JP2015025979A - 投射光学系および画像投射装置 - Google Patents

投射光学系および画像投射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 超至近投射可能な投射光学系において、スクリーン等の被投射面に投影される画像の高画質化と、被投射面状の照度分布の一様化とを両立させる。【解決手段】 投射光学系は、複数のレンズからなり画像表示素子LVに表示される画像を拡大結像させるレンズ光学系LSと、レンズ光学系LSと被投射面との間に配置した円筒状の透過型光学素子DPとを具備する。透過型光学素子DPは、画像表示素子LVの表示画面の長手方向に対応する方向について曲率を有し、画像表示素子LVの表示画面の長辺が垂直に交わり且つ光軸を含む断面において、レンズ光学系LSから射出され、透過型光学素子DPに入射する光は、透過型光学素子DPに第1の入射角度で入射するレンズ光学系LSの第1の光束の光量が、透過型光学素子DPに第2の入射角度で入射する前記第1の光束よりも前記レンズ光学系LSの光軸に近い第2の光束の光量よりも小さい光量分布である。【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆるプロジェクタ等の画像投射装置に係り、特に、画像表示素子に表示される画像をスクリーン等の被投射面に拡大投射するための投射光学系およびその投射光学系を具備する画像投射装置に関するものである。
プロジェクタ等と称される画像投射装置の主要部は、一般的に図8のような構成を有している。
図8は、画像投射装置の光学エンジンの典型的な構成の一例を模式的に示している。図8に示す構成においては、光源としてのランプ101からの光で、DMD(Digital Micromirror Device)または液晶表示パネル等のライトバルブ(light valve〜光弁)と称される画像表示素子102の表示画面を照明し、画像表示素子102の表示画像の拡大像を投射光学系103によって被投射面を形成するスクリーン104に投影する。
さらに具体的には、ランプ101からの光を、リフレクタ105で、インテグレータロッド106の入射口に集光する。インテグレータロッド106は、4つのミラーを組み合わせてトンネル状に形成したライトパイプであり、入射口から入射した光は、インテグレータロッド106内のミラー面で反射を繰り返し、インテグレータロッド106の射出口においては光量むらが一様な状態となる。この射出口の光を、光量むらが一様な面光源として捉え、この面光源の光源像を、レンズ系107、ミラー108および曲面ミラー109等からなる照明用光学系を介して、この場合、例えばDMDからなる画像表示素子102の表示画面上に形成して照明光とする。この照明光によって、画像表示素子(DMD)102の表示画面は、一様な照度分布で照らされるので、その表示画像の拡大像としてスクリーン104に投影されるスクリーン画像も一様な照度分布となる。
ここで画像表示素子102として用いられるDMDは、多数の微小ミラーを有し、これら各微小ミラーの角度を個別に+12°〜−12°の範囲で電子的に制御することができるデバイスである。例えば、今、1つの微小ミラーの角度が、−12°のときに照明光の微小ミラーによる反射光が投射光学系内に入射し、そして+12°のときに照明光の反射光が投射光学系に入射しないように、照明光がDMDに入射する角度を設定しておけば、DMDの各微小ミラーの傾斜角度を制御することによって、DMDの表示画面上にディジタル画像を形成し、当該画像を投射光学系103を介してスクリーン104上に投影することができる。
ところで、昨今、この種の画像投射装置においては、被投射面を形成するスクリーンの設置位置が、従来よりも極端に近いプロジェクタが普及しつつある。このような至近プロジェクタの目的は、主としてスクリーンの近くに位置する説明員や発表者等のプレゼンターの目に、投射光が入射してしまうのを避けるようにすることや、プレゼンターによる説明等を受ける側の聴講者の近傍にプロジェクタが配置される状況を避けて、聴講者がプロジェクタの排気・騒音等の悪影響を受けないようにすることである。
このような、至近プロジェクタのような画像投射装置用の投射光学系としては、単純に従来の(共軸・回転対称の)投射光学系の画角を広くして投射距離を短縮する方法や、曲面ミラーを利用して画像の歪曲を補正しつつ投射光路を偏向して画像投射装置とスクリーンとの間の距離を短縮する方法がある。前者、すなわち単純に投射光学系の画角を広げる方式は、従来の投射光学系の技術の延長上で至近投射の目的を達成することができるが、スクリーンに近いレンズの外径が大型化しがちで、画像投射装置(プロジェクタ)全体が大型化する傾向がある。これに対して、後者、すなわち曲面ミラーを利用する方式は,小型であっても至近距離からの投射を達成することができる可能性を有している。
従来のこのような曲面ミラーを用いた画像投射装置の技術は、例えば、特許文献1(特許第4396769号)、特許文献2(特開2011−242606号)、特許文献3(特許第4467609号)、特許文献4(特表2008−522229号)、特許文献5(特開2010−266838号)、特許文献6(特開2010−152264号)および特許文献7(特開2013−88727号)等に開示されている。
特許文献1には、スクリーンに投射された画像の照度分布を考慮し、投射光学系の屈折光学部とスクリーンとの間に位置し投射光学系内部への防塵機能をも有する射出レンズを球面のメニスカスレンズとすることによって、スクリーンにおける照度分布の一様性を高めるようにしている。すなわち、この特許文献1においては、投射光学系内部への防塵のための光学要素単体の悪影響によるスクリーン上の照度分布の劣化については考慮されているが、投射光学系の画質向上に伴う屈折光学部内における光利用効率の不均等の発生については考慮されていない。
また、特許文献2に示されるようにレンズ光学系と反射光学系を組み合わせた至近投射の光学系が知られているが、このような投射光学系を実際に筐体に収容して一般的なプロジェクタ等の形態にする場合には、反射光学系の凹面ミラーとスクリーンとの間に、光を透過し且つ防塵機能を有する部材を配置することが必要となる。
さらに、上述した特許文献1における射出レンズとほぼ同様に、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7においては、投射光学系のレンズ光学系とスクリーンとの間に位置し投射光学系内部への防塵機能を有する光学部材について言及されている。特許文献1の射出レンズは、球面状のメニスカス形状であったが、特許文献3、特許文献4および特許文献5においては、この防塵のための光学部材が、平板、つまり平面状の板状部材からなる光学部材として示されており、これら特許文献3、特許文献4および特許文献5においては、スクリーンにおける表示画像における照度分布については、ほとんど触れられていない。
そして、特許文献6においては、上述した防塵のための光学部材が、中央部と該中央部に隣接する周辺部とで構成され、前記周辺部は投射光の入射側に屈曲している。この場合、中央部と周辺部はいずれも主として平面状の板状部として形成されており、前記中央部における投射光の射出面がスクリーン側に傾ける場合もあるとしている。また、特許文献7においては、上述した防塵のための光学部材に相当するカバーを、カバーにおける主光線の入射角度および射出角度が小さくなる曲面形状としており、カバーの曲面形状は、球面、非球面、トーリック面、トロイド面および自由曲面など各種の面形状としている。これら特許文献6および特許文献7には、投射光学系の主たるレンズ光学系における光束に基づく光量分布については、特に触れられていない。
例えば、ある画素光束については、レンズ光学系内の光路の中心部を透過させ、また他のある画素光束については、レンズ光学系内の光路の周辺位置を透過させるように、レンズ光学系内の光路の異なる位置を透過させるようにすると、画素光束毎に、レンズ等の光学要素に入射する角度や、光学要素を透過する距離が相違するため、画面内で光利用効率に差異が生じる。これらが、複数枚のレンズや凹面ミラー等の光学要素部品によって累積されると、スクリーンの画面上においては、画像の位置毎の照度むらを大きくしてしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、被投射面での画像の位置毎における照度むらの抑制を目的としている。
本発明に係る投射光学系は、上述した目的を達成するために、
画像表示素子に表示される画像を被投射面に拡大投射するための投射光学系であって、
前記投射光学系は、
複数のレンズを有するレンズ光学系と、
前記レンズ光学系と被投射面との間の光路中に配置したアナモフィック面を有する透過型光学素子と
を具備してなり、
前記透過型光学素子は、前記画像表示素子の表示画面の長手方向に対応する方向について曲率を有し、
前記画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面において、前記レンズ光学系から射出され、前記透過型光学素子に入射する光は、
前記透過型光学素子に第1の入射角度で入射する第1の光束の光量が、
前記透過型光学素子に前記第1の入射角度より大きい第2の入射角度で入射する第2の光束の光量よりも小さい光量であることを特徴としている。
