以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図15の保留表示エリア18c参照)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。このように、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略、図15のアクティブ表示エリアAHA参照)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3では、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ40秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (40秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が40秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御において、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行されるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し(S57)、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートであり、CPU56は、図12に示す処理 を実行して、変動パターンを設定する。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、特定表示変化演出決定用のSR2、特定表示変化演出態様決定用のSR3、および、出現保留表示態様決定用のSR4を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR4のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的は、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに所定のフラグをセットする。そして、その所定のフラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、アクティブ表示エリアに保留表示を移動させ(シフトさせ)、アクティブ表示の表示を更新する処理を行なえばよい。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出(図15参照)が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、パチンコ遊技機1では、保留表示、アクティブ表示などの表示態様を変化させる演出が実行される。以下の説明において、保留表示及びアクティブ表示の総称として特定表示と呼ぶ場合がある。また、特定表示の表示態様を変化させる演出を特定表示変化演出と呼ぶ場合があり、特定表示変化演出が実行される変動表示を変化演出実行変動と呼ぶ場合がある。
この実施の形態では、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果の表示されやすさにより異なる表示態様で表示可能である。たとえば、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、通常色(白色)<青色<緑色<赤色というように、画像色の種類により大当りとなる期待度が大きくなる態様で表示可能である。
新たな保留記憶情報の発生に基づいて、演出表示装置9において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現表示されるときに、新たな保留画像は、通常色(白色)、青色、緑色、もしくは、赤色のような表示態様で表示される。
出現表示された特定表示は、変動表示の開始条件が成立していない保留記憶情報に対応して保留表示として保留画像が表示されている段階と、当該保留記憶情報に対応する変動表示時の実行中のアクティブ表示としてアクティブ画像により表示されている段階とのどちらかで、表示態様(この実施の形態では色)を変化させる特定表示変化演出が実行可能である。なお、アクティブ表示としてアクティブ画像により表示されている段階では、後述するようにボタン操作(例えばプッシュボタン120の押下)により表示態様を変化させる特定表示変化演出が実行可能である。
このような特定表示変化演出においては、次のような保留画像またはアクティブ画像の色変化が可能である。通常色(白色)で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。
特定表示変化演出は、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行される。なお、特定表示変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
このパチンコ遊技機1では、低ベース状態においてのみ特定表示変化演出が実行され、高ベース状態において特定表示変化演出が実行されない。なお、高ベース状態においても特定表示変化演出が実行されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ特定表示変化演出が実行されるので、第1保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、特定表示変化演出が実行される。なお、高ベース状態において特定表示変化演出が実行される場合には、第2保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、特定表示変化演出が実行されることとなる。
図15は、特定表示変化演出の演出態様の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図15においては、低ベース状態において、第1保留記憶についての保留表示のみがされているときに、第1演出態様で特定表示変化演出が実行された演出例が示されている。
図15においては、演出表示装置9での表示画像が、時間経過に従って(A)〜(D)に示されている。図15(A)に示すように、演出表示装置9においては、保留記憶情報に基づいて、左,中,右の演出図柄91,92,93の変動表示が開始される。演出表示装置9の表示領域内における下部に位置する保留表示エリア18cには、保留表示として、円形の保留画像Hが表示される。保留表示エリア18cに隣り合う領域であって、演出表示装置9の表示領域における下部の略中央部には、特別図柄および演出図柄の変動表示に対応する変動対応表示として、保留画像Hと同様の円形のアクティブ画像AHを表示するアクティブ表示が行なわれるアクティブ表示エリアAHAが設けられている。特定表示変化演出が実行されていない状態での保留画像Hおよびアクティブ画像AHは、たとえば、白色のような所定の通常色で表示される。
図15においては、保留画像Hおよびアクティブ画像AHについて、通常色である白色以外の色(図中の例では青色、赤色)で表示されているものには、保留画像Hおよびアクティブ画像AH内に、画像色を図15において区別しやすくするために、画像の色を示す文字(図中の例では青、赤)が示されている。実際の画像中には、このような表示がされていない。図15において、保留画像Hおよびアクティブ画像AHについて、通常色(白色)で表示されているものには、画像の色を示す文字が示されていない。
図15(A)に示すように、第1保留記憶の保留画像Hは、アクティブ表示エリアAHAに近い方から左方向に順番に並ぶ表示態様で、保留記憶情報の発生順番に従って表示されていく。新たに発生した保留記憶情報は、後述するような保留表示態様としての画像色を決定するための処理に基づいて、画像色が選択決定される。新たに発生した保留記憶情報に対応する保留画像Hは、決定された画像色で前述のような形状のものが、保留画像Hの並びにおける最も左側の位置に出現する態様で表示される。
変動表示が実行されるときには、最も先に記憶された保留記憶情報が変動表示のために消化されることに応じて、最も先に表示された保留表示であるアクティブ表示エリアAHAに隣接する1番目の保留画像Hが、保留表示エリア18cから消去され、右隣のアクティブ表示エリアAHAの位置に移動(シフト)して、アクティブ画像AHとして表示される演出動作が実行される。そして、変動表示が実行されるときには、最も先に記憶された保留記憶情報以外の保留記憶情報に対応する保留画像Hは、1つずつアクティブ表示エリアAHAに近づく方向に移動(シフト)する演出動作が実行される。
図15(A)においては、アクティブ表示エリアAHAでアクティブ画像AHが表示された演出動作に伴なって、左,中,右の演出図柄91,92,93の変動表示が開始された状態が示されている。このような演出動作の関連性により、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ画像AHは、変動表示に対応する画像(即ち実行中の変動表示についての大当り期待度を示唆する画像)であることが示される。保留表示エリア18cから、アクティブ表示エリアAHAの位置に移動した保留画像Hは、同じ表示態様でアクティブ画像AHとして表示されるか、特定表示変化演出が実行されている状態では当該特定表示変化演出に応じた表示態様で表示される。具体的に、図15においては、アクティブ画像AHについて、特定表示変化演出が実行されている状態で遊技者の動作に応じて表示態様を変化させることが可能な状態であることを示すため、アクティブ画像AH内にボタン操作を促す「押」の文字が表示されている。
保留画像Hは、特定表示変化演出が実行されている状態で新たに出現表示した後における次回(出現表示後1回目)の変動表示の実行開始に伴なう保留表示位置のシフト時に、遊技者の動作によらず予め定められた割合で表示態様(この実施の形態では表示色)が変化可能である。アクティブ画像AHは、特定表示変化演出が実行されている状態で対応する保留記憶情報に基づく変動表示が開始されたときに、遊技者の動作に応じて予め定められた割合で表示態様(この実施の形態では表示色)が変化可能である。
なお、特定表示変化演出は、次回(出現表示後1回目)の変動表示の実行開始に伴なう保留表示位置のシフト時(保留表示位置からアクティブ表示位置へのシフト時を含む)ではなく、何回目かの変動表示の実行開始に伴なう保留表示位置のシフト時に実行するようにしてもよい。何回目のシフト時に実行するかは、予め定められていてもよく、抽選により選択決定されてもよい。
また、保留表示位置のシフト時に特定表示変化演出を実行させるタイミングの例としては、次のようなものがある。保留表示位置がシフトした後に変動表示が開始されるときには、変動表示の開始前に特定表示変化演出が実行される。保留表示位置がシフトするときと同時に変動表示が開始されるときには、変動表示の開始時と同時に特定表示変化演出が実行される。変動表示が開始された直後に保留表示位置がシフトするときには、変動表示の開始後に特定表示変化演出が実行される。つまり、保留表示位置のシフト時に特定表示変化演出を実行させる例としては、保留表示位置のシフトと対応関係を持って特定表示変化演出が実行される演出表示のすべてが含まれる。
また、特定表示変化演出のうち、たとえば、保留画像Hの変化演出時は保留表示位置のシフト時であるが、アクティブ画像AHの変化演出時は変動表示開始から所定時間経過時である等、保留画像Hの変化演出の実行タイミングと、アクティブ画像AHの変化演出の実行タイミングとが異なるタイミングとなるようにしてもよい。具体的には、アクティブ画像AHの変化演出の実行タイミングが、保留画像Hの変化演出の実行タイミングの後のタイミングとなるようにしてもよい(たとえば、保留画像Hの変化演出時が保留表示位置のシフト時で、アクティブ画像AHの変化演出時が保留表示位置のシフト時よりも後のタイミングの場合等)。このようにすれば、保留画像Hの変化演出の実行タイミングの経過後においても、特定表示変化演出に対する期待感を維持させることができる。
また、特定表示変化演出は、変動表示の開始当初の所定期間ではなく、変動表示の開始前の特定期間中に実行されてもよく、変動表示開始後の中途時期(たとえば、1つ目の図柄の停止時、2つ目の図柄の停止時(リーチ時等)に実行されてもよく、変動表示の終了時の所定期間に実行されてもよい。また、特定表示変化演出は、新たに発生した保留記憶に基づく保留画像が表示された直後に実行されてもよい。
また、特定表示変化演出が実行されるタイミングは、常に固定的に定められたタイミングで実行されるようにしてもよく、変化可能なタイミング(たとえば、特定表示変化演出が実行される毎に抽選により複数種類のタイミングから選択決定されるタイミング等)で実行されるようにしてもよい。
図15(A)〜(D)においては、特定表示変化演出の一例として、アクティブ表示の段階で特定表示変化演出が実行される例が示されている。
図15(A)には、特定表示変化演出が実行されている状態であることを示すため、アクティブ画像AH内にボタン操作を促す「押」の文字が表示されている。図15(B)には、ボタン操作(例えばプッシュボタン120の押下)により、アクティブ画像AHの表示態様が変化(白色から青色に変化)した表示例が示されている。図15(C)には、さらにアクティブ画像AHの表示態様が変化する可能性を示すため、アクティブ画像AH内にボタン操作を促す「押」の文字が表示されている。図15(D)には、更なるボタン操作(例えばプッシュボタン120の押下)により、アクティブ画像AHの表示態様がさらに変化(青色から赤色に変化)した表示例が示されている。
図15(A)および図15(C)では、特定表示変化演出が実行されアクティブ画像AH内にボタン操作を促す「押」の文字が表示されているが、アクティブ画像AH内に表示されずに演出表示装置9に「ボタンをPUSH!」などの表示やプッシュボタン120に内蔵されたLEDが点灯するなどを行ってもよい。また、図15(A)および図15(C)では、アクティブ画像AH内に「押」の文字が表示されるなど、ボタン操作を直接的に促す表示が行われているが、演出表示装置9でボタン操作を示唆するような演出を行ったり、操作対象のボタンがせり上がったりするなどのボタン操作を間接的に促す演出でもよい。
