以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示している。例えば、演出表示装置9で行われる演出として、後述するように、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される。バトル演出は、リーチ状態において、その変動表示結果が大当り図柄となるか否かを示唆する演出であり、大当り判定がされているときには味方キャラが勝利する演出を実行し、はずれ判定がされているときには味方キャラが敗北する演出を実行する。これに限らず、例えば、プロレスやサッカーの試合の勝敗により大当りとなるか否かを示唆するようにしても良い。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定がされているかはずれ判定がされているかに応じてストーリーの結果を異ならせるような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動表示は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第1開始条件(例えば、後述する図14(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第1」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。この実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順序に従って行われる。
第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第2開始条件(例えば、後述する図14(A)に示す保留特定領域の先頭領域(合算保留記憶数カウンタ=1に対応する領域)に「第2」を示すデータがセットされており、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第2始動入賞口14への有効始動入賞とは、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第2始動入賞口14への入賞である。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第1始動入賞口13への有効始動入賞とは、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第1始動入賞口13への入賞である。
また、演出表示装置9の表示画面の左下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶数表示領域180が設けられている。この実施の形態では、そのように、合計数を表示する合算保留記憶数表示領域180が設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の下部(合算保留記憶数表示領域180の右側)に、遊技者から見て左側から順に、第1始動入賞口13への有効始動入賞および第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生する毎に、新たな保留記憶に対応する普通保留情報を表示するための普通保留情報表示領域181が設けられている。例えば、普通保留情報表示領域181に1つ目〜5つ目の普通保留情報が表示されている場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の普通保留情報を表示するように制御する。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶数表示領域と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶数表示領域とを別個に設けるようにしても良く、第1保留記憶数に応じた数の普通保留情報と、第2保留記憶数に応じた数の普通保留情報とを別の領域に表示するようにしても良い。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。具体的には、普通図柄の変動表示は、普通図柄の変動表示の実行条件である普通始動条件が成立(例えば、普通図柄保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生)した後、普通図柄の変動表示の開始条件(例えば、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、可変入賞球装置15の開放制御が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が終了すると停止図柄として当り図柄(例えば図柄「7」)又ははずれ図柄(例えば図柄「−」)が導出表示される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄(例えば図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。ここで普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数を表示するものである。普通図柄保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生する毎に、該普通図柄保留記憶数が1加算され(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1増やし)、普通図柄の変動表示が開始される毎に、該普通図柄保留記憶数が1減算される(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1減らす)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第1開始条件が成立したときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第2開始条件が成立したときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態において、低ベース状態とは、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなるように制御されていない遊技状態であり、高ベース状態とは、低ベース状態よりも遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる(第2特別図柄表示器8bにおける変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。
この実施の形態において、低確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として低確率状態時の判定値(高確率状態時の判定値よりも狭い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められていない状態をいう。高確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として高確率状態時の判定値(低確率状態よりも広い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められている状態をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示を開始するときに、その表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する大当り判定処理を行う。また、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定した場合には、表示結果を確変大当り図柄とするか若しくは突然確変大当り図柄とするか、又は通常大当り図柄とするかをさらに判定する。即ち、大当り種別を確変大当りとするか若しくは突然確変大当りとするか、又は通常大当りとするかを決定する。
例えば、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄としない(はずれ図柄にする)と判定された場合には「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定された場合には、決定された大当り種別に応じて、確変大当りの場合には「7」、通常大当りの場合には「3」、突然確変大当りの場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
特別図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を高確率/高ベース状態に移行し、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率/高ベース状態が継続される。また、特別図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、特別図柄の変動表示が100回実行されるか又は次回の大当り遊技状態が開始されるまで低確率/高ベース状態が継続される。大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、その後に大当り遊技状態が開始されること無く特別図柄の変動表示が100回実行された場合には、その後の遊技状態は低確率/低ベース状態となる。
この実施の形態においては、遊技状態として、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、および低確率/高ベース状態が存在する。以下の説明において低確率/低ベース状態を通常状態と称する場合がある。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動表示を開始するときに、ゲート32を遊技球が通過したときに抽出された当り判定用乱数を用いた当り判定を実行する。該当り判定において当りとすると判定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果として当り図柄が導出表示され、該当り判定において当りとしない(はずれとする)と決定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときに所定割合(例えば2/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は所定時間(例えば10秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、所定期間の開放制御(例えば0.5秒×1回の合計0.5秒の開放制御)が実行される。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときに前記所定割合よりも高い割合(例えば11/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は前記所定時間よりも短い時間(例えば1秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、前記所定期間よりも長い開放制御(例えば2.5秒×2回の合計5秒の開放制御)が実行される。
このように、高ベース状態においては、普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄短縮変動制御、普通図柄の変動表示結果が当り図柄となる確率が高められる普通図柄確変制御、および普通図柄の変動表示結果が当り図柄となったことに基づいて可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される開放延長制御が行われる。さらに特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御も行われる。高ベース状態においてこれらの4つの制御が実行されることで、第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる。
即ち、普通図柄短縮変動制御によって、普通図柄の変動時間が短縮される(例えば普通図柄短縮変動制御が実行されない場合の変動時間が10秒であるのに対し、普通図柄短縮変動制御が実行された場合の変動時間が1秒になる)ことで、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなり、可変入賞球装置15が開状態となる割合も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、普通図柄確変制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる(例えば普通図柄確変制御が実行されない場合の確率が2/13であるのに対し、普通図柄確変制御が実行された場合の確率が11/13になる)ことで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、開放延長制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になった場合の可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される(例えば開放延長制御が実行されない場合の開放時間が0.5秒×1回(合計0.5秒)であるのに対し、開放延長制御が実行された場合の開放時間は2.5秒×2回(合計5秒)になる)ことで、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。さらに、特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御によって、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、第2保留記憶数の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減して、有効始動入賞し易くすることができる。
このように、この実施の形態においては、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、開放延長制御、および、特別図柄短縮変動制御が実行されることにより高ベース状態に制御される例を示しているが、これに限らず、このうちのいずれかの制御を実行することにより、高ベース状態に制御するようにしても良い。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄の変動表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや、高確率状態であるか否かを示す確変フラグや、高ベース状態であるか否かを示す高ベースフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経てはずれ図柄が仮停止表示された後、演出図柄が再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が最終停止表示される)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「リーチはずれ」の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経た後に再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される)。
ここで、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させるような大当りである。すなわち、そのようにすることにより、遊技者にとっては大当り遊技状態を経ずに突然に高確率/高ベース状態となったかのように見せるものである。このような大当り種別を設けることにより遊技の興趣を向上させることができる。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。この実施の形態では、演出図柄の変動パターンに応じた遊技演出が実行されるようになっている。
この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3の変動パターンが用意されている。非リーチPA1−1の変動時間は12秒であり、非リーチPA1−2の変動時間は8秒である。これに対して非リーチPA1−3の変動時間は2秒と短いため、「短縮変動」の変動表示態様と称する場合がある。
また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1、スーパーPA3−1およびスーパーPA3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPA2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が30秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、後述するストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が50秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が60秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
また、変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPB2−1、スーパーPB3−1およびスーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPB2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が38秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、ストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、「大当り!」の文字が表示される大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が58秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が68秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
