以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明の実施の形態として、以下に示す第1実施形態および第2実施形態に係る遊技機が含まれる。以下では、まず、第1実施形態に係る遊技機について説明し、次に第2実施形態に係る遊技機について第1実施形態と異なる点について説明する。
[1.第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示している。例えば、演出表示装置9で行われる演出として、後述するように、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される。バトル演出は、リーチ状態において、その変動表示結果が大当り図柄となるか否かを示唆する演出であり、大当り判定がされているときには味方キャラが勝利する演出を実行し、はずれ判定がされているときには味方キャラが敗北する演出を実行する。これに限らず、例えば、プロレスやサッカーの試合の勝敗により大当りとなるか否かを示唆するようにしても良い。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定がされているかはずれ判定がされているかに応じてストーリーの結果を異ならせるような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動表示は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第1開始条件(例えば、後述する図14(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第1」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。この実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順序に従って行われる。
第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第2開始条件(例えば、後述する図14(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第2」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第2始動入賞口14への有効始動入賞とは、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第2始動入賞口14への入賞である。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第1始動入賞口13への有効始動入賞とは、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第1始動入賞口13への入賞である。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、下部表示領域18cが設けられている。下部表示領域18cは、画面左端に設けられる変動対応表示領域180と、遊技者側から見て変動対応表示領域180よりも右側に位置する保留表示領域181と、から構成される。
保留表示領域181は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が有効始動入賞したことにより抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)のうち、当該数値データにもとづく第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が未実行であるものの数を表示するものである。即ち、第1特別図柄の変動表示の実行条件である第1始動条件が成立した後、第1特別図柄の変動表示の開始条件である第1開始条件が成立していない数(第1保留記憶数と称する)と、第2特別図柄の変動表示の実行条件である第2始動条件が成立した後、第2特別図柄の変動表示の開始条件である第2開始条件が成立していない数(第2保留記憶数と称する)との合計数である合算保留記憶数を表示するものである。保留表示領域181には、合算保留記憶数に応じた数の保留表示が所定の表示態様(例えば文字やエフェクトが施されていない通常態様、または文字やエフェクトが施された特定表示態様)で表示される。保留表示領域181に表示される保留表示各々は、保留記憶としての数値データ(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに記憶される大当り判定用乱数等)各々に対応している。
変動対応表示領域180には、第1開始条件または第2開始条件が成立して第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、当該実行される変動表示に対応した変動対応表示が、所定の表示態様(例えば文字やエフェクトが施されていない通常態様、または文字やエフェクトが施された特定表示態様)で表示される。即ち、変動対応表示は、変動表示が実行されていることを示唆するものある。
この実施の形態では、そのように、合算保留記憶数を表示する保留表示領域181が設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、この実施の形態では、演出表示装置9の遊技者から見て左側から順に、第1始動入賞口13への有効始動入賞および第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生する毎に、新たな保留記憶に対応する保留表示を表示する。例えば、保留表示領域181の1つ目〜5つ目の保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を表示するように制御する。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。具体的には、普通図柄の変動表示は、普通図柄の変動表示の実行条件である普通始動条件が成立(例えば、普通図柄保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生)した後、普通図柄の変動表示の開始条件(例えば、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、可変入賞球装置15の開放制御が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が終了すると停止図柄として当り図柄(例えば図柄「7」)又ははずれ図柄(例えば図柄「−」)が導出表示される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄(例えば図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。ここで普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数を表示するものである。普通図柄保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生する毎に、該普通図柄保留記憶数が1加算され(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1増やし)、普通図柄の変動表示が開始される毎に、該普通図柄保留記憶数が1減算される(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1減らす)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第1開始条件が成立したときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第2開始条件が成立したときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態において、低ベース状態とは、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなるように制御されていない遊技状態であり、高ベース状態とは、低ベース状態よりも遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる(第2特別図柄表示器8bにおける変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。
この実施の形態において、低確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として低確率状態時の判定値(高確率状態時の判定値よりも狭い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められていない状態をいう。高確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として高確率状態時の判定値(低確率状態よりも広い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められている状態をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示を開始するときに、その表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する大当り判定処理を行う。また、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定した場合には、表示結果を確変大当り図柄とするか若しくは突然確変大当り図柄とするか、又は通常大当り図柄とするかをさらに判定する。即ち、大当り種別を確変大当りとするか若しくは突然確変大当りとするか、又は通常大当りとするかを決定する。
例えば、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄としない(はずれ図柄にする)と判定された場合には「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定された場合には、決定された大当り種別に応じて、確変大当りの場合には「7」、通常大当りの場合には「3」、突然確変大当りの場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
特別図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を高確率/高ベース状態に移行し、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率/高ベース状態が継続される。また、特別図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、特別図柄の変動表示が100回実行されるか又は次回の大当り遊技状態が開始されるまで低確率/高ベース状態が継続される。大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、その後に大当り遊技状態が開始されること無く特別図柄の変動表示が100回実行された場合には、その後の遊技状態は低確率/低ベース状態となる。
この実施の形態においては、遊技状態として、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、および低確率/高ベース状態が存在する。以下の説明において低確率/低ベース状態を通常状態と称する場合がある。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動表示を開始するときに、ゲート32を遊技球が通過したときに抽出された当り判定用乱数を用いた当り判定を実行する。該当り判定において当りとすると判定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果として当り図柄が導出表示され、該当り判定において当りとしない(はずれとする)と決定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときに所定割合(例えば2/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は所定時間(例えば10秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、所定期間の開放制御(例えば0.5秒×1回の合計0.5秒の開放制御)が実行される。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときに前記所定割合よりも高い割合(例えば11/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は前記所定時間よりも短い時間(例えば1秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、前記所定期間よりも長い開放制御(例えば2.5秒×2回の合計5秒の開放制御)が実行される。
このように、高ベース状態においては、普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄短縮変動制御、普通図柄の変動表示結果が当り図柄となる確率が高められる普通図柄確変制御、および普通図柄の変動表示結果が当り図柄となったことに基づいて可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される開放延長制御が行われる。さらに特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御も行われる。高ベース状態においてこれらの4つの制御が実行されることで、第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる。
即ち、普通図柄短縮変動制御によって、普通図柄の変動時間が短縮される(例えば普通図柄短縮変動制御が実行されない場合の変動時間が10秒であるのに対し、普通図柄短縮変動制御が実行された場合の変動時間が1秒になる)ことで、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなり、可変入賞球装置15が開状態となる割合も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、普通図柄確変制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる(例えば普通図柄確変制御が実行されない場合の確率が2/13であるのに対し、普通図柄確変制御が実行された場合の確率が11/13になる)ことで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、開放延長制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になった場合の可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される(例えば開放延長制御が実行されない場合の開放時間が0.5秒×1回(合計0.5秒)であるのに対し、開放延長制御が実行された場合の開放時間は2.5秒×2回(合計5秒)になる)ことで、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。さらに、特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御によって、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、第2保留記憶数の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減して、有効始動入賞し易くすることができる。
このように、この実施の形態においては、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、開放延長制御、および、特別図柄短縮変動制御が実行されることにより高ベース状態に制御される例を示しているが、これに限らず、このうちのいずれかの制御を実行することにより、高ベース状態に制御するようにしても良い。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄の変動表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや、高確率状態であるか否かを示す確変フラグや、高ベース状態であるか否かを示す高ベースフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経てはずれ図柄が仮停止表示された後、演出図柄が再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が最終停止表示される)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「リーチはずれ」の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経た後に再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される)。
ここで、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させるような大当りである。すなわち、そのようにすることにより、遊技者にとっては大当り遊技状態を経ずに突然に高確率/高ベース状態となったかのように見せるものである。このような大当り種別を設けることにより遊技の興趣を向上させることができる。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。この実施の形態では、演出図柄の変動パターンに応じた遊技演出が実行されるようになっている。
この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3の変動パターンが用意されている。非リーチPA1−1の変動時間は15秒であり、非リーチPA1−2の変動時間は8秒である。これに対して非リーチPA1−3の変動時間は2秒と短いため、「短縮変動」の変動表示態様と称する場合がある。
また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1、スーパーPA3−1およびスーパーPA3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPA2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が20秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、後述するストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が40秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が60秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
また、変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPB2−1、スーパーPB3−1およびスーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPB2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が28秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、ストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、「大当り!」の文字が表示される大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が48秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が68秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
また、変動表示結果が「突然確変大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPC2−1、スーパーPC3−1およびスーパーPC3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。以下の説明において、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPC2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が35秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、一旦は、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して「突確!」の文字が表示される突然確変大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が55秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、一旦は、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動してストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が75秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、一旦は、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して味方キャラが敵キャラに逆転勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
このように、この実施の形態では、演出図柄の変動パターン毎に、その変動時間に応じた演出データ(プロセステーブル)が設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、各変動パターンコマンドに対応した演出データを記憶しており、特別図柄の変動表示が開始されるときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンコマンドに応じた演出を演出表示装置9等により実行する。
本実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第1保留記憶バッファに順次格納する。また、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第2保留記憶バッファに順次格納する。ハードウェア乱数およびソフトウェア乱数は所定のタイミング(例えば4ms毎および所定の割込み処理毎)に更新されている。
図5は、各乱数の一例を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、このような形態に限らず、変動パターン種別を決定する段階を設けることなく1段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるようにしても良い。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。本例では、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けている。
この実施の形態では、はずれである場合には、リーチも再変動も伴わず短縮変動も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX1と、リーチも再変動も伴わず短縮変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX2と、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルX1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーX1とに種別分けされている。
