JP2015025666A - 機能素子、電子機器、および移動体 - Google Patents

機能素子、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】外乱による計測精度の差異を抑制した機能素子を提供する。【解決手段】第1固定電極部21および第2固定電極部22を含む固定電極部と第1固定電極部21に接続されている第1配線部50と、第2固定電極部22に接続されている第2配線部60と、を備え、第1配線部50および前記第2配線部60の少なくとも一方には分岐部が設けられ、分岐部から延びる一方の配線は固定電極部に接続され、分岐部から延びる他方の配線は第1配線部50または第2配線部60に沿って設けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、機能素子、電子機器、および移動体に関するものである。
従来から、機能素子として用いられる加速度等の物理量を検出する物理量センサーの素子において、同一種類の電気信号を通過させる複数の配線のそれぞれを同一の電気的特性とするものが知られている。このような素子を備えた物理量センサーは、駆動配線同士、または検出配線同士の長さ、および幅を等しくし、それぞれが対称性を出すことで、電気的特性を同一にすることが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−330442号公報
しかしながら、上述の物理量センサーの素子において、駆動配線同士、または検出配線同士の長さ、および幅をそれぞれ等しくし、対称に配置させることで電気的特性を同一にしている。この物理量センサーの素子における各配線(駆動配線同士、または検出配線同士)は、それぞれが間隔を介して配置されているために、たとえば、外乱(静電ノイズ等)が各配線に入力される場合に、各配線にノイズの差が生じる。従来の物理量センサーの素子においては、このノイズの差が、検出感度の誤差の要因になる虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる機能素子は、第1固定電極部および第2固定電極部を含む固定電極部と第1固定電極部に接続されている第1配線部と、第2固定電極部に接続されている第2配線部と、を備え、前記第1配線部および前記第2配線部の少なくとも一方には分岐部が設けられ、前記分岐部から延びる一方の配線は前記固定電極部に接続され、前記分岐部から延びる他方の配線は前記第1配線部または前記第2配線部に沿って設けられていることを特徴とする。
本適用例の機能素子によれば、物理量が加えられることで、第1固定電極部、および第2固定電極部と、可動体との間隙が変位し、物理量に応じた静電容量が発生する。可動体と第1固定電極部との間に生じる静電容量は、第1配線部から取り出すことが可能となる。同様に、可動体と第2固定電極部との間に生じる静電容量は、第2配線部から取り出すことが可能となる。
第1配線部および第2配線部の少なくとも一方には分岐部が設けられており、分岐部から延びる一方の配線は第1固定電極部、または第2固定電極部に接続されている。また、分岐部から延びる他方の配線は第1配線部、または第2配線部に沿って、並行するように近接して配置されることで、外乱(静電ノイズ等)が略同一の位相、および略同一の大きさで、等しく入力される。ノイズが第1配線部、および第2配線部に入力される場合でも、差動をとることでノイズの影響を静電容量から打ち消すことが可能となる。これにより、静電容量にノイズが入力される場合でも、検出感度の誤差の要因であるノイズを静電容量から打ち消すことができる。このことより、第1配線部、および第2配線部の一部にノイズが入力される場合でも、差動をとることにより、機能素子の計測精度を向上させることが可能となる。
また、第1配線部と第2配線部とを、平面視において非対称に配置することで、各配線部の一部を近接して並行するように設けられることができ、ノイズが等しく入力されることが可能となる。これにより、第1配線部、および第2配線部の差動をとることで、検出感度の誤差の要因であるノイズを静電容量から打ち消すことが可能となる。
これらにより、検出感度の向上、および物理量の計測精度を高めることが可能な機能素子を提供することが可能となる。本発明においては、平板状の可動体を有するシーソー型センサー、櫛歯状の可動電極部を含む可動体を有する櫛歯型センサーまたは櫛歯型MEMS(Micro Electro Mechanical System)共振子等に適用可能である。
[適用例2]上記適用例にかかる機能素子において、前記第1配線部と前記第2配線部とは、第1方向に並行して延びる部分を備え、前記第1方向に延びる部分の長さは、前記第1配線部と前記第2配線部とで同じであることを特徴とする。
本適用例の機能素子によれば、第1配線部と第2配線部とが並行に延出する部分の長さを同じにすることで、外乱ノイズが印加されても第1配線部と第2配線部とで等しく外乱ノイズが印加されるので、第1配線部の出力と第2配線部の出力の差分を取る等して回路側で処理することにより外乱ノイズ成分をキャンセルすることができる。
[適用例3]上記適用例にかかる機能素子において、可動電極部を含む可動体を含み、前記固定電極部は、前記可動電極部に対向して配置されることを特徴とする。
本適用例の機能素子によれば、平板状の可動体を有するシーソー型センサーを構成することができ、外乱ノイズの影響を低減したセンサー素子を実現できる。
[適用例4]上記適用例にかかる機能素子において、前記可動体およびそれと対となる前記固定電極部が複数設けられていることを特徴とする。
本適用例の機能素子によれば、可動体およびそれと対となる固定電極部は、複数設けられていることで、可動体に垂直方向に加えられる物理量に応じた静電容量と、可動体の垂直方向と交差する方向に加えられる物理量に応じた静電容量との検出が可能になる。
これにより、機能素子は、可動体の垂直方向と交差する方向に加えられる物理量を排除し、垂直方向に加えられる物理量の計測精度を高めることができる。
[適用例5]上記適用例にかかる機能素子において、前記第1配線部および前記第2配線部は、互いに交差する部分を備えることを特徴とする。
[適用例6]上記適用例にかかる機能素子において、前記交差する部分において、前記第1配線部と前記第2配線部との間に絶縁部材が設けられていることを特徴とする。
[適用例7]上記適用例にかかる機能素子において、前記交差する部分において、前記第1配線部は基板に設けられた溝の内部に設けられ、前記第2配線部は前記溝上を交差して設けられていることを特徴とする。
これらの適用例の機能素子によれば、第1配線部と第2配線部との一部を並行させて略同一の長さで設けるためには、固定電極部に対し垂直方向からの平面視において、交差する箇所が発生する。第1配線部と第2配線部との交差する箇所に絶縁部材が設けられ、電気的に分離することで、第1配線部と第2配線部との交差が可能となる。
これにより、第1配線部と第2配線部との一部を並行させて略同一の長さで設けられ、略同一な電気的特性を有している第1配線部と第2配線部とに、外乱(静電ノイズ等)が略同一の位相、および略同一の大きさで等しく入力され、第1配線部と第2配線部との、差動をとることで検出感度の誤差の要因であるノイズの影響を静電容量から打ち消し、機能素子の計測精度を高めることができる。
[適用例8]本適用例にかかる電子機器は、上記適用例の機能素子が搭載されていることを特徴とする。
本適用例の電子機器によれば、上述した機能素子を搭載することで、機能素子を物理量センサーとして用いた場合、検出誤差の要因である外乱(静電ノイズ)の影響を、差動をとることで打ち消し、物理量の計測精度が高い電子機器を得ることができる。本発明においては、物理量センサー以外にも櫛歯型MEMS共振子等の共振子に適用可能であり、それらを搭載した電子機器を提供することができる。
[適用例9]本適用例にかかる移動体は、上記適用例の機能素子が搭載されていることを特徴とする。
本適用例の移動体によれば、上述した機能素子を搭載することで、機能素子を物理量センサーとして用いた場合、検出誤差の要因である外乱(静電ノイズ)の影響を、差動をとることで打ち消し、物理量の計測精度が高い移動体を得ることができる。本発明においては、物理量センサー以外にも櫛歯型MEMS共振子等の共振子に適用可能であり、それらを搭載した移動体を提供することができる。
