開放延長制御が実行された場合の開放時間は2.5秒×2回(合計5秒)になる)ことで、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。さらに、特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御によって、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、第2保留記憶数の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減して、有効始動入賞し易くすることができる。
このように、この実施の形態においては、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、開放延長制御、および、特別図柄短縮変動制御が実行されることにより高ベース状態に制御される例を示しているが、これに限らず、このうちのいずれかの制御を実行することにより、高ベース状態に制御するようにしても良い。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄の変動表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや、高確率状態であるか否かを示す確変フラグや、高ベース状態であるか否かを示す高ベースフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経てはずれ図柄が仮停止表示された後、演出図柄が再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が最終停止表示される)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「リーチはずれ」の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経た後に再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される)。
ここで、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させるような大当りである。すなわち、そのようにすることにより、遊技者にとっては大当り遊技状態を経ずに突然に高確率/高ベース状態となったかのように見せるものである。このような大当り種別を設けることにより遊技の興趣を向上させることができる。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。この実施の形態では、演出図柄の変動パターンに応じた遊技演出が実行されるようになっている。
この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3の変動パターンが用意されている。非リーチPA1−1の変動時間は15秒であり、非リーチPA1−2の変動時間は8秒である。これに対して非リーチPA1−3の変動時間は2秒と短いため、「短縮変動」の変動表示態様と称する場合がある。
また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1、スーパーPA3−1およびスーパーPA3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPA2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が20秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、後述するストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が40秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が60秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
また、変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPB2−1、スーパーPB3−1およびスーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPB2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が28秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、ストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、「大当り!」の文字が表示される大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が48秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が68秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
また、変動表示結果が「突然確変大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPC2−1、スーパーPC3−1およびスーパーPC3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。以下の説明において、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPC2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が35秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、一旦は、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して「突確!」の文字が表示される突然確変大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が55秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、一旦は、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動してストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が75秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、一旦は、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して味方キャラが敵キャラに逆転勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
本実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第1保留記憶バッファに順次格納する。また、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第2保留記憶バッファに順次格納する。ハードウェア乱数およびソフトウェア乱数は所定のタイミング(例えば4ms毎および所定の割込み処理毎)に更新されている。
図5は、各乱数の一例を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、このような形態に限らず、変動パターン種別を決定する段階を設けることなく1段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるようにしても良い。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。本例では、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けている。
この実施の形態では、はずれである場合には、リーチも再変動も伴わず短縮変動も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX1と、リーチも再変動も伴わず短縮変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX2と、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルX1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーX1とに種別分けされている。
この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY1とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、ノーマルリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY2と、スーパーリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY2とに種別分けされている。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/低ベース状態,低確率/高ベース状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる高確率時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、高確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生したことに基づいて、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、まず、有効始動入賞が発生したときに、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、その判定結果に応じて後述する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを送信する。そして、有効始動入賞に基づく変動表示が開始されるときにも、読み込んだ大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。
この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行される。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
図6(B)(C)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(A)(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。このうち、図7(A)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図7(B)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合,および遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。
図7(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX1(1〜169)、ノーマルX1(170〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図7(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX2(1〜219)、ノーマルX1(220〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図7(A)(B)に示すように、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜169であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともリーチ状態を伴わない変動表示(「非リーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が220〜239であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示(「ノーマルリーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が240〜251であれば、合算保留記憶数や遊技状態にもかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示(「スーパーリーチはずれ」)が実行されることがわかる。
このように、合算保留記憶数や遊技状態が異なる場合にも、変動パターン種別に対する判定値の割り当てが共通となる範囲を設定しておく(ある範囲の乱数値を抽出した場合には、合算保留記憶数や遊技状態によらず共通の変動パターン種別が選択されるようにしておく)ことにより、後述する変動カテゴリコマンドに基づいた先読み演出が実行可能となる。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8(A)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が通常大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜149)、スーパーY1(150〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜149)、スーパーY1(150〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が突然確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY2(1〜149)、スーパーY2(150〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図8(A)(B)(C)に示すように、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜149であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。
このように、大当りと判定されるときの大当り種別が異なる場合にも、変動パターン種別に対する判定値の割り当てが共通となる範囲を設定しておく(ある範囲の乱数値を抽出した場合には、大当り種別によらず共通の変動パターン種別(「ノーマルリーチ」または「スーパーリーチ」を伴う変動パターン種別)が選択されるようにしておく)ことにより、後述する変動カテゴリコマンドに基づいた先読み演出が実行可能となる。
図9(A)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「非リーチX1」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−1または非リーチPA1−2が決定され、変動パターン種別として「非リーチX2」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−3が決定され、変動パターン種別として「ノーマルX1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPA2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーX1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPA3−1またはスーパーPA3−2が決定される。
図9(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「ノーマルY1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPB2−1が決定され、変動パターン種別として「ノーマルY2」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPC2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーY1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPB3−1またはスーパーPB3−2が決定され、変動パターン種別として「スーパーY2」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPC3−1またはスーパーPC3−2が決定される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図11は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。