この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY1とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、ノーマルリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY2と、スーパーリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY2とに種別分けされている。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/低ベース状態,低確率/高ベース状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる高確率時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、高確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生したことに基づいて、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、まず、有効始動入賞が発生したときに、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、その判定結果に応じて後述する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを送信する。そして、有効始動入賞に基づく変動表示が開始されるときにも、読み込んだ大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15ラウンド(15R)通常大当り」、「5ラウンド(5R)通常大当り」、「15ラウンド(15R)確変大当り」、「5ラウンド(5R)確変大当り」、および「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、以下の説明において、「15R通常大当り」および「5R通常大当り」を「通常大当り」と称する場合があり、「15R確変大当り」および「5R確変大当り」ならびに「突然確変大当り」を「確変大当り」と称する場合がある。また、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別として、「15ラウンド(15R)通常大当り」、「5ラウンド(5R)通常大当り」、「15ラウンド(15R)確変大当り」、「5ラウンド(5R)確変大当り」、および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、5ラウンド、および2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15ラウンド(15R)通常大当り」、「5ラウンド(5R)通常大当り」、「15ラウンド(15R)確変大当り」、「5ラウンド(5R)確変大当り」、および「突然確変大当り」の5種類である場合を示しているが、5種類にかぎらず、例えば、6種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別を5種類よりも少なくしてもよく、例えば、大当り種別として4種類、3種類、または2種類のみ設けられていてもよい。
「15ラウンド(15R)通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「5ラウンド(5R)通常大当り」とは、「15R通常大当り」とはラウンド数が異なる通常大当りであって、5ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「15ラウンド(15R)確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
「5ラウンド(5R)確変大当り」とは、「15R確変大当り」とはラウンド数が異なる確変大当りであって、5ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、他の大当り(「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、および「5R確変大当り」)と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、および「5R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行される。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されている期間における遊技者にとっての有利度が異なる複数の大当り種別が存在する。具体的には、15R通常大当りや15R確変大当りは、5R通常大当り、5R確変大当りおよび突然確変大当りと比較して遊技者が獲得可能な遊技媒体数が多い。すなわち、15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)は、大当り遊技状態において5R以下の大当り(5R通常大当り、5R確変大当り、および突然確変大当り)よりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。また、この実施の形態では、大当り遊技状態終了後における遊技者にとっての有利度が異なる複数の大当り種別が存在する。具体的には、15R確変大当り、5R確変大当りおよび突然確変大当りは、15R通常大当りおよび5R通常大当りと比較して、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御されることにより、次の大当りが発生しやすい。すなわち、確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当りおよび突然確変大当り)は、大当り遊技状態終了後において通常大当り(15R通常大当りおよび5R通常大当り)よりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。
なお、この実施の形態では、5R大当り(5R確変大当りおよび5R通常大当り)と15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)とで、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が共通であり、大入賞口の開放回数が異なる例を示しているが、このような形態に限らず、大入賞口の開放回数が共通であるが大入賞口の開放時間が異なる複数の大当り種別が存在するようにしても良い。例えば、大入賞口の開放回数はいずれも15回であるが、そのうち5回は大入賞口の開放時間が最長29秒であり残りの10回は大入賞口の開放時間が最長0.1秒である大当り種別(所謂実質5ラウンドの大当り)と、15回全てについて大入賞口の開放時間が最長29秒である大当り種別(所謂実質15ラウンドの大当り)とが存在するようにしても良い。このような場合には、大当り遊技状態に制御されている期間において後者(実質15ラウンドの大当り)は前者(実質5ラウンドの大当り)よりも遊技者にとって有利な大当りといえる。このように、大当り遊技状態に制御されている期間における有利度は大入賞口の開放回数のみによって決定されるものではなく、遊技球が大入賞口に入賞可能な期間に基づくものである。
第1特別図柄の変動表示が行われるときに用いられる図6(B)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、および「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
第2特別図柄の変動表示が行われるときに用いられる図6(C)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、および「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が行われるときには、大当り種別が5R通常大当りに決定されることがないように判定値が設定されているが、このような形態に限らず、第1特別図柄の変動表示が行われるときに大当り種別が5R通常大当りに決定される場合があるように判定値を設定しても良い。また、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が行われるときには、大当り種別が15R通常大当りに決定されることがないように判定値が設定されているが、このような形態に限らず、第2特別図柄の変動表示が行われるときに大当り種別が15R通常大当りに決定される場合があるように判定値を設定しても良い。
図7(A)(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。このうち、図7(A)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図7(B)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合,および遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。
図7(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX1(1〜169)、ノーマルX1(170〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図7(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX2(1〜219)、ノーマルX1(220〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図7(A)(B)に示すように、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜169であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともリーチ状態を伴わない変動表示(「非リーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が220〜239であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示(「ノーマルリーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が240〜251であれば、合算保留記憶数や遊技状態にもかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示(「スーパーリーチはずれ」)が実行されることがわかる。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8(A)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が15R通常大当り及び5R通常大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜49)、スーパーY1(50〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が15R確変大当り及び5R確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜49)、スーパーY1(50〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が突然確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY2(1〜49)、スーパーY2(50〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図8(A)(B)(C)に示すように、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜49であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が50〜251であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。
図9(A)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「非リーチX1」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−1または非リーチPA1−2が決定され、変動パターン種別として「非リーチX2」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−3が決定され、変動パターン種別として「ノーマルX1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPA2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーX1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPA3−1またはスーパーPA3−2が決定される。
図9(B)は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。大当り変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「ノーマルY1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPB2−1が決定され、変動パターン種別として「ノーマルY2」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPC2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーY1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPB3−1またはスーパーPB3−2が決定され、変動パターン種別として「スーパーY2」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPC3−1またはスーパーPC3−2が決定される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図11は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「5R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「5R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。
図12は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、特別図柄の表示結果がいずれの表示結果となるか、および始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したかに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態がはずれとなると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜169の範囲には非リーチX1または非リーチX2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチX1または非リーチX2となること(すなわちリーチ状態とならないこと)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜219となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜239となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値220〜239の範囲にはノーマルX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ3コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルX1となること(すなわちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が240〜251となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値240〜251の範囲にはスーパーX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ4コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーX1となること(すなわちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
また、例えば、有効始動入賞時に、大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)となると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜49となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜49となる場合(すなわち、ノーマルY1またはノーマルY2となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値1〜49の範囲にはノーマルY1またはノーマルY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ11コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルY1またはノーマルY2となること(すなわちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が50〜251となる場合には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値50〜251の範囲にはスーパーY1またはスーパーY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ12コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーY1またはスーパーY2となること(すなわちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に有効始動入賞したことに基づく変動カテゴリコマンドを受信することにより、後述する先読み演出を実行することが可能となる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
(有効始動入賞時における保留記憶バッファへの格納処理)
第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数(図5参照)である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数(図5参照)である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのいずれの保存領域にも、有効始動入賞順に従って乱数が格納されてゆき、n=1,2,3,4の保存領域が存在するときに、n=1の保存領域に乱数が格納されており、n=2,3,4の保存領域に乱数が格納されていなければ、n=2の保存領域に乱数が格納される。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
(有効始動入賞時における始動入賞時コマンドの送信処理)
CPU56は、第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値(第1特別図柄用)とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、15R通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(15R通常大当り指定)をセットし、15R確変大当りの大当り種別判定値(16〜19)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(15R確変大当り指定)をセットし、5R確変大当りの大当り種別判定値(20〜34)と一致する場合には、図柄5指定コマンド(5R確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、図柄6指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
CPU56は、第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値(第2特別図柄用)とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、5R通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(5R通常大当り指定)をセットし、15R確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(15R確変大当り指定)をセットし、5R確変大当りの大当り種別判定値(35〜38)と一致する場合には、図柄5指定コマンド(5R確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、図柄6指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が所定時間毎(例えば4ms毎)に実行する割込み処理において実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)(図14(A)および後述する同図の説明を参照)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218B)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218C)。
なお、S1218A,S1218Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1218Cの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図14(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄の変動開始から変動終了(停止図柄の導出表示)まで、大当り遊技状態の開始から終了までの各プロセスに応じて変化する特別図柄プロセスフラグの値で確認される。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1226)。なお、S1226の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1227)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228C)。
