JP2015029492A - 容器詰め緑茶飲料用の荒茶の製造方法 - Google Patents

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憲典 田中
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一考 岩城
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Abstract

【課題】三番茶、四番茶または秋冬番茶を用いた容器詰め緑茶飲料用の荒茶であって、硬葉臭の少ない荒茶を提供すること。
【解決手段】茶の摘採前に、遮光率が10%から50%となるように、また、茶畝摘採部分の最高気温が無被覆の場合と比較して低下するように、被覆資材を被覆する。
【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰め緑茶飲料用の荒茶の製造方法に関する。具体的には、容器詰め緑茶飲料用の荒茶であって、低級煎茶でありながら、硬葉臭の少ない荒茶の製造方法に関する。また、本発明は、前記方法により得られる荒茶に関する。
緑茶飲料を安定的に供給するためには、多様な荒茶を使いこなすことが必要である。荒茶には、さまざまなグレードのものが存在する。一定水準以下の低級の荒茶には硬葉臭と呼ばれる望ましくない香気が多く含まれる。硬葉臭の多い荒茶を原料として緑茶飲料を製造すると、緑茶飲料においてもその硬葉臭は強く感じられ、いわゆる不味いお茶となる。
前記の“一定水準以下”の茶には、三番茶全般や四番茶全般、秋冬番茶全般、また、一番茶や二番茶の下位グレード品(摘採適期を過ぎて摘採されたもの)などが含まれる。これら低級の茶は、一般には全窒素が低く、以下に限定されないが目安として全窒素が4.3%以下である。“硬葉臭”とは、これらの茶に特有の、青臭く草っぽい鼻につく香気のことをいい、硬葉臭の他に、番臭、番茶臭、夏茶臭、茎臭、木茎臭、青臭、グリーンノート等とも呼ばれる。
低級煎茶の硬葉臭を低減させる試みはこれまでに複数提案されている。例えば、荒茶加工工程において、従来の蒸熱工程に代えて過熱水蒸気や加湿熱風を利用する方法(非特許文献1)や、蒸熱処理を繰り返し行う方法(特許文献1)、蒸熱工程の前に生葉の切断や熱湯浸せきを行う方法(非特許文献2)が提案されている。また、緑茶飲料において香気成分であるE−2−ヘキセナールとリナロールの重量比を調整する方法(特許文献2)が提案されている。
また、日本の茶の栽培においては、玉露やかぶせ茶、碾茶や抹茶の栽培のために、覆下栽培と呼ばれる被覆栽培が広く普及している。被覆することで、独特の芳香やまろやかな旨味や甘味を持ち、鮮やかな緑色を持つ茶が得られる。覆下栽培ではかぶせ茶の生産量が最も多い。かぶせ茶の栽培においては、以下に限定されないが目安として60〜90%の遮光率を持つ黒色化繊資材を用いて、生葉摘採前の7〜10日程度、茶樹に直接被覆するのが一般的である。被覆を行うのは一番茶が中心であるが、二番茶においても一般に行われる。三番茶以降は、樹勢への影響や翌年の一番茶への影響が懸念されるため、一般にはあまり行われない。
特開2001−54354号公報 特許第4713645号
茶業研究報告106号、p.81−90、2008 静岡県茶業試験場研究報告18号、p.37−41、1994
上記の通り、荒茶工程において硬葉臭を低減させる方法や、緑茶飲料において体感上の硬葉臭を低減させる方法が提案されているが、荒茶工程における硬葉臭低減方法は単独では目下十分な効果が得られていない。また、仕上茶および緑茶飲料の香気成分比を調整する方法では中味設計上の制約となる他、茶以外の原料を仕上茶および緑茶飲料に加えねばならず、一般に、そのような茶以外の添加物が多く含まれる仕上茶および緑茶飲料は、消費者には好まれない。最終製品における硬葉臭を低減させるためのアプローチの一つとして、荒茶の硬葉臭を低減させる新たな技術開発が望まれる。