図12は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態がはずれとなると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜169の範囲には非リーチX1または非リーチX2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチX1または非リーチX2となること(すなわちリーチ状態とならないこと)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜219となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜239となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値220〜239の範囲にはノーマルX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ3コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルX1となること(すなわちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が240〜251となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値240〜251の範囲にはスーパーX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ4コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーX1となること(すなわちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
また、例えば、有効始動入賞時に、大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)となると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となる場合(すなわち、ノーマルY1またはノーマルY2となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値1〜149の範囲にはノーマルY1またはノーマルY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ11コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルY1またはノーマルY2となること(すなわちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値150〜251の範囲にはスーパーY1またはスーパーY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ12コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーY1またはスーパーY2となること(すなわちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に有効始動入賞したことに基づくこれらの変動カテゴリコマンドを受信することにより、後述する先読み演出を実行することが可能となる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
(有効始動入賞時における保留記憶バッファへの格納処理)
第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのいずれの保存領域にも、有効始動入賞順に従って乱数が格納されてゆき、n=1,2,3,4の保存領域が存在するときに、n=1の保存領域に乱数が格納されており、n=2,3,4の保存領域に乱数が格納されていなければ、n=2の保存領域に乱数が格納される。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
(有効始動入賞時における始動入賞時コマンドの送信処理)
CPU56は、第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
CPU56は、第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が所定時間毎(例えば4ms毎)に実行する割込み処理において実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218B)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218C)。
なお、S1218A,S1218Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1218Cの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図14(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄の変動開始から変動終了(停止図柄の導出表示)まで、大当り遊技状態の開始から終了までの各プロセスに応じて変化する特別図柄プロセスフラグの値で確認される。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1226)。なお、S1226の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1227)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228C)。
なお、S1228A,S1228Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1227の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1228A〜S1228Cの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1227の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、通常状態であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。なお、高ベース状態であるときには第2保留記憶に対してのみ先読み演出を実行するように構成する場合には、逆に高ベース状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにし、通常状態である場合にはS1227の入賞時演出処理を実行せず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、大当り遊技中であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、S1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。そのように構成すれば、先読み演出がある程度の期間実行される場合に、変動時間が短くて先読み演出が途中で途切れてしまうことを確実に防止することができる。
図15は、S1217,S1227の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高確率状態に制御されている期間セットされている。また、時短フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高ベース状態に制御されている期間セットされている。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図12に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。なお、この実施の形態では、遊技状態によらず共通の閾値(例えば169,219,および239)が設定されるものとしているが、遊技状態に応じて異なる閾値(例えば低ベース状態であれば169および239、高ベース状態であれば219および239)を設定するようにしても良い。
例えば、CPU56は、閾値169,219,および239を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値169以下であるか否かを判定し、閾値169以下である場合(すなわち、1〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値219以下である場合(すなわち、170〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値239以下である場合(すなわち、220〜239である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値239以下でない場合(すなわち、240〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図12参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に169、219、および239と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値169以下であるか否かを判定した後に、閾値219以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜169の範囲内となることはなく、170〜219の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に169、219、および239と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に239、219、および169と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1227の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。なお、この実施の形態では、大当り種別によらず共通の閾値(例えば149)が設定されるものとしているが、大当り種別に応じて閾値が異なる場合には、大当り種別毎に異なる閾値を設定するようにしても良い。
例えば、CPU56は、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」のいずれかと判定した場合に、閾値149を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値149以下であるか否かを判定し、閾値149以下である場合(すなわち、1〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図12参照)。
次いで、CPU56は、S226,S231で設定した閾値と、S1216,S1226で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図7、図8参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図12に示すような「00(H)」〜「03(H)」、「10(H)」〜「11(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み演出を実行するようにしてもよい。
図16は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図16に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定マンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のコマンドがセットで送信される。そのため、図16に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。なお、以下の説明では、始動入賞時コマンド格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第1保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第1保留コマンドと総称する場合があり、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第2保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第2保留コマンドと総称する場合がある。さらに、第1保留コマンドと第2保留コマンドとを保留コマンドと総称する場合がある。
また、図16に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、最初の格納領域(格納領域1)に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。
また、この実施の形態では、後述するように、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)にもとづいて、先読み演出決定処理において先読み演出を実行するか否かが決定される。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
(特別図柄の変動開始に伴う処理)
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されておらず、大当り遊技状態に制御されておらず、かつ合算保留記憶数が0ではないことを条件として、特別図柄の変動表示を開始する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数が0でなく、且つ、大当り遊技状態に制御されていなければ、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか又は「第2」を示すデータであるかを確認する。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、第1特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第1特別図柄の変動表示開始に伴い、第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第1特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第1保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」を示すデータである場合には、第2特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第2特別図柄の変動表示開始に伴い、第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第2特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第2保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図17は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、先読み演出(音演出および変化演出)を実行するか否か及び先読み演出を実行する場合の実行態様(第1特定音または第2特定音、第1特別態様または第2特別態様)を決定するための先読み演出決定用乱数(乱数X)、先読み演出パターン(第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターン)を決定するための乱数、変化演出のタイミング(シフト回数)を決定するための乱数、および、示唆演出(第1演出態様または第2演出態様)を決定するための乱数等の、各種演出の実行の有無および各種演出の実行態様を決定するための各乱数をRAMに記憶しており、S707において、各乱数を生成するためのカウンタのカウント値も更新している。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
図18は、図17に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、先読み演出の実行有無および実行する場合の態様を決定する先読み演出決定処理を実行する(S800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の表示態様(例えばリーチ演出)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、有効始動入賞時にスピーカ27から特定音(第1特定音または第2特定音)が出力される音演出が実行される。また、先読み演出として、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される演出が行われる。
図19は、先読み演出決定処理(S800A)を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(S1001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(S1002)。なお、先読み演出制限フラグは、後述するS1052においてセットされる。先読み演出制限フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S1020)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。
先読み演出制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている過去の変動カテゴリコマンド(今回受信した最新の変動カテゴリコマンドを除く他の変動カテゴリコマンド)を全て抽出し、抽出した変動カテゴリコマンドが全て「非リーチハズレ」を示す変動カテゴリコマンド(具体的には変動カテゴリ1コマンド)であるか否かを確認する(S1003)。すなわち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する。