なお、S1228A,S1228Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1227の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1228A〜S1228Cの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1227の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、通常状態でなければS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。なお、高ベース状態であるときには第2保留記憶に対してのみ先読み演出を実行するように構成する場合には、逆に高ベース状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにし、通常状態である場合にはS1227の入賞時演出処理を実行せず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、大当り遊技中であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、S1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。そのように構成すれば、先読み演出がある程度の期間実行される場合に、変動時間が短くて先読み演出が途中で途切れてしまうことを確実に防止することができる。
図15は、S1217,S1227の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターンを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高確率状態に制御されている期間セットされている。また、時短フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高ベース状態に制御されている期間セットされている。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の遊技状態判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図12に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。なお、この実施の形態では、遊技状態によらず共通の閾値(例えば169,219,および239)が設定されるものとしているが、遊技状態に応じて異なる閾値(例えば低ベース状態であれば169および239、高ベース状態であれば219および239)を設定するようにしても良い。
例えば、CPU56は、閾値169,219,および239を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値169以下であるか否かを判定し、閾値169以下である場合(すなわち、1〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値219以下である場合(すなわち、170〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値239以下である場合(すなわち、220〜239である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値239以下でない場合(すなわち、240〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図12参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に169、219、および239と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値169以下であるか否かを判定した後に、閾値219以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜169の範囲内となることはなく、170〜219の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に169、219、および239と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に239、219、および169と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1227の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)(図11参照)。この場合、「15R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「5R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「5R通常大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「5R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「5R確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。なお、この実施の形態では、大当り種別によらず共通の閾値(例えば49)が設定されるものとしているが、大当り種別に応じて閾値が異なる場合には、大当り種別毎に異なる閾値を設定するようにしても良い。
例えば、CPU56は、「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」のいずれかと判定した場合に、閾値49を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値49以下であるか否かを判定し、閾値49以下である場合(すなわち、1〜49である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値49以下でない場合(すなわち、50〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図12参照)。
次いで、CPU56は、S226,S231で設定した閾値と、S1216,S1226(図13)で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図7、図8参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図12に示すような「00(H)」〜「03(H)」、「10(H)」〜「11(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み演出を実行するようにしてもよい。
図16は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図16に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定マンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のコマンドがセットで送信される。そのため、図16に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。なお、以下の説明では、始動入賞時コマンド格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第1保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第1保留コマンドと総称する場合があり、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第2保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第2保留コマンドと総称する場合がある。さらに、第1保留コマンドと第2保留コマンドとを保留コマンドと総称する場合がある。
また、図16に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、最初の格納領域(格納領域1)に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。
また、この実施の形態では、後述するように、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)にもとづいて、先読み演出決定処理において先読み演出を実行するか否かが決定される。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行することが可能である。
(特別図柄の変動開始に伴う処理)
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されておらず、大当り遊技状態に制御されておらず、かつ合算保留記憶数が0ではないことを条件として、特別図柄の変動表示を開始する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数が0でなく、且つ、大当り遊技状態に制御されていなければ、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか又は「第2」を示すデータであるかを確認する。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、第1特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、15R通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(15R通常大当り指定)をセットし、15R確変大当りの大当り種別判定値(16〜19)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(15R確変大当り指定)をセットし、5R確変大当りの大当り種別判定値(20〜34)と一致する場合には、表示結果5指定コマンド(5R確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、表示結果6指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が15R通常大当りまたは5R通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が15R確変大当りまたは5R確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第1特別図柄の変動表示開始に伴い、第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第1特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第1保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」を示すデータである場合には、第2特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、5R通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(5R通常大当り指定)をセットし、15R確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(15R確変大当り指定)をセットし、5R確変大当りの大当り種別判定値(35〜38)と一致する場合には、表示結果5指定コマンド(5R確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、表示結果6指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が15R通常大当りまたは5R通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が15R確変大当りまたは5R確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第2特別図柄の変動表示開始に伴い、第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第2特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第2保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
(下部表示領域18cの表示)
図17は、演出表示装置9の下部に設けられる下部表示領域18cの詳細を示す説明図である。下部表示領域18cは、演出図柄(この例では「777」)が表示される演出図柄表示領域の下方に位置しており、実行されている又は実行されることが決定されている変動表示各々に対応した丸型のオブジェクトである変動対応表示または保留表示が表示される領域である。ここで、下部表示領域18cの左端に位置する変動対応表示領域180には、実行されている変動表示(開始条件が成立した可変表示)に対応した変動対応表示が表示される。また、下部表示領域18cの遊技者側から見て変動対応表示領域180の右側に位置する保留表示領域181には、実行されることが決定されているが未だ実行されていない変動表示(始動条件は成立したが開始条件が成立していない可変表示)に対応した保留表示が表示される。
保留表示領域181は、変動対応表示領域180の右側から画面右端に向かって順に、保留表示領域181A,181B,181C,181D,181E,181F,181G,および181Hにより構成され、保留表示領域181Aは、図14(A)の保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=1に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Bは2番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=2に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Cは3番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=3に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Dは4番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=4に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Eは5番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=5に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Fは6番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=6に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Gは7番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=7に対応するデータ)に対応し、保留表示領域181Hは8番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=8に対応するデータ)に対応している。保留特定領域の各領域に「第1」または「第2」を示すデータがセットされている場合には、対応する保留表示領域に保留表示が表示される。
保留表示領域181に表示されていた保留表示に対応する変動表示の開始条件が成立したときに、保留表示領域に保留表示として表示されていたオブジェクトが変動対応表示領域180にシフトされ、変動対応表示として表示されることになる。このとき変動対応表示領域180にシフトされるオブジェクトの表示態様は維持されるものとする。すなわち、保留表示領域181に表示されていた保留表示の表示態様が特殊態様であれば、該保留表示が変動対応表示領域180にシフトされて変動対応表示として表示されることになっても、当該変動対応表示の表示態様は特殊態様となる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図18は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、後述する保留変化演出や背景変化演出を実行するか否か及び保留変化演出や背景変化演出を実行する場合の演出態様(保留表示の表示態様を第1特殊態様または第2特殊態様のいずれにするか、あるいは演出図柄の背景画像を第1特別態様または第2特別態様のいずれにするか)を決定するための乱数等の、各種演出の実行の有無および各種演出の実行態様を決定するための各乱数をRAMに記憶しており、S707において、各乱数を生成するためのカウンタのカウント値も更新している。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド(図10参照))を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
図19は、図18に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、先読み演出として後述する保留変化演出や背景変化演出を実行するか否か、および保留変化演出や背景変化演出を実行する場合の演出態様(保留表示の表示態様を第1特殊態様または第2特殊態様のいずれにするか、あるいは演出図柄の背景画像を第1特別態様または第2特別態様のいずれにするか)を決定する先読み演出決定処理を実行する(S800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の表示態様(例えばリーチ演出)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、後述の保留変化演出や背景変化演出が実行される。
図20は、保留変化演出の特殊態様表示および背景変化演出の特別態様表示のそれぞれの具体例を示す図である。
「保留変化演出」とは、保留表示領域181に表示される保留表示の表示態様を、所定の条件において通常態様とは異なる特殊態様で表示する演出である。この実施形態において、特殊態様は、図20(a−1)で示される第1特殊態様(「『熱』文字」ともいう)および図20(a−2)で示される第2特殊態様(「炎エフェクト」ともいう)の2種類がある。図20(a−1)に示すように、第1特殊態様の「熱」文字は、保留表示に「熱」の文字が施された表示態様である。また、図20(a−2)に示すように、第2特殊態様の炎エフェクトは、保留表示に炎の画像エフェクトが施された表示態様である。
「背景変化演出」とは、演出表示装置9に表示される演出図柄の背景画像の表示態様を、所定の条件において通常態様とは異なる特別態様で表示する演出である。この実施形態においては、特別態様は、図20(b−1)で示される第1特別態様(「晴天モード」ともいう)および図20(b−2)で示される第2特別態様(「落雷モード」ともいう)の2種類がある。図20(b−1)に示すように、第1特別態様の晴天モードは、太陽が出た晴天の天気を示す背景画像を表示するモードである。図20(b−2)で示すように、第2特別態様の落雷モードは、雷雲から落雷が発生した天気を示す背景画像を表示するモードである。
これらの保留変化演出および背景変化演出が実行される処理について、以下に具体的に説明する。
図21は、先読み演出決定処理(S800A)を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(S1001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認することができる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、演出用乱数を抽出する(S1002)。ここで抽出された演出用乱数は、後述の入賞時決定処理、保留変化演出決定処理、および背景変化演出決定処理における、保留変化演出および背景変化演出を実行するか否か、ならびに実行する場合の保留変化演出および背景変化演出の態様の決定に使用される。次に、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(後述の図24)を参照し、保留変化演出フラグおよび背景変化演出の両方のフラグがセットされているか否かを確認する(S1003)。保留変化演出フラグは、後述する入賞時決定処理または保留変化演出決定処理において保留変化演出を実行することに決定されたことに基づいてセットされる。また、背景変化演出フラグは、後述する入賞時決定処理または背景変化演出決定処理において背景変化演出を実行することに決定されたことに基づいてセットされる。すなわち、演出制御用CPU101は、保留変化演出および背景変化演出の両方が実行することに決定されているか否かを確認する。なお、この実施の形態においてS1003でYESと判定されるケースは、保留変化演出および背景変化演出の両方が既に実行されている場合、または保留変化演出が既に実行されており背景変化演出は未だ実行されていないが実行されることが決定されている場合のいずれかである。演出フラグテーブルに保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグの両方がセットされていた場合(S1003のY)、演出制御用CPU101は、新たに受信した1セットの始動入賞時のコマンドに対応する新たな保留表示を、特殊態様ではない通常態様(例えば文字も画像エフェクトも施されていない丸型の表示態様)で表示する処理を実行する(S1010)。
次に、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(後述の図24)を参照し、保留変化演出フラグおよび背景変化演出のフラグのいずれもがセットされていないかどうかを確認する(S1004)。演出フラグテーブルに、保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグの両方ともがセットされていなかった場合、すなわち保留変化演出フラグも背景変化演出フラグも一切セットされていなかった場合(S1004でY)、演出制御用CPU101は、後述の入賞時決定処理(S1005)を実行する。演出フラグテーブルに、保留変化演出フラグまたは背景変化演出フラグのどちらかがセットされていた場合(S1004でN)、演出制御用CPU101は、背景変化演出フラグのみがセットされているか否かを確認する(S1006)。演出フラグテーブルに背景変化演出フラグのみがセットされていた場合(S1006でY)、演出制御用CPU101は、後述の保留変化演出決定処理(S1007)を実行する。演出フラグテーブルに、背景変化演出フラグがセットされていなかった場合(S1006でN)は、保留変化演出フラグのみがセットされていると判定される。このとき演出制御用CPU101は、合算保留記憶数の数を確認する(S1008)。合算保留記憶数が3未満であった場合(S1008でN)、演出制御用CPU101は、新たに受信した1セットの始動入賞時のコマンドに対応する新たな保留表示を、特殊態様ではない通常態様で表示する処理を実行する(S1010)。合算保留記憶数が3以上であった場合(S1008でY)、演出制御用CPU101は、後述の背景変化演出決定処理(S1009)を実行する。
なお、演出制御用CPU101が背景変化演出フラグのみがセットされているか否かを確認するS1006の処理を実行するときには、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグの少なくともどちらかのフラグがセットされていないこと、ならびに保留変化演出フラグまたは背景変化演出フラグのどちらかのフラグがセットされていることは既に確認済みであるため(S1003およびS1004)、ここで背景変化演出フラグがセットされていることが確認できれば、その時点で背景変化演出フラグのみがセットされていると判断可能である。
(入賞時決定処理(S1005)、図22)
