JP2015026438A - 冷間成形用電池ケース包材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明は、冷間成形性向上と、耐電解液性を改善し、冷間成形性が良好な電池ケース用包材を提供することを課題とする。【解決手段】外側から基材層、バリア層、または基材層、バリア層、バリア材補強層の順に少なくとも各1層以上積層されてなる冷間成形用電池ケース包材において、基材層および/またはバリア材補強層として、二軸延伸ポリアミドフイルムを用い、該基材層に特定のウレタン樹脂、スリップ剤、及び微粒子からなる混合剤を無延伸又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸した二軸延伸ポリアミドフイルムを用いることで前述の課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、および冷間成形性に優れた二軸延伸ポリアミドフイルムを含む冷間成形用包材、特にリチウムイオン二次電池等の電池用包材に関するものである。
従来、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、燃料電池等、または液体、固体セラミック、有機物等の誘電体を含む液体コンデンサ、固体コンデンサ、二重層コンデンサ等の電解型コンデンサ等の化学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する素子を含む種々の電池が、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星等に広く用いられている。これらの電池用外装材としては、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器化した金属製缶タイプ、あるいは、プラスチックフイルム、金属箔等をラミネートして得られる積層体タイプが用いられてきた。
しかしながら、電池用外装材のうち、金属製缶タイプにおいては、容器外壁がリジッドであるため、ハード側を電池の形状に合わせて設計する必要があり、形状の自由度が無くなるという問題があった。また、金属製缶タイプは容器自体が厚いため、長時間使用時など電池が発熱した場合に放熱しにくいという欠点もあった。一方、積層体タイプは、金属端子の取出し易さや密封のし易さ、あるいは柔軟性を有するため、電子機器や電子部品の適当な空間に合わせた形状とすることができ、電子機器や電子部品自体の形状をある程度自由に設計することができる。さらに、薄膜で放熱性にも優れているため、発熱による異常放電を防止することも可能である。よって、積層体タイプは金属製缶タイプに比べて小型化、軽量化を図りやすい、および安全性が高い等の利点から、電池用外装材として主流になりつつある。
積層体タイプの外装材を用いたリチウム電池の形態としては、包材を筒状に加工し、リチウム電池本体および正極および負極との各々に接続された金属端子を外側に突出した状態で収納し、開口部を熱接着して密封した袋タイプ(たとえば、特許文献1の図2参照)と包材を容器状に成形し、この容器内にリチウム電池本体および正極および負極との各々に接続された金属端子を外側に突出した状態で収納し、平板状の包材ないし容器状に成形した包材で被覆すると共に、四周縁を熱接着して密封した成形タイプ(たとえば、特許文献1の図3参照)が知られている。
そして、成形タイプは袋タイプに比べて、電池本体をタイト(ぴったりとした状態)に収納することができるため、体積エネルギー密度を向上させることができると共に、リチウム電池本体の収納がし易いなどの利点がある。さらに、成形タイプのうち、冷間(常温)成形法は、加熱成形法に比べて加熱による強度物性の低下や熱収縮の発生など成形加工時に包材自体の特性が変化する危険性が低く、さらに成形装置も安価で、簡便であるとともに生産性も高いことから、現在主流の成形方法となっている。
電池用外装材に要求される特性、機能としては、高度な防湿性、耐電解液性、冷間成形性、密封性、耐突刺し性、耐ピンホール性、絶縁性、耐熱性、耐寒性等が必要不可欠であり、特に防湿性、耐電解液性、冷間成形性は重要な要素となる。
(ここでいう耐電解液性とは、一般的にリチウムイオン電池(LIB)に使用されているプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートとジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートとの混合溶媒に対する耐溶剤性と電解質の劣化や加水分解により発生するフッ酸に対する耐性を併せ持つことを指す。)