第1実施形態にかかる物理量センサーの構成を示す平面図。 図1の線分A−Aにおける断面図。 図1の線分B−Bにおける部分断面図。 (A)、(B)、(C)は、図1の線分A−Aにおける物理量センサーの動作を示す模式図。 第2実施形態にかかる物理量センサーの構成を示す平面図。 図5の線分C−Cにおける断面図。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、図5の線分C−Cにおける物理量センサーの動作を示す模式図。 第1実施形態にかかる物理量センサーの変形例の構成を示す平面図。 (A)は、物理量センサーが搭載されている電子機器であるビデオカメラを示す斜視図、(B)は、物理量センサーが搭載されている電子機器である携帯電話機を示す斜視図、(C)は、物理量センサーが搭載されている移動体である自動車を示す斜視図。
以下、本発明にかかる一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる機能素子を、たとえば物理量センサーとして用いた場合について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、第1実施形態にかかる物理量センサー100の構成を示す平面図である。図2は、物理量センサー100の構成を示す断面図であり、図1において線分A−Aで示す部分の断面図である。図3は、物理量センサー100の構成を示す部分断面図であり、線分B−Bで示す部分が拡大されている断面図である。図4は、第1実施形態にかかる物理量センサーの動作を説明する模式図である。そして、図1から図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は、重力が作用する方向を示す軸である。
本実施形態においては、+Z軸方向から物理量センサー100を見ることを平面視として説明する。
(物理量センサーの構造)
本実施形態の物理量センサー100は、たとえば、慣性センサーとして用いることができる。具体的には、+Z軸方向の物理量、たとえば、加速度を測定するための加速度センサー(静電容量型加速度センサー、静電容量型MEMS加速度センサー)として用いることができる。
物理量センサー100は、図1、および図2に示すように、基板10と、検出素子20と、第1配線部50と、第2配線部60と、電極56と、電極66と、固定部34と、支持部36と、が備えられている。
基板10は、平板状であってXY平面である主面12(上面)に、平面視で検出素子20を収容可能な凹部14が設けられている。本実施形態では、凹部14に、検出素子20、固定部34、第1配線部50、第2配線部60、電極56、および電極66などが設けられている。なお、検出素子20と固定部34とは、凹部14に設けられていればよく、たとえば、第1配線部50、第2配線部60、電極56、および電極66などは、凹部14以外の主面12に設けられていてもよい。基板10の材料は特に限定されないが、たとえば、ホウ珪酸ガラス等を用いることができる。また、基板10と、後述する溝は、たとえば、エッチングによって形成されていてもよい。
検出素子20は、可動体30と、第1固定電極部21と、第2固定電極部22と、が備えられている。
第1固定電極部21、および第2固定電極部22は、平面視において、少なくとも一部が可動体30と重なり、かつ固定部34を挟んで離間するように、基板10の主面12に設けられている。
第1固定電極部21、および第2固定電極部22は、導電性を有する材料によって設けられており、たとえば、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の導電性部材を用いることができる。
可動体30は、可動電極として設けられている。可動体30は、平板状に形成され、XY平面において支持軸Qに沿った位置には厚み方向(Z方向)に貫通する開口部33が形成され、開口部33の内側には支持部36が、設けられている。
支持部36は、基板10の主面12に対し、垂直方向と交差する第1の方向であるY方向に延伸している仮想線である支持軸Qに沿って、可動体30と同じ材料で形成されている。
固定部34は、基板10の主面12上(凹部14)において、+Z方向に突出した凸部であり、たとえば、角錐台の形状となるように設けられている。平面視においては、開口部33の内側に位置するように設けられ、たとえば、主面12から所望の距離で、支持軸Qに沿って貫通している穴が形成されている。可動体30の支持部36は、固定部34の貫通している穴に嵌入され、固定部34に軸支(支持)されている。
可動体30と、第1固定電極部21、および第2固定電極部22と、は固定部34によって間隙を有し対向するように設けられ、支持部36が支持軸Qを中心軸として回転する回転方向に捻れることができるため、可動体30は回動可能となる。
可動体30は、可動電極として機能するため導電性を有する材料で形成されている。本実施形態の可動体30、支持部36、および固定部34の材料は、たとえば、シリコンを用いることができる。
なお、可動体30の材料は、特に限定されることはない。導電性を有する材料で形成することもでき、絶縁性を有する材料で形成することもできる。絶縁性を有する材料で可動体30を形成する場合には、第1固定電極部21、および第2固定電極部22と対向する面に導電性を有する電極膜を形成してもよい。
また、可動体30は、平面視において、支持軸Qから−X軸方向側の領域である可動領域31と、支持軸Qから+X軸方向側の領域である可動領域32と、を有しており、可動領域31と、可動領域32とは、支持軸Qを基準に非対称に設けられている。
可動体30に対向する第1固定電極部21と第2固定電極部22は、主面12において、支持軸Qの−X軸方向に第1固定電極部21を、+X軸方向に第2固定電極部22を有している。
可動体30の可動領域31と少なくとも一部が重なる領域には、第1固定電極部21が設けられ、可動体30の可動領域32と少なくとも一部が重なる領域には、第2固定電極部22が設けられている。
可動体30と、第1固定電極部21、および第2固定電極部22とは、固定部34により間隙を有して設けられているため、支持部36を回転軸(揺動軸)として可動体30がシーソー揺動(シーソー動作)をすることができる。支持部36は、可動体30がシーソー揺動することにより生じる「捻り変形」に対して復元力を有し、トーションバネ(捻りバネ)として機能する。たとえば、物理量センサー100にZ軸方向の加速度が加わると、可動体30は、支持部36を回転軸(揺動軸)として、シーソー揺動し、第1固定電極部21と対向する可動領域31側や、第2固定電極部22と対向する可動領域32側に傾倒することが許容される。
可動体30は、可動領域31と可動領域32とが支持軸Qを基準に非対称に設けられていることで、たとえば、加速度が加わると、可動領域31と可動領域32とを比して、重い側に傾倒することが許容される。支持部36は、可動体30の中心位置を外して設けられていれば良い。
可動体30は、第1固定電極部21、および第2固定電極部22に対向する位置に間隙を介して可動電極として設けられている。間隙を介して配設されている第1固定電極部21と、可動領域31(可動体30)と、の間には、静電容量(可変容量)C1が構成されている。また、間隙を介して配設されている第2固定電極部22と、可動領域32(可動体30)と、の間には、静電容量(可変容量)C2が構成されている。
静電容量C1,C2は、可動体30と、第1固定電極部21、第2固定電極部22との間の間隙(距離)に応じて容量が変化するものである。
たとえば、傾倒可能な可動体30が基板10の主面12に対して水平である状態、即ち、支持軸Qを中心に可動領域31,32の両側に加速度等が加えられていない状態では、静電容量C1,C2の容量値は、等しくなる。換言すると、可動体30と第1固定電極部21との間隙の距離と、可動体30と第2固定電極部22との間隙の距離と、が等しく、また、平面視において、可動領域31と第1固定電極部21との重なる面積と、可動領域32と第2固定電極部22との重なる面積と、が等しくなるため、静電容量C1,C2の容量値も等しくなる。
