JP5068567B2 - 無鉛ガソリン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、直噴ガソリンエンジン搭載車輌用燃料であって、更に詳しくは、含酸素基材を配合しつつも、運転性に優れ、PM(粒子状物質)の排出を抑制した無鉛ガソリン組成物に関するものである。
近年、地球温暖化防止のため、二酸化炭素排出量の削減が叫ばれており、ガソリン自動車に対しては燃費を向上させることが求められている。
このような要求に対し、ガソリン自動車の燃費を向上させるとともに、エンジン出力(運転性)の向上を両立させる方法として、筒内直接噴射式ガソリンエンジンが注目されている。
従来のガソリンエンジンは、吸気ポート内にガソリンを噴射し、ガソリンと空気の均一予混合気を形成していた。
一方、筒内直接噴射式ガソリンエンジンは、ガソリンを直接燃焼室内に噴射するため、燃焼室全体では希薄な成層混合気形成が可能になり、燃費を改善することが可能となる(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、筒内直接噴射式ガソリンエンジンでは、燃焼室内に直接ガソリンを噴射するため、従来のガソリンエンジンとは異なる新たな問題が発生する可能性がある。その一つに、成層燃焼時に燃料が過濃な領域から発生するPM(粒子状物質)の問題がある(例えば、非特許文献2参照)。このPMは、健康面への影響が懸念されている。
一般に、PM排出量は、ガソリンの芳香族分が多くなる程増加することが知られており(例えば、非特許文献3参照)、PM排出量を低減するにはガソリンの芳香族分含有量を低下させることが要求される。しかしながら、芳香族分はオクタン価が高いため、その配合量を低下させるとオクタン価が低下してしまう問題点がある。
一方、環境保全の観点から、二酸化炭素排出量抑制のために、エタノールなどのバイオマス由来の含酸素基材の導入も検討されている。これらの含酸素基材を燃料に用いた場合、大気中から二酸化炭素を吸収してできた植物を原料としていることから、燃焼させても、大気中への二酸化炭素排出は少ないとみなされている。また、これらの含酸素基材はオクタン価が高いため、芳香族系基材と置き換えた場合、直噴ガソリンエンジン車輌用燃料として、PM抑制に効果があると考えられる。しかしながら、例えば、含酸素基材の一種であるエタノールをガソリンに配合すると、蒸留性状が著しく軽質化してしまうため、運転性への影響が懸念される(例えば、非特許文献4参照)。そして、その対策として、例えば、加速性に影響があると言われている50容量%留出温度を適正化するために、含酸素基材以外のガソリン留分を重質化する方法が検討された。しかしながら、この方法では、蒸留性状が歪化し、期待されたほどPM抑制効果が得られなかった。
甲田 豊、Engintechnology、2004年、vol.6、No.3、p.60−65 後藤 雄一 他3名、自動車技術会 学術講演会前刷集、2004年、No.93−04、p.23−26 平成17年度 将来のゼロエミッションを目指した自動車技術に対応する自動車技術に対応する燃料技術の研究開発報告書、財団法人 石油産業活性化センター、平成18年3月、p.9−23 ANTONIO F.LOPEZ 他3名、Latin American Research、1990年、20、p.183−187
本発明は、このような状況下、二酸化炭素排出量削減のために含酸素基材を配合しつつも、運転性に優れ、更には直噴エンジン搭載車輌からのPM排出を十分に抑制し得る無鉛ガソリン組成物を提供することを目的としたものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、無鉛ガソリン組成物の密度、動粘度、芳香族分含有量が特定の範囲にあれば、PM排出量を抑制でき、更に運転性も改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、下記の無鉛ガソリン組成物を提供するものである。
(1)15℃における密度が0.672〜0.770g/cm 、15℃における動粘度が0.390〜0.735mm /sである接触分解ガソリンを10〜70容量%、
15℃における密度が0.750〜0.885g/cm 、15℃における動粘度が0.560〜1.000mm /sである接触改質ガソリンを2〜50容量%含有し、
以下の性状を満たす無鉛ガソリン組成物。
1)15℃における密度が0.739〜0.742g/cm
2)15℃における動粘度が0.561〜0.606mm/s
3)芳香族分含有量が23.2〜27.9容量%
