JP2015028162A - ガソリン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】含水率の高いエタノールを添加しても、燃料として必要な性状を満たすエタノール含有ガソリン燃料を得ることができるガソリン組成物、それが混合されたガソリン燃料、およびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】芳香族分を10.0〜45.0容量%、炭素数9の芳香族分を5.0〜30.0容量%、および炭素数8のイソパラフィン分を5.0〜40.0容量%含み、表面張力が17.0〜19.8mN/m、15℃における密度が0.70〜0.77g/cm3、および蒸気圧が50〜90kPaであるガソリン組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等に搭載されているエンジンを駆動するためのガソリン組成物、およびエタノール含有ガソリン燃料の組成およびその製造方法に関する。
近年、地球温暖化の主な原因となっている二酸化炭素排出量削減の観点から、石油由来の燃料に代わるものとして、生物由来の燃料を使用する試みがなされている。その一環として、例えば、ガソリン燃料においては、ガソリン燃料に生物由来のエタノールを混合して使用することが提案されている。
そして、現状では、ガソリン燃料用としてのエタノール混合量は品質確保法により3容量%まで許容されているが、地球温暖化を考慮した二酸化炭素削減の観点から、今後、エタノールの混合量が増加する可能性が高い。
なお、ガソリン燃料混合用としてのエタノールは、水分をほとんど含まない無水エタノールを使用している。無水エタノールを使う理由は、水分混入を回避しガソリン中にエタノールを溶解しやすくすることにある。なお、エタノールは生物由来の粗エタノールを蒸留、脱水することにより得られる。そして、その精製度合によって無水エタノール及び含水率の多い含水エタノールに分類されるが、無水エタノールを得るためには、粗エタノールの蒸留、脱水などにより多くのエネルギーが必要となる。一方、エタノールと水との親和性が高いことから、単なる静置分離では含水エタノール中の水分を除去して無水エタノールを得ることはできない。したがって、地球温暖化に与える影響に加え、コストの面からも含水エタノールを使用することが好ましいといえる。そこで、含水エタノールを混合する試みもなされており、例えば、特開平6−158064号公報(特許文献1)には、ガソリンに含水エタノールをブレンドすることが開示されている。
ところが、単に含水エタノールと一般的なガソリンを混合しただけでは、ガソリン相および水相に分かれ、水相側にエタノールが溶解してしまい、エタノール含有量3.5容量%以上の高濃度エタノール含有ガソリン燃料(ガソリン相)が製造できないという課題がある。また、ガソリン相中では、含水エタノール中の水がガソリン相中に溶解し、気温などの影響で油温が低下した場合、溶解水が析出・分離し(相分離)、ガソリン相中に溶解しているエタノールの多くが水相側に移動することによって、ガソリンのオクタン価や蒸気圧が低下するなど品質上の問題がある。
なお、ガソリン・水の相分離の問題については、その解決法が提案されている。例えば、特開2005−187520号公報(特許文献2)には、エタノール含有ガソリン燃料中の水分含有量とエタノール含有量の比が一定範囲とされ、相溶剤を用いなくてもガソリン相と水相に相分離せず、エタノール濃度0.5〜15容量%のエタノール含有ガソリン燃料を製造する手法が提案されている。
特開平6−158064号公報 特開2005−187520号公報
しかしながら、特許文献2において提案されているガソリン・水の相分離を解決するための手法は、無水エタノール(水分含有量50ppm以下)の使用を想定したものであり、含水エタノールを使用した場合にまで適用することは難しい。
一方、特許文献1に開示されている手法は、含水エタノールの使用を想定しているものの、向流抽出塔のような大規模な設備や向流抽出・ガソリン冷却のためのエネルギーが必要となり、製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、大規模な設備や大きなエネルギーを要することなく、含水率の高いエタノールを混合するだけで、燃料として必要な性状を満たすエタノール含有ガソリン燃料を容易に得ることができるガソリン組成物、それが混合されたガソリン燃料、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、表面張力、密度、蒸気圧、芳香族分および炭素数8のイソパラフィン分を所定の範囲とすることで課題を解決できることを見出した。