また、静電容量C1,C2は、可動体30が支持軸Q(支持部36)を回転軸として傾倒した状態、即ち、支持軸Qを中心に可動領域31,32に対して加速度等が加えられている状態では、可動体30の傾倒に応じて、静電容量C1,C2の容量値が変化する。換言すると、可動体30と第1固定電極部21との間隙の距離と、可動体30と第2固定電極部22との間隙の距離と、が異なるため、静電容量C1,C2も間隙の距離に応じて容量値が異なる。
静電容量C1,C2の容量値を出力するために第1配線部50、第2配線部60、電極56、および電極66が、備えられている。
第1配線部50は、電極56から第1方向である+X軸方向に延設されている第1共通線52と、第1共通線52に設けられている分岐部から第1固定電極部21に向かって−Y方向に延設され、第1固定電極部21に接続されている第1支線54とで構成されている。また、第2配線部60は、電極66から+X軸方向に延設されている第2共通線62と、第2共通線62から第2固定電極部22に向かって−Y軸方向に延設され、第2固定電極部22に接続されている第2支線64で構成されている。
第1配線部50と、第2配線部60とは、長さが略同一であるため、電気的特性が略同一である。また、平面視において第1配線部50と第2配線部60との形状は、非対称に配置されている。
第2共通線62と、第1支線54とは、平面視において交差している。図3で示すように第1支線54は、基板10の主面12に設けられている溝部18に敷設され、絶縁部材80で覆われている。絶縁部材80は、たとえば、シリコン酸化物などを用いることができる。
これにより、溝部18に設けられている第1支線54を、基板10の主面12に設けられている第2共通線62が跨いで空隙19をもって交差している。
このことにより、第1配線部50と第2配線部60とは、絶縁部材80と空隙19とによって、電気的に絶縁されることで、短絡などの影響を回避することができる。
また、第1共通線52と、第2共通線62とは、略同一な長さで、所望の間隔で近接して、並行するように、配設されている。
以上のことから、静電容量C1の容量値(容量変化)は、第1固定電極部21に接続されている第1配線部50、および電極56によって出力することができる。また、静電容量C2の容量値(容量変化)は、第2固定電極部22に接続されている第2配線部60、および電極66によって出力することができる。
第1配線部50(第1共通線52)、第2配線部60(第2共通線62、および第2支線64)と、電極56、電極66とは、たとえば、クロム(Cr)を下地膜とし、下地膜に金(Au)などの金属を材料として形成される導電膜を用いることができる。
また、第1支線54は、たとえば、シリコン等で形成される導電性を有する構造体を用いることができる。
(物理量センサー100の動作)
本実施形態の物理量センサー100の動作について説明する。
本実施形態の物理量センサー100は、たとえば、Z軸方向の加速度(たとえば、重力加速度)が可動体30に加えられた場合、可動体30の可動領域31、および可動領域32の各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じ、回転モーメントに応じて、可動体30が傾倒するように設けられている。
次に、可動体30の動作と、その動作に伴う静電容量C1,C2の容量値の変化について説明する。図4は、物理量センサー100に加速度等が加えられた際に生じる可動体30の動作、および静電容量C1,C2の容量値の変化について説明するための図である。なお、図4では、物理量センサー100の動作を明確にするために、基板10、固定部34、および支持部36等を省略している。
図4(A)は、物理量センサー100に加速度が加えられていない状態を示している。この状態では、可動体30は、水平状態を維持(均衡)している。なお、この状態は、重力加速度が加えられていない状態(無重力状態)にも相当する。
図4(A)に示す状態において、可動体30と第1固定電極部21との間の距離、および可動体30と第2固定電極部22との間の距離が互いに等しくなるとともに、平面視において、可動領域31と第1固定電極部21との重なる面積、および可動領域32と第2固定電極部22との重なる面積が等しくなる。これらにより、静電容量C1とC2との容量値は、等しくなる。
図4(B)は、可動体30に−Z軸方向に向かう加速度G1が加えられた状態を示している。
これに伴い可動体30は、支持軸Qを回転軸とする+Y方向に向かって時計回りの力が作用し、可動体30に傾きが生じる。換言すると、可動体30は、支持軸Qを回転軸とするシーソー揺動によって可動領域32側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、第2固定電極部22と可動体30(可動領域32)との間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C2の容量値が、図4(A)に示した可動体30が均衡している場合の静電容量C2と比較して増加する。
他方、第1固定電極部21と、可動体30(可動領域31)と、の間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C1の容量値が、図4(A)に示した可動体30が均衡している場合の静電容量C1と比較して減少する。
図4(C)は、可動体30に+Z軸方向に向かう加速度G2が加えられた状態を示している。
これに伴い可動体30は、支持軸Qを回転軸とする+Y方向に向かって反時計回りの力が作用し、可動体30の傾きが生じる。換言すると、可動体30は、支持軸Qを回転軸とするシーソー揺動によって可動領域31側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、第1固定電極部21と、可動体30(可動領域31)と、の間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C1の容量値が、図4(A)に示した可動体30が均衡している場合の静電容量C1と比較して増加する。
他方、第2固定電極部22と、可動体30(可動領域32)と、の間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C2の容量値が、図4(A)に示した可動体30が均衡している場合の静電容量C2と比較して減少する。
本実施形態の物理量センサー100は、この静電容量C1,C2の容量値の変化によって、加速度の大きさと方向を検出することができる。具体的には、2つの容量値の変化の程度から、加速度(G1,G2)の値を検出することができる。
たとえば、図4(A)の状態(可動体30に加速度が加えられていない状態)で得られる容量値を基準として、図4(B)の状態における容量値の変化を判定することによって、図4(B)の状態で、どの方向に、どの程度の加速度G1が作用しているかを検出することができる。即ち、図4(B)の状態で得られる静電容量C1,C2の容量値の変化に基づいて、その変化の程度から、加えられている加速度G1の値を検出することができる。
同様に、たとえば、図4(A)の状態で得られる容量値を基準として、図4(C)の状態における容量値の変化を判定することによって、図4(C)の状態で、どの方向に、どの程度の加速度G2が作用しているかを検出することができる。即ち、図4(C)の状態で得られる静電容量C1,C2の容量値の変化に基づいて、その変化の程度から、加えられている加速度G2の値を検出することができる。
上述のように、物理量センサー100は、加速度センサーやジャイロセンサー等の慣性センサーとして使用することができ、たとえば、Z軸方向の加速度を測定するための静電容量型加速度センサーとして使用することができる。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
このような物理量センサー100によれば、第1固定電極部21に接続されている第1配線部50と、第2固定電極部22に接続されている第2配線部60とが、非対称な形状に配置され、かつ、電気的特性が互いに略同一である。
そして、第1配線部50に接続されている第1共通線52(静電容量C1の容量値)と、第2配線部60に接続されている第2共通線62(静電容量C2の容量値)とが、並行するように略同一の長さで近接して設けられている。これにより、第1共通線52と、第2共通線62とに、外乱(静電ノイズ等)が略同一の位相、および略同一の大きさで等しく入力させることが可能となる。第1配線部50と第2配線部60との、差動をとることで、検出感度の誤差の要因であるノイズを容量値から打ち消し、加速度を求めることができる。