前述のとおり、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグがいずれもセットされていないことを確認したら(S1004でY)、入賞時決定処理(S1005)を実行する。図22は、この入賞時決定処理(S1005)の具体的な処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御用CPU101は、入賞時決定テーブルに基づいて、(1)先読み演出(保留変化演出および背景変化演出)を実行するか否か、および(2)先読み演出を実行する場合には実行する先読み演出の種別と演出態様と、を決定する(S1020)。これらは、具体的には、演出制御用CPU101が、受信した1セットの始動入賞時のコマンドのうちの図柄指定コマンド(図11参照)、合算保留記憶数、および抽出した演出用乱数(S1002)と入賞時決定テーブル(図23)とを比較参照して決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数に基づいて使用すべき入賞時決定テーブルを決定し、図柄指定コマンドの内容に基づいて入賞時判定結果を判断し、それぞれの入賞判定結果毎に予め定められた割合に基づいて、(1)先読み演出を実行するか否か、および(2)先読み演出を実行する場合の演出態様を決定する。これらの処理について、より具体的に説明する。
まず、合算保留記憶数が3以上の場合、演出制御用CPU101は、図23(a)の入賞時決定テーブルを利用することに決定する。
ここで、図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞時判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を5%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を1%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を2%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を2%、先読み演出を実行しない割合を90%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)の場合には、入賞時判定結果が「15R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、先読み演出を実行しない割合を45%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC402(H)の場合には、入賞時判定結果が「5R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、先読み演出を実行しない割合を60%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC403(H)の場合には、入賞時判定結果が「15R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を30%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC404(H)の場合には、入賞時判定結果が「5R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を45%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC405(H)の場合には、入賞時判定結果が「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を45%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
合算保留記憶数が3未満の場合、演出制御用CPU101は、図23(b)の入賞時決定テーブルを利用することに決定する。この入賞時決定テーブルは、合算保留記憶数が3以上の場合の入賞時決定テーブルと異なり、背景変化演出を実行しないように設定されている。すなわち、本実施形態では、合算保留記憶数が3未満の場合には背景変化演出を実行しないこととしている。
ここで、図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞時判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を5%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を1%、先読み演出を実行しない割合を90%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)〜C405(H)の場合には、入賞時判定結果が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を70%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
上記のように、所定の割合で先読み演出を実行させるために、実際の処理は、例えば以下のようになる。すなわち、演出用乱数を例えば0〜99の範囲の乱数として定義し、合算保留記憶数が3以上であって入賞時判定結果が「はずれ」の場合を例にすると、演出用乱数が0〜4の範囲だった場合は第1特殊態様の保留変化演出、演出用乱数が5だった場合は第2特殊態様の保留変化演出、演出用乱数が6または7だった場合は第1特別態様の背景変化演出、演出用乱数が8または9だった場合は第2特別態様の背景変化演出、そして演出用乱数が10〜99だった場合は先読み演出を実行しないよう、演出制御用CPU101が処理する。なお、演出用乱数として定義される数値範囲は任意であり、結果的に所定の割合で各先読み演出が実行されるように設定されればよい。
なお、本実施形態では、保留変化演出は大当りの可能性を示唆し、背景変化演出は大当りの種別を示唆するよう設定されている。すなわち、保留変化演出のうち、第1特殊態様よりも第2特殊態様が実行される場合のほうが大当りの可能性が高く、はずれの可能性が低くなるよう設定されている。また、第1特別態様の背景変化演出が実行された場合、5R大当り(5R通常大当りおよび5R確変大当り)よりも15R大当り(15R通常大当りおよび15R確変大当り)の可能性が高くなるよう設定されている。また、第2特別態様の背景変化演出が実行された場合、通常大当り(15R通常大当りおよび5R通常大当り)よりも確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り、および突然確変大当り)の可能性が高くなるよう設定されている。
このように、保留変化演出および背景変化演出がそれぞれ大当りの可能性および大当りの種別を示唆するよう入賞時決定テーブルを設定することで、遊技者が保留変化演出や背景変化演出により注目するようになり、興趣を向上させることができる。
図24は、演出フラグテーブルの一例を示す表である。演出フラグテーブルは、各保留記憶に対応した変動表示(保留表示)が、それぞれ先読み演出のターゲットとなるか否か、および先読み演出のターゲットとなる場合の、先読み演出の種別(保留変化演出または背景変化演出)および態様(第1特殊態様もしくは第2特殊態様、または第1特別態様もしくは第2特別態様)を記憶する記憶領域である。また、この実施形態については開始条件が成立した保留記憶(実行されている変動表示であり演出フラグテーブルの変動順序0(変動対応表示)に対応)についても、上記情報が記憶されている。
図24に示すように、演出フラグテーブルには保留記憶の変動順序(合算保留記憶数に対応)のそれぞれに対応した、保留変化演出フラグ、および背景変化演出フラグが記憶されている。ここで示される保留記憶の変動順序とは、変動表示の開始条件が成立する順序であり、この実施の形態では、その保留記憶が第1始動入賞口13への有効始動入賞に基づくものであるか又は第2始動入賞口14への有効始動入賞に基づくものであるかにかかわらず、有効始動入賞した順序で変動表示の開始条件が成立する。従って、始動入賞時における合算保留記憶数が、その保留記憶について変動表示の開始条件が成立する順序となる。
保留変化演出フラグには、第1特殊態様フラグと第2特殊態様フラグとがあり、背景変化演出フラグには第1特別態様フラグと第2特別態様フラグとがある。前述の入賞時決定処理において、演出制御用CPU101は、始動入賞時の判定で先読み演出を実行することに決定したとき、当該始動入賞に基づく保留記憶を含めた合算保留記憶数に対応したフラグをセットする。例えば、合算保留記憶数が3のときに新たな始動入賞が発生して合算保留記憶数が4となり、係る始動入賞に対して先読み演出決定処理を実行する場合であって、第2特別態様の背景変化演出を実行することに決定された場合、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて変動順序(合算保留記憶数)4に対応する背景変化演出フラグの第2特別態様フラグをセットする(図24参照)。
以上が、入賞時決定処理のS1020の処理である。演出制御用CPU101は、このS1020の処理の結果、保留変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(S1021)。その結果、保留変化演出を実行することに決定した場合(S1021でY)、上述のとおり、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したことに基づく加算更新後の合算保留記憶数)に対応させて、演出制御用CPU101が演出態様に応じたフラグをセットする(S1022)。そして、演出制御用CPU101は、当該決定対象の保留表示を、決定された第1特殊態様または第2特殊態様のどちらかで表示し(S1023)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、演出制御用CPU101が、保留変化演出を実行することに決定していなかった場合(S1021でN)、次に演出制御用CPU101は、背景変化演出をどの変動表示まで連続して実行するかを決定する。本実施形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には15Rの大当り、すなわち15R通常大当りまたは15R確変大当りであることを確定させ、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には確変大当り、すなわち15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであることを確定させるため、以下のS1026〜S1032の処理を実行する。
演出制御用CPU101は、保留変化演出を実行することに決定していなかった場合(S1021でN)、S1020の処理の結果、背景変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(S1025)。背景変化演出を実行することに決定していなかった場合(S1025でN)、新たな保留表示を通常態様で表示して(S1033)、入賞時決定処理を終了する。背景変化演出を実行することに決定した場合(S1025でY)、演出制御用CPU101は、次にその背景変化演出の態様を確認する。
当該背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)であった場合(S1026でY)、演出制御用CPU101は図柄指定コマンドを確認し、決定対象の変動表示が15R以外の大当りか否か、すなわち、はずれ、5R通常大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りであって、15R通常大当りまたは15R確変大当りではないことを判定する(S1027)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R以外の大当りであった場合(S1027でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の変動順序)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1028)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(S1033)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が15Rの大当りであった場合(S1027でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(当該決定対象の保留記憶の変動順序)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1029)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(S1033)、入賞時決定処理を終了する。
背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)でなかった場合(S1026でN)、背景変化演出は第2特別態様(落雷モード)であると判断される。このとき、演出制御用CPU101は、決定対象の変動表示が通常大当りか、すなわち、15R通常大当りまたは5R通常大当りであって、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りではないことを判定する(S1030)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R通常大当りまたは5R通常大当りであった場合(S1030でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の変動順序)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1031)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(S1033)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が通常大当りではなかった場合、すなわち、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであった場合(S1030でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(当該決定対象の保留記憶の変動順序)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1032)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(S1033)、入賞時決定処理を終了する。
以上が、先読み演出決定処理(図21)の入賞時決定処理(S1005、図22)の具体的処理である。
上記のような処理を行うことで、15R大当り(15R通常大当りまたは15R確変大当り)以外の変動表示に対応する保留記憶があった場合、その前の変動表示までで第1特別態様の背景変化演出の連続演出が終了する。これによって、遊技者は、第1特別態様の背景変化演出が実行されている間に大当りとなる場合には15R大当りが確定すると理解することとなり、遊技者は背景変化演出に注目するようになり、興趣を向上させることができる。確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り、または突然確変大当り)と第2特別態様の背景変化演出の関係についても同様に、遊技者は、第2特別態様の背景変化演出が実行されている間に大当りとなる場合には確変大当りが確定すると理解することとなり、遊技者は背景変化演出に注目するようになり、興趣を向上させることができる。
(保留変化演出決定処理(S1007)、図25)
前述のとおり、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルに背景変化演出フラグのみがセットされていることを確認したら(S1006でY)、保留変化演出決定処理(S1007)を実行する。図25は、この保留変化演出決定処理(S1007)の処理を示すフローチャートである。図26は、保留変化演出決定テーブルの具体例を示す図である。
まず、演出制御用CPU101は、保留変化演出決定テーブルに基づいて、(1)保留変化演出を実行するか否か、および(2)保留変化演出を実行する場合には実行する保留変化演出の演出態様を決定する(S1040)。これらは、具体的には、演出制御用CPU101が、受信した1セットの始動入賞時のコマンドのうちの図柄指定コマンド(図11参照)、および抽出した演出用乱数(S1002)と保留変化演出決定テーブル(図26)とを比較参照して決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドの内容に基づいて入賞時判定結果を判断し、それぞれの入賞判定結果毎に予め定められた割合に基づいて、(1)保留変化演出を実行するか否か、および(2)保留変化演出を実行する場合の演出態様を決定する。これらの処理について、より具体的に説明する。
図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を2%、先読み演出を実行しない割合を88%とするよう、保留変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)〜C405(H)の場合には、入賞判定結果が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を40%、先読み演出を実行しない割合を40%とするよう、保留変化演出(先読み演出のひとつ)についての決定処理を実行する。
このように、図26の保留変化演出決定テーブルでは、図23の入賞時決定テーブルと比較して高い割合で保留変化演出が実行されるようになっている。すなわち、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていない場合(S1005の入賞時決定処理が実行される場合)よりも、背景変化演出が実行されている場合(S1006でYESと判定されてS1007の保留変化演出決定処理が実行される場合)の方が、保留表示が第1特殊態様または第2特殊態様に変化する割合が高められるようになっている。
なお、ここで演出制御用CPU101の実際の処理は、演出用乱数を利用して行われるが、その処理は入賞時決定処理の際の処理と同様である。すなわち、上記の所定の割合で保留変化演出が実行されるよう、演出用乱数の数値範囲と、それに対応する第1特殊態様の保留変化演出と第2特殊態様の保留変化演出とをそれぞれ実行する数値範囲、および保留変化演出を実行しない数値範囲とを、設定すればよい。
以上が、保留変化演出決定処理のS1040の処理である。なお、以下に保留変化演出決定処理のS1041〜S1047の各処理を具体的に説明するが、この処理は入賞時決定処理(図22)のS1021〜S1023およびS1033の処理とそれぞれ同様である。
演出制御用CPU101は、上述のS1040の処理の結果、保留変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(S1041)。その結果、保留演出を実行することに決定していない場合(S1041でN)、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を通常態様で示して(S1047)、保留変化演出決定処理を終了する。保留変化演出を実行することに決定した場合(S1041でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(当該決定対象の保留記憶の変動順序)に対応させて、演出態様に応じたフラグをセットする(S1042)。そして、演出制御用CPU101は、当該決定対象の新たな保留表示を、決定された第1特殊態様または第2特殊態様のどちらかの保留変化演出で表示し(S1023)、保留変化演出決定処理を終了する。
以上が、先読み演出決定処理(図21)の保留変化演出決定処理(S1007、図25)の具体的処理である。
(背景変化演出決定処理(S1009)、図27)
前述のとおり、合算保留記憶数が3以上であった場合(S1008でY)、演出制御用CPU101は、背景変化演出決定処理(S1009)を実行する。図27は、この背景変化演出決定処理(S1009)の具体的な処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御用CPU101は、背景変化演出決定テーブルに基づいて、(1)背景変化演出を実行するか否か、および(2)背景変化演出を実行する場合には実行する背景変化演出の演出態様を決定する。これらは、具体的には、演出制御用CPU101が、受信した1セットの始動入賞時のコマンドのうちの図柄指定コマンド(図11参照)、および抽出した演出用乱数(S1002)と背景変化演出決定テーブル(図28)とを比較参照して決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドの内容に基づいて入賞時判定結果を判断し、それぞれの入賞判定結果毎に予め定められた割合に基づいて、(1)背景変化演出を実行するか否か、および(2)背景変化演出を実行する場合の演出態様を決定する。これらの処理について、より具体的に説明する。
図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、背景変化演出を実行しない割合を92%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)の場合には、入賞判定結果が「15R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、背景変化演出を実行しない割合を50%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC402(H)の場合には、入賞判定結果が「5R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、背景変化演出を実行しない割合を80%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC403(H)の場合には、入賞判定結果が「15R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、背景変化演出を実行しない割合を20%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC404(H)の場合には、入賞判定結果が「5R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、背景変化演出を実行しない割合を50%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC405(H)の場合には、入賞判定結果が「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、背景変化演出を実行しない割合を50%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
このように、図28の背景変化演出決定テーブルでは、図23の入賞時決定テーブルと比較して高い割合で背景変化演出が実行されるようになっている。すなわち、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていない場合(S1005の入賞時決定処理が実行される場合)よりも、保留変化演出が実行されている場合(S1006でNOと判定されてS1009の背景変化演出決定処理が実行される場合)の方が、背景画像が第1特別態様または第2特別態様に変化する割合が高められるようになっている。
なお、ここで演出制御用CPU101の実際の処理は、演出用乱数を利用して行われるが、その処理は入賞時決定処理および保留変化演出決定処理の際の処理と同様である。すなわち、上記の所定の割合で背景変化演出が実行されるよう、演出用乱数の数値範囲と、それに対応する第1特別態様の背景変化演出と第2特別態様の背景変化演出とをそれぞれ実行する数値範囲、および保留変化演出を実行しない数値範囲とを、設定すればよい。
以上が、背景変化演出決定処理におけるS1050の処理である。なお、以下に背景変化演出決定処理のS1051〜S1060の各処理を具体的に説明するが、この処理は入賞時決定処理(図22)のS1025〜S1033と同様である。本実施形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになった場合には15Rの大当り、すなわち15R通常大当りまたは15R確変大当りであることを確定させ、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになった場合には確変大当り、すなわち15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであることを確定させるため、以下のS1051〜S1059の処理を実行する。