本発明によれば、被投射面での画像の位置毎における照度むらの抑制可能とする投射光学系を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態であって且つ実施例1に係る投射光学系の全体の主要構成を、光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面に沿って光路と共に示す断面図である。 図1の投射光学系の主としてレンズ光学系および反射光学系の部分を拡大してより詳細に示す断面図である。 図2の投射光学系をレンズ光学系の光軸が垂直に交わる断面を図2の右方から左方に向かって見た様子を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態である実施例2に係る投射光学系の主としてレンズ光学系の部分を、光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面に沿って光路を共に詳細に示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態であって且つ実施例3に係る投射光学系の全体の主要構成を、光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面に沿って示す断面図である。 実施例3に係る図5の投射光学系の主としてレンズ光学系および反射光学系の部分を拡大してより詳細に示す断面図である。 実施例3に係る図6の投射光学系をレンズ光学系の光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の短辺が垂直に交わる断面を図6の下方から上方に向かって見た様子を示す断面図である。 画像投射装置としての、いわゆるプロジェクタにおける従来の光学系の概略的な構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して本発明に係る投射光学系を詳細に説明する。具体的な実施例について説明する前に、まず、本発明の原理について説明する。
画像表示素子に表示される画像をレンズ光学系と凹面反射面を形成する自由曲面の凹面ミラーを用いた反射光学系とを順次介してスクリーン等の被投射面に拡大結像させる投射光学系においては、画素光束毎の光利用効率の差異があると、投射画像における照度分布の不均一を生じてしまう。このため、概念としては、レンズ光学系と反射光学系によって発生する画素光束毎の光利用効率の差異を、投射光学系内部への塵埃の侵入を防止するために反射光学系と被投射面との間に配置される光学素子としての防塵部材にて打ち消せるようにすることが望ましい。
しかしながら、現実的には、照度分布を完全一様化するような光学素子を防塵部材として設計しようとすると、防塵部材として自由曲面等の非常に複雑な形状の光学素子となってしまったり、肝心の解像度や歪曲収差等の光学性能を悪化させてしまうおそれがある。
これに対して、防塵部材を、例えば、作り易い平板状の光学素子として、その平板面がスクリーン等の被投射面に対して垂直となるようにレイアウトした場合を考える。この場合、画面の水平すなわち左右方向においては、レンズ光学系の中心を通る画素光束(つまり、画像表示素子の表示画面上で画面の水平左右方向の中心に位置する画素からレンズ光学系に入射する光束)は、当然、防塵部材に入射する角度が左右方向について0度であり、防塵部材における光の利用効率が高い。しかしながら、画像表示素子の表示画面上で画面の水平、すなわち左右方向の両端の画素からレンズ光学系に入射する光束は、防塵部材への入射角度が大きくなり、防塵部材における光の利用効率が低くなる。
一方、画面の垂直、すなわち上下方向においては、レンズ光学系の中心を通る画素光束(つまり、画像表示素子の表示画面上で画面の垂直上下方向においてレンズ光学系の光軸に最も近い画素からレンズ光学系に入射する光束)は、スクリーン等の被投射面の最下端に向かうため、防塵部材に入射する角度が大きく、防塵部材での光利用効率が低い。一方、画像表示素子の表示画面上で画面の垂直、すなわち上下方向においてレンズ光学系の光軸から最も遠い画素からレンズ光学系に入射する光束は、スクリーン等の被投射面の最上端に向かうため、防塵部材に入射する角度が小さくなり、防塵部材における光の利用効率が高くなる。
そこで、本発明においては、このような場合に、防塵部材の形状を画像表示素子の表示画面の長辺方向、つまり一般に水平左右方向に対応する方向に曲率を有して湾曲する部分円筒状として、例えば、方向により曲率が異なるアナモフィック面を形成する透過型光学素子を防塵部材として採用した(後に詳述する図1〜図3参照)。このような透過型光学素子からなる防塵部材を用いることにより、スクリーン等の被投射面における表示画面の水平左右方向については両端部の照度低下を回避しつつ、表示画面の短辺方向、つまり一般に垂直上下方向については、表示画面の下側に向かう光線と表示画面の上側に向かう光線とで、防塵部材に入射する光線の入射角度に大きく差をつけ、この差をレンズ光学系の内部で打ち消す構成とした。すなわち、レンズ光学系において、表示画面の垂直上下方向に対応して防塵部材への入射角度の差を打ち消すような光量分布を与えている。
この場合のように、レンズ光学系と凹面ミラーを用いた反射光学系とを組み合わせた形の光学系の構成は、画面の水平方向については左右対称で、垂直方向については上下非対称であるため、防塵部材を傾けたり、レンズ光学系の内部で特殊な光利用効率分布を形成したりするなどの左右非対称な構成をとるより、上述したような部分円筒状に形成した防塵部材とレンズ光学系を組み合わせる構成の方が適している。
特許文献1には、ドーム型、すなわち全方位について同じ曲率半径である部分球面状とした防塵部材を用いた構成が示されている。この特許文献1では、防塵部材が平板状だった場合における入射角が浅い周辺光束の反射および結像性能の劣化を課題としている。また、特許文献6には、防塵部材が、平板状の中央部と該中央部に隣接する平板状の周辺部とで構成され、前記周辺部は投射光の入射側に屈曲している構成が示されており、特許文献7には、防塵部材に相当するカバーを、主光線の入射角度および射出角度が小さくなる曲面形状とする構成が示されている。これら特許文献6および特許文献7の構成では、投射光学系のレンズ光学系による光量分布については考慮していない。
これに対して、上述した本発明に係る構成においては、方向により曲率が異なる透過型光学素子、具体的には例えば部分円筒状のアナモフィック面を形成する透過型光学素子を防塵部材として用いている。
画像表示素子の画面の下端に対応する光軸付近を通る光のレンズ光学系での光使用効率は高いが、画像表示素子の画面の上端からの光のレンズ光学系での光使用効率は低い。このようなレンズ光学系での光利用効率の差異を、防塵部材の透過率でキャンセルさせるためには、画面の短辺方向、一般に垂直上下方向、に対応する方向には防塵部材を湾曲させずにほぼ直線状としたほうが良い。
この場合、防塵部材の形状は、画面の垂直上下に対応する方向については、画面の上下に対応する入射角の関係を持たせることができれば、厳密な直線状でなくとも良い。一方、画面の長辺方向、一般に水平左右方向、に対応する方向については、端部での照度劣化を防ぐ必要があり、この対策として、当該方向について有意な曲率を持たせて防塵部材を湾曲させるのが良い。
これらを共に満足させるべく方向により曲率が異なる形状とした透過型光学素子を防塵部材として、画面の長辺方向(水平左右方向)端部の照度低下を回避しつつ、レンズ光学系から射出される各光束間の短辺方向(垂直上下方向)の光利用効率の差異を光量分布により補償するようにしている。
なお、上述においては、レンズ光学系と、該レンズ光学系の被投射面側に配置した凹面反射面を形成する自由曲面の凹面ミラーを用いた反射光学系とにより、DMD等の画像表示素子の表示画面上の画像を、スクリーン等の被投射面上に拡大表示する構成の投射光学系に本発明を適用した場合について説明した。すなわち、反射光学系と被投射面の間に、投射光学系等を収容する筐体の内部への塵埃の侵入を防止する防塵部材として、画面の長辺方向(水平左右方向)に対応して有意な曲率を示す透過型光学素子を配置した。
本発明に係る投射光学系は、このような構成に限らず、レンズ光学系と、該レンズ光学系の被投射面側に平面反射面を形成する平面ミラーおよび凹面反射面を形成する自由曲面の凹面ミラーを順次配置した反射光学系とにより、DMD等の画像表示素子の表示画面上の画像を、スクリーン等の被投射面上に拡大表示する構成の投射光学系にも適用することができる。その場合にも、反射光学系と被投射面の間に防塵部材として画面の長辺方向(水平左右方向)に対応して有意な曲率を示す透過型光学素子を配置する。
本発明に係る投射光学系は、このような構成に限らず、レンズ光学系と、該レンズ光学系の被投射面側に平面反射面を形成する平面ミラーおよび凹面反射面を形成する自由曲面の凹面ミラーを順次配置した反射光学系とにより、DMD等の画像表示素子の表示画面上の画像を、スクリーン等の被投射面上に拡大表示する構成の投射光学系にも適用することができる。その場合にも、反射光学系と被投射面の間に防塵部材として画面の長辺方向(水平左右方向)に対応して有意な曲率を示す透過型光学素子を配置する。
また、レンズ光学系と、該レンズ光学系の被投射面側に凸面反射面を形成する自由曲面の凸面ミラーを配置した反射光学系とにより、DMD等の画像表示素子の表示画面上の画像を、スクリーン等の被投射面上に拡大表示する構成の投射光学系にも適用することができる。その場合にも、反射光学系と被投射面の間に防塵部材として画面の長辺方向(水平左右方向)に対応して有意な曲率を示す透過型光学素子を配置する。
さらに、反射光学系を用いず、レンズ光学系により、DMD等の画像表示素子の表示画面上の画像を、スクリーン等の被投射面上に拡大表示する構成の投射光学系に対して本発明を適用する場合には、レンズ光学系と被投射面の間に防塵部材として画面の長辺方向(水平左右方向)に対応して有意な曲率を示す透過型光学素子を配置すれば良い。
次に、上述した原理に基づく本発明の原理的な実施の形態を説明する。
本発明に係る投射光学系は、
画像表示素子に表示される画像を被投射面に拡大投射するための投射光学系であって、
前記投射光学系は、
複数のレンズを有するレンズ光学系と、
前記レンズ光学系と被投射面との間の光路中に配置したアナモフィック面を有する透過型光学素子と
を具備してなり、
前記透過型光学素子は、前記画像表示素子の表示画面の長手方向に対応する方向について曲率を有し、