従って、第1配線部50と第2配線部60との一部を並行させて略同一の長さにすることで、物理量センサー100の計測精度を高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる機能素子をたとえば物理量センサーとして用いた場合について、図5から図7を用いて説明する。
図5は、第2実施形態にかかる物理量センサー200の構成を示す平面図である。図6は、物理量センサー200の構成を示す断面図であり、図5において線分C−Cで示す部分の断面図である。図7は、第2実施形態にかかる物理量センサー200の動作を説明する模式図である。そして、図5から図7では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は、重力が作用する方向を示す軸である。
本実施形態においては、Z軸方向から物理量センサー200を見ることを平面視として説明する。
第2実施形態にかかる物理量センサー200は、上述した物理量センサー100の構成が複数備えられた構成となっている。第1実施形態と同様の構成部材には同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
(物理量センサーの構造)
図5から図7に示す物理量センサー200は、基板10aと、上述した物理量センサー100の検出素子20(20a,20b)と、第1配線部50a,50b、第2配線部60a,60bと、電極56a,56b、電極66a,66bと、固定部34a,34bと、を備えている。
図5に示すように、物理量センサー200は、X方向に長辺を有する長方の矩形状をした基板10aを備えている。基板10aには、2つの検出素子20を収容可能な凹部14aが設けられ、この凹部14aに2つの検出素子20が設けられている。
検出素子20は、Y方向に延在する線分D−Dを中心として、線対称の構成となるように、第1固定電極部21aと第1固定電極部21b、および第2固定電極部22aと第2固定電極部22bが、設けられている。
なお、線分D−Dから+X軸方向側に設けられている検出素子20を第1固定素子20a、線分D−Dから−X軸方向側に設けられている検出素子20を第2固定素子20bとする。
第1固定素子20aは、可動体30aと、第1固定電極部21aと、第2固定電極部22aと、を備えている。可動体30aは、支持部36aを有している。支持部36aは、基板10aの主面12aに対し、垂直方向と交差する第1の方向であるY方向に延伸している仮想線である支持軸Q1に沿って形成されている。可動体30aは、支持部36aを介して、固定部34aに軸支されている。可動体30aと、第1固定電極部21a、および第2固定電極部22aとは、固定部34aにより間隙を有して基板10a上に設けられている。また、可動体30aは、支持軸Q1から−X軸方向側に可動領域31aを、支持軸Q1から+X軸方向側に可動領域32aを有している。可動領域31aと、可動領域32aとは、支持軸Q1を基準に非対称に設けられている。
第2固定素子20bは、可動体30bと、第1固定電極部21bと、第2固定電極部22bと、を備えている。可動体30bは、支持部36bを有している。支持部36bは、基板10aの主面12aに対し、垂直方向と交差する第1の方向であるY方向に延伸している仮想線である支持軸Q2に沿って形成されている。可動体30bは、支持部36bを介して、固定部34bに軸支されている。可動体30bと、第1固定電極部21b、および第2固定電極部22bとは、固定部34bにより間隙を有して基板10a上に設けられている。また、可動体30bは、支持軸Q2から+X軸方向側に可動領域31bを、支持軸Q2から−X軸方向側に可動領域32bを有している。可動領域31bと、可動領域32bとは、支持軸Q2を基準に非対称に設けられている。
平面視において、第1固定電極部21aと、第2固定電極部22aとは、基板10aの主面12aにおいて可動体30aと対向する領域に設けられている。支持軸Q1から−X軸方向側の可動領域31aと対向する領域には、第1固定電極部21aが設けられている。また、支持軸Q1から+X軸方向側の可動領域32aと対向する領域には、第2固定電極部22aが設けられている。
平面視において、第1固定電極部21a、第2固定電極部22aは、少なくとも一部が可動体30aと重なり、かつ固定部34aを挟んで離間するように設けられている。
換言すると、平面視において、第1固定電極部21aは、可動領域31aと少なくとも一部が重なるように対向して設けられており、第2固定電極部22aは、可動領域32aと少なくとも一部が重なるように対向して設けられている。
平面視において、第1固定電極部21bと、第2固定電極部22bとは、基板10aの主面12aにおいて可動体30bと対向する領域に設けられている。支持軸Q2から+X軸方向側の可動領域31bと対向する領域には、第1固定電極部21bが設けられている。また、支持軸Q2から−X軸方向側の可動領域32bと対向する領域には、第2固定電極部22bが設けられている。
平面視において、第1固定電極部21b、第2固定電極部22bは、少なくとも一部が可動体30bと重なり、かつ固定部34bを挟んで離間するように設けられている。
換言すると、平面視において、第1固定電極部21bは、可動領域31bと少なくとも一部が重なるように対向して設けられており、第2固定電極部22bは、可動領域32bと少なくとも一部が重なるように対向して設けられている。
支持部36aは、支持軸Q1を中心軸として回転する回転方向に捻れることができるため、可動体30aは回動可能となる。
支持部36bは、支持軸Q2を中心軸として回転する回転方向に捻れることができるため、可動体30bは回動可能となる。
可動体30aは、たとえば、Z軸方向の加速度が加わると、支持軸Q1に沿った支持部36aを回転軸(揺動軸)として、シーソー揺動(シーソー動作)することができる。換言すると、支持部36aがトーションバネ(捻りバネ)として機能することで、可動体30aは、第1固定電極部21aと対向する可動領域31a側や、第2固定電極部22aと対向する可動領域32a側に傾倒することが許容される。
同様に、可動体30bは、たとえば、Z軸方向の加速度が加わると、支持軸Q2に沿った支持部36bを回転軸(揺動軸)として、シーソー揺動(シーソー動作)することができる。換言すると、支持部36bがトーションバネ(捻りバネ)として機能することで、可動体30bは、第1固定電極部21bと対向する可動領域31b側や、第2固定電極部22bと対向する可動領域32b側に傾倒することが許容される。
支持部36aは、可動体30aがシーソー揺動することにより生じる「捻り変形」に対して復元力を有し、支持部36aが破損することを防止することができる。
支持部36bは、可動体30bがシーソー揺動することにより生じる「ねじり変形」に対して復元力を有し、支持部36bが破損することを防止することができる。
可動体30aは、可動領域31aと可動領域32aとが支持軸Q1を基準として非対称に設けられていることで、たとえば、加速度が加わると、可動領域31aと可動領域32aとを比して、重い側に傾倒することが許容される。支持部36aは、可動体30aの中心位置を外して設けられていれば良い。
同様に、可動体30bは、可動領域31bと可動領域32bとが支持軸Q2を基準として非対称に設けられていることで、たとえば、加速度が加わると、可動領域31bと可動領域32bとを比して、重い側に傾倒することが許容される。支持部36bは、可動体30bの中心位置を外して設けられていれば良い。
可動体30a,30bは、可動電極として機能するため導電性を有する材料で形成されている。本実施形態の可動体30a,30b、支持部36a,36b、および固定部34a,34bの材料は、たとえば、シリコンが用いられている。なお、可動体30a,30bは、その形成される材料は特に限定されることはなく導電性を有する材料で形成されていれば良い。また、可動体30a,30bは、絶縁性を有する材料で形成することもできる。絶縁性を有する材料で可動体30aを形成する場合には、第1固定電極部21a、および第2固定電極部22aと対向する面に導電性を有する電極膜を形成すれば良い。同様に、絶縁性を有する材料で可動体30bを形成する場合には、第1固定電極部21b、および第2固定電極部22bと対向する面に導電性を有する電極膜を形成すれば良い。