また、変動表示結果が「突然確変大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPC2−1、スーパーPC3−1およびスーパーPC3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。以下の説明において、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPC2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が45秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、一旦は、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して「突確!」の文字が表示される突然確変大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が65秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、一旦は、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動してストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が75秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、一旦は、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して味方キャラが敵キャラに逆転勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
なお、図4の例では、ノーマルリーチではずれとなる場合の変動時間、ノーマルリーチで大当りとなる場合の変動時間、およびノーマルリーチで突然確変大当りとなる場合の変動時間が全て異なる例を示しているが、これらの変動時間は共通であっても良い。スーパーリーチAやスーパーリーチBの変動時間に関しても同様である。
本実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第1保留記憶バッファに順次格納する。また、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第2保留記憶バッファに順次格納する。ハードウェア乱数およびソフトウェア乱数は所定のタイミング(例えば4ms毎および所定の割込み処理毎)に更新されている。
図5は、各乱数の一例を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、このような形態に限らず、変動パターン種別を決定する段階を設けることなく1段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるようにしても良い。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。本例では、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けている。
この実施の形態では、はずれである場合には、リーチも再変動も伴わず短縮変動も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX1と、リーチも再変動も伴わず短縮変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX2と、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルX1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーX1とに種別分けされている。
この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY1とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、ノーマルリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY2と、スーパーリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY2とに種別分けされている。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/低ベース状態,低確率/高ベース状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる高確率時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、高確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生したことに基づいて、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、まず、有効始動入賞が発生したときに、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、その判定結果に応じて後述する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを送信する。そして、有効始動入賞に基づく変動表示が開始されるときにも、読み込んだ大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。
この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行される。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
図6(B)(C)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(A)(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。このうち、図7(A)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図7(B)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合,および遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。
図7(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX1(1〜169)、ノーマルX1(170〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図7(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX2(1〜219)、ノーマルX1(220〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図7(A)(B)に示すように、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜169であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともリーチ状態を伴わない変動表示(「非リーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が220〜239であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示(「ノーマルリーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が240〜251であれば、合算保留記憶数や遊技状態にもかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示(「スーパーリーチはずれ」)が実行されることがわかる。
このように、合算保留記憶数や遊技状態が異なる場合にも、変動パターン種別に対する判定値の割り当てが共通となる範囲を設定しておく(ある範囲の乱数値を抽出した場合には、合算保留記憶数や遊技状態によらず共通の変動パターン種別が選択されるようにしておく)ことにより、後述する変動カテゴリコマンドに基づいた先読み演出が実行可能となる。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8(A)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が通常大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜29)、スーパーY1(30〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜29)、スーパーY1(30〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が突然確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY2(1〜29)、スーパーY2(30〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図8(A)(B)(C)に示すように、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜29であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が30〜251であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。
このように、大当りと判定されるときの大当り種別が異なる場合にも、変動パターン種別に対する判定値の割り当てが共通となる範囲を設定しておく(ある範囲の乱数値を抽出した場合には、大当り種別によらず共通の変動パターン種別(「ノーマルリーチ」または「スーパーリーチ」を伴う変動パターン種別)が選択されるようにしておく)ことにより、後述する変動カテゴリコマンドに基づいた先読み演出が実行可能となる。
図9(A)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「非リーチX1」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−1または非リーチPA1−2が決定され、変動パターン種別として「非リーチX2」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−3が決定され、変動パターン種別として「ノーマルX1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPA2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーX1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPA3−1またはスーパーPA3−2が決定される。
図9(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「ノーマルY1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPB2−1が決定され、変動パターン種別として「ノーマルY2」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPC2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーY1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPB3−1またはスーパーPB3−2が決定され、変動パターン種別として「スーパーY2」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPC3−1またはスーパーPC3−2が決定される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図11は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。
図12は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態がはずれとなると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜169の範囲には非リーチX1または非リーチX2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチX1または非リーチX2となること(すなわちリーチ状態とならないこと)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜219となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜239となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値220〜239の範囲にはノーマルX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ3コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルX1となること(すなわちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が240〜251となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値240〜251の範囲にはスーパーX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ4コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーX1となること(すなわちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
また、例えば、有効始動入賞時に、大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)となると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜29となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜29となる場合(すなわち、ノーマルY1またはノーマルY2となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値1〜29の範囲にはノーマルY1またはノーマルY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ11コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルY1またはノーマルY2となること(すなわちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が30〜251となる場合には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値30〜251の範囲にはスーパーY1またはスーパーY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ12コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーY1またはスーパーY2となること(すなわちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に有効始動入賞したことに基づくこれらの変動カテゴリコマンドを受信することにより、後述する先読み演出を実行することが可能となる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
(有効始動入賞時における保留記憶バッファへの格納処理)
第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのいずれの保存領域にも、有効始動入賞順に従って乱数が格納されてゆき、n=1,2,3,4の保存領域が存在するときに、n=1の保存領域に乱数が格納されており、n=2,3,4の保存領域に乱数が格納されていなければ、n=2の保存領域に乱数が格納される。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
(有効始動入賞時における始動入賞時コマンドの送信処理)
CPU56は、第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
CPU56は、第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が所定時間毎(例えば4ms毎)に実行する割込み処理において実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218B)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218C)。
なお、S1218A,S1218Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1218Cの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図14(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄の変動開始から変動終了(停止図柄の導出表示)まで、大当り遊技状態の開始から終了までの各プロセスに応じて変化する特別図柄プロセスフラグの値で確認される。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1226)。なお、S1226の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動開始時の変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1227)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1228C)。