前記画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面において、前記レンズ光学系から射出され、前記透過型光学素子に入射する光は、
前記透過型光学素子に第1の入射角度で入射する第1の光束の光量が、
前記透過型光学素子に前記第1の入射角度より大きい第2の入射角度で入射する第2の光束の光量よりも小さい光量であることを特徴とする構成とする(請求項1に対応する)。
前記レンズ光学系を通る光の光量分布を調整すべく当該レンズ光学系内における光束の一部を遮光する手段を前記レンズ光学系内に設ける構成としても良い(請求項2に対応する)。
なお、前記レンズ光学系と前記透過型光学素子との間の光路上に1つ以上の反射面を形成する反射光学系を有する構成としても良い(請求項3に対応する)。
さらに、前記反射光学系の前記反射面は、1つ以上の曲面反射面を含んでいても良い(請求項4に対応する)。
そして、前記反射光学系は、前記レンズ光学系と前記曲面反射面との間に、平面状の折返し反射面を配置しても良い(請求項5に対応する)。
前記透過型光学素子は、フォーカシングや倍率変更等のレンズ駆動に伴って前記画像表示素子との相対的な位置関係を変化させないように固定的に配設しても良い(請求項6に対応する)。
前記透過型光学素子は、
前記画像表示素子の表示画面から被投射面へ向かう光路上に、光が入射する第1面と光を射出する第2面とを有し、
これら第1面と第2面の面形状を、少なくとも結像に寄与する光束が透過する領域において同一形状として屈折力を持たないようにしても良い(請求項7に対応する)。
前記第1の光束は、結像に寄与する光束のうちで前記レンズ光学系の周辺部を通過する光束であり、
前記第2の光束は、結像に寄与する光束のうちで前記レンズ光学系の光軸近傍を通過する光束である構成としても良い(請求項8に対応する)。
さらに、前記透過型光学素子は、
前記画像表示素子から被投射面への光路上の最も被投射面側に位置する光学素子であっても良い(請求項9に対応する)。
そして、前記透過型光学素子は、前記レンズ光学系を含む光学系内部への塵埃の侵入を防止する防塵部材としても機能するようにしても良い(請求項10に対応する)。
前記レンズ光学系は、開口絞りを含み、且つ
前記レンズ光学系のうちで前記反射光学系に最も近いレンズを透過する前記画像表示素子の表示画面からの全体光束の幅は、前記レンズ光学系の光軸を含む任意の断面において、前記開口絞り位置における全体光束の幅の1.3倍以上としても良い(請求項11に対応する)。
前記画像表示素子の前記表示画面の長辺に垂直で且つ前記レンズ光学系の光軸を含む断面上において、前記被投射面における投射画面の最上端への光線の入射角度と、前記投射画面の最下端への光線の入射角度との差が45度以上であっても良い(請求項12に対応する)。
前記レンズ光学系は、複数のレンズ群を有してなり、それら複数のレンズ群のうちの1つ以上のレンズ群を移動させることによってフォーカス調整を行う構成であって、
前記複数のレンズ群のうちの前記画像表示素子に最も近いレンズ群は、フォーカス調整に伴って移動しない正の屈折力を有する固定レンズ群であり、当該固定レンズ群の内部およびその近傍のいずれか一方に、フォーカス調整に伴って移動しない固定の開口絞りを配置するようにして良い(請求項13に対応する)。
また、前記レンズ光学系は、
前記画像表示素子側から被投射面側に向かって、順次、
正の屈折力を有する第1レンズ群と、
正の屈折力を有する第2レンズ群と、
負の屈折力を有する第3レンズ群と
からなる3つのレンズ群を少なくとも配置する構成としても良い(請求項14に対応する)。
さらにまた、前記レンズ光学系は、
前記画像表示素子側から被投射面側に向かって、順次、
フォーカス調整に伴って移動しない固定レンズ群である正の屈折力を有する第1レンズ群と、
正の屈折力を有する第2レンズ群と、
負の屈折力を有する第3レンズ群とを配置してなり、
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に、当該レンズ光学系内における光束の一部を遮光する手段を配置して構成しても良い(請求項15に対応する)。
前記透過型光学素子は、前記画像表示素子の表示画面の長辺に垂直な断面上で直線状をなし、その直線は、前記画像表示素子の表示画面に対して垂直または平行であっても良い(請求項16に対応する)。
前記反射光学系における前記曲面反射面は、凹面反射面であっても良い(請求項17に対応する)。
前記折返し反射面と前記凹面反射面との間に、前記レンズ光学系による全ての中間像が形成される構成であっても良い(請求項18に対応する)。
前記画像表示素子の表示画面の長辺に垂直で、且つ前記レンズ光学系の光軸を含む断面において、
前記画像表示素子の表示画面の上端の画素からの画素光束と、
前記画像表示素子の表示画面の下端の画素からの画素光束とは、
前記レンズ光学系のうちの最も前記被投射面に近いレンズにおいて重なり合うことなく分離される構成であっても良い(請求項19に対応する)。
そして、本発明に係る画像投射装置は、上述したいずれかの投射光学系を具備する構成とする(請求項20に対応する)。
次に、本発明に係る投射光学系のさらに具体的な実施の形態および実施例について説明する。
〔第1の実施の形態〕
次に、上述した本発明の第1の実施の形態としての具体的な実施例1を詳細に説明する。
実施例1は、本発明の第1の実施の形態に係る投射光学系の具体的な構成の実施例である。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態である実施例1に係る投射光学系の構成を説明するためのものであり、図1は、実施例1に係る投射光学系の全体の主要構成を、光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面に沿って示す断面図、図2は、図1の投射光学系の主としてレンズ光学系の部分をより詳細に示す断面図、そして図3は、図2の投射光学系をレンズ光学系の光軸が垂直に交わる断面を図2の右方から左方に向かって見た様子を模式的に示す断面図である。
以下、全ての実施の形態および実施例に共通して、画像表示素子としてのライトバルブには、DMD(Digital Micromirror Device)を用いている。画像表示素子であるライトバルブとしては、LCD(液晶ディスプレイ)パネルやLCOS(Liquid Crystal On Silicon)ディスプレイパネルを用いることもでき、本発明は、画像表示素子に用いるライトバルブの種類には特に限定されるものではない。また、説明の煩雑さを避けるために,図8に示したようなランプからの射出光をライトバルブまで導く照明光学系の図示および説明を省略したが、実際にはライトバルブは、ランプからの射出光によって照明されるものとする。
図1および図2において、投射光学系は、画像表示素子としてのDMDを用いたライトバルブLVの表示画面上に形成される画像を拡大投射して被投射面を形成するスクリーンSC上に結像させる。投射光学系は、レンズ光学系LS、反射光学系MRおよび防塵部材DPを順次配置して構成する。すなわち、DMD等のライトバルブLVに表示された画像を、レンズ光学系LS、反射光学系MRおよび防塵部材DPからなる投射光学系によってスクリーンSCの被投射面上に拡大投影する。
レンズ光学系LSは、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4および開口絞りADを具備する。反射光学系MRは、自由曲面の凹面ミラーCMからなり、防塵部材DPは、アナモフィック面を有する部分円筒状の透過型光学素子からなっている。
防塵部材DPは、例えば板状の光学ガラス等からなる透過型光学素子であり、図1および図2に示すように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つ画像表示素子であるライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、図2に瞳位置を模式的に示しているようにレンズ光学系LSの正面側の凹面ミラーCMの背後からライトバルブLV方向を見た図3において、例えば曲率半径200mmの円弧状をなして、部分円筒状に形成されている。この防塵部材DPは、円筒状の軸線に平行な直線つまり図1に示した光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上における直線状の断面形状に沿う直線がスクリーンSCに垂直に交わるようにレイアウトされる。
したがって、スクリーンSCの下端に向かう光線は、防塵部材DPの表面の垂線(法線)に対する角度、すなわち防塵部材DPに対する入射角が大きくなり、それに対してスクリーンSCの上端に向かう光線は、防塵部材DPに対する入射角が小さくなる。そのため、スクリーンSCの画面下端に向かう光線と画面上端に向かう光線とで、防塵部材DPにおける透過率、すなわち光利用効率に大きな差が生じることになる(この場合、画面下端に向かう光線の光利用効率が低く、画面上端に向かう光線の光利用効率が高くなる)。
ここで、画像表示素子であるDMDを用いたライトバルブLVの表示画面から被投射面を形成するスクリーンSCに至る光学系について、詳細に説明する。
図1および図2に示す投射光学系において、ライトバルブLVの表示画面には、表示画 を保護するための平板状のカバーガラスCGを設けている。
ライトバルブLVの表示画面における画像を拡大結像させるためのレンズ光学系LSは、先に述べたようにライトバルブLV側から、順次、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群を配置してなり、第1レンズ群G1内に開口絞りADを配設している。
第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、第4レンズE4、第5レンズE5、第6レンズE6、第7レンズE7、第8レンズE8、第9レンズE9および開口絞りADを具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、第4レンズE4、開口絞りAD、第5レンズE5、第6レンズE6、第7レンズE7、第8レンズE8、そして第9レンズE9を配置している。