演出制御用CPU101は、上述のS1050の処理の結果、背景変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(S1051)。その結果、背景変化演出を実行することに決定していない場合(S1051でN)、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を通常態様で表示して(S1060)、背景変化演出決定処理を終了する。背景変化演出を実行することに決定した場合(S1051でY)、演出制御用CPU101は、次にその背景変化演出の態様を確認する(S1052)。
当該背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)であった場合(S1052でY)、演出制御用CPU101は図柄指定コマンドを確認し、決定対象の変動表示が15R以外の大当りか否か、すなわち、はずれ、5R通常大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りであって、15R通常大当りまたは15R確変大当りではないことを判定する(S1054)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R以外の大当りであった場合(S1054でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の変動順序)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1055)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(S1060)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が15Rの大当りであった場合(S1054でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(当該決定対象の保留記憶の変動順序)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1056)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(S1060)、入賞時決定処理を終了する。
背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)でなかった場合(S1052でN)、背景変化演出は第2特別態様(落雷モード)であると判断される。このとき、演出制御用CPU101は、決定対象の変動表示が通常大当りか、すなわち、15R通常大当りまたは5R通常大当りであって、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りではないことを判定する(S1057)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R通常大当りまたは5R通常大当りであった場合(S1057でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の変動順序)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1058)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(S1060)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が通常大当りではなかった場合、すなわち、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであった場合(S1057でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(当該決定対象の保留記憶の変動順序)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(S1059)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(S1060)、入賞時決定処理を終了する。
以上が、先読み演出決定処理(図21)の背景変化演出決定処理(S1009、図27)の具体的処理である。
なお、本実施形態では、入賞時判定結果を確認するために、演出制御用CPU101が図柄指定コマンドを確認する例について説明したが、必ずしもこの方法に限定されるわけではない。例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに代えて変動カテゴリコマンドを確認することによっても、はずれか大当りかを確認することができる。
(演出図柄変動開始処理(S801)、図29)
図29は、図19に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S2000)。
次いで、演出制御用CPU101は、S2000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S2001)。すなわち、演出制御用CPU101によってS2001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図30は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図30に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R通常大当り」または「5R通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「5R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、高確率状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、高確率状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
なお、この実施の形態では、通常大当りとなる場合には停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った組合せを決定し、確変大当りとなる場合には停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定するようにしているが、さらに制御される大当り遊技状態のラウンド数に応じた図柄の組合せが決定されるようにしても良い。例えば、15R確変大当りとなる場合にのみ、所定の割合で3図柄がいずれも「3」で揃う組合せや3図柄がいずれも「7」で揃う組合せが決定されるようにしても良い。すなわち、停止図柄として「333」が導出表示された場合や「777」が導出表示された場合には、15R確変大当りが確定するようにしても良い。
次に、演出制御用CPU101は、変動パターン等に応じたプロセステーブルの選択処理を実行する(S2010)。プロセステーブルの選択処理の具体的な動作については後述する。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S2011)。
図31は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図31に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ここで、この実施の形態では、変動対応表示領域180における変動対応表示および保留表示領域181における保留表示に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されておらず、演出制御用CPU101により作成され、VRAMの所定領域に書き込まれる。VDP109は、変動対応表示領域180における変動対応表示および保留表示領域181における保留表示に関わる所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動における背景画像および演出図柄、ならびに変動対応表示および保留表示が表示される。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S2012)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S2013)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域が記憶する1つ目の始動入賞時コマンドのセット(格納領域1の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドであり、最も古い判定結果)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする(S2014)。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(図24)の各変動順序に関連付けられた記憶内容(第1特殊態様フラグ値、第2特殊態様フラグ値、第1特別態様フラグ値、第2特別態様フラグ値)をシフトする(S2015)。具体的には、変動順序n(1,2,3,4,5,6,7,8)の各々に関連付けられた記憶内容を変動順序n−1(0,1,2,3,4,5,6,7)の各々に関連付けられた記憶内容にシフトさせる。
ここで、この実施の形態では、変動順序1に関連付けられた保留変化演出フラグや背景変化演出フラグは記憶内容のシフト後に変動順序0に関連付けられることになる。そして、前述した先読み演出決定処理のS1003、S1004、およびS1006において、保留変化演出フラグや背景変化演出フラグがセットされているか否かを確認する際には、保留記憶に対応した変動順序(1〜8)のみならず、開始条件が成立した変動表示に対応した変動順序(0)を対象として保留変化演出フラグや背景変化演出フラグがセットされているか否かを確認することになる。また、演出制御用CPU101は、変動順序(0)の記憶内容を参照することにより、実行されている変動表示について、変動対応表示が特殊態様であるか否か及び特殊態様である場合の態様(第1特殊態様または第2特殊態様)、ならびに背景画像が特別態様であるか否か及び特別態様である場合の態様(第1特別態様または第2特別態様)を確認することが可能である。
そして、演出制御用CPU101は、保留表示領域181Aに表示されている保留表示を変動対応表示領域180にシフトさせる(変動対応表示として表示させる)とともに、保留表示領域180B以降に表示されている保留表示を1つずつシフトさせる(S2016)。すなわち、表示制御テーブルの表示中フラグがセットされている表示領域にオブジェクトを表示する。ここで、保留表示領域181Aに表示されている保留表示の表示態様は、変動対応表示領域180にシフトされたときにも維持され、保留表示領域181B以降に表示されている保留表示がシフトされるときにもその表示態様は維持されるものとする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S2017)。
(プロセステーブル選択処理(S2010)、図32)
図32は、プロセステーブル選択処理(S2010)を示すフローチャートである。プロセステーブル選択処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出フラグテーブルを参照し、変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグ(晴天モードのフラグ)がセットされているか否かを確認する(S2040)。この実施の形態では、プロセステーブル選択処理(S2010)は、演出フラグテーブルのシフト(S2015)前に実行されるようになっている(図29を参照)。そのため、当該プロセステーブル選択処理においては、これ以降に実行される変動表示に伴う背景変化演出が実行されるか否かを判定する際に、変動順序1以降の背景変化演出フラグを確認するようにしている。
演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされていたら(S2040でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第1特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(S2041)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が晴天モードの態様となる。
演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされていなかったら(S2040でN)、次に、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグ(落雷モードのフラグ)がセットされているか否かを確認する(S2042)。演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされていたら(S2042でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第2特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(S2043)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が落雷モードの態様となる。
演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされていなかったら(S2042でN)、すなわち、演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する背景変化演出フラグが一切セットされていなかったら、演出制御用CPU101は、背景変化演出を伴わない、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S2045)、プロセステーブル選択処理を終了する。なお、背景変化演出を伴わないプロセステーブルを選択する場合には、遊技状態に応じた背景画像となるプロセステーブルを選択するようにしても良い。例えば、高確率高ベース状態、低確率高ベース状態、および低確率低ベース状態の各々に応じた背景画像を用意しておき、背景変化演出を伴わない場合には、現在の遊技状態に応じた背景画像のプロセステーブルが選択されるようにすると良い。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S3001)、変動時間タイマの値を1減算する(S3002)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S3003)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S3004)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S3005)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S3010)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S3011)。なお、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら、S3011に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S4001)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S4012に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S4011で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる(S4013)。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S4002の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S4012に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S4002)。
次いで、演出制御用CPU101は、S4010の判定処理を実行する。S4002の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、S4020に移行する。
S4002の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S4010のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S4011)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S4012)。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。また、突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの制御開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S4012でY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S4013)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S4014)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S4015)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S4016)。その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S4017)。その後、演出制御用CPU101は、S4040の処理に移行する。
大当りとしないことに決定されている場合には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理(S4020)に移行する。このモード延長決定処理については後述する。その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S4030)。その後、演出制御用CPU101は、S4040の処理に移行する。
演出制御用CPU101は、上記演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に応じた値に更新した後(S4017)、または上記演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値に更新した後(S4030)、演出表示装置9の変動対応表示領域180に表示された変動対応表示を消去する(S4040)。そして、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)0に対応する(すなわち変動対応表示に対応する)演出フラグを全てリセットする(S4041)。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄変動停止処理を終了する。
(モード延長決定処理(S4020)、図35)
本実施形態では、背景変化演出(連続演出)を実行中に保留変化演出も実行されている場合、実行中の背景変化演出を、当該保留変化演出に対応する変動表示が終了するまで継続するよう、演出制御用CPU101がモード延長決定処理を行っている。以下、モード延長決定処理について具体的に説明する
図35は、モード延長決定処理(S4020)の具体的処理を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(図24)を参照し、変動順序0(変動対応表示)に対応する背景変化演出フラグがセットされているか否かを確認する(S4060)。演出変化演出フラグがセットされていなかった場合(S4060でN)、演出制御用CPU101はモード延長決定処理を終了する。
演出フラグテーブルの変動順序0に対応する背景変化演出フラグがセットされていた場合(S4060でY)、演出制御用CPU101は、変動順序1以降に対応する保留変化演出フラグがセットされているか否かを確認する(S4061)。保留変化演出フラグがセットされていなかった場合(S4061でN)、演出制御用CPU101はモード延長決定処理を終了する。
演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する保留変化演出フラグがセットされていた場合(S4061でY)、演出制御用CPU101は、変動順序0に対応する(変動対応表示に対応する)背景変化演出フラグを確認するため、まずは、第1特別態様フラグがセットされているか否かを確認する(S4062)。当該処理は、その時点で実行中の変動表示が、背景変化演出を伴っているかどうかを確認することを意味する。
演出フラグテーブルの変動順序0に対応する第1特別態様のフラグがセットされていた場合(S4062でY)、演出制御用CPU101はS4062Aの処理に移行する。ここで、演出制御用CPU101は、変動順序1に対応する変動表示が15R以外の大当り、すなわち5R通常大当り又は5R確変大当り若しくは突然確変大当りとなるかどうか、を確認する(S4062A)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドを参照して、図柄3指定(5R通常大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定)のいずれかに該当するか、又はいずれにも該当しない(図柄1指定(はずれ指定)、図柄2指定(15R通常大当り指定)、図柄4指定(15R確変大当り指定))かを確認する。そして、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄3指定(5R通常大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定)のいずれかに該当する場合(S4062AでY)、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理を終了する。このようにすることで、15R以外の大当りとなる変動表示が実行されるときには、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することを回避することができる。すなわち、第1特別態様(晴天モード)で大当りとなる場合には、必ず15Rの大当りとなるように制御する。遊技者は、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになる場合は、15Rの大当りになることを予め期待することとなり、興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU101は、変動順序1に対応する変動表示が15R以外の大当りとならない場合(S4062AでN)、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄1指定(はずれ指定)、図柄2指定(15R通常大当り指定)、図柄4指定(15R確変大当り指定)のいずれかである場合には、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動順序1に対応する第1特別態様のフラグをセットする(S4063)。これにより、次に実行される変動表示の背景画像が第1特別態様(晴天モード)となる。