4)リサーチ法オクタン価(RON)が89〜105
5)モーター法オクタン価(MON) が79〜92
6)50容量%留出温度(T50)が75〜110℃
7)90容量%留出温度(T90)が144〜161.5℃
8)70℃留出量(E70)が18〜40容量%
9)リード蒸気圧(RVP)が45〜93kPa
10)オレフィン分含有量が28容量%以下
11)ベンゼン含有量が1容量%以下
12)硫黄分含有量が10質量ppm以下
13)酸素含有量が2.4〜5.50質量%
本発明の無鉛ガソリン組成物は、動粘度と密度を規定することで、エンジン内部での混合気形成を容易にし、更に芳香族分含有量を規定することによって、直噴エンジン搭載車輌の運転性を向上させると共にPM排出量を抑制できるようにしたものである。
本発明の無鉛ガソリン組成物は、15℃における密度が0.710〜0.783g/cm、好ましくは0.725〜0.760g/cm、15℃における動粘度が0.500〜0.640mm/s、好ましくは0.530〜0.620mm/s、30℃における動粘度が0.450〜0.550mm/s、好ましくは0.480〜0.535mm/s、芳香族分含有量が40容量%以下、好ましくは10〜40容量%である。
動粘度と密度が上記範囲内であれば、適度な気化性を有し、エンジン内部のプラグ付近での空気とガソリンの混合気形成が容易になり、未燃成分やPMの発生が抑制されると共に、発熱量の低下による燃費への悪影響の懸念が無い。なお、この動粘度及び密度は、それぞれJIS K 2283、JIS K2249に準拠して測定した値であり、動粘度の測定温度は、低温のほうがガソリン組成物に含有する低沸点成分の蒸発を防ぐことができるため好ましい。
また、芳香族分含有量が40容量%以下であれば、ガソリンが軽質化することなく直噴エンジン搭載車両の運転性を向上すると共に、PM前駆体の生成が減少し、PMの発生を抑制できる。なお、この芳香族分は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛ガソリン組成物は、50%留出温度(T50)が75〜110℃、好ましくは75〜105℃であり、70℃留出量(E70)が18〜40容量%、好ましくは20〜40容量%である。T50、E70が上記範囲内であれば、運転性、加速性に不具合が生じることを防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
さらに本発明の無鉛ガソリン組成物は、90%留出温度(T90)が100〜180℃であることが好ましく、110〜170℃であることが更に好ましい。T90が100〜180℃の範囲であれば、適度な揮発性を有し、未燃成分やPMの発生を抑制でき好ましい。なお、この蒸留性状はJIS K 2254に準拠し測定した値である。
本発明の無鉛ガソリン組成物は、オレフィン分含有量が28容量%以下、好ましくは5〜27容量%である。このオレフィン分含有量が28容量%以内であれば、酸化安定性の低下を防ぐことができる。なお、このオレフィン分は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛ガソリン組成物は、ベンゼン含有量が1容量%以下、好ましくは0.8容量%以下である。このベンゼン含有量が1容量%以内であれば、大気中のベンゼン濃度の増加を防止し、環境汚染を低減できる。なお、このベンゼン含有量は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛ガソリン組成物は、硫黄分含有量が10質量ppm以下、好ましくは8質量ppm以下である。この硫黄分含有量が10質量ppm以内であれば、排出ガス浄化触媒の能力低下を防止し、排出ガス中のNOx、CO、THCの濃度上昇を防止できる。なお、この硫黄分含有量は、JIS K 2541に準拠して測定した値である。
本発明のガソリン組成物の酸素含有量は、酸素元素換算で0.15〜5.50質量%、好ましくは0.30〜5.30質量%である。この酸素含有量が上記範囲内であれば、発熱量の低下による燃費への悪影響の懸念がなく、排出ガス中のCO、THC等の低減を図ることができる。なお、この酸素含有量は、石油学会JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明のガソリン組成物の酸素含有量を上記範囲内とするために含有させる含酸素基材としては、エタノール、エチルターシャリーブチルエーテルなどが挙げられる。また、本発明のガソリン組成物において含酸素基材を配合すれば、ガソリン組成物のオクタン価を向上させることができる。さらに、配合する含酸素基材をバイオマス由来のものとすれば、二酸化炭素排出量削減もなし得て、環境保全の観点から好ましい。