なお、S1228A,S1228Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1227の入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1228A〜S1228Cの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1227の入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、通常状態であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。なお、高ベース状態であるときには第2保留記憶に対してのみ先読み演出を実行するように構成する場合には、逆に高ベース状態である場合にのみS1227の入賞時演出処理を実行して図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにし、通常状態である場合にはS1227の入賞時演出処理を実行せず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1217と同様の処理を行い、大当り遊技中であればS1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、S1227の入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。そのように構成すれば、先読み演出がある程度の期間実行される場合に、変動時間が短くて先読み演出が途中で途切れてしまうことを確実に防止することができる。
図15は、S1217,S1227の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高確率状態に制御されている期間セットされている。また、時短フラグは遊技制御用マイクロコンピュータ560によって遊技状態が高ベース状態に制御されている期間セットされている。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から高確率/高ベース状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図12に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。なお、この実施の形態では、遊技状態によらず共通の閾値(例えば169,219,および239)が設定されるものとしているが、遊技状態に応じて異なる閾値(例えば低ベース状態であれば169および239、高ベース状態であれば219および239)を設定するようにしても良い。
例えば、CPU56は、閾値169,219,および239を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値169以下であるか否かを判定し、閾値169以下である場合(すなわち、1〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値219以下である場合(すなわち、170〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値239以下である場合(すなわち、220〜239である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値239以下でない場合(すなわち、240〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図12参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に169、219、および239と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値169以下であるか否かを判定した後に、閾値219以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜169の範囲内となることはなく、170〜219の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に169、219、および239と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に239、219、および169と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1226で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1227の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。なお、この実施の形態では、大当り種別によらず共通の閾値(例えば29)が設定されるものとしているが、大当り種別に応じて閾値が異なる場合には、大当り種別毎に異なる閾値を設定するようにしても良い。
例えば、CPU56は、「通常大当り」、「確変大当り」、または「突然確変大当り」のいずれかと判定した場合に、閾値29を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値29以下であるか否かを判定し、閾値29以下である場合(すなわち、1〜29である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図12参照)。また、閾値29以下でない場合(すなわち、30〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図12参照)。
次いで、CPU56は、S226,S231で設定した閾値と、S1216,S1226で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図7、図8参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図12に示すような「00(H)」〜「03(H)」、「10(H)」〜「11(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み演出を実行するようにしてもよい。
図16は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図16に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定マンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のコマンドがセットで送信される。そのため、図16に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
(コマンド解析処理)
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理(後述のS704)において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。なお、以下の説明では、始動入賞時コマンド格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第1保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第1保留コマンドと総称する場合があり、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第2保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第2保留コマンドと総称する場合がある。さらに、第1保留コマンドと第2保留コマンドとを保留コマンドと総称する場合がある。
また、図16に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、最初の格納領域(格納領域1)に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。
また、この実施の形態では、後述するように、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)にもとづいて、先読み演出決定処理において先読み演出を実行するか否かが決定される。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
(特別図柄の変動開始に伴う処理)
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されておらず、大当り遊技状態に制御されておらず、かつ合算保留記憶数が0ではないことを条件として、特別図柄の変動表示を開始する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数が0でなく、且つ、大当り遊技状態に制御されていなければ、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか又は「第2」を示すデータであるかを確認する。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、第1特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第1特別図柄の変動表示開始に伴い、第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第1特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第1保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
CPU56は、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」を示すデータである場合には、第2特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。これにもとづいて合算保留記憶数カウンタのカウント値(第1保留記憶数カウンタのカウント値+第2保留記憶数カウンタのカウント値)も1減算される。すなわちRAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が突然確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第2特別図柄の変動表示開始に伴い、第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第2特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第2保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
(演出表示装置9における表示)
図17は、演出表示装置9の画面における演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、右演出図柄表示領域9Rを含む)、合算保留記憶数表示領域180、普通保留情報表示領域181、および縮小演出図柄表示領域182の具体例を示す図である。演出図柄表示領域は、画面中央に設けられており、左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、右演出図柄表示領域9Rを含んで構成される。左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、右演出図柄表示領域9には、それぞれ左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄が表示される。
合算保留記憶数表示領域180および普通保留情報表示領域181は、演出図柄表示領域の下方に設けられている。画面左下部に設けられている合算保留記憶数表示領域180には、実行されることが決定しているが未だ実行されていない変動表示(始動条件は成立したが開始条件が成立していない可変表示)の保留数が数字で表示される。普通保留情報表示領域181は、合算保留記憶数表示領域180の右側に設けられ、実行されることが決定しているが未だ実行されていない変動表示に対応した普通保留情報が表示される。この普通保留情報には、後述するように複数の態様が存在する。
普通保留情報表示領域181は、画面左側から右側に向かって順に配置された、普通保留情報表示領域181A,181B,181C,181D,181E,181F,181G,および181Hにより構成される。普通保留情報表示領域181Aは、図14(A)の保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=1に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Bは2番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=2に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Cは3番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=3に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Dは4番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=4に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Eは5番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=5に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Fは6番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=6に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Gは7番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=7に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Hは8番目のデータ(合算保留記憶数カウンタ=8に対応するデータ)に対応している。
また、普通保留情報表示領域181Aは、図16の始動入賞時コマンド格納領域に格納されているデータのうち格納領域1のデータ(合算保留記憶数カウンタ=1に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Bは格納領域2のデータ(合算保留記憶数カウンタ=2に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Cは格納領域3のデータ(合算保留記憶数カウンタ=3に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Dは格納領域4のデータ(合算保留記憶数カウンタ=4に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Eは格納領域5のデータ(合算保留記憶数カウンタ=5に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Fは格納領域6のデータ(合算保留記憶数カウンタ=6に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Gは格納領域7のデータ(合算保留記憶数カウンタ=7に対応するデータ)に対応し、普通保留情報表示領域181Hは格納領域8のデータ(合算保留記憶数カウンタ=8に対応するデータ)に対応している。
普通保留情報表示領域181A(一番左)に表示されていた普通保留情報に対応する変動表示の開始条件が成立したときに、普通保留情報表示領域181Aに表示されていたオブジェクトは消去され、普通保留情報表示領域181B〜181Hに表示されているオブジェクトが1つずつ左(普通保留情報表示領域181A〜181G)にシフトされるようになっている。すなわち、開始される変動表示に対応した普通保留情報は表示が消去され、開始条件が成立していない変動表示に対応した普通保留情報は1つずつ前の変動順序に対応した領域に表示されることになる。
画面右下部、普通保留情報表示領域181の上方には、縮小演出図柄表示領域182が設けられている。この実施の形態では、前述したスーパーリーチに係るストーリー演出やバトル演出、後述する特別演出等、遊技者が特に興味を抱くような演出が実行される期間は、左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、右演出図柄表示領域9Rに演出図柄を表示せず、これら左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、右演出図柄表示領域9Rに表示される演出図柄よりもサイズを縮小した縮小演出図柄が、縮小演出図柄表示領域182に表示されるようになっている。なお、縮小演出図柄表示領域182は、必ずしも画面右下部に設ける必要はなく、画面左上部や画面右上部等、他の場所に設けるようにしてもよい。
(特別演出の具体例)
次に、この実施の形態における特別演出(第1特別演出および第2特別演出)の具体例を説明する。特別演出とは、後述するように普通保留情報よりも遊技者が認識しやすい表示情報である拡大保留情報や移動保留情報の態様を、通常態様から特殊態様(第1特殊態様または第2特殊態様)に変化させる演出である。図18(a)は特別演出の具体例を示す図である。この実施の形態では、特別演出として第1特別演出および第2特別演出の2つの種別が存在し、第1特別演出としてルーレット演出、および第2特別演出として点火演出を実行することとしている。
特別演出が実行されていない期間は、演出制御用CPU101は、図18(a−1)のように、合算保留記憶数表示領域180に合算保留記憶数を数字で表示するとともに、普通保留情報表示領域181には合算保留記憶数に応じた数の普通保留情報を表示する。この図18(a−1)では、普通保留情報は、いずれも文字も画像エフェクトも施されていない丸型の通常態様(図18(b−1))で表示されている例を示しているが、普通保留情報は、シフト時変化演出や特別演出が実行されたことにより、『熱』の文字が施された第1特殊態様(図18(b−2))や炎の画像エフェクトが施された第2特殊態様(図18(b−3))に変化する場合がある。シフト時変化演出とは、普通保留情報がシフトするタイミングで普通保留情報の態様を通常態様から特殊態様(第1特殊態様または第2特殊態様)に変化させる演出である。すなわち、この実施の形態において、特別演出が実行されない場合でも、普通保留情報の態様が第1特殊態様または第2特殊態様に変化する場合があるものとする。
第1特別演出としてのルーレット演出が実行されている期間は、演出制御用CPU101は、図18(a−2)のように、合算保留記憶数表示領域180には合算保留記憶数を数字で表示するが、普通保留情報表示領域181には普通保留情報が表示されないよう制御する。そして、ルーレット演出においては、ルーレット演出開始前の普通保留情報各々に対応し、普通保留情報を所定の倍率で拡大した態様の拡大保留情報を画面中央に表示する。拡大保留情報は、普通保留情報と共通の保留情報(例えば、保留特定領域の記憶情報(図14(A))や保留記憶バッファの記憶情報(図14(B))、あるいは始動入賞時コマンド格納領域(図16)の記憶情報)に対応した表示情報であり、画面中央に普通保留情報よりも大きな態様で表示されることから、普通保留情報よりも遊技者が認識し易い。本例では、拡大保留情報と普通保留情報とは表示位置および大きさが異なるが、拡大保留情報が表示されている期間は普通保留情報は表示されないことにより、拡大保留情報が普通保留情報に代わる表示情報であり、普通保留情報と共通の保留情報に対応したものであることを遊技者は認識することができる。