積層体タイプの電池用外装材のうち、冷間成形タイプのラミネート構成としては、外側から基材層、バリア層、シーラント層、あるいは基材層、バリア層、バリア材補強層、シーラント層が一般的であるが、バリア層として主に用いられるアルミニウム箔は、成形時に生じる不均一変形により、ピンホールやクラックが生じ易いという欠点があった。その欠点を補うべく、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5では、基材層、および/またはバリア材補強層として機械的強度に優れた基材、例えば二軸延伸ポリアミドフイルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム、二軸延伸ポリプロピレンフイルム、および未延伸または延伸ポリブチレンテレフタレートフイルムを積層する方法が提案されている。また、冷間成形性以外の要求特性として重要な防湿性、および耐電解液性を付与するために、ポリエステル系フイルム、あるいはポリオレフィン系フイルムを基材層および/またはバリア材補強層として用いる方法が提案されている。
また、ポリアミドフイルムは吸湿により、滑り性が悪くなり、表基材として使用する際、湿度の影響により機械走行性・条件が変わり、湿度による影響が少ないポリアミドフイルムが望まれており、ポリアミドフイルムの滑り性を改善させるために、アクリル樹脂中に球状微粒子とスリップ剤を分散させたコート剤をポリアミドフイルムに塗工し、吸湿による滑り性の影響を少なくしたフイルムが提案されている。
特開2004−74419号公報 特許第3567230号公報 特開2004−327044号公報 特許第4372898号公報 特開2008−4506号公報 特許第5147543号公報
しかしながら、特許文献2、特許文献3で提案された基材層、および/またはバリア材補強層として異方性が少なく、かつ引張強度が高い二軸延伸ポリアミドフイルムを単独で用いる方法は、耐電解液性が低いことから、電解液の対する耐性の点でも問題があった。また、特許文献3で提案された二軸延伸ポリエステルフイルム、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフイルムを基材層、および/またはバリア材補強層として用いる方法は、防湿性、耐電解液性の点では優れているものの、樹脂の特性や製法上、二軸延伸ポリアミドフイルムと比べると冷間成形性が劣るという問題があった。また、特許文献2で提案された二軸延伸ポリアミドフイルムは二軸延伸ポリエステルフイルム、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフイルムと比較すると冷間成形性は向上するものの、さらなる冷間成形性向上が求められている。
また、ポリアミドフイルムに、アクリル樹脂中に球状微粒子とスリップ剤を分散させたコート剤を塗工したフイルムを電池用包材に用いる場合、アクリル樹脂の耐電解液性の点で問題があった。
本発明はポリアミドフイルムの冷間成形性向上と、耐電解液性を改善するものであり、冷間成形性が良好な電池ケース用包材を提供するものである。
本発明者らは、材層および/またはバリア材補強層として、二軸延伸ポリアミドフイルムを用い、該二軸延伸ポリアミドフイルムの上にウレタン樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び球状微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸し、二軸延伸後のコート面どうしの23℃×50%RH、23℃×90%RHにおける静摩擦係数、動摩擦係数ともに0.3〜0.6とすることで課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)外側から基材層、バリア層、または基材層、バリア層、バリア材補強層の順に少なくとも各1層以上積層されてなる冷間成形用電池ケース包材において、基材層および/またはバリア材補強層として、二軸延伸ポリアミドフイルムを用い、該基材層にウレタン樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸した二軸延伸ポリアミドフイルムを用いることを特徴とする電池ケース用包材、
(2)(1)の冷間成形用電池ケース包材において、基材層にウレタン樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸し、二軸延伸後のコート面どうしの23℃×50%RH、23℃×90%RHにおける静摩擦係数、動摩擦係数がともに0.3〜0.6である二軸延伸ポリアミドフイルムを用いることを特徴とする電池ケース用包材、