S1003において抽出した変動カテゴリコマンドが全て「非リーチハズレ」を示す場合には、演出制御用CPU101は、S1004に移行する。一方、抽出した変動カテゴリコマンドが全て「非リーチハズレ」を示す判定結果でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S1020)。すなわち、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した始動入賞時コマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)にもとづいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図19に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した始動入賞時コマンドにもとづいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
S1004では、演出制御用CPU101は、先読み演出(音演出および変化演出)を実行するか否か及び先読み演出を実行する場合の実行態様(第1特定音または第2特定音、第1特別態様または第2特別態様)を決定するための先読み演出決定用乱数(乱数X)、先読み演出パターン(第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターン)を決定するための乱数、変化演出のタイミング(シフト回数)を決定するための乱数、および、示唆演出(第1演出態様または第2演出態様)を決定するための乱数等の、各種演出の実行の有無および各種演出の実行態様を決定するための各乱数を、RAMに形成されている所定の格納領域から抽出する。
そして、S1005では、演出制御用CPU101は、リーチ演出を伴う変動表示を実行中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値であり且つ変動パターンコマンド格納領域から読み出した変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンであるか否かを確認する。演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値であり且つ読み出した変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンではない場合(N)、すなわちリーチ演出を伴う変動表示を実行中でない場合には、S1006に移行する。一方、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値であり且つ読み出した変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンである場合(Y)、すなわちリーチ演出を伴う変動表示を実行中である場合には、S1010に移行する。
S1006では、演出制御用CPU101は、先読み演出決定用乱数(以下、乱数Xと称する場合があり、1〜100の範囲の乱数であるものとする)に基づいて音演出を実行するか否かを決定する。具体的には、図21に示すはずれ用先読み演出決定テーブルまたは図22に示す大当り用先読み演出決定テーブルに基づいて、音演出を実行するか否かを決定する。ここで、判定対象となる新たな始動入賞時コマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)を参照し、始動入賞時の判定結果がはずれであるか又は大当りであるかを確認し、はずれである場合には、図21に示すはずれ用先読み演出決定テーブルを用いて音演出を実行するか否かを決定し、大当りである場合には、図22に示す大当り用先読み演出決定テーブルを用いて音演出を実行するか否かを決定する。
図21に示すように、入賞時判定結果がはずれである場合には、抽出した乱数Xが、1〜20の範囲であれば音演出を実行することに決定し、21〜100の範囲であれば音演出を実行しないことに決定する。すなわち、20%の割合で音演出を実行すると決定する。一方、図22に示すように、入賞時判定結果が大当りである場合には、抽出した乱数Xが、1〜60の範囲であれば音演出を実行することに決定し、61〜100の範囲であれば音演出を実行しないことに決定する。すなわち、60%の割合で音演出を実行すると決定する。このように、入賞時判定結果が大当りである場合には、入賞時判定結果がはずれである場合よりも高い割合で音演出が実行されるようになっている。
S1007では、演出制御用CPU101は、音演出を実行すると決定した場合にはS1008に移行し、音演出を実行しないと決定した場合にはS1010に移行する。S1008では、演出制御用CPU101は、始動入賞時の判定結果がはずれであるか又は大当りであるかを確認し、はずれである場合には、図21に示すはずれ用先読み演出決定テーブルを用いて音演出の種別を第1特定音または第2特定音のいずれとするかを決定し、大当りである場合には、図22に示す大当り用先読み演出決定テーブルを用いて音演出の種別を第1特定音または第2特定音のいずれとするかを決定する。この実施の形態において、第2特定音は、第1特定音と比較して音域が広く且つ音量も大きいため、第1特定音が出力されたときよりも第2特定音が出力されたときに遊技者の興味を引きつけやすい。
図21に示すように、入賞時判定結果がはずれである場合には、抽出した乱数Xが、1〜15の範囲であれば第1特定音を出力することに決定し、16〜20の範囲であれば第2特定音を出力することに決定する。すなわち、15%の割合で第1特定音を出力することに決定し、5%の割合で第2特定音を出力することに決定する。音演出が実行される場合に第1特定音が出力される割合は(15/20)であり、第2特定音が出力される割合は(5/20)である。
一方、図22に示すように、入賞時判定結果が大当りである場合には、抽出した乱数Xが、1〜20の範囲であれば第1特定音を出力することに決定し、21〜60の範囲であれば第2特定音を出力することに決定する。すなわち、20%の割合で第1特定音を出力することに決定し、40%の割合で第2特定音を出力することに決定する。音演出が実行される場合に第1特定音が出力される割合は(20/60)であり、第2特定音が出力される割合は(40/60)である。
この実施の形態では、新たな保留記憶に対応する変動表示の表示結果がはずれとなる場合に、第1特定音が出力される割合(15%)よりも第2特定音が出力される割合(5%)が低い。一方、新たな保留記憶に対応する変動表示の表示結果が大当りとなる場合に、第1特定音が出力される割合(20%)よりも第2特定音が出力される割合(40%)が高い。すなわち、第2特定音の信頼度は第1特定音の信頼度よりも高く設定されている。ここで、演出の信頼度とは、[演出対象となった保留記憶に対応する始動入賞時判定結果が大当りとなる割合/(演出対象となった保留記憶に対応する始動入賞時判定結果が大当りとなる割合+演出対象となった保留記憶に対応する始動入賞時判定結果がはずれとなる割合)]により算出される。
S1008で特定音の種別が決定されると、演出制御用CPU101は、S1009で決定された種別の特定音を出力し、S1010に移行する。
S1010では、演出制御用CPU101は、先読み演出決定用乱数(乱数X)に基づいて変化演出を実行するか否かを決定する。具体的には、図21に示すはずれ用先読み演出決定テーブルまたは図22に示す大当り用先読み演出決定テーブルに基づいて、変化演出を実行するか否かを決定する。ここで、判定対象となる新たな始動入賞時コマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)を参照し、始動入賞時の判定結果がはずれであるか又は大当りであるかを確認し、はずれである場合には、図21に示すはずれ用先読み演出決定テーブルを用いて変化演出を実行するか否かを決定し、大当りである場合には、図22に示す大当り用先読み演出決定テーブルを用いて変化演出を実行するか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、(1)音演出の実行の有無、(2)音演出が実行される場合の特定音の種別、(3)変化演出の実行の有無、および(4)変化演出が実行される場合の特別態様の種別を共通の乱数を用いて決定している例について説明したが、これに限らず、これらの決定を異なる複数の乱数に基づいて行うようにしても良い。また、(1)〜(4)の決定順序に関しては任意であり、上記の実施形態に示した順序に限られるものではない。たとえば、(1)および(2)を所定の乱数に基づいて決定し、(3)および(4)を該所定の乱数とは異なる乱数に基づいて決定するようにしても良い。また、この実施の形態では、(1)および(2)を決定した後に、(3)および(4)を決定するようにしているが、これに限らず、(3)および(4)を決定した後に、(1)および(2)を決定するようにしても良い。
これらの決定に際して、音演出が実行された場合に、音演出が実行されなかった場合よりも高い割合で変化演出を実行するように決定すると良い。また、音演出が実行された場合に、音演出において発生した特定音が第2特定音である場合に、音演出において発生した特定音が第1特定音である場合よりも高い割合で変化演出が実行されるようにすると良い。さらに、始動入賞時の判定において、[表示結果が大当りとなる又はリーチ演出を伴う]と判定されたことに基づいて、[表示結果が大当りとなる又はリーチ演出を伴う]と判定されなかった場合よりも高い割合で保留表示を第2特別態様に変化させるように決定すると共に、音演出において第2特定音を発生させる場合には、音演出において第1特定音を発生させる場合よりも高い割合で保留表示を第2特別態様に変化させるようにすると良い。
図21に示すように、入賞時判定結果がはずれである場合には、抽出した乱数Xが、11〜25の範囲であれば変化演出を実行することに決定し、1〜10,26〜100の範囲であれば変化演出を実行しないことに決定する。すなわち、15%の割合で変化演出を実行すると決定する。一方、図22に示すように、入賞時判定結果が大当りである場合には、抽出した乱数Xが、11〜80の範囲であれば音演出を実行することに決定し、1〜10,81〜100の範囲であれば音演出を実行しないことに決定する。すなわち、70%の割合で音演出を実行すると決定する。このように、入賞時判定結果が大当りである場合には、入賞時判定結果がはずれである場合よりも高い割合で変化演出が実行されるようになっている。
この実施の形態では、新たな保留記憶に対応する変動表示の表示結果がはずれとなる場合に、音演出が実行される割合(20%)よりも変化演出が実行される割合(15%)が低い。一方、新たな保留記憶に対応する変動表示の表示結果が大当りとなる場合に、音演出が実行される割合(60%)よりも変化演出が実行される割合(70%)が高い。すなわち、変化演出の信頼度は音演出の信頼度よりも高く設定されている。この実施の形態では、音演出以降のタイミングで変化演出が実行されることになるが、後に実行される演出の信頼度を高く設定しておくことにより興趣を高めるようにしている。
S1011では、演出制御用CPU101は、変化演出を実行しないと決定した場合には、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S1020)。演出制御用CPU101は、変化演出を実行すると決定した場合には、S1012に移行する。
S1012では、演出制御用CPU101は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための演出用合算保留記憶数カウンタに、合計保留記憶数をセットする。演出用合算保留記憶数カウンタの値は、演出図柄変動開始処理のS1802aにおいて1減算され、S1811において、先読み演出の対象となる保留表示を特定するために用いられる。例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が4である場合には、合算保留記憶表示部18cの4つ目の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出が実行される。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数および合算保留記憶数は、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したタイミングで加算され、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信したタイミングで減算される。また、第2保留記憶数および合算保留記憶数は、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したタイミングで加算され、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信したタイミングで減算される。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S1013)。この実施の形態では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様および第2特別態様が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。したがって、S1013では、最終的な表示態様は第1特別態様または第2特別態様のいずれかに決定される。以下、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
S1013において、演出制御用CPU101は、図21に示すはずれ用先読み演出決定テーブルまたは図22に示す大当り用先読み演出決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、図21および図22の先読み演出決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。
図21に示すように、入賞時判定結果がはずれである場合には、抽出した乱数Xが、11〜14,18〜25の範囲であれば最終表示態様を第1特別態様に決定し、15〜17の範囲であれば第2特別態様に決定する。すなわち、12%の割合で第1特別態様に決定し、3%の割合で第2特別態様に決定する。変化演出が実行される場合に第1特別態様となる割合は(12/15)であり、第2特別態様となる割合は(3/15)である。
一方、図22に示すように、入賞時判定結果が大当りである場合には、抽出した乱数Xが、11〜15,56〜70の範囲であれば第1特別態様に決定し、16〜55,71〜80の範囲であれば第2特別態様に決定する。すなわち、20%の割合で第1特別態様とすることに決定し、50%の割合で第2特別態様とすることに決定する。変化演出が実行される場合に第1特別態様となる割合は(20/70)であり、第2特別態様となる割合は(50/70)である。
この実施の形態では、新たな保留記憶に対応する変動表示の表示結果がはずれとなる場合に、第1特別態様となる割合(12%)よりも第2特別態様となる割合(3%)が低い。一方、新たな保留記憶に対応する変動表示の表示結果が大当りとなる場合に、第1特別態様となる割合(20%)よりも第2特別態様となる割合(50%)が高い。すなわち、第2特別態様の信頼度は第1特別態様の信頼度よりも高く設定されている。
ここで特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合に比べて、表示結果が「大当り」である場合の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」または「大当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、入賞時判定結果で示される変動カテゴリごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
また、この実施の形態では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
ここで、入賞時判定結果が「はずれ」である場合に、音演出を実行せずに変化演出を実行する割合は5%(乱数X=21〜25)であり、音演出を実行して変化演出を実行する割合は10%(乱数X=11〜20)である。また、入賞時判定結果が「大当り」である場合に、音演出を実行せずに変化演出を実行する割合は20%(乱数X=61〜80)であり、音演出を実行して変化演出を実行する割合は50%(乱数X=11〜60)である。
このように、音演出を実行せずに変化演出を実行する割合よりも音演出を実行して変化演出を実行する割合の方が高くなるように設定されることにより、遊技者は音演出が実行されたことで変化演出が実行されることを期待するようになる。これにより、音演出が実行されるか否かについて遊技者に興味を抱かせることができ、興趣をより高めることができる。
また、入賞時判定結果が「はずれ」である場合に、第1特定音を発生して変化演出を実行しない割合は10%(乱数X=1〜10)であり、第1特定音を発生して変化演出を実行する割合は5%(乱数X=11〜15)である。すなわち第1特定音を発生して変化演出が実行される割合は5/15である。一方、第2特定音を発生して変化演出を実行しない割合は0%であり、第2特定音を発生して変化演出を実行する割合は5%(乱数X=16〜20)である。すなわち第2特定音を発生して変化演出が実行される割合は5/5であり、第2特定音が発生すると必ず変化演出が実行される。