図6に示すように、間隙を介して配設されている第1固定電極部21aと、可動領域31a(可動体30a)と、の間には、静電容量(可変容量)C1aが構成されている。また、間隙を介して配設されている第2固定電極部22aと、可動領域32a(可動体30a)と、の間には、静電容量(可変容量)C2aが構成されている。
同様に、間隙を介して配設されている第1固定電極部21bと、可動領域31b(可動体30b)と、の間には、静電容量(可変容量)C1bが構成されている。また、間隙を介して配設されている第2固定電極部22bと、可動領域32b(可動体30b)と、の間には、静電容量(可変容量)C2bが構成されている。
静電容量C1a,C2aは、可動体30aと、第1固定電極部21a、第2固定電極部22aとの間の間隙(距離)に応じて容量が変化するものである。
たとえば、静電容量C1a,C2aは、傾倒可能な可動体30aが水平である状態、即ち、支持軸Q1を中心に可動領域31a,32aに加速度等が加えられていない状態では同じ容量値となる。換言すると、可動体30aと第1固定電極部21aとの間隙の距離と、可動体30aと第2固定電極部22aとの間隙の距離と、が等しくなり、また、平面視において、可動領域31と第1固定電極部21との重なる面積と、可動領域32と第2固定電極部22との重なる面積と、が等しくなるため、静電容量C1a,C2aの容量値も等しくなる。
また、静電容量C1a,C2aは、可動体30aが支持軸Q1を回転軸として傾倒した状態、即ち、支持軸Q1を中心に可動領域31a,32aに対して加速度が加えられている状態では、可動体30aの傾倒に応じて、静電容量C1a,C2aの容量値が変化する。換言すると、可動体30aと第1固定電極部21aとの間隙の距離(大きさ)と、可動体30aと第2固定電極部22aとの間隙の距離(大きさ)と、が異なるため、静電容量C1a,C2aも間隙の距離(大きさ)に応じて容量値が異なる。
静電容量C1b,C2bは、可動体30bと、第1固定電極部21b、第2固定電極部22bとの間の間隙(距離)に応じて容量が変化するものである。
たとえば、静電容量C1b,C2bは、傾倒可能な可動体30bが水平である状態、即ち、支持軸Q2を中心に可動領域31b,32bの両側に加速度等が加えられていない状態では同じ容量値となる。換言すると、可動体30bと第1固定電極部21bとの間隙の距離と、可動体30bと第2固定電極部22bとの間隙の距離と、が等しくなり、また、平面視において、可動領域31と第1固定電極部21との重なる面積と、可動領域32と第2固定電極部22との重なる面積と、が等しくなるため、静電容量C1b,C2bの容量値も等しくなる。
また、静電容量C1b,C2bは、可動体30bが支持軸Q2を回転軸に傾倒した状態、即ち、支持軸Q2を中心に可動領域31b,32bに対して加速度が加えられている状態では、可動体30bの傾倒に応じて、静電容量C1b,C2bの容量値が変化する。換言すると、可動体30bと第1固定電極部21bとの間隙の距離と、可動体30bと第2固定電極部22bとの間隙の距離と、が異なるため、静電容量C1b,C2bも間隙の距離に応じて容量値が異なる。
物理量センサー200は、静電容量C1a,C2aの容量値を出力するために第1配線部50a、第2配線部60aと、電極56a、電極66aと、静電容量C1b,C2bの容量値を出力するための第1配線部50b、第2配線部60bと、電極56b、電極66bとが備えられている。
第1配線部50aは、電極56aから延設されている第1共通線52aと、第1共通線52aに設けられている分岐部から第1固定電極部21aに向かって延設し、接続されている第1支線54aで構成されている。また、第2配線部60aは、電極66aから延設されている第2共通線62aと、第2共通線62aから第2固定電極部22aに向かって延設し、接続されている第2支線64aで構成されている。
また、第1配線部50aと第2配線部60aとは、長さが略同一であるため、電気的特性が略同一である。また、平面視において第1配線部50aと第2配線部60aとの形状は互いに非対称に配置されている。
第2共通線62aと、第1支線54aとは、平面視において交差している。第1支線54aは、基板10aの主面12aに設けられている溝部に敷設され、絶縁部材で覆われている。
これにより、溝部に設けられている第1支線54aを、基板10aの主面12aに設けられている第2共通線62aが跨いで空隙をもって交差している。
このことにより、第1配線部50aと第2配線部60aとは、絶縁部材と空隙とによって、電気的に絶縁されることで、短絡などの影響を回避することができる。
また、第1共通線52aと、第2共通線62aとは、略同一な長さで、所望の間隔で近接して、並行するように配設されている。
第1配線部50bは、電極56bから延設されている第1共通線52bと、第1共通線52bから第1固定電極部21bに向かって延設し、接続されている第1支線54bで構成されている。また、第2配線部60bは、電極66bから延設されている第2共通線62bと、第2共通線62bに設けられている分岐部から第2固定電極部22bに向かって延設し、接続されている第2支線64bで構成されている。
また、第1配線部50bと第2配線部60bとは、長さが略同一であるため、電気的特性が略同一である。また、平面視において第1配線部50bと第2配線部60bとの形状は互いに非対称に配置されている。
第1共通線52bと、第2支線64bとは、平面視において交差している。第2支線64bは、基板10aの主面12に設けられている溝部に敷設され、絶縁部材で覆われている。絶縁部材は、たとえば、シリコン酸化物などを用いることができる。
これにより、溝部に設けられている第2支線64bを、基板10aの主面12aに設けられている第1共通線52bが跨いで空隙をもって交差している。
このことにより、第1配線部50bと第2配線部60bとは、絶縁部材と空隙とによって、電気的に絶縁されることで、短絡などの影響を回避することができる。
また、第1共通線52bと、第2共通線62bとは、略同一な長さで、所望の間隔で近接して、並行するように配設されている。
静電容量C1aの容量値(容量変化)は、第1固定電極部21aに接続されている第1配線部50aを通して、電極56aから出力することができる。また、静電容量C2aの容量値(容量変化)は、第2固定電極部22aに接続されている第2配線部60aを通して、電極66aから出力することができる。
また、静電容量C1bの容量値(容量変化)は、第1固定電極部21bに接続されている第1配線部50bを通して、電極56bから出力することができる。また、静電容量C2bの容量値(容量変化)は、第2固定電極部22bに接続されている第2配線部60bを通して、電極66bから出力することができる。
なお、第1配線部50a(第1共通線52a)、第2配線部60a(第2共通線62a、および第2支線64a)、電極56a、電極66a、第1配線部50b(第1共通線52b、および第1支線54b)、第2配線部60b(第2共通線62b)、電極56b、および電極66bは、たとえば、クロム(Cr)を下地膜とし、下地膜に金(Au)などの金属を材料として形成される導電膜を用いることができる。
また、第1支線54a、および第2支線64bは、たとえば、シリコン等で形成される導電性を有する構造体を用いることができる。
本実施形態の物理量センサー200において、支持部36a、固定部34a、および可動体30aと、支持部36b、固定部34b、および可動体30bとを、形成する材料は、たとえば、シリコンによって形成されている。
なお、可動体30a、および可動体30bの材料は、特に限定されることはない。導電性を有する材料で形成することもでき、絶縁性を有する材料で形成することもできる。絶縁性を有する材料で可動体30a、および可動体30bを形成する場合には、第1固定電極部21a、第2固定電極部22a、第1固定電極部21b、および第2固定電極部22bと対向する面に導電性を有する電極膜を形成すれば良い。
(物理量センサー200の動作)
本実施形態の物理量センサー200の動作について説明する。
