JP2015025722A - 時計用アンクル、脱進機構、時計用ムーブメントおよび機械式時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンクル体の剛性を高めることができ、かつアンクル体やがんぎ車の大型化を防止できる時計用アンクル、脱進機構、時計用ムーブメントおよび機械式時計を提供する。【解決手段】アンクル体32と、アンクル体32の先端部に、アンクル体32とは別体に設けられた剣先41と、アンクル体32に固定される出つめ石および入りつめ石と、アンクル体32を軸支するアンクル真と、を備え、アンクル体32の先端部に、凸部40を突出形成すると共に、剣先41の取付部43に、凸部40に嵌合可能な嵌合部43aを突出形成した。【選択図】図4

Description

この発明は、時計用アンクル、脱進機構、時計用ムーブメントおよび機械式時計に関するものである。
一般に、機械式時計は、表輪列を構成する香箱車、二番車、三番車および四番車の回転を制御するための脱進・調速機構を備えている。脱進・調速機構は、がんぎ車と、アンクルと、てんぷとにより構成されている。がんぎ車は、軸部と軸部に外嵌固定されるがんぎ歯車部とを有している。軸部には、四番車に噛合うがんぎかな部が形成されている。そして、香箱車から二番車、三番車および四番車を介して軸部に動力が伝達され、この軸部とがんぎ歯車部とが一体となって回転する。
一方、アンクルはアンクル体と、このアンクル体を軸支するアンクル真とを備えており、アンクル体に、一対のクワガタと、一対のクワガタの間に設けられた剣先と、入りつめ石と、出つめ石とが設けられている。そして、一対のクワガタの内側に、てんぷの振り座と係脱可能なアンクルハコが形成されている。これにより、てんぷの自由振動によって、アンクル真を中心にアンクル体が規則的に揺動し、入りつめ石および出つめ石が順番にがんぎ歯車部の先端に接触する。
がんぎ歯車部の先端に、アンクルの入りつめ石または出つめ石が接触している際、がんぎ車の回転は一時的に停止する。そして、これらの動作が連続的に繰り返されることにより、機械式時計が時を刻むことができる。
ここで、剣先はアンクルハコの根元部にスリットや貫通孔を形成し、これらスリットや貫通孔に剣先の基端部を差し込むようにして固定されている。また、入りつめ石や出つめ石も、アンクル体の先端部にスリットや貫通孔を形成し、これらスリットや貫通孔に差し込むようにして固定されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4868443号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、剣先を固定するにあたってアンクルハコの根元部にスリットや貫通孔を形成するので、アンクル体の剛性が低下してしまうという課題がある。
とりわけ、てんぷの振り座をがんぎ車によって直接振り上げるような、いわゆるダイレクトインパルス方式の脱進・調速機構においては、がんぎ車とてんぷとの間の距離が短くなり、この分、アンクルハコと入りつめ石との間の距離も短くなる。このため、アンクルハコと入りつめ石との間の距離をある程度確保してアンクル体の剛性を確保するために、がんぎ車やアンクル体を大型化する必要が生じるという課題がある。がんぎ車やアンクル体が大型化してしまうと、慣性モーメントが増加してしまい、所望の性能(脱進機構の伝達効率)を発揮するようにレイアウトしにくくなる。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、アンクル体の剛性を高めることができ、かつアンクル体やがんぎ車の大型化を防止できる時計用アンクル、脱進機構、時計用ムーブメントおよび機械式時計を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る時計用アンクルは、アンクル体と、前記アンクル体の先端部に、前記アンクル体とは別体に設けられた剣先と、前記アンクル体に固定されるつめ石と、前記アンクル体を軸支するアンクル真と、を備え、前記アンクル体の先端部に、第1嵌合部を突出形成すると共に、前記剣先の基端部に、前記第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部を突出形成したことを特徴とする。
このように構成することで、剣先を固定するために、アンクル体にスリットや貫通孔を形成する必要がなくなるので、簡素な構造で容易にアンクル体を形成しつつ、剛性を高めることができる。
また、剣先を固定するためのスリットや貫通孔を形成する必要がないので、剣先(アンクルハコ)とつめ石との間の距離を短く設定することができる。このため、アンクル体の大型化を防止できる。
本発明に係る時計用アンクルは、前記第1嵌合部は、前記アンクル体から突出する柱状の凸部であり、前記第2嵌合部は、前記凸部に嵌合可能なように筒状に形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、簡素な構造で確実にアンクル体の剛性を高めることができると共に、アンクル体への剣先の組み付け性を向上できる。
本発明に係る時計用アンクルは、前記剣先の前記基端部には、前記第2嵌合部に対応する位置に、貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、剣先の重量を低減でき、アンクル体全体の慣性モーメントを低減できる。このため、脱進機構の伝達効率を向上させることができる。