また、入賞時判定結果が「大当り」である場合に、第1特定音を発生して変化演出を実行しない割合は10%(乱数X=1〜10)であり、第1特定音を発生して変化演出を実行する割合は10%(乱数X=11〜20)である。すなわち第1特定音を発生して変化演出が実行される割合は10/20である。一方、第2特定音を発生して変化演出を実行しない割合は0%であり、第2特定音を発生して変化演出を実行する割合は40%(乱数X=21〜60)である。すなわち第2特定音を発生して変化演出が実行される割合は40/40であり、第2特定音が発生すると必ず変化演出が実行される。
このように、第1特定音が出力された場合に変化演出が実行される割合よりも、第2特定音が出力された場合に変化演出が実行される割合の方が高く設定されることにより、遊技者は、特定音が出力されるか否かの他に、出力される特定音の種別に興味を抱くようになり、興趣をより高めることができる。
また、入賞時判定結果が「はずれ」である場合に、第1特定音を発生して第1特別態様に変化する割合は4%(乱数X=11〜14)であり、第1特定音を発生して第2特別態様に変化する割合は1%(乱数=15)である。すなわち変化演出が実行される場合に第1特定音を発生して第2特別態様に変化する割合は1/5である。一方、第2特定音を発生して第1特別態様に変化する割合は3%(乱数X=18〜20)であり、第2特定音を発生して第2特別態様に変化する割合は2%(乱数=16〜17)である。すなわち変化演出が実行される場合に第2特定音を発生して第2特別態様に変化する割合は2/5である。すなわち変化演出が実行される場合には、第2特定音が出力された場合の方が、第1特定音が出力された場合よりも第2特別態様に変化する割合が高い。
このように、入賞時判定結果が「大当り」である場合には、入賞時判定結果が「はずれ」である場合よりも高い割合で保留表示が第2特別態様に変化する(入賞時判定結果がはずれの場合には3%の割合で保留表示が第2特別態様に変化するが、入賞時判定結果が大当りの場合には50%の割合で保留表示が第2特別態様に変化する)。そして、第2特定音を発生させたときには、第1特定音を発生させたときよりも高い割合で保留表示が第2特別態様に変化する。これにより遊技者は、特定音が出力されるか否かの他に、出力される特定音の種別に興味を抱くようになり、興趣をより高めることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、変化演出設定処理を実行する(S1014)。図20には、変化演出設定処理のフローチャートを示す。この変化演出設定処理において、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンの決定、保留表示の変化タイミングの決定、および変化時の示唆演出態様の決定等を行う。
演出制御用CPU101は、まず、S1030で、リーチ演出を伴う変動表示を実行中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値であり且つ変動パターンコマンド格納領域から読み出した変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンであるか否かを確認する。演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値であり且つ読み出した変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンではない場合(N)、すなわちリーチ演出を伴う変動表示を実行中でない場合には、S1035に移行する。一方、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値であり且つ読み出した変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンである場合(Y)、すなわちリーチ演出を伴う変動表示を実行中である場合には、S1030Aに移行する。
S1030Aでは、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタが示す値(始動入賞時の判定対象となった保留記憶を含む)が2以上であるか否かを確認する。合算保留記憶数が2以上であれば(Y)、S1031に移行する(第2先読み演出パターンに決定する)。すなわち、実行されている変動表示がリーチ演出を伴うものである場合には、リーチ演出への関心が低下しないよう、当該変動表示が実行されている期間内に変化演出が実行されない第2先読み演出パターンが選択される。ただし、合算保留記憶数が2未満(1)の場合には(N)、合算保留記憶数が2以上であることを条件に選択可能な2先読み演出パターン(図24参照)を選択することができないため、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示部18cにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御し(S1066)、変化演出は実行しない。
なお、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動表示を実行中である場合にも、第2先読み演出パターンを選択可能な例を示しているが、リーチ演出を伴う変動表示を実行中である場合には、変化演出を実行しないように決定しても良い。このようにすることで、新たな保留表示が特殊態様で表示されることも無くなるため、リーチ演出に対しての遊技者の関心を維持することができる。なお、リーチ演出を伴う変動表示を実行中である場合にも、第1先読み演出パターンや第3先読み演出パターンを選択可能としても良い。
S1035では、演出制御用CPU101は、変動表示が実行されており且つその変動表示の残り時間が所定時間(保留表示を特殊表示態様で所定時間以上表示した後にさらに示唆演出を実行するのに十分な時間)以上であるか否かを確認する。この確認は、変動時間タイマの値を参照することにより行うことができる。変動表示が実行されており且つその変動表示の残り時間が所定時間以上ある場合には、S1036に移行する。一方、変動表示が実行されていない場合や変動表示が実行されているがその変動表示の残り時間が所定時間未満である場合には、S1037に移行する。
S1031,S1036,およびS1037では、演出制御用CPU101は、先読み演出(変化演出)の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する。
この実施の形態では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターン、第2先読み演出パターン、および第3先読み演出パターンが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第3先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、当該始動入賞のタイミングで実行されている変動表示が終了するまでの期間内に、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
第3先読み演出パターンでは、保留表示を始動入賞時から一定時間(例えば数秒間)特殊態様で表示した後、示唆演出(白い矢または黒い矢が飛んできて合算保留記憶数カウンタが示す値に対応した保留表示に刺さる演出)を経て、その保留表示の表示態様が特別態様に変化する。第3先読み演出パターンに決定された場合にも、遊技者が、保留表示が特殊態様で表示されていることを認識可能とするために(特殊態様から特別態様への変化を認識可能とするために)、所定期間は保留表示を特殊態様で表示し、該所定期間経過後に示唆演出を実行して、保留表示の表示態様を特殊態様から特別態様に変化させる。保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化するタイミングは、始動入賞時に実行されている演出図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されるタイミング以前(表示結果の導出表示タイミングを含む)であれば良い。この実施の形態では、始動入賞から一定時間(例えば3秒間)と示唆演出の実行期間(例えば2秒間)は、保留表示を特殊態様で表示し、示唆演出が終了するタイミングで特別態様に変化させるものとする。なお、変化タイミングはこれに限らず、演出図柄が導出表示されるタイミングであっても良い。また、リーチ演出を伴う変動表示中にも第1先読み演出パターンを選択可能に構成する場合には、変化タイミングがリーチ成立よりも前のタイミングになるようにすると良い。
保留表示のシフトタイミングとは、後述する演出図柄変動開始処理において、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新するタイミング(具体的には、S1800が実行されるタイミング)である。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。
S1031では、演出制御用CPU101は、変化演出の演出パターンを、第2先読み演出パターンに決定する。また、S1036では、演出制御用CPU101は、変化演出の演出パターンを、第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンのいずれかに決定する。また、S1037では、演出制御用CPU101は、変化演出の演出パターンを、第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンのいずれかに決定する。そして、後述するS1040に移行する。
図23は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S1036およびS1037において、演出制御用CPU101は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、先読み演出パターンを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、S1036において、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が大当りである場合、図23(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブル1を用いる。そして、演出制御用CPU101は、図23(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブル1において合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、S1036において、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合、図23(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブル1を用いる。そして、演出制御用CPU101は、図23(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブル1において合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、S1037において、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が大当りである場合、図23(C)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブル2を用いる。そして、演出制御用CPU101は、図23(C)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブル2において合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、S1037において、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合、図23(D)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブル2を用いる。そして、演出制御用CPU101は、図23(D)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブル2において合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンのいずれかに決定する。
例えば、S1036において、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が大当りであり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、25%の割合で第1先読み演出パターンに、70%の割合で第2先読み演出パターンに、5%の割合で第3先読み演出パターンに決定する。また、例えば、S1036において、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、70%の割合で第1先読み演出パターンに、25%の割合で第2先読み演出パターンに、5%の割合で第3先読み演出パターンに決定する。
例えば、S1037において、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が大当りであり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、30%の割合で第1先読み演出パターンに、70%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。また、例えば、S1037において、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、70%の割合で第1先読み演出パターンに、30%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。
すなわち、始動入賞時に変動表示が実行されていない場合や、始動入賞時に変動表示が実行されているが、その変動表示がリーチ演出を伴うものである場合、その変動表示の残り時間が所定時間未満である場合には、第3先読み演出パターンが選択されない。
図23に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」)である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されたとき)に比べて、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、最終表示態様が第2特別態様に決定される割合が高いため、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。また、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、この実施の形態では、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるため、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、期待感を持続させることができる。
また、図23に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されていることである。この実施の形態では、第2先読み演出パターンにおいて、始動入賞時に特殊態様で表示された保留表示を、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるタイミングは、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングである。しかし、合算保留記憶数が1の場合(すなわち予告対象の変動表示に対応する保留表示のみが表示される場合)には、保留表示のシフトが1回行われると、予告対象の変動表示に対応する保留表示は消去されてしまう。そのため、合算保留記憶数が1の場合には、シフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させることができない。したがって、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されている。
なお、図23に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が大当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、入賞時判定結果で示される変動カテゴリごとに、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、先読み演出が実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、決定した先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであるか否かを確認する(S1040)。第3先読み演出パターンであれば、後述するS1041に移行する。第3先読み演出パターンでなければ(第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンであれば)、演出制御用CPU101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S1045)。第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図24は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S1045において、演出制御用CPU101は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が大当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」)であり、S1036またはS1037で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図24(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図24(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