第1レンズE1は、被投射面側よりも曲率が大きな(すなわち曲率半径が小さな)凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。第2レンズE2は、凹面を被投射面側に向けてライトバルブLV側に凸に形成した正メニスカスレンズである。
第3レンズE3は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凸面を被投射面側に向けた両凸レンズからなる正レンズ、そして第4レンズE4は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。これら第3レンズE3と第4レンズE4の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。さらに、第4レンズE4の被投射面側に開口半径5.71の開口絞りADが設けられている。
第5レンズE5は、被投射面側よりも曲率が大きな凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズである。第6レンズE6は、被投射面側よりも曲率が大きな凹面をライトバルブLV側に向けた両凹レンズからなる負レンズである。
第7レンズE7は、凹面をライトバルブLV側に向けて被投射面側に凸に形成した正メニスカスレンズ、そして第8レンズE8は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。これら第7レンズE7と第8レンズE8の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第9レンズE9は、凹面をライトバルブLV側に向けて被投射面側に凸に形成した正メニスカスレンズである。
第2レンズ群G2は、第10レンズE10で構成しており、この第10レンズE10は、被投射面側よりも曲率が大きな凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズである。
第3レンズ群G3は、第11レンズE11および第12レンズE12を具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第11レンズE11、そして第12レンズE12を配置している。
第11レンズE11は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。第12レンズE12は、被投射面側よりも曲率が大きな凹面をライトバルブLV側に向けた両凹レンズからなる負レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。
第4レンズ群G4は、第13レンズE13および第14レンズE14を具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第13レンズE13、そして第14レンズE14を配置している。
第13レンズE13は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凹面を被投射面側に向けた両凹レンズからなる負レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。第14レンズE14は、被投射面側よりも曲率が大きな凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズであり、そのライトバルブLV側に非球面を形成している。
反射光学系MRは、この場合、自由曲面を形成してなる凹面ミラーCMからなっている。
防塵部材DPは、先に述べたように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、レンズ光学系LSの正面側の凹面ミラーCMの背後からライトバルブLV方向を見た状態でこの場合曲率半径200mmの円弧状をなして、厚み3mmの部分円筒状の、いわゆるアナモフィック面を形成する透過型光学素子を構成している。この場合、防塵部材DPは、厚み3mmで、両面が共に曲率半径200mmの円弧状に湾曲しており、屈折力を有していない。
尚、図1において、Z方向は、光軸方向(図1にあっては、左右方向)、Y方向は、光軸に垂直でライトバルブLVの短辺と平行な方向(図1にあっては、上下方向)、X方向は、Z−Y断面に直交した方向(図1にあっては、紙面に垂直方向)である。
上述し且つ図1および図2において用いた各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例2および実施例3の対応する部分について共通に用いており、そのため、図1および図2と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例2および実施例3とはかならずしも同一の構成ではない。
実施例1〜実施例3に共通の記号の意味は、次の通りである。
r:曲率半径
d:面間隔
nd:d線の屈折率
ν:アッベ数
Ar:光学面の有効半径(開口半径)
EcY:偏心Y
(ライトバルブLVの短辺方向つまり垂直上下Y方向端部からの偏心)
Ecα:偏心α
(光軸ZとライトバルブLVの短辺が垂直に交わるYZ断面上での光軸からの偏心)
この実施例1における各光学要素の光学特性は、次表1の通りである。
Figure 2015025979
表1において、面番号に「*(アスタリスク)」を付して示した面番号のレンズ面が非球面である。
ここで用いられる非球面形状は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをH、そして円錐定数をKとし、各次数の非球面係数
:4次の非球面係数
:6次の非球面係数
:8次の非球面係数
10:10次の非球面係数
12:12次の非球面係数
を用い、Dを光軸方向における非球面量として、次の式〔1〕で定義され、近軸曲率半径および円錐定数、並びに非球面係数を与えて形状を特定する。
Figure 2015025979
すなわち、表1においては、「*」が付された第3面、第4面、第23面、第24面、第25面、第26面および第27面の各光学面が非球面であり、式〔1〕における各非球面のパラメータは、次表2の通りである。なお、非球面係数において、「En」は、「10のべき乗」すなわち「×10n」をあらわし、例えば「E−05」は、「×10−5」をあらわしている。これらは、他の実施例についても同様である。
Figure 2015025979
また、表1における第18面と第19面、、第20面と第21面、第24面と第25面における各面間隔dは、それぞれ第1レンズ群G1と第2レンズ群G2、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間の群間隔を示し、画面サイズを例えば80インチとする場合を示している。これらの群間隔を変化させることによって拡大率を変更することができ、画面サイズを80インチとする場合と48インチとする場合とで次表のような値とする。
Figure 2015025979
そして、開口絞りADにおける全体光束幅および第28面における全体光束幅は、画面サイズを80インチとする場合次表4のようになる。
Figure 2015025979
なお、表1において、面番号に「#(ナンバーサイン、ハッシュマークなどとも称される)」を付して示した凹面ミラーCMの第29面は自由曲面を示しており、この自由曲面の形状は、次の式〔2〕で定義される。すなわち、光軸であるZ軸に平行な面のサグ量をz、頂点曲率(CUY)をc、コーニック定、すなわち円錐定数をk、そして単項式xの係数をCとし、これらに基づいて、光軸であるZ軸方向におけるサグ量zにより形状を特定する。
Figure 2015025979
ここで、Cj等の係数・定数は、次表5で与えられる。
Figure 2015025979
図2は、図1の主としてレンズ光学系LS反射光学系MRおよび防塵部材DPの部分を拡大して詳細に示しており、レンズ光学系LSの内部における画素光束の分離の様子がわかる。図2の断面においては、ライトバルブLVの表示画面の図示上下方向の上端、中央および下端からそれぞれ射出された画素光束が、レンズ光学系LSに入射し、開口絞りAD近傍にて一旦重なり合った後、凹面ミラーCMに最も近いレンズでは完全に分離され、一旦各光束が集光して中間像を結び、凹面ミラーCMにて反射している。
このように画素光束を完全分離することによる効果は2つある。すなわち、1つは、画質が向上することであり、そしてもう1つは、画素光束毎のレンズ光学系内部での光利用効率を制御し易くすることである。
まず、1つ目の画質の向上について説明する。図1から明らかなように、凹面ミラーCMからスクリーンSCの下端までの距離と、凹面ミラーCMからスクリーンSCの上端までの距離は大きく異なっている(これは、至近プロジェクタの特徴ということができる)。このため、スクリーンSCの下端に向かう画素光束と、スクリーンSCの上端に向かう画素光束とには、レンズ光学系LSにおいて全く異なる収束効果を与える必要がある。このような効果を全て凹面ミラーCMによって生じさせることも可能ではあるが、それでは良好な画質を期待することができない。
そこで、レンズ光学系LSの内部において、画素光束を完全に分離し、特に非球面レンズを透過する領域では完全に分離して、画素光束毎に異なる効果を与えるようにすることによって、良好な画質を得ることが可能となる。