一方で、演出フラグテーブルの変動順序0に対応する第1特別態様のフラグがセットされていなかった場合(S4062でN)、すなわち、第2特別態様のフラグがセットされていた場合、演出制御用CPU101は、S4062Bの処理に移行する。ここで、演出制御用CPU101は、変動順序1に対応する変動表示が通常大当りとなるかどうか、を確認する(S4062B)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドを参照して、図柄2指定(15R通常大当り指定)または図柄3指定(5R通常大当り指定)に該当するか、又はいずれにも該当しない(図柄1指定(はずれ指定)、図柄4指定(15R確変大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定))かを確認する。そして、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄2指定(15R通常大当り指定)または図柄3指定(5R通常大当り指定)のいずれかに該当する場合(S4062BでY)、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理を終了する。このようにすることで、通常大当りとなる変動表示が実行されるときには、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することを回避することができる。すなわち、第2特別態様(落雷モード)で大当りとなる場合には、必ず確変大当りとなるように制御する。遊技者は、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになる場合は、15Rの大当りになることを予め期待することとなり、興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU101は、変動順序1に対応する変動表示が通常大当りとならない場合(S4062BでN)、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄4指定(15R確変大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定)のいずれかである場合には、すなわち確変大当りである場合には、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動順序1に対応する第2特別態様フラグをセットする(S4064)。これにより、次に実行される変動表示の背景画像が第2特別態様(落雷モード)となる。
このように、背景変化演出を延長させるモード延長決定処理を実行することで、背景変化演出を実行中に保留変化演出も実行されている場合、実行中の背景変化演出を、当該保留変化演出に対応する変動表示が終了するまで継続することとなる。その結果、保留変化演出が実行中にもかかわらず背景変化演出がその前に終了してしまうことを避けることが可能となり、興趣が低下することを抑制することができる。
なお、上記モード延長決定処理のS4063およびS4064では、変動順序1に対応する第1特別態様または第2特別態様の背景変化演出のフラグをセットし、背景変化演出が次の変動順序の変動表示まで継続するような処理を行ったが、保留変化演出のフラグがセットされた変動順序に対応させて、この背景変化演出のフラグをセットしても同様の処理が可能である。
(保留変化演出および背景変化演出の具体例)
次に、本実施形態の保留変化演出および背景変化演出の具体例について、図36〜図39の保留変化演出および背景変化演出の具体例を示す説明図を参照して説明する。図36および図37は、先に保留変化演出が実行され、追って背景変化演出が実行される第1のケース、図38および図39は、先に背景変化演出が実行され、追って保留変化演出が実行される第2のケースに、それぞれ演出表示装置9に表示される演出画像の例を示す図である。
まず、第1のケースの演出画像について説明する。図36(a)に示すように、まず、合算保留記憶数が3であり、保留表示領域181に3つの通常態様の保留表示が表示された状態で変動表示が実行されているものとする。この状態において、第1始動入賞口または第2始動入賞口への有効始動入賞が発生して、合算保留記憶数が4になったものとする。そして、始動入賞時の判定ではずれと判定され(図柄指定コマンドがはずれ指定)、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていないことにより、入賞時決定処理(S1005)が実行され、入賞時決定テーブル(図23)を用いて、第1特殊態様(「熱」文字)の保留変化演出が実行されることが決定されたものとする。その結果、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)4に対応する第1特殊態様フラグをセットする。これに伴い、図36(b)に示すように、4つめの保留表示が第1特殊態様の「熱」文字で表示される。そして、図36(c)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「285」のはずれ図柄)が導出表示される。そして、図36(d)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされる。合算保留記憶数は4から3に減少する。このとき、変動順序がそれぞれ繰り上げられるため、演出フラグテーブルのフラグ(図24参照)もそれぞれ繰り上げられる。第1特殊態様の「熱」文字で表示された4つめの保留表示は、3つめの保留表示として表示されることとなる。
この状態において、第1始動入賞口または第2始動入賞口への有効始動入賞が発生して、合算保留記憶数が3から4に増加したものとする。そして、始動入賞時の判定で15R確変大当りと判定され(図柄指定コマンドが15R確変大当り指定)、保留変化演出が既に実行されていることにより、背景変化演出決定処理(S1009)が実行され、入賞時決定テーブルよりも背景変化演出が実行される割合が高められた背景変化演出決定テーブル(図28)を用いて、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出が実行されることが決定されたものとする。演出制御用CPU101は、第2特別態様の背景変化演出の実行が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)4に対応する第2特別態様フラグをセットする。なお、既に第1特殊態様の保留変化演出が実行中であり、演出フラグテーブルには第1特殊態様のフラグがセットされているため、保留変化演出がさらに実行されることはない。その結果、図36(e)に示すように、4つめの保留表示が通常態様で表示される。そして、図36(f)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「376」のはずれ図柄)が導出表示される。
そして次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされる。合算保留記憶数は4から3に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)3に対応する第2特別態様の背景変化演出のフラグがセットされている。よって、図36(g)に示すように、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第2特別態様(落雷モード)で表示する背景変化演出を実行する。
このように、保留変化演出が実行されているときには、保留変化演出が実行されていないときよりも高い割合で背景変化演出を実行することに決定されるため、保留変化演出と背景変化演出の双方が並行して実行される割合が高められることになり、好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。また、この実施の形態では、始動入賞時において、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示をターゲットとした保留変化演出が実行されている場合に、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして背景変化演出を実行する割合が高められていることで、保留変化演出が終了した後にも背景変化演出が継続して実行されることになり、保留変化演出の終了後であっても遊技者の期待感を持続させることができる。
また、この実施の形態では、前述したように変動対応表示領域180の変動対応表示が第1特殊態様または第2特殊態様で表示されている場合にも、背景変化演出を実行する割合が高められているため、変動対応表示の表示態様と背景変化演出の双方によって好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。
次いで、図36(h)、図37(i)、および図37(j)に示すように、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う2度の変動表示の表示結果の導出表示、および保留表示領域181の保留表示のシフトが実行される。図37(j)に示す変動表示の表示結果の導出表示の後、図37(k)に示すように保留表示領域181の保留表示のシフトが実行され、第1特殊態様の保留表示が変動対応表示領域180にシフトされる。その結果、変動対応表示が第1特殊態様で表示されることになる。ここで、第1特殊表示(「熱」文字)の保留変化演出のターゲットとなった変動表示については、前述したように、図柄指定コマンドがはずれ指定であるため、図37(l)に示すように、変動表示の表示結果ははずれ図柄(ここでは「597」のはずれ図柄)となる。
次いで、図37(m)に示すように、背景変化演出のターゲットとなった変動表示に対応する保留表示が変動対応表示領域にシフトし、変動表示が開始される。始動入賞時の判定において、この変動表示に対応する図柄指定コマンドは、前述したように図柄4指定(15R確変大当り指定)であり、演出フラグテーブルの変動対応表示(変動順序=0)に対応する第2特別態様フラグがセットされている状態である。そのため、図37(n)に示すように、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出およびリーチ演出を伴う変動表示が実行され、図37(o)に示すように、表示結果として15R確変大当りの図柄(ここでは「777」)が導出表示される。
このように、この実施の形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には必ず15R大当りとなるように制御されている。これにより、遊技者は、特に第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りが発生することを期待するようになり、背景画像に対する遊技者の興味を向上させるとともに、遊技興趣を向上させることができる。また、この実施の形態では、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には必ず確変大当りとなるように制御されている。これにより、遊技者は、特に第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りが発生することを期待するようになり、背景画像に対する遊技者の興味を向上させるとともに、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、連続演出である背景変化演出を、先読み演出として実行するようにしているため、遊技者は、背景変化演出が実行されることにより、開始条件が成立していない変動表示について大当りが発生する期待感を有することになり、遊技者の期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、始動入賞時の判定において15R大当りと判定された場合には、15R以外の大当りと判定された場合よりも高い割合で第1特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって15R大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、始動入賞時の判定において確変大当りと判定された場合には、通常大当りと判定された場合よりも高い割合で第2特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって確変大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において15R以外の大当りと判定され且つ第1特別態様の背景変化演出を実行することに決定した場合には、当該始動入賞に対応した変動表示が実行されるよりも前に第1特別態様の背景変化演出を終了させるようにしている。そのため、遊技者は、第1特別態様の背景変化演出ができるだけ長く継続することを期待するようになり、背景変化演出の興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において通常大当りと判定され且つ第2特別態様の背景変化演出を実行することに決定した場合には、当該始動入賞に対応した変動表示が実行されるよりも前に第2特別態様の背景変化演出を終了させるようにしている。そのため、遊技者は、第2特別態様の背景変化演出ができるだけ長く継続することを期待するようになり、背景変化演出の興趣をさらに向上させることができる。
次に、第2のケースの演出画像について説明する。図38(a)に示すように、まず、合算保留記憶数が2であり、保留表示領域181に2つの通常態様の保留表示が表示された状態で変動表示が実行されているものとする。この状態において、第1始動入賞口または第2始動入賞口への有効始動入賞が発生して、合算保留記憶数が3になったものとする。そして、始動入賞時の判定ではずれと判定され(図柄指定コマンドがはずれ指定)、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていないことにより、入賞時決定処理(S1005)が実行され、入賞時決定テーブル(図23)を用いて、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出が実行されることが決定されたものとする。その結果、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)3に対応する第1特別態様フラグをセットする。これに伴い、図38(b)に示すように、3つめの保留表示が通常態様で表示される。そして、図38(c)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「178」のはずれ図柄)が導出表示される。
次いで、図38(d)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされ、合算保留記憶数は3から2に減少する。また、変動順序がそれぞれ繰り上げられ、演出フラグテーブルのフラグもそれぞれ繰り上げられる。このとき、先の有効始動入賞により、演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)2に対応する第1特別態様フラグ(晴天モード)の背景変化演出フラグがセットされているため、演出制御用CPU101は、背景画像を晴天モードの画像にして変動表示を開始する。
この状態において、第1始動入賞口または第2始動入賞口への有効始動入賞が2回発生して、合算保留記憶数が2から4に増加したものとする。そして、1回目の始動入賞時の判定ではずれと判定され(図柄指定コマンドがはずれ指定)、2回目の始動入賞時の判定で15R通常大当りと判定された(図柄指定コマンドが15R通常大当り指定)ものとする。このとき、2回目の始動入賞時の判定ではさらに、背景変化演出が既に実行されていることにより、保留変化演出決定処理(S1007)が実行され、入賞時決定テーブルよりも保留変化演出が実行される割合が高められた保留変化演出決定テーブル(図26)を用いて、第2特殊態様(炎エフェクト)の保留変化演出が実行されることが決定されたものとする。演出制御用CPU101は、この2回目の有効始動入賞で第2特殊態様の保留変化演出が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)4に対応する第2特殊態様フラグをセットする。その結果、図38(e)に示すように、3つめの保留表示が通常態様で、4つめの保留表示が第2特殊態様(炎エフェクト)で表示される。そして、図38(f)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「634」のはずれ図柄)が導出表示される。
このように、背景変化演出が実行されているときには、背景変化演出が実行されていないときよりも高い割合で保留変化演出を実行することに決定されるため、背景変化演出と保留変化演出の双方が並行して実行される割合が高められることになり、好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。また、この実施の形態では、始動入賞時において、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示をターゲットとした背景変化演出が実行されている場合に、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして保留変化演出を実行する割合が高められていることで、始動入賞時の判定において背景変化演出のターゲットとなった変動表示が終了した後にも保留変化演出が継続して実行されることになり、始動入賞時の判定において背景変化演出のターゲットとなった変動表示が終了した後であっても、遊技者の期待感を持続させることができる。
次に、図38(g)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされる。このとき、合算保留記憶数は4から3に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)1に対応する第1特別態様の背景変化演出のフラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。そして、図38(h)に示されるように、変動表示の表示結果(ここでは「397」のはずれ図柄)が導出表示される。
次いで、図39(i)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされる。このとき、合算保留記憶数は3から2に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)0に対応する(変動対応表示に対応する)第1特別態様フラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。ここで、変動対応表示領域180には、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと決定された変動表示に対応する変動対応表示が表示される。その後、図39(j)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「246」のはずれ図柄)が導出表示される。
これにより、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと決定された変動表示が終了することになる。このとき、背景変化演出の対象となる保留記憶が存在しなくなる。しかしながら、この時点で演出フラグテーブルの変動順序2に対応する保留変化演出フラグ(第2特殊態様フラグ)がセットされているため、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理(図34のS4020、図35)において次に実行される変動表示の背景画像を第1特別態様とする処理(S4063)を実行する。これによって、演出フラグテーブルの変動順序1に対応する第1特別態様フラグがセットされる。
次いで、図39(k)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされる。このとき、合算保留記憶数は2から1に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)0に対応する(変動対応表示に対応する)第1特別態様フラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。その後、図39(l)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「875」のはずれ図柄)が導出表示される。
このとき、背景変化演出の対象となる保留記憶が再度存在しなくなる。しかしながら、この時点で演出フラグテーブルの変動順序1に対応する保留変化演出フラグ(第2特殊態様フラグ)がセットされているため、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理(図34のS4020、図35)において次に実行される変動表示の背景画像を第1特別態様とする処理(S4063)を実行する。これによって、演出フラグテーブルの変動順序1に対応する第1特別態様フラグがセットされる。なお、次に実行される変動表示では、上記のとおり15R通常大当りとなるため、背景画像を第1特別態様とする処理(S4063)が実行されるが、次に実行される変動表示で5R通常大当りまたは5R確変大当り若しくは突然確変大当りとなる場合、次に実行される変動表示の背景画像を第1特別態様とする処理(S4063)は回避され(S4062AでY)、その結果、背景変化演出は次の変動表示で実行されずに当該変動表示で終了することになる。
次いで、図39(m)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、保留表示領域181の保留表示がシフトされる。このとき、合算保留記憶数は1から0に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動順序(合算保留記憶数)0に対応する(変動対応表示に対応する)第1特別態様フラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。ここで、変動対応表示領域180には、第2特殊態様(炎エフェクト)の変動対応表示が表示される。始動入賞時の判定において、この変動表示に対応する図柄指定コマンドは、前述したように図柄2指定(15R通常大当り指定)であり、演出フラグテーブルの変動対応表示(変動順序=0)に対応する第1特別態様フラグがセットされている状態である。そのため、図39(n)に示すように、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出およびリーチ演出を伴う変動表示が実行され、図39(o)に示すように、表示結果として15R通常大当りの図柄(ここでは「222」)が導出表示される。
このように、この実施の形態では、背景変化演出の終了に係る変動表示が実行されたときに(変動順序0に対応する背景変化演出フラグがセットされているときに)、保留変化演出が実行されているか否かを確認して、保留変化演出が実行されているときには、次に実行される変動表示についても背景変化演出を継続するようにしている。これにより、保留変化演出を実行中であるときに背景変化演出のみが終了してしまうことを防止し、興趣の低下を抑制するようにしている。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る遊技機について、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態に係る遊技機では、図21の先読み演出決定処理で説明したように、始動入賞時に演出制御用CPU101が背景変化演出決定処理(S1009)を実行し、背景変化演出を実行するか否かを決定している(図27のS1050)。一方で、第2実施形態に係る遊技機では、始動入賞時ではなく、変動表示の変動開始時に、背景変化演出の実行について決定する。これにより、第2実施形態は第1実施形態と比較して、始動入賞時の先読み演出決定処理、および演出図柄変動開始処理についての相違点がある。また、第1実施形態では、入賞時判定結果(図柄指定コマンドの内容)によって背景変化演出の実行割合が変更されていたが、第2実施形態では、後述のように、背景変化演出の実行割合は入賞時判定結果(図柄指定コマンド)によって直接変更されることはない。以下、図40〜図47を参照して、第1実施形態との相違点を中心に、第2実施形態の説明を行う。