具体的には芳香族分を10.0〜45.0容量%、炭素数9の芳香族分を5.0〜30.0容量%、および炭素数8のイソパラフィン分を5.0〜40.0容量%含み、表面張力が17.0〜19.8mN/m、15℃における密度が0.70〜0.77g/cm、および蒸気圧が50〜90kPaであるガソリン組成物を用いることにより、含水率の高いエタノールを混合しても、燃料として必要な性状を満たすエタノール含有ガソリン燃料を容易に得ることができることを見出した。すなわち、本発明は、芳香族分を10.0〜45.0容量%、炭素数9の芳香族分を5.0〜30.0容量%、および炭素数8のイソパラフィン分を5.0〜40.0容量%含み、表面張力が17.0〜19.8mN/m、15℃における密度が0.70〜0.77g/cm、および蒸気圧が50〜90kPaであるガソリン組成物である。また、本発明は、前記ガソリン組成物に、水分含有量が0.05質量%以上の含水エタノールを混合し、ガソリン相中のエタノール濃度を3.5容量%以上、水分含有量を0.25質量%以下としたエタノール含有ガソリン燃料である。さらに、本発明は、前記ガソリン組成物に、水分含有量が0.05質量%以上の含水エタノールを添加するエタノール含有ガソリン燃料の製造方法である。
以上のように、本発明によれば、含水率の高いエタノールを添加しても、燃料として必要な性状を満たすエタノール含有ガソリン燃料を容易に得ることができるガソリン組成物、それが混合されたエタノール含有ガソリン燃料、およびその製造方法を提供することができる。
エタノール含有ガソリン燃料中の水分含有量とエタノール濃度との相関を示すグラフである。 ガソリン組成物の表面張力と、エタノール含有ガソリン燃料中のエタノール濃度との相関を示すグラフである。
[ガソリン組成物]
本発明に係るガソリン組成物は、芳香族分を含む。芳香族分としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンや炭素数9以上のアルキルベンゼンおよびナフタレン類が挙げられる。芳香族分には、炭素数9の芳香族分が含まれる。炭素数9の芳香族分としては、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2−メチルエチルベンゼン、1,3−メチルエチルベンゼン、1,4−メチルエチルベンゼン、およびインダンが挙げられ、1,2,4−トリメチルベンゼンが好ましい。1,2,4−トリメチルベンゼンを含む炭素数9の芳香族分を用いると、エタノールの溶解性が良好となり好ましい。
芳香族分は、ガソリン組成物中に、10.0〜45.0容量%含まれ、15.0〜40.0容量%であることが好ましく、15.0〜30.0容量%であることがより好ましく、15.0〜20.0容量%であることがさらに好ましく、15.0〜18.0容量%であることが特に好ましく、15.0〜16.0容量%であることが最も好ましい。芳香族分が多いとエタノールの溶解量は増加するが、過大になると、エンジン燃焼室内で、プラグのくすぶりなどの不具合が生ずるおそれがある。芳香族分が少ないとガソリン中の水の溶解量は少なくできるが、エタノールの溶解性も低下し、高濃度エタノール含有ガソリン燃料を作れないばかりかオクタン価が低くなるなど、実用性能に影響を及ぼす場合があり、好ましくない。
炭素数9の芳香族分は、ガソリン組成物中に、5.0〜30.0容量%含まれ、5.0〜27.5容量%であることが好ましく、5.0〜20.0容量%であることがより好ましく、5.0〜15.0容量%であることがさらに好ましく、5.1〜10.0容量%であることが特に好ましく、5.2〜5.9容量%であることが最も好ましい。炭素数9の芳香族分が多いとエンジン燃焼室内で、プラグのくすぶりなどの不具合が生ずるおそれがある。少ないとオクタン価が低くなる場合があり、好ましくない。1,2,4−トリメチルベンゼンを含む場合は、ガソリン組成物中に、1.0〜25.0容量%含まれるのが好ましく、1.5〜23.5容量%含まれるのがより好ましく、1.5〜3.0容量%含まれるのがさらに好ましく、1.5〜2.0容量%含まれるのが特に好ましい。
芳香族分としてトルエンを含む場合は、ガソリン組成物中、2.0〜15.0容量%含まれるのが好ましく、2.2〜13.0容量%含まれるのがより好ましく、2.2〜10.0容量%含まれるのがさらに好ましく、2.3〜4.0容量%含まれるのが特に好ましく、2.4〜2.6容量%含まれるのが最も好ましい。トルエンが多いとエンジン燃焼室内で、プラグのくすぶりなどの不具合が生ずるおそれがある。少ないとオクタン価が低くなる場合があり、好ましくない。