図18(a−2)の例では、3つの拡大保留情報1100、1200および1300を表示する例を示しており、これらの拡大保留情報1100、1200および1300は、それぞれルーレット演出実行直前の図18(a−1)における普通保留情報表示領域181A、181Bおよび181Cの普通保留情報に対応している。この図18(a−2)では、拡大保留情報は、いずれも文字も画像エフェクトも施されていない丸型の通常態様(図18(b−1))で表示されている例を示しているが、拡大保留情報は、ルーレット演出が実行されたことにより、『熱』の文字が施された第1特殊態様(図18(b−2))や炎の画像エフェクトが施された第2特殊態様(図18(b−3))に変化する場合がある。なお、ルーレット演出の詳細な態様については後述する。
第2特別演出としての点火演出が実行されている期間は、演出制御用CPU101は、図18(a−3)のように、合算保留記憶数表示領域180には合算保留記憶数を数字で表示するが、普通保留情報表示領域181には普通保留情報が表示されないよう制御する。そして、点火演出においては、点火演出開始前の普通保留情報各々に対応し、普通保留情報と共通態様の移動保留情報を画面中央に表示する。移動保留情報は、普通保留情報と共通の保留情報(例えば、保留特定領域の記憶情報(図14(A))や保留記憶バッファの記憶情報(図14(B))、あるいは始動入賞時コマンド格納領域(図16)の記憶情報)に対応した表示情報であり、画面中央に表示されることから、普通保留情報よりも遊技者が認識し易い。本例では、移動保留情報と普通保留情報とは表示位置が異なるが、移動保留情報が表示されている期間は普通保留情報は表示されないことにより、移動保留情報が普通保留情報に代わる表示情報であり、普通保留情報と共通の保留情報に対応したものであることを遊技者は認識することができる。
図18(a−3)の例では、3つの移動保留情報2100、2200および2300を表示する例を示しており、これらの移動保留情報2100、2200および2300は、それぞれ点火演出実行直前の図18(a−1)における普通保留情報表示領域181A、181Bおよび181Cの普通保留情報に対応している。この図18(a−3)では、移動保留情報は、いずれも文字も画像エフェクトも施されていない丸型の通常態様(図18(b−1))で表示されている例を示しているが、移動保留情報は、点火演出が実行されたことにより、『熱』の文字が施された第1特殊態様(図18(b−2))や炎の画像エフェクトが施された第2特殊態様(図18(b−3))に変化する場合がある。なお、点火演出の詳細な態様については後述する。
図18(b)に示すように、普通保留情報と拡大保留情報の態様は、表示位置および大きさを除いて共通である(いずれも通常態様、第1特殊態様、第2特殊態様の3種別)。また、普通保留情報と移動保留情報の態様は、表示位置を除いて共通である(いずれも通常態様、第1特殊態様、第2特殊態様の3種別)。第1特別演出または第2特別演出が実行された場合、演出制御用CPU101は、拡大保留情報または移動保留情報の表示態様を、通常態様から第1特殊態様または第2特殊態様に変化させる場合がある。また、第1特別演出または第2特別演出が実行されない場合であっても、演出制御用CPU101は、シフト時変化演出が実行されたことに基づいて普通保留情報の表示態様を、通常態様から第1特殊態様または第2特殊態様に変化させる。
(演出制御のメイン処理)
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御のメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(前述のコマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、普通保留情報の表示態様を後述する特殊態様とするか否かおよび特殊態様とする場合に第1特殊態様とするか又は第2特殊態様とするかを決定するための乱数、ならびに後述の特別演出を実行するか否かおよび特別演出を実行する場合の演出種別を決定するための乱数等の、各種演出の実行の有無および各種演出の実行態様を決定するための各乱数をRAMに記憶しており、S707において、各乱数を生成するためのカウンタのカウント値も更新している。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド(図10参照))を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
図20は、図19に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、入賞時表示更新処理を実行する(S800A)。
(入賞時表示更新処理)
図21は、図20に示された演出制御プロセス処理における入賞時表示更新処理(S800A)を示すフローチャートである。入賞時決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(S1001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ(S1001でN)、そのまま処理を終了する。新たな始動入賞が発生した場合には上記1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信するため、この処理によって新たな始動入賞があったかどうかを判断可能である。なお、上記のように1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信したか否かを確認することに代えて、始動入賞時にセットされる始動入賞フラグを設定し、この始動入賞フラグの有無で新たな始動入賞を判断することとしてもよい。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば(S1001でY)、演出制御用CPU101は、前述したように第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドの受信に基づいて加算更新された合算保留記憶数を、合算保留記憶数表示領域180に表示することで、合算保留記憶表示領域180の表示を更新する(S1002)。この更新処理によって、合算保留記憶表示領域180に表示されている数値は1加算されることになる。次いで、演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブル(後述の図22参照)において、上記加算更新後の合算保留記憶数に対応した通常態様フラグをセットする(S1003)。このように、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生した場合に、当該始動入賞に対応した普通保留情報について一旦は通常態様で表示させるための処理が行われる。
次いで、演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブルを参照し、第1特別演出フラグまたは第2特別演出フラグがセットされているかどうか確認する(S1004)。ここで、第1特別演出フラグまたは第2特別演出フラグがセットされていたら(S1004でY)、演出制御用CPU101は処理を終了する。これは、第1特別演出フラグまたは第2特別演出フラグは、それぞれの特別演出が実行されている場合にセットされるものであり、第1特別演出または第2特別演出が実行されている場合には、前述したように普通保留情報は表示されていない状態である。従って、仮に第1特別演出または第2特別演出の実行中に新たな始動入賞が発生したことに基づいて直ちに普通保留情報を表示させてしまうと、その新たな始動入賞に対応した普通保留情報のみが表示されてしまうことになり、遊技者を混乱させてしまう。そのため、第1特別演出または第2特別演出の実行中は、新たな始動入賞に基づく普通保留情報を追加表示することなく、後のタイミング(この実施の形態では第1特別演出または第2特別演出が終了したタイミング)で普通保留情報を表示させるために、ここでは通常態様フラグをセットしておき(S1003)、入賞時表示更新処理を終了する。
第1特別演出フラグおよび第2特別演出フラグのいずれのフラグもセットされていなかったら(S1004でN)、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞に対応する新たな普通保留情報を、加算更新後の合算保留記憶数に対応した普通保留情報表示領域181(181A〜181Hのいずれか)に通常態様で表示する(S1010)。以上が入賞時表示更新処理(S800A)の具体的処理である。
ここで、この実施の形態では、S1010や、後述するS2016およびS3013のケースのように、普通保留情報表示領域181における普通保留情報に関わる画像データは、後述するプロセステーブルには設定されず、演出制御用CPU101により作成され、VRAMの所定領域に書き込まれる場合がある。VDP109は、普通保留情報表示領域181における普通保留情報に関わる画像データと、後述するプロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、変動パターンに応じて変動表示される演出図柄や実行される演出(例えばリーチ演出)の画像と普通保留情報とが表示される。
上記処理の後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じて、図20に示す演出制御プロセス処理のS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
(表示態様制御テーブル)
図22は、表示態様制御テーブルの具体例を示す説明図である。この表示態様制御テーブルは、各合算保留記憶数(各変動順序)に対応する表示情報(普通保留情報、拡大保留情報、移動保留情報)を、いずれの態様(通常態様、第1特殊態様、第2特殊態様)で表示するのかを示すテーブルであって、各合算保留記憶数(各変動順序)に関連付けて、通常態様フラグ、第1特殊態様フラグ、第2特殊態様フラグの記憶領域がそれぞれ設けられている。ここで示される「変動順序」とは、変動表示の開始条件が成立する順序であり、この実施の形態では、その変動順序に対応した保留情報(例えば、保留特定領域の記憶情報(図14(A))や保留記憶バッファの記憶情報(図14(B))、あるいは始動入賞時コマンド格納領域(図16)の記憶情報)が第1始動入賞口13への有効始動入賞に基づくものであるかまたは第2始動入賞口14への有効始動入賞に基づくものであるかにかかわらず、有効始動入賞した順序で変動表示の開始条件が成立する。従って、始動入賞時における合算保留記憶数が、その保留情報について変動表示の開始条件が成立する順序となる。
図22の表示制御テーブルにおいて、通常態様フラグがセットされている場合には、当該通常態様フラグに関連付けられた合算保留記憶数(変動順序)に対応した表示情報を、通常態様で表示するための表示制御が実行され、第1特殊態様フラグがセットされている場合には、当該第1特殊態様フラグに関連付けられた合算保留記憶数(変動順序)に対応した表示情報を、第1特殊態様(『熱』文字態様)で表示するための表示制御が実行され、第2特殊態様フラグがセットされている場合には、当該第2特殊態様フラグに関連付けられた合算保留記憶数(変動順序)に対応した表示情報を、第2特殊態様(炎エフェクト態様)で表示するための表示制御が実行される。また、表示制御テーブルは、前述の入賞時表示更新処理(図21)において、1セットの始動入賞時のコマンドを受信した際に(S1001でY)通常態様フラグがセットされ(S1003)、さらに後述の処理において所定の条件に基づいて第1特殊態様フラグまたは第2特殊態様フラグがセットされる(S2040)。なお、表示態様制御テーブルの各合算保留記憶数(変動順序)について、セットされるフラグは、通常フラグ、第1特殊態様フラグ、または第2特殊態様フラグの1つのみであり、1の合算保留記憶数(変動順序)に関連付けて2以上のフラグがセットされることはない。
(演出図柄変動開始処理(S801))
図23は、演出制御プロセス処理(図20)の一処理として実行される演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S2000)。
次いで、演出制御用CPU101は、S2000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S2001)。すなわち、演出制御用CPU101によってS2001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図24は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図27に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、高確率状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、高確率状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域(図16参照)が記憶する1つ目の始動入賞時コマンドのセット(格納領域1の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドであり、最も古い判定結果)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする(S2002)。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、変動表示の実行開始に伴う第1図柄変動指定コマンドを受信した場合)には、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている1つ目(最初)の第1保留コマンドを削除し、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトし、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、変動表示の実行開始に伴う第2図柄変動指定コマンドを受信した場合)には、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている1つ目(最初)の第2保留コマンドを削除し、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、特別演出を実行するか否かなどを決定するため、演出決定処理(S2009)を実行する。
(演出決定処理(S2009))
図26は、演出決定処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブル(図22)に記憶されたフラグ(通常態様フラグ、第1特殊態様フラグ、および第2特殊態様フラグ)を、それぞれ合算保留記憶数(変動順序)が1ずつ繰り上がるようシフトする(S2030)。これにより、合算保留記憶数が1に対応するフラグが消去され、合算保留記憶数が2以降に対応するフラグをそれぞれ1ずつ繰り上げられる。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタを参照し、記憶している合算保留記憶数が0であるかどうかを確認する(S2031)。合算保留記憶数が0であった場合(S2031でY)、この後の処理で普通保留情報を通常態様から特殊態様に変化させることはできないため、演出制御用CPU101は、普通保留情報を通常態様から特殊態様に変化させるかどうかの決定を行うことなく演出決定処理を終了する。一方で合算保留記憶数が0ではなかった場合(保留記憶が存在した場合)、演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブルを参照し、いずれかの合算保留記憶数(変動順序)に関連付けられた第1特殊態様フラグ(「熱」文字に対応するフラグ)または第2特殊態様フラグ(炎エフェクトに対応するフラグ)がセットされているかどうかを確認する(S2032)。表示態様制御テーブルに、いずれかの合算保留記憶数(変動順序)に関連付けられた第1特殊態様フラグまたは第2特殊態様フラグがセットされていた場合(S2032でY)、演出制御用CPU101は、演出決定処理を終了する。すなわち、シフト後に表示される普通保留情報のいずれかがシフト前に既に第1特殊態様または第2特殊態様で表示されていた場合には、シフト時変化演出や特別演出を実行しない。なお、シフト後に表示される普通保留情報のいずれかがシフト前に既に第1特殊態様または第2特殊態様で表示されていた場合にも、シフト時変化演出や特別演出を実行可能としても良い。
一方で、表示態様制御テーブルに、いずれかの合算保留記憶数(変動順序)に関連付けられた第1特殊態様フラグまたは第2特殊態様フラグがセットされていなかった場合(S2032でN)、すなわち、シフト後に表示される普通保留情報の全てがシフト前に通常態様で表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、優先度判定テーブルに基づいて、表示情報の表示態様を変化させるかどうかを決定するターゲット(対象)となる普通保留情報を決定する(S2033)。ここで、優先度判定テーブルの具体例とあわせて、当該処理について説明する。
図27は優先度判定テーブルを示す図である。優先度判定テーブルには、優先度と変動カテゴリを対応付ける情報が格納されている。この図27で示す優先度判定テーブルには、説明の便宜上、それぞれの変動カテゴリに対応する内容を示しているが、演出制御用CPU101がこの内容を参照するわけではない。図27に示される変動カテゴリは、変動カテゴリコマンド(図12参照)により指定されており、変動カテゴリ12(変動カテゴリコマンドC611(H)に対応)はスーパーリーチで大当り、変動カテゴリ11(変動カテゴリコマンドC610(H)に対応)はノーマルリーチで大当り、変動カテゴリ4(変動カテゴリコマンドC603(H)に対応)はスーパーリーチではずれ、変動カテゴリ3(変動カテゴリコマンドC602(H)に対応)はノーマルリーチではずれ、変動カテゴリ2(変動カテゴリコマンドC601(H)に対応)はノーマルリーチではずれまたはリーチを伴わない(非リーチ)はずれ、変動カテゴリ1(変動カテゴリコマンドC600(H)に対応)はリーチを伴わない(非リーチ)はずれ、というようにそれぞれ対応している。ここで、優先度は上記のとおり、変動カテゴリ12のスーパーリーチ大当りが「優先度1」、変動カテゴリ11のノーマルリーチ大当りが「優先度2」、変動カテゴリ4のスーパーリーチはずれが「優先度3」、変動カテゴリ3のノーマルリーチはずれが「優先度4」、変動カテゴリ2のノーマルリーチはずれまたは非リーチはずれが「優先度5」、変動カテゴリ1の非リーチはずれが「優先度6」となるように設定されている。
