JP5367147B2 - 無鉛高オクタン価ガソリン - Google Patents

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Description

本発明は、無鉛高オクタン価ガソリンに関し、更に詳しくは、燃焼室内部や吸気弁などエンジン内の清浄性に優れ、排出ガス中のCO、NOxの低減もできる優れた性能の無鉛高オクタン価ガソリンを提供することを目的とするものである。
近年、環境改善の観点から、自動車から排出される排出ガスの低減や燃費の向上によるCOの削減が求められている。排出ガスの低減のために、自動車に排気ガス浄化触媒システムが設置されたり、また燃費向上のために、直接噴射式ガソリンエンジンが開発されるなど、自動車技術による対応が進んでいる。一方、燃料品質も排出ガスの低減や燃費向上に寄与できる。例えば、燃料の硫黄分を低減することは、排ガス浄化触媒システムの長寿命化につながり、排出ガス低減に有効であることが知られている。また、蒸気圧を低下させたり、蒸留性状を最適化することは蒸発ガスの低減に寄与できることも知られている。また、燃料油の改善によりエンジン内部を清浄に保つことも排出ガス低減に有効と考えられている。具体的には吸気弁デポジット[IVD(Inlet Valve Deposit)]、燃焼室内部デポジット[CCD(Combustion Chamber Deposit)]、燃料噴射ノズル部のデポジット[Inj.D (Injector Deposit)]を抑制することが有効と考えられている。
一般に無鉛ガソリンの製造に当たって高オクタン価基材として用いられる改質ガソリンには、芳香族成分が多く含まれるが、芳香族成分が多く含まれるとIVDが増加する傾向を示すことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。一般的に、このIVDを減じるためにポリエーテルアミンやポリイソブテン等の清浄剤が添加されるが、清浄剤を加えるとCCDが増加する傾向がある。そこで、ガソリンエンジンのIVD及びCCDの両方を抑制する燃料として、芳香族含有量とガソリンの蒸留性状を規定したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、芳香族分のうちC11以上の芳香族炭化水素の含有量とIVDやCCDとの相関が見出され、C11以上の炭化水素含有量から計算される指数を制御することでIVDとCCDを抑制できることが提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−204383号公報 特開2000−44969号公報
SAE Paper,Society of Automotive Engineers 922217
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ガソリンの蒸留性状を軽質にするために重質な留分の配合量を少なくしていることから、ガソリン得率が低下してしまうという課題がある。また、特許文献2に記載の技術では、C11以上の芳香族炭化水素には高オクタン価成分が含まれることから、この含有量を抑制することはガソリン生産上のデメリットも生じる。さらに、C11以上の芳香族炭化水素含有量を抑制する手段としては、それよりも軽質な部分から蒸留操作によりカットすることが現実的であるが、それによるガソリン得率も低下してしまう。さらに、ガソリンの重質留分が低くなりすぎる場合もあり、これは近年市場占有率が高くなってきている直接噴射式ガソリンエンジンにおける噴射ノズルに堆積するデポジットの洗い流し効果が期待できなくなる場合があるなどいくつかの課題がある。
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑み、上記ガソリン中の芳香族炭化水素の含有量を制御する従来技術におけるよりも高オクタン価基材として重質な留分を用い、ガソリンの軽質化や、ガソリン得率の低下を招くことなく、ガソリンエンジンのIVD、CCD及びInj.Dをあわせて抑制できる無鉛高オクタン価ガソリンを提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ガソリンの性状をある特定の範囲に制御する中で、特に、ガソリン中の3環以上の多環芳香族分含有量を一定量以下とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の無鉛高オクタン価ガソリンを提供するものである。
(1)接触改質ガソリンから分留した沸点75℃以下の留分、
接触改質ガソリンから分留したトルエン留分、及び
接触改質ガソリンから分留した炭素数9〜12の芳香族炭化水素を含む留分、から選ばれる少なくとも1種を含む沸点25〜190℃の接触改質ガソリンを含み、
以下の性状を満足することを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。
1)リサーチ法オクタン価が95〜105、
2)モーター法オクタン価が83〜92、
3)硫黄分含有量が10質量ppm以下、
4)90容量%留出温度が130〜180℃、
5)130℃残油量が10〜35容量%、
6)3環以上の多環芳香族分量が100質量ppm以下、
7)清浄剤を10〜500容量ppmの範囲で含有、
8)エチルターシャリーブチルエーテルを1〜25容量%の範囲で含有。
(2)さらに以下の性状を満足することを特徴とする上記(1)に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
1)リード蒸気圧が45〜93kPa、
2)50容量%留出温度が75〜110℃、
3)70℃留出量が18〜40容量%、
4)芳香族分含有量が40容量%以下、
5)オレフィン分含有量が25容量%以下、
6)ベンゼン含有量が1容量%以下。