次に、2つ目の光利用効率の制御について説明する。各画素光束がレンズを透過する距離や、レンズ面に入射する角度に相違が生ずるため、画素光束毎に何らかの光利用効率の差が生まれることになる。この光利用効率の差をレンズ設計により以下のように制御する。この実施例1では、レンズ光学系LSの内部においてライトバルブLVの表示画面の下端からの画素光束の光利用効率を高くし、ライトバルブLVの表示画面の上端からの画素光束の光利用効率を低く設定する。このようにすることによって、防塵部材DPにおける光利用効率の差とは逆の効果を与えて、スクリーンSC上では画面下端から上端まで一様な光利用効率を得るようにしている。この実施例1においては、防塵部材での防塵部材DPの光利用効率とレンズ光学系LSの光利用効率を互いに相殺させることによって、光利用効率を一様化して、同時に画質の一様化をも達成することができる。
これを光量の観点から表現すれば、画像表示素子としてのライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わり且つ光軸を含む断面において、レンズ光学系LSから射出され、透過型光学素子DPに入射する光は、
透過型光学素子DPに第1の入射角度で入射する前記レンズ光学系LSの光軸から最も遠い第1の光束の光量が、
透過型光学素子DPに第2の入射角度で入射する前記第1の光束よりも前記レンズ光学系の光軸に近い第2の光束の光量よりも小さい光量であるという関係を利用して、画像の位置毎における照度むらの抑制を図ることができる。
なお、画素光束分離の目安として全体光束の幅があり、この実施例1では、表4に記載したように、図2の断面における開口絞りADにおける全体光束幅に対して、凹面ミラーCMに最も近いレンズ面での全体光束幅は1.9倍あり、図2からも光束がよく分離されていることがわかる。
また、防塵部材DPの形状は、図2および図3からわかるように、曲率半径200mmの円筒状であり、スクリーンSCの画面の水平左右方向に向かう光線の入射角を小さくして、光利用効率を上げるようにしている。
〔第2の実施の形態〕
次に、上述した本発明の第2の実施の形態としての具体的な実施例2を詳細に説明する。
実施例2は、本発明の第2の実施の形態に係る投射光学系の具体的な構成の実施例である。
図4は、本発明の第2の実施の形態である実施例2に係る投射光学系の構成を説明するためのものであり、投射光学系の主としてレンズ光学系の部分を詳細に示す断面図である。なお、実施例2の構成は、基本的に実施例1の構成と同様であり、細部においてのみ異なっているので、図1および図3に示された構成については、実施例1の場合と同様である。
図1、図3および図4を参照して、本発明の第2の実施の形態である実施例2に係る投射光学系の構成を説明する。投射光学系の全体の概略的な主要構成については、実施例1と同様に、光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面に沿って示す模式的断面図である図1を参照し、図1の投射光学系の主としてレンズ光学系の部分をより詳細に示す断面図として図4を参照し、そして図2の投射光学系をレンズ光学系の光軸が垂直に交わる断面を図4の右方から左方に向かって見た様子を示す断面図として図3を参照する。
図1および図4において、投射光学系は、画像表示素子としてのDMDを用いたライトバルブLVの表示画面上に形成される画像を拡大投射して被投射面を形成するスクリーンSC上に結像させる。投射光学系は、レンズ光学系LS、反射光学系MRおよび防塵部材DPを順次配置して構成する。すなわち、DMD等のライトバルブLVに表示された画像を、レンズ光学系LS、反射光学系MRおよび防塵部材DPからなる投射光学系によってスクリーンSCの被投射面上に拡大投影する。
レンズ光学系LSは、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4および開口絞りADを具備する。反射光学系MRは、自由曲面の凹面ミラーCMからなり、防塵部材DPは、アナモフィック面を有する部分円筒状の透過型光学素子からなっている。
防塵部材DPは、例えば板状の光学ガラス等からなる透過型光学素子であり、図1および図2に示すように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つ画像表示素子であるライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、図2に瞳位置を模式的に示しているようにレンズ光学系LSの正面側の凹面ミラーCMの背後からライトバルブLV方向を見た図3において例えば曲率半径200mmの円弧状をなして、部分円筒状に形成されている。この防塵部材DPは、円筒状の軸線に平行な直線、つまり図1に示した光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上における直線状の断面形状に沿う直線がスクリーンSCに垂直に交わるようにレイアウトされる。
したがって、スクリーンSCの下端に向かう光線は、防塵部材DPの表面の垂線(法線)に対する角度、すなわち防塵部材DPに対する入射角が大きくなり、それに対してスクリーンSCの上端に向かう光線は、防塵部材DPに対する入射角が小さくなる。そのため、スクリーンSCの画面下端に向かう光線と画面上端に向かう光線とで、防塵部材DPにおける透過率、すなわち光利用効率に大きな差が生じることになる(この場合、画面下端に向かう光線の光利用効率が低く、画面上端に向かう光線の光利用効率が高くなる)。
ここで、画像表示素子であるDMDを用いたライトバルブLVの表示画面から被投射面を形成するスクリーンSCに至る光学系について、詳細に説明する。
図1および図4に示す投射光学系において、ライトバルブLVの表示画面には、表示画面を保護するための平板状のカバーガラスCGを設けている。
ライトバルブLVの表示画面における画像を拡大結像させるためのレンズ光学系LSは、先に述べたようにライトバルブLV側から、順次、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群を配置してなり、第1レンズ群G1内に開口絞りADを配設している。
第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、第4レンズE4、第5レンズE5、第6レンズE6、第7レンズE7、第8レンズE8、第9レンズE9および開口絞りADを具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、第4レンズE4、第5レンズE5、開口絞りAD、第6レンズE6、第7レンズE7、第8レンズE8、そして第9レンズE9を配置している。
第1レンズE1は、被投射面側よりも曲率が大きな(すなわち曲率半径が小さな)凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。この第1レンズE1のライトバルブLV側に開口半径を6.7mmとする遮光部材1を配設している。第2レンズE2は、凹面を被投射面側に向けてライトバルブLV側に凸に形成した正メニスカスレンズである。
第3レンズE3は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凸面を被投射面側に向けた両凸レンズからなる正レンズ、そして第4レンズE4は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。これら第3レンズE3と第4レンズE4の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。さらに、第4レンズE4の被投射面側に開口半径5.71の開口絞りADが密接して設けられている。
第5レンズE5は、被投射面側よりも曲率が大きな凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズである。第6レンズE6は、被投射面側よりも曲率が大きな凹面をライトバルブLV側に向けた両凹レンズからなる負レンズである。
第7レンズE7は、凹面をライトバルブLV側に向けて被投射面側に凸に形成した正メニスカスレンズ、そして第8レンズE8は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。これら第7レンズE7と第8レンズE8の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第9レンズE9は、凹面をライトバルブLV側に向けて被投射面側に凸に形成した正メニスカスレンズである。この第9レンズE9の被投射面側に開口半径を12.6mmとする遮光部材SP2を形成している。
第2レンズ群G2は、第10レンズE10のみで構成しており、この第10レンズE10は、被投射面側よりも曲率が大きな凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズである。
第3レンズ群G3は、第11レンズE11および第12レンズE12を具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第11レンズE11、そして第12レンズE12を配置している。
第11レンズE11は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。第12レンズE12は、被投射面側よりも曲率が大きな凹面をライトバルブLV側に向けた両凹レンズからなる負レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。
第4レンズ群G4は、第13レンズE13および第14レンズE14を具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第13レンズE13、そして第14レンズE14を配置している。
第13レンズE13は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凹面を被投射面側に向けた両凹レンズからなる負レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。第14レンズE14は、被投射面側よりも曲率が大きな凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズであり、そのライトバルブLV側に非球面を形成している。