上記S2033の処理において、演出制御用CPU101は、優先度判定テーブルに基づいてターゲットとする普通保留情報を決定するが、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に格納されているすべての変動カテゴリコマンドを参照し、最も優先度の高い変動カテゴリコマンドを特定し、この変動カテゴリコマンドに対応した普通保留情報をターゲットとする。例えば、合算保留記憶数が3であった場合、3つの変動カテゴリコマンドと、これらにそれぞれ対応した普通保留情報とが存在する。演出制御用CPU101は、この変動カテゴリコマンドを参照し、その中に「変動カテゴリ1」が2つ、「変動カテゴリ2」が1つ含まれていた場合、「変動カテゴリ2」のほうが高い優先度であるため、この「変動カテゴリ2」に対応する普通保留情報をターゲットとする。一方で、例えば「変動カテゴリ1」のみが3つ含まれていた場合、いずれも同じ優先度であるため、乱数を用いてどの変動カテゴリコマンドに対応した普通保留情報をターゲットとするかを決定する。また、例えば「変動カテゴリ1」が1つ、「変動カテゴリ2」が2つ含まれていた場合、2つの「変動カテゴリ2」が最も高い優先度であるため、乱数を用いてどちらの変動カテゴリコマンドに対応した普通保留情報をターゲットとするかを決定する。なお、必ずしも乱数を用いる必要があるものではなく、例えば一番変動順序が後の(より大きな合算保留記憶数に対応する)普通保留情報を対象としてもよい。このようにして、演出制御用CPU101は、シフト時変化演出や特別演出のターゲットとする普通保留情報を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、表示態様決定テーブルに基づいて、ターゲットとなった普通保留情報の表示態様を通常態様、第1特殊態様、または第2特殊態様のどれにするかを決定する(S2034)。ここで、表示態様決定テーブルの具体例とあわせて、当該処理について説明する。
図28は、表示態様決定テーブルを示す図である。図28に示すように、表示態様決定テーブルには、図柄指定コマンドごとに、通常態様(変化なし)、第1特殊態様(「熱」文字)、および第2特殊態様(炎エフェクト)のそれぞれの割合が設定されている。この表示態様決定テーブルにおける「図柄指定コマンド」とは、上記S2033でターゲットとなった普通保留情報に対応する変動カテゴリコマンド(優先度の最も高い変動カテゴリコマンド)に関連付けて始動入賞時コマンド格納領域に格納されている図柄指定コマンドであり、以下、「ターゲットとなった普通保留情報に対応する図柄指定コマンド」と称する場合がある。
ターゲットとなった普通保留情報に対応する図柄指定コマンドが「はずれ」であった場合、演出制御用CPU101は、通常態様とする割合が90%、第1特殊態様とする割合が8%、第2特殊態様とする割合が2%となるように制御する。また、ターゲットとなった普通保留情報に対応する図柄指定コマンドが「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のいずれかであった場合には、演出制御用CPU101は、通常態様とする割合が20%、第1特殊態様とする割合が30%、第2特殊態様とする割合が50%になるように制御する。ここで制御は、例えば演出制御用CPU101が0〜99の乱数を用いて、所定の割合で表示態様を決定するようにすればよい。なお、この実施の形態では、図柄指定コマンドが「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のいずれであったとしても同じ割合で通常態様、第1特殊態様、および第2特殊態様のどれにするかを決定しているが、図柄指定コマンドごとに異なる割合を設定してもよい。
ここで、図28に示したような割合で通常態様、第1特殊態様、および第2特殊態様とすることで、第1特殊態様は通常態様の場合と比較して、はずれの割合が低く通常大当り、確変大当り、または突然確変大当りの割合が高く設定されているため、信頼度が高いということができる。また、第2特殊態様は第1特殊態様の場合と比較して、はずれの割合が低く通常大当り、確変大当り、または突然確変大当りの割合が高く設定されているため、信頼度が高いということができる。つまり、信頼度が高い順に、第2特殊態様、第1特殊態様、通常態様となっている。ここで、演出の「信頼度」とは、[その演出が実行された場合に大当りとなる割合]/[(その演出が実行された場合に大当りとなる割合)+(その演出が実行された場合に大当りとはならない割合)]により算出される。遊技者は、この信頼度が高いほど大当りとなる期待度が高くなるため、この普通保留情報の態様に注目することとなる。
このようにして、ターゲットとなった普通保留情報の態様を決定した後(S2034)、演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブル(図22)において、ターゲットとなっている普通保留情報の変動順序(合算保留記憶数)に対応させて、決定された態様に応じたフラグ(通常態様に決定された場合には通常態様フラグ、第1特殊態様に決定された場合には第1特殊態様フラグ、第2特殊態様に決定された場合には第2特殊態様フラグ)をセットする(S2035)。ここで、第1特殊態様フラグまたは第2特殊態様フラグをセットするときには、当該セットするフラグと共通の変動順序(合算保留記憶数)に対応した通常態様フラグはリセットするものとする。従って、表示態様制御テーブルの各変動順序(合算保留記憶数)について、セットされるフラグは、通常フラグ、第1特殊態様フラグ、または第2特殊態様フラグの1つのみである。
例えば、合算保留記憶数が3のときに、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域2に優先度1の変動カテゴリコマンド(変動カテゴリ12)が格納されており、格納領域1および3には、優先度2以下の変動カテゴリコマンドが格納されている場合には、シフト後に普通保留情報表示領域181B(左から2番目(変動順序2))に表示されることになる普通保留情報がターゲットとして決定され、格納領域2に格納されている図柄指定コマンド(格納領域2の変動カテゴリコマンドに関連付けられた図柄指定コマンド)に応じた割合で普通保留情報の態様が決定され(図28の表示態様決定テーブル)、変動順序2(合算保留記憶数2)に対応させて、決定された態様に応じたフラグがセットされる(図22の表示態様制御テーブル)。
ここで、S2034において、普通保留情報の態様を通常態様に決定した場合には、その普通保留情報と共通の保留情報に対応した拡大保留情報や移動保留情報も、第1特別演出や第2特別演出において態様が変化せずに通常態様で表示されることになる。また、S2034において、普通保留情報の態様を第1特殊態様に決定した場合には、その普通保留情報と共通の保留情報に対応した拡大保留情報や移動保留情報も、第1特別演出や第2特別演出において態様が通常態様から第1特殊態様に変化することになる。また、S2034において、普通保留情報の態様を第2特殊態様に決定した場合には、その普通保留情報と共通の保留情報に対応した拡大保留情報や移動保留情報も、第1特別演出や第2特別演出において態様が通常態様から第2特殊態様に変化することになる。このように、この実施の形態では、普通保留情報の態様が決定された場合に、その普通保留情報をターゲットとした第1特別演出や第2特別演出が実行された場合の拡大保留情報や移動保留情報の態様も決定されることになるため、S2034における普通保留情報の態様を決定する処理は、その普通保留情報に対応した拡大保留情報や移動保留情報の態様を決定する処理でもある。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタを参照し、記憶している合算保留記憶数が2以上であるかどうかを確認する(S2036)。合算保留記憶数が2未満であった場合(S2036でN)、演出制御用CPU101は、演出決定処理を終了する。このように、この実施の形態では、普通保留情報の態様を第1特殊態様または第2特殊態様に変化させると決定した場合でも、合算保留記憶数が2未満であれば特別演出を実行せず、後述するS2016で第1特殊態様または第2特殊態様の普通保留情報を表示する(すなわちシフトタイミングで普通保留情報の態様を変化させるシフト時変化演出を実行する)ようにしている。このような形態に限らず、合算保留記憶数によらず特別演出を実行可能としても良い。
合算保留記憶数が2以上であった場合(S2036でY)、演出制御用CPU101は、S2000で読み出した変動パターンコマンドがノーマルリーチの変動パターンコマンドかどうか(すなわち、PA2−1、PB2−1、またはPC2−1のリーチ演出に対応する変動パターンコマンドかどうか)を確認する(S2037)。この変動パターンコマンドがノーマルリーチの変動パターンコマンドではなかった場合(S2037でNo)、演出制御用CPU101は、演出決定処理を終了する。一方で、この変動パターンコマンドがノーマルリーチの変動パターンコマンドであった場合(S2037でYes)、演出制御用CPU101はS2038の処理に移行する。この実施の形態では、このように、ノーマルリーチを伴う変動パターンの変動表示が実行されるときにのみ、第1特別演出(ルーレット演出)または第2特別演出(点火演出)を実行可能としているが、これは特別演出の演出時間を考慮したものである。
また、この実施の形態では、仮に合算保留記憶数が2以上である場合にも(S2036でY)、S2037でノーマルリーチの変動パターンではないと判定された場合(S2037でN)、特別演出は実行されないことに決定される。この実施の形態では、始動入賞時においてノーマルリーチの可能性がある変動カテゴリコマンド(例えば変動カテゴリ2)であったとしても、その後の始動入賞によって合算保留記憶数が増加して(合算保留記憶数3以上となり)、実際には当該変動カテゴリコマンドに対応した変動表示でノーマルリーチとはならない場合がある(例えば抽出された変動パターン種別判定用乱数が170〜219の範囲である場合)。このような場合には、普通保留情報の態様を変化させることに決定された場合でも特別演出が実行されずにシフト時変化演出が実行されることになる。
すなわち、特別演出を実行するには所定時間(例えば15秒)を要する一方、複数の変動表示にわたり特別演出を実行するようにした場合には、該特別演出の実行中に合算保留記憶数が減少してしまい該特別演出が終了したときにはターゲットとなった普通保留情報が存在しない(対応する保留情報が既に消化されている)ケースが発生しうる。従って、1の変動表示の期間内に特別演出を開始して終了させることが好ましい。そのため、特別演出は、変動時間が所定時間以上となる変動パターンの変動表示において実行することが好ましく、この実施の形態ではリーチ演出を伴う変動パターンがこれに該当する。ただし、リーチ演出を伴う変動パターンであっても、スーパーリーチの変動パターンにおけるストーリー演出やバトル演出等、遊技者が特に興味を抱く演出が実行される場合には、遊技者をこれらの演出に集中させるため、特別演出を実行しない方が好ましい。また、特別演出のように開始条件が成立していない変動表示を対象とした先読み演出よりも現に実行されている変動表示を対象とした演出(実行されている変動表示の表示結果を示唆する演出)に遊技者の興味が向かうことを考慮しても、スーパーリーチを伴う変動パターンの変動表示が実行されている期間は、特別演出を実行しないことが好ましい。従って、この実施の形態では、ノーマルリーチを伴う変動パターンの変動表示が実行されるときにのみ、第1特別演出(ルーレット演出)または第2特別演出(点火演出)を実行可能としている。なお、ノーマルリーチの場合のみに特別演出を実行する形態に限らず、リーチを伴わない変動パターンの変動表示において特別演出を実行可能としても良く、スーパーリーチを伴う変動パターンの変動表示において特別演出を実行可能としても良い。
次に、演出制御用CPU101は、特別演出決定テーブルに基づいて、(1)特別演出を実行するか否か、および(2)実行する場合には第1特別演出と第2特別演出のどちらを実行するか、を決定する(S2038)。ここで、特別演出決定テーブルの具体的な説明とあわせて、当該処理について説明する。
図29は特別演出決定テーブルを示す図である。特別演出決定テーブルには、ターゲットとなった普通保留情報の態様(S2034で決定された態様)に対応させて、特別演出を実行しない割合、第1特別演出(ルーレット演出)を実行する割合、および第2特別演出(点火演出)を実行する割合の、それぞれの割合が設定されている。演出制御用CPU101は、ターゲットの普通保留情報に対して決定された態様が通常態様であった場合、特別演出を実行しない割合が80%、第1特別演出を実行する割合が15%、第2特別演出を実行する割合が5%となるように制御する。また、演出制御用CPU101は、ターゲットの普通保留情報に対して決定された態様が第1特殊態様(「熱」文字)であった場合、特別演出を実行しない割合が40%、第1特別演出を実行する割合が50%、第2特別演出を実行する割合が10%となるように制御する。また、演出制御用CPU101は、ターゲットの普通保留情報に対して決定された態様が第2特殊態様(炎エフェクト)であった場合、特別演出を実行しない割合が30%、第1特別演出を実行する割合が20%、第2特別演出を実行する割合が50%となるように制御する。
ここで、ターゲットの普通保留情報の態様が、通常態様に決定された場合には20%の割合(15%+5%)で特別演出が実行され、第1特殊態様に決定された場合には60%の割合(50%+10%)で特別演出が実行され、第2特殊態様に決定された場合には70%の割合(20%+50%)で特別演出が実行されることに決定される。従って、特別演出が実行される場合の方が、特別演出が実行されない場合よりも、普通保留情報が特殊態様に変化する割合が高い。そして、既に説明したように、特殊態様は通常態様と比較して信頼度が高い。そのため、遊技者は特別演出が実行されることを期待するようになる。また、第1特別演出と第2特別演出とを比較すると、第2特別演出は第1特別演出よりも通常態様の割合は減少している一方、特殊態様の割合は増加している。さらに、第1特別演出と第2特別演出とを比較すると、第2特別演出は第1特別演出よりも第1特殊態様の割合は減少している一方、第2特殊態様の割合は増加している。従って、第2特別演出が実行される場合の方が、第1特別演出が実行される場合よりも、普通保留情報が特殊態様に変化する割合が高く且つ普通保留情報が第2特殊態様に変化する割合が高い。そして、既に説明したように、第2特殊態様は第1特殊態様と比較して信頼度が高い。したがって、遊技者は、特別演出が実行されることを期待するとともに、第2特別演出が実行されることをより期待するようになる。このように、信頼度の異なる複数種別の特殊態様を設けるとともに、それぞれの特殊態様に変化する割合が異なる複数種別の特別演出を設けるようにすることで、遊技性を高めて興趣を向上させるようにしている。
上記のように、演出制御用CPU101がターゲットの保留情報について特別演出を実行するか否か、および実行する場合の演出種別を決定したら、演出制御用CPU101は、当該決定について特別演出を実行することに決定されたか否かを確認する(S2039)。特別演出を実行することに決定されていなかった場合(S2039でN)、演出制御用CPU101は演出決定処理を終了する。一方で、特別演出を実行することに決定されていた場合(S2039でY)、演出制御用CPU101は、実行する特別演出の種別に応じて、第1特別演出を実行する場合には第1特別演出フラグを、第2特別演出を実行する場合には第2特別演出フラグを、それぞれセットする(S2040)。
第1特別演出フラグは、第1特別演出を伴う変動表示が実行されるときの演出決定処理(すなわち変動表示が開始されるタイミング)でセットされ、後述の演出図柄変動中処理で第1特別演出の実行時間が経過したとき(すなわち第1特別演出が終了するタイミング)でリセットされる。この実施の形態では、第1特別演出は、変動表示が開始されたタイミングで直ちに実行される演出であるため、第1特別演出フラグは、第1特別演出が実行されている期間セットされるフラグである。また、第2特別演出フラグも、第2特別演出を伴う変動表示が実行されるときの演出決定処理(すなわち変動表示が開始されるタイミング)でセットされ、後述の演出図柄変動中処理で第2特別演出の実行時間が経過したとき(すなわち第2特別演出が終了するタイミング)でリセットされる。この実施の形態では、第2特別演出は、変動表示が開始されたタイミングで直ちに実行される演出であるため、第2特別演出フラグは、第2特別演出が実行されている期間セットされるフラグである。なお、第1特別演出や第2特別演出が、変動表示が開始されてから所定時間経過してから実行される演出である場合は、後述する演出図柄変動中処理において、第1特別演出や第2特別演出が開始されるタイミングで第1特別演出フラグや第2特別演出フラグをセットするようにすると良い。
なお、第1特別演出や第2特別演出が実行されるタイミングとして、例えば、(1)変動表示開始直後、(2)リーチ成立前、(3)リーチ成立後というように複数のタイミングが存在するようにしても良い。このように、特別演出が実行されるタイミングが複数存在する場合に、さらに、いずれのタイミングで特別演出が実行されるかに応じて普通保留情報(表示情報)の態様が変化する期待度が異なるようにしても良い。例えば、(3)リーチ成立後に特別演出が実行される場合に最も変化期待度が高く、次いで(2)リーチ成立前、次いで(1)変動開始直後というように、普通保留情報の態様に応じて特別演出が実行されるタイミング(各タイミングが決定される割合)を異ならせるようにしても良い。これによれば、いずれの遊技者はいずれのタイミングで特別演出が実行されるかにも注目することになり興趣をさらに高めることができる。
(プロセステーブル選択処理)
上記のとおり、演出図柄変動開始処理(図23)における演出決定処理(図23のS2009、図26に対応)が終了したら、演出制御用CPU101は、次にプロセステーブル選択処理(S2010)を実行する。ここで、図25および図30を参照しながらこのプロセステーブル選択処理を説明する。
図25は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、特別演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、特別演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された特別演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
ランプ制御実行データには、ランプドライバ基盤35に対して出力される制御信号が含まれており、このランプ制御実行データに対応して、ランプドライバ基盤35は大入賞口LED20Aおよび枠LED28を制御する(図2参照)。音番号データには、左右のスピーカ27,27からの音声出力を出力させるための制御信号が含まれており、音声出力基盤70に対して出力される。図25に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