本実施形態の物理量センサー200は、たとえば、Z軸方向の加速度(たとえば重力加速度)が可動体30aと、可動体30bとに加えられた場合、可動体30aの可動領域31a、および可動領域32aと、可動体30bの可動領域31b、および可動領域32bと、の各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じ、回転モーメントに応じて、可動体30a、および可動体30bが傾倒するように設けられている。
次に、可動体30a,30bの動作と、その動作に伴う静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の変化について説明する。図7は、物理量センサー200に加速度等が加えられた際に生じる可動体30a,30bの動作、および静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の変化について説明するための図である。なお、図7では、物理量センサー200の動作を明確にするために、基板10a、固定部34a,34b、および支持部36a,36b等を省略している。
図7(A)は、物理量センサー200に加速度が加えられていない状態を示している。この状態では、可動体30a、および可動体30bは、水平状態を維持(均衡)している。なお、この状態は、重力加速度が加えられていない状態(無重力状態)にも相当する。
図7(A)に示す状態において、可動体30aと第1固定電極部21aとの間の距離、可動体30aと第2固定電極部22aとの間の距離、可動体30bと第1固定電極部21bとの間の距離、および可動体30bと第2固定電極部22bとの間の距離が等しくなる。これによって、静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値も等しくなる。
図7(B)は、可動体30a、および可動体30bに−Z軸方向に向かう加速度G1が加えられた状態を示している。
これに伴い可動体30aは、支持軸Q1を回転軸とする+Y方向に向かって時計回りの力が作用し、可動体30aに傾きが生じる。換言すると、可動体30aは、支持軸Q1を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域32a側が−Z軸方向に傾倒する。また、可動体30bは、支持軸Q2を回転軸とする+Y方向に向かって反時計回りの力が作用することで、可動体30bに傾きが生じる。換言すると、可動体30bは、支持軸Q2を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域32b側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、第2固定電極部22aと可動体30a(可動領域32a)との間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C2aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C2aと比較して増加する。
他方、第1固定電極部21aと可動体30a(可動領域31a)との間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C1aの容量値が図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C1aと比較して減少する。
また、第2固定電極部22bと可動体30b(可動領域32b)との間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C2bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C2bと比較して増加する。
他方、第1固定電極部21bと可動体30b(可動領域31b)との間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C1bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C1bと比較して減少する。
図7(C)は、可動体30a、および可動体30bに+Z軸方向に向かう加速度G2が加えられた状態を示している。
これに伴い可動体30aは、支持軸Q1を回転軸とする+Y方向に向かって反時計回りの力が作用し、可動体30aに傾きが生じる。換言すると、可動体30aは支持軸Q1を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域31a側が−Z軸方向に傾倒する。また、可動体30bは、支持軸Q2を回転軸とする+Y方向に向かって時計回りの力が作用することで、可動体30bに傾きが生じる。換言すると、可動体30bは支持軸Q2を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域31b側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、第1固定電極部21aと可動体30a(可動領域31a)との間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C1aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C1aと比較して増加する。
他方、第2固定電極部22aと可動体30a(可動領域32a)との間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C2aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C2aと比較して減少する。
また、第1固定電極部21bと可動体30b(可動領域31b)との間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C1bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C1bと比較して増加する。
他方、第2固定電極部22bと可動体30b(可動領域32b)との間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C2bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C2bと比較して減少する。
図7(D)は、可動体30a、および可動体30bに+X軸方向から−X軸方向に向かう加速度G3が加えられた状態を示している。
これに伴い可動体30aは、支持軸Q1を回転軸とする+Y方向に向かって時計回りの力が作用し、可動体30aに傾きが生じる。換言すると、可動体30aは、支持軸Q1を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域32a側が−Z軸方向に傾倒する。また、可動体30bは、支持軸Q2を回転軸とする+Y方向に向かって時計回りの力が作用し、可動体30bに傾きが生じる。換言すると、可動体30bは支持軸Q2を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域31b側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、第2固定電極部22aと、可動体30a(可動領域32a)と、の間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C2aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C2aと比較して増加する。
他方、第1固定電極部21aと、可動体30a(可動領域31a)と、の間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C1aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C1aと比較して減少する。
また、第1固定電極部21bと、可動体30b(可動領域31b)と、の間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C1bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C1bと比較して増加する。