図40は、第2実施形態における、演出制御プロセス処理(図19)の先読み演出決定処理(S800A)を示すフローチャートであり、第1実施形態の先読み演出決定処理(図21)に対応するものである。第1実施形態の先読み演出決定処理と異なる点は、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグのみがセットされている場合に(S1006でN)、演出制御用CPU101が背景変化演出の決定に関する処理を行うことなく、先読み演出決定処理を終了させる点(すなわち、S1008およびS1009の処理が無い点)である。すなわち、演出制御用CPU101は、保留変化演出フラグのみがセットされていると判断した場合、新たに受信した1セットの始動入賞時のコマンドに対応する新たな保留表示を、特殊態様ではない通常態様で表示する処理を実行して(S1020)、先読み演出決定処理を終了する。
図41は、第2実施形態における、上述の先読み演出決定処理の入賞時決定処理(S1005)を示すフローチャートであり、第1実施形態の入賞時決定処理(図22)に対応するものである。第1実施形態の入賞時決定処理と異なる点は、背景変化演出についての処理が含まれていない点である。
入賞時決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、図42に示す入賞時決定テーブルに基づいて、(1)保留変化演出を実行するか否か、および(2)保留変化演出を実行する場合の演出態様を決定する(S1020A)。当該処理について、以下具体的に説明する。
まず、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドを確認する。図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞判定結果が「はずれ」であったと判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を5%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を1%、保留変化演出を実行しない割合を94%とするよう、保留変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)〜C405(H)の場合には、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、保留変化演出を実行しない割合を70%とするよう、保留変化演出についての決定処理を実行する。
なお、本実施形態では、第1特殊態様の保留変化演出よりも、第2特殊態様の保留変化演出のほうが大当りとなる可能性が高く設定されており、第2特殊態様の保留変化演出のほうが第1特殊態様の保留変化演出よりも信頼度が高いということができる。
次いで、演出制御用CPU101は、保留変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(S1021A)。保留変化演出を実行することに決定していない場合(S1021AでN)、演出制御用CPU101は、当該新たな保留表示を保留表示領域181に通常態様で表示して(S1033A)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、保留変化演出を実行することに決定した場合(S1021AでY)、演出フラグテーブルにおいて現在の合算保留記憶数(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したことに基づく加算更新後の合算保留記憶数)に対応させて、演出制御用CPU101が演出態様に応じたフラグをセットする(S1022A)。そして、演出制御用CPU101は、当該新たな保留表示を、決定された第1特殊態様または第2特殊態様のどちらかで保留表示領域181に表示し(S1033A)、入賞時決定処理を終了する。以上が、本実施形態の先読み演出決定処理である。
図43は、第2実施形態における演出制御プロセス処理(図19)の演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートであり、第1実施形態の演出図柄変動開始処理(図29)に対応するものである。第1実施形態の先読み演出決定処理と異なる点は、プロセステーブル選択処理(S2010)の直前に変動開始時決定処理(S2005A)が入っている点、およびプロセステーブル選択処理(S2010)の内容が変更されている点であり、それ以外の点については第1実施形態と同様である。第2実施形態が、第1実施形態と比較して変動開始時決定処理(S2005A)が追加されているのは、第2実施形態では、始動入賞ではなく変動開始のタイミングで、背景変化演出について実行するか否か及び背景変化演出を実行する場合の演出態様を決定しているためである。
図44は、第2実施形態における変動開始時決定処理(S2005A)を示すフローチャートである。当該処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出フラグテーブルに背景変化演出フラグがセットされているかどうかを確認する(S2020)。演出フラグテーブルに背景変化演出フラグが既にセットされていた場合(S2020でY)、背景変化演出フラグを重ねてセットすることはないため、演出制御用CPU101は変動開始時決定処理を終了する。一方で、演出フラグテーブルに背景変化演出フラグがセットされていなかった場合(S2020でN)、演出制御用CPU101は、減算前の合算保留記憶数が3以上かどうか、確認する(S2021)。ここで、減算前の合算保留記憶数を基準としているのは、この実施の形態では、変動開始時決定処理に先立って、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドの受信に基づいて合算保留記憶数の減算処理が実行される一方、図43に示すように演出フラグテーブルはシフトされていないタイミング(S2015の実行前のタイミング)で当該変動開始時決定処理が実行されるためである。すなわち、演出図柄の変動開始に伴う合算保留記憶数の減算が実行される前の合算保留記憶数を基準として、背景変化演出の実行についての決定をしているためである。この条件は、減算後の合算保留記憶数が2以上か否か、という条件に置き換えることもできる。なお、変動開始時決定処理が実行されるよりも前に演出フラグテーブルのシフト(S2015)が実行されるようにしている場合には、減算後の合算保留記憶数(すなわち現在の合算保留記憶数)を基準とする。
ここで、減算前の合算保留記憶数が3以上ではなかった場合(S2021でN)、すなわち3未満であった場合、演出制御用CPU101は変動開始時決定処理を終了する。一方、減算前の合算保留記憶数が3以上であった場合(S2021でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされているかどうかを確認する(S2022)。ここで、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていなかった場合は(S2022でN)、第1変動開始時決定テーブルに基づいて(S2023)、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていた場合は(S2022でY)、第2変動開始時決定テーブルに基づいて(S2024)、演出制御用CPU101は、それぞれ(1)背景変化演出を実行するか否か、および(2)背景変化演出を実行する場合にはその演出態様を決定する。
図45は、第2実施形態の第1変動開始時決定テーブルを示す図である。上記のとおり、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていなかった場合には(S2022でN)、この第1変動開始時決定テーブルが用いられる。演出制御用CPU101は、図柄指定コマンド等の始動入賞時のコマンドや表示結果指定コマンドが指定する内容にはかかわらず、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、背景変化演出を実行しない割合を92%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図46は、第2実施形態の第2変動開始時決定テーブルを示す図である。上記のとおり、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていた場合には(S2022でY)、この第2変動開始時決定テーブルが用いられる。演出制御用CPU101は、図柄指定コマンド等の始動入賞時のコマンドや表示結果指定コマンドが指定する内容にはかかわらず、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、背景変化演出を実行しない割合を80%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
このように、保留変化演出が実行されているときには、第2変動開始時決定テーブルが用いられることになり、保留変化演出が実行されていないときに用いられる第1変動開始時決定テーブルよりも高い割合で背景変化演出を実行することに決定されるため、保留変化演出と背景変化演出の双方が並行して実行される割合が高められることになり、好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。
このように、第2実施形態では、入賞時判定結果や実行される変動表示の表示結果とは直接的には無関係に、背景変化演出の実行について決定される。ただし、既に説明したように保留変化演出が実行されているか否かによって背景変化演出の実行割合が変更され(図45及び図46参照)、以下で説明するように、演出フラグテーブルにセットされたフラグの内容によって背景変化演出の実行を取りやめる場合がある。よって、背景変化演出の実行割合は、入賞時判定結果によって直接的に変化するものではないが、間接的には影響しているということができる。
図47は、第2実施形態の演出図柄変動開始処理(図43)におけるプロセステーブル選択処理(S2010)を示すフローチャートである。第2実施形態のプロセステーブル選択処理は、第1実施形態のプロセステーブル選択処理(図32)と比較し、S2051〜S2053、S2060、およびS2061の処理が増加している点で相違しており、S2054、およびS2062〜S2065は、第1実施形態のプロセステーブル選択処理(図32)のS2045、およびS2040〜S2043と同様である。以下、第2実施形態のプロセステーブル選択処理について具体的に説明する。
このプロセステーブル選択処理については、
(1)第1特別態様(晴天モード)での背景変化演出を連続演出として実行しようとする際に、変動開始しようとする変動表示の表示結果が15R大当り以外の大当りである場合には、第1特別態様での背景変化演出の実行を取りやめ、
(2)第2特別態様(落雷モード)での背景変化演出を連続演出として実行しようとする際に、変動開始しようとする変動表示の表示結果が確変大当り以外の大当りである場合には、第2特別態様での背景変化演出の実行を取りやめ、
(3)上記いずれにも該当しない場合には、第1実施形態と同様に、変動パターンおよび演出フラグテーブルの背景変化演出フラグの状態に応じたプロセステーブルを選択するよう、演出制御用CPU101によって制御されている。すなわち、第1特別態様(晴天モード)は15R大当りを示唆し、第2特別態様(落雷モード)は確変大当りを示唆しているということができる。
演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが、大当り指定(表示結果2〜6指定)であるか否かを確認する(S2051)。大当り指定でなければ(S2051でN)、S2062に移行する。一方、大当り指定であれば(S2051でY)、15R大当り指定(表示結果2指定または表示結果4指定)であるか否かを確認する。そして、15R大当り指定であった場合には(S2052でY)、S2060に移行する。一方、15R大当り指定ではなかった場合には(S2052でN)、演出フラグテーブルにおいて変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされているか否かを確認する(S2053)。そして、演出フラグテーブルにおいて変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされていない場合には(S2053でN)、S2060に移行する。
一方、演出フラグテーブルにおいて変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされている場合には(S2053でY)、開始される変動表示で15R以外の大当りとなるにもかかわらず第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出が実行されようとしていることになるため、セットされている第1特別態様フラグをリセットして(S2054)、第1特別態様の背景画像とならない変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S2055)、プロセステーブル選択処理を終了する。このように、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りとなる場合には、15R以外の大当りとはならないように制限をしており、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には、15R大当りが確定することになる。
S2060において、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが、確変大当り指定(表示結果4〜6指定)であるか否かを確認する。そして、確変大当り指定であった場合には(S2060でY)、S2062に移行する。一方、確変大当り指定ではなかった場合には(S2060でN)、演出フラグテーブルにおいて変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされているか否かを確認する(S2061)。そして、演出フラグテーブルにおいて変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされていない場合には(S2061でN)、S2062に移行する。
一方、演出フラグテーブルにおいて変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされている場合には(S2061でY)、開始される変動表示で通常大当りとなるにもかかわらず第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出が実行されようとしていることになるため、セットされている第2特別態様フラグをリセットして(S2054)、第2特別態様の背景画像とならない変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S2055)、プロセステーブル選択処理を終了する。このように、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りとなる場合には、通常大当りとはならないように制限をしており、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には、確変大当りが確定することになる。
S2062では、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされているかどうかを確認する(S2062)。演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされていた場合(S2062でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第1特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(S2063)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が第1特別態様(晴天モードの態様)となる。
演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第1特別態様フラグがセットされていなかった場合(S2062でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされているかどうかを確認する(S2064)。演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされていた場合(S2064でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第2特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(S2065)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が第2特別態様(落雷モードの態様)となる。
演出フラグテーブルの変動順序1以降に対応する第2特別態様フラグがセットされていなかった場合(S2064でN)、演出制御用CPU101は、特別態様の背景画像とならない変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S2055)、プロセステーブル選択処理を終了する。
このように第2実施形態における連続演出は、第1実施形態と異なり、始動入賞時のコマンドに基づいて判定される先読み演出ではないが、15R以外の大当りとなる場合には、第1特別態様の背景変化演出を終了させる制御を行い、通常大当りとなる場合には、第2特別態様の背景変化演出を終了させる制御を行うようにしている。これにより、結果として、第1実施形態と同様に、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には15R大当りが確定し、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には確変大当りが確定することになる。これにより、遊技者は、背景変化演出を伴う変動表示において大当りが発生することを期待するようになり、背景画像に対する遊技者の興味を向上させるとともに、遊技興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、変動開始時の判定において表示結果が大当りとなる場合には、15R大当りと判定された場合にのみ第1特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって15R大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
また、第2実施形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、変動開始時の判定において表示結果が大当りとなる場合には、確変大当りと判定された場合にのみ第2特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって確変大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
なお、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、背景変化演出が先読み演出ではなく、始動入賞時に図柄指定コマンド等を確認して背景変化演出を実行するか否かや、背景変化演出を実行する場合の演出態様を決定するといった処理が不要となる。そのため、背景変化演出をより簡素な処理で実現することができ、制御負担を軽減することができる。
最後に上記実施の形態とは異なる実施の形態について例示する。
上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で背景変化演出を実行すると決定された場合に、次に実行される変動表示(始動入賞後1回目の変動表示)から背景画像を特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化させる例について説明したが、これに限らず、始動入賞時の判定で背景変化演出を実行すると決定された場合に、次に実行される変動表示よりも後に実行される変動表示(始動入賞後2回目以降の変動表示)から背景画像を特別態様に変化させるようにしても良い。また、始動入賞後1回目の変動表示から背景画像を特別態様に変化させる場合もあれば、始動入賞後2回目以降の変動表示から背景画像を特別態様に変化させる場合もあるようにしても良く、例えば乱数に基づいていずれのタイミングで背景画像を特別態様に変化させるかを決定するようにすると良い。これによれば、背景変化演出のターゲットとなる変動表示を遊技者が把握し難くなり、遊技性を高めることができる。
また、始動入賞時の判定で背景変化演出を実行すると決定された場合に、当該始動入賞時に実行されている変動表示において背景画像を特別態様に変化させるようにしても良い。すなわち始動入賞のタイミングで実行中であった変動表示において途中から背景画像を特別態様に変化させるようにしても良い。これによれば、始動入賞時の興趣を向上させることができる。
上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で保留変化演出及び背景変化演出のいずれも実行されていない場合には(図21のS1005)、図22のS1020及び図23に示すように、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして保留変化演出または背景変化演出のいずれか一方のみを実行可能である例について説明したが、これに限らず、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして保留変化演出及び背景変化演出の双方を実行可能であるようにしても良い。例えば、保留変化演出を実行するか否か及び実行する場合の態様と、背景変化演出を実行するか否か及び実行する場合の態様とを、各々独立して決定するようにしても良い。そして、その始動入賞時の判定対象となった変動表示をターゲットとして、保留変化演出のみを実行する場合や背景変化演出のみを実行する場合もあれば、保留変化演出と背景変化演出の双方を実行する場合もあるようにしても良い。すなわち共通の変動表示をターゲットとして、保留変化演出と背景変化演出の双方を実行可能としても良い。
例えば、図22のS1020に相当する処理において、保留変化演出を実行するか否か及び実行する場合の態様と、背景変化演出を実行するか否か及び実行する場合の態様とを、各々独立して決定すると共に、S1023の処理の後にS1025に移行するようにすると良い。これによれば、始動入賞時の判定対象となった変動表示をターゲットして、保留変化演出のみが実行される場合や背景変化演出のみが実行される場合もあれば、保留変化演出と背景変化演出の双方が実行される場合もあるようにすることができる。さらに、S1033の処理に代えて、保留変化演出を実行することに決定されたか否かを判定するようにし、保留変化演出を実行しないことに決定された場合には、新たな保留表示を通常態様で表示するようにし、保留変化演出を実行することに決定された場合には、新たな保留表示を決定された特殊態様(第1特殊態様または第2特殊態様)で表示するようにすると良い。
上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして背景変化演出を実行するか否か及び実行する場合の態様を決定する例について説明したが、これに限らず、始動入賞時に、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示をターゲットとして背景変化演出を実行するか否か及び実行する場合の態様を決定するようにしても良い。これによれば、背景変化演出のターゲットとなる変動表示を遊技者が把握し難くなり、遊技性を高めることができる。