本発明に係る時計用アンクルは、前記第1嵌合部および前記第2嵌合部に、これら第1嵌合部と第2嵌合部との相対回転を防止する回り止め部を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、アンクル体と剣先との取付位置の位相ずれを防止できる。このため、脱進機構の動作を高精度に安定させることができる。
本発明に係る時計用アンクルは、前記つめ石と、前記第1嵌合部とが、それぞれ離間して設けられていることを特徴とする。
このように、つめ石と第1嵌合部とを離間させることにより、アンクル真からつめ石を遠ざけることができる。このため、つめ石とがんぎ歯車部との接触量を確保することができる。
本発明に係る時計用アンクルは、前記アンクル真の軸方向からみて、前記つめ石と前記剣先の基端部とが重なっていることを特徴とする。
このように構成することで、つめ石と剣先とを十分に近づけることができる。また、剣先によってつめ石の位置決めや固定を補助することができる。
本発明に係る脱進機構は、時計用アンクルと、前記時計用アンクルの前記つめ石が接触するがんぎ車と、を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、アンクル体の剛性を高めることができ、かつアンクル体やがんぎ車の大型化を防止できる脱進機構を提供できる。
本発明に係る時計用ムーブメントは、脱進機構を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、アンクル体の剛性を高めることができ、かつアンクル体やがんぎ車の大型化を防止できる時計用ムーブメントを提供できる。
本発明に係る機械式時計は、時計用ムーブメントを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、アンクル体の剛性を高めることができ、かつアンクル体やがんぎ車の大型化を防止できる機械式時計を提供できる。
本発明によれば、剣先を固定するために、アンクル体にスリットや貫通孔を形成する必要がなくなるので、簡素な構造で容易にアンクル体を形成しつつ、剛性を高めることができる。
また、剣先を固定するためのスリットや貫通孔を形成する必要がないので、剣先(アンクルハコ)とつめ石との間の距離を短く設定することができる。このため、アンクル体の大型化を防止できる。
本発明の第1実施形態における機械式時計のムーブメントを裏蓋側からみた平面図である。 本発明の第1実施形態における脱進機構の斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるがんぎ車の平面図である。 本発明の第1実施形態におけるアンクルの斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるアンクルの縦断面図である。 本発明の第2実施形態のアンクルにおけるアンクルハコの縦断面図である。 本発明の第3実施形態におけるアンクルの斜視図である。
(第1実施形態)
(機械式時計)
次に、この発明の第1実施形態について、図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、機械式時計100のムーブメント101を裏蓋側からみた平面図である。
同図に示すように、機械式時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、基板を構成する地板102を有している。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真104が回転可能に組み込まれている。
また、ムーブメント101の裏側(図1における紙面奥側)には、おしどり、かんぬき、およびかんぬき押さえを含む切換装置(不図示)が配置されている。この切換装置により、巻真104の軸方向の位置が決定するようになっている。
一方、ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車106、三番車107、二番車108、および香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御する脱進機構1および調速機構2が配置されている。
香箱車110は、ぜんまい111を有しており、巻真104を回転させると不図示のつづみ車が回転し、さらにきち車、丸穴車、および角穴車(何れも不図示)を介してぜんまい111が巻き上げられるようになっている。そして、ぜんまい111が巻き戻される際の回転力により香箱車110が回転し、さらに二番車108が回転するように構成されている。
二番車108は、香箱車110の不図示の香箱歯車に噛合う二番かなと、二番歯車(何れも不図示)とを有している。二番車108が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
三番車107は、二番車108の二番歯車に噛合う不図示の三番かなと、三番歯車(何れも不図示)とを有している。三番車107が回転すると、四番車106が回転するように構成されている。
四番車106は、三番車107の三番歯車に噛合う不図示の四番かなと、四番歯車(何れも不図示)とを有している。四番車106が回転することにより脱進機構1および調速機構2が駆動する。
脱進機構1は、四番車106と噛み合うがんぎ車11と、このがんぎ車11を脱進させて規則正しく回転させるアンクル12とを備えている。
調速機構2は、脱進機構1を調速する機構であって、てんぷ5を有している。
