JP5566127B2 - 二軸延伸ポリプロピレンフィルムを含む冷間成形用電池ケース包材 - Google Patents

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Description

本発明は異方性が少なく、防湿性、バリア性、および機械的強度特性に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを
含む冷間成形用包材、特にリチウムイオン二次電池等の電池ケース用包材に関するものである。
従来、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、燃料電池等、または液体、固体セラミック、有機物等の誘電体を含む液体コンデンサ、固体コンデンサ、二重層コンデンサ等の電解型コンデンサ等の化学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する素子を含む種々の電池が、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星等に広く用いられている。これらの電池用外装体としては、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、プラスチックフィルム、金属箔等をラミネートして得られる積層体を袋状にしたもの(以下、外装体)が用いられていた。
しかしながら、電池の外装体のうち、金属製缶タイプにおいては、容器外壁がリジッドであるため、ハード側を電池の形状に合わせて設計する必要があり、形状の自由度がなくなるという問題があった。また、金属製缶タイプは容器自体が厚いため、長時間使用時など電池が発熱した場合に放熱しにくいという欠点もあった。一方、積層体タイプは、金属端子の取出し易さや密封のし易さ、あるいは柔軟性を有するため、電子機器や電子部品の適当な空間に合わせた形状とすることができ、電子機器や電子部品自体の形状をある程度自由に設計することができる。さらに、薄膜で放熱性にも優れているため、発熱による異常放電を防止することも可能である。よって、積層体タイプは金属製缶タイプに比べて小型化、軽量化を図りやすい、および安全性が高い等の利点から、電池用外装体として主流になりつつある。
積層体タイプの外装体を用いたリチウム電池の形態としては、包材を筒状に加工し、リチウム電池本体および正極および負極との各々に接続された金属端子を外側に突出した状態で収納し、開口部を熱接着して密封した袋タイプ(たとえば、特許文献1の図2参照)と包材を容器状に成形し、この容器内にリチウム電池本体および正極および負極との各々に接続された金属端子を外側に突出した状態で収納し、平板状の包材ないし容器状に成形した包材で被覆すると共に、四周縁を熱接着して密封した成形タイプ(たとえば、特許文献1の図3参照)が知られている。
そして、成形タイプは袋タイプに比べて、電池本体をタイト(ぴったりとした状態)に収納することができるため、体積エネルギー密度を向上させることができると共に、リチウム電池本体の収納がし易いなどの利点がある。さらに、成形タイプのうち、冷間(常温)成形法は、加熱成形法に比べて加熱による強度物性の低下や熱収縮の発生など成形加工時に包材自体の特性が変化する危険性が低く、さらに成形装置も安価で、簡便であるとともに生産性も高いことから、現在主流の成形方法となっている。
電池用外装体に要求される物性・機能としては、高度な防湿性、密封性、耐突刺性、耐ピンホール性、絶縁性、耐熱・耐寒性、耐電解質性(耐電解液性)、耐腐蝕性(電解質の劣化や加水分解により発生するフッ酸に対する耐性)等が必要不可欠であり、特に防湿性は重要な要素となる。
電池用外装体のうち、袋タイプで用いる包材として、特許文献2はラミネート構成に着目し、バリア層であるアルミニウム箔のピンホール等を防ぐために両側から機械的強度特性に優れた基材で補強する方法、また特許文献3はアルミニウム箔より内側に配置する補強基材として、防湿性やバリア性、耐薬品性を付与するため、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)、または二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、OPETフィルム)を、特許文献4は芳香族系ナイロン樹脂または芳香族系ナイロン樹脂と脂肪族系樹脂をブレンドした樹脂からなる二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONyフィルム)を用いる方法などが提案されている。
一方、積層体タイプ、特に冷間成形タイプにおいては、バリア層として一般的に用いられるアルミニウム箔は成形性に優れる反面、袋タイプに比べると格段に、成形時に生じる不均一変形によりピンホールやクラックが生じ易いという問題があり、シャープな形状で深く安定して成形するという成形安定性の点において改善の余地があった。