(3)3環以上の多環芳香族分を蒸留装置により脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンが配合されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンによれば、ガソリンの軽質化やガソリン得率の低下を招くことなく、エンジン内の燃焼室内部、吸気弁及び噴射ノズルへのデポジット生成を同時に抑制し、エンジン内の清浄性を向上できる。さらに、排出ガス中に含まれるCO、NOxといった有害成分量の一層の低減が可能となり、大気環境の保全も図れる。
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、リサーチ法オクタン価(RON)が、95〜105、好ましくは98〜103、モーター法オクタン価(MON)が、83〜92、好ましくは86〜90である。リサーチ法オクタン価が95〜105ならば、いわゆるプレミアム級の高オクタン価ガソリンとして高い運転性能を維持することが可能となり、モーター法オクタン価が83〜92であれば高速走行時のアンチノック性の低下を防止することができる。なお、このリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価は、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの硫黄分含有量は、10質量ppm以下、好ましくは8質量ppm以下である。この硫黄分含有量が10質量ppm以下であれば、排出ガス浄化触媒の能力低下を防止し、排出ガス中のNOx、CO、THCの濃度上昇を防止できる可能性がある。なお、この硫黄分含有量は、JIS K 2541に準拠して測定した値である。
また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、90容量%留出温度(T90)が130〜180℃、好ましくは130〜170℃である。この留出温度が上記範囲内であれば、運転性、加速性、噴射ノズル清浄性に不具合が生じる場合を防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、130℃残油量(R130)が10〜35容量%、好ましくは10〜30容量%である。この残油量が上記範囲内であれば、運転性、加速性、噴射ノズル清浄性に不具合が生じる場合を防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの3環以上の多環芳香族分量は、100質量ppm以下であり、好ましくは90質量ppm以下である。本発明において、3環以上の多環芳香族分量を100質量ppm以下とすることは、所期の目的を達成する上で肝要である。3環以上の多環芳香族量が100質量ppm以下であれば、吸気弁へのデポジット、燃焼室へのデポジット、燃料噴射ノズルへのデポジットの生成を抑制でき、排気ガス中の有害成分の増加も抑制できる。また、オクタン価の高いC11、12程度の芳香族炭化水素が基材中に残るため、オクタン価の低減を防ぐことが可能となる。この3環以上の多環芳香族分含有量は、以下に示すガスクロマトグラフ法により定量を行った値であり、定量法は3環以上の多環芳香族について以下の標準試料による絶対検量線法とした。すなわち、3環芳香族としてはアントラセン、4環芳香族としてはピレン、5環芳香族としてはペリレン、6環芳香族としてはベンゾ(g、h、i)ペリレン、7環芳香族としてはコロネンを標準試料として検量線を作成し、例えば、3環芳香族分はアントラセンからピレンまでを3環芳香族分とみなしアントラセンの検量線に3環総ピーク面積を代入し含有量を算出した。4環、5環、6環芳香族分も同様に算出し7環以上についてはコロネン以上の総ピーク面積をコロネンの検量線から算出した。また、ガスクロマトグラフの条件としては、カラムには長さ30m、内径0.25mmであるジメチルシリコンのキャピラリーカラムを用い、検出器は水素イオン化検出器(FID)、キャリアガスは流量1.3ml/minのヘリウム、スプリットレス注入、注入口温度300℃、検出器温度350℃の条件において、カラム温度を初期温度50℃より終期温度350℃まで昇温させて測定した。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、ポリエーテルアミン、ポリアルキルアミン、ポリイソブテンアミン、コハク酸イミド等の清浄剤を添加する。添加量は10〜50容量ppm、好ましくは50〜200容量ppmである。添加量が10容量ppm以上ならばIVDの増加を防ぐことができ、500容量ppm以内ならばCCDの増加を防ぐことができる。要するに、清浄剤を上記一定量添加すれば、本発明における3環以上の多環芳香族分量を100質量ppm以下とすることのCCD、IVD、Inj.Dの抑制効果と相俟って、CCD、IVD、Inj.Dの生成をより一層効果的に抑制することができる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を1〜25容量%の範囲で含有し、好ましくは1〜20容量%の範囲で含有する。ETBEの含有量が1容量%以上であればIVDとCCDの同時低減が可能であり、ETBEの含有量が25容量%以下であれば、経済的な燃料処方が可能となる。ETBEとしては、Chevron Phillips Chemical Company製などの市販品を適宜用いることができる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのリード蒸気圧(RVP)は、好ましくは45〜93kPaであり、さらに好ましくは60〜93kPaである。リード蒸気圧を93kPa以下にすることによって蒸発ガスの量を少なくすることができ、45kPa以上とすることで低温始動性、暖機性の低下を防ぐことができる。なお、このリード蒸気圧は、JIS K 2258に準拠して測定した値である。