本発明に係るガソリン組成物は、イソパラフィン分を含む。イソパラフィン分は、ガソリン組成物中に20.0容量%以上含まれていてもよく、30.0容量%以上であることが好ましく、35.0容量%以上であることがより好ましく、50.0容量%以上であることがさらに好ましく、55.0容量%以上であることが特に好ましい。イソパラフィン分が少ないとオクタン価が低くなり、好ましくない。また、経済性・基材入手性の観点から、イソパラフィン分は60容量%以下であることが好ましい。
本発明に係るガソリン組成物は、炭素数8のイソパラフィン分を含む。炭素数8のイソパラフィン分としては、例えば、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、および2,3−ジメチルヘキサンが挙げられ、2,2,4−トリメチルペンタンが好ましい。2,2,4−トリメチルペンタンを含むと、エタノールの溶解性が良好となり好ましい。
炭素数8のイソパラフィン分は、ガソリン組成物中に、5.0〜40.0容量%含まれ、5.0〜37.0容量%含まれることが好ましい。炭素数8のイソパラフィン分が多いと水分同伴量が増え、少ないとエタノールが十分に溶解しない場合があり、好ましくない。炭素数8のイソパラフィン分として2,2,4−トリメチルペンタンを含む場合は、ガソリン組成物中に、2.0〜35.0容量%含まれるのが好ましく、2.0〜33.0容量%含まれるのがさらに好ましい。
本発明に係るガソリン組成物は、ノルマルパラフィン分を含んでいてもよい。ノルマルパラフィン分は、ガソリン組成物中に10.0〜20.0容量%含まれていてもよく、10.0〜16.0容量%であることが好ましく、11.0〜14.0容量%であることがさらに好ましい。ノルマルパラフィン分が少ないと燃焼性が悪化し排ガス性能が悪化することがあり、好ましくない。またノルマルパラフィン分が多すぎるとオクタン価が低くなる場合があり、好ましくない。
本発明に係るガソリン組成物は、オレフィン分を含んでいてもよい。オレフィン分は、ガソリン組成物中に5.0〜30.0容量%含まれていてもよく、10.0〜20.0容量%であることが好ましく、10.0〜16.0容量%であることがさらに好ましく、10.0〜14.0容量%であることが特に好ましい。オレフィン分が少ないとオクタン価が低くなることがあり、多いと酸化安定性が悪化することがあるため、好ましくない。
本発明に係るガソリン組成物は、ナフテン分を含んでいてもよい。ナフテン分は、ガソリン組成物中に0.5〜10.0容量%含まれていてもよく、2.0〜8.0容量%であることが好ましく、3.0〜6.0容量%であることがさらに好ましく、3.0〜5.0容量%が特に好ましい。
本発明に係るガソリン組成物は、表面張力が17.0〜19.8mN/mであり、17.3〜19.6mN/mであることが好ましく、17.3〜18.5mN/mであることがさらに好ましい。表面張力が大きいと、含水エタノールをガソリン組成物に添加したとき、得られるエタノール含有ガソリン燃料中の水分含有量が多くなることがあり、また、エンジン燃焼室内で、プラグのくすぶりなどの不具合が生ずるおそれがある。一方、表面張力が小さいと、含水エタノールをガソリン組成物に添加したとき、得られるエタノール含有ガソリン燃料中にエタノールが十分に溶解しないことがあり、また、燃費が悪化する場合がある。表面張力は、例えば、全自動表面張力計(CBVP−Z,協和界面科学株式会社製)を使用して、白金リング法によって測定することができる。
本発明に係るガソリン組成物は、15℃における密度が0.70〜0.77g/cmであり、0.71〜0.76g/cmであることが好ましく、0.71〜0.72g/cmであることがさらに好ましい。密度が大きいとエンジン燃焼室内で、プラグのくすぶりなどの不具合が生ずるおそれがあり、小さいと燃料消費率が悪化する場合がある。
本発明に係るガソリン組成物は、蒸気圧が50〜90kPaであり、52〜88kPaであることが好ましい。蒸気圧が大きいと蒸発ガスの発生が多くベーパーロックが起こりやすくなり、小さいと低温始動性の悪化が生じる場合がある。
本発明に係るガソリン組成物は、10%留出温度は30.0〜65.0℃であることが好ましく、40.0〜61.0℃であることがさらに好ましい。10%留出温度が低すぎるとベーパーロックが起こりやすくなり、高すぎると低温始動性が悪化する場合がある。50%留出温度は70.0〜160.0℃が好ましく、70.0〜105.0℃がさらに好ましい。50%留出温度が低すぎると燃費が悪化し、高すぎると加速性が悪化する。90%留出温度は130.0〜190.0℃が好ましく、140.0〜170.0℃がさらに好ましく、140.0〜160.0が特に好ましい。90%留出温度が低すぎると燃費が悪化し、高すぎるとオイル希釈が生じ、潤滑油の機能を低下させる。
本発明に係るガソリン組成物は、オクタン価が90.0〜100.0であってもよい。