以上、積層体タイプ、特に冷間成形タイプの電池用外装体の主たる品質的な課題である優れた冷間成形性の確保に関して、これまで種々の提案がなされている。優れた冷間成形性を確保する方法として、例えば特許文献5は、基材層表面に脂肪酸アマイド系の滑り性付与成分をコーティングし、成形時に金型内への滑り込みを良くして成形性を改善する方法、また特許文献6、特許文献7、特許文献8、および特許文献9は基材層の強度物性に着目し、冷間成形時におけるアルミニウム箔の破断抑制のため、異方性が少なく、かつ高強度あるいは高伸度等の性質を有するONyフィルム、またはOPETフィルムを使用する方法等が提案されている。
特開2004−74419号公報 特開2004−327039号公報 特開2004−327044号公報 特許4286947号公報 特開2002−216714号公報 特許第3567230号公報 特開2006−236938号公報 特開2008−44209号公報 特開2005−22336号公報
しかしながら、基材層の表面に滑り性付与成分をコーティングする方法は、コーティングする工程を設けなければならず、生産性が低下するという問題があった。また、電池の真空脱気時やシール加工時に滑り性付与成分が蒸発して、この蒸発成分が加工設備に付着するため、これらを除去する清掃作業が必要になることから、さらに生産性が低下するという問題があった。また、高強度あるいは高伸度の基材を使用してアルミニウム箔を補強する方法は、ある程度の成形性の向上は見られるものの、アルミニウム箔の片側から補強するだけでは成形性の向上に限界があった。さらに、アルミニウム箔の両側から機械的強度特性に優れた基材で補強する方法は、アルミニウム箔より内側に配置する補強基材として、ナイロン系樹脂からなるONyフィルムを用いた場合、防湿性の点で問題があり実用的では無く、またOPETフィルムを用いた場合は、防湿性、耐薬品性は優れている反面、成形性の点で不十分であり、改善の余地があった。
本発明者らは、鋭意研究の結果、アルミニウム箔より内側に配置する補強基材として、異方性が少なく、かつ引張強度等の機械的強度特性に優れたOPPフィルムを用いることにより、高い防湿性やバリア性を損なうこと無く、積層体タイプ、特に冷間成形タイプの電池用外装体の主たる品質的な課題であった優れた冷間成形性の確保を達成出来ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の手段を提供する。
[1]外側から基材層、バリア層、バリア材補強層、シーラント層の順に積層された冷間成形用電池ケース包材において、バリア材補強層として、一軸引張試験(試料幅15mm、チャック間距離100mm、引張速度200mm/min.)における4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)すべての破断強度が100MPa以上である二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることを特徴とする冷間成形用電池ケース包材。
[2]前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、一軸引張試験(試料幅15mm、チャック間距離100mm、引張速度200mm/min.)における4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)すべての50%モジュラス値が55MPa以上のものであることを特徴とする前項1に記載の冷間成形用電池ケース包材。
[3]前記バリア材補強層が前項1または前項2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを含む複数のフィルムで構成されていることを特徴とする冷間成形用電池ケース包材。
[4]前項1〜前項3のいずれかに記載の冷間成形用電池ケース包材を使用し、シーラント層が内面になるように張り出し成形、または深絞り成形して凹部分を形成した電池ケース。
[5]前項4に記載の電池ケースの凹部分に電池本体を収納し、密封されていることを特徴とする電池。
本発明は、冷間成形用電池ケース包材に関して、バリア層であるアルミニウム箔より内側に異方性が少なく、かつ引張強度等の機械的強度特性に優れたOPPフィルムを配置することにより、電池用包材の要求品質の一つである高い防湿性やバリア性を損なうこと無く、あらゆる金型形状や成形深さの冷間成形加工時においてもアルミニウム箔の破断やピンホール等の発生を抑え、安定した成形性を確保することが可能となった。また、従来技術のように、滑り性付与成分をコーティングしなくても優れた成形性を確保できるので生産性にも優れている。
前記実施形態におけるOPPフィルムを製造するチューブラー延伸工程図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(OPPフィルムの原料) OPPフィルムに用いられる原料は、ポリプロピレン系樹脂、例えばプロピレン単独重合体、プロピレンを主構成単位とするα−オレフィンとの共重合体であれば特に限定されるものではないが、優れた機械的強度物性を付与するためポリプロピレン系樹脂のうち150〜175℃の高融点のものがよく、160〜175℃のポリプロピレン単独重合体が特に好ましい。なお、これらのポリプロピレン系樹脂には必要に応じ、物性に支障をきたさない範囲で滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を加えてもさしつかえない。