反射光学系MRは、この場合、自由曲面を形成してなる凹面ミラーCMからなっている。
防塵部材DPは、先に述べたように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、レンズ光学系LSの正面側の凹面ミラーCMの背後からライトバルブLV方向を見た状態でこの場合曲率半径200mmの円弧状をなして、厚み3mmの部分円筒状の、いわゆるアナモフィック面を形成する透過型光学素子を構成している。この場合、防塵部材DPは、厚み3mmで、両面が共に曲率半径200mmの円弧状に湾曲しており、屈折力を有していない。
なお、上述し且つ図1および図4において用いた各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例1および実施例3の対応する部分について共通に用いており、そのため、図1および図4と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例1および実施例3とはかならずしも同一の構成ではない。
この実施例2における各光学要素の光学特性は次表の通りである。
Figure 2015025979
表6において、面番号に「*」を付して示した面番号のレンズ面が非球面である。
すなわち、表6においては、「*」が付された第3面、第4面、第23面、第24面、第25面、第26面および第27面の各光学面が非球面であり、式〔1〕における各非球面のパラメータは、次表7の通りである。
Figure 2015025979
また、表6における第18面と第19面、第20面と第21面、第24面と第25面、第28面と第29面および第31面と第32面における面間隔dは、それぞれ第1レンズ群G1と第2レンズ群G2、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4、第4レンズ群G4と凹面ミラーCMおよび防塵部材DPとスクリーンSCの間の群間隔を示し、画面サイズを、例えば80インチとする場合を示している。これらの群間隔を変化させることによって拡大率を変更することができ、画面サイズを80インチとする場合と48インチとする場合とで次表8のような値とする。
Figure 2015025979
そして、開口絞りADにおける全体光束幅および第28面における全体光束幅は、画面サイズを80インチとする場合次表9のようになる。
Figure 2015025979
なお、表6において、面番号に「#」を付して示した凹面ミラーCMの第30面は、自由曲面を示しており、この自由曲面の形状は、上記式〔2〕で定義される。
ここで、Cj等の係数・定数は、次表10で与えられる。
Figure 2015025979
図4は、図1の主としてレンズ光学系LSおよび反射光学系MRの部分を拡大して詳細に示しており、レンズ光学系LSの内部における画素光束の分離の様子がわかる。図4の断面においては、ライトバルブLVの表示画面の図示上下方向の上端、中央および下端(ライトバルブLVの上方に使用領域が偏しているため、より正確には、ライトバルブLVに対しては、上端、上方中間、中間に対応する)からそれぞれ射出された画素光束が、レンズ光学系LSに入射し、開口絞りAD近傍にて一旦重なり合った後、凹面ミラーCMに最も近いレンズでは完全に分離され、一旦各光束が集光して中間像を結び、凹面ミラーCMにて反射している。
このように画素光束を完全分離することによる効果は2つある。すなわち、1つは画質が向上することであり、そしてもう1つは画素光束毎のレンズ光学系内部での光利用効率を制御し易くすることである。
まず、1つ目の画質の向上について説明する。図1から明らかなように、凹面ミラーCMからスクリーンSCの下端までの距離と、凹面ミラーCMからスクリーンSCの上端までの距離は大きく異なっている(これは、至近プロジェクタの特徴ということができる)。このため、スクリーンSCの下端に向かう画素光束と、スクリーンSCの上端に向かう画素光束とには、レンズ光学系LSにおいて全く異なる収束効果を与える必要がある。
このような効果を全て凹面ミラーCMによって生じさせることも可能ではあるが、それでは良好な画質を期待することができない。そこで、レンズ光学系LSの内部において、画素光束を完全に分離し、特に非球面レンズを透過する領域では完全に分離して、画素光束毎に異なる効果を与えるようにすることによって、良好な画質を得ることが可能となる。
次に、2つ目の光利用効率の制御について説明する。各画素光束がレンズを透過する距離や、レンズ面に入射する角度に相違が生ずるため、画素光束毎に何らかの光利用効率の差が生まれることになる。この光利用効率の差をレンズ設計により以下のように制御する。前述した実施例1では、レンズ光学系LSの内部においてライトバルブLVの表示画面の下端からの画素光束の光利用効率を高くし、ライトバルブLVの表示画面の上端からの画素光束の光利用効率を低く設定するようにした。
この実施例2では、さらに効果的に制御するため、表6の光学面の有効半径(開口半径)Arの欄に示したように、第1レンズE1のライトバルブLV側において、ライトバルブLVの表示画面の上端の画素からの画素光束の一部、すなわち光束上部の光線、を遮光する遮光部材SP1を配置し、さらに第9レンズE9の被投射面側において、同画素光束の一部、すなわち光束下部の光線を遮光する遮光部材SP2を配置するようにしている(図4を参照)。このようにすれば、図3の断面において、レンズ光学系LSの内部ではライトバルブLVの表示画面の下端からの画素光束の光利用効率を高くし、ライトバルブLVの表示画面の上端からの画素光束の光利用効率を低く設定することができる。このようにすることによって、先に述べた防塵部材DPにおける光利用効率の差異とは逆の効果を与えることができるので、スクリーンSC上では画面下端から上端まで一様な光利用効率を得ることが可能となる。したがって、防塵部材での光利用効率一様化のみならず、レンズ光学系の光利用効率を相殺することで、光利用効率の一様化を図り、画質の一様化を達成することが可能となる。
なお、画素光束分離の目安として全体光束の幅があり、この実施例2でも、実施例1と同様、表9に記載したように、図4の断面における開口絞りADにおける全体光束幅に対して、凹面ミラーCMに最も近いレンズ面での全体光束幅は1.9倍あり、図4からも光束がよく分離されることがわかる。
また、防塵部材DPの形状は、図2および図3からわかるように、曲率半径200mmの円筒状であり、スクリーンSCの画面の水平左右方向に向かう光線の入射角を小さくして、光利用効率を上げるようにしている。
〔第3の実施の形態〕
次に、上述した本発明の第3の実施の形態であり、具体的な実施例3に係る投射光学系を詳細に説明する。
実施例3は、本発明の第3の実施の形態に係る投射光学系の具体的な構成の実施例である。
図5〜図7は、本発明の第3の実施の形態である実施例3に係る投射光学系の構成を説明するためのものであり、図5は、実施例3に係る投射光学系の全体の主要構成を、光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面に沿って示す断面図、図6は、図5の投射光学系の主としてレンズ光学系の部分をより詳細に示す断面図、そして図7は、図6の投射光学系をレンズ光学系の光軸を含み且つ画像表示素子の表示画面の短辺が垂直に交わる断面を図6の下方から上方に向かって見た様子を示す断面図である。
図5および図6において、投射光学系は、画像表示素子としてのDMDを用いたライトバルブLVの表示画面上に形成される画像を拡大投射して被投射面を形成するスクリーンSC上に結像させる。投射光学系は、レンズ光学系LS、反射光学系MRおよび防塵部材DPを順次配置して構成する。すなわち、DMD等のライトバルブLVに表示された画像を、レンズ光学系LS、反射光学系MRおよび防塵部材DPからなる投射光学系によってスクリーンSCの被投射面上に拡大投影する。
レンズ光学系LSは、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4および開口絞りADを具備する。反射光学系MRは、自由曲面の凹面ミラーCMおよび平面ミラーFMからなる折返しミラーFMからなり、防塵部材DPは、アナモフィック面を有する部分円筒状の透過型光学素子からなっている。
防塵部材DPは、例えば板状の光学ガラス等からなる透過型光学素子であり、図5および図6に示すように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つ画像表示素子であるライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、図6に瞳位置を模式的に示しているように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の短辺が垂直に交わる断面を図6の下方から上方に向かって見た図7において、この実施例の場合、曲率半径300mmの円弧状をなして、部分円筒状に形成されている。この防塵部材DPは、円筒状の軸線に平行な直線、つまり図5に示した光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上における直線状の断面形状に沿う直線がスクリーンSCに垂直に交わるようにレイアウトされる。
したがって、スクリーンSCの下端に向かう光線は、図5に示すように、防塵部材DPの表面の垂線(法線)に対する角度、すなわち防塵部材DPに対する入射角が大きくなり、それに対してスクリーンSCの上端に向かう光線は、防塵部材DPに対する入射角が小さくなる。そのため、スクリーンSCの画面下端に向かう光線と画面上端に向かう光線とで、防塵部材DPにおける透過率、すなわち光利用効率に大きな差が生じることになる(この場合も、画面下端に向かう光線の光利用効率が低く、画面上端に向かう光線の光利用効率が高くなる)。