本発明の無鉛ガソリン組成物のリサーチ法オクタン価(RON)は、89〜105、好ましくは89〜103である。このRONを89以上とすることにより、高い運転性を維持することが可能となり、RONを105以下とすることにより、芳香族系の高オクタン価基材の配合量が抑えられ、PM排出量の増加、清浄性の低下を防ぐことができる。なお、このRONは、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛ガソリン組成物のモーター法オクタン価(MON)は79〜92、好ましくは79〜90である。MONが79以上であれば、高速走行時のアンチノック性の低下を防止することができ好ましい。このMONは、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛ガソリン組成物のリード蒸気圧(RVP)は、45〜93kPa、好ましくは50〜90kPaである。RVPを93kPa以下にすることにより、蒸発ガスの量を少なくすることができ、45kPa以上とすることにより、低温始動性、暖気性の低下を防ぐことができる。なお、このリード蒸気圧(RVP)は、JIS K 2258に準拠して測定した値である。
<製造方法>
本発明の無鉛ガソリン組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、任意の方法で良いが、例えば所定の性状の接触分解ガソリンや接触改質ガソリンを混合する方法が挙げられる。
(接触分解ガソリン)
本発明の無鉛ガソリン組成物の製造に用いることができる接触分解ガソリンの性状としては、15℃における密度が0.640〜0.780g/cm、好ましくは0.640〜0.770g/cm、15℃における動粘度が0.380〜0.740mm/s、好ましくは0.390〜0.735mm/s、30℃における動粘度が0.360〜0.625mm/s、好ましくは0.370〜0.620mm/s、オクタン価が88〜97であることが好ましい。また、配合量は10〜70容量%であることが好ましい。接触分解ガソリンは、ガソリン組成物を形成する主要な基材であって、その密度、動粘度を調整することでガソリン組成物の性状を制御することができる。本発明の無鉛ガソリン組成物に配合される接触分解ガソリンの15℃における密度が0.640〜0.780g/cmであれば、本発明の無鉛ガソリン組成物の軽質化及び蒸留性状の歪化を抑制できて好ましく、15℃における動粘度が0.380〜0.740mm/s、30℃における動粘度が0.360〜0.625mm/sであれば、本発明の無鉛ガソリン組成物の動粘度を最適化できて好ましい。また、接触分解ガソリンのオクタン価が88〜97であれば、本発明の無鉛ガソリン組成物のオクタン価を高くできて好ましい。
上記接触分解ガソリンは、灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法により、固体酸触媒で分解して得られる沸点範囲30〜215℃の留分である。流動接触分解法としては、UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等が挙げられる。固体酸触媒としては、例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等が挙げられる。
これを更に蒸留して沸点30〜100℃の軽質留分(軽質接触分解ガソリン)のみを使用することもできる。なお、このとき、接触分解ガソリンに含有する高粘度物質が含まれないよう流動接触分解装置の蒸留塔における蒸留カット温度を調整することで、上記蒸留性状の接触分解ガソリンを得ることができる。
(接触改質ガソリン)
また、本発明の無鉛ガソリン組成物は、接触改質ガソリンからベンゼン留分を取り除いたガソリン基材を2〜50容量%配合することによっても好適に製造することができる。接触改質ガソリンもガソリン組成物を形成する主要な基材の一つであり、その密度、動粘度を調整することでガソリン組成物の性状を制御することができる。
上記ガソリン基材の各性状は、15℃における密度が0.740〜0.890g/cm、好ましくは0.750〜0.885g/cm、15℃における動粘度が0.540〜1.050mm/s、好ましくは0.560〜1.000mm/s、30℃における動粘度が0.480〜0.890mm/s、好ましくは0.500〜0.880mm/s、オクタン価が93以上であることが好ましい。15℃における密度が0.740〜0.890g/cmであれば、本発明の無鉛ガソリン組成物の軽質化及び蒸留性状の歪化を抑制できて好ましく、15℃における動粘度が0.540〜1.050mm/s、30℃における動粘度が0.480〜0.890mm/sであれば、本発明の無鉛ガソリン組成物の動粘度を最適化できて好ましい。また、オクタン価が93以上であれば、本発明の無鉛ガソリン組成物のオクタン価を高くできて好ましい。