さらに、図15(B)および図15(D)では、特定表示変化演出においてボタン操作(例えばプッシュボタン120の押下)によりアクティブ画像AHの表示態様を変化させているが、ボタン操作ではなく、スティックコントローラ122を傾ける操作、遊技盤6に設けたゲートに遊技球を通過させる、モーションキャプチャーを備える遊技機において遊技者による特定の動作などによってアクティブ画像AHの表示態様を変化させてもよい。つまり、特定表示変化演出においては、遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させることが可能であればよい。また、図15(B)および図15(D)では、アクティブ画像AHの表示態様を変化させるためには必ずボタン操作が必要であったが、特定表示変化演出において最初にアクティブ画像AHの表示態様を変化させるためにボタン操作が必要であるが、以降のアクティブ画像AHの表示態様の変化についてはボタン操作が不要であってもよい。例えば、図15(B)で示すアクティブ画像AHの表示態様を白色から青色に変化させる場合にはボタン操作を行なうが、図15(D)で示すアクティブ画像AHの表示態様を青色から赤色に変化させる場合にはボタン操作を行なわずに、所定の時間経過後に表示態様を変化させる。さらに、特定表示変化演出において最初にアクティブ画像AHの表示態様を変化させるためにボタン操作が不要であるが、以降のアクティブ画像AHの表示態様の変化についてはボタン操作が必要であってもよい。つまり、特定表示変化演出は、遊技者の動作(例えばボタン操作)に応じて特定表示の表示態様を変化させることが可能であり、アクティブ画像AHの表示態様を一の態様に変化させた後に、アクティブ画像AHの表示態様を該一の態様とは異なる他の態様に変化させることができればよい。
なお、特定表示変化演出としては、図15に示す演出パターン以外の演出を実行するようにしてもよい。図15に示す演出パターン以外の特定表示変化演出としては、次のようなものが含まれる。特定表示変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像の形状が変化する演出を実行してもよい。特定表示変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像の大きさが変化する演出を実行してもよい。特定表示変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像の種類が変化する演出(たとえば、円形画像がキャラクタ画像等の他種類の画像に変化する演出等)を実行してもよい。特定表示変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像に付加する画像が変化する演出(たとえば、付加する画像のない画像が、所定画像の付加された画像に変化する演出等)を実行してもよい。また、色変化、形状変化、大きさ変化、種類変化、および、付加画像変化のうちのいずれか複数の組合せによる変化等演出を実行してもよい。このように、特定表示変化演出としては、表示態様が変化する演出であればどのような演出を実行してもよい。
次に、保留表示およびアクティブ表示について、特定表示変化演出の実行の有無の決定に関する説明と、特定表示変化演出を実行する決定がされたときの特定表示変化演出の演出態様の決定に関する説明と、新たな保留記憶情報に応じて出現表示させる保留画像の表示態様(色)の決定に関する説明とを行なう。
図16は、特定表示変化演出有無判定テーブル、および、特定表示変化演出態様選択テーブルを示す説明図である。特定表示変化演出有無判定テーブルは、特定表示変化演出を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。特定表示変化演出態様選択テーブルは、特定表示変化演出を実行するときの演出態様を選択決定するための抽選に用いるデータテーブルである。
特定表示変化演出有無判定テーブルには、図16(A)の大当り時特定表示変化演出有無判定テーブルと、図16(B)のスーパーリーチはずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルと、図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルとが含まれている。また、これら特定表示変化演出有無判定テーブルとは別に、図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルが設けられている。これら特定表示変化演出有無判定テーブルおよび特定表示変化演出態様選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図16(A)の大当り時特定表示変化演出有無判定テーブルは、特定表示変化演出のターゲットとなる特定表示(保留表示およびアクティブ表示)に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果に対応する変動表示に対する先読み判定に用いられる。図16(B)のスーパーリーチはずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルは、特定表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチではずれ表示結果に対応する変動表示に対する先読み判定に用いられる。図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルは、特定表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチ以外でのはずれ表示結果に対応する変動表示に対する先読み判定に用いられる。
図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての特定表示変化演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、特定表示変化演出を実行する決定と、特定表示変化演出を実行しない決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
図16(A)の大当り時特定表示変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「特定表示変化演出を実行する>特定表示変化演出を実行しない」という大小関係となるように、特定表示変化演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図16(B)のスーパーリーチはずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「特定表示変化演出を実行する=特定表示変化演出を実行しない」という大小関係となるように、特定表示変化演出を実行する決定が選択される割合と、実行しない決定が選択される割合とが等しくなるようにデータが設定されている。図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「特定表示変化演出を実行する<特定表示変化演出を実行しない」という大小関係となるように、特定表示変化演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図16(A)〜(C)でのデータの設定により、特定表示変化演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、特定表示変化演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、特定表示変化演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図16(B),(C)でのデータの設定により、特定表示変化演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、スーパーリーチではずれ表示結果となるときには、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、特定表示変化演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、特定表示変化演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
この実施の形態では、新たに生じた保留記憶情報のすべてを判定対象として、図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルを用いて、特定表示変化演出を実行するか否かを判定する。
なお、新たに生じた保留記憶情報のうち、ノーマルリーチおよびスーパーリーチを含むリーチの変動パターン種別での変動表示が実行される保留記憶情報のみを判定対象として、特定表示変化演出を実行するか否かを判定してもよい。
図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルは、特定表示変化演出を実行するときの演出態様を複数種類の演出態様のうちから選択するために用いられる。
図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての特定表示変化演出態様選択用の乱数SR3(0〜199の数値範囲)の合計200個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)とに分けて、演出パターンA〜演出パターンJという複数種類の演出パターン(演出態様)に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。
パチンコ遊技機1においては、特定表示変化演出の演出態様として演出パターンA〜演出パターンJの演出態様のうちから1つの演出態様がランダムに選択される。
演出パターンAは、新たに出現表示させる保留画像を次回の保留シフト時(保留画像を出現表示させてから1回目に実行される変動表示に対応する保留シフト時であり、以下同様。)に青色の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンBは、新たに出現表示させる保留画像を次回の保留シフト時に緑色の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンCは、新たに出現表示させる保留画像を次回の保留シフト時に赤色の表示態様に変化させる演出態様である。なお、演出パターンA〜演出パターンCの演出態様では、保留画像の表示態様を変化させるためにボタン操作を必要としないので、操作回数は0(ゼロ)回となっている。つまり、演出パターンA〜演出パターンCの演出態様では、遊技者の動作によらず保留画像の表示態様を変化させることが可能である。もちろん、保留画像の表示態様を変化させる演出態様において、遊技者の動作に応じて保留画像の表示態様を変化させる演出態様を追加してもよい。
演出パターンDは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時(保留表示時には変化させずアクティブ表示となったときであり、以下同様。)にボタン操作を行なうことで青色のアクティブ画像の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンEは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なうことで緑色のアクティブ画像の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンFは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なうことで赤色のアクティブ画像の表示態様に変化させる演出態様である。なお、いずれの演出パターンD〜Fも遊技者がボタン操作を行なう前にボタン操作を促す「押」の文字をアクティブ画像AH内に表示する。なお、演出パターンD〜演出パターンFの演出態様では、アクティブ画像の表示態様を変化させるためにボタン操作が1回必要なので、操作回数は1回となっている。
演出パターンGは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なう毎に青色、緑色の順にアクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様である。演出パターンHは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なう毎に青色、赤色の順にアクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様である。演出パターンIは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なう毎に緑色、赤色の順にアクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様である。演出パターンJは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なう毎に青色、緑色、赤色の順にアクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様である。なお、いずれの演出パターンG〜Jも遊技者がボタン操作を行なう前にボタン操作を促す「押」の文字をアクティブ画像AH内に表示する。なお、演出パターンG〜演出パターンIの演出態様では、アクティブ画像の表示態様を変化させるためにボタン操作が2回必要なので、操作回数は2回となっている。また、演出パターンJの演出態様では、アクティブ画像の表示態様を変化させるためにボタン操作が3回必要なので、操作回数は3回となっている。つまり、演出パターンD〜演出パターンJの演出態様では、遊技者の動作に応じてアクティブ画像の表示態様を変化させることが可能である。もちろん、アクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様において、遊技者の動作によらずアクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様を追加してもよい。また、特定表示変化演出のうちアクティブ画像の表示態様を変化させるパターンについては、先読み演出処理(S700)と演出図柄変動開始処理における演出設定処理(S616)とのいずれか一方又は両方で決定してもよい。