また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、50容量%留出温度(T50)が、好ましくは75〜110℃であり、さらに好ましくは85〜100℃である。また、70℃留出量(E70)が、好ましくは18〜40容量%、さらに好ましくは20〜40容量%である。上記T50及びE70が上記範囲内であれば、始動性、運転性、加速性に不具合が生じる場合を防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの芳香族分含有量は、好ましくは40容量%以下であり、さらに好ましくは5〜40容量%である。この芳香族分含有量が40容量%以内であれば、排出ガス中の有害成分の増加を防ぐことができる。なお、この芳香族分含有量は、石油学会法 JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのオレフィン分含有量は、好ましくは25容量%以下であり、さらに好ましくは5〜25容量%である。このオレフィン分含有量が25容量%以内であれば、酸化安定性の低下を防ぐことができる。なお、オレフィン分含有量は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのベンゼン含有量は、好ましくは1容量%以下であり、さらに好ましくは0.8容量%以下である。このベンゼン含有量が1容量%以内であれば、大気中のベンゼン濃度の増加を防止し、環境汚染を低減できる可能性がある。なお、このベンゼン含有量は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、更に必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、長鎖アルキルアミン、アミド、イミド及びその誘導体等の摩擦調整剤(FM)、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種又は数種組み合せて添加することができる。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの調製方法は、種々のガソリン基材を用いることができて特に制限されないが、接触改質ガソリンから脱ベンゼン処理及び/あるいは脱キシレン処理された接触改質ガソリンを、さらに脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンを使用することが好ましい。脱ベンゼン処理して得られた接触改質ガソリンとは、接触改質ガソリンから蒸留操作によりベンゼン留分を取り除くことで得られる接触改質ガソリンである。また、脱キシレン処理して得られた接触改質ガソリンとは、接触改質ガソリンから蒸留操作によりキシレン留分を取り除くことで得られる接触改質ガソリンである。この様に処理して得られた接触改質ガソリンを更に脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンとは、3環以上の多環芳香族分が蒸留により取り除かれた接触改質ガソリンである。また、脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンの、3環以上の多環芳香族分の含有量は、得られるガソリンの3環以上の多環芳香族分量を100質量ppm以下にすることができる量以下であることが好ましく、当該接触改質ガソリンのガソリンへの配合割合にもよるが、一般に200質量ppm以下が好ましい。また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンに配合される接触改質ガソリンとしては、例えば、接触改質ガソリンを、沸点75℃以下の軽質接触改質ガソリンと、沸点75〜85℃のベンゼン留分と、沸点85℃以上の重質接触改質ガソリンに蒸留装置により分留し、得られた重質接触改質ガソリンを、さらに、沸点135℃以下のトルエン留分と、沸点135〜145℃のキシレン留分と、沸点145℃以上の重質アロマ留分に蒸留装置により分留し、得られた重質アロマ留分を、なおさらに、3環以上の多環芳香族分を190℃で蒸留カットして得られた沸点145〜190℃のBC9留分(炭素数9〜12程度の芳香族炭化水素を主成分とする留分)と、沸点190℃以上の3環以上の多環芳香族留分に蒸留装置により分留し、上記留分の内、軽質接触改質ガソリン、トルエン留分、BC9留分などを配合することが好ましい。例えば、軽質接触改質ガソリン、トルエン留分、BC9留分を配合した接触改質ガソリンの沸点は25〜190℃であり、本発明の無鉛高オクタン価ガソリン中における配合量は30〜50容量%であることが好ましい。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの調製には、基材として、上記ETBEが用いられ、上記接触改質ガソリンを脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンが好ましく用いられるが、その他、一般に次の各種留分を適宜用いて調製することができる。すなわち;
(a)灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)で分解して得られた接触分解ガソリンを蒸留して得られる軽質接触分解ガソリン。
(b)イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるアルキレート。
(c)原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、あるいは分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分。
(d)直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、又はアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン。