以下に示すプロセステーブル選択処理では、第1特別演出を実行すると決定された場合には、プロセステーブルにルーレット演出に関するデータが含まれ、第2特別演出を実行すると決定された場合には、プロセステーブルに点火演出に関するデータが含まれるようにする。
図30は、プロセステーブル選択処理を示すフローチャートである。プロセステーブル選択処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1特別演出フラグがセットされているか否かを確認する(S2040)。第1特別演出フラグがセットされていた場合(S2040でY)(すなわち、先の演出決定処理で第1特別演出を実行することが決定されて第1特別演出フラグがセットされていた場合(S2038〜S2040))、演出制御用CPU101は、(1)変動パターンおよび停止図柄、(2)第1特別演出(ルーレット演出)、ならびに(3)ターゲットの普通保留情報の態様に応じたプロセステーブルを選択する(S2041)。プロセステーブルの選択が完了したら、演出制御用CPU101は、プロセステーブル選択処理を終了する。
すなわち、この処理によって、(1)S2000で読み出した変動パターンコマンドに応じた演出(例えばリーチ演出)を実行しつつS2001で決定された停止図柄を最終停止図柄として導出表示するための制御と、(2)開始される演出図柄の変動表示に伴うルーレット演出を実行するための制御と、(3)そのルーレット演出によって拡大保留情報をS2034で決定された態様に変化させる(あるいは変化させない)ようにするための制御とを実行する。なお(3)における拡大保留情報の態様は、ターゲットとなった普通保留情報の変動順序(合算保留記憶数)に関連付けて表示態様制御テーブル(図22)にセットされているフラグに応じた態様となる。なお、S2041で選択されるプロセステーブルには、合算保留記憶数分の普通保留情報が通常態様で表示されているとの前提のもとで、各普通保留情報の表示位置を普通保留情報表示領域181から画面中央に徐々に移動させつつ各普通保留情報のサイズを徐々に拡大させて拡大保留情報に変化させるための表示制御実行データが含まれる。
一方で、第1特別演出フラグがセットされていなかった場合(S2040でN)、演出制御用CPU101は次に、第2特別演出フラグがセットされているかどうかを確認する(S2042)。第2特別演出フラグがセットされていた場合(S2042でY)、(すなわち、先の演出決定処理で第2特別演出を実行することが決定されて第2特別演出フラグがセットされていた場合(S2038〜S2040))、演出制御用CPU101は、(1)変動パターンおよび停止図柄、(2)第2特別演出(点火演出)、ならびに(3)ターゲットの普通保留情報の表示態様に応じたプロセステーブルを選択する(S2043)。プロセステーブルの選択が完了したら、演出制御用CPU101は、プロセステーブル選択処理を終了する。
すなわち、この処理によって、(1)S2000で読み出した変動パターンコマンドに応じた演出(例えばリーチ演出)を実行しつつS2001で決定された停止図柄を最終停止図柄として導出表示するための制御と、(2)開始される演出図柄の変動表示に伴う点火演出を実行するための制御と、(3)その点火演出によって移動保留情報をS2034で決定された態様に変化させる(あるいは変化させない)ようにするための制御とを実行する。なお(3)における移動保留情報の態様は、ターゲットとなった普通保留情報の変動順序(合算保留記憶数)に関連付けて表示態様制御テーブル(図22)にセットされているフラグに応じた態様となる。なお、S2043で選択されるプロセステーブルには、合算保留記憶数分の普通保留情報が通常態様で表示されているとの前提のもとで、各普通保留情報を普通保留情報表示領域181から消去し、画面中央には合算保留記憶数分の移動保留情報を通常態様で表示するための表示制御実行データが含まれる。
第2特別演出フラグがセットされていなかった場合(S2042でN)、すなわち、いずれの特別演出も実行されない場合には、演出制御用CPU101は、(1)変動パターンおよび停止図柄に応じたプロセステーブル(すなわち、特別演出を伴わない演出に関するプロセステーブル)を選択する(S2045)。プロセステーブルの選択が完了したら、演出制御用CPU101は、プロセステーブル選択処理を終了する。すなわち、この処理によって、(1)S2000で読み出した変動パターンコマンドに応じた演出(例えばリーチ演出)を実行しつつS2001で決定された停止図柄を最終停止図柄として導出表示するための制御を実行する。
プロセステーブル選択処理が終了したら、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1(今回実行対象となるプロセスデータ)におけるプロセスタイマをスタートさせる(S2011)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としての左右のスピーカ27,27)の制御を実行する(S2012)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、左右のスピーカ27,27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値(特図変動時間、図4参照)を設定する(S2013)。
次いで、演出制御用CPU101は、前述したように第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドの受信に基づいて減算更新された合算保留記憶数を、合算保留記憶数表示領域180に表示することで、合算保留記憶表示領域180の表示を更新する(S2014)。この更新処理によって、合算保留記憶表示領域180に表示されている数値は1減算されることになる。なお、この処理に先立つコマンド解析処理(図19のS704)において合算保留記憶数自体は減算されているものの、合算保留記憶数に関する表示が更新されていないため、ここで減算更新された合算保留記憶数を合算保留記憶数表示領域180に表示することで、合算保留記憶数表示領域180に表示されている値が1減算されて、表示が更新される。
次いで、演出制御用CPU101は、第1特別演出フラグまたは第2特別演出フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを確認する(S2015)。そして第1特別演出フラグおよび第2特別演出フラグのいずれのフラグもセットされていなければ(S2015でN)、合算保留記憶数分の普通保留情報を、それぞれ表示態様制御テーブルにおける各変動順序(合算保留記憶数)に対応した表示態様フラグに応じた態様で、普通保留情報表示領域181に表示する(S2016)。当該処理の前には、普通保留情報表示領域181には更新前の普通保留情報が表示されているため、結果として、当該処理(S2016)によって普通保留情報表示領域181に表示される普通保留情報のうち、変動開始の対象となる更新前の普通保留情報表示領域181Aの普通保留情報(更新前の合算保留記憶数1に対応する普通保留情報)についてはその表示が消去され、それ以降の普通保留情報表示領域181B〜181Hの普通保留情報(更新前の合算保留記憶数2〜8に対応する普通保留情報)についてはそれぞれ表示がひとつずつ左側にシフトすることになる。
ここで、前述したように、この実施の形態では、S2034でターゲットの普通保留情報の態様を第1特殊態様または第2特殊態様に変化させると決定された場合であっても、特別演出を実行しない場合(第1特別演出フラグおよび第2特別演出フラグのいずれのフラグもセットしない場合)がある。この場合にも、続くS2035においてターゲットとなった普通保留情報の変動順序(合算保留記憶数)に対応した第1特殊態様フラグまたは第2特殊態様フラグがセットされ、その結果S2016では、特別演出を経ずに普通保留情報が第1特殊態様または第2特殊態様で表示されることになる。このとき遊技者側からは、始動入賞が発生したときには通常態様で表示された普通保留情報(S1010)が、左側にシフトされたタイミングで特殊態様に変化したように認識する。このようにしてシフト時変化演出が実行される。
一方、第1特別演出フラグまたは第2特別演出フラグのいずれかのフラグがセットされていれば(S2015でY)、演出制御用CPU101は、S2016を実行することなく、S2017に移行する。すなわち前述したように、第1特別演出または第2特別演出が実行される場合のプロセステーブルには、当初合算保留記憶数分の普通保留情報を通常態様で表示する表示制御実行データが含まれるようになっているため、結果としてS2016を実行せずとも、普通保留表示領域181における普通保留情報のシフト表示は実現されることになる。
このように、第1特別演出または第2特別演出が実行されることに決定された場合には、ターゲットとなった普通保留情報の態様を特殊態様とすることに決定されている場合でも、シフトのタイミングでは特殊態様には変化させず、ターゲットとなった普通保留情報の通常態様は当初維持される。そして、特別演出が実行されたことに基づいて、普通保留情報の態様を変化させるようにしている(後述するS3013)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理(図20のS802)に移行するための演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新し(S2017)、演出図柄変動開始処理を終了する。
(演出図柄変動中処理)
図31は、演出制御プロセス処理(図20)における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S3001)、変動時間タイマの値を1減算する(S3002)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S3003)、演出制御用CPU101は、プロセスデータの切替を行い、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S3004)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S3005)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1特別演出が実行されているか否かを確認するため、第1特別演出フラグがセットされているか否かを確認する(S3006)。第1特別演出フラグがセットされていた場合(S3006でY)、その時点で第1特別演出が実行中であることを示しているため、第1特別演出の実行時間が経過したか否かを確認する(S3007)。第1特別演出の実行時間が経過していなかった場合(S3007でN)、未だ第1特別演出が実行中であるため、演出制御用CPU101はS3015の処理に移行する。第1特別演出の実行時間が経過していた場合(S3007でY)、既に第1特別演出の表示は完了しているため、演出制御用CPU101は第1特別演出が実行中ではないことを示すために第1特別演出フラグをリセットする(S3008)。その後、演出制御用CPU101はS3013の処理に移行する。
一方で、第1特別演出フラグがセットされていなかった場合(S3006でN)、演出制御用CPU101は、第2特別演出が実行されているか否かを確認するため、第2特別演出フラグがセットされているか否かを確認する(S3010)。第2特別演出フラグがセットされていた場合(S3010でY)、その時点で第2特別演出が実行中であることを示しているため、第2特別演出の実行時間が経過した否かを確認する(S3011)。第2特別演出の実行時間が経過していなかった場合(S3011でN)、未だ第2特別演出が実行中であるため、演出制御用CPU101はS3015の処理に移行する。第2特別演出の実行時間が経過していた場合(S3011でY)、既に第2特別演出の表示は完了しているため、演出制御用CPU101は第2特別演出が実行中ではないことを示すために第2特別演出フラグをリセットする(S3008)。その後、演出制御用CPU101はS3013の処理に移行する。ここで、第2特別演出フラグがセットされていなかった場合(S3010でN)、第1特別演出も第2特別演出も実行されていないことを示しており、演出制御用CPU101はS3015の処理に移行する。
上記の処理で第1特別演出フラグまたは第2特別演出フラグがリセットされたら(S3008またはS3012が実行されたら)、演出制御用CPU101は、第1特別演出または第2特別演出実行時に表示が消去されていた普通保留情報を最新の状態で再度表示するため、表示態様制御テーブル(図22)を参照して、合算保留記憶数分の普通保留情報をそれぞれの表示態様フラグに応じた表示態様で演出表示装置9に表示する(S3013)。その後、演出制御用CPU101はS3015の処理に移行する。
ここで、第1特別演出(ルーレット演出)が実行された場合には、当該変動表示が開始されるタイミングで普通保留情報表示領域181に表示されている普通保留情報が拡大しつつ画面中央に移動して拡大保留情報に変化し(後述する図33(c)〜(f)を参照)、次いで、ターゲットとなった普通保留情報に対応した拡大保留情報の態様が特殊態様に変化し(後述する図34(j)(k)を参照)又はいずれの拡大保留情報の態様も変化せず、次いで、拡大保留情報が縮小しつつ普通保留情報表示領域180に移動して普通保留情報に変化する(後述する図34(k)〜(n))態様の演出が実行される。すなわち、ターゲットとなった普通保留情報の態様は、第1特別演出が実行されたことに基づいて通常態様から特殊態様に変化する。ここで、第1特別演出の実行時間内(図31のS3007でNOと判定される期間内)に新たな始動入賞が発生した場合、これに伴って合算保留記憶数表示領域180に表示される合算保留記憶数は更新されるものの、当該新たな始動入賞に対応した普通保留情報や拡大保留情報は追加表示されず、実際の合算保留記憶数と表示情報の数に不整合が生じてしまうことになる。従って、第1特別演出の終了時にS3013の処理を実行することにより、合算保留記憶数に応じた数の普通保留情報が表示されることになり、不整合が解消される。
また、第2特別演出(点火演出)が実行された場合には、当該変動表示が開始されるタイミングで普通保留情報表示領域181に表示されている普通保留情報が消去されるとともに、消去された普通保留情報に応じた数の移動保留情報を画面中央に表示し(後述する図35(c)(d)を参照)、次いで、ターゲットとなった普通保留情報に対応した移動保留情報の態様が特殊態様に変化する(後述する図35(f)(g)を参照)又はいずれの移動保留情報の態様も変化しない演出が実行される。このとき、第2特別演出が終了するタイミング(移動保留情報を消去するタイミング)でS3013の処理を実行することにより、第1特殊態様フラグまたは第2特殊態様フラグがセットされていた場合には、該第1特殊態様フラグまたは該第2特殊態様フラグに対応した普通保留情報が特殊態様で表示される(図35(h)を参照)。すなわち、特殊態様に変化させることが決定された普通保留情報が、シフト後に一旦通常態様で表示され、その後に第2特別演出が実行されたことに基づいて通常態様から特殊態様に変化することになる。ここで、第2特別演出の実行時間内(図31のS3011でNOと判定される期間内)に新たな始動入賞が発生した場合、これに伴って合算保留記憶数表示領域180に表示される合算保留記憶数は更新されるものの、当該新たな始動入賞に対応した普通保留情報や拡大保留情報は追加表示されず、実際の合算保留記憶数と表示情報の数に不整合が生じてしまうことになる。従って、第2特別演出の終了時にS3013の処理を実行することにより、合算保留記憶数に応じた数の普通保留情報が表示されることになり、不整合が解消される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S3015)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄停止処理(S803)に応じた値に更新する(S3016)。なお、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合でも、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら、S3016に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄停止処理(S803)に応じた値に更新して(S3016)、演出図柄変動中処理を終了する。また、変動時間タイムがタイムアウトしていなかった場合には(S3015でN)、演出図柄変動中処理は一旦終了するが、演出制御プロセスフラグは演出図柄変動中処理を実行するようになったままであるため、演出図柄変動中処理を繰り返し実行することとなる。
(演出図柄変動停止処理)
図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S4001)。停止図柄表示フラグがセットされていれば(S4001でY)、S4012に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には(S4002の後S4010でY)、S4011で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる(S4013)。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S4002の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S4012に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には(S4001でN)、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S4002)。
次いで、演出制御用CPU101は、S4010の判定処理を実行する。S4002の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、S4050に移行する。
S4002の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S4010のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S4011)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S4012)。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。また、突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの制御開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S4012でY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S4013)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S4014)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S4015)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S4016)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S4017)。