このように、新たに出現表示された保留画像は、保留表示の段階と、アクティブ表示の段階とのどちらかにおいて、特定表示変化演出が実行可能であるので、アクティブ表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。また、新たに出現表示された保留画像は、保留表示の段階で特定表示変化演出が実行されなくても、保留表示及びアクティブ表示の段階で特定表示変化演出が実行される可能性があるので、特定表示変化演出についての遊技者の期待感を変動表示が実行されるまで継続させることが可能となる。さらに、演出パターンG〜Jの特定表示変化演出についてアクティブ表示の表示態様を一の態様に変化させた後(例えば、青色に変化させた後)に、アクティブ表示の表示態様を該一の態様とは異なる他の態様に変化させる(赤色に変化させる)ので、アクティブ表示の表示態様を複数回変化させることが可能となり、アクティブ表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
なお、新たに出現表示させる保留画像の表示態様を変化させる演出は、次回の保留シフト時以外の回の保留シフト時等のその他のタイミングで実行するような演出制御を行なってもよい。また、新たに出現表示された保留画像は、保留表示の段階においてボタン操作を行なうことで保留画像の表示態様を変化させる演出態様である。
図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルにおいて、保留表示の段階で特定表示変化演出が実行される演出パターンA〜Cは、大当り時の選択割合が、「青に変化<緑に変化<赤に変化」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「青に変化>緑に変化>赤に変化」という大小関係で設定されている。同様に、アクティブ表示の段階で特定表示変化演出が実行される演出パターンD〜Jは、大当り時の選択割合が、「青に変化<緑に変化<赤に変化」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「青に変化>緑に変化>赤に変化」という大小関係で設定されている。また、アクティブ表示の段階で特定表示変化演出が実行される演出パターンD〜Jは、大当り時の選択割合が、「ボタン操作回数少<ボタン操作回数多」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「ボタン操作回数少>ボタン操作回数多」という大小関係で設定されている。さらに、アクティブ表示の段階で特定表示変化演出が実行される演出パターンD〜Jは、大当り時に表示態様が赤色に変化する選択割合が、「ボタン操作回数少<ボタン操作回数多」という大小関係で設定されている。つまり、ボタン操作回数多い方が、大当り時に表示態様が赤色に変化する選択割合が高い。
このような設定により、特定表示変化演出が実行されるときには、保留画像またはアクティブ画像の最終的な色という観点から、保留画像またはアクティブ画像の最終的な色に関する大当り遊技状態に制御される期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となる。したがって、保留画像またはアクティブ画像の色のような表示態様に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、アクティブ表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
また、特定表示変化演出は、遊技者の動作(例えばボタン操作)に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターンD〜Jだけでなく、遊技者の動作を行っても特定表示の表示態様を変化させない演出パターンを設けてもよい。例えば、遊技者の動作を行っても特定表示の表示態様を変化させない演出パターンとして、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時にボタン操作を行なう毎に青色、青色の順にアクティブ画像の表示態様を変化させる演出態様が考えられる。
また、図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルにおいて、大当り時の選択割合が、「保留表示の段階で特定表示変化演出が実行される演出パターンA〜C<アクティブ表示の段階で特定表示変化演出が実行される演出パターンD〜J」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「演出パターンA〜C>演出パターンD〜J」という大小関係で設定されている。このような設定により、大当り遊技状態に制御される期待度は、「保留表示の段階での特定表示変化演出<アクティブ表示の段階での特定表示変化演出」という大小関係となる。したがって、特定表示変化演出の演出時期に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
なお、大当り遊技状態に制御される期待度は、前述とは逆に「保留表示の段階での特定表示変化演出>アクティブ表示の段階での特定表示変化演出」という大小関係となるように、特定表示変化演出態様選択テーブルでのデータを設定してもよい。大当り遊技状態に制御される期待度は、「保留表示の段階での特定表示変化演出=アクティブ表示の段階での特定表示変化演出」という大小関係となるように、特定表示変化演出態様選択テーブルでのデータを設定してもよい。
図17は、保留態様選択テーブルを示す図である。保留態様選択テーブルは、保留表示の出現表示時の表示態様(表示色)を選択するためのデータテーブルであり、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図17には、保留態様選択テーブルとして、(A)〜(H)に第1保留態様選択テーブル〜第8保留態様選択テーブルが示されている。
図17(A)〜(H)に示す第1保留態様選択テーブル〜第8保留態様選択テーブルは、図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルにより選択決定された演出パターンと対応関係にあるものが選択される。これら第1保留態様選択テーブル〜第8保留態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留態様選択用の乱数SR4(0〜299の数値範囲)の合計300個の数値が、保留表示の出現表示時の表示態様(出現保留表示態様と呼ぶ)、すなわち、保留色(通常(白)、青、緑、赤)のいずれかに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4値の個数が示されている。
図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルを用いて特定表示変化演出を実行することが決定されたときは、図17(A)〜(F)に示す第1保留態様選択テーブル〜第6保留態様選択テーブルのうちいずれかが選択される。一方、図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルを用いて特定表示変化演出を実行しないことが決定されたときには、図17(G),(H)に示す第7保留態様選択テーブルまたは第8保留態様選択テーブルのうちいずれかが選択される。
演出パターンAが選択されたときは、図17(A)の第1保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンBが選択されたときは、図17(B)の第2保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンCが選択されたときは、図17(C)の第3保留態様選択テーブルが選択される。
演出パターンD,G,H,J(アクティブ表示時に最初のボタン操作で青に変化する演出パターン)が選択されたときは、図17(D)の第4保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンE,I(アクティブ表示時に最初のボタン操作で緑に変化する演出パターン)が選択されたときは、図17(E)の第5保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンF(アクティブ表示時に最初のボタン操作で赤に変化する演出パターン)が選択されたときは、図17(F)の第6保留態様選択テーブルが選択される。
先読みの大当り判定により大当りとすることが決定され、かつ、特定表示変化演出を実行しないことが決定されたときには、図17(G)の第7保留態様選択テーブルが選択される。先読みの大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、特定表示変化演出を実行しないことが決定されたときには、図17(H)の第8保留態様選択テーブルが選択される。
特定表示変化演出が実行されるときには、図16(D)に示すように、保留画像またはアクティブ画像の変化後の表示態様(以下、変化後色と呼ぶ)が先に決定されることに応じて、図17(A)〜(F)の第1〜第6保留態様選択テーブルでは、変化後色よりも前述の大当り期待度が低い色が、保留表示の出現表示時の表示態様(以下、出現時色と呼ぶ)として選択可能に設定されている。
次に、図16および図17を用いて、「通常(白)」、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像およびアクティブ画像について遊技者が感じる大当りへの期待感について説明する。
図16(D)を用いて説明したような、特定表示変化演出が実行されるときにおける、保留画像またはアクティブ画像の特定表示変化演出における最終的な色という観点から、保留画像またはアクティブ画像の最終的な色に関する大当り遊技状態に制御される期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となることに加えて、次に説明するような図17の保留態様選択テーブルでのデータの設定により、保留画像の出現時色に関し、大当りとなる期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となるように設定されている。これにより、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像は、「青<緑<赤」という関係で大当りとなる期待度が高いと遊技者が感じることができる。
特定表示変化演出が実行されないときに選択される図17(G),(H)の第7,第8保留態様選択テーブルにおいては、保留表示の出現表示時(入賞後の最初の保留表示の出現表示時)の表示態様として、大当り時には、はずれ時と比べて「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像が選択される割合が高くなり、「通常(白)」の保留画像が選択される割合が低くなるようにデータが設定されている。また、特定表示変化演出が実行されるとき選択される図17(A)〜(F)の第1〜第6保留態様選択テーブルにおいては、対応する演出パターンの大当り時における選択割合が高くなる程、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像が選択される割合が高くなり、「通常(白)」の保留画像が選択される割合が低くなるようにデータが設定されている。これにより、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像は、「通常(白)」の保留画像よりも大当りとなる期待度が高いと遊技者が感じることができる。
また、特定表示変化演出が実行されないときに選択される図17(G),(H)の第7,第8保留態様選択テーブルにおいては、保留表示の出現表示時の表示態様として、大当り時には、はずれ時と比べて選択される割合が高い「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像のうち、はずれ時に選択される割合に対する大当り時に選択される割合の比率が、「青<緑<赤」という大小関係となるようにデータが設定されている。これにより、特定表示変化演出が実行されないときに選択される保留画像の色について、大当りとなる期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となるように設定されている。このため、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像は、「青<緑<赤」という関係で大当りとなる期待度が高いと遊技者が感じることができる。
このような、図17(G),(H)に示した特定表示変化演出が実行されないときにおける「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像についての大当りとなる期待度、および、図16(D)に示した特定表示変化演出が実行されるときにおける「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像についての大当りとなる期待度により、保留画像およびアクティブ画像の色について、大当りとなる期待度は、全般的に「青<緑<赤」という大小関係となるように設定されている。