(3)スリップ剤が主剤100重量部に対して2.0〜15.0重量部、球状微粒子がウレタン樹脂100重量部に対して2.0〜15.0重量部の配合量である(1)記載の電池用包材。
(4)該塗膜が耐電解液性を有する(1)の電池用包材。
本発明により、冷間成形タイプのラミネート電池ケース包材において、基材層に特定のコート層を設けることにより、耐電解液性を向上させると同時に、冷間成形時の成形性も向上した。
本発明の電池ケース用包材の構成は、外側から基材層、バリア層、または基材層、バリア層、バリア材補強層の順に少なくとも各1層以上積層されてなる冷間成形用電池ケース包材である。さらには、バリア層、又はバリア材補強層の次にシーラント層が積層されて、電池ケース包材として構成されることもある。基材層は、二軸延伸ポリアミドフイルムが用いられる。バリア層は、一般的にアルミニウム箔、ステンレス箔等の金属箔が用いられる。シーラント層は、密封性を付与できる材料が用いられ、未延伸のフイルム、酢酸−エチレン等が用いられる。バリア材補強層は、二軸延伸ポリアミドフイルム等の延伸熱可塑性樹脂フイルムが用いられる。
本発明において用いられるウレタン樹脂としては例えば多官能イソシアネートと水酸基含有化合物との反応により得られるポリマーである。詳細には、トリレンジイソイアネート、ジフェニルメタンイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリカーボネートポリオール等の水酸基含有化合物との反応により得られるウレタン樹脂を挙げることができる。
また、ウレタン樹脂のガラス転移点温度(以下、Tg)としては40℃以上が適当であり、好ましくは90% RHでTg40℃以上であれば尚良い。Tgが40℃以下では常温、常湿での滑り性に影響がある。
本発明においては、コート層の形成のために、市販の特定の水分散性ポリウレタン樹脂を好ましく使用することができる。そのような市販の水分散性ポリウレタン樹脂としては、DIC社製の「ハイドランADS−110」、「ハイドランADS−120」、「ハイドランKU−400SF」、「ハイドランHW−311」、「ハイドランHW−312B」、「ハイドランHW−333」、「ハイドランAP−20」、「ハイドランAPX−101H」、「ハイドランAP−60LM」や、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス107M」、「スーパーフレックス150」、「スーパーフレックス150HS」、「スーパーフレックス410」、「スーパーフレックス420NS」、「スーパーフレックス460」、「スーパーフレックス460S」、「スーパーフレックス700」、「スーパーフレックス750」、「スーパーフレックス840」や、三井化学社製の「タケラックW−6010」、「タケラックW−6020」、「タケラックW−511」、「タケラックWS−6021」、「タケラックWS−5000」や、DSM社製の「NeoRez R9679」、「NeoRez R9637」、「NeoRez R966」、「NeoRez R972」などが挙げられる。
コート層に添加する滑り成分はスリップ剤(ワックス)とABA(球状微粒子)の両成分の混合で適切な滑り性を発現させる。スリップ剤は融点100℃以下、好ましくは90℃以下の長鎖アルキル基を有する化合物である。カルナバワックス(融点80〜90℃)が特に効果があるが、その他の天然ワックス、石油ワックスでも代替可能である。
スリップ剤の配合量は主剤100重量部(硬化剤を配合する場合は主剤樹脂と硬化剤を合計した100重量部)に対して2.0〜15.0重量部である。配合量が多すぎると高湿度下での滑り性が悪化し、配合量が少ないと滑り性が低下する。
コート層に添加する微粒子は有機系、無機系何れでも良く、シリカ、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどの不活性微粒子、PMMAその他有機系微粒子を例示出来る。細孔容積も殆ど影響しない。特に球状が好ましく50〜500nmの範囲が適切であり粒径が50nm以下であると滑り性を発現出来ず、また500nm以上であると製品化の段階の前で既に脱落し性能が低下してしまう。
微粒子の配合量は主剤100重量部(硬化剤を配合する場合は主剤樹脂と硬化剤を合計した100重量部)に対して2.0〜15.0重量部である。配合量が少ないと滑り性が低下する。配合量を必要以上に増やしても滑り性の改善に影響はない。
必要に応じてコート層に硬化剤を配合することもできる。硬化剤としてはエポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、ヒドラジド化合物等がある。一般に硬化剤硬化型の接着剤は硬化剤により 硬化剤との混合によって重合、縮合、架橋の化学反応を起こし固化する。硬化後、網状高分子になり強度、耐熱性、耐薬品性等が向上する。