他方、第2固定電極部22bと、可動体30b(可動領域32b)と、の間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C2bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C2bと比較して減少する。
図7(E)は、可動体30a、および可動体30bに−X軸方向から+X軸方向に向かう加速度G4が加えられた状態を示している。
これに伴い可動体30aは、支持軸Q1を回転軸とする+Y方向に向かって反時計回りの力が作用し、可動体30aに傾きが生じる。換言すると、可動体30aは支持軸Q1を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域31a側が−Z軸方向に傾倒する。また、可動体30bは、支持軸Q2を回転軸とする+Y方向に向かって時計回りの力が作用し、可動体30bに傾きが生じる。換言すると、可動体30bは支持軸Q2を回転軸とするシーソー揺動によって可動領域31b側が+Z軸方向に傾倒する。
これにより、第1固定電極部21aと、可動体30a(可動領域31a)と、の間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C1aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C1aと比較して増加する。
他方、第2固定電極部22aと、可動体30a(可動領域32a)と、の間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C2aの容量値が、図7(A)に示した可動体30aが均衡している場合の静電容量C2aと比較して減少する。
また、第2固定電極部22bと、可動体30b(可動領域32b)と、の間隙が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C2bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C2bと比較して増加する。
他方、第1固定電極部21bと、可動体30b(可動領域31b)と、の間隙が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C1bの容量値が、図7(A)に示した可動体30bが均衡している場合の静電容量C1bと比較して減少する。
本実施形態の物理量センサー200は、この静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の変化によって、加速度の大きさと方向を検出することができる。具体的には、4つの容量値の変化の程度から、加速度(G1,G2)の値を検出することができる。
たとえば、図7(A)の状態(加速度が加えられていない状態)で得られる容量値を基準として、図7(B)の状態における容量値の変化を判定することによって、図7(B)の状態で、どの方向に、どの程度の加速度G1が作用しているかを検出することができる。即ち、図7(B)の状態で得られる静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の変化に基づいて、その変化の程度から、加わった加速度G1の値を検出することができる。
同様に、たとえば、図7(A)の状態で得られる容量値を基準として、図7(C)の状態における容量値の変化によって、図7(C)の状態で、どの方向に、どの程度の加速度G2が作用しているかを検出することができる。即ち、図7(C)の状態で得られる静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の変化に基づいて、その変化の程度から、加えられている加速度G2の値を検出することができる。
また、図7(D)、または図7(E)の状態で得られる静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の変化によって、加速度が加えられている方向(加速度G3,G4)の検出が可能になる。
たとえば、可動体30a,30bに加速度G3が加えられているときは、静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の関係は、下記式で表わされる。
C1a<C1b,C2a>C2b
また、可動体30a,30bに加速度G4が加えられているとき、静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の関係は、下記式で表わされる。
C1a>C1b,C2a<C2b
静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの差動をとると、容量値の関係は、下記式で表わされる。
(C1a+C1b)−(C2a+C2b)=0
このような、静電容量C1a,C2a,C1b,C2bの容量値の関係から、加速度が加えられている方向を判断することが可能となり、加速度(G3,G4)の影響を受けずに加速度(G1,G2)の検出をすることが可能となる。
上述のように、物理量センサー200は、加速度センサーやジャイロセンサー等の慣性センサーとして使用することができ、たとえば、Z軸方向の加速度を測定するための静電容量型加速度センサーとして使用することができる。
上述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
このような物理量センサー200によれば、第1固定電極部21aに接続されている第1配線部50aと、第2固定電極部22aに接続されている第2配線部60aとが、非対称な形状に配置され、かつ、電気的特性が互いに略同一である。そして、第1配線部50aに接続されている第1共通線52aと、第2配線部60aに接続されている第2共通線62aとが、略同一の長さで、所望の間隔で近接して、並行するように設けられているため、第1共通線52a(静電容量C1aの容量値)と、第2共通線62a(静電容量C2aの容量値)とに、外乱(静電ノイズ等)が略同一の位相、および略同一の大きさで等しく入力され、第1配線部50a、および第2配線部60aの差動をとることで、検出感度の誤差の要因であるノイズを容量値から打ち消し、加速度を求めることができる。
また、第1固定電極部21bに接続されている第1配線部50bと、第2固定電極部22bに接続されている第2配線部60bとが、非対称な形状に配置され、かつ、電気的特性が互いに略同一である。そして、第1配線部50bに接続されている第1共通線52b(静電容量C1bの容量値)と、第2配線部60bに接続されている第2共通線62b(静電容量C2bの容量値)とが、略同一の長さで、所望の間隔で近接して、並行するように設けられている。第1共通線52bと、第2共通線62bとに、外乱(静電ノイズ等)が略同一の位相、および略同一の大きさで等しく入力され、第1配線部50b、および第2配線部60bの差動をとることで、検出感度の誤差の要因であるノイズを容量値から打ち消し、加速度を求めることができる。
従って、第1配線部50aの一部である第1共通線52a、および第2配線部60aの一部である第2共通線62aと、第1配線部50bの一部である第1共通線52b、および第2配線部60bの一部である第2共通線62bとが、略同一の長さで、所望の間隔で近接して、並行するように設けられることで、物理量センサー200の計測精度を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここでは、異なる部分について説明し、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を付して重複する説明は省略している。
(変形例)
第1実施形態で説明をした物理量センサー100の変形例を、図8を参照して以下に説明する。図8は、物理量センサー101を示す平面図である。図8では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は、重力が作用する方向を示す軸である。
図8に示すように、変形例の物理量センサー101は、可動体30の形状が前述した物理量センサー100と異なっている。
本変形例において、可動体30cの可動領域31c、および可動領域32cには、複数のスリット70がX方向に形成されている。