図18は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図18(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図18(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR4のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図18(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。図18(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。図18(B)では、特定表示変化演出を実行する第1特別図柄に対応する始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファが一例として示されている。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファは、図18(B)に示されたバッファのうちの図柄指定、変動種別、始動入賞指定、および、保留記憶数という欄に相当し、各保留記憶の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、図18(B)に示された特定表示変化演出判定有無、特定表示変化演出実行変動指定、特定表示変化演出対象指定、および、特定表示変化演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する領域(図中「図柄指定」)、変動種別コマンドを格納する領域(図中「変動種別」)、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド)を格納する領域(図中「始動入賞指定」)、および、保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を格納する領域(図中「保留記憶数指定」)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、図中の「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
図18(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図18(B)に示す格納状態において次に演出図柄の変動表示が開始される場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出された後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
図18(B)に示す演出用バッファは、始動入賞時受信コマンドバッファと連結(従属)したようなアドレスの対応関係で記憶領域を設けてもよく、始動入賞時受信コマンドバッファとは独立したアドレスの記憶領域に、各始動入賞記憶に対応して記憶領域を設けてもよい。
図18(C)に示すように、「図柄指定」コマンドの領域において、「C200(H)」は、はずれ表示結果指定を示し、「C201(H)」は大当り表示結果指定を示す。「変動種別」コマンドの領域において、「C300(H)」は通常変動の種別を示し、「C301(H)」はノーマルリーチ変動の種別を示し、「C302(H)」はスーパーリーチ変動の種別を示す。「始動入賞指定」コマンドの領域において、「A401(H)」は第1始動入賞指定を示し、「A402(H)」は第2始動入賞指定を示す。「保留記憶数指定」の領域においては、「C001(H)」〜「C004(H)」により第1保留記憶数「0」〜「4」を示し、「C101(H)」〜「C104(H)」により第2保留記憶数「0」〜「4」を示す。
始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図18(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、保留記憶数指定コマンドが格納される。図18(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
演出制御バッファ設定部194においては、第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、次に示すような演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施の形態では、特定表示変化演出を実行しないため、特定表示変化演出の実行用の演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、特定表示変化演出の実行用の演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様に特定表示変化演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理で、「特定表示変化演出判定有無」のデータ、「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ、および、「特定表示変化演出態様指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「特定表示変化演出判定有無」のデータ格納領域、「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域、および、「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に格納される。
「特定表示変化演出判定有無」のデータは、特定表示変化演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「特定表示変化演出実行変動指定」のデータは、特定表示変化演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「特定表示変化演出態様指定」のデータは、特定表示変化演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルに基づいて、特定表示変化演出を実行するか否かの判定が未だされていないときには、「特定表示変化演出判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」を特定可能な「1000(H)」のデータが記憶され、特定表示変化演出を実行するか否かの判定がされたときには、「特定表示変化演出判定有無」の格納領域に、「判定有」を特定可能な「1001(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルに基づいて特定表示変化演出を実行しない判定がされたときには、「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定無」を特定可能な「2000(H)」のデータが記憶され、「特定表示変化演出態様指定」のデータの格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図16(A)〜(C)の特定表示変化演出有無判定テーブルに基づいて特定表示変化演出を実行する判定がされ、かつ、図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルに基づいて、演出パターンA〜Jのいずれかの演出態様が決定されたときには、決定された演出パターンの種類に応じて、次のようにデータの記憶がされる。
新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンA〜Cのような次回保留シフト時に保留画像の色が変化する演出パターンが選択されたときは、次回の変動表示をするバッファ番号「1」のデータにおいて「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定有」を特定可能な「2001(H)」のデータが記憶され、新たな保留記憶情報に対応するバッファ番号のデータにおいて、「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定無」を特定可能な「2000(H)」のデータが記憶され、「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に選択された演出パターンに対応して「3001(H)」〜「3003(H)」のうちのいずれかのデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンA〜Cのような次回保留シフト時に色が変化する演出パターンが選択されたときは、次回の変動表示をするバッファ番号「1」の保留記憶情報に対応して記憶された「2001(H)」のデータに基づいて、次回の変動表示が実行されるときに特定表示変化演出を実行することが認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンD〜Jのようなアクティブ表示時にアクティブ画像の色が変化する演出パターンが選択されたときは、当該新たな保留記憶情報に対応するバッファ番号のデータにおいて「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定有」を特定可能な「2001(H)」のデータが記憶され、「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に選択された演出パターンに対応して「3004(H)」〜「3010(H)」のうちのいずれかのデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンD〜Jのようなアクティブ表示時にアクティブ画像の色が変化する演出パターンが選択されたときは、当該新たな保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、当該新たな保留記憶情報に対応するバッファ番号に対応して記憶された「2001(H)」のデータに基づいて、特定表示変化演出を実行することが認識可能となる。
新たに変動表示が実行されるバッファ番号「1」の「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「2001(H)」のデータが記憶されているときには、次のように特定表示変化演出が実行される。
まず、バッファ番号「2」〜「4」のいずれかの「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に、保留シフト時に保留画像を変化させる演出パターンを特定可能な「3001(H)」〜「3003(H)」のうちのいずれかのデータが記憶されているときには、当該データが記憶されているバッファ番号の保留記憶情報に対応して表示されている保留画像を、当該演出パターンに従って変化させる特定表示変化演出をする。
また、新たに変動表示が実行されるバッファ番号「1」の「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に、アクティブ表示時にアクティブ画像を変化させる演出パターンを特定可能な「3004(H)」〜「3010(H)」のうちのいずれかのデータが記憶されているときには、新たに実行される変動表示において、アクティブ表示されているアクティブ画像を当該演出パターンに従って変化させる特定表示変化演出をする。
また、新たに変動表示が実行されるときに「特定表示変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「2001(H)」のデータが記憶されているときにおいて、バッファ番号「2」〜「4」のいずれかの「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に、「3001(H)」〜「3003(H)」のうちのいずれかのデータが記憶され、かつ、バッファ番号「1」の「特定表示変化演出態様指定」のデータ格納領域に「3004(H)」〜「3010(H)」のうちのいずれかのデータが記憶されているときには、前述した保留画像の特定表示変化演出と、前述したアクティブ画像の特定表示変化演出との両方が実行されることとなる。
なお、図18(B)の演出用バッファに、特定表示変化演出を実行することが決定されたことを示すデータが記憶されている保留記憶情報があるときには、その保留記憶情報に基づく変動表示が終了するまで、新たな保留記憶情報について、特定表示変化演出を実行する決定をしないように、演出選択を制限してもよい。また、図18(B)の演出用バッファに、特定表示変化演出を実行することが決定されたことを示すデータが記憶されている保留記憶情報があるときには、その保留記憶情報に基づく変動表示が終了するまで、新たな保留記憶情報について、通常色(白)以外の保留色(たとえば、青色、緑色)で出現表示しないように、出現保留表示態様の色の選択を制限してもよい。
また、「特定表示変化演出実行変動指定」のデータは、特定表示変化演出を実行しない決定(指定)がされたか否か(演出有無)を示すデータと、特定表示変化演出を実行する決定(指定)がされたとき(演出有)のときに選択された特定表示変化演出の演出態様を特定可能なデータとに分けて、異なる格納領域にそれぞれ格納するようにしてもよい。
図18(B)においては、始動入賞時コマンドバッファおよび演出用バッファにおけるデータの記憶例として、たとえば、バッファ番号「4」に対応する保留記憶について、大当り表示結果の図柄指定であり、かつ、変動種別がスーパーリーチの変動パターン種別である場合(図柄指定のデータが「C201(H)」かつ変動種別のデータが「C302(H)」である場合)に、その保留記憶について、特定表示変化演出を実行するか否かの判定がされたことに応じて、バッファ番号「4」に対応する「特定表示変化演出判定有無」のデータに「1001(H)」が記憶され、その判定結果が特定表示変化演出を実行する判定結果となり、かつ、当該特定表示変化演出の演出態様が演出パターンF(アクティブ表示時に赤変化)に決定されたことに応じて、バッファ番号「4」に対応する「特定表示変化演出態様指定」のデータに「3006(H)」が記憶され、バッファ番号「4」に対応する「特定表示変化演出実行変動指定」のデータに「2001(H)」が記憶された例が示されている。