なお、図24に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されることである。始動入賞のタイミングで第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示させる場合には、例えば、新たな保留表示を最初から第1特別態様または第2特別態様で表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、S1036またはS1037で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図24(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図24(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」)であり、S1031、S1036、またはS1037で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図24(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図24(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、S1031、S1036、またはS1037で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図24(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図24(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
例えば、当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
また、例えば、当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
図24に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が大当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」)である場合の方が、シフト回数が少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されるとき)には、保留表示がより少ないシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに始動入賞時(シフト回数0)に特別態様で表示された方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
図24に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が大当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」」)である場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、特殊態様の保留表示がより多くのシフト回数で(つまり多くのシフトが行われた後に)特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が長くなるほど(つまり変化のタイミングが遅くなるほど)、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示を複数のタイミングで変化させることができるとともに、特殊態様で表示された保留表示が変化するタイミングに注目させることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、図24に示す例では、第1先読み演出パターンの場合にはシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になり、第2先読み演出パターンの場合にはシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定されているが、遊技者にわかりやすくするため、例えば、第1先読み演出パターンの場合にもシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定してもよい。また、例えば、第2先読み演出パターンの場合にもシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になるように設定してもよい。
また、図24に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が大当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が大当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、入賞時判定結果で示される変動カテゴリごとに、異なる割合でいずれかのいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングに応じて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を異ならせるとともに、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も異ならせることができる。
なお、この実施の形態では、第2先読み演出パターンでは、始動入賞のタイミングで新たな保留表示が特殊態様で表示されるが、始動入賞のタイミングでは保留表示を通常態様で表示し、その後の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させ、さらに後の任意のタイミングで特殊態様から特別態様に変化させるようにしてもよい。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU101は、S1031、S1036、またはS1037において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンである場合には(S1050のY)、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S1051)。この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様または第2演出態様で実行される。S1051では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定される。
この実施の形態では、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合には、保留表示が第1特別態様に変化する割合が高く、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、保留表示が第2特別態様に変化する割合が高い。したがって、示唆演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することが示唆され、示唆演出がいずれの演出態様で実行されるかに応じて、いずれの特別態様に変化しやすいかが示唆される。なお、詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。そのため、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい。例えば、示唆演出が第1演出態様(例えば、この実施の形態の第1演出態様および第2演出態様とは異なる第1演出態様Aとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が低く、示唆演出が第2演出態様(例えば、この実施の形態の第1演出態様、第2演出態様および第1演出態様Aとは異なる第1演出態様Bとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、示唆演出が第1演出態様(第1演出態様A)で実行される場合には、示唆演出(成功パターン)である割合が高く、示唆演出が第2演出態様(第1演出態様B)で実行される場合には、示唆演出(通過パターン)である割合が高くなるようにしてもよい。
図25は、示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。S1051において、演出制御用CPU101は、図25に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、S1013で決定された保留表示の最終表示態様に基づいて、最終表示態様ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定する。例えば、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、演出制御用CPU101は、75%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、25%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、例えば、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、演出制御用CPU101は、25%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、75%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。
図25に示す示唆演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。また、保留表示が第2特別態様で表示される場合には、第1特別態様で表示される場合よりも大当りが発生する可能性が高いので、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、第1演出態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、示唆演出の演出態様を決定する際に、上記のように保留表示の最終表示態様に応じて決定するのではなく、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、先読み演出決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定するようにしても良い。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果がはずれであることが示されている場合には、演出制御用CPU101は、80%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、20%の割合で演出態様を第2演出態様に決定するようにしても良い。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が大当りであることが示されている場合には、演出制御用CPU101は、20%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、80%の割合で演出態様を第2演出態様に決定するようにしても良い。
また、入賞時判定結果で示される変動カテゴリごとに示唆演出の演出態様を決定するための判定値(割合)を設定するようにしてもよい。そのようにすることで、示唆演出が第2演出態様で実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
なお、この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化するタイミングで、示唆演出が必ず実行されるように構成されているが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
ここで、前述したS1040において、先読み演出パターンが第3先読み演出パターンに決定されたことが確認された場合には、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S1041)。示唆演出の演出態様の決定方法は、S1051において示した方法と同様である。そして、示唆演出割込みフラグをセットし(S1042)、後述するS1052に移行する。ここで、第3先読み演出パターンでは、始動入賞が発生したときに実行されている変動表示の期間内において、特殊態様の保留表示を特別態様に変化させるための示唆演出が実行されることになる。従って、変動表示中において、演出制御用CPU101が、新たな始動入賞に基づく示唆演出を実行することが決定されたことを検出して、示唆演出を実行可能とするために、S1042において示唆演出割込みフラグをセットしている。示唆演出割込みフラグは、後述する演出図柄変動中処理において参照される。
S1041またはS1051で示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグをセットする(S1052)。
先読み演出制限フラグがセットされると、S1002の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。すなわち、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。そのため、複数の保留表示が特殊態様で表示されることが制限される。したがって、複数の保留表示が特殊態様で表示されることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、先読み演出を重ねて実行しないように制御されるが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容してもよいし、完全に許容してもよい。すなわち、S1002の処理を一定の割合または完全に省略することで、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを一定の割合または完全に許容するようにしてもよい。また、例えば、いずれかの保留表示が、特殊態様に限らず、第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合にも、先読み演出を重ねて実行しないように制御してもよい。例えば、後述する演出図柄変動開始処理で保留表示を通常態様から特別態様に変化させるタイミングであると判断したとき(例えば、S1803など)に先読み演出制限フラグをセットすることによって実現できる。また、この場合には、特別態様で表示された保留表示が消去されたときに先読み演出制限フラグをリセットするようにしてもよい(すなわち、保留表示が特別態様で表示されている間は先読み演出の実行が制限される)。このようにすることで、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たな先読み演出によって他の保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されることが制限されるため、どの保留表示に注目すればよいか遊技者が分かりやすくなる。
また、例えば、いずれかの保留表示が特殊態様や第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合には、新たな先読み演出が実行されやすくなるようにしてもよい。すなわち先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)の場合には、先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。例えば、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容する構成において、特定の遊技状態である場合には、許容する割合を高くすることによって実現できる。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示部18cにおいて、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御する(S1053)。なお、S1053では、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御するとともに、S1013で決定した最終表示態様を示す情報と、S1041またはS1051で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理や演出図柄変動中処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