本発明に係るガソリン組成物は、異性化ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレート、接触改質ガソリン、芳香族回収装置から留出する接触改質ガソリンを蒸留操作により分離した複数のガソリン基材、それら複数のガソリン基材をスルフォランなどの溶剤抽出によりベンゼンを除去した複数のガソリン基材、軽質ナフサ、またはブタン留分などのような基材を混合して調製することができる。ガソリン組成物の表面張力は、例えば、炭素数8のイソパラフィン分やトリメチルベンゼンなどの炭素数9の芳香族分の含有量などによって調整できる。ガソリン組成物の組成を調整するには、基材の調合割合を変化させたり、各基材を得る時の運転条件、例えば蒸留装置からの抜出温度や抜出比率、反応器の反応温度、抽出装置の抽出温度や溶剤比率などを調整したりすればよい。
本発明に係るガソリン組成物は、含水エタノールを添加すると、ガソリン燃料にエタノールが良好に溶解する一方で、水分はほとんど溶解しない。したがって、本発明に係るガソリン組成物には、水分を多量に含む生物由来のエタノールであっても、多量のエネルギーを要することなく、容易に混合することができ、水分含有量の少ないエタノール含有ガソリン燃料を容易に得ることができる。
[エタノール含有ガソリン燃料]
本発明に係るエタノール含有ガソリン燃料は、本発明に係るガソリン組成物およびエタノールを含む。エタノール含有ガソリン燃料中のエタノール濃度は、3.5容量%以上である。自動車の実用性の観点から、エタノール濃度は20容量%以下とすることができる。エタノール含有ガソリン燃料中の水分濃度は、0.25質量%以下である。
[エタノール含有ガソリン燃料の製造方法]
本発明に係るエタノール含有ガソリン燃料は、本発明に係るガソリン組成物に含水エタノールを添加して製造することができる。添加する含水エタノールは、水分含有量が好ましくは0.05質量%以上25.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上20.0質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以上20.0質量%以下、特に好ましくは3.5質量%以上20.0質量%以下の含水エタノールである。エタノールは生物由来のエタノールを用いてもよい。エタノールの水分含有量が低い場合、このようなエタノールを得るために、複数の工程を経て粗エタノールを精製する必要があり、エタノールを入手するコストが高くなるなどの問題がある。一方、エタノールの水分含有量が高すぎると、目的とするガソリン相(エタノール3.5容量%以上、水分含有量0.25質量%以下)が得られない場合がある。
本発明に係るガソリン組成物と含水エタノールとの容量混合比(ガソリン組成物:含水エタノール)は、所望のエタノール濃度となるよう適宜混合比を調整する。含水エタノールの含水量等にもよるが、好ましくは70:30〜98:2、より好ましくは、75:25〜97:3である。含水エタノールの混合割合が高すぎると、高濃度エタノール含有ガソリン燃料の生産効率が悪化し、小さいと高濃度エタノール含有ガソリン燃料の製造が困難になることがある。
本発明に係るエタノール含有ガソリン燃料の製造方法においては、本発明に係るガソリン組成物にエタノールを添加する他に、例えば、添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、清浄剤、酸化防止剤、金属不活性剤、帯電防止剤、および着色剤が挙げられる。
本発明に係るガソリン組成物に含水エタノールを添加すると、水分のほとんどはガソリン燃料(ガソリン相)には同伴されず、水相として分離する。したがって、水相を分離することにより、容易に水分含有量の少ないエタノール含有ガソリン燃料を得ることができる。ガソリン相と水相の分離は、例えば、タンク内で一定期間放置後、タンク底部より水切りラインより水分を除去したり、その他公知の方法を用いて行うことができる。
(ガソリン組成物:実施例1〜5および比較例1〜3)
異性化ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレート、接触改質ガソリン、軽質ナフサ、ブタン留分、トルエン基材、炭素数8のイソパラフィン分、および炭素数9の芳香族分から選ばれた基材を混合し、実施例1〜5および比較例1〜3に係るガソリン組成物を得た。実施例1〜5および比較例1〜3に係るガソリン組成物の組成や性状を表1および2に示す。性状および成分組成は、以下の方法により測定した。
蒸気圧:JIS K 2258「原油及び燃料油−蒸気圧試験方法−リード法」により測定した。