大当りとしないことに決定されている場合には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S4050)。
次に、第1特別演出および第2特別演出における演出表示装置9における表示の具体例を、図33〜図36を参照しながら説明する。
(第1特別演出の具体例)
図33および図34は、第1特別演出の具体例を示す説明図である。図33(a)では、合算保留記憶数が4で、保留情報はいずれも通常態様で表示されており(表示態様制御テーブル(図22)には通常態様フラグのみがセットされており)、変動表示が実行されている状態である。合算保留記憶数表示領域180には合算保留記憶数である4の数字が表示され、普通保留情報表示領域181A〜181Dには4つの通常態様の普通保留情報が表示されている。そして、実行中の変動表示の表示結果ははずれと決定されていたため(表示結果1指定コマンドを受信していたため)、図33(b)に示すように変動表示の表示結果としてはずれ図柄が導出表示される(ここでは「716」のはずれ図柄)。
そして、図33(c)に示すように、次の変動表示が開始される。このとき、演出制御用CPU101は演出図柄変動開始処理(図20のS801、図23参照)を実行する。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S2002)。これにより、始動入賞時コマンドの格納領域1に格納された、変動表示開始の対象となった始動入賞コマンドのセットは削除され、格納領域2〜格納領域4に格納された始動入賞コマンドのセットが、それぞれ格納領域1〜3にシフトされる。次いで、演出決定処理(図23のS2009、図26参照)において、合算保留記憶数が3であり(S2031でN)、第1特殊態様フラグも第2特殊態様フラグもセットされていないため(S2032でN)、演出制御用CPU101はS2033に移行する。なお、合算保留記憶数は、演出制御メイン(図19)のコマンド解析処理(S704)で4から3に減算されている。
ここで、始動入賞時コマンド格納領域(図16)には、上記のシフトの結果、普通保留情報に対応した始動入賞時コマンドのセットが3セット格納されており、これらの格納領域1〜格納領域3に格納された始動入賞時コマンドのセットを参照して態様変化のターゲットとする普通保留情報を決定する。ここで、格納領域1および格納領域3にはリーチを伴わないはずれ(非リーチはずれ)を示す変動カテゴリ1の変動カテゴリコマンドC600(H)が、格納領域2にはスーパーリーチ大当りを示す変動カテゴリ12の変動カテゴリコマンドC611(H)が、それぞれ格納されているものとする。演出制御用CPU101は、S2033の処理において、優先度判定テーブルに基づいて始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜格納領域3の各コマンドを確認した結果、優先度1の変動カテゴリ12が1つと、優先度6の変動カテゴリ1が2つ格納されているため、優先度1の変動カテゴリ12を格納する格納領域2に対応した、合算保留記憶数2(変動順序2)に対応する普通保留情報をターゲットとすることに決定する(S2033)。
その後、演出制御用CPU101は、表示態様決定テーブル(図28)に基づいて、このターゲットとなった普通保留情報を第1特殊態様(「熱」文字)で表示することと決定したものとする(30%の割合で決定された)(S2034)。次いで、演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブル(図22)の合算保留記憶数2(変動順序2)に対応する第1特殊態様フラグをセットする(S2035)。ここで、合算保留記憶数は3であり(S2036でY)、演出制御用CPU101は開始するために読み出した変動表示(演出図柄の変動開始の対象となっているもの)の変動パターンコマンドを確認したところ、ノーマルリーチではずれを示すPA2−1であったとする(S2037でY)。
次いで、演出制御用CPU101は特別演出決定テーブル(図29)の第1特殊態様(「熱」文字)に対応する部分に基づいて、(1)特別演出を実行し、(2)その演出種別を第1特別演出(ルーレット演出)に決定したものとする(50%の割合で決定された)(S2038)。そして、演出制御用CPU101は第1特別演出フラグをセットして(S2040)、第1特別演出を開始する。
上記の演出決定処理(図23のS2009)の後、演出制御用CPU101は、プロセステーブル選択処理(S2010)、プロセスタイマのスタート(S2011)を経て、プロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御することで(S2012)、図33(c)に示すように演出図柄の変動表示が開始され、さらに第1特別演出のルーレット演出に対応した「ルーレットチャンス!!」の演出文字1000が演出表示装置9の上部に表示される。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示領域180の表示を更新することで(S2014)、図33(c)に示すように合算保留記憶数表示領域180の表示が4から3に減算されて更新表示される。さらに、合算保留記憶数分の普通保留情報を通常態様で表示することで、図33(c)に示すように、普通保留情報表示領域181に表示された普通保留情報がそれぞれ左側にシフトされることになる。
その後、演出制御用CPU101は演出図柄変動中処理(図31)を実行する。これにより、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(S3005)。ここで、上記の処理で第1特別演出フラグがセットされているため(S3006でY)、演出制御用CPU101は第1特別演出の実行期間が経過した後(S3007でY)、第1特別演出フラグをリセットする(S3008)。この間、演出表示装置9では、先の「ルーレットチャンス!!」の演出文字1000が消去された後、図33(d)に示すように、画面右上には普通保留情報表示領域181を照らす演出を行う照明1001が表示され、これに伴って普通保留情報表示領域181A〜181Cの普通保留情報が画面中央に向かって移動しつつ徐々に拡大される演出が実行される。このとき、演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、および右演出図柄表示領域9R)に表示されていた変動表示は、縮小演出図柄表示領域182に表示されるようになる。
そして、図33(e)に示すように、普通保留情報表示領域181A〜181Cに表示されていた普通保留情報が画面中央に向かって移動しつつ拡大を続け、拡大保留情報1100〜1300の大きさにまでその表示が拡大され、その後、図33(f)に示すように拡大保留情報1100〜1300として表示される(図18(a−2)参照)。このように、第1特別演出では、普通保留情報を拡大保留情報に変化させる過程において、普通保留情報よりも大きく拡大保留情報よりも小さな中間態様(図33(d)(e))を経るようにしている。これにより、普通保留情報と拡大保留情報との対応関係が明確になり、普通保留情報と共通の保留情報(例えば、保留特定領域の記憶情報(図14(A))や保留記憶バッファの記憶情報(図14(B))、あるいは始動入賞時コマンド格納領域(図16)の記憶情報)に対応した表示情報である拡大保留情報を容易に把握することができる。
そして、図33(g)に示すように、演出表示装置9の上部には、「ルーレットスタート!!」の演出文字1002が表示され、演出表示装置9の表示における拡大保留情報1100の上には、ルーレット矢印1003が表示される。そして、図33(h)に示すように、ルーレット矢印1003は表示画面上の右側に向かって移動を開始し、中央の拡大保留情報1200の上部を通過するような表示が行われる。図34(i)に示すように、ルーレット矢印1003はさらに右側に移動を行い、右側の拡大保留情報1300の上部を通過するような表示が行われ、その後、画面右端まで移動したルーレット矢印1003は画面から消去され、画面左側から再度出現するような表示が行われる。その後、一定期間ルーレット矢印の移動が継続した後、図34(j)に示すように、最終的には態様変化のターゲットとされた、合算保留記憶数(変動順序)が2の普通保留情報に対応する、中央の拡大保留情報1200の上でルーレット矢印1003が停止表示される。そして、先の処理で演出制御用CPU101はこの普通保留情報(すなわちこれに対応した拡大保留情報)を第1特殊態様(「熱」文字)で表示することと決定しているため、図34(k)に示されるように、拡大保留情報1200は、その態様が通常態様から第1特殊態様の拡大保留情報1200Aへと変化する。
このとき画面中央に表示されている拡大保留情報1100〜1300は、それぞれ縮小演出図柄表示領域182に表示されている縮小演出図柄よりも大きな態様であり、例えば、拡大保留情報1100〜1300のそれぞれの輪郭内に縮小演出図柄(例えば「0」〜「9」のいずれかの図柄)が1以上収まる程度のサイズを有しているものとする。
その後、図34(l)に示すように、演出表示装置9の画面右上には拡大保留情報1100〜1300を照らす演出を行う懐中電灯1004が表示され、これに伴って拡大保留情報1100〜1300が普通保留情報表示領域181に向かって移動しつつ徐々に縮小される演出が実行される。そして、図34(m)(n)に示すように徐々に表示を縮小された拡大保留情報1100〜1300は普通保留情報表示領域181まで移動して普通保留情報の大きさにまで縮小され、以後は普通保留情報として表示されることとなる。ここで、先の処理で表示態様を変化された拡大保留情報1200Aは、その表示態様を維持しながら移動および縮小するため、第1特殊表示の拡大保留情報1200Aに対応する普通保留情報181Bは、第1特殊表示の表示態様で表示されることとなる。このように、第1特別演出では、拡大保留情報を普通保留情報に変化させる過程において、普通保留情報よりも大きく拡大保留情報よりも小さな中間態様(図34(l)(m))を経るようにしている。これにより、拡大保留情報と普通保留情報との対応関係が明確になり、拡大保留情報と共通の保留情報(例えば、保留特定領域の記憶情報(図14(A))や保留記憶バッファの記憶情報(図14(B))、あるいは始動入賞時コマンド格納領域(図16)の記憶情報)に対応した表示情報である普通保留情報を容易に把握することができる。
そして、図34(n)に示すように普通保留情報表示領域181に再度普通保留情報が表示されるようになったら、それまで縮小演出図柄表示領域182に表示されていた変動表示は、演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、および右演出図柄表示領域9R)に改めて表示され、縮小演出図柄表示領域182の表示は消去される。
その後、図34(o)および図34(p)に示すように、演出表示装置9の演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、および右演出図柄表示領域9R)の変動表示は、プロセステーブルの内容に従って演出表示を続け、変動表示の表示結果が導出表示される(ここでは「454」のはずれ図柄)。
(第2特別演出の具体例)
図35および図36は、第2特別演出の具体例を示す説明である。図35(a)では、合算保留記憶数が4で、保留情報はいずれも通常態様で表示されており(表示態様制御テーブル(図22)には通常態様フラグのみがセットされており)、変動表示が実行されている状態である。合算保留記憶数表示領域180には合算保留記憶数である4の数字が表示され、普通保留情報表示領域181A〜181Dには4つの通常態様の普通保留情報が表示されている。そして、実行中の変動表示の表示結果ははずれと決定されていたため(表示結果1指定コマンドを受信していたため)、図35(b)に示すように変動表示の表示結果としてはずれ図柄が導出表示される(ここでは「716」のはずれ図柄)。
そして、図35(c)に示すように、次の変動表示が開始される。このとき、演出制御用CPU101は演出図柄変動開始処理(図20のS801、図23参照)を実行する。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S2002)。これにより、始動入賞時コマンドの格納領域1に格納された、変動表示開始の対象となった始動入賞コマンドのセットは削除され、格納領域2〜格納領域4に格納された始動入賞コマンドのセットが、それぞれ格納領域1〜3にシフトされる。次いで、演出決定処理(図23のS2009、図26参照)において、合算保留記憶数が3であり(S2031でN)、第1特殊態様フラグも第2特殊態様フラグもセットされていないため(S2032でN)、演出制御用CPU101はS2033に移行する。なお、合算保留記憶数は、演出制御メイン(図19)のコマンド解析処理(S704)で4から3に減算されている。
ここで、始動入賞時コマンド格納領域(図16)には、上記のシフトの結果、普通保留情報に対応した始動入賞時コマンドのセットが3セット格納されており、これらの格納領域1〜格納領域3に格納された始動入賞時コマンドのセットを参照して態様変化のターゲットとする普通保留情報を決定する。ここで、格納領域1〜格納領域3には、いずれもリーチを伴わないはずれ(非リーチはずれ)を示す変動カテゴリ1の変動カテゴリコマンドC600(H)が格納されているものとする。演出制御用CPU101は、S2033の処理において、優先度判定テーブルに基づいて始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜格納領域3の各コマンドを確認した結果、いずれも優先度6の変動カテゴリ1が格納されているため、乱数を用いてどの普通保留情報をターゲットとするかを決定する。ここでは、0〜99の乱数を用いて、乱数が0〜19の場合は合算保留記憶数が1(変動順序が1)に対応する普通保留情報、乱数が20〜49の場合は合算保留記憶数が2(変動順序が2)に対応する普通保留情報、乱数が50〜99の場合は合算保留記憶数が3(変動順序が3)に対応する普通保留情報をターゲットとするように設定する。そして、ここでは抽出された乱数が30であったため、合算保留記憶数2(変動順序2)に対応する普通保留情報をターゲットとすることに決定する(S2033)。なお、ここでは後に変動表示を開始する普通保留情報のほうが高い割合でターゲットとなるように設定している。このようにすることで、遊技者はより長い間、普通保留情報が特殊表示に変化することを期待することができる。
その後、演出制御用CPU101は、表示態様決定テーブル(図28)に基づいて、このターゲットとなった普通保留情報を第2特殊態様(炎エフェクト)で表示することと決定したものとする(2%の割合で決定された)(S2034)。次いで、演出制御用CPU101は、表示態様制御テーブル(図22)の合算保留記憶数2(変動順序2)に対応する第2特殊態様フラグをセットする(S2035)。ここで、合算保留記憶数は3であり(S2036でY)、演出制御用CPU101は開始するために読み出した変動表示(演出図柄の変動開始の対象となっているもの)の変動パターンコマンドを確認したところ、ノーマルリーチではずれを示すPA2−1であったとする(S2037でY)。
次いで、演出制御用CPU101は特別演出決定テーブル(図29)の第2特殊態様(炎エフェクト)に対応する部分に基づいて、(1)特別演出を実行し、(2)その演出種別を第2特別演出(点火演出)に決定したものとする(50%の割合で決定された)(S2038)。そして、演出制御用CPU101は第2特別演出フラグをセットして(S2040)、第2特別演出を開始する。
上記の演出決定処理(図23のS2009)の後、演出制御用CPU101は、プロセステーブル選択処理(S2010)、プロセスタイマのスタート(S2011)を経て、プロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御することで(S2012)、図35(c)に示すように演出図柄の変動表示が開始され、さらに第2特別演出の点火演出に対応した「点火チャレンジ!!」の演出文字2000が演出表示装置9の上部に表示される。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示領域180の表示を更新することで(S2014)、図35(c)に示すように合算保留記憶数表示領域180の表示が4から3に減算されて更新される。さらに、合算保留記憶数分の普通保留情報を通常態様で表示することで、図35(c)に示すように、普通保留情報表示領域181に表示された普通保留情報がそれぞれ左側にシフトされることになる。
その後、演出制御用CPU101は演出図柄変動中処理(図31)を実行する。これにより、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(S3005)。ここで、上記の処理で第2特別演出フラグがセットされているため(S3006でN、S3010でY)、演出制御用CPU101は第1特別演出の実行期間が経過した後(S3011でY)、第2特別演出フラグをリセットする(S3012)。この間、演出表示装置9では、先の「ルーレットチャンス!!」の演出文字1000が消去された後、図35(d)に示すように、普通保留情報表示領域181に表示されていた普通保留情報が消えると同時に、演出表示装置9の中央付近に、普通保留情報表示領域181に表示されていた3つの普通保留情報にそれぞれ対応した移動保留情報2100〜2300が表示される。このとき、演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、および右演出図柄表示領域9R)に表示されていた変動表示は、縮小演出図柄表示領域182に表示されるようになる。
そして、図35(e)に示すように、演出表示装置9の画面右上から、松明を持ったキャラクタ2001が画面に入ってくる演出が表示される。演出表示装置9の画面上には、このキャラクタが画面右上から徐々に移動保留情報2100〜2300に歩いて近づいた後、図35(f)に示すように、松明の火を移動保留情報2100〜2300に点火するような動作が表示される。キャラクタが松明の火を移動保留情報2100〜2300に点火すると、移動保留情報2100〜2300が炎で囲まれる。ここで、先の処理において演出制御用CPU101は、合算保留記憶数(変動順序)が2の普通保留情報をターゲットとして、その態様を第2特殊態様(炎エフェクト)にすることに決定している。したがって、図35(g)に示すように、合算保留記憶数(変動順序)が2の普通保留情報に対応する、中央の移動保留情報2200が炎に包まれ、その態様が通常態様から第2特殊態様(炎エフェクト)の移動保留情報2200Bへと変化する。