ここで、画像表示素子であるDMDを用いたライトバルブLVの表示画面から被投射面を形成するスクリーンSCに至る光学系について、詳細に説明する。
図5および図6に示す投射光学系において、ライトバルブLVの表示画面には、表示画面を保護するための平板状のカバーガラスCGを設けている。
ライトバルブLVの表示画面における画像を拡大結像させるためのレンズ光学系LSは、先に述べたようにライトバルブLV側から、順次、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群を配置してなり、第1レンズ群G1内に開口絞りADを配設している。
第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、第4レンズE4、第5レンズE5、第6レンズE6、第7レンズE7、第8レンズE8、第9レンズE9および開口絞りADを具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、第4レンズE4、開口絞りAD、第5レンズE5、第6レンズE6、第7レンズE7、第8レンズE8、そして第9レンズE9を配置している。
第1レンズE1は、被投射面側よりも曲率が大きな(すなわち曲率半径が小さな)凸面をライトバルブLV側に向けた両凸レンズからなる正レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。この第1レンズE1のライトバルブLV側に開口半径を8.16mmとする遮光部材SP1を配設している。第2レンズE2は、凹面を被投射面側に向けてライトバルブLV側に凸に形成した負メニスカスレンズである。
第3レンズE3は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凸面を被投射面側に向けた両凸レンズからなる正レンズ、そして第4レンズE4は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。これら第3レンズE3と第4レンズE4の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。さらに、第4レンズE4の被投射面側に開口半径が8.28mmの開口絞りADが設けられている。
第5レンズE5は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凸面を被投射面側に向けた両凸レンズからなる正レンズである。第6レンズE6は、ライトバルブLV側よりも曲率が若干大きな凹面を被投射面側に向けた両凹レンズからなる負レンズである。
第7レンズE7は、凹面をライトバルブLV側に向けて被投射面側に凸に形成した正メニスカスレンズ、そして第8レンズE8は、ライトバルブLV側に凹面を向けて被投射面側に凸に形成した負メニスカスレンズである。これら第7レンズE7と第8レンズE8の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第9レンズE9は、ライトバルブLV側よりも曲率が若干大きな凸面を被投射面側に向けた両凸レンズからなる正レンズである。この第9レンズE9の被投射面側に開口半径を11.95mmとする遮光部材SP2を配設してある。
第2レンズ群G2は、第10レンズE10で構成しており、この第10レンズE10は、被投射面側に凹面を向けて、ライトバルブLV側に凸に形成した正メニスカスレンズである。
第3レンズ群G3は、第11レンズE11および第12レンズE12を具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第11レンズE11、そして第12レンズE12を配置している。
第11レンズE11は、被投射面側よりも曲率が大きな凹面をライトバルブLV側に向けた両凹レンズからなる負レンズである。第12レンズE12は、被投射面側よりも曲率が大きな凹面をライトバルブLV側に向けた両凹レンズからなる負レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。
第4レンズ群G4は、第13レンズE13および第14レンズE14を具備しており、ライトバルブLV側から、順次、第13レンズE13、そして第14レンズE14を配置している。
第13レンズE13は、被投射面側に凹面を向けてライトバルブLV側に凸に形成した負メニスカスレンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。第14レンズE14は、ライトバルブLV側よりも曲率が大きな凸面を被投射面側に向けた両凸レンズからなる正レンズであり、その被投射面側とライトバルブLV側の両側に非球面を形成している。
反射光学系MRは、この場合、レンズ光学系LSからの光を反射して折り返し反射する平面の反射面を形成してなる折返しミラーFMと、折返しミラーFMから射出した光を反射する自由曲面の反射面を形成してなる凹面ミラーCMとからなっている。
防塵部材DPは、先に述べたように、レンズ光学系LSの光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、レンズ光学系LSの光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わる断面上において直線状をなすとともに、レンズ光学系LSの光軸を含み且つライトバルブLVの表示画面の短辺が垂直に交わる断面を図6の下方から上方に向かって見た状態でこの場合、曲率半径300mmの円弧状をなして、厚み3mmの部分円筒状の、いわゆるアナモフィック面を形成する透過型光学素子を構成している。この場合、防塵部材DPは、厚み3mmで、両面が共に曲率半径300mmの円弧状に湾曲しており、屈折力を有していない。
なお、上述し且つ図5および図6において用いた各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例1および実施例2の対応する部分について共通に用いており、そのため、図1、図2および図4と共通の参照符号を付していてもそれらに対応する実施例1および実施例2とはかならずしも同一の構成ではない。
この実施例3における各光学要素の光学特性は次表11の通りである。
Figure 2015025979
表11において、面番号に「*」を付して示した面番号のレンズ面が非球面である。
すなわち、表11においては、「*」が付された第3面、第4面、第23面、第24面、第25面、第26面、第27面および第28面の各光学面が非球面であり、式〔1〕における各非球面のパラメータは、次表12の通りである。
Figure 2015025979
また、表11における第18面と第19面、第20面と第21面、第24面と第25面、第28面と第29面および第32面と第33面における面間隔dは、それぞれ第1レンズ群G1と第2レンズ群G2、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4、第4レンズ群G4と折返しミラーFM、凹面ミラーMRおよび防塵部材DPとスクリーンSCの間の群間隔を示し、画面サイズを例えば80インチとする場合を示している。これら面間隔、すなわち第1レンズ群G1と第2レンズ群G2、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4、第4レンズ群G4と折返しミラーFMおよび防塵部材DPとスクリーンSCの間の群間隔を変化させることによって拡大率を変更することができ、画面サイズを80インチとする場合と48インチとする場合とで次表13のような値とする。
Figure 2015025979
そして、開口絞りADである第9面における全体光束幅および第28面における全体光束幅は、画面サイズを80インチとする場合、次表14のようになる。
Figure 2015025979
なお、表6において、面番号に「#」を付して示した凹面ミラーCMの第30面は自由曲面を示しており、この自由曲面の形状は、式〔2〕で定義され、Cj等の係数・定数は、次表15で与えられる。
Figure 2015025979
図6は、図5の主としてレンズ光学系LSの部分を拡大して詳細に示しており、レンズ光学系LSの内部における画素光束の分離の様子がわかる。図6の断面においては、ライトバルブLVの表示画面の図示上下方向の上端、中央および下端からそれぞれ射出された画素光束が、レンズ光学系LSに入射し、開口絞りAD近傍にて一旦重なり合った後、折返しミラーFMに最も近いレンズでは完全に分離され、折返しミラーFMで反射した後、一旦各光束が集光して中間像を結び、凹面ミラーCMにて反射している。
この実施例3は、実施例2での防塵部材DPとレンズ光学系LSによる光利用効率打消し効果にさらに平面の折返しミラーFMの反射率効果を加えたものである。
図5に光学系の全体を示すように、この場合も、ライトバルブLVの表示画面の長辺が垂直に交わりレンズ光学系LSの光軸を含む断面において防塵部材DPは直線状であり、これと垂直な図7の断面では曲率半径300mmの円筒形状をなす。また、この場合も防塵部材DPの円筒状の曲率の軸線は、スクリーンSCと垂直としている。
ここで、折返しミラーFMを使用したことによる効果について説明する。実施例3では、光学系の小型化のために、表14に示したように全体光束幅の変化(画素光束の分離量)を1.3倍に抑えている。この1.3倍というのは、これ以上分離量を小さくすると、画像品質を充分に良好にすることができず、画素光束毎の光線遮光が困難になる値である。