上記接触改質ガソリンからベンゼン留分を取り除いたガソリン基材としては、下記のような各種基材が挙げられる。
まず、重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中にて高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して接触改質ガソリンを得る。
(a)上記接触改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留により取り除いた留分である脱ベンゼン接触改質ガソリン。
(b)上記接触改質ガソリンを蒸留によって軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた際の軽質留分である脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン。
(c)上記接触改質ガソリンを蒸留によって軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた際の重質留分である脱ベンゼン重質接触改質ガソリン。
(d)上記(a)〜(c)の各基材を、更に蒸留、抽出などによってトルエン、キシレン、あるいは炭素数9以上の芳香族を主体とする成分等に分別して、適宜基材として使用することもできる。
(その他の留分)
上記接触分解ガソリンや接触改質ガソリンは、得られる無鉛ガソリン組成物の15℃動粘度に大きな影響を与えるガソリン基材であって、本発明の無鉛ガソリン組成物の製造は、上記のように、かかる接触分解ガソリンや接触改質ガソリンの性状を調整して、それらを主要ガソリン基材として用いることによって好適に行うことができる。また、本発明の無鉛ガソリン組成物の製造には、もちろん上記接触分解ガソリンや接触改質ガソリン以外のその他のガソリン基材も適宜用いることができる。このその他のガソリン基材として、例えば、下記のような各種留分が挙げられる。
(e)原油を常圧蒸留した直留ナフサを脱硫処理して得られた脱硫直留ナフサを蒸留により、軽質留分と重質留分に分けた内の軽質留分である脱硫軽質ナフサ。
(f)イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるアルキレート。
(g)原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、あるいは分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分。
(h)直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、あるいはアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン等。
本発明の無鉛ガソリン組成物は、上記接触分解ガソリンや接触改質ガソリン、これら以外の上記の如き各種留分を、その性状等に応じて配合量を適宜選択して、上記本発明に規定する各性状を満たすように、適宜配合することによって製造することができる。
本発明の無鉛ガソリン組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、長鎖脂肪族エステル・アミン等の摩擦調整剤、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種または数種組み合わせて添加することができる。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1、4、参考例1、2、比較例1〜5
接触分解装置、接触改質装置又は常圧蒸留装置から生成するC4留分(ブタン、ブテン類)、表2に示す性状のガソリン基材(接触分解ガソリン1〜4、脱ベンゼン接触改質ガソリン、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン1、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン2、脱硫軽質ナフサ、アルキレート)、及び含酸素基材(エタノール(EtOH)、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE))を表3、表4に示す配合比率で配合することにより、表3、表4に示す性状のガソリン組成物(燃料)を得た。得られたガソリン組成物について以下に述べる各種性能評価試験を行った。