以上に説明したような態様で、各保留記憶情報について、先読み演出処理に基づいて、演出用バッファの格納領域にデータが記憶されると、変動表示を実行するときに、変動表示を実行する保留記憶に対応する演出用バッファのデータを確認することにより、特定表示変化演出を実行するか否かと、特定表示変化演出を実行する対象(保留画像またはアクティブ画像)と、特定表示変化演出の演出態様とを演出制御用マイクロコンピュータ100が、認識することができる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、このように認識した特定表示変化演出に関するデータに基づいて、特定表示変化演出を実行することが可能である。
図19は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、図18に示す第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、特定表示変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、特定表示変化演出判定有無の格納領域において「1000(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で、特定表示変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で、特定表示変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを、第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく特定表示変化演出のうち、保留画像を対象とした特定表示変化演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、特定表示変化演出を実行する変動表示が実行可能であるかどうかを確認するのである。
S712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、特定表示変化演出を実行しない(特定表示変化演出無)ことに決定し(S712A)、後述するS718に進む。一方、S712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、S711で判定した特定表示変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「図柄指定」の記憶内容をチェックし、先読み判定対象の第1保留記憶情報が大当り表示結果を指定したものであるか否かを判定する(S713)。
S713で大当り表示結果を指定したものであると判定されたときは、特定表示変化演出決定用のSR2を抽出し、図16(A)の大当り時特定表示変化演出有無判定テーブルを用いて、特定表示変化演出を実行するか否かを判定する(S717)。一方、S713で大当り表示結果を指定したものではないと判定されたときは、S711で特定表示変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「変動種別」の記憶内容をチェックし、スーパーリーチを指定したものであるか否かを判定することにより、先読み判定対象の第1保留記憶情報がスーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであるか否かを判定する(S714)。
S714で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであると判定されたときは、特定表示変化演出決定用のSR2を抽出し、図16(B)のスーパーリーチはずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルを用いて、特定表示変化演出を実行するか否かを判定する(S715)。
一方、S714で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものでないと判定されたときは、特定表示変化演出決定用のSR2を抽出し、図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時特定表示変化演出有無判定テーブルを用いて、特定表示変化演出を実行するか否かを判定する(S716)。
S712A、S717、S715、または、S716により特定表示変化演出を実行するか否かが判定された後は、図18(B)の演出用バッファにおいて、今回の先読判定対象の第1保留記憶に対応する「特定表示変化演出判定有無」の格納領域に、その「特定表示変化演出判定有」を特定するデータ(「1001(H)」)を記憶させる(S718)。
次に、S717、S715、または、S716により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、特定表示変化演出を実行する決定(実行有)がされたか否かを判定する(S719)。S719で、特定表示変化演出を実行する決定がされていない(実行無)と判定されたときは、後述するS727に進む。一方、S719で、特定表示変化演出を実行する決定がされた(実行有)と判定されたときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、特定表示変化演出態様決定用のSR3を抽出し、図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルを用いて、特定表示変化演出態様を選択決定する(S720)。これにより、先読判定対象の第1保留記憶情報について、演出パターンA〜Cのような次回の保留シフト時に保留画像を変化させる演出、および、演出パターンD〜Jのようなアクティブ表示時にアクティブ画像を変化させる演出を含む特定表示変化演出の演出態様が、いずれかの演出態様に決定される。
次に、S720で決定された特定表示変化演出の演出態様に応じて、図18(B)の演出バッファにおいて、前述したような記憶態様で、「特定表示変化演出実行変動指定」の格納領域に、指定無または指定有のデータ(「2000(H)または2001(H)」)を記憶させ、「特定表示変化演出態様指定」の格納領域に、S720で決定された演出パターンを特定可能なデータ(「3001(H)〜3010(H)」)を記憶させる(S721)。
S721では、具体的に、前述のように、「特定表示変化演出実行変動指定」については、次回保留シフト時に変化する演出と、アクティブ表示時に変化する演出とのそれぞれについて別に定められた態様(次回保留シフト時に変化する演出のときはバッファ番号1にデータを記憶させ、アクティブ表示時に変化する演出のときは先読判定対象の第1保留記憶情報のデータが対応するバッファ番号にデータを記憶させる態様)で、「特定表示変化演出実行変動指定」の格納領域に、指定無または指定有のデータ(「2000(H)または2001(H)」を記憶させる。
S721では、さらに、前述のように、「特定表示変化演出態様指定」については、先読判定対象の第1保留記憶情報に対応するバッファ番号における「特定表示変化演出態様指定」の格納領域に、演出パターンA〜J(「3001(H)〜3010(H)」)のうちかS720で決定された演出パターンを特定可能なデータを記憶させる。
次に、S720での選択決定結果に基づいて、先読判定対象の第1保留記憶情報について、保留シフト時に特定表示変化演出を実行するか否かを確認する(S722)。S722により保留シフト時に特定表示変化演出を実行するときには、S720で決定された演出パターンにより特定される変化後の保留画像の色(図中、変化色)に応じて、図17(A)〜図17(C)の第1〜第3保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S723)、後述するS731に進む。S723により、出現保留表示態様は、通常色(白色)、青色、緑色のうち、いずれかの色に決定される。
一方、S722により保留シフト時に特定表示変化演出を実行しないとき(アクティブ表示時に特定表示変化演出を実行するとき)には、S720で決定された演出パターンにより特定される変化後の保留画像の色(図中、変化色)に応じて、図17(D)〜図17(F)の第4〜第6保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S725)、後述するS731に進む。S725により、出現保留表示態様は、通常色(白色)、青色、緑色のうち、いずれかの色に決定される。
また、前述したようにS719からS727に進んだときは、特定表示変化演出を実行しないときであり、図18(B)の演出バッファにおいて、前述したような記憶態様で、「特定表示変化演出実行変動指定」の格納領域に、指定無のデータ(「2000(H)」)を記憶させ、「特定表示変化演出態様指定」の格納領域に、演出無を特定可能なデータ(「3000(H))を記憶させる(S727)。
次に、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読判定結果を確認することに基づいて、図17(G),図17(H)の第7,第8保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S728)、後述するS731に進む。S728により、出現保留表示態様は、通常色(白色)、青色、緑色、赤色のうち、いずれかの色に決定される。
次に、S723,S725,またはS728で決定した出現保留表示態様で新たな保留画像を出現させる表示をし(S731)、処理を終了する。
このように先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様を選択決定し、決定した出現保留表示態様で新たに保留画像を出現させる表示を実行する。このように表示された保留画像は、変動表示が実行されるごとに、図13のS707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられることとなる。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様を選択決定する処理については、図13のS707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、出現保留表示態様を選択決定するようにしてもよい。
図20は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、保留等変化の演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図21を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を終了する(S622)。
図21は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、特定表示変化演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S631)。具体的に、S631では、図18(B)に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「特定表示変化演出実行変動指定」のデータとして「指定有」のデータが記憶されているときに、特定表示変化演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S631において、特定表示変化演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、後述するS638に進む。
S631により特定表示変化演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたときは、図18(B)に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、「特定表示変化演出態様指定」のデータを確認することに基づいて、今回実行する特定表示変化演出の演出態様(演出パターンA〜Jのいずれかの演出態様)を確認する(S632)。
次に、S632による今回の変動表示において実行する特定表示変化演出の演出態様の確認結果に基づいて、確認した演出パターンから特定可能な今回特定表示変化演出を実行する対象(保留表示、アクティブ表示)を演出対象として設定するとともに、確認した演出パターンから特定可能な演出態様(保留シフト時に何色に変化するかという演出態様、アクティブ表示時にボタン操作で何色に変化するかという演出態様)を実行する演出態様として設定する(S633)。
次に、今回の変動表示において実行する特定表示変化演出の演出期間を、変動開始時における予め定められた演出期間に設定する(S634)。たとえば、保留表示を対象として特定表示変化演出を実行するときの演出期間としては、保留表示のシフト時における第1の演出期間に設定し、アクティブ表示を対象として特定表示変化演出を実行するときの演出期間としては、変動開始後特定時間経過時における第2の演出期間に設定する。
なお、特定表示変化演出の演出期間としては、保留表示を対象として特定表示変化演出を実行するときの演出期間と、アクティブ表示を対象として特定表示変化演出を実行するときの演出期間とを異なる期間となるように(演出開始時が異なる、演出継続時間が異なる、または、演出終了時が異なる等)設定してもよく、同じ期間となるように(演出開始時と演出終了時とが同じ、または、演出継続時間が同じ等)設定してもよい。
次に、S637では、図18(B)に示す演出用バッファにおいて、「特定表示変化演出実行変動指定」の格納領域のデータを「指定無」に変更し、「特定表示変化演出態様指定」の格納領域のデータを「演出無」に変更し、S638に進む。
次に、S638においては、前述した特定表示変化演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する。その後、処理を終了する。
このような演出設定処理におけるS631〜S637の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S634で設定された演出期間において、S633で設定された実行対象および演出態様に基づいて、特定表示変化演出が実行されることとなる。これにより、たとえば、図15(A)〜(D)に示したような演出態様での特定表示変化演出が実行可能となる。