(OPPフィルムの製造方法) OPPフィルムは、まず未延伸ポリプロピレン系原反フィルムに対して、MDおよびTDの延伸倍率を3〜6倍で二軸延伸した後、次いで130〜160℃の温度で熱処理することにより得られる。延伸倍率は、MDとTDそれぞれ3〜6倍で行うのが好ましく、MDの延伸倍率は4〜6倍、TDの延伸倍率は3〜5倍で行う方が特に好ましい。延伸倍率が3倍未満では良好な引張強度特性が得られにくいとともに、延伸時の厚薄精度が著しく低下する。延伸倍率が6倍を超える場合は、延伸による過度な分子鎖のひずみが発生し、安定的に延伸出来ない。
二軸延伸方式としては、例えばチューブラー方式やテンター方式による同時二軸延伸、あるいは逐次二軸延伸が挙げられるが、縦横の強度バランスの点で、チューブラー法による同時二軸延伸が好ましい。チューブラー法以外の延伸法で延伸された場合は、期待される物性のフィルムは得られにくい。
このように二軸延伸加工を施すことにより、特に強度物性が飛躍的に向上し、冷間成形用途に適したOPPフィルムを得ることが出来る。
次に、得られた延伸フィルムを熱ロール方式、またはテンター方式いずれかの熱処理設備に投入し、130〜160℃の温度で熱処理することにより本発明のOPPフィルムが得られる。熱処理温度が130℃未満では、延伸で付与された配向を緩和できずに熱寸法安定性が大幅に低下し、また160℃を超えるとフィルムの白化やフィルム同士の融着が発生し、好ましくない。
OPPフィルムの厚みは、5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。厚みが5μmよりも小さい場合は、ラミネート包材の耐衝撃性が低くなり、冷間成形性が不十分となる。一方、50μmを超えると形状維持の強度は向上するものの、特に破断防止や成形性の向上への効果は小さく、体積エネルギー密度を低下させるだけである。
OPPフィルムの4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)における一軸引張破断強度、および50%モジュラス値は、一軸引張試験(試料幅15mm、標点間距離50mm、引張速度200mm/min)により得られた応力−ひずみ曲線から求める。この応力−ひずみ曲線において、4方向における引張破断強度は、いずれも100MPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは140MPa以上である。これにより、一般的に成形しにくいとされる成形深さが大きい金型形状の場合においても、冷間成形時にアルミニウム箔が破断し難くなり、安定して優れた成形性を確保することが出来る。4方向のうち、いずれか一方向でも引張破断強度が100MPa未満の場合、冷間成形時にOPPフィルムが容易に破断するようになり、特に高伸度時の引張強度が要求される成形深さが大きい金型形状を成形する場合に、安定した成形性が得られない。
さらに、応力−ひずみ曲線において、4方向における50%モジュラス値は、いずれも55MPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは95MPa以上である。これにより、特に成形深さが比較的小さい金型形状を成形する場合において、安定した成形性を確保出来る。4方向のうち、いずれか一方向でも50%モジュラス値が55MPa以上未満の場合、冷間成形時にOPPフィルムが容易に破断するようになり、安定した成形性は得られない。
(ラミネート包材の構成) ラミネート包材の構成は、外側から基材層、バリア層、バリア材補強層、シーラント層の順に積層される。
具体的に、基材層としては、耐突刺性や耐ピンホール性、耐熱・耐寒性に優れたONyフィルム、OPETフィルム、またはOPPフィルムを用いる。
バリア層としては、金属箔層を用い、たとえば純アルミニウム箔またはアルミニウム−鉄系合金の軟質材からなるアルミニウム箔を用いる。
バリア材補強層としては、高い防湿性やバリア性とともに機械的強度特性に優れた、前記のOPPフィルムの製造方法により得られたOPPフィルムを単独で用いる。あるいは、当該OPPフィルムを含む1層あるいは2層以上の他基材との積層体を用いることもでき、特に当該OPPフィルムに二軸延伸ナイロンフィルムを積層して用いると、冷間成形性を著しく向上させることができる。
シーラント層としては、密封性や耐薬品性を付与するためのポリエチレン、ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレン、エチレン―アクリレート共重合体、アイオノマー樹脂、ポリ塩化ビニル等の未延伸フィルム等を用いることが好ましい。