なお、表中の15℃における密度はJIS K 2249、芳香族分含有量、オレフィン分含有量及びベンゼン含有量は石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマト法)により測定した。動粘度はJIS K 2283により測定した。また、酸素含有量は石油学会JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)により測定した。
(運転性評価)
デメリット評点を用いた運転性評価を、排気量2L、直接噴射方式(SIDI)、オートマチックトランスミッション(AT)の車輌を用いて行った。車輌をシャシーダイナモ上に設置し、温度20±3℃、湿度50±5%の条件下で10時間ソークした後、エンジンを始動した。エンジン始動後、アクセル開度50%の条件で、0−40km/hの加速を冷機条件から20回繰り返した。
運転性評価については、石油学会“2005年度運転性調査結果報告書”に記載の方法に準拠し、アイドリング期間中や加速中に発生した不具合について、以下に記す不具合の係数とデメリット評点の積の総和として求め、その現象の程度から運転性の優劣を決定した。
不具合の係数:デメリット現象とその係数を表1に示す。
Figure 0005068567
デメリット評点:デメリット現象の程度をテストドライバーでないと判別できない場合をデメリット評点1、平均的なドライバーが判別できる程度をデメリット評点2、どのドライバーでも指摘する程度をデメリット評点4とした。
評価結果を、不具合が全く発生せずデメリット点数が0の場合を◎、デメリット点数が1〜20の場合を△、デメリット点数が21以上の場合を×として表3、4に示した。
(PM粒子測定)
排気量2L、直接噴射方式(SIDI)、オートマチックトランスミッション(AT)の車輌を用いて行った。試験は国土交通省によるガソリン自動車10・15モード排出ガス測定の技術基準に準拠して実施した。PMは排気管に設置した回転ディスク型の小型希釈器で排気ガスを採取し、空気と混合・希釈した後、希釈排ガスを凝縮粒子カウンタに導入することで粒子個数濃度を計測した。また、排気流量計を用いて排ガス流量の測定を行った。なお、用いた小型希釈器と排気流量計は次のとおりである。
小型希釈器
希釈方式:回転ディスク型
希釈空気温度:120℃
希釈比:2000
排気流量計
計測方式:アニューバー式
計測されたPM粒子個数濃度及び希釈倍率、更に排ガス流量、10・15モード走行距離から、10・15モードで1kmあたりに排出されるPM排出個数を求めた。その結果を表3、4に示した。
Figure 0005068567
Figure 0005068567

Figure 0005068567
以上の結果から、本発明の無鉛ガソリン組成物は、二酸化炭素排出量削減のために含酸素基材を配合しつつも、運転性に優れ、更にはPM排出を十分に抑制できるものであることは明らかである。

Claims (1)

  1. 15℃における密度が0.672〜0.770g/cm 、15℃における動粘度が0.390〜0.735mm /sである接触分解ガソリンを10〜70容量%、
    15℃における密度が0.750〜0.885g/cm 、15℃における動粘度が0.560〜1.000mm /sである接触改質ガソリンを2〜50容量%含有し、
    以下の性状を満たす無鉛ガソリン組成物。
    1)15℃における密度が0.739〜0.742g/cm
    2)15℃における動粘度が0.561〜0.606mm/s
    3)芳香族分含有量が23.2〜27.9容量%
    4)リサーチ法オクタン価(RON)が89〜105
    5)モーター法オクタン価(MON) が79〜92
    6)50容量%留出温度(T50)が75〜110℃
    7)90容量%留出温度(T90)が144〜161.5℃
    8)70℃留出量(E70)が18〜40容量%
    9)リード蒸気圧(RVP)が45〜93kPa
    10)オレフィン分含有量が28容量%以下
    11)ベンゼン含有量が1容量%以下
    12)硫黄分含有量が10質量ppm以下
    13)酸素含有量が2.4〜5.50質量%
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