そして、脱進機構1および調速機構2が駆動することにより、四番車106が1分間に1回転するように制御されると共に、二番車108が1時間に1回転するように制御される。
(脱進機構)
(がんぎ車)
次に、図2に基づいて、脱進機構1について詳述する。
図2は、脱進機構1の斜視図である。
同図に示すように、脱進機構1のがんぎ車11は、軸部13と、軸部13に外嵌固定されているがんぎ歯車部14とを備えている。
軸部13の両端には、それぞれ段差により縮径された第1ほぞ部17aと第2ほぞ部17bとが一体成形されている。第1ほぞ部17aは、不図示の輪列受に回転自在に支持されている。一方、第2ほぞ部17bは、上述の地板102に回転自在に支持されている。
また、軸部13には、軸方向略中央から第1ほぞ部17aに至る間に、がんぎかな部18が一体成形されている。がんぎかな部18は、四番車106の歯車部に噛合され、四番車106の回転力が軸部13に伝達されるようになっている。
図3は、がんぎ歯車部14の平面図である。
図2、図3に示すように、がんぎ歯車部14は、例えば金属材料や単結晶シリコン等の結晶方位を有する材料等により形成された部材あって、電鋳加工や、フォトリソグラフィ技術のような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセス、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)、MIM(Metal Injection Molding)等により形成されている。
がんぎ歯車部14は、軸部13に圧入される略円環状のハブ部20を有している。このハブ部20に形成されている貫通孔20aに軸部13が圧入される。
ハブ部20の外周部には、径方向に沿って長くなるように略長円形状に形成された複数(この第1実施形態では10個)のスポーク部21が、周方向に等間隔で一体成形されている。そして、隣接するスポーク部21は、径方向略中央よりも根元側が連結された状態になっている。
換言すれば、スポーク部21は、ハブ部20から放射状に延びる複数の第1スポーク部21aと、第1スポーク部21aの先端から二又状に延びる第2スポーク部21bとにより構成されている。そして、第2スポーク部21bの先端同士が連結されており、第1スポーク部21aと第2スポーク部21bとにより複数(10個)の開口部22が形成された状態になっている。
また、第2スポーク部21bの先端同士が連結された連結部21cには、歯部23が一体成形されている。歯部23は、径方向に対し、斜め外側に向かって先細りとなるように形成されている。この歯部23の先端に、アンクル12の入りつめ石45が接触するようになっている。
(アンクル)
図4は、アンクル12の斜視図、図5は、アンクル12の縦断面図である。
図2、図4、図5に示すように、アンクル12は、2つのアンクルビーム31a,31bによって平面視略L字状に形成されたアンクル体32と、アンクル体32を軸支するアンクル真33とを備えたものである。
アンクル真33は、軸部34を有している。そして、軸部34の一端(図2、図5における上端)に、段差により縮径された第1ほぞ部35aが一体成形されている。また、軸部34の他端(図2、図5における下端)に、段差により縮径された第2ほぞ部35bが一体成形されている。そして、第1ほぞ部35aは、不図示のアンクル受に回転自在に支持されている。一方、第2ほぞ部35bは、地板102に回転自在に支持されている。
また、軸部34の軸方向略中央には、フランジ部36が設けられており、このフランジ部36にアンクル体32が載置された状態になっている。
アンクル体32は、電鋳加工により形成されたものであって、2つのアンクルビーム31a,31bの接続部31cに、アンクル真33の軸部34を挿通可能な挿通孔32aが形成されている。この挿通孔32aに軸部34を挿通させることにより、軸部34のフランジ部36上にアンクル体32が載置される。
なお、アンクル体32を形成する電鋳金属としては、例えば、硬度が高いクロム、ニッケル、鉄、およびこれらを含む合金で構成することができる。
また、2つのアンクルビーム31a,31bのうち、一方のアンクルビーム31aの先端には、がんぎ車11側が開口するようにスリット37が形成されている。このスリット37に、出つめ石38が接着剤等により接着固定されている。出つめ石38は、略四角柱状に形成されたルビーであって、アンクルビーム31aの先端からがんぎ歯車部14の歯部23に向かって突出した状態になっている。
さらに、2つのアンクルビーム31a,31bのうち、他方のアンクルビーム31bの先端側には、一対のクワガタ47a,47bがアンクルビーム31bの幅方向に並んで一体成形されている。一対のクワガタ47a,47bの先端部には、それぞれアンクルビーム31bの幅方向における外側から内側に向かってクワガタ47a,47bの基端側に漸次傾斜する傾斜面47a1,47b1が形成されている。
一対のクワガタ47a,47bの内側には、振り座53が回動することにより第1振り石54(何れも図2参照、後述する)が係脱するアンクルハコ39が形成される。
ここで、アンクルハコ39の根元部39aには、略円柱状の凸部40が一体成形されており、この凸部40に剣先41が取り付けられている。剣先41は、剣先本体42と、剣先本体42の基端に一体成形された円板状の取付部43とにより構成されている。取付部43には、凸部40に圧入可能な略円筒状の嵌合部43aが一体成形されている。なお、凸部40に対して嵌合部43aを挿入嵌合とし、嵌合部43aを接着剤等により接着固定されるように構成してもよい。