上記の第1実施形態では、図23および図28に示すように、始動入賞時の判定結果がはずれである場合にも、所定の割合で第1特別態様(晴天モード)や第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定される例について説明したが、始動入賞時の判定結果がはずれである場合に、さらに変動カテゴリコマンドに応じて背景変化演出を実行する割合を異ならせるようにしても良い。例えば、変動カテゴリコマンドが指定する変動パターン種別がスーパーリーチはずれ(変動カテゴリ4)である場合には、非リーチはずれ(変動カテゴリ1)の場合よりも高い割合で背景変化演出を実行するようにしても良い。
上記の第1実施形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され(S1026でY,S1052でY)且つ判定結果が15R以外の大当りである場合には(S1027でY,S1054でY)、当該判定の対象となった変動表示よりも1つ前の変動表示で第1特別態様の背景変化演出を終了させる(S1208,S1055)例について説明したが、当該判定の対象となった変動表示よりも2つ前あるいは3つ前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしても良い。なお、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果が15R以外の大当りである場合に限らず、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果がはずれである場合にも、所定の割合で当該判定の対象となった変動表示よりも前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしても良い。
上記の第1実施形態では、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定され(S1026でN,S1052でN)且つ判定結果が通常大当りである場合には(S1030でY,S1057でY)、当該判定の対象となった変動表示よりも1つ前の変動表示で第2特別態様の背景変化演出を終了させる(S1031,S1058)例について説明したが、当該判定の対象となった変動表示よりも2つ前あるいは3つ前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしても良い。なお、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果が通常大当りである場合に限らず、第2特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果がはずれである場合にも、所定の割合で当該判定の対象となった変動表示よりも前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしても良い。
上記の第2実施形態では、図44の変動開始時決定処理において、減算前の合算保留記憶数に対応させて背景変化演出の演出態様に応じたフラグをセットする(S2026)例について説明した。これによれば、当該変動開始時決定処理に係る変動表示を含めて減算前の合算保留記憶数に相当する回数の変動表示を対象として背景変化演出が実行される。しかしながら、このような形態に限らず、減算前の合算保留記憶数を超える回数の変動表示を対象として背景変化演出が実行されるようにしても良い。例えば、S2026において合算保留記憶数とは関連しない第1特別態様フラグまたは第2特別態様フラグをセットして、第1特別態様フラグまたは第2特別態様フラグがセットされている期間は、演出図柄の背景画像が第1特別態様または第2特別態様となるようにプロセステーブルを選択すると良い。
ここで、例えば、第1特別態様フラグがリセットされるタイミングを、(1)15R以外の大当り(上記実施の形態では5R以下の大当り)となる変動表示の開始前のタイミング、(2)15R大当りとなる変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミング、および(3)リーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を伴う変動パターンの変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミングとすると良い。これにより、背景変化演出が実行されるときの合算保留記憶数にかかわらず、(1)15R以外の大当りとなる変動表示の1つ前の変動表示が終了するまで、(2)15R大当りとなる変動表示が終了するまで、あるいは、(3)表示態様が特定表示態様(リーチ状態)となる変動表示が終了するまで、は当該背景変化演出が継続することになる。その結果、遊技者にとってみれば、あたかも背景変化演出が実行された場合には、その際の合算保留記憶数にかかわらず大当りやリーチが確定するかのような印象を抱くことになり、実際には表示結果の判定によらずに実行される背景変化演出の興趣を向上させることができる。
ここで、例えば、第2特別態様フラグがリセットされるタイミングを、(1)通常大当りとなる変動表示の開始前のタイミング、(2)確変大当りとなる変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミング、および(3)リーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を伴う変動パターンの変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミングとすると良い。これにより、背景変化演出が実行されるときの合算保留記憶数にかかわらず、(1)通常大当りとなる変動表示の1つ前の変動表示が終了するまで、(2)確変大当りとなる変動表示が終了するまで、あるいは、(3)表示態様が特定表示態様(リーチ状態)となる変動表示が終了するまで、は当該背景変化演出が継続することになる。その結果、遊技者にとってみれば、あたかも背景変化演出が実行された場合には、その際の合算保留記憶数にかかわらず大当りやリーチが確定するかのような印象を抱くことになり、実際には表示結果の判定によらずに実行される背景変化演出の興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態において、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う所定回数(例えば10回)の変動表示が実行されたことに基づいて当該第1特別態様の背景変化演出を終了させるようにしても良い。また、第2実施形態において、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う所定回数(例えば10回)の変動表示が実行されたことに基づいて当該第2特別態様の背景変化演出を終了させるようにしても良い。
上記の第2実施形態では、図43のS2005Aに示すように、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで背景変化演出を実行するか否かを決定する例について説明したが、これに限らず、第1実施形態と同様に、始動入賞のタイミングで当該始動入賞に対応した変動表示が実行されるまでの変動表示(当該始動入賞に対応した変動表示を含む)を対象として、背景変化演出を実行するか否かを決定するようにしても良い。
上記の実施形態では、保留変化演出の実行有無および実行態様(第1特殊態様(熱文字態様)や第2特殊態様(炎エフェクト))によって大当りの可能性を示唆すると共に、背景変化演出の実行有無および実行態様(第1特別態様(晴天モード)や第2特別態様(落雷モード))によって大当り種別を示唆する例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出の実行有無および実行態様によって大当り種別を示唆すると共に、背景変化演出の実行有無および実行態様によって大当りの可能性を示唆するようにしても良い。例えば、第1特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合には、通常態様や第2特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合よりも高い割合で15R大当りとなるようにすると良い。また、第2特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合には、通常態様や第1特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合よりも高い割合で確変大当りとなるようにすると良い。これに対して、例えば、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示は、背景変化演出を伴わない変動表示よりも高い割合で大当りとなり、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示は、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示よりも高い割合で大当りとなるようにすると良い。
このように、複数の変動表示に伴って実行される連続演出(例えば背景変化演出)によって変動表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となるか否かを示唆するようにしても良く、保留表示の表示態様を通常態様とは異なる特殊態様(例えば第1特殊態様や第2特殊態様)に変化させることによって当該保留表示に対応した変動表示の表示結果が特定表示結果となる場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御されるか否かを示唆するようにしても良い。すなわち、(1)特定表示結果となるか否かを開始時決定手段による決定前(有効始動入賞に対応した変動表示の開始前)に判定する(有効始動入賞時に当該有効始動入賞に対応した変動表示で大当りとなるか否かを判定する(図15のS220〜S222))と共に、(2)特定表示結果となると判定した場合には、第1特定遊技状態(5R以下の大当り,通常大当り)または該第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(15R大当り,確変大当り)のいずれに制御するかをさらに判定する(大当り種別の判定(図15のS229)を行う)ような構成において、(2)第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれに制御するかの判定に基づいて、当該判定の対象となった保留情報に対応する保留特定情報の表示態様を特殊態様とする表示態様制御を行うようにしても良い。そして、このような表示態様制御を実行する場合には、(1)に示される始動入賞時における特定表示結果となるか否かの判定に基づいて、連続演出を実行するようにしても良く、このような特定表示結果となるか否かの判定によらず連続演出を実行するようにしても良い。
上記の第1実施形態および第2実施形態を組み合わせた構成としても良い。具体的には、第1実施形態のように始動入賞時の判定結果に基づいて背景変化演出を実行するケースもあれば、第2実施形態のように始動入賞時の判定結果によらず背景変化演出を実行するケースもあるようにしても良い。これによれば、背景変化演出が実行された場合に、遊技者が当該背景変化演出が始動入賞時の判定結果に基づくものであるか否かを把握することができず、興趣を高めることができる。
上記の実施形態では、図23等に示されるように、合算保留記憶数によらず保留変化演出の実行割合が定められている例について説明したが、このような形態に限らず、合算保留記憶数に応じて保留変化演出の実行割合を異ならせるようにしても良い。例えば、合算保留記憶数が多い程、保留変化演出が実行される割合が高くなるようにしても良い。
上記の実施形態において、「一方のケースにおいて他方のケースよりも高い割合で所定の処理を実行する」ことには、一方のケースでのみ所定の処理を実行し、他方のケースでは所定の処理を実行しないことが含まれる。例えば、上記の実施形態では、始動入賞時の判定において、背景変化演出が実行されている場合には、背景変化演出が実行されていない場合よりも高い割合で保留変化演出が実行される例について説明したが、この「高い割合」で保留変化演出を実行することは、背景変化演出が実行されている場合にのみ保留変化演出を実行可能とし、背景変化演出が実行されていない場合には保留変化演出を実行しない場合も含んでいる。また、例えば、上記の実施形態では、始動入賞時の判定において、保留変化演出が実行されている場合には、保留変化演出が実行されていない場合よりも高い割合で背景変化演出が実行される例について説明したが、この「高い割合」で背景変化演出を実行することは、保留変化演出が実行されている場合にのみ背景変化演出を実行可能とし、保留変化演出が実行されていない場合には背景変化演出を実行しない場合も含んでいる。
これと同様に、上記の実施形態では、15R大当りとなる場合であっても所定の割合で背景変化演出を実行しない例について説明したが、15R大当りとなる場合には必ず背景変化演出が実行されるようにしても良い。また、上記の実施形態では、確変大当りとなる場合であっても所定の割合で背景変化演出を実行しない例について説明したが、確変大当りとなる場合には必ず背景変化演出が実行されるようにしても良い。また、上記の実施形態では、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと判定された変動表示が終了したときに、以降に実行される変動表示に対応した保留表示が特殊態様で表示されている場合にのみ、背景変化演出を継続する例について説明したが、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと判定された変動表示が終了したときに、以降に実行される変動表示に対応した保留表示が特殊態様で表示されていない場合にも所定の割合で背景変化演出が継続されるようにして、以降に実行される変動表示に対応した保留表示が特殊態様で表示されている場合には該所定の割合よりも高い割合で背景変化演出が継続されるようにしても良い。
これと同様に、上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され、且つ15R以外の大当りと判定された場合には、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示で第1特別態様の背景変化演出を終了させる例について説明したが、これに限らず、15R以外の大当りと判定された場合にも、当該始動入賞に対応した変動表示において第1特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしても良く、その実行割合が、15R大当りと判定された場合よりも低くなるようにすると良い。また、上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定され、且つ通常大当りと判定された場合には、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示で第2特別態様の背景変化演出を終了させる例について説明したが、これに限らず、通常大当りと判定された場合にも、当該始動入賞に対応した変動表示において第2特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしても良く、その実行割合が、確変大当りと判定された場合よりも低くなるようにすると良い。
これと同様に、上記の第2実施形態では、変動表示を開始するときの判定において、当該変動表示以降に対応した第1特別態様フラグがセットされており(第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定されており)、且つ当該変動表示の表示結果が15R以外の大当りと判定された場合には、当該変動表示に伴う第1特別態様の背景変化演出を実行しない例について説明したが、これに限らず、15R以外の大当りと判定された場合でも、当該変動表示において第1特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしても良く、その実行割合が、15R大当りと判定された場合よりも低くなるようにすると良い。また、上記の第2実施形態では、変動表示を開始するときの判定において、当該変動表示以降に対応した第2特別態様フラグがセットされており(第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定されており)、且つ当該変動表示の表示結果が通常大当りと判定された場合には、当該変動表示に伴う第2特別態様の背景変化演出を実行しない例について説明したが、これに限らず、当該変動表示の表示結果が通常大当りと判定された場合でも、当該変動表示において第2特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしても良く、その実行割合が、確変大当りと判定された場合よりも低くなるようにすると良い。
上記の実施形態では、連続する複数回の変動表示に伴う連続演出が背景変化演出である例について説明したが、これに限らず、例えば、連続演出として、(1)連続する複数回の変動表示にわたって演出図柄の表示態様が特定態様(例えば特定のキャラクタや文字)に変化する演出図柄態様変化演出や、(2)連続する複数回の変動表示にわたって演出図柄の停止図柄が大当り図柄ではない特定の演出図柄の組み合わせ(例えば「112」や「123」等の予め定められた組合せ(いわゆる「チャンス目」))となるチャンス目連続停止演出や、(3)連続する複数回の変動表示にわたってターゲットとなる変動表示までの残り変動表示回数(例えば「残り3」、「残り2」、「残り1」、「残り0」等)が表示されるカウントダウン演出や、(4)連続する複数回の変動表示にわたって演出表示装置9の周囲に設けられた可動部材(いわゆる「役物」)が動作する役物作動演出、が実行されるようにしても良い。
上記の実施形態では、始動入賞時の合算保留記憶数が3以上である場合(第1実施形態)や、演出図柄の変動開始時における減算前の合算保留記憶数が3以上である場合(第2実施形態)に、背景変化演出を実行可能な例について説明したが、これに限らず、始動入賞時の合算保留記憶数が2以上である場合(第1実施形態)や、演出図柄の変動開始時における減算前の合算保留記憶数が2以上である場合(第2実施形態)等、連続する複数回の変動表示に伴って実行されるものであれば良い。
上記の実施形態では、遊技者にとっての有利度が異なる複数の大当り種別として、5R以下の大当りと15R大当りの組合せ、および確変大当りと通常大当りの組合せの2組を例示したが、これらの組合せに限らず、例えば、大当り遊技状態終了後の高ベース状態に制御される期間が異なる組合せ(例えば、30回の変動表示が実行されるまで高ベース状態が維持される大当りと100回の変動表示が実行されるまで高ベース状態が維持される大当りの組合せ)であっても良い。
上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されることに伴い(例えば、演出図柄変動開始処理で停止図柄として大当り図柄を決定するとき(S2001)や、演出図柄変動停止処理で大当り図柄を停止表示したとき(S4010でY)、あるいは大当り終了演出処理(S807)で)、セットされている背景変化演出フラグをリセットするようにしても良い。また、上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されることに伴い、始動入賞時コマンド格納領域の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを参照して、それ以降に実行される変動表示について全てはずれと判定した場合に、セットされている背景変化演出フラグをリセットするようにしても良い。このようにすることで、大当り遊技状態終了後の所定数の変動表示以内に、はずれとなるにもかかわらず背景変化演出が実行されてしまうことにより、大当り遊技状態の発生により高められた遊技への興味を低下させてしまうことを防止するとともに、背景変化演出の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されることに伴い(例えば、演出図柄変動開始処理で停止図柄として大当り図柄を決定するとき(S2001)や、演出図柄変動停止処理で大当り図柄を停止表示したとき(S4010でY)、あるいは大当り終了演出処理(S807)で)、当該大当り遊技状態に係る変動表示に伴う背景変化演出が実行されておらず、且つ、始動入賞時コマンド格納領域の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを参照して、それ以降に実行される変動表示について全てはずれとなると判定した場合に、セットされている背景変化演出フラグをリセットするようにしても良い。また、上記の第1実施形態において、始動入賞時の判定で大当りとなると判定されたにもかかわらず背景変化演出が実行されないことに決定された場合には、その大当りに係る大当り遊技状態が終了するまでは、始動入賞時の判定において背景変化演出を実行すると決定しないようにしても良い。このようにすることで、表示結果が大当りとなる変動表示において背景変化演出が実行されていないにもかかわらず、その後に実行される表示結果がはずれとなる変動表示において背景変化演出が実行されてしまうことにより、背景変化演出に対しての遊技者の期待感を損なわせてしまうことを防止することができる。
上記の実施形態では、保留表示の表示態様を特殊態様(第1特殊態様または第2特殊態様)とするタイミングが、新たな保留表示を保留表示領域181に表示するタイミングである例について説明したが、これに限らず、保留表示の表示態様を特殊態様とするタイミングは、新たな保留表示を表示した後のタイミングであっても良い。例えば、始動入賞時の判定において保留変化演出を実行すると決定された場合に、新たな保留表示を通常態様で表示しておき、その後、保留表示領域181の保留表示をシフトさせるタイミングでその保留表示を特殊態様に変化させるようにしてもよい。ここで、複数回のシフトが実行される場合には、そのいずれかに応じたタイミング(例えば1回目のシフトタイミング、2回目のシフトタイミング、または3回目のシフトタイミングのいずれか)で保留表示を特殊態様に変化させるようにすると良い。
上記の実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれか一方の変動表示が優先して実行される関係ではなく、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順序に従って変動表示が実行される例(いわゆる入賞順変動)について説明したが、これに限らず、いずれか一方の特別図柄の変動表示が優先して実行される場合にも上記実施形態を適用可能である。例えば、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される場合に、第1保留記憶数がmであり第2保留記憶数がnであるときに(合算保留記憶数=m+n)、第2始動入賞口への有効始動入賞が発生したものとする。この第2始動入賞口への有効始動入賞に基づく始動入賞時の判定において、背景変化演出を実行することに決定された場合には、図24の演出フラグテーブルにおいて、加算更新後の第2保留記憶数に対応した変動順序以降(n+1以降)の記憶内容(フラグ値)各々を1つ後の変動順序(n+2以降)にシフトして、該加算更新後の第2保留記憶数に対応した変動順序(n+1)に対応した背景変化演出フラグをセットするようにすると良い。なお、このように第2特別図柄の変動表示が優先して実行される場合に、第1始動入賞口への有効始動入賞に基づく始動入賞時の判定において、背景変化演出を実行することに決定された場合には、図24の演出フラグテーブルにおいて、加算更新後の合算保留記憶数(m+n+1)に対応した変動順序に対応した背景変化演出フラグをセットするようにすると良い。これによれば、第1保留記憶に対応した変動表示をターゲットとして背景変化演出が実行された場合に、その後に第2始動入賞口への有効始動入賞が発生したことにより背景変化演出が途切れてしまうことを防止することができる。
上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。