また、S1036またはS1037において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンでない場合には(S1050のN)、すなわち第1先読み演出パターンに決定した場合には、演出制御用CPU101は、S1045で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S1060)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(S1060のY)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示部18cにおいて、新たな保留表示をS1013で決定した最終表示態様で表示させるように制御する(S1061)。
また、S1060において変化タイミングが入賞時でなければ(S1060のN)、演出制御用CPU101は、上述のS1041およびS1051と同様に、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S1065)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示部18cにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(S1066)。なお、S1066においても、S1053と同様に、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を表示させるように制御するとともに、S1013で決定した最終表示態様を示す情報と、S1065で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
以上のように、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、新たな保留表示を通常態様、特殊態様、第1特別態様または第2特別態様のいずれかで表示する処理が行われる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口14への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802bでシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802bでシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ560において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口14への入賞にもとづく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ560において受信した第1始動入賞口13への入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口14への入賞にもとづく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口13への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口13への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口13への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口14への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出を行わないようにしてもよい。
図26は、図18に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時コマンド格納領域が記憶する1つ目の始動入賞時コマンドのセット(格納領域1の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドであり、最も古い判定結果)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトするとともに、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1802a)。また、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値を1減算する(S1802b)。次いで、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802bでシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1808に移行する。
S1804では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1804)。
次いで、演出制御用CPU101は、S1804で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。すなわち、演出制御用CPU101によってS1805の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図27は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図27に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、高確率状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、高確率状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(S1806)。ここで、S1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、S1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。なお、保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
S1806では、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、図26(A)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。また、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、図26(B)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。なお、示唆演出(通過パターン)決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図26(A)、(B)に示すに示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、示唆演出(通過パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に決定する。
例えば、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、60%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、30%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、10%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。また、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、0%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、60%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、40%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。
図26(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、先読み演出制限フラグがセットされている場合、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行される。したがって、保留表示が特殊態様で表示されているときの期待感を高めることができ、遊技興趣を高めることができる。なお、この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化するタイミングでも示唆演出が実行されるため、保留表示が特殊態様で表示されているときには、常に示唆演出が実行されるように構成されているが、保留表示が特殊態様で表示されているときであっても、示唆演出が実行されないことがあってもよい。ただし、この場合にも、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い割合で示唆演出が実行されることが望ましい。
また、この実施の形態では、後述するように、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から矢が飛んでくる表示制御が行われ、保留表示の表示態様が変化する場合(示唆演出(成功パターン)の場合)には、飛んできた矢が予告対象となる保留情報に対応する保留表示に突き刺さる表示制御が行われる。また、保留表示の表示態様が変化しない場合(示唆演出(通過パターン)の場合)には、飛んできた矢がそのまま表示領域を通過する表示制御が行われる。したがって、S1806では、後述するS1811のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留情報に対応する保留表示を特定する必要はない。なお、例えば、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときと、そのタイミングではないときとの両方で、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から矢が飛んできた矢が予告対象となる保留情報に対応する保留表示に突き刺さる表示制御を行い、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させ(示唆演出(成功パターン)に相当)、保留表示の表示態様を変化させるタイミングではないときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させない(本例の示唆演出(通過パターン)に相当)ようにしてもよい。この場合には、演出制御用CPU101は、S1806において、後述するS1811のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留情報に対応する保留表示を特定し、S1807において特定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよいし、表示されている保留表示の中から矢が突き刺さる保留表示をランダムに決定し、決定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1807)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1812)。
図28は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部18cにおける先読み演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図28に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S1813)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S1815)。
S1803でシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていれば、それをリセットする(S1808)。このような処理が実行されることによって、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されている期間は新たに先読み演出を実行することを制限することができ、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを制限することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1809)。次いで、演出制御用CPU101は、S1809で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1810)。
次いで、演出制御用CPU101は、示唆演出の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S1811)。そして、S1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施の形態では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施の形態では、先読み演出決定処理において決定され(S1041,S1051,またはS1065)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される演出対象の保留表示(例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が2のときには、合算保留記憶表示部18cにおける2つ目の保留表示)と、先読み演出決定処理において決定され(S1013)、記憶されている最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とにもとづいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU101は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S3001)、変動時間タイマの値を1減算する(S3002)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S3003)、示唆演出割込みフラグがセットされているか否かを確認する(S3004)。示唆演出割込みフラグは、先読み演出決定処理において第3先読み演出パターンに決定されたことに基づいてセットされるフラグである。示唆演出フラグがセットされていなければ(S3004でNo)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S3007)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S3008)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S3010)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S3011)。なお、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら、S3011に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
S3004で示唆演出割込みフラグがセットされていることを確認した場合には(Yes)、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける未実行のプロセスデータと、示唆演出の演出態様と、合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様とに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S3005)。そして、S3006に移行する。
ここで、S3005において、先読み演出決定処理のS1041で決定された示唆演出の演出態様と、先読み演出決定処理のS1013で決定された保留表示の最終表示態様と、に基づいて表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する。また、先読み演出の対象となる保留表示は、合算保留記憶数カウンタが示す値により特定する(最新の保留表示を対象とする)。すなわち、未実行のプロセスデータに示唆演出の演出態様と保留表示の最終表示態様とを反映させた変更後のプロセステーブルを選択する。このようにして変更されたプロセスデータの内容に応じて、以降の演出図柄変動中処理でS3008が実行されることにより、当該変動表示の期間内に示唆演出が実行されて保留表示が最終表示態様に変化する先読み演出が実行されることになる。ここで、S3005で選択されるプロセステーブルにおいては、保留表示を一定時間(例えば数秒間)特殊態様で表示した後、白い矢または黒い矢が飛んできて合算保留記憶数カウンタが示す値に対応した保留表示に刺さり、その保留表示の表示態様を特別態様に変化させる演出を実行可能なプロセスデータがセットされている。すなわち、第3先読み演出パターンに決定された場合にも、遊技者が、保留表示が特殊態様で表示されていることを認識可能とするために(特殊態様から特別態様への変化を認識可能とするために)、所定期間は保留表示を特殊態様で表示し、該所定期間経過後に示唆演出が実行される。
なお、この実施の形態では、示唆演出の演出態様をプロセスデータに反映させるようにしているが、これに限らず、プロセスデータと示唆演出の画像データとに基づいて合成画像を生成して表示するようにしても良い。