本発明者らは、従来の荒茶加工工程や仕上げ加工工程、緑茶飲料製造工程に対して行われる方法とは異なり、茶の生葉の段階で硬葉臭を低減させる手段をとることに着目し、検討を行った。本発明は、従来の栽培方法では硬葉臭が多く含まれたグレードの生葉(低級の生葉)を用いた場合であっても、硬葉臭の少ない荒茶を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、硬葉臭の発生の原因として、二番茶と三番茶の間の気候の差異に着目した。すなわち、三番茶の時期は、茶の新芽の生育中に日差しが強く気温が高いために硬葉臭が生じると推察した。特許文献2において「グリーンノート」(硬葉臭)の特徴成分として提示されるE−2−ヘキセナールは、植物がストレスを感じたときに出す化合物である。一方、茶の木は半陰樹に分類され、半陰樹は、日当たりは必要であるものの、強い日差しは必ずしも必要とせず、また、日当たり不足も適さない。本発明者らは、茶にとって快適な環境を作り出すことで、硬葉臭の少ない生葉が作り出されると考えた。この考えに基づき、栽培方法を鋭意検討したところ、驚くことに、所定の遮光条件および温度条件で被覆栽培を行った茶の生葉を加工して得られた荒茶では、低級の生葉を用いた場合であっても硬葉臭が少なく抑えられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に限定されるものではないが、次の発明を包含する。
1.(A)三番茶、四番茶または秋冬番茶となる茶期の茶樹に、被覆資材を、遮光率が10%から50%となるように、かつ、茶畝摘採部分の被覆期間における最高気温が無被覆の場合と比較して低下するように、茶の生葉の摘採前に3日間以上被覆する工程、
(B)茶の生葉を摘採する工程、及び、
(C)摘採された生葉を荒茶に加工する工程
を含む、容器詰め緑茶飲料用の荒茶の製造方法。
2.(A)工程において、5日間以上被覆する、上記1記載の製造方法。
3.(A)工程において、7日間以上被覆する、上記1記載の製造方法。
4.(A)工程において、遮光率が10%から40%の範囲にある、上記1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
5.(A)工程において、遮光率が10%から30%の範囲にある、上記1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
6.(A)工程において、最高気温の低下が0.5℃以上の低下である、上記1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
7.(A)工程において、最高気温の低下が1.0℃以上の低下である、上記1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
8.上記1〜7のいずれか1つに記載の製造方法により製造された容器詰め緑茶飲料用の荒茶。
本発明によれば、低級の生葉を用いた場合であっても、硬葉臭の少ない荒茶を製造することができる。
本発明は、容器詰め緑茶飲料用の荒茶であって、硬葉臭の少ない荒茶の製造方法に関する。また、本発明は、前記方法により得られる容器詰め緑茶飲料用の荒茶に関する。以下、本発明の実施の態様についてさらに詳しく説明する。
(荒茶)
荒茶は、茶樹(学名:Camelliasinensis)から摘採した生葉を原料として製造される加工品であり、一般的には、摘採した茶の生葉を、蒸熱、粗揉、揉捻、中揉、精揉、および乾燥などの荒茶加工工程に付した段階の茶加工品をいう。荒茶は、その後、一般的には、選別や火入れなどの仕上げ加工工程を経て、仕上茶に製造される。
荒茶の製造においては、上記の荒茶加工工程のうち、1つ又は複数の工程が省略されていてもよい。例えば、精揉を省略して中揉後に乾燥させても良い。また、碾茶に加工してもよい。すなわち、摘採した生葉を蒸した後、散茶機、碾茶炉、乾燥機を経て、碾茶の荒茶を得ることもできる。そして、碾茶の荒茶から抹茶を製造することができる。本発明の荒茶には、普通煎茶の他、深蒸し茶、釜炒り茶、玉緑茶、手揉み茶等に用いられる荒茶が含まれる。本発明において荒茶加工方法は特に限定されない。
荒茶の製造に用いられる生葉は、茶の生葉であればその品種、産地などは限定されない。例えば、品種としては、やぶきた、ゆたかみどり、おくみどり、さやまかおり、かなやみどり、さえみどり、あさつゆ等が挙げられる。産地としては、例えば、静岡県、鹿児島県、三重県、熊本県、福岡県、京都府、宮崎県、埼玉県等が挙げられる。
(三番茶、四番茶、秋冬番茶)
本発明は、硬葉臭が問題となる三番茶、四番茶、または秋冬番茶を用いた荒茶の製造に適用される。一般に、その年の最初に生育した新芽を摘採したものを一番茶と呼び、以降、摘採した順番により、二番茶、三番茶、四番茶、秋冬番茶と呼ばれる。摘採地域にもよるが、一般に一番茶は4〜5月頃、二番茶は6〜7月頃、三番茶は7月頃、四番茶は8月頃、秋冬番茶は10月頃に摘採される。一般には暖地ほど摘採回数が多く、寒冷地ほど摘採回数が少ない。一般的に南九州の摘採回数は4回、南九州を除く九州、四国、東海の平坦部は3回、その他の地域は2回であって、四番茶が摘採できるのは暖地の中でも限られた地域である。