実施例3では、表11に記載したように第1レンズE1のライトバルブLV側と第9レンズE9の被投射面にて、図6の断面におけるライトバルブLVの表示画面の上端の画素光束の一部を遮光するようにしているが、実施例2に比べると画素光束の分離が充分ではなく、表示画面の画素光束の一部も遮光してしまっている。このため、防塵部材DPにおける光利用効率の差異を相殺するほどの良好なバランスをとることはできていない。この問題を改善するには、凹面ミラーCMとスクリーンSCとを離して、ライトバルブLVの表示画面の上端から防塵部材DPに入射する光線角度と、表示画面の下端から防塵部材DPに入射する光線角度のと差を小さくするか、防塵部材DPを垂直ではなく、適宜角度傾ける等といった方法が考えられる。防塵部材DPを傾ける方法は、防塵部材DPの大型化を招くとはいえ、採用可能な方法であるが、凹面ミラーCMとスクリーンSCの距離を遠ざけてしまうと、至近投射プロジェクタという凹面ミラーCMとレンズ系を組み合わせる光学系の価値を下げることになり、望ましくない。折返しミラーは、このような微調整において効果を発揮する。特に、この面は、フォーカス時に移動しない固定的な面であるため、各画素光束がこの平面に入射する角度は概ね一定であり、この平面へのコーティング特性を制御し、例えば図6におけるライトバルブLVの表示画面の上端の画素光束の反射率を上げたり下げたりすることができる(また、逆に下端の画素光束の反射率を下げたり上げたりすることもできる)。
このように、折返しミラーFMに入射する光線の入射角度が、画素光束毎に異なり、フォーカス時に概ね変動しないことを利用して、光利用効率の微調整を行うことが可能である。
尚、本発明は、上述し且つ実施の形態または実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態における投射光学系については、レンズ光学系LSと反射光学系RLからなる構成を示してあるが、反射光学系を備えないレンズ光学系LSのみの形態であってもよい。
LV ライトバルブ
DP 防塵部材(透過型光学素子)
LS レンズ光学系
SC スクリーン
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
AD 開口絞り
MR 反射光学系
CM 凹面ミラー
FM 折返しミラー
E1 第1レンズ
E2 第2レンズ
E3 第3レンズ
E4 第4レンズ
E5 第5レンズ
E6 第6レンズ
E7 第7レンズ
E8 第8レンズ
E9 第9レンズ
E10 第10レンズ
E11 第11レンズ
E12 第12レンズ
E13 第13レンズ
E14 第14レンズ
CG カバーグラス
SP1、SP2 遮光板
特許第4396769号公報 特開2011−242606号公報 特許第4467609号公報 特表2008−522229号公報 特開2010−266838号公報 特開2010−152264号公報 特開2013−88727号公報

Claims (20)

  1. 画像表示素子に表示される画像を被投射面に拡大投射するための投射光学系であって、
    前記投射光学系は、
    複数のレンズを有するレンズ光学系と、
    前記レンズ光学系と被投射面との間の光路中に配置したアナモフィック面を有する透過型光学素子と
    を具備してなり、
    前記透過型光学素子は、前記画像表示素子の表示画面の長手方向に対応する方向について曲率を有し、
    前記画像表示素子の表示画面の長辺が垂直に交わる断面において、前記レンズ光学系から射出され、前記透過型光学素子に入射する光は、
    前記透過型光学素子に第1の入射角度で入射する第1の光束の光量が、
    前記透過型光学素子に前記第1の入射角度より大きい第2の入射角度で入射する第2の光束の光量よりも小さい光量であることを特徴とする投射光学系。
  2. 当該レンズ光学系内における前記第1の光束の一部を遮光する手段を前記開口絞り位置以外の前記レンズ光学系内に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
  3. 前記レンズ光学系と前記透過型光学素子との間の光路上に1つ以上の反射面を形成する反射光学系を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射光学系。
  4. 前記反射光学系の前記反射面は、1つ以上の曲面反射面を含むことを特徴とする請求項3に記載の投射光学系。
  5. 前記反射光学系は、前記レンズ光学系と前記曲面反射面との間に、平面状の折返し反射面を配置してなることを特徴とする請求項4に記載の投射光学系。
  6. 前記透過型光学素子は、レンズ移動に伴って前記画像表示素子との相対的な位置関係を変化させることなく固定的に配設されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の投射光学系。
  7. 前記透過型光学素子は、
    前記画像表示素子の表示画面から被投射面へ向かう光路上に、光が入射する第1面と光を射出する第2面とを有し、
    これら第1面と第2面の面形状が、少なくとも結像に寄与する光束が透過する領域において同一形状であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の投射光学系。
  8. 前記第1の光束は、結像に寄与する光束のうちで前記レンズ光学系の周辺部を通過する光束であり、
    前記第2の光束は、結像に寄与する光束のうちで前記レンズ光学系の光軸近傍を通過する光束であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の投射光学系。
  9. 前記透過型光学素子は、
    前記画像表示素子から被投射面への光路上の最も被投射面側に位置する光学素子であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の投射光学系。
  10. 前記透過型光学素子は、前記レンズ光学系を含む光学系内部への塵埃の侵入を防止する防塵部材としても機能することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の投射光学系。
  11. 前記レンズ光学系は、開口絞りを含み、且つ
    前記レンズ光学系のうちで前記反射光学系に最も近いレンズを透過する前記画像表示素子の表示画面からの全体光束の幅は、前記レンズ光学系の光軸を含む任意の断面において、前記開口絞り位置における全体光束の幅の1.3倍以上であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の投射光学系。
  12. 前記画像表示素子の前記表示画面の長辺に垂直で且つ前記レンズ光学系の光軸を含む断面上において、前記被投射面における投射画面の最上端への光線の入射角度と、前記投射画面の最下端への光線の入射角度との差が45度以上であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の投射光学系。
  13. 前記レンズ光学系は、複数のレンズ群を有してなり、それら複数のレンズ群のうちの1つ以上のレンズ群を移動させることによってフォーカス調整を行う構成であって、
    前記複数のレンズ群のうちの前記画像表示素子に最も近いレンズ群は、フォーカス調整に伴って移動しない正の屈折力を有する固定レンズ群であり、そして当該固定レンズ群の内部およびその近傍のいずれか一方に、フォーカス調整に伴って移動しない固定の前記開口絞りが配置されることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の投射光学系。
  14. 前記レンズ光学系は、
    前記画像表示素子側から被投射面側に向かって、順次、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    正の屈折力を有する第2レンズ群と、
    負の屈折力を有する第3レンズ群と
    からなる3つのレンズ群を少なくとも配置してなることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の投射光学系。
  15. 前記レンズ光学系は、
    前記画像表示素子側から被投射面側に向かって、順次、
    フォーカス調整に伴って移動させない固定レンズ群である正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    正の屈折力を有する第2レンズ群と、
    負の屈折力を有する第3レンズ群とを配置してなり、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に、当該レンズ光学系内における光束の一部を遮光する手段を配置してなることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の投射光学系。
  16. 前記透過型光学素子は、前記画像表示素子の表示画面の長辺に垂直な断面上で直線状をなし、その直線は、前記画像表示素子の表示画面に対して垂直または平行であることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の投射光学系。
  17. 前記反射光学系における前記曲面反射面は、自由曲面ミラーでなる凹面反射面であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の投射光学系。
  18. 前記折返し反射面と前記凹面反射面との間に、前記レンズ光学系による全ての中間像が形成されることを特徴とする請求項17に記載の投射光学系。
  19. 前記画像表示素子の表示画面の長辺に垂直で、且つ前記レンズ光学系の光軸を含む断面において、
    前記画像表示素子の表示画面の上端の画素からの画素光束と、
    前記画像表示素子の表示画面の下端の画素からの画素光束とは、
    前記レンズ光学系のうちの最も前記反射光学系に近いレンズにおいて重なり合うことなく分離されることを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれか1項に記載の投射光学系。
  20. 請求項1〜請求項19のいずれか1項の投射光学系を具備することを特徴とする画像投射装置。
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