このように、この実施の形態では、始動入賞が発生したときに、当該始動入賞に対応する保留表示が一旦特殊態様で表示され、その始動入賞のタイミングで実行されている変動表示の期間内において、特殊態様の保留表示が特別態様に変化する変化演出が実行される場合がある。すなわち、保留表示が特殊表示から特別表示に変化するタイミングは、保留表示がシフトするタイミングに限らず、複数のタイミングで変化演出が実行される。これにより、保留表示の表示態様が変化するタイミングに多様性を持たせ、興趣を向上させることができる。
ここで、この実施の形態では、始動入賞が発生したときに、その始動入賞のタイミングで実行されている変動表示がリーチ演出を伴う場合には(S1030でY)、第3先読み演出パターンが選択されず、第2先読み演出パターンが選択される(S1031)。すなわち、当該表示表示が実行されている期間内に保留表示が特別態様で表示されることを制限するようにしている。リーチ演出が実行されているような状況下では、遊技者は、そのとき実行されている変動表示の表示結果やこれに伴い実行される予告演出に注目している。このような状態で、仮に保留表示が特別態様で表示されてしまうと、実行中の演出から注意が逸れてしまい、却って遊技の興趣を低下させることにもなりかねない。そのため、この実施の形態では、始動入賞が発生したときに、その始動入賞のタイミングで実行されている変動表示がリーチ演出を伴う場合には、第3先読み演出パターンが選択されず、保留表示のシフトタイミング(リーチ演出を伴う変動表示が終了した後のタイミング)で、保留表示が特別態様に変化する第2先読み演出パターンを選択することで、興趣の低下を防止するようにしている。
また、この実施の形態では、第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンのいずれの先読み演出パターンが選択された場合にも、始動入賞が発生してから所定期間を経て保留表示が特別態様に変化する場合がある。このような場合に、変化演出のみが実行されて仮に音演出が実行されないものとすると、始動入賞の際の遊技の興趣を向上させることができない。これに対して、始動入賞時判定に基づいて音演出が実行され、さらに当該音演出の対象となった保留記憶に対応する保留表示(通常態様または特殊態様)を、特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化させる変化演出が実行されることにより、始動入賞時における興趣を向上させ、且つ、その後に実行される変化演出への期待感を高めることができる。
図30は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S4001)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S4012に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S4011で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる(S4013)。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S4002の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S4012に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S4002)。
次いで、演出制御用CPU101は、S4010の判定処理を実行する。S4002の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、S4050に移行する。
S4002の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S4010のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S4011)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S4012)。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。また、突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの制御開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S4013)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S4014)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S4015)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S4016)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S4017)。
大当りとしないことに決定されている場合には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S4050)。
次に、先読み演出の具体例について説明する。図31は、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図31(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図31に示す例では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図31(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部18cに3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図31(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部18cに3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図31(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留記憶表示部18cに3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図31(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図31(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図31(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図31(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図31(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図31(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図31(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図31(E3)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図31(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図31(E4)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図31(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
既に説明しているように、この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図31(D1)から図31(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図31(D2)から図31(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
図32、図33は、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図32(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図32、図33に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1またはシフト回数2と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図32(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部18cに3つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図32(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。このとき、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図32(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図32(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図32(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図32(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図32(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図32(E3)に示すように、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。なお、図32(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、この実施の形態では、示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)または白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図33(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図33(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図33(H1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの1つ目の保留表示(図32(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図33(H2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部18cの1つ目の保留表示(図32(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
図34は、第3先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図34(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに1つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図34に示す例では、先読み演出パターンを第3先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第3先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、該始動入賞のタイミングで実行されている変動表示の終了以前に、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第3先読み演出パターンと決定されると、図34(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部18cに2つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、示唆演出の態様が第1演出態様に決定されている場合には、2つ目の保留表示が特殊態様で表示されてから所定期間を経過すると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図34(C1))。
ここで、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図34(D1)に示すように、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図34(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図34(D2)に示すように、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図34(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
一方、示唆演出の態様が第2演出態様に決定されている場合には、2つ目の保留表示が特殊態様で表示されてから所定期間を経過すると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図34(C2))。
ここで、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図34(D3)に示すように、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図34(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図34(D4)に示すように、合算保留記憶表示部18cの2つ目の保留表示(図34(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
図31に示すように、この実施の形態では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図32および図33に示すように、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。さらに、図34に示すように、第3先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、始動入賞のタイミングで実行されている変動表示の終了以前のタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このように、この実施の形態では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、判定手段による判定結果にもとづいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶)を第1特別態様または第2特別態様で表示させる先読み演出を実行する演出実行手段を備えている。そして、演出実行手段は、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様で表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、その保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように制御するように構成されている。そのように構成されていることによって、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出(示唆演出(成功パターン)および示唆演出(通過パターン))を実行する示唆演出実行手段を備えている。そして、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様で表示されているときには、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い頻度で示唆演出を実行するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、高い頻度で示唆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、判定手段によって表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第2先読み演出パターンで先読み演出を行うときには、保留表示を特殊態様で表示することなく第1特別態様または第2特別態様で表示する第1先読み演出パターンで先読み演出を行うときに比べて高い割合で保留表示を第2特別態様で表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、大当りとなる期待度が高い第2特別態様で表示される割合が高くなるため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、所定条件が成立したとき(例えば、第2先読み演出パターンで先読み演出を実行すると決定し、変化タイミングを入賞時(変動回数0)と決定したときの始動入賞のタイミング)に保留表示を特殊態様で表示し、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでの第1タイミング(例えば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)または第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)で保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能である。