基材層、およびバリア材補強層としては、優れた成形性を確保するために、異方性が少なく、かつ引張強度等の機械的強度特性に優れた基材を選定することが特に好ましい。一般に、アルミニウム箔層を含むラミネート包材は、冷間成形時にアルミニウム箔層の破断やピンホールが生じ易いため冷間成形に適していない。しかし、異方性の少ないOPPフィルムをバリア材補強層としてアルミニウム箔層より内側に用いた本発明のラミネート包材は、高い防湿性やバリア性は維持しつつ、優れた成形性、耐衝撃性および耐ピンホール性を有するため、冷間での張出し成形や深絞り成形等の際に、アルミニウム層の破断を抑制できる。
前記OPPフィルムを含むラミネート基材の総厚みは200μm以下であることが好ましい。厚みが200μmを超える場合、冷間成形によるコーナー部の成形が困難となり、シャープな形状の成形品が得られない場合がある。
バリア層であるアルミニウム箔層の厚みは20〜100μmであることが好ましい。これにより、成形品の形状を良好に保持することが可能となり、また酸素や水分等が包材内へ侵入することを防止できる。アルミニウム箔層の厚みが20μm未満である場合、ラミネート包材の冷間成形時にアルミニウム箔層の破断が生じ易く、また、破断しない場合でもピンホール等が発生し易くなるため、包材中に酸素や水分等が侵入してしまう場合がある。一方、アルミニウム箔層の厚みが100μmを超える場合、冷間成形時の破断やピンホール発生防止の効果も大きく改善されるわけではなく、総厚みが厚くなるだけで好ましくない。
以下に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。
<実施例1> (OPPフィルムの製造) OPPフィルムは、両表層がプロピレン単独重合体(融点169℃、MFR1.7g/10min.)、芯層がプロピレン単独重合体(融点165℃、MFR2.0g/10min.)のポリプロピレン系樹脂原料になるように3台の押出機(芯層用、最内層用、最外層用)でそれぞれ170℃〜270℃にて溶融混練し、全層の厚みに対する芯層の厚みの割合が70%になるように各押出機の押出量を設定し、240℃に保った3層環状ダイスより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブ状溶融樹脂を、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。最終的に得られるフィルムの厚みが18μmになるように、押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度を調整した。このチューブ状未延伸フィルムを図1に示したチューブラー二軸延伸装置に導き、MD4.8倍とTD4.6倍に延伸しながら、抗張力が66Kg/cmになるように延伸ヒーターの出力電流を調整し、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムを上下段1枚に切り開いて上下段の各熱ロール装置に導き、153℃の加温ロールと30℃の冷却ロールの2つのロール間でMDに1.0%弛緩した後、更に153℃の加温ロールと30℃の冷却ロールの2つのロール間でMDに9.0%弛緩処理を施し、上下段1本のロールにそれぞれ巻取り、OPPフィルムを得た。
(OPPフィルムの一軸引張破断強度、50%モジュラス値評価方法) OPPフィルムの一軸引張破断強度、50%モジュラス値の評価方法は、オリエンテック製―テンシロン(RTC−1210−A)を使用し、試料幅15mm、チャック間100mm、引張速度200mm/minにて実施した。OPPフィルムは、23℃×50%の環境下で2時間調湿後、0℃(MD)方向/45°方向/90°(TD)方向/135°方向の4方向についてそれぞれ測定を行った。得られた応力−ひずみ曲線に基づいて、各方向での破断破断強度、および50%モジュラス値を求めた。
(冷間成形性評価方法) OPPフィルムを含むラミネート包材の冷間成形性を評価した。具体的には、得られたOPPフィルムをアルミニウム箔(AA8079−O材、厚み32μm)の内側に、二軸延伸ナイロンフィルム〔ボニールRX(商品名)、(株)興人製、厚み25μm〕をアルミニウム箔の外側にそれぞれドライラミネートした後、さらに内側のOPPフィルム上に未延伸ポリプロピレンフィルム〔パイレンフィルムCT−P1128(商品名)、東洋紡績製、厚み30μm〕をドライラミネート(ドライ塗布量4.0g/m)することによりラミネート包材を得た。なお、ドライラミネート用の接着剤としては、東洋モートン(株)TM−K55/東洋モートン(株)CAT−10(配合比100/8)を用いた。また、ドライラミネート後のラミネート包材は、60℃で72時間エージングを行った。このようにして得られたラミネート包材は、23℃×50%の環境下で2時間調湿後、圧縮用金型(38mm×38mm)を用いて、未延伸ポリプロピレンフィルム側から最大荷重10MPaで冷間(常温)にて成形し、ピンホールやクラックなどの欠陥が発生しない最高成形深さを0.5mmピッチで評価した。