スリット70は、平面視で可動体30cのY方向に長辺を有する長方の矩形状で可動体30cの厚み(垂直)方向に貫通する形状である。
物理量センサー101によれば、たとえば、大気中に配置されている場合に、物理量センサー101に加速度が加えられることで、可動体30cは、第1実施形態と同様に第1固定電極部21、または第2固定電極部22に傾倒することができる。このとき、大気をスリット70に通過させることで、可動体30cに加わる空気抵抗の影響を抑制することができる。
上述した変形例によれば以下の効果が得られる。
物理量センサー101によれば、可動体30cにスリット70が設けられることで、物理量センサー101に加速度が加わった場合に、可動体30cの傾倒時に空気抵抗の影響を抑制することが可能となり、可動体30cの傾倒動作を円滑に行うことができる。
よって、可動体30cに複数のスリット70が形成されることで物理量センサー101の計測精度を高めることができる。
(実施例)
次いで、本発明の一実施形態にかかる物理量センサー100を適用した実施例について、図9を参照して説明する。
図9(A)は、物理量センサー100が搭載されている電子機器であるビデオカメラを示す斜視図、図9(B)は、物理量センサー100が搭載されている電子機器である携帯電話機を示す斜視図であり、図9(C)は、物理量センサー100が搭載されている移動体である自動車を示す斜視図である。
[電子機器]
図9(A)、(B)に示すように、電子機器としてのビデオカメラ500、および携帯電話機600は、本実施形態にかかる物理量センサー100が搭載されている。
図9(A)に示すビデオカメラ500は、受像部501と、操作部502と、音声入力部503と、表示ユニット504と、が搭載されている。このビデオカメラ500は、物理量センサー100が搭載されており、たとえば3つの物理量センサー100が搭載されていれば、X軸、Y軸、Z軸(不図示)の3方向の加速度あるいは傾斜等を検出して、手ぶれ等を補正する機能を発揮できる。これにより、ビデオカメラ500は、鮮明な動画映像を記録することができる。
また、図9(B)に示す携帯電話機600は、複数の操作ボタン601と、表示ユニット602と、カメラ機構603と、シャッターボタン604と、が搭載されて、電話機、およびカメラとして機能する。この携帯電話機600は、物理量センサー100が搭載されており、たとえば3つの物理量センサー100が搭載されていれば、X軸、Y軸、Z軸(不図示)の3方向の加速度あるいは傾斜等を検出することにより、カメラ機構603の手ぶれ等を補正する機能を発揮できる。これにより、携帯電話機600は、カメラ機構603により鮮明な画像を記録することができる。
なお、本発明の一実施形態にかかる物理量センサー100は、図9(A)のビデオカメラ、図9(B)の携帯電話機の他にも、たとえば、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、デジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(たとえばインクジェットプリンター)、テレビ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(たとえば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(たとえば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
次に、物理量センサー100を用いた移動体について説明する。図9(C)に示すように、移動体700は自動車であって、物理量センサー100が搭載されている。
移動体700において、物理量センサー100は、車体701に搭載されている電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)703に内蔵されている。電子制御ユニット703は、たとえば物理量センサー100が加速度センサーや傾斜センサーとして車体701の状態を検出することにより、移動体700の姿勢や移動状況等を把握し、サスペンション704、およびタイヤ702等の制御を的確に行うことができる。これにより、移動体700は、安全で安定した移動をすることができる。
また、物理量センサー100は、既述した電子機器や移動体に搭載される以外に、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS:Antilock Brake System)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム等の電子制御ユニットに搭載でき、広範な分野に適用可能である。
10,10a…基板、12,12a…主面、14,14a…凹部、18…溝部、19…空隙、20…検出素子、20a…第1固定素子、20b…第2固定素子、21,21a,21b…第1固定電極部、22,22a,22b…第2固定電極部、30,30a,30b,30c…可動体、31,32,31a,31b,31c,32,32a,32b,32c…可動領域、33…開口部、34,34a,34b…固定部、36,36a,36b…支持部、50,50a,50b…第1配線部、52,52a,52b…第1共通線、54,54a,54b…第1支線、56,56a,56b…電極、60,60a,60b…第2配線部、62,62a,62b…第2共通線、64,64a,64b…第2支線、66,66a,66b…電極、70…スリット、80…絶縁部材、100…物理量センサー、101…物理量センサー、200…物理量センサー、500…ビデオカメラ、501…受像部、502…操作部、503…音声入力部、504…表示ユニット、600…携帯電話機、601…複数の操作ボタン、602…表示ユニット、603…カメラ機構、604…シャッターボタン、700…移動体、701…車体、702…タイヤ、703…電子制御ユニット、704…サスペンション。

Claims (9)

  1. 第1固定電極部および第2固定電極部を含む固定電極部と
    第1固定電極部に接続されている第1配線部と、
    第2固定電極部に接続されている第2配線部と、を備え、
    前記第1配線部および前記第2配線部の少なくとも一方には分岐部が設けられ、前記分岐部から延びる一方の配線は前記固定電極部に接続され、前記分岐部から延びる他方の配線は前記第1配線部または前記第2配線部に沿って設けられていることを特徴とする機能素子。
  2. 請求項1に記載の機能素子において、
    前記第1配線部と前記第2配線部とは、第1方向に並行して延びる部分を備え、
    前記第1方向に延びる部分の長さは、前記第1配線部と前記第2配線部とで同じであることを特徴とする機能素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の機能素子において、
    可動電極部を含む可動体を含み、
    前記固定電極部は、前記可動電極部に対向して配置されることを特徴とする機能素子。
  4. 請求項3に記載の機能素子において、
    前記可動体およびそれと対となる前記固定電極部が複数設けられていることを特徴とする機能素子。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機能素子において、
    前記第1配線部および前記第2配線部は、互いに交差する部分を備えることを特徴とする機能素子。
  6. 請求項5に記載の機能素子において、
    前記交差する部分において、前記第1配線部と前記第2配線部との間に絶縁部材が設けられていることを特徴とする機能素子。
  7. 請求項5または請求項6に記載の機能素子において、
    前記交差する部分において、前記第1配線部は基板に設けられた溝の内部に設けられ、前記第2配線部は前記溝上を交差して設けられていることを特徴とする機能素子。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の機能素子が搭載されていることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の機能素子が搭載されていることを特徴とする移動体。
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