本願において主剤とは硬化剤を配合する場合は、主剤樹脂と硬化剤の混合、硬化剤を配合しない場合は、主剤樹脂のみを指す。
本発明の電池ケース用包材は、張出し成形または深絞り成形などの冷間(常温)成形法により加工可能な性能を有する包材であり、包材総厚が薄いにもかかわらず強度が高く、張出し成形または深絞り成形等の成形法(以下これらの成形法を「プレス成形」という。)においてもシャープな成形が可能であり、かつ成形時にアルミニウム箔のネッキングによる破断の発生が防止されたアルミニウム箔ラミネート材である。対象となる電池としては、特に腐食性の高い電解液を使用し、かつ水分や酸素の侵入を極度に嫌うリチウム二次電池に最も適しているが、それ以外の軽量化、小型化を必要とする一次電池、二次電池などにおいても、電池ケースとして軽量であり、シャープな形状の成形性が要求される場合には本電池ケース用包材を使用することは可能である。
電池ケース用包材では、成形時のアルミニウム箔のネッキングによる破断を防止し、薄肉で、シャープな形状の成形を行うためには、延伸フイルムをアルミニウム箔の少なくとも片面に直接ラミネートしておくことが必要である。この場合の樹脂としては、強度が高く、伸びが大きく、かつ軟質であるポリアミドまたはポリエステルのフイルムを使用することである。このポリアミドフイルムまたはポリエステルフイルムは強度及び伸びが高く、方向性の少ないものが好ましい。このポリアミドフイルムまたはポリエステルフイルムをアルミニウム箔の片面あるいは両面にラミネートすることにより成形時のアルミニウム箔ネッキングを効果的に抑制することができ、深く、シャープな形状の成形体を得ることが可能となる。
本発明の基材である二軸延伸ポリアミドフイルムは、例えば、チューブラー法、テンター法等の公知の方法により製造することができる。また、プラスチック樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐電防止剤、透明改良剤などを配合できる。
ポリアミドフイルムとしては、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリメタキシレンアジパミドなどのポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂を主成分とする。これらの熱可塑性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよい。
ポリアミドフイルムを形成するポリアミド樹脂は、分子中に酸アミド結合を有するものであり、脂肪族系ポリアミド樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂あるいはこれらの混合物のいずれでもよい。本発明の基材である二軸延伸ポリアミドフイルムは、上記ポリアミド樹脂組成物を縦横方向共に1.5倍以上延伸したものである。ポリアミドフイルムは、印刷時の半調性向上及びラミ接着性向上のため、一般的に片面にコロナ処理が行われている。コロナ処理面はシーラントフイルムと貼り合わせるため、ラミネート後はコロナ面とは逆のポリアミドフイルム面の表層の性能が重要となる。本発明ではこの面に前述のコート材を塗工しコート層を設けている。コート層の厚みとしては、耐電解液性を発現する程度、前述のコート材を塗工する。耐電解液性を発現するためには、延伸後に10mg/m以上程度になるよう塗工することが好ましい。塗工は、無延伸、又は一軸延伸ポリアミドフィルムに前述のコート材を塗工する。具体的には、無延伸フィルムに塗工する場合、マンドレルで、樹脂を膜成形し、コート材を塗工し、その後、二軸延伸する。
積層フイルムの厚さとしては、9〜50μmが必要である。9μm未満ではシャープな成形を行う時に、延伸フイルムの伸びが不足し、アルミニウム箔にネッキングを生じ、アルミニウム箔破断による成形不良を起こしやすい。一方50μmを超える厚さでは形状維持の強度は向上するとしても、特に破断防止やシャープな形状の成形性の効果が向上するわけでなく、体積エネルギー密度を低下させるだけである。この延伸フイルムの4方向(0°、45°、90°及び135°)の引張強さが150N/mm以上、好ましくは200N/mm以上あり、かつ4方向の伸びが80%以上、好ましくは100%以上あるような機械性性質を有するポリアミドフイルムを用いる時は、特に共重合フイルムでなくともシャープな成形ができる。特に4方向の引張強さが200N/mm以上、引張伸びが100%以上の延伸フイルムを用いる時はよりシャープな形状が安定して成形できる。