上記のような各種留分を適宜選択して用いて本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造する具体例として次の例が挙げられる。すなわち;ETBEを15容量%、トルエン留分を23容量%、BC9留分を20容量%、アルキレートを15容量%、軽質接触分解ガソリンを22容量%、C4留分を5容量%配合し、それにポリイソブテンアミンを主成分とする清浄剤を150容量ppm添加して製造できる。
ここで、用いたトルエン留分、BC9留分は、接触改質ガソリンを脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンとみることができる。
また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、必要に応じて、ETBE以外の含酸素化合物であるエタノール、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、ターシャリーアミルエチルエーテル(TAEE)、あるいはターシャリーブチルアルコール(TBA)を配合することも可能である。
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例、比較例
表1に示したガソリン基材とETBEを用い、表2に示す割合で混合して、表2に示した性状を有する無鉛高オクタン価ガソリンを製造した。
Figure 0005367147
表1中、Aは、接触改質装置から得られる接触改質ガソリンから分留したトルエン留分、Bは同じくキシレン留分、Cは同じくBC9留分、Dは分留による脱ベンゼン処理および脱多環芳香族処理を施した重質接触改質ガソリン、Eは接触改質装置から得られた3環以上の多環芳香族を多量に含有する重質接触改質ガソリン、FはC4留分、Gは軽質接触分解ガソリン、Hはアルキレート、Iは重質接触分解ガソリンである。
Figure 0005367147
表1および2中の密度はJIS K 2249により、芳香族分、オレフィン分及びベンゼンの含有量は石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)により、硫黄分(Sulfur)の含有量は、JIS K 2541により、3環以上多環芳香族分はガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)により、それぞれ得られた値である。また、清浄剤としてはポリイソブテンアミン系の清浄剤を用いた。
得られた無鉛高オクタン価ガソリンについて吸気弁デポジット(IVD)試験、燃焼室内部デポジット(CCD)試験およびインジェクターデポジット(InjD)試験を以下のように実施した。
すなわち、排気量2.5L、マルチポイントインジェクション(MPI)方式の車両を、シャシーダイナモにおいて、60−100km/hの加減速×1,500サイクルにより8,000km走行した。その後、以下の方法で評価を実施した。結果を表3に示す。
〔IVD評価〕
運転前後の吸気弁重量を秤量することにより得られる、吸気弁に付着したデポジット(IVD重量)及びIVD評点(Rating:CRC No.16)により評価した。なお、このRating値は、数値が大きい方が、IVD量が少ないことを示す。
〔CCD評価〕
8000km走行後、シリンダーヘッド及びピストントップに付着したデポジット(CCD)を採取、秤量することによって行った。
〔InjD評価〕
運転後、インジェクターを取り外し、デポジット析出レベルを1〜10点の間で整数評価した。なお、点数が高いほうがInjD量が少ないことを示す。
Figure 0005367147
実施例で具体的に示すように、本発明のガソリンでは、吸気弁デポジット、燃焼室デポジットおよびインジェクターデポジットのいずれもが低減された。したがって本発明のガソリンは、エンジン内部の清浄性に優れ、大気環境の保全が図れるものであることが分かった。

Claims (3)

  1. 接触改質ガソリンから分留した沸点75℃以下の留分、
    接触改質ガソリンから分留したトルエン留分、及び
    接触改質ガソリンから分留した炭素数9〜12の芳香族炭化水素を含む留分、から選ばれる少なくとも1種を含む沸点25〜190℃の接触改質ガソリンを含み、
    以下の性状を満足することを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。
    1)リサーチ法オクタン価が95〜105、
    2)モーター法オクタン価が83〜92、
    3)硫黄分含有量が10質量ppm以下、
    4)90容量%留出温度が130〜180℃、
    5)130℃残油量が10〜35容量%、
    6)3環以上の多環芳香族分量が100質量ppm以下、
    7)清浄剤を10〜500容量ppmの範囲で含有、
    8)エチルターシャリーブチルエーテルを1〜25容量%の範囲で含有。
  2. さらに以下の性状を満足することを特徴とする請求項1に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
    1)リード蒸気圧が45〜93kPa、
    2)50容量%留出温度が75〜110℃、
    3)70℃留出量が18〜40容量%、
    4)芳香族分含有量が40容量%以下、
    5)オレフィン分含有量が25容量%以下、
    6)ベンゼン含有量が1容量%以下。
  3. 3環以上の多環芳香族分を蒸留装置により脱多環芳香族処理して得られた接触改質ガソリンが配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
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