また、アンクルハコ39が形成されたアンクルビーム31bには、アンクルハコ39の基端側に、石取付孔44が形成されている。この石取付孔44に、入りつめ石45が接着剤等により接着固定されている。入りつめ石45は、略四角柱状に形成されたルビーであって、アンクルビーム31bの先端からアンクルビーム31bの厚さ方向に沿って突出した状態になっている。この突出した入りつめ石45の先端に、がんぎ歯車部14の歯部23が接触する。
なお、アンクルビーム31bの石取付孔44と凸部40との間には、僅かな隙間S1が形成されている。この他に、2つのアンクルビーム31a,31bには、それぞれ肉盗み部31dが形成されており、アンクル体32全体の軽量化が図られている。
(調速機構、てんぷ)
図1、図2に示すように、調速機構2のてんぷ5は、回転軸であるてん真51と、てん真51に外嵌固定されているてん輪52と、略円板状の振り座53と、不図示のひげぜんまいとを有している。てん真51の両端は、不図示のてんぷ受および地板102に回転自在に支持されている。
また、振り座53には、第1振り石54および第2振り石55が設けられている。第1振り石54は、アンクルハコ39と係脱可能になっている。また、第2振り石55は、がんぎ歯車部14の歯部23と接触するようになっている。
このような構成のもと、てんぷ5は、第2振り石55を介してがんぎ車11の回転力を受け、この回転力と不図示のひげぜんまいのばね力とにより自由振動する。てんぷ5が自由振動することにより、第1振り石54と係脱可能になっているアンクルハコ39を形成する一対のクワガタ47a,47bが、アンクル真33を中心にして左右に揺動する。このとき、アンクル12の揺動範囲は、地板102に設けられている2つのドテピン61a,61bに、それぞれアンクルビーム31a,31bが接触することによって規制される。
そして、がんぎ歯車部14の歯部23に、入りつめ石45が接触する状態と、出つめ石38が接触する状態とが、交互に繰り返し行われる。これにより、がんぎ車11が常に一定速度で回転する。
ここで、アンクル体32は、アンクルハコ39の根元部39aに円柱状の凸部40を一体成形すると共に、剣先41の取付部43に嵌合部43aを一体成形することにより、アンクル体32に剣先41を固定するようにしている。
したがって、上述の第1実施形態によれば、従来のように、アンクル体32に剣先41を固定するためのスリットや貫通孔を形成する必要がなく、簡素な構造でアンクル体32を容易に形成しつつ、剛性を高めることができる。このため、従来技術において入りつめ石45や剣先41を取り付ける際に生じる応力集中によるアンクル体32の破損を防止できる。
また、アンクル体32に剣先41を固定するためのスリットや貫通孔を形成する必要がないので、石取付孔44と凸部40との間の隙間S1(図4参照)を短く設定することができる。このため、アンクル体32やがんぎ歯車部14が大型化してしまうのを防止できる。よって、脱進機構1の伝達効率を向上させることができる。
さらに、隙間S1が短いので、凸部40に剣先41を固定した状態では、入りつめ石45と剣先41の嵌合部43aとが重なった状態になっている。このため、剣先41により、入りつめ石45の位置決めや固定を補助できる。
また、従来のように、アンクル体32の剛性を確保するために、入りつめ石45と剣先41を取り付けるための貫通孔とをできるだけ離してレイアウトすると、入りつめ石45がアンクル真33側に寄ってしまう。このため、入りつめ石45とがんぎ歯車部14の歯部23との接触状態が浅くなり、軸受ガタや部品のバラツキなどを考慮すると、入りつめ石45とがんぎ歯車部14の歯部23とを接触させにくくなる。この傾向は、脱進機構1が小型化するほど顕著となる。
しかしながら、上述の実施形態のような構成とすれば、入りつめ石45をアンクル真33から十分に離した位置に形成できるので、入りつめ石45とがんぎ歯車部14の歯部23とを十分に接触させることができる。つまり、アンクル12等の小型化により慣性モーメントを所望の大きさに抑えると共に、入りつめ石45とがんぎ歯車部14の歯部23との接触量を確保でき作動が安定し、アンクル12の強度も確保できるようになる。換言すると、本実施形態は、入りつめ石45とがんぎ歯車部14の歯部23との接触量の確保と、各つめ石45,38を有するアンクル12の強度確保とを両立させることができる高効率の直接衝撃型の脱進機構1を提供することができる。
なお、上述の実施形態では、アンクルハコ39に凸部40を一体成形する一方、剣先41に嵌合部43aを一体成形する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、アンクルハコ39から突出させた部位と剣先41から突出させた部位とが嵌合可能なように構成されていればよい。例えば、アンクルハコ39に嵌合部43aを一体成形する一方、剣先41に凸部40を一体成形してもよい。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、図6に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一の態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
図6は、第2実施形態のアンクル212におけるアンクルハコ239の縦断面図である。