バリア層であるアルミニウム箔層の厚みは20〜100μmであることが好ましい。これにより、成形品の形状を良好に保持することが可能となり、また酸素や水分等が包材内へ侵入することを防止できる。アルミニウム箔層の厚みが20μm未満である場合、ラミネート包材の冷間成形時にアルミニウム箔層の破断が生じ易く、また、破断しない場合でもピンホール等が発生し易くなるため、包材中に酸素や水分等が侵入してしまう場合がある。一方、アルミニウム箔層の厚みが100μmを超える場合、冷間成形時の破断やピンホール発生防止の効果も大きく改善されるわけではなく、総厚みが厚くなるだけで好ましくない
これらの積層において、二軸延伸ポリアミドフイルムをラミネートする場合には、ドライラミネート接着剤、好ましくはウレタン系ドライラミネート接着剤を使用してラミネートすることが必要であるが、ポリプロピレン、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂の未延伸フイルムをラミネートする時は、基材がアルミニウム箔であってもまた延伸フイルムであってもドライラミネートが使用できる。また基材がアルミニウム箔の場合のみヒートラミネートが使用できる。特に電解液の種類によってはヒートラミネートを用いた方が、接着剤の塗布、乾燥工程が不要なため接着欠陥が少なく、成形加工時の接着力の低下が少ないところから良好な密封性が得られることがある。本発明の電池ケース用包材は、アルミニウム箔、延伸フイルム及び未延伸フイルム等を組み合わせて(ドライラミネートも含めて)、その包材総厚を150μm以下に抑えて十分目的を達成できるので、性能的にそれ以上の厚さは避けることが好ましい。
本発明のポリアミドフイルムは50%RH及び90%RHの条件化における静摩擦係数、動摩係数ともに、0.3〜0.6である。これ以外の摩擦係数では、成形性に影響があるため好ましくない。静摩擦係数はフイルムが滑り始めるときの摩擦係数であり、動摩擦係数はフイルムが滑り始めてからの摩擦係数を示す。このような摩擦係数の範囲は、前述までのコート材を塗工することで得ることが出来る。

本願発明、及び実施例で用いられている評価及び測定方法は以下、段落番号0036までに記載している方法で評価及び測定している。
滑り性の評価方法
ASTM D 1894によりコート面同士の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
高湿下の滑り性
温度を23℃、相対湿度を90%とした以外は、ASTM D 1894に準じて静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
冷間成形性の評価方法
得られた二軸延伸コートフイルムをアルミニウム箔(AA8079−O材、厚み30μm)の外側に、未延伸ポリプロピレンフイルム〔パイレンフィルムCT−P1128(商品名)、東洋紡績製、厚み30μm〕を内側に配置し、それぞれドライラミネート(ドライ塗布量4.0g/m)することによりラミネート包材を得た。なお、ドライラミネート用の接着剤としては、東洋モートン(株)TM−K55/東洋モートン(株)CAT−10(配合比100/8)を用いた。また、ドライラミネート後のラミネート包材は、60℃で72時間エージングを行った。このようにして得られたラミネート包材は、23℃×50%の環境下で2時間調湿後、圧縮用金型(38mm×38mm)を用いて、未延伸ポリプロピレンフイルム側から最大荷重10MPaで冷間(常温)にて成形し、ピンホールやクラックなどの欠陥が発生しない最高成形深さを0.5mmピッチで評価した。
耐電解液性評価試験
得られた積層フィルムの基材層表面に電解液を一滴滴下し、直に電解液を除去したあと、フイルムの白化、溶解の有無を目視にて確認した。
電解液は、一般的にリチウムイオン電池(LIB)に使用されているプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートとジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートとの混合溶媒であり、電解質としてLiPF6などのリチウム塩が溶解しているものを使用した。
以下に、本願をさらに詳細に説明するため、実施例を記載する。ただし、本願発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