その後、図35(h)に示すように、移動保留情報2100、2200B、および2300は、その表示が消去されたことにより第2特別演出が終了すると共に、S3013の処理が実行されることにより、合算保留記憶数分の普通保留情報が表示され、このときターゲットなった普通保留情報に対応した第2特殊態様フラグがセットされていることに基づいて、ターゲットとなった普通保留情報は第2特殊態様で表示される。すなわち、第2特殊態様の移動保留情報2200Bに対応する普通保留情報(普通保留情報表示領域181Bに表示される普通保留情報)は、第2特殊態様で表示されることとなる。このとき、遊技者は、移動保留情報2200Bが、その表示態様を維持して対応する普通保留情報に変化したように認識する。また、それまで縮小演出図柄表示領域182に表示されていた変動表示は、演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、および右演出図柄表示領域9R)に改めて表示され、縮小演出図柄表示領域182の表示は消去される。
その後、図36(i)および図36(j)に示すように、演出表示装置9の演出図柄表示領域(左演出図柄表示領域9L、中演出図柄表示領域9C、および右演出図柄表示領域9R)の変動表示は、プロセステーブルの内容に従って演出表示を続け、変動表示の表示結果が導出表示される(ここでは「454」のはずれ図柄)。
以上、本発明の実施の形態の構成および動作について、図面を参照しながら具体的に説明した。この実施の形態の遊技機は、その構成および動作によって以下のような特徴を備える。
この実施の形態では、図33(d)〜図34(m)で示したように、拡大保留情報1100〜1300を使った保留情報に対応した表示情報の態様変化演出、または図35(d)〜(g)で示したように移動保留情報2100〜2300を使った保留情報に対応した表示情報の態様変化演出を行い、通常態様の拡大保留情報または移動保留情報を第1特殊態様または第2特殊態様に変化させている。この拡大保留情報または移動保留情報の表示態様の変化は、これらの拡大保留情報または移動保留情報が、普通保留情報に戻った後にも、対応する普通保留情報でその態様が維持される。このように、普通保留情報とは画面上の表示位置及び大きさ、または表示位置のみを変えることで遊技者が保留情報に対応した表示情報に注目しやすい演出を行い、その上で表示情報の態様を変化させる演出をし、且つこの変化した表示態様が大当りになる期待度を高くすることにより、遊技者が保留情報に注目することとなり、遊技興趣を向上させることができる。
特に、この実施の形態では拡大保留情報1100〜1300および移動保留情報2100〜2300を、普通保留情報表示領域181とは異なる演出表示装置9の画面上の中央付近に表示させることで、これらの拡大保留情報1100〜1300および移動保留情報2100〜2300を遊技者が認識しやすくし、遊技興趣を向上させることが可能となる。
なお、この実施の形態では、上記の説明のように、演出表示装置9の画面上の中央付近に拡大保留情報および移動保留情報を表示しているが、必ずしも中央付近に表示することに限定されるものではなく、普通保留情報表示領域181と異なる領域であればよい。すなわち、遊技者は遊技中、演出表示装置9の画面全体を視野に入れている場合が多いが、その中でも表示に変化があった部分に注目する傾向がある。よって、普通保留情報が、普通保留情報表示領域181から消え、別の場所に表示されるだけであっても、遊技者はこの別の場所に表示された表示情報に注目することとなる。ただし、この発明のように、演出表示装置9の画面上の中央付近に表示情報を表示することは、遊技者が最も注目しやすい部分に表示情報を表示することとなるため、遊技者の注目をより集めることがなるため好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、拡大保留情報1100〜1300または移動保留情報2100〜2300を表示するときには、普通保留情報を表示しないように制御している。このようにすることで、普通保留情報をそのまま表示し続ける場合と比較して、遊技者は拡大保留情報または移動保留情報に注目しやすくなり、これにより遊技興趣を向上させることができる。また、普通保留情報をそのまま表示し続ける場合と比較して、拡大保留情報または移動保留情報が普通保留情報の代わりに表示される保留情報に対応した表示情報であることを遊技者が把握しやすく、遊技者の混乱を防止することできる。さらには、拡大保留情報または移動保留情報と、普通保留情報との間の表示情報の不整合を気にした設計をする必要がなくなり、技術設計が複雑になることを避けることができる。
また、この実施の形態では、拡大保留情報1100〜1300または移動保留情報2100〜2300による表示情報の態様を変化させる演出を実行した後、この変化後の態様を、その後に表示されるターゲットとなった普通保留情報にそのまま引き継がせるようにしている(図34(k)〜(n)および図35(g)〜(h)参照)。このような処理を行うことで、拡大保留情報または移動保留情報が、普通保留情報と同様に保留情報に対応した表示情報として表示されていることを遊技者が把握しやすく、また、態様が変化した拡大保留情報または移動保留情報と共通の保留情報に対応した普通保留情報を遊技者が把握しやすくなる。
中でも、拡大保留情報を使った表示情報の態様の変化演出では、拡大保留情報は普通保留情報を拡大する態様になっているため、遊技者は普通保留情報と拡大保留情報との対応付けをさらに認識し易くなる。
特に、拡大保留情報を、普通保留情報を単純に拡大して表示する態様とする場合には、遊技者が普通保留情報と拡大保留情報との対応付けを認識しやすいため好ましい。ただし、このように単に拡大した態様で表示した場合、拡大保留情報の表示がシンプルで味気ない表示となる場合があるため、拡大保留情報は普通保留情報に対してより精細な模様等が付された態様にしてもよい。
また、拡大保留情報が普通保留情報の単なる拡大ではなく、拡大したうえで形状に変化をつけてもよい。例えば、普通保留情報は球状で表示しておき、拡大保留情報では六角形、楕円状、または宝石の形状などで表示してもよい。この場合、拡大保留情報が普通保留情報の単純な拡大である場合と比較すると、拡大保留情報と普通保留情報との対応付けの認識し易さはやや低下する場合もあるが、より遊技者の興味を引くことが可能となる。
さらに、この実施の形態の拡大保留情報を使った表示情報の態様の変化演出では、普通保留情報または拡大保留情報が、普通保留情報と拡大保留情報の中間の大きさで表示される演出を経て、最終的に、拡大された拡大保留情報または縮小された普通保留情報として表示される(図33(c)〜(f)および図34(k)〜(n)参照)。このような演出を実行することで、拡大保留情報が普通保留情報と同様に保留情報に対応した表示情報であることを遊技者はさらに認識し易くなり、また、各普通保留情報と各拡大保留情報との対応を遊技者がさらに把握し易くなる。
また、この実施の形態における拡大保留情報を使った表示情報の態様の変化演出では、拡大保留情報と共通の保留情報に対応した普通保留情報を表示するときに、拡大保留情報の態様を反映させた(引き継いだ)態様としている。これにより、拡大保留情報が普通保留情報と同様に保留情報に対応した表示情報として表示されていたことを遊技者が把握し易く、また、拡大保留情報と共通の保留情報に対応した普通保留情報を遊技者が把握し易い。
また、この実施の形態では、縮小演出図柄表示領域182を設け、特別演出が実行されている間は演出図柄を縮小して表示するようにしている。ルーレット演出における拡大保留情報は、このようにして表示される縮小演出図柄よりも大きな態様で表示されるため、遊技者は縮小演出図柄よりも第1特別保留特定情報により注目することとなり、興趣をさらに向上させることができる。
最後に上記に示した実施形態とは異なる実施の形態について例示する。
上記の実施形態では、普通保留情報よりも遊技者が認識しやすい表示情報として拡大保留情報や移動保留情報を例示したが、これらに限らず、例えば、普通保留情報よりも遊技者が認識しやすい表示情報として、普通保留情報の表示位置を変化させずにサイズのみを拡大させた表示情報や、普通保留情報の表示位置および表示色を変化させた表示情報を用いるようにして、これらの表示情報の態様を変化させる演出を実行するようにしても良い。また、普通保留情報を所定のキャラクタに変化させた表示情報を用いて、そのキャラクタをさらに変身させる演出を実行するようにしても良い。
上記の実施形態では、第1特別演出において、普通保留情報が普通保留情報表示領域181から画面中央まで徐々に移動しつつ拡大して拡大保留情報に変化し(第1特別保留特定情報への変化)、その後にルーレット矢印1003が停止した拡大保留情報が通常態様から特殊態様に変化する(第2特別保留特定情報への変化)例について説明したが、第1特別演出の異なる形態として、普通保留情報が普通保留情報表示領域181から画面中央まで移動している期間は拡大せず、普通保留情報とは表示位置のみが異なる複数の表示情報(第2特別演出における移動保留情報と同様)が画面中央に表示されるようにしておき(第1特別保留特定情報への変化)、その後にルーレット矢印1003が停止した表示情報が通常態様から通常態様よりもサイズが拡大した特殊態様に変化する(第2特別保留特定情報への変化)ようにしても良い。すなわち第1特別保留特定情報から第2特別保留特定情報に変化するタイミングで表示情報のサイズが拡大されるようにしても良い。
また、第1特別演出の異なる形態として、普通保留情報が普通保留情報表示領域181から移動することなく消去される(第2特別演出と同様)とともに、普通保留情報とは表示位置のみが異なる複数の表示情報(第2特別演出における移動保留情報と同様)が画面中央に表示されるようにしておき(第1特別保留特定情報への変化)、その後にルーレット矢印1003が停止した表示情報が通常態様から特殊態様に変化する(第2特別保留特定情報への変化)ようにしても良い。このように、移動保留情報を使ったルーレット演出を実行可能としても良い。また、これとは逆に、拡大保留情報を使った点火演出を実行可能としても良い。
上記の実施形態では、拡大保留情報や移動保留情報が表示されている期間は、これらの表示情報に対応した普通保留情報が表示されない例について説明したが、これに限らず、拡大保留情報や移動保留情報が表示されている期間であっても、これらの表示情報に対応した普通保留情報が表示されるようにしても良い。このような構成とする場合には、拡大保留情報や移動保留情報が通常態様から特殊態様に変化したタイミングで、当該特殊態様の拡大保留情報や移動保留情報に対応した普通保留情報を通常態様から特殊態様に変化させるようにすると良い。
上記の実施形態では、第1特別演出において、拡大保留情報が通常態様から特殊態様に変化する場合に、そのサイズは変化しない例について説明したが、これに限らず、拡大保留情報が通常態様から特殊態様に変化する場合に、サイズが変化するようにしても良く、例えば拡大保留情報が通常態様から特殊態様に変化する場合にサイズが縮小するようにしても良い。
上記の実施形態では、拡大保留情報や移動保留情報が特殊態様に変化した場合には、これに対応する普通保留情報の態様も特殊態様となる、すなわち拡大保留情報や移動保留情報の態様が反映される例について説明したが、「普通保留情報に拡大保留情報や移動保留情報の態様が反映される」とは、普通保留情報の態様が通常態様(すなわち特別演出が実行される以前の態様)とは異なり、且つ、特別演出が実行されることにより態様が変化した拡大保留情報や移動保留情報の当該変化に係る態様部分(例えば、輪郭、模様、色彩、サイズの1以上)と少なくとも一部が共通であることをいう。従って、拡大保留情報と該拡大保留情報の態様が反映された普通保留情報とで、必ずしもサイズ以外の態様が完全に共通である必要は無く、例えば、第2特殊態様の拡大保留情報の炎エフェクトの色(例えば赤色)のみが普通保留情報に反映されて当該色の普通保留情報が表示されるようにしても良い。
上記の実施形態では、拡大保留情報や移動保留情報が、普通保留情報と共通の表示装置(演出表示装置9)の画面に表示される例について説明したが、これに限らず、複数の表示装置を備える遊技機の場合には、拡大保留情報や移動保留情報を、普通保留情報が表示される表示装置とは異なる表示装置に表示するようにしても良い。すなわち、拡大保留情報や移動保留情報等が表示される領域とは、必ずしも普通保留情報が表示される表示装置の画面に限られない。
上記の実施形態では、特別演出の実行期間中に新たな始動入賞が発生した場合には、当該新たな始動入賞に対応した普通保留情報が表示されない例について説明したが、このような形態に限らず、特別演出の実行期間中に新たな始動入賞が発生した場合にも、当該新たな始動入賞に対応した普通保留情報を表示させるようにしても良い。また、特別演出の実行期間中に新たな始動入賞が発生した場合に、当該新たな始動入賞に対応した普通保留情報を表示させるのではなく、実行されている特別演出の種別に応じて新たな拡大保留情報や新たな移動保留情報を表示するようにしても良い。
上記の実施形態では、演出図柄の変動表示が開始されるタイミングで、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変動カテゴリコマンドに基づいてターゲットとする普通保留情報を決定すると共に、当該変動カテゴリコマンドに関連付けられた図柄指定コマンドに基づいてターゲットとした普通保留情報の態様を決定する例について説明したが、始動入賞が発生したタイミングにおいて、新たに始動入賞時コマンド格納領域に格納された変動カテゴリコマンドや図柄指定コマンドに基づいて、当該始動入賞に対応した普通保留情報の態様を決定すると共に、該決定した態様で新たな普通保留情報を表示するようにしても良い。このような構成によれば、上記の実施形態と異なり、始動入賞時に新たに表示される普通保留情報の態様を特殊態様とすることも可能である。
また、このように、始動入賞時に新たに始動入賞時コマンド格納領域に格納されたコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)に基づいて、普通保留情報の態様を変化させることに決定する場合には、該普通保留情報の態様を変化させるタイミングを、始動入賞時のタイミングとするか又は何回目のシフトタイミングとするかを併せて決定するようにしても良い。また、始動入賞時に新たに始動入賞時コマンド格納領域に格納されたコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)に基づいて、当該新たなコマンドに対応した普通保留情報(表示情報)を対象として特別演出を実行するか否か及び特別演出を実行する場合の演出種別を決定するようにしても良く、さらにその特別演出の実行タイミングを決定するようにしても良い。
また、このように、始動入賞時に新たに始動入賞時コマンド格納領域に格納されたコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)に基づいて、普通保留情報の態様を変化させることを決定するようにした場合には、そのとき記憶している変動カテゴリコマンド(ただし当該新たな始動入賞に対応した変動カテゴリコマンドを除く)を参照して、所定の変動カテゴリコマンド(例えば変動時間が所定時間以上となる変動パターン種別を指定するコマンドやノーマルリーチの変動パターン種別を指定するコマンド)が存在することに基づいて、その変動カテゴリコマンドに対応した変動表示において特別演出を実行することに決定するようにしても良い。
ただし、このように始動入賞時に特別演出を実行する変動表示を決定するようにした場合に、始動入賞時において所定の変動パターンと判定された変動表示が、実際には遊技状態の変化や合算保留記憶数の変化によって該判定された変動パターンとはならない場合がある。例えば、仮に始動入賞時の判定においてノーマルリーチと判定された場合であっても、その後に遊技状態が高ベース状態に移行したり合算保留記憶数が増加して、実際には当該変動表示でノーマルリーチとはならないケースが存在する。このような場合には、当該変動表示が開始されるタイミングで特別演出を実行可能な変動パターンであるか否かを確認するようにして、実行可能な変動パターン(例えばノーマルリーチ)である場合には特別演出を実行し、実行不能な変動パターン(例えば短縮変動やスーパーリーチ)である場合には、特別演出を実行せずにシフト時変化演出を実行するようにすると良い。これによれば、遊技状態や合算保留記憶数等の遊技状況に応じて適切な演出が選択されて表示情報の態様を変化させることができる。
一方、これとは逆に、仮に始動入賞時の判定においてノーマルリーチではないと判定された場合であっても、その後に遊技状態が低ベース状態に移行したり合算保留記憶数が減少して、実際には当該変動表示でノーマルリーチとなるケースが存在する。このような場合にも、当該変動表示が開始されるタイミングで特別演出を実行可能な変動パターンであるか否かを確認するようにして、実行可能な変動パターン(例えばノーマルリーチ)である場合には特別演出を実行し、実行不能な変動パターン(例えば短縮変動やスーパーリーチ)である場合には、特別演出を実行せずにシフト時変化演出を実行するようにすることで、特別演出を可能な限り高い頻度で実行することができると共に、遊技状態や合算保留記憶数等の遊技状況に応じて適切な演出が選択されて表示情報の態様を変化させることができる。このように、始動入賞時において特別演出を実行する変動表示を判定する場合にも、上記の実施形態に示すような変動開始時における特別演出の実行判定を行うようにすると良い。
上記の実施形態では、合算保留記憶数が2以上の場合にのみ特別演出を実行する可能性があるよう設定されているが(図26のS2036)、必ずしもこの態様に限定されるものではなく、合算保留記憶数が3以上、または4以上の場合に特別演出を実行する可能性があるようにしてもよい。ただし、合算保留記憶数が1の場合にまで特別演出を実行するとした場合には、特別演出を実行するまでもなく通常態様から特殊態様に変化する可能性のある普通保留表示は特定可能であり、演出の意義が失われるため、少なくとも合算保留記憶数が2以上の場合に特別演出を実行するか否かを判断させるようにすることが好ましい。
上記の実施形態では、1回の変動表示期間内に特別演出が開始され且つ終了する例について説明したが、このような形態に限らず、特別演出が複数回の変動表示に亘って実行されるようにしても良い。このような形態とした場合には、特別演出の実行中に表示される表示情報(例えば前述した拡大保留情報や移動保留情報)の数は合算保留記憶数の増減に応じて変更されないようにしておき、合算保留記憶数表示領域180の表示のみを更新するようにすると良い。
上記の実施形態では、特別演出が実行された場合であっても、普通保留情報等の表示情報の態様が変化しないケースが存在する例について説明したが、これに限らず、特別演出が実行された場合には、普通保留情報等の表示情報の態様が必ず変化するようにしても良い。また、普通保留情報等の表示情報の態様が必ず変化する特別演出の種別と、必ずしも変化しない特別演出の種別との双方を設けるようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。