なお、前述した特定表示変化演出の演出例としては、保留画像がアクティブ表示エリアに移動してアクティブ画像として表示されるときに、保留画像とアクティブ画像とが同じ画像である例を説明した。しかし、これに限らず、保留画像とアクティブ画像とは、同じ画像以外に、関連性がある画像(たとえば、円形の保留画像が楕円形のアクティブ画像となる、または、小型の円形の保留画像が大型の円形のアクティブ画像となる等)であってもよく、関連性がない画像(たとえば、円形の保留画像が所定のキャラクタ画像となる等)であってもよい。
また、保留画像とアクティブ画像との関係については、保留画像がアクティブ表示エリアに移動する画像が表示されることにより、保留画像と、アクティブ画像との関係が示される演出の他に、保留画像が一時消去された後に、アクティブ表示エリアに出現する画像が表示されることにより、保留画像と、アクティブ画像との関係が示される演出等、その他の演出が実行されることにより、保留画像とアクティブ画像との関係性が示唆されるようにしてもよい。
図22は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、前述の演出設定処理(S616)で設定されたアクティブ画像を対象として特定表示変化演出の実行が開始されたか否かを、プロセスタイマに基づき判定する(S651)。当該特定表示変化演出の実行が開始されたと判定した場合(S651:YES)、演出制御用CPU101は、図15(A)に示すようにアクティブ画像AH内に「押」の文字が表示されるなどのボタン操作指示を表示する(S652)。さらに、演出制御用CPU101は、アクティブ画像予告中フラグをセットする(S653)。一方、当該特定表示変化演出の実行が開始されたと判定しない場合(S651:NO)、演出制御用CPU101は、まだ特定表示変化演出の実行が開始されていないか、または既に特定表示変化演出の実行が開始されているかのいずれかであると判定して、S652およびS653の処理をスキップする。
次に、演出制御用CPU101は、アクティブ画像を対象として特定表示変化演出が実行中であるか否かを判定するために、アクティブ画像予告中フラグがセットされているか否かを判定する(S654)。演出制御用CPU101は、アクティブ画像予告中フラグがセットされていると判定した場合(S654:YES)、プッシュボタン120を押下したことを示す操作検出信号が入力ポート106介して入力されたか否か判定する(S655)。一方、演出制御用CPU101は、アクティブ画像予告中フラグがセットされていないと判定した場合(S654:NO)、まだ特定表示変化演出の実行が開始されていないと判定して、演出図柄変動中処理(S802)の処理を終了する。
次に、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120を押下した操作検出信号が入力された場合(S655:YES)、図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルで示した操作回数が設定された操作回数カウンタから”1”を減算する(S656)。さらに、演出制御用CPU101は、アクティブ画像の表示態様を変化させる(S657)。例えば、図15に示す特定表示変化演出では、図16(D)の演出パターンHが選択されているので操作回数カウンタには操作回数の”2”が設定される。そして、図15(A)に示すボタン操作指示に基づき遊技者がボタン操作を行なった場合、演出制御用CPU101は、”2”の操作回数カウンタから”1”を減算し、アクティブ画像AHの表示態様を白色から青色に変化させる(図15(B))。一方、プッシュボタン120を押下した操作検出信号が入力されない場合(S655:NO)、演出制御用CPU101は、S656およびS657の処理をスキップする。
次に、演出制御用CPU101は、操作回数カウンタの値が”0(ゼロ)”であるか否かを判定する(S658)。操作回数カウンタの値が”0(ゼロ)”である場合(S658:YES)、演出制御用CPU101は、アクティブ画像を対象として特定表示変化演出を実行が終了したとして、アクティブ画像予告中フラグをリセットする(S659)。一方、操作回数カウンタの値が”0(ゼロ)”でない場合(S658:NO)、演出制御用CPU101は、アクティブ画像を対象として特定表示変化演出がまだ実行中であるとして、S659の処理をスキップする。例えば、図15に示す特定表示変化演出では、図15(C)に示すボタン操作指示に基づき遊技者がボタン操作を行なった場合、演出制御用CPU101は、残り”1”の操作回数カウンタから”1”を減算して操作回数カウンタの値が”0(ゼロ)”となり、アクティブ画像AHの表示態様を青色から赤色に変化させる(図15(D))。そして、演出制御用CPU101は、操作回数カウンタの値が”0(ゼロ)”となったため、アクティブ画像予告中フラグをリセットする。
次に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値にし、演出図柄変動中処理を終了する(S622)。
このように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、特定表示変化演出が、遊技者の動作(例えば、ボタン操作)に応じて特定表示の表示態様を変化させることが可能であり、特定表示の表示態様を一の態様に変化させた後(例えば、白色から青色に変化)に、特定表示の表示態様を該一の態様とは異なる他の態様に変化させる(例えば、青色から赤色に変化)ことが可能である。そのため、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させた後、さらに特定表示の表示態様を変化させることで特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る特定表示変化演出では、遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターン(例えば、図16(D)の演出パターンD〜J)だけではなく、遊技者の動作を行っても特定表示の表示態様を変化させない演出パターンを設けてもよい。例えば、図15(A)に示すようにアクティブ画像AH内に表示するボタン操作を促す「押」の文字表示に応じて遊技者がボタン操作を行なうが、特定表示の表示態様は変化せずに白色のままのようなガセの演出パターンを設けてもよい。これにより、遊技者の動作後に特定表示の表示態様が変化するか否かを注目させることができ、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、第1実施形態のように1回(単数回)の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターンではなく、複数回の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターンについて説明する。図23は、特定表示変化演出の演出態様の変形例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図23においては、低ベース状態において、第1保留記憶についての保留表示のみがされているときに、第1演出態様で特定表示変化演出が実行された演出例が示されている。
図23(A)〜(D)においては、特定表示変化演出の一例として、複数回の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる例が示されている。図23(a)〜(b)においては、特定表示変化演出の一例として、単数回の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる例が示されている。図23(A)には、特定表示変化演出が実行されている状態であることを示すため、アクティブ画像AH内にボタン操作を促す「押」の文字が表示されている。図23(B)には、ボタン操作(例えばプッシュボタン120の押下)により、アクティブ画像AH内にルーレット画像(特定画像)が表示されルーレットゲームの演出が開始される表示例が示されている。このルーレットゲームでは、ルーレット盤に”A”、”B”、”C”の3つの領域が設けられ、当該ルーレット盤が回転して所定の位置に停止した領域が当選する(例えば、ルーレット盤には明るい位置と暗い位置とがあり、明るい位置に停止した領域が当選領域となる)ゲームである。
図23(C)には、ボタン操作によりルーレット盤の回転を停止させ、当選結果に応じた画像(特殊画像)をアクティブ画像AH内に表示した例(「CHANCE」の文字表示)が示されている。さらに、図23(D)には、当選結果に応じてアクティブ画像AHの表示態様が変化(白色から赤色に変化)した表示例が示されている。ここで、ルーレットゲームの演出では、図23(C),(D)に示すように”C”に当選した場合、「CHANCE」の文字表示の特殊画像を表示することでアクティブ画像AHの表示態様が変化することを予告した上、アクティブ画像AHの表示態様を白色から赤色に変化させる。なお、ルーレットゲームの演出では、”A”に当選した場合、「ADVANTAGE」の文字表示の特殊画像を表示した上で、アクティブ画像AHの表示態様を白色から青色または緑色に変化させ、”B”に当選した場合、「BAD」の文字表示の特別画像を表示した上で、アクティブ画像AHの表示態様を白色から変化させない。また、アクティブ画像AHの表示態様は、白色、青色、緑色、赤色順の4つの変化段階を有しており、変化段階数(白色ならば0(ゼロ)段階、青色ならば1段階、緑色ならば2段階、赤色ならば3段階)が高いほど当該変動表示が大当りになる割合が高くなっている。もちろん、特殊画像は、「ADVANTAGE」の文字表示、「CHANCE」の文字表示に限定されるものではなく、他の画像であってもよく、特別画像も、「BAD」の文字表示、に限定されるものではなく、他の画像であってもよい。また、アクティブ画像AHの表示態様も、白色、青色、緑色、赤色順の4つの変化段階に限定されず、期待度が段階的に異なるように複数種類の表示態様であってもよい。
このように、複数回の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターンでは、ルーレットゲームを開始するためのボタン操作と、ルーレットを停止させるためのボタン操作との2回のボタン操作で、アクティブ画像AHの表示態様を変化させている。一方、図23(a)には、特定表示変化演出が実行されている状態であることを示すため、アクティブ画像AH内にボタン操作を促す「押」の文字が表示されている。図23(b)には、ボタン操作により、ルーレットゲームの演出が開始されることなく、アクティブ画像AHの表示態様が変化(白色から青色に変化)した表示例が示されている。図23(A)〜(D)に示すように複数回の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターンが選択された場合は、図23(a)〜(b)に示すように単数回の遊技者の動作に応じて特定表示の表示態様を変化させる演出パターンが選択された場合に比べて、変化段階数の高い表示態様(例えば赤色)に変化させる割合が高くなるように設定する。
なお、ルーレットゲームの演出を含む特定表示変化演出おいて、アクティブ画像AHの表示態様の変化を図16(D)の特定表示変化演出態様選択テーブルに示す演出パターンで予め決定してもよいが、ルーレットゲームの演出内で別途抽選を行いアクティブ画像AHの表示態様の変化を決定するようにしてもよい。
特定表示変化演出では、遊技者の動作に応じて演出表示装置9で表示する特定画像としてアクティブ画像AH内にルーレット画像を表示する例を説明したが、これに限定されるものではなく、アクティブ画像AH内にダーツ画像を表示したり、アクティブ画像AH外にキャラクタを表示させてバトルさせる画像を表示したりしてもよい。さらに、特定表示変化演出では、遊技者の動作に応じて変化させる特殊画像として、「CHANCE」の文字表示を表示する例を説明したが、これに限定されるものではなく、当選結果に応じてキャラクタをアクティブ画像AH内に表示させたり、ルーレット画像等の演出表示や「CHANCE」の文字表示をアクティブ画像AH外に表示させたりしてもよい。
このように、本実施形態に係る特定表示変化演出は、遊技者の動作に応じて演出表示装置9で表示する特定画像(ルーレット画像)が特殊画像(「CHANCE」の文字表示など)に変化した場合に、アクティブ画像AHの表示態様を変化させ、特別画像(「BAD」の文字表示)に変化した場合に、アクティブ画像AHの表示態様を変化させない。そのため、特定画像が特殊画像となるか特別画像となるかについて注目させることができ、特殊画像の表示態様に関する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る特定表示変化演出は、表示された特殊画像に応じて変化段階が異なるように、アクティブ画像AH(特定表示)の表示態様を変化させている。具体的には、前述したように”A”に当選して「ADVANTAGE」の文字表示の特殊画像を表示した場合、アクティブ画像AHの表示態様を白色から青色または緑色に変化させ、”C”に当選して「CHANCE」の文字表示の特殊画像を表示した場合、アクティブ画像AHの表示態様を白色から赤色に変化させる。一方、”B”に当選して「BAD」の文字表示の特別画像を表示した場合、アクティブ画像AHの表示態様を白色から変化させない。そのため、表示される特殊画像の種類に注目させることができ、特殊画像の表示態様に関する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る特定表示変化演出は、遊技者の単数回の動作に応じてアクティブ画像AH(特定表示)の表示態様を変化させる第1演出パターン(図23(a)〜(b))と、遊技者の複数回の動作に応じてアクティブ画像AHの表示態様を変化させる第2演出パターン(図23(A)〜(D))とを有しており、第2演出パターンの方が第1演出パターンよりも、変化段階数が高い態様(赤色の表示態様)にアクティブ画像AHの表示態様を変化させる割合が高い。そのため、どのような演出パターンが実行されるかに注目させることができ、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、複数の特定表示の表示態様によって大当り状態に制御される期待度を報知することが可能であり、複数の特定表示の表示態様を、一括して特別態様とする特定表示変化演出を実行する例を説明する。