密度(@15℃):JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容積換算表」により測定した。
成分組成:JIS K 2536−2「石油製品―成分試験方法 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方」により測定した。
蒸留性状:JIS K 2254「石油製品―蒸留試験方法」により測定した。
オクタン価(RON):JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」のリサーチ法オクタン価試験方法により測定した。
表面張力:25℃において、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、白金リング法により測定した。測定は3回行い、その平均値を結果とした。
(エタノール含有ガソリン燃料:実施例6〜13および比較例4〜6)
〔実施例6〕
実施例1に係るガソリン組成物に20質量%の含水率のエタノールを80:20(ガソリン組成物:含水エタノール)の容量比で添加して室温で撹拌混合した。混合液はガソリン相と水相に分離するので、水相を分液ろうとを用いて除去して、残ったガソリン相を実施例6に係るエタノール含有ガソリン燃料として得た。得られたエタノール含有ガソリン燃料の水分含有量およびエタノール濃度を測定した。結果を表3、並びに図1に示す。また、図2にガソリン組成物の表面張力と、得られたエタノール含有ガソリン燃料中のエタノール濃度との関係を示す。図中、実施例は四角、比較例は丸である。
〔実施例7〜10および比較例4〜6〕
実施例1に係るガソリン組成物の代わりに、実施例2〜5および比較例1〜3に係るガソリン組成物を用いた以外は、実施例6と同様にして、実施例7〜10および比較例4〜6に係るエタノール含有ガソリン燃料をそれぞれ得た。結果を、表3〜4および図1〜2に示す。
〔実施例11〕
20質量%の含水率のエタノールを用いる代わりに、4質量%の含水率のエタノールを用いて96:4の比で添加した以外は実施例6と同様にして実施例11に係るエタノール含有ガソリン燃料を得た。結果を表3に示す。
〔実施例12〕
20質量%の含水率のエタノールを用いる代わりに、4質量%の含水率のエタノールを用いて95:5の比で添加した以外は実施例6と同様にして実施例12に係るエタノール含有ガソリン燃料を得た。結果を表3に示す。
〔実施例13〕
20質量%の含水率のエタノールを用いる代わりに、1質量%の含水率のエタノールを用いて90:10の比で添加した以外は実施例6と同様にして実施例13に係るエタノール含有ガソリン燃料を得た。結果を表3に示す。
水分含有量:JIS K 2275「原油及び石油製品−水分試験方法」のカールフィッシャー式電量滴定法により測定した。測定は3回行い、平均値を結果とした。
エタノール濃度:JIS K 2536−2「石油製品―成分試験方法 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方」により測定した。
表3及び4より、実施例1〜5に係るガソリン組成物を用いたエタノール含有ガソリン燃料は、エタノール濃度が3.5容量%以上、かつ水分含有量が低い(0.25質量%以下)ことが分かる。

Claims (6)

  1. 芳香族分を10.0〜45.0容量%、炭素数9の芳香族分を5.0〜30.0容量%、および炭素数8のイソパラフィン分を5.0〜40.0容量%含み、
    表面張力が17.0〜19.8mN/m、15℃における密度が0.70〜0.77g/cm、および蒸気圧が50〜90kPa
    であることを特徴とするガソリン組成物。
  2. 前記炭素数8のイソパラフィン分として、2,2,4−トリメチルペンタンが2.0〜35.0容量%含まれる請求項1記載のガソリン組成物。
  3. 前記炭素数9の芳香族分として、1,2,4−トリメチルベンゼンが1.0〜25.0容量%含まれる請求項1または2記載のガソリン組成物。
  4. 前記芳香族分として、トルエンが2.0〜15.0容量%含まれる請求項1ないし3いずれか記載のガソリン組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載のガソリン組成物に、水分含有量が0.05質量%以上の含水エタノールを混合し、ガソリン相中のエタノール濃度を3.5容量%以上、水分含有量を0.25質量%以下としたことを特徴とするエタノール含有ガソリン燃料。
  6. 請求項1ないし4いずれか記載のガソリン組成物に、水分含有量が0.05質量%以上の含水エタノールを混合することを特徴とするエタノール含有ガソリン燃料の製造方法。

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