同図に示すように、この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第2実施形態における剣先241の取付部243には、嵌合部43aに対応する箇所に、貫通孔243aが形成されているのに対し、第1実施形態における剣先41の取付部43には、貫通孔243aが形成されていない点にある。
ここで、貫通孔243aの内径は、嵌合部43aの内径と同一に設定されている。なお、貫通孔243aの内径を、嵌合部43aの内径と異ならせ、段付孔形状としてもよい。また、段付孔は、複数段に形成されていてもよい。
したがって、上述の第2実施形態によれば、貫通孔243aが形成されている分、剣先241の重量を低減できる。このため、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、アンクル体212全体の慣性モーメントを低減でき、脱進機構1の伝達効率を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、図7に基づいて説明する。
図7は、第3実施形態におけるアンクル312の斜視図であって、図4に対応している。
同図に示すように、この第3実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第3実施形態のアンクルハコ339に形成されている凸部340の形状、および剣先341の嵌合部343aの形状が、第1実施形態の凸部40の形状、および嵌合部43aの形状と異なる点にある。
すなわち、アンクル体332のアンクルハコ339に形成されている凸部340は、略四角柱状に形成されている。一方、剣先341の嵌合部343aにおける内周面の形状は、凸部340の形状に対応するように、断面四角形状に形成されている。
このような構成もと、凸部340に嵌合部343aを嵌合させると、アンクルハコ339に対する剣先341の相対回転が確実に規制される。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第2実施形態と同様の効果に加え、凸部340および嵌合部343aをそれぞれ略四角形状に形成することにより、アンクルハコ339と剣先341との相対回転を規制する回り止め部として機能させることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第3実施形態では、アンクルハコ339と剣先341との相対回転を規制するために、凸部340および嵌合部343aをそれぞれ略四角形状に形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、凸部340および嵌合部343aの形状は、アンクルハコ339と剣先341との相対回転を規制できる形状であればよい。例えば、凸部340を断面略多角形状に形成する一方、嵌合部343aの内周面の形状を、凸部340の形状に対応するように、断面略多角形状に形成してもよい。
1 脱進機構
2 調速機構
11 がんぎ車
12 アンクル(時計用アンクル)
32,232,332 アンクル体
33 アンクル真
38 出つめ石(つめ石)
40,340 凸部(第1嵌合部)
41,241,341 剣先
43,243 取付部(基端部)
43a,343a 嵌合部(第2嵌合部)
45 入りつめ石(つめ石)
100 機械式時計
101 ムーブメント(時計用ムーブメント)

Claims (9)

  1. アンクル体と、
    前記アンクル体の先端部に、前記アンクル体とは別体に設けられた剣先と、
    前記アンクル体に固定されるつめ石と、
    前記アンクル体を軸支するアンクル真と、
    を備え、
    前記アンクル体の先端部に、第1嵌合部を突出形成すると共に、前記剣先の基端部に、前記第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部を突出形成したことを特徴とする時計用アンクル。
  2. 前記第1嵌合部は、前記アンクル体から突出する柱状の凸部であり、
    前記第2嵌合部は、前記凸部に嵌合可能なように筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の時計用アンクル。
  3. 前記剣先の前記基端部には、前記第2嵌合部に対応する位置に、貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の時計用アンクル。
  4. 前記第1嵌合部および前記第2嵌合部に、これら第1嵌合部と第2嵌合部との相対回転を防止する回り止め部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の時計用アンクル。
  5. 前記つめ石と、前記第1嵌合部とが、それぞれ離間して設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の時計用アンクル。
  6. 前記アンクル真の軸方向からみて、前記つめ石と前記剣先の基端部とが重なっていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の時計用アンクル。
  7. 請求項1に記載の時計用アンクルと、
    前記時計用アンクルの前記つめ石が接触するがんぎ車と、
    を備えたことを特徴とする脱進機構。
  8. 請求項7に記載の脱進機構を備えたことを特徴とする時計用ムーブメント。
  9. 請求項8に記載の時計用ムーブメントを備えたことを特徴とする機械式時計。
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