図24は、保留表示画像の設定例を示している。この実施の形態では、複数種類の保留表示画像HG0〜HG5が、予め用意されている。VDP109に内蔵または外付けされた画像データメモリには、保留表示画像HG0〜HG5の画像データが記憶されていればよい。保留表示画像HG0は、表示態様を変化させる前の通常態様である保留表示を行うために用いられる。保留表示画像HG1〜HG5は、表示態様を変化させた後の特殊態様である保留表示を行うために用いられる。例えば、保留表示画像HG1〜HG5は、第2保留表示部5HBにおける複数の表示部位における保留表示の組合せにより、予め定められたメッセージを報知可能な文字などを示す演出画像であればよい。なお、特殊態様は、保留表示の組合せにより予め定められたメッセージを報知可能なものに限定されず、通常態様とは異なる任意の表示態様となることで、大当り遊技状態などの有利状態に制御される期待度が通常態様のときとは異なっていることを報知可能なものであればよい。
図24(A)〜(F)は、第2保留表示部5HBにおける各保留表示画像HG0〜HG5の表示例を示している。各表示例では、第2保留記憶数が「4」であることに対応して、第2保留表示部5HBに設けられた4つの表示部位に、保留表示画像が表示されている。図24(A)に示すように、保留表示画像HG0が表示された場合には、各表示部位が青色無地の表示態様となる。図24(B)に示すように、保留表示画像HG1が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「がんばれ」のメッセージを報知可能な表示態様となる。図24(C)に示すように、保留表示画像HG2が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「チャンス」のメッセージを報知可能となる。図24(D)に示すように、保留表示画像HG3が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「スーパー」のメッセージを報知可能となる。図24(E)に示すように、保留表示画像HG4が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「げきあつ」のメッセージを報知可能となる。図24(F)に示すように、保留表示画像HG5が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「大あたり」のメッセージを報知可能となる。
図24(G)は、各保留表示画像HG0〜HG5について、保留番号との対応関係や大当り期待度との関係を示している。通常態様の保留表示を行うために用いられる保留表示画像HG0は、第2特図保留記憶数に応じた保留番号にかかわらず、青色無地の表示を行う演出画像である。特殊態様の保留表示を行うために用いられる保留表示画像HG1〜HG5は、第2特図保留記憶数に応じた保留番号に応じた文字の表示を行うことにより、特定のメッセージを報知可能な演出画像である。大当り期待度は、保留表示画像HG0が表示された場合に最も低くなり、保留表示画像HG1は保留表示画像HG0よりも高く、保留表示画像HG2は保留表示画像HG1よりも高く、保留表示画像HG3は保留表示画像HG2よりも高く、保留表示画像HG4は保留表示画像HG3よりも高く、保留表示画像HG5が表示された場合に最も高くなる。このように、保留表示の表示態様に応じて異なる大当り期待度を示唆できる。
図24(D)に示すような保留表示画像HG3を使用した保留表示は、スーパーリーチによるリーチ演出といった、特定の可変表示となることを示唆する示唆態様となる。このような示唆態様に一括して変更可能とすることにより、多様な表示態様に注目させて、保留表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
このように、本実施形態に係る特定表示変化演出では、複数の特定表示の表示態様によって有利状態(例えば、大当り状態)に制御される期待度を報知することが可能であり、複数の特定表示の表示態様を、一括して特別態様とするので、複数の特定表示の表示態様を一の態様から他の態様に一括して変更可能となることから、表示態様の変化が予測しにくくなり、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
なお、複数の特定表示の表示態様を一括して特別態様とする例として、図24では複数の保留表示を組み合わせて予め定められたメッセージを表示する特別態様について説明したが、これに限定されるものではなく、複数の保留表示とアクティブ表示とを組み合わせて予め定められたメッセージを表示する特別態様としてもよい。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態では、保留記憶情報に基づいて保留表示とアクティブ表示とを実行し、対象となる保留記憶情報に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミング(たとえば、保留表示中とアクティブ表示中との複数のタイミング)のうちのいずれかのタイミングで保留等変化演出を実行させる場合において、変化対象の表示の種別が、通常表示態様とは異なる第1特定表示態様と第2特定表示態様とのいずれであるかに応じて、表示態様変化を実行するタイミングの選択割合が異なる例を説明する。
第4実施形態においては、新たに保留記憶情報が発生したときに、保留表示およびアクティブ表示の画像として、通常表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つのうちいずれかの表示態様の画像が選択され、選択された画像が表示される。たとえば、通常表示態様としては一般的な「球体」の形状の表示態様、第1特定表示態様としては「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)、第2特定表示態様としは、「人型キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(キャラクタアイコンとも呼ぶ)である。
第4実施形態では、新たに保留記憶情報が発生したときに、所定の保留表示選択テーブルを用いて、出現させる保留表示として、通常表示態様の画像と、第1特定表示態様の画像と、第2特定表示態様の画像とのいずかが選択される。たとえば、第1特定表示態様、および、第2特定表示態様は、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高く設定されている。
図25は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図25(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図25(B)にキャラクタ選択テーブルが示されている。
第4実施形態では、通常表示態様の画像は、第1実施形態のように画像の色が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により画像の色が変化可能である。そして、図25(A)のように、第1特定表示態様は、通常表示態様の画像は、第1実施形態のように複数色のうちから画像の色が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により画像の色が変化可能である。
出現させる保留表示として第1特定表示態様が選択されたときには、図25(A)に示すように、出現時表示に「注意」という文字が示された文字アイコン(注意表示)が表示された後、文字アイコンが、第1変化表示として「好機」という文字が示された文字アイコン(好機表示)、または、第2変化表示として「激熱」という文字が示された文字アイコン(激熱表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、注意表示<好機表示<激熱表示という関係が設定されている。
出現させる保留表示として第2特定表示態様が選択されたときには、図25(B)に示すように、出現時表示に「1匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(1匹表示)が表示された後、キャラクタアイコンが、第1変化表示として「2匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(2匹表示)、または、第2変化表示として「3匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(3匹表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、1匹表示<2匹表示<3匹表示という関係が設定されている。
図26は、保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、および、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理に用いられる各種データテーブルである。
図26(A)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図26(B)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図26(A),(B)では、保留表示中とアクティブ表示中という2種類の表示態様変化演出タイミングに、表示態様変化演出タイミング決定用の乱数値MR10が割振られている。
図26(A),(B)では、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、動物キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。一方、保留表示が動物キャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。これにより、表示態様変化演出の変化対象の表示種別(例えば、文字アイコン、動物キャラクタアイコンという表示種別)および表示態様変化のタイミング(例えば、保留表示中、アクティブ表示中というタイミング)に遊技者を注目させることができ、保留表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
また、文字アイコンの表示、および、動物キャラクタアイコンの表示については、後述する図26(E)〜(L)のように、表示態様変化演出実行後に、実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中とアクティブ表示中とで等しい。したがって、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、動物キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高く、保留表示が動物キャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高いことに基づけば、保留表示が文字アイコン表示と、動物キャラクタアイコンの表示とのいずれで表示されるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なるので、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。これにより、アイコン形状で表示された保留表示の表示態様の変化とアクティブ表示の表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、表示態様の変化についてアクティブ表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
図26(C)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留変化演出種類選択テーブルである。文字アイコンによる保留表示が実行されるときの変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第1変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第2変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図26(D)は、保留表示が動物キャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いる動物キャラクタ保留変化演出種類選択テーブルである。動物キャラクタアイコンによる保留表示が実行されるときの表示態様変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第3変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第4変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図26(E)〜(H)は、文字アイコンによる保留表示の変化演出について、図26(A)および図26(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。