(被覆栽培)
通常、かぶせ茶では、以下に限定されないが目安として60〜90%の遮光率を持つ黒色化繊資材を、摘採直前の7〜10日程度、一番茶または二番茶の茶樹に直がけで被覆するのが一般的である。これに対し、本発明では、三番茶、四番茶または秋冬番茶となる茶期の茶樹に、被覆資材を、10〜50%の遮光率となるように、かつ、茶畝摘採部分の被覆期間における最高気温が無被覆の場合と比較して低下するように被覆する。このように、低い遮光率を有する被覆資材を用い、最高気温を低下させるように被覆することにより、低級の生葉を用いた場合であっても、硬葉臭の少ない荒茶が製造できることを見出した。
本発明により硬葉臭の低下効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、上記所定条件の被覆により、茶にとってはストレスと考えられる三番茶以降の茶期の強い日差しと高い気温とが適度に抑制され、茶にとってストレスが低減された環境を作り出すことができるためと推測している。
本発明の被覆栽培法では、荒茶収量の低下が少ないという利点もある。かぶせ茶の栽培における慣行の黒色化繊の被覆では、無被覆の場合と比較して、一般に収量が低下するが、本発明では、収量の低下がほとんど見られない。この理由は明らかではないが、本発明の被覆条件では、茶の光合成にとって必要量を超える日差しはカットされるが、必要量の日差しが確保されることにより、十分な光合成が行われるからと推測している。
遮光率の測定方法は、これに限定されないが、例えば、エスペックミック社製の日射センサのような日射量測定計を複数個用意し、被覆資材の上下の日射量を同時に測定し、その差分から遮光率を求めることができる。本発明において遮光率は10〜50%であり、好ましくは10〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。
一定の遮光率に加え、本発明では、被覆期間における茶畝摘採部分の最高気温が、無被覆の場合の最高気温よりも、低くなるように被覆する。好ましくは0.5℃以上低くなるように、更に好ましくは1.0℃以上低くなるように被覆する。温度低下の上限値は特に限定されないが、4.0℃を目安に挙げることができ、また、最高気温を低下させた後の温度の下限として20.0℃を目安に挙げることができる。実施例において試験を実施した茶畑(鹿児島県枕崎市)において、発明者らが実際に測定した2012年の二番茶摘採時期17日間の最高気温の平均は26.8℃であった。同じく、2012年の三番茶摘採時期13日間の最高気温の平均は30.1℃であり、その差は3.3℃であった。また、枕崎において一番茶が摘採される4月の最高気温の平均は20.4℃(気象庁による2012年4月のデータ)であった。硬葉臭は一般には三番茶以降で特に問題となるが、二番茶と一番茶を比較すると一番茶の方がより望ましい品質である。以下は推定であるが、最高気温が20.0℃付近であることが茶にとっての最適条件である可能性があり、20.0℃まで最高気温を下げることで最適な品質が得られる可能性がある。
被覆期間中の被覆資材下の茶畝摘採部分の最高気温と無被覆部の最高気温との差は、これに限定されないが、例えば、ティアンドデイ社製の「おんどとり」(登録商標)のような連続的に温度を記録できる温度センサを複数個用意し、被覆資材下と無被覆部の温度を被覆期間中同時に連続的に記録し、無被覆部で記録した最高気温と被覆資材下の茶畝摘採部分で記録した最高気温との差分から求めることができる。
本発明に用いられる被覆資材は、所定の遮光率と最高気温低下効果を実現できるならば、その材質や形態は特に限定されない。ただ、実際に茶樹に被覆することを考慮すれば、通気性、軽量性、及び、柔軟性を有する被覆資材が好ましい。通気性がないと風にあおられて資材がはがれたり、茶樹を傷めたりする可能性がある。また、内部が蒸れて湿度が上がり、害虫や病害の発生を助長する可能性がある。したがって、例えばネット状(網目状)などの通気性のある被覆資材が好ましい。軽量性については、資材が重たいと作業者にとって作業上の負荷が大きくなるのと同時に、茶樹に重さがかかるために幹や枝に負担となり、折れたり変形したりする恐れがあり、また、新芽の成長にとっての障害となり得る。特に降雨により水を含むと重量がさらに増し、人にも茶にも負荷がますます大きくなる。被覆資材の重量の目安の一つとしては、慣行の黒色化繊の重量の目安である50mあたり約10kgを挙げることができ、それと同等またはそれよりも軽い被覆資材が好ましい。柔軟性については、茶畝に被せたり、巻き取って回収して保管したりするため、自由に変形できることが好ましい。また、直がけ被覆では一般に風などでこすれて茶芽に傷がついてしまうことがあるため、その点においても軽くて軟らかい資材が望ましい。アクリル樹脂や硬質塩ビのような硬い材質では今回の被覆素材としては適さない。