<実施例2> 実施例1において、二軸延伸ナイロンフィルムをアルミニウム箔の両面にドライラミネートした後、内側にOPPフィルム、未延伸ポリプロピレンフィルムの順にそれぞれドライラミネートした以外は実施例1と同様に行った。
<比較例1> 実施例1において、OPPフィルムを用いず、二軸延伸ナイロンフィルムをアルミニウム箔の外側に、未延伸ポリプロピレンフィルムをアルミニウム箔の内側にそれぞれドライラミネートした以外は実施例1と同様に行った。
<比較例2> 実施例1において、OPPフィルムを逐次二軸延伸ポリプロピレンフィルム(MF20、サントックス製、厚み25μm)に変えた以外は実施例1と同様に行った。
<比較例3> 実施例1において、OPPフィルムをOPETフィルム(FE2001、フタムラ化学(株)製、厚み25μm)に変えた以外は実施例1と同様に行った。
表1に示すように、バリア材補強層として、アルミニウム箔の内側に一軸引張試験における4方向すべての破断強度を100MPa以上、50%モジュラス値を55MPa以上に調整したOPPフィルムを用いた実施例1では、バリア材補強層を用いない比較例1と比べて冷間成形性を向上させることが出来た。また、バリア材補強層として、前記OPPフィルムとONyフィルムの積層体を用いた実施例2では、成形性をさらに向上させることが出来た。一方、バリア材補強層として、異方性が比較的大きいOPPフィルムを用いた比較例2では、成形性の向上は見られなかった。またOPETフィルムを用いた比較例3では、4方向の断裂強度および50%モジュラス値の高いフィルムであっても、OPPほどの成形性の向上は見られなかった。
なお、冷間成形性の指標である最高成形高さの数値は、金型の形状等の条件によって異なってくるが、同じ条件で成形し測定した場合は、0.5mmの差でも実際の有用性に差が出てくる。
Figure 0005566127
本発明のラミネート包材は、張出し成形、または深絞り成形などの冷間(常温)成形法により加工可能な性能を有する包材であり、包材総厚みが薄いにもかかわらず強度が大きいため、シャープな成形が可能であり、かつ成形時にアルミニウム箔の破断やピンホールの発生を防止したラミネート包材である。
本発明のラミネート包材が使用される分野、および用途としては、特に腐食性の高い電解液を使用し、かつ水分や酸素の侵入を極度に嫌うリチウムイオン二次電池の電池ケース用包材にもっとも適しているが、それ以外の軽量化、小型化を必要とする一次電池、二次電池などにおいても、電池ケースとして軽量で、シャープな形状の成形性が要求される場合に使用可能である。また電池用包材以外としては、ヒートシール性、耐薬品性、成形性などに優れているため、医薬品、化粧品、写真用薬品その他腐食性の強い有機溶剤を含む内容物のための容器用材料としても利用可能な包材である。
1 チューブラー延伸装置のニップロール
2 チューブラー延伸装置の予熱ヒーター
3 チューブラー延伸装置の主熱ヒーター
4 チューブラー延伸装置の冷却エアーリング
5 チューブラー延伸時のフィルム

Claims (5)

  1. 外側から基材層、バリア層、バリア材補強層、シーラント層の順に積層された冷間成形用電池ケース包材において、基材層として二軸延伸ナイロンフィルム、バリア材補強層として、一軸引張試験(試料幅15mm、チャック間距離100mm、引張速度200mm/min.)における4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)すべての破断強度が100MPa以上であり、チューブラー法により延伸される二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることを特徴とする冷間成形用電池ケース包材。
  2. 請求項1の二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、一軸引張試験(試料幅15mm、チャック間距離100mm、引張速度200mm/min.)における4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)すべての50%モジュラス値が55MPa以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の冷間成形用電池ケース包材。
  3. 前記バリア材補強層が請求項1または請求項2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを含む複数のフィルムで構成されていることを特徴とする冷間成形用電池ケース包材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷間成形用電池ケース包材を使用し、シーラント層が内面になるように張り出し成形、または深絞り成形して凹部分を形成した電池ケース。
  5. 請求項4に記載の電池ケースの凹部分に電池本体を収納し、密封されていることを特徴とする電池。
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