そして、演出実行手段は、判定手段によって判定結果が大当りとなると判定されたときと、大当りとならないと判定したときとで、異なる割合で第1タイミングまたは第2タイミングで保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出制限フラグをセットする処理を実行することによって実現される、保留表示が特殊態様で表示されているときには新たに保留表示を特殊態様で表示することを制限する制限手段を備えるように構成されている。そのように構成されていることによって、複数の保留表示が特殊態様で表示されたときに、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、判定手段によって表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定されたときに比べて、高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第1先読み演出パターンで先読み演出を行うときに、第1演出(例えば、黒い矢が飛んできて保留表示に刺さる第1演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときと、第1演出とは異なる第2演出(例えば、白い矢が飛んできて保留表示に刺さる第2演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときとがある。そして、演出実行手段は、第1演出が行われるときと第2演出が行われるときとで、異なる割合で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、第1演出と第2演出とのいずれが行われるかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、始動入賞時以外の複数のタイミング(始動入賞時に実行されている変動表示の終了以前のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるが、このような場合にも、始動入賞時に音演出を実行するようにしている。このようにすることで、始動入賞時における遊技の興趣を向上させることが可能であり、その後に実行される変化演出に対しての期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定結果に基づいて実行される先読み演出としての音演出について、音演出を実行せずに変化演出を実行する割合よりも、音演出を実行して変化演出を実行する割合が高くなるように設定されている。そのように構成することによって、音演出が実行されるか否かについて遊技者に興味を抱かせ、興趣をより高めることができる。
また、この実施の形態では、音演出において出力可能な複数種別の特定音(例えば第1特定音および第2特定音)が存在しており、音演出において出力される特定音の種別に応じて、変化演出が実行される割合が異なるように設定されている。そのように構成することによって、音演出において発生される特定音の種別について遊技者に興味を抱かせ、興趣をより高めることができる。
また、この実施の形態では、音演出において出力可能な第1特定音および第2特定音の複数の特定音が存在するとともに、変化演出における特別態様として第1特別態様および第2特別態様の複数種別の特別態様が存在している。そして、始動入賞時判定で大当りとなると判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留表示が第2特別態様に変化する。このような場合に、音演出において第2特定音を発生させたときには、第1特定音を発生させたときよりも高い割合で通常態様または特殊態様の保留表示を第2特別態様に変化させる。そのように構成することによって、音演出において発生する特定音の種別について遊技者に興味を抱かせることができ、興趣をより高めることができる。
また、この実施形態では、変化演出は、当該変化演出の対象となる保留表示が特殊態様で表示されてから、当該保留表示が表示されるときに実行されている変動表示の表示結果が導出表示されるまでにおいて実行される場合と、当該始動入賞以降の任意のシフトタイミングにおいて実行される場合とがあり、当該始動入賞時に実行されている変動表示に伴うリーチ演出が実行される場合には、第2先読み演出パターンが選択されることにより、後者のタイミングで変化演出が実行されることになる。そのように構成することによって、リーチ演出の興趣を低下させることなく変化演出を実行させることが可能となる。
なお、この実施の形態では、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングと、通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるシフトタイミングとのいずれかであったが、これに限らず、他のタイミングを含むようにしてもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特別態様で表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングのみであったが、これに限らず、始動入賞のタイミングでは通常態様で表示し、任意のシフトタイミングで特殊態様に変化して表示するようにしてもよいし、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特殊態様で表示するようにしてもよい。また、第2先読み演出パターンにおいて、特殊態様で表示された保留表示が特別態様に変化するタイミングについても、シフトタイミングに限らず、保留表示が特殊態様で表示されてから、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)であってもよい。
また、この実施の形態では、第3先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングのみであったが、これに限らず、始動入賞のタイミングでは通常態様で表示し、始動入賞のタイミングで実行されている変動表示の期間内に通常態様から特殊態様に変化させ、さらに当該変動表示の終了以前に特殊態様から特別態様に変化させるようにしても良い。
また、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示されるが、例えば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。
なお、この実施の形態では、示唆演出として、演出表示装置9において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。また、この実施の形態では、示唆演出は、保留表示の変化に作用する演出(矢が突き刺さる(または通過する))であり、演出結果に応じて保留表示が変化するが(矢が突き刺さると保留表示が変化する)、必ずしも保留表示の変化に作用する演出としなくてもよい。例えば、保留表示の表示態様を変化させる場合と変化させない場合とのいずれであっても、示唆演出として、特定の保留表示に矢が突き刺さる演出を行う。そして、保留表示を変化させる場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させ、変化させない場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させないようにしてもよい。すなわち、保留表示が変化するときと変化しないときとで、示唆演出の態様(飛んできた矢が特定の保留表示に突き刺さる)は同じであるが、結果(矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化するか否か)が異なるような保留変化演出を行うようにしてもよい。
上記の実施形態では、始動入賞が発生したときの先読み演出決定処理において、リーチ演出を伴う変動表示が実行されているときには、音演出が制限されるとともに、第1先読み演出パターンおよび第3先読み演出パターンが選択されずに、次のシフトタイミング以降に変化演出が実行される第2先読み演出パターンが選択される例を説明したが、これに限らず、始動入賞が発生したときの先読み演出決定処理において、リーチ演出を伴う変動表示が実行されているときには、音演出は制限されずに第2先読み演出パターンが選択されるようにしても良い。また、始動入賞が発生したときの先読み演出決定処理において、リーチ演出を伴う変動表示が実行されているときに、保留表示の特殊態様での表示も制限するようにしても良い。例えば、第1先読み演出パターンの選択のみを可能とし、且つ始動入賞時における特別態様での表示を制限して、次のシフトタイミング以降に通常態様から特別態様への変化演出が実行されるようにしても良い。
上記の実施形態において、第3先読み演出パターンが選択された場合には、始動入賞時における判定結果に応じて、1の変動表示期間内で特殊態様から特別態様に変化するタイミングを異ならせるようにしても良い。例えば、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、当該始動入賞時に実行している変動表示の終了直前のタイミングで保留表示を特殊態様から特別態様に変化させ、始動入賞時の判定においてはずれと判定された場合には、当該始動入賞直後のタイミングで保留表示を特殊態様から特別態様に変化させるようにしても良い。
上記の実施形態では、特定音の種別が第1特定音と第2特定音の2つである例について説明したが、特定音の種別が3以上であっても良い。また、これらの複数種別の特定音は、音域や音量が異なるものに限らず、出力時間が異なるものであっても良い。
上記の実施形態では、先読み演出決定処理において、実行されている変動表示の残り時間が所定時間以上である場合には、第3先読み演出パターンを選択可能であるが、実行されている変動表示の残り時間が所定時間未満である場合には、第3先読み演出パターンが選択されない例について説明した。これに限らず、実行されている変動表示の残り時間が所定時間未満である場合にも、第3先読み演出パターンを選択可能であり、この場合には、示唆演出が実行されずに保留表示の表示態様が特殊態様で表示された後、直ちに特別態様に変化するようにしても良い。すなわち、示唆演出を実行せずに保留表示を特殊態様(または通常態様)から特別態様に変化させるようにしても良い。なお、示唆演出は演出表示装置9に表示される演出に限らず、示唆演出として演出制御用マイクロコンピュータ100による制御に基づいて駆動されるモータ等によって動作する可動部材を用いた可動部材演出を実行するようにしても良い。
例えば、始動入賞したタイミングから当該始動入賞に対応した変動表示の実行が開始されるまでの期間内に示唆演出(例えば可動部材演出)を実行可能であるか否かを判定するようにし、実行可能である(当該始動入賞に対応した変動表示が開始されるまでの保留記憶数(実行可能な変動表示回数)や残り変動時間に基づいて実行時間が足りると判定する)場合には、示唆演出を実行するとともに保留表示を特殊態様(または通常態様)から特別態様に変化させる変化演出を実行し、実行不能である(変動表示が開始されるまでの保留記憶数(実行可能な変動表示回数)や残り変動時間に基づいて実行時間が足りないと判定する)場合には、示唆演出を実行せずに、変化演出のみを実行するようにすると良い。ここで、前述した第3先読み演出パターンが選択された場合には、始動入賞したタイミングから当該始動入賞時に実行されている変動表示の実行が終了するまでの期間内に示唆演出を実行可能であるか否かを判定するようにし、実行可能である(始動入賞時に実行されている変動表示の残り時間が所定時間以上である)場合には示唆演出を実行するとともに保留表示を特殊態様(または通常態様)から特別態様に変化させる変化演出を実行し、実行不能である(始動入賞時に実行されている変動表示の残り時間が所定時間未満である)場合には示唆演出を実行せずに、変化演出のみを実行するようにすると良い。これによれば、始動領域を遊技媒体が通過したあとに示唆演出を実行するための時間的余裕がない場合であっても変化演出の実行を可能とし、遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記の実施形態において、先読み演出決定処理において、実行されている変動表示の残り時間が所定時間未満である場合には、第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンが選択される例について説明したが、実行されている変動表示の残り時間が所定時間未満である場合に、これらの先読み演出パターンを実行せずに、当該保留記憶にもとづく変動表示の実行中において、例えば、特殊キャラ出現予告や前述した示唆演出とは異なる可動部材演出等の特別演出を実行するようにしても良い。
例えば、始動入賞したタイミングから当該始動入賞に対応した変動表示の実行が開始されるまでの期間内に、第2先読み演出パターンや第3先読み演出パターンを実行可能な時間が残されていない(変動表示が開始されるまでの保留記憶数(実行可能な変動表示回数)や残り変動時間に基づいて示唆演出を実行する時間が足りないと判定する)場合や、仮に第1先読み演出パターンを実行する場合に、保留表示を特別態様で表示可能な時間が短すぎて遊技者が特別態様であることを認識し難いような場合(例えば合算保留記憶数が1であり且つ実行中の変動表示の残り変動時間が所定時間(例えば2秒)以下である場合)には、先読み演出(示唆演出および変化演出)を実行せずに、当該始動入賞に対応した保留記憶にもとづく変動表示の実行中において、可動部材演出等の特別演出を実行するようにすると良い。これによれば、始動領域を遊技媒体が通過したあとに保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕がない場合であっても特別演出を実行するので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記の実施形態では、リーチ演出を伴う変動表示の実行中は音演出を制限する例について説明したが、例えば、大当り遊技状態に制御されている期間や、高確率状態、高ベース状態に制御されている期間にも音演出を制限するようにしても良い。特に、これらの期間に関しては、遊技者は現在進行している遊技に対して高い関心を抱いているため、これらの期間においては音演出を実行しないようにしても良い。なお、「音演出を制限する」とは、音演出を一切実行しないことのみならず、音演出が実行される割合を低下させることも含む。
上記の実施形態では、リーチ演出を伴う変動表示の実行中は音演出が制限される例について説明したが、このような形態に限らず、リーチ演出を伴う変動表示の実行中も音演出が制限されないようにしても良い。リーチ演出が実行されている期間は、遊技者が現在実行されている変動表示の表示結果や、これを示唆するリーチ演出の態様に関心を持っているため、リーチ演出が実行されている期間内に音演出を実行する場合には、リーチ演出が実行されていない期間に音演出を実行する場合よりも出力する特定音の音量を大きくしたり、音域を異ならせたりすると良い。これによれば、遊技者は、リーチ演出の実行中であっても音演出が実行されたことを認識しやすくなる。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
上記の実施形態では、第3先読み演出パターンが選択される場合には、示唆演出の通過パターンが選択されない(示唆演出が実行される場合には必ず変化演出も実行される)例について説明したが、これに限らず、第3先読み演出パターンが選択される場合にも、示唆演出の通過パターンが選択される(示唆演出が実行される場合にも変化演出は実行されない)場合があるようにしても良い。例えば、示唆演出の通過パターンが実行された後に、示唆演出の成功パターンが実行されるようにしても良い。この場合には、始動入賞時において、残り変動時間で(1)保留表示を一定時間特殊態様で表示させた後、(2)示唆演出の通過パターンを実行し、さらに(3)示唆演出の成功パターンを実行する時間があるか否かを判定して、時間がある場合には、(1)〜(3)の全てを実行し、(1)〜(3)を全て実行する時間は無いが、(1)および(3)を実行する時間はある場合には、(1)および(3)を実行するようにすると良い。そして(1)および(3)を実行する時間も無い場合には、第1先読み演出パターンを選択しないようにすると良い。
上記の実施形態において、音演出が実行されるか否かに応じて、示唆演出の実行割合を異ならせるようにしても良い。例えば、音演出が実行される場合には、音演出が実行されない場合よりも高い割合で示唆演出を実行するようにすると良い。また、音演出が実行される場合に、出力される特定音の種別に応じて示唆演出の実行割合を異ならせるようにしても良い。例えば、第2特定音が出力される場合には、第1特定音が出力される場合よりも高い割合で示唆演出を実行するようにすると良い。また、音演出が実行される場合に、出力される特定音の種別に応じて実行される示唆演出の演出態様を異ならせるようにしても良い。例えば、第2特定音が出力される場合には、第1特定音が出力される場合よりも高い割合で第2演出態様が実行されるようにすると良い。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。