保留表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図26(E)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図26(F)のテーブルが用いられる。保留表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図26(G)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図26(H)のテーブルが用いられる。保留表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図26(I)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図26(J)のテーブルが用いられる。保留表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図26(K)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図26(L)のテーブルが用いられる。
これら変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて「変化なし」と「好機」表示と「激熱」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図26(E)〜(H)において、「変化なし」は、文字アイコンが変化しない態様を示し、「好機」表示は、文字アイコンが「好機」という文字のアイコンに変化する態様を示し、「激熱」表示は、文字アイコンが「激熱」という文字のアイコンに変化することを示す。
図26(E)〜(H)では、変化選択用の乱数値MR12が、大当り表示結果となるときに「変化なし<好機+激熱(変化あり)」、ハズレ表示結果となるときに「変化なし>好機+激熱(変化あり)」という関係の選択割合で割振られている。また、図26(E)〜(H)では、大当り表示結果となるときに「好機<激熱」、ハズレ表示結果となるときに「好機>激熱」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、文字アイコンが変化したときは、文字アイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、文字アイコンが「激熱」に変化したときは、文字アイコンが「好機」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
文字アイコン表示については、図26(A),(B)のように、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、アクティブ表示中に保留表示中と比べて、「好機」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「激熱」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
図26(I)〜(L)は、動物キャラクタアイコンによる保留表示の表示態様変化演出について、図26(A)および図26(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。これら演出選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて、「変化なし」と「2匹」表示と「3匹」表示とに、変化選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図26(I)〜(L)において、「変化なし」は、動物キャラクタアイコンが変化しない態様を示し、「2匹」表示は、動物キャラクタアイコンが「2匹」のアイコンに変化する態様を示し、「3匹」表示は、動物キャラクタが「3匹」のアイコンに変化することを示す。
図26(I)〜(L)では、大当り表示結果となるときに「2匹<3匹」、ハズレ表示結果となるときに「2匹>3匹」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、動物キャラクタアイコンが変化したときは、動物キャラクタアイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、動物キャラクタアイコンが「3匹」に変化したときは、動物キャラクタアイコンが「2匹」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
動物キャラクタアイコン表示については、図26(B),(C)のように、保留表示中にアクティブ表示中と比べて動物キャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、保留表示中にアクティブ表示中と比べて、「2匹」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「3匹」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、保留表示とアクティブ表示とついて、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
このように、本実施形態に係る特定表示変化演出では、特定表示の表示態様を変化させる複数のタイミングのうちのいずれかのタイミングで実行させることが可能であり、変化対象の特定表示の表示態様が、通常の表示態様とは異なる第1表示態様と第2表示態様とのいずれであるかに応じて、表示態様の変化を実行させるタイミングの選択割合が異なるので、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1実施形態における特定表示変化演出では、図15(A)に示すように遊技者がボタン操作を行なうことで、アクティブ画像AHの表示態様を白色から青色の一の態様に変化させた後(図15(B))、アクティブ画像AHの表示態様を青色から赤色の他の態様に変化させる(図15(D))ので、特定表示の表示態様を複数回変化させることで、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
(2) 第2実施形態に示すように、特定表示変化演出は、図23(B),(C)に示すように遊技者の動作に応じて演出表示装置9で表示するルーレット画像(特定画像)が「CHANCE」の文字表示(特殊画像)に変化した場合に、アクティブ画像AHの表示態様を白色から赤色に変化させている(図23(D))ので、特定画像が特殊画像となるか否かについて注目させることができ、特定画像の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
(3) 第2実施形態に示すように、特定表示変化演出では、特殊画像の表示態様として「ADVANTAGE」の文字表示の特殊画像を表示した場合、アクティブ画像AHの表示態様を青色または緑色に、「CHANCE」の文字表示の特殊画像した場合、アクティブ画像AHの表示態様を赤色にそれぞれ変化させ、「BAD」の文字表示の特別画像を表示した場合、アクティブ画像AHの表示態様を変化させないので、表示される特殊画像の種類に注目させることができ、特殊画像の表示態様に関する興趣を向上させることができる。
(4) 第2実施形態に示すように、特定表示変化演出は、図23(a)〜(b)に示すように遊技者の単数回のボタン操作に応じてアクティブ画像AH(特定表示)の表示態様を変化させる演出パターンに比べ、図23(A)〜(D)に示すように遊技者の複数回のボタン操作に応じてアクティブ画像AH(特定表示)の表示態様を変化させる演出パターンの方が、変化段階数が高い態様(赤色の表示態様)にアクティブ画像AHの表示態様を変化させる割合が高いので、どのような演出パターンが実行されるかに注目させることができ、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
(5) 特定表示変化演出は、図16(D)の演出パターンD〜Jのようにボタン操作に応じてアクティブ画像AHの表示態様を変化させる演出パターンだけではなく、ボタン操作を行ってもアクティブ画像AHの表示態様を変化させない演出パターンを設けることで、遊技者の動作後に特定表示の表示態様が変化するか否かを注目させることができ、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
(6) 第3実施形態に示すように、特定表示変化演出は、図24に示すように複数の保留表示の表示態様を、一括して特別態様(例えば、「大あたり」のメッセージなど)とするので、複数の特定表示の表示態様を一の態様から他の態様に一括して変更可能となることから、表示態様の変化が予測しにくくなり、特定表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
(7) 第4実施形態に示すように、特定表示変化演出は、図25,図26に示すように、変化対象の特定表示の表示態様が、通常の表示態様とは異なる第1表示態様(文字アイコン表示)と第2表示態様(動物キャラクタアイコン表示)とのいずれであるかに応じて、表示態様の変化を実行させるタイミングの選択割合が異なるので、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の表示態様の変化に関する興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、特定表示変化演出が実行されることの選択決定を演出制御用マイクロコンピュータ100が行なう例を示した。しかし、これに限らず、このような選択決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で行ない、決定結果を特定可能なデータを演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100へ送り、演出制御用マイクロコンピュータ100がその演出制御コマンドに従って行なうようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、特定表示変化演出として、1回の演出実行によってターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、特定表示変化演出として、複数回の演出実行によってターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を複数回変化させるようにしてもよい。その場合は、ターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を複数段階に分けて変化する演出を実行してもよい。また、ターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を複数回変化させようとするが、変化しない回が存在するような演出を実行してもよい。
(3) ターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる回数として、1回と複数回とが選択可能であり、例えば複数回で変化した場合の方が1回で変化した場合に比べて大当りとなる期待度が高くなるように制御したり、その逆となるとなるように制御してもよい。つまり、1回で変化した場合と、複数回で変化した場合とで大当りとなる期待度が異なるように制御してもよい。
(4) 前述した実施の形態では、保留表示およびアクティブ表示の特定表示変化演出について、1回の変動表示において、特定表示変化演出が完了する例を示した。しかし、これに限らず、保留表示およびアクティブ表示の特定表示変化演出について、複数回の変動表示に亘り、特定表示変化演出が継続的に実行されるようにしてもよい。また、擬似連の変動パターンにおける初回変動表示及び複数回の再変動表示に亘り特定表示変化演出が継続的に実行されるようにしてもよい。また、ターゲットの保留表示の段階からアクティブ表示段階まで図15又は図23に示すような演出を継続して実行してもよい。
(5) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(10) 前述した実施の形態では、図19のS712により、保留記憶数が2以上ないときに特定表示変化演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、特定表示変化演出を実行するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、図16〜図19を用いて説明したように、まず、先に特定表示変化演出を実行するか否かを決定してから、特定表示変化演出を実行する決定がされたときに、特定表示変化演出の演出態様を決定し、さらに、新たな始動入賞の保留記憶に基づいて出現表示する保留表示の表示態様を決定する例を示した。しかし、これに限らず、まず、新たな始動入賞の保留記憶に基づいて出現表示する保留表示の表示態様を決定してから、特定表示変化演出を実行するか否かを決定し、さらに、特定表示変化演出を実行する決定がされたときに、特定表示変化演出の演出態様を決定するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、特定表示変化演出において保留表示の表示態様の変化では遊技者の動作を必要としない(図16(D)の演出パターンA〜C)が、アクティブ表示の表示態様の変化では遊技者の動作を必要とする(図16(D)の演出パターンD〜J)例を示した。しかし、これに限らず、保留表示の表示態様の変化でも遊技者の動作を必要とし、アクティブ表示の表示態様の変化でも遊技者の動作を必要としない特定表示変化演出を実行してもよい。
(13) 前述した実施の形態では、図19のS720に示すように、新たな保留記憶情報が発生した始動入賞時に、当該保留記憶情報に基づく特定表示変化演出の演出態様を決定する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞ではなく、新たな保留記憶情報が発生した後の当該保留記憶情報に基づく変動表示の開始時において、当該保留記憶情報に基づく特定表示変化演出の演出態様を決定するようにしてもよい。また、始動入賞時と、その後の変動表示の開始時との両方、または、少なくとも一方において、保留記憶情報に基づく特定表示変化演出の演出態様を決定するようにしてもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。