本発明に用いられる被覆資材の具体的な例としては、これらに限定されないが、日本ワイドクロス社製のサンサンネット(登録商標)ソフライト、ダイオ化成社製のダイオクールホワイト(登録商標)、JX日鉱日石ANCI社製のワリフ(登録商標)明涼などが挙げられる。
被覆資材の茶樹への被覆方法は、特に限定されず、慣行の方法を用いればよい。例えば、直がけ被覆においては、被覆資材側面に2m間隔でピンチを取り付けておき、ピンチを茶株の枝に挟んで固定するなどの方法により被覆することができる。
被覆は、摘採前の3日間以上にわたり、行われる。「摘採前」とは、好ましくは「摘採直前」のことを指し、この場合、「摘採前の3日間以上」とは、「摘採時から起算して過去3日間以上の期間」とほぼ同意義である。しかし、摘採作業の直前に資材を除去することは、資材の除去作業と摘採作業とを続けて行うことであり、負担が大きいことから、代替案として、摘採前日の夕刻に資材を除去して翌日早朝に摘採を行ってもよい。この場合、「摘採前の3日間以上」とは、「資材の除去時から起算して過去3日間以上の期間」となる。
被覆の期間は、好ましくは5日間以上であり、さらに好ましくは7日間以上である。被覆期間の上限は、特に限定されないが、農薬散布から摘採までの時間の確保や、被覆を長期間行うことによる茶へのストレス、また、直がけ被覆による茶芽への傷を低減する観点から、14日間程度であろう。
(摘採)
摘採方法は、特に限定されず、手摘み、鋏摘み、機械摘み等の慣行の方法を用いることができる。
(荒茶加工工程)
摘採した生葉を荒茶に加工する。荒茶の加工工程は上述した通り、一般的に、蒸熱、粗揉、揉捻、中揉、精揉および乾燥などの工程を含む。これらの工程のうち1つ又は複数の工程が省略されていてもよい。例えば、精揉を省略して中揉後に乾燥させても良い。また、碾茶に加工してもよい。すなわち、摘採した生葉を蒸した後、散茶機、碾茶炉、乾燥機を経て、碾茶の荒茶を得ることもできる。そして、碾茶の荒茶から抹茶を製造することができる。本発明の荒茶には、普通煎茶の他、深蒸し茶、釜炒り茶、玉緑茶、手揉み茶等に用いられる荒茶が含まれる。本発明において荒茶加工方法は特に限定されない。
(仕上げ加工工程)
荒茶を加工して仕上茶が得られる。荒茶から仕上茶を得る仕上げ加工工程は一般的に、荒茶の篩い分け、大きい茶の切断、粉や木茎の分離、火入れ、合組などの工程からなるが、本発明においてはその仕上げ加工方法には特に限定されない。
(容器詰め緑茶飲料製造工程)
仕上茶を加工して緑茶飲料が得られる。仕上茶から容器詰め緑茶飲料を得る工程は一般的に、仕上茶を加温水などで抽出する抽出工程、抽出液から抽出残渣を取り除く粗濾過工程、抽出液を冷却する冷却工程、抽出液から細かな固形分を取り除く濾過工程、抽出液に水や緑茶抽出物、酸化防止剤、pH調整剤などを加えて調合液を得る調合工程、調合液を殺菌する殺菌工程、殺菌された調合液を容器に充填する容器充填工程からなる。ただし、前記工程はあくまで一例であり、これに限定するものではなく、例えば、工程の順序を入れ替えたり、別工程を付加したりすることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
2012年7月10日に鹿児島県枕崎市の独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構、野菜作業研究所枕崎作業研究拠点内の茶畑において、「やぶきた」種の三番茶に6種類の被覆資材を被覆した。7月18日に被覆資材をはがし、乗用型摘採機により摘採した。摘採後に慣行の蒸熱、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥工程を経て荒茶を得た(比較例2〜6及び実施例1)。なお、比較例4の「JPネットチャバ」(黒色化繊)は、通常のかぶせ茶の被覆栽培に用いられる被覆資材である。また、比較として、無被覆の「やぶきた」種の二番茶および三番茶についても同様に摘採し、荒茶とした(それぞれ、比較例7及び1)。