相対粘度3.5の6ナイロン樹脂をリングダイより溶融押出し、内外水冷マンドレルで冷却して厚さ135 μmのチューブ状フイルムを得た。チューブ状フイルムの外面に、三井化学社製(株)製の水分散ウレタン樹脂"W−6010"(Tg90℃)にナガセケムテック(株)製の水溶性ポリエポキシ化合物"デナコール" EX−521(ポリグリセロールポリグリシジルエーテル)及び、三京化成(株)製のポリアクリロニトリル系球状微粒子"F120"(平均粒径200nm)及び、一方油脂工業(株)製のカルナウバワックスエマルジョン"EXN22"を固形分重量比100/33/3.67/10.35で配合し水で希釈して調製した水性塗工剤をオフセットグラビアコーターで延伸後の塗工量が20mg/mとなるようにインラインで塗工し乾燥した。該チューブフイルムを低速ニップロールと高速ニップロールの速度差及びその間に存在する空気圧によりM DとTDに同時に二軸延伸した。その後チューブを折り畳んで両端部で2枚に切り開き、テンターオーブンにて210℃で10秒間熱処理し、厚さ15μmのフイルムを得、その両耳を切除して平面フイルムとし、2本のロールに巻き取った。
実施例2
コート層の厚みを100mg/mに変更した以外は実施例1と同様の処理で積層フイルムを得た。
比較例1
コート層の厚みを5mg/mに変更した以外は実施例1と同様の処理で積層フイルムを得た。なお、耐電解液性が低下した理由としては成形途中で塗膜が薄くなり不連続な塗膜となったためである。
比較例2
実施例1において、基材層、および/またはバリア材補強層を表1に記載した二軸延伸フイルムに変えた以外は実施例1と同様に行った。なお、二軸延伸ナイロンフイルムはBN−RX((株)興人製、厚み15μm)を用いた。
なお、冷間成形性の指標である最高成形高さの数値は、金型の形状等の条件によって異なってくるが、同じ条件で成形し測定した場合は、0.5mmの差でも実際の有用性に差が出てくる。
本発明の耐電解液性、および冷間成形性に優れた二軸延伸ポリアミドフイルムを含む冷間成形用電池ケース包材が使用される分野、および用途としては、優れた成形性が要求されるリチウムイオン二次電池の電池ケース用包材にもっとも適しているが、それ以外の軽量化、小型化を必要とする一次電池、二次電池などにおいても、電池ケースとして軽量で、シャープな形状の成形性が要求される場合に使用可能である。また電池用包材以外としては、冷間成形性、ヒートシール性、耐薬品性にも優れているため、医薬品用PTP包材や化粧品、写真用薬品その他腐食性の強い有機溶剤を含む内容物のための容器用材料としても利用可能な包材である。

Claims (3)

  1. 外側から基材層、バリア層、または基材層、バリア層、バリア材補強層の順に少なくとも各1層以上積層されてなる冷間成形用電池ケース包材において、基材層および/またはバリア材補強層として、二軸延伸ポリアミドフイルムを用い、該基材層にウレタン樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸した二軸延伸ポリアミドフイルムを用いることを特徴とする電池ケース用包材。
  2. 請求項1の冷間成形用電池ケース包材において、基材層にウレタン樹脂(ガラス転移点40℃以上)、スリップ剤(融点90℃以下の長鎖アルキル基を有するワックス)及び微粒子(平均粒子径50〜500nmの微粒子)からなる混合剤を無延伸又は一軸延伸したポリアミドフイルムの少なくとも片面に塗工後、二軸延伸し、二軸延伸後のコート面どうしの23℃×50%RH、23℃×90%RHにおける静摩擦係数、動摩擦係数がともに0.3〜0.6である二軸延伸ポリアミドフイルムを用いることを特徴とする電池ケース用包材。
  3. スリップ剤が主剤100重量部に対して2.0〜15.0重量部、球状微粒子がウレタン樹脂100重量部に対して2.0〜15.0重量部の配合量である請求項1記載の電池用包材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016195084A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 凸版印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材
WO2023017837A1 (ja) * 2021-08-11 2023-02-16 昭和電工パッケージング株式会社 全固体電池用外装材および全固体電池
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WO2024084775A1 (ja) * 2022-10-21 2024-04-25 東洋紡株式会社 冷間成形用二軸延伸ポリアミドフィルム

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