6種類の被覆資材は、以下の通りである:
比較例2:「ピンクネット」、マテリアルサイエンス株式会社製、材質等:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、顔料
比較例3:「青パオパオ」、三菱樹脂アグリドリーム株式会社製、材質等:ポリプロピレン
比較例4:「JPネットチャバ70」、窒素開発株式会社製、材質等:黒色化繊
比較例5:「ダイオミラー(登録商標)810MS」、ダイオ化成株式会社製、材質等:アルミ蒸着テープ(UV剤入り)、ラッセル編
比較例6:「タイベック(登録商標)700AG」、デュポン株式会社製、材質等:ポリエチレン、不織布
実施例1:「ダイオクールホワイト(登録商標)420SW」、ダイオ化成株式会社製、材質等:ポリエチレン(UV剤入り)、カラミ織
実施例2:「サンサンネット(登録商標)ソフライトSL−3200」、日本ワイドクロス株式会社製、材質等:ポリエチレン(UV剤入り)、網目状、2枚重ねて被覆。
(日射量遮光率の測定)
エスペッミック社製の日射センサを用い、被覆資材の上下の日射量を同時に測定し、その差分から遮光率を求めた。
(茶畝摘採部分の最高気温低下効果の測定)
ティアンドデイ社製の「おんどとり」(登録商標)を被覆資材下の茶畝摘採部分と無被覆部の茶畝摘採部分に設置し、被覆期間中の温度変化を連続的に記録した。被覆期間中に無被覆部で記録した最高気温と被覆資材下の茶畝摘採部分で記録した最高気温との差分から、最高気温の低下効果(℃)を求めた。
(被覆資材の通気性)
各被覆資材の通気性の程度を3段階で示した。通気性あり:○、通気性なし:×、中程度:△。
(荒茶収量の測定)
摘採した茶畝の面積を実測し、摘採した生葉を計量することで、単位面積当たりの生葉収量を算出した。続いて、荒茶加工に供した生葉重量と、得られた荒茶重量から、単位面積当たりの荒茶収量を算出した。
(荒茶全窒素の測定)
静岡製機社製の茶成分分析計を用いて測定した。
(荒茶硬葉臭の官能審査)
荒茶2.0gずつ計量し、200gの熱湯で5分間抽出し、抽出液を得た。得られた抽出液を次の基準で官能評価した。
− : 感じられない
+ : わずかに感じられる
++ : 感じられる
+++ : 強く感じられる
++++ : 大変強く感じられる
以下に、比較例及び実施例の結果を示す。
荒茶の硬葉臭は、二番茶(無被覆)(比較例7)では感じられないが、三番茶では被覆の有無にかかわらず感じられる(比較例1〜6及び実施例1、2)。しかし、三番茶であっても、遮光率が10%から50%の範囲で、最高気温が無被覆と比較して低下するように被覆した場合(実施例1、2)においては、比較例1〜6に比べて硬葉臭が少なくなることがわかる。また、実施例1、2では、無被覆の三番茶(比較例1)と同等の荒茶収量が得られることがわかる。
本発明によれば、容器詰め緑茶飲料用の荒茶であって、硬葉臭の少ない荒茶を製造できる。

Claims (8)

  1. (A)三番茶、四番茶または秋冬番茶となる茶期の茶樹に、被覆資材を、遮光率が10%から50%となるように、かつ、茶畝摘採部分の被覆期間における最高気温が無被覆の場合と比較して低下するように、茶の生葉の摘採前に3日間以上被覆する工程、
    (B)茶の生葉を摘採する工程、及び、
    (C)摘採された生葉を荒茶に加工する工程
    を含む、容器詰め緑茶飲料用の荒茶の製造方法。
  2. (A)工程において、5日間以上被覆する、請求項1記載の製造方法。
  3. (A)工程において、7日間以上被覆する、請求項1記載の製造方法。
  4. (A)工程において、遮光率が10%から40%の範囲にある、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. (A)工程において、遮光率が10%から30%の範囲にある、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  6. (A)工程において、最高気温の低下が0.5℃以上の低下である、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
  7. (A)工程において、最高気温の低下が1.0℃以上の低下である、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法により製造された容器詰め緑